JP6315655B2 - 細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラム - Google Patents

細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラムに関する。
従来、細胞の面積またはコンフルエンスを決定するための方法として、細胞と細胞の周りのバックグラウンドに関する定量的位相データを準備し;定量的位相データから細胞の境界を決定し;そして境界内の面積を決定することにより細胞の面積またはコンフルエンスを決定することを含んでなる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特表2007−509314号公報
しかしながら、定量位相画像は干渉像であり、空間分解能が低く、定量位相画像における細胞の内部構造及び境界(輪郭)部分は不明瞭なことが多い。
そこで、本発明は、空間分解能に優れた細胞の画像を取得することができる細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明は、細胞の定量位相画像を取得する第1の取得ステップと、細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得ステップと、前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定ステップと、設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算ステップと、を備えることを特徴とする細胞画像処理方法である。
また、本発明は、細胞の定量位相画像を取得する第1の取得手段と、細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得手段と、前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定手段と、設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算手段と、を備えることを特徴とする細胞画像処理装置である。
また、本発明は、コンピュータを、細胞の定量位相画像を取得する第1の取得手段、細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得手段、前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定手段、設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算手段、として機能させるための細胞画像処理プログラムである。
このような本発明により、空間分解能に優れた細胞の画像を取得することができる。
本発明において、「細胞」とは、「単一細胞又は細胞集団」を意味する。
また、「高周波成分画像」は、「定量位相画像の空間周波数成分に含まれない高い空間周波数成分を含む画像」を意味し、高周波成分画像には、明視野画像、位相差コントラスト画像等が含まれる。なお、「明視野画像」は、「明視野顕微鏡で撮影された画像」であり、「位相差コントラスト画像」は、「位相差コントラスト顕微鏡で撮影された画像」である。
本発明の「設定定量位相画像」は、輝度を設定した定量位相画像を意味する。「設定定量位相画像」の輝度が、第1の取得ステップで取得した「定量位相画像」の輝度と同じであることもある。
また、「設定高周波成分画像」は、輝度を設定した高周波成分画像を意味する。「設定高周波成分画像」の輝度が、第2の取得ステップで取得した「高周波成分画像」の輝度と同じであることもある。
また、「減算画像」は、「設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算した画像」を意味する。
本発明の設定ステップは、定量位相画像及び高周波成分画像の最高輝度及び最低輝度を同じに設定するステップでよい。このようなステップを備える本発明の細胞画像処理方法によって、減算画像の空間分解能をさらに向上させ、コントラストをよくすることができる。
本発明の高周波成分画像は明視野画像であってよい。高周波成分画像が明視野画像であると、細胞の内部構造(例えば細胞核)が明瞭な減算画像を取得することができる。
本発明によれば、空間分解能に優れた細胞の画像を取得することができる細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラムが提供される。
細胞観察システム1の構成図である。 細胞画像処理装置Dのハードウェア的構成を示す概要図である。 細胞画像処理装置Dの機能的構成を示す概要図である。 細胞画像処理方法のフローチャートである。 定量位相画像(図中(A))から明視野画像(図中(B))を減算した減算画像(図中(C))が高い空間周波数成分を含み、空間分解能に優れることを説明するための模式図である。 細胞観察システム2の構成図である。 定量位相画像(図中(A))から位相差コントラスト画像(図中(B))を減算した減算画像(図中(C))が高い空間周波数成分を含み、空間分解能に優れることを説明するための模式図である。 実施例1のヒトiPS細胞の定量位相画像(図中(A))、明視野画像(図中(B))及び減算画像(図中(C)である。 実施例2のヒトiPS細胞の定量位相画像(図中(A))、設定定量位相画像(図中(A’))明視野画像(図中(B))及び減算画像(図中(C)である。 実施例3のヒトiPS細胞の定量位相画像(図中(A))及び減算画像(図中(C))である。 図10(A)の定量位相画像における白線で囲まれた部分の三次元プロット画像(図中(A))、及び図10(C)の減算画像における白線で囲まれた部分の三次元プロット画像(図中(C))である。 実施例4のES細胞の定量位相画像(図中(A))及び減算画像(図中(C))である。 抗Nanog抗体により免疫染色した実施例4のES細胞の蛍光画像である。 実施例5のヒトiPS細胞の定量位相画像(図中(A))、明視野画像(図中(B))及び減算画像(図中(C)である。 図14(A)の定量位相画像の断面図(図中(A))、図14(B)の位相差コントラスト画像の断面図(図中(B))及び図14(C)の減算画像の断面図(図中(C))である。
本発明の細胞画像処理方法、細胞画像処理装置及び細胞画像処理プログラムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(細胞)
本発明の実施にあたっては、まず、細胞を準備する。細胞は「単一細胞又は細胞集団」を意味し、その限りにおいて特に制限はない。細胞はヒトだけでなく、マウス、サル、ウサギ、イヌ、ネコ等の細胞でもよい。また、細胞は、複数系統の細胞に分化する能力(多分化能)及び細胞分裂を経ても多分化能を維持できる能力(自己複製能)を有する細胞(幹細胞)でよく、分化細胞でもよい。幹細胞としては、例えばES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞が挙げられる。
(測定試料)
次に、細胞を測定試料とする。測定試料は、例えば細胞を含む溶液をスライドチャンバに注入して準備する。
(細胞観察システム)
次に、使用する細胞観察システム1の構成について説明する。図1は細胞観察システム1の構成図である。
図1に示すように、細胞観察システム1は、主に、定量位相顕微鏡A及び細胞画像処理装置Dにより構成される。
(定量位相顕微鏡)
定量位相顕微鏡Aは、光の入射側に、図示しない光出射部からの照射光を導く光ファイバBの出射側端面B1に臨ませたレンズA2と、このレンズA2を透過する光を反射する反射部A3を具備する。一方、定量位相顕微鏡Aの光の出射側には、光干渉部A7で生成される干渉縞(図示せず、以下同様)を撮像して定量位相画像とするCCDカメラ等の撮像装置C1と、部分反射部A8で反射された被測定光を撮像して明視野画像とする撮像装置C2が設けられる。
定量位相顕微鏡Aは、測定試料Sを支持する試料台A4、対物レンズA5、反射部A6、光干渉部A7、部分反射部A8を備える顕微鏡本体A1を具備する。
試料台A4は、例えば、中央に光を透過可能な光透過部A41を備えるとともに、上向き面に測定試料Sを載置可能な載置面A42を有する略板状のものである。載置面A42に測定試料Sを載置した状態で上方から光を照射することにより、測定試料Sを透過した被測定光が光透過部A41を透過して対物レンズA5に向かうようにしている。なお、光透過部A41は、例えばガラス等の光を透過可能な部材より形成したものであってもよいし、単なる孔であってもよい。対物レンズA5は、例えば、操作部(図示しない)の操作に基づいて、入射してくる被測定光をその操作に係る所定の倍率で拡大させて平行光として出射するものである。部分反射部A8は、例えばダイクロイックミラー(二色性ミラー)であり、照射光がレーザ光(例えば830nm)であるときの被測定光を透過するが、照射光が白色光であるときの被測定光を反射するものである。反射部A6は、例えば全反射型のミラーであって、部分反射部A8を透過する被測定光H1を全反射させて光干渉部A7に導入できるようにしている。光干渉部A7は、被測定光H1を、2つの光H1a、H1bに分離する光分離素子A71と、この光分離素子A71が出射する被測定光H1(H1a、H1b)を収束光H2(H2a、H2b)に変換する集光レンズA72と、収束光H2の収束位置に配した空間フィルタA73と、空間フィルタA73を透過した物体光H3と参照光H4とを重ね合わせて干渉縞を生成する合成レンズA75とを具備するものである。ここで、光分離素子A71は、回折格子を用いて構成したものである。さらには、光分離素子A71は、偏光方向が互いに異なる2つの光に分離する偏光分離素子であってもよい。その場合、光干渉部A7は、被測定光H1を、偏光方向が互いに異なる2つの光H1a、H1bに分離する光分離素子A71と、収束光H2(H2a、H2b)に変換する集光レンズA72と、収束光H2の収束位置に配した空間フィルタA73と、空間フィルタA73を透過した物体光H3と参照光H4と、この空間フィルタA73の出射側に配した半波長板A74と、この半波長板A74により偏光方向を揃えられた物体光H3と参照光H4とを重ね合わせて干渉縞を生成する合成レンズA75と、を具備するものである。もしくは、空間フィルタA73の出射側に配した半波長板A74に代えて偏光子を配して物体光H3と参照光H4の偏光方向を揃えてもよい。
照射光をレーザ光とすると、定量位相顕微鏡Aの被測定光は部分反射部A8を透過し、A6で反射され、光干渉部A7に導入される。そして、光干渉部A7で生成される干渉縞が撮像装置C1で撮像されて定量位相画像となる。
一方、照射光を白色光とすると、定量位相顕微鏡Aの被測定光は、部分反射部A8で反射され、結像レンズA10を経て、撮像装置C2で撮像されて明視野画像となる。
(細胞画像処理装置)
次に、細胞画像処理装置Dの構成について説明する。図2は細胞画像処理装置Dのハードウェア的構成を示す概要図であり、図3は細胞画像処理装置Dの機能的構成を示す概要図である。
図2に示すように、細胞画像処理装置Dは、物理的には、CPU D11、ROM D12及びRAM D13等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイスD14、ディスプレイ等の出力デバイスD15、例えば撮像装置C1及びC2等の他の装置との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュールD16、ハードディスク等の補助記憶装置D17等を含む通常のコンピュータとして構成される。後述する細胞画像処理装置Dの各機能は、CPU D11、ROM D12、RAM D13等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU D11の制御の元で入力デバイスD14、出力デバイスD15、通信モジュールD16を動作させると共に、主記憶装置D12、D13や補助記憶装置D17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図3に示すように、細胞画像処理装置Dは、機能的構成要素として、第1の取得手段D1、第2の取得手段D2、設定手段D3、減算手段D4及び表示手段D5を備える。
第1の取得手段D1は、撮像装置C1から細胞の定量位相画像を取得するものである。第2の取得手段D2は、撮像装置C2から細胞の明視野画像を取得するものである。設定手段D3は、取得した定量位相画像又は明視野画像の輝度を設定するものである。減算手段D4は、設定定量位相画像から設定明視野画像を減算して減算画像を取得するものである。表示手段D5は、減算画像を表示するものである。
(細胞画像処理プログラム)
細胞画像処理プログラムは、コンピュータを、上述した第1の取得手段D1、第2の取得手段D2、設定手段D3、減算手段D4及び表示手段D5として機能させるものである。コンピュータに細胞画像処理プログラムを読み込ませることにより、コンピュータは細胞画像処理装置Dとして動作する。細胞画像処理プログラムは、例えば、記録媒体に格納されて提供される。なお、記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD、DVD等の記録媒体、ROM等の記録媒体、または半導体メモリ等が例示される。
(細胞画像処理方法)
細胞画像処理装置Dにより行われる細胞画像処理方法について説明する。図4は細胞画像処理方法のフローチャートである。細胞画像処理装置Dにより行われる細胞画像処理方法により、空間分解能に優れた細胞の画像を取得することができる。
[第1の取得ステップS1]
第1の取得手段D1は、撮像装置C1から定量位相画像を取得する。
[第2の取得ステップS2]
第2の取得手段D2は、撮像装置C2から明視野画像を取得する。なお、第2の取得ステップS2は、第1の取得ステップS1よりも前に行ってもよいし、あるいは後で行ってもよい。
[設定ステップS3]
設定手段D3は、取得した定量位相画像及び明視野画像の輝度を設定する。その設定は、減算画像のDC成分が少なくなるように行われるのが通常である。
設定手段D3は、取得した定量位相画像及び明視野画像の輝度を変更することなく、そのままとすることもあるし、取得した定量位相画像又は明視野画像の輝度を変更して設定することもある。
設定手段D3による輝度を変更するか否かの判定方法には特に制限はない。定量位相画像又は明視野画像の輝度が、予め決めておいた輝度の数値あるいは数値範囲である場合に変更すると判定するようにしてもよいし、逆に、予め決めておいた輝度の数値あるいは数値範囲にない場合に変更すると判定するようにしてもよい。
また、定量位相画像と明視野画像の輝度を対比して、定量位相画像又は明視野画像の輝度を変更するか否かを判定してもよい。この場合は、輝度のヒストグラムを対比して変更するか否かを判定するようにするのが好ましい。
輝度を変更する場合、設定手段D3は、輝度を高くあるいは低くする変更を行う。
輝度の変更は1回行ってもよいし、複数回行ってもよい。なお、輝度を複数回変更した結果、設定定量位相画像の輝度が第1の取得ステップで取得した定量位相画像と同じになることもあるし、設定明視野画像の輝度が第2の取得ステップで取得した明視野画像と同じになることもある。
上述のようにして、設定手段D3により、取得した定量位相画像及び明視野画像の輝度が設定されるが、設定ステップS3においては、定量位相画像及び高周波成分画像の最高輝度又は最低輝度を同じに設定するのが好ましい。特に、定量位相画像及び高周波成分画像の最高輝度及び最低輝度を同じに設定することによって、減算画像の空間分解能をさらに向上させ、コントラストをよくすることができる。
[減算ステップS4]
減算手段D4は、設定定量位相画像から設定高周波成分画像である設定明視野画像を減算して減算画像を取得する。取得された減算画像は、空間分解能に優れ、細胞内器官(オルガネラ)等の細胞の内部構造及び境界(輪郭)部分が明瞭である。
特に、細胞が、ES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞の細胞集団である場合、染色をせずとも、その減算画像から内部構造を詳細に知ることができる。また、減算画像は、細胞核が強調されるので、減算画像から、細胞の分化度を判定することができる。
減算画像は、定量位相画像にない高い空間周波数成分を含むので、定量位相画像の情報を維持し、さらに定量位相画像にない情報を補うものといえる。
本発明は理論に拘束されるわけではないが、減算画像が空間分解能に優れるのは、以下の原理によるものと本発明者らは推定している。
定量位相画像IQPMは、低い空間周波数成分のみを含む画像である。この画像の細胞による位相遅れΔφをΔφLFとすると、
QPM=ΔφLF
となる。これを模式的に示したのが図5(A)である。
一方、明視野画像IBFは、高い空間周波数成分を含み、境界が強調された画像である。そして、IBFと細胞による位相遅れΔφHFには、
BF〜1−ΔφHF
の比例関係がある。ΔφHFを模式的に示したのが図5(B)である。
定量位相画像から明視野画像を減算すると、
QPM−IBF=ΔφLF+ΔφHF−1
となり、減算画像は高い空間周波数成分を含むものとなる。
したがって、減算画像は、空間分解能に優れたものとなる。これを模式的に示したのが図5(C)である。図5(A)、(B)及び(C)において、横軸は空間周波数であり、縦軸は各空間周波数における光強度(振幅)である。
[表示ステップS5]
表示手段D5は、減算ステップS4で取得された減算画像を表示する。表示に際し、減算画像は適当な画像処理が施されても差支えない。減算画像は、全部表示されるようにしてもよいし、一部だけ表示されるようにしてもよい。
また、表示手段D5により、減算画像の色、輝度、コントラスト、拡大、縮小等の調整等がされるようにするのも可能である。
以上、本発明の第1の実施形態として、細胞観察システム1を使用する実施形態について詳細に述べたが、さらに、定量位相画像及び位相差コントラスト画像を同時に取得することのできる細胞観察システム2を使用する第2の実施形態について説明する。図6は細胞観察システム2の構成図である。
細胞観察システム2の構成は、細胞観察システム1の構成と概ね同じであるが、細胞観察システム2の定量位相顕微鏡Aは、さらに、光の入射側に、図示しない光出射部からの照射光H0’を導く光ファイバB’の出射側端面B1’に臨ませた照射光学系A2’と、照射光学系A2’を透過する光を反射するとともに、反射部A3で反射された光を透過する部分反射部A9とを具備する。部分反射部A9としては、例えばダイクロイックミラー(二色性ミラー)が用いられる。照射光学系A2’は、コレクタレンズA21’、絞り板A22’及びコンデンサレンズA23’を含む。コレクタレンズA21’は、照射光H0’をコリメートする。絞り板A22’は、光ビーム断面のうち光軸からの距離が一定範囲である円環領域を選択的に通過させる。コンデンサレンズA23’は、コレクタレンズA21’によりコリメートされた光を収斂させる。なお、細胞観察システム2における対物レンズA5は位相膜及び減光膜を有するものである。
このような細胞観察システム2において、照射光H0をレーザ光(例えば830nm)とし、照射光H0’を白色光として同時に照射すると、照射光H0は、A3で反射され、部分反射部A9及び測定試料Sを透過し、細胞観察システム1について述べたのと同様、最終的に撮像装置C1で撮像されて定量位相画像となる。
そして、同時に照射された照射光H0’は、照射光学系A2’を通過し、部分反射部A9で反射され、測定試料Sを透過し、最終的に撮像装置C2で撮像されて画像となるが、対物レンズA5は位相膜及び減光膜を有するので、その画像は位相差コントラスト画像となる。
したがって、細胞観察システム2により、定量位相画像及び位相差コントラスト画像を同時に取得することが可能である。
高周波成分画像が位相差コントラスト画像である第2の実施形態においても、減算画像が空間分解能力に優れるのは、以下の原理によるものと本発明者らは推定している。
上述のとおり、定量位相画像IQPMについては、
QPM=ΔφLF
である(図7(A))。
一方、位相差コントラスト画像IPhCも、高い空間周波数成分を含み、境界が強調された画像である。そして、細胞による位相遅れをΔφHFと定義すれば、画像の電場Eは、
E=exp[i(φ+ΔφHF))=exp[iφ](1+iΔφHF
と近似できる。
対物レンズ瞳位置に設けられた位相膜により細胞からの散乱光の位相が90度ずれることにより、位相遅れΔφHFが光強度に変換される結果、
PhC=|exp(iπ/2)+iΔφHF=1−2ΔφHF
が導かれ、位相差コントラスト画像IPhCと位相遅れΔφHFに比例関係が生じる。
さらに位相差コントラスト顕微鏡では、0次回折光とその近傍(以下、略0次回折光)を減光する光学素子が位相膜と同位置に設置してあるため、略0次回折光が減光される。これを模式的に示したのが図7(B)である。
定量位相画像から位相差コントラスト画像を減算すると、
QPM−IPhC=ΔφLF+2ΔφHF−1
となり、減算画像は高い空間周波数成分を含むものとなる。
したがって、第2の実施形態においても、減算画像は、空間分解能に優れたものとなる。これを模式的に示したのが図7(C)である。図6と同様、図7(A)、(B)及び(C)において、横軸は空間周波数であり、縦軸は各空間周波数における光強度(振幅)である。
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明が上述の実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、細胞観察システム1の対物レンズA5を位相膜及び減光膜を有するものとしてもよいし、細胞観察システム2の対物レンズA5を位相膜及び減光膜を有さないものとしてもよい。
また、細胞観察システム1及び細胞観察システム2を、定量位相顕微鏡と明視野顕微鏡又は位相差コントラスト顕微鏡とが別の装置として構成されている細胞観察システムとしてもよい。
(実施例1)
細胞画像処理装置により、ヒトiPS細胞(253G1。Nature Biotechnology,2008,Vol.21,No.1、p.101−106)の定量位相画像(図8(A))及び明視野画像(図8(B))から、減算画像(図8(C))を取得した例を示す。この例では、細胞画像処理装置は、定量位相画像及び明視野画像の輝度のヒストグラムを対比し、定量位相画像の輝度を自動変更して明視野画像と同じ最高輝度及び最低輝度に設定し、そして、設定定量位相画像から明視野画像を減算した。
定量位相画像は細胞内器官(オルガネラ)の光学厚さがないように見え、コントラストもあまり明瞭でないが、減算画像では境界及び細胞内器官(オルガネラ)が明瞭であることがわかる。
(実施例2)
細胞画像処理装置により、ヒトiPS細胞(253G1)の定量位相画像(図9(A))及び明視野画像(図9(B))から、減算画像(図9(C))を取得した例を示す。この例では、細胞画像処理装置は、定量位相画像の輝度を自動変更して明視野画像と同じ最高輝度及び最低輝度の設定定量位相画像(図9(A’))とした後、設定定量位相画像から明視野画像を減算した。
(実施例3)
細胞画像処理装置により、ヒトiPS細胞(253G1)の定量位相画像(図10(A))及び明視野画像から、減算画像(図10(C))を取得した例を示す。
定量位相画像(図10(A))における白線で囲まれた部分の三次元プロット画像が図11(A)であり、及び減算画像(図10(C))における白線で囲まれた部分の三次元プロット画像が図11(C)である。図11(A)及び(C)の横軸(X及びY方向)はいずれも画素(ピクセル)の個数を表し、そして縦軸(Z方向)は輝度を表す。
図11(A)と図11(C)の対比から、減算画像とするとコントラストが明瞭になることがわかる。
(実施例4)
細胞画像処理装置により、ES細胞(khES3)の定量位相画像(図12(A))及び明視野画像から、減算画像(図12(C))を取得した例を示す。減算画像では、細胞核領域がより明瞭となっている。
図13は、抗Nanog抗体により免疫染色したES細胞の蛍光画像である。
図13の略円形の白色部分がES細胞の細胞核領域である。図12(C)と図13の対比からも、減算画像中の細胞核領域が明瞭であることがわかる。
(実施例5)
細胞画像処理装置により、ヒトiPS細胞(253G1)の定量位相画像(図14の(A))及び位相差コントラスト画像(図14(B))から、減算画像(図14(C))を取得した例を示す。
図15(A)は、図14(A)の定量位相画像の断面図、図15(B)は、図14(B)の位相差コントラスト画像の断面図、そして、図15(C)は、図14(C)の減算画像の断面図である。なお、断面は、図14(A)、(B)及び(C)に表示した黒線の断面である。
定量位相画像の断面図をみると、左右がなだらかとなっており、これは、像の不鮮明さすなわち空間分解能が低いことを表している。一方、位相差コントラスト画像の断面図では、両端のエッジがアンダーシュート、オーバーシュートしており、空間方向に微分操作された効果が表れている。これは位相膜および減光膜により、0次光とその近傍の空間周波数が遮断されたためである。減算画像の断面図では、左右の両端部が、急峻な強度分布となっており、定量位相画像の解像度が回復している。
1、2…細胞観察システム、A…定量位相顕微鏡、A1…顕微鏡本体、B…光ファイバ、C1、C2…撮像装置、D…細胞画像処理装置、D1…第1の取得手段、D2…第2の取得手段、D3…設定手段、D4…減算手段、D5…表示手段。

Claims (5)

  1. 細胞の定量位相画像を取得する第1の取得ステップと、
    細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得ステップと、
    前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定ステップと、
    設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算ステップと、
    を備えることを特徴とする細胞画像処理方法。
  2. 前記設定ステップは、定量位相画像及び高周波成分画像の最高輝度及び最低輝度を同じに設定するステップである、請求項1に記載の細胞画像処理方法。
  3. 前記高周波成分画像は、明視野画像又は位相差コントラスト画像である、請求項1又は2に記載の細胞画像処理方法。
  4. 細胞の定量位相画像を取得する第1の取得手段と、
    細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得手段と、
    前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定手段と、
    設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算手段と、
    を備えることを特徴とする細胞画像処理装置。
  5. コンピュータを、
    細胞の定量位相画像を取得する第1の取得手段、
    細胞の高周波成分画像を取得する第2の取得手段、
    前記定量位相画像及び前記高周波成分画像の輝度を設定する設定手段、
    設定定量位相画像から設定高周波成分画像を減算して減算画像を取得する減算手段、
    として機能させるための細胞画像処理プログラム。
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