JP6323962B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技媒体を用いた遊技を行うことができる遊技機に関する。
遊技機として、例えば、前面に遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を、枠体(四角く枠組みされた設置固定部たる外枠および該外枠に設けられた本体枠など)に着脱可能に取り付け、また、その遊技盤の前面を覆うように枠体の前面に前面部を設けて構成されるパチンコ遊技機が知られている。こうした遊技機の中には、前面部に多数の発光部材等を設け、遊技機外観の装飾効果を高めて遊技興趣を向上させるものがある。
特開2014−110929号公報
しかしながら、近年では、上述のように前面部に発光部等を搭載するだけでは遊技者に意外性や驚きを与えることが困難となってきており、十分に遊技興趣を高められない虞があった。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的は、新たな装飾構成によって、従来に比して遊技興趣を高められる遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するため本発明は、
始動条件の成立に基づいて図柄の変動表示を行い、該変動表示の結果に基づいて遊技利益を付与する遊技機において、
前記図柄の変動表示が行われる図柄表示部を有する遊技盤と、
前記遊技盤を視認可能にする窓部と、
前記窓部よりも前方に突出し設けられ、通常状態と、該通常状態より上昇した上昇状態とに変化可能な可動装飾演出部と、
前記可動装飾演出部による装飾を透かす透過部と、
を備え、
前記可動装飾演出部は、当該遊技機の外形の一部を構成する部材であり、前記通常状態から前記上昇状態に変化することで、当該遊技機の外形が変化するものであり、
前記可動装飾演出部が前記通常状態にあるときには、前記透過部を介して前記可動装飾演出部による装飾を遊技者に視認可能にし、
前記可動装飾演出部が前記上昇状態にあるときには、前記透過部を介することなく、該透過部の上方で前記可動装飾演出部による装飾を遊技者に直視可能にする
ことを特徴とする。
従来にない遊技の演出を行うことができるため、遊技の興趣を増大させることができる。
可動装飾体が第1形態にある状態を示す遊技機の正面図である。 可動装飾体が第2形態にある状態を示す遊技機の正面図である。 可動装飾体が基準形態にある状態を示す遊技機の正面図である。 図2の遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 図3の要部拡大図である。 可動装飾体が変化する途中の状態を示す遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 図5の要部拡大図である。 可動装飾体が変化する途中の状態を示す遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 図7の要部拡大図である。 可動装飾体が変化する途中の状態を示す遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 図9の要部拡大図である。 図2の遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 図11の要部拡大図である。 第1の可動装飾体を分解して示す遊技盤の斜視図である。 一部拡大図を含む第1の可動装飾体の分解斜視図である。 (a)は遊技盤を外した状態の遊技機の正面図、(b)は遊技盤の正面図である。 遊技盤を外した状態の遊技機の斜視図である。 可動装飾体が第1,第2形態にある状態を示す遊技機の平面図である。 可動装飾体が基準形態にある状態を示す遊技機の平面図である。 摺動蓋の他の形態を示す遊技機の要部縦断面図である。 第3の可動装飾体の駆動手段の一例を示す斜視図である。 他の形態を示す遊技機の要部を縦断面にした側面図である。 他の形態を示す遊技機の正面図である。 前方から見た打力調節装置の斜視図である。 後方から見た打力調節装置の斜視図である。 打力調節装置の分解斜視図である。 打力調節装置の固定部を示す分解斜視図である。 打力調節装置の回転部を示す分解斜視図である。 打力調節装置の縦断面図である。 図28のA−A線断面図である。 操作姿勢を示す打力調節装置の要部側面図である。 別形態1の打力調節装置を示す斜視図である。 別形態1の打力調節装置を示す分解斜視図である。 別形態1の打力調節装置の固定部の一部を示す分解斜視図である。 別形態1の打力調節装置の縦断面図である。 図34のB−B線断面図である。 別形態2の打力調節装置を示す斜視図である。 別形態2の打力調節装置を示す側面図である。 別形態3の打力調節装置の縦断面図である。 他の形態を示す打力調節装置の後方から見た斜視図である。 タイプIの押しボタン式入力装置の分解斜視図である。 タイプIの押しボタン式入力装置の正面図である。 タイプIの押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 タイプIの押しボタン式入力装置の短手方向縦断面図である。 図43の可動ボタンを押し込んだ状態を示す短手方向縦断面図である。 タイプIのボタンユニットを第1位置に切り替えた状態を示す押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 タイプIのボタンユニットを第1位置に切り替えた状態を示す押しボタン式入力装置の短手方向縦断面図である。 図46の可動ボタンを押し込んだ状態を示す短手方向縦断面図である。 タイプIのユニット移動手段たる端面カムと回転カムフォロアの組み合わせを示すもので、(a)はボタンユニットが基準位置にある状態の展開図、(b)はボタンユニットが第1位置にある状態の展開図である。 ユニット移動手段たる端面カムと回転カムフォロアのタイプIIの組み合わせを示すもので、(a)はボタンユニットが基準位置にある状態の展開図、(b),(c)はボタンユニットが第1位置にある状態の展開図である。 (a)は図49の上段の回転カムフォロアと駆動部材の回転軸との関係を示す断面図、(b)は図49の下段の回転カムフォロアと駆動部材の回転軸との関係を示す断面図である。 (a1),(b1)はタイプIIIの押しボタン式入力装置の正面図、(a2),(b2)は円柱カムの展開図である。 (a1),(b1)はタイプIVの押しボタン式入力装置の正面図、(a2),(b2)は円柱カムの展開図である。 タイプVの押しボタン式入力装置の正面図である。 タイプVの押しボタン式入力装置の平面図である。 タイプVの押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 タイプVの押しボタン式入力装置の短手方向縦断面図である。 図55を分解して示す長手方向縦断面図である。 台座ボタンユニットと可動スイッチボタンユニットを第1位置に切り替えた状態を示すタイプVの押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 可動スイッチボタンユニットを凸位置に切り替えた状態を示すタイプVの押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 タイプVの押しボタン式入力装置を示すもので、台座ボタンユニットと可動スイッチボタンユニットが基準位置にある状態を示す端面カムと回転カムフォロアの要部展開図である。 タイプVの押しボタン式入力装置を示すもので、台座ボタンユニットと可動スイッチボタンユニットが第1位置にある状態を示す端面カムと回転カムフォロアの要部展開図である。 タイプVの押しボタン式入力装置を示すもので、可動スイッチボタンユニットが凸位置にある状態を示す端面カムと回転カムフォロアの要部展開図である。 タイプVIの押しボタン式入力装置の短手方向縦断面図である。 台座ボタンユニットと可動スイッチボタンユニットを第1位置に切り替えた状態を示すタイプVIの押しボタン式入力装置の長手方向縦断面図である。 スロットマシンの斜視図である。 (a)は当り時連係演出振分テーブルの説明図、(b)は当り時連係演出振分テーブルの説明図である。 従来の打力調節装置を示す斜視図である。 従来型であるタイプ0の押しボタン式入力装置を示すもので、(a1),(b1)は正面図、(a2),(b2)は円柱カムの展開図である。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
実施形態の遊技機1は、いわゆるパチンコ機であって、枠体2と、枠体2に交換(着脱)可能に取り付けられた遊技盤3と、枠体2の前面を覆って遊技者に対向し且つ開閉可能な前面部4と、を備えている。
[枠体]
枠体2は、木製又は合成樹脂製であって四角く枠組みされており、遊技場の遊技機設置部たる島設備に取り付けられる。
[遊技盤]
遊技盤3は、透明な合成樹脂製の遊技基板5と、該遊技基板5の後面側に取り付けられた盤支持枠6と、該盤支持枠6に支持される第1〜第4の可動装飾体A00,B00,C00,D00を備えている。
遊技盤3は、前面(遊技者側)に、障害釘、風車、各種の入賞装置(始動口、電動チューリップ、アタッカー、その他入賞口など)、アウト口等、遊技に必要な部品が装着された遊技領域8と、遊技の結果を示す特別図柄が表示される特別図柄表示装置(7セグ等)を有する。なお、図13に示す遊技盤3は、後述する遊技領域8や特別図柄表示装置の詳細を省略している。また、遊技盤3には図示しないが、各入賞装置(入賞口)に入賞した遊技球を検出する入賞球センサ等の各検出信号や、遊技機1に設けられる各種のスイッチからの入力信号を受けて処理すると共に、当り外れを決める抽選、電動チューリップやアタッカー等の可変入賞装置の動作処理等の遊技の進行を司る遊技進行制御とを行う主制御装置(主制御CPU)や、後述する可動装飾体(第1〜第4の可動装飾体A00,B00,C00,D00)の駆動或は後述する遊技用手動入力手段たる押しボタン式入力装置19等を司る演出制御等を行う演出制御装置(演出制御CPU)が設けられている。
[遊技盤−遊技基板]
前記遊技基板5は、前面側にレール部7が設けられており、該レール部7によって遊技球で遊技を行うための遊技領域8が形成されている。該遊技領域8は、縦軸より横軸が長いほぼ横長楕円形状になっており、そうすることで従来のほぼ円形の遊技領域に比べて上下方向の寸法を短くし、その分、演出用の領域が上方に広く確保できるようにしてある。
また、遊技領域8には、上半部のほぼ中央に前後方向に貫通する演出窓9が開設されており、さらにその演出窓9の上辺とレール部7との間に遊技領域8の右側に遊技球を導くための球誘導路10が形成されている。
なお、遊技領域8には、図示しないが、遊技球の落下方向に不規則な変化を与える障害釘と、同じく風車と、遊技球を受け入れる入賞口を具備する入賞装置と、入賞装置に入賞しなかった遊技球を回収するアウト球口等が設けられている。
[遊技盤−盤支持枠]
前記盤支持枠6は、前記のように遊技基板5の後面側に取り付けられており、左右の側枠板11,11と、遊技基板5と平行な背面板12とからなる。左右の側枠板11,11は、さらに上側枠板11aと下側枠板11bの二部材に分かれており、上側枠板11aには遊技基板5の上を越えてさらに前方に大きく張り出す前方延出部11cが突設されている。この盤支持枠6の左右の前方延出部11c,11c間であって遊技領域8の外側上方に形成される上部空間S1と、左右の側枠板11,11と背面板12で区画される遊技基板5後方の縦空間S2とが、後述する第1〜第4の可動装飾体A00,B00,C00,D00の移動領域となる。
また、盤支持枠6の背面板12は、その後面側であって前記遊技基板5に対向する位置に液晶等の画像表示装置13が取り付けられている。この背面板12は、透明な合成樹脂製であり、したがって画像表示装置13で表示される画像は、遊技基板5の正面から見ることができる。
[遊技盤−可動装飾体]
遊技盤3には、前記のように盤支持枠6に第1の可動装飾体A00と、第2の可動装飾体B00と、第3の可動装飾体C00と、第4の可動装飾体D00が設けられているが、その詳細については次の前面部4の後に説明する。
[前面部]
前面部4は、枠体2の前面にほぼ整合する形状であって、枠体2に設けられているヒンジ金具14,14で扉状に開閉可能なように取り付けられており、前記遊技盤3の前面を覆って遊技者に対向する閉状態と、遊技盤3の前面を露出させる開状態とに変化し得る。
前面部4は、遊技盤3の遊技領域8に対応する位置に窓部15を有する。該窓部15は、ガラスや合成樹脂等の透明板16で覆われており、したがって窓部15を介して遊技盤3の遊技領域8と、それより後方の画像表示装置13に映る画像が見える。
また、前面部4には、前記窓部15と自己の周縁部、具体的には自己の上縁部との間に遊技者側の前方に向けて膨出し且つ上面に開口部17を有する透明(無色透明に限らず、透過性を有していれば着色が施されていてもよい。)な膨出部18(カバー部)が設けられている。該膨出部18の内部には、遊技者側に向けて張り出している盤支持枠6の前方延出部11cや、第1の可動装飾体A00等が収まる空間が形成されている。
その他、前面部4には、図1A,図1B,図2に示したように、窓部15の下側に遊技者が操作するための遊技用手動入力手段たる押しボタン式入力装置19(詳細は後述する。)と、遊技球を蓄える球皿20と、遊技球を遊技領域8に向けて打ち出す打球発射装置41(詳細は後述する。)と、該打球発射装置41で発射される遊技球の打球強さを調節するための打力調節装置21(詳細は後述する。)と、が設けられている。また、前面部4には、閉状態にロックする錠装置40が設けられており、専用の鍵で解錠して開き、前面部4を閉じると自動的に施錠されるようになっている。
その他、符合E01,E02は、前面部4の窓部15の下側コーナー部分に前後動可能に設けられた可動装飾体である。
ここで本実施形態の遊技機1の遊技の概要を示す。本実施形態の遊技機1は、打球発射装置41から発射された遊技球が遊技領域8に設けられる始動口に入球すると、始動口に対応して設けられた入賞球センサにより始動口への入球が検知される。そして、該入球の検知に基づき当り外れを決定する大当り抽選(たとえば1/300で当りとなる抽選)が行なわれる。この抽選結果は、特別図柄表示装置(7セグ等)にて特別図柄を所定の変動時間に亘り変動表示して停止表示されることで示される。特別図柄は、所定時間の変動表示を経て「外れ」に対応する外れ特別図柄(たとえば「−」のセグ表示)、または、「当り」に対応する当り特別図柄(たとえば「7」のセグ表示)で停止表示される。また、特別図柄の変動表示中に、遊技を盛り上げるために、後述する画像表示装置13にて抽選結果を示唆する演出表示を行なったり、各種の可動装飾体にて抽選結果を示唆する可動が行なわれる。特別図柄表示装置に当り特別図柄が停止表示されると「大当り」となり、閉鎖状態にあるアタッカーが所定期間に亘り開放状態となる大当り状態に制御される。打球発射装置41から発射された遊技球が遊技盤3の開放状態となったアタッカーに入球すると、所定数の賞球(本実施形態では15個)が払い出される。その後、大当り状態の終了条件が成立することで、大当り状態が終了し、再び始動口への入球に基づく大当り抽選を行う状態(通常の遊技状態、あるいは通常状態と称す)に制御される。このように、本実施形態の遊技機1では、打球発射装置41によって遊技球が遊技領域8に向けて発射されることによって、遊技を進行させる制御が行われる。
[第1の可動装飾体]
前記第1の可動装飾体A00は、図1A、図1B、図13、図14に示したように、想像上の動物である「龍」の顔の上半部を、頭部A01と、額部A02と、眼部A03に分けた三つの部品で構成されるものであって、盤支持枠6の前方延出部11cに支持されて前面部4の膨出部18内に収められている。
各部品のうち、頭部A01と額部A02は、図13、図14に示したように額部A02に固着された軸支持部A04の内向き固定ピンA05を、頭部A01の長孔型軸受A06に挿通して連結されており、固定ピンA05が長孔型軸受A06内を自由移動する分を遊びとして回動自在に軸着されている。
一方、額部A02と眼部A03は、図14に示したように、眼部A03の眉間相当部分に縦向きのスライドレールA07を固着すると共に該スライドレールA07を額部A02の裏面中央に固着した縦向きのスライドレールA08(図4、図6、図8、図12参照)に装着して連結されている。したがって、額部A02に対して眼部A03は、上下摺動自在になっている。
また、頭部A01は、前記長孔型軸受A06近傍に横向きに突設した頭部摺動軸A09を、盤支持枠6の前方延出部11cに設けた前後方向に長いほぼ水平な頭部摺動溝22に嵌めて摺動自在に支持される。
また、額部A02は、自己の前記軸支持部A04に前記内向き固定ピンA05と同軸で反対向きに突設した外向の額部摺動軸A10を、盤支持枠6の前方延出部11cであって前記頭部摺動溝22の下に設けた前方から後方に向かって僅かに下傾する額部摺動溝23に嵌めて摺動自在に支持される。
さらに、眼部A03は、後面側を水平横断して両側方に突出する眼部摺動軸A11を、盤支持枠6の前方延出部11cに設けた略への字状の眼部摺動溝24に嵌めて摺動自在に支持される。
以上のように頭部A01と額部A02と眼部A03は、互いに回動自在又は摺動自在に連結され、また、それぞれが頭部摺動溝22と額部摺動溝23と眼部摺動溝24に摺動自在に支持されており、全体として各摺動溝22,23,24を固定節とする一つの連鎖機構を構成して、それぞれの摺動軸A09,A10,A11がそれぞれの摺動溝22,23,24の後方側の始端に位置している状態で図3、図4、図18に示したように頭部A01がうつぶせの水平姿勢に倒伏すると共に額部A02と眼部A03が垂直に起立して前後方向に重なった形態(基準形態)になる。かかる基準形態の第1の可動装飾体A00は、前面部4の膨出部18の中に収まって外側に突出しない。
一方、頭部A01の摺動軸A09と額部A02の摺動軸A10がそれぞれの摺動溝22,23の他端に位置し、また、眼部A03の摺動軸A11が眼部摺動溝24の他端の上昇点に位置している状態では、連鎖機構のリンク関係により、図7、図8に示したように頭部A01と額部A02が前傾して斜めに連なり且つ眼部A03が額部A02の後に隠れた形態(第1形態)になる。かかる第1形態に変化した第1の可動装飾体A00は、図1Aに示したように、頭部A01が膨出部18の前記開口部17から外側に突出し、一方、眼部A03が額部A02の後に隠れて眼が見えない、つまり伏し目の龍の顔を構成するようになっている。
また、図9、図10に示したように、前記第1形態から眼部A03の摺動軸A11が眼部摺動溝24の前記上昇点から下がって最下点に位置している状態では、頭部A01と額部A02と眼部A03が斜めに連なった形態(第2形態)になり、図1Bに示したように額部A02の下に遊技者を見下ろす状態に両眼が現れる。
このように第1の可動装飾体A00は、前面部4の膨出部18内に収容された状態(基準形態)から、膨出部18の開口部17から前面部4の外側に突出した伏し目の状態(第1形態)と、両眼で遊技者を見下ろす状態(第2形態)と、に複数段階(2段階)に外観形状が変化し得る。
なお、額部摺動軸A10と眼部摺動軸A11は、図示を省略したが、例えば盤支持枠6の前方延出部11cの外側に前記の演出制御装置で駆動制御される複数のスネークチェーン駆動装置を設けてそのスネークチェーンの先に連結されており、該スネークチェーンで各軸A10,A11を額部摺動溝23と眼部摺動溝24の各始端側から押し出して前方に向けて移動させ、逆にスネークチェーンを引き込んで各軸A10,A11を後方に向けて移動させる。もちろん眼部摺動溝24には「へ」の字の屈曲部(上昇点)に前記の演出制御装置で駆動制御される電動ポイントを設けて眼部摺動軸A11の進路が適宜切り替え得るようになっている。また、頭部A01は、額部A02の固定ピンA05と長孔型軸受A06で連結されているため、額部A02の前記動作に従動して起立又は倒伏する。
また、実施形態では、第1の可動装飾体A00の頭部A01の後方に摺動蓋A12が連結されている。この摺動蓋A12は、前方延出部11cの上部に設けた蓋摺動溝22aに自己の両側に突設された蓋摺動軸A13を挿通して水平方向に摺動自在に支持されると共に、頭部A01の頭部摺動軸A09と自己の蓋摺動軸A13を連接棒A14で繋いで頭部A01の動きに従動するようになっている。
そして、第1の可動装飾体A00が基準形態になって頭部A01が倒伏している状態で、図18に示したように該頭部A01が膨出部18の開口部17をほぼ塞ぐと共に、第1の可動装飾体A00が第1又は第2形態になって頭部A01が斜めに起立している状態で、図17に示したように前記摺動蓋A12が開口部17の頭部A01より後方の部分を塞ぐ。
さらに、第1の可動装飾体A00が第1形態になって頭部A01が斜めに起立している状態では、前記摺動蓋A12が開口部17を塞ぐのに加え、後述する第3の可動装飾体C00の表示プレートC01が、膨出部18の内部における遊技領域8への侵入経路を阻害する位置に設けられるようになっている。すなわち、第1の可動装飾体A00が第1又は第2形態になって頭部A01が斜めに起立している状態では、前記摺動蓋A12と、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01とによって、二重で遊技領域8への異物侵入を防止する構造となっている。
このように実施形態では、第1の可動装飾体A00の頭部A01と摺動蓋A12が各形態(基準形態、第1形態、第2形態)にて膨出部18の開口部17を塞ぎ、膨出部18の開口を介して遊技領域8に異物が侵入することを困難にしている。また、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01によって、第1又は第2形態時の遊技領域8への異物侵入をより困難にしている。よって、第1の可動装飾体A00の頭部A01、摺動蓋A12、および、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01は、膨出部18の開口を介して遊技領域8に異物が侵入することを防止する(抑制する)不正防止手段になっている。
[第2の可動装飾体B00]
第2の可動装飾体B00は、前記龍の顔の下半部である鼻と口を構成するものであり、前記第1の可動装飾体A00とは機構上の繋がりのない別部品であって、前記遊技基板5のほぼ上半部をカバーし得る大きさのバックパネルB01と、該バックパネルB01の前面ほぼ中央に上下摺動可能に設けられた昇降軸支部B02と、該昇降軸支部B02の前面下部に自己の下部を回動可能に軸着してほぼ垂直な起立姿勢と傾斜した前傾姿勢とに変化し得るように支持された鼻口部B03と、からなる。
なお、図示を省略したが、第2の可動装飾体B00には、バックパネルB01に対して昇降軸支部B02を昇降させる例えば前記の演出制御装置で駆動制御されるスクリュー式の昇降手段が設けられている。さらに、第2の可動装飾体B00には、図示を省略したが前記鼻口部B03を前記の演出制御装置で駆動制御して前傾・起立させるモーターやソレノイド等の回動駆動手段が設けられており、昇降軸支部B02が上昇位置にあるとき鼻口部B03を起立姿勢に回動保持し、一方、昇降軸支部B02が下降位置にあるとき鼻口部B03を前傾姿勢に回動して保持するようになっている。
第2の可動装飾体B00は、前記バックパネルB01の両側面に上下二本の鼻口摺動軸B04を有しており、該鼻口摺動軸B04を盤支持枠6の上側枠板11a,11aに設けた鼻口摺動溝25に挿通して前後方向と上下方向に摺動自在に支持されている。
鼻口摺動軸B04は、図示を省略したが、例えば上側枠板11aの外側に、水平方向に移動させる例えば前記の演出制御装置で駆動制御されるスクリュー式の水平移動手段と、該水平移動手段を鼻口摺動軸B04ごと垂直方向に移動させる例えば前記の演出制御装置で駆動制御されるスクリュー式の垂直移動手段を設けて、鼻口摺動溝25に沿って前後方向と上下方向に自由に移動させ得るようになっている。
第2の可動装飾体B00は、図3、図4に示したように垂直に起立させた鼻口部B03の後に昇降軸支部B02とバックパネルB01を並べた状態で最も上昇させた位置にあり、一方、図5、図6に示したようにバックパネルB01を上側枠板11aに対して下降させ、そのバックパネルB01から図7、図8に示したように昇降軸支部B02を下降させ、その昇降軸支部B02から図9、図10に示したように鼻口部B03を前傾させると、鼻口部B03の上端が遊技基板5の演出窓9の内部に臨んで第1の可動装飾体A00の頭部A01と額部A02と眼部A03に連なる。これにより図1Bに示したように遊技者を見下ろす巨大な龍の顔が完成する。
[第3の可動装飾体]
第3の可動装飾体C00は、盤支持枠6の前方延出部11c,11cに支持されており、該前方延出部11c,11cの高さより若干小さく且つ前方延出部11c,11cの左右の間隔より若干小さな幅の表示プレートC01と、該表示プレートC01の上下両側に突設されたプレート摺動軸C02で形成されている。この表示プレートC01の前面には、機種名を表す文字やキャラクターなどの図形が描かれており、第1の可動装飾体A00が基準形態にあるときには、透明な膨出部18の前方から表示プレートC01が視認可能となるように設けられている。
第3の可動装飾体C00は、両側のプレート摺動軸C02を盤支持枠6の前方延出部11cに形成したプレート摺動溝26に挿通して支持されている。該プレート摺動溝26は、第1の可動装飾体A00との干渉を避けるため遊技基板5に近い低所を通るようになっており、したがって表示プレートC01は、プレート摺動溝26に沿って前方延出部11cの前方から遊技基板5に近い低所を通って後方に移動し得る。
なお、表示プレートC01をプレート摺動溝26に沿って移動させる駆動手段はどのようなものでもよいが、実施形態では、図20に示したようにプレート摺動溝26の内壁上面側にラックギヤ27を形成し、一方、プレート摺動軸C02に円形ギヤC03を固着して該円形ギヤC03を前記ラックギヤ27に噛合させ、さらにプレート摺動軸C02に回転自由な転動輪C04を設けてプレート摺動溝26の内壁下面に当接させるようになし、そうして円形ギヤC03を前記の演出制御装置で駆動制御されるモーターで任意の方向に回転させるようにしている。
また、前述したように、第1の可動装飾体A00が第1又は第2形態になって頭部A01が斜めに起立している状態では、前記摺動蓋A12が開口部17を塞ぐのに加え、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01が、膨出部18の内部における遊技領域8への侵入経路を阻害する位置に設けられると共に異物の侵入方向に対して凹状の湾曲面を対向させて異物の方向制御が困難になるようになっており、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01によって、第1形態時の遊技領域8への異物侵入をより困難にしている。
[第4の可動装飾体]
第4の可動装飾体D00は、盤支持枠6の下側枠板11b,11bに前後移動及び昇降可能に支持されており、横長平板形状の棒主部D01と、その棒主部D01の前面の上下コーナー位置に回転中心が設定された開閉可能な表示ウイングD02,D02と、棒主部D01の上下両側に突設された棒摺動軸D03で形成されている。
この第4の可動装飾体D00は、棒主部D01の前面を表示ウイングD02,D02が覆う図3、図4の閉じ状態で麻雀ゲームのリーチ棒を連想させる形態を呈し、また、表示ウイングD02,D02が全開して該表示ウイングD02,D02の内面と棒主部D01の前面が面一になった図9、図10の展開状態になったとき、その展開面を使って遊技内容に関連する文字や図形が大きく表示されるようになっている。
第4の可動装飾体D00は、両側の棒摺動軸D03を盤支持枠6の下側枠板11bに形成したほぼF字形の棒摺動溝28に挿通して支持されており、該棒摺動溝28に沿って前記遊技基板5の遊技領域8の下側後方に対応する図3、図4の低位置から、同じく遊技領域8の前記演出窓9の後方に対応する図11、図12の高位置の間で昇降し、且つ、その高位置で前後方向に移動し得る。
なお、棒主部D01を棒摺動溝28に沿って移動させる駆動手段は、前記した第2の可動装飾体B00と同じである。
その他、図示しないが、前記盤支持枠6のさらに後側に、球タンク、球導出樋、景品球払出装置、景品球放出樋などをユニット化した機構盤が装着されている。
上記遊技機1の通常の遊技状態(通常状態)は、図2、図3、図4、図18に示したように、第1の可動装飾体A00が、前面部4の膨出部18からはみ出さない前記基準形態になっており、また、第2の可動装飾体B00が、盤支持枠6の最上昇位置にあり、また、第3の可動装飾体C00の表示プレートC01が膨出部18の前面に臨んでいる。一方、第4の可動装飾体D00は、表示ウイングD02,D02を閉じて遊技基板5の遊技領域8の下側後方に対応する低位置に停止している。
この通常状態は、遊技領域8に打ち込まれる遊技球が遊技領域8に設けられる所定の入賞口(たとえば始動口)に入賞すると、該入賞に起因して大当りとするか否かの大当り抽選が行われる状態であり、該大当り抽選の結果を示唆する演出として、詳しくは後述するが、第1の可動装飾体A00の複数段階の形状変化によって遊技者から見える前面部4の外観形状の複数段階の変化を使用しつつ遊技が進行する。
次に、遊技球の入賞により行われる大当り抽選の結果、大当り状態(遊技者に所定量の遊技球を放出し得る状態)になった場合であって可動装飾体A00が前記基準形態にあるときの可動装飾体A00,B00,C00,D00の動作について説明する。
大当り抽選の結果、大当り状態になった場合には、前記の演出制御装置で各駆動手段が演出制御されて、例えば、先ず図5、図6のように最も上昇した位置にある第2の可動装飾体B00のバックパネルB01を下降させ、次に図7、図8のようにバックパネルB01から昇降軸支部B02を下降させ、続いて図9、図10のように昇降軸支部B02から鼻口部B03を前傾させて停止させる。
次に、図3、図5、図7、図9のように膨出部18の前方にある第3の可動装飾体C00の表示プレートC01を後方に移動させ、同時に基準形態にある第1の可動装飾体A00を図3、図5、図7のように第1形態に変化させて頭部A01と額部A02を斜めに連ならせて伏し目の龍の顔を出現させ、続けて眼部A03を下動させて両眼が出現する第2形態に変化させ、そうして先に移動・停止している第2の可動装飾体B00と視覚的に融合させて遊技者を見下ろす巨大な龍の顔を完成させる。このとき頭部A01の上半部が膨出部18から前面部4の外方に突出してはみ出しているため、より立体的でダイナミックな演出効果が得られる。この結果、遊技者に意外性や驚きを与え、従来に比して遊技興趣を高められる。
なお、図11に想像線で示したように、遊技場の島設備には、遊技機1上方の幕板Xに遊技の進行状況(大当り遊技の発生回数など)を示すデータ表示体Yが設けられるのが一般であり、第1又は第2形態で上方に突出した第1の可動装飾体A00の頭部A01の存在によってデータ表示体Yが隠れてしまい、データ表示体Yの視認性を低下させてしまうことが考えられる。
これを防止するため実施形態では、第1の可動装飾体A00を第1又は第2形態から基準形態に戻すためのスイッチ29(遊技者が操作可能な操作部)が遊技機1の前面に設けられている。そして、大当り状態になって第1の可動装飾体A00が基準形態から第1又は第2形態に変わっているとき、データ表示体Yを確認したい遊技者が前記スイッチ29を入力すると、その入力検知に基づき第1又は第2形態にある第1の可動装飾体A00を基準形態に戻すように第1の可動装飾体A00を駆動制御する。これにより第1の可動装飾体A00の頭部A01が膨出部18内に下がって隠れていたデータ表示体Yの確認が可能となる。
さらに、スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を基準形態に戻した後、再度スイッチ29を入力すると、基準形態にある第1の可動装飾体A00を直前の形態に戻すように駆動制御する。これにより、第1の可動装飾体A00を基準形態に戻してデータ表示体Yを確認した遊技者が、任意で第1の可動装飾体A00を直前の形態に戻すことができる。
もちろんスイッチ29は、従業員が遊技中のトラブルに対処するために前面部4を開閉する際に使用してもよい。そうすることにより、第1の可動装飾体A00を膨出部18の内側に収容した基準形態にして安全な状態で前面部4を開き、作業が終わって前面部4を閉じてから、第1の可動装飾体A00を直前の形態に戻して遊技を再開させることができる。
なお、「再度のスイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を第1又は第2形態に戻すように駆動制御することが可能な時期」は、あらかじめ定めておくことが望ましく、本実施形態では、この時期を、第1の可動装飾体A00が第1又は第2形態に変化する「大当り状態の継続中」及び「大当り抽選の結果を示唆する演出中」に設定している。また、この場合、大当り状態等が継続している間であれば、スイッチ29の入力回数に制限を設けず、何度でも第1の可動装飾体A00の形態を変更可能としている。
なお、別形態として、図22に示したように、第1の可動装飾体A00を第1又は第2形態から基準形態に戻すためのスイッチ29Xと、該スイッチ29Xの入力によって基準形態に戻された第1の可動装飾体A00を再び直前の形態に戻すためのスイッチ29Yを別体で設ける構成としてもよい。
また、スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を基準形態に戻した後、所定時間(例えば5秒)の経過に基づき、基準形態にある第1の可動装飾体A00を直前の形態に戻すように駆動制御するように設定してもよい。なお、こうした形態では、所定時間が経過するまでの間に、前述の「第1の可動装飾体A00を第1又は第2形態に戻すように駆動制御することが可能な時期(本実施形態では「大当り状態」)」が終了する場合には、所定時間が経過しても第1の可動装飾体A00を基準形態のまま維持することが考えられる。
また、スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を基準形態に戻すだけでなく、スイッチ29の入力検知に基づいて上述の第2の可動装飾体B00、第3の可動装飾体C00、第4の可動装飾体D00をも通常状態に対応する位置に移動させるように駆動制御することとしてもよい。これにより、第1の可動装飾体A00のみが基準形態に戻ることで違和感のある装飾となってしまうことを防止でき、興趣低下を抑制できる。
また、スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を駆動させる際には、スイッチ29の入力検知に基づいて、音声、ランプ、あるいは、表示装置を用いて「第1の可動装飾体A00の駆動を知らせる報知」を行うようにしてもよい(報知手段)。そうした報知(注意喚起)により、意図しない第1の可動装飾体A00の駆動により遊技者に怪我をさせる等を防止でき、安全性を高められる。
さらには、音声、ランプ、あるいは、表示装置を用いて、「スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体A00を駆動させることができる旨の説明」を行うようにしてもよい(説明手段)。そうした報知(事前説明)により、任意に第1の可動装飾体A00を駆動させることができることを遊技者に認識させることができ、利便性を高められる。
また、スイッチ29と同じ設定の操作入力手段を前面部4の前記錠装置40に設けて、従業員による錠装置40の解錠操作を検知するか又は解錠に伴う前面部4の開きを検知して第1又は第2形態にある第1の可動装飾体A00を基準形態に変化させ、前面部4の閉状態又は錠装置40の施錠を検知して直前の形態に戻すように設定してもよい。
そうすることにより、第1の可動装飾体A00が膨出部18の開口よりも外側に移動した第1又は第2形態のまま前面部4を開閉することにより起こり得る問題、すなわち第1の可動装飾体A00が隣接する台間球貸機や隣の遊技機に接触して損傷し得るリスクを未然に回避することができる。
斯かるスイッチ29等に関する構成については、遊技盤3に可動装飾体A00,B00,C00,D00を一体に設けるようにした実施形態の遊技機1のほか、遊技盤3と可動装飾体A00,B00,C00,D00とを別体に設けるようにした遊技機にも適用可能であり、さらには、枠体外方に突出駆動する可動装飾体を枠体(枠体、本体枠など)の所定部位(膨出部18の内部)に設けるようにした遊技機や、図67に示したように、扉形前面部S2の外(前)方に突出駆動する可動装飾体F00を所定部位に設けるようにした回胴式遊技機(スロットマシン1S)にも適用可能である。なお、スロットマシン1Sは、図67に示したように、前面が開口する箱形の筐体S2と、該筐体S2の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けられる扉形の前面部S3と、複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置S4と、任意の画像を表示する画像表示装置S5と、を有しており、さらに扉形の前面部S3には、表側の下方にメダル用受皿S6が設けられ、また、表側のほぼ中央に操作パネル20Pが設けられている。そして、操作パネル20Pには、メダル投入用の投入口S7と、機内のメイン基板(図示せず)のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタンS8と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタンS9と、機内のメダルセレクタ(図示せず)の中に詰まったメダルをメダル用受皿S6に戻すためのメダル返却ボタンS10と、前記図柄変動表示装置S4を作動させる始動レバーS11と、図柄変動表示装置S4の各リールS4a,S4b,S4cを停止させる3個のリール停止ボタンS12a,S12b,S12c等が設けられている。
次に、図9〜図11のように低位置にある第4の可動装飾体D00の表示ウイングD02,D02を上下に展開させて高位置に移動させると、それが第2の可動装飾体B00の鼻口部B03の後方に位置するため、遊技者の目線では龍が展開したリーチ棒をくわえているように見える。この結果、より立体的でダイナミックな演出効果が得られ、遊技者に意外性や驚きを与え、従来に比して遊技興趣を高められる。
そして、大当り状態が終了すると、上記と逆の工程を辿って第1〜第4の可動装飾体A00〜D00が通常の遊技状態に復動する。
しかして、実施形態の遊技機1は、図15(a),(b)のように遊技盤3を外して別の遊技盤に交換すると、前面部4の膨出部18の装飾も新しい遊技盤に付属する可動装飾体に変わるため、前面部4と遊技盤3のデザインがちぐはぐになるようなおそれがない。
なお、実施形態のここまでの遊技機1には、次のような技術的手段Aが含まれている。[技術的手段A]
枠体と、前面に遊技領域を有する遊技盤と、前記枠体の前面に位置すると共に前記遊技盤の遊技領域に対応する位置に窓部を有する前面部と、を備えてなる遊技機であって、
前記前面部には、前方に向けて膨出すると共に、上側及び/又は横側に開口を有する膨出部が設けられ、
前記膨出部の内方には、該膨出部の開口よりも内側に収容される基準形態と、該開口よりも外側に少なくとも自己の一部が移動する第1又は第2形態とに変化し得る可動装飾体が位置しており、
さらに、前記膨出部の前記開口を介して前記遊技領域に異物が侵入することを防止し得る不正防止手段を備えてなることを特徴とする遊技機。
こうした遊技機では、前面部の膨出部の内方(内側)に位置する可動装飾体を、前面部の膨出部内に収容する基準形態と、可動装飾体の少なくとも一部(全部であってもよい)を膨出部の開口を介して膨出部の外側に移動する第1又は第2形態とに変化させ得るようにしたため、従来にないダイナミックな装飾や演出により遊技者に意外性や驚きを与え、遊技興趣を高められる。
また、例えば、上述の膨出部を「透過性を有する部材」で構成すると、通常時に前面部の膨出部から透けて見える可動装飾体が膨出部の外側に移動し得る。こうした構成でも遊技者に意外性や驚きを与え、遊技興趣を高められる。
また、この遊技機は、膨出部の開口を介して遊技領域に異物が侵入することを防止し得る不正防止手段を備えているため、不正行為が困難になり、その結果、時間が掛かることを嫌う不正行為者に狙われ難くなる。
また、上述の遊技機は、
前記可動装飾体を前記遊技盤と一体で当該遊技機に着脱可能に設け、
前記可動装飾体は、前記遊技盤が前記枠体に取り付けられた状態で前記膨出部の内方に位置することを特徴とする。
こうした遊技機では、遊技盤を交換すると、前面部をも一新させたかのように見せることができる。
また、かかる技術的手段Aは、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、不正防止手段の一部を構成する摺動蓋A12を、第1の可動装飾体A00の頭部A01に連接棒A14で連結して該頭部A01に従動させるようにしたが、図19に示したように、摺動蓋A12をスネークチェン駆動装置A12aのスネークチェーンA12bの先に連結して独自に摺動・開閉させ得るようにしてもよい。そうすることにより図19に想像線で示したように、第1の可動装飾体A00が基準形態にあるとき、摺動蓋A12で開口部17の全域をほぼ隙間無く覆うようにすることができる。
また、実施形態では、盤支持枠6によって遊技基板5の上部と後方に上部空間S1と縦空間S2を設けて可動装飾体A00〜D00を広い範囲で移動・変化させるようにしたが、遊技基板5の上部に上部空間S1のみを設けてその範囲で可動装飾体を移動・変化させるようにしてもよい。具体的には、可動装飾体を実施形態の第1の可動装飾体A00のみにしてもよい。なお、その場合には、第2の可動装飾体B00に相当する鼻口部分、つまり可動装飾体に関連する又は補完する画像を画像表示装置13で表示するようにするとよい。
また、実施形態では、通常状態において膨出部18の前面に第3の可動装飾体C00の表示プレートC01を認識可能となるように臨ませるようにしたが、通常状態において膨出部18内で動的に変化する可動装飾体を設けるようにしてもよい。
また、実施形態では、大当り状態の開始に伴い第1の可動装飾体A00を基準形態から第1及び第2形態に変化させるように演出制御するようにしたが、通常状態における遊技の進行過程で例えば大当り抽選の結果を示唆する演出のための所定の駆動条件が成立した場合(詳細は後述する。)や、遊技が行われていない非遊技状態(デモ状態など)で所定の駆動条件が成立した場合に、第1の可動装飾体A00を基準形態から第1又は第2形態に変化させるように演出制御するようにしてもよい。
また、実施形態では、一般的な遊技機に存在する枠体と前面部の間の本体部を設けていないが、もちろん従来と同様な本体部を設けてその本体部に遊技盤を着脱自在に装着するようにしてもよい。
また、実施形態では遊技基板5を透明な合成樹脂製としたが、不透明な素材で形成してもよい。
また、実施形態では膨出部18透過性を有する部材としたが、不透明な部材で形成してもよい。こうすることで、通常状態(基準形態)では外部から視認不能とされる可動装飾体が、第1又は第2形態に変わって突然に視認可能になることで、遊技者に一層の意外性や驚きを与えて遊技興趣を向上させることができる。
また、実施形態では、膨出部18を前面部4の上部に設けて開口部17を上に設けたが、開口部17を膨出部18の左右側面の両方あるいは一方に設け、この側面開口を介して可動装飾体を外方に突出移動させる構成としてもよい。また、膨出部18を上部と側部の双方、つまり、例えば前面部4の正面向かって右上角部に開口部17を設けるようにしてもよい。
また、実施形態では、盤支持枠6の背面板12の後面側に画像表示装置13を取り付けるようにしたが、背面板12の前面側に画像表示装置13を取り付けるようにしてもよい。このとき、第4の可動装飾体D00を設けるスペースがない場合は該第4の可動装飾体D00を設けなくてもよい。また、図21に示したように、第4の可動装飾体D00を有する下側枠板11bを、画像表示装置13を設けた機構盤Zに置き換えるようにしてもよい。
また、第1の可動装飾体A00、第2の可動装飾体B00、第3の可動装飾体C00の夫々が何れの形態にあるかを検知可能な検知センサ(駆動状態検知手段)を設け、第1の可動装飾体A00、第2の可動装飾体B00、第3の可動装飾体C00の形態を変化させるように駆動制御したにもかかわらず、当該検知センサによって対応する形態が検知されない場合に異常と判断し、音声、ランプ、あるいは、表示装置を用いて、外部に向けてエラー報知を行う構成を付加するようにしてもよい。これにより、可動装飾体に異常が生じた際に迅速な発見・対応が可能となり、当該遊技機の信頼性を高められる。
さらに、第1の可動装飾体A00が基準形態にあるときに、第1の可動装飾体A00の上部に何らかの物体が置かれている場合に、その旨を検知することができる検知センサ(物体検知手段)を設け、当該検知センサによって第1の可動装飾体A00の上部に何らかの物体が置かれていることが検知された場合に異常と判断し、音声、ランプ、あるいは、表示装置を用いて、外部に向けてエラー報知あるいは注意喚起の報知(「物を載せないでください」の報知など)を行う構成を付加するようにしてもよい。さらには、当該検知センサによって第1の可動装飾体A00の上部に何らかの物体が置かれていることが検知された場合には、第1の可動装飾体A00が基準形態から第1形態になる条件が成立しても、第1の可動装飾体A00を第1形態に変化させずに基準形態のまま維持するように構成してもよい。これらの構成により、第1の可動装飾体A00の上部に置かれた物体の落下等で遊技者が怪我をする等の被害が生ずることを未然に防止でき、当該遊技機の信頼性を高められる。なお、検知センサ(物体検知手段)としては、重量を検知する重量検知センサや、第1の可動装飾体A00上面への接触を検知する接触検知センサ等が挙げられる。
また、開口部17内に遊技者の身体の一部や不正器具等の異物を無理やり侵入させることも考えられるため、こうした異物が開口部17内に侵入したことを検知し得る検知センサ(異物侵入検知手段)を設け、当該検知センサによって開口部17内に異物が侵入したことが検知された場合に異常と判断し、音声、ランプ、あるいは、画像表示装置等を用いて、外部に向けてエラー報知あるいは注意喚起の報知(「内部に物を入れないでください」の報知など)を行う構成を付加するようにしてもよい。なお、検知センサ(異物侵入検知手段)としては、検知対象媒体(遊技者の身体の一部や不正器具等の異物)を非接触で検知可能な非接触検知型センサ(例えば、光を投射する発光部と、該発光部から投射された光を受光する受光部を有し、発光部からの光が遊技者の身体の一部や異物等により遮られたことを検知する光学式通過センサ)や、検知対象媒体の接触を検知する接触検知型センサ等が挙げられる。これらの検知センサ(異物侵入検知手段)を設ける場所としては、膨出部18の側面の一方あるいは両方等が挙げられる(図示省略)。
さらには、これらの検知センサ(異物侵入検知手段)を複数個所に設けることとしてもよく、例えば、膨出部18の開口部17の入口内面(最上位)の左右位置(侵入注意位置)に第1の検知センサ(異物侵入検知手段)を設け、それより内部側の位置であって、前方延出部11cの下辺沿いの遊技領域8の手前付近(侵入限界位置)に第2の検知センサ(異物侵入検知手段)を設けるようにしてもよい。そして、検知箇所が侵入注意位置であるときは、該当遊技機のスピーカーと画像表示装置により「遊技機上部にある物を除去して下さい。」という小音量の注意アナウンスと注意画像を表示すると共に、遊技場内の監視カメラの照準を該当遊技機に合わせて従業員は注意を払う程度とし、一方、検知箇所が侵入限界位置に至ったときは、「すぐに従業員が参ります。そのままお待ち下さい。」という大音量の案内(警告)アナウンスと案内(警告)画像を表示すると共に従業員が該当遊技機に行って直接対応する。このように状況に応じてアナウンス内容、表示内容、従業員対応等の程度を変えることで、善意の遊技者に不快な感情を抱かせることなく、より安全性を高めることができる。
ところで、上記した実施形態の可動装飾体や盤支持枠の構成は、遊技基板と切り離して枠体に装着した場合(つまり、遊技基板のみを交換対象とする場合)でも、ダイナミックな演出効果が得られる点において十分な技術的価値がある。
[打球発射装置]
前記打球発射装置41は、図1A、図1Bに示したように、球皿20から発射レール41aの発射位置41sに遊技媒体たる遊技球を供給する球供給装置(図示せず)と、発射位置41sにある遊技球を打ち出す打球部材41bと、該打球部材41bに発射動作を行わせる動力部材41cと、により概略構成される。
前記打球部材41bは、軸41dに固着され、その下端に発射レール41aの発射位置41sに臨む弾性的なハンマー頭部41eを有する逆さハンマー状のものである。
一方、前記動力部材41cは、打球部材41bの軸41dを出力軸とするロータリーソレノイドで形成されている。
以上の構成である打球発射装置41は、ロータリーソレノイド41cに電圧が印加されていない消磁状態で打球部材41bが図1A、図1B破線のように発射位置41sから後退した準備位置にあり、この状態でロータリーソレノイド41cに電圧を印加すると図2破線のように発射位置41sに向かって瞬発的に回動し、この動きで発射レール41aの発射位置41sにある遊技球がハンマー頭部41eで打ち出される。
なお、打球発射後にロータリーソレノイド41cが消磁状態に戻ると、該ロータリーソレノイド41cに内蔵されているスプリング(図示せず)の付勢で軸41dが逆向きに回転して打球部材41bが前記準備位置に戻る。
[打力調節装置]
前記打力調節装置21は、遊技機1の前面部4の前面に設けられた固定部42と、前後方向に向かう軸線を中心に回転可能なように前記固定部42に支持された回転部43と、前記ロータリーソレノイド41cに印加される電圧値を増減して打球強さを制御する調節部44と、を有する。
[固定部]
前記固定部42は、図26に示したように、円錐台筒形状の前半部と、円筒形状の後半部とからなり、円錐台筒形状の前面が回転部43の後述する延設部43bの後面とほぼ同径で、そこから後方に向かって漸次縮径する下り傾斜の傾斜面45になっている。
固定部42は、その後面に、遊技機1の前面部4の取付孔4hに挿通させて固定するための取着筒46が一体に突設され、また、前半部と後半部の内部に前面に開口するすり鉢状の調節室47が形成されている。
そして、この固定部42の調節室47の奥部中心に受凹部48が形成されると共にその奥部から前方に向けて短い雌ネジ筒49と、長いネジ通筒50が突設されており、短い雌ネジ筒49に前記調節部44の取付けベースとなる取付基板51がビス止めされ、一方、長いネジ通筒50に円形ドーム形状の内キャップ52が、該内キャップ52に突設された雌ネジ受筒56を介してビス止めされている。
また、固定部42の外側周面には、操作する手の五指に対応する5つの浅い凹部53,53…が形成され、さらに外側上面の前記傾斜面45に、例えばタッチ式の補助操作部54が形成されている。なお、実施形態ではこの補助操作部54が、打球発射装置41のロータリーソレノイド41cを一時的に停止させる発射停止スイッチになっている。
[回転部]
前記回転部43は、半球面と交円(球と平面が交わったときの平面上の円)とを有する直径95mm〜110mmの半球体の前記半球面にほぼ相当する外形形状の前方部43aと、前記半球体の前記交円の円周部分にほぼ相当する前記前方部43aの後縁から、さらに後方に向かって漸次縮径する状態に延設され及び/又は後方に向かって径一様の状態に延設される外形形状の延設部43bと、からなる。
実施形態の具体的な回転部43は、図27に示したように、半球状の前方部43aに、これと同径で向きが反対の半球体の交円側をリング状に切断した形状の延設部43bとを図28の断面図に示したようにビス55で一体に接合してなるもので、全体として後方部分が欠落した直径95mm〜110mmのほぼ球形を呈する。
なお、前方部43aと延設部43bは、実施形態のようにそれぞれを別々に成形してビス55等で接合する場合の他、一体に樹脂成形するようにしてもよい。また、延設部43bは、後方に向かって漸次縮径する状態の他、後方に向かって径一様の筒状であってもよいし、径一様の状態から漸次縮径する状態であってもよい。
また、回転部43の延設部43bには、その中心から順に、中心貫通孔57と、島状基台58と、連絡通孔59と、円形リブ60が同心円状に形成され、さらにその表面に良導電性のメッキが施されている。
そして、延設部43bの前記島状基台58の後面に、外周面に原動ギヤ61を有する原動軸62がビス止めされ、さらにその原動軸62の外周に原動捩りコイルばね63が装着されている。また、原動軸62の前端部には軸受け凹部64が形成されており、その前端部が延設部43bの中心貫通孔57を通って前面に突出している。
[調節部]
前記調節部44は、図26、図28に記載したように、取付けベースとなる前記取付基板51と、その取付基板51に形成された後向きに突出する軸受筒65と、取付基板51の後面側に取り付けられた可変抵抗器66と、その可変抵抗器66から前面側に突設されたボリューム軸67と、そのボリューム軸67の端部に固着された従動ギヤ68と、ボリューム軸67を初期位置方向に付勢するボリューム捩りコイルばね69と、から概略構成される。
前記取付基板51は、前記のように固定部42の雌ネジ筒49にビス止めされて固定されており、したがって、調節部44は、固定部42の調節室47の中に配置されている。
前記可変抵抗器66は、ボリューム軸67の回転を受けて前記ロータリーソレノイド41cに印加される電圧値を増減させるものである。一方、ボリューム軸67は、従動ギヤ68を介して前記回転部43の原動ギヤ61に噛合するようになっており、したがって、回転部43の回転が、原動ギヤ61から従動ギヤ68に伝わり、ボリューム軸67を介して可変抵抗器66に伝達される。
なお、ボリューム軸67は、ボリューム捩りコイルばね69によって常に初期位置方向に付勢されており、したがって原動ギヤ61と従動ギヤ68を組み立て段階で噛合させるとき、可変抵抗器66を手動で初期位置に設定する煩わしさがない。また、従動ギヤ68は、ボリューム捩りコイルばね69によって常に原動ギヤ61と噛合する向きに付勢されるため、歯車機構のバックラッシュに起因する回転斑を抑制して、回転部43の回転に対する可変抵抗器66の応答性、つまりロータリーソレノイド41cの強弱操作に対する応答性を高め得る。
[固定部と回転部]
次に、固定部42と回転部43の結合態様について、組み立て方法と共に説明する。
先ず、回転部43に結合される前の固定部42は、可変抵抗器66を有する調節部44が調節室47の雌ネジ筒49にビス止めされ、内キャップ52が外れている。なお、調節部44が調節室47にセットされた状態では、図28のように、固定部42の奥部の受凹部48に取付基板51の軸受筒65が嵌っている。また、調節部44が雌ネジ筒49にビス止めされるとき、原動捩りコイルばね63とボリューム捩りコイルばね69の後端鉤部63a,69aも一緒に共締めされている。
また、固定部42に結合される前の回転部43は、延設部43bと前方部43aが分離し、延設部43bの島状基台58に原動軸62がビス止めされている。
以上の状態にある固定部42の前面に回転部43の延設部43bを嵌めると、図28のように原動軸62の後端が取付基板51の軸受筒65に遊嵌し、同時に図29のように延設部43bの原動軸62の原動ギヤ61に、調節部44のボリューム軸67の従動ギヤ68が噛合する。
そして、図28のように延設部43bの連絡通孔59に内キャップ52の雌ネジ受筒56を通してその端部を固定部42のネジ通筒50に嵌合させ、さらにそのネジ通筒50にビス70を通して雌ネジ受筒56の雌ネジに締め込むことで、固定部42と内キャップ52が延設部43bを挟んで一体になっている。また、内キャップ52には、後面の中心に段付き軸71が突設されており、その段付き軸71の細径の端部が、延設部43bの原動軸62前面の軸受け凹部64に嵌っている。これにより延設部43bは、原動軸62の両端が、内キャップ52の軸受け凹部64と取付基板51の軸受筒65で回転可能に支持される。なお、この状態で内キャップ52の周縁は、延設部43bの円形リブ60に対向している。
そして、延設部43bに前方部43aを嵌めて延設部43b側から前方部43aに向けてビス55を通してビス止めすれば、延設部43bと前方部43aが一体に結合されたほぼ球形の回転部43となる。特に実施形態の打力調節装置21は、固定部42の前面と回転部43の後面がほぼ同径で且つ固定部42がそこから後方に向かって漸次縮径するため、回転部43と固定部42のトータルで球形に近い形状になる。
実施形態の打力調節装置21は、以上のように構成されているため、遊技者が手を触れていない状態では、前記原動捩りコイルばね63の付勢により回転部43が初期位置にあり、打球発射装置41も停止している。
この状態で図30のように、打力調節装置21の回転部43の外側上面を手置きスペースとしてそこに遊技者が右手を置くと、手の平が回転部43の球面を包む状態になってフィットし、さらにその姿勢で指が固定部42に沿って自然な形に馴染む。なお、遊技者に外側上面の手置きスペースを認識させやすくするために、該当する部位に着色や印刷を施して、回転部43の上面に遊技者が手を載せることを誘導するような手置き誘導手段を付加してもよい。
一方、回転部43の延設部43bは、その外周面に良導電性のメッキが施されていてタッチセンサーになっているため、前方部43aと延設部43bに置いた遊技者の手が検知される。これにより打球発射装置41のロータリーソレノイド41cに通電され、最も弱い初期設定の強さで打球部材41bが作動する。
次に、打力調節装置21の回転部43の手置きスペースに手の平を置いた姿勢のまま肘から先を時計回りに捻ると回転部43が原動軸62を中心に回転する。その回転が、原動ギヤ61、従動ギヤ68、ボリューム軸67へと伝達されて可変抵抗器66の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じてロータリーソレノイド4fの打球強さが増す。なお、打力調節装置21は、回転の中心となる軸線を前面部4の前面に対して直交させてもよいが、実施形態では平面視で若干右側に傾けた(実施形態では約10゜)状態になっている。そうすることにより、打力調節装置21を持つ遊技者の右肘から手首に至る角度と、回転部43の回転の軸線の角度とを近似させることができるため、肘から先の腕の捻りが無理なく行える。
次に、遊技球が遊技領域8の所望の領域に打ち込まれるようになった状態で指先を固定部42にしっかり載せれば、原動捩りコイルばね63の付勢に抗して回転部43の回転位置を保つことができる。そしてもしこの姿勢をより楽なものに変更したい場合は、回転部43を左手で支えつつ右手を好みの位置に移動させる。その際、回転部43には指掛用の突起がなく、どの位置にも手を移動させることができるため、最適な姿勢が選択できる。
また、遊技中、打球発射装置41を一時的に停止させる場合は、指先を若干動かして補助操作部54に触れればよい。その際、補助操作部54が回転部43の延設部43bより低位置に配置されているため、指の曲げ伸ばしで接触・非接触の切替が容易に行える。
また、遊技を停止する場合は、打力調節装置21から手を離せば、延設部43bのタッチセンサーがそれを検知して打球発射装置41が停止し、さらに回転部43が原動捩りコイルばね63の付勢により初期位置に復動する。
なお、遊技者の好みにより、実施形態の回転部43を前方から鷲掴み状態で握って回転させる従来型のスタイルで操作することももちろん可能である。この場合、回転部43がどちらのスタイルで操作されているかを検出するための検出手段(例えば、延設部43bの前記タッチセンサーを上半部と下半部に分割し、下半部のタッチセンサーで指(親指)を検知した場合は従来型のスタイルで操作されていると判断し、下半部のタッチセンサーが指を検知しない場合は手置きスペースに手を置くスタイルで操作されていると判断する。)を例えば前記の演出制御装置に備える(プログラムする。)こととしてもよい。さらに、一方のスタイルを検出することに基づき、他方のスタイルで操作可能であることを報知する演出(映像あるいは音声を用いた説明演出)を行なうようにしてもよい。例えば、回転部43が従来型のスタイルで操作されていることが検出された場合に、説明演出として、音声により「ハンドル上部に手を載せるスタイルでも操作可能です」というアナウンスを一定時間行なうようにしてもよい。
[打力調節装置の別形態1]
図31〜図35は別形態1の打力調節装置21を示すものであり、固定部42の外側上面であって回転部43の延設部43bの延長線上に押しボタン式の補助操作部54を設けてなる。なお、それ以外の点については上記と同じであるため、図31〜図35に同じ符合を付して説明を省略する。
前記補助操作部54は、図33に示したように、固定部42の上方に配設された二つの検知スイッチ72a,72bと、固定部42の上方前方にビス止めされたボタン基板73と、該ボタン基板73の上縁に板バネ部74を介して片持ち状に連設され且つ前記検知スイッチ72a,72bの上方に被さる状態に配設された二枚のボタン片75a,75bと、から概略構成される。
この補助操作部54は、例えば操作する手の人差し指に対応する一方のボタン片75aを板バネ部74の付勢に抗して押圧すると、検知スイッチ72aがONになって打球発射装置41が一時的に停止し(いわゆる止め打ちボタン)、一方、中指に対応する他方のボタン片75bを押圧すると、検知スイッチ72bがONになって打球発射装置41の打球強さが一気に強くなるいわゆる右打ちボタンとして機能する。
なお、補助操作部54のボタン片75a,75bは、それぞれ別機能を有するものであればよく、その機能も上述のものに限らず、例えば、弱打ちボタン、演出ボタン、球貸ボタン、返却ボタン等を別々に割り付けてもよい。また、ボタン片75a,75bを同時押しした場合を組み合わせれば、一つの補助操作部54に三通りの機能を割り付けることができる。
さらにまた、ボタン片75a,75bに対して別々の色を施したり、ボタン片75a,75bの外面を透光性を有する部材としつつ内部にLED発光素子を設けて各ボタン片75a,75bを別々の色で発光させたりして、ボタン片75a,75bに識別性を持たせてもよく、これにより誤操作を抑制できる。
[打力調節装置の別形態2]
図36、図37は、別形態2の打力調節装置21を示すものであって、回転部43が初期位置にある状態で下になる該回転部43の部位に前記補助操作部54を設けてなる。なお、それ以外の点については上記と同じであるため、図36、図37に同じ符合を付して説明を省略する。
この別形態2の打力調節装置21の補助操作部54は、回転部43を操作する手では触れにくい位置に設けられているため、回転部43を操作しながら意図しないタイミングで補助操作部54に触れてしまう、というような誤操作が起きにくい。なお、遊技中の補助操作部54の操作はもう一方の手で行うことができる。
また、図示しないが、回転部43に設けられた補助操作部54を、回転部43に置かれた遊技者の手で操作可能な位置に設けるようにしてもよい。この場合は、回転部43と補助操作部54とが一緒に回転して操作する手と補助操作部54の相対位置が回転後も変わらないため、補助操作部54の入力操作が回転部43の回転位置に依らず一定の指動作で行える。
ところで別形態2の打力調節装置21は、遊技機1の前面部4の取付孔4hに挿通させる取着筒46が前面部4に取り付けられる支持部76に対して揺動軸77で上下方向に揺動自在に軸着されている。これにより打力調節装置21の上下の向きが自由に調節できるため、遊技者が最も疲れにくい角度を自ら設定することができる。
[打力調節装置の別形態3]
図38は別形態3の打力調節装置21を示すものであり、回転部43の前方部43aの内部を装飾領域にしてなる。なお、それ以外の点については上記と同じであるため、図38に同じ符合を付して説明を省略する。
この別形態3の打力調節装置21は、前方部43aを透光性(透明や半透明はもちろん、マジックミラーやスモークになっていてもよい。)を有するように構成しつつ、上記の内キャップ52の前面に、例えば、遊技機1前方に向けてLED発光素子が搭載された基板と、LED発光素子の発光を反射する反射板と、発光基板及び反射板を回転させる回転機構と、からなる回転灯(いわゆるパトランプ)等の演出装飾体78が取り付けられている。なお、演出装飾体78には、その他に、フィギア等の可動体を動かすからくり的装飾や、前方部43aの内面をスクリーンとする映像的装飾がある。
実施形態の打力調節装置21は、従来の指掛用の突起を無くしてその分、回転部43を大きくしたものであり、操作する手を手置きスペースに置いても回転部43が部分的にしか隠れない。よって、打力調節装置21内部の装飾(演出装飾体78たる回転灯による発光装飾や、前記からくり的装飾、或は、映像的装飾)が従来よりも遊技者から視認容易となり、回転部43の前方部43aを使ってより高い演出効果を得ることができる。
また、演出装飾体78を設ける位置を、図38のように前方部43a内の下方に寄せることで、操作する手を手置きスペースに置いても演出装飾体78による発光装飾等が手で覆い隠される可能性を低減できる。
なお、実施形態のここまでの遊技機1には、次のような背景技術と、該背景技術に存する解決課題と、該解決課題に対応する技術的手段B〜Hが含まれている。
[背景技術]
いわゆるパチンコ機として周知の遊技機は、四角い枠状の外枠と、該外枠の前面に片開きの扉状に取り付けられた前面部と、該前面部に開設された窓孔の後側に着脱自在に取り付けられた遊技盤と、遊技媒体たる遊技球を前記遊技盤の前面に形成された遊技領域に向けて打ち出す打球発射装置と、前面部の前面下右隅角部に設けられていて打球発射装置の打球強さを制御する打力調節装置と、を備えている。
そして、打力調節装置aは、図67(実開昭53−48782号の第1図)に示したように、前面部の前面に設けられた固定部bと、前後方向に向かう軸線を中心に回転可能なように該固定部bに支持された回転部cと、を有している。
[背景技術に存する解決課題]
従来の打力調節装置aは、回転部cの外周に突起dが設けられていて、該突起dに指を掛けて回転量を調節するようになっているため、遊技者の好みや癖に関わりなく一律に操作姿勢が決まる。したがって、遊技者が自分に合った操作姿勢を選択する余地が殆どない。
また、従来の打力調節装置aは、固定部bを手で握って回転部cの戻りを指で止めるようになっていて、手の格好や突起dの荷重を支える場所がほぼ一定であるため、長時間の遊技により手首等に疲労が溜まりやすい。
本手段は、上記に鑑みなされたもので、その目的は、長時間の遊技にも疲れにくい打力調節装置を備えた遊技機を提供することにある。
[技術的手段]
上記の目的を達成するため、
外枠と、
該外枠の前面に設けられた前面部と、
遊技媒体たる遊技球を遊技領域に向けて打ち出す打球発射装置と、
前記前面部の前面に設けられた打力調節装置と、を備えており、
前記打力調節装置は、
前記前面部の前面に設けられた固定部と、
前後方向に向かう軸線を中心に回転可能なように前記固定部に支持された回転部と、を有し、
前記打力調節装置の前記回転部の回転量に基づいて前記打球発射装置の打球強さを制御し得るようにした遊技機であって、
前記打力調節装置は、前記回転部が最前面に配設され、
また、前記回転部は、その外側上面を遊技者が手を置き得る手置きスペースとし、
さらに前記固定部は、前記回転部の後面に対向する前面が該回転部の後面と同一か又はそれより小さい外形形状に形成され且つ少なくとも外側上面が後方に向かって低くなる形状であり、
前記打力調節装置に対する操作を行う手の指先を前記固定部の外方に臨ませる状態にして手の平を前記回転部の手置きスペースに置き、そうしてその状態での回転部の回転操作を可能とし、さらに前記指先を前記固定部に載せることにより回転部の回転位置を保ち得るようにした遊技機を提供する(技術的手段B)。
なお、ここで固定部の外側上面が後方に向かって低くなる形状には、後方に向かって下り傾斜の傾斜面を有する形状又は後方に向かって段状に低くなる段差部を有する形状などが含まれる。
かかる遊技機は、打力調節装置の回転部の手置きスペースに手の平を置き指先を固定部の上面に伸ばした楽な姿勢で回転部の回転操作を行うことができ、且つ、指先を固定部に載せることで回転部の回転位置が保てるため、長時間の遊技にも疲れにくい。また、回転部に指掛用の突起がない分、操作姿勢の自由度が高いため、右手はもちろん左手でも操作可能であると共に遊技者の好みや癖にも柔軟に対応し得る。
なお、技術的手段Bに記載の遊技機において、
前記回転部は、半球面と交円とを有する半球体の前記半球面にほぼ相当する外形形状の前方部と、前記半球体の前記交円にほぼ相当する前記前方部の後縁から後方に向かって径一様の状態に延設され及び/又は後方に向かって漸次縮径する状態に延設される外形形状の延設部と、からなるものであって、その外側上面を前記手置きスペースとし、
前記固定部は、前記延設部の後面に対向する前面が該延設部の後面と略同径で後方に向かって縮径する外形形状を有するものであり、
打力調節操作を行う手の指先を前記固定部の外方に臨ませる状態にして手の平を前記回転部の手置きスペースに置き、そうしてその状態での回転部の回転操作を可能とし、さらに前記指先を前記固定部に載せることにより回転部の回転位置を保ち得るようにしてもよい(技術的手段C)。
かかる遊技機は、打力調節装置の回転部の手置きスペースに手の平を置いた姿勢で指が固定部に沿って自然な形に馴染みやすく、また、回転部が打力調節装置の最前面に配設され且つ前方部が球状に湾曲しているため、手の平の全体、具体的には指の根元に近い部位から手首に近い部位を適宜使い回して、荷重が特定部位に長時間に亘って加わることによって生じ得る苦痛を防止することが出来る。したがって、長時間の遊技にも疲れにくい。
また、技術的手段B又はCの遊技機において、
前記打力調節装置は、前記固定部に、遊技媒体の発射態様又は遊技演出の実行態様に変化を与えるための遊技者による入力操作が可能な補助操作部を設けて前記回転部に遊技者の手が置かれた状態で、前記回転部の回転操作と、前記補助操作部に対する入力操作の双方を可能とし、
さらに前記補助操作部を前記回転部の延長線上に配置するか又はそれより回転中心方向に沈ませる(低位置)ように配置するとよい(技術的手段D)。
ここで前記補助操作部には、例えば、打球発射装置を一時的に停止させる発射停止スイッチ、打球発射装置の打球強さを一気に強くする右打ちボタン、大当りの実行態様に変化を与えるための遊技演出ボタン、等がある。
上記技術的手段Dの打力調節装置によれば、回転部から補助操作部へと手指が自然な形になるため、補助操作部による入力操作と回転部の回転操作が楽な姿勢で行える。
また、技術的手段Dの補助操作部は、前方から後方に向かって下り傾斜する固定部の傾斜面に設けるとよい(技術的手段E)。
かかる打力調節装置によれば、回転部から補助操作部に延びる手指の形状がさらに自然な形になるため、指への負担をより軽減することができる。
また、技術的手段B又は技術的手段Cの遊技機は、前記打力調節装置の前記回転部に対し、該回転部が初期位置にある状態で下になる部位に遊技媒体の発射態様又は遊技演出の実行態様に変化を与えるための遊技者による入力操作が可能な補助操作部を設けるようにしてもよい(技術的手段F)。
かかる打力調節装置によれば、回転部を操作しながら意図しないタイミングで補助操作部を操作してしまう誤操作が起きにくい。
また、技術的手段B又は技術的手段Cの遊技機において、
前記打力調節装置は、前記回転部に、遊技媒体の発射態様又は遊技演出の実行態様に変化を与えるための遊技者による入力操作が可能な補助操作部を設けて前記回転部に遊技者の手が置かれた状態で、前記回転部の回転操作と、前記補助操作部に対する入力操作の双方を可能とするとよい(技術的手段G)。
ここで前記補助操作部には、例えば、打球発射装置を一時的に停止させる発射停止スイッチ、打球発射装置の打球強さを一気に強くする右打ちボタン、大当りの実行態様に変化を与えるための遊技演出ボタン、等がある。
かかる技術的手段Gの打力調節装置によれば、回転部と補助操作部とが一緒に回転して、操作する手と補助操作部の相対位置が回転後も変わらないため、補助操作部の入力操作が回転部の回転位置に依らず一定の指動作で行える。
技術的手段B又は技術的手段C〜Gの何れか一つの遊技機において前記打力調節装置は、前記固定部に対し、前記回転部を回転操作する手の指先が触れる位置に凹部を設けるようにするとよい(技術的手段H)。
かかる打力調節装置によれば、操作する手の指先が、固定部の凹部に嵌ったり或は凹部と非凹部との境界部に掛かって滑りにくくなるため、回転部の回転位置がより保ちやすい。
以上打力調節装置21を4つの形態について説明したが、もちろん打力調節装置21は上記形態に限定されるものではない。例えば、上記形態では、回転部43をほぼ球形にしたが、図39に示したように多角柱形にしたり、或は円柱形や楕円柱形にしてもよい。
また、上記形態では固定部42の外側上面に下り傾斜の傾斜面45を設けたが、後方に向かって段状に低くなる段差部を設けるようにしてもよい。
また、前記補助操作部54は、固定部42の傾斜面45の全周に設けるようにしてもよい。そうすることにより回転部43がどの向きを向いていても補助操作部54が操作できるため、遊技姿勢の自由度がさらに増す。
また、上記形態では、固定部42の前面を回転部43の後面と同一の形状に形成したが、固定部42の前面を回転部43の後面より小さい形状にして回転部43と固定部42の境界部分に前記傾斜面45に代わる段差部を形成してもよい。
[遊技用手動入力手段]
遊技用手動入力手段は、遊技演出用の押しボタン式入力装置19であって、球皿20の前面をカバーする操作パネル20Pに設けられたボタン装着部20Hに装着されている。なお、押しボタン式入力装置19には、従来型のタイプ0を改良したタイプI〜タイプVIがあり、本実施形態ではタイプV又はタイプVIを使用するが、説明の便宜上、従来型のタイプ0から順に説明する。
[タイプ0の押しボタン式入力装置]
タイプ0の押しボタン式入力装置は、特開2013−116169号公報に記載されているものであり、その押しボタン式入力装置の概略を図68により説明する。
図68(a1)、(b1)において二点鎖線Lは、例えばパチンコ機の機前に設けられた球皿ユニットの操作パネル或はスロットマシン前面の操作パネルの上面ラインを示すものであり、タイプ0の押しボタン式入力装置は、かかる操作パネルに開口するボタン装着部900に、後述する可動ボタン901が外部に臨むような状態で装着されている。
このタイプ0の押しボタン式入力装置は、演出的要素を含むものであって、前記ボタン装着部900内に固定的に取り付けられる固定基台902と、その固定基台902に上下動可能な状態に支持されるボタンユニット903と、そのボタンユニット903を上下動させるユニット移動手段904と、から概略構成される。
前記固定基台902は、短円柱形の固定部品であり、その中央にユニット移動手段904の一部を構成する正逆回転可能なモーター等の駆動部材905が固着され、また、その駆動部材905の両横にユニット移動手段904の一部を構成する丸棒状のガイド支柱906,906が二本上向きに立設されている。また、固定基台902には、ボタンユニット903の後述する可動ボタン901の押し込みを検知するセンサー907が取り付けられている。なお、このセンサー907は、可動ボタン901に被検知部として形成された図示しない下向き舌片を光学式に検知するものであり、この下向き舌片との組合せで可動ボタン901の押し込みを検知する入力検知手段が構成されている。
前記ボタンユニット903は、前記固定基台902のガイド支柱906,906に上下摺動可能且つ回転不能に支持されたドーナツ円板形の可動基台908と、その可動基台908の上面に載置されたボタン付勢手段たる短いボタン用スプリング909,909と、そのボタン用スプリング909,909の上に載置され且つ前記ガイド支柱906,906に上下摺動可能且つ回転不能に支持された略中空円柱形状(正確には、逆さカップ形状のボタン主体901aの底面に、ドーナツ円板形のガイド蓋901bを取り付けたもの)の可動ボタン901と、からなる。
前記ユニット移動手段904は、固定基台902に立設された前記ガイド支柱906,906と、そのガイド支柱906,906に圧縮状態に装着されて前記ボタンユニット903を押し上げ方向に付勢する基台付勢手段たる長い基台用スプリング910,910と、前記駆動部材905の出力軸905aに固着されて前記ガイド支柱906と平行な上下方向に回転軸線を向け且つ側周面911aに図68(a2),(b2)に示した展開状態で上から下に向かって幅広に変化する溝形状のカム溝912を設けた円柱カム911と、前記ボタンユニット903の可動基台908の下面に円柱カム911のカム溝912に向けて突設したローラー型のカムフォロア913と、からなる。
また、前記円柱カム911のカム溝912は、カム面を構成する第1溝壁912aが上下方向に対して適宜傾斜し、他方の第2溝壁912bが上下方向にほぼ真っ直ぐに形成されている。
上記タイプ0の押しボタン式入力装置は、図28(a1),(a2)のように可動基台908のカムフォロア913が円柱カム911の下端面に係合することで、ボタンユニット903が長い基台用スプリングの付勢に抗して基準位置に係留される。この基準位置が通常時の状態(基準形態)に設定されており、この状態で遊技者が遊技上必要なタイミングで可動ボタン901を押し込んで離すと、該可動ボタン901が短いボタン用スプリング909,909の付勢に抗して下動し、その可動ボタン901の下動が入力検知手段たる固定基台902側のセンサー907で検知され、さらに短いボタン用スプリング909,909の付勢により元の位置に戻る。
一方、遊技が、例えば特別なステージに移行するなどしたことを契機として、円柱カム911を図68(a2)に矢示した正回転方向に回転させると、円柱カム911の下端面911bに接していたカムフォロア913の上にカム溝912の傾斜した第1溝壁912aが臨む。そうするとカムフォロア913が、長い基台用スプリング910の付勢により第1溝壁912aに摺接しながら一定の速度で上昇し、図68(b1),(b2)のようにカム溝912の上端に至って停止する。したがってボタンユニット903は、所定の速度で図68(a1)の基準位置から図68(b1)の第1位置に変化する。
また、円柱カム911を図68(a2)の状態から同図に矢示した逆回転方向に回転させると、円柱カム911の下端面911bに接していたカムフォロア913の上にカム溝912の上下方向に真っ直ぐな第2溝壁912bが臨む。そうするとカムフォロア913は、長い基台用スプリング910の付勢により第2溝壁912bに殆ど接することなくノーブレーキ状態でカム溝912の上端に至って止まる。したがってボタンユニット903は、図68(a1)の基準位置から図68(b1)の第1位置に瞬時に変化する。
ボタンユニット903が第1位置の突出状態(第1形態)にあることが、特別なステージに移行したことのシンボル的な状態であることを知る遊技者は、大きな達成感・満足感を得て可動ボタン901を押し込む。そうすると、長い基台用スプリング910,910の付勢に抗して可動ボタン901がボタンユニット903ごと基準位置まで一気に下動し、その可動ボタン901がさらに短いボタン用スプリング909をも押し縮めて可動基台908に接近すると、その可動ボタン901の下動がセンサー907で検知される。
そして、遊技者が可動ボタン901から手を離すと、短いボタン用スプリング909,909と長い基台用スプリング910,910が共に復動してボタンユニット903が前記第1位置まで瞬時に戻る。
一方、遊技の特別なステージが終了すると、所定のプログラムに従い、図68(b1),(b2)の状態から図68(b2)矢示のように円柱カム911が逆回転方向に回転する。そうすると、カムフォロア913がカム溝912の第1溝壁912aの傾斜に押されて下動し、最終的に該カムフォロア913が円柱カム911の下端面911bに当接して図68(a1),(a2)の基準位置(基準形態)に戻る。
[タイプIの押しボタン式入力装置]
タイプIの押しボタン式入力装置19は、図40〜図48に示したように、操作パネル20Pの左右方向に長軸を向けた平面視楕円形の外観を呈するものであり、操作パネル20Pの前記ボタン装着部20H内に固定的に取り付けられる固定基台80と、その固定基台80に上下動可能な状態に支持されるボタンユニット81と、そのボタンユニット81を上下動させるユニット移動手段82と、から概略構成される。
[固定基台]
固定基台80は、楕円形の透明カップ形態であり、その上端周縁に前記ボタン装着部20Hの開口縁を隠す装飾的な鍔部83が形成されており、さらにその鍔部83の上面に楕円リング状の装飾板84が重合設置されている。なお、鍔部83と装飾板84は、それぞれ透光性を有する合成樹脂で形成されると共にそれぞれの対向面に楕円の中心に向かう放射線状の光拡散用V字溝85が刻設されている。
一方、固定基台80の底部中央には有底円筒形状の運動変換室86が連設されている。この運動変換室86は、後述する端面カム103と回転カムフォロア104によって回転運動を上下運動に変換するためのスペースであり、大径の上部シリンダー86aと、それより小径の下部シリンダー86bを有する段付き円筒形状であって、上部シリンダー86aと下部シリンダー86bの境界部が平坦な摺動受面86cになっている。
[ボタンユニット]
前記ボタンユニット81は、前記固定基台80に嵌って上下摺動可能且つ回転不能に支持される可動基台87と、該可動基台87の上面に上下摺動可能且つ回転不能に装着される可動ボタン88と、該可動ボタン88を上向きに付勢するボタン付勢手段たるボタン用スプリング89と、該可動ボタン88の押し込みを検知する入力検知手段と、から概略構成されている。
[ボタンユニット−可動基台]
可動基台87は、前記固定基台80の内周にほぼ整合する楕円カップ形状で該固定基台80に嵌って上下摺動可能且つ回転不能に支持されている。この可動基台87は、前記固定基台80の内部にすっぽり収まる高さ寸法であり、その周壁87aの四箇所に下端固定で上端自由な弾性ラチェット突片90が突設されている。一方、前記固定基台80の周壁80aには、可動基台87の前記弾性ラチェット突片90が入って自由に上下移動可能な縦長開口91が開設されており、したがって、可動基台87は、弾性ラチェット突片90が固定基台80の縦長開口91の上縁に当接する位置を上限として固定基台80の内部で上下方向に移動し得る。なお、固定基台80の縦長開口91は、誤って液体が入った場合又は故意に液体が入れられた場合の排水口としても機能する。
また、可動基台87の底壁92には、その中央に上向きに開口する楕円受筒93が突設され、さらに該底壁92の上面には、照明用のLED94a,94a…等を設置する配線基板94が取り付けられている。
[可動ボタン]
可動ボタン88は、前記可動基台87の楕円カップをほぼ逆さにした形状のボタン頭部95と、そのボタン頭部95の下側に突設した一回り小さな遊嵌筒部96と、を備えており、可動基台87の上面に遊嵌筒部96が緩やかに嵌った状態で上下摺動可能且つ回転不能に装着されている。
また、可動ボタン88は、遊嵌筒部96を横断する補強桁97の中央に可動基台87の前記楕円受筒93に摺動自在に内嵌する下向き開口状の楕円軸筒98を備えており、この楕円軸筒98と楕円受筒93の内部に前記ボタン用スプリング89が圧縮状態に装填されている。したがって可動ボタン88は、該ボタン用スプリング89の付勢により常時上向きに付勢されている。
また、可動ボタン88は、前記遊嵌筒部96の四箇所に下向きのアンカー爪99が形成されており、そのアンカー爪99が前記可動基台87の周壁87aに開設されたアンカー受孔100に係合して上方に抜けないようになっている。
[ボタンユニット−入力検知手段]
入力検知手段は、可動ボタン88の押し込みを検知するためのものであり、図43、図44の拡大図に示したように前記可動ボタン88の補強桁97に突設した下向き舌片101と、発光素子102aと受光素子102bを対接させた公知の光学式のセンサー102と、の組合せであり、発光素子102aと受光素子102bの間に下向き舌片101が入った状態を電気的に検知して可動ボタン88の押し込みと判断する。
[ユニット移動手段]
ユニット移動手段82は、前記ボタンユニット81を上下動させて、図41〜図44のように、可動ボタン88の頂部がボタン装着部20Hから若干上に臨む高さの基準位置と、図45〜図47のように、可動ボタン88のボタン頭部95のほぼ全体がボタン装着部20Hから突出した高さの第1位置とを切り替え得るようにしたものであり、前記可動基台87の底壁92下面に一体成形した端面カム103と、その端面カム103に摺接する回転カムフォロア104と、該回転カムフォロア104を回転させる正逆回転可能なモーター等の駆動部材105と、で概略構成される。
[端面カム]
端面カム103は、前記回転カムフォロア104と対になって駆動機構を構成するものであって、図48(a),(b)の展開図に示したように、可動基台87の楕円の中心を通る軸線を中心として、3つの同じカム面を120度間隔で配置したいわゆる3回回転対称の立体カムである。この端面カム103の1つのカム面は、端から順に、可動基台87の底壁92と面一の第1停止面103aと、該第1停止面103aに対して傾斜する昇降面103bと、ほぼ水平な(厳密には上方に向かって僅かに凹む曲面)第2停止面103cと、該第2停止面103cからほぼ直角下向きに突出する回り止め片103dと、からなる。
[回転カムフォロア]
回転カムフォロア104は、前記端面カム103と対になって駆動機構を構成するものであって、前記固定基台80の運動変換室86に回転可能に設置されており、運動変換室86の上部シリンダー86aに収まる大径部104aと、下部シリンダー86bに収まる小径部104bと、前記大径部104aから前記端面カム103の各カム面に向けて突設した3つの摺接片104cと、から概略構成されている。
[駆動部材]
駆動部材105は、前記駆動機構を作動させる駆動源であって、固定基台80の運動変換室86の底面に取り付けられており、駆動力伝達部材である自己の回転軸105aに前記回転カムフォロア104が直結されている。
なお、タイプIでは、前記駆動機構や前記駆動源が、可動ボタン88の外形(可動ボタン88の上下動方向からの投影面)の範囲内に収まるようになっている。
その他、図40、図42、図45において符合106は可動基台87の底壁92から垂設した舌片状の検知片、同じく符合107は前記入力検知手段のセンサー102と同じ光学式のセンサーであり、この検知片106とセンサー107の組み合わせによってボタンユニット81の位置が検知され、その信号がユニット移動手段82の制御等に利用される。
[タイプIの押しボタン式入力装置の動作説明]
タイプIの押しボタン式入力装置19は、図48(a)のように回転カムフォロア104の摺接片104cが、端面カム103の第1停止面103aに当接している状態にあるとき、ボタンユニット81が図41〜図44、図48(a)のように、可動ボタン88の頂部がボタン装着部20Hから若干上に臨む高さの基準位置にある。この基準位置が通常時の状態に設定されており、この状態で遊技者が遊技上必要なタイミングで可動ボタン88を押し込んで離すと、図44実線のように該可動ボタン88がボタン用スプリング89に抗して下降し、その可動ボタン88の下動が入力検知手段たる可動基台87のセンサー102で検知され、さらにボタン用スプリング89の付勢により元の位置に戻る。
一方、遊技が、例えば特別なステージに移行するなどしたことを契機として、回転カムフォロア104を図48(a)矢示のように正回転方向に約120度回転させると、回転カムフォロア104の摺接片104cが端面カム103のカム面を滑って第1停止面103aから昇降面103bを経て第2停止面103cの回り止め片103dに至って止まる。これによりボタンユニット81が可動基台87ごと第1位置に変化する。なお、ボタンユニット81の第1位置への変化に合わせて照明用のLED94a,94a…を点灯或は点滅させれば、特別なステージに移行したことをより強く華やかに演出することができる。
ボタンユニット81が第1位置の突出状態にあることが、特別なステージに移行したことのシンボル的な状態であることを知る遊技者は、大きな達成感・満足感を得て可動ボタン88を例えば手の平で叩くように押し込んで離す。この場合も基準位置と同様であって、図47実線のように該可動ボタン88がボタン用スプリング89に抗して下降し、その可動ボタン88の動きが入力検知手段たる可動基台87のセンサー102で検知され、さらにボタン用スプリング89の付勢により元の位置に戻る。なお、ボタンユニット81が第1位置にある状態で可動ボタン88を押し込んだときの下限位置は、図44実線のようにボタン装着部20Hの開口より高位置に設定しておくのがよい。そうすることにより、可動ボタン88を上記のように手の平で叩くように押しても確実に入力することができる。
このようにタイプIの押しボタン式入力装置19は、可動ボタン88の押し込み操作が入力検知手段(下向き舌片101とセンサー102)で検知されるに必要な基準位置からの操作ストロークと、同じく可動ボタン88の押し込み操作が前記入力検知手段で検知されるに必要な第1位置からの操作ストロークとがほぼ同じになる。
[タイプIIの押しボタン式入力装置]
図49(a)〜(c)はタイプIIの押しボタン式入力装置を示すものである。このタイプIIの押しボタン式入力装置は、ユニット移動手段82によるボタンユニット81の移動速度を2段階に切り替え得るようにしたものであり、そのために昇降面1030bを急勾配にした端面カム1030と、回転カムフォロア1040が1組増設されている。
具体的には、タイプIの端面カム103と回転カムフォロア104の下に高速用の端面カム1030と回転カムフォロア1040が増設されている。
上段の端面カム103はタイプIと同じであるが、上段の回転カムフォロア104は、下段の端面カム1030の上面に摺動可能な状態に載置され且つ駆動部材105の回転軸105aに対して、図50(a)のように回転軸105aの外歯108と回転カムフォロア104側の軸孔109の係合段部110とを、回転軸105aの正回転方向の回転に対して噛み合い、逆回転方向の回転に対して空転する噛み合わせに設定すると共に回転軸105aの外歯108をスプライン状に長くして軸方向に摺動可能とし、さらに渦巻バネ等の付勢手段(図示せず)で逆回転方向に付勢されている。
一方、下段の端面カム1030は、回転軸105aに緩やかに嵌って双方向の回転が伝わらず且つ軸方向にのみ摺動し得るように設定されている。
そしてさらに、下段の回転カムフォロア1040は、運動変換室86の摺動受面86cに回転可能に載置され且つ駆動部材105の回転軸105aに対して、図50(b)のように回転軸105aの外歯1080と回転カムフォロア1040側の軸孔1090の係合段部1100とを、回転軸105aの逆回転方向の回転に対して噛み合い、正回転方向の回転に対して空転する噛み合わせに設定され、さらに渦巻バネ等の付勢手段(図示せず)で正回転方向に付勢されている。
なお、タイプIIの上記以外の構成は、タイプIと同じであるため説明を省略する。
タイプIIのユニット移動手段82は以上のように構成されているため、駆動部材105の回転軸105aを図50(a)、(b)のように正回転方向に約120度回転させると、下段の端面カム1030と回転カムフォロア1040は、回転軸105aの正回転方向に対して噛み合わないため全く動かない。一方、上段の回転カムフォロア104は、回転軸105aの外歯1080と軸孔1090の係合段部1100との噛合関係により図49(b)のように正回転方向に回転する。これによりタイプIと同じ速度でボタンユニット81が第1位置に変化する。そしてさらに、所定のタイミングで回転軸105aが逆回転方向に回転すると、上段の回転カムフォロア104が巻きバネ等の付勢手段の付勢により逆回転方向に回転して図49(a)の状態に復動する。
次に、駆動部材105の回転軸105aを上記と逆の逆回転方向に約120度回転させると、上段の端面カム103と回転カムフォロア104は、回転軸105aの逆回転方向に対して噛み合わないため全く動かない。一方、下段の回転カムフォロア1040は、回転軸105aの外歯1080と軸孔1090の係合段部1100との噛合関係により図49(c)のように逆回転方向に回転する。これによりタイプIより速い速度でボタンユニット81が第1位置に変化する。そしてさらに、所定のタイミングで回転軸105aが正回転方向に回転すると、下段の回転カムフォロア1040が巻きバネ等の付勢手段の付勢により正回転方向に回転して図49(a)の状態に復動する。
以上のようにタイプIIの押しボタン式入力装置19は、駆動部材105を正逆回転させることにより、ボタンユニット81が基準位置から第1位置に変化する速度を切り替えることができる。したがって、遊技の特別なステージへの多様な変化を押しボタン式入力装置19のボタンユニット81の速度の変化でさらに効果的に演出することができる。
[タイプIIIの押しボタン式入力装置]
図51に示したタイプIIIの押しボタン式入力装置は、タイプ0と同形式でありながらタイプ0に存する「操作ストロークが長いため、押し込み不足により入力検知手段が正常に作動しなかったり、或は押し込み開始から検知までの時間が長すぎてタイミングを逸する」というような課題を解決し得るようにしたものである。なお、図51において図68と同一符合を付した部分については同一又は同機能の要素であるため説明を省略する。
タイプIIIの押しボタン式入力装置は、前記第2溝壁912bの上方壁面に、遊技者による可動ボタン901の押し込み操作でカムフォロア913がカム溝912内を下向きに移動するとき接触し得る凸状の制動部914を設けたものである。
斯かる構成では、制動部914を乗り越えて通過する際カムフォロア913に生じる抵抗によってボタンユニット903の可動ボタン901がボタン用スプリング909,909の付勢に抗して可動基台908に接近し、直ぐさま入力検知手段で検知される。なお、制動部914を通過したカムフォロア913は、そのまま下まで押し下げられるため、もし制動部914を通過する際の抵抗で入力検知手段が作動しなかったとしても、下まで押し切ることでタイプ0と同程度の確率ながらも入力検知手段が作動する。
以上のようにタイプIIIの押しボタン式入力装置は、タイプ0と同形式でありながら、ボタンユニット903が基準位置と第1位置のどちらにあっても可動ボタン901の押し込み開始から検知までの時間が殆ど変わらず、また、ボタンユニット903が基準位置と第1位置のどちらにあっても可動ボタン901の押し込みを確実に検知することができる。
以上のタイプIIIの技術的思想は、次のように把握することができる。
[技術的思想]
遊技者用の押しボタン式入力装置を機前のボタン装着部に装着してなる遊技機であって、
前記押しボタン式入力装置は、
機内側から機外側に向けてボタン付勢手段で付勢されると共にその付勢に抗して押し込み可能であり且つその押し込み解除により前記ボタン付勢手段の付勢で復動し得る可動ボタンと、
その可動ボタンと前記ボタン付勢手段とを支持すると共にそれらと一緒にボタンユニットを構成する可動基台と、
前記ボタンユニットを前記可動ボタンの押し込み・復動方向と同方向に移動させて該ボタンユニットを基準位置とそれより突き出た第1位置とに切り替え得るようにしたユニット移動手段と、
前記可動ボタンの前記押し込みを検知する入力検知手段と、を備えており、
前記入力検知手段は、前記ボタンユニットの前記可動基台と前記可動ボタンに設けられ、
前記ボタンユニットは、前記可動基台を付勢する基台付勢手段で前記第1位置に向けて付勢され、
前記ユニット移動手段は、
前記基準位置を下、前記第1位置を上としたとき、
駆動部材で正逆回転可能に制御されると共に前記可動ボタンの移動方向と一致する上下方向に回転軸線を向け且つ側周面に展開状態で上から下に向かって幅広に変化する溝形状のカム溝を有する円柱カムと、
前記ボタンユニットの前記可動基台に設けられて前記円柱カムの前記カム溝及び該円柱カムの下端面に係合するカムフォロアと、を有し、
前記円柱カムは、前記カムフォロアが自己の下端面に係合した状態で前記ボタンユニットを前記基台付勢手段の付勢に抗して前記基準位置に係留させるものであり、
また、前記円柱カムの前記カム溝は、カム面を構成する第1溝壁を上下方向に対して傾斜させる一方、他方の第2溝壁を上下方向にほぼ真っ直ぐ向かわせるように形成され、
さらに前記第2溝壁は、その上方壁面に遊技者による前記可動ボタンの押し込み操作で前記カムフォロアがカム溝内を下向きに移動するとき接触し得る制動部を備えており、その制動部を通過する際カムフォロアに生じる抵抗によって前記ボタンユニットの前記可動ボタンがボタン付勢手段の付勢に抗して前記可動基台に近接して前記入力検知手段で検知されるものであることを特徴とする遊技機。
[タイプIVの押しボタン式入力装置]
図52に示したタイプIVの押しボタン式入力装置は、タイプIIIと同様に、タイプ0と同形式でありながら「操作ストロークが長いため、押し込み不足により入力検知手段が正常に作動しなかったり、或は押し込み開始から検知までの時間が長すぎてタイミングを逸する」というような課題を解決し得るようにしたものである。なお、図52において図68と同一符合を付した部分については同一又は同機能の要素であるため説明を省略する。
タイプIVの押しボタン式入力装置は、第2溝壁912bの上端に、カムフォロア913を受けてボタンユニット903の可動基台908を第1位置に係留し得る係留段部915を設けたものである。
斯かる構成では、カムフォロア913がカム溝912の上端に到達した図52(b2)の状態で、円柱カム911を正回転方向に回転させることで前記係留段部915にカムフォロア913を受けさせることができる。カムフォロア913が係留段部915で受けられた状態では、ボタンユニット903が第1位置に係留されるため、ボタンユニット81が基準位置にあるときと同じ状態で可動ボタン901を押し込むことができる。
なお、第1位置にあるボタンユニット903を基準位置に変化させる場合は、円柱カム911を逆回転方向に回転させればよい。これにより、最初にカムフォロア913が係留段部915から出て第2溝壁912bに摺接し、従来と同じ動作でボタンユニット903が移動する。
以上のタイプIVの技術的思想は、次のように把握することができる。
[技術的思想]
遊技者用の押しボタン式入力装置を機前のボタン装着部に装着してなる遊技機であって、
前記押しボタン式入力装置は、
機内側から機外側に向けてボタン付勢手段で付勢されると共にその付勢に抗して押し込み可能であり且つその押し込み解除により前記ボタン付勢手段の付勢で復動し得る可動ボタンと、
その可動ボタンと前記ボタン付勢手段とを支持すると共にそれらと一緒にボタンユニットを構成する可動基台と、
前記ボタンユニットを前記可動ボタンの押し込み・復動方向と同方向に移動させて該ボタンユニットを基準位置とそれより突き出た第1位置とに切り替え得るようにしたユニット移動手段と、
前記可動ボタンの前記押し込みを検知する入力検知手段と、を備えており、
前記入力検知手段は、前記ボタンユニットの前記可動基台と前記可動ボタンに設けられ、
前記ボタンユニットは、前記可動基台を付勢する基台付勢手段で前記第1位置に向けて付勢されており、
前記ユニット移動手段は、
前記基準位置を下、前記第1位置を上としたとき、
少なくとも、駆動部材で正逆回転可能に制御されると共に前記可動ボタンの移動方向と一致する上下方向に回転軸線を向け且つ側周面に展開状態で上から下に向かって幅広に変化する溝形状のカム溝を有する円柱カムと、
前記ボタンユニットの前記可動基台に設けられて前記円柱カムの前記カム溝及び該円柱カムの下端面に係合するカムフォロアと、から構成され、
前記円柱カムは、前記カムフォロアが自己の下端面に係合した状態で前記ボタンユニットを前記基台付勢手段の付勢に抗して前記基準位置に係留させるものであり、
また、前記円柱カムの前記カム溝は、カム面を構成する第1溝壁を上下方向に対して傾斜させる一方、他方の第2溝壁を上下方向にほぼ真っ直ぐ向かわせるように形成され、さらに該第2溝壁の上端に前記カムフォロアを受けて前記ボタンユニットの前記可動基台を前記第1位置に係留し得るものであることを特徴とする遊技機。
また、以上のタイプI〜タイプIVの技術的思想は、次のように把握することができる。[技術的思想]
遊技者用の押しボタン式入力装置を機前のボタン装着部に装着してなる遊技機であって、
前記押しボタン式入力装置は、
機内側から機外側に向けてボタン付勢手段で付勢されると共にその付勢に抗して押し込み可能であり且つその押し込み解除により前記ボタン付勢手段の付勢で復動し得る可動ボタンと、
その可動ボタンと前記ボタン付勢手段とを支持すると共にそれらと一緒にボタンユニットを構成する可動基台と、
前記ボタンユニットを前記可動ボタンの押し込み・復動方向と同方向に移動させて該ボタンユニットを基準位置とそれより突き出た第1位置とに切り替え得るようにしたユニット移動手段と、
前記可動ボタンの前記押し込みを検知するための被検知部とセンサーとを有する入力検知手段と、を備えており、
前記入力検知手段を、前記ボタンユニットの前記可動基台側と前記可動ボタン側に設けることにより、該可動ボタンの押し込み操作が前記入力検知手段で検知されるに必要な前記基準位置からの操作ストロークと、同じく可動ボタンの押し込み操作が前記入力検知手段で検知されるに必要な前記第1位置からの操作ストロークと、がほぼ同じになるようにした遊技機。
[効果]
斯かる遊技機は、可動ボタンの押し込みを検知するための被検知部とセンサーとで構成される入力検知手段を、ボタンユニットの可動基台側と可動ボタン側に設けることにより、該可動ボタンの押し込み操作が入力検知手段で検知されるに必要な基準位置からの操作ストロークと、同じく第1位置からの操作ストロークとがほぼ同じになる。したがって、ボタンユニットが基準位置と第1位置のどちらにあっても可動ボタンの押し込み開始から検知までの時間が殆ど変わらず、また、ボタンユニットが基準位置と第1位置のどちらにあっても可動ボタンの押し込みを確実に検知することができる。
[タイプV]
図53〜図62に示したタイプVの押しボタン式入力装置19Vは、前記タイプIをベースにしているため、タイプIと同一又は同機能の構成要素にはそれらと同一又はそれらに符合Vを付して説明する。なお、タイプIと同一又はそれらに符合Vが付された構成要素であって以下に説明がないものについては、タイプIの説明をもってタイプVの説明に代えるものとする。
タイプVの押しボタン式入力装置19Vは、要するに、タイプIで説明したボタンユニット81とユニット移動手段82の組み合わせを台座ボタンユニット81と第1移動手段82として備え、さらにこれらを小型化した構成である可動スイッチボタンユニットV81と第2移動手段(タイプVでは第1移動手段82によって兼用されるが、この点については後述する。)及び第3移動手段V82との組合せを付加し、それらを駆動源である一つの駆動部材105で作動させるようにしたものであり、それらと操作パネル20Pのボタン装着部20H内に固定的に取り付けられる固定基台80と、から概略構成される。
[固定基台]
固定基台80は、タイプIと同じ楕円形でタイプIより縦に長い透明カップ形態である。
該固定基台80の底部中央には有底円筒形状の第1運動変換室86が連設されている。この第1運動変換室86は、後述する第1端面カム103と第1回転カムフォロア104によって回転運動を台座ボタンユニット81の上下運動に変換するためのスペースであり、大径の上部シリンダー86aと、それより小径の下部シリンダー86bを有する段付き円筒形状であって、上部シリンダー86aと下部シリンダー86bの境界部が平坦な摺動受面86cになっている。
[台座ボタンユニット]
前記台座ボタンユニット81は、前記固定基台80に嵌って上下摺動可能且つ回転不能に支持される可動基台87と、該可動基台87の上面に上下摺動可能且つ回転不能に装着される可動台座ボタン88と、該可動台座ボタン88を上向きに付勢するボタン付勢手段たるボタン用スプリング89,89と、から概略構成されている。
[台座ボタンユニット−可動基台]
可動基台87は、前記固定基台80の内周にほぼ整合する楕円カップ形状で該固定基台80に嵌って上下摺動可能且つ回転不能に支持されている。この可動基台87は、前記固定基台80の内部にすっぽり収まる高さ寸法であり、その周壁87aの四箇所に下端固定で上端自由な弾性ラチェット突片90が突設されている。一方、前記固定基台80の周壁80aには、可動基台87の前記弾性ラチェット突片90が入って自由に上下移動可能な縦長開口91が開設されており、したがって、可動基台87は、弾性ラチェット突片90が固定基台80の縦長開口91の上縁に当接する位置を上限として固定基台80の内部で上下方向に移動し得る。なお、固定基台80の縦長開口91は、誤って液体が入った場合又は故意に液体が入れられた場合の排水口としても機能する。
また、可動基台87の底壁92には、楕円の長軸上の左右に上向きのバネ受筒93が突設され、さらに該底壁92の上面には、照明用のLED(図示せず)等を設置する配線基板94が取り付けられている。
[可動台座ボタン]
可動台座ボタン88は、前記可動基台87の楕円カップをほぼ逆さにした形状のボタン頭部95と、そのボタン頭部95の下側に突設した一回り小さな遊嵌筒部96と、を備えており、可動基台87の上面に遊嵌筒部96が緩やかに嵌った状態で上下摺動可能且つ回転不能に装着されている。
また、可動台座ボタン88は、前記可動基台87のバネ受筒93と対向する位置に下向きのバネ軸筒880を備えており、このバネ軸筒880と前記バネ受筒93に前記ボタン用スプリング89が圧縮状態に装填されている。したがって可動台座ボタン88は、該ボタン用スプリング89の付勢により常時上向きに付勢されている。
また、可動台座ボタン88は、図示しないがタイプIと同じく前記遊嵌筒部96の四箇所に下向きのアンカー爪が形成されており、そのアンカー爪が前記可動基台87の周壁87aに開設されたアンカー受孔に係合して上方に抜けないようになっている。
[第1移動手段]
第1移動手段82は、前記台座ボタンユニット81を上下動させて、図55、図56のように、可動台座ボタン88の頂部がボタン装着部20Hから若干上に臨む高さの基準位置と、図58のように、可動台座ボタン88のボタン頭部95のほぼ全体がボタン装着部20Hから突出した高さの第1位置とを切り替え得るようにしたものであり、前記可動基台87の底壁92下面に一体成形した第1端面カム103と、その第1端面カム103に摺接する第1回転カムフォロア104と、該第1回転カムフォロア104を回転させる正逆回転可能なモーター等の駆動部材105と、で概略構成される。
[第1端面カム]
第1端面カム103は、前記第1回転カムフォロア104と対になって駆動機構を構成するものであって、可動基台87の楕円の中心を通る軸線を中心として、3つの同じカム面を120度間隔で配置したいわゆる3回回転対称の立体カムである。この第1端面カム103の1つのカム面は、図60の展開図の下段に示したように、端から順に、可動基台87の底壁92と面一の第1停止面103aと、該第1停止面103aに対して傾斜する昇降面103bと、ほぼ水平な(厳密には上方に向かって僅かに凹む曲面)第2停止面103cと、該第2停止面103cからほぼ直角下向きに突出する回り止め片103dと、からなり、回り始めから約60度の回転で昇降面103bが終了し、残りの約60度は第2停止面103cが続くようになっている。
[第1回転カムフォロア]
第1回転カムフォロア104は、前記第1端面カム103と対になって駆動機構を構成するものであって、前記固定基台80の第1運動変換室86に回転可能に設置されており、第1運動変換室86の上部シリンダー86aに収まる大径部104aと、下部シリンダー86bに収まる小径部104bと、前記大径部104aから前記第1端面カム103の各カム面に向けて突設した3つの摺接片104cと、から概略構成されている。
[駆動部材]
駆動部材105は、前記駆動機構を作動させる駆動源であって、固定基台80の第1運動変換室86の底面に取り付けらており、駆動力伝達部材である自己の回転軸105aに前記第1回転カムフォロア104が直結されている。
その他、図55において符合106は可動基台87の底壁92から垂設した舌片状の検知片、同じく符合107は前記入力検知手段のセンサー102と同じ光学式のセンサーであり、この検知片106とセンサー107の組み合わせによって台座ボタンユニット81の位置が検知され、その信号がユニット移動手段82の制御等に利用される。
[可動スイッチボタンユニットと第2、第3移動手段]
可動スイッチボタンユニットV81とこれを変位させる第3移動手段V82は、前記台座ボタンユニット81と第1移動手段82を円筒に収まり得る形状に小型化したものであり、したがって台座ボタンユニット81及び第1移動手段82と同一又は同機能の構成要素に、それらの符合に100を加えた符合を付して原則説明を省略し、相違する部分について以下に説明する。なお、可動スイッチボタンユニットV81を基準位置から第1位置に変位させ又はその逆に変位させる第2移動手段は、後述するように第1移動手段82によって兼用される。
[可動スイッチボタンユニット]
可動スイッチボタンユニットV81は、上面の位置が基準位置にある可動台座ボタン88の上面と略同レベルに設定されると共に平面視で図54のように可動台座ボタン88の内側中央に島状に配設されており、該可動台座ボタン88内で上下方向に変位し得るように収められている。なお、ここで島状とは、図54のように可動スイッチボタンV88の輪郭が、可動台座ボタン88の輪郭と無接触の場合はもちろん、輪郭同士が一箇所又は複数箇所(可動台座ボタン88が可動スイッチボタンV88で複数に分断される状態を含む。)で内接する場合も含まれる。
[第2移動手段]
第2移動手段は、可動スイッチボタンV88、つまり可動スイッチボタンユニットV81を前記基準位置から図58のように前記第1位置に変位させ、また、その逆にも変位させるものであり、本タイプVでは可動基台87に前記第1運動変換室86に相当する第2運動変換室V86を一体に形成してそこに可動スイッチボタンユニットV81を変位させる第3移動手段V82と可動スイッチボタンユニットV81とを載せるようになっており、したがって第2運動変換室V86に載った状態で台座ボタンユニット81と一緒に可動スイッチボタンV88も基準位置から第1位置に、又はその逆に変位する。よってタイプVにおいて、可動スイッチボタンV88を基準位置から第1位置に変位させ又はその逆に変位させる第2移動手段は、台座ボタンユニット81の第1移動手段82によって兼用されている。なお、第2移動手段を第1移動手段82とは別に独立させて設けるようにしてももちろんよい。
[第3移動手段]
第3移動手段V82は、前記可動スイッチボタンユニットV81を上下動させて、図58のように、可動スイッチボタンV88の上面が可動台座ボタン88の上面と略同レベルにある状態から、図59のように、それより外方に突き出た凸位置に変位させるものであり、台座ボタンユニット81の第1端面カム103に相当する可動スイッチボタンユニットV81の駆動機構たる第2端面カムV103と、その第2端面カムV103に摺接する同じく駆動機構たる第2回転カムフォロアV104と、第2回転カムフォロアV104を回転させる駆動源たる前記駆動部材105と、で概略構成される。
[第2回転カムフォロアと第2端面カム]
前記第2回転カムフォロアV104は、駆動部材105(駆動源)の駆動力を前記駆動機構に伝達する駆動力伝達部材である回転軸105aをスプラインシャフトにして軸方向に摺動可能になっており、台座ボタンユニット81が基準位置から第1位置に移動するとき回転軸105aと一緒に回転しながら軸方向に摺動する。
また、第2端面カムV103は、中心軸線を中心として、3つの同じカム面を120度間隔で配置したいわゆる3回回転対称の立体カムである。この第2端面カムV103の1つのカム面は、図60の展開図の上段に示したように、端から順に、第1停止面V103aと、該第1停止面V103aに対して傾斜する昇降面V103bと、ほぼ水平な(厳密には上方に向かって僅かに凹む曲面)第2停止面V103cと、該第2停止面V103cからほぼ直角下向きに突出する回り止め片V103dと、からなり、回り始めから約60度を第1停止面V103aが占め、後半の約60度を昇降面V103bと第2停止面V103cが占めるようになっている。
なお、タイプVもタイプIと同様に、前記駆動機構や前記駆動源が、可動台座ボタン88の外形(可動台座ボタン88の上下動方向からの投影面)の範囲内に収まるようになっている。
[タイプVの押しボタン式入力装置の動作説明]
タイプVの押しボタン式入力装置19Vは、図60のように第1移動手段82の第1回転カムフォロア104の摺接片104cが、第1端面カム103の第1停止面103aに当接している状態にあるとき、台座ボタンユニット81と可動スイッチボタンユニットV81が図55、図56のように、可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88の上面がボタン装着部20Hから若干上に臨む高さの基準位置にある。この基準位置が通常時の状態(基準形態)に設定されており、この状態で遊技者が遊技上必要なタイミングで可動スイッチボタンV88を押し込んで離すと、可動スイッチボタンV88がボタン用スプリングV89の付勢に抗して下降し、その可動スイッチボタンV88の下動が入力検知手段たるセンサーV102で検知され、さらにボタン用スプリングV89の付勢により元の位置に戻る。このとき可動スイッチボタンV88と一緒に可動台座ボタン88を押し込むことができるため、使用感としてはタイプIと殆ど変わらない。
一方、第1回転カムフォロア104を図60矢示のように正回転方向に約60度回転させると、図61のように下段の第1回転カムフォロア104の摺接片104cが第1端面カム103のカム面を滑って第1停止面103aから昇降面103bを経て第2停止面103cに至って止まる。これにより台座ボタンユニット81と可動スイッチボタンユニットV81が一緒に第1位置に変化する。
一方、下段の第1回転カムフォロア104と同時に上段の第2回転カムフォロアV104も正回転方向に約60度回転するが、その場合、第2回転カムフォロアV104の摺接片V104cは、図61のように、第2端面カムV103の第1停止面V103aの終端に至ったところで停止するため、可動スイッチボタンユニットV81が単独で変位することはない。
なお、台座ボタンユニット81と可動スイッチボタンユニットV81の第1位置への変化に合わせて照明用のLEDを点灯或は点滅させれば、より強く華やかに演出することができる。
台座ボタンユニット81と可動スイッチボタンユニットV81が第1位置の突出状態にあるとき、可動スイッチボタンV88を指先で又は可動台座ボタン88と一緒に例えば手の平で叩くように押し込んで離せば、可動スイッチボタンV88又はそれと一緒に可動台座ボタン88がボタン用スプリング89,V89に抗して下降し、その可動スイッチボタンV88の動きが入力検知手段たるセンサーV102で検知され、さらにボタン用スプリング89,V89の付勢により元の位置に戻る。
第1位置にある台座ボタンユニット81と可動スイッチボタンユニットV81は、第1、第2回転カムフォロア104、V104が図61の状態から逆回転方向に約60度回転して図60の状態、すなわち基準位置に戻る。
逆に、駆動部材105が図61の状態から正回転方向にさらに約60度回転すると、図62の展開図のように上段の第2回転カムフォロアV104の摺接片V104cが第2端面カムV103の昇降面V103bを滑るため、可動スイッチボタンユニットV81が図59のように凸位置に突出する。このとき駆動部材105の回転速度を先ほどより高速に設定しておけば、可動スイッチボタンユニットV81の突出速度が速くなるため、可動台座ボタン88がゆっくり上昇し、続いて可動スイッチボタンV88が急激に上昇する、というようにボタンの動的変化に減り張りを付けることができる。
なお、このとき下段の回転カムフォロ104も正回転方向に約60度回転するが、この第1回転カムフォロア104の摺接片104cは、下段の第1端面カム103の第2停止面103cを単に滑るにすぎないため、台座ボタンユニット81は、第1位置に止まっている。
可動スイッチボタンユニットV81が凸位置の突出状態(凸形態)にあるとき、可動スイッチボタンV88を指先で又は手の平で叩くように押し込んで離と、可動スイッチボタンV88がボタン用スプリングV89に抗して下降し、その可動スイッチボタンV88の動きが入力検知手段たるセンサーV102で検知され、さらにボタン用スプリングV89の付勢により元の凸位置に戻る。
そして、第1、第2回転カムフォロア104、V104が図62の状態から逆回転方向に約120度回転すると、先ず可動スイッチボタンV88が第1位置に戻って可動台座ボタン88と面一になり、そこから可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88が一緒に下がって基準位置に戻る。
以上のようにタイプVの押しボタン式入力装置19Vは、可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88が基準位置から第1位置に変位し、そこからさらに可動スイッチボタンV88のみが凸位置へと複数段階に外観形状が変化するため、演出の幅を格段に広げることができる。
また、タイプIと同様に、可動スイッチボタンV88が、基準位置と第1位置と凸位置のどこにあっても可動スイッチボタンV88の押し込み開始から検知までの時間が殆ど変わらず、また、可動スイッチボタンV88が基準位置と第1位置と凸位置のどこにあってもその押し込みを確実に検知することができる。
[タイプVIの押しボタン式入力装置]
図63,図64に示したタイプVIの押しボタン式入力装置19Vは、前記タイプVをベースにしているため、タイプVと同一又は同機能の構成要素にはそれらと同一の符合を付して説明する。なお、タイプVと同一の符合が付された構成要素であって以下に説明がないものについては、タイプVの説明をもってタイプVIの説明に代えるものとする。
タイプVIのボタン装着部20Hは、図63に示したように、弾性的なダンパー部111を介して操作パネル20Pに支持されている。
一方、タイプVIの押しボタン式入力装置19Vには、固定基台80の外側下方部に小型の振動発生機112が取り付けられている。
この振動発生機112を作動させると、固定基台80の全体がダンパー部111に支えられた状態で視認可能な振れ幅で振動し、その結果、可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88が固定基台80と一緒に振動する。
このように可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88を振動させることができるため、可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88を振動させながら上動させて、その特異な動きを視覚的に楽しませることができる。また、可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88に振動を与えることにより、遊技者に対し、押しボタン式入力装置19Vの存在や押しボタン式入力装置19Vの利用タイミングを明確に知らせることもできる。
なお、振動発生機112の振動に強弱を設けて可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88の動きにさらに変化を与えるようにしてもよい。
また、押しボタン式入力装置19Vは、ボタン装着部20Hに装着された状態で、図64に示したように、鉛直線Lに対して上部が遊技者側に向かう傾きの傾斜が設けられている。したがって、可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88が上動するとき、遊技者に向かってくるような視覚効果が得られるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、タイプVIの押しボタン式入力装置19Vには、可動スイッチボタンV88の入力検知手段として可動スイッチボタンユニットV81に設けられているセンサーV102と同様のセンサー102が、可動台座ボタン88の入力検知手段として台座ボタンユニット81にも設けられている。そして、この可動台座ボタン88の入力検知手段(センサー102)と、可動スイッチボタンV88の入力検知手段(センサーV102)により、可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88が独立したスイッチとして入力検知されるようになっている。
さらにタイプVIの押しボタン式入力装置19Vには、可動台座ボタン88を可動基台87に対する突出位置と押し込み位置とにロック可能な台座ロック手段113と、可動スイッチボタンV88を可動スイッチ基台V87に対する突出位置と押し込み位置とにロック可能な可動スイッチロック手段114とが設けられている。
[台座ロック手段]
前記台座ロック手段113は、可動台座ボタン88の遊嵌筒部96に下向きに突設した台座ロックシャフト113aと、可動基台87の底壁92に設けた台座ロック部113bとの組合せであり、通常、前記台座ロックシャフト113aが台座ロック部113b内に移動自在に挿通され、台座ロック部113bに通電された場合にその通電時の位置で台座ロックシャフト113aがロックされるようになっている。
したがって、可動台座ボタン88が可動基台87に対して突出位置にあるとき台座ロック部113bに通電させてその突出位置を維持し、或は可動台座ボタン88が可動基台87に対して押し込み位置にあるとき台座ロック部113bに通電させてその押し込み位置を維持することができる。
[可動スイッチロック手段]
前記可動スイッチロック手段114は、可動台座ボタン88の内部に自身のプランジャ114aを可動スイッチボタンV88の側面に向かわせるようにして組み込まれたソレノイド114bと、該ソレノイド114bのプランジャ114aが嵌合・離脱可能なように可動スイッチボタンV88の側面に設けられたジョイント受孔114cと、の組み合わせである。
この可動スイッチロック手段114のソレノイド114bのプランジャ114aは、通常、可動スイッチボタンV88のジョイント受孔114cから外れた状態になっており、したがって可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88は、それぞれ独立して移動する。
一方、前記ソレノイド114bに通電すると、プランジャ114aが突出してその先端が可動スイッチボタンV88のジョイント受孔114cに突入して嵌合する。これにより可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88がプランジャ114aを介して連結されるため、可動スイッチボタンV88が可動台座ボタン88に対して下動しない、つまり図63の凸位置にロックされる。したがって、このロック状態で可動スイッチボタンV88を押し込むと、該可動スイッチボタンV88が可動台座ボタン88に対して凸位置にある状態を維持しつつ可動台座ボタン88と一緒に下がるため、可動台座ボタン88の入力検知手段であるセンサー102で検知される。
タイプVIの押しボタン式入力装置19Vは、以上のように構成されており、前記の演出制御装置において、可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88による第1入力形態と第2入力形態の少なくとも2つの入力パターンが設定されている。
[第1入力形態]
可動台座ボタン88が第1位置にあり且つ可動スイッチボタンV88が凸位置にある図63の状態で、遊技者による可動スイッチボタンV88の押し込みを待つ入力待機状態のとき、台座ロック手段113の台座ロック部113bに通電し、台座ロックシャフト113aをロックして可動台座ボタン88が可動基台87に対して突出位置に維持されるようにしておく。
この状態で可動スイッチボタンV88を押し込むと、可動台座ボタン88が台座ロック手段113の作用で現状の第1位置を維持し、可動スイッチボタンV88のみが凸位置から下がって入力検知手段(センサーV102)で検知される(第1入力形態)。
なお、この第1入力形態で可動スイッチボタンV88が押し下げられたとき、可動スイッチロック手段114が作動してソレノイド114bのプランジャ114aを前記ジョイント受孔114cの上に設けられた止め孔114dに嵌合させ、そうして可動スイッチボタンV88のボタン用スプリングV89による凸位置への復動を一時的に阻止し、さらに駆動部材105を逆回転方向に約60度回転させて可動スイッチ基台V87を下動させ、そうして可動スイッチボタンV88を第1位置に安定させる。これにより可動スイッチロック手段114のプランジャ114aを止め孔114dから外しても可動スイッチボタンV88が凸位置に復動せず、また、可動台座ボタン88と一緒に基準位置に押し下げ可能な待機状態になる。
[第2入力形態]
前記と同じ入力待機状態、すなわち可動台座ボタン88が第1位置にあり且つ可動スイッチボタンV88が凸位置にある図63の状態で、遊技者による可動スイッチボタンV88の押し込みを待つ入力待機状態のとき、可動スイッチロック手段114のソレノイド114bに通電し、プランジャ114aをジョイント受孔114cに嵌合させて可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88を一体に連結し、そうして可動スイッチボタンV88が可動台座ボタン88に対して凸位置を維持するようにしておく。
この状態で可動スイッチボタンV88を押し込むと、可動スイッチボタンV88が可動スイッチロック手段114の作用で可動台座ボタン88に対して凸位置にある状態を維持し、前記押圧力がプランジャ114aを介して可動台座ボタン88に伝わるため、可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88が一緒に下がって入力検知手段(センサー102)で検知される(第2入力形態)。
この第2入力形態で可動スイッチボタンV88が押し込まれたとき、台座ロック手段113の台座ロック部113bに通電され、そうして可動台座ボタン88のボタン用スプリング89による第1位置への復動が阻止される。
なお、図1A,図1Bに示したように遊技領域8には、画像表示装置13などの表示機能の一部を使って押しボタン式入力装置19Vの状態を表示する操作対応画像表示部13Pが形成されており、遊技の進行中、押しボタン式入力装置19Vの状態が適宜表示されるようになっている。このように押しボタン式入力装置19Vの状態を操作対応画像表示部13Pに可視化することで、押しボタン式入力装置19Vの現在の状態が遊技領域8から目を離さなくとも直感的に把握できる。
以上の押しボタン式入力装置19Vの入力パターンを、第1入力形態とするか、第2入力形態とするかは、前記の演出制御装置の遊技プログラムにおいて設定することができる。例えば当たりの抽選結果が「小当たり」である場合は「第1入力形態」、また、当たりの抽選結果が「大当り」である場合は「第2入力形態」という具合である。この設定例の場合、遊技者は、可動スイッチボタンV88を押すまで抽選結果が分からないため、期待を込めて可動スイッチボタンV88を押し込み、そしてボタンの下動態様によって一喜一憂することになる。
押しボタン式入力装置19Vは、上記以外にも、例えば、可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88を遊技の進行に応じて徐々に突出させるように動作させ(例えば、突出ストロークを複数段階に分けて一段ずつ上昇させる動作と、突出速度をゆっくりにして最終段階で跳ね上げさせる動作などがある。)、その突出動作の状態によって抽選の期待度が高まるようになっている。また、実施形態では、そのような可動台座ボタン88や可動スイッチボタンV88の変化に関連させて窓部15のコーナー部分に設けられた前記可動装飾体E01,E02も段階的に前方に移動するようになっている。これによりさらに遊技の興趣を高めることができる。
また、押しボタン式入力装置19Vは、前記と同じ入力待機状態で可動スイッチボタンV88を押し込んだとき、可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88が連続して基準位置まで一気に押し込まれるようにしてもよい(第3入力形態)。この場合は、先ず第1入力形態と同じく台座ロック手段113の台座ロック部113bに通電して可動スイッチボタンV88が押し下げられるまで可動台座ボタン88のロックを維持し、次に可動スイッチボタンV88が下がってその押し下げが入力検知手段たるセンサーV102で検知されると台座ロック部113bへの通電を止めて可動台座ボタン88のロックを解除し、そうして可動台座ボタン88と可動スイッチボタンV88が一緒に下がるようにすればよい。なお、このとき駆動部材105は、可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88の動きに合わせて逆回転方向に約120度回転する。こうすることにより押しボタン式入力装置19Vの最大ストロークを遊技者に一気に押させることができる。
以上、押しボタン式入力装置19,19VをタイプI〜VIにより説明したが、これらは次のようにしてもよい。
まず、押しボタン式入力装置19,19Vを使って、例えば可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88の入力順序や、可動スイッチボタンV88と可動台座ボタン88を交互に3回叩く、というような入力パターンをゲーム要素に組み込むようにして、演出の幅をさらに広げるようにする。
また、押しボタン式入力装置19,19Vを遊技の演出用の用途に使用したが、演出を目的としない入力装置として使用することもできる。
また、タイプV,VIでは、第1位置にある可動台座ボタン88の上面より外方に突き出た位置を可動スイッチボタンV88の凸位置としたが、第1移動手段82と第3移動手段V82のそれぞれに独立した駆動部材を設けることにより、基準位置にある可動台座ボタン88に対して可動スイッチボタンV88をそれより外方に突き出させて凸位置に変位させることもできる。これにより押しボタン式入力装置19Vの形態変化のパターンが増えるため、演出の幅をさらに広げることができる。
また、図示しないが可動スイッチボタンV88又は可動台座ボタン88の側面を遊技用の表示面として利用するようにしてもよい。
また、可動スイッチボタンV88又は可動台座ボタン88の側面に可変表示器を設置するか、或は可動スイッチボタンV88等の内部に可変表示器を組み込むと共に側面をマジックミラー構造にして可変表示器点灯時に外部から表示が見えるようになし、そうして可動スイッチボタンV88等が飛び出して露出した側面の例えば「大当り!」等の表示で遊技者の興趣を高めるようにしてもよい。また、可動スイッチボタンV88等の側面表示と画像表示装置13の表示の一致、不一致等を遊技要素に取り込むようにすることにより遊技機のゲーム要素を押しボタン式入力装置19Vにまで拡張することができる。
また、例えば、可動スイッチボタンV88の側面表示と可動台座ボタン88の側面表示を組み合わせて一つの表示や条件が完成するものとし、両側面表示が出揃って例えば特定の図形が完成すれば「当たり」というようにするなど、可動スイッチボタンV88の側面表示と可動台座ボタン88の側面表示に密接な関連性を付与し、一方の側面表示が見えた段階で他方の側面表示に注意が注がれるようにしてもよい。
また、遊技機1としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の弾球遊技機はもちろん、図67に示したようにスロットマシン1Sにも適用可能である。
[前面部の外観形状変化と遊技用手動入力部の外観形状の連係]
以上のように遊技機1は、前面部4の遊技者から見える外観形状が、可動装飾体A00の形状変化により複数段階に変化し得るものであり、また、遊技用手動入力部(タイプV又はタイプVIの押しボタン式入力装置19V、以下単に「押しボタン式入力装置19V」という。)の外観形状が、基準形態から第1形態、凸形態へと複数段階に変化し得るものであり、実施形態ではこれら前面部4の複数段階の外観形状変化と、押しボタン式入力装置19Vの複数段階の外観形状変化とを前記の演出制御装置を介して連係させるようにしてある。
具体的には、例えば、大当たり抽選結果を示唆する演出の1つとして、図1Aに示したように可動装飾体A00を基準形態から第1形態に変化させると共に同時に押しボタン式入力装置19Vを基準形態から第1形態に変化させ、或は、図1Bに示したように可動装飾体A00を基準形態から第1形態を経て第2形態に変化させると共に同時に押しボタン式入力装置19Vを基準形態から第1形態を経て凸形態に変化させる、というように連係させる連係演出を実行する。
こうした連係演出では、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の開始時から終了時まで操作有効期間(押しボタン式入力装置19Vに対する操作入力を有効とする期間)を発生させず、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の終了後に操作有効期間を発生させるようにしてもよい。このようにすることで、可動装飾体A00および押しボタン式入力装置19Vの形態変化の様子を遊技者に確実に視認させることが可能となり、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの連係した形態変化により遊技者に驚きを与え、遊技興趣を向上させることができる。なお、操作有効期間とは、特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示するまでの間に設定される一部期間であって、押しボタン式入力装置19Vの入力検知がなされたか否かを演出制御装置が判定する期間である。この操作有効期間内に押しボタン式入力装置19Vの入力検知がなされたことが演出制御装置によって判定されると、画像表示装置13に入力完了に対応する画像表示(大当たり抽選結果を示唆する画像など)が行われる。
また、以上のような前面部4の複数段階の外観形状変化と、押しボタン式入力装置19Vの複数段階の外観形状変化との連係を利用した連係演出の態様に基づき大当り抽選結果の期待度等を示唆するようにしてもよい。具体的には、連係演出の実行パターンを複数記憶しておき、該複数の実行パターンのいずれか1つを演出制御装置が選択して実行するようにし、各実行パターンの選択率を大当り抽選結果によって異なるように設定しておくことが例示できる。より具体的には、演出制御装置は、複数の実行パターンが規定される連係演出振分テーブル(図66(a)に示す当り時連係演出振分テーブル、図66(b)に示す外れ時連係演出振分テーブル)を用いて、始動口への入球検知に基づき取得した演出選択用の乱数値(0〜199のいずれか)がいずれの実行ターンに対応する乱数値であるかを特定する。そして、特定した実行パターンを今回の連係演出の実行パターンとして決定し、所定の演出実行時期が到来することで連係演出を実行する。図66(a),(b)に示すように、連係演出振分テーブルは大当り抽選結果によって分けて設けられ、各連係演出振分テーブルには、実行パターン1〜6が規定されており、実行パターン6が最も大当りに対する期待度が高くなるように設定される。すなわち、図66(a),(b)に示すように、可動装飾体A00および押しボタン式入力装置19Vの形態変化する数や変化の段階が増加するほど大当りに対する期待度が高くなるように設定されており、可動装飾体A00および押しボタン式入力装置19Vがともに2段階目まで形態変化する場合(実行パターン6)が大当りに対する期待度が最も高い。これにより、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の数や、形態変化がどこまで続くかに注目させる新たな当落示唆演出を実現できる。このように連係演出の実行パターンと大当りに対する期待度とを関連させることで、押しボタン式入力装置19Vの操作前における可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の様子に遊技者を注目させ、連係演出による一層の興趣向上を図ることが可能となる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、連係演出の態様として、可動装飾体A00および押しボタン式入力装置19Vの形態変化の完了後に操作有効期間を発生させる態様としたが、他の態様としてもよい。例えば、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の開始とともに操作有効期間を発生させる態様としてもよい。こうした構成の場合に、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の開始から終了までに要する時間よりも長い操作有効期間を設定しておく。そして、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化が完了する前であって操作有効期間内に押しボタン式入力装置19Vの入力検知がされた場合(押しボタン式入力装置19Vが操作された場合)に、遊技者による操作により該押しボタン式入力装置19Vが基準形態に戻る一方で、可動装飾体A00を基準形態に戻すように制御し、かつ、入力完了に対応する画像表示として、「形態変化中の操作時にのみ現れ得るる特別な画像表示」を画像表示装置13で行う。ここで、「形態変化中の操作時にのみ現れ得る特別な画像表示」とは、形態変化完了後の操作時に現れ得る画像表示とは異なる画像表示が対応し、例えば、大当り抽選結果を示唆しない画像表示(例えば「?」の画像)など)等が例示できる。このような構成によれば、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化途中に押しボタン式入力装置19Vが操作されると、大当り抽選結果の示唆が行われないこととなる。つまり、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化態様や画像表示装置13に表示される画像表示による大当りの期待度の示唆を見たくない(知りたくない)遊技者は、早い段階(可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化途中)で押しボタン式入力装置19Vを操作すればよく、期待度の示唆を見たい遊技者は、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化を見届けてから押しボタン式入力装置19Vを操作すればよい。この結果、早期に期待度を知りたい遊技者と、できるだけ期待度を知りたくない遊技者(特別図柄の停止表示まで期待感を持続させたい遊技者)の双方に対応した遊技性が実現できる。
また、連係演出のさらなる別態様として、可動装飾体A00及び押しボタン式入力装置19Vの形態変化の開始時から終了時及びその終了後にも操作有効期間を発生させずに、押しボタン式入力装置19Vへの入力操作を不要としたまま連係演出を終了する態様としてもよい。この場合、押しボタン式入力装置19Vを遊技の進行状況に応じて、遊技者の操作を有するものとしたり、遊技者の操作を有さない可動物として位置づけるものとすることができ、遊技演出の幅を広げられる。
また、押しボタン式入力装置19Vと連係させる可動装飾体は、大掛かりでなくとも、例えば図1A、図1Bの可動装飾体E01,E02や図65の可動装飾体F00のような小型且つ単純動作(段階的な伸び縮み)のものでもよく、要は前面部4の外観形状を複数段階に変化させ得るものであれば何でもよい。
また、遊技用手動入力部も、外観形状が複数段階に変化し得るものであれば、例えばレバー式でそのレバーの角度が変わるようにする、等どのようなものでもよい。
1 …遊技機(パチンコ機)
1S …遊技機(スロットマシン)
4 …前面部
19V …押しボタン式入力装置(遊技用手動入力部)
A00 …可動装飾体
E01,E02 …可動装飾体
F00 …可動装飾体

Claims (1)

  1. 始動条件の成立に基づいて図柄の変動表示を行い、該変動表示の結果に基づいて遊技利益を付与する遊技機において、
    前記図柄の変動表示が行われる図柄表示部を有する遊技盤と、
    前記遊技盤を視認可能にする窓部と、
    前記窓部よりも前方に突出し設けられ、通常状態と、該通常状態より上昇した上昇状態とに変化可能な可動装飾演出部と、
    前記可動装飾演出部による装飾を透かす透過部と、
    を備え、
    前記可動装飾演出部は、当該遊技機の外形の一部を構成する部材であり、前記通常状態から前記上昇状態に変化することで、当該遊技機の外形が変化するものであり、
    前記可動装飾演出部が前記通常状態にあるときには、前記透過部を介して前記可動装飾演出部による装飾を遊技者に視認可能にし、
    前記可動装飾演出部が前記上昇状態にあるときには、前記透過部を介することなく、該透過部の上方で前記可動装飾演出部による装飾を遊技者に直視可能にする
    ことを特徴とする遊技機。
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