JP6338151B2 - 電気溶接装置 - Google Patents

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本発明は、電気溶接装置に関する。
従来において、例えばアルミニウム合金押出形材と鋼製部材との接合体を形成する際に、頭部及び軸部から成る鋼製ピアスメタルが押出形材に打ち込まれ、更にピアスメタルの頭部側と鋼製部材側とからそれぞれ電極を当接させてスポット溶接する形成方法が知られている(特許文献1の請求項1、請求項8、[0062]〜[0065]、図7及び図8参照。)。
特開2013−022622号公報
しかしながら、ピアスメタル等の補助部材の中心からずれた位置において電極が当接、加圧及び通電される可能性があった。補助部材の中心からずれた位置において接合作業がなされると、接合強度が低下することがある。
よって、本発明が解決しようとする課題は、補助部材を介して接合を行う場合に、接合強度を低下させない又は低下させ難い位置において接合可能な電気溶接装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る電気溶接装置は、第1材料を含有して貫通孔を有する第1部材と、第1材料とは異なる第2材料を含有する第2部材とを、第2材料に溶接可能な第3材料を含有して貫通孔に挿入される挿入部と、該挿入部の一端部において径が大きく形成されるフランジとを有する補助部材を介して接合する電気溶接装置であって、補助部材に向って進退可能であり、第2部材と補助部材との間に通電可能な電極と、電極が当接する前に補助部材に当接して電極の進退方向を規制可能なガイドと、を備える。
本発明に係る電気溶接装置において、ガイドにより進退方向を規制された電極が、第2部材と補助部材とに当接して通電することが好ましい。
本発明に係る電気溶接装置において、ガイドが補助部材に当接する際に電極は固定状態から可動状態に切り換えられることが好ましい。
本発明に係る電気溶接装置において、ガイドは電極の周りに少なくとも2つ設けられる挟持部材であり、ガイドが補助部材のフランジを挟むことにより、電極の進退方向が規制されることが好ましい。
本発明に係る電気溶接装置において、ガイドは、電極の周りに少なくとも2つ設けられ、各一端部に移動方向に沿った力を受けると屈曲する屈曲部材であり、ガイドが第1部材に近付く方向に移動すると、ガイドの各一端部が第1部材を摺動し、各一端部間の距離が小さくなって補助部材のフランジを挟むことにより、電極の進退方向が規制されることが好ましい。
本発明に係る電気溶接装置において、ガイドは、電極を囲んで設けられ、又は電極の周りに少なくとも2つ設けられ、第1部材側の端部が電極に向ってかつ第1部材から離れる方向に延在する突出部を有するテーパ部材であり、ガイドが第1部材に近付く方向に移動すると、ガイドの突出部が補助部材のフランジの周縁部を摺動することにより、電極の進退方向が規制されることが好ましい。
本発明によると、ガイドが補助部材に当接することによって電極の進退方向の規制が可能である。よって、補助部材を介した接合において、進退方向が規制された電極によって接合強度を低下させない又は低下させ難い位置で接合が可能な電気溶接装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る電気溶接装置を用いることのできる車両を示す斜視図である。 図2は、図1のA部分の断面概略図である。 図3は、車両の製造工程を示すフローチャートである。 図4は、本発明に係る電気溶接装置の一実施形態を示す斜視図である。 図5は、図4に示す電気溶接装置を駆動させた状態を示す斜視図である。 図6は、図5に示す電気溶接装置を更に駆動させた状態を示す斜視図である。 図7は、挟持部材の先端部と補助部材のフランジとを平面視した模式図である。図7(A)は駆動前の挟持部材の先端部を示す模式図であり、図7(B)は駆動中の挟持部材の先端部を示す模式図であり、図7(C)は駆動後の挟持部材の先端部を示す模式図である。 図8は、第1電極及び摺動部材の先端部と、第1部材、第2部材及び補助部材を側方視した一部断面概略図である。図8(A)は駆動前の摺動部材と接合される部材とを示す断面概略図であり、図8(B)は駆動中の摺動部材と接合される部材とを示す断面概略図であり、図8(C)は駆動後の摺動部材と接合される部材とを示す断面概略図である。 図9は、第1電極及びテーパ部材の先端部と、第1部材、第2部材及び補助部材を側方視した一部断面概略図である。図9(A)は駆動前のテーパ部材と接合される部材とを示す断面概略図であり、図9(B)は駆動中のテーパ部材と接合される部材とを示す断面概略図であり、図9(C)は駆動後のテーパ部材と接合される部材とを示す断面概略図である。
本発明に係る電気溶接装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(1)車両における本発明の使用可能部位
本発明に係る電気溶接装置は、例えば車両のボディ部分及びルーフ部分等を製造する際に、異なる種類の金属間の溶接に適用することができる。本発明に係る電気溶接装置の一実施形態を適用可能な部位の一例として、図1に車体の上部及び側部となる構造体を示した。
図1に示すように、前後方向に延在する表皮部材のサイドシル901と、サイドシル901の前端部から上方に延在し、フロントガラスの側方を支持するヒンジピラー902と、サイドシル901の中央部から上方に延在するセンターピラー903とが一体的に形成されている。サイドシル901、ヒンジピラー902、及びセンターピラー903は、車体の上部及び側部の枠体であり、各枠体の間にはボディ部分及びルーフ部分等を形成する金属板、及びガラス等が溶接又は嵌め込まれている。例えばヒンジピラー902と、ルーフ部分を形成するルーフパネル904とは溶接により固定される。
また、図1のA部分の断面概略図である図2に示すように、ヒンジピラー902における車外側の表皮部分と、ルーフパネル904とが接合されている。
なお、図1及び図2には図示していないが、ヒンジピラー902の内部には、車外側の表皮部材であるアウタパネル、補強用の中間部材であるレインフォースメント、車内側の表皮部材であるインナパネル等が設けられている。
ヒンジピラー902の表皮部分と、ルーフパネル904とは、溶接によって接合されるが、それぞれが異なる金属で形成されていることが多く、直接溶接しようとしても高い溶接強度を確保することが困難であった。
よって、本実施形態に係る電気溶接装置は、例えばヒンジピラー902とルーフパネル904との補助部材4を介した溶接に適用することができる。
なお、図2のヒンジピラー902とルーフパネル904との接合部位に配置される補助部材4については、後述する。
(2)車両製造時における本発明の適用時期
本発明に係る電気溶接装置は、例えばプレス成形された車両のボディ部分及びルーフ部分等と成る部品を溶接する際に使用することができる。図3には、車両の製造工程を示すフローチャートを示した。
図3に示すように、車両の製造工程としては、例えば部品プレス成形工程S1、車体溶接工程S2、車体塗装工程S3、及び組付工程S4を挙げることができる。部品プレス成形工程S1は、ボディ部分及びルーフ部分となる部品をそれぞれの形状にプレス成形する工程である。車体溶接工程S2は、部品プレス成形工程S1でプレス成形された複数の部品を集めて溶接する工程である。車体塗装工程S3は、溶接されて外形がある程度完成したボディ部分及びルーフ部分等の外面を塗装する工程である。組付工程S4は、塗装体にエンジン、タイヤ、補機、及び内装材等を取り付ける工程である。
本実施形態に係る電気溶接装置は、車体溶接工程S2の溶接時に適用可能である。
なお、補助部材4は予め接合部材の一方に打ち込んでおく必要がある。補助部材4の打ち込みは、部品プレス成形工程S1のプレス成形前から車体溶接工程S2の溶接前までの間に行うことができる。補助部材4を打ち込む部位が部品プレス成形工程S1を経ても変形しない部位である場合は、部品プレス成形工程S1の前から補助部材4を打ち込んでおくことができる。逆に、補助部材4を打ち込む部位が部品プレス成形工程S1によって変形する部位である場合は、部品プレス成形工程S1の後から車体溶接工程S2までの間に補助部材4が打ち込まれる。
(3)電気溶接装置
図4〜図6には、本発明に係る電気溶接装置の一実施形態が斜視図として示されている。なお、図4には初期状態の電気溶接装置1を示し、図5及び図6には駆動状態の電気溶接装置1を示している。
先ず、電気溶接装置1は、図4に示すように、第1部材2と第2部材3とを補助部材4を介して接合する場合に用いられる。
第1部材2は、第1材料を含有し、貫通孔5を有する板状部材である。本実施形態において貫通孔5は円形状を成しているが、特に限定されず、楕円形、矩形及び多角形等の形状を採用し得る。また、貫通孔5の径についても特に制限は無く、接合される部材に要求される強度、靭性及び弾性等に応じて決定されれば良い。
第2部材3は、第1材料とは異なる第2材料を含有する板状部材である。本実施形態においては、第2部材3は、貫通孔5のような補助部材4の係合する部位を有していないが、接合前の各部材の位置決めを容易にするために凹部等を形成しておいても良い。
補助部材4は、第2材料に溶接可能な第3材料を含有し、挿入部41とフランジ42とを有する部材である。
挿入部41は、貫通孔5に挿入される部位である。挿入部41は、中心軸線に沿った大きさ、径及び断面形状が貫通孔5に合わせて形成されるのが好ましい。本実施形態において挿入部41は、中心軸線に沿った大きさが第1部材2の厚みと略同一であり、外径が貫通孔5の内径と略同一であり、全体として円盤形状又は円柱形状に形成されている。
また、フランジ42は、挿入部41の一端部において径が大きく形成されて成り、円盤形状を有する部位である。フランジ42は、第1部材2と第2部材3との接合後に、第2部材3を第1部材2に対して押さえ付ける部位であるので、接合後に第2部材3を保持可能である限り該フランジ42の径及び形状は限定されない。
(3−1)各部材の材料
ここで、第1部材2、第2部材3及び補助部材4の各材料について説明する。
第1部材2の材料である第1材料と、第2部材3の材料である第2材料との組合せとしては、溶接が困難な材料の組合せ、又は、溶接しても例えば車両用部品として使用に耐え得る溶接強度を得ることが困難な材料の組合せが挙げられる。具体的には、第1材料及び第2材料の組合せとして、例えば一方がアルミニウム、アルミニウム系材料、マグネシウム、マグネシウム系材料又は繊維強化プラスチック等であり、他方が鉄又は鉄系材料である組合せ等を採用することができる。
補助部材4の材料である第3材料は、第2材料に溶接可能な材料、好ましくは車両用部品としての使用に耐え得る溶接強度を以って第2材料に溶接可能な材料である。第3材料は、第2材料が決定されると、第2材料に応じて適当な材料が決定される。
電気溶接装置1を用いて接合される異材接合体を車両用部品として用いる場合、第1材料、第2材料及び第3材料の組合せとして好ましいのは、第1材料がアルミニウム、アルミニウム系材料、マグネシウム、マグネシウム系材料又は繊維強化プラスチックであり、第2材料及び第3材料が鉄又は鉄系材料である。
なお、上述の溶接が困難であること、及び、溶接が可能であることというのは、例えば通電を伴う溶接、具体的には車両用部品の製造に多く用いられるスポット溶接を電気溶接装置1によって溶接する場合についての、溶接の可否を意味している。つまり、第1材料と第2材料とは、通電を伴う溶接が困難であり、第2材料と第3材料とは通電を伴う溶接が可能である。
(3−2)電気溶接装置の概要
図4に示す電気溶接装置1を用いる準備作業として、第1部材2、第2部材3及び補助部材4を配置する。具体的には、第1部材2の貫通孔5に補助部材4の挿入部41を挿入し、更に第1部材2における補助部材4のフランジ42が係合する面とは反対面に対して第2部材3が面接触するように配置される。このとき、第1部材2及び第2部材3は位置決めされ、第2部材3において溶接される部位に挿入部41の先端面が当接している。配置された第1部材2及び第2部材3は、相互にずれないように、クランプ等の保持部材によって固定しておくのが好ましい。
図4に示すように、電気溶接装置1は、第1電極E1と、第2電極E2と、挟持部材6とを備える。
第1電極E1及び第2電極E2は、第2部材3と補助部材4との間に通電可能な部材である。第1部材2等よりも図4における上方に第1電極E1が配置され、下方に第2電極E2が配置されている。第1電極E1と第2電極E2との間に、第2部材3及び補助部材4を挟み込んで通電することによって、第2部材3及び補助部材4に抵抗熱を発生させて両部材の接触部位において溶着することができる。
本実施形態では、図4に示す通電前の初期状態において第2電極E2が第2部材3に予め当接して配置されている。
なお、第1電極E1及び第2電極E2は、本発明に係る電気溶接装置における電極の一例である。
挟持部材6は、補助部材4に当接することによって第1電極E1の進退方向を規制することができる部材である。具体的には、挟持部材6は、第1挟持部材61と、第2挟持部材62とを有する。また、挟持部材6は、第1回動部材81及び第2回動部材82を介してガイド基部7に取付けられている。第1挟持部材61は第1回動部材81から下方に延在し、第2挟持部材62は第2回動部材82から下方に延在している。
なお、挟持部材6は、本発明に係る電気溶接装置におけるガイドの一例である。
第1挟持部材61及び第2挟持部材62は、第1回動部材81及び第2回動部材82からそれぞれ延在している部位が略矩形柱形状を成し、図4に示すX軸及びZ軸によって形成される平面と略平行になるように各先端部が屈曲している。なお、本実施形態においては、第1部材2及び第2部材3も、X軸及びZ軸を含む平面と略平行になるように配置されている。
また、第1挟持部材61及び第2挟持部材62における各先端部の対向する部位は、切り欠かれて成る当接部91を有する。
ガイド基部7は、適宜のシリンダ、ピストン及びモータ等の駆動部材(図示せず)によって、Y軸方向に沿って往復動可能な部材である。ガイド基部7がY軸方向に沿って往復動することにより、ガイド基部7に取付けられた第1挟持部材61、第2挟持部材62、第1回動部材81及び第2回動部材82がY軸方向に沿って往復動する。
第1回動部材81及び第2回動部材82は、適宜のモータ等を内蔵する筒状部材であり、Y軸に沿った中心軸の周りをそれぞれ独立して回動可能である。第1回動部材81が回動することによって、第1挟持部材61がY軸に沿った中心軸の周りを回動することができる。また、第2回動部材82が回動することによって、第2挟持部材62がY軸に沿った軸線を中心として回動することができる。
第1回動部材81と第2回動部材82とが相互に逆方向に回動することによって、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔が増減することになる。第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔が小さくなると、各先端部に形成される当接部91が補助部材4のフランジ42の周縁部に当接することになる。よって、挟持部材6は、当接部91がフランジ42に当接することによって、補助部材4を挟持することができる。
本実施形態においては、第1電極E1とガイド基部7とは、それぞれ独立してY軸に沿って往復動可能となっている。
また、第1電極E1とガイド基部7とは、図4には図示しない上方において連結されている。これにより、挟持部材6を介してガイド基部7が例えばX軸方向及びZ軸方向への応力を受けて移動する場合、ガイド基部7に連結される第1電極E1もガイド基部7の移動方向と同一方向、及び移動距離と同一距離だけ移動することになる。例えば挟持部材6が補助部材4を挟持した際に、第1回動部材81又は第2回動部材82のトルクによって、第1電極E1及びガイド基部7はX軸及びZ軸を含む平面上において種々の方向に移動可能である。
次に、図5及び図6を参照しつつ、電気溶接装置1の使用方法、各部材の動作及びその作用について説明する。
先ず、図4に示した初期状態において、上述したように第1部材2、第2部材3及び補助部材4を所定位置に配置し、第1部材2及び第2部材3をクランプ等によって固定しておく。また、補助部材4のフランジ42が第1挟持部材61と第2挟持部材62との間に収まる程度に、第1回動部材81及び第2回動部材82を回動させて挟持部材6の開き度合いを調節しておくのが好ましい。
次いで、ガイド基部7をY軸に沿って図5における下方に移動させる。ガイド基部7は、挟持部材6が補助部材4のフランジ42を挟持可能な位置まで降下すれば良く、降下の停止形態は特に制限されない。ガイド基部7の降下形態としては、例えば挟持部材6の先端部と第1部材2との距離を計測した上で降下距離を予め設定されて降下が自動で停止するようになっている形態、挟持部材6の先端部が第1部材2に当接することによってガイド基部7が第1部材2から受ける抗力をセンサ等によって検知し、降下を停止する形態、又は、作業者がガイド基部7を視認しつつ直接操作信号を入力することによってガイド基部7を降下させる形態等を挙げることができる。
本実施形態においては、ガイド基部7を移動させて挟持部材6を第1部材2に接触させただけでは第1電極E1の進退方向の規制は完了していない。ここで、挟持部材6における当接部91を補助部材4のフランジ42に対して当接させる。具体的には、図5に示すように、第1回動部材81と第2回動部材82とを相互に逆方向に回動させることによって、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔が狭まる。これにより、第1挟持部材61及び第2挟持部材62の各先端部において対向する部位に形成される当接部91が、フランジ42の周縁部を挟みこむようにして当接することができる。
当接部91がフランジ42を挟み込んで当接すると、第1電極E1の進退方向の規制が完了する。つまり、挟持部材6がフランジ42を挟持すると、フランジ42に対する挟持部材6の位置が固定される。挟持部材6の固定された位置に基づいて、ガイド基部7及び第1電極E1も溶接に好ましい位置に固定される。以上により、第1電極E1の進退方向が規制される。
進退方向が規制された第1電極E1のY軸に沿った中心軸線と、補助部材4の中心軸線と、第2電極E2の中心軸線とは、一致又は略一致する。
次いで、図6に示すように、進退方向の規制された第1電極E1をY軸に沿って図4における下方に移動させる。第1電極E1は、その先端部が補助部材4のフランジ42に当接するまで降下する。更に、電気溶接装置1を用いたスポット溶接は、第1電極E1を補助部材4におけるフランジ42の表面に圧接し、第2電極E2を第2部材3の表面に圧接すると共に、第2部材3と補助部材4との間に通電することにより達成される。これにより、第2部材3と補助部材4の先端面との接触部位が溶着する。よって、補助部材4が第2部材3に対して固定され、更にフランジ42によって第1部材2が保持された状態となるので、全体として第1部材2と第2部材3とが補助部材4を介して接合されたことになる。
本実施形態においては、図6に示すように、溶接の際に挟持部材6がフランジ42を挟持し続けているので、進退方向が規制された第1電極E1の位置がずれることが無い。挟持部材6は通電される補助部材4に当接しているので、例えば挟持部材6全体が絶縁及び耐熱材料で形成されている形態、又は、少なくとも挟持部材6における当接部91及び第2部材3との接触部位に絶縁部が設けられている形態であれば良い。
以上により、電気溶接装置1を使用した場合において、第1電極E1の進退方向の規制と溶接とが達成される。
(4)電極の進退方向の規制
次に、図7を参照しつつ、図4〜6に示した電気溶接装置1の第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとが一致していない場合において、第1電極E1の進退方向の規制工程について詳述する。第1電極E1の中心軸線EY、及び、補助部材4の中心軸線4Yは、それぞれY軸に沿った仮想線である。図7において、軸線EYの位置は白抜きの円で示し、軸線4Yの位置は黒色の円で示す。
図7は、挟持部材6の先端部と補助部材4のフランジ42とを平面視した模式図である。図7(A)は駆動前の挟持部材6の先端部を示す模式図であり、図7(B)は駆動中の挟持部材6の先端部を示す模式図であり、図7(C)は駆動後の挟持部材6の先端部を示す模式図である。
図7(A)に示すように、本実施形態における当接部91は、平面視矩形の第1挟持部材61及び第2挟持部材62の先端部における対向する部位が、それぞれ三角形状に切欠かれることによって形成される縁部である。当接部91は、X軸及びZ軸に対して約45°傾斜して形成され、4方向に面する部位である。これにより、挟持部材6が補助部材4を挟持するだけで、X軸及びZ軸に対する第1電極E1の進退方向の規制が完了となる。
図7(A)に示す状態においては第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとが一致していない。この第1電極E1と補助部材4とがずれた状態でスポット溶接を行うと、第2部材3と補助部材4との間で十分な通電を実現することができず、結果として小さい溶着面積しか得ることができないことがある。これにより、所望の溶接強度を得ることが困難となる。よって、図7(B)及び図7(C)に示す第1電極E1の進退方向の規制が必要であり、かつ重要な作業となる。
次いで、図7(B)に示すように、第1挟持部材61及び第2挟持部材62が、相互に近付く方向にそれぞれ移動する。本実施形態においては、第1挟持部材61及び第2挟持部材62の移動速度は同一であることとする。
図7(A)に示したように、第1電極E1の進退方向が規制される前状態において、フランジ42の周縁部までの最短距離を比較すると、第2挟持部材62よりも第1挟持部材61がフランジ42に近い位置に配置されている。よって、第1挟持部材61及び第2挟持部材62がそれぞれ移動すると、図7(B)に示すように、第1挟持部材61が第2挟持部材62より先にフランジ42に対して当接することになる。
図7(B)に示す時点では、未だ第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとが一致していないので、第1電極E1の進退方向の規制は完了していない。
図7(C)に示すように、第1挟持部材61の当接部91が補助部材4のフランジ42の周縁部に当接した後も、第1挟持部材61及び第2挟持部材62の回動は継続される。このとき、第1挟持部材61は、固定されて成る第2部材3に係合する補助部材4によって、その移動が阻止される。よって、第2挟持部材62のみが、第2挟持部材62の当接部91がフランジ42に当接するまで移動することになる。
なお、第1部材2及び第2部材3は上述したように固定されている。よって、第1部材2の貫通孔5に挿入部41が挿入される補助部材4は、Y軸方向への応力が作用しない限り、補助部材4が第1部材2から脱落しない又はし難い。よって、本実施形態においては、挟持部材6が補助部材4に当接する際に、補助部材4に対してX軸方向及びZ軸方向の応力が作用するに過ぎないので、補助部材4が脱落しない又はし難い。
第1挟持部材61が補助部材4に当接してから、第2挟持部材62が補助部材4に当接するまで間に生じる第1回動部材81及び第2回動部材82のトルク又は回転量等が、サーボモータ制御によって検知される。検知されたトルクに基づいて、補助部材4の中心軸線4Yの位置を基準位置としたときの、第1電極E1の中心軸線EYのX軸方向及びZ軸方向へのズレを導出する。電気溶接装置1が取付けられて成るロボットアーム(図示せず)を調整することによって、導出されたズレを無くす又は小さくする方向に第1電極E1を移動させることができる。これにより、第1電極E1の中心軸線EYが補助部材4の中心軸線4Yに一致又は略一致するので、第1電極E1を図4〜図7におけるY軸に沿って移動させるだけで補助部材4の中心部に当接及び溶接可能である。
以上により、第1電極E1の進退方向の規制が完了する。
なお、本実施形態においては、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4YとがZ軸方向にのみズレが生じている場合を示した。仮に、電気溶接装置1における装置の特性等に起因して特定の方向にのみズレが生じ易いと予め判明している場合は、当接部91等のように補助部材4に対して4方向から当接する必要は無く、例えばズレが生じ易い方向に対して直交する面を有する当接部を設けておけば良い。本実施形態では様々な方向へのズレを想定しているので、全ての方向へのズレを修正可能な当接部91を有する挟持部材6が設けられている。
(5)ズレの修正形態の変形例
(5−1)挟持部材6を用いたズレの修正形態
上述した実施形態においては、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとのズレの大きさを第1回動部材81及び第2回動部材82のトルク又は回転量等から一旦導出して、そのズレを修正するために第1電極E1を移動させている。
電気溶接装置1が取付けられるロボットアームは、第1電極E1を接合する部材の近傍まで移動させた後は基本的に略固定状態にされる。しかしながら、ロボットアームの先端部分に配置される第1電極E1及びガイド基部7等は、図4〜図7に示したX軸方向及びZ軸方向に応力が作用すると、若干移動可能であることが多い。よって、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとが一致していない場合に、ズレが生じている方向と逆方向に第1電極E1に対して応力を作用させることによって、ズレを無くす又は小さくすることができる。
なお、このとき好ましくはロボットアームの電気溶接装置1が取付けられる先端部分を略固定状態から可動状態に一旦切り換えておくのが良い。これにより、種々のガイドによる第1電極E1の進退方向を規制する際に、第1電極E1の位置等を微調整するのに大きな応力を作用させる必要がなくなり、正確かつ円滑な進退方向の規制が可能になる。なお、規制が完了次第、略固定状態に戻しておくことにより、規制状態にズレ等が生じないので好ましい。
具体的には、予め電気溶接装置1の構造として、第1電極E1の中心軸線EYが、第1挟持部材61と第2挟持部材62とのZ軸方向における略中央部に位置する状態が常に維持されるようにしておく。
更に、図7(B)に示した状態から、第2回動部材82は回動動作を停止することによって第2挟持部材62は固定しておく。
次に、第1回動部材81のみを回動させることによって、第1挟持部材61を第2挟持部材62に対して近付ける方向に移動させようとする。しかしながら、補助部材4は略固定状態にある。よって、第1回動部材81のトルクに基づいた第1挟持部材61から補助部材4に対して作用する応力は、大きさが同一で逆方向に反作用の力として第1挟持部材61に作用する。該反作用として第1挟持部材61が受ける応力の大きさ、つまり第1回動部材81のトルクが、第1電極E1及びガイド基部7を移動させることのできる程度の大きさであれば、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔を狭めることができる。
すなわち、第1挟持部材61が、ガイド基部7及び第1電極E1に対して第1回動部材81のトルク分の応力を作用させる。応力を受けたガイド基部7及び第1電極E1が、基準位置である補助部材4の中心軸線4Yに対して、ズレが無くなる方向に移動する。よって、第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔が狭まり、結果として第1挟持部材61の当接部91だけでなく、第2挟持部材62の当接部91もフランジ42に当接する。
したがって、図7(B)に示す状態から、第2挟持部材62が停止し、第1挟持部材61が移動しようとすると、第1挟持部材61及び第2挟持部材62のZ軸方向の略中央部に位置する第1電極E1の中心軸線EYが、補助部材4の中心軸線4Yに近付く方向に移動する。第1回動部材81の回動動作は、第1電極E1の中心軸線EYが補助部材4の中心軸線4Yに一致又は略一致するまで継続される。
以上により、第1電極E1の進退方向の規制が完了する。
該変形例による第1電極E1の進退方向の規制は、第1回動部材81のトルクによってガイド基部7及び第1電極E1を移動させることによって達成される。つまり、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとのズレの大きさを導出することなく、第1回動部材81の回動によってズレを無くす又は小さくすることができるので、サーボモータ制御等を用いる必要が無く、装置構造及び進退方向の規制工程の簡素化を図ることができる。
(5−2)ガイドの第1変形例
図8に示す実施形態は、図4〜図7に示した実施形態における挟持部材6に代えて、摺動部材10を用いている。その他の点においては、同一部材を用いているので、同一の参照符号を付すと共に、詳細な説明を省略する。なお、摺動部材10は、本発明に係る電気溶接装置のガイドの一例であると共に、屈曲部材の一例でもある。
なお、図8に示す実施形態においても、図4〜図7に示した実施形態と同様に、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4YとはZ軸方向にのみズレが生じていることとする。
図8は、第1電極E1及び摺動部材10の先端部と、第1部材2、第2部材3及び補助部材4を側方視した一部断面概略図である。図8(A)は駆動前の摺動部材10と接合される部材とを示す断面概略図であり、図8(B)は駆動中の摺動部材10と接合される部材とを示す断面概略図であり、図8(C)は駆動後の摺動部材10と接合される部材とを示す断面概略図である。
摺動部材10は、第1摺動部材10Aと、第2摺動部材10Bとを有する。第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bは、2つの同一部材を、位置及び方向を変えて配置しているだけである。第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bは、第1電極E1を囲むように配置され、それぞれ非屈曲部101と屈曲部102とを有している。第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bは、それぞれが全体として板状部材であり、第2部材3近傍において屈曲している。
図8に示すように、第1摺動部材10Aにおける非屈曲部101から当接部92までのZ軸に沿った距離をD1とし、第2摺動部材10Bにおける非屈曲部101から当接部92までのZ軸に沿った距離をD2とし、補助部材4のフランジ42の外径をD3とし、第1摺動部材10Aの非屈曲部101から対向して配置される第2摺動部材10Bの非屈曲部101までのZ軸に沿った距離をD4とする。
また、図8に示す実施形態においても、電気溶接装置1の構造として、第1電極E1の中心軸線EYが、第1摺動部材10Aと第2摺動部材10BとのZ軸方向における略中央部に位置する状態が常に維持されるようにしておく。
非屈曲部101は、Y軸方向に沿って延在する板状部であり、進退方向を規制するときに作用する応力によっては変形しないように形成されている。
また、屈曲部102は、非屈曲部101の先端部から第1部材2に向って延在し、図8(A)に示す初期状態においては第1電極E1に向って屈曲するように形成されている。屈曲部102は、例えばY軸方向に沿った応力を受けると、非屈曲部101と屈曲部102との成す角度が可変であるように形成されている。つまり、第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bは、先端部に形成される屈曲部102の非屈曲部101に対する屈曲角度が増減するように変形可能になっている。
なお、屈曲部102は屈曲角度を可変に形成されるが、屈曲部102自体は、進退方向を規制するときに作用する応力によっても湾曲又は屈曲等の変形を生じない板状部であるのが好ましい。
更に、各屈曲部102の先端部が、補助部材4に当接可能な当接部92として形成されている。
第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bとしては、例えば屈曲部102のみが屈曲可能な板バネを用いても良く、非屈曲部101と屈曲部102とを別体の板状部材として形成し、非屈曲部101と屈曲部102とを丁番等によって屈曲及び復元可能な構造としても良い。
図8(A)に示す状態においては、当接部92はいずれの部材にも当接していない。このとき、全ての当接部92がフランジ42に当接していないので、D1とD2とD3との総和はD4よりも小さい。
第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bは、Y軸方向に沿って往復動可能な部材である。図8に示す実施形態において、第1電極E1の進退方向を規制するには、摺動部材10をY軸方向に沿って第1部材2に向って移動させれば良い。
続いて、図8(A)に示す状態から摺動部材10を第1部材2に向かって移動させると、先ず当接部92が第1部材2に当接する。摺動部材10を更に移動させ続けると、屈曲部102が第1部材2からY軸方向への応力を受けるので、非屈曲部101と屈曲部102との屈曲角度が減少するように屈曲部102が変位する。このとき、当接部92は、第1部材2の表面を補助部材4に向かって摺動する。第1部材2の表面を摺動する当接部92は、図8(B)に示すように、フランジ42の周縁部に当接する。第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとはズレが生じているので、補助部材4の中心軸線4Yを基準位置とした場合のズレの方向とは逆側に配置される第1摺動部材10Aの当接部92が、第2摺動部材10Bの当接部92よりも先にフランジ42に当接する。
このとき、第2摺動部材10Bの当接部92がフランジ42に当接していないので、D1とD2とD3との総和はD4よりも小さい。
次に、図8(B)に示した状態から、摺動部材10を第1部材2に向かって更に移動させる。第2摺動部材10Bにおける当接部92はいずれの部材にも当接しないまま、屈曲部102は第1部材2の表面を摺動する。
これに対して、第1摺動部材10Aが第1部材2に向かって移動しようとする力が、第1摺動部材10Aにおける屈曲部102の当接部92を介して、フランジ42に対してZ軸方向に作用する。しかしながら、第1摺動部材10Aが第1部材2に向かって移動しようとしても、第1摺動部材10Aの当接部92が既に当接している補助部材4は略固定状態にある。これにより、第1摺動部材10Aの屈曲部102から補助部材4に対して作用する応力は、そのまま反作用の力として第1摺動部材10Aに作用する。該反作用として第1摺動部材10Aが受ける応力の大きさが、第1電極E1を移動させることのできる程度の大きさであれば、第1摺動部材10Aの当接部92と第2摺動部材10Bの当接部92との間隔を狭めることができる。
すなわち、当接部92が当接する補助部材4が固定されていることによって、第1摺動部材10Aは、第1摺動部材10Aが第1部材2に向って移動しようとする応力を、第1電極E1に対して作用させることになる。第1電極E1が応力を受けると、基準位置である補助部材4の中心軸線4Yに対して、ズレが無くなる方向に移動する。よって第1摺動部材10Aの当接部92と第2摺動部材10Bの当接部92との間隔が狭まり、結果として図8(C)に示すように、第1摺動部材10Aの当接部92だけでなく、第2摺動部材10Bの当接部92もフランジ42に当接する。
したがって、図8(B)に示す状態から、摺動部材10が第1部材2に向かって移動しようとすると、第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bの間におけるZ軸方向の略中央部に位置する第1電極E1の中心軸線EYが、補助部材4の中心軸線4Yに近付く方向に移動する。摺動部材10の第1部材2に向かう移動は、第1電極E1の中心軸線EYが補助部材4の中心軸線4Yに一致又は略一致するまで継続される。
第1電極E1の中心軸線EYが補助部材4の中心軸線4Yに一致又は略一致したとき、第1摺動部材10A及び第2摺動部材10Bの各当接部92がフランジ42に当接しているので、D1とD2とD3との総和はD4に等しくなる。つまり、図8に示す実施形態においては、D1とD2とD3との総和はD4に等しくなるまで摺動部材10を第1部材2に向って移動させることにより、第1電極E1の進退方向を規制することができる。
以上により、図8に示す実施形態における第1電極E1の進退方向の規制が完了する。
なお、図8に示す実施形態のように、ガイドが第1部材に向う応力を、電極の進退方向の規制のために転換することができる限り、上述の摺動部材10のような板状部材、又は、板状部材と同様の機能を有する適宜の形態の部材は、少なくとも2つ設けられていれば良い。
該変形例による第1電極E1の進退方向の規制は、摺動部材10が第1部材2に向って移動する力によってガイド基部7及び第1電極E1を移動させることで達成される。つまり、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとのズレの大きさを導出することなく、摺動部材10の移動によってズレを無くす又は小さくすることができるので、サーボモータ制御等を用いる必要が無く、装置構造及び進退方向の規制工程の簡素化を図ることができる。
(5−3)ガイドの第2変形例
図9に示す実施形態は、図4〜図7に示した実施形態における挟持部材6に代えて、テーパ部材11を用いている。その他の点においては、同一部材を用いているので、同一の参照符号を付すと共に、詳細な説明を省略する。なお、テーパ部材11は、本発明に係る電気溶接装置のガイドの一例であると共に、テーパ部材の一例でもある。
なお、図9に示す実施形態においても、図4〜図7に示した実施形態と同様に、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4YとはZ軸方向にのみズレが生じていることとする。
図9は、第1電極E1及びテーパ部材11の先端部と、第1部材2、第2部材3及び補助部材4を側方視した一部断面概略図である。図9(A)は駆動前のテーパ部材11と接合される部材とを示す断面概略図であり、図9(B)は駆動中のテーパ部材11と接合される部材とを示す断面概略図であり、図9(C)は駆動後のテーパ部材11と接合される部材とを示す断面概略図である。
テーパ部材11は、第1電極E1を囲んで配置される筒体であり、筒部111と突出部112とを有している。
また、図9に示す実施形態においても、電気溶接装置1の構造として、第1電極E1の中心軸線EYが、テーパ部材11のZ軸方向における略中央部に位置する状態、つまりテーパ部材11の中心軸線に一致又は略一致する状態が常に維持されるようにしておく。
筒部111は、Y軸方向に沿って延在する円筒体であり、進退方向を規制するときに作用する応力によっては変形しないように形成されている。
また、突出部112は、筒部111の先端部から第1電極E1に向って、かつ第1部材2から離れる方向に延在する部位である。突出部112は、図9(A)に示すように、第1部材2に直交するY軸に対して傾斜して成るテーパ面を有するように、筒部111の先端部から内側に張り出して形成されている。また、突出部112は、第1電極E1の進退方向を規制するときに作用する応力によっては変形しないように形成されている。突出部112は、筒状部材であるテーパ部材11の端部であるので、開口して形成される。該開口部分には第1電極E1が挿通可能であり、例えば進退方向の規制完了後の第1電極E1が補助部材4に向って移動するときに突出部112の開口部分を介して突出することができる。
更に、テーパ部材11の突出部112における第1部材2側の面が、補助部材4に当接可能な当接部93として形成されている。
テーパ部材11としては、例えば全体が強度の高い材料で形成される筒状体として形成されても良く、図9に示すテーパ部材11の断面と略同形状の板状部材を第1電極E1の周囲に少なくとも2つ配置しても良い。
図9(A)に示す状態においては、当接部93は補助部材4に当接していない。テーパ部材11は、Y軸方向に沿って往復動可能な部材である。図9に示す実施形態において、第1電極E1の進退方向を規制するには、テーパ部材11をY軸方向に沿って第1部材2に向って移動させる。
図9(A)に示す状態からテーパ部材11を第1部材2に向かって移動させると、図9(B)に示すように、先ず当接部93の一部が補助部材4のフランジ42に当接する。第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとはズレが生じているので、補助部材4の中心軸線4Yを基準位置とした場合のズレの方向とは逆側に位置する突出部112のテーパ面である当接部93がフランジ42に当接する。このとき、当接部93とフランジ42とは一点において接触している状態である。
次に、図9(B)に示した状態から、テーパ部材11を第1部材2に向かって更に移動させる。テーパ部材11が第1部材2に向かって移動しようとする力が、当接部93を介して、フランジ42に対してZ軸方向に作用する。しかしながら、テーパ部材11の突出部112が既に当接している補助部材4は略固定状態にある。これにより、テーパ部材11の突出部112から補助部材4に対して作用する応力は、そのまま反作用の力としてテーパ部材11に作用する。該反作用としてテーパ部材11が受ける応力の大きさが、第1電極E1を移動させることのできる程度の大きさであれば、テーパ部材11及び第1電極E1全体が移動することになる。
すなわち、当接部93が当接する補助部材4が固定されていることによって、テーパ部材11は、テーパ部材11が第1部材2に向って移動しようとする応力を、第1電極E1に対して作用させることになる。第1電極E1は、該応力を受けることによって、基準位置である補助部材4の中心軸線4Yに対して、ズレが無くなる方向に移動する。第1電極E1と共にテーパ部材11も移動することになり、テーパ部材11の突出部112における当接部93がフランジ42の周縁部を摺動する。結果として、図9(C)に示すようにテーパ部材11の当接部93とフランジ42の周縁部とが一様に当接する。
したがって、図9(B)に示す状態から、テーパ部材11が第1部材2に向かって移動しようとすると、テーパ部材11の同心軸上に配置される第1電極E1の中心軸線EYが、補助部材4の中心軸線4Yに近付く方向に移動する。テーパ部材11の第1部材2に向かう移動は、第1電極E1の中心軸線EYが補助部材4の中心軸線4Yに一致又は略一致するまで継続される。
以上により、図9に示す実施形態における第1電極E1の進退方向の規制が完了する。
このとき、当接部93とフランジ42とは、フランジ42の周縁部全周に亘って接触している状態である。つまり、第1電極E1の進退方向の規制によって、当接部93とフランジ42との接点が一点から、連続する接点又は複数点等に変化する。
なお、図9に示す実施形態のように、ガイドが第1部材に向う応力を、電極の進退方向の規制のために転換することができる限り、上述のテーパ部材11のような筒状部材に代えて、筒状部材を軸線方向に沿って複数に分割し電極の周りに配置される板状部材等を用いることができる。
該変形例による第1電極E1の進退方向の規制は、テーパ部材11が第1部材2に向って移動する力を用いて第1電極E1を移動させることで達成される。つまり、第1電極E1の中心軸線EYと補助部材4の中心軸線4Yとのズレの大きさを導出することなく、テーパ部材11の移動によってズレを無くす又は小さくすることができるので、サーボモータ制御等を用いる必要が無く、装置構造及び進退方向の規制工程の簡素化を図ることができる。
(6)他の変形例
特に図6に示したように、電気溶接装置1では挟持部材6によって補助部材4を挟持した状態で溶接をしていたが、第1電極E1の進退方向の規制完了後でかつ溶接前において、挟持部材6の挟持を解除し、更に第1部材2及び補助部材4から離しておくようにしても良い。この形態は、挟持部材6に絶縁部を設けることが困難である場合に好適である。
また、上述した実施形態においては、第1電極E1の進退方向の規制前は、ガイド基部7及び第1電極E1が比較的大きな応力を受けると可動であったが、規制完了後にX軸方向及びZ軸方向に対して不動にすると共に、Y軸方向のみ可動にするのが好ましい。このとき、一旦規制された第1電極E1がX軸方向及びZ軸方向に再度ズレないように、規制後の位置に固定する適宜のロック機構を付設しておき、挟持部材6の挟持の解除前にロック機構を作動させるのが好ましい。
上記挟持部材6における第1挟持部材61と第2挟持部材62との間隔、上記摺動部材10における第1摺動部材10Aと第2摺動部材10Bとの間隔、及び、上記テーパ部材11における突出部112の内径等が小さい場合、各ガイドを第1部材2に向って移動させたときに、補助部材4におけるフランジ42の上面に各ガイドが乗ってしまう可能性がある。
基本的にはフランジ42の周縁部に各ガイドの各当接部の一部が当接することによって、進退方向の規制動作を開始することができるが、フランジ42の上面に各ガイドが当接してしまうと、正確な進退方向の規制が不能になる可能性がある。
したがって、各ガイドの上記間隔及び内径等をフランジ42の外径に応じて大きく設定しておくのが好ましい。
更に好ましくは、例えばフランジ42の上面にガイドが乗ってしまった場合に、エラーとして検知し、各ガイドの第1部材2に向う移動を再度やり直す制御を行う形態を挙げることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。例えば、補助部材は実施例では円盤形状又は円柱形状としたが、それ以外の形状であっても良い。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:電気溶接装置、2:第1部材、3:第2部材、4:補助部材、41:挿入部、42:フランジ、4Y:補助部材の中心軸線、5:貫通孔、6:挟持部材、61:第1挟持部材、62:第2挟持部材、7:ガイド基部、81:第1回動部材、82:第2回動部材、91、92及び93:当接部、10:摺動部材、10A:第1摺動部材、10B:第2摺動部材、101:非屈曲部、102:屈曲部、11:テーパ部材、111:筒部、112:突出部、E1:第1電極、E2:第2電極、EY:第1電極の中心軸線、901:サイドシル、902:ヒンジピラー、903:センターピラー、904:ルーフパネル、E1:第1電極、E2:第2電極、S1:部品プレス成形工程、S2:車体溶接工程、S3:車体塗装工程、S4:組付工程

Claims (6)

  1. 第1材料を含有して貫通孔を有する第1部材と、第1材料とは異なる第2材料を含有する第2部材とを、第2材料に溶接可能な第3材料を含有して貫通孔に挿入される挿入部と、該挿入部の一端部において径が大きく形成されるフランジとを有する補助部材を介して接合する電気溶接装置であって、
    補助部材に向って進退可能であり、第2部材と補助部材との間に通電可能な電極と、
    電極が当接する前に補助部材に当接して電極の進退方向を規制可能なガイドと、を備える、
    電気溶接装置。
  2. ガイドにより進退方向を規制された電極が、第2部材と補助部材とに当接して通電する、
    請求項1に記載の電気溶接装置。
  3. ガイドが補助部材に当接する際に電極は固定状態から可動状態に切り換えられる、
    請求項1又は2に記載の電気溶接装置。
  4. ガイドは電極の周りに少なくとも2つ設けられる挟持部材であり、
    ガイドが補助部材のフランジを挟むことにより、電極の進退方向が規制される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気溶接装置。
  5. ガイドは、電極の周りに少なくとも2つ設けられ、各一端部に移動方向に沿った力を受けると屈曲する屈曲部材であり、
    ガイドが第1部材に近付く方向に移動すると、ガイドの各一端部が第1部材を摺動し、各一端部間の距離が小さくなって補助部材のフランジを挟むことにより、電極の進退方向が規制される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気溶接装置。
  6. ガイドは、電極を囲んで設けられ、又は電極の周りに少なくとも2つ設けられ、第1部材側の端部が電極に向ってかつ第1部材から離れる方向に延在する突出部を有するテーパ部材であり、
    ガイドが第1部材に近付く方向に移動すると、ガイドの突出部が補助部材のフランジの周縁部を摺動することにより、電極の進退方向が規制される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気溶接装置。
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