JP6314946B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させる遊技機が存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−254955号公報
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。
本発明は、上述した課題等を解決するためになされたものであり、例えば、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を好適に向上させ得る遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部と、
前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域に案内する第1経路と、
該第1経路により前記特定の遊技領域に案内された遊技球が通過可能な領域であって、当該領域を遊技球が通過した場合に予め設定された所定の特典を付与する領域である第1の有利領域と、
前記振分部に設けられる前記進入部により進入した遊技球が通過可能な領域であって、当該領域を遊技球が通過した場合に予め設定された所定の特典を付与する領域である第2の有利領域とを備え、
前記第1経路は、遊技球が前記進入部に進入することなく前記振分部により前記第2の側に振り分けられた場合に、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴としている。

本発明に係る遊技機であれば、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を好適に向上させ得る遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 中央構造体の分解斜視図である。 図13における領域E1の拡大図である。 天板飾り、左上前飾り、および右上前飾りを裏側から見た斜視図である。 中央構造体の部分断面図である。 図16の部分断面図を正面から見た図である。 中央構造体の正面図である。 流下通路の形状を説明する図である。 図17における領域E2の拡大図である。
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、下側中始動入賞装置431)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下流側に配置された大入賞装置433,434(具体的には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上流側に配置された役連作動装置435と、中央大入賞装置434の左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。また、遊技盤400は、上側中始動入賞装置632に配置された、第2特別図柄に係る始動装置として右始動入賞装置432と同様に機能する上側中始動入賞装置632と、中央構造体420の左側に配置された、一般入賞装置439A,439Bと同様に機能する一般入賞装置639とを備えている。
また、遊技盤400には、上記した下側中始動入賞装置431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、下側中始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ(第1始動入賞スイッチ441)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ(第2始動入賞スイッチ442)、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ(第2始動入賞スイッチ642)、右大入賞装置433に進入した遊技球を検出する右大入賞スイッチ443、中央大入賞装置434に進入した遊技球を検出する中央大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、右大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、右大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B、一般入賞装置639に進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ649等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、下側中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、上側中始動入賞装置632、右大入賞装置433、中央大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439B,639の遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、下側中始動入賞装置431及び上側中始動入賞装置632)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、下側中始動入賞装置431等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431及び第2特別図柄に係る上側中始動入賞装置632、並びに、一般入賞装置439A、一般入賞装置439B、及び一般入賞装置639の各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439B,639のいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、可動片が進入口(入賞口)を閉鎖する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、可動片がそ進入口内に遊技球を誘導する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
右大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する右進入規制機構453と、右進入規制機構453の姿勢を変化させる右進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、右大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。右大入賞装置433の右進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、右進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は右大入賞装置433に進入できないが、右進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、右進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は右大入賞装置433に進入できるようになる。また、右大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
中央大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する中央進入規制機構454と、中央進入規制機構454の姿勢を変化させる中央進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。中央進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、中央進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は中央大入賞装置434に進入できないが、中央進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、中央進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は中央大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
右大入賞装置433及び中央大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431へ進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441で検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632へ進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、右進入規制ソレノイド463又は中央進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ右進入規制機構453又は中央進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、右進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、下側中始動入賞装置431に進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選は、略同一の確率で大当りに当選する設定とされ、例えば、略23分の1で大当りに当選する。第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選のいずれかで大当りに当選した場合には、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始して、遊技者にとって入賞口への入賞による賞球を獲得し易い特別遊技状態が発生する。1回の大当りで獲得可能な賞球数は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、略77%の確率で一定の賞球(例えば、略150個)を獲得可能であり、残り23%の確率で入賞が発生せず賞球を獲得できない。第2特別図柄抽選に当選した場合には、第1特別図柄抽選の当選よりも多数の賞球を獲得し易く設定され、略25%の確率で多数の賞球(例えば、略250個)を獲得可能であり、残り75%の確率で少数の賞球(例えば、略150個)を獲得可能とされている。
また、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選のいずれかで大当りに当選した場合には、予め設定した確率で時短遊技状態へ移行する。時短遊技状態へ移行する確率は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって異なる設定とされ、また、当選が発生した遊技状態によって異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、通常遊技状態中の当選であれば略30%、時短遊技状態中であれば100%で時短遊技状態へ移行し、第2特別図柄抽選に当選した場合には、第1特別図柄抽選の当選より遊技者にとって有利な遊技状態へ移行し易く設定され、遊技状態に関わらず100%で時短遊技状態へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である。また、時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、1回または87回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。時短遊技状態が継続する単位遊技の総数(以下、時短回数ともいう)は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって設定される条件が異なり、また、当選が発生した遊技状態によっても異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、通常遊技状態中の当選であれば略0.2%の確率で87回の時短回数が選択され、略99.8%の確率で1回の時短回数が選択される。また、第2特別図柄抽選に当選した場合には、第1特別図柄抽選に当選した場合よりも長い時短回数が選択され易く設定され、遊技状態に関わらず100%の確率で87回の時短回数が選択される。
第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選には、大当りとは別に小当りの抽選も実行される。大当りに当選しなかった場合には小当りに当選する場合があり、小当りに当選した場合には、右大入賞装置433が、僅かの時間(例えば、略0.1秒)だけ作動して進入許容姿勢をとる。右大入賞装置433が、小当りの当選に基づいて作動している期間中に遊技球が特定通路(右大入賞装置433の内部に設けられる通路の一部)へ進入するか否かに対応して、遊技者にとって有利な遊技状態を付与するか否かが異なる。例えば、特定通路へ遊技球が進入した場合には、有利な遊技状態として、再度、右大入賞装置433が作動を開始し、一定の時間(例えば、略1.8秒)、進入許容姿勢をとる。小当りに当選して2回目以降の右大入賞装置433の作動において特定通路へ遊技球が進入した場合には、更に、再度の右大入賞装置433の作動の権利が付与され、この作動が予め定めた上限回数(例えば、3回)に達するまで継続する。
ここで、特定通路へ遊技球が進入した場合の有利な遊技状態としては、再度の右大入賞装置433の作動による構成に限らず、それに代えて、又は、それに加えて、他の有利な遊技状態を付与しても良い。例えば、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行し、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、1回または87回)となるまで維持される構成としても良い。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431に進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441(図10参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、右進入規制機構453又は中央進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、3ラウンド、4ラウンド及び5ラウンドの3種類の設定)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、右大入賞装置433の右進入規制機構453及び中央大入賞装置434の中央進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。例えば、中央進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合に1ラウンドの終了となって、中央進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、中央進入規制機構454が進入許容姿勢に復帰する。
右進入規制機構453及び中央進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略2.4秒)に亘って間欠的に(例えば、2回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、1個)の遊技球が第2始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略2.4秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の右側を遊技球が流下しない範囲内で遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側を経由して遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434は、中央構造体420に対して右側を流下した遊技球が進入可能な位置に配置され、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
また、中央構造体420の上部に位置する第2特別図柄に係る上側中始動入賞装置632には、左打ち遊技手法にて遊技球を流下させている状況で遊技球が進入可能となっている。上側中始動入賞装置632は、下側中始動入賞装置431と比べて、非常に低い確率(例えば、略60分の1の確率)で遊技球が進入する設定とされている。上側中始動入賞装置632への遊技球の進入によって受けられる第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選に比べて遊技者が遊技をする上での価値(遊技価値)を獲得し易く、大当りに当選した場合に時短遊技状態へ移行する確率が高く、特別遊技状態において獲得可能な賞球数も多い。このため、通常遊技状態において左打ち遊技手法による遊技を行う期間中に、下側中始動入賞装置431への第1特別図柄抽選による大当りの期待だけでなく、稀に発生する上側中始動入賞装置632への遊技球の進入によって第2特別図柄抽選が実行されることで遊技価値を多量に獲得するチャンスを常時期待させることができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための貯留球スイッチ591(図10参照)が取着されている。貯留球スイッチ591は、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、右進入規制ソレノイド463、中央進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、第1始動入賞スイッチ441、第2始動入賞スイッチ442,642、右大入賞スイッチ443、中央大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449B,649の各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による右大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、下側中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、上側中始動入賞装置632、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、第1始動入賞スイッチ441(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、第1始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、第2始動入賞スイッチ442,642(図10参照)による遊技球の検出に基づいて第2始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、右大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、中央大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて中央大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<中央構造体420によってなされる遊技球の移動方向の変化>
次に、図13から図16を主に参照して、遊技領域を流下する遊技球の移動方向が中央構造体420によって変化される構成について説明する。図13は、中央構造体420の分解斜視図である。より詳細には、図13は、中央構造体420において、遊技者に対向する側(すなわち、表側)の面である前面側上部に装着された一部の部材(天板飾り611、左上前飾り612、右上前飾り613)を、その他の部材に対して分解した斜視図である。
図13に示すように、天板飾り611は、遊技者から視認される飾り本体611Aの裏面に、上端より内側となる位置から突出する屋根611Bを備えている。屋根611Bは、天板飾り611の略中央を頂点とする上向きに凸の滑らかに湾曲した形状に構成される。屋根611Bにおける、飾り本体611Aとの接合部に対して反対側となる端辺は、中央構造体420の本体側前面に接し、これにより、屋根611Bは、飾り本体611Aの裏面と中央構造体420の本体側前面とともに、上方が開放された球通路として構成される。
よって、発射装置330から発射され、中央構造体420に対して上側の遊技領域(以下において「上側遊技領域」とも称す)に進入した遊技球の一部は、上側遊技領域を流下した後に屋根611Bに到達し得る。上述した通り、屋根611Bは、上向きに凸の湾曲形状に構成されるので、屋根611Bに到達した遊技球は、その到達位置や、到達時における遊技球の移動方向などの条件に応じて、屋根611B上を左方向(矢印Q1方向)または右方向(矢印Q2方向)に転動する。
また、屋根611Bの略中央(つまり、略頂上)には、遊技球を中央構造体420の本体側に誘導する凹部611Cが設けられている。凹部611Cの先には通過口621が設けられている。これにより、屋根611Bに到達した遊技球は、左または右方向に転動することで屋根611Bの左端または右端から排出される以外に、凹部611Cを経て通過口621に案内され得る。つまり、屋根611Bは、屋根611B上に到達した遊技球を左右または通過口621内に振り分ける振分部(第1振分部)として機能する。
中央構造体420の本体側右上上部には、左打ち遊技手法によって流下する遊技領域と、右打ち遊技手法によって流下する遊技領域とを区画する区画部624が設けられている。区画部624は、遊技領域の外形を形成する外レール402(図7参照)に対して下側に遊技球を通過可能な一定の隙間を隔てて右下方に傾斜する傾斜面を有する板状に形成され、区画部624の上側を経由する遊技球は、右打ち遊技手法によって流下する遊技球となる。一方、区画部624の下側を経由する遊技球は、左打ち遊技手法によって流下する遊技球となる。
よって、本実施形態のパチンコ機100において、左打ち遊技手法によって流下する遊技球は、中央構造体420に対して左側から下側に連続する遊技領域(以下において「左側遊技領域」とも称す)だけでなく、左側遊技領域と上側遊技領域との間に位置する中央上部遊技領域を経由する。中央上部遊技領域は、中央構造体420の内部領域を含む領域であって、中央構造体420の上部において、遊技球が屋根611Bの左右を流下する領域に相当し、上側中始動入賞装置632を含む。このため、上側中始動入賞装置632は、左側遊技領域に対しては上流側に配置されている。一方、下側中始動入賞装置431は、左側遊技領域の一部に設けられ、中央上部遊技領域に対して下流側に配置されている。
屋根611Bによって左右に振り分けられた遊技球の移動経路については、図15および図16を参照して後述する。一方、通過口621に案内された遊技球は、通過口621に連設される振分装置622に案内される。振分装置622は、第2振分部として機能する装置であり、案内された遊技球を、上側中始動入賞装置632または当該始動入賞装置632の外に振り分ける。
振分装置622の下方には、流下規制部623が設けられている。流下規制部623は、その上面が右から左へと下降傾斜する傾斜面として構成される。流下規制部623の傾斜面は、その長手方向の各端辺が、各飾り611,612,613の裏面と中央構造体420の本体側前面とにそれぞれ接している。これにより、振分装置622によって上側中始動入賞装置632の外に振り分けられた遊技球は、流下規制部623上に落下し、流下規制部623の傾斜面上を自重で左方向(矢印Q3方向)に転動する。その結果、遊技球は、左側遊技領域(すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域)に進入する。
ここで、図14を参照して、振分装置622について説明する。図14は、図13における領域E1の拡大図である。図14に示すように、振分装置622は、左振分通路622Aと、右振分通路622Bと、ステージ622Cとを主に備えている。左振分通路622Aは、通過口621から進入した遊技球を左側に案内する通路である。一方、右振分通路622Bは、通過口621から進入した遊技球を右側に案内する通路である。
ステージ622Cは、左振分通路622Aおよび右振分通路622Bの各下流側に設けられる。これにより、遊技球が左振分通路622Aを通過した場合、遊技球Pは、例えば図13に示すように、ステージ622Cの左側から進入し、ステージ622C上を転動する。一方、右振分通路622Bを通過した遊技球は、ステージ622Cの右側から進入し、ステージ622C上を転動する。
ステージ622Cには、その略中央に凹部622Dが設けられている。凹部622Dの左側および右側には、それぞれ、凹部622Eおよび凹部622Fが設けられている。各凹部622D,622E,622Fは、いずれも、その前側(すなわち、遊技機正面となる側)から遊技球を落下可能に構成される。これにより、ステージ622C上を転動する遊技球は、凹部622D,622E,622Fのいずれかを経てステージ622Cから前方に落下する。
ステージ622Cの前方には、上側中始動入賞装置632が設けられている。上側中始動入賞装置632は、駆動装置(図示せず)により左右方向に往復移動可能に構成される。よって、遊技球が凹部622D,622E,622Fのいずれかを経てステージ622Cから落下するタイミングで、往復移動する上側中始動入賞装置632が適切な位置にあった場合、上側中始動入賞装置632はステージ622Cから落下する遊技球を受け、それにより、遊技球が上側中始動入賞装置632に進入する。上述のように、上側中始動入賞装置632は、右始動入賞装置432と同様、第2特別図柄に係る始動入賞装置である。よって、上側中始動入賞装置632へ進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ642により検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。
一方、上側中始動入賞装置632が適切な位置になく、ステージ622Cから落下した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入できなかった場合、当該遊技球は、上述のように、流下規制部623上に落下する、これにより、遊技球は、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動し、左側遊技領域へと排出される。
次に、図15および図16を参照して、屋根611Bによって左または右方向(矢印Q1または矢印Q2方向)に振り分けられた遊技球の移動経路について説明する。図15は、天板飾り611、左上前飾り612、および右上前飾り613を裏側から見た斜視図である。図16は、各飾り611,612,613における飾り本体611A,612A,613Aを取り外したことによる、中央構造体420の部分断面図である。なお、飾り本体611A,612A,613Aは、天板飾り611、左上前飾り612、および右上前飾り613において遊技者に視認される装飾手段として機能する部位である。
図15に示すように、左上前飾り612の飾り本体612Aの裏面には、下方に延びる通路壁612B,612Cが所定幅だけ離間されて立設される。これにより、上下方向に連続する左流下通路652が通路壁612Bと通路壁612Cとの間に形成される。つまり、左流下通路652は、中央構造体420の内部に形成されたワープ経路として機能する。よって、屋根611B上を矢印Q1方向に転動する遊技球(すなわち、屋根611Bによって左側に振り分けられた遊技球)は、ワープ経路である流下通路652に案内され、左流下通路652を流下する。
図16に示すように、左流下通路652の下流には、流下規制部623が設けられている。よって、左流下通路652を流下する遊技球は、流下規制部623上に落下する。これにより、遊技球は、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動する。つまり、屋根611Bにより左側に振り分けられた遊技球は、左流下通路652を流下した後、流下規制部623の傾斜面を左方向に転動し、左側遊技領域へと排出される。
一方、図15に示すように、右上前飾り613の飾り本体613Aの裏面には、下方に延びる通路壁613B,613Cが所定幅だけ離間されて立設される。これにより、上下方向に連続する右流下通路653が通路壁613Bと通路壁613Cとの間に形成される。つまり、右流下通路653もまた、中央構造体420の内部に形成されたワープ経路として機能する。よって、屋根611B上を矢印Q2方向に転動する遊技球(すなわち、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球)は、ワープ経路である右流下通路653に案内され、右流下通路653を流下する。
そして、右流下通路653を流下する遊技球は、流下規制部623上に落下し、当該傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動する。つまり、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、右流下通路653を流下した後、流下規制部623の傾斜面を左方向に転動し、左側遊技領域へと排出される。
このように、本実施形態のパチンコ機100によれば、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球であっても、右流下通路653および流下規制部623を通過させることで左側遊技領域に進入させることができる。
また、図15に示すように、パチンコ機100において、通路壁612Bと通路壁612Cとの間には、飾り本体612Aの裏面から突出する板状の突起部612Dが、通路壁612Bおよび通路壁612Cの壁面に対して略平行に設けられている。
突起部612Dは、底面(飾り本体612Aの裏面に接する面)が、左流下通路652の連続方向(すなわち、上下方向)に延びる略矩形に形成されるとともに、当該底面における長手方向の辺に隣接する側面(すなわち、通路壁612Bおよび通路壁612Cの壁面に対して略平行となる面)が、飾り本体612Aの裏面から離れるにつれてその幅が狭くなる略台形に形成される。換言すれば、突起部612Dは、飾り本体612Aに対する設置面である底面からの高さが、底面の長手方向の端部から内側に向けて徐々に高くなる形状に構成される。突起部612Dは、左流下通路652の連続方向に対して交差する方向に複数(図15に示す例では、5つ)並べて配置されている。
図16に示すように、左流下通路652において、突起部612Dに対向する面には、突起部612Dの形状に応じた凹部652Aが形成されている。よって、左流下通路652を流下する遊技球は、垂直落下ではなく、突起部612Dと凹部652Aとにより形成される経路、すなわち、一旦奥側(凹部652Aの底側)に向かった後に手前側に戻される経路を通過する。
右上前飾り613の飾り本体613Aの裏面にも、図15に示すように、突起部612Dと同様の突起部613Dが、通路壁613Bと通路壁613Cとの間に複数設けられている。また、図16に示すように、右流下通路653において、突起部613Dに対向する面には、突起部613Dの形状に応じた凹部653Aが形成されている。よって、右流下通路653についても、遊技球は、左流下通路652と同様に、突起部613Dと凹部653Aとにより形成される、一旦奥側(凹部653Aの底側)に向かった後に手前側に戻される経路を通過する。
また、図15に示すように、飾り本体612Aの裏面には、左流下通路652の下流側に、左流下通路652の連続方向に対して交差する向きに細長く延びる突起部612Eが形成されている。一方、図16に示すように、中央構造体420の本体側前面には、突起部612Eの下流となる位置に、突起部612Eと同様の、左流下通路652の連続方向に対して交差する向きに細長く延びる突起部652Bが形成されている。これにより、遊技球は、突起部612E,652Bに衝突しながら左流下通路652を流下する。突起部612E,652Bとの衝突によって遊技球の力学的エネルギーは減少するので、遊技球と流下規制部623との衝突を和らげることができる。
屋根611Bの湾曲形状は、遊技球の左右への振り分けを平滑化する目的で略左右対称に構成される。その一方で、流下規制部623の傾斜面は右から左へと下降傾斜する形状に構成されている。よって、必然的に、屋根611Bの左端から排出されて左流下通路652を流下する遊技球が流下規制部623に達するまでの距離は、屋根611Bの右端から排出されて右流下通路653遊技球が流下規制部623に達するまでの距離に比べて長くなる。そのため、遊技球が屋根611Bの左端から排出された場合と、遊技球が屋根611Bの右端から排出された場合とで、遊技球が流下規制部623に落下する(衝突する)際のエネルギーに違いが生じるため、それが原因となって、流下規制部623に落下した遊技球の挙動が不均質となる虞がある。
これに対し、上述のように、右流下通路653に比べて遊技球の流下距離が長い左流下通路652の下流には、右流下通路653の下流にはない突起部612E,652Bが設けられているので、遊技球が屋根611Bの左右いずれに振り分けられた場合であっても、流下規制部623に落下した遊技球の挙動を平滑化することができる。
次に、パチンコ機100において、中央構造体420によってなされる遊技球の移動方向の変化に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、上述のように、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球を、右流下通路653および流下規制部623を通過させることで左側遊技領域に進入させることができる。
従来の典型的な遊技機では、中央構造体の上部に設けた振分部によって右側に振り分けられた遊技球はそのまま右側を流下し、左側に振り分けられた遊技球はそのまま左側を流下するよう構成されており、振分部による振り分けられた遊技球の挙動が下流側への遊技球の流下位置にも影響していた。そのため、従来の遊技機において、中央構造体に対して左側の遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に、下側中始動入賞装置431のような始動入賞装置が設けられている場合、遊技者は、左側遊技領域を直接狙う(左打ち遊技手法)、または、振分部にて左側に遊技球が振り分けられるように狙うよう、遊技球の発射操作を行う。このように、従来の遊技機では、遊技者が狙う遊技球の流下開始位置が画一的となり、始動入賞装置など、遊技に関する特典が付与され易い一方側を多数の遊技球が流下するように遊技者の発射操作が限定され易く、意外性に欠けていた。
これに対し、パチンコ機100によれば、遊技者は、遊技領域の入口(すなわち、発射通路401Bの出口)から遠い右側を狙って遊技球を発射しても、その遊技球を左側遊技領域にて流下させることができる。よって、遊技者が発射操作により狙う位置を多様化することができ、意外性を持たせることができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、遊技領域における右側に遊技球が多く流下するように発射操作をしても、右流下通路653および流下規制部623によって左側遊技領域へと遊技球を戻すことができるので、遊技者には、中央構造体420における通過口621への遊技球の進入を左側から狙うだけでなく、右側から通過口621への進入を狙って多くの遊技球を流下させても、遊技球が左側遊技領域に案内されたことによって遊技に関する特典を付与することができる。この点においても、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420における通過口621に遊技球が進入したことを条件として、上側中始動入賞装置632に進入することが可能となる。換言すれば、遊技球は、通過口621に進入することなく、上側中始動入賞装置632に進入することはない。よって、右側から通過口621への進入を狙うように遊技球を発射した場合に、遊技球が通過口621に進入せず、上側中始動入賞装置632への進入機会が失われた場合であっても、その遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられることで、下側中始動入賞装置431への通過可能性が発生する。これにより、上側中始動入賞装置632への進入機会が失われたことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420は、パチンコ機100の正面視において、下側中始動入賞装置431の上方に設けられている(図7参照)。これにより、天板飾り611の屋根611Bが下側中始動入賞装置431に対して上下方向に重なって位置することになるので、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、流下規制部623を通過して左側に移動することで、略S字の移動経路を通って下側中始動入賞装置431に到達する。よって、遊技者は、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球が下側中始動入賞装置431に至るまでの移動経路が、単純に流下する経路とは異なるものであることから、その移動経路を明確に意識できる。これにより、遊技者は、左側遊技領域から離れた側(すなわち、右側)を狙って遊技球を発射したとしても、その遊技球が下側中始動入賞装置431を通過する可能性があることを明確に把握しながら発射操作を行うことができるので、右側を狙って発射操作を行う遊技を好適に楽しむことができる。
ここで、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選、または、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示する装飾図柄表示装置479が、パチンコ機100の正面視において、屋根611Bと下側中始動入賞装置431との間に設けられている。つまり、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄は、屋根611Bと下側中始動入賞装置431との間に表示される。これにより、遊技者は、屋根611Bにより遊技球が右側に振り分けられた場合に、その遊技球の移動経路を追いつつ、当該遊技球が下側中始動入賞装置431に進入した場合には、視線を下側中始動入賞装置431の位置から上方に上げることで、遊技球が下側中始動入賞装置431に進入したことに基づく抽選(すなわち、第1特別図柄抽選)の結果に応じた装飾図柄を視認することができる。遊技者は、装飾図柄表示装置479の様子を確認した後、さらに視線を上げることで、装飾図柄表示装置479より上方に位置する屋根611Bにて遊技球が振り分けられる様子を再度視認することができるので、遊技者の視線が散漫に振り回されることを抑制できる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420における通過口621に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、ステージ622Cに案内され、ステージ622Cにより、上側中始動入賞装置632または当該始動入賞装置632の外に振り分けられる。遊技球が通過口621に進入したにもかかわらず、上側中始動入賞装置632に振り分けられなかった場合、その遊技球は、流下規制部623上に落下し、左側遊技領域へと排出される。これにより、遊技者は、上側中始動入賞装置632に遊技球を進入させることができなかったとしても、その遊技球が左側遊技領域内の下側中始動入賞装置431に進入させることができるかもしれないことを期待できる。
特に、遊技球が、左右方向に往復移動する上側中始動入賞装置632の位置に対して右側となる凹部(凹部622Dまたは凹部622F)から落下した場合であっても、遊技球を左側遊技領域に案内できるので、遊技者は、遊技球の移動経路に対して意外性を抱きつつ、その意外な経路により移動する遊技球に対し、その遊技球が下側中始動入賞装置431に進入するかもしれないという期待を抱くことができる。
また、従来の典型的な遊技機では、通過口621のような進入部に進入した遊技球が、上側中始動入賞装置632のような有利領域を通過しなかった場合、その遊技球はパチンコ機100の外部へ排出されていた。これに対し、パチンコ機100においては、通過口621に進入した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったとしても、その遊技球は、パチンコ機100の外部へ排出されることなく、再度、下側中始動入賞装置431に進入するチャンスが与えられる。よって、通過口621に進入した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動>
次に、図17を主に参照して、流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動について説明する。図17は、図16の部分断面図を正面から見た図である。なお、図17では、左側遊技領域(すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域)に配置された一般入賞装置639を合わせて図示している。
上述のように、屋根611Bにより左側または右側に振り分けられた遊技球は、左流下通路652または右流下通路653を流下した後、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向:図16参照)に転動して、左側遊技領域へと排出される。ここで、図17に示すように、流下規制部623は、その上面に設けられた傾斜面の長手方向が、屋根611Bの左右方向の幅より長く構成される。よって、遊技球が屋根611Bによって左側に振り分けられた場合(すなわち、遊技球が左流下通路652を流下する場合)と、遊技球が屋根611Bによって右側に振り分けられた場合(すなわち、遊技球が左流下通路652を流下する場合)とで、流下規制部623への遊技球の落下位置が相違する。
具体的に、遊技球が屋根611Bによって左側に振り分けられた場合には、流下規制部623の左端である出口623Aに近い側が遊技球の落下位置となる。一方、遊技球が屋根611Bによって右側に振り分けられた場合には、出口623Aから遠い側(すなわち、流下規制部623の右端に近い側)が遊技球の落下位置となる。
流下規制部623の傾斜面は、右から左へと下降傾斜する構成であるので、出口623A(すなわち、傾斜面の左端)から離れるほど、出口の位置に対する高さ(上下方向長さ)が高くなる。よって、流下規制部623への遊技球の落下位置が流下規制部623の出口の位置から遠くなるほど、出口に対する当該落下位置の高さは高い。
つまり、遊技球が屋根611Bにより振り分けられた方向に応じて、落下位置の、出口に対する高さが異なる。例えば、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、左側に振り分けられた場合に比べ、出口に対してより高い位置に落下する。よって、流下規制部623の出口から排出される遊技球の加速態様を、屋根611Bによる遊技球の振り分け方向に応じて異ならせることができる。
具体的に、遊技球が屋根611Bにより左側に振り分けられて左流下通路652を流下する場合には、流下規制部623への落下地点が出口623Aに近い側となり、出口623Aに対する高さは比較的低い。そのため、かかる場合に出口623Aから排出される遊技球は、その加速が比較的小さい傾向となる。これに対し、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられて右流下通路653を流下する場合には、流下規制部623への落下地点が出口623Aから遠い側となり、出口623Aに対する高さは比較的高い。そのため、かかる場合に出口623Aから排出される遊技球の加速が比較的大きくなる傾向となる。
よって、遊技球が屋根611Bにより左側に振り分けられた場合、流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、中央構造体420に対して近い側を流下する軌道J1を取り易い。一方、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合、流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、中央構造体420に対して遠い側(すなわち、軌道J1より遠い側)を流下する軌道J2を取り易い。
流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、左側遊技領域に進入する。左側遊技領域の上方には、一般入賞装置639が配置されている(図7参照)。より詳細には、一般入賞装置639は、左側遊技領域における、流下規制部623の出口623A付近の、出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置される。
一般入賞装置639を、出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置したことで、流下規制部623から排出された遊技球が一般入賞装置639に進入する可能性は、軌道J2を通った場合に、軌道J1を通った場合に比べて高くなる。よって、流下規制部623への落下地点が出口から遠くなるほど、一般入賞装置639への遊技球の進入可能性は高い。つまり、本実施形態のパチンコ機100の場合、一般入賞装置639へ進入可能性は、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合の方が高い。
次に、パチンコ機100において、流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、流下規制部623は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部623から左側遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。例えば、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられたか、左側に振り分けられたかに応じて、左側遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なる。その一方で、一般入賞装置639は、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。これにより、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得る。
一般的に、一般入賞装置639などの有利領域への遊技球の進入は、その有利領域付近に設けられる釘等の流下変化部材の配置により定まり易く、有利領域から離れた位置での遊技球の挙動は有利領域への進入に影響することが少ない。そのため、遊技者が遊技領域の一部における遊技球の挙動にしか、興味を抱き難いという問題点があったが、パチンコ機100においては、上述のように、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得るので、遊技者は、流下規制部623にて遊技球を移動させる遊技を楽しむことができる、それにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。また、屋根611Bによる遊技球の振り分け方向に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得るので、屋根611Bによって遊技球を振り分ける遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、一般入賞装置639は、流下規制部623の出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置されている。つまり、一般入賞装置639への進入可能性は、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合の方が高い。よって、屋根611Bにより右側に振り分けられるよう位置など、所定位置を狙って遊技球を発射することに対する興趣を向上させることができる。
また、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球と、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球の一部は、共に流下規制部623を通過する。このため、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、軌道J2を通る可能性があるものの、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球によって阻止されることがある。ステージ622Cから遊技球が排出されるタイミングは変動して予測し難いので、軌道J2による遊技球の進行を遊技者が狙ったとしても、一部の遊技球の進行がステージ622Cから排出された遊技球によって阻止される状況が発生する。よって、中央上部遊技領域の右側部分が左側部分に比べて極端に有利にはならないようにすることができる。
<突起部612D,613Dの機能>
次に、図18から図20を主に参照して、突起部612D,613Dの機能について説明する。図18は、中央構造体420の正面図である。図18に示すように、中央構造体420の前面側上部には、その左右に左上前飾り612および右上前飾り613が設けられている。
左上前飾り612において、その表側が遊技者から視認される飾り本体612Aは、表面が透明または半透明と光透過可能な材質から構成される。飾り本体612Aの裏面側には、盤面発光装置490(図10参照)として発光体が配設され、その発光体を発光させることで、飾り本体612Aの表面側に透過する光が遊技盤400を装飾する。つまり、左上前飾り612は、遊技盤400に装飾を施す装飾手段としての機能を有している。
一方、右上前飾り613の飾り本体613Aもまた、飾り本体612Aと同様、表面が透明または半透明と光透過可能な材質からなる中空体として構成される。よって、右上前飾り613もまた、左上前飾り612と同様、遊技盤400に装飾を施す装飾手段として機能する。
特に、飾り本体612A,613Aの表面は、いずれも、遊技者に対向する側(すなわち、表側)が起伏面(装飾起伏面)として構成されるので、左上前飾り612および右上前飾り613による各装飾機能を高めている。
飾り本体612A,613Aの各裏面もまた、表面と同様、透明または半透明と光透過可能な材質から構成される。よって、遊技者は、左上前飾り612および右上前飾り613を表側から見た場合に、その裏側(すなわち、飾り本体612A,613Aの裏面における裏側)まで視認することができる。
上述のように、飾り本体612A,613Aの各裏側には、流下通路652,653が設けられている(図15,16参照)ので、遊技者は、飾り本体612A,613Aを介して、ワープ経路として中央構造体420に配設された流下通路652,653を流下する遊技球を視認することが可能である。よって、遊技者は、屋根611Bにより右側または左側のいずれかに振り分けられた遊技球がワープ経路を移動する様子を、飾り本体612A,613Aを介して視認することで把握できる。
しかしながら、各前飾り612,613は、上述のように、装飾手段としての機能を有し、必要に応じて発光するので、その光によって、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性が悪化し、遊技者は流下通路652,653の位置を特定し難くなる。それに伴い、遊技者は、屋根611Bにより振り分けられた遊技球の行方も把握し難くなる。特に、飾り本体612A,613Aの表面は起伏面として構成されるので、発光する光が起伏面において散乱し、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性の悪化が著しい。
これに対し、飾り本体612A,613Aの各裏面(より詳細には、各裏面の裏側)には、各流下通路652,653内に、流下通路652,653の連続方向に延びる突起部612D,613Dが設けられている(図15参照)。そのため、飾り本体612A,613Aは、突起部612D,613Dが設けられている部分においてその他の部分に比べて光が透過し難くなる。飾り本体612A,613Aは、その裏面側に設けられる発光体により発光するものであり、突起部612D,613Dにおける前後方向の厚みが他の部分に比べて大きいために光が透過し難く、また、突起部612D,613Dの後側の面が前後方向に傾斜する形状のため、後方側からの光が突起部612D,613Dの内部に進入し難いためである。よって、各前飾り612,613が発光する場合であっても、遊技者は、突起部612D,613Dが設けられている部分が他の部分に比べて暗い部分として視認することができる。
上述のように、突起部612D,613Dの底面(飾り本体612Aの,613Aの裏面に接する面)は、各流下通路652,653の連続方向に延びる略矩形に形成されるため、遊技者は、暗部分を各流下通路652,653の連続方向に延びる筋として視認することになる。よって、遊技者は、かかる暗部分に基づき流下通路652,653の位置を特定できる。このように、突起部612D,613Dは、流下通路652,653を表示する通路表示手段として機能する。
特に、上述のように、飾り本体612A,613Aの表面は起伏面として構成されており、光による装飾効果を高める一方で、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性を悪化させるが、裏側には、流下通路652,653を表示する通路表示手段として機能する突起部612D,613Dが設けられているので、遊技者に興趣を与える高度な装飾性を行いつつ、裏側に形成されたワープ経路(流下通路652,653)の視認性を良好に確保できる。
また、突起部612D,613Dは、各流下通路652,653の連続方向に対して交差する方向に複数設けられているので、遊技者は、複数の筋を暗部分として視認することができ、流下通路652,653の位置を特定し易い。
図19は、流下通路の形状を説明する図である。より詳細には、図19は、図18のXA−XA矢視断面図において右流下通路653の部分を抽出した図である。図19に示すように、右流下通路653は、突起部613Dと、突起部613Dに対向する面に形成された凹部653Aとによって蛇行する経路として構成される。
これにより、右流下通路653を流下する遊技球は、垂直落下ではなく、中央構造体420の奥側(すなわち、凹部652Aの底側)に蛇行する経路で流下する。遊技球を蛇行させて流下させることで、遊技球は右流下通路653に衝突しながら流下し、それにより、遊技球の流下速度を減速させることができる。つまり、突起部613Dは、減速手段としての機能を有する。なお、左流下通路652もまた図19と同様の蛇行する経路として構成される。よって、突起部612Dもまた、突起部613Dと同様の減速手段として機能する。
図20は、図17における領域E2の拡大図である。右流下通路653は、左右方向の通路幅W1、すなわち、通路壁613Bと通路壁613Cとの離間距離は、2つの遊技球を同時に通過可能な距離とされる。かかる幅を採用することで、右流下通路653における球詰まりを抑制することができる。
一方、右流下通路653において、突起部613Dにより区画された各区画の幅(右流下通路653の連続方向に対して交差する方向の長さ)W2は、遊技球の直径(遊技球の幅)より狭い距離とされる。これにより、右流下通路653を流下する遊技球は、隣接する突起部613Dによって整流される。つまり、突起部613Dは、整流手段としての機能を有する。
このように、流下する遊技球が突起部613Dによって整流されるので、2つの遊技球がほぼ同時に右流下通路653を通過する状況であっても、それらの遊技球による球詰まりを抑制することができる。なお、左流下通路652もまた図20と同様に構成される。よって、突起部612Dもまた、突起部613Dと同様の整流手段として機能する。
次に、パチンコ機100において、突起部612D,613Dを配設したことに係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、飾り本体612A,613Aの各裏面に通路表示手段として機能する突起部612D,613Dが設けられているので、飾り本体612A,613Aが、発光によって遊技盤400に装飾を施すものであったとしても、左右の流下通路652,653の存在を、遊技の開始前(すなわち、遊技球が下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域に進入する前)に把握し易い。よって、遊技球通路に進入した遊技球に対する不信感や苛立ちなどを遊技者に感じさせることを抑制できるので、遊技者は、遊技球通路に遊技球を進入させることで開始される遊技を楽しむことができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
また、左右の流下通路652,653は、屋根611Bにより左右に振り分けられた遊技球をそれぞれ通過させる通路であり、流下通路652,653の各下流には、流下規制部623が設けられており、流下通路652,653を通過した遊技球は、流下規制部623上を転動して、左側遊技領域へと排出される。このとき、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、右流下通路653を通過した後、流下規制部623の右端に近い側から出口623Aへと転動する。よって、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合、左側遊技領域に進入するまでに、比較的長い経路を通過することになる。パチンコ機100においては、上述のように、右流下通路653の存在を、遊技の開始前に把握し易いので、かかる比較的長い経路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを好適に抑制できる。
また、パチンコ機100においては、突起部612D,613Dが、凹部652Aとともに形成される蛇行部分における減速手段として機能する一方で、突起部612D,613Dが整流手段として機能するので、当該蛇行部分における遊技球の詰まりを抑制できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、流下規制部623は、屋根611Bや振分装置622により振り分けられた遊技球を受ける構成としたが、必ずしも、流下規制部623が、屋根611Bや振分装置622により振り分けられた遊技球を受ける構成である必要はない。例えば、上側遊技領域を流下する遊技球を直接受ける構成としてもよい。
(2)上記実施形態においては、屋根611Bにより左側または右側に振り分けられた遊技球は、いずれも流下規制部623を経て左側遊技領域に排出される構成としたが、右側に振り分けられた遊技球については、必ずしも、流下規制部623を通過させる必要はない。例えば、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球が、パチンコ機100の外部に排出される構成としてもよい。
なお、近年において、中央構造体の大型化などにより、遊技領域において遊技球を流下させる領域の大きさや配置が制限される傾向にあるが、上記実施形態のパチンコ機100のように、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、共通する遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に案内されるので、限りある遊技領域を有効に活用できる。
(3)上記実施形態では、屋根611B(第1振分部)および振分装置622(第2振分部)の各々で遊技球を振り分ける構成としたが、必ずしも、これら両方の振分部を設ける必要はない。例えば、振分部を屋根611Bのみとしてもよい。かかる場合、遊技球が通過口621に進入したことに基づき第2特別図柄の始動入賞が成立するように構成してもよい。
(4)上記実施形態では、上側遊技領域を流下する遊技球を振り分ける第1振分部として、上向きに凸の湾曲形状を有する屋根611Bを採用する構成としたが、第1振分部の形状は、必ずしも、上向きに凸の湾曲形状に限る必要はない。例えば、第1振分部を、左側、右側、または、通過口のいずれかに振り分けるステージやクルーンなどであってもよい。あるいは、所定の方向に移動する可動物を用いて、可動物の動きによって、遊技球を左側、右側、または、通過口のいずれかに振り分ける構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、流下規制部623により左側遊技領域に案内する構成としたが、流下規制部623により案内される先は、必ずしも、遊技領域の入口(すなわち、発射通路401Bの出口)に近い側の遊技領域、すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域である左側遊技領域に限る必要はない。
例えば、遊技領域の入口が右側に設けられている場合、すなわち、遊技球が右側から発射される場合には、流下規制部623が、屋根611Bによって振り分けられた遊技球を中央構造体420に対して右側からの遊技領域(以下において「右側遊技領域」とも称す)に案内する構成としてもよい。かかる変形例においても、上記実施形態のパチンコ機100と同様に、遊技領域の入口から遠い側(すなわち、左側)に振り分けられた遊技球を、当該入口に近い側の遊技領域である右側遊技領域に進入させることができる。
(6)上記実施形態では、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、共通する流下規制部623によって左側遊技領域に案内する構成としたが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、遊技球が屋根611により左側に振り分けられた場合と、右側に振り分けられた場合とで、それぞれ異なる流下規制部に遊技球が落下する構成としてもよい。
なお、本変形例において、左側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部と、右側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部とは、その傾斜面が同じ傾斜角であっても、異なる傾斜角であってもよい。流下規制部の傾斜面の傾斜角を異なる角度にすることで、各流下規制部の出口から排出される遊技球の加速態様を異ならせることができる。
また、左側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部と、右側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部とを、パチンコ機100の正面視において略ハの字に配置する構成としてもよい。かかる場合、振り分けの方向に応じて、左側遊技領域または右側遊技領域に排出されることになる。
(7)上記実施形態では、流下規制部623を、その傾斜面が右から左へと下降傾斜する構成としたが、遊技球が流下規制部623上を自重で左側に移動できる形状であれば、必ずしも、右から左への下降傾斜に限る必要はない。例えば、流下規制部623の斜面が、遊技球が流下規制部623上を自重で左側に移動できる程度の曲線や波状などの形状であってもよい。また、可動体の移動によって遊技球を左側遊技領域に運ぶ構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632が左右方向に往復移動する構成としたが、必ずしも、上側中始動入賞装置632を移動可能に構成する必要はない。例えば、上側中始動入賞装置632を所定位置で固定的に設ける(すなわち、移動しない)構成としてもよい。
(9)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球は、パチンコ機100の外部に排出される構成としたが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、上側中始動入賞装置632を進入口から臨む向きに貫通する構成とし、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が流下規制部623上に落下する構成としてもよい。かかる変形例によれば、上側中始動入賞装置632に進入するだけでなく、左側遊技領域にて下側中始動入賞装置431に進入させることも可能となる。
(10)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632を、第2特別図柄に係る始動入賞装置として構成したが、必ずしもこれに限る必要はない、例えば、上側中始動入賞装置632を、単に賞球の付与に係る一般入賞装置として構成してもよい。
(11)上記実施形態では、突起部612D,613Dを、左右の各流下通路652,653の連続方向に対して交差する方向に複数設ける構成としたが、必ずしも、設置数が複数であることに限る必要はない。例えば、突起部612D,613Dを各流下通路652,653に1つ設ける構成としてもよい。なお、図15に示す例では、各流下通路652,653に設ける突起部612D,613Dの数を5つとしたが、少なくとも1つが設けられていれば、その数は限定されない。
(12)上記実施形態では、飾り本体612A,613Aの各裏側に突起部612D,613Dを立設し、突起部612D,613Dの底面に相当する部分が暗部分として視認させることで通路表示部として機能させる構成としたが、通路表示部としての機能は、必ずしも、暗部分として視認させることに限る必要はない。例えば、飾り本体612A,613Aの各裏側に光透過性が低い着色料で流下通路652,653の連続方向に延びる筋を描く構成としてもよい。あるいは、飾り本体612A,613Aを装飾する光と区別可能に発光させることで、流下通路652,653の連続方向に延びる筋を遊技者に視認させる構成としてもよい。
(13)上記実施形態では、突起部612D,613Dの底面に起因する連続的に延びる(すなわち、一連の)筋を、通路表示部として遊技者に視認させる構成としたが、必ずしも、これに限る必要はない。例えば、通路表示部を、流下通路652,653の連続方向に間欠的(すなわち、点線状)に延びる筋を、通路表示部として遊技者に視認させる構成としてもよい。
(14)上記実施形態では、中央構造体420の内部、より詳細には、左上前飾り612および右上前飾り613の裏側に設けられた左右の流下通路652,653について、突起部612D,613Dを用いた通路表示を行う構成としたが、通路表示部による通路表示を行う通路は、必ずしも、中央構造体420の内部に設けられた通路に限る必要はない。例えば、中央構造体420以外の構造体の裏側を通る通路について、突起部などの通路表示部による通路表示を行う構成としてもよい。
(15)上記実施形態では、パチンコ機100の正面視において上下方向に延びる流下通路652,653に対し、突起部612D,613Dを用いた通路表示を行う構成としたが、通路表示を行う通路としては、必ずしも、上下方向に延びる通路に限る必要はない。例えば、左上から右下に延びる通路など、遊技球を自重で出口に到達させることができる形状の通路について、突起部などの通路表示部による通路表示を行う構成としてもよい。
(16)上記実施形態では、飾り本体612A,613Aの表面を起伏面として構成したが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、飾り本体612A,613Aの表面を起伏のない滑らかな面としてもよい。
(17)上記実施形態では、装飾図柄表示装置479が、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選、または、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示するものとして構成したが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、装飾図柄表示装置479は、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示するものとし、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果については、別の表示装置に表示する構成としてもよい。
(18)上記実施形態では、一般入賞装置639を、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける構成としたが、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける装置は、必ずしも、一般入賞装置に限る必要はない。例えば、下側中始動入賞装置431のような、進入したことに基づき抽選の権利が与えられる始動入賞装置(すなわち、特別図柄に係る始動入賞装置)を、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける構成としてもよい。
(19)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632の進入口(通過口621)は、屋根611Bによる振分部(第1振分部)の上側に設けられる場合について説明したが、必ずしもその位置に設ける必要はなく、屋根611Bによる振分部の下流側に相当する上側中始動入賞装置632の側方(右側または左側)に設けられる構成としてもよく、進入口の数は1つに限らず2以上であってもよい。
(20)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部(通過口621)を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部(屋根611B)と、
前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)に案内する第1経路(右流下通路653、流下規制部623)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させる遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、遊技球の移動経路が多様化されるものの、右に振り分けられた遊技球はそのまま右側を流下するなど、振分部による振り分けられた遊技球の挙動が下流側への遊技球の流下位置にも影響する。このため、遊技者が狙う遊技球の流下開始位置が画一的になって、遊技に関する特典が付与され易い一方側を多数の遊技球が流下するように遊技者の発射操作が限定され易く、意外性に欠けていた。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、振分部により構造的に振り分けられた遊技球を、遊技の興趣向上に好適な移動経路で移動させることができる。すなわち、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球を、遊技領域の入口から近い側(第1の側)に移動させることができるので、遊技者が発射操作により狙う位置が多様化され、意外性を持たせることができる。また、第2の側に遊技球が多く流下するように発射操作をしても第1の側に遊技球を戻すことができるので、遊技者には、第1の側から進入部への進入を狙うだけでなく、第2の側から進入部への進入を狙って多くの遊技球を流下させても特定の遊技領域における遊技の特典を付与することができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴10における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
同様に、特徴10における「特定の遊技領域」もまた、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機であって、
前記振分部により前記第1の側に振り分けられた遊技球を、前記特定の遊技領域に案内する第2経路(左流下通路652、流下規制部623)を備えていることを特徴とする遊技機。
近年において、中央構造体の大型化などにより、遊技領域において遊技球を流下させる領域の大きさや配置が制限される傾向にある。これに対し、特徴11に記載の遊技機であれば、振分部によって第1の側に振り分けられた遊技球も、第2の側に振り分けられた遊技球も、共通する遊技領域(振分部に対して第1の側に形成された特定の遊技領域)に案内することができるので、限りある遊技領域を有効に活用できる。
<特徴12>
特徴10または11に記載の遊技機であって、
前記特定の遊技領域の下流側には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する領域である第1の有利領域(下側中始動入賞装置431)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、遊技球が振分部によって第2の側に振り分けられたとしても、その遊技球を、振分部に対して第2の側とは異なる側(第1の側)に形成された遊技領域(特定の遊技領域)にて、当該特定の遊技領域の下流側に配置された第1の有利領域を通過させることが可能となる。よって、遊技者は、振分部によって第1の有利領域が設けられている側とは異なる側に振り分けられた遊技球に対し、その遊技球技遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないという期待を抱くことができる。これにより、遊技の興趣をより好適に向上させることができる。
なお、特徴12における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利は、例えば、下側中始動入賞装置431に通過(進入)したことに基づき与えられる第1特別図柄抽選の権利である。
<特徴13>
特徴12に記載の遊技機であって、
前記振分部は、前記進入部により進入した遊技球が通過可能な領域であって、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する領域である第2の有利領域(上側中始動入賞装置632)を備え、
前記第1経路は、遊技球が前記進入部に進入することなく前記振分部により前記第2の側に振り分けられた場合に、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機であれば、第2の側から進入部への進入を狙うように遊技球を発射した場合に、遊技球が進入部に進入せず第2の有利領域への通過機会が失われた場合であっても、その遊技球が振分部により第2の側に振り分けられることで、第1の有利領域への通過可能性が発生する。これにより、第2の有利領域への進入機会が失われたことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<特徴14>
特徴13に記載の遊技機であって、
前記進入部を通過した遊技球が、前記第2の有利領域を通過することなく、前記第2の有利領域の位置より前記第2の側を通過して、前記第1経路に合流する第3経路(凹部622D,凹部622F)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機であれば、遊技球が進入部に進入したにもかかわらず、第2の有利領域を通過しなかった場合であっても、その遊技球が第3経路を経由して第1経路に合流することができる。これにより、遊技者は、第2の有利領域に遊技球を通過させることができなかったとしても、その遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないことを期待できる。
特に、第3経路は、第2の有利領域の位置より第2の側を通過して第1経路に合流させる経路であるので、遊技者は、遊技球の移動経路に対して意外性を抱きつつ、その意外な経路により移動する遊技球に対し、その遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないという期待を抱くことができる。これにより、遊技の興趣をより好適に向上させることができる。
また、従来の典型的な遊技機では、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域のような有利領域を通過しなかった場合、その遊技球はパチンコ機100の外部へ排出されていた。これに対し、特徴14に記載の遊技機であれば、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域を通過しなかったとしても、その遊技球は、パチンコ機100の外部へ排出されることなく、再度、第1の有利領域への通過のチャンスが与えられる。よって、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域を通過しなかったことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<特徴15>
特徴12から14のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分部は、遊技機正面視において、前記第1の有利領域に対して上下方向において少なくとも一部が重なる位置に設けられ、
前記第1経路は、前記振分部と前記第1の有利領域との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機であれば、振分部により第2の側に振り分けられた遊技球が、第1経路を移動して特定の遊技領域に案内された後、第1の有利領域に至るまでの経路を、略S字などの経路とすることができる。よって、遊技者は、振分部により第2の側に振り分けられた遊技球が第1の有利領域に至るまでの移動経路が、単純に流下する経路とは全く異なるものであることから、その移動経路を明確に意識できる。これにより、遊技者は、特定の遊技領域から離れた側を狙って遊技球を発射したとしても、その遊技球が第1の有利領域を通過する可能性があることを明確に把握しながら発射操作を行うことができる。
<特徴16>
特徴13から15のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1の有利領域または前記第2の有利領域の少なくとも一方を遊技球が通過した場合に前記有利な遊技状態を発生させるか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段により抽選された結果に応じた識別情報を、遊技機正面視において前記振分部と前記第1の有利領域との間に表示する表示装置を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機であれば、遊技機正面視において振分部と第1の有利領域との間に表示装置が設けられるので、遊技者は、振分部により遊技球が第2の側に振り分けられた場合に、その遊技球の移動経路を追いつつ、当該遊技球が第1の有利領域を通過した場合には、視線を第1の有利領域の位置から上方に上げることで、遊技球が第1の有利領域を通過したことに基づく抽選の結果に応じた識別情報を視認することができる。遊技者は、表示装置の様子を確認した後、さらに視線を上げることで、当該表示装置より上方に位置する振分部にて遊技球が振り分けられる様子を再度視認することができるので、遊技者の視線が散漫に振り回されることを抑制できる。
<特徴20>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に移動させて特定の遊技領域(一般入賞装置639を含む左側遊技領域)に案内する流下規制部(流下規制部623)を備え、
前記特定の遊技領域は、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域(一般入賞装置639)を備え、
前記流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から前記特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成され、
前記有利領域は、前記流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させる遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、遊技球の移動経路が多様化されるものの、その移動経路は、単に移動方向を変化させるためのものであるに過ぎず、当該移動経路から排出される際の遊技球の挙動については考慮されていなかった。また、有利領域への遊技球の進入は、有利領域付近に設けられる釘等の流下変化部材の配置により定まり易く、有利領域から離れた位置での遊技球の挙動は有利領域への進入に影響することが少ないため、遊技者が遊技領域の一部における遊技球の挙動にしか、興味を抱き難いという問題点があった。
これに対し、特徴20に記載の遊技機であれば、流下規制部は、遊技球を、受けた位置から、遊技領域の入口に近い側(第1の側)または遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に移動させて特定の遊技領域に案内する。かかる流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。そして、特定の遊技領域には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域が、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。これにより、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が有利な特典を受けることができる可能性を変化させ得る。よって、遊技者は、流下規制部にて遊技球を移動させる遊技を楽しむことができるので、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴20における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第1の側または前記第2の側の一方から他方に向けて下降傾斜する傾斜部として構成されることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機であれば、流下規制部は、一方から他方に向けて傾斜する傾斜部として構成されるので、当該流下規制部を自重で転動する遊技球の位置エネルギーは、出口から遠いほど高い。これにより、流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異ならせることができる。
なお、特徴21における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴22>
特徴20または21に記載の遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、前記第1の側または前記第2の側に振り分ける振分部を備え、
前記流下規制部は、遊技機正面視において前記振分部の下方に設けられ、前記振分部により前記第1の側または前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けて、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、振分部により振り分けられた遊技球を、流下規制部を経て特定の遊技領域に排出させることができる。
<特徴23>
特徴22に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第2の側から前記第1の側に向けて下降傾斜する傾斜部として構成され、
前記特定の遊技領域は、前記振分部に対して前記第1の側に形成された領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)であり、
前記流下規制部は、前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記傾斜部の中央より前記第2の側にて受け、前記振分部により前記第1の側に振り分けられた遊技球を、前記傾斜部の中央より前記第1の側にて受けることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機であれば、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球であっても、その遊技球を、流下規制部により、振分部に対して入口に近い側(第1の側)に形成された遊技領域(特定の遊技領域)に設けられた有利領域への通過可能性を得ることができる。よって、遊技者が発射操作により狙う位置を多様化することができるので、振分部により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、遊技球が振分部により第1の側または第2の側のいずれに振り分けられるかに応じて、流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様を異ならせることができる。つまり、有利領域が設けられた位置に応じて、遊技球が第1の側に振り分けられた場合と、第2の側に振り分けられた場合とで、遊技者が有利な特典を得られる可能性を変化させることができる。この点においても、振分部により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上させることができる。
なお、特徴23における「特定の遊技領域」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴24>
特徴23に記載の遊技機であって、
前記有利領域は、前記流下規制部が前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けた場合に、前記流下規制部が前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けた場合に比べて通過可能性が高い位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機であれば、遊技者が、振分部によって第2の側に振り分けられるよう位置を狙って発射操作を行うことで、有利領域への通過可能性を高くすることができるので、所定位置を狙って遊技球を発射することに対する興趣を向上させることができる。
<特徴30>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
裏側を視認可能に構成されるともに、発光することで装飾を施す装飾部(飾り本体612A,613A)と、
前記装飾部の裏側に形成された遊技球通路(左流下通路652,右流下通路653)と、
前記遊技球通路内に、当該遊技球通路の連続方向に沿って延びる少なくとも1の通路表示部(突起部612D,613D)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の外側から内側へ遊技球を誘導するワープ経路を設け、当該ワープ経路を用いて、始動装置へ誘導可能なステージに遊技球を案内する遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、ワープ経路は中央構造体の内部または背面側に設けられているため、遊技機正面から視認することが難しかった。そのため、遊技球がワープ経路に進入した場合、遊技者は、その遊技球を見失い、その行方を確認することができなくなる。よって、遊技者は、遊技球がワープ経路から出てこないかも知れないという不信感や、確認できないことに対する苛立ちなどを感じることで、例え一時期であっても遊技を楽しめなくなる虞があった。
そのような課題に対し、中央構造体を透明にしてワープ通路を視認可能にすることが考えられる。しかしながら、近年では、その内部に設けた発光体を発光させることで中央構造体を装飾させる遊技機が主流となっている。そのため、中央構造体を透明に構成したとしても、遊技者は、中央構造体を装飾する光によってワープ経路の位置を見失い易く、それに伴い、ワープ経路を通過する遊技球も見失い易くなるため、上述の課題は解決されないままである。
これに対し、遊技機30に記載の遊技機であれば、装飾部の裏側に形成された遊技球通路内に、当該遊技球通路の連続方向に沿って延びる通路表示部が設けられているので、装飾部が発光することで装飾を施すものであっても、遊技者は、遊技球通路を遊技の開始前に把握し易い。よって、遊技球通路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを抑制できるので、遊技者は、遊技球通路に遊技球を進入させることで開始される遊技を楽しむことができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
前記通路表示部は、前記遊技球通路の連続方向に対して交差する方向に複数並ぶことを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機であれば、通路表示部は、遊技球通路の連続方向に対して交差する方向に複数並べて設けられているので、遊技者は、これら複数の通路表示部によって遊技球通路をより把握し易い。
<特徴32>
特徴30または31に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、当該装飾部の表側に形成された装飾起伏面と、当該装飾部の裏側に形成された、前記遊技球通路の連続方向に沿って延びる筋状の突起部(突起部612D,613D)とを備え、
前記通路表示部は、前記筋状の突起部から構成されることを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機であれば、装飾部の表側に形成された装飾起伏面によって高度な装飾性を提供しつつ、その裏側に形成された突起部によって、遊技球通路の視認性を良好に確保することができる。つまり、装飾性と遊技球通路の良好な視認性とを両立させることができる。
<特徴33>
特徴32に記載の遊技機であって、
前記遊技球通路は、前記装飾部の裏面と、当該裏面に対向する通路面とを含んで構成されるとともに、遊技機正面視において上下方向に連なる通路であり、
前記通路面は、前記筋状の突起部が形成された位置に、当該突起部に対応する凹部が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機であれば、突起部と凹部との間に形成される経路によって、遊技球通路の通過経路を、垂直落下でなく、凹部に沿って蛇行する経路として構成できる。かかる蛇行部分において、遊技球通路を通過する遊技球の速度を減速させることができる。
<特徴34>
前記特徴33に記載の遊技機であって、
前記筋状の突起部は、前記装飾部における設置面からの高さが、当該突起部の端部から内側に向けて徐々に高くなるよう形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機であれば、遊技球通路において突起部と凹部とにより形成される蛇行部分を緩やかにすることができるので、遊技球通路を蛇行させたことによって当該通路に遊技球が詰まることを抑制できる。
<特徴35>
特徴33または34に記載の遊技機であって、
前記突起部により区画された、前記遊技球通路の連続方向に延びる各区画の当該連続方向に対して交差する方向の長さは、遊技球の幅より狭いことを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機であれば、突起部により区画された、遊技球通路の連続方向に延びる各区画の当該連続方向に対して交差する方向の長さが、遊技球の幅より狭いので、遊技球を、遊技球通路の連続方向に延びる各区画に沿って通過させることができる。これにより、遊技球通路を通過する遊技球は整流されるので、当該通路に遊技球が詰まることを抑制できる。
<特徴36>
特徴30から35のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部(通過口621)を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部(屋根611B)を備え、
前記遊技球通路は、前記振分部により振り分けられた遊技球の通路であることを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機であれば、振分部により振り分けられた遊技球を遊技球通路に進入させることができる。遊技者は、振分部により振り分けられた後の遊技球の行方を、通路表示部を用いて把握することができる。
なお、特徴36における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
<特徴37>
特徴36に記載の遊技機であって、
前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を通過させる前記遊技球通路の下流側に設けられ、遊技球を、遊技機正面視において前記第2の側から前記第1の側に向けて移動させることで、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)に案内する流下規制部(流下規制部623)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機37に記載の遊技機であれば、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球は、遊技球通路および流下規制部を経て、遊技領域の入口から近い側(第1の側)に形成された特定の遊技領域に案内される。かかる場合、遊技球は、振分部により振り分けられた後、特定の遊技領域に進入するまでに、比較的長い経路を通過することになるが、通路表示部の存在によって、遊技者は、上述のように、遊技球通路を遊技の開始前(すなわち、遊技球が特定の遊技領域に進入する前)に把握し易い。これにより、遊技球通路を含む、特定の遊技領域に到達するまでの比較的長い経路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを好適に抑制できる。
なお、特徴37における「特定の遊技領域」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴38>
特徴37に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第2の側から前記第1の側に向けて下降傾斜する傾斜部として構成され、前記遊技球通路を通過した遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、前記第1の側に移動させて前記特定の遊技領域に案内するものあり、
前記特定の遊技領域は、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域(下側中始動入賞装置431)を備え、
前記流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から排出される遊技球の加速態様が異なるように構成され、
前記有利領域は、前記流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴38に記載の遊技機であれば、流下規制部は、遊技球通路を通過した遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、遊技領域の入口に近い側(第1の側)に移動させて特定の遊技領域に案内する。かかる流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。そして、特定の遊技領域には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域が、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。このように、遊技球通路を通過した遊技球は、当該遊技球を受けた流下規制部の位置に応じて、遊技者が有利な特典を受けることができる可能性が変化するので、遊技者は、遊技球通路を通過した遊技球を流下規制部にて移動させる遊技を楽しむことができ、それにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴38における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
なお、特徴10〜38に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、431…下側中始動入賞装置、611B:屋根、612A,613A…飾り部、612D,613D…突起部、620…通過口、622C…ステージ、623…流下規制部、639…一般入賞装置、652…左流下通路、653…右流下通路、652A,653A…凹部

Claims (2)

  1. 所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
    前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部と、
    前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域に案内する第1経路と、
    該第1経路により前記特定の遊技領域に案内された遊技球が通過可能な領域であって、当該領域を遊技球が通過した場合に予め設定された所定の特典を付与する領域である第1の有利領域と、
    前記振分部に設けられる前記進入部により進入した遊技球が通過可能な領域であって、当該領域を遊技球が通過した場合に予め設定された所定の特典を付与する領域である第2の有利領域とを備え、
    前記第1経路は、遊技球が前記進入部に進入することなく前記振分部により前記第2の側に振り分けられた場合に、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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