一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
パチンコ機の構成を示す背面図である。
遊技機ベースユニットの構成を示す正面図である。
遊技盤の構成を示す正面図である。
遊技機ベースユニットの構成を示す背面図である。
遊技機前面ユニットの構成を示す背面図である。
裏パックユニットの構成を示す正面図である。
裏パックユニットの構成を示す分解斜視図である。
本発明の基板ボックスを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
本発明の基板ボックスに本体取付封印部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
本発明の基板ボックスに本体取付封印部材を取り付ける状態を示す斜視図である。
本発明の基板ボックスにその周辺の部材を組み付ける状態を示す分解斜視図である。
本発明の本体取付封印部材を基板ボックスに取り付ける状態を示す正面図であり、(a)は取り付ける前の状態、(b)は取り付けた後の状態である。
本発明の係止用部材を基板ボックスに取り付ける状態を示す拡大斜視図である。
本発明の係止用部材をボックス封印部材に嵌合する前の状態を示す拡大断面図である。
本発明の係止用部材をボックス封印部材に嵌合した状態を示す拡大断面図である。
本発明の係止用部材の製造方法の一例を示す説明図であり、(a)はせん断加工と切欠き加工を示し、(b)、(c)は成形加工を示す。
本発明のかしめ部材と予備かしめ部材をボックスベースの開口部に差し込む状態を示す斜視図である。
本発明の基板ボックスにかしめ部材と予備かしめ部材とその周辺の部材を組み付ける状態を示す分解斜視図である。
本発明のかしめ部材を示す拡大斜視図である。
本発明のかしめ部材と従来のかしめ部材との比較図であり、(a)は本発明のかしめ部材、(b)は従来の強度的に問題があるかしめ部材、(c)は従来の寸法に問題があるかしめ部材である。
係止用部材の両係止部を示す拡大正面図である。
本発明のかしめ部材を差し込む状態を示すボックス封印部材の拡大断面図である。
本発明の2番目の予備かしめ部材を示す拡大斜視図である。
本発明の基板ボックスに、封印シールと、封印シールケースと、カッターカバーをこの順番で取り付ける状態を示す斜視図である。
本発明の基板ボックスに封印シールケースを取り付ける前の状態を示す右側面図である。
本発明の基板ボックスに封印シールケースを取り付けた後の状態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
本発明のカッターを示し、(a)は拡大正面図、(b)はB−B線拡大断面図である。
本発明のカッターで切断した状態の封印シールを示す正面図である。
本発明のカッターで切断した他の状態の封印シールであり、切断当初が特に粗い状態のものを示す正面図である。
本発明のカッターで切断した他の状態の封印シールであり、切断箇所の全体が同じ状態のものを示す正面図である。
本発明の基板ボックスにカッターカバーを取り付ける状態を示す斜視図である。
本発明の基板ボックスにカッターカバーを取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は右側面図である。
ヒンジ構造と共に本体取付封印部材を基板ボックスに取り付ける状態を示す分解斜視図である。
ヒンジ構造に本体取付封印部材を取り付ける状態を示す拡大斜視図である。
ヒンジ構造の本体取付封印部材用受け部と回動部を示す拡大斜視図であり、(a)は正面左上方視、(b)は正面右上方視、(c)は背面左上方視、(d)は背面右上方視である。
ヒンジ構造の本体取付封印部材用受け部と回動部を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は背面図である
ヒンジ構造を締結した本体取付封印部材を基板ボックスに取り付ける状態を示す斜視図である。
ヒンジ構造を締結した本体取付封印部材を基板ボックスに取り付けた状態を示す斜視図である。
ヒンジ構造を締結した本体取付封印部材を基板ボックスに取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
ヒンジ構造の変形例1を示し、(a)は組み付ける前の状態の正面図、(b)は凹部部分の拡大正面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のパチンコ機10の遊技機主部21と外枠11とが嵌合した状態を示す斜視図である。図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。
<遊技機10の全体構成>
外枠11は、図1及び図4に示すように、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
上記のように左右の板材12,13を金属製とすると共に上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、図2及び図3に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。本発明は、これら支持金具17,18に遊技機主部21を着脱自在に取り付ける構造になる。
遊技機主部21は、図2及び図3に示すように、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機ベースユニット22は、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35(図1参照)が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
遊技機ベースユニット22には、図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
図5は遊技機ベースユニット22の正面図である。図6は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図である。図7は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。
遊技機ベースユニット22は、図5に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41にはその後方から遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。詳細には、樹脂ベース41の裏面には、図7に示すように、複数(本実施の形態では4箇所)の固定金具52〜55が設けられており、これら固定金具52〜55によって遊技盤61は後方へ脱落しないように固定されている。固定金具52〜55は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。
図5に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方には、遊技球発射機構80が取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
次に遊技機ベースユニット22に搭載される遊技盤61について説明する。
遊技盤61は合板より成り、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
図6に示すように、遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成され、各開口部には一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、スルーゲート66、可変表示ユニット67及びアウト口68等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65、可変表示ユニット67及びアウト口68は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及びアウト口68の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に3個及び右側に1個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
各種入賞口等に入らなかった遊技球は、後述する内レール部77によって集められ、内レール部77の最下部に設けられたアウト口68を通って遊技領域から排出される。その他に、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)や内レール部77および外レール部78が配設されている。
可変表示ユニット67は、遊技盤61の略中央部上方に形成された略円形の開口部に取り付けられる図柄表示装置71と、開口部の周縁に図柄表示装置71を囲むようにして配設されたセンターフレーム72を備えている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置であり、後述する表示制御装置101により、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示するように制御されている。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
また、センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が、センターフレーム72の上部及び下部には保留ランプ部75,76がそれぞれ設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1特定ランプ部73では、上作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61の周縁部分には、略円弧状の内レール部77と外レール部78とが取り付けられており、これら内レール部77と外レール部78とにより誘導レールが構成され、上述した遊技球発射機構80から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。また、図5に示すように、樹脂ベース41の窓孔51の右上部には返しゴム79が設けられており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム79に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。この場合、返しゴム79はその遊技球が当たる面が遊技領域の中央側に向けて傾斜させて形成されているため、遊技領域の中央に向けた遊技球の跳ね返しが良好に行われるようになっている。
遊技機ベースユニット22が遊技機前面ユニット23を支持する機構について、図5等に基づいて説明する。
遊技機ベースユニット22の樹脂ベース41の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられている。これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31(図3参照)に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について図7を用いて詳細に説明する。
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67(図6参照)には、図3及び図7に示すように、センターフレーム72(図6参照)を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられており、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられていると共に、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる第1基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、後述するように当該基板ボックスの開放痕跡手段としてかしめ部材や封印シールが設けられていると共に、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてかしめ部材が設けられている。なお、ここで基板ボックス(第1基板ボックス)108と称しているが、後述するように基板ボックス148,149が複数存在するので、それぞれ区別するために便宜的に用いた。その順番以外に何ら意味合いを持つものではない。
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
遊技機ベースユニット22が裏パックユニット24を支持する機構について説明する。
樹脂ベース41の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
樹脂ベース41の背面には、図3及び図7に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、図7に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた後述する締結具117(図9参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<遊技機前面ユニット23>
遊技機前面ユニット23の構成について図1に基づいて説明する。
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、上記遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
遊技機前面ユニット23には、窓パネル部91の下方に、手前側へ膨出した第1膨出部95と第2膨出部96とが上下に並設されている。
第1膨出部95内側には、上方に開口した上皿95aが設けられている。上皿95aは、第1払出口231より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)の遊技球発射機構80へ導く機能を有する球受皿である。
第1膨出部95の上面右側(上皿95aの下流側)には、奥側に上皿球抜きスイッチ232が、手前側に貸球操作部233がそれぞれ配設されている。上皿球抜きスイッチ232は、上皿95aに貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
貸球操作部233には、球貸しボタン234と、返却ボタン235とが設けられている。球貸しボタン234は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン235は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、球貸しボタン234及び返却ボタン235とからなる貸球操作部233は、第1膨出部95の上方にも設けられている。
また、球貸しボタン234と返却ボタン235との間に、遊技者により操作可能なプッシュ式の演出スイッチ236が設けられている。演出スイッチ236には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出スイッチ236を操作された場合、後述する図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。
第1膨出部95と同様に、第1膨出部95の下方に手前側へ膨出するように設けられている第2膨出部96内側にも、上方に開口した下皿96aが設けられている。下皿96aは、第2払出口237より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿96aには、例えば、上皿95aにて遊技球が余剰となった場合には、下皿球抜きスイッチ233が操作され、上皿95aに貯留された遊技球が第2払出口237より排出されるようになっている。
第2膨出部96前面側には、下皿96aに貯留された遊技球を下方に排出するための上球抜きスイッチ238が設けられている。また、第2膨出部96の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル84が設けられている。遊技球発射ハンドル84は、板材12の背面側に設けられた遊技球発射機構80(図5参照)に連結されており、上皿95aに貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル84を回転させることにより、遊技盤61に形成された遊技領域に向けて発射される。
図8は遊技機前面ユニット23の背面図である。
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(図8の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(図8の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
また、遊技機前面ユニット23の背面には、図8に示すように、前面側通路ユニット271が取り付けられている。前面側通路ユニット271は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。
<裏パックユニット24>
裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。
図9は裏パックユニット24の正面図である。図10は裏パックユニット24の分解斜視図である。
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、図9に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に遊技機ベースユニット22の軸受け金具111〜113(図7参照)に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレール133は、タンク132の下方において当該タンク132に連結されており、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に払出装置135が設けられている。また、上下通路ユニット134の下流側には、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部が設けられており、前面側通路部は上皿95a及び下皿96aに連通されている。
つまり、タンク132と、上皿95a及び下皿96aの受け皿との間には、タンクレール133、上下通路ユニット134、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部からなる誘導通路部が設けられており、タンク132に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿95a又は下皿96aに払い出される。なお、上下通路ユニット134の構成、及びそれよりも下流側の構成については後に詳細に説明する。
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パックユニット141が構成されている。
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置146は、第2基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置147は、第3基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<基板ボックス108>
図11は本発明の基板ボックス108を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図12は本発明の基板ボックス108に本体取付封印部材1093を取り付けた状態を示す斜視図である。図13は本発明の基板ボックス108に本体取付封印部材1093を取り付ける状態を示す斜視図である。図14は本発明の基板ボックス108にその周辺の部材を組み付ける状態を示す分解斜視図である。
基板ボックス(第1基板ボックス)108は、その内部に、所定の遊技に関する制御を司る主制御基板(図示省略)を収容している。主制御基板は、パチンコ機10を統括制御しており、始動入賞に基づく遊技内容処理や遊技球の払出など種々の制御を行っている。
基板ボックス108は、図11〜図14に示すように、主制御基板が取り付けられるボックスベース1081と、このボックスベース1081と合わされるボックスカバー1082とを備え、主制御基板が取り付けられたボックスベース1081でのその制御基板取付面側にボックスカバー1082を合わせることで形成される内部空間内に、主制御基板を収容する。なお、主制御基板は、そのCPUやROMやRAMなどの各種電子部品が実装された実装面をボックスベース1081に向け、その電子部品を取り付けるための半田面をボックスカバー1082に向けて、基板ボックス108内に収容されている。
本実施例では、図11,図14に示すように、ボックスベース1081は、例えばその外形が前面視で略直方体形状で、主制御基板が挿入される開口部(図14参照)を有する有底箱形状となっている。また、ボックスカバー1082は、図14に示すように、ボックスベース1081の開口部を覆うためのものである。ボックスベース1081およびボックスカバー1082は、例えば透明樹脂成型品である。
また、基板ボックス108は、図14に示すように、主制御基板が取り付けられたボックスベース1081でのその主制御基板の取付面側にボックスカバー1082を合わせた状態でボックスベース1081又はボックスカバー1082の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることでボックスベース1081とボックスカバー1082とを係止する係止部材1083を備えている。
係止部材1083は、図14に示すように、ボックスベース1081でのスライド方向に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に複数個(図示例では6個)配設された係止爪1084と、ボックスカバー1082でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に複数個(図示例では6個)配設されて係止爪1084が係止される被係止部1085とを備えている。
係止爪1084は、図14に示すように、ボックスベース1081からボックスカバー1082の方に突出する鉤部を備えている。
被係止部1085は、図14に示すように、係止爪1084の鉤部が挿入された状態でボックスベース1081とボックスカバー1082とのスライドを制止する。
具体的には、図14に示すように、ボックスベース1081の開口部をほぼ覆うようにボックスカバー1082を合わせた状態で、このボックスベース1081とボックスカバー1082とは相対的に係止爪1084の鉤部の先端部分の長さ程度にスライド可能であり、この鉤部の先端部分の長さ程度にスライド移動させると、ボックスベース1081の開口部をボックスカバー1082で閉塞した状態に合わせた位置となり、ボックスベース1081とボックスカバー1082とのスライドが停止する構成としている。
基板ボックス108は、図14に示すように、ボックスカバー1082の所定箇所に形成された有底収納部1087の内部に挿入されて係止される係止用部材1088と、この係止用部材1088に嵌合するボックス封印部材1086と、有底収納部1087に係止用部材1088およびボックス封印部材1086が装着された状態で、かつ、ボックスカバー1082にボックスベース1081を相対的にスライド装着した状態で、封印部1090に挿入されて係止用部材1088に係止されるかしめ部材1091と予備かしめ部材1092と、を備えている。
かしめ部材1091と予備かしめ部材1092は形状、使用か所、役割等が異なる。1番目のかしめ部材1091は、ボックスベース1081の開口部1089と、ボックス封印部材1086の封印部1090(ボックスカバー1082)に係止される部材である。2番目のかしめ部材1092は、ボックスベース1081の側面に突出するように設けられた予備封印部1090a内に備えられる部材である。この予備封印部1090a内のかしめ部材1092は、当初はボックスベース1081の開口部1089とボックス封印部材1086の封印部1090に差し込まれていない。
1番目のかしめ部材1091は、図11(b)に示すように、図示の上から4段目の封印部1090に当初から係止されている。この4段目の封印部1090のかしめ部材1091を必要に応じて切断した際に、再度ボックスカバー1082をボックスベース1081に閉止する必要がある。このときに、2段目と3段目の封印部1090の位置にある予備封印部1090a内にある2番目の予備かしめ部材1092を、そのままボックスベース1081の開口部1089とボックス封印部材1086の封印部1090まで押し込むように差し込ようになっている。
このボックス封印部材1086は、図12〜図14に示すように、主制御基板が取り付けられたボックスベース1081でのその主制御基板の取付面側にボックスカバー1082を合わせた状態でボックスベース1081およびボックスカバー1082を開封不可に封止する部材である。
ボックスカバー1082に係止用部材1088を介して取り付けられたボックス封印部材1086は、かしめ部材1091と予備かしめ部材1092が嵌入される孔である封印部1090を、ボックスベース1081は、かしめ部材1091と予備かしめ部材1092が嵌入される孔である開口部1089を有し、封印部1090と開口部1089は、ボックスベース1081とボックスカバー1082が閉塞した状態で重なる位置に形成されている。よって、かしめ部材1091と予備かしめ部材1092を重なった封印部1090および開口部1089に嵌め入れることにより、ボックスベース1081およびボックスカバー1082はスライド移動を抑止するように固定され、開封不可に封止される。
さらに基板ボックス108は、遊技盤61の背面側に取り付けるヒンジ部材に装着する部材である本体取付封印部材1093を備えている。本体取付封印部材1093は、複数箇所のうち1箇所の別封止部1094に破断ねじ1095を差し込み、基板ボックス108(ボックスベース1081とボックスカバー1082)側に嵌合させたボックス封印部材1086の固定穴1096に螺入することで、基板ボックス108を遊技盤61に装着される。具体的には、図14に示すようにボックスベース1081とボックスカバー1082とを合わせた状態において、ボックスベース1081の2箇所の別封止部1094に形成された各貫通孔に破断ねじ1095をそれぞれ挿入して基板ボックス108(ボックス封印部材1086)側の固定穴1096に螺入することで、ボックスベース1081とボックスカバー1082とが破断ねじ1095で締結される。
この破断ねじ1095は所定以上の締め付けトルクがかかるとネジ頭が破断し、緩めることができないようになっている。
図示例の本体取付封印部材1093では、4か所の別封止部1094を設けている。これらの別封止部1094は、本体取付封印部材1093側に固定解除用被破壊部1097を介して取り付けられている。図示例では、この固定解除用被破壊部1097は筒状の別封止部1094の周囲にその軸方向に沿って所定の間隔をあけて凸条を形成したものである。これはニッパーや刃物などの切断工具によって切断破壊しやすくするためである。
破断ねじ1095を螺入している別封止部1094の固定解除用被破壊部1097が切断(破壊)されると、本体取付封印部材1093の切断された別封止部1094が当該本体取付封印部材1093から分離されることになり、基板ボックス108が遊技盤61から外されたことがわかる。この固定解除用被破壊部1097の破壊により、その基板ボックスは適正又は不正を問わず取り外されたことを表示することになる。
図15は実施例の本体取付封印部材1093を基板ボックス108に取り付ける状態を示す正面図であり、(a)は取り付ける前の状態、(b)は取り付けた後の状態である。
このような機能を有する固定解除用被破壊部1097により、本体取付封印部材1093の側方に配置する複数の別封止部1094は側方へ大きく飛び出した形状になる。本体取付封印部材1093の一面から別封止部1094の先端までは大きな間隔(L1)を有する。また、2番目の予備かしめ部材1092を保持する予備封印部1090aは、ボックスベース1081の側面に突出するように設けられている。これらの別封止部1094と予備封印部1090aがお互いに干渉しあっている。そこで、本発明では、基板ボックス108側のボックス封印部材1086のかしめ部材1091の封印部1090と、予備かしめ部材1092の予備封印部1090aと、本体取付封印部材1093の別封止部1094が、それぞれ互い違いに入り組んだ状態になるように配置した。
即ち図15(a)に示すように、本体取付封印部材1093の側方に配置された別封止部1094について、図示上で最上段と2段目の別封止部1094は、基板ボックス108側の上段の予備封印部1090aを挟み、3段目と4段目の別封止部1094は、基板ボックス108側の下段の予備封印部1090aを挟んだ。これらの別封止部1094と予備封印部1090aとは略直線上に重なるように配置された。これにより別封止部1094の側方への突出を防止して、基板ボックス108全体のコンパクト化に寄与するものである。これにより、基板ボックス108内に収容する制御基板は大きなものを入れることができる。
なお、予備封印部1090aと別封止部1094との配列は、上述したものに限定されず、基板ボックス108の形状又は本体取付封印部材1093に応じてその順番を変更することはもちろん可能である。また、2か所の予備封印部1090aと4か所の別封止部1094について説明したがこの設置個数も適宜選択することができる。
<係止用部材1088>
図16は係止用部材1088をボックスカバー1082に取り付ける状態を示す拡大斜視図である。図17は係止用部材1088をボックス封印部材1086に嵌合する前の状態を示す拡大断面図である。図18は係止用部材1088をボックス封印部材1086に嵌合した状態を示す拡大断面図である。
本発明の係止用部材1088は、例えば細長い1枚の金属板を短手方向に横断面が略コ字形状になるように曲折したものである。係止用部材1088は、ボックスカバー1082に形成された長溝状の有底収納部1087から容易に抜け出ないように嵌合する。更に、この係止用部材1088の隙間には、ボックス封印部材1086の長手方向に形成された数か所の凸条1098が嵌合する。これらの凸条1098は、図17に示すように、一部の封止部1090では横切るように形成されている。かしめ部材1091,予備かしめ部材1092をこの封止部1090から差し込み固定することにより、ボックスベース1081をボックスカバー1082に強固に固定することができる。
係止用部材1088には、その数か所に略コ字形状に切欠きを入れ、それを外方へ曲げた抜け止め1099を有する。この抜け止め1099は、係止用部材1088が弾性を有する板材を用いているので、かしめ部材1091の係止部1100に嵌合するようになる。
この1枚の係止用部材1088が差し込まれる長溝状の有底収納部1087の幅は、係止用部材1088の横幅と略同じ長さである。但し、抜け止め1099が形成されている部分、即ちかしめ部材1091が差し込まれる位置はこの抜け止め1099の突出長分(かしめ部材1091の板厚分)の空間を確保すべく、幅広になっている。この幅広になっている位置はそのまま封印部1090になる。
係止用部材1088には、同じく予備かしめ部材1092が差し込まれる位置に予備かしめ部材用抜け止め1099aが形成されている。この予備かしめ部材用抜け止め1099aは、かしめ部材1091の係止部1100とは異なり、係止用部材1088の内側に1枚飛び出した状態になる。図26に示すように、予備かしめ部材1092の係止部1101が1か所のみであり、これに合わせて予備かしめ部材用抜け止め1099aも1か所のみ設けられている。
また、予備かしめ部材用抜け止め1099aの形成に合わせて、この位置に穴1099bが開けられている。これらの穴1099bは係止用部材1088を金型で、折り曲げ成形する際に金型内で干渉しないようにするためである。
係止用部材1088の内側は、ボックス封印部材1086の長手方向に形成した凸条1098を嵌脱自在に嵌合するようになっている。これによりボックスカバー1082と、ボックス封印部材1086の封止部1090とを連結することができる。ボックス封印部材1086とこれに接続する本体取付封印部材1093との連結部分を強度的に補強する効果を発揮する。即ちこの金属製の係止用部材1088はボックスカバー1082の強度を高める機能を有する。
ボックス封印部材1086に形成した凸条1098に係止用部材1088を取り付ける際に、位置がずれることがある。この係止用部材1088の位置がずれた状態で、凸条1098を係止用部材1088に装着しようとしても容易に組み付けることができないことがある。そのまま無理に押し込むと、係止用部材1088を曲げてしまい、ボックスカバー1082を破損させるおそれがある。そこで、この係止用部材1088の抜け止め1099には、単純な細長い金属板材を曲折したものではなく、その中間位置に位置決め用の孔1102を開けている。これは、ボックス封印部材1086の凸条1098に取り付けやすくするためである。この凸条1098には、この孔1102を貫通する位置決め用の突起片1103が形成されている。この凸条1098の突起片1103を係止用部材1088の孔1102に貫通させることで、常に係止用部材1088がボックス封印部材1086の適正な位置に取り付けられ、容易に組み立てすることができる。
また、係止用部材1088の開口には、凸条1098を円滑に嵌合できるように係止用部材1088の端縁を曲折した受け口1104を形成した。係止用部材1088の開口がボックス封印部材1086の凸条1098の板厚より広く開いていないときがあり、凸条1098を係止用部材1088の開口に差し込むことが困難になることがある。そこで、係止用部材1088の開口が多少狭まった状態であっても、この受け口1104により凸条1098の端縁が引っ掛からず円滑に差し込むことができる。図示例では直角に曲折した状態を示しているが、湾曲した形状、又は係止用部材1088の差し込み方向に向けて傾斜するように曲折するようにすることも可能である。
更に、この受け口1104には折り返し部1105が形成されているので、ボックスカバー1082の有底収納部1087に装着した際に、このボックスカバー1082の壁面の端縁に嵌合して係止用部材1088の開口を固定し、閉じないようにする機能を併せ持つ。そこで、常に係止用部材1088の開口を開いた状態に維持することができ、ここへの凸条1098の差し込みを容易にすることができる。
また、この受け口1104の折り返し部1105の位置に、この折り返し部1105が固定されるようにボックスカバー1082の端縁に段差1087aを形成した。この段差1087a部分に折り返し部1105が止まることで、係止用部材1088の長手方向への位置ずれを防止することができる。この段差1087aにより、係止用部材1088の抜け止め1099を常に適正な位置に配置させることができるので、かしめ部材1091の係止部1100の嵌合を円滑にさせることができる。
この受け口1104は、先に係止用部材1088をボックスカバー1082の有底収納部1087に装着した際は、係止用部材1088の開口を固定する機能を有する。逆に、先に係止用部材1088をボックス封印部材1086の凸条1098に装着するときは、これを円滑に装着させる機能を有する。何れも円滑な組み立てを実現する機能を有する。また、係止用部材1088の開口が鋭利な状態になっているときは、組立作業の際に指を切るおそれもあるが、この受け口1104によりそれを防止することができる。
なお、図16の図示例では2か所の受け口1104を形成した実施例を示している。この受け口1104はかしめ部材1091又は予備かしめ部材1092の挿入を干渉しない位置であればこのような2か所に限定されない。
また、受け口1104は予備かしめ部材1092の通過位置になっており、この予備かしめ部材1092は全体が、かしめ部材1091より板厚に形成されている。かつ予備かしめ部材1092は係止用部材1088の内側に係止される部材である。そこで、受け口1104により、予備かしめ部材1092の挿入側が円滑に係止用部材1088の内側に係止されるようになる。
上述したように本発明のボックスカバー1082は、有底収納部1087を形成し、これに係止用部材1088を装着する構成にしたので、合成樹脂成形加工用の可動型や固定型の2種の金型で製造することができる。この係止用部材1088を用いない従来のようなボックスカバー1082を製造する際には、かしめ部材を掛け止める抜け止め用の金属製部品などを取り付けるため、ボックスカバー1082の側面に穴や凹凸(アンダーカット)を形成する必要がある。この凹凸(アンダーカット)を成形するときに、成形加工用の可動型の可動方向と異なる方向になるように、可動型と固定型以外に別の金型、入れ子などが必要とする。そのために、製造コストが高くなるおそれがある。また、成形後の製品に不具合が発生しやすいというおそれもあった。
そこで、本発明のボックスカバー1082は、その有底収納部1087の形状が可動型の動作方向と同一方向であるために入れ子などの他の加工部品を必要としない。なお、このとき抜き型として有底収納部1087の一部に貫通穴が形成される。この貫通穴は係止用部材1088の位置決めとして利用することが可能である。
この有底収納部1087には、細長い板状部材から成る係止用部材1088を斜めから差し込むように嵌合させる。このとき係止用部材1088の抜け止め1099は、ある程度の突出部分があっても、かしめ部材1091が差し込まれる有底収納部1087に形成されている空間部分内を移動するので、干渉されることなく、斜めから差し込むことができる。そこで、組み付け作業を円滑に行えるようになっている。
図19は係止用部材1088の製造方法の一例を示す説明図であり、(a)はせん断加工と切欠き加工を示し、(b)、(c)は成形加工を示す。
本発明の係止用部材1088は、その全体の形状にせん断加工かつ抜け止め1099の切欠き加工を同時に行い1種類の金型を用いて成型し、この打ち抜いた部品を抜け止め1099を突出させた状態で、部品全体を横断面形状が略コ字形状になるように曲折する1種類の金型を用いて成型し、2種類の金型で成型が完了する。
係止用部材1088では、先ず図19(a)に示すように、係止用部材1088の部品全体の輪郭線と共に、受け口1104の形状に沿ってせん断加工する。同時に複数個所の抜け止め1099部分の切欠き加工する。このときは1種類の金型を用いて成型することができる。
次に金型プレス加工により、図19(b)に示すように、係止用部材1088全体を断面形状がコ字形状に成形すると同時に、図19(c)に示すように、受け口1104の曲げ加工と抜け止め1099部分の曲げ加工する。そこで、従来のように3種類の金型を用いる必要がないので、製造コストを低減することができる。
<かしめ部材1091>
図20は本発明のかしめ部材1091と予備かしめ部材1092をボックスベース1081の開口部1089に差し込む状態を示す斜視図である。図21は本発明の基板ボックス108にかしめ部材1091と予備かしめ部材1092とその周辺の部材を組み付ける状態を示す分解斜視図である。
本発明のかしめ部材1091と予備かしめ部材1092は、ボックスベース1081の開口部1089とボックス封印部材1086の封印部1090に挿入する部材である。かしめ部材1091と予備かしめ部材1092はボックス封印部材1086の封印部1090に挿入され、その先の係止用部材1088に係止された状態となる。これによりボックスベース1081とボックスカバー1082との相対的なスライド移動を不可とするとともに、係止後のかしめ部材1091と予備かしめ部材1092が取り外し不可となる。
図22は本発明のかしめ部材1091を示す拡大斜視図である。図23は本発明のかしめ部材1091と従来のかしめ部材との比較図であり、(a)は本発明のかしめ部材、(b)は従来の強度的に問題があるかしめ部材、(c)は従来の寸法に問題があるかしめ部材である。図24は係止用部材1088の両係止部1099を示す拡大正面図である。図25は本発明のかしめ部材1091を差し込む状態を示すボックス封印部材1086の拡大断面図である。
かしめ部材1091と予備かしめ部材1092とは2種類の形状のものを用いている。
1番目のかしめ部材1091は、図22に示すように、例えば金属製の細長い板材を断面形状が略コ字状に成るように曲折したものである。このかしめ部材1091は2か所の挿入先端を具備し、両挿入先端側に掛止め用の切欠き1100が形成されている。係止用部材1088の両係止部1099は、図24の拡大正面図に示すように、封印部1090内において互い違いに突出した状態にある。そこで、この両方の係止部1099に掛け止めるようにかしめ部材1091は2か所の挿入先端を具備し、両挿入先端側に形成した掛止め用の切欠き1100は、図22に示すように、その開口の向きがそれぞれ逆向きに成る。
かしめ部材1091全体の形状は、図示した断面形状で略コ字状の形状に限定されない。略コ字状は封印部1090内において隙間なく掛止めることができる形状と考えられたからである。例えば、封印部1090のかしめ部材1091の両先端側で跨ぐ位置の部材が断面で円弧状になるときは、例えば略U字状の形状にしたかしめ部材1091でもよい。更に、かしめ部材1091と封印部1090側とに隙間が形成されない構成であれば、略コ字状、略U字状に限定されず、曲折した部分が略台形状又は略三角形状など種々のものにすることができる。
本発明のかしめ部材1091は従来のように掛止め用の部材に単純な四角形状の貫通穴を設けたものではない。図23の比較図に示すように、図23(b)に示すような形状であると、貫通穴(係止部)P1は係止部1099に掛け止められる程度の所定幅が必要になるので、相対的に本体の支持部分P2の幅(d3)が狭くなり、強度的に問題がある。
一方、図23(c)に示すような形状であると、支持部分P2の幅(d4)を長くして貫通穴P1もある程度の大きさにすると、全体的にかしめ部材の幅(d5)が長くなり、基板ボックス108全体をコンパクトにするという趣旨に反する。そこで、本発明では、掛止める部分の機能を損なうことなく全体をコンパクトにするため、図23(a)に示すように、切欠き1100の奥行き(d1)と支持部の幅(d2)とを略同じ長さにして強度を維持しつつ、かしめ部材1091全体の小型化を実現したものである。
また、図24に示すように、係止用部材1088の両係止部1099はこの封印部1090内において互い違いに位置して突出した状態にあるが、この係止部1099とかしめ部材1091の切欠き1100は点対称に配置されているために、かしめ部材1091を左右逆に配置しても掛け止めることができる。図24の図示例では、図示上で左側の係止部1099が高い位置に、右側の係止部1099が低い位置に配置した例を示しているが、これに限定されず、逆配置の右側の係止部1099が高い位置に、左側の係止部1099が低い位置に配置したものでもよい。そのときは同時にこの配置に即してかしめ部材1091の切欠き1100の配置も逆にする必要がある。
本発明のかしめ部材1091は従来の部品と比較して、小型化にしたので相対的に板厚にして更に強度を高めている。また、部材の板厚を厚くすることで、ドライバーや鋭利な先端を有する工具で不正にこじ開けることを防止することができる。更に、2個の部品を寄せ集めて1個の部品とするいわゆる2個1の防止にもなる。
<予備かしめ部材1092>
図26は本発明の2番目の予備かしめ部材1092を示す拡大斜視図である。
2番目の予備かしめ部材1092は、上述したようにボックスベース1081の側面に突出するように設けられた予備封印部1090a内に備えられる部材である。この予備かしめ部材1092は、例えば金属製の細長い板材を断面形状が略L字形状に曲折したものである。このかしめ部材1092は1か所の挿入先端を具備し、その挿入先端側に掛止め用の係止部1101が形成されている。
予備かしめ部材1092の係止部1101は、係止用部材1088に形成された予備かしめ部材用抜け止め1099aに係止される。この予備かしめ部材用抜け止め1099aは、かしめ部材1091の係止部1100とは異なり、係止用部材1088の内側に1枚飛び出した状態になる。そこで、予備かしめ部材1092は図26に示すように、係止部1101が1か所のみである。
予備封印部1090a内にある2番目の予備かしめ部材1092は、1番目のかしめ部材1091が切断された後、再度ボックスカバー1082をボックスベース1081に閉止するときに、この2番目の予備かしめ部材1092を、そのままボックスベース1081の開口部1089とボックス封印部材1086の封印部1090まで押し込むように差し込んで使用する。
<封印シール1201>
図27は本発明の基板ボックス108に、封印シール1201と、封印シールケース1212と、カッターカバー1217をこの順番で取り付ける状態を示す斜視図である。図28は本発明の基板ボックス108に封印シールケース1212を取り付ける前の状態を示す右側面図である。図29は本発明の基板ボックス108に封印シールケース1212を取り付けた後の状態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図27と図28に示すように、基板ボックス108を構成するボックスベース1081には封印シール1201を貼り付けるための貼付板部1202が形成されている。貼付板部1202は、ボックスベース1081の短辺側に沿うようにして略板状に形成されている。また、ボックスベース1081に形成された貼付板部1202に対応させてボックスカバー1082にも同様の貼付板部1203が形成されており、両貼付板部1202,1203は隙間をあけて配置されている(図28参照)。これら両貼付板部1202,1203には、厚み方向に貫通するねじ穴1204が形成されており、ねじにより両貼付板部1202,1203(ボックスベース1081及びボックスカバー1082)が固定されている。即ち、ボックスベース1081とボックスカバー1082との固定は、上述したかしめ部材1091,1092が封印部1090および開口部1089に差し込まれ、更にこの貼付板部1202,1203におけるねじ固定により行われている。
貼付板部1202,1203の外面は平坦面となっており、この外面には両貼付板部1202,1203を跨ぐようにして略矩形状の封印シール1201が折り曲げて貼り付けられる。詳細には、封印シール1201を略コ字状に折り曲げることで、両貼付板部1202,1203を跨ぐ構成となっている(図27参照)。この場合に、両貼付板部1202,1203のねじ穴1204は封印シール1201により覆われる。
封印シール1201は、略矩形状のベースシートを備え、このベースシートの背面には粘着剤が塗布され粘着剤層が形成されている。また、粘着剤層の一部に対してアンテナ付きICチップ(図示せず)が貼り付けられている。なお、粘着剤層の背面側に剥離シートを備えている。この剥離シートは封印シール1201を基板ボックス108に貼り付ける際に剥がされるものであり、封印シール1201の使用前に封印シール1201が不用意に貼り付かないようになっている。
封印シール1201のベースシートは、例えばポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着剤層を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシートに塗布されると、ベースシートは変色する。また、粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシートは変色する。これにより、基板ボックス108の貼付板部1202,1203から封印シール1201を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシートが変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール1201の粘着剤層の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシートから剥がれる程度の粘着力を有している。従って、封印シール1201が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着剤層の一部が貼付板部1202,1203側に残ることとなる。よって、封印シール1201を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
アンテナ付きICチップは、ICチップ及びアンテナ部より構成されており、長尺状のアンテナ部の中央付近にICチップが配置されている。ICチップは集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ部は、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップの厚みよりも薄い。また、アンテナ部は、共振周波数が一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップのID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部から発信することができるように構成されており、アンテナ部から発信されたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーからは周波数の微弱な電波で呼び出しが行われるようになっており、この電波で誘導電磁界が形成される。そして誘導電磁界内にアンテナ部が位置する程度に、スキャナーをアンテナ部に近接させると、アンテナ部に電磁誘導で起電力が発生する。ICチップではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報を制御部で呼び出してアンテナ部から送信することができ、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができる。
アンテナ付きICチップのアンテナ部は、粘着剤層が形成されたベースシートに対し、ベースシートの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ部はベースシートの対角線上又は、アンテナ部の長手方向がベースシートの両対角線と交差するように配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部はその長手方向がベースシートのすべての辺方向と交差することとなる。そして、封印シール1201が両貼付板部1202,1203に跨って貼り付けられているのに伴って、アンテナ部も両貼付板部1202,1203に跨っている。
また、封印シール1201には、アンテナ部の長手方向に沿って等間隔で並ぶ多数のアンテナ用切り込みが形成されている。アンテナ用切り込みは、アンテナ部の長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、ベースシートの表面側から粘着剤層の背面側まで貫通している。ちなみに、アンテナ用切り込みが延びる方向は、アンテナ部の長手方向に対して略直交する方向であるため、ベースシートのすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込みは、アンテナ部に若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ部はアンテナ用切り込みにより分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込みがアンテナ部を挟んで直線状に並ばないように、アンテナ部の一側に位置するアンテナ用切り込みと他側に位置するアンテナ用切り込みとはずらして形成されている。詳細には、アンテナ部の一側に位置するアンテナ用切り込みと他側に位置するアンテナ用切り込みとは、アンテナ部の長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
封印シール1201の外縁には、図27に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込みが形成されている。これら外縁切り込みは、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール1201の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、基板ボックス108の貼付板部1202,1203から封印シール1201を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部(内側に尖った部位)に集中し、また上記のとおりベースシートが適度な脆性(封印シール1201を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される脆性)を有していることにより、封印シール1201に破れなどといった破壊が生じる。
特に、封印シール1201をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力がベースシートの隅角部分にある内側端部に集中し、ベースシートが対角線方向に大きく破壊されることとなる。また、封印シール1201は貼付板部1202,1203に対して略コの字状に折り曲げて貼り付けられているので、封印シール1201をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、ベースシートが破壊されることとなる。
これにより、封印シール1201が剥がされたことの痕跡を残すことができ、主制御基板に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
さらに、封印シール1201の4隅には、ベースシートの表面側から粘着剤層の背面側まで貫通する隅側切り込みがそれぞれ形成されている。詳細には、隅側切り込みは、封印シール1201の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、封印シール1201の隅角側から剥がされると、隅側切り込みから短辺及び長辺方向に大きな破壊が生じ、不正行為の痕跡を残すことができる。
しかし、上記のように外縁切り込みや隅側切り込みが形成された構成であっても、封印シール1201の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール1201が剥がされると封印シール1201の破壊が生じ難い。即ち、封印シール1201をその角から剥がす場合や、封印シール1201の外縁における隣り合う外縁切り込み間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込みの内側端部に集中するため、外縁切り込みを介した封印シール1201の破壊が生じ易い。一方、矩形状の封印シール1201の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込みの内側端部に分散されるため、外縁切り込みを介した封印シール1201の破壊が生じ難い。よって、後者の方式で封印シール1201が剥がされると、外縁切り込みでは不正の痕跡が残らない場合がある。
これに対して、上述したように、アンテナ部が封印シール1201の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されている。また、封印シール1201の一辺に沿う方向はアンテナ部の延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ部の周囲に位置するアンテナ用切り込みの端部に集中することで、アンテナ用切り込みを介してベースシートが破壊され、それに伴ってアンテナ部が分断されることとなる。アンテナ部が分断されるとID情報がアンテナ部から送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、封印シール1201を貼付板部1202,1203からきれいに剥がして基板ボックス108を開封し、主制御基板に対して不正を行った後に、基板ボックス108を封印して封印シール1201を再度きれいに貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
<封印シール1201用のカッター1205>
図30は本発明のカッター1205を示し、(a)は拡大正面図、(b)はB−B線拡大断面図である。
本発明の封印シール1201用のカッター1205は、貼付板部1202,1203の境界に出没するように取り付けられている。このカッター1205は、基板ボックス108を開封する際に、貼付板部1202,1203に跨ぐように貼り付けられた、アンテナ付きICチップを有する封印シール1201を切断する部材である。このように主制御基板を収容するボックスベース1081とボックスカバー1082とを跨ぐようにして封印シール1201が貼り付けられている。基板ボックス108を開封するためには、貼付板部1202,1203から封印シール1201を切断し、又は剥がして貼付板部1202,1203のネジ固定を解除する必要がある。この場合、封印シール1201が不正に剥がされたこと、即ち、主制御基板に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。
また、この封印シール1201を構成した制御基板装置であっても、開封の痕跡が残らないようにして巧妙に不正が行われる可能性がある。例えば封印シール1201について薬剤を用いてその粘着部分又は接着部分を溶かすようにして封印シール1201全体を一旦剥がし、その後再び基板ボックス108に貼り直して元の状態に戻す不正までは防止しづらかった。そこで、正規に基板ボックス108を開封する際には、この封印シール1201を積極的に切断して再利用できないようにカッター1205を備えた。
本発明のカッター1205は、図30に示すように、貼付板部1202,1203の内側において、文字通り全体がナイフ状の刃本体1206を配置し、刃本体1206の一端に軸受け部1207を、刃本体1206の他端につまみ部1208をそれぞれ備えた部材である。軸受け部1207はボックスカバー1082に形成された軸部1209に回動自在に差し込む部分である。つまみ部1208は、カッター1205を軸受け部1207を回転中心として動作させる部分である。図示例ではつまみ部1208を親指と人差し指で挟みやすいように円形状の穴を開けた形状としている。また、このつまみ部1208は貼付板部1202,1203の内側に刃本体1206が配置された状態で、図29(a)(b)に示すように貼付板部1202,1203の端縁から側方へ突出した状態になるように、刃本体1206の長手方向に対して直角に飛び出した状態に形成した。
また、つまみ部1208の反対側にはカッター1205を基板ボックス108(ボックスベース1081とボックスカバー1082)側に仮止めするストッパ部1210を形成した。図示例のストッパ部1210は、2本の部材の各先端に曲折部を設け、各曲折部がボックスベース1081又はボックスカバー1082に形成した鉤部に係止される構成になる。素材が合成樹脂であればその可撓性により所定の力を加えれば、ストッパ部1210の2本の部材が撓んで鉤部に係止され、また外すことができるようになっている。なお、ストッパ部1210の構成は、部材の撓みを利用して鉤部に係止される構成であれば、図示例の2本の部材の構成に限定されない。
刃本体1206には、カッター1205を貼付板部1202,1203の内側に取り付けたときに、貼付板部1202,1203に開けられたねじ穴1204の位置にカッターねじ穴1211が開いている。ねじにより両貼付板部1202,1203(ボックスベース1081及びボックスカバー1082)が固定されている。
<封印シールケース1212>
このカッター1205は、両貼付板部1202,1203の内側に位置し、このカッター1205のストッパ部1210がボックスベース1081又はボックスカバー1082側に係止された状態で、封印シール1201を両貼付板部1202,1203に跨るように貼り付ける。カッター1205のつまみ部1208は貼付板部1202,1203の隙間から飛び出した状態になる。これらのカッター1205と封印シール1201とを保護するように封印シールケース1212を被せる。この封印シールケース1212により封印シール1201に直接触れることを防止して不具合が発生しないようにする機能を有する。不正を防止する機能を有する。
この封印シールケース1212は、図27に示すように、両貼付板部1202,1203を側方から包むような1面に開口部1213を有する略直方体形状をなす。開口部1213の反対側にはカッター1205を動作させるスリット1214が形成されている。このスリット1214の形状は、刃本体1206の両端に軸受け部1207とつまみ部1208とを備えたカッターの形状に合わせて、両端が大きく開き、そこを細い隙間でつないだ形状になる。この封印シールケース1212には、両貼付板部1202,1203のねじ穴1204に相当する位置には略U字形状の切欠き1215も形成されている。この封印シールケース1212は、基板ボックス108(ボックスベース1081及びボックスカバー1082)に嵌脱自在に係止させる係止ピン1216を開口部1213の周囲両端に2か所設けている。
図31は本発明のカッター1205で切断した状態の封印シール1201を示す正面図である。図32は本発明のカッター1205で切断した他の状態の封印シール1201であり、切断開始か所が特に粗い状態のものを示す正面図である。図33は本発明のカッター1205で切断した他の状態の封印シール1201であり、切断箇所の全体が同じ状態のものを示す正面図である。
鋭利なカッターで封印シール1201を切断すると、鋭利な切断線を巧妙につなぎ合わせ、これを再利用されるおそれがある。そこで、本発明は鈍い刃部を有するカッター1205を用いた。図31に示すように、切断した封印シール1201の切断線が粗くなるので、この切断部分を精緻に接続することができず、再度貼付することを防止することができる。見掛け上その封印シール1201が切断され、封印シール1201が不正に剥がされたこと、即ち、主制御基板に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。
また、図32に示すように、封印シール1201の切断線はカッター1205の切断当初が特に粗い状態になったり、図33に示すように、封印シール1201の切断線全体が緩やかな波線を描くものなどになる。そこで、封印シール1201の切断線が大きく破壊されるため、つなぎ合わせといった封印シール1201を再利用することを防止することができる。
<カッターカバー1217>
図34は本発明の基板ボックス108にカッターカバー1217を取り付ける状態を示す斜視図である。図35は本発明の基板ボックス108にカッターカバー1217を取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
封印シール1201と封印シールケース1212とを包むように、カッターカバー1217を被せる。このカッターカバー1217により、封印シール1201は勿論のこと封印シールケース1212にも触れづらくしている。更に、カッター1205のつまみ部1208のみ開口窓1218(図27参照)から突出させる構造であり、刃本体1206は動作できないようになっている。
このカッターカバー1217は、図34に示すように、基板ボックス108の一側面を覆うように、封印シールケース1212より広い空間を有する略直方体形状をなす。カッターカバー1217の一面には板部材1219を有し、この板部材1219の略中間位置に封印シールケース1212とその両側のねじ穴1220を包むような空間が形成された凹部1221が形成されている。この凹部1221には基板ボックス108(ボックスベース1081及びボックスカバー1082)側に嵌脱自在に係止させる係止部材1222が2か所設けられている。係止部材1222部材の撓みを利用して基板ボックス108側の鉤部に係止される構成である。
また、カッターカバー1217には、これを遊技機10本体側に設けた係止穴(図示省略)に嵌脱自在に係止させる差し込み式の差込係止部材1223が設けられている。この差込係止部材1223は板部材1219を貫通するように設けられ、遊技機10本体側に設けた係止穴(図示省略)に嵌脱自在に係止させるように、板部材1219の平面に対して垂直方向に可動するようになっている。この差込係止部材1223の先端側(ボックスカバー1082側)に嵌脱自在に係止させる係止部が設けられ、後端側(ボックスベース1081側)に設けられた頭部を押したり、引いたりすることで、カッターカバー1217を遊技機10本体側に簡単に固定し、開放することができる。
このように基板ボックス108に封印シール1201と封印シールケース1212とを包むようにカッターカバー1217を被せているので、このカッターカバー1217を外さないと封印シール1201を切断できない。基板ボックス108について2段階で不正開封の防止を図っている。
カッターカバー1217部分は遊技機10本体側に簡単に固定し、開放することができる。そこで、このカッターカバー1217を取り付けた基板ボックス108は、後述するヒンジ構造1311により遊技機10本体側に対して開閉するように基板ボックス108を装着することができる。そこで、基板ボックス108の裏面であるボックスカバー1082側も容易に確認することができる。また、ヒンジ構造1311を用いないときは、基板ボックス108のカッターカバー1217を装着していない、反対側にも遊技機10本体側に固定する部材を設けることでその脱着を容易に行えるようにすることができる。
<ヒンジ構造1311>
図36はヒンジ構造1311と共に本体取付封印部材1093を基板ボックス108に取り付ける状態を示す分解斜視図である。図37はヒンジ構造1311に本体取付封印部材1093を取り付ける状態を示す拡大斜視図である。
ヒンジ構造1311は、本体取付封印部材1093に取り付けられる。本体取付封印部材1093は、基板ボックス108(ボックスベース1081とボックスカバー1082)を遊技盤61の背面側に、このヒンジ構造1311を介在して取り付ける部材である。
図38はヒンジ構造1311の本体取付封印部材用受け部1312と回動部1313を示す拡大斜視図であり、(a)は正面左上方視、(b)は正面右上方視、(c)は背面左上方視、(d)は背面右上方視である。図39はヒンジ構造1311の本体取付封印部材用受け部1312と回動部1313を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は左側面図、(e)は右側面図、(f)は背面図である。
ヒンジ構造1311は、本体取付封印部材1093と連結する本体取付封印部材用受け部1312、ヒンジ機能を奏する回動部1313と回動受け部1314とから成る。この回動部1313は遊技盤61の背面側に取り付けられた回動受け部1314に回動自在に支持される部材である。
本体取付封印部材用受け部1312は、その内側に本体取付封印部材1093との連結に必要な構造を具備し、その外側に遊技盤61の背面側においてヒンジ機能を奏する構造が延設された部材である。本体取付封印部材用受け部1312の全体は本体取付封印部材1093の長手方向と略同じ長さを有し、文字通り本体取付封印部材1093に連結する部位になる。この本体取付封印部材用受け部1312は、本体取付封印部材1093の周囲を覆うように連結する枠部1315と、本体取付封印部材1093と連結する破断ねじ1095をねじ込むねじボス1316と、本体取付封印部材1093の爪1317に掛け止める抜け止め部材1318とから成る。
このように本体取付封印部材用受け部1312は、破断ねじ1095と抜け止め部材1318の2か所ずつで本体取付封印部材1093と分離しないようになっている。2か所のねじボス1316は枠部1315から立ち上がるように連結壁1319でつなげられている。この連結壁1319は両ねじボス1316を補強する作用を有する。
両ねじボス1316には本体取付封印部材1093に設けられたねじ挿通穴1320から破断ねじ1095が締結されている。この破断ねじ1095を用いた理由は、所定以上の締め付けトルクがかかるとねじ頭が破断し、緩めることができないようにして、本体取付封印部材1093を不正に取り外すことを抑止するためである。即ち、本体取付封印部材1093から基板ボックス108を不正に取り外せないようにするためである。
また、ヒンジ構造1311は、本体取付封印部材用受け部1312の基板ボックス108が取り付けられる側と反対側の外周に、ヒンジ機能を奏する回動部1313を有する。この回動部1313は略円筒状の軸材からなり、その上部は本体取付封印部材用受け部1312に連結され、その下方に向けて略円筒状をなす部材からなる。ヒンジ構造1311は、基板ボックス108が遊技盤61の背面に対して水平方向へ回動するように機能する。そこで、この回動部1313は、その軸材が遊技盤61の背面において上下方向に配置されたものである。この回動部1313の軸材は遊技盤61の背面側に設けられた回動受け部1314に挿着され回動自在に支持される。
回動部1313は図示例では空洞部1322を数か所設けた構造になる。これは部材の強度を落とすことなく軽量化すると共に、組み付けを容易にするためである。また、回動部1313の略中間位置に抜け止め用の突起1321が2か所設けられている。この突起1321は、回動受け部1314の内周に設けられた抜け止め溝部1323内の軸周囲方向の移動は可能にするが、回動受け部1314の軸方向への移動は制止して抜け止め機能を奏するようになる。この突起1321は図39に示すように、回動部1313を回動受け部1314に組み付けしやすいように、挿入側(図示例では下側)は傾斜面を有している。突起1321の反挿入側(図示例では上側)は回動部1313周囲面に対して直角になり、抜けづらいようになっている。
回動部1313における2か所の突起1321の配置は、図39(b)と(f)に示すように、本体取付封印部材用受け部1312の本体側とその対極(約180度の角度)にある反対側にそれぞれ1か所ずつ設けた。これらの突起1321により、基板ボックス108を安定して支持することができる。
また、この2か所の突起1321の配置及びその周囲の空洞部1322は、軸材の突起1321のある側壁部分が軸材の中心側に撓んで、回動受け部1314の抜け止め溝部1323に入りやすくするためである。勿論この空洞部1322は軽量化にも寄与している。
また、本体取付封印部材用受け部1312の本体側の突起1321の上方には、本体取付封印部材用受け部1312との連結部分があるため、細い針金状の部材などを差し込みにくく、軸材の回動受け部1314からの取り外しを困難なものとしている。
なお、回動部1313に突起1321を2か所配置したのは、突起1321をこれ以上多く配置すると、回動部1313を回動受け部1314に組み付けることが困難になるおそれがあるからである。また、1か所のみであると抜け止め溝部1323から抜けやすくなるからである。
本発明のヒンジ構造1311は、本体取付封印部材用受け部1312と回動部1313の何れも合成樹脂材で成形されているので、その接合箇所が密になり、ナイフ、ドライバーその他の鋭利な先端を有する工具等でこじ開けることを抑止できる。また、金属と合成樹脂といった接合部分を少なくして、素材の強度、剛性等の極端な相違による接触部分の破損、損傷等を回避することができる。
図40はヒンジ構造1311を締結した本体取付封印部材1093を基板ボックス108に取り付ける状態を示す斜視図である。図41はヒンジ構造1311を締結した本体取付封印部材1093を基板ボックス108に取り付けた状態を示す斜視図である。図42はヒンジ構造1311を締結した本体取付封印部材1093を基板ボックス108に取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
本体取付封印部材用受け部1312は、その周囲に、更に基板ボックス108(ボックスベース1081)の側面に、装着されたボックス封印部材1086に設けられたポケット1324に係合する係合部1325を具備している。
一方、回動受け部1314には、その一側に遊技盤61の背面側に取り付けられる板部材1326を具備し、その他側に回動部1313を軸支するポケット状の受け構造1327を備えている。なお、図示例では板部材1326の形状は単純な長方形状にしているが、これは一例であって、実際に遊技盤61に取り付けられる形状に沿った形状になることは勿論である。
<ヒンジ構造1311の変形例1>
図43はヒンジ構造1311の変形例1を示し、(a)は組み付ける前の状態の正面図、(b)は凹部1328部分の拡大正面図である。
本発明のヒンジ構造1311は回動部1313の軸材が回動受け部1314内においてその周囲回り方向において約180度の角度内で回動する。そこで、基板ボックス108がこのヒンジ構造1311の周囲を回動することにより、基板ボックス108の裏面側(ボックスカバー1082)を見ることができる。
実際の作業に際して、回動部1313の軸材が回動受け部1314内において回動すると共に、抜け止めの構造を具備しているが、そのまま開いた状態、すなわち基板ボックス108の一端が遊技機10から離れた状態を維持することができず、そのまま閉じてしまうことがある。この基板ボックス108が開いた状態を維持できないと点検作業を円滑に行うことができない場合がある。そこで、このヒンジ構造1311の変形例1では、回動部1313の軸材の突起1321が一時的に係合する、凹部1328を回動受け部1314の内周に設けられた溝部1323内に形成した。これにより基板ボックス108はヒンジ構造1311で開閉できると共に、所定の開角度で維持することができ、点検作業を容易に実施できる。なお、凹部1328は開角度を選択できるように複数個所設けることも可能である。
<ヒンジ構造1311の変形例2>
または、ヒンジ構造1311の変形例2は、凹部1328に代えて、回動受け部1314の内周に設けられた溝部1323の下側、即ち回動部1313の軸材の突起1321が摺動する部分を細かい凹凸状、あるいは梨地状にして滑らないように構成することもできる(図示省略)。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
複数配列されたボックス封印部材の封印部と、複数配列された本体取付封印部材の別封印部とが組み込まないように配列することも可能である。遊技機の形態に応じて、個別的に組み込まない配列、又は組み込む配列にすることができる。
(1)上記実施の形態では、残存遊技球数が29個となるように、上下通路ユニットにおいて切換片から払出装置の回転体までの通路長を設定したが、残存遊技球数は29個に限定されることはなく、単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しない数であれば具体的な数は任意である。例えば、上記実施の形態における単位遊技球数の設定において、残存遊技球数を17個、19個、23個等としてもよい。
(2)入賞口に対する単位遊技球数の設定は、上記実施の形態のものに限定されることはなく、任意である。但し、単位遊技球数の設定を変更した場合には、それら単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないように残存遊技球数を変更する必要がある。ちなみに、可変入賞装置に対する単位遊技球数を15個に代えて、14個としてもよい。当該構成であっても、残存遊技球数を29個とすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(3)上記実施の形態では、単位遊技球数が異なる入賞口の種類を4種類としたが、これに限定されることはなく、1種類、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。この場合であっても、残存遊技球数を単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないようにすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(4)上記実施の形態では、図柄表示装置を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、受け皿として上皿及び下皿が設けられているのではなく、単一の受け皿が設けられたパチンコ機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機A
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりにパチンコ球でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の基板を収容する基板ケース(基板ボックス)を破壊して開封したときにその痕跡を残し、その制御基板が不正操作されたことを推知させる構造を有する基板ボックスを用いた遊技機に関する。
この遊技機には制御基板が備えられており、制御基板は基板ボックス内(基板収容ケース)に収容されている。例えば、特許文献2の特開2010−189の「遊技機」には、基板ボックスにおいて封止手段の存する箇所でのケースの境界面に、その境界面を囲う囲い壁を備えている構成が提案されている。この遊技機は、不正行為を低減できる基板ボックスを用いたものである。
しかし、遊技機には部品が収容されているが、その設置レイアウトが制限される場合があるという問題があった。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機における設計レイアウトの自由度を向上させることができる遊技機を提供することにある。
遊技機A1は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記第1ケース体に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体および前記第2ケース体を封止して該基板ボックスを開封不可とする封印部が複数配列されたボックス封印部材と、
前記基板ボックスを遊技機に取り付けるために、別封印部が複数配列された本体取付封印部材と、を備え、前記複数配列されたボックス封印部材の封印部と、複数配列された本体取付封印部材の別封印部とを組み込むように配列した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A1では、基板ボックスにおいて、ボックス封印部材の封印部と本体取付封印部材の別封印部とが組み込むように配列されているので、遊技機における基板ボックス、収容ケースの設計レイアウトの自由度を向上させることができる。
遊技機A2は、前記ボックス封印部材と前記本体取付封印部材は、前記基板ボックスの側面と平行になるように直線状に配列した、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A3は、前記ボックス封印部材と前記本体取付封印部材は、前記基板ボックスの短手方向の側面に配列した、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
なお、前記ボックス封印部材と前記本体取付封印部材は、前記基板ボックスの側面と平行になるように正確に直線状に配列する必要はなく、基板ボックスのコンパクト化に寄与できる程度に組み込むように配列したものでもよい。
遊技機A2、A3では、ボックス封印部材と本体取付封印部材を、基板ボックスの短手方向の側面と平行になるように直線状に配列したので、遊技機において基板ボックスの封止機構を視認しやすくなり、不正行為の確認作業が容易になる。そこで、不正行為の確認作業性の向上を図ることができる。
遊技機B
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりにパチンコ球でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の基板を収容する基板ケースを破壊して開封したときにその痕跡を残し、その制御基板が不正操作されたことを推知させる構造を有する基板ボックスを用いた遊技機に関する。
この遊技機には制御基板が備えられており、制御基板は基板ボックス内に収容されている。この基板ボックスは、その内部に制御基板を被包して収容するためのボックスベースとボックスカバーとを備えている。また、この基板ボックスには、このボックスベースとボックスカバーとを封止するための封止機構を備えている。この封止機構は所定箇所を破壊しない限り開封できない構造となっており、その封止機構を破壊してケースを開封した場合には、封止機構の破壊に基づいて開封の有無が確認できる。
更に、基板ボックスを構成する上下一対のケース体の接合部に再貼付不可能であり、剥がすと痕跡が残る封印シールを貼付している。基板ボックスには、このような不正開封防止が図られている。
この封印シールを用いた不正対策に関する技術について、例えば特許文献3の特開2011−156433の「遊技機」には、基板ボックスにおいて封止手段の存する箇所でのケースの境界面に、封印シールを貼付する構成が提案されている。
しかし、このような不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われる可能性がある。この封印シールを構成した制御基板装置であっても、開封の痕跡が残らないようにして巧妙に不正が行われる可能性がある。例えば封印シールについては、一旦剥がし、その後再び基板ボックスに貼り直して元の状態に戻す不正行為は発見しづらいという問題を有していた。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、制御基板に対する不正を防止すると共に、その不正の痕跡も容易に発見することができる遊技機を提供することにある。
遊技機B1は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記第1ケース体に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体および前記第2ケース体を封止して該基板ボックスを開封不可とする封印部が複数配列されたボックス封印部材と、
前記基板ボックスを遊技機に取り付けるために、別封印部が複数配列された本体取付封印部材と、を備え、
前記第1ケース体に前記ボックス封印部材を係止用部材を介して連結した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機B2は、前記第1ケース体に形成した凹部に前記係止用部材を嵌脱自在に装着し、該係止用部材に形成した凹部に、前記ボックス封印部材の凸部を嵌脱自在に装着した、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B1、B2では、基板ボックスにおいて、第1ケース体と第2ケース体との封印をするボックス封印部材の装着を確実かつ容易に行うことができる。そこで、遊技機における基板ボックスの組み立てを迅速に行うことができる。
遊技機B3は、前記係止用部材の開口に、前記ボックス封印部材の凸部を容易に装着できるような受け口を形成した、ことを特徴とする遊技機B2の遊技機。
遊技機B3では、この受け口によりボックス封印部材の凸条の端縁が引っ掛からず、凸条を係止用部材の開口に円滑に差し込むことができる。
遊技機B4は、前記係止用部材の受け口に、前記第1ケース体に形成した凹部の周縁に引っ掛かる曲折部を形成した、ことを特徴とする遊技機B2の遊技機。
遊技機B4では、受け口の折り返し部が、ボックスカバーの壁面の端縁に嵌合して係止用部材の開口を固定し、閉じないようにする。この凸条の係止用部材への差し込みを容易にすることができる。
遊技機B5は、前記係止用部材は、せん断加工と切欠き加工により略長方形状の部品全体の輪郭が形成され、曲げ加工により断面形状がコ字形状の凹部が曲折形成されるように、2種類の金型加工により成形したものである、ことを特徴とする遊技機B1、B2、B3又はB4の遊技機。
遊技機B5では、係止用部材を製造する際に、従来では3種類の金型を必要としたが、せん断加工と切欠き加工を同時に行い、1回の曲げ加工で断面形状がコ字形状になる部品を製造でき、金型を2種類使用するだけでよいので製造コストの低減を図ることができる。
遊技機C
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりにパチンコ玉でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の基板を収容する基板ケースを破壊して開封したときにその痕跡を残し、その制御基板が不正操作されたことを推知させる構造を有する基板ボックスを用いた遊技機に関する。
この遊技機には制御基板が備えられており、その制御基板によって電子的に遊技内容の制御が行われている。制御基板は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他必要とされる集積回路やインターフェース回路を備えている。制御基板のROMには、遊技の制御内容を決めるデータが記憶されている。このROMを交換することにより、遊技の制御内容を変更する。また、制御基板自体を交換し、あるいは制御基板に別のROMを外付けすることで制御内容を変更する。
この制御基板は基板ボックス内に収容されている。この基板ボックスは、その内部に制御基板を被包して収容するためのボックスベースとボックスカバーとを備えている。この基板ボックスには、このボックスベースとボックスカバーとを封止するための封止機構を備えている。この封止機構としてはボックスベースとボックスカバーを封印固定するかしめピンがある。
このかしめピンを備えた基板ボックスの不正対策に関する技術について、例えば特許文献4の特開2007−301126の「遊技機」が提案されている。
しかし、かしめピンによる封止機構を備えた基板ボックスについて、その開封の痕跡が残らないように巧妙な不正が行われるおそれがある。また、基板ボックスのコンパクト化に伴い、かしめピンも小型化して強度が低下し、ニッパ、ペンチによる切断が容易になり、制御基板に不正を施した後、かしめピンを再利用して再び基板ボックスに差し込んで元の状態に戻すというおそれがあった。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、小型化したかしめ部材であっても所定の強度を有し、基板ボックスからの取り外しが困難であり、また中古機の基板ボックスからかしめ部材等を取り出し、それらを組み合わせて再利用する不正を防止できる遊技機を提供することにある。
遊技機C1は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記第1ケース体に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体および前記第2ケース体を封止して該基板ボックスを開封不可とする封印部が形成されたボックス封印部材と、を備え、
前記ボックス封印部材の封印部に挿入するかしめ部材は、細長い板材を曲折した2か所の挿入先端を具備し、両挿入先端側に形成された掛止め用の各切欠きの向きがそれぞれ逆向きに成る、ことを特徴とする遊技機。
遊技機C1では、かしめ部材の掛止め用の各切欠きの向きがそれぞれ逆向きに形成されているので、貫通穴方式のものと比較して、挿入方向の幅方向が広くならないので、部材全体を小型化することができ、基板ボックス全体の小型化に寄与する。
遊技機C2は、前記かしめ部材は断面形状で略コ字状に成る、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C3は、前記かしめ部材は断面形状で略U字状に成る、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C2、C3では、各切欠きの向きがそれぞれ逆向きに形成されているので、かしめ部材を何れの向きに差し込んでも基板ボックス側に掛止めすることができる。
遊技機C4は、前記切欠きは、その奥行きが前記かしめ部材を構成する金属板材の板幅の半分で形成された、ことを特徴とする遊技機C1、C2又はC3の遊技機。
遊技機C4では、掛止める部分の機能を損なうことなく、強度を維持しつつ、かしめ部材全体の小型化を図ることができる。
遊技機C5は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記第1ケース体に前記第2ケース体を合わせた状態で前記第1ケース体および前記第2ケース体を封止して該基板ボックスを開封不可とする封印部が形成されたボックス封印部材と、を備え、
前記ボックス封印部材の封印部に挿入するかしめ部材は、細長い板材を断面形状で略L字形状に曲折した形状になり、その挿入先端側に掛止め部が形成されている、ことを特徴とする遊技機。
遊技機C6は、前記かしめ部材の掛止め部は貫通穴である、ことを特徴とする遊技機C5の遊技機。
遊技機C7は、前記かしめ部材の掛止め部は切欠きである、ことを特徴とする遊技機C5の遊技機。
遊技機C5、C6、C7では、小型化にしたので相対的に板厚にして更に強度を高めている。また、部材の板厚を厚くすることで、ドライバーや鋭利な先端を有する工具で不正にこじ開けることを防止することができる。更に、2個の部品を寄せ集めて1個の部品とするいわゆる2個1の防止にもなる。
遊技機D
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりにパチンコ玉でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の基板を収容する基板ケースを破壊して開封したときにその痕跡を残し、その制御基板が不正操作されたことを推知させる構造を有する基板ボックスを用いた遊技機に関する。
この遊技機には制御基板が備えられており、その制御基板によって電子的に遊技内容の制御が行われている。制御基板は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他必要とされる集積回路やインターフェース回路を備えている。制御基板のROMには、遊技の制御内容を決めるデータが記憶されている。このROMを交換することにより、遊技の制御内容を変更する。また、制御基板自体を交換し、あるいは制御基板に別なROMを外付けすることで制御内容を変更する。
この制御基板は基板ボックス内に収容されている。この基板ボックスは、その内部に制御基板を被包して収容するためのボックスベースとボックスカバーとを備えている。また、この基板ボックスには、このボックスベースとボックスカバーとを封止するための封止機構を備えている。この封止機構は所定箇所を破壊しない限り開封できない構造となっており、その封止機構を破壊してケースを開封した場合には、封止機構の破壊に基づいて開封の有無が確認できる。
更に、基板ボックスを構成する上下一対のケース体の接合部に再貼付不可能であり、剥がすと痕跡が残る封印シールを貼付している。基板ボックスには、このような不正開封防止が図られている。
この封印シールを用いた不正対策に関する技術について、例えば特許文献5の特開2011−156433の「遊技機」には、基板ボックスにおいて封止手段の存する箇所でのケースの境界面に、封印シールを貼付する構成が提案されている。
しかし、このような不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われる可能性がある。この封印シールを構成した制御基板装置であっても、開封の痕跡が残らないようにして巧妙に不正が行われる可能性がある。例えば封印シールについては、一旦剥がし、その後再び基板ボックスに貼り直して元の状態に戻す不正行為は発見しづらいという問題を有していた。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、基板ボックスを構成する上下一対のケース体の接合部に再貼付不可能な封印シールを貼付し、この封印シールを切断しないと基板ボックスを開閉できない構成にし、更にこの封印シールを切断するカッターも容易には操作できないようにすることで、制御基板に対する不正を防止すると共に、その不正の痕跡も容易に発見することができる遊技機を提供することにある。
遊技機D1は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、前記第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記第1ケース体と第2ケース体との両開口の外周部に設けられ、相互に対向する板面を有する貼付板部と、から成り、
前記両貼付板部の境界を跨ぐようにして、それら貼付板部に貼り付けられる封印シールと、
前記各貼付板部の境界に出没するように取り付けたカッターと、を備え、
前記カッターの動作を規制するカッターカバーを前記基板ボックスに着脱自在にかぶせ、該カッターカバーを外し、該カッターで前記封印シールを切断したときに、前記第1ケース体と第2ケース体とを分離することができるように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機D2は、前記カッターは、一端を前記第1ケース体又は第2ケース体の外周部に回動自在に取り付け、他端につまみ部と仮止めするストッパ部を形成した、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D1、D2では、第1ケース体と第2ケース体の境界に封印シールを貼付しているので、開封をするときに、この封印シールをカッターで切断することで、この封印シールを再度貼付できないようにして不正開封を防止することができる。更に、このカッターは、基板ボックスからカッターカバーを外さないと封印シールを切断できないので、2段階で不正開封の防止を図っている。
遊技機D3は、前記カッターは、前記封印シールの切断線が粗くなるような鈍い刃部を有する、ことを特徴とする遊技機D1又はD2の遊技機。
遊技機D4は、前記カッターカバーには、前記遊技機の本体側に設けた係止穴に着脱自在に固定する係止部材を設けた、ことを特徴とする遊技機D1、D2又はD3の遊技機。
遊技機D3、D4では、鈍い刃部を有するカッターでは、切断した封印シールの切断線が粗くなるので、この切断部分を精緻に接続することができず、再度貼付することを防止することができる。
遊技機E
本発明は、パチンコ、スロットマシンあるいはメダルの代わりにパチンコ玉でスロットマシンの遊技をするパロット等の遊技機に係り、特に遊技機の基板を収容する基板ボックスを用いた遊技機に関する。
この遊技機には制御基板が備えられており、その制御基板によって電子的に遊技内容の制御が行われている。制御基板は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他必要とされる集積回路やインターフェース回路を備えている。制御基板のROMには、遊技の制御内容を決めるデータが記憶されている。このROMを交換することにより、遊技の制御内容を変更する。また、制御基板自体を交換し、あるいは制御基板に別のROMを外付けすることで制御内容を変更する。
この制御基板は基板ボックス内に収容されている。この基板ボックスは、その内部に制御基板を被包して収容するためのボックスベースとボックスカバーとを備えている。この基板ボックスには、基板ボックスの裏面を容易に視認できるようにヒンジ部材(ヒンジ構造)を備えている。
このヒンジ部材(ヒンジ構造)を備えた基板ボックスに関する技術について、例えば特許文献6の特開2010−148807の「遊技機」に合成樹脂製の基板ボックスの被連結部の挿入口に金属製のヒンジ部材を構成する挿入片を差し込む構成が提案されている。
しかし、ヒンジ部材(ヒンジ構造)を備えた基板ボックスについて、従来の合成樹脂製の被連結部の挿入口に金属製の挿入片を差し込む構成では、基板ボックスの被連結部の挿入口の隙間からナイフ、細い針金状の部材を差し込んで不正に開封されるおそれがある。
本発明は、上述した問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ヒンジ部材(ヒンジ構造)と基板ボックスとの連結を強化し、基板ボックスの取り外しを困難にして不正しにくい遊技機を提供することにある。
遊技機E1は、遊技機についての所定の遊技に関する制御を司る制御基板を内部に収容する基板ボックスを備えた遊技機であって、
前記基板ボックスは、
第1ケース体と、該第1ケース体と合わされる第2ケース体と、
前記基板ボックスを遊技機に取り付けるために、別封印部が複数配列された本体取付封印部材とは別部品として形成され、本体取付部品と一体化される本体取付封印部材用受け部と、を備え、
前記本体取付封印部材を、前記本体取付封印部材用受け部と回動部とを有するヒンジ構造により、遊技機の一部に連結するように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機E1では、ヒンジ構造が基板ボックスの被連結部の挿入口に金属製の挿入片を差し込む構成ではないので、従来のように被連結部の挿入口の隙間からナイフ、細い針金状の部材を差し込んだ不正を防止しやすくなる。
遊技機E2は、前記ヒンジ構造を構成する前記本体取付封印部材用受け部と回動部とが合成樹脂材で成形されている、ことを特徴とする遊技機E1の遊技機。
遊技機E2では、合成樹脂材で成形されているので、その接合箇所が密になり、ナイフ、ドライバーその他の鋭利な先端を有する工具等でこじ開けることを抑止できる。また、金属と合成樹脂といった接合部分を少なくして、素材の強度、剛性等の極端な相違による接触部分の破損、損傷等を回避することができる。
遊技機E3は、前記ヒンジ構造の本体取付封印部材用受け部に、前記本体取付封印部材を破断ねじで連結固定するように構成した、ことを特徴とする遊技機E1の遊技機。
遊技機E3では、破断ねじで連結固定したので、本体取付封印部材1093から基板ボックス108を不正に取り外せないようにすることができる。
因みに、特徴A1乃至特徴A3、特徴B1乃至特徴B5、特徴C1乃至特徴C7、特徴D1乃至特徴D4、特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを上記特徴A1乃至A3、特徴B1乃至特徴B5、特徴C1乃至特徴C7、特徴D1乃至特徴D4、特徴E1乃至特徴E3に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構のソレノイド)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
遊技機10、A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D4、E1〜E3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機10、A1〜A、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D4、E1〜E3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機10、A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D4、E1〜E3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。