JP6320664B2 - 地図作成装置および地図作成方法 - Google Patents
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Description
センサーから地物表面の各点までの距離と方向を計測して前記センサーを中心とする相対空間の点群データを生成する相対位置取得手段と、
前記センサーの位置と姿勢を計測してセンサー位置データを生成するセンサー位置取得手段と、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データとに基づいて絶対空間における点群の位置情報を算出する絶対位置算出手段と、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データに基づき、絶対空間における前記センサーから点群の各点への方向ベクトルを求める方向ベクトル算出手段と、
絶対空間における前記点群の位置情報と前記方向ベクトルに基づき、面を構成する点を抽出し、抽出された点の分布に基づき領域の輪郭を求める領域検出手段と、
検出した前記領域の輪郭を線で示した図を作成する作図手段と、
を備え、
前記領域検出手段は、
三次元空間内に基準とする基準面を設定する基準面設定手段と、
近傍点の方向ベクトルの分布が前記基準面と前記センサー位置データの位置関係から推定したベクトル分布に適合する点を抽出する点群抽出手段と、
を有することを特徴とするものである。
図1はこの発明の実施の形態1に係る地図作成装置の構成例を示した図である。また、図2はこの発明の実施の形態1に係る地図作成装置の処理フローの例を示した図である。この図は実施の形態1に係る地図作成装置の機能ブロック図にも対応している。
図1において、1は移動計測車両、2はデータ処理装置、11はレーザー計測装置、12はIMU(Inertial Measurement Unit;慣性計測装置)、13はGPS(Global Positioning System)受信機、14は外部記憶装置、15はPC(制御装置)、21はPC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)、22は外部記憶装置、23は入力装置(マウス、キーボード)、24はディスプレイ、25はプリンタ、である。
次に図1に示すシステムの各構成要素について説明する。
移動計測車両1は、車両に以下の各装置を搭載し、走行しながら計測データを取得する。レーザー計測装置11は、レーザー光を各方向に照射し、反射光を観測することにより対象までの距離と方向を計測する装置である。IMU12は、慣性の法則を利用して車両の姿勢変化を計測する装置である。GPS受信機13は、衛星からの電波を受信し、車両の絶対位置を計測する装置である。外部記憶装置14は、各装置の計測データを時刻と対応付けて記憶する。PC(制御装置)15は、レーザー計測装置11、IMU12、GPS受信機13を制御し、計測データを外部記憶装置14に記憶する。パーソナルコンピュータを用いて構成することができる。
次にこのシステムにおける地図作成装置の処理の流れについて、図2を参照しながら説明する。
移動計測車両1において、レーザー計測装置11はレーザー照射装置を連続的に回転させながらレーザー光を様々な方向に照射し、レーザー光が対象に反射して戻ってくるまでの時間を計測することにより反射点までの距離と方向を算出する。さらに距離と方向に基づき、相対空間における位置(x,y,z)を算出する。
得られる計測データの形式は図3(a)に示すように、レーザーを照射した時刻と相対空間における位置(x,y,z)を組にしたものとなる。ここで相対空間は、レーザー計測装置11の位置を原点とした3次元直交座標である。x軸、y軸、z軸は例えばそれぞれ、車両進行方向に対して右方向、車両進行方向、車両進行方向に対して上方向と定義する。
GPS受信機13により例えば0.1秒毎に移動計測車両1の絶対位置を取得し、時刻と対応づけて記録する。
GPS受信機13を用いると緯度・経度・高度の情報が得られるが、この実施の形態ではこれをENU(East, North, Up)座標(緯度・経度・高度により定めたある地点を原点とし、X軸を東、Y軸を北、Z軸を天頂方向に向けた3次元直交座標)に変換して記録する。
図3(b)にセンサー位置データ形式の例を示す。
ここまでの処理は、移動計測車両1において行われ、得られた点群データ(相対位置)とセンサー位置データは移動計測車両1の外部記憶装置14に蓄えられる。
ここからの処理は、データ処理装置2における処理である。上記で得られた点群データ(相対位置)とセンサー位置データは移動計測車両1の外部記憶装置14からデータ処理装置2の外部記憶装置22に移される。
データ処理装置2では、PC21で動作するプログラムにより、センサー位置データを用いて、点群データの相対座標を絶対座標に変換する。時刻tに計測した点の相対座標(x,y,z)を絶対座標(X,Y,Z)に変換する処理は、次式に従う。
次に、センサー位置データと点群データの相対座標をもとに、絶対空間における方向ベクトルを求める。時刻tに計測した点の方向ベクトル(U,V,W)は次式で求めることができる。
得られた方向ベクトルは点群データを構成する各点の属性情報として記憶する。
図4(b)に、得られた点群データ(方向ベクトル付き)の形式の例を示す。
領域検出の処理の流れを図5に示す。図5は実施の形態1に係る地図作成装置の領域検出手段をさらに細分化した機能ブロック図にも対応している。
図6(a)に計測対象とする地物の例を示す。図に示すように、計測対象は歩道領域と車道領域に分かれている。移動車両に設置したセンサーに対する歩道領域と車道領域の相対的な高さはほぼ一定であるので、この値z0、z1を予め設定しておく。当該領域付近の計測を行ったある時刻における回転行列Rと並進ベクトルTを用い、前記(式1)を相対座標z0、z1に適用するとそれぞれのZ座標Z0、Z1が計算できる。これらのZ座標で定義される2つの平面Z=Z0,およびZ=Z1をそれぞれ歩道領域の基準面、車道領域の基準面として設定する。
図6(b)は図6(a)の地物を計測して得られる点群データの例を図示したものである。歩道領域および車道領域を構成する点はそれぞれ歩道領域の基準面や車道領域の基準面の近傍にあると想定されるため、各基準面から一定距離以内の点群を抽出し、各領域を構成する点群とする。
歩道を構成する点群および車道を構成する点群のそれぞれについて、各点をX座標とY座標で規定された2次元の点群と考え、既知の手法により、点群をその輪郭に沿って囲む多角形を求める。これを求める領域とする。これにより図6(c)に示すように、歩道領域および車道領域がそれぞれ検出される。
点群を構成する各点を順に候補点として以下の判定処理を行い、条件を満たす点を抽出する。
レーザー計測は、センサーが計測対象の面の後ろ側にある場合は計測がされないため、面とセンサー位置との関係によって方向ベクトルの分布範囲が変化する。候補点近辺の面が基準面に一致するものと仮定すると、候補点の位置と、基準面の向き、センサーの移動軌跡の情報から方向ベクトルの軌跡を推定することができる。
センサーの移動軌跡はセンサー位置データから取得することができる。センサー位置データの中から、基準面の前面にあり、センサー位置から候補点位置までの距離がレーザーの到達範囲にある時刻を選択し、その時刻の位置と候補点の位置から方向ベクトルを求める。これが推定方向ベクトルである。これをすべてのセンサー位置について行うと推定方向ベクトルの軌跡を求めることができる。
ここではセンサーの移動軌跡は直線であると仮定する。すると、推定方向ベクトルの軌跡は円弧になる。この場合、推定方向ベクトルの軌跡は開始方向ベクトルと終了方向ベクトルにより表現される。
候補点から所定の距離以内にある点を抽出して近傍点とする。(近傍点には候補点も含む。)
次に近傍点の方向ベクトルの分布を調べる。まず、各方向ベクトルが、先にもとめた推定方向ベクトルの軌跡上に位置するかを調べる。推定方向ベクトルの軌跡を円弧により表現した場合は、近傍点の方向ベクトルの終点と円弧との最短距離を求め、所定の距離以内であれば、この方向ベクトルは推定方向ベクトルの軌跡上に位置すると判定する。
近傍点の方向ベクトルの中に、推定方向ベクトルの軌跡上に位置すると判定されないものがある場合、不適合と判定する。
すべての近傍点の方向ベクトルが推定方向ベクトルの軌跡上に位置すると判定した場合、近傍点の方向ベクトルの軌跡を求める。これは例えば、先に対応付けた推定方向ベクトルの軌跡が作る円弧において上記方向ベクトルが存在する範囲を求めることにより実現される。推定方向ベクトルの軌跡の長さと近傍点の方向ベクトルの軌跡の長さを比較し、その比が所定の範囲内であれば、適合と判定する。
上記のようにすれば、車両の背面や前面を構成する点は、車道や歩道の方向ベクトルの分布に合致しないため、抽出される点には含まれず、正しく、歩道、車道を抽出することができる。
上記の方法で得られた領域情報に基づき、領域の輪郭を線で描画することにより地図を生成する。図6(d)は作図結果の例である。
この構成によれば、三次元空間内に基準面を設定し、位置が基準面に近く、かつ方向ベクトルの分布が基準面の向きに適合する点を抽出してその分布に基づき領域を検出するので、操作者が地物の形状を細かく指定しなくても簡単な操作により地図を作成することができ、かつ異なる面に属する点から誤った領域を検出することなく正確な地図を生成することが可能になるという効果がある。
図1はこの発明の実施の形態2に係る地図作成装置の構成例を示した図であり、実施の形態1における構成例と同様のものである。また、図2および図8はこの発明の実施の形態2に係る地図作成装置の処理フローの例を示した図であり、このうち図2は実施の形態1における処理フローの例と同様のものであり、この発明の実施の形態2に係る地図作成装置の機能ブロック図にも対応している。図8は実施の形態2に係る地図作成装置の領域検出手段をさらに細分化した機能ブロック図にも対応している。
実施の形態2は、このような欠損領域の発生を回避するための形態である。
システム構成は実施の形態1と同様のものである。
(a)相対位置取得、から(d)方向ベクトル算出、までの動作は実施の形態1と同様である。
ここでは、図7(a)に示すような計測対象から歩道領域を検出する領域検出処理の流れを示す。
まず、判定を行うための基準面を定義する。この基準面は検出しようとする領域になるべく近く、かつ領域面との間の傾きがなるべく小さくなるように定義するのが望ましい。例えば、歩道領域を検出するのであれば、地面近辺に水平な面を定義するのが良い。
基準面の範囲は、作成しようとする地図の範囲に対応したものとする。長方形の地図を生成するのであれば、縦の辺が南北方向、横の辺が東西方向に一致する長方形とするのが良い。
次に、点群の各点について、点を方向ベクトルの方向に投影する。
以下に詳しく説明する。
(e−1)で定めた基準面を例えば5cm間隔のメッシュに区切る。仮に基準面が縦10m、横5mであれば、基準面は縦200、横100、合わせて20000個のメッシュに区切られることになる。
次に、データ処理装置(2)のPC(2−1)において、上記メッシュ構造に対応する2次元配列を主記憶装置内に確保し初期化する。初期値としては例えば−1などを設定する(図10(a)参照)。
さらに、生成された点群を構成する各点について、次の処理を行う。
点をその点の方向ベクトルの方向に投影する。図9に示すように、点(X,Y,Z)を通ってその方向ベクトル(U,V,W)を向く直線を求め、この直線と基準面との交点を求める。この交点を基準点の座標系(e,n)により表現する。
次に、その交点が属するメッシュを求める。交点を(e,n)、その交点に対応する配列要素を(i,j)とする。1つのメッシュのサイズをmとすると、
i = e / m
j = n / m
により対応する配列要素が定まる。交点(e,n)から点(X,Y,Z)までの距離dを求め、その値にもとづいて該当の配列要素にラベル付けを行う。
距離dが所定の値th1より小さい場合は、点が基準面の近傍に存在するものと考えられるので、領域を構成する点と判定し、ラベル1をつける。距離dがth1以上であるが、別の所定の値th2より小さい場合は車道など対象外の領域と判定し、ラベル0をつける。距離dがth2以上の場合は、歩道や車道など路面近傍の点ではないため、街路樹などの構造物により反射したためにその領域が欠損領域となっている可能性があると判定しラベル9をつける(図10(b)参照)。
2次元配列においてラベル9がついているメッシュが欠損領域の候補である。ラベル1のメッシュに隣接するラベル9のメッシュは歩道領域と判定し、ラベル9をラベル1に変更する。この処理を数回繰り返す。得られた結果を図10(c)に示す。図に示すように欠損領域が解消している。ラベル9が残っているメッシュは、別の構造物により車道上に発生した欠損領域と考えられる。このメッシュはラベル1のメッシュに隣接していないため、補完されない。このようにして歩道と推定されるメッシュだけにラベル1をつけることができる。図10(d)に示すようにラベル1がついているメッシュが構成する領域の輪郭を求めると、これが歩道領域となる。
実施の形態1と同様である。
この構成によれば、領域検出手段は、三次元空間内に基準とする面を設定し、設定した基準面に点群を構成する各点から方向ベクトルの方向に投影し、基準面への投影結果から欠損領域を抽出して補完し、その結果に基づいて領域を検出するので、点群データに欠損があっても正しく領域を検出することができ、簡単な操作により正確な地図を生成することが可能になるという効果がある。
Claims (2)
- センサーから地物表面の各点までの距離と方向を計測して前記センサーを中心とする相対空間の点群データを生成する相対位置取得手段と、
前記センサーの位置と姿勢を計測してセンサー位置データを生成するセンサー位置取得手段と、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データとに基づいて絶対空間における点群の位置情報を算出する絶対位置算出手段と、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データに基づき、絶対空間における前記センサーから点群の各点への方向ベクトルを求める方向ベクトル算出手段と、
絶対空間における前記点群の位置情報と前記方向ベクトルに基づき、面を構成する点を抽出し、抽出された点の分布に基づき領域の輪郭を求める領域検出手段と、
検出した前記領域の輪郭を線で示した図を作成する作図手段と、
を備え、
前記領域検出手段は、
三次元空間内に基準とする基準面を設定する基準面設定手段と、
近傍点の方向ベクトルの分布が前記基準面と前記センサー位置データの位置関係から推定したベクトル分布に適合する点を抽出する点群抽出手段と、
を有することを特徴とする地図作成装置。 - センサーから地物表面の各点までの距離と方向を計測して前記センサーを中心とする相対空間の点群データを生成する相対位置取得ステップと、
前記センサーの位置と姿勢を計測してセンサー位置データを生成するセンサー位置取得ステップと、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データとに基づいて絶対空間における点群の位置情報を算出する絶対位置算出ステップと、
前記相対空間の点群データと前記センサー位置データに基づき、絶対空間における前記センサーから点群の各点への方向ベクトルを求める方向ベクトル算出ステップと、
絶対空間における前記点群の位置情報と前記方向ベクトルに基づき面を構成する点を抽出し、抽出された点の分布に基づき領域の輪郭を求める領域検出ステップと、
検出した前記領域の輪郭を線で示した図を作成する作図ステップと、
を備え、
前記領域検出ステップは、
三次元空間内に基準とする基準面を設定する基準面設定ステップと、
近傍点の方向ベクトルの分布が前記基準面と前記センサー位置データの位置関係から推定したベクトル分布に適合する点を抽出する点群抽出ステップと、
を有することを特徴とする地図作成方法。
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