以下に図面を参照して、本発明にかかる信憑性評価プログラム、信憑性評価方法および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
(信憑性評価方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる信憑性評価方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報処理装置100は、端末装置M(図1の例では、端末装置M1〜M5)から送信される投稿情報の信頼度Rを判断するコンピュータである。
端末装置Mは、近距離無線通信可能なコンピュータであり、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット型PC(Personal Computer)などである。近距離無線通信は、通信距離が数十メートル程度までの無線通信である。近距離無線通信の一例としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線PAN(Personal Area Network)を利用した通信が挙げられる。
投稿情報は、ある事象についての情報であり、例えば、事件、事故、自然災害、あるいは、何らかの偶発的なイベントについての情報などである。投稿情報には、ある事象についての記事、画像(静止画、動画)、音声などが含まれる。投稿情報は、例えば、端末装置Mのユーザにより投稿されてソーシャルメディアなどを通じて公開される。
ここで、インターネットなどのネットワーク上に公開される事件、事故等の情報は、情報発信サイトやソーシャルメディアなどを通じて、スマートフォンなどから閲覧することができる。ネットワーク上に公開される情報の中には、警察、消防、自治体などから配信される情報のほか、個人によって発信される情報も多数存在する。
警察、消防、自治体などから配信される情報は、信憑性の高い情報である一方で、情報開示までに様々な人手を介すため、事件、事故等の発生から情報開示までのタイムラグが大きいものとなる傾向がある。このため、警察、消防、自治体などから配信される情報から、情報閲覧者が事件、事故等の発生を早期に知ることは難しい。
ところが、事件、事故等の発生をできるだけ早く知ることは重要である。例えば、ある情報閲覧者が、目的地に向かう途中や目的地付近で発生している事件、事故等を早期に知ることができないと、目的地への移動中あるいは到着時に事件、事故等に遭遇して二次災害を招く恐れがある。
警察、消防、自治体などから配信される情報に比べて、ソーシャルメディアなどを通じて、実際に事件、事故等に遭遇した人により開示される情報は、事件、事故等の発生から情報開示までのタイムラグが小さいことが多い。しかし、個人によって開示される情報には、虚偽の情報や誤った情報が含まれることがある。
すなわち、ソーシャルメディアなどを通じて個人によって開示される情報は、事件、事故等の発生をいち早く知るための手段として有効であるが、虚偽の情報や誤った情報である可能性があり、情報の信憑性を評価することが重要となる。
ここで、事件、事故等が発生すると、現場周辺に野次馬が集まって人だかりができることがある。また、野次馬は、事件、事故等の発生を家族や知人に知らせたり、事件、事故等の現場を撮影したりするために、スマートフォンや携帯電話機などを持参して集まることが多い。
そこで、本実施の形態では、事件、事故等が発生すると、現場周辺にスマートフォンや携帯電話機などの端末装置Mを持参した野次馬が集まる傾向があることを利用して、ある端末装置Mから送信される投稿情報の信頼度Rを判断する方法について説明する。以下、情報処理装置100の信憑性評価処理例について説明する。
図1の例では、ある場所で実際に事故が発生し、事故現場に到着した野次馬Aが、端末装置M1を使用して、事故についての投稿情報を投稿する場合を例に挙げて説明する。
(1)端末装置Mは、所定の操作入力に応じて近距離無線通信を開始する。ここで、端末装置Mの近距離無線通信は、端末装置Mの周辺に存在する他の端末装置Mを検索するために行われる。所定の操作入力は、端末装置Mにおける近距離無線通信の開始契機となるユーザの操作入力である。
例えば、所定の操作入力は、投稿情報を投稿するためのアプリケーションを起動する操作入力であってもよい。また、所定の操作入力は、投稿情報に含まれる記事、画像、音声などを入力するための操作入力であってもよく、投稿情報を送信するための操作入力であってもよい。
図1の例では、事故現場に到着した野次馬Aが、投稿情報を投稿するためのアプリケーションを起動する操作入力を行ったことに応じて、端末装置M1の近距離無線通信が開始される場合を想定する。
(2)端末装置Mは、近距離無線通信により自装置と直接通信可能となった他の端末装置Mの数Cを計測する。具体的には、例えば、端末装置Mは、一定時間間隔(例えば、数秒間隔)ごとに、近距離無線通信の通信範囲内に存在する他の端末装置Mを検索することにより、自装置と直接通信可能となった他の端末装置Mの数Cを計測する。
この際、端末装置Mは、端末装置同士を接続するためのペアリングを行わないことにしてもよい。ペアリングとは、近距離無線通信の通信範囲内に存在する通信機器の中から接続先となる相手を選択し、双方に同じ暗証番号を入力することにより相互に認証を行うことである。
すなわち、本実施の形態では、端末装置Mの近距離無線通信の通信範囲内に存在する他の端末装置Mの数Cを集計できればよいため、端末装置間でセッション確立のための承認操作は行わなくてもよい。
図1の例では、端末装置M1の近距離無線通信が開始されると、まず、元々現場に滞在していた野次馬D,Eの端末装置M4,M5が検索される。この後、野次馬B,Cがそれぞれ事故現場に到着すると、野次馬B,Cの端末装置M2,M3が順次検索される。
(3)端末装置Mは、投稿情報を送信するための操作入力に応じて、ある事象についての投稿情報と、計測した他の端末装置Mの数Cとを対応付けて送信する。上述したように、投稿情報は、ソーシャルメディアなどを通じて公開される。このため、投稿情報の送信先は、例えば、端末装置Mのユーザが利用するソーシャルメディアなどのコンピュータとなる。
図1の例では、一例として情報処理装置100が、投稿情報の送信先のコンピュータである場合を想定する。また、野次馬Cの端末装置M3が検索された後、端末装置M1において、事故についての投稿情報110を送信するための操作入力が行われた場合を想定する。この場合、端末装置M1は、投稿情報110と、計測した他の端末装置Mの数C「4」とを対応付けて情報処理装置100に送信する。
なお、端末装置M1の近距離無線通信が、例えば、投稿情報を送信するための操作入力に応じて開始される場合は、端末装置M1は、当該操作入力に応じて近距離無線通信を開始して、近距離無線通信により自装置と直接通信可能となった他の端末装置Mの数Cを計測する。そして、端末装置Mは、ある事象についての投稿情報と、計測した他の端末装置Mの数とを対応付けて送信する。
(4)情報処理装置100は、端末装置Mから送信された、ある事象についての投稿情報と、端末装置Mにより計測された他の端末装置Mの数Cとを取得する。ここで、他の端末装置Mの数Cは、端末装置Mが投稿情報を送信する際に端末装置Mの近距離無線通信により検索された他の端末装置の数である。
すなわち、他の端末装置の数Cは、端末装置Mにおいて所定の操作入力に応じて近距離無線通信が開始されてから、ある事象についての投稿情報が送信されるまでの間に、端末装置Mの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mの数である。換言すれば、他の端末装置Mの数Cは、情報発信者と同じ場所に集まった野次馬の数といえる。
図1の例では、情報処理装置100は、端末装置M1から、事故についての投稿情報110と、端末装置M1により計測された他の端末装置Mの数C「4」とを受信する。
(5)情報処理装置100は、取得した他の端末装置Mの数Cに基づいて、取得した投稿情報の信頼度Rを判断する。ここで、投稿情報の信頼度Rとは、投稿情報の信憑性を評価するための指標である。投稿情報の信頼度Rは、例えば、信憑性が高いほど値が大きくなるように数値化されて表現されてもよく、「高」、「中」、「低」といった信憑性の高さを表すレベルによって表現されてもよい。
具体的には、例えば、情報処理装置100は、他の端末装置Mの数Cが予め記録された閾値Th以上であれば、投稿情報の信頼度Rを「高」と判断することにしてもよい。また、情報処理装置100は、他の端末装置Mの数Cが閾値Th未満であれば、投稿情報の信頼度Rを「低」と判断することにしてもよい。
すなわち、情報発信者と同じ場所に集まった野次馬の数が多ければ、実際に事故が発生している可能性が高いと判断できるため、投稿情報の信頼度Rが「高」と判断される。一方、情報発信者と同じ場所に集まった野次馬の数が少なければ、実際に事故が発生している可能性が低いと判断できるため、投稿情報の信頼度Rが「低」と判断される。
一例として、閾値Thを「Th=3」とする。この場合、図1の例では、情報処理装置100は、他の端末装置Mの数C「4」が閾値Th以上であるため、投稿情報110の信頼度Rを「高」と判断する。
このように、情報処理装置100によれば、ある事象についての投稿情報を端末装置Mが送信する際に端末装置Mの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mの数Cに基づいて、端末装置Mから送信された投稿情報の信頼度Rを判断することができる。これにより、端末装置Mから送信される投稿情報の信憑性を評価することができる。
このため、ソーシャルメディアなどを利用して開示される事件、事故等の情報のうち、信憑性の高い情報を選定して情報閲覧者に提供することが可能となる。また、情報閲覧者は、事件、事故等の発生を早い段階で把握することが可能となる。この結果、例えば、情報閲覧者が目的地に向かう場合などに、目的地の変更や移動経路の変更などを事前に検討することができ、危険領域への進入を回避して二次災害を防ぐことができる。
なお、情報処理装置100は、例えば、情報閲覧者側の端末装置Mにより実現することにしてもよい。この場合、情報閲覧者側で、情報開示者の端末装置Mから送信される投稿情報の信憑性を評価することができる。これにより、例えば、悪意のある情報開示者がソーシャルメディアなどを利用して虚偽の情報を開示しても、情報閲覧者側で虚偽の情報であることを見破りやすくなる。
(システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかるシステム200のシステム構成例について説明する。
図2は、システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、システム200は、端末装置M1〜Mmと、情報開示サーバ201と、情報提供サーバ202と、を含む構成である(mは、2以上の自然数)。システム200において、端末装置M1〜Mm、情報開示サーバ201および情報提供サーバ202は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
以下の説明では、端末装置M1〜Mmのうちの任意の端末装置を「端末装置Mj」と表記する場合がある(j=1,2,…,m)。
端末装置Mjは、位置情報テーブル220および集計テーブル230を有し、近距離無線通信可能なコンピュータである。位置情報テーブル220および集計テーブル230の記憶内容については、図5および図6を用いて後述する。端末装置Mjには、投稿情報を投稿するためのアプリケーションがインストールされる。端末装置Mjは、図1で説明した端末装置Mに対応する。
以下の説明では、投稿情報を投稿するためのアプリケーションを「投稿アプリ」と表記する場合がある。
情報開示サーバ201は、開示情報DB(データベース)240を有し、端末装置Mjから送信される投稿情報の信頼度Rを判断するコンピュータである。開示情報DB240の記憶内容については、図7を用いて後述する。情報開示サーバ201は、図1で説明した情報処理装置100に対応する。
情報提供サーバ202は、緊急車両の出動履歴を記憶するコンピュータである。情報提供サーバ202は、例えば、場所と日時を入力として、入力された日時を含む一定期間内に、入力された場所に緊急車両が出動したか否かを示す出動情報を出力する。情報提供サーバ202は、例えば、警察、消防、自治体などのサーバである。
(端末装置Mjのハードウェア構成例)
図3は、端末装置Mjのハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、端末装置Mjは、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスプレイ303と、キーパッド304と、公衆網I/F(Interface)305と、近距離無線I/F306と、GPS(Global Positioning System)ユニット307と、カメラ308と、を有する。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、端末装置Mjの全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させることになる。
ディスプレイ303は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ303は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
キーパッド304は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。キーパッド304は、例えば、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
公衆網I/F305は、無線通信回路とアンテナを有し、移動体通信網の基地局などを介してネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した情報開示サーバ201)に接続される。そして、公衆網I/F305は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
近距離無線I/F306は、無線通信回路とアンテナを有し、無線ネットワークに接続され、無線ネットワークを介して他の端末装置Mk(k≠j、k=1,2,…,m)に接続される。そして、近距離無線I/F306は、無線ネットワークと内部のインターフェースを司り、他の端末装置Mkからのデータの入出力を制御する。
GPSユニット307は、GPS衛星からの電波を受信し、端末装置Mjの位置情報を出力する。端末装置Mjの位置情報は、例えば、緯度、経度などの地球上の1点を特定する情報である。また、端末装置Mjは、DGPS(Differential GPS)により、GPSユニット307から出力される位置情報を補正することにしてもよい。
カメラ308は、静止画または動画を撮影し、画像データとして出力する。カメラ308により撮影された画像は、例えば、画像データとしてメモリ302に記録される。なお、端末装置Mjは、上述した構成部のほかに、例えば、マイクロフォンに受音された音声をA/D変換する音声信号処理部などを有することにしてもよい。
(情報開示サーバ201のハードウェア構成例)
図4は、情報開示サーバ201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、情報開示サーバ201は、CPU401と、メモリ402と、I/F403と、ディスクドライブ404と、ディスク405と、を有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、情報開示サーバ201の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
I/F403は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した端末装置Mj、情報提供サーバ202)に接続される。そして、I/F403は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F403には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ404は、CPU401の制御に従ってディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク405は、ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク405としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、情報開示サーバ201は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示した情報提供サーバ202についても、情報開示サーバ201と同様のハードウェア構成により実現することができる。
(位置情報テーブル220の記憶内容)
つぎに、端末装置Mjが有する位置情報テーブル220の記憶内容について説明する。位置情報テーブル220は、例えば、図3に示した端末装置Mjのメモリ302により実現される。
図5は、位置情報テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、位置情報テーブル220は、近距離無線通信開始時刻および開始時の位置情報(緯度、経度)を記憶する。ここで、近距離無線通信開始時刻は、端末装置Mjにおいて近距離無線通信が開始された時刻を示す。近距離無線通信開始時刻は、例えば、年月日時分秒(yyyy/mm/dd HH:MM:SS)により表現される。開始時の位置情報(緯度、経度)は、近距離無線通信開始時の端末装置Mjの位置情報であり、緯度(度、分、秒)と経度(度、分、秒)の組み合わせにより表現される。
(集計テーブル230の記憶内容)
つぎに、端末装置Mjが有する集計テーブル230の記憶内容について説明する。集計テーブル230は、例えば、端末装置Mjのメモリ302により実現される。
図6は、集計テーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、集計テーブル230は、端末ID、近距離無線通信成功時刻、近距離無線通信失敗時刻および検索時の位置情報(緯度、経度)のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、近距離無線通信情報(例えば、近距離無線通信情報600−1〜600−4)がレコードとして記憶される。
ここで、端末IDは、端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkの識別子である。近距離無線通信成功時刻は、端末装置Mjの近距離無線通信により他の端末装置Mkが検索された時刻を示す。近距離無線通信失敗時刻は、端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkが、端末装置Mjの近距離無線通信の通信範囲外となった時刻を示す。検索時の位置情報(緯度、経度)は、端末装置Mjの近距離無線通信により他の端末装置Mkが検索されたときの端末装置Mjの位置情報である。
また、集計テーブル230は、参集端末数、離散端末数および送信時の位置情報(緯度、経度)を記憶する。ここで、参集端末数は、端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkの数である。離散端末数は、端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkのうち、端末装置Mjの近距離無線通信の通信範囲外となった他の端末装置Mkの数である。送信時の位置情報(緯度、経度)は、投稿情報送信時の端末装置Mjの位置情報であり、緯度と経度の組み合わせにより表現される。
(開示情報DB240の記憶内容)
つぎに、情報開示サーバ201が有する開示情報DB240の記憶内容について説明する。開示情報DB240は、例えば、図4に示した情報開示サーバ201のメモリ402やディスク405などの記憶装置により実現される。
以下の説明では、端末装置Mjのユーザにより投稿された投稿情報、すなわち、端末装置Mjから送信された投稿情報のうち、開示情報DB240に登録された投稿情報を「開示情報」と表記する場合がある。
図7は、開示情報DB240の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、開示情報DB240は、情報ID、情報有効性、信頼度、第1信頼度、第2信頼度、情報差異、開示元位置、開示元、参集端末数、離散端末数、発生時刻、事象種別、危険度、開示内容および投稿回数のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、開示情報D1〜Dnがレコードとして記憶される。
ここで、情報IDは、開示情報(投稿情報)を識別する識別子である。例えば、情報IDは、開示情報の新規登録時に、情報IDの数字部分が昇順となるように設定される。情報有効性は、開示情報が有効であるか否かを示す。情報有効性として、例えば、初期設定では、開示情報が有効であることを示す「有」が設定され、事件、事故等の処理が終了したことに応じて、開示情報が無効であることを示す「無」が設定される。
なお、事件、事故等の処理の終了は、例えば、警察、消防、自治体などのサーバから配信される情報により判断される。より具体的には、例えば、情報開示サーバ201または人手により、警察、消防、自治体などのサーバから配信される情報をもとに、事件、事故等の処理の終了を判断して情報有効性を更新してもよい。
信頼度は、開示情報(投稿情報)の信頼度Rであり、開示情報の信憑性を評価するための指標である。第1信頼度は、開示情報の第1信頼度R1であり、参集端末数から判断される指標である。第2信頼度は、開示情報の第2信頼度R2であり、離散端末数から判断される指標である。
情報差異は、情報提供サーバ202から提供される出動情報と開示情報との差異を示す。情報差異は、例えば、開示情報の開示元位置、すなわち、ある事象の発生場所に、ある事象の発生時刻を含む一定期間内に、緊急車両が出動していれば「無」が設定され、緊急車両が出動していなければ「有」が設定される。
開示元位置は、開示情報(投稿情報)の開示元である端末装置Mjの位置情報である。開示元は、開示情報の開示元を識別する識別子である。ここでは、開示元として、開示元である端末装置Mjの端末IDを用いる。ただし、開示元として、開示元である端末装置Mjを使用するユーザの氏名、ハンドルネームなどを用いてもよい。
参集端末数は、開示元である端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkの数である。離散端末数は、開示元である端末装置Mjの近距離無線通信により検索された他の端末装置Mkのうち、端末装置Mjの近距離無線通信の通信範囲外となった他の端末装置Mkの数である。
発生時刻は、ある事象が発生した時刻を示す。発生時刻として、例えば、情報開示サーバ201において開示情報(投稿情報)が受信された時刻が設定される。ただし、発生時刻として、端末装置Mjから開示情報(投稿情報)が送信された時刻が設定されることにしてもよい。
事象種別は、ある事象の種別を示す。事象種別として、例えば、事件、事故等が設定される。危険度は、ある事象の危険の度合いを示す。危険度として、例えば、「高」、「中」、「低」といった危険の度合いを表すレベルによって表現されてもよい。開示内容は、ある事象についての開示情報(投稿情報)に含まれる記事、画像データ、音声データなどである。投稿回数は、ある事象についての投稿情報が投稿された回数である。
以下の説明では、開示情報DB240内の開示情報D1〜Dnのうちの任意の開示情報を「開示情報Di」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。
(投稿画面の画面例)
つぎに、端末装置Mjのディスプレイ303に表示される投稿画面の画面例について説明する。投稿画面は、例えば、端末装置Mjにおいて投稿アプリを起動するための操作入力が行われると、端末装置Mjのディスプレイ303に表示される。
図8は、投稿画面の画面例を示す説明図である。図8において、投稿画面800は、ある事象についての投稿情報を作成するための操作画面である。ここでは、投稿画面800上で行うユーザの操作入力として、タップ操作を行う場合を例に挙げて説明する。
投稿画面800において、領域801をタップすると、ある事象の種別を示す開示情報種別を入力することができる。また、投稿画面800において、領域802をタップすると、ある事象についてのコメントを入力することができる。また、投稿画面800において、領域803をタップすると、ある事象についての画像データや音声データなどを添付することができる。
(投稿情報の具体例)
つぎに、図8に示した投稿画面800を用いて作成される投稿情報の具体例について説明する。
図9は、投稿情報の具体例を示す説明図(その1)である。図9において、投稿情報900は、開示情報種別『事故』およびコメント『◎◎町の●●駅付近で車同士の衝突事故で、国道2号線が大渋滞となっているよ。あーすごく大きな衝突事故だ!』を含む。なお、投稿情報900には、画像データや音声データは含まれていない。
(端末装置Mjの機能的構成例)
図10は、端末装置Mjの機能的構成例を示すブロック図である。図10において、端末装置Mjは、受付部1001と、近距離無線通信制御部1002と、計測部1003と、送信部1004と、を含む構成である。受付部1001〜送信部1004は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、公衆網I/F305や近距離無線I/F306により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302などの記憶装置に記憶される。
受付部1001は、所定の操作入力を受け付ける。ここで、所定の操作入力は、端末装置Mjにおける近距離無線通信の開始契機となるユーザの操作入力である。所定の操作入力は、例えば、投稿アプリを起動するための操作入力である。具体的には、例えば、受付部1001は、図3に示したキーパッド304を用いたユーザの操作入力により、所定の操作入力を受け付ける。
近距離無線通信制御部1002は、自装置による近距離無線通信を制御する。具体的には、例えば、近距離無線通信制御部1002は、受付部1001が所定の操作入力を受け付けたことに応じて、自装置による近距離無線通信を開始する。また、例えば、近距離無線通信制御部1002は、投稿アプリの終了に応じて、自装置による近距離無線通信を終了することにしてもよい。
なお、端末装置Mjによる近距離無線通信が開始されると、近距離無線通信開始時刻および近距離無線通信開始時の端末装置Mjの位置情報が、図5に示した位置情報テーブル220に記憶される。
計測部1003は、参集端末数C1を計測する。ここで、参集端末数C1は、端末装置Mjの近距離無線通信により端末装置Mjと直接通信可能となった他の端末装置Mkの数である。具体的には、例えば、計測部1003は、一定時間間隔(例えば、数秒間隔)ごとに、近距離無線通信の通信範囲内に存在する他の端末装置Mkを検索することにより参集端末数C1を計測する。
なお、他の端末装置Mkが検索された場合、他の端末装置Mkの端末ID、近距離無線通信成功時刻、および検索時の位置情報(緯度、経度)が、図6に示した集計テーブル230に記憶される。これにより、新たな近距離無線通信情報が集計テーブル230に登録される。この時点では、近距離無線通信失敗時刻は「−(null)」である。この結果、計測部1003は、集計テーブル230内の近距離無線通信情報の数を参集端末数C1として特定することができる。
また、計測部1003は、離散端末数C2を計測する。ここで、離散端末数C2は、端末装置Mjの近距離無線通信により端末装置Mjと直接通信可能となった他の端末装置Mkのうち、端末装置Mjの近距離無線通信の通信範囲外となった他の端末装置Mkの数である。具体的には、例えば、計測部1003は、あるタイミングで検索された他の端末装置Mkが、それ以降のいずれかのタイミングで検索されなかった場合に、端末装置Mjの近距離無線通信の通信範囲外となったと判断する。
なお、他の端末装置Mkが近距離無線通信の通信範囲外となった場合、当該通信範囲外となった時刻が、集計テーブル230内の対応する近距離無線通信情報の近距離無線通信失敗時刻に設定される。この結果、計測部1003は、集計テーブル230内の近距離無線通信失敗時刻が設定された近距離無線通信情報の数を離散端末数C2として特定することができる。
送信部1004は、ある事象についての投稿情報と、計測された参集端末数C1とを対応付けて送信する。さらに、送信部1004は、ある事象についての投稿情報と対応付けて、計測された離散端末数C2を送信することにしてもよい。具体的には、例えば、送信部1004は、投稿情報を送信するための操作入力に応じて、参集端末数C1および離散端末数C2を含む投稿情報を情報開示サーバ201に送信する。
投稿情報には、例えば、投稿情報の開示元および開示元位置を特定する発信元特定情報が含まれる。開示元を特定する情報は、例えば、端末装置Mjの端末IDである。また、開示元位置を特定する情報は、例えば、集計テーブル230内の送信時の位置情報(緯度、経度)である。
なお、集計テーブル230内の送信時の位置情報(緯度、経度)は、例えば、投稿情報を送信するための操作入力が行われた時点の端末装置Mkの位置情報である。すなわち、投稿情報を送信するための操作入力が行われると、その時点の端末装置Mkの位置情報が、送信時の位置情報(緯度、経度)として集計テーブル230に記憶される。
また、計測部1003は、集計テーブル230内の近距離無線通信情報が近距離無線通信結果により生成されたデータであるか否かを判断することにしてもよい。具体的には、例えば、計測部1003は、位置情報テーブル220内の開始時の位置情報と、集計テーブル230内の近距離無線通信情報の検索時の位置情報との誤差1が、予め設定された範囲内であるか否かを判断する。さらに、計測部1003は、位置情報テーブル220内の開始時の位置情報と、集計テーブル230内の送信時の位置情報との誤差2が、予め設定された範囲内であるか否かを判断する。
そして、計測部1003は、誤差1および誤差2が、それぞれ予め設定された範囲内であれば、集計テーブル230内の近距離無線通信情報が近距離無線通信結果により生成されたデータであると判断することにしてもよい。これにより、端末装置Mjから投稿情報と対応付けて送信される参集端末数C1および離散端末数C2の改竄を防止することができる。
(情報開示サーバ201の機能的構成例)
図11は、情報開示サーバ201の機能的構成例を示すブロック図である。図11において、情報開示サーバ201は、取得部1101と、信頼度判断部1102と、危険度判断部1103と、開示制御部1104と、を含む構成である。取得部1101〜開示制御部1104は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図4に示したメモリ402、ディスク405などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F403により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ402、ディスク405などの記憶装置に記憶される。
取得部1101は、端末装置Mjから送信された投稿情報を取得する。ここで、投稿情報は、ある事象についての情報であり、例えば、開示情報種別、コメント、画像などを含む。また、投稿情報には、例えば、参集端末数C1、離散端末数C2、発信元特定情報などが含まれる。
具体的には、例えば、取得部1101は、端末装置Mjから投稿情報を受信することにより、端末装置Mjから送信された投稿情報を取得する。また、取得部1101は、端末装置Mjから送信される投稿情報を収集する他のコンピュータから、投稿情報を取得してもよい。
取得された投稿情報の開示内容、開示情報種別、発信元特定情報、参集端末数C1および離散端末数C2は、例えば、図7に示した開示情報DB240の対応する各フィールドに記憶される。この際、取得部1101は、参集端末数C1または離散端末数C2のいずれも含まれていない投稿情報については、開示情報として扱わず、開示情報DB240に記憶しないことにしてもよい。
また、取得部1101は、発信元特定情報が含まれていない投稿情報については、開示情報として扱わず、開示情報DB240に記憶しないことにしてもよい。これにより、出所不明の投稿情報を信憑性なしとして排除することができる。また、開示情報種別が含まれていない投稿情報についても、開示情報として扱わず、開示情報DB240に記憶しないことにしてもよい。
信頼度判断部1102は、取得された参集端末数C1に基づいて、開示情報Diの第1信頼度R1を判断する。開示情報Diは、開示情報DB240に登録された投稿情報である。ここで、情報発信者(開示元)と同じ場所に集まった野次馬の数が多いほど、実際に事件、事故等が発生している可能性が高いといえる。このため、例えば、信頼度判断部1102は、参集端末数C1が、予め記録された高閾値Th1High以上の場合に、第1信頼度R1「高」と判断することにしてもよい。
また、信頼度判断部1102は、参集端末数C1が、予め記録された低閾値Th1Low以上かつ高閾値Th1High未満の場合に、第1信頼度R1「中」と判断することにしてもよい。さらに、信頼度判断部1102は、参集端末数C1が低閾値Th1Low未満の場合に、第1信頼度R1「低」と判断することにしてもよい。
また、信頼度判断部1102は、取得された離散端末数C2に基づいて、開示情報Diの第2信頼度R2を判断する。ここで、情報発信者(開示元)と同じ場所に集まった野次馬のうち、その場所から離れずにとどまっている野次馬の数が多いほど、実際に事件、事故等が発生している可能性が高いといえる。
換言すれば、野次馬が集まった場所で実際に事件、事故等が発生していなければ、その場所から離れる野次馬の数は多くなるといえる。このため、例えば、信頼度判断部1102は、離散端末数C2が、予め記録された高閾値Th2High以上の場合に、第2信頼度R2「低」と判断することにしてもよい。
また、信頼度判断部1102は、離散端末数C2が、予め記録された低閾値Th2Low以上かつ高閾値Th2High未満の場合に、第2信頼度R2「中」と判断することにしてもよい。さらに、信頼度判断部1102は、離散端末数C2が低閾値Th2Low未満の場合に、第2信頼度R2「高」と判断することにしてもよい。
また、信頼度判断部1102は、判断した第1信頼度R1および第2信頼度R2に基づいて、開示情報Diの信頼度Rを判断する。具体的には、例えば、信頼度判断部1102は、図12に示すようなマトリクスに従って、開示情報Diの信頼度Rを判断することにしてもよい。
図12は、開示情報Diの信頼度Rの判断例を示す説明図である。図12において、パターン1は、第1信頼度R1および第2信頼度R2のうちの第2信頼度R2を優先することで、開示情報Diの信頼度R(図12中、斜体文字)を判断するものである。例えば、第2信頼度R2「高」は、事件、事故等の現場から離れていった野次馬の数が少ないということになるので、それだけ信憑性が高いことにつながる。このため、信頼度判断部1102は、例えば、第1信頼度R1「低」であっても、第2信頼度R2「高」であれば、信頼度R「高」と判断する。
一方、パターン2は、第1信頼度R1および第2信頼度R2のうちの第1信頼度R1を優先することで、開示情報Diの信頼度R(図12中、斜体文字)を判断するものである。例えば、第1信頼度R1「高」は、事件、事故等の現場に集まった野次馬の数が多いということになるので、それだけ信憑性が高いことにつながる。このため、信頼度判断部1102は、例えば、第2信頼度R2「低」であっても、第1信頼度R1「高」であれば、信頼度R「高」と判断する。
このように、マトリクスを変更することで、いろいろなパターンで開示情報Diの信頼度Rを判断することが可能となる。なお、判断された第1信頼度R1、第2信頼度R2および信頼度Rは、例えば、開示情報DB240内の開示情報Diの対応する各フィールドに設定される。
図11の説明に戻り、また、取得部1101は、事象の発生地点の位置情報と事象の発生時刻を特定する日時情報とを情報提供サーバ202に送信することにより、事象の発生地点に緊急車両が出動したか否かを示す出動情報を取得することにしてもよい。ここで、事象の発生地点の位置情報は、例えば、開示情報Diの開示元位置である。事象の発生時刻は、例えば、開示情報Diの発生時刻である。
取得された出動情報は、例えば、開示情報DB240内の開示情報Diの情報差異フィールドに設定される。例えば、出動情報が、緊急車両が出動したことを示す場合は、情報差異フィールドに「無」が設定される。一方、出動情報が、緊急車両が出動していないことを示す場合は、情報差異フィールドに「有」が設定される。
信頼度判断部1102は、取得された出動情報に基づいて、開示情報Diの信頼度Rを判断することにしてもよい。具体的には、例えば、信頼度判断部1102は、開示情報Diの情報差異が「有」の場合は、信頼度R「低」と判断する、あるいは、信頼度Rのレベルを1つ下げることにしてもよい。
危険度判断部1103は、開示情報Diに含まれる画像データに基づいて、事象の危険度Kを判断する。ここで、画像データは、投稿情報に添付された添付画像の画像データである。具体的には、例えば、危険度判断部1103は、添付画像の画像データを解析することにより、事象の種別を特定する。そして、危険度判断部1103は、特定した事象の種別に基づいて、事象の危険度Kを判断する。
より詳細に説明すると、例えば、危険度判断部1103は、添付画像の画像データを解析することにより、添付画像に含まれる撮影対象物を特定する。つぎに、危険度判断部1103は、図13に示す事象種別テーブル1300を参照して、特定した撮影対象物に対応する事象種別を特定する。そして、危険度判断部1103は、図14に示す危険度テーブル1400を参照して、特定した事象種別に対応する危険度Kを特定する。
図13は、事象種別テーブル1300の記憶内容の一例を示す説明図である。図13において、事象種別テーブル1300は、撮影対象物と事象種別とを対応付けて記憶する。一例として、添付画像に含まれる撮影対象物を「警察官」とする。この場合、危険度判断部1103は、事象種別テーブル1300を参照して、撮影対象物「警察官」に対応する事象種別「事件or事故」を特定する。
図14は、危険度テーブル1400の記憶内容の一例を示す説明図である。図14において、危険度テーブル1400は、事象種別と危険度とを対応付けて記憶する。一例として、事象種別を「事件or事故」とする。この場合、危険度判断部1103は、危険度テーブル1400を参照して、事象種別「事件」または事象種別「事故」に対応する危険度K「高」を特定する。
なお、レベルの異なる複数の危険度が特定された場合、危険度判断部1103は、複数の危険度のうちのレベルが高い危険度を優先することにしてもよい。また、判断された危険度Kは、例えば、開示情報DB240内の開示情報Diの危険度フィールドに設定される。
また、開示情報Diの開示内容に記事または音声データが含まれる場合には、危険度判断部1103は、記事または音声データを解析することにより、事象の種別を特定することにしてもよい。具体的には、例えば、危険度判断部1103は、記事または音声データを解析して事件、事故、火災などの単語を検出することにより、事象の種別を特定することにしてもよい。
図11の説明に戻り、また、危険度判断部1103は、投稿情報に含まれる画像データに基づいて、事象の種別を特定することにしてもよい。さらに、危険度判断部1103は、投稿情報に含まれる記事または音声データを解析することにより、事象の種別を特定することにしてもよい。
これにより、特定した事象の種別を、上述した開示情報種別として扱うことができ、開示情報種別が含まれていない投稿情報についても、開示情報として開示情報DB240に記憶することができる。
開示制御部1104は、判断された開示情報Diの信頼度Rに基づいて、開示先に開示情報Diを出力する。開示先は、例えば、ある情報発信サイトであってもよく、また、開示先として設定された端末装置Mjであってもよい。
具体的には、例えば、まず、開示制御部1104は、開示情報DB240内の開示情報D1〜Dnのうち、信頼度Rが閾値Rth以上の開示情報Diを特定する。閾値Rthは、任意に設定可能であり、例えば、「高」、「中」などに設定される。つぎに、開示制御部1104は、特定した開示情報Diに基づいて、危険情報を生成する。そして、開示制御部1104は、生成した危険情報を開示先に出力することにしてもよい。
一例として、開示先を端末装置Mjとすると、開示制御部1104は、生成した危険情報を端末装置Mjに送信する。この場合、端末装置Mjは、情報開示サーバ201から危険情報を受信して、ディスプレイ303に表示する。なお、端末装置Mjのディスプレイ303に表示される危険情報の具体例については、図17を用いて後述する。
また、開示制御部1104は、判断された開示情報Diの危険度Kに基づいて、開示先に開示情報Diを出力することにしてもよい。具体的には、例えば、まず、開示制御部1104は、開示情報DB240内の開示情報D1〜Dnのうち、危険度Kが閾値Kth以上の開示情報Diを特定する。閾値Kthは、任意に設定可能であり、例えば、「高」、「中」などに設定される。つぎに、開示制御部1104は、特定した開示情報Diに基づいて、危険情報を生成する。そして、開示制御部1104は、生成した危険情報を開示先に出力することにしてもよい。
また、開示制御部1104は、判断された開示情報の信頼度Rおよび危険度Kに基づいて、開示先に開示情報Diを出力することにしてもよい。具体的には、例えば、まず、開示制御部1104は、開示情報DB240内の開示情報D1〜Dnのうち、信頼度Rが閾値Rth以上かつ危険度Kが閾値Kth以上の開示情報Diを特定する。つぎに、開示制御部1104は、特定した開示情報Diに基づいて、危険情報を生成する。そして、開示制御部1104は、生成した危険情報を開示先に出力することにしてもよい。
なお、開示情報DB240内の開示情報D1〜Dnのうち、情報有効性「無」の開示情報Diについては開示対象から除外することにしてもよい。
(同一事象についての投稿情報のマージ処理例)
同一事象について、同一の情報発信者あるいは複数の情報発信者から複数の投稿情報が投稿される場合がある。この場合、取得部1101は、同一事象についての複数の投稿情報をマージすることにしてもよい。
ここで、図9に示した投稿情報900と同一事象について、同一の情報発信者から2回目の投稿情報が投稿された場合を想定する。この際、情報発信者は、投稿情報900を投稿したときの場所から移動せずに2回目の投稿を行った場合を想定する。また、投稿情報900に対応する開示情報DB240内の開示情報Diを「開示情報D1」とする。
図15は、投稿情報の具体例を示す説明図(その2)である。図15において、投稿情報1500は、投稿情報900(図9参照)と同一事象について、同一の情報発信者から投稿された2回目の投稿情報である。投稿情報1500は、開示情報種別『事故』およびコメント『さっきの事故の写真と大渋滞の写真』を含む。また、投稿情報1500には、添付画像の画像データが含まれている。また、投稿情報1500には、参集端末数C1『10』と離散端末数C2『1』が対応付けられている。
まず、取得部1101は、投稿情報1500の開示元位置と開示情報D1(投稿情報900)の開示元位置とが一致するか否かを判定する。ただし、開示元位置のある程度の誤差は許容することにしてもよい。ここでは、投稿情報1500の開示元位置と開示情報D1(投稿情報900)の開示元位置とが一致する。
この場合、取得部1101は、投稿情報1500の開示情報種別『事故』と開示情報D1(投稿情報900)の事象種別『事故』とが一致するか否かを判定する。ここでは、投稿情報1500の開示情報種別『事故』と開示情報D1(投稿情報900)の事象種別『事故』とが一致する。
この場合、取得部1101は、投稿情報1500が、開示情報D1(投稿情報900)と同一事象についての情報であると判断する。そして、取得部1101は、投稿情報1500の参集端末数C1『10』と開示情報D1(投稿情報900)の参集端末数C1『4』とを比較する。ここでは、投稿情報1500の参集端末数C1『10』のほうが大きい。
この場合、取得部1101は、開示情報D1(投稿情報900)の参集端末数C1『4』を、投稿情報1500の参集端末数C1『10』で更新する。また、取得部1101は、開示情報D1(投稿情報900)の離散端末数C2『2』を、投稿情報1500の離散端末数C2『1』で更新する。さらに、取得部1101は、投稿情報1500に含まれる添付画像の画像データを、開示情報D1(投稿情報900)の開示内容に追加する。
図16は、開示情報DB240内の開示情報Diの更新例を示す説明図である。図16において、開示情報DB240内の開示情報D1の更新例が示されている。ここでは、開示情報D1の参集端末数C1が『10』に更新され、開示情報D1の離散端末数C2が『1』に更新され、開示情報D1の開示内容に画像が追加されている。
この場合、信頼度判断部1102は、更新後の参集端末数C1および離散端末数C2に基づいて、開示情報D1の信頼度Rを再度判断することにしてもよい。また、危険度判断部1103は、開示情報D1の開示内容に追加された画像(添付画像の画像データ)に基づいて、事象の危険度Kを再度判断することにしてもよい。
なお、投稿情報1500の情報発信者が、投稿情報900の情報発信者と異なる場合には、開示情報D1の投稿回数Xがインクリメントされる。ここで、同一事象についての投稿情報が、複数の情報発信者から投稿されるほど、実際に事件、事故等が発生している可能性が高いといえる。このため、信頼度判断部1102は、開示情報D1の投稿回数Xが予め記録された閾値Xthより大きくなった場合に、例えば、開示情報D1の信頼度Rのレベルを1つ上げることにしてもよい(例えば、「低」→「中」、「中」→「高」)。
(情報参照画面の画面例)
つぎに、端末装置Mjのディスプレイ303に表示される情報参照画面の画面例について説明する。情報参照画面は、例えば、端末装置Mjにおいて危険情報を受信したことに応じて、端末装置Mjのディスプレイ303に表示される。
図17は、情報参照画面の画面例を示す説明図である。図17において、情報参照画面1700は、○○月□□日△△時発生の危険情報1710を表示する画面である。ここでは、危険情報1710は、開示情報DB240内の開示情報D1に基づいて生成された場合を想定する。
危険情報1710には、事件・事故情報についてのコメント(符号1711)と、危険度「高」(符号1712)と、信憑性「高」(符号1713)と、が示されている。
コメントは、開示情報D1に含まれる記事に対応する。危険度「高」は、開示情報D1の危険度Kに対応する。信憑性「高」は、開示情報D1の信頼度Rに対応する。また、危険情報1710には、現場を撮影した画像1714が添付されている。画像1714は、開示情報D1に含まれる添付画像に対応する。「○○月□□日△△時」は、開示情報D1の発生時刻に対応する。
危険情報1710によれば、情報閲覧者は、◎◎町の●●駅付近での事故の発生を早い段階で把握することが可能となる。また、情報閲覧者は、事故の危険度「高」や危険情報1710の信憑性「高」を判断することができる。この結果、例えば、情報閲覧者が目的地に向かう場合などに、目的地の変更や移動経路の変更などを事前に検討することができ、危険領域への進入を回避して二次災害を防ぐことができる。なお、開示元の氏名やハンドルネームなどが開示情報D1に含まれる場合は、危険情報1710の発信元として、開示元の氏名やハンドルネームなどを示すことにしてもよい。
(情報開示サーバ201の信憑性評価処理手順)
つぎに、情報開示サーバ201の信憑性評価処理手順について説明する。
図18は、情報開示サーバ201の信憑性評価処理手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、端末装置Mjから投稿情報を受信したか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、情報開示サーバ201は、端末装置Mjから投稿情報を受信するのを待つ(ステップS1801:No)。
そして、情報開示サーバ201は、端末装置Mjから投稿情報を受信した場合(ステップS1801:Yes)、投稿情報に発信元特定情報が含まれるか否かを判断する(ステップS1802)。ここで、発信元特定情報が含まれていない場合(ステップS1802:No)、情報開示サーバ201は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、発信元特定情報が含まれる場合(ステップS1802:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に開示情報種別が含まれるか否かを判断する(ステップS1803)。ここで、開示情報種別が含まれていない場合(ステップS1803:No)、情報開示サーバ201は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、開示情報種別が含まれる場合(ステップS1803:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に参集端末数C1および離散端末数C2が含まれるか否かを判断する(ステップS1804)。ここで、参集端末数C1および離散端末数C2が含まれていない場合(ステップS1804:No)、情報開示サーバ201は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、参集端末数C1および離散端末数C2が含まれる場合(ステップS1804:Yes)、情報開示サーバ201は、同一事象判断処理を実行する(ステップS1805)。同一事象判断処理の具体的な処理手順については、図19および図20を用いて後述する。
つぎに、情報開示サーバ201は、投稿情報の開示種別が新規であるか否かを判断する(ステップS1806)。ここで、投稿情報の開示種別が既知の場合(ステップS1806:No)、情報開示サーバ201は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、投稿情報の開示種別が新規の場合(ステップS1806:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報を開示情報DB240に記憶する(ステップS1807)。これにより、投稿情報が開示情報Dnとして開示情報DB240に登録される。
つぎに、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度判断処理を実行する(ステップS1808)。なお、ステップS1808の信頼度判断処理の処理対象となる開示情報Diは「開示情報Dn」である(i=n)。信頼度判断処理の具体的な処理手順については、図21を用いて後述する。
そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの危険度判断処理を実行して(ステップS1809)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。なお、ステップS1809の危険度判断処理の処理対象となる開示情報Diは「開示情報Dn」である(i=n)。危険度判断処理の具体的な処理手順については、図25および図26を用いて後述する。
これにより、端末装置Mjから送信される投稿情報の信憑性を評価することができる。
(同一事象判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図18に示したステップS1805の同一事象判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図19および図20は、同一事象判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図19のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、投稿情報の開示種別を既知として(ステップS1901)、開示情報Diの「i」を「i=1」で初期化する(ステップS1902)。
つぎに、情報開示サーバ201は、「i」が「n」より大きいか否かを判断する(ステップS1903)。ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1903:No)、情報開示サーバ201は、開示情報DB240から開示情報Diを読み込む(ステップS1904)。
そして、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示元位置が、開示情報Diの開示元位置と一致するか否かを判断する(ステップS1905)。ここで、開示元位置が一致しない場合(ステップS1905:No)、情報開示サーバ201は、「i」をインクリメントして(ステップS1906)、ステップS1903に戻る。
一方、開示元位置が一致する場合(ステップS1905:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示情報種別が示す事象種別が、開示情報Diの事象種別と一致するか否かを判断する(ステップS1907)。ここで、事象種別が一致しない場合(ステップS1907:No)、情報開示サーバ201は、ステップS1906に移行する。
一方、事象種別が一致する場合(ステップS1907:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示元が、開示情報Diの開示元と一致するか否かを判断する(ステップS1908)。ここで、開示元が一致する場合(ステップS1908:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示内容(記事、画像等)が更新されたか否かを判断する(ステップS1909)。
ここで、開示内容が更新されていない場合(ステップS1909:No)、情報開示サーバ201は、同一事象判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、開示内容が更新された場合(ステップS1909:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示内容を、開示情報Diの開示内容に追加する(ステップS1910)。
そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの危険度判断処理を実行して(ステップS1911)、同一事象判断処理を呼び出したステップに戻る。また、ステップS1903において、「i」が「n」より大きい場合(ステップS1903:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報の開示種別を新規として(ステップS1912)、同一事象判断処理を呼び出したステップに戻る。
また、ステップS1908において、開示元が一致しない場合(ステップS1908:No)、情報開示サーバ201は、図20に示すステップS2001に移行する。
図20のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、投稿情報に開示内容(記事、画像等)が含まれるか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、開示内容が含まれていない場合(ステップS2001:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2004に移行する。
一方、開示内容が含まれる場合(ステップS2001:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる開示内容を、開示情報Diの開示内容に追加する(ステップS2002)。そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの危険度判断処理を実行する(ステップS2003)。
つぎに、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる参集端末数C1が、開示情報Diの参集端末数C1から増加しているか否かを判断する(ステップS2004)。ここで、参集端末数C1が増加していない場合(ステップS2004:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2008に移行する。
一方、参集端末数C1が増加している場合(ステップS2004:Yes)、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる参集端末数C1で、開示情報Diの参集端末数C1を更新する(ステップS2005)。つぎに、情報開示サーバ201は、投稿情報に含まれる離散端末数C2で、開示情報Diの離散端末数C2を更新する(ステップS2006)。
そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度判断処理を実行する(ステップS2007)。つぎに、情報開示サーバ201は、開示情報Diの投稿回数Xをインクリメントして(ステップS2008)、投稿回数Xが閾値Xthより大きくなったか否かを判断する(ステップS2009)。
ここで、投稿回数Xが閾値Xth以下の場合(ステップS2009:No)、情報開示サーバ201は、同一事象判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、投稿回数Xが閾値Xthより大きくなった場合(ステップS2009:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度Rのレベルを1つ上げて(ステップS2010)、同一事象判断処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、同一事象についての投稿情報と開示情報Diとをマージして、開示情報Diの信頼度Rや危険度Kを判断し直すことができる。
(信頼度判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図18に示したステップS1808の信頼度判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図21は、信頼度判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度Rを「低」に設定する(ステップS2101)。
そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度判断処理を実行する(ステップS2102)。第1信頼度判断処理の具体的な処理手順については、図22を用いて後述する。つぎに、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度判断処理を実行する(ステップS2103)。第2信頼度判断処理の具体的な処理手順については、図23を用いて後述する。
そして、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度総合判断処理を実行して(ステップS2104)、信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。信頼度総合判断処理の具体的な処理手順については、図24を用いて後述する。これにより、開示情報Diの信頼度Rを判断することができる。
(第1信頼度判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図21に示したステップS2102の第1信頼度判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図22は、第1信頼度判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報DB240から開示情報Diの参集端末数C1を抽出する(ステップS2201)。つぎに、情報開示サーバ201は、参集端末数C1が「0」であるか否かを判断する(ステップS2202)。
ここで、参集端末数C1が「0」の場合(ステップS2202:Yes)、情報開示サーバ201は、ステップS2207に移行する。一方、参集端末数C1が「0」ではない場合(ステップS2202:No)、情報開示サーバ201は、参集端末数C1が高閾値Th1High以上であるか否かを判断する(ステップS2203)。
ここで、参集端末数C1が高閾値Th1High以上の場合(ステップS2203:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度R1を「高」に設定して(ステップS2204)、第1信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
一方、参集端末数C1が高閾値Th1High未満の場合(ステップS2203:No)、情報開示サーバ201は、参集端末数C1が低閾値Th1Low以上であるか否かを判断する(ステップS2205)。
ここで、参集端末数C1が低閾値Th1Low以上の場合(ステップS2205:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度R1を「中」に設定して(ステップS2206)、第1信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
一方、参集端末数C1が低閾値Th1Low未満の場合(ステップS2205:No)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度R1を「低」に設定して(ステップS2207)、第1信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、情報発信者(発信元)と同じ場所に集まった野次馬の数をもとに、開示情報Diの第1信頼度R1を判断することができる。
(第2信頼度判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図21に示したステップS2103の第2信頼度判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図23は、第2信頼度判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図23のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報DB240から開示情報Diの離散端末数C2を抽出する(ステップS2301)。つぎに、情報開示サーバ201は、離散端末数C2が「0」であるか否かを判断する(ステップS2302)。
ここで、離散端末数C2が「0」の場合(ステップS2302:Yes)、情報開示サーバ201は、ステップS2307に移行する。一方、離散端末数C2が「0」ではない場合(ステップS2302:No)、情報開示サーバ201は、離散端末数C2が高閾値Th2High以上であるか否かを判断する(ステップS2303)。
ここで、離散端末数C2が高閾値Th2High以上の場合(ステップS2303:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度R2を「低」に設定して(ステップS2304)、第2信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
一方、離散端末数C2が高閾値Th2High未満の場合(ステップS2303:No)、情報開示サーバ201は、離散端末数C2が低閾値Th2Low以上であるか否かを判断する(ステップS2305)。
ここで、離散端末数C2が低閾値Th2Low以上の場合(ステップS2305:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度R2を「中」に設定して(ステップS2306)、第2信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
一方、離散端末数C2が低閾値Th2Low未満の場合(ステップS2305:No)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度R2を「高」に設定して(ステップS2307)、第2信頼度判断処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、情報発信者(発信元)と同じ場所に集まった野次馬のうち離れていった野次馬の数をもとに、開示情報Diの第2信頼度R2を判断することができる。
(信頼度総合判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図21に示したステップS2104の信頼度総合判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図24は、信頼度総合判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図24のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度R1が「高」であるか否かを判断する(ステップS2401)。
ここで、第1信頼度R1が「高」の場合(ステップS2401:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度Rを「高」に設定して(ステップS2402)、信頼度総合判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、第1信頼度R1が「高」ではない場合(ステップS2401:No)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度R2が「高」であるか否かを判断する(ステップS2403)。
ここで、第2信頼度R2が「高」の場合(ステップS2403:Yes)、情報開示サーバ201は、ステップS2402に移行する。一方、第2信頼度R2が「高」ではない場合(ステップS2403:No)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第1信頼度R1が「中」であるか否かを判断する(ステップS2404)。
ここで、第1信頼度R1が「中」の場合(ステップS2404:Yes)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの信頼度Rを「中」に設定して(ステップS2405)、信頼度総合判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、第1信頼度R1が「中」ではない場合(ステップS2404:No)、情報開示サーバ201は、開示情報Diの第2信頼度R2が「中」であるか否かを判断する(ステップS2406)。
ここで、第2信頼度R2が「中」の場合(ステップS2406:Yes)、情報開示サーバ201は、ステップS2405に移行する。一方、第2信頼度R2が「中」ではない場合(ステップS2406:No)、情報開示サーバ201は、信頼度総合判断処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、情報発信者(発信元)と同じ場所に集まった野次馬の数と、その場所から離れていった野次馬の数をもとに、開示情報Diの信頼度Rを判断することができる。
(危険度判断処理の具体的処理手順)
つぎに、図18に示したステップS1809の危険度判断処理の具体的な処理手順について説明する。
図25および図26は、危険度判断処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図25のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報Diの開示内容に画像が含まれるか否かを判断する(ステップS2501)。
ここで、画像が含まれない場合(ステップS2501:No)、情報開示サーバ201は、危険度判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、画像が含まれる場合(ステップS2501:Yes)、情報開示サーバ201は、画像を解析して(ステップS2502)、画像中に「警察官」が含まれるか否かを判断する(ステップS2503)。
ここで、「警察官」が含まれない場合(ステップS2503:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2505に移行する。一方、「警察官」が含まれる場合(ステップS2503:Yes)、情報開示サーバ201は、事象種別テーブル1300を参照して、「警察官」に対応する事象種別「事件or事故」を発生事象に追加する(ステップS2504)。
つぎに、情報開示サーバ201は、画像中に「消防士」が含まれるか否かを判断する(ステップS2505)。ここで、「消防士」が含まれない場合(ステップS2505:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2507に移行する。一方、「消防士」が含まれる場合(ステップS2505:Yes)、情報開示サーバ201は、事象種別テーブル1300を参照して、「消防士」に対応する事象種別「事故or火災」を発生事象に追加する(ステップS2506)。
つぎに、情報開示サーバ201は、画像中に「事故車」が含まれるか否かを判断する(ステップS2507)。ここで、「事故車」が含まれない場合(ステップS2507:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2509に移行する。一方、「事故車」が含まれる場合(ステップS2507:Yes)、情報開示サーバ201は、事象種別テーブル1300を参照して、「事故車」に対応する事象種別「事故」を発生事象に追加する(ステップS2508)。
つぎに、情報開示サーバ201は、画像中に「炎」が含まれるか否かを判断する(ステップS2509)。ここで、「炎」が含まれない場合(ステップS2509:No)、情報開示サーバ201は、図26に示すステップS2601に移行する。一方、「炎」が含まれる場合(ステップS2509:Yes)、情報開示サーバ201は、事象種別テーブル1300を参照して、「炎」に対応する事象種別「火災」を発生事象に追加して(ステップS2510)、図26に示すステップS2601に移行する。
図26のフローチャートにおいて、まず、情報開示サーバ201は、開示情報Diの危険度Kを「低」に設定する(ステップS2601)。つぎに、情報開示サーバ201は、発生事象に「火災」が含まれるか否かを判断する(ステップS2602)。
ここで、「火災」が含まれない場合(ステップS2602:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2604に移行する。一方、「火災」が含まれる場合(ステップS2602:Yes)、情報開示サーバ201は、危険度テーブル1400を参照して、開示情報Diの危険度Kを「中」に設定する(ステップS2603)。
つぎに、情報開示サーバ201は、発生事象に「事故」が含まれるか否かを判断する(ステップS2604)。ここで、「事故」が含まれない場合(ステップS2604:No)、情報開示サーバ201は、ステップS2606に移行する。一方、「事故」が含まれる場合(ステップS2604:Yes)、情報開示サーバ201は、危険度テーブル1400を参照して、開示情報Diの危険度Kを「高」に設定する(ステップS2605)。
つぎに、情報開示サーバ201は、発生事象に「事件」が含まれるか否かを判断する(ステップS2606)。ここで、「事件」が含まれない場合(ステップS2606:No)、情報開示サーバ201は、危険度判断処理を呼び出したステップに戻る。一方、「事件」が含まれる場合(ステップS2606:Yes)、情報開示サーバ201は、危険度テーブル1400を参照して、開示情報Diの危険度Kを「高」に設定して(ステップS2607)、危険度判断処理を呼び出したステップに戻る。
これにより、添付画像に写った撮影対象物から特定される発生事象をもとに、開示情報Diの危険度Kを判断することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報開示サーバ201によれば、参集端末数C1に基づいて、開示情報Di(投稿情報)の第1信頼度R1を判断することができる。これにより、情報発信者(発信元)と同じ場所に集まった野次馬の数が多いほど、実際に事件、事故等が発生している可能性が高いことを利用して、参集端末数C1を野次馬の数と見なして、開示情報Diの信憑性を評価することができる。
また、情報開示サーバ201によれば、離散端末数C2に基づいて、開示情報Di(投稿情報)の第2信頼度R2を判断することができる。これにより、野次馬が集まった場所で実際に事件、事故等が発生していなければ、その場所から離れる野次馬の数が多くなることを利用して、離散端末数C2を離れていった野次馬の数と見なして、開示情報Diの信憑性を評価することができる。
また、情報開示サーバ201によれば、第1信頼度R1および第2信頼度R2に基づいて、開示情報Di(投稿情報)の信頼度Rを判断することができる。これにより、情報発信者(発信元)と同じ場所に集まった野次馬の数と、その場所から離れていった野次馬の数を考慮して、開示情報Diの信憑性を総合的に評価することができる。
また、情報開示サーバ201によれば、開示情報Di(投稿情報)の添付画像の画像データに基づいて、事象種別を特定し、特定した事象種別に基づいて、開示情報Di(投稿情報)の危険度Kを判断することができる。これにより、開示情報Diが示す発生事象の危険の度合いを評価することができる。
また、情報開示サーバ201によれば、事象の発生地点の位置情報と発生時刻を特定する日時情報とを情報提供サーバ202に送信することにより、事象の発生地点に緊急車両が出動したか否かを示す出動情報を取得することができる。そして、情報開示サーバ201によれば、さらに、取得した出動情報に基づいて、開示情報Di(投稿情報)の信頼度Rを判断することができる。これにより、事象の発生地点への緊急車両の出動状況を考慮して信頼度Rを判断でき、開示情報Diの信憑性の評価精度を向上させることができる。
また、情報開示サーバ201によれば、開示情報Diの信頼度Rに基づいて、開示先に開示情報を出力することができる。これにより、信憑性が高い情報を選定して情報開示することができ、悪意のある情報開示者によって投稿された虚偽の情報などが公開されることを防ぐことができる。
これらのことから、情報開示サーバ201によれば、ソーシャルメディアなどを利用して開示される事件、事故等の情報から、信憑性の高い情報を選定することが可能となり、事件、事故等の発生を早い段階で通知することが可能となる。これにより、事件、事故等が発生している危険領域への進入を防いで、二次・三次災害を防ぐことができる。
なお、本実施の形態で説明した信憑性評価方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本信憑性評価プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本信憑性評価プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、
ある事象についての投稿情報を端末装置が送信する際に前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置の数を取得し、
取得した前記他の端末装置の数に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断する、
処理を実行させることを特徴とする信憑性評価プログラム。
(付記2)前記他の端末装置の数は、前記端末装置において所定の操作入力が行われてから前記投稿情報が送信されるまでに、前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置の数であることを特徴とする付記1に記載の信憑性評価プログラム。
(付記3)前記取得する処理は、
さらに、前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置のうち、前記近距離無線通信の通信範囲外となった他の端末装置の数を取得し、
前記判断する処理は、
さらに、前記近距離無線通信の通信範囲外となった他の端末装置の数に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断することを特徴とする付記2に記載の信憑性評価プログラム。
(付記4)前記コンピュータに、
前記投稿情報に含まれる画像データに基づいて、前記事象の種別を特定し、
特定した前記事象の種別に基づいて、前記事象の危険度を判断する、
処理を実行させることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の信憑性評価プログラム。
(付記5)前記コンピュータに、
緊急車両の出動履歴を記憶する情報提供装置に、前記事象の発生地点の位置情報と前記事象の発生時刻を特定する日時情報とを送信することにより、前記発生地点に前記緊急車両が出動したか否かを示す出動情報を取得する処理を実行させ、
前記判断する処理は、
さらに、取得した前記出動情報に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の信憑性評価プログラム。
(付記6)前記コンピュータに、
判断した前記投稿情報の信頼度に基づいて、開示先に前記投稿情報を出力する処理を実行させることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の信憑性評価プログラム。
(付記7)前記所定の操作入力は、前記投稿情報を投稿するためのアプリケーションを起動するための操作入力であることを特徴とする付記2に記載の信憑性評価プログラム。
(付記8)コンピュータに、
ある事象についての投稿情報を端末装置が送信する際に前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置の数を取得し、
取得した前記他の端末装置の数に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断する、
処理を実行させる信憑性評価プログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
(付記9)コンピュータが、
ある事象についての投稿情報を端末装置が送信する際に前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置の数を取得し、
取得した前記他の端末装置の数に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断する、
処理を実行することを特徴とする信憑性評価方法。
(付記10)ある事象についての投稿情報を端末装置が送信する際に前記端末装置の近距離無線通信により検索された他の端末装置の数を取得し、取得した前記他の端末装置の数に基づいて、前記投稿情報の信頼度を判断する制御部、
を有することを特徴とする情報処理装置。