JP6314038B2 - キャニスタの内部構造、キャニスタ及びキャニスタ連結体 - Google Patents

キャニスタの内部構造、キャニスタ及びキャニスタ連結体 Download PDF

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Description

本発明は、キャニスタの内部構造、キャニスタ及びキャニスタ連結体に関する。
通常、麻酔用循環式呼吸回路では、患者の呼気に含まれる二酸化炭素を吸収し、残った酸素と麻酔ガスを再利用(再び吸気として供給)可能とするため、二酸化炭素吸収剤を収容したキャニスタを回路内に設ける。
キャニスタにおける二酸化炭素吸収反応は、発熱反応を伴うものであるため、キャニスタ内の温度が上昇する。一方、キャニスタの外面は、手術室の室温によって冷却されている。このため、二酸化炭素吸収反応によって生じた水蒸気の一部が冷やされてキャニスタの内面に結露する。この反応水は、キャニスタの内面近傍の二酸化炭素吸収剤に吸収される。二酸化炭素吸収剤が過剰に水分を吸収すると、本来の機能である二酸化炭素吸収能力が低下し、また、二酸化炭素吸収剤の消耗状態を視覚的に表す色変能力(通常、紫系の色に変化する)も低下する。
このような結露を抑制するには、キャニスタの内面と外面の温度差を抑えることが有効である。例えば、特許文献1の図4には、二酸化炭素吸収剤を収容する内側収容体と、この内側収容体を内部に収容する外側収容体とを備えるキャニスタが開示される。このキャニスタによれば、内側収容体の外周部が外側収容体で覆われているので、内側収容体内の二酸化炭素吸収剤の外周側部位が外気によって冷却されることが防止される。
ところで、近年、キャニスタには、交換が容易な単筒のものが増えている。しかし、二酸化炭素吸収剤を無駄なく利用するには、複数のキャニスタをその筒軸方向に連結して使用することが好適である。何故なら、単筒の場合、二酸化炭素吸収剤が一定量消費され残量が少なくなると、一回換気量(成人で500〜800ml程度)中の二酸化炭素を吸収し切れなくなるからである。しかしながら、特許文献1に記載のキャニスタにおいては、有底円筒状の外側収容体を用い、キャニスタの筒軸方向の一側の流入口から流入させた循環ガスの流れを、キャニスタの筒軸方向の他側(外側収容体の底部)で反転させた後、キャニスタの流出口から循環ガス流出させる構造である。このため、循環ガスの流入口と流出口がともにキャニスタの筒軸方向の一側に配置されているので、複数のキャニスタを筒軸方向に連結して使用することは困難である。また、キャニスタの内部構造が複雑であり、底に溜まった二酸化炭素吸収剤の破片の処理が難しい。
特開2006−191973号公報(図4)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構造で吸収反応により生じた水蒸気の結露による吸収性能の低下を防ぐと同時に、循環ガスに含まれる水蒸気の除去効果も期待でき、しかも、複数のキャニスタを筒軸方向に連結可能なキャニスタの内部構造、キャニスタ及びキャニスタ連結体を提供することにある。
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、循環式呼吸回路に設けられるキャニスタの内部構造であって、筒軸方向の両端部が開口した筒状でかつ透明な外筒の内側に設けられ、外筒と二重管を形成する透明な内筒と、内筒の下端部に形成される流入用開口部と、内筒の内側空間に収容され、流入用開口部を介して下方から内側空間に流入した循環ガスに含まれる二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収剤と、内筒の上端部に形成され、二酸化炭素吸収剤を通過した循環ガスを上方に流出させる流出用開口部と、内筒の上端部に設けられ、外筒及び内筒の間の環状の隙間部と内側空間を連通させる連通部と、を備え、二酸化炭素吸収剤を通過しかつ水蒸気を含んだ循環ガスを、連通部を介して外筒の内周面に接触させることにより、水蒸気を外筒の内周面で結露させるとともに隙間部に貯留可能としたことを特徴とする。
(2)本発明は、上記(1)の構成において、流入用開口部には、循環ガスが通過可能でかつ二酸化炭素吸収剤が通過不能な通気構造が設けられることを特徴とする。
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の構成において、内筒の流出用開口部の高さが外筒の上端開口部の高さよりも低く設定され、流出用開口部と上端開口部の高低差により、連通部が設けられることを特徴とする。
(4)本発明は、上記(1)又は(2)の構成において、連通部が内筒の上端部を厚み方向に貫通する貫通部であることを特徴とする。
(5)本発明は、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、外筒の内側に着脱可能であり、二酸化炭素吸収剤が内筒に収容されたカートリッジであることを特徴とする。
(6)本発明は、上記(5)の構成において、内筒の下端部の外周面と外筒の下端部の内周面との間には、循環ガスが下方から隙間部に流入することを阻止し、循環ガスを内側空間に導くシール部材が介在されることを特徴とする。
(7)本発明は、循環式呼吸回路に設けられるキャニスタであって、筒軸方向の両端部が開口した筒状でかつ透明な外筒と、外筒の内部に設けられる上記(1)ないし(6)のいずれか1つのキャニスタの内部構造と、を備えることを特徴とする。
(8)本発明は、上記(7)のキャニスタを筒軸方向に沿って上下に複数連結可能なキャニスタ連結体であって、上下に重なり合う2つの外筒のうち上段の外筒の下端部と下段の外筒の上端部とを気密に接続する接合手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡素な構造で吸収反応により生じた水蒸気の結露による吸収性能の低下を防ぐと同時に、循環ガスに含まれる水蒸気の除去効果も期待でき、しかも、複数のキャニスタを筒軸方向に連結可能なキャニスタの内部構造、キャニスタ及びキャニスタ連結体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る循環式呼吸回路の模式図である。 本発明の第1実施形態に係るキャニスタの斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の第2実施形態に係るキャニスタ連結体の断面図である。 (a)は接合手段の説明図であり図4のB部拡大図、(b)は接合手段の第1変形例の説明図、(c)は接合手段の第2変形例の説明図、(d)は接合手段の第3変形例の説明図ある。 本発明の第2実施形態に係る実験例の結果を示す写真である。 本発明の第3実施形態に係るキャニスタの斜視図である。 第3実施形態に係る貫通部の変形例を示す図であり、図3に対応して描いた図である。 本発明の第4実施形態に係るキャニスタの断面図である。 第4実施形態に係るシール部材の第1変形例を示す図であり、図9に対応して描いた図である。 第4実施形態に係るシール部材の第2変形例を示す図であり、図9に対応して描いた図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(循環式呼吸回路10の構成)
まず、循環式呼吸回路10の構成を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、この循環式呼吸回路10は、手術の麻酔に用いられる呼吸回路であり、吸気弁11、患者接続端12aを備える人工鼻12、呼気弁13、排気部15及びキャニスタ20を有する。人工鼻12は、必要に応じて使用される。吸気弁11は、人工鼻12(患者側)への麻酔ガス(吸気)の流れは許容するものの、その逆の流れは規制するように作動する。呼気弁13は、人工鼻12(患者側)からの呼気の一部をキャニスタ20へ導く流れ及び残りの一部を余剰ガスとして排気部15に導く流れは許容するものの、その逆の流れは規制するように作動する。そして、キャニスタ20は、患者の呼気から二酸化炭素を吸収除去し、その他の循環ガスを吸気の一部として循環使用する役割を果たす。循環式呼吸回路10では、新たに追加された新鮮ガス16に相当する量の呼気が、余剰ガスとして排気部15から回路外へ排気され、残った呼気がキャニスタ20を通過して再利用される。
(第1実施形態に係るキャニスタ20の構成)
次に、キャニスタ20の構成を図2、図3に基づいて説明する。
図2に示すように、キャニスタ20は、筒状(ここでは、円筒状)で透明な外筒30と、この外筒30の内部に設けられる内部構造40とを備える。内部構造40は、筒状(ここでは、円筒状)で透明な内筒41と、内筒41の内側空間42に収容される二酸化炭素吸収剤43と、を備える。なお、外筒30及び内筒41を構成する材料は、透明性を有する材料であれば任意であるが、例えば、PSF(ポリサルフォン)やPET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル、PC(ポリカーボネート)などの合成樹脂を用いることができる。
図3に示すように、外筒30は、筒軸方向を上下方向に向け、かつ、上下方向の両端部が開口した筐体である。外筒30の下端部には、径方向内向きに突出する円盤状の鍔部31が形成され、この鍔部31の内側の縁部に下端開口部32が設けられる。下端開口部32は、循環ガスが通過可能でかつ二酸化炭素吸収剤43が通過不能な通気構造33によって覆われている。この下端開口部32は、本発明にいう「内筒の下端部に形成される流入用開口部」に相当する。通気構造33は、例えば、循環ガスの通過に際し過大な通気抵抗を生じない穴開き構造(パンチング)や網目構造(メッシュ)である。通気構造33の構成材料は、金属、プラスチックなど各種の材料から任意に選択可能である。また、通気構造33の通気孔の大きさは、1mm以上10mm以下が好適である。
内筒41の上端部には、流出用開口部46が設けられており、この流出用開口部46を通じて、二酸化炭素吸収剤43を通過した循環ガスが上方に流出する。なお、図3では、外筒30に一体に形成された内筒41を示している。
そして、内筒41の上端部には、連通部47が設けられる。連通部47は、外筒30及び内筒41の間に形成される環状の隙間部48と内側空間42とを連通させる部分である。この例では、内筒41の流出用開口部46の高さH1を外筒30の上端開口部35の高さH2よりも低く設定する。そして、この高低差により、キャニスタ20の大部分を二重構造51に形成するとともにキャニスタ20の筒軸方向の上端部を一重構造52(外筒30の周壁のみの構造)に形成して、連通部47を設ける。
二酸化炭素吸収剤43は、通気構造33を介して内側空間42に流入した循環ガスに含まれる二酸化炭素(CO)を吸収する。二酸化炭素吸収剤43には、複数の添加剤を含む消石灰(水酸化カルシウム(Ca(OH)))を数mm以上1cm以下前後の粒状に成形した医療用二酸化炭素収集剤などを使用することができる。
二酸化炭素吸収反応は、発熱反応を伴うものであるため、吸収量にもよるが、吸収容器内温度が40℃以上に達する場合もある。水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いた場合、二酸化炭素吸収反応は、以下の反応式(1)で表される。
(化1)
CO+Ca(OH)→CaCO+HO(1)
ここで発生した水(HO)は、水蒸気として循環ガスの流れに乗って内側空間42内を移動する。
このキャニスタ20では、二酸化炭素吸収剤43を通過しかつ水蒸気を含んだ循環ガス(特に内筒41の内周面付近のガス)は、連通部47を介して内側空間42から外筒30の内周面に達する(矢印(1))。外筒30の内周面に接触した循環ガスは、手術室の室温(通常、20℃以上25℃以下)の影響を受けて冷やされるため、含まれる水蒸気が結露・凝集する。結露・凝集した水53は、外筒30の内周面に沿って流下し(矢印(2))、隙間部48の底部(鍔部31の上方)に貯留される。
(実施形態の効果)
以上、説明したキャニスタ20の効果について述べる。
キャニスタ20によれば、外筒30と内筒41とが二重管を形成するため、環状の隙間部48によって、内筒41内の二酸化炭素吸収剤43が室温の影響を受けにくくなる。このため、内筒41の内側空間42と外側の温度差が抑制され、二酸化炭素吸収剤43において過剰な結露が生じない。
その結果、二酸化炭素吸収反応によって生じた水分による二酸化炭素吸収剤43の性能劣化(二酸化炭素吸収寿命の短縮)を防止し、同時に二酸化炭素吸収剤43の色変能力の劣化も防止することができ、結果として、二酸化炭素吸収剤43の寿命を20〜30%延ばすことができる。また、過剰な水分が循環式呼吸回路10上の他の部分で結露することも低減できる。
そして、水蒸気を含んだ循環ガスを外筒30の内周面に接触させることにより、結露を促進させ、凝集した水53を隙間部48に貯留可能としたので、循環ガスから水蒸気をより良好に除去することができる。
また、従来、特に呼気の再利用を積極的に図る低流量麻酔においては、結露による循環式呼吸回路への影響を考慮し、人工鼻の使用が制限されてきた。この点、キャニスタ20では、水53が循環式呼吸回路10へ移動することが大幅に低減できるので、低流量麻酔中においても人工鼻12を好適に使用することができる。これにより、医療において経済的合理性の高い低流量麻酔の適用を拡大することができる。
また、透明な外筒30及び透明な内筒41を採用したので、二酸化炭素吸収剤43の色変などの状態を外部から良好に視認することができ、二酸化炭素吸収剤43の交換を適切なタイミングで行うことができる。
また、筒軸方向の両端部が開口した外筒30の内側に内筒41を設けることにより、キャニスタ20の下方から循環ガスを流入させ、キャニスタ20の上方へ循環ガスを流出させるようにした。これに対し、外側収容体の底部で循環ガスの流れを反転させる従来の構造では、複数のキャニスタを筒軸方向に連結して使用することは困難であった。また、キャニスタの内部構造が複雑であり、底に溜まった二酸化炭素吸収剤の破片の処理が難しかった。この点、本実施形態によれば、構造が簡素であり、しかも、複数のキャニスタ20を筒軸方向に沿って容易に連結することができる。キャニスタ20を複数連結して使用することにより、例えば、キャニスタ20の1個当たりの二酸化炭素吸収剤43の量を少なく設定できるので、二酸化炭素吸収剤43を無駄なく使い切ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るキャニスタ連結体及び接合手段の第1〜第3変形例を図4、図5に基づいて説明する。なお、前述した第1実施形態と共通する要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする(後述する第3・第4実施形態についても同様)。また、以下の説明において、複数のキャニスタ20あるいは複数の外筒30を区別する場合、同一の符号に「U」、「D」を後続させ、まとめて称する場合は、符号のみを用いる。
(キャニスタ連結体60の構成)
図4に示すように、第2実施形態に係るキャニスタ連結体60は、筒軸方向に沿って上下に連結可能な複数(この例では、2個)のキャニスタ20を備える。さらに、キャニスタ連結体60は、上下に重なり合う2つの外筒30において上段の外筒30Uの下端部及び下段の外筒30Dの上端部を気密に接続する接合手段61を備える。
図5(a)に示すように、接合手段61には、例えば、上段の外筒30Uの下端部(鍔部31)と下段の外筒30Dの上端部(上端開口部35)との間に介在される環状のシール部材を用いることができる。この場合、より高い気密性を得るため、上段の外筒30Uの下端部と下段の外筒30Dの上端部との境界部分を全周に亘って側方から覆う側面シール部61aを接合手段61に設けることが好ましい。
(接合手段61の第1変形例)
また、図5(b)に示すように、上段の外筒30U及び下段の外筒30Dのうち、一方の外筒30の内周面と他方の外筒30の外周面との間に介在される環状のシール部材で接合手段61を構成してもよい。この例では、上段の外筒30Uの下端部に段部62を設け、この段部62の外周面と下段の外筒30Dの内周面との間に、接合手段61(例えば、Oリングなど)を介在させる。
(接合手段61の第2変形例)
また、図5(c)に示すように、上段の外筒30U及び下段の外筒30Dのうち、一方の外筒30の内周面に設けられる雌ねじ部63と、他方の外筒30の外周面に設けられる雄ねじ部65と、により接合手段61を構成してもよい。この例では、上段の外筒30Uの下端部に段部62を設け、この段部62の外周面に、下段の外筒30D側に縮径するテーパ状の雄ねじ部65を形成する。そして、下段の外筒30Dの内周面に、上段の外筒30U側に拡径するテーパ状の雌ねじ部63を形成し、この雌ねじ部63に雄ねじ部65を噛み合わせて上段の外筒30Uの下端部及び下段の外筒30の上端部を気密に接続する。
(接合手段61の第3変形例)
また、図5(d)に示すように、上段の外筒30U及び下段の外筒30Dのうち、一方の外筒30の内周面に設けられ他方の外筒30側に拡径する第1のテーパ面66と、他方の外筒30の外周面に設けられ、一方の外筒30側に縮径する第2のテーパ面67と、により接合手段61を構成してもよい。この例では、上段の外筒30Uの下端部に段部62を設け、この段部62の外周面を第2のテーパ面67とし、下段の外筒30Dの内周面を第1のテーパ面66として形成する。そして、第1のテーパ面66に第2のテーパ面67に嵌合させることで、上段の外筒30Uの下端部及び下段の外筒30Dの上端部を気密に接続する。
(実験例)
続いて、このキャニスタ連結体60を用いた実験例について述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
<方法>
キャニスタ連結体60を備える循環式呼吸回路10に、低流量麻酔を想定して新鮮ガス16を流量1L/分で供給し、約5時間経過後(下段のキャニスタ20Dの二酸化炭素吸収剤43の略全てが消耗した時点)の下段のキャニスタ20D及び上段のキャニスタ20Uのそれぞれの内部の状態を調べた。
<結果>
図6に示すように、下段のキャニスタ20Dにおいて、循環ガスの余剰な水分が外筒30Dの内周面に結露しており、水53が隙間部48の底部に溜まっていた。また、内筒41内の二酸化炭素吸収剤43が過剰に浸漬しておらず、二酸化炭素吸収剤43の色変化も正常でかつ明瞭であった。上段のキャニスタ20Uにおいても、通過する循環ガスの余剰な水分が外筒30Uの内周面にしっかりと結露としてトラップされていた。なお、臨床的には、この時点(下段のキャニスタ20Dの二酸化炭素吸収剤43が消耗した時点)で、下段のキャニスタ20Dを取り外し、上段のキャニスタ20Uを下側に移動して、その上に未使用の二酸化炭素吸収剤43を入れたキャニスタ20を載せることが好適である。
以上、説明した第2実施形態によれば、複数のキャニスタ20を筒軸方向に気密に連結でき、しかも、吸収能力や色変能力の低下なく、簡素な構造で循環ガスに含まれる水蒸気を各キャニスタ20において良好に除去することができる。また、下段のキャニスタ20Dの二酸化炭素吸収剤43が消耗した時点で下段のキャニスタ20Dを取り外し、上段のキャニスタ20Uを下側に移動するなどして、循環式呼吸回路10における二酸化炭素の吸収性能を常時、一定以上に維持することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るキャニスタ70及び貫通部の変形例を図7、図8に基づいて説明する。
前述した第1実施形態においては、内筒41の流出用開口部46の高さH1を外筒30の上端開口部35の高さH2よりも低く設定することで連通部47(図3参照)を形成したが、この他、本発明に係る連通部は、内筒41の上端部を厚み方向に貫通する貫通部で形成してもよい。
例えば、図7に示すように、第3実施形態のキャニスタ70では、内筒41の上端部の周壁を厚み方向に貫通する貫通穴で連通部71を形成する。この例では、内筒41の上端部に貫通穴からなる複数(この例では、10個)の連通部71を周方向に略等間隔に配置する。
この第3実施形態に係るキャニスタ70においても、貫通穴からなる連通部71により、前述した第1実施形態に係る連通部47(図3参照)と同様の作用効果を得ることができ、簡素な構造で循環ガスに含まれる水蒸気を良好に除去することができる。
(貫通部の変形例)
また、図8に示すように、内筒41の上端部の周壁を厚み方向に貫通する切り欠きで連通部(貫通部)72を形成することもできる。この例では、切り欠きからなる複数の連通部72を内筒41の上端部に周方向に略等間隔に配置する。この変形例においても、連通部72により、前述した第1実施形態に係る連通部47(図3参照)と同様の作用効果を得ることができ、簡素な構造で循環ガスに含まれる水蒸気を良好に除去することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るキャニスタ80及びシール部材の第1・第2変形例を図9〜図11に基づいて説明する。
図9に示すように、第4実施形態に係るキャニスタ80では、内筒41を外筒30の内側に着脱可能とし、かつ、内部構造40を内筒41及び二酸化炭素吸収剤43からなるカートリッジ81として構成する。この場合、カートリッジ81の下端部(内筒41の流入用開口部45)にも通気構造33で塞がれており、外筒30の下端部には外筒30の周壁と同じ内径の下端開口部32が設けられている。
そして、内筒41の下端部の外周面と外筒30の下端部の内周面の間には、シール部材82が介在される。シール部材82は、循環ガスが隙間部48に下方から流入することを阻止し、循環ガスを内側空間42に導く。図9では、シール部材82をOリングで構成した例を示している。
(シール部材の第1変形例)
図10に示すように、隙間部48の底部に嵌合可能な断面略U字状のパッキン材でシール部材83を構成してもよい。
(シール部材の第2変形例)
また、図11に示すように、隙間部48の底部において内筒41の外周面と外筒30の外周面との間をシールする複数の鍔状のフィンでシール部材85を構成してもよい。
第4実施形態によれば、内筒41及び二酸化炭素吸収剤43からなるカートリッジ81を、シール部材82,83,85を介して外筒30に着脱することができる。これにより、二酸化炭素吸収剤43が消耗して交換する際、カートリッジ81のみを交換するだけでよいため、利便性がよくコストも低く抑えることができる。また、寸法の異なる複数種のシール部材82,83,85を用意しておけば、寸法の異なる各種の外筒30にカートリッジ81を組み付けることができ、既存の外筒30をそのまま利用することもできる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 循環式呼吸回路
20 キャニスタ
20U キャニスタ
20D キャニスタ
30 外筒
30U 外筒
30D 外筒
32 下端開口部
33 通気構造
35 上端開口部
40 内部構造
41 内筒
42 内側空間
43 二酸化炭素吸収剤
45 流入用開口部
46 流出用開口部
47 連通部
48 隙間部
60 キャニスタ連結体
61 接合手段
70 キャニスタ
71 連通部
72 連通部
80 キャニスタ
81 カートリッジ
82 シール部材
83 シール部材
85 シール部材
H1 内筒の流出用開口部の高さ
H2 外筒の上端開口部の高さ

Claims (8)

  1. 循環式呼吸回路に設けられるキャニスタの内部構造であって、
    筒軸方向の両端部が開口した筒状でかつ透明な外筒の内側に設けられ、前記外筒と二重管を形成する透明な内筒と、
    前記内筒の下端部に形成される流入用開口部と、
    前記内筒の内側空間に収容され、前記流入用開口部を介して下方から前記内側空間に流入した循環ガスに含まれる二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収剤と、
    前記内筒の上端部に形成され、前記二酸化炭素吸収剤を通過した前記循環ガスを上方に流出させる流出用開口部と、
    前記内筒の上端部に設けられ、前記外筒及び前記内筒の間の環状の隙間部と前記内側空間を連通させる連通部と、を備え、
    前記二酸化炭素吸収剤を通過しかつ水蒸気を含んだ前記循環ガスを、前記連通部を介して前記外筒の内周面に接触させることにより、前記水蒸気を前記外筒の内周面で結露させるとともに前記隙間部に貯留可能としたことを特徴とするキャニスタの内部構造。
  2. 前記流入用開口部には、前記循環ガスが通過可能でかつ前記二酸化炭素吸収剤が通過不能な通気構造が設けられることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタの内部構造。
  3. 前記内筒の前記流出用開口部の高さが前記外筒の上端開口部の高さよりも低く設定され、
    前記流出用開口部と前記上端開口部の高低差により、前記連通部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャニスタの内部構造。
  4. 前記連通部が前記内筒の上端部を厚み方向に貫通する貫通部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャニスタの内部構造。
  5. 前記外筒の内側に着脱可能であり、前記二酸化炭素吸収剤が前記内筒に収容されたカートリッジであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のキャニスタの内部構造。
  6. 前記内筒の下端部の外周面と前記外筒の下端部の内周面との間には、前記循環ガスが下方から前記隙間部に流入することを阻止し、前記循環ガスを前記内側空間に導くシール部材が介在されることを特徴とする請求項5に記載のキャニスタの内部構造。
  7. 循環式呼吸回路に設けられるキャニスタであって、
    筒軸方向の両端部が開口した筒状でかつ透明な外筒と、
    前記外筒の内部に設けられる請求項1ないし6のいずれか1項に記載のキャニスタの内部構造と、を備えることを特徴とするキャニスタ。
  8. 請求項7に記載のキャニスタを筒軸方向に沿って上下に複数連結可能なキャニスタ連結体であって、
    上下に重なり合う2つの前記外筒のうち上段の前記外筒の下端部と下段の前記外筒の上端部とを気密に接続する接合手段を備えることを特徴とするキャニスタ連結体。
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