JP6309508B2 - 前駆イオンの同定方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年5月22日に出願された米国仮特許出願番号61/649,998および2012年5月18日に出願された英国特許出願第1208961.1号からの優先権および利益を主張する。これらの出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
タンデム質量分析計にデータ依存式取得(「DDA」)を採用することが知られており、例えば四重極−飛行時間質量分析計(「Q−ToF」)である。そのような既知の技術によると、親または前駆イオンの質量電荷比はサーベイスキャンにおいて測定される。四重極質量フィルタは、それから順次各個々の親または前駆イオンを、その質量電荷比に従って単離し、プロダクトイオンを生成するためにそれを衝突室へと加速させる。プロダクトイオンは次いで飛行時間質量分析器内で質量分析される。しかしながら、親または前駆イオンが単離されるとき他方の親または前駆イオンは放棄され、低デューティサイクルを招く。さらに、この技術に従った親または前駆イオン選択は、いくらかの偏りを生じる。例えば、20の最も強度のある前駆イオンが選択されると、これはデータをもっとも豊富な種に向かって偏らせるだろう。
このアプローチへの改善は、US−6717130(マイクロマス)において開示されており、ここでは前駆イオンは単離および選択されないが、フラグメントイオンを、それらの検出回数を親種がクロマトグラフィーカラムから溶出される回数と相関させることによって親イオンに割り当てる。この技術は器械のデューティサイクルを改善させ、偏った取得を最小限に抑える。しかしながら、この技術は、フラグメンテーションする時点で親イオンがクロマトグラフィーによって互いに分離されるのみであるため特異性の制限を被る。
四重極−飛行時間質量分析計の動作の既知のモードは、四重極質量フィルタを低分解能モードで、例えば25Daの移送ウィンドウを用いて動作させることである。四重極質量フィルタによって移送されるイオンの質量電荷比範囲は、次いで、おおよそ25Daのステップで、データ依存的でない方法において順次インクリメントされる。四重極質量フィルタを出たイオンは、ガスセルへと加速され、結果生じるフラグメントイオンは飛行時間質量分析器によって質量分析される。各25Daウィンドウからのデータは処理のために別々に保たれている。この技術は取得の性質において非バイアスであり、より狭い質量電荷比分離ウィンドウで動作するデバイスのデューティサイクルを改善している。しかしながら、本技術は、任意の得られるフラグメントイオンが25Daウィンドウ以内で移送される任意の前駆イオンに属し得るために前駆イオンの特異性を制限している。
それゆえ、質量分析の改善された方法および改善された質量分析計を提供することが望ましい。
本発明の第一の態様によれば、
前駆イオンを質量分析器からフラグメンテーションまたは反応デバイスへと質量選択的に移送する工程であり、ここで移送されるイオンの質量電荷比は時間とともに変動する、工程
フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するようにフラグメンテーションまたは反応デバイス内の前駆イオンを断片化する工程
フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析及び検出する工程
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する工程
前記開始および終了時刻を、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送された開始および終了時刻を測定するために使用する工程;および
前駆イオンが質量分析器によって移送された前記開始および終了時刻を前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程
を備える、質量分析の方法が提供される。
本発明は、質量分析器によって移送された前駆イオンの質量電荷比を測定するために、フラグメントまたはプロダクトイオンの分析から測定されたデータを使用する。それ自体として、前駆イオンの質量電荷比は、比較的低分解能前駆イオン質量分析器が使用された場合であっても、比較的高特異性を伴って測定されることができる。技術によって比較的低分解能質量分析器の使用が可能にされるため、質量フィルタ質量分析器は比較的高デューティサイクルを維持しつつ使用され得る。特に、低分解能質量フィルタが任意の時点で拒絶する前駆イオンが少ないため、質量分析計のデューティサイクルは改善され得る。
好ましくは、質量分析器によって移送される前駆イオンの質量電荷比は、走査機能に応じて時間とともに走査されるか階段状にされる(stepped)。走査機能および前駆イオンが移送された前記開始および終了時刻は、前記前駆イオンの質量電荷比の測定のために使用され得る。
本方法は好ましくは、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する工程;これらの開始および終了時刻を、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を測定するために使用する工程;およびこの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を、この前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程をさらに備える。
フラグメントイオンデータから二つの前駆イオンの質量電荷比を測定するための方法が本明細書に記載されているが、第三、第四、第五、第六およびさらなる前駆イオンの質量電荷比が、本明細書に記載されたものに対応する技術によって、それらのフラグメントイオンデータから測定され得ることが企図される。
好ましくは、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間は、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間と一部のみ重複する。これは、質量分析器が第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンを移送する期間が、質量分析器が第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンを移送する期間と重複することを示唆し得る。前駆イオンが直接検出される質量分析器を離れる場合にはこれらの前駆イオンを分解するのは可能でないかもしれないが、前駆イオンはそれらのフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される時刻に関するデータを使用することによって分解されることができる。
本方法はさらに、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を測定するために、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの開始および終了時刻を使用する前に、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが測定されたのと同一の開始および終了時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されることを測定する工程をさらに備え得る。本方法は、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を測定するために、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの開始および終了時刻を使用する前に、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが測定されたのと同一の開始および終了時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオン検出されることを測定する工程を追加で備え得る。これらの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンは、第一のおよび/または第二のフラグメントまたはプロダクトイオンとは、異なる質量電荷比を有するとして検出されているフラグメントまたはプロダクトイオンであるとして測定されることができる。
本方法は好ましくは、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第一の下限および上限質量電荷比を測定するために使用する工程を備える。追加で、または代わりに本方法は、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第二の下限および上限質量電荷比を測定するために使用する工程を備え得る。
質量電荷比重心値は、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンに対し、第一の下限および上限質量電荷比から測定され得る。代わりに、または追加で、質量電荷比重心値は、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンに対し、第二の下限および上限質量電荷比から測定され得る。
本方法は前駆イオンに対して測定された質量電荷比から前駆イオンを同定する工程を備え得る。
本方法はフラグメントまたはプロダクトイオンに対して測定された質量電荷比からフラグメントまたはプロダクトイオンを同定する工程を備え得る。本発明の技術はフラグメントまたはプロダクトイオンをそれぞれの前駆イオンに相関させるために使用され得る。これは前駆イオンを同定するのに使用され得る。
本方法は、連続的にまたは反復的に、フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するようにフラグメンテーションまたは反応デバイス内で前駆イオンを断片化すること;および連続的にまたは反復的にフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析することを備え得る。
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻は、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送される開始および終了時刻と実質的に同じであり得る。同様に、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻は、第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンの質量分析器によって移送される開始および終了時刻と実質的に同じであり得る。
好ましくは、フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送される前駆イオンの質量電荷比は時間とともに連続的に走査されるか時間とともに階段状にされる。
前駆イオンは好ましくはフラグメンテーションまたは反応デバイスに低分解能質量分析器によって移送され、フラグメントまたはプロダクトイオンは好ましくは高分解能質量分析器によって質量分析される。
前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスに移送する質量分析器は質量フィルタであり得る。質量分析器は四重極質量フィルタまたは他の多極質量フィルタであり得る。あるいは、他のタイプの質量フィルタまたは質量分析器が採用され得る。例えば、質量分析器はイオントラップであり得、前駆イオンは走査されるまたは階段状にされる方法でイオントラップを質量選択的に排出させられ得る。あるいは、走査または階段状にされた磁場セクターが使用され得る。あるいは、長飛行時間の飛行時間型質量分析器が前駆イオンを分離し、それらを断片化するためにフラグメンテーションまたは反応デバイスに提供するために使用され得る。あまり好ましくない実施形態によると、質量分析器はイオン易動度セパレーターなどの質量相関型分離(mass correlated separation)を伴うデバイスであり得る。
好ましくは、フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための質量分析器は飛行時間質量分析器である。しかしながら、他の比較的高分解能の質量分析器がフラグメントまたはプロダクトイオンを分析するのに使用され得ることが企図される。
本方法は動作の第二のモードで実施されても良く、ここで1つまたは複数の走査は、前駆イオンが断片化されるよりむしろ検出されて実行される。これらの非断片化前駆イオンは、質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送する質量分析器の走査を較正するために使用され得る。あるいは、非断片化前駆イオンは、質量分析器よりも前駆イオンの良好な質量真度を測定するために使用され得る。
多重分離アクイジション(multiple separate acquisitions)または試験運転からのフラグメントイオンデータは前駆イオンの質量電荷比を測定するために組み合され得る。
イオン易動度セパレーターは質量選択的に前駆イオンを移送するために質量分析器の上流または下流に提供され得る。質量分析器の質量走査機能は、例えば質量分析器が各イオン易動度サイクル毎に一回走査されるように、イオン易動度サイクル時間と同調し得る。
イオン易動度セパレーターは質量選択的に前駆イオンを移送するために質量分析器の上流または下流に提供され得る。質量分析器は時間とともに変化する質量移送ウィンドウを有し得る。質量移送ウィンドウの走査の速度は、各前駆イオン移送ウィンドウ時間に対する多重イオン易動度セパレーター実験を可能にするよう選ばれ得る。それ自体として、MS−IMS−MSネストされたデータセットが提供され得る。
フラグメントまたはプロダクトイオンを分析するための質量分析器は、飛行時間型質量分析器であり得、本方法は、強化されたデューティサイクル(EDC)などの確立された飛行時間型モードと協同して実施され得る。
前駆イオンそれ自体がフラグメントイオンであり得ることも企図される。
フラグメンテーションまたは反応デバイスは、イオンを断片化するまたは反応させてフラグメントまたはプロダクトイオンを生成するために、その中へと前駆イオンが加速されるまたはその中で前駆イオンが加速されるガスセルであり得る。本発明は例えば、電子移動解離(ETD)、電子捕獲解離(ECD)または表面誘起解離(SID)などの他のフラグメンテーションまたは反応方法もまた企図する。
質量選択的に前駆イオンを放出するイオントラップは、質量選択的に前駆イオンを移送する質量分析器の上流に提供され得る。質量分析器の走査は、イオントラップから放出された前駆イオンの質量電荷比と同調し得る。この配置は走査デューティサイクルを増加させる。イオントラップは分解能に乏しいイオントラップであり得る。
前駆イオンの走査された質量分析器が分析サイクルを実行するのにかかる時間は変化し得ること、および前駆イオンの走査された質量分析器が分析サイクルを実行するのにかかる時間の関数としてフラグメンテーションエネルギーが変化し得ることは、本明細書で企図される。
デバイスは前駆イオン発見またはニュートラルロス型モードにおいて操作され得、ここで飛行時間性能は特定のフラグメントイオンまたはフラグメントイオン群に最適化される。選ばれたフラグメントイオンはMS1時間の関数として変化し得る。
本発明はまた、
フラグメンテーションまたは反応デバイス;
質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させる第一の質量分析器;
フラグメンテーションまたは反応デバイスによって生成されたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための第二の質量分析器;および
質量選択的に前駆イオンを第一の質量分析器からフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送し、ここで移送されるイオンの質量電荷比は時間とともに変化する;
フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するように、フラグメンテーションまたは反応デバイス内で前駆イオンを断片化する;
第二の質量分析器内においてフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析する;
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する;
該開始および終了時刻を、第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが質量分析器によって移送された開始および終了時刻を測定するために使用する;および
該前駆イオンが質量分析器によって移送された開始および終了時刻を、該前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用するように配置され適合する、制御装置を備える質量分析計を提供する。
質量分析計は本明細書上述のいずれか一つの方法を実行するように配置され適合され得る。
第二の態様から、本発明は
質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させる工程であり、ここで、第一の質量電荷比を有する第一の前駆イオンはフラグメンテーションまたは反応デバイスへと第一の期間にわたって移送され、第二の質量電荷比を有する第二の前駆イオンはフラグメンテーションまたは反応デバイスへと第二の期間にわたって移送されて第一の期間および第二の期間が一部のみ重複する、工程
フラグメントイオンを生成するように、フラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて該前駆イオンを断片化する工程
該フラグメントイオンを質量分析する工程
異なる質量電荷比を有し、一部のみ重複する異なる期間にわたって生成された第一のフラグメントイオンおよび第二のフラグメントイオンを測定する工程
第一のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間端点第一の期間の端点が実質的に一致すること、および、第二のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間端点第二の期間の端点が実質的に一致すること定することによって、第一のフラグメントイオンが第一の前駆イオンに関連することおよび第二のフラグメントイオンが第二の前駆イオンに関連すること定する工程;および
どちらの前駆イオンが第一の前駆イオンで、どちらが第二の前駆イオンか同定する工程を備える質量分析の方法を提供する。
第一の期間は好ましくは第一の前駆イオンの質量を同定するために使用され、および/または第二の期間は好ましくは第二の前駆イオンの質量を同定するために使用される。
フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送される前駆イオンの質量電荷比は好ましくは時間とともに継続的に走査されるまたは時間とともに階段状にされる。
質量フィルタまたは質量分析器は質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させるために使用され得る。
質量フィルタまたは分析器によって移送される質量電荷比は、高速で走査または階段状にされてもよく、断片を分析する質量分析器は、フラグメントイオンの質量電荷比を低速で測定するように走査または階段状にされ得る。
前駆イオンは低分解能質量フィルタまたは質量分析器によってフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送されてもよく、フラグメントイオンは高分解能質量分析器によって質量分析され得る。
前駆イオンは、質量選択的にフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送される前に、イオン易動度分離によって分離され得る。
本発明は、
フラグメンテーションまたは反応デバイス;
質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させる手段であり、ここで第一の質量電荷比を有する第一の前駆イオンは第一の期間にわたってフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送され、第二の質量電荷比を有する第二の前駆イオンは第二の期間にわたってフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送されて第一の期間および第二の期間が一部のみ重複する、手段
フラグメントイオンを生成するようにフラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて前駆イオンを断片化する手段;
フラグメントイオンを質量分析する手段;
異なる質量電荷比を有し、一部のみ重複する異なる期間にわたって生成された第一のフラグメントイオンと第二のフラグメントイオンを測定する手段;
第一のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間端点第一の期間の端点が実質的に一致すること、および、第二のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間端点第二の期間の端点が実質的に一致すること定することによって、第一のフラグメントイオンが前駆イオンに関連することと第二のフラグメントイオンが第二の前駆イオンに関連すること定する手段;
どちらの前駆イオンが第一の前駆イオンでどちらが第二の前駆イオンか同定することを備える質量分析計も提供する。
質量分析計は本発明の第二の態様に関連して記載された方法のいずれかを実行するように配置および構成され得る。
本発明の第一または第二の態様の質量分析計は以下を備え得る。
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源;(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源;(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源;(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源;(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源;(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源;(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源;(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源;(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源;(x)電界イオン化(「FI」)イオン源;(xi)電界脱離(「FD」)イオン源;(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源;(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源;(xiv)液体二次イオン化質量分析(「LSIMS」)イオン源;(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源;(xvi)ニッケル63放射性イオン源;(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化イオン源;(xviii)サーモスプレーイオン源;(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源;(xx)グロー放電(「GD」)イオン源;(xxi)インパクターイオン源;(xxii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン源;(xxiii)レーザースプレーイオン化(「LSI」)イオン源;(xxiv)ソニックスプレーイオン化(「SSI」)イオン源;(xxv)マトリックス支援導入イオン化(「MAII」)イオン源;および(xxvi)溶媒支援導入イオン化(「SAII」)イオン源からなる群より選択されるイオン源;および/または
(b)1つまたは複数の連続またはパルスイオン源;および/または
(c)一つまたは複数のイオンガイド;および/または
(d)一つまたは複数のイオン易動度分離デバイスおよび/または1つまたは複数の非対称電界イオン易動度分光計デバイス;および/または
(e)一つまたは複数のイオントラップまたは1つまたは複数のイオントラップ領域;および/または
(f)(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス;(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス;(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーションデバイス;(iv)電子捕獲解離(「ECD」)フラグメンテーションデバイス;(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス;(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス;(vii)レーザー誘起解離フラグメンテーションデバイス;(viii)赤外放射線誘起解離デバイス;(ix)紫外放射線誘起解離デバイス;(x)ノズル・スキマーインターフェイスフラグメンテーションデバイス;(xi)インソースフラグメンテーションデバイス;(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス;(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス;(xiv)電場誘起フラグメンテーションデバイス;(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス;(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス;(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス;(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス;(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス;(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス;(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス;(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス;(xxiii)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−イオン反応デバイス;(xxiv)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−分子反応デバイス;(xxv)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−原子反応デバイス;(xxvi)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定イオン反応デバイス;(xxvii)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定分子反応デバイス;(xxviii)付加またはプロダクトイオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定原子反応デバイス;および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーションデバイスからなる群より選択される1つまたは複数の衝突、フラグメンテーションまたは反応セル;および/または
(g)(i)四重極質量分析器;(ii)2Dまたはリニア四重極質量分析器;(iii)ポールまたは3D四重極質量分析器;(iv)ペニングトラップ質量分析器;(v)イオントラップ質量分析器;(vi)磁場セクター質量分析器;(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析器;(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器;(ix)静電またはオービトラップ質量分析器;(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ質量分析器;(xi)フーリエ変換質量分析器;(xii)飛行時間質量分析器;(xiii)直交加速飛行時間質量分析器;および(xiv)リニア加速飛行時間質量分析器からなる群より選択される質量分析器;および/または
(h)1つまたは複数のエネルギー分析器または静電場エネルギー分析器;および/または
(i)1つまたは複数のイオン検出器;および/または
(j)(i)四重極質量フィルタ;(ii)2Dまたはリニア四重極イオントラップ;(iii)ポールまたは3D四重極イオントラップ;(iv)ペニングイオントラップ;(v)イオントラップ;(vi)磁場セクター質量フィルタ;(vii)飛行時間質量フィルタ;および(viii)ウィーンフィルタからなる群より選択される1つまたは複数の質量フィルタ;および/または
(k)イオンをパルス化する(pulsing)ためのデバイスまたはイオンゲート;および/または
(l)実質的に連続したイオンビームをパルスイオンビームに変換するデバイス。
質量分析計はさらに以下のいずれかを備える。
(i)外側樽形電極および同軸の内側紡錘形電極を備え、動作の第一のモードで、イオンがC−トラップへと移送され次いでオービトラップ(RTM)質量分析器内に注入され、動作の第二のモードでイオンはC−トラップへ、次いで衝突室または電子移動解離デバイスへと移送され、少なくともいくつかのイオンがフラグメントイオンへと断片化され、フラグメントイオンは次いでオービトラップ(RTM)質量分析器内に注入される前にCトラップへと移送される、C−トラップおよびオービトラップ(RTM)質量分析器;および/または
(ii)使用中にイオンが移送される開口部をそれぞれが有する複数の電極を備え、イオン経路の長さに沿って電極の間隔が増加し、イオンガイドの上流部における電極の開口部が第一の直径を有し、イオンガイドの下流部における電極の開口部が第一の直径より小さい第二の直径を有し、使用中にACまたはRF電圧の逆位相が連続した電極に適応される積層環イオンガイド(stacked ring ion guide)。
実施形態によると、質量分析計は、ACまたはRF電圧を電極に供給するように配置および適合したデバイスをさらに備える。ACまたはRF電圧は好ましくは以下からなる群より選択される振幅を有する。(i)<50Vピークトゥピーク;(ii)50−100Vピークトゥピーク;(iii)100−150Vピークトゥピーク;(iv)150−200Vピークトゥピーク;(v)200−250Vピークトゥピーク;(vi)250−300Vピークトゥピーク;(vii)300−350Vピークトゥピーク;(viii)350−400Vピークトゥピーク;(ix)400−450Vピークトゥピーク;(x)450−500Vピークトゥピーク;および(xi)>500Vピークトゥピーク。
ACまたはRF電圧は好ましくは以下からなる群より選択される周波数を有する。(i)<100kHz;(ii)100−200kHz;(iii)200−300kHz;(iv)300−400kHz;(v)400−500kHz;(vi)0.5−1.0MHz;(vii)1.0−1.5MHz;(viii)1.5−2.0MHz;(ix)2.0−2.5MHz;(x)2.5−3.0MHz;(xi)3.0−3.5MHz;(xii)3.5−4.0MHz;(xiii)4.0−4.5MHz;(xiv)4.5−5.0MHz;(xv)5.0−5.5MHz;(xvi)5.5−6.0MHz;(xvii)6.0−6.5MHz;(xviii)6.5−7.0MHz;(xix)7.0−7.5MHz;(xx)7.5−8.0MHz;(xxi)8.0−8.5MHz;(xxii)8.5−9.0MHz;(xxiii)9.0−9.5MHz;(xxiv)9.5−10.0MHz;および(xxv)>10.0MHz。
好ましい実施形態は好ましくは少なくとも二つの異なるイオン質量分析器とその二つの質量分析器の間に配置されたフラグメンテーションまたは反応デバイスを備える。第一の質量分析器は、質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させるように走査される質量フィルタであり得る。第二の質量分析器は、フラグメンテーションまたは反応デバイスによって生成されたフラグメントまたはプロダクトイオンを分析する飛行時間質量分析器であり得る。生成されたフラグメントまたはプロダクトイオンは好ましくは前駆イオンよりもはるかに速い速度で分析される。フラグメントイオンが検出される時刻は、それらの前駆イオンが第一の質量分析器によって移送される時刻を測定するために使用されてよく、従って前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用されてよい。
好ましい実施形態は走査された前駆イオン質量スペクトルのピークの時間にわたって多重飛行時間質量スペクトルが取得されることを可能にする走査速度で低分解能質量フィルタを走査することによって動作する。飛行時間取得システムはUS6992283(マイクロマス)に記載されているものと同様の方法で動作し得る。このモードでは各飛行時間スペクトルには、その効率的な時間または何か他の開始イベントに対し増分がタグ付けされる。US6992283の場合、開始イベントはイオン易動度実験の開始である。好ましい実施形態において、開始イベントは前駆イオンの低分解能質量走査の開始である。フラグメントイオンデータが得られる時間はそれゆえ前駆イオンの低分解能走査と相関され得る。
前駆イオン質量分析器は好ましくは比較的低分解能のものであり、従って一度に一つの前駆イオンのみを単離し移送する従来のデバイスよりも改善されたデューティサイクルを有する。それにもかかわらず、フラグメントまたはプロダクトイオンデータの使用によって、好ましい実施形態は比較的高い前駆イオンの特異性を維持することが可能になる、すなわち他の既知の配置と比較したとき、前駆イオンの質量測定が改善される。好ましい実施形態は、非標的、非バイアスされた取得内の前駆イオンの特異性を改善する。
本発明の様々な実施形態を、単に例として、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の好ましい実施形態に係る四重極飛行時間質量分析計を示す図である。 図2Aは親イオン信号が重複する前駆イオン質量スペクトルを示し;図2Bはフラグメントイオン信号がどのようにして重複した親イオン信号を分解するために使用され得るかを図示するグラフを示す図である。
図1は本発明に係る質量分析計の好ましい実施形態の概略を示す。質量分析計は四重極質量フィルタ4、ガスセル6および直交加速飛行時間型質量分析器8を備える。動作の間、四重極質量フィルタ4は比較的低い分解能を有するように設定される。例えば、四重極4は前駆イオン2を25Daの幅を有する移送ウィンドウ内に移送させ得る。四重極質量フィルタ4によって移送された前駆イオン2は、フラグメントイオンを生成するためにそれらが断片化するように、ガスセル6内へと加速される。これらのフラグメントイオンは次いで飛行時間型質量分析器8内で質量分析される。四重極質量フィルタ4は、移送ウィンドウの質量電荷比の範囲が時間とともに変化するように時間とともに走査される。フラグメントイオンが検出されるタイミングは、それらの前駆イオン2が質量フィルタ4によって移送させられる移送ウィンドウのタイミングと相関し得る。ガスセル6は好ましくは、進行波またはリニア加速電界の使用によって一時的に分離されたフラグメントイオンの忠実度を維持する。
図2Aは、四重極質量フィルタによって移送され得る前駆イオンを表すグラフを示す。y軸はイオン信号の強度を示し、およびx軸はイオン信号の質量電荷比を示す。四重極質量フィルタの移送ウィンドウは時間とともに階段状にされているため、x軸は前駆イオンの分析の時間と関連することが理解されたい。各ピークは別々の前駆イオン種に対応する。これらの前駆イオンが四重極質量フィルタによって移送された場合、第一と最後のピークは四重極質量フィルタによって分解され得る。しかしながら、二つの中央の破線のピークが重複し得、四重極質量フィルタの低分解能ではこれら二つの前駆イオンピークを分解することはできないだろう。
上述の四重極質量フィルタなどの、比較的低分解能の質量分析器を使用するのが望ましくあり得る。なぜなら質量分析における任意の時点で捨てられる前駆イオンがより少なくなり、それゆえ質量分析計のデューティサイクルが増すからである。しかしながら、これは従来、二つの類似する前駆イオン質量ピークを分解するには器械の分解能が低すぎ得るという点で不利益だとみなされている。本発明はお互いに干渉するようなピークを分解する技術を提供する。
図2Bは、図1に関連して上述された技術に従って、図2Aの四つの前駆イオンを分析して得られたグラフを示す。検出されたフラグメントイオンの質量電荷比(y軸)、四重極質量フィルタによって移送された前駆イオン質量電荷比の関数としてプロットされたフラグメントイオンの質量電荷比(x軸)をグラフに示す。上述のように、四重極質量フィルタは時間とともに走査され、ゆえにグラフは、時間の関数としてプロットされた、検出されたフラグメントイオンの質量電荷比(y軸)を表す。フラグメントイオンのプロットは4つの列に並べられ、全てのフラグメントイオンは4つの時間枠にわたって検出されたことがわかるだろう。第一の列は、一つのプロットのみを含有し、図2Aの第一のピークに示される前駆イオンのフラグメンテーションから生成されたフラグメントイオンに相当する。第二の列は、三つのプロットを含有し、図2Aの第二のピークに示される前駆イオンのフラグメンテーションから生成された三種のフラグメントイオンに相当する。第三の列は、四つのプロットを含有し、図2Aの第三のピークに示される前駆イオンのフラグメンテーションから生成された四種のフラグメントイオンに相当する。第四の列は、五つのプロットを含有し、図2Aの第四のピークに示される前駆イオンのフラグメンテーションから生成された五種のフラグメントイオンに相当する。
図2Aの前駆イオンは完全には分解されておらず、いくつかのピークは重複しているが、図2Bのフラグメントイオンは質量電荷比(y軸に沿って)においてうまく分離されており、従ってうまく分解されている。特定のフラグメントイオンが検出される開始および終了時刻は、前駆イオンがフラグメンテーションのためにガスセルに移送される開始および終了時刻と相関する。従って、フラグメントイオン信号の開始および終了時刻はそれらに対応する前駆イオン信号の開始および終了時刻を測定するために使用されることができる。
図2Bに示された例では、フラグメントイオンプロットの最初の列は、第一の前駆イオンに対するイオン信号の開始および終了時刻に対応する開始および終了時刻を有する。フラグメントイオンプロットの第二の列は、第二の前駆イオンに対するイオン信号の開始および終了時刻に対応する開始および終了時刻を有する。フラグメントイオンプロットの第三の列は、第三の前駆イオンに対するイオン信号の開始および終了時刻に対応する開始および終了時刻を有する。フラグメントイオンプロットの第四の列は、第四の前駆イオンに対するイオン信号の開始および終了時刻に対応する開始および終了時刻を有する。それゆえ、この技術が低分解能質量分析器から得られた前駆イオンスペクトルにおいて重複するだろう二つの前駆イオンのピーク(例えば、図2Aの破線ピークとして示されるような)の開始および終了時刻を同定するために使用されることができることが理解されるだろう。
従って、好ましい実施形態は、フラグメントイオンの分析からのデータを使用して前駆イオンピークの開始および終了時刻を測定することができる。ゆえにこれらのピークに対する質量測定はより正確に測定されることができる。例えば、質量ピークの重心は、それぞれのピークの開始および終了時刻を知ることによって、より正確に測定されることができる。前駆イオンのこの質量測定方法は25Daのステップで走査される四重極を使用する既知の技術と比べて改善している。
例によると、走査四重極は、毎秒10,000Daの走査速度で1000Daの質量電荷比上で実施される。一回の走査はそれゆえおおよそ100ミリ秒かかるだろう。25Daの幅を有する移送ウィンドウを用いて四重極が実施された場合、イオンはそれぞれの質量電荷比ウィンドウに2.5ミリ秒で移送される。飛行時間型質量分析器が100マイクロ秒のサイクルタイムで実施された場合、質量分析器はこの間に25サンプルを取るだろう。質量電荷比が均一に分配されると仮定すれば、それは好ましい実施形態の技術に係る質量測定の精度は次式で与えられることを示すことができる。

式中、Nは見かけ前駆イオンピークプロファイルを生成するために使用されるイオンの数で、σは標準偏差である。50フラグメントイオンが検出され前駆イオンピークプロファイルを生成するために使用された場合、質量測定の標準偏差は上記の式に従って、おおよそ1Daになるだろう。四重極移送ウィンドウの性質は、質量精度が+/−25Daの範囲内であることも意味する。これらの計算は任意の校正誤差または残渣を考慮しない。
本発明は好ましい実施形態を参照して説明したが、形態および詳細における様々な変更が、添付の特許請求内に明記される本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
例えば飛行時間取得システムは、非同期、タイムロックされた方法で動作することを説明したが、飛行時間取得システムは、四重極質量フィルタの走査周期と同期され得る。
質量移送ウィンドウは25Daの幅を有すると説明されてきたが、質量移送ウィンドウは他の幅を有してよい。さらには、質量移送ウィンドウの幅は時間とともに変動してよい。
質量移送ウィンドウは一定の走査速度を有すると説明されてきたが、質量移送ウィンドウの走査速度は時間とともに変化し得る。
質量フィルタの質量移送ウィンドウは好ましくは階段状にされ、段サイズは好ましくは各質量移送ウィンドウのサイズよりも有意に小さい。
[発明の項目]
[項目1]
質量分析の方法であって、
質量選択的に前駆イオンを質量分析器からフラグメンテーションまたは反応デバイスに移送する工程であり、ここで移送される該イオンの質量電荷比は時間とともに変化する、工程;
フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するように該フラグメンテーションまたは反応デバイス内で該前駆イオンを断片化する工程;
該フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析および検出する工程;
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する工程;
前記開始および終了時刻を、前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該開始および終了時刻を測定するために使用する工程;および
該前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該開始および終了時刻を前記前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程、を備える方法。
[項目2]
第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する工程;これらの開始および終了時刻を、前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される該開始および終了時刻を測定するために使用する工程;およびこの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される該開始および終了時刻を、この前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程、をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間が、前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間と一部のみ重複する、項目2に記載の方法。
[項目4]
前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記開始および終了時刻を測定するために、該第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの該開始および終了時刻を使用する前に、該第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されたのと同一の開始および終了時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されることを測定する工程をさらに備え;および/または
前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記開始および終了時刻を測定するために、該第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの該開始および終了時刻を使用する前に、該第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されたのと同一の開始および終了時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されることを測定する工程をさらに備える、項目1、2または3に記載の方法。
[項目5]
前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前記前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第一の質量電荷比下限および上限を測定するために使用する工程:および/または前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの該前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第二の質量電荷比下限および上限を測定するために使用する工程を備える、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記第一のフラグメントもしくはプロダクトイオンの前記前駆イオンにとっての質量電荷比重心値を前記第一の下限および上限質量電荷比から測定する工程;および/または前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの該前駆イオンにとっての質量電荷比重心値を前記第二の下限および上限質量電荷比から測定する工程をさらに備える、項目5に記載の方法。
[項目7]
前記前駆イオンについて測定された質量電荷比から該前駆イオンを同定する工程をさらに備える、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへ移送された前記前駆イオンの該質量電荷比が時間とともに継続的に走査されるかまたは時間とともに階段的に走査される、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記前駆イオンが低分解能質量分析器によって前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送され、前記フラグメントまたはプロダクトイオンが高分解能質量分析器によって質量分析される、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記前駆イオンを前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送する該質量分析器が質量フィルタである、項目1〜9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
前記フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための質量分析器は飛行時間質量分析器である、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
質量分析計であって、
フラグメンテーションまたは反応デバイス;
質量選択的に前駆イオンを該フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させるための第一の質量分析器;
該フラグメンテーションまたは反応デバイスによって生成されたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための第二の質量分析器;ならびに
質量選択的に前駆イオンを前記第一の質量分析器から該フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送し、ここで移送される該イオンの質量電荷比が時間とともに変化する;
フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するように、該フラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて該前駆イオンを断片化する;
該第二の質量分析器内において該フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析する;
第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される前記開始および終了時刻を測定する;
前記開始および終了時刻を、前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該開始および終了時刻を測定するために使用する;および
該前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該開始および終了時刻を、前記前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する、
ように配置および適合された制御装置、を備える、質量分析計。
[項目13]
該質量分析計は項目2〜11のいずれか一項に記載の方法を実行するように配置および適合される、項目12に記載の質量分析計。
[項目14]
質量分析の方法であって、
質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへ移送する工程であり、ここで、第一の質量電荷比を有する第一の前駆イオンは第一の期間にわたって前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送され、および第二の質量電荷比を有する第二の前駆イオンは第二の期間にわたって該フラグメンテーションまたは反応デバイスに移送されて前記第一の期間及び第二の期間が一部のみ重複する、工程;
フラグメントイオンを生成するように、該フラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて前記前駆イオンを断片化する工程;
前記フラグメントイオンを質量分析する工程;
異なる質量電荷比を有し、一部のみ重複する異なる期間にわたって生成された第一のフラグメントイオンおよび第二のフラグメントイオンを測定する工程;
該第一のフラグメントイオンが生成されたと判断される前記期間の端点と前記第一の期間の端点が実質的に一致すること、および該第二のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間の端点と前記第二の期間の端点が実質的に一致することを決定することによって、前記第一のフラグメントイオンが前記第一の前駆イオンに関連することおよび前記第二のフラグメントイオンが前記第二の前駆イオンに関連することを決定する工程;および
どちらの前駆イオンが該第一の前駆イオンでどちらが該第二の前駆イオンか同定する工程、を備える方法。
[項目15]
前記第一の期間は前記第一の前駆イオンの質量を同定するために使用され、および/または前記第二の期間は前記第二の前駆イオンの質量を同定するために使用される、項目14に記載の方法。

Claims (17)

  1. 質量分析の方法であって、
    質量選択的に前駆イオンを質量分析器からフラグメンテーションまたは反応デバイスに移送する工程であり、ここで移送される該イオンの質量電荷比は時間とともに変化する、工程;
    フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するように該フラグメンテーションまたは反応デバイス内で該前駆イオンを断片化する工程;
    該フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析および検出する工程;
    第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される時刻を測定する工程;
    前記時刻を、前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送された時刻を測定するために使用する工程;および
    該前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該時刻を前記前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程、を備える方法。
  2. 第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される時刻を測定する前記工程は、
    第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される開始および終了時刻を測定する工程を含み、
    当該方法は、
    前記開始および終了時刻を、前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送された開始および終了時刻を測定するために使用する工程;および
    該前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該開始および終了時刻を、前記前駆イオンの前記質量電荷比を測定するために使用する工程、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される時刻を測定する工程;該時刻を、前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される時刻を測定するために使用する工程;およびこの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される該時刻を、この前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する工程、をさらに備える、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間が、前記第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される期間と一部のみ重複する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記時刻を測定するために、該第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの該時刻を使用する前に、該第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されたのと同一の時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されることを測定する工程をさらに備え;および/または
    第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送される時刻を測定するために、該第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの該時刻を使用する前に、該第二のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されたのと同一の時刻で少なくとも一つの追加のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出されることを測定する工程をさらに備える、請求項1、2、3または4に記載の方法。
  6. 前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前記前駆イオンが前記質量分析器によって移送される前記開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第一の質量電荷比下限および上限を測定するために使用する工程:および/または第二のフラグメントまたはプロダクトイオンの該前駆イオンが前記質量分析器によって移送される開始および終了時刻を、この前駆イオンにおける第二の質量電荷比下限および上限を測定するために使用する工程を備える、請求項2に記載の方法。
  7. 前記第一のフラグメントもしくはプロダクトイオンの前記前駆イオンにとっての質量電荷比重心値を前記第一の質量電荷比下限および上限から測定する工程;および/または前記第のフラグメントまたはプロダクトイオンの該前駆イオンにとっての質量電荷比重心値を前記第二の質量電荷比下限および上限から測定する工程をさらに備える、請求項6に記載の方法。
  8. 前記前駆イオンについて測定された質量電荷比から該前駆イオンを同定する工程をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへ移送された前記前駆イオンの該質量電荷比が時間とともに継続的に走査されるかまたは時間とともに階段的に走査される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記前駆イオンが低分解能質量分析器によって前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送され、前記フラグメントまたはプロダクトイオンが高分解能質量分析器によって質量分析される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記前駆イオンを前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送する該質量分析器が質量フィルタである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための前記質量分析器は飛行時間質量分析器である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 質量分析計であって、
    フラグメンテーションまたは反応デバイス;
    質量選択的に前駆イオンを該フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送させるための第一の質量分析器;
    該フラグメンテーションまたは反応デバイスによって生成されたフラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析するための第二の質量分析器;ならびに
    質量選択的に前駆イオンを前記第一の質量分析器から該フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送し、ここで移送される該イオンの質量電荷比が時間とともに変化する;
    フラグメントまたはプロダクトイオンを生成するように、該フラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて該前駆イオンを断片化する;
    該第二の質量分析器内において該フラグメントまたはプロダクトイオンを質量分析する;
    第一のフラグメントまたはプロダクトイオンが検出される時刻を測定する;
    前記時刻を、前記第一のフラグメントまたはプロダクトイオンの前駆イオンが前記質量分析器によって移送された時刻を測定するために使用する;および
    該前駆イオンが前記質量分析器によって移送された該時刻を、前記前駆イオンの質量電荷比を測定するために使用する、
    ように配置および適合された制御装置、を備える、質量分析計。
  14. 該質量分析計は請求項2〜12のいずれか一項に記載の方法を実行するように配置および適合される、請求項13に記載の質量分析計。
  15. 質量分析の方法であって、
    質量選択的に前駆イオンをフラグメンテーションまたは反応デバイスへ移送する工程であり、ここで、第一の質量電荷比を有する第一の前駆イオンは第一の期間にわたって前記フラグメンテーションまたは反応デバイスへと移送され、および第二の質量電荷比を有する第二の前駆イオンは第二の期間にわたって該フラグメンテーションまたは反応デバイスに移送されて前記第一の期間及び第二の期間が一部のみ重複する、工程;
    フラグメントイオンを生成するように、該フラグメンテーションまたは反応デバイスにおいて前記前駆イオンを断片化する工程;
    前記フラグメントイオンを質量分析する工程;
    異なる質量電荷比を有し、一部のみ重複する異なる期間にわたって生成された第一のフラグメントイオンおよび第二のフラグメントイオンを測定する工程;
    該第一のフラグメントイオンが生成されたと判断される前記期間と前記第一の期間が一致すること、および該第二のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間と前記第二の期間が一致することを決定することによって、前記第一のフラグメントイオンが前記第一の前駆イオンに関連することおよび前記第二のフラグメントイオンが前記第二の前駆イオンに関連することを決定する工程;および
    どちらの前駆イオンが該第一の前駆イオンでどちらが該第二の前駆イオンか同定する工程、を備える方法。
  16. 前記第一のフラグメントイオンが前記第一の前駆イオンに関連することおよび前記第二のフラグメントイオンが前記第二の前駆イオンに関連することを決定する前記工程は、
    該第一のフラグメントイオンが生成されたと判断される前記期間の端点と前記第一の期間の端点が一致すること、および該第二のフラグメントイオンが生成されたと判断される期間の端点と前記第二の期間の端点が一致することを決定することによって、前記第一のフラグメントイオンが前記第一の前駆イオンに関連することおよび前記第二のフラグメントイオンが前記第二の前駆イオンに関連することを決定する工程
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第一の期間は前記第一の前駆イオンの質量を同定するために使用され、および/または前記第二の期間は前記第二の前駆イオンの質量を同定するために使用される、請求項15又は16に記載の方法。
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