以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
図1は、実施形態の商品販売データ処理装置200を備えるPOSシステム(Point Of Sales system)1のブロック図であり、会計処理等に使用される。
商品販売データ処理装置には、ネットワーク接続機能を持つネットワーク接続型の商品販売データ処理装置のみならず、ネットワーク接続機能を持たない単体動作型の商品販売データ処理装置も含まれる。以下の説明では、商品販売データ処理装置200は、一例として、ネットワーク接続機能を持つネットワーク接続型の商品販売データ処理装置であるものとし、以下POS端末200として記載する。
POSシステム1は、図1に示すように、サーバ100と、複数のPOS端末200と、を備える。サーバ100とPOS端末200はネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワーク2は無線ネットワークであってもよいし、有線ネットワークであってもよい。
サーバ100は、各ストア或いはチェーンストアの本部等に設置されるストアサーバ(POSサーバ)である。サーバ100は、例えば、メインフレーム、ワークステーション、PCサーバ等のサーバ装置(サーバコンピュータ)で構成される。サーバ100は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、協働して処理を実行する複数台のコンピュータで構成されていてもよい。
サーバ100は、内部に記憶部110を有している。記憶部110は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。サーバ100は、POS端末200からネットワーク2を介して取得した販売額等のデータを集計し、記憶部110に保存する。
記憶部110には、PLU(Price Look Up)に使用される商品マスタ111が保存されている。商品マスタ111には、複数の商品データが格納されている。商品データは、PLUコード等の商品識別情報に、商品名、売価、シリアルコード等の商品情報を関連付けたデータである。サーバ100は、POS端末から商品識別情報が送信されると、商品マスタ111から該当の商品情報を抽出し、POS端末200に送信する。
POS端末200は、各ストアに設置されるPOS端末である。本実施形態では、POS端末200は、商品に付されたRFタグから情報を取得するRFID対応レジスターとなっている。図2は、POS端末の外観を示す斜視図である。また、図3はPOS端末のブロック図である。なお、図2に示したPOS端末の外観はあくまで一例であり、様々な変形が可能である。
POS端末200は、図3に示すように、カードリーダ210と、プリンタ220と、スキャナ230と、RFIDリーダ240と、表示部250と、操作部260と、記憶部270と、通信インタフェース280と、制御部290と、を備える。
カードリーダ210は、会員カード、クレジットカード等のカードからデータを読み取る装置である。カードリーダ210は、磁気ストライプからデータを読み取る磁気カードリーダであってもよいし、ICからデータを読み取るICカードリーダであってもよい。ICカードリーダは、接触型のリーダであってもよいし、非接触型のリーダであってもよい。カードリーダ210は、カードから顧客情報等のデータをリードし、制御部290或いは記憶部270へ送信する。
プリンタ220は、レシート、ジャーナル等を印刷するレシートプリンタ(ジャーナルプリンタ)である。プリンタ220は、例えば、サーマルプリンタ、レーザープリンタ、或いはインクジェットプリンタから構成される。プリンタ220は、制御部290の制御に基づいてレシート等を印刷する。
スキャナ230は、商品(商品包装を含む。)に付されたバーコードから情報を読み取るバーコードリーダである。なお、図2にはハンドスキャナの例を示しているが、スキャナ230は固定式スキャナであってもよい。
スキャナ230は、JAN(Japanese Article Number)コード(EAN、UPC)等のバーコード(一次元コード、一次元バーコードともいう。)に加えて、QRコード(登録商標)等の二次元コード(二次元バーコードコードともいう。)をリード可能であってもよい。スキャナ230がリード可能な二次元コードはQRコード(登録商標)に限定されず、例えば、データマトリクス(登録商標)、マキシコード、PDF417(登録商標)等であってもよい。なお、バーコードには、一次元コードのみならず、二次元コード(二次元バーコード)も含まれる。スキャナ230は、商品に付されたバーコードから商品識別情報を読み取り、制御部290或いは記憶部270に送信する。
スキャナ230がリードする商品識別情報は、商品のアイテム毎に一意に付される商品コードから構成されている。商品コードは、例えば、JAN/EAN/UPCコードである。商品コードは商品の製造或いは出荷時に商品(商品包装を含む。)に対して付されるソースマーキングコードであってもよいし、小売店等で付されるインストアコードであってもよい。また、商品コードは商品の価格の情報が含まれていないPLUコードであってもよいし、商品価格の情報が含まれるNonPLUコードであってもよい。
図4(A)〜(C)は、商品コードの例として、JAN−13(13桁JAN)コードを示したものである。図4(A)はソースマーキングコードの例である。ソースマーキングコードは、2桁のプリフィックスと、7桁のメーカーコードと、3桁の商品アイテムコードと、1桁のチェックデジットとから構成される。ソースマーキングコードの場合、プリフィックスは国コードとなる。日本の場合、プリフィックスは“45”若しくは“49”である。メーカーコードは各メーカーに一意に付されたコードであり、商品アイテムコードは商品のアイテム毎に一意に付されたコードである。チェックデジットは商品コードの読み取りエラー等を検出するためのエラー検出符号である。
また、図4(B)はインストアコード(PLUコード)の例である。インストアコード(PLUコード)は、2桁のプリフィックスと、10桁の商品アイテムコードと、1桁のチェックデジットとから構成される。また、図4(C)はインストアコード(NonPLUコード)の例である。インストアコード(NonPLUコード)は、2桁のプリフィックスと、6桁の商品アイテムコードと、4桁の価格と、1桁のチェックデジットとから構成される。インストアコードの場合、プリフィックスは、 “20〜29”若しくは“02”である。
なお、図4(A)〜(C)に示した商品コードはあくまで一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、上述の説明では、商品コードは13桁のコードであるものとして説明したが、商品コードは8桁のコード(例えば、JAN−8コード)であってもよい。また、商品コード内の各情報の桁数は上述した桁数とは異なるものであってもよい。例えば、ソースマーキングコードの場合、メーカーコードは7桁ではなく5桁であってもよいし、商品アイテムコードは3桁ではなく5桁であってもよい。また、商品コードの構成も上記に限定されない。例えば、商品コード内にプリフィックス、メーカーコード、チェックデジット等の情報はなくてもよい。また、商品コードは商品アイテムコードのみから構成されていてもよいし、メーカーコードと商品アイテムコードの組み合わせから構成されていてもよい。
図3に戻り、RFIDリーダ240は、商品300に付されたRFタグ310から無線通信によって情報をリードする装置である。RFIDリーダ240は、RFタグ310に情報を記録可能なRFIDリーダライタであってもよい。RFタグ310はRFタグ情報を記憶するRFIDタグ(ICタグ、RFタグともいう。)である。RFタグ情報はRFタグに記録された情報である。RFIDリーダ240は据置タイプであってもいし、ハンディタイプであってもよい。図2には、RFIDリーダ240の一例として、平板状の据置タイプのRFIDリーダを示している。
RFIDリーダ240は一度に複数のRFタグ310から情報をリード可能である。ユーザがRFIDリーダ240の電波送受信可能範囲に、RFタグ310が付された複数の商品300を置くと、RFIDリーダ240はRFタグ310の数を検出するとともに、それら複数のRFタグ310からRFタグ情報をリードする。RFIDリーダ240は、RFタグ310からRFタグ情報をリードしたら、リードしたRFタグ情報を制御部290或いは記憶部270に送信する。
RFタグ310のRFタグ情報には商品識別情報が含まれている。図5は、RFタグ310に記録される商品識別情報の例である。RFタグ310の商品識別情報には、商品コードに加えてシリアルコードが含まれており、バーコードの商品識別情報とは異なっている。シリアルコードは、商品のアイテム毎でなく、商品1つ1つに一意に付されたコードである。シリアルコードには商品コードと同様にエラー検出符号が付されていてもよい。RFタグ310に記録される商品コードの構成は、バーコードに記録される商品コードと同じものである。商品コードに記録された値も同じものである。
なお、RFタグ310は、リード完了のRFタグ310とリード未完了のRFタグ310とをRFIDリーダ240或いは制御部290が識別できるようにするため、RFタグ310の識別情報(以下、RFタグ識別情報という。)をRFIDリーダ240に出力するよう構成されていてもよい。RFタグ識別情報は、RFタグ情報とは別の情報であってもよいし、RFタグ情報の全部又は一部の情報で代替してもよい。
図3に戻り、表示部250は、客若しくはオペレータに対して伝える各種情報を表示する装置である。表示部250は、図2に示すように、客用表示器251と、オペレータ用表示器252と、から構成される。
客用表示器251は、商品名、価格、請求金額等、客に対して伝える各種情報を表示する表示部である。客用表示器251は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)等のディスプレイである。客用表示器251は、制御部290の制御に従って各種情報を表示する。
オペレータ用表示器252は、オペレータが商品の清算時に使用する各種情報を表示する表示部である。オペレータ用表示器252は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイである。オペレータ用表示器252はタッチパネルディスプレイとなっていてもよい。オペレータ用表示器252は、制御部290の制御に従って各種情報を表示する。
操作部260は、オペレータ等のユーザがPOS端末200を操作するためのユーザインタフェースである。操作部260は、例えば、キーボード、マウス、電源スイッチから構成される。キーボードには、RFIDリーダ240にRFタグ情報のリードを開始させるためのRFタグリード開始スイッチが含まれていてもよい。オペレータ用表示器252をタッチパネルディスプレイとする場合、オペレータ用表示器252も操作部260とみなすことができる。操作部260は、ユーザの指示を制御部290に通知する。
図3に戻り、記憶部270は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部270は制御部290に内蔵されたメモリであってもよいし、制御部290とは別体のメモリであってもよい。記憶部270には、図6に示すように、登録OKリスト271、登録NGリスト272等の各種情報が記録される。
登録OKリスト271、及び登録NGリスト272は、後述の会計処理で使用されるリストである。登録OKリスト271は、RFタグ310等から正常に商品識別情報を取得できた商品300であって、取得した商品識別情報に基づいてサーバ100から正常に商品情報が取得できた商品300(以下、エラー無し商品という。)を登録するためのリストである。また、登録NGリスト272は、RFタグ310等から正常に商品識別情報を取得できなかった、若しくは、サーバ100から正常に商品情報が取得できなかった商品300(以下、エラー商品という。)を登録するためのリストである。登録OKリスト271、及び登録NGリスト272は、1人分の客の清算情報であり、新たな清算が開始される度に初期化される。なお、この登録OKリスト271および登録NGリスト272は、エラー無し商品及びエラー商品の記録形式の一例である。エラー無し商品及びエラー商品の記録形式はこれらに限られるものではない。登録OKリスト271および登録NGリスト272については、後述の会計処理で説明する。
図3に戻り、通信インタフェース280は、POS端末200をネットワーク2に接続するためのネットワーク接続インタフェースである。通信インタフェース280は、例えば、LANインタフェースである。ネットワーク2を無線ネットワークとする場合、通信インタフェース280は無線接続インタフェース(例えば、無線LANインタフェース)であってもよい。通信インタフェース280は、制御部290の制御に従ってサーバ100と通信する。
制御部290は、プロセッサ等の処理装置である。制御部290は不図示のROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)或いは記憶部270に格納されているプログラムに従って動作することで、後述の「会計処理」を含む種々の動作を実現する。図7は制御部290の機能ブロック図である。制御部290は、プログラムに従って動作することで、リード制御部291、商品情報取得部292、エラー商品判別部293、記憶制御部294、表示制御部295、再取得部296、エラー商品特定部297、通知制御部298として機能する。
本実施形態の場合、リード制御部291はリード制御手段として機能し、商品情報取得部292は商品情報取得として機能し、エラー商品判別部293はエラー商品判別手段として機能し、記憶制御部294は記憶制御手段として機能し、表示制御部295は表示制御手段として機能し、再取得部296は再取得手段として機能し、エラー商品特定部297はエラー商品特定手段として機能し、通知制御部298は通知制御手段として機能する。
制御部290は、1つのマイクロプロセッサから構成されていてもよいし、協働して処理を実行する複数のマイクロプロセッサから構成されていてもよい。例えば、リード制御部291〜通知制御部298をそれぞれ1つのマイクロプロセッサとし、これら8つのマイクロプロセッサで制御部290を構成してもよい。なお、1つのマイクロプロセッサにどの機能を割り当てるかは、装置設計者の任意である。例えば、制御部290を2つのマイクロプロセッサで構成し、一方のマイクロプロセッサをリード制御部291〜表示制御部295、他方のマイクロプロセッサを再取得部296〜通知制御部298としてもよい。1つの機能(例えば、表示制御部295としての機能)を複数のマイクロプロセッサに分散することも可能である。
次に、このような構成を有するPOS端末200の動作について説明する。
POS端末200に電源が投入されると、制御部290は会計処理を開始する。以下、図8のフローチャートを参照して会計処理を説明する。
リード制御部291は、RFタグ情報のリード開始条件を満たしたか判別する(ACT11)。リード開始条件は装置設計者等により適宜設定可能である。例えば、リード制御部291は、操作部260のRFタグリード開始スイッチがユーザによってONされたことを検知した場合にリード開始条件が満たされたと判別してもよい。また、リード制御部291は、RFIDリーダ240の上にRFタグ310が付された商品300が置かれたことをRFIDリーダ240が検知した場合にリード開始条件が満たされたと判別してもよい。リード開始条件が満たされていない場合(ACT11:No)、リード制御部291はリード開始条件が満たされるまでACT11を繰り返す。
リード開始条件が満たされている場合(ACT11:Yes)、リード制御部291は記憶部270に保存されている登録OKリスト、及び登録NGリストを初期化する。表示部250に、前の客の請求金額等が表示されているのであれば、リード制御部291は表示部250も初期化する(ACT12)。図9は初期化されたPOS端末画面の一例である。POS端末画面とは、オペレータが商品の会計処理等に使用する各種情報(商品情報、顧客情報、各種操作メニュー等)が表示される画面のことである。POS端末画面は、オペレータ用表示器252に表示される。
続いて、制御部290は、RFタグ情報リード処理を開始する(ACT13)。以下、図10のフローチャートを参照してRFタグ情報リード処理を説明する。
最初に、リード制御部291は、RFIDリーダ240からこれからリードするRFタグ310の数を取得する(ACT131)。このとき、リード制御部291は、リードが完了したRFタグ310とリードが未完了のRFタグ310とを後の処理(ACT132)で識別できるようにするため、RFIDリーダ240から、RFタグ数の情報に加えて、RFタグ310それぞれのRFタグ識別情報を取得してもよい。
続いて、リード制御部291は、複数のRFタグ310の中から未だRFタグ情報のリードが完了していないRFタグ310を1つ選択する。そして、リード制御部291は、RFIDリーダ240を制御して、選択したRFタグ310からRFタグ情報をリードする(ACT132)。このとき、リード制御部291は、次の周回時に、RFタグ情報のリードが未完了していないRFタグ310を判別できるようにするため、今回、RFタグ情報のリードが完了したRFタグ310のRFタグ識別情報を記憶部270に保存してもよい。
次に、商品情報取得部292は、ACT132で取得したRFタグ情報に含まれる商品識別情報に基づいてサーバ100から商品情報を取得する(ACT133)。上述したように、商品情報は、商品名、売価等の情報であり、サーバ100が保持する商品マスタ111に登録されている。
次に、エラー商品判別部293は、ACT132でRFタグ情報を取得した商品300がエラー商品であるかエラー無し商品であるか判別する(ACT134)。例えば、エラー商品判別部293は、ACT133で商品情報取得部292がサーバ100から商品情報を取得できなかった商品300(すなわち、商品マスタ111に未登録の商品)をエラー商品と判別してもよい。また、エラー商品判別部293は、RFタグ情報に記録されているシリアルコードが商品マスタ111に登録されていないシリアルコードである場合に、その商品300がエラー商品であると判別してもよい。また、エラー商品判別部293は、商品コード或いはシリアルコードに付されているエラー検出符号を使って商品コード或いはシリアルコードにエラーがある場合に、その商品300がエラー商品であると判別してもよい。
RFタグ情報を取得した商品300がエラー商品でない場合、すなわち、RFタグ情報を取得した商品300がエラー無し商品の場合(ACT134:No)、記憶制御部294は、RFタグ情報に含まれる商品識別情報を、記憶部270の登録OKリスト271に登録する。登録OKリスト271に登録する商品識別情報は商品コードのみであってもよいし、シリアルコードが含まれた状態であってもよい。
RFタグ情報を取得した商品300がエラー商品の場合(ACT134:Yes)、記憶制御部294は、RFタグ情報に含まれる商品識別情報を、記憶部270の登録NGリスト272に登録する。商品識別情報にシリアルコードが含まれるのであれば、記憶制御部294は、少なくともシリアルコードが含まれた状態で商品識別情報を登録NGリスト272に登録する。登録NGリスト272に登録する商品識別情報はシリアルコードのみであってもよい。なお、RFタグ310をリードした全ての商品300のエラー商品か否かの判別が完了するまで、制御部290はエラー出力を行わない。
続いて、リード制御部291は、全てのRFタグ310のリードが完了したか否か判別する(ACT137)。例えば、リード制御部291は、RFタグ情報をリードしたRFタグ310の数がACT131で取得したRFタグ数に達した場合に、全てのRFタグ310のリードが完了したと判別し、それ以外の場合にリードが完了してないと判別する。
全てのRFタグ310のリードが完了していない場合(ACT137:No)、リード制御部291はACT132に戻る。全てのRFタグ310のリードが完了している場合(ACT137:Yes)、リード制御部291はRFタグ情報リード処理を終了する。
図8の会計処理のフローに戻り、表示制御部295は、ACT133で取得したエラー無し商品の商品情報を表示部250に表示する(ACT14)。商品情報を表示する表示部250は、オペレータ用表示器252であってもよいし、客用表示器251であってもよい。また、商品情報を表示する表示部250は、客用表示器251とオペレータ用表示器252の双方であってもよい。図11は商品情報が表示されたPOS端末画面の一例である。表示制御部295は、エラー無し商品の数をPOS端末画面に表示してもよい。
なお、POS端末画面に表示された商品情報は削除可能であってもよい。例えば、制御部290は、オペレータがタッチパネルをタッチする等して選択した商品を、図11に示すように、太枠で囲んだりハイライトしたりする等により強調表示する。そして、制御部290はタッチパネル上或いはキーボード上に用意された不図示の削除キーがオペレータにより押されたか否かを判別する。削除キーが押された場合、制御部290はPOS端末画面から選択された商品(図11の例であれば“商品アイテム5”)を削除する。この場合、エラー商品判別部293は削除された商品300をエラー商品と判別してもよい。そして、記憶制御部294は、削除された商品300の商品識別情報をエラー商品として登録NGリスト272に登録してもよい。
図8に戻り、表示制御部295は、ACT13でRFタグ情報をリードした商品300の中にエラー商品が含まれているか否か判別する(ACT15)。例えば、表示制御部295は、登録NGリスト272に商品識別情報が1つでも登録されている場合には商品300の中にエラー商品が含まれていると判別し、そうでない場合には商品300の中にエラー商品が含まれていないと判別する。商品300の中にエラー商品が含まれていない場合(ACT15:No)、表示制御部295はACT11に戻る。
商品300の中にエラー商品が含まれている場合(ACT15:Yes)、表示制御部295は、オペレータ用表示器252にエラー商品のエラー情報を表示する(ACT16)。エラー情報は、エラー商品を識別するための、或いはエラーの内容を特定するための情報である。エラー商品が複数ある場合、表示制御部295は、オペレータ用表示器252にエラー情報をリスト表示する。このとき、表示制御部295は、エラー商品の数を表示してもよい。以下の説明では、エラー情報のリストをRFIDエラーリストという。図13はRFIDエラーリストの一例である。RFIDエラーリストに表示されるエラー情報には、エラー商品識別情報とエラー内容特定情報とが含まれる。
エラー商品識別情報は、エラー商品の商品識別情報である。エラー商品識別情報は、商品コードのみから構成されていてもよいし、シリアルコードのみから構成されていてもよい。また、エラー商品識別情報は、商品コードとシリアルコードの双方が含まれる情報であってもよい。
また、エラー内容特定情報は、オペレータ等のユーザがエラーの内容を特定するための情報である。エラー内容特定情報は、例えば、商品マスタ111に商品コードが登録されていないことを理由に商品300がエラー商品と判別されたのか、商品マスタ111にシリアルコードが登録されていないことを理由に商品300がエラー商品と判別されたのか、或いは、エラー検出コードを使ったエラー検出により商品300がエラー商品と判別されたのか、等を特定するための情報である。エラー内容特定情報は、エラーの原因が記載された文書情報であってもよいし、単に数値或いは記号が羅列したエラーコードであってもよい。
図8に戻り、制御部290は、エラー商品特定処理を開始する。この処理は、エラー商品が複数の商品300の中のいずれであるかを、オペレータ等のユーザが容易に特定できるようにするための処理である。ユーザは、オペレータ用表示器252に表示されたRFIDエラーリストを見て、エラー商品と思われる1又は複数の商品300をRFIDリーダ240の上に置く。以下、図12のフローチャートを参照してエラー商品特定処理を説明する。
再取得部296は、RFタグ情報のリード開始条件を満たしたか判別する(ACT171)。リード開始条件は装置設計者等により適宜設定可能である。例えば、再取得部296は、操作部260のRFタグリード開始スイッチがユーザによってONされたことを検知した場合にリード開始条件が満たされたと判別してもよい。リード開始条件が満たされていない場合(ACT171:No)、再取得部296はリード開始条件が満たされるまでACT171を繰り返す。
続いて、再取得部296は、RFIDリーダ240を制御して、RFタグ310からRFタグ情報を取得する。RFタグ310が複数ある場合、再取得部296は、全てのRFタグ310からRFタグ情報を再取得する。そして、再取得部296は、再取得したRFタグ情報から商品識別情報を抽出する(ACT172)。
次に、エラー商品特定部297は、ACT172で商品識別情報が再取得された商品300がエラー商品か否か判別する(ACT173)。例えば、エラー商品特定部297は、ACT172で再取得された商品識別情報と、登録NGリスト272に登録されている商品識別情報と、を比較する。そして、エラー商品特定部297は、比較の結果、一致する商品識別情報が登録NGリスト272の中に見つかった場合に、商品300がエラー商品であると判別する。登録NGリスト272にシリアルコードが登録されている場合、エラー商品特定部297は、シリアルコードも一致するか否かを判別する。シリアルコードが一致しない場合、エラー商品特定部297は、商品300はエラー商品でないと判別する。
商品300がエラー商品の場合(ACT173:Yes)、通知制御部298は、商品300がエラー商品である旨をユーザに通知する(ACT174)。通知の方法は装置設計者の任意である。例えば、通知制御部298は、図14に示すように、RFIDエラーリストの該当のエラー情報を強調表示することによりユーザに通知してもよい。強調表示は、例えば、図4の最初の行の先頭に表示しているような黒三角であってもよいし、該当の行のハイライト表示であってもよい。
商品300がエラー商品でない場合(ACT173:No)、通知制御部298は、商品300がエラー商品でない旨をユーザに通知する(ACT175)。通知の方法は装置設計者の任意である。例えば、通知制御部298は、図15に示すように、ポップアップウィンドウを使って商品300がエラー商品でないことを通知してもよい。
通知が完了したら、制御部290は、エラー商品特定処理の処理終了条件が満たされているか判別する(ACT176)。処理終了条件は装置設計者等により適宜設定可能である。例えば、制御部290は、キーボード或いはタッチパネルの予め指定されたキーがユーザによって押されたことを検知した場合に、処理終了条件が満たされたと判別してもよい。
処理終了条件が満たされていない場合(ACT176:No)、制御部290はACT171に戻る。処理終了条件が満たされている場合(ACT176:Yes)、制御部290はエラー商品特定処理を終了する。
図8の会計処理のフローに戻り、制御部290は、ACT17のエラー商品特定処理が終了したら、ACT11に戻り、リード開始条件が満たされるのを待機する。
本実施形態によれば、POS端末200は、RFタグ情報をリードした商品300の中にエラー商品が複数あったとしても、RFIDエラーリストにエラー情報を一括で表示するよう構成されている。従って、何度も繰り返しエラーが出力されることがないので、ユーザがエラー出力のために時間をロスしたり不快を感じたりすることが少ない。
また、POS端末200は、RFIDエラーリストを出力した後、商品識別情報を再取得し、商品識別情報を再取得した商品300がエラー商品か否かを特定するよう構成されている。従って、ユーザは複数の商品300の中から、エラー商品を容易に特定できるので、エラー商品を探すために時間を大きくロスすることがない。
シリアルコードは同じ種類の商品であっても(つまり、同じ商品アイテムであっても)物が異なれば異なる値となる。必ずしもシリアルコードが商品にプリントされているは限らず、また、仮にシリアルコードが商品にプリントされていたとしても、プリント箇所を探し出すのは困難な作業である。シリアルコードが原因で(例えば、シリアルコードが商品マスタ111に登録されていない等の理由で)POS端末200がエラー出力した場合、例えRFIDエラーリストが出力されていたとしても、ユーザは複数の商品300の中からエラー商品を容易に特定することはできない。しかし、本実施形態のPOS端末200は、エラー商品か否かを特定するにあたり、商品コードだけでなく、シリアルコードが一致するか否かも判別している。従って、シリアルコードが原因でPOS端末200がエラー出力したとしても、ユーザは複数の商品300の中からエラー商品を容易に特定できる。
なお、上述の各実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、POS端末200はネットワーク接続機能を持つネットワーク接続型の商品販売データ処理装置であるものとして説明したが、POS端末200はネットワーク接続機能を持つネットワーク接続型の商品販売データ処理装置に限られない。POS端末200は通信機能を持たない単体動作型の商品販売データ処理装置であってもよく、この場合、POS端末200は、記憶部270に商品マスタ111を保持していてもよい。そして、POS端末200は、記憶部270に保持されている商品マスタ111から商品情報を取得してもよい。
また、上述の実施形態では、登録NGリスト272に登録される商品識別情報には少なくともシリアルコードが含まれるものとした。しかしながら、登録NGリスト272に登録される商品識別情報には必ずしもシリアルコードが含まれていなくてもよい。例えば、登録NGリスト272に登録される商品識別情報は商品コードだけであってもよい。
また、上述の実施形態(ACT172)では、再取得部296は、RFタグ310から商品識別情報を再取得した。しかしながら、再取得部296はバーコードから商品識別情報を取得してもよい。このとき、ユーザは、スキャナ230を使ってバーコードをリードしてもよい。そして、エラー商品特定部297は、バーコードから取得した商品識別情報と、登録NGリスト272に登録されている商品識別情報と、を比較することにより、商品300がエラー商品か否かを判別してもよい。
なお、RFタグ310の故障している、或いは商品300にRFタグ310が付されていない等の理由でRFタグ310がRFIDリーダ240に認識されない場合がある。この場合、オペレータは、目の前にある商品300の数とPOS端末200が認識した商品300の数とが一致しないので、RFタグ310が認識されなかったエラー商品を複数の商品の中から探し出さなければならない。しかし、そもそもこのエラー商品は、RFタグ310を認識できない商品であるので、当然、登録OKリスト271にも登録NGリスト272にも登録されていない。このため、上述のエラー商品特定処理の処理結果に基づいて、オペレータがこのエラー商品を特定するのは困難である。そこで、POS端末200に以下に示す処理を実行させることで、商品300がRFタグ310の存在を認識できなかった商品であるか否かをユーザが容易に特定できるようにする。
POS端末200が実行する処理は以下の通りである。なお、以下の処理はACT15での判別結果(エラー商品がある/なしの判別結果)に関わらず実行される。例えば、以下の処理は、ACT14でPOS端末面に商品情報が表示された後、オペレータが指定のキーを押した場合に実行される。
まず、再取得部296は、スキャナ230がバーコートを検知したら、バーコードから商品識別情報を取得する。次に、エラー商品特定部297は、「バーコードから再取得した商品識別情報登録」と、登録NGリスト272に記憶されている「エラー商品の商品識別情報」および登録OKリスト271に登録されている「エラー無し商品の商品識別情報」と、を比較する。そして、エラー商品特定部297は、バーコードから再取得した商品識別情報登録が、登録NGリスト272に登録されている商品識別情報及び登録OKリスト271に登録されている商品識別情報のいずれとも一致しなかった場合、バーコードから商品識別情報を再取得した商品300が、RFタグ310の存在を認識できなかった商品であると判別する。判別結果は、通知制御部298が、ポップアップウィンドウ等を使って通知してもよい。
また、上述の実施形態では、エラー商品は、RFタグ310等から正常に商品識別情報を取得できなかった商品300、若しくは、サーバ100から正常に商品情報が取得できなかった商品300であるものとした。しかし、エラー商品はこれらに限定されない。例えば、例えば、エラー商品はRFタグ310の存在をRFIDリーダ240が認識できなかった商品であってもよい。
また、エラー商品は販売期限が切れた販売期限切れ商品であってもよい。販売期限は、メーカーが設定した消費期限もしくは賞味期限であってもよいし、消費期限もしくは賞味期限から予め設定された期間前であってもよい。このとき、商品マスタ111には商品情報として販売期限の情報が含まれていてもよい。そして、エラー商品判別部293は販売期限に基づいてエラー商品を判別してもよい。例えば、エラー商品判別部293は、商品マスタ111から取得した商品情報に含まれる販売期限の情報と、不図示のタイマ等から取得した現在日時の情報と、を比較し、販売期限を超えている場合には、該当の商品300をエラー商品と判別する。
また、エラー商品は、酒、タバコ等の年齢制限商品であってもよい。このとき、商品マスタ111には、商品情報として、該当の商品300が年齢制限商品か否かを示す情報が含まれていてもよい。そして、エラー商品判別部293は、商品マスタ111から取得した商品情報に基づいて商品300が年齢制限商品か否かを判別してもよい。そして、エラー商品判別部293は、オペレータ或いは客が、操作部260或いはカードリーダ210を介してPOS端末200に入力した情報に基づいて、客の年齢が成人に達しているか否かを判別し、客の年齢が成人に達していない場合には、該当の商品300をエラー商品と判別してもよい。
また、上述の実施形態(ACT16)では、RFIDエラーリストに表示されるエラー情報には、エラー商品識別情報とエラー内容特定情報とが含まれるものとした。しかし、エラー情報には、必ずしもエラー商品識別情報とエラー内容特定情報の双方が含まれていなくてもよい。エラー情報には、エラー商品識別情報とエラー内容特定情報のいずれか一方が含まれていればよい。
また、上述の実施形態では、登録OKリスト271と登録NGリスト272は記憶部270に保存されるものとして説明した。しかし、これらのリストは必ずしも記憶部270に保存される必要はない。登録OKリスト271と登録NGリスト272はPOS端末200の外部の記憶装置、例えば、ストアサーバに保存されてもよい。
本実施形態のPOS端末200は、専用のコンピュータシステムによって実現してもよいし、通常のコンピュータシステムにより実現してもよい。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによってPOS端末200を構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。