JP6322770B2 - Erk阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)の活性を阻害し、癌を治療するのに有用であり得るチエノ[2,3−c]ピロール−4−オン化合物またはその薬学的に許容可能な塩、およびその化合物を含む医薬組成物に関する。
ERK/MAPK経路は細胞増殖に重要であり、多くの腫瘍において活性化されることが頻繁に観察される。ERK/1/2の上流であるRas遺伝子は、大腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌ならびに乳房および膵臓腫瘍を含むいくつかの癌において変異される。高いRas活性は多くのヒト腫瘍において上昇したERK活性を伴う。研究によりまた、ERKはRasシグナル伝達の重要な構成要素であることが示されている。これらの観察により、広範囲のヒト腫瘍における抗癌治療の開発に関してERK1/2シグナル伝達経路が魅力的であることが支持される。
ERK阻害剤は当該分野において公知であり、例えば特許文献1を参照のこと。より特には癌を治療するための代替のERK阻害剤を提供する必要性が存在したままである。したがって、本発明は、癌を治療するのに有用であり得るERK1/2阻害剤を提供する。
国際公開第2013130976号
本発明は、以下の式の化合物:

(式中、
は、水素、2−メトキシエチル、2−(シクロプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、2−(2,2−ジフルオロエトキシ)エチル、2−(トリジュウテリオメトキシ)エチル、2−(トリフルオロメトキシ)エチル、2−メトキシプロピル、(2R)−2−メトキシプロピル、または(2S)−2−メトキシプロピルであり、
およびRは、独立して、水素、メチル、もしくはエチルであるか、またはRおよびRは一緒になってシクロプロピルまたはシクロペンチルを形成してもよく、
は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−メトキシエチルであり、
は、水素、メチルまたはシクロプロピルである)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明は、Rが2−メトキシエチルである、式Iの化合物についての実施形態を提供する。
本発明はまた、RおよびRが独立してメチルである、式Iの化合物についての実施形態を提供する。
本発明はまた、Rがメチルである、式Iの化合物についての別の実施形態を提供する。
本発明はまた、Rが水素である、式Iの化合物についてのなおさらなる実施形態を提供する。
好ましくは、本発明は、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである化合物を提供する。
本発明は、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、もしくは賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。本発明は、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンと、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
本発明は、有効量の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。本発明は、有効量の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを、それを必要とする患者に投与することを含む、癌を治療する方法を提供する。
本発明は、療法に使用するための、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明は、癌の治療に使用するための、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明は、癌を治療するのに使用するための医薬組成物であって、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、療法に使用するための5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを提供する。本発明は、癌の治療に使用するための5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを提供する。本発明は、癌を治療するのに使用するための医薬組成物であって、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを含む医薬組成物を提供する。
本発明は、癌の治療のための医薬の製造における5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明はまた、癌の治療のための医薬の製造における5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンの使用を提供する。
本発明は、結晶形の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを提供する。本発明はまた、2θ±0.2°において、8.0°、12.8°、15.9°、16.8°および19.5°からなる群から選択されるピークの1つ以上と組み合わせて24.2°で生じる特性ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる結晶形(結晶形1)の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを提供する。本発明はさらに、2θ±0.2°において、8.5°、9,2°、16.5°、20.3°および23.3°からなる群から選択されるピークの1つ以上と組み合わせて18.5°で生じる特性ピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる結晶形(結晶形2)の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを提供する。
さらに、本発明は、癌が、黒色腫、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌からなる群から選択される、本明細書に記載される方法および使用の好ましい実施形態を提供する。好ましい癌は、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌である。
本発明はまた、癌の治療における1種以上の化学療法剤と組み合わせた同時、別々または連続的投与に使用するための5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明は好ましくは、以下の置換基を有する式Iの化合物を含む:
a)Rは2−メトキシエチルであり、
b)Rはメチルであり、
c)Rはメチルであり、
d)Rはメチルであり、または
e)Rは水素である。
より好ましくは、本発明は、以下の置換基の組み合わせを有する式Iの化合物を含む:
a)RおよびRはメチルであり、
b)Rは2−メトキシエチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、
c)Rは2−メトキシエチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、
d)Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、または
e)Rは2−メトキシエチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素である。
上記および本発明の記述全体にわたって使用される場合、以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
「薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤」は、哺乳動物、例えば、ヒトへの生物学的活性剤の送達のために当該技術分野において一般的に認められた媒体である。
「薬学的に許容可能な塩」または「1つの薬学的に許容可能な塩」とは、比較的非毒性の、本発明の化合物の無機および有機の塩を指す。
「有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められている組織、器官、動物、哺乳動物またはヒトへの生物学的もしくは医学的反応または所望の治療効果を誘発するであろう、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含有する医薬組成物の量を意味する。
「治療」、「治療する」、「治療すること」および同類の用語は、障害の進行を遅らせるまたは逆転させることを含むことが意図される。これらの用語は、たとえ障害または状態が実際に解消されないおよび障害または状態の進行自体が遅くならないもしくは逆転しないとしても、障害または状態の1種または複数の症状を軽減する、改善する、弱める、解消する、または減少することも含む。
本発明の化合物は塩を形成できることは当業者により理解されるであろう。本発明の化合物は塩基性複素環を含有し、したがって複数の無機および有機酸のいずれかと反応して薬学的に許容可能な酸付加塩を形成する。このような薬学的に許容可能な酸付加塩およびそれらを調製するための一般的な方法は当該分野において周知である。例えば、P.Stahlら、HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE、(VCHA/Wiley−VCH、2008);S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Sciences、Vol 66、No.1、1977年1月を参照のこと。
本発明の化合物は、好ましくは、様々な経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。好ましくは、このような組成物は経口投与用である。このような医薬組成物およびそれらを調製するための方法は、当該分野において周知である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaroら、第21版、Mack Publishing Co.、2005)を参照のこと。
本発明の化合物は概して広範な投薬範囲にわたって効果的である。例えば、1日当たりの投薬量は、通常、1日に約1〜2000mgの範囲内である。好ましくは、このような用量は、1日に50〜1000mgの範囲内である。より好ましくは、このような用量は1日に125〜400mgの範囲内である。一部の場合、上述の範囲の下限値未満の投薬レベルが十分以上であってもよく、一方、他の場合、さらに多くの用量が利用されてもよく、したがって上記の投薬範囲は本発明の範囲を限定することを決して意図していない。実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択される投与経路、投与される実際の1つまたは複数の化合物、個々の患者の年齢、体重および反応、ならびに患者の症状の重症度を含む、関連状況を考慮して、医師により決定されることは理解されるであろう。
当業者は、本発明の特定の化合物が少なくとも1つのキラル中心を含有することを理解するであろう。本発明は、全ての個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む前記化合物のエナンチオマーとジアステレオマーの混合物を意図する。少なくとも1つのキラル中心を含有する本発明の化合物は単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在することが好ましい。単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、キラル試薬で開始して、または立体選択的もしくは立体特異的合成技術によって調製され得る。あるいは、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、標準的なキラルクロマトグラフまたは結晶化技術によって混合物から単離されてもよい。
化合物名において「異性体1」の指定は、本発明の対応する中間体または化合物が、エナンチオマーの対の混合物がキラルクロマトグラフィーにより分離される場合、2つの溶出しているエナンチオマーのうちの1番目であることを表す。化合物名において「異性体2」の指定は、本発明の対応する中間体または化合物が、エナンチオマーの対の混合物がキラルクロマトグラフィーにより分離される場合、2つの溶出しているエナンチオマーのうちの2番目であることを表す。
本発明の化合物は、当該分野において周知で理解されている合成法に従って調製され得る。これらの反応の工程についての適切な反応条件は当該分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は当業者の範囲内である。同様に、合成中間体は、必要または所望の場合、様々な周知の技術によって単離および/または精製され得ること、ならびに高い頻度で、ほとんどまたは全く精製せずに後の合成工程において様々な中間体を直接使用できることは当業者により理解されるであろう。さらに、当業者は、一部の状況において、部分が導入される順序は重要ではないことを理解するであろう。本発明の化合物を生成するのに必要とされる工程の特定の順序は、熟練の化学者によって十分に理解されるように、合成される特定の化合物、出発化合物、および置換部分の相対的傾向に依存する。他に示されない限り、全ての置換基は以前に定義されている通りであり、全ての試薬は当該分野において周知であり、理解されている。
本明細書で使用される場合、以下の用語は示した意味を有する:「ACN」はアセトニトリルを指し;「DCM」はジクロロメタンを指し;「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを指し;「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し;「DTT」はジチオスレイトールを指し;「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を指し;「EGTA」はエチレングリコール四酢酸を指し;「ELISA」は酵素結合免疫吸着測定法を指し;「EtOAc」は酢酸エチルを指し;「EtOH」はエタノールを指し;「FBS」はウシ胎仔血清を指し;「HBSS」はハンクス平衡塩溶液を指し;「IC50」は半数阻害濃度を指し;「IVTI」はインビボ標的阻害を指し;「MS」は質量分析を指し;「MeOH」はメタノールを指し;「NMR」は核磁気共鳴を指し;「PBST」はTween−20を含有するリン酸緩衝生理食塩水を指し;「TED50」は閾値有効量50を指し;「THF」はテトラヒドロフランを指し;「UVW」は紫外線波長を指し、「XRD」はX線回折を指す。
反対に示さない限り、本明細書に例示される化合物は、ACDLABSまたはAccelrys Draw 4.1のいずれかを使用して命名され、番号付けされる。
本発明の化合物は以下のスキームに例示されるように合成され得、ここでR、R、R、RおよびRは以前に定義されている通りである。

スキーム1:式Iの化合物の合成
スキーム1は式Iの化合物を作製するための合成方法を例示する。化合物1は周知のパラジウムカップリング反応条件下で化合物2と反応して、式Iの化合物が得られる。より具体的には、式Iの化合物は、炭酸セシウムまたはtert−ブトキシドなどの適切な塩基、酢酸パラジウム(II)またはビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)などの適切な触媒、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンまたは(R)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィンなどの適切なリガンド剤の存在下で、1,4−ジオキサンまたはトルエンなどの適切な溶媒中で高温下で化合物1および化合物2を反応させることによって得られる。R1’がN−保護基である場合、カップリング生成物は、DCMなどの適切な溶媒中でトリフルオロ酢酸などの適切な脱保護剤でさらに処理されて、Rが水素である式Iの化合物が得られる。
式Iの化合物は、スキーム1に例示されるような代替の方法で合成されてもよい。化合物2は、周知のパラジウムカップリング反応条件下で2,4−ジクロロピリジンと反応して、化合物3が得られる。より具体的には、化合物3は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの適切な触媒および炭酸セシウムなどの適切な塩基の存在下で1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中で高温にて化合物2および2,4−ジクロロピリジンを反応させることによって得られる。化合物3は、周知のパラジウムカップリング反応条件下でビス(ピナコラト)ジボロンと反応して、化合物4が得られる。より具体的には、化合物3、ビス(ピナコラト)ジボロン、適切なリガンド剤、例えば2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルおよび適切な触媒、例えばクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)は、無水EtOHなどの適切な溶媒中で高温にて加熱されて、化合物4が得られる。化合物4は、周知のパラジウムカップリング反応条件下で化合物5と反応して、式Iの化合物が得られる。

スキーム2:化合物1の合成
スキーム2は化合物1の合成方法を例示する。化合物6は、周知のパラジウムカップリング反応条件下で2−クロロピリジン−4−ボロン酸と反応して、化合物1が得られる。より具体的には、化合物6は、EtOHと水の混合物などの適切な溶媒中で高温にて1,2−クロロピリジン−4−ボロン酸、適切な塩基、例えば炭酸ナトリウム、適切な触媒、例えばtrans−ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム(II)と反応して、化合物1が得られる。

スキーム3:R1’がRである場合の化合物1の代替合成
スキーム3は、R1’がRである場合の化合物1の代替合成方法を例示する。R1’が適切なN−保護基である場合、スキーム2に例示されているような合成方法によって作製され得る化合物7は、DCMなどの適切な溶媒中でトリフルオロ酢酸などの適切な脱保護剤と反応して、化合物8が得られる。化合物8は、適切に置換されたアルキル化剤とさらに反応して、以前に定義されているR1’がR1である場合の化合物1が得られる。より具体的には、化合物7は、水素化ナトリウムなどの適切な塩基で処理され、次いでその後、DMFなどの適切な溶媒中でヨウ化メチルまたはヨードエトキシシクロプロパンなどの適切に置換されたアルキル化剤と反応して、以前に定義されているR1’がRである場合の化合物1が得られる。

スキーム4:化合物2の合成
化合物2は市販されているか、またはスキーム4に例示される合成方法によって作製される。化合物9は、THFとDCMの混合物などの適切な溶媒中でジフェニルホスホリルアジドおよび適切な塩基、例えばトリエチルアミンで処理されて、化合物10が得られる。次いで化合物10は高温下でtert−ブチルアルコールと反応して、化合物11が得られる。化合物11は、DCMなどの適切な溶媒中で塩化水素などの適切な脱保護剤で処理されて、化合物2が得られる。

スキーム5:化合物6の合成
スキーム5は化合物6についての合成方法を例示する。化合物12は、ACNなどの適切な溶媒中でN−ブロモスクシンイミドなどの適切な臭素化剤と反応して、化合物13が得られる。化合物13は、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウムまたはナトリウムヘキサメチルジシリルアジドなどの適切な塩基、および2−メトキシエチルブロミド、2−クロロエトキシシクロプロパン、またはジ−tert−ブチルジカーボネートなどの適切なN−アルキル化剤またはN−保護剤と反応して、化合物6が得られる。
調製例1
2−メトキシプロピル4−メチルベンゼンスルホネート

氷水浴中でピリジン(12.5mL)およびDCM(19mL)中の2−メトキシプロパン−1−オール(1.0g、11.1mmol)の溶液を冷却し、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(2.54g、13.3mmol)を加える。温度を周囲温度までゆっくりと上昇させながら混合物を一晩撹拌する。反応を水(40mL)およびEtOAc(50mL)でクエンチする。相を分離し、さらなるEtOAc(50mL)で水相を2回抽出する。合わせた有機溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和NaClで洗浄する。無水硫酸マグネシウムで有機物を乾燥する。濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物2.71g(91%)を無色の油状物として得る。MS(m/z):245(M+1)。
以下の化合物を本質的に調製例1の方法によって調製する。
調製例3
2−ヨードエトキシシクロプロパン

マイクロ波反応器において、アセトン(62mL)中の2−クロロエトキシシクロプロパン(750mg、6.2mmol)およびヨウ化ナトリウム(2.8g、18.7mmol)の溶液を75℃にて18時間加熱する。反応混合物をヘキサンとペンタンの1:1混合物で希釈する。混合物をセライト(登録商標)プラグで濾過し、固体をエーテルで洗浄する。濾液を減圧下で室温にて濃縮する。生成物をエーテル(5mL)で希釈し、混合物を水浴中で超音波処理する。得られた懸濁液をさらなるセライト(登録商標)プラグで濾過し、固体をエーテルで洗浄する。濾液を最小体積(3.5mL)に濃縮し、硫酸マグネシウムを加える。この溶液を次の工程に使用する。H NMR(399.83MHz,DMSO−d)δ3.65(t,J=6.3Hz,2H),3.35−3.30(m,1H),3.30(t,J=6.3Hz,2H),0.49−0.45(m,2H),0.43−0.38(m,2H)。
調製例4
tert−ブチルN−[2−(ジフルオロメチル)ピラゾール−3−イル]カルバメート

氷水浴中でTHF(16.5mL)およびDCM(19mL)中の2−(ジフルオロメチル)ピラゾール−3−カルボン酸(2.0g、12.3mmol)の溶液を冷却し、トリエチルアミン(2.6mL、18.5mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(4.0mL、18.5mmol)を加える。反応温度をゆっくりと上昇させながら反応物を一晩撹拌する。tert−ブチルアルコール(2.3mL、24.7mmol)を加え、反応混合物を70℃にて2時間加熱する。熱を除去し、反応混合物を2日間撹拌する。反応混合物を70℃にてさらに18時間加熱し、次いで室温まで冷却する。混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン中の0〜100%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(220gカラム)により残渣を精製する。所望の生成物を含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮する。得られた残渣を逆相クロマトグラフィー(15gのC−18逆相Goldカラム;0%を5分間保持、0〜20%ACN/水溶出勾配)により精製する。DCM中の0〜30%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラム(220g)クロマトグラフィーによって得られた物質をさらに精製して、標題化合物1.28g(44%)を得る。MS(m/z):234(M+1)。
以下の化合物を本質的に調製例4の方法によって調製する。
調製例7
2−(ジフルオロメチル)ピラゾール−3−アミン塩酸塩

DCM(11mL)中のtert−ブチルN−[2−(ジフルオロメチル)ピラゾール−3−イル]カルバメート(1.28g、5.5mmol)の溶液を塩化水素(1,4−ジオキサン中に4.0M、5.5mL、22mmol)で処理する。混合物を室温にて2日間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮して、標題化合物920mg(99%)を白色固体として得る。H NMR(399.83MHz,DMSO−d)δ7.5−8.77(brS,3H),7.58(t,J=55.6Hz,1H),7.33(s,1H),5.31(s,1H)。
以下の化合物を本質的に調製例7の方法によって調製する。
調製例10
6,6−ジメチルチエノ[2,3−c]フラン−4−オン

20Lの3つ口フラスコにおいて、THF(9750mL)中の3−チオフェンカルボン酸(250g、1.95mol)の溶液を−70℃に冷却する。この溶液に、温度を−55℃未満に維持しながらn−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、1872mL、4.68mol)をゆっくり加える。反応混合物を−70℃にて1時間撹拌する。アセトン(187mL、2.55mol)を−70℃にてゆっくり加える。反応混合物を0℃に加温し、0℃にて3時間撹拌する。得られた溶液に0℃にて4M塩酸(1500mL)を加え、反応混合物を室温に加温する。得られた混合物を一晩撹拌する。反応混合物を珪藻土パッドで濾過し、パッドをトルエン(3×500mL)で洗浄する。濾液を減圧下で濃縮する。得られた粗残渣をトルエン(3750mL)および水(250mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(100.1g、0.526mol)を室温にて加える。反応混合物を100℃にて16時間還流する。反応物を室温に冷却し、減圧下50℃にて濃縮する。得られた残渣を水に溶解し、EtOAc(2×10L)で抽出する。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、50℃にて減圧下で濃縮して、標題化合物200g(61%)を褐色の粘性液体として得る。MS(m/z):169(M+1)。
調製例11
6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

水酸化アンモニウム(1000ml)中の6,6−ジメチルチエノ[2,3−c]フラン−4−オン(150g、0.891mol)の溶液を5Lのオートクレーブに充填する。密閉した環境において、反応混合物を注意深く200℃の温度にし、200℃にて4時間撹拌する。4時間後、反応混合物を室温に冷却し、アンモニアガスを放出する。反応混合物をDCM(3×750mL)で抽出する。有機層を水(1×750mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を50℃にて減圧下で濃縮して、標題化合物100g(67%)を得る。MS(m/z):168(M+1)。
調製例12
メチル2−ブロモチオフェン−3−カルボキシレート

MeOH(500mL)中の2−ブロモチオフェン−3−カルボン酸(65g、314mmol)の溶液を室温にて塩化チオニル(13.5g、113mmol)で処理する。混合物を室温にて30分間撹拌し、次いで混合物を3時間加熱還流する。一晩撹拌しながら混合物を冷却する。反応混合物を減圧下で濃縮する。EtOAcを加え、得られた有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。層を分離し、さらなるEtOAcで水溶液を逆抽出する。有機溶液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を220gのプレカラムに充填し、DCM中の10〜25%のEtOAcの勾配を用いて330gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製する。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、標題化合物71gを得る。その物質をさらに精製せずに使用する。H NMR(400.15MHz,DMSO−d)δ7.36−7.34(d,J=5.6Hz,1H),7.22−7.20(d,J=5.6Hz,1H),3.87(s,3H)。
調製例13
メチル2−アセチルチオフェン−3−カルボキシレート

1,4−ジオキサン(350mL)中のメチル2−ブロモチオフェン−3−カルボキシレート(58.5g、265mmol)および(1−エトキシエテニル)トリメチルスタンナン(106g、294mmol)の溶液を窒素で5分間パージする。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(3.71g、5.29mmol)を一度に全て加え、反応物を95℃にて24時間加熱する。反応物を室温に冷却し、反応物を1Nの塩酸(100mL)で処理する。混合物を30分間激しく撹拌する。減圧下で反応体積を50%減少させる。混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、得られた溶液をセライト(登録商標)で濾過する。固体をさらなるEtOAcで洗浄し、濾液を分液漏斗に移す。有機溶液を飽和NaClで洗浄する。さらなるEtOAcで水溶液を逆抽出する。有機溶液を合わせ、減圧下で濃縮する。生成物を220gのプレカラムに充填し、ヘキサン中の10〜25%のEtOAcの勾配を用いて330gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物42.7g(88%)を得る。MS(m/z):185(M+1)。
調製例14
メチル2−[1−(2−メトキシエチルアミノ)エチル]チオフェン−3−カルボキシレート

温度を上昇させないように水浴を使用してMeOH(45mL)中のメチル2−アセチルチオフェン−3−カルボキシレート(42.7g、232mmol)の溶液を2−メトキシエチルアミン(35g、466mmol)を滴下して処理する。混合物を室温にて一晩静置する。混合物を5%パラジウム炭素(28g)で処理し、混合物を50℃にて18時間水素雰囲気(50PSI)に供する。混合物を室温に冷却し、ガスを排気する。混合物を濾過し、固体をMeOHで洗浄する。混合物を濃縮して標題化合物47g(83%)を琥珀色の油状物として得る。MS(m/z):244(M+1)。
調製例15
5−(2−メトキシエチル)−6−メチル−6H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

THF(50mL)中のメチル2−[1−(2−メトキシエチルアミノ)エチル]チオフェン−3−カルボキシレート(9.4g、39mmol)の溶液を、ビス(トリメチルアルミニウム)−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン付加物(0.1g、0.4mmol)で処理し、得られた混合物を60℃にて一晩加熱する。反応物を室温に冷却する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液、続いて1Nの塩酸を滴下して注意深くクエンチする。EtOAcを加え、抽出する。層を分離し、溶液が透明になるまで水層をさらなる1Nの塩酸で処理する。4部のEtOAcで水溶液を抽出する。有機抽出物を合わせ、溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物8g(98%)を琥珀色の油状物として得る。MS(m/z):212(M+1)。
調製例16
スピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピロール−6,1’−シクロプロパン]−4−オン

ジエチルエーテル(145mL)中のメチル2−シアノチオフェン−3−カルボキシレート(3g、17.4mmol)およびチタンテトラ(イソプロポキシド)(5.44g、19.2mmol)の−70℃の溶液を、ジエチルエーテル(12.8mL、38.3mmol)中の臭化エチルマグネシウムの溶液で処理する。反応混合物を30分間撹拌する。冷却浴を取り除き、混合物を1時間にわたって室温にゆっくり加温する。三フッ化ホウ素エーテラート(4.4mL、34.8mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌する。1Nの塩酸(87mL)で反応をクエンチする。反応物をジエチルエーテル(200mL)で希釈する。層を分離し、水層をさらなるジエチルエーテルで逆抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和NaClで洗浄する。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を25gのプレカラム上に充填し、80gのカラム上のプレカラムをEtOAcで溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物1.02g(35%)を得る。MS(m/z):166(M+1)。
調製例17
5−ブロモ−2−メチル−チオフェン−3−カルボン酸

氷水浴中で酢酸(75mL)およびDMF(300mL)中の2−メチルチオフェン−3−カルボン酸(50g、352mmol)の溶液を冷却し、N−ブロモスクシンイミド(69g、387mmol)を加える。添加後、氷浴を除去し、反応混合物を2時間撹拌する。反応物を氷片に注ぎ、EtOAcを加える。層を分離し、有機層を2部の水、1部の飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和NaClで洗浄する。元の水溶液を3部のEtOAcで抽出する。全てのEtOAc抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶液を濾過し、さらなるEtOAcで固体を洗浄する。濾液を濃縮して固体にする。水を加え、フラスコを振とうして固体を分散させる。固体を濾過し、固体を水で洗浄する。固体を回収し、真空オーブン中で乾燥させる。濾液を3部のEtOAcで抽出し、抽出物を合わせ、濃縮して固体にする。全ての固体を合わせて、標題化合物46g(59%)を得る。MS(m/z):221/223(M+1/M+3)。
調製例18
5−ブロモ−2−(ジブロモメチル)チオフェン−3−カルボン酸

四塩化炭素(500mL)中の5−ブロモ−2−メチル−チオフェン−3−カルボン酸(46g、208mmol)の溶液をN−ブロモスクシンイミド(93g、520mmol)および過酸化ベンゾイル(2.5g、10.4mmol)で処理する。反応混合物を80℃にて一晩加熱する。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮乾固する。水を加え、混合物を振盪して固体を粉砕する。混合物を濾過し、固体を水(1L)で洗浄する。得られた固体を風乾して、標題化合物66g(84%)を得る。H NMR(400.15MHz,DMSO−d)δ7.83(s,1H),7.40(s,1H)。
調製例19
5−ブロモ−2−ホルミル−チオフェン−3−カルボン酸

1,4−ジオキサン(594mL)および水(132mL)中の5−ブロモ−2−(ジブロモメチル)チオフェン−3−カルボン酸(66g、150mmol)の溶液を硫酸(12.6mL)で処理し、混合物を80℃にて一晩撹拌する。反応物を残渣に濃縮する。水を加え、混合物を振盪して沈殿物を形成する。焼結したガラス漏斗中で真空濾過によって固体を回収し、洗浄pHが4を超えるまで固体を水で洗浄する。固体を乾燥させて、標題化合物36gを得る。この化合物をさらに精製せずに使用する。MS(m/z):235/237(M+1/M+3)。
調製例20
メチル5−ブロモ−2−[[tert−ブトキシカルボニル(2−メトキシエチル)アミノ]メチル]チオフェン−3−カルボキシレート

MeOH(300mL)中の5−ブロモ−2−ホルミル−チオフェン−3−カルボン酸(9g、38mmol)の溶液を2−メトキシエチルアミン(5.01mL、57mol)で処理し、混合物を室温にて一晩撹拌する。反応物をシアノ水素化ホウ素ナトリウム(7.2g、115mmol)で処理し、混合物を2時間撹拌する。さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2g、32mmol)を加え、混合物をさらに1時間撹拌する。反応混合物を濃縮乾固し、1部のDCMで共蒸発させる。残渣を1,4−ジオキサン(280mL)および水(75mL)に溶解し、得られた溶液を炭酸カリウム(11.5g)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(16.7g)で処理する。混合物を室温にて一晩撹拌する。反応物を水および飽和NaClで希釈する。3部のEtOAcで抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。生成物を260gのプレカラム上に充填し、DCM中の0〜100%のEtOAcの勾配、次いでDCM中の100%のEtOAc〜7%のMeOHの第2の勾配を用いて330gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物2.76g(18%)を得る。MS(m/z):408/410(M+1/M+3)。
調製例21
メチル5−ブロモ−2−[(2−メトキシエチルアミノ)メチル]チオフェン−3−カルボキシレート

5−ブロモ−2−[[tert−ブトキシカルボニル(2−メトキシエチル)アミノ]メチル]チオフェン−3−カルボンキシレート(2.75g、6.7mmol)を塩化水素(1,4−ジオキサン中に4M、30mL、120mmol)で処理し、混合物を45分間撹拌する。混合物を濃縮乾固する。残渣をACNに溶解し、混合物を炭酸カリウム(1.5g)で処理する。混合物を4時間加熱還流する。混合物を濃縮乾固し、DCMを加える。懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物2.05g(99%)を暗色の油状物として得る。MS(m/z):308/310(M+1/M+3)。
調製例22
5−ブロモ−2−[(2−メトキシエチルアミノ)メチル]チオフェン−3−カルボン酸

THF(75mL)および水(25mL)中のメチル5−ブロモ−2−[(2−メトキシエチルアミノ)メチル]チオフェン−3−カルボキシレート(2.05g、6.7mmol)の溶液を水酸化リチウム(558mg、13mmol)で処理し、混合物を一晩撹拌する。混合物をほぼ乾燥状態に濃縮し、残渣を塩酸(1,4−ジオキサン中に4M、7mL)で処理する。混合物を1分間撹拌し、濃縮乾固する。残渣をDCM中の5%のMeOHに溶解し、得られた混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させる。混合物を濾過し、濾液を濃縮する。その物質を真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥させて、標題化合物1.96g(100%)を得る。MS(m/z):294/296(M+1/M+3)。
調製例23
2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

DCM(10mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(10mL)中の5−ブロモ−2−[(2−メトキシエチルアミノ)メチル]チオフェン−3−カルボン酸(1.96g、6.7mmol)の溶液をDMF(5mL)で処理する。得られた溶液をO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(5.1g、13.3mmol)で処理し、混合物を1時間撹拌する。反応物をDCMおよび水で希釈し、層を分離する。水溶液を2部のDCMで抽出する。有機抽出物を合わせ、水および飽和NaClで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を25gのプレカラム上に充填し、ヘキサン中の20〜80%のEtOAcの勾配を用いて120gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物0.920g(50 %)を得る。MS(m/z):276/278(M+1/M+3)。
調製例24
メチル2−(シクロペンテン−1−イル)チオフェン−3−カルボキシレート

−75℃にてTHF(500mL)中の3−チオフェンカルボン酸(20g、156mmol)の溶液をn−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、150mL、375mmol)を滴下して処理し、反応混合物を−75℃にて1時間撹拌する。シクロペンタノン(17mL、93mmol)を10分にわたって滴下して加え、冷却浴を取り除き、混合物を2時間にわたって室温に加温する。混合物を0℃に冷却し、塩酸(1,4−ジオキサン中に4M、120mL、480mmol)を30分にわたってゆっくり加える。混合物を水および飽和NaClで洗浄する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をMeOH(300mL)に溶解し、塩酸(1,4−ジオキサン中に4M、30mL、468mmol)を加える。得られた混合物を2日間加熱還流する。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮する。残渣をDCM(200mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄する。水層をDCM(2×150mL)で逆抽出し、有機物を合わせる。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。DCMを有するシリカゲルのプラグ上に物質を充填し、ヘキサン中の25%のEtOAcでプラグを溶出することによって残渣を精製して、標題化合物15g(67%)を得る。MS(m/z):209(M+1).H NMR(399.80MHz,DMSO−d)d7.41−7.42(d,J=5.2Hz,1H),7.30−7.31(d,J=5.2Hz,1H),6.17−6.21(q,J=2Hz,1H),3.74(s,3H),2.58−2.71(m,J=5.2Hz,2H),2.50−2.93(m,J=5.2Hz,2H),1.87−1.98(m,2H)。
調製例25
2−ブロモスピロ[5H−チエノ[2,3−c]ピロール−6,1’−シクロペンタン]−4−オン

PARR(登録商標)オートクレーブにおいて、アンモニア(MeOH中に7N、250mL)中のメチル2−(シクロペンテン−1−イル)チオフェン−3−カルボキシレート(12g、58mmol)の溶液を200℃にて3日間加熱する。反応物を室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)で希釈する。EtOAc(2×250mL)で混合物を抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をACN(250mL)およびN−ブロモスクシンイミド(4.4g、25mmol)で処理し、混合物を室温にて5時間撹拌する。反応混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、有機混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mL)、水(3×300mL)、および飽和NaCl(200mL)で洗浄する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。ヘキサンからEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラム(330g)クロマトグラフィーによって残渣を精製する。生成物を含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮する。ヘキサンからEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラム(330g)クロマトグラフィーによって残渣を再び精製して、標題化合物3.6g(23%)を得る。MS(m/z):272/274(M+1/M+3)。
調製例26
2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(835g、4.99mol)を含有する20LのフラスコにACN(10L)を加え、溶液を10℃に冷却する。反応混合物にN−ブロモスクシンイミド(444.4g、2.49mol)を4等分して加え、25℃にて6時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた化合物を水中でスラリーにし、EtOAc(3×4.1L)で抽出する。合わせた有機層を水(3×4.1L)および飽和NaCl(4.1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過する。さらなるバッチと組み合わせるために有機溶液を保存する。
上記と同じプロセスを使用して、650gおよび835gの6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンからそれぞれ出発する2つのさらなるバッチを調製する。3回全ての実験からの有機溶液を合わせ、50℃にて減圧下で濃縮して、2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを茶色の粘性物質として得る。得られた生成物をジエチルエーテル/ヘキサン(2:1v/v)中でスラリーにし、濾過して、標題化合物1542g(45%)を得る。MS(m/z):246/248(M+1/M+3)。
以下の化合物を本質的に調製例26の方法によって調製する。
調製例29
2−ブロモ−6−エチル−5−(2−メトキシエチル)−6−メチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

THF(20mL)中の2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6−メチル−6H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(1.0g、3.4mmol)の溶液を水素化ナトリウム(鉱油中に60%、450mg、11mmol)で処理する。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。ヨードエタン(1.4mL、17mmol)を滴下して加え、混合物をさらに24時間撹拌する。反応物を氷水浴中で冷却し、MeOHでクエンチする。EtOAcを加え、得られた有機溶液を飽和NaClで洗浄する。水層をさらなるEtOAcで逆抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を40gのプレカラム上に充填し、DCM中の20%のEtOAcを用いて320gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物403mg(37%)を得る。MS(m/z):318/320(M+1/M+3)。
調製例30
tert−ブチル2−ブロモ−6,6−ジメチル−4−オキソ−チエノ[2,3−c]ピロール−5−カルボキシレート

ACN(481mL)中の2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(25g、102mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(1.25g、10mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(24mL、138mmol)の溶液をジ−tert−ブチルジカーボネート(35g、162mmol)で処理する。混合物を室温にて一晩撹拌する。N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(560mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(12mL)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(12g)を加え、さらに4時間撹拌を継続する。反応混合物をシリカゲルパッドで濾過し、パッドをヘキサン中の20%のDCMで溶出する。濾液を濃縮乾固する。反応混合物をさらなるシリカゲルパッドで濾過し、パッドをヘキサン中の5%のDCMで溶出する。濾液を濃縮乾固して標題化合物31g(88%)を橙色の油状物として得る。H NMR(400.15MHz,DMSO−d)δ7.41(s,1H),1.69(s,6H),1.48(s,9H)。
調製例31
2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

合成法1
窒素雰囲気下で丸底フラスコにおいて、2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(25g、102mmol)および2−メトキシエチルブロミド(12mL、127mmol)をDMF(250mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却する。水素化ナトリウム(鉱油中に60wt%、4.469g、112mmol)を加え、反応物を一晩室温にする。室温にて、さらなる2−メトキシエチルブロミド(2mL、21mmol)、続いて水素化ナトリウム(鉱油中に60wt%、1.25g、31mmol)を加える。反応物を2.5時間撹拌し、水で希釈する。得られた溶液を3部のEtOAcで抽出する。合わせた有機抽出物を1:1の飽和NaCl/水溶液、次いで飽和NaClで洗浄する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。その物質を真空下で2日間乾燥させる。残渣を、ヘキサン中の30〜50%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲル(1kg)クロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の固体として標題化合物25.78g(83%)を得る。MS(m/z):304/306(M+1/M+3)。
合成法2
2−メチルテトラヒドロフラン(1.5L)中の2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(150g、610mmol)の溶液をナトリウムヘキサメチルジシリルアジド(THF中に2M、405mL、810mmol)で30分にわたって処理する。2−メトキシエチルブロミド(190g、1372mmol)を30分にわたって加える。反応物を18時間加熱還流する。さらなる2−メトキシエチルブロミド(19g、140mmol)を加え、さらに6時間還流を継続する。反応物を室温に冷却し、EtOAc(2.5L)および水(2.5L)で希釈する。層を分離し、水溶液をEtOAc(2×1.5L)で逆抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和NaCl(2×2L)で洗浄する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。ヘプタン中の10〜25%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(700g)によって残渣を精製して、2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを得る。固体を室温にて15分間ヘキサン(500mL)で粉砕し、濾過し、固体を乾燥させて、白色固体として標題化合物126g(68%)を得る。H NMR(400.15MHz,DMSO−d)δ7.41(s,1H),1.69(s,6H),1.48(s,9H)。
調製例32
2−ブロモ−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

2−メチルテトラヒドロフラン(163mL)中の2−ブロモ−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(20g、81mmol)の溶液をナトリウムヘキサメチルジシリルアジド(THF中に1M、100mL、100mmol)で30分にわたって処理する。2−クロロエトキシシクロプロパン(24.5g、203mmol)を30分にわたって加える。反応物を18時間加熱還流する。反応物を室温に冷却し、EtOAc(500mL)および飽和重炭酸ナトリウム(300mL)で希釈する。層を分離し、水溶液をEtOAc(200mL)で逆抽出する。有機抽出物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(300mL)および飽和NaCl(300mL)で洗浄する。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。DCM中の0〜5%のアセトンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(330g)によって残渣を精製して、標題化合物22g(82%)を得る。MS(m/z):330/332(M+1/M+3)。
以下の化合物を本質的に調製例32の方法によって調製する。
調製例37
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

合成法1
密閉可能な反応容器中に2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(24.78g、81.46mmol)、2−クロロピリジン−4−ボロン酸(14.1g、89.60mmol)、炭酸カリウム(33.8g、244.37mmol)、1,4−ジオキサン(750mL)および水(150mL)を合わせ、窒素で5分間脱気する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.060g、6.11mmol)を加え、窒素を数分間反応混合物に通して泡立てる。密閉した反応物を80℃にて一晩加熱する。さらなる2−クロロピリジン−4−ボロン酸(2g、12.7mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1g、0.9mmol)を加え、さらに6.5時間加熱を維持する。さらなる2−クロロピリジン−4−ボロン酸(2.5g、15.9mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1g、0.9mmol)を加え、加熱をさらに1.5時間維持する。さらなる2−クロロピリジン−4−ボロン酸(2g、12.7mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.4g、0.3mmol)を加え、加熱を一晩維持する。さらなる2−クロロピリジン−4−ボロン酸(2g、12.7mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.5g、0.5mmol)を加え、加熱をさらに2時間維持する。反応混合物を室温に冷却する。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄する。水溶液を2部のDCMで逆抽出する。有機溶液を合わせ、飽和NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。ヘキサン中の30〜70%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲル(1kg)クロマトグラフィーによって精製して、2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン13.1g(48%)を得る。MS(m/z):337(M+1)。シリカゲルカラムをEtOAcで洗浄してさらなる物質を得る。その物質をメチルtert−ブチルエーテルで粉砕し、濾過して、標題化合物7.9g(29%)を得る。MS(m/z):337(M+1)。
合成法2
EtOH(2L)中の2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(200g、647mmol)および2−クロロピリジン−4−ボロン酸(143g、906mmol)の溶液を炭酸ナトリウム(水中に2M、970mL、1942mmol)で処理する。混合物に窒素を15分間注入する。トランス−ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム(II)(45g、64.7mmol)を加える。混合物に窒素をさらに15分間注入する。反応混合物を22時間加熱還流する。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮する。得られた固体を水(1L)で室温にて15分間スラリーにし、濾過する。得られた固体をメチルtert−ブチルエーテル(2L)で15分間スラリーにし、濾過する。得られた固体をメチルtert−ブチルエーテル(1L)で15分間スラリーにし、濾過する。固体をDCM(1L)に溶解し、混合物をシリカゲル(200g)に吸収させる。混合物を、ヘプタン中の50〜80%のEtOAcの勾配で溶出するシリカゲルカラム(1.5kg)に通して溶出して、2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンを得る。得られた固体をメチルtert−ブチルエーテル(250mL)で15分間粉砕し、濾過して、標題化合物124.5g(57%)を得る。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.39(m,1H),7.58(s,1H),7.47(m,1H),7.36(m,1H),3.61(m,4H),3.37(s,3H),1.59(s,6H).MS(m/z):337(M+1)。
合成法3
3つの別個のマイクロ波バイアルにそれぞれ、2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(1g、3.3mmol)、2−クロロピリジン−4−ボロン酸(580mg、3.62mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(152mg、0.16mmol)、トリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロボラート(363mg、0.99mmol)、リン酸カリウム三塩基性N水和物(3.56g、16.8mmol)、水(7.6mL)および1,4−ジオキサン(8mL)を入れた。バイアルをマイクロ波反応器中で120℃にて90分間加熱する。バイアルを室温に冷却し、バイアルの内容物を合わせる。得られた混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、無水硫酸ナトリウムを加える。混合物を15分間撹拌し、混合物をセライト(登録商標)で濾過する。固体をEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を25gのプレカラム上に充填し、ヘキサン中の5〜25%のアセトンの勾配を用いてさらなる120gのシリカゲルカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物2.55g(77%)を得る。MS(m/z):337(M+1)。
調製例38
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

EtOH(2L)中の2−ブロモ−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(15.8g、48mmol)および2−クロロピリジン−4−ボロン酸(10.5g、67mmol)の溶液を炭酸ナトリウム(水中に2M、50mL、100mmol)で処理する。混合物に窒素を15分間注入する。トランス−ジクロロ−ビス−トリフェニルホスフィンパラジウム(II)(1.0g、1.4mmol)を加える。混合物に窒素をさらに15分間注入する。反応混合物を60℃にて5時間加熱する。さらなる2−クロロピリジン−4−ボロン酸(2.2g)を加え、反応物を80℃にてさらに2時間加熱する。混合物を室温に冷却し、EtOAc(200mL)で希釈する。有機溶液を飽和NaClで洗浄する。有機溶液を減圧下で濃縮する。DCM中の0〜10%のアセトンの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(220g)によって残渣を精製して、標題化合物12.9g(74%)を得る。MS(m/z):363(M+1)。
以下の化合物を本質的に調製例38の方法によって調製する。
調製例46
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

DCM(56mL)中のtert−ブチル2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−4−オキソ−チエノ[2,3−c]ピロール−5−カルボキシレート(7.38g、19.5mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(65mL、859mmol)で処理し、混合物を2時間撹拌する。混合物を濃縮して乾燥させる。DCMおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、層を分離する。さらなるDCMで水層を逆抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を65gの充填カラム上に充填し、DCM中の0〜70%のACNの勾配を用いて220gのカラム上にカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物2g(37%)を得る。MS(m/z):279(M+1)。
調製例47
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

DMF(2.78mL)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(450mg、1.6mmol)、(R)−(+)−プロピレンオキシド(1.13mL、16.1mmol)およびトリエチルアミン(1.13mL、8.1mmol)の溶液を、密閉したチューブにおいて120℃にて一晩加熱する。混合物を室温に冷却し、混合物をEtOAcで希釈する。有機溶液を3部の5%塩化リチウム水溶液で洗浄する。水溶液を合わせ、EtOAcで逆抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させる。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固する。DCM中の70〜100%のEtOAcの勾配を用いて24gのカラム上でシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物395g(73%)を得る。MS(m/z):337(M+1)。
調製例48
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2R)−2−メトキシプロピル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

氷水浴中で、THF(8mL)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(415mg、1.2mmol)の溶液を冷却する。混合物を水素化ナトリウム(鉱油中の60wt%の懸濁液、79mg、1.3mmol)で処理し、この温度にて15分間撹拌する。混合物をヨウ化メチル(307μL、4.9mmol)で処理し、氷水浴を取り除き、混合物を一晩撹拌する。混合物を減圧下で濃縮乾固する。残渣をDCMで処理し、混合物を濾過して固体を除去する。固体をさらなるDCMで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮乾固する。ヘキサン中の30〜70%のEtOAcの勾配を用いて24gのカラム上でシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物379mg(88%)を得る。MS(m/z):351(M+1)。
調製例49
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

氷水浴中で、DMF(18mL)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(500mg、1.8mmol)の溶液を冷却する。この混合物を水素化ナトリウム(鉱油中の60wt%の懸濁液、108mg、2.7mmol)で処理し、この温度にて15分間撹拌する。混合物を2−ヨードエトキシシクロプロパン(761mg、3.6mmol)で処理し、氷水浴を取り除き、混合物を4時間撹拌する。反応物をEtOAcおよび飽和NaClでクエンチする。有機溶液を数回に分けて飽和NaClで洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶液を濾過し、固体をEtOAcで洗浄する。濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物651mg(99%)を得る。MS(m/z):363(M+1)。
調製例50
2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[2−(2,2−ジフルオロエトキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

氷水浴中で、DMF(18mL)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−5H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(500mg、1.8mmol)の溶液を冷却する。この混合物を水素化ナトリウム(鉱油中の60wt%の懸濁液、108mg、2.7mmol)で処理し、この温度にて15分間撹拌する。混合物を2−(2−ブロモエトキシ)−1,1−ジフルオロエタン(678mg、3.6mmol)で処理し、氷水浴を取り除き、混合物を一晩撹拌する。反応物を水でクエンチし、得られた沈殿物を回収する。固体を水およびジエチルエーテルで洗浄して、標題化合物625mg(90%)を得る。MS(m/z):387(M+1)。
以下の化合物を本質的に調製例50の方法によって調製する。
調製例54
4−クロロ−N−(2−メチルピラゾール−3−イル)ピリジン−2−アミン

1,4−ジオキサン(750mL)中の2,4−ジクロロピリジン(15.3g、103mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(11g、113mmol)、炭酸セシウム(6g、10mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.7g、5mmol)の溶液を密閉容器中で75℃にて一晩加熱する。反応物を室温に冷却し、水(1.5L)で希釈する。混合物を3部のDCMで抽出する。水層を濾過して固体を除去し、濾液を2部のEtOAcで抽出する。全ての有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮する。生成物を260gのプレカラム上に充填し、DCM中の1〜5%のMeOHの勾配を用いて750gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物16.8g(78%)を得る。MS(m/z):209(M+1)。
調製例55
tert−ブチル6,6−ジメチル−2−[2−[(2−メチルピラゾール−3−イル)アミノ]−4−ピリジル]−4−オキソ−チエノ[2,3−c]ピロール−5−カルボキシレート

1,4−ジオキサン(8mL)中のtert−ブチル2−(2−クロロ−4−ピリジル)−6,6−ジメチル−4−オキソ−チエノ[2,3−c]ピロール−5−カルボキシレート(400mg、1.06mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(308mg、3.17mmol)、炭酸セシウム(1.03g、3.17mmol)、酢酸パラジウム(II)(9mg、0.04mmol)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(37mg、0.06mmol)の溶液を、密閉容器中で95℃にて16時間加熱する。1−メチル−5−アミノピラゾール(103mg、1.06mmol)、炭酸セシウム(334mg、1.06mmol)、酢酸パラジウム(II)(9mg、0.04mmol)および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(37mg、0.06mmol)を加える。混合物を95℃にて一晩加熱する。反応物を室温に冷却し、水およびDCMで希釈する。層を分離した後、DCM中の10%のMeOHで水層を抽出する。有機抽出物を合わせ、減圧下で濃縮する。生成物を5gの充填カラム上に充填し、DCM中の5〜15%のMeOHの勾配を用いて40gのカラム上でカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、標題化合物75mg(16%)を得る。MS(m/z):440(M+1)。
実施例1
5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

合成法1
2つのスクリュートップガラス圧力容器において、以下の量、2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(13g、38.59mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(11.245g、115.78mmol)、炭酸セシウム(37.724g、115.78mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(2.010g、3.47mmol)、酢酸パラジウム(II)(520mg、2.32mmol)および1,4−ジオキサン(350mL)を2等分に分け、合わせる。各容器を密閉し、110℃にて一晩加熱する。反応混合物をDCM(2L)中の10%のMeOHで希釈し、得られた溶液を飽和NaClで洗浄する。DCMで水溶液を逆抽出し、有機溶液を合わせる。合わせた溶液を無水硫酸ナトリウムと無水硫酸マグネシウムの混合物で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をDCMを有する260gの充填カラム上に充填し、次いでヘキサン中のEtOAc中の10%MeOHの60〜100%の勾配を用いて750gのシリカゲルカラム上で充填カラムを溶出することによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物8.4g(55%)を得る。MS(m/z):398(M+1)。
合成法2
トルエン(1.5L)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(100g、298mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(43g、446mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(57g、595mmol)の溶液に15分間窒素を注入する。得られた混合物を、(R)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(1.61g、3mmol)およびビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)(2.12g、3mmol)で処理する。混合物に窒素をさらに15分間注入し、3時間還流する。反応物を10℃に冷却し、濾過により得られた固体を回収する。固体をDCM(4L)に溶解し、半飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2L)で洗浄する。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。固体をジエチルエーテル(500mL)で30分間スラリーにし、次いで濾過する。固体をDCM(1L)に溶解し、シリカゲル(300g)に吸収させる。DCM中の5%のMeOHを有するシリカゲルカラム(600g)上で混合物を溶出して、5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン107g(82%)を得る。使用する塩基(炭酸カリウム)が異なる1つのバッチを用いて、上記の方法を使用して生成物のいくつかのバッチを作る。5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(254g)の合わせたバッチをDCM(2.5L)に溶解する。この溶液をSiliaMetS(登録商標)チオール(75g、1.28mmol/g、40〜63ミクロン)で処理し、反応物を18時間撹拌する。混合物を濾過して固体を除去し、第2の部のSiliaMetS(登録商標)チオール(75g、1.28mmol/g、40〜63ミクロン)で濾液を処理する。混合物をさらに18時間撹拌する。濾過して固体を除去し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた固体をトルエン(600mL)中で40℃にて30分間粉砕する。真空濾過により固体を回収する。得られた固体をトルエン(300mL)中で40℃にて30分間粉砕する。真空濾過により固体を回収し、真空下30℃にて14時間乾燥させて、標題化合物223gを得る。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.15(d,1H),7.54(d,1H),7.46(s,1H),7.02(brs,1H),6.95(m,1H),6.63(d,1H),6.19(d,1H),3.79(s,3H),3.60(m,4H),3.36(s,3H),1.56(s,6H).MS(m/z):398(M+1)。
実施例1、結晶形1
5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(結晶形1)
丸底フラスコにおいて、最小量のDCMを有するMeOHおよびEtOAc中で5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(15.31g)をスラリーにし、その物質が、可能な限り少量の溶媒を有する溶液に溶けるまでロータリーエバポレーターで加熱する。溶液を濃縮乾固する。わずかに着色した固体沈殿物が自由に流れるまで、得られた固体をEtOAcおよび少量のMeOHで希釈する。溶液をエーテルおよびヘキサンで希釈し、ロータリーエバポレーターで回転させる。スラリーを超音波処理機で粉砕し、次いでスラリーを静置する。真空濾過により固体を回収し、エーテルおよびヘキサンで洗浄する。固体を真空オーブン中で乾燥させて、標題化合物14.1gを得る。
実施例1、結晶形2
5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(結晶形2)
透明な溶液が持続するまで、EtOH(200プルーフ、1200mL)および水(400mL)中の5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(223g)を60℃にて加熱する。溶液を45〜50℃に冷却し、溶液を水(1600mL)で1時間にわたって希釈する。混合物を室温に冷却し、真空濾過により固体を回収する。得られた固体を真空下で35℃にて18時間乾燥させて、標題化合物209gを得る。
実施例2
5−[2−(シクロプロピルオキシ)エチル]−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

合成法1
ガラス圧力容器において、2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(350mg、0.96mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(187mg、1.9mmol)、炭酸セシウム(943mg、2.9mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(84mg、0.14mmol)および1,4−ジオキサン(8mL)を合わせる。混合物を15分間脱気し、酢酸パラジウム(II)(22mg、0.1mmol)を加える。容器を密閉し、90℃にて一晩加熱する。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、EtOAcおよびDCMで洗浄する。濾液を濃縮する。残渣を、逆相クロマトグラフィー(100gのREDISEP RF GOLD(登録商標)高速C18逆相カラム、5〜100%のギ酸/ギ酸中のACN/水、30カラム体積勾配)によって精製する。適切な画分を最小体積に濃縮し、得られた水溶液をDCMと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配する。層を分離し、有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を50℃にて1時間真空乾燥させて標題化合物247mg(60%)を得る。MS(m/z):424(M+1)。
合成法2
トルエン(150mL)中の2−(2−クロロ−4−ピリジル)−5−[2−(シクロプロポキシ)エチル]−6,6−ジメチル−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(13.9g、121mmol)、1−メチル−5−アミノピラゾール(11g、113mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(6.5g、68mmol)の溶液に15分間窒素を注入する。得られた混合物を(R)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(200mg、0.36mmol)およびビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)(250mg、0.35mmol)で処理する。反応混合物を1時間加熱還流する。反応物を室温に冷却し、EtOAc(500mL)で希釈する。有機溶液を水(300mL)で洗浄する。有機相を分離し、減圧下で濃縮する。残渣をDCM(150mL)に溶解し、溶液をSILIAMETS(登録商標)チオール(40g、1.28mmol/g、40〜63ミクロン)で処理し、混合物を4時間撹拌する。濾過して固体を除去し、濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物11.1g(86%)を得る。MS(m/z):424(M+1)。
以下の化合物を本質的に実施例2の方法によって調製する。触媒、リガンドおよび/または塩基の変化を示す。




実施例25
5−(2−メトキシエチル)−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

無水EtOH(170mL)中の4−クロロ−N−(2−メチルピラゾール−3−イル)ピリジン−2−アミン(2.0g、9.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.9g、19mmol)、酢酸カリウム(3.3g、34mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(228mg、0.48mmol)およびクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)(226mg、0.29mmol)の溶液に窒素を2分間注入する。混合物を60℃にて2.5時間加熱する。加熱を75℃に上昇させ、一晩加熱する。反応物を室温に冷却し、生成物を溶液として使用する。この溶液(40mL)の一部を、さらなるEtOH(24mL)中の2−ブロモ−5−(2−メトキシエチル)−6H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(300mg、1.1mmol)、リン酸カリウム三塩基性N水和物(692mg、3.26mmol)と合わせる。反応物を75℃にて1時間加熱する。混合物を水(9mL)で処理し、反応物を75℃にて一晩加熱する。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(200mg)を加え、加熱を6時間継続する。反応物を室温に冷却し、反応物をDCMで希釈する。有機溶液を飽和NaClで洗浄する。水溶液をさらなるDCMで逆抽出する。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させる。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮する。生成物を25gの充填カラム上に充填し、DCM中の0〜5%のMeOHの勾配を用いて40gのカラム上でカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を精製して、標題化合物90mg(23%)を得る。MS(m/z):370(M+1)。
実施例26
6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン

DCM(10mL)中のtert−ブチル6,6−ジメチル−2−[2−[(2−メチルピラゾール−3−イル)アミノ]−4−ピリジル]−4−オキソ−チエノ[2,3−c]ピロール−5−カルボキシレート(120mg、0.27mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(5mL)で処理する。得られた混合物を2時間撹拌する。反応物を減圧下で濃縮し、残渣をDCMに溶解する。有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。層を分離し、水層をDCM中の10%のMeOHで逆抽出する。有機溶液を合わせ、減圧下で濃縮する。生成物を5gのプレカラム上に充填し、EtOAc中の4〜10%のMeOHの勾配を用いて40gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製する。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮する。生成物を25gのプレカラム上に充填し、EtOAc中の0〜10%MeOHの勾配を用いて40gのカラム上でプレカラムを溶出することによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製する。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、標題化合物87mg(94%)を得る。MS(m/z):340(M+1)。
実施例27
6−エチル−5−(2−メトキシエチル)−6−メチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン、異性体1

キラルクロマトグラフィーによって6−エチル−5−(2−メトキシエチル)−6−メチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オン(実施例20)を精製する。Chiralpak(登録商標)IA;MP:0.2%のイソプロピルアミンを含有するACN中の10%のMeOH;流量:1.0mL/分;UVW:225nm;4.96分、MS(m/z):412(M+1)。
以下の化合物を本質的に実施例27の方法によって調製する。代替の精製条件を示す。
X線粉末回折
結晶性固体のXRDパターンを、35kVおよび50mAで作動する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えたBruker D4 EndeavorX線粉末回折装置上で得る。試料を、2θでの4〜40°で、2θでのステップサイズ0.009°および走査速度0.5秒/ステップを用い、ならびに0.6mmの発散、5.28mmの固定抗散乱、および9.5mmの検出器スリットを用いて走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダに詰めて、滑面をスライドガラスを使用して得る。結晶形回折パターンを周囲温度および相対湿度で得る。結晶学技術分野において周知なのは、任意の所与の結晶形に関して、回折ピークの相対強度が、結晶形および晶癖などの因子から生じる優先配向に起因して異なる可能性があることである。優先配向の効果が存在する場所では、ピーク強度が変化するが、多形体の特徴的ピーク位置は変化しない。さらに、任意の所与の結晶形に関して、ピーク角度位置が若干変化する場合があるということも結晶学技術分野では周知である。例えば、試料を解析する温度もしくは湿度の変動、試料変位、または内部標準の存在もしくは非存在に起因して、ピーク位置はシフト可能である。この場合、2θでの±0.2のピーク位置変動は、示される結晶形の明白な同定を妨げることなく、これらの潜在的変動を考慮にいれることにする。結晶形の確認は、区別可能なピーク(°2θ単位での)、典型的にはより顕著なピークの任意の特有の組み合わせに基づいてなされ得る。周囲温度および相対湿度で得られる結晶形回折パターンを、8.853および26.774°2θでのNIST675標準ピークに基づいて調整する。
実施例1、結晶形1のX線粉末回折
実施例1の結晶形1の調製した試料を、CuKa放射線を使用してXRDパターンによって、以下の表10に記載される回折ピーク(2θ値)を有し、特に、0.2°の回折角に対する許容誤差で、8.0°、12.8°、15.9°、16.8°および19.5°からなる群から選択されるピークの1つ以上と共に24.2°でのピークを有すると特徴付ける。
実施例1、結晶形2のX線粉末回折
実施例1の結晶形2の調製した試料を、CuKa放射線を使用してXRDパターンによって、以下の表11に記載される回折ピーク(2θ値)を有し、特に、0.2°の回折角に対する許容誤差で、8.5°、9.2°、16.5°、20.3°および23.3°からなる群から選択されるピークの1つ以上と共に18.5°でのピークを有すると特徴付ける。
いくつかの系統の証拠により、腫瘍発生、成長および進行に関与するプロセスが、癌細胞における1つ以上のシグナル伝達経路の活性化によって媒介されることが示される。マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路は細胞増殖および生存の重要な調節因子である。ERKはこの経路の下流メンバーであり、EGFR、FGFR、PDGFR、VEGFRなどの活性化受容体チロシンキナーゼ(RTK)からの細胞外シグナルの伝達において中心的役割を果たす。この経路は、RAF、MEKおよびERK(細胞外シグナル調節キナーゼ)キナーゼからなる3つの段階的キナーゼカスケードであり、この経路の活性化はRAS、低分子GTPaseの活性化により開始する。RASの活性化により、RAFの動員、セリン/トレオニンキナーゼおよびその活性化が生じる。次いで活性化したRAFはリン酸化し、MRK1/2を活性化し、それは次にリン酸化し、ERK1/2を活性化する。活性化すると、ERK1/2は、細胞増殖、成長、生存およびEMT(上皮から間葉の変化)に関与するいくつかの下流の細胞質および核標的物をリン酸化する。
RAS/MAPK経路は細胞増殖についての最も重要な経路の1つであり、この経路は全てのヒト癌の約30%において頻繁に活性化されると考えられる。構成的MAPK経路活性化は、RAS、BRAF、MEK1における変異の活性化、腫瘍抑制因子NF1の損失または変異によって媒介される上流活性化、RTKの増幅またはリガンド媒介活性化に起因し得る。3つ全てのRASファミリー遺伝子(KRAS、NRASおよびHRAS)は、最も一般的にはコドン12、13および61における一点変異の結果として、大腸癌、黒色腫、肺癌および膵癌を含む、いくつかの癌において体細胞変異することが示されている。これらの変異は、増加したERK1/2活性および成長シグナル伝達を伴うRASの構成的活性化を引き起こす。KRASのコドン12、13および61における変異は、EGFRを阻害する化合物およびモノクローナル抗体に耐性を与える。KRAS変異は、肺癌の30%、膵癌の90%、胃癌の10%および大腸癌の50%において見出される。NRAS変異は黒色腫の約10〜25%において検出された。さらに、RAS変異(HRAS、KRASおよびNRAS)は甲状腺癌の約55〜60%において識別されている。BRAFにおける体細胞点突然変異は、ヒト腫瘍の約8%、最も頻繁には黒色腫(60%)、大腸癌(10%)および甲状腺癌(50%)において発生する。黒色腫において、全てのBRAF変異はキナーゼドメイン内であるように見え、単一置換(T→A、V600E)は変異の80%を占める。BRAF変異は、まれな例外として、RAS変異との相互排他的パターンにおいて見出され、これらの遺伝子変化は共通の下流エフェクターを活性化することが示唆される。
生物学的アッセイ
以下のアッセイは、本発明の例示的な化合物がERK1およびERK2キナーゼ活性の阻害剤であることを実証している。以下のアッセイの結果はまた、本発明の例示的な化合物が癌細胞におけるERKシグナル伝達を阻害することを実証している。さらに、実施例1の化合物は、癌の特定の異種移植腫瘍モデルにおけるERK経路標的阻害を実証している。さらに、実施例1の化合物は癌の特定の異種移植腫瘍モデルにおける腫瘍成長を阻害する。
ERK1キナーゼアッセイ
このアッセイの目的は、ERK1キナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定することである。TR−FRETアッセイを使用してインビトロでERK1キナーゼアッセイを実施する。384ウェルPROXIPLATE(商標)(Perkin Elmer、#GRN6260)において、5μLのERK1酵素(Invitrogen、#PR5254B、最終濃度100ng/mL)と基質GFP−ATF2(Invitrogen、#PV4445、最終濃度0.2μM)、キナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.4、5mMのMgCl、0.1mMのEGTA、0.01%のTriton X−100、1mMのDTT)中で調製した5μLのATP溶液(Invitrogen、#PV3227、最終濃度10μM)およびDMSO溶液中の2.5μLの試験化合物(最終4%、v/v)を加えることによって反応(12.5μL)を開始する。反応混合物を室温にて60分間インキュベートする。TR−FRET希釈緩衝液(Invitrogen、#PV3574)中の12.5μLの停止緩衝液(10mMのEDTA、2nMのTb−抗pATF2(pThr71)抗体、Invitrogen、#PV4448)を加えることによって反応を停止させる。プレートを室温にてさらに60分間インキュベートし、励起波長340nmにてENVISION(登録商標)(PerkinElmer)プレートリーダーで読み取る。GFPアクセプター放出シグナル(520nmにて)をTbドナー放出シグナル(495nmにて)で割ることによってTR−FRET比を算出する。オンプレートMax(DMSO対照)およびMin(酵素添加なし)対照ウェルTR−FRET比データに対して化合物処理したウェルを使用して阻害パーセントを算出する{阻害%=100−[(試験化合物−中央値Min)/(中央値Max−中央値Min)×100]}。1:3の希釈スキームを使用して10の濃度(20μM〜0.001μM)にて全ての化合物を試験する。ACTIVITYBASE(登録商標)7.3(ID Business Solutions Limited)を使用して阻害パーセントおよび10点濃度データを4−パラメーター非線形ロジスティック式(式205)に適合することによってAbs_IC50値を導く。
本発明の範囲内の例示した化合物を実質的に上記のようにこのアッセイにおいて試験する。このアッセイの結果は、例示した化合物の全てが、0.15μM未満のIC50値でERK1キナーゼ活性を阻害することを実証している。例えば、実施例1の化合物は1.50nM(±0.608、n=16)のIC50値を有する。
ERK2キナーゼアッセイ
このアッセイの目的は、ERK2キナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定することである。TR−FRETアッセイを使用してインビトロでERK2キナーゼアッセイを実施する。384ウェルPROXIPLATE(商標)(Perkin Elmer、#GRN6260)において、5μLのERK2酵素(Invitrogen、#PV3595B、最終濃度50ng/mL)と基質GFP−ATF2(Invitrogen、#PV4445、最終濃度0.2μM)、キナーゼ緩衝液(50mMのHepes pH7.4、5mMのMgCl、0.1mMのEGTA、0.01%のTriton X−100、1mMのDTT)中で調製した5μLのATP溶液(Invitrogen、#PV3227、最終濃度10μM)およびDMSO溶液中の2.5μLの試験化合物(最終4%、v/v)を加えることによって全ての反応(12.5μL)を開始する。反応物を室温にて60分間インキュベートする。TR−FRET希釈緩衝液(Invitrogen、#PV3574)中の12.5μLの停止緩衝液(10mMのEDTA、2nMのTb−抗pATF2(pThr71)抗体、Invitrogen、#PV4448)を加えることによって反応を停止させる。プレートを室温にてさらに60分間インキュベートし、励起波長340nmにてENVISION(登録商標)(PerkinElmer)プレートリーダーで読み取る。GFPアクセプター放出シグナル(520nmにて)をTbドナー放出シグナル(495nmにて)で割ることによってTR−FRET比を算出する。オンプレートMax(DMSO対照)およびMin(酵素添加なし)対照ウェルTR−FRET比データに対して化合物ウェルを使用して阻害パーセントを算出する{阻害%=100−[(試験化合物−中央値Min)/(中央値Max−中央値Min)×100]}。1:3希釈スキームを使用して10の濃度(20μM〜0.001μM)で全ての化合物を試験する。ACTIVITYBASE7.3(ID Business Solutions Limited)を使用して阻害パーセントおよび10点濃度データを4−パラメーター非線形ロジスティック式(式205)に適合することによってAbs_IC50値を導く。
本発明の範囲内の例示した化合物を実質的に上記のようにこのアッセイにおいて試験する。このアッセイの結果は、例示した化合物の全てが、0.15μM未満のIC50値でERK2キナーゼ活性を阻害することを実証している。例えば、実施例1の化合物は1.93nM(±0.682、n=17)のIC50値を有する。
ERK1/2細胞機構アッセイ(pRSK1アルファスクリーンアッセイ)
このアッセイの目的は、インビトロで癌細胞におけるERKシグナル伝達を阻害する化合物の能力を測定することである。HCT116大腸癌細胞株(ATCC、#CCL−247)を使用してpRSK1アルファスクリーンアッセイを実施する。T−150フラスコ内で5%ウシ胎仔血清(FBS)(Gibco、#16000−044)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Hyclone、#SH30022)成長培地中でHCT116細胞を慣用的に培養し、37℃にて5%COインキュベーター内でインキュベートする。細胞がコンフルエントになると細胞を採取し、「アッセイの準備ができた凍結細胞」として1×10e細胞/mLにて凍結培地中で凍結させ、液体窒素中で保存する。アッセイを実施するために、96ウェル組織培養プレートに40,000HCT116細胞/ウェルを播種し、5%COインキュベーター内で37℃にて一晩インキュベートする。20μMの最も高い濃度で開始して10の濃度で化合物を試験し、0.5%(v/v)の最終DMSO濃度で1:3希釈スキーム(20μM〜0.001μM)を利用する。20μLの無血清成長培地中に化合物を加え、37℃にて2時間インキュベートする。成長培地を取り除き、1×holtプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤カクテル[Thermo、#78441]を含有する50μLの1×溶解緩衝液[Cell Signaling Technology、#9803]を各ウェルに加え、振盪器で室温にて10分間インキュベートする。各ウェルからの4μLの細胞溶解物を384ウェルアッセイプレート[Perkin Elmer、#6006280]におけるそれぞれのウェルに移し、5μLの反応混合物[2000部の1×アッセイ緩衝液(Perkin Elmer、#A1000)、1部のビオチン−RSK1抗体(Santa Cruz、#sc−231−B−G)、4部のpRSK1抗体(Abcam、#ab32413)、35部のアクセプタービーズ(Perkin Elmer、#6760617R)]を加える。プレートをホイルプレートシール(Beckman Coulter、#538619)で密閉し、室温にて2時間インキュベートする。2μLのドナービーズ[20部の1×アッセイ緩衝液、1部のドナービーズ]を各ウェルに加え、プレートを透明なプレートシール(Applied Biosystems、#4311971)で密閉し、暗所で室温にて2時間インキュベートする。ENVISION(登録商標)(PerkinElmer)プレートリーダーでプレートを読み取ることによって各ウェルにおける蛍光強度を測定する。ACTIVITYBASE(登録商標)7.3(ID Business Solutions Limited)を使用してpRSK1阻害パーセント[阻害%=100−[(試験化合物−中央値Min)/(中央値Max−中央値Min)×100]および10点濃度データを4−パラメーター非線形ロジスティック式(Abase式205)に適合することによってRel IC50値を導く。
本発明の範囲内の例示した化合物を実質的に上記のようにこのアッセイにおいて試験する。このアッセイの結果は、例示した化合物の全てが、腫瘍細胞において3μM未満のIC50値でERK基質(RSK)リン酸化を阻害することを実証している。例えば、実施例1の化合物は0.261μM(±0.0876、n=10)のIC50値を有する。
インビボでの標的阻害(IVTI)アッセイ(pRSK1 ELISAアッセイ)
このアッセイの目的は、動物モデルにおけるERK1/2基質リン酸化を阻害する試験化合物の能力を測定することである。Harlan Laboratoriesからのメスの無胸腺ヌードマウス(22〜25g)に、200μLの1:1のハンクス平衡塩溶液(HBSS)+マトリゲル溶液中の5×10eのHCT116大腸癌細胞(ATCC、#CCL−247)を右脇腹領域の皮下に移植する。移植の7日後に開始して1週間に2回、腫瘍成長および体重を測定する。腫瘍サイズが300〜500mmに到達したとき、動物を無作為化し、5匹の動物の群に分類する。化合物特異的ビヒクル中の適切な用量の化合物またはビヒクル単独(ビヒクル:1%HEC/0.25%Tween80/0.05%消泡剤)のいずれかを動物に経口投与し、投与後、所望の時間間隔で腫瘍および血液を採取する。イソフルラン麻酔と頸椎脱臼を使用して動物を屠殺する。腫瘍を急速冷凍し、ELISAアッセイによってpRSK1レベルを処理するまで−80℃で保存する。EDTAチューブ内に血液を回収し、血漿を沈殿させ、96ウェルプレート内で−80℃にて凍結する。標準的な方法を使用して化合物曝露を測定する。
液体窒素中で腫瘍を粉砕し、冷室(4℃)でFastPrep−24(商標)細胞破壊器(MP Biomedical)においてマトリクスDビーズ(MP Biomedical、#6913−500)を使用して、1×haltプロテアーゼおよびリン酸塩阻害剤カクテル(Thermo Scientific、#0861281)、1mMのフッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF)(Sigma、#93482−50ML−F)および1μMのメタバナジン酸ナトリウム(Sigma、#590088)を含有する1×溶解緩衝液(MSD、#R60TX−3)中に溶解する。4℃、14000rpmにて20分間回転させた後、腫瘍溶解物を新たなチューブに移す。Pierce BCAタンパク質アッセイキット(カタログ番号23225、Thermo Scientific)を使用して腫瘍または細胞溶解物のタンパク質濃度を測定する。このキットは、3つの主な成分−(1)0.1Mの水酸化ナトリウム中に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ビシンコニン酸および酒石酸ナトリウムを含有するBCA試薬A、(2)4%の硫酸銅を含有するBCA試薬B、ならびに(3)0.9%の生理食塩水および0.05%のアジ化ナトリウム中で2mg/mLを含有するアルブミン標準アンプルを含む。96ウェルプレート中に、二連ウェルにおいて25μLで20〜2000ug/mLの濃度範囲のウシ血清アルブミンタンパク質標準物を加えて標準曲線を生成する。25μLの1×PBS中で希釈した細胞または腫瘍溶解物を二連試験ウェルに加える。2%の試薬Bを試薬Aに加える(2mLのB+98mLのA)ことによって作業BCA試薬を調製し、ウェルを混合し、200μLを各試料または標準物に加える。ウェルを混合し、プレートを覆い、37℃にて30分間インキュベートする。プレートを室温に冷却し、562nmにおいてまたは562nm付近で吸光度をプレートリーダー(Perkin Elmer製のEnvisionプレートリーダー)で測定する。ブランク標準複製物の平均562nm吸光測定値を全ての他の個々の標準および未知(細胞または腫瘍溶解物)試料複製物の562nm測定値から差し引く。各々のウシ血清アルブミン標準物についての平均ブランク補正562nm測定値をその濃度(μg/mL)に対してプロットすることによって標準曲線を作成する。標準曲線を使用して、各々の未知の試料のタンパク質濃度をMicrosoft Excelでの曲線適合対数を使用して決定する。−80℃にて腫瘍溶解物を凍結させたままにする。一度凍結解凍した腫瘍溶解物を使用して、サンドイッチELISAによってpRSK1発現を測定する。
96ウェルプレート(Thermo、#15042)を4℃にて一晩、40ngのRSK1ヤギ抗体(Santa Cruz、#sc−231−G)でコーティングし、室温にて1時間、次いで4℃にて一晩インキュベートする。300μLのPBST(0.05%のTween−20を含有する1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS))で3回プレートを洗浄し、100μL/ウェルの遮断緩衝液(Thermo Scientific、#37532)で遮断し、室温にて2時間インキュベートする。300μLのPBSTでプレートを3回洗浄し、20μgの腫瘍溶解物を各ウェルに移し、4℃にて一晩インキュベートする。300μLのPBSTでプレートを3回洗浄し、100μLのpRSK1(T359/S363)ウサギ抗体(遮断緩衝液中で1:1000希釈)と室温にて1時間インキュベートする。300μLのPBSTでプレートを3回洗浄し、100μLの抗ウサギHRPコンジュゲート二次抗体(GE Healthcare UK、#NA934V;遮断緩衝液中で1:10000希釈)とインキュベートする。室温にて1時間インキュベートする。300μLのPBSTでプレートを3回洗浄し、100μLのSUPERSIGNAL(登録商標)ELISA Femto最大感度基質(Thermo、#37075)を加え、振盪器で1分間インキュベートする。ENVISION(登録商標)プレートリーダーを使用して発光シグナルを決定する。ビヒクル(ビヒクル:1%HEC/0.25%Tween80/0.05%消泡剤)単独で処理した動物由来の腫瘍溶解物を100%とみなすことによって各腫瘍溶解物においてpRSK1レベルを決定する。各試料を二連で分析し、計算のために平均数を使用する。ExcelおよびXL Fitを使用してTED50を算出する。
本発明の範囲内である化合物を実質的に上記のようにこのアッセイにおいて試験する。このアッセイの結果は、実施例1の化合物が腫瘍異種移植モデルにおいてRSK1リン酸化を阻害することを実証している。例えば、実施例1の化合物は12mg/kgのTED50値を有する。
異種移植腫瘍モデル
このアッセイの目的は、試験化合物投与に反応する腫瘍体積の減少を測定することである。培養物中でヒト大腸癌細胞HCT116(ATCC、#CCL−247)またはヒト非小細胞肺癌細胞NCI−H358(ATCC、#CRL−5807)を増殖させ、採取し、200μLの1:1のHBSS+マトリゲル溶液中の5×10e細胞を、メスの無胸腺ヌードマウス(22〜25gm、Harlan Laboratories)の後部右脇腹に皮下注射する。培養物中でヒト膵癌細胞SW1990(ATCC、#CRL−2172)を増殖させ、採取し、200μLの1:1のHBSS+マトリゲル溶液中の2×10e細胞を、メスの無胸腺ヌードマウス(22〜25gm、Harlan Laboratories)の後部右脇腹に皮下注射する。培養物中でヒト膵癌細胞MIA PACA−2(ATCC、#CRL−1420)またはヒト非小細胞肺癌細胞A549(ATCC、#CC1−185)を増殖させ、採取し、200μLの1:1のHBSS+マトリゲル溶液中の5×10e細胞を、メスのCB−17 SCIDマウス(22〜25gm、Charles River Laboratories International Inc.)の後部右脇腹に皮下注射する。培養物中でヒト黒色腫細胞A−375(ATCC、#CRL−1619)を増殖させ、採取し、200μLの1:1のHBSS+マトリゲル溶液中の5×10e細胞を、メスのNIHヌードラット(140〜160gm、Taconic Farms)の後部右脇腹に皮下注射する。移植の7日後に開始して1週間に2回、腫瘍成長および体重を測定する。腫瘍サイズが200〜400mmに到達したとき、動物を無作為化し、8〜10匹の動物の群に分類する。適切なビヒクル(ビヒクル:1%HEC/0.25%Tween 80/0.05%消泡剤)中に試験化合物を調製し、14〜28日間、経口強制投与する。腫瘍反応を、処置過程の間、1週間に2回実施する腫瘍体積測定によって決定する。
本発明の範囲内である化合物を実質的に上記のようにこのアッセイにおいて試験する。実施例1の化合物は以下の表12に提供されるようなデルタT/C%値を有することが見出される。これらの結果は、実施例1の化合物が、HCT116、MIA PACA−2、CALU−6、SW1990、NCI−H358、A549およびA−375を含む、いくつかのヒト癌異種移植モデルにおいて有意な抗腫瘍活性を実証していることを示す。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]
以下の式の化合物:

(式中、
は、水素、2−メトキシエチル、2−(シクロプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、2−(2,2−ジフルオロエトキシ)エチル、2−(トリジュウテリオメトキシ)エチル、2−(トリフルオロメトキシ)エチル、2−メトキシプロピル、(2R)−2−メトキシプロピル、または(2S)−2−メトキシプロピルであり、
およびR は、独立して、水素、メチル、もしくはエチルであるか、またはR およびR は一緒になってシクロプロピルまたはシクロペンチルを形成してもよく、
は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−メトキシエチルであり、
は、水素、メチルまたはシクロプロピルである)
またはその薬学的に許容可能な塩。
[2]
およびR はメチルである、[1]に記載の化合物または塩。
[3]
は2−メトキシエチルである、[2]に記載の化合物または塩。
[4]
はメチルである、[3]に記載の化合物または塩。
[5]
は水素である、[3]に記載の化合物または塩。
[6]
5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである、[4]に記載の化合物または塩。
[7]
5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである、[6]に記載の化合物。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
[9]
有効量の[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物または塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、癌を治療する方法。
[10]
前記癌は、黒色腫、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌からなる群から選択される、[9]に記載の方法。
[11]
前記癌は、大腸癌である、[10]に記載の方法。
[12]
前記癌は、膵癌である、[10]に記載の方法。
[13]
前記癌は、非小細胞肺癌である、[10]に記載の方法。
[14]
療法に使用するための[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物または塩。
[15]
癌の治療に使用するための[1]〜[7]のいずれかに記載の化合物または塩。
[16]
前記癌は、黒色腫、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌からなる群から選択される、[15]に記載の使用のための化合物または塩。
[17]
前記癌は、大腸癌である、[16]に記載の使用のための化合物または塩。
[18]
前記癌は、膵癌である、[16]に記載の使用のための化合物または塩。
[19]
前記癌は、非小細胞肺癌である、[16]に記載の使用のための化合物または塩。

Claims (19)

  1. 以下の式の化合物:
    (式中、
    は、水素、2−メトキシエチル、2−(シクロプロポキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、2−(2,2−ジフルオロエトキシ)エチル、2−(トリジュウテリオメトキシ)エチル、2−(トリフルオロメトキシ)エチル、2−メトキシプロピル、(2R)−2−メトキシプロピル、または(2S)−2−メトキシプロピルであり、
    およびRは、独立して、水素、メチル、もしくはエチルであるか、またはRおよびRは一緒になってシクロプロピルまたはシクロペンチルを形成してもよく、
    は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−メトキシエチルであり、
    は、水素、メチルまたはシクロプロピルである)
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  2. およびRはメチルである、請求項1に記載の化合物または塩。
  3. は2−メトキシエチルである、請求項2に記載の化合物または塩。
  4. はメチルである、請求項3に記載の化合物または塩。
  5. は水素である、請求項3に記載の化合物または塩。
  6. 5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである、請求項4に記載の化合物または塩。
  7. 5−(2−メトキシエチル)−6,6−ジメチル−2−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)アミノ]ピリジン−4−イル}−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピロール−4−オンである、請求項6に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  9. 求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または塩を含む、癌を治療するための医薬組成物
  10. 前記癌は、黒色腫、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌からなる群から選択される、請求項9に記載の医薬組成物
  11. 前記癌は、大腸癌である、請求項10に記載の医薬組成物
  12. 前記癌は、膵癌である、請求項10に記載の医薬組成物
  13. 前記癌は、非小細胞肺癌である、請求項10に記載の医薬組成物
  14. 療法に使用するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  15. 癌の治療に使用するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  16. 前記癌は、黒色腫、大腸癌、膵癌、および非小細胞肺癌からなる群から選択される、請求項15に記載の使用のための化合物または塩。
  17. 前記癌は、大腸癌である、請求項16に記載の使用のための化合物または塩。
  18. 前記癌は、膵癌である、請求項16に記載の使用のための化合物または塩。
  19. 前記癌は、非小細胞肺癌である、請求項16に記載の使用のための化合物または塩。
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