JP6328746B2 - 無線通信方法及び装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信方法及び装置及びプログラムに係り、特に、無線アクセスポイント装置における無線通信方法、無線アクセスポイント装置及び無線通信プログラムに関する。
無線ネットワークにおけるメディアアクセス制御の典型的な方式として、無線LANの規格であるIEEE802.11で規定されているDistributed Coordination Function(DCF)やEnhanced Distributed Channel Access(EDCA)のような自律分散制御をベースにしたものが挙げられる。一方、各々のクライアントに対して更なるQuality of Service(QoS)を保証するため、Point Coordination Function(PCF)やHybrid Coordination Function Controlled Channel Access(HCCA)等のポーリング信号による中央制御型の方式が提案されており、リアルタイム性が要求されるサービスに用いられている。
上記技術を基にしたQoSを提供する技術として、特開2012−235453号公報(特許文献1)、特開2007−74214号公報(特許文献2)がある。特許文献1には、「選択的ポーリング技術は、適切にデータを送信することに失敗したステーションに送信失敗を修正する機会が与えられることを確保するために、無線ネットワーク内でステーションを選択的にポーリングするのに用いられる。選択的ポーリング技術は、あらゆるポーリングベースのシステムに適用でき、従って、レガシーシステムとの下位互換性が維持される。」(要約)と開示されている。
特許文献2には、「無線基地局装置(アクセスポイント)による無線端末装置(ステーション)の集中管理によって、他の無線基地局装置との周波数共有機能を有し、かつ周期性を持つデータの送受信を行うスケジューリング制御手段を有する無線パケットスケジューリング拡張方法において、ビーコン送信周期間隔を仮想的にスロット化することにより、スロットの割り当てに際にデータの送受信が有する送信周期間隔で未使用と判断されたスロットを選択し、割り当てる。」(要約)と開示されている。
特許文献3には、「複数の通信局からなる無線通信システムにおいて、各通信局がネットワークに関する情報を記述したビーコンを送信し合うことによってネットワークを構築する。この場合、近隣の通信局のビーコン送信時間に関する近隣ビーコン情報は、自局のタイマー値との相対時間で示した情報として、ビーコンの衝突を回避しながら効率よくデータ送信を行なうことができる、優れた無線通信システムとする。」(要約)と開示されている。
特開2012−235453号公報 特開2007−74214号公報 特開2010−206828号公報
特許文献1には、予め決められたスケジュールに従って複数のステーションをポーリングする無線送受信機を含む、アクセスポイントの仕組みが記載されている。また、特許文献2には、複数の無線ネットワークが存在するときに起こりうる、ポーリング信号衝突を回避する無線基地局装置の仕組みが記載されている。
しかし、上記2つの特許文献は、複数のアクセスポイントが同一チャネル上に存在し、互いの通信可能エリアに影響し合う場合に対応していない。特許文献1に記載の技術は、複数のアクセスポイントが存在する場合を想定しておらず、パケットの衝突を回避することができない。特許文献2の無線基地局装置は、ポーリング信号を送信する前に、ビーコン送信期間を仮想スロットで分割してチャネルスキャンを行い、周期的に使用可能なスロットをデータ送受信可能期間として割り当てるが、全ての端末が定期的に送信権を得られない可能性があるため、QoSを保証できない場合があるという課題が生じる。
特許文献1に記載の技術を、そのまま複数のアクセスポイントが同一チャネル上に存在する場合に実施すると、以下のような課題が生じる。
図1は、先行特許技術の課題である、複数アクセスポイント設置時における、ポーリング信号衝突の例を示す図である。
例えば、図1に示すように、3台のアクセスポイントが存在し、アクセスポイント(AP1)がポーリング通信(100)を行っている場合、2台のアクセスポイント(AP2〜3)はAP1がポーリング通信を終了するまで待機(101〜102)してから、同時に(又は、ほぼ同時に)ポーリング通信(103、104)を開始するので、互いのポーリング信号が衝突(105)し、スループットの低下や遅延の増大を招く。
そこで本発明は、以上の点に鑑み、複数アクセスポイント間におけるパケット衝突を回避させることを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
無線通信方法であって、
周辺に存在しポーリング通信又はブロードキャスト通信を行うひとつ又は複数の周辺アクセスポイント(AP)のアドレス情報と、該周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況を管理し、
各周辺APは、自APのアドレス情報と、先行APのアドレス情報と、自APのグループ情報とを含む通信パラメータ情報を含んだポーリング通信用信号又は報知信号を送信し、
ポーリング通信又はブロードキャスト通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、各周辺APからポーリング通信用信号又は報知信号を検出したとき、ポーリング通信用信号又は報知信号に含まれる周辺APのアドレス情報と周辺APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して更新し、
前記チャンネル利用状況に基づいて、自APの直前にポーリング通信又はブロードキャスト通信を行う先行APのアドレス情報又は先行AP無しを示す該アドレス情報と、自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して保持し、
前記通信パラメータ情報に従い、サービス期間を開始する、
ことを特徴とする無線通信方法が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
無線通信装置であって、
周辺に存在しポーリング通信又はブロードキャスト通信を行うひとつ又は複数の周辺アクセスポイント(AP)のアドレス情報と、該周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況を管理するAPリストテーブルと、
各周辺APは、自APのアドレス情報と、先行APのアドレス情報と、自APのグループ情報とを含む通信パラメータ情報を記憶するパラメータテーブルと、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
前記パラメータテーブルから読み出した前記通信パラメータ情報を含んだポーリング通信用信号又は報知信号を送信し、
ポーリング通信又はブロードキャスト通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、各周辺APからポーリング通信用信号又は報知信号を検出したとき、ポーリング通信用信号又は報知信号に含まれる周辺APのアドレス情報と周辺APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して前記APリストテーブルを更新し、
前記APリストテーブルを参照し、前記チャンネル利用状況に基づいて、自APの直前にポーリング通信又はブロードキャスト通信を行う先行APのアドレス情報又は先行AP無しを示す該アドレス情報と、自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して、前記パラメータテーブルに保持し、
前記パラメータテーブルに記憶された前記通信パラメータ情報に従い、サービス期間を開始する、
ことを特徴とする無線通信装置が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
無線通信プログラムであって、
処理部が、周辺に存在しポーリング通信又はブロードキャスト通信を行うひとつ又は複数の周辺アクセスポイント(AP)のアドレス情報と、該周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況をAPリストテーブルに記憶することで、管理し、
処理部が、各周辺APは、自APのアドレス情報と、先行APのアドレス情報と、自APのグループ情報とを含む通信パラメータ情報を、パラメータテーブルに記憶し、
処理部が、パラメータテーブルから読み出した通信パラメータ情報を含んだポーリング通信用信号又は報知信号を送信し、
処理部が、ポーリング通信又はブロードキャスト通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、各周辺APからポーリング通信用信号又は報知信号を検出したとき、ポーリング通信用信号又は報知信号に含まれる周辺APのアドレス情報と周辺APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して前記APリストテーブルを更新し、
処理部が、前記APリストテーブルを参照し、前記チャンネル利用状況に基づいて、自APの直前にポーリング通信又はブロードキャスト通信を行う先行APのアドレス情報又は先行AP無しを示す該アドレス情報と、自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して、前記パラメータテーブルに保持し、
処理部が、前記パラメータテーブルに記憶された前記通信パラメータ情報に従い、サービス期間を開始する、
ことをコンピュータに実行させるための無線通信プログラムが提供される。
本発明によると、複数アクセスポイント間におけるパケット衝突を回避させることができる。
先行特許技術の課題である、複数アクセスポイント設置時における、ポーリング信号衝突の例を示す図である。 本発明の実施形態において、無線ネットワーク構成例を示す図である。 本発明の実施形態において、アクセスポイントの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態において、アクセスポイントがSIを開始するまでの動作例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態において、ポーリング通信の例を示すタイミングチャートである。 実施例1において必要な、アクセスポイントが持つパラメータテーブルの例である。 実施例1において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例である。 実施例1において、SI開始後におけるアクセスポイントの動作例を示す図である。 実施例1において、先行AP待機処理におけるアクセスポイントの動作例を示す図である。 実施例2において、SI開始後におけるアクセスポイントの動作例を示す図である。 実施例3において、無線ネットワーク構成例を示す図である。 実施例3において、ポーリング通信の例を示すタイミングチャートである。 実施例3において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定する例である。 実施例3において、SI開始後におけるアクセスポイントの動作例を示す図である。 実施例4において、無線ネットワーク構成例を示す図である。 実施例4において必要な、アクセスポイントが持つパラメータテーブルの例である。 実施例4において、ポーリング通信の例を示すタイミングチャートである。 実施例4において、異なるグループの先行APに追従するアクセスポイント同士が衝突回避処理を行うためのポーリング通信における、アクセスポイントの動作フローである。 実施例4において、衝突回避処理を行うためのポーリング通信における、アクセスポイントの動作フローである。 実施例5において必要な、アクセスポイントが持つパラメータテーブルの例である。 実施例5において、トラフィック量の調整に必要なテーブルの例である。 実施例2において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例である。 実施例3において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例である。 実施例4において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例(1)である。 実施例4において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例(2)である。
A.概要

本実施形態は、例えば、接続された無線端末に対してポーリングを送信し返信されたデータを受信するポーリング通信を行うアクセスポイントであって、前記アクセスポイントは、周辺のポーリング通信を行うアクセスポイントのチャネル利用状況を管理する機能を有し、前記チャネル利用状況は、ポーリング通信開始前に、周囲に存在するアクセスポイントからの通信パラメータ情報を含んだパケット信号を検出することにより更新し、前記チャンネル利用状況に基づいて、自局の直前にポーリング通信を行うアクセスポイント(先行AP)や、ポーリングする順番やグループを決定、それらを通信パラメータ情報として保持し、前記先行APのポーリング通信期間が終了するまで待機し、先行APによるポーリング通信期間が終了したと判断後、接続された無線端末へのポーリング通信を開始し、さらに前記通信パラメータ情報を含んだパケット信号を生成し送信する機能を有し、前記パケット信号は、好適には、接続された無線端末に対して送信する信号(ポーリング通信用信号)、または、周囲のアクセスポイントに対してブロードキャスト送信する信号(報知信号)である、ことを特徴とするアクセスポイントである。
なお、以下の実施形態では、ポーリング通信においてポーリング通信用信号を用いる場合について説明するが、その代わりにブロードキャスト通信において周囲のアクセスポイントに対してブロードキャスト送信する信号(報知信号)を用いるようにしてもよい。
B.実施形態

以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。各図において共通の構成については同一の参照符号が付されている。
本実施形態の無線アクセスポイント装置は、同じ周波数帯を共有する複数の無線端末と無線で接続された、基本サービスセットを構成する。
図2に、第1の実施例における無線ネットワークの構成例を示す。図示の例では、3台のアクセスポイント(AP1〜3)200−1〜200−3があり、それぞれのアクセスポイントによって構成される通信可能エリア201−1〜201−3がある。9台の無線端末(STA1〜9)202−1〜202−9については、無線端末(STA1〜3)202−1〜202−3はアクセスポイント(AP1)200−1、無線端末(STA4〜6)202−4〜202−6はアクセスポイント(AP2)200−2、無線端末(STA7〜9)202−7〜202−9はアクセスポイント(AP3)200−3、とそれぞれ無線接続している。
図3に、無線アクセスポイント装置200の構成例を示す。無線アクセスポイント装置200は、コンピュータ300、RF部310、インタフェース320を含む。コンピュータ300は、CPU(処理部)301、メモリ302を含み、RF部310、及び、インタフェース320に接続されており、通信を制御する。RF部310は、アンテナ311に接続されている。アンテナ311を介して、無線端末202と接続する。インタフェース320は、無線端末から送信されたデータを出力するために用いる。
メモリ302は、テーブル格納部303、処理プログラム格納部304を含む。テーブル格納部303は、アソシエーションテーブル305−1、パラメータテーブル305−2、APリストテーブル305−3を格納する。処理プログラム格納部304は、テーブル管理部306−1、スケジューリング演算部306−2、ポーリング信号処理部306−3、データ信号処理部306−4を含み、好適には全てソフトウェアで実装される。CPU301は、当該各プログラムに従って動作することで、各部の機能を実現する。
パラメータテーブル305−2には、各処理に必要なパラメータ(通信パラメータ情報)が格納されている。パラメータの内容については、後述する。APリストテーブル305−3には、自局より前にポーリング通信を行っているアクセスポイントの情報(チャネル利用状況)が格納されている。アソシエーションテーブル305−1には、アクセスポイントが構成する無線ネットワークに接続している無線端末の情報が格納されている。
テーブル管理部306−1は、テーブル格納部303に格納されている、アソシエーションテーブル305−1、パラメータテーブル305−2、APリストテーブル305−3の作成、及び、更新を行う。スケジューリング演算部306−2は、テーブル格納部303に格納されている、アソシエーションテーブル305−1、パラメータテーブル305−2、APリストテーブル305−3に基づき、通信タイミングを制御する。ポーリング信号処理部は、スケジューリング演算部306−2に基づいて無線ネットワークに接続している無線端末202に対するポーリング通信用信号の送信処理、及び、自局以外のアクセスポイント200から送信されるポーリング通信用信号の受信処理を行う。データ信号処理部306−4は、アクセスポイント200が構成する無線ネットワークに接続している無線端末202とのデータ信号送受信の処理を行う。
本実施形態における、無線アクセスポイント装置の動作について説明する。
図4に、起動時におけるアクセスポイント200の動作について述べる。電源ONにして起動(S400)すると、初期化ステップ(S401)に入り、各処理に必要なパラメータテーブル305−2に格納されているパラメータの初期化、使用するチャネルの選択を行う。パラメータ305−2に関しては、各実施例で後述する。一定期間(チャネル監視期間)、ポーリング通信を行っているアクセスポイント200がいないか、チャネル監視(S402)を行い、検出結果に基づき、ポーリング通信用信号が検出されたアクセスポイント200の順番に、APリストテーブル305−3を作成する(S403)。APリストテーブル305−3に基づき、自局の直前にポーリング通信を行うアクセスポイント(先行AP)の決定(S404)、使用帯域の決定(S405)、を行う。前述の一連の動作終了後SI(Service Interval:サービス期間)を開始する(S406)。なお、SIは、例えば、ポーリング通信期間の周期等をいう。
図5に、3台のアクセスポイント(AP1〜3)200−1〜200−3が本実施例を用いてポーリング通信を行っているときのタイミングチャートを示す。
SI開始時の動作については、後述する実施例で説明する。
以下、第1の実施例における詳細な動作について図面を参照して説明する。
図6に、各アクセスポイント(AP1〜2)200−1〜200−2において、各処理に必要なパラメータを格納するパラメータテーブル305−21〜305−22の一例を示す。addressは自局のアドレス情報を格納し、pre_APは先行APの情報を格納する。Gr_idは自局がどのグループに属しているのかを示すグループ情報であり、ここでは、グループの先頭にあたるアクセスポイントのアドレス情報を格納する。各アクセスポイントは、これらの内、自局のaddress、Gr_idに関する情報をポーリング通信用信号に含めて送信する。図6は、図5に示すように、AP1→AP2の順でポーリング通信をしている場合において、AP3が電源を入れてチャネル監視を行っているときの各アクセスポイントにおけるパラメータテーブルの値を示している。図5の例では、AP1は、自局より先にポーリング通信を行っているアクセスポイントがいないため、自局がグループの先頭となり、先行APが存在しないことを意味する、pre_APに0、Gr_idにAP1のアドレスの値をそれぞれパラメータテーブル305−21に格納する。一方、AP2は、AP1に続いてポーリング通信を行っているので、AP1が送信するポーリング通信用信号に含まれるGr_idの情報から、自局のGr_idの情報を更新する。従って、AP2のパラメータテーブルの値は、pre_APにAP1のアドレス、Gr_idにAP1のアドレスの値をそれぞれパラメータテーブル305−22に格納する。
図7左側に、図5のアクセスポイント(AP3)200−3によって検出されるAPリストテーブル305−33を示す。このテーブルは、2台のアクセスポイント(AP1、AP2)200−1〜200−2から送信されたポーリング通信用信号に含まれる情報により構成される。APリストテーブル305−33には、他局からのポーリング通信用信号に含まれるアクセスポイントのアドレス(address)、グループ情報(Gr_id)に関する情報が格納されている。AP3は、AP1からのポーリング通信用信号を受信すると、APリストテーブル305−33の2行目(index = 1)に、AP1からのポーリング通信用信号に含まれるaddress、Gr_idの情報を格納する。次に、AP3は、AP2からのポーリング通信用信号を受信すると、APリストテーブル305−33の3行目(index = 2)に、AP2からのポーリング通信用信号に含まれるaddress、Gr_idの情報を格納する。このように、APリストテーブル305−33は、ポーリング通信用信号が検出された順に格納するので、最後の行にあるアクセスポイントの情報をアクセスポイント200−3の先行APと決定する。図7右側では、APリストテーブル305−33からアクセスポイント200−3のパラメータテーブル305−23を生成する様子を示している。アクセスポイント200−3は、チャネル監視を終えると、最後にポーリング通信用信号が検出されたAPリストテーブル305−33の一番下のアクセスポイント(AP2)200−2を先行AP(pre_AP)と設定し、グループ情報(Gr_id)は先行APであるAP2と同じ値をパラメータテーブル305−23に格納する。
図8に、SI開始時におけるアクセスポイントの動作フローを示す。アクセスポイントは、SIを開始するまでチャネル監視を行う(S800)。自局がグループの先頭である場合(S801:Y)は、必要時間T1待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始する(S804)。なお、アクセスポイントは、例えば、パラメータテーブルを参照し、pre_APが0である場合に自局かグループの先頭であると判断することができる。または、アクセスポイントは、必要時間T1の間、他局からポーリング通信用信号を受信しない場合にそのように判断してもよい。自局がグループの先頭でない場合(S801:N)は、先行APがポーリング通信を終了したと判断するまで待機(先行AP待機処理)をする(S900)。先行APがポーリング通信を終了したと判断した後は、必要時間T2待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始する(S804)。このとき、SIは開始しているので、チャネル監視は終了している。上記一連の動作を、終了するまで繰り返す。なお待機時間T1、T2は、通常T1≧T2の関係に設定され、例えばIEEE802.11で規格されたフレーム間間隔であるPIFS(PCF Interframe Space)、(SIFS:Short Interframe Space)がそれぞれ用いられる。
図9に、先行AP待機処理(S900)における、動作フローチャートを示す。アクセスポイントは、先行APが送信するポーリング通信用信号を受信するまで待機を行い(S901)、ポーリング通信用信号の受信に成功した場合(S902:Y)、受信したポーリング通信用信号がポーリング終了通知信号でなければ(S903:N)、ポーリング通信用信号に含まれるDurationフィールド等のポーリング通信禁止期間を定める情報から求められた通信禁止期間の更新を行い(S904)、先行APから送信される次のポーリング通信用信号を受信するまで待機する(S901)。ポーリング通信用信号の受信に成功して(S902:Y)、受信したポーリング通信用信号がポーリング終了通知信号である場合(S903:Y)、先行APによるポーリング通信期間が終了したと判断し、先行AP待機処理を終了する。先行APが送信するポーリング通信用信号の受信に失敗した場合(S902:N)、更新された通信禁止期間が終了していれば(S905:Y)、先行APによるポーリング通信期間が終了したと判断し、先行AP待機処理を終了する。通信禁止期間が終了していなければ(S905:N)、先行APから送信される次のポーリング通信用信号を受信するまで待機する(S901)。
本実施例によれば、複数のアクセスポイントがそれぞれポーリング通信を開始する前にチャネルの使用状況を監視し、どのアクセスポイントに追従して自ネットワークでのポーリング通信を行えばよいのか(先行AP)を決定する。先行AP決定後、先行APがポーリング通信期間を終了してから、自局でのポーリング通信期間を開始する。本実施例のアクセスポイントは、通信状況に応じてポーリング通信を行う期間を制御することにより、複数アクセスポイント間の信号衝突を回避することができる。また、先行APが送信するポーリング終了通知信号の受信に失敗した場合でも、その前に送信されているポーリング通信用信号に含まれるDurationフィールドに基づき、送信禁止期間を更新しているので、より確実に先行APによるポーリング通信期間の終了判断を行うことができる。
以下、本発明の第2の実施例について図面を参照して説明する。
本実施例において、アクセスポイントの構成、テーブル格納部303にある各種テーブル305−1〜305−3に格納されているパラメータの構成、ポーリング通信用信号に含める情報、SI開始までの動作は実施例1のものと同じである。
本実施例における無線ネットワーク構成は、3台のアクセスポイント(AP1〜AP3)200−1〜200−3が、AP1→AP2のグループ、AP3のグループに分けられており、それぞれのグループが別々にポーリング通信期間を開始後、アクセスポイント200−3の移動により3台のアクセスポイント200−1〜200−3が互いに通信可能な距離に近づく場合を想定している(図2)。
図10に、SI開始時におけるアクセスポイントの動作フローを示す。図10は第1の実施例の図8に示すSI開始時におけるアクセスポイントの動作に置き換わるものである。図8に示されているその他の動作ステップは、前出の実施例で説明してあるので(図8の同符号のステップの説明箇所参照)、ここでは省略する。アクセスポイントは、SIを開始するまでチャネル監視を行う(S800)。自局がグループの先頭であるとき(S801:Y)、他のグループに属するアクセスポイントからのポーリング通信用信号が受信されない場合(S1000:N)は、必要時間(PIFS等)待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始する(S804)。また、他のグループに属するアクセスポイントからのポーリング通信用信号が受信された場合(S1000:Y)は、APリストテーブルの更新を行い(S1001)、先行APの決定(S1002)をする。一方、自局がグループの先頭でないとき(S801:N)は、一定期間内に先行APからのポーリング通信用信号受信をすることで、先行APの存在を確認できた場合(S1003:Y)は、先行APがポーリング通信を終了したと判断するまで待機(先行AP待機処理)をし(S900)、先行APがポーリング通信を終了したと判断した後は、必要時間(SIFS等)待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始(S804)する。このとき、SIは開始しているので、チャネル監視は終了している。先行APの存在を確認できなかった場合(S1003:N)は、先行APが周囲に存在しなくなったと判断し、自局がグループの先頭に(S1004)なり、パラメータテーブルを更新し、SI開始までチャネル監視をする(S800)。
図22は、実施例2において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例である。以下に、実施例2において、ポーリング通信開始後に図5のようにAP3がAP1とAP2に近づく場合のAPリストテーブルの更新(S1001)(図7と同じ手順)について説明する。[初期化]状態において、AP3は、他のポーリンググループからのポーリング信号を受信すると(S1000:Y)、[AP1のポーリング信号受信後]及び[AP2のポーリング信号受信後]のように、APリストテーブルを初期化し、再作成(更新)する(305−33)。そしてAP3は、図示のように自局のパラメータテーブルを更新する(305−23)。
すなわち、ステップS1001では、アクセスポイントは例えば、他APからのポーリング通信用信号をAPリストテーブルに追加して更新し、他APからのポーリング通信信号に含まれる、他APのアドレス情報及びグループ情報をそれぞれ先行APのアドレス情報及び自APのグループ情報として自APのパラメータテーブルを更新することで、他のグループに属するようにすることができる。
また、ステップS1004では、アクセスポイントは、例えば、自局のパラメータテーブルの先行AP及びグループを、先頭を表すように更新する。
本実施例によれば、SI開始後に通信状況の変化により、先行APが動的に変わる場合でも、各アクセスポイントが、信号の衝突を回避しながら、自律的にポーリング通信期間を共有することができる。
以下、本発明の第3の実施例について図面を参照して説明する。
本実施例において、アクセスポイントの構成、SI開始までの動作は実施例1のものと同じである。テーブル格納部303にある各種テーブル305−1〜305−3に格納されているパラメータの構成、ポーリング通信用信号に含める情報については後述する。
図11に、本実施例において想定する無線ネットワーク状況を示す。各アクセスポイント200−1〜200−3がポーリング通信を開始するときは、アクセスポイント200−2とアクセスポイント200−3が互いの信号が届かない距離にあるが、時刻tで、2台のアクセスポイント200−2〜200−3が移動等により、互いの信号が届く距離になる様子を表している。
本実施例では、各アクセスポイント200−1〜200−3が送信するポーリング通信用信号には、アクセスポイントのアドレス(address)、先行AP(pre_AP)、Gr_idの情報が含まれている。
図12のタイミングチャートを用いて、3台のアクセスポイント(AP1〜3)200−1〜200−3が本実施例を用いてポーリング通信を行っているときの各アクセスポイントの動作を説明する。図11に示すように、アクセスポイント200−2とアクセスポイント200−3の位置関係が、信号が互いに受信できない状態から始まっている場合を想定している。そのため、アクセスポイント200−1を先行APとする、2台のアクセスポイント200−2〜200−3が並行してポーリング通信を行っている。2台のアクセスポイント200−2〜200−3が、移動により近づき、時刻tで、互いの信号が受信できるようになるまで、動作を継続する。時刻tの後では、先頭のアクセスポイント200−1がポーリング通信を終了した後、2台のアクセスポイント200−2〜200−3がポーリング通信を開始し、ポーリング通信用信号の衝突により、アクセスポイント200−3でのポーリング通信用信号の送信又は無線端末からの信号の受信に失敗している。ここでは、簡単のため、無線端末202−1〜202−9は省略している。
本実施例では、APリストテーブル305−3には、ポーリング通信用信号に含まれるアクセスポイントのアドレス(address)、先行AP(pre_AP)、グループ情報(Gr_id)に関する情報が格納されている。APリストテーブル305−3は、ポーリング通信用信号が検出された順に格納するので、最後の行にあるアクセスポイントの情報を先行APと決定する。
図13では、図12に示すように、時刻t以前において、AP1→AP2、AP1→AP3の順でポーリング通信をしているときの、アクセスポイント200−2〜200−3における、APリストテーブル305−32〜305−33、及び、パラメータテーブル305−22〜305−23を示している。パラメータテーブル305−22〜305−23では、2台のアクセスポイント200−2〜200−3は、チャネル監視を終えると、最後にポーリング通信用信号が検出されたAPリストテーブルの一番下のアクセスポイントを先行AP(pre_AP)と設定し、Gr_idは先行APであるAP1と同じ値を格納する。アクセスポイント200−2〜200−3における、APリストテーブル305−32〜305−33、及び、パラメータテーブル305−22〜305−23の作成方法は、図7での説明と同様なので、ここでは省略する。
図13の状態で、時刻t後に、アクセスポイント200−2はポーリング通信用信号を送信したものの、アクセスポイント200−3はポーリング通信用信号の送信に失敗し、アクセスポイント200−2からのポーリング通信用信号を受信したとする。
図14を用いて、本実施例における、アクセスポイント200のSI開始時の動作フローを説明する。図14は第1の実施例の図8に示すSI開始時におけるアクセスポイントの動作に置き換わるものである。アクセスポイントは、SIを開始するまでチャネル監視を行う(S800)。グループの先頭ではない(S801:N)場合、他のアクセスポイントからポーリング通信用信号を受信し(S1400:Y)、かつ、そのポーリング通信用信号に含まれる先行AP(pre_AP)が、自局のパラメータテーブルに格納されている先行AP(pre_AP)の情報と同じ(S1401:Y)であれば、先行APをポーリング通信用信号の送信元であるアクセスポイントのアドレスに変更する(S1402)。2つの条件に当てはまらない場合(S1400:N、または、S1401:N)は、先行APの情報は変更しない。先行AP更新処理終了後、先行APがポーリング通信を終了したと判断するまで待機(先行AP待機処理)をし(S900)、先行APがポーリング通信を終了したと判断した後は、必要時間(SIFS)待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始する(S804)。このとき、SIは開始しているので、チャネル監視は終了している。図14に示されているその他の動作ステップは、前出の実施例で説明してあるので(図8及び図10の同符号のステップの説明箇所参照)、ここでは省略する。
図12の時刻t後において、ステップS1402では、アクセスポイントは、例えば以下のように、APリストテーブル及びパラメータテーブルを更新する。
図23は、実施例3において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例である。以下に、実施例3において、図12の時刻t後にAP3がAP2からのポーリング信号を受信したときの動作について説明する。ポーリング信号には、address、pre_APとGr_idの情報が含まれている。本実施例では、pre_APの更新のみでGr_idの更新は行わない。そのため、APリストテーブルの更新(再作成)は行わない。AP3は、AP2からのポーリング信号に含まれる情報(305−22)と自局のパラメータテーブルの値(305−23)を比較する。この例では、pre_APの値が同じなので、AP3は自局のパラメータテーブルのpre_AP情報を更新する。
本実施例によれば、先行APが同じアクセスポイントからの割り込みが生じた場合、先行APを更新することにより、信号衝突を回避することができる。
以下、本発明の第4の実施例について図面を参照して説明する。
本実施例において、アクセスポイントの構成、SI開始までの動作は実施例1のものと同じである。テーブル格納部303にある各種テーブル305−1〜305−3に格納されているパラメータの構成、ポーリング通信用信号に含める情報については後述する。
図15に、本実施例が想定する無線ネットワーク状況を示す。図15において、3台のアクセスポイント200−1〜200−3と2台のアクセスポイント200−4〜200−5が、それぞれポーリング通信のグループを形成し、2つのグループにおけるアクセスポイント同士、互いに信号が届かない距離にあるが、移動等により、2台のアクセスポイント200−3と200−5が互いの信号が届く距離に近づく様子を表している。
図16に、各アクセスポイント(AP1〜5)200−1〜200−5において、本発明の実施に必要なパラメータを格納するパラメータテーブル305−21〜305−25の一例を示す。アクセスポイント200−1〜200−5における、パラメータテーブル305−21〜305−25の作成方法は、図7での説明と同様なので、ここでは省略する。addressは自局のアドレス情報を格納し、pre_APは先行APの情報を格納し、Gr_idは自局がどのグループに属しているのかを示すものであり、ここでは、グループの先頭にあたるアクセスポイントのアドレス情報を格納する。NO_APはグループ内で、自局が何番目にポーリング通信を開始するかを示す情報を格納し、coll_thはポーリング通信用信号の送信に連続して失敗したときの連続再送上限回数を示す情報を格納する。例えば、coll_th回連続してポーリング通信用信号の送信に失敗したら、他のアクセスポイントとの信号衝突があったと判断することを意味する。これらの内、address、Gr_id、NO_APに関する情報をポーリング通信用信号に含めて送信する。図16では、図17に示すように、2つのグループにおいて、それぞれ、AP1→AP2→AP3、AP3→AP4の順でポーリング通信を行っているときの、パラメータテーブル305−21〜305−25の値を示している。NO_APの決定方法は、例えば、先行APが送信するポーリング通信用信号に含まれるNO_APに1を加えた値を格納することで与えられる。coll_thは、通信状況に応じて与えることができ、例えば、NO_APの値に対応して決定している。図16では、グループの先頭に近い程、coll_thの値が大きくなるよう与えられている。
図17に、他のグループに属する先頭ではないアクセスポイント同士(AP3とAP5)が移動により近づく場合におけるタイミングチャートの一例を以下に示す。
図18に、本実施例における、アクセスポイント200のSI開始時における動作フローを示す。図18は第1の実施例の図8に示すSI開始時におけるアクセスポイントの動作に置き換わるものである。アクセスポイント200は、SIを開始するまでチャネル監視を行う(S800)。グループの先頭ではない(S801:N)場合、他のグループに属するアクセスポイントからポーリング通信用信号を受信した場合(S1800:Y)、ポーリング通信用信号に含まれるNO_APが、自局のNO_APよりも大きい値であるとき(S1801:Y)、APリストテーブルについて、自局が属するグループ及び先行AP(pre_AP)の更新(S1802、S1803)を行う。情報を更新後、先行APがポーリング通信を終了したと判断するまで待機(先行AP待機処理)をし(S900)、先行APがポーリング通信を終了したと判断した後は、必要時間(SIFS)待機後(S802)、次に行うSIの開始タイマを更新して(S803)、ポーリング通信を開始する(S804)。このとき、SIは開始しているので、チャネル監視は終了している。図18に示されているその他の動作ステップは、前出の実施例で説明してあるので、ここでは省略する。また、動作ステップS1801を行わなくてもよい。図18に示されているその他の動作ステップは、前出の実施例で説明してあるので(図8、図10及び図14の同符号のステップの説明箇所参照)、ここでは省略する。
図17では、AP3がAP5のポーリング通信用信号を受信可能になったとき、図18の動作フローに従うチャネル監視を行うときのタイミングチャートを示している。AP3のNO_APはAP5のNO_APよりも大きい値なので、グループ及び先行APの更新は行わない。この後、AP5がAP3のポーリング通信用信号を受信可能になったときも同様に、図18の動作フローに従うチャネル監視を行う。AP5のNO_APはAP3のNO_APよりも小さい値なので、グループ情報(Gr_id)をAP1のアドレスに、先行APをAP3のアドレスに更新する。AP4も同様の動作を行い、グループ情報(Gr_id)をAP1のアドレスに、先行APをAP5のアドレスに更新する。上記に示す動作を行えば、追従するアクセスポイント同士におけるグループ間の衝突が起こった場合でも、信号衝突を回避することができる。
図24に、実施例4において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例(1)である。以下に、実施例4において、ポーリング通信開始後に図17のようにAP3が、AP1及びAP2とポーリンググループを形成するときのAPリストテーブルの更新を説明する。図示のように、AP3は、[初期値]、[AP1のポーリング信号受信後]、[AP2のポーリング信号受信後]のようにAPリストテーブルを更新し(305−33)、さらに、AP2からのポーリング信号に含まれるNO_APの情報に+1(加算)して、パラメータテーブルを更新する(305−23)。また、AP3は、coll_thをNO_APの値に応じて一意的に決定して更新する。
図25に、実施例4において必要な、APリストテーブルと、前記APリストテーブルから先行APを決定してパラメータテーブルを更新する例(2)である。つぎに、実施例4において、図18におけるAPリストテーブルの更新(S1802)について説明する。ここでは、図17の例に基づき、AP5とAP3が互いに近づく場合を想定したAP5におけるAPリストテーブル更新手順を説明する。図示のように、AP5は、[初期化][AP3のポーリング信号受信後]のようにAPリストテーブルを更新し(305−35)、さらに、自局のパラメータテーブルを更新する(305−25)。
また、図19に、本実施例においてポーリング通信期間でのアクセスポイントの動作フローを示す。アクセスポイントは、ポーリング通信期間を開始するときに、連続してポーリング通信に失敗する回数をカウントするカウンタ(cnt)を0にセットして(S1900)、ポーリングリストループを開始する(S1901)。自局と無線接続している無線端末に対して順次ポーリング通信用信号を送信し(S1902)、データ信号が送信されるまで待機し(S1903)、データの受信に成功したら(S1904:Y)、cntを0にセットし(S1905)、ポーリングリストループを繰り返し、次の無線端末に対してポーリング通信用信号を送信する(S1902)。一方、無線端末からデータ信号が送信されない場合、又は、データ信号の受信に失敗した場合(S1904:N)、cntの値を1つ増やし(S1906)、cntの値とカウンタ閾値(coll_th)の値を比較する。cntの値の方が小さい場合(S1907:N)、ポーリングリストループを繰り返し、次の無線端末に対してポーリング通信用信号を送信する(S1902)。cntの値の方が大きい場合(S1907:Y)、他のアクセスポイントとの信号衝突があったと判断し、ポーリングリストループを抜け出し、衝突回避処理を行う(S1908)。上記一連の動作をポーリングリストにある無線端末とのデータ通信が完了するまで行う。
衝突回避処理とは、前述した信号衝突があったと判断した場合、当該信号衝突を回避するために、例えば、ランダム時間待機、又は、チャネルの変更、等の動作を行う。また、これらの動作を、cntの値が複数(ここでは2つ)のカウンタ閾値(coll_th1〜2)の値を超えた場合に応じて、上記動作をそれぞれ行ってもよい。
上記動作フローにより、異なるグループに属するアクセスポイント同士が、同じタイミングでポーリング通信用信号を送信することにより、ポーリング通信用信号の衝突が起こった場合においても通信が可能である。
また、自APがグループの先頭でない場合、同じグループに属する他APからポーリング通信用信号を受信したとき、他のAPから送信された前記ポーリング通信用信号に含まれる、NO_APの情報が自局のパラメータテーブルに格納されているNO_APの値と同じ場合、自APの通信パラメータ情報における先行APを、前記他のAPのアドレス情報に更新することにより、実施例3における、同じポーリンググループに属する、NO_APが等しい他のアクセスポイントから割り込みが生じた場合、先行APを更新することにより、信号衝突を回避することができる。
本実施例によれば、通信状況に応じて優先順位をつけることにより、異なるアクセスポイント間で起こる信号の衝突を回避することができる。
以下、本発明の第5の実施例について図面を参照して説明する。
図20に、本実施例において、各アクセスポイント(AP1〜3)200−1〜200−3において、本発明の実施に必要なパラメータを格納するパラメータテーブル305−21〜305−23の一例を示す。アクセスポイント200−1〜200−3における、パラメータテーブル305−21〜305−23の作成方法は、図7での説明と同様なので、ここでは省略する。addressは自局のアドレス情報を格納し、pre_APは先行APの情報を格納し、Gr_idは自局がどのグループに属しているのかを示すものであり、ここでは、グループの先頭にあたるアクセスポイントのアドレス情報を格納し、NO_APはグループ内で自局が何番目にポーリング通信を開始するかを示す情報を格納する。comm_modeは自局における無線通信のトラフィック量を調整するためのパラメータであり、例えば、図21に示すように、comm_modeの値に応じて、各ネットワークでのデータトラフィック量を制御する。comm_modeは、通信状況に応じて与えることができ、例えば、図20では、NO_APの値に対応して決定することで、グループの先頭に近いアクセスポイントである程優先的に、大きなデータトラフィック量を与えることができる。
本実施例によれば、通信状況に応じて優先順位をつけることにより、アクセスポイントが密集する場合でも、優先順位をつけてトラフィック量を調整することができる。
C.実施形態の効果

本実施形態によると複数アクセスポイント存在下で、各アクセスポイントが通信状況に応じて、自律的にポーリング通信期間を時分割で得られるように制御し、他アクセスポイントとのパケット衝突を回避して、クライアントとの通信におけるQoSを保証することができる。
D.付記

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の無線通信方法及び装置及びプログラムは、その各手順をコンピュータに実行させるための無線通信プログラム、無線通信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、無線通信プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
200 アクセスポイント、201 通信可能エリア、202 無線端末、300 コンピュータ、301 CPU、302 メモリ、303 テーブル格納部、304 処理プログラム格納部、305−1 アソシエーションテーブル、305−2 パラメータテーブル、305−3 APリストテーブル、306−1 テーブル管理部、306−2 スケジューリング演算部、306−3 ポーリング信号処理部、306−4 データ信号処理部、310 RF部、320 インタフェース、311 アンテナ

Claims (15)

  1. 自アクセスポイント(AP)と、前記自APの周辺に存在しポーリング通信を行う周辺APとで一つのグループを形成する、無線通信方法であって、
    前記自APは、前記周辺APのアドレス情報と、前記周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況を管理する機能を備え
    前記周辺APは、自己のAPのアドレス情報と、自己のAPのグループ情報とを含む第1のポーリング通信用信号を送信し、
    前記自APは、ポーリング通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、前記第1のポーリング通信用信号を検出したとき、前記第1のポーリング通信用信号に含まれるAPのアドレス情報と、APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して更新し、
    前記自APは、前記更新したチャネル利用状況のうち、時間的に最後に追加された前記APのアドレス情報に基づいて、自己の直前にポーリング通信を行なう先行APを決定するとともに、前記先行APのグループ情報で指定されるグループと同じグループを形成するべく自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して保持し、
    前記自APは、前記自APの通信パラメータ情報に基づいて定められるグループ内において、前記先行APの次にポーリング通信を行なうように制御される、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  2. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記先行APが送信する前記第1のポーリング通信用信号に含まれるグループ情報を、自APのグループ情報と定めて自APの通信パラメータ情報を作成することを特徴とする無線通信方法。
  3. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記先行APがなく自APがグループの先頭である場合、予め定められた第1の待機時間後、ポーリング通信を開始し、
    前記先行APがあり自APがグループの先頭でない場合、前記先行APのポーリング通信期間が終了したと判断してから予め定められた第2の待機時間後、ポーリング通信を開始する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  4. 請求項3に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    記第1の待機時間を、前記第2の待機時間よりも長く、又は、等しく定める、ことを特徴とする無線通信方法。
  5. 請求項3に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記先行APが送信するポーリング通信の終了通知信号の受信時、または、前記第1のポーリング通信用信号から求められる通信禁止期間の終了時、前記先行APのポーリング通信期間が終了したと判断する、ことを特徴とする無線通信方法。
  6. 請求項5に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記通信禁止期間を、前記先行APから送信される前記第1のポーリング通信用信号を受信する度に、前記第1のポーリング通信用信号に含まれるDurationフィールド又は他のポーリング通信禁止期間を定める情報に基づいて更新する、ことを特徴とする無線通信方法。
  7. 請求項3に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記グループを形成した後において、
    他のグループに属するAPである他グループAPから第2のポーリング通信用信号を受信したとき、
    前記チャネル利用状況を初期化し、
    前記グループAPからの前記第2のポーリング通信用信号を前記チャネル利用状況に追加して更新し、
    前記グループAPからの前記第2のポーリング通信用信号に含まれる、他グループAPのアドレス情報及びグループ情報をそれぞれ先行APのアドレス情報及び自APのグループ情報として、自APの通信パラメータ情報を更新し、自APが前記他のグループに属するようにする
    ことを特徴とする無線通信方法。
  8. 請求項7に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    前記グループを形成した後において、
    自APがグループの先頭でない場合、予め定められた一定期間先行APの存在を確認できなかったとき、自APがグループの先頭であると判断し、
    前記通信パラメータ情報の先行AP及びグループ情報を先頭を表すように更新する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  9. 請求項8に記載の無線通信方法であって、
    前記通信パラメータ情報は、さらに、自APがグループ内でどの順番でポーリング通信を行っているかを示す順番情報を含み、
    前記自APは、
    自APがグループの先頭でない場合、同じグループに属する他のAPから送信された前記第1のポーリング通信用信号に含まれる順番情報に1を加算して自APの順番情報として、通信パラメータ情報を更新する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  10. 請求項8に記載の無線通信方法であって、
    前記自APは、
    自APがグループの先頭でない場合、同じグループに属する他のAPから送信された前記第1のポーリング通信用信号に含まれる、先行APのアドレス情報が自APの通信パラメータ情報における先行APのアドレス情報と同じ場合、または、
    自APがグループの先頭でない場合、同じグループに属する他APから前記第1のポーリング通信用信号を受信したとき、前記他のAPから送信された前記第1のポーリング通信用信号に含まれる、当該他のAPがグループ内でどの順番でポーリング通信を行っているかを示す順番情報が自APの通信パラメータ情報における順番情報と同じ場合、
    自APの通信パラメータ情報における先行APを、前記他のAPのアドレス情報に更新する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  11. 請求項8に記載の無線通信方法であって、
    前記通信パラメータ情報は、さらに、自APがグループ内でどの順番でポーリング通信を行っているかを示す順番情報を含み、
    自APがグループの先頭でない場合、前記他グループAPから送信された前記第2のポーリング通信用信号に含まれる順番情報が、自APの順番情報より大きい値であるとき、自APの通信パラメータ情報における、先行APのアドレス情報及び自APのグループ情報を、前記他のAPのアドレス情報及びグループ情報に更新し、順番情報に1を加算する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  12. 請求項11に記載の無線通信方法であって、
    通信パラメータ情報は、さらに、ポーリング通信用信号の送信に連続して失敗したときの連続再送上限回数を含み、
    無線接続しているAPに対してポーリング通信用信号を送信し、
    無線接続しているAPから送信されたデータ信号の受信に連続して失敗した回数が該連続再送上限回数を超えた場合に他のAPとポーリング通信用信号が衝突したと判断し、
    衝突回避処理を実行する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  13. 請求項1に記載の無線通信方法であって、
    通信パラメータ情報は、さらに、自APが構成する無線ネットワークにおけるトラフィック量を示すトラフィック情報を含み、
    前記通信パラメータ情報の前記トラフィック情報に基づいて、自APが構成する無線ネットワークにおけるトラフィック量を調整する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  14. アクセスポイント(AP)の一つを構成する無線通信装置であって、
    前記APの複数が一つのグループを形成するように制御されるものであり、
    前記無線通信装置は、テーブル格納部と処理部を備え、
    前記テーブル格納部は、
    周辺に存在しポーリング通信を行うひとつ又は複数の周辺APのアドレス情報と、該周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況を管理するAPリストテーブルと、
    自己のAPのアドレス情報と、先行APのアドレス情報と、自己のAPのグループ情報とを含む通信パラメータ情報を記憶するパラメータテーブルと
    備え、
    前記処理部は
    ーリング通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、各周辺APからポーリング通信用信号を検出したとき、ポーリング通信用信号に含まれる周辺APのアドレス情報と周辺APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して前記APリストテーブルを更新し、
    前記更新したチャネル利用状況のうち、時間的に最後に追加された前記APのアドレス情報に基づいて、自己の直前にポーリング通信を行なう先行APを決定するとともに、前記先行APのグループ情報で指定されるグループと同じグループを形成するべく、自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して、前記パラメータテーブルに保持し、
    前記パラメータテーブルに記憶された前記通信パラメータ情報に基づいて定められるグループ内において、前記先行APの次にポーリング通信を行なうように制御し、
    前記ポーリング通信において、前記パラメータテーブルから読み出した前記通信パラメータ情報を含んだポーリング通信用信号を送信する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  15. 処理部を備える自アクセスポイント(AP)を制御するための無線通信プログラムであって、
    前記自APが他のAPとともに一つのグループを形成するように制御するものであり、
    前記処理部が、周辺に存在しポーリング通信を行うひとつ又は複数の周辺APのアドレス情報と、該周辺APのグループ情報とを含むチャネル利用状況をAPリストテーブルに記憶することで、管理するように制御し
    前記処理部が、自APのアドレス情報と、先行APのアドレス情報と、自APのグループ情報とを含む通信パラメータ情報を、パラメータテーブルに記憶するように制御し、
    前記処理部が、ポーリング通信開始前に、ポーリング通信を行っているAPがいないかチャネル監視を行い、各周辺APからポーリング通信用信号を検出したとき、ポーリング通信用信号に含まれる周辺APのアドレス情報と周辺APのグループ情報を、前記チャネル利用状況に追加して前記APリストテーブルを更新するように制御し
    前記処理部が、前記更新したAPリストテーブルを参照し、前記チャネル利用状況のうち、時間的に最後に追加された前記周辺APのアドレス情報に基づいて、自APの直前にポーリング通信を行う先行APを決定するとともに、前記先行APのグループ情報で指定されるグループと同じグループを形成するべく自APのグループ情報を決定し、自APの通信パラメータ情報を作成して、前記パラメータテーブルに保持するように制御し
    前記処理部が、前記自APの通信パラメータ情報に基づいて定められるグループ内において、前記先行APの次にポーリング通信を行なうように制御する、
    ことを実行させるための無線通信プログラム。
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