JP6309461B2 - ヒストンアセチル化の標的化 - Google Patents

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Description

本開示は広くは、標的染色体位置のヒストンタンパク質をアセチル化する手段に関する。
ヒストンのアセチル化が、真核細胞における転写活性と関連することは十分に確立されている。アセチル化されたコアヒストンは、クロマチンの転写活性と優先的に関連することが知られている。アセチル化は、ヒストンタンパク質のアミノ末端テールのリジン残基で行われ、これにより、ヒストンテールの陽電荷を中和し、ヒストンのDNAに対する親和性を低下させる。従って、ヒストンのアセチル化は、ヌクレオソームのコンフォメーションを変化させ、それによって、転写制御タンパク質のクロマチンテンプレートへの到達性を向上させる。
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性又はヒストンデアセチラーゼ活性を有する数多くのタンパク質の同定、及びそれらのタンパク質が遺伝子発現を調節する役割の解析の進歩にもかかわらず、特定の位置のヒストンのアセチル化を改変する方法は今のところ存在しない。酪酸ナトリウムを用いて、ヒストンデアセチラーゼ活性を阻害することによって、間接的にヒストンのアセチル化を増大させているが、このヒストンアセチル化法は、包括的かつ非特異的である。本質的にすべての位置でのアセチル化が改変される。従って、ヒストンのアセチル化の標的化に対するニーズが存在する。特に、目的の染色体配列と関連するヒストンタンパク質をアセチル化できるように、ヒストンアセチラーゼ活性を特定の染色体配列に導入する手段に対するニーズが存在する。
従って、本開示は、標的染色体位置のヒストンタンパク質をアセチル化する手段を提供する。本開示の1つの態様は、DNA結合ドメイン及び少なくとも1つのp300ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)ドメインを含む、融合タンパク質を提供する。ある1つの実施形態では、DNA結合ドメインは、転写活性因子様エフェクターDNA結合ドメインである。別の実施形態では、DNA結合ドメインは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインである。ある1つの実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、約5〜約7個のジンクフィンガーを含む。さらなる実施形態では、HATドメインは、哺乳類p300タンパク質に由来する。特定の実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つの核局在化シグナル、少なくとも1つの細胞透過性ドメイン、少なくとも1つのマーカードメイン、又はこれらの組み合わせをさらに含む。ある1つの実施形態では、融合タンパク質のDNA結合ドメインは、約5〜約7個のジンクフィンガーを含む組換えジンクフィンガーDNA結合ドメインであり、融合タンパク質のHATドメインは、ヒトp300タンパク質に由来する。ある1つの実施形態では、融合タンパク質の組換えジンクフィンガーDNA結合ドメインは、Oct4、Sox2、又はPEDFをコードする染色体配列の転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列に結合する。
本開示は、本明細書に開示されている融合タンパク質をコードする単離された核酸も提供する。
本開示のさらなる態様は、細胞における標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化する方法を提供する。この方法は、その細胞を融合タンパク質、又はその融合タンパク質をコードする核酸と接触させることを含み、この融合タンパク質は、DNA結合ドメイン及び少なくとも1つのp300ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)ドメインを含む。DNA結合ドメインが、標的染色体位置の配列に結合したら、p300HATドメインが、標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化する。ある1つの実施形態では、融合タンパク質は、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、及び/又はヒストンH4をアセチル化する。特定の例示的実施形態では、融合タンパク質は、ヒストンH3のリジン18、及び/又はヒストンH3のリジン27をアセチル化する。さらなる実施形態では、標的染色体配列の近くに位置する遺伝子は、転写レベルが増大している。様々な実施形態において、本発明の方法で用いる細胞は、ヒト細胞、哺乳類細胞、哺乳類以外の脊椎動物細胞、無脊椎動物細胞、幹細胞、胚、又は単細胞真核生物である。例示的実施形態では、この細胞はヒト細胞である。別の実施形態では、融合タンパク質のDNA結合ドメインは、約5〜約7個のジンクフィンガーを含む組換えジンクフィンガーDNA結合ドメインであり、融合タンパク質のHATドメインは、ヒトp300タンパク質に由来する。別の実施形態では、融合タンパク質の組換えジンクフィンガーDNA結合ドメインは、Oct4、Sox2、又はPEDFをコードする染色体配列の転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列に結合する。
本開示のその他の態様及び反復について、以下でさらに詳細に説明する。
融合タンパク質ZF(Oct4+181)−p300によるHEK293細胞における標的ヒストンのアセチル化を示す図である。記載されている処理条件下での、標的部位及び標的部位+200bpにおけるH3K18及びH3K27のアセチル化の増加倍率がプロットされている。ジンクフィンガーDNA結合ドメインZF(Oct4+181)は、OCT4の転写開始部位から+181bp下流の配列を標的とする。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の酪酸ナトリウム(Nabut)で処理した細胞をポジティブコントロールとして用いた。p300HATドメイン(ZFドメインは含まない)又はGFPをトランスフェクションした細胞をネガティブコントロールとして用いた。
融合タンパク質ZF(Oct4+181)−p300によるHEK293細胞におけるOct4の発現の活性化を示す図である。記載されている処理条件下でのOCT4の発現の増加倍率がプロットされている。各棒は、トリプリケートRT−PCRのOCT4/シクロフィリンA比の平均値(±SD)を表している。ZF−p65融合タンパク質を発現する細胞をポジティブコントロールとして用いた(p65は、転写因子NF−κBの構成要素である)。p65、p300、又はGFPのみを発現する細胞をネガティブコントロールとして用いた。融合タンパク質ZF(Oct4+181)−p300を発現する細胞は、ネガティブコントロール細胞に対して、OCT4の発現の顕著な活性化を示した(>25倍)。
融合タンパク質ZF(PEDF)−p300によるHEK293細胞におけるPEDFの発現の活性化を示す図である。記載されている処理条件下でのPEDFの発現の増加倍率がプロットされている。各棒は、トリプリケートRT−PCRのPEDF/シクロフィリンA比の平均値(±SD)を表している。DNA結合ドメインZF6961は、PEDF遺伝子を標的とする。ZF6961−p65融合タンパク質を発現する細胞をポジティブコントロールとして用いた。p65、p300、又はGFPのみを発現する細胞をネガティブコントロールとして用いた。融合タンパク質ZF6961−p300を発現する細胞では、PEDFの発現が向上した(P<0.001)。
融合タンパク質ZF(PEDF)−GCN5が、HEK293細胞においてPEDFの発現を活性化しなかったことを示す図である。記載されている処理条件下でのPEDFの発現の増加倍率がプロットされている。各棒は、トリプリケートRT−PCRのPEDF/シクロフィリンA比の平均値(±SD)を表している。DNA結合ドメインZFは、PEDF遺伝子を標的とする。ZF−p65融合タンパク質を発現する細胞をポジティブコントロールとして用いた。p65のみを発現する細胞をネガティブコントロールとして用いた。融合タンパク質ZF−GCN5を発現する細胞は、PEDFの発現の向上を示さなかった。
一連のZF(Oct4)−p300融合タンパク質の存在下におけるOCT4の発現を示す図である。各融合タンパク質は、OCT4の転写開始部位(TSS)から約−2.5kb上流〜約1.5kb下流に位置する特定の配列を標的としていた。
ZF(Oct4)−p300融合タンパク質が、複数の細胞においてOCT4の発現を活性化したことを示す図である。コントロール条件下、又は2つの異なる下流配列を標的とする融合タンパク質の存在下でのHEK293細胞(6A)及びK562細胞(6B)におけるOCT4の発現の増加倍率がプロットされている。
HEK293細胞(7A)及びK562細胞(7B)におけるZF(Oct4)−p300融合タンパク質による標的ヒストンのアセチル化を示す図である。ZF(Oct4+286)−p300又はZF(Oct4+420)−p300融合タンパク質の非存在下(コントロール)又は存在下での、示されている位置でのH3K27のアセチル化の増加倍率がプロットされている。コントロールの位置は、SOX2のTSSから+200下流である。
一連のZF(Sox2)−p300融合タンパク質の存在下でのSOX2の発現を示す図である。各融合タンパク質は、SOX2のTSSから−0.5kb上流〜約1.5kb下流に位置する特定の配列を標的とした。
ZF(Sox2)−p300融合タンパク質が複数の細胞においてSOX2の発現を活性化したことを示す図である。コントロール条件下、又は2つの異なる下流配列を標的とするZF(Sox2)−p300融合タンパク質の存在下でのHEK293細胞(9A)及びK562細胞(9B)におけるSOX2の発現の増加倍率がプロットされている。
本開示は、特定の染色体位置のヒストン及びその他のタンパク質をアセチル化する手段を提供する。特に、本開示は、DNA結合ドメイン及びヒストンアセチラーゼ活性を呈する少なくとも1つのヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)ドメインを含む、融合タンパク質を提供する。DNA結合ドメインは、目的の染色体配列内の特定の配列を認識して、その配列に結合することができ、HATドメインは、ヒストン又はその他の染色体タンパク質のリジン残基をアセチル化できる。従って、本明細書に開示されている融合タンパク質を用いて、DNA結合ドメインの標的となる特定の配列と関連するタンパク質をアセチル化できる。標的タンパク質のアセチル化を用いて、目的の染色体配列における転写活性又は染色体タンパク質のアセチル化のその他の効果を調節してよい。
(I)融合タンパク質
本開示の1つの態様は、DNA結合ドメイン及び少なくとも1つのヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)ドメインを、含む融合タンパク質を提供する。DNA結合ドメインは、特定のDNA配列を認識して、その配列に結合するので、融合タンパク質を細胞染色体における特定の配列に導く。その特定の配列に結合したら、融合タンパク質のHATドメインが、細胞染色体におけるその特定の配列と関連する少なくとも1つのタンパク質をアセチル化する。
(a)DNA結合ドメイン
本明細書に開示されている融合タンパク質は、DNA結合ドメインを含み、このドメインは、DNAの特定の配列を認識して、その配列に結合する少なくとも1つのモチーフを含む。DNA結合ドメインは、2本鎖DNA及び/又は1本鎖DNAに結合できる。概して、DNA結合ドメインは、細胞染色体の2本鎖DNAにおける特定の配列を認識して、その配列に結合する。
様々なDNA結合ドメインが、本発明の融合タンパク質に含めるのに適している。好適なDNA結合ドメインの非限定例としては、ATフックドメイン、塩基性ロイシンジッパードメイン、βシートドメイン、B3ドメイン、ヘリックスループヘリックスドメイン、ヘリックスターンヘリックスドメイン、ホメオドメイン、HMGボックスドメイン、免疫グロブリンフォールドドメイン、ロイシンジッパードメイン、ステロイド受容体ドメイン、転写活性因子様エフェクター(TAL)エフェクタードメイン、ウイングドヘリックスドメイン、ウイングドヘリックスターンヘリックスドメイン、及びジンクフィンガードメインが挙げられる。本発明のDNA結合ドメインは、天然のタンパク質に由来することができる。例えば、本発明のDNA結合ドメインは、天然の転写因子又はDNA結合タンパク質に由来することができる。あるいは、本発明のDNA結合ドメインは、組換え又は人造ポリペプチド又はタンパク質であることができる。
(i)ジンクフィンガーDNA結合ドメイン
例示的実施形態では、DNA結合ドメインはジンクフィンガーDNA結合ドメインである。ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、2つ、3つ、又はそれ以上のジンクフィンガーモチーフ(すなわち「ジンクフィンガー」)のタンデムリピートを含む。各ジンクフィンガーでは、亜鉛(又は別のイオン)が配位結合しており、約3個の連続するヌクレオチド残基と相互作用する。様々なジンクフィンガーが知られており、亜鉛と配位結合している残基の種類と順序によって分類することができる(例えばCysHis、Cys、及びCys)。
ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、天然のタンパク質に由来することができる。あるいは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、選択したいずれかの核酸配列を認識して、その配列に結合するように組み換えることができる。例えば、組換えCysHisジンクフィンガーアレイは、当該技術分野において周知である。例えば、Beerli et al.(2002)Nat.Biotechnol.20:135−141、Pabo et al.(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313−340、Isalan et al.(2001)Nat.Biotechnol.19:656−660、Segal et al.(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632−637、Choo et al.(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411−416、Zhang et al.(2000)J.Biol.Chem.275(43):33850−33860、Doyon et al.(2008)Nat.Biotechnol.26:702−708、及びSantiago et al.(2008)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:5809−5814を参照されたい。
組換えジンクフィンガー結合ドメインは、天然のジンクフィンガータンパク質と比べて、新規な結合特異性を有することができる。組換え方法としては、ラショナルデザイン及び各種の選択が挙げられるが、これらに限らない。ラショナルデザインは例えば、ヌクレオチドのダブレット配列、トリプレット配列、及び/又はクアドラプレット配列と、個々のジンクフィンガーアミノ酸配列とを含むデータベースを用いることを含み、ヌクレオチドの各ダブレット配列、トリプレット配列、又はクアドラプレット配列は、その特定のトリプレット配列又はクアドラプレット配列に結合するジンクフィンガーの1つ以上のアミノ酸配列と関連する。例えば、米国特許第6,453,242号、及び同第6,534,261号を参照されたい(これらの開示内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)。例として、米国特許第6,453,242号に記載されているアルゴリズムを用いて、所定の配列を標的とするジンクフィンガー結合ドメインを設計できる。非縮重認識コード表を用いるラショナルデザインのような代替的な方法を用いて、特定の配列を標的とするジンクフィンガー結合ドメインを設計することもできる(Sera et al.(2002)Biochemistry 41:7074−7081)。DNA配列における潜在的な標的部位を同定するための公共のウェブベースツール、及びジンクフィンガー結合ドメインを設計するための公共のウェブベースツールは、当該技術分野において既知である。例えば、DNA配列における潜在的な標的部位を同定するためのツールは、http://www.zincfingertools.orgで見出すことができる。ジンクフィンガー結合ドメインを設計するためのツールは、http://zifit.partners.org/ZiFiTで見出すことができる。(Mandell et al.(2006)Nuc.Acid Res.34:W516−W523、Sander et al.(2007)Nuc.Acid Res.35:W599−W605も参照されたい。)
ジンクフィンガー認識領域を選択する例示的方法としては、ファージディスプレイ及びツーハイブリッド系が挙げられ、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号、及び同第6,242,568号、並びに、国際公開第98/37186号、国際公開第98/53057号、国際公開第00/27878号、国際公開第01/88197号、及び英国特許第2,338,237号に開示されており、これらの各々は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。加えて、ジンクフィンガー結合ドメインの結合特異性の向上については、例えば、国際公開第02/077227号に記載されている。
本明細書に開示されている融合タンパク質に含めるように設計されたジンクフィンガーDNA結合ドメインは典型的には、少なくとも約12個のヌクレオチドのDNA配列を認識して、その配列に結合するように組み換えられている。例示的実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、ヌクレオチド長が約15〜約21の範囲であるDNA配列を認識して、その配列に結合するように組み換えられている。従って、本明細書に開示されているジンクフィンガーDNA結合ドメインは、少なくとも4つのジンクフィンガーを含む。例示的実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、約5〜約7個のジンクフィンガーを含む。1つの例示的実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、5個のジンクフィンガーを含む。別の例示的実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、6個のジンクフィンガーを含む。さらに別の例示的実施形態では、ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、7個のジンクフィンガーを含む。
ジンクフィンガーDNA結合ドメイン及び/又はマルチフィンガージンクフィンガータンパク質は、例えばアミノ酸長が5以上であるリンカーを含む好適なリンカー配列を用いて結合できる。アミノ酸長が6以上のリンカー配列の非限定例については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号、及び同第7,153,949号を参照されたい(これらの開示内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載されているジンクフィンガーDNA結合ドメインは、そのタンパク質の個々のジンクフィンガーの間に、好適なリンカーの組み合わせを含むことができる。
(ii)TALエフェクターDNA結合ドメイン
別の実施形態では、融合タンパク質のDNA結合ドメインはTALエフェクターDNA結合ドメインである。TALエフェクターは、病原菌が各種の植物種に感染すると、その病原菌によって分泌される転写因子である。これらのタンパク質は、リピート数が様々である約34個のアミノ酸リピートからなる中央のリピートドメインを介して、植物のDNA配列を認識することによって、細菌感染を補助する植物遺伝子の発現を活性化する。従って、TALエフェクターの中央のリピートドメインはDNA結合ドメインである。各リピート内の2つの重要なアミノ酸による標的DNA配列内の特定のヌクレオチドの認識は、単純に1対1で対応していると見られる。従って、人造TALエフェクターDNA結合ドメインは、いずれかの目的のDNA配列を認識して、その配列に結合するように組み換えることができる。概して、本明細書に開示されている融合タンパク質に含めるように設計されたTALエフェクターDNA結合ドメインは、約2〜約40個のリピートを含む。具体的な実施形態では、TALエフェクターDNA結合ドメインは、約12〜約25個のリピートを含む。
(iii)特定のDNA結合ドメイン
概して、本発明の融合タンパク質のDNA結合ドメインは、目的の染色体配列における特定の配列を認識して、その配列に結合するように組み換えられている。好適な標的配列の非限定例としては、リプログラミング因子(例えばOct4、Sox2、Klf4、c−Myc、Nanog、Lin−28、miRNA302−367クラスター、Zfp296など)、増殖因子(例えばAng、BMP、BDNF、EGF、FGF、GDNF、G−CSF、GDF9、HGF、HDGF、IGF、I−lGF1、I−lGF2、GDF8、NSF、NGF、PDGF、TGF、TNF−α、VEGF、PEDF、PIGFなど)、サイトカイン(例えばインターロイキン、インターフェロン、EPO、TPO、など)、増殖因子又はサイトカイン受容体(例えばFGFR、NGFR、HGFR、VEGFR、EPOR、ErfBGFR、SCFR、TGFR、BMPRなど)、癌抑制因子(例えばp53、p21、p16、VHL、CDH1、BRCA2、PTEN、VHL、APC、CD95、ST5、YPEL3、ST7、ST14など)、及び細胞周期制御因子(例えばANAPC2、ATR、AURKA、BCCIP、BCL2、BRCA2、CCNB1、CCNB2、CCNC、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CCNF、CCNH、CCNT1、CDC16、CDC20、CDC25C、CDC6、CDK1(CDC2)、CDK2、CDK4、CDK5R1、CDK6、CDK7、CDK8、CDKN1A(p21CIP1/WAF1)、CDKN1B(p27KIP1)、CKS1B、E2F1、E2F4、GADD45A、KNTC1、MKI67、RAD9A、RB1、SKP2、TFDP1、TFDP2、WEE1など)、活性因子/阻害剤、遺伝子標的などをコードする配列が挙げられる。
DNA結合ドメインが認識して結合する特定の配列は概して、転写開始部位の上流又は下流に位置する。例えば、特定の配列は、転写開始部位から数塩基対以内に存在することも、転写開始部位から数十、数百、数千、数万、又は数十万塩基対上流又は下流に位置することもできる。例えば、特定の配列は、転写開始部位から約1〜100、100〜300、300〜1,000、1,000〜3,000、3,000〜10,000、10,000〜30,000、又は30,000〜100,00塩基対分上流又は下流以内に位置してよい。さらなる実施形態では、特定の配列は、転写開始部位から100,000を超える塩基対分上流又は下流に位置できる。
1つの例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、OCT4遺伝子の転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。例えば、本発明のDNA結合ドメインは、OCT4の転写開始部位から約−2000塩基対(bp)〜約+3000bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。特定の例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、OCT4の転写開始部位から約−1700塩基対(bp)〜約+1500bp(例えば、OCT4の転写開始部位から約−100bp〜約+900bpを含む)に位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。具体的な例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、OCT4の転写開始部位から+181bp、+286bp、又は+420bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。
別の例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、PEDF遺伝子の転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。例として、本発明のDNA結合ドメインは、PEDFの転写開始部位から約−1000bp〜約+2000bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。特定の例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、PEDFの転写開始部位から約−100bp〜約+500bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。1つの具体的な例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、PEDFの転写開始部位から−92bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。
別の例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、SOX2遺伝子の転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。例えば、DNA結合ドメインは、SOX2の転写開始部位から約−1000bp〜約+2000bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。特定の例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、SOX2の転写開始部位から約−100bp〜約+500bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合できる。具体的な例示的実施形態では、DNA結合ドメインは、SOX2の転写開始部位から+185bp又は+475bpに位置する特定の配列を認識して、その配列に結合する。
(b)HATドメイン
本明細書に開示されている融合タンパク質は、少なくとも1つのHATドメインも含む。HATドメインは、タンパク質アセチラーゼ活性を呈する。例えば、HATドメインは、ヒストンアセチラーゼ活性を呈することができ、すなわち、アセチルCoAからアセチル基を移転して、ε−N−アセチルリジンを形成させることによって、ヒストンタンパク質におけるリジン残基をアセチル化できる。好適なヒストンタンパク質としては、コアヒストンH2A、H2B、H3、及びH4、並びにリンカーヒストンH1が挙げられる。HATドメインは、染色体的に関連するその他のタンパク質に対するアセチラーゼ活性も呈することができる。染色体的に関連するタンパク質としては、クロマチン構造に関わるヒストン以外のタンパク質、並びに、転写、複製、及びその他の本質的なプロセスに関与する酵素及びタンパク質因子が挙げられる。
様々なHATドメインが、本発明の融合タンパク質に含めるのに適している。融合タンパク質が2つ以上のHATドメインを含む実施形態では、それらのHATドメインは、同じであっても異なってもよい。好適なHATドメインの非限定例は、CREBBP(すなわちCREB結合タンパク質)、CDY1、CDY2、CDYL1、CLOCK、ELP3、EP300(すなわちE1A結合タンパク質p300)、ESA1、GCN5(KAT2A)、HAT1、KAT2B、KAT5、MYST1、MYST2、MYST3、MYST4、NCOA1、NCOA2、NCOA3、NCOAT、P/CAF、Tip60、TAFII250、又はTF3C4に由来するものである。ある1つの実施形態では、HATドメインは、SRC1又はSRC1関連タンパク質ではない。別の実施形態では、HATドメインはGCN5(KAT2A)ではない。ある例示的実施形態では、HATドメインは、E1A結合タンパク質p300に由来し、このタンパク質は、p300、EP300、ヒストンアセチルトランスフェラーゼp300、E1A関連タンパク質、又はKAT3Bとしても知られている。
HATドメインは、哺乳類、脊椎動物、無脊椎動物、又は単細胞真核生物由来のものであることができる。いくつかの実施形態では、HATドメインは、哺乳類由来のp300タンパク質である。例示的実施形態では、Hatドメインは、ヒト由来のp300タンパク質である。ある1つの実施形態では、HATドメインは、哺乳類p300タンパク質の1000位前後のアミノ酸〜2000位前後のアミノ酸に及ぶ。別の実施形態では、HATドメインは、哺乳類p300タンパク質の1100位前後のアミノ酸〜1750位前後のアミノ酸に及ぶ。さらなる実施形態では、HATドメインは、哺乳類p300タンパク質の1284位前後のアミノ酸〜1673位前後のアミノ酸に及ぶ。
HATドメインは、DNA結合ドメインのN末端又はC末端側に位置してもよい。2つ以上のHATドメインが存在する実施形態では、HATドメインは、タンデムに配置されていても、DNA結合ドメインに隣接しても、又はこれらの組み合わせであってもよい。HATドメイン(単一又は複数)とDNA結合ドメインは、連続していても、リンカー配列(単一又は複数)によって隔てられていてもよい。好適なアミノ酸リンカー配列は、当該技術分野において周知である。
(c)任意のドメイン
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つの核局在化シグナル又は配列(NLS)をさらに含む。NLSは、融合タンパク質を核の中に導くように促すアミノ酸配列であり、この核の中で、融合タンパク質が標的ヒストンのアセチル化を媒介する。核局在化シグナルは、当該技術分野において既知である(例えばMakkerh et al.(1996)Current Biology 6:1025−1027を参照されたい)。例えば、NLSは、SV40T−抗原、ヌクレオプラスミン、c−myc、hnRNPA1、Matα2などのような天然のタンパク質に由来することができる。あるいは、NLSは、多くのNLS配列に由来するコンセンサス配列であることができる。NLSは、融合タンパク質のN末端、C末端、又は内部の位置に位置することができる。
追加の実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つの細胞透過性ドメインも含むことができる。細胞透過性ドメインは、HIV−1TATタンパク質に由来する細胞透過性ペプチド配列、ヒトB型肝炎ウイルスに由来する細胞透過性ペプチド配列、単純ヘルペスウイルスに由来する細胞透過性ペプチド、MPGペプチド、Pep−1ペプチド、又はポリアルギニンペプチド配列であることができる。細胞透過性ドメインは、融合タンパク質のN末端、C末端、又は内部の位置に位置することができる。
さらなる実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つのマーカードメインを含むことができる。好適なマーカードメインとしては、蛍光タンパク質、可視レポーター、選択マーカー、エピトープタグ、アフィニティタグなどが挙げられる。好適な蛍光タンパク質の非限定例としては、緑色蛍光タンパク質(例えばGFP、GFP−2、tagGFP、turboGFP、EGFP、Emerald、Azami Green、Monomeric Azami Green、CopGFP、AceGFP、ZsGreen1)、黄色蛍光タンパク質(例えばYFP、EYFP、Citrine、Venus、YPet、PhiYFP、ZsYellow1)、青色蛍光タンパク質(例えばEBFP、EBFP2、Azurite、mKalama1、GFPuv、Sapphire、T−sapphire)、シアン蛍光タンパク質(例えばECFP、Cerulean、CyPet、AmCyan1、Midoriishi−Cyan)、赤色蛍光タンパク質(mKate、mKate2、mPlum、DsRed monomer、mCherry、mRFP1、DsRed−Express、DsRed2、DsRed−Monomer、HcRed−Tandem、HcRed1、AsRed2、eqFP611、mRasberry、mStrawberry、Jred)、及びオレンジ色蛍光タンパク質(mOrange、mKO、Kusabira−Orange、Monomeric Kusabira−Orange、mTangerine、tdTomato)、又はその他のいずれかの好適な蛍光タンパク質が挙げられる。可視レポーターの非限定例としては、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、及びこれらの変異体が挙げられる。好適な選択マーカーの例としては、これらに限らないが、ピューロマイシン、ゼオマイシン、ネオマイシン、ハイドロマイシン、フレオマイシンなどのような抗生物質選択マーカーが挙げられる。好適なエピトープタグとしては、myc、AcV5、AU1、AU5、E、ECS、E2、FLAG、HA、Maltose結合タンパク質、nus、Softag1、Softag3、Strep、SBP、Glu−Glu、HSV、KT3、S、S1、T7、V5、VSV−G、6xHis、BCCP、及びカルモジュリンが挙げられるが、これらに限らない。アフィニティタグの非限定例としては、キチン結合タンパク質(CBP)、チオレドキシン(TRX)、ポリ(NANP)、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)が挙げられる。マーカードメインは、DNA結合ドメイン、HATドメイン(単一又は複数)、及び/又は追加のドメインのN末端又はC末端側であることができる。
(II)融合タンパク質をコードする核酸
本開示の別の態様は、上記の項(I)に記載されている融合タンパク質をコードする単離された核酸を包含する。融合タンパク質をコードするこの核酸は、DNA、RNA、2本鎖、1本鎖、直鎖状、又は環状であることができる。核酸がRNAである実施形態では、そのRNAはメッセンジャーRNA(mRNA)であることができる。このmRNAは、5’末端にキャップを有し、及び/又は3’末端がポリアデニル化されていることができる。キャッピング(又はポリアデニル化)は、インビトロ合成反応中に行うことができ、あるいは、キャッピング(又はポリアデニル化)は、転写後に特定の反応を介して行うことができる。
本発明の融合タンパク質をコードする核酸は、目的の細胞において発現させるための少なくとも1つのプロモーター制御配列に機能可能に結合できる。いくつかの実施形態では、この核酸は、真核細胞における発現のためのプロモーター制御配列に機能可能に結合している。プロモーター制御配列は、構成性であることも、調節性(すなわち誘導性又は組織特異的)であることもできる。好適な構造性プロモーター制御配列としては、サイトメガロウイルス前初期プロモーター(CMV)、シミアンウイルス(SV40)プロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、伸長因子(ED1)−αプロモーター、ユビキチンプロモーター、アクチンプロモーター、チューブリンプロモーター、免疫グロブリンプロモーター、これらの断片、又は上記のいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。好適な誘導性プロモーター制御配列の非限定例としては、抗生物質によって調節されるもの(例えばテトラサイクリン誘導性プロモーター)、及び金属イオンによって調節されるもの(例えばメタロチオネイン−1プロモーター)、ステロイドホルモンによって調節されるもの、小分子によって調節されるもの(例えばアルコール調節性プロモーター)、熱ショックによって調節されるものなどが挙げられる。組織特異的プロモーターの非限定例としては、B29プロモーター、CD14プロモーター、CD43プロモーター、CD45プロモーター、CD68プロモーター、デスミンプロモーター、エラスターゼ−1プロモーター、エンドグリンプロモーター、フィブロネクチンプロモーター、Flt−1プロモーター、GFAPプロモーター、GPIIbプロモーター、ICAM−2プロモーター、INF−βプロモーター、Mbプロモーター、NphsIプロモーター、OG−2プロモーター、SP−Bプロモーター、SYN1プロモーター、及びWASPプロモーターが挙げられる。プロモーター配列は野生型であることができ、あるいは、より効率的又は有効な発現のために、改変することができる。
代替的な実施形態では、本発明の融合タンパク質をコードする配列は、その融合タンパク質を単離及び/又は精製できるように、細菌又は真核細胞において発現させるための少なくとも1つのプロモーター制御配列に機能可能に結合できる。従って、融合タンパク質は、目的の細胞に単離されたタンパク質として導入できる。好適な細菌プロモーターとしては、これらに限らないが、T7プロモーター、lacオペロンプロモーター、trpプロモーター、これらの改変体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的細菌プロモーターは、trpプロモーターとlacプロモーターとのハイブリッドであるtacである。好適な真核生物プロモーターの非限定例は、上に列挙されている。
いくつかの実施形態では、本発明の融合タンパク質をコードする核酸は、ベクターに存在することができる。好適なベクターとしては、プラスミドベクター、ファージミド、コスミド、人造/ミニクロモソーム、トランスポゾン、及びウイルスベクターが挙げられる。例示的実施形態では、本発明の融合タンパク質をコードする核酸は、プラスミドベクターに存在するDNAである。好適なプラスミドベクターの非限定例としては、pUC、pBR322、pET、pBluescript、及びこれらの変異体が挙げられる。ベクターは、追加の発現制御配列(例えばエンハンサー配列、Kozak配列、ポリアデニル化配列、転写終結配列など)、選択マーカー配列(例えば抗生物質耐性遺伝子)、複製起点などを含むことができる。追加の情報は、“Current Protocols in Molecular Biology”Ausubel et al.,John Wiley&Sons,New York,2003、又は“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”Sambrook & Russell,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,3rd edition,2001に見出すことができる。
(III)標的ヒストンのアセチル化法
本開示のさらなる態様は、細胞における標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化する方法を提供する。この方法は、細胞を融合タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸と接触させることを含み、この融合タンパク質は、DNA結合ドメイン及び少なくとも1つのHATドメインを含む。融合タンパク質のDNA結合ドメインが標的染色体位置の特定の配列に結合したら、融合タンパク質のHATドメインが、標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化する。
(a)融合タンパク質との接触
上記の方法は、単離された融合タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸との接触を含む。融合タンパク質は、上記の項(I)に詳述されており、融合タンパク質をコードする核酸は、上記の項(II)に説明されている。
融合タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸は、様々な手段によって細胞に導入できる。好適な送達手段としては、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、ソノポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクション、陽イオントランスフェクション、リポソームトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、熱ショックトランスフェクション、ヌクレオフェクショントランスフェクション、マグネトフェクション、リポフェクション、インペイルフェクション、光トランスフェクション、独自の作用剤による核酸取り込みの増強、及びリポソームを介した送達、免疫リポソーム、ビロソーム、又は人造ビリオンが挙げられる。ある具体的な実施形態では、融合タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸は、ヌクレオフェクションによって細胞に導入する。
概して、細胞は、細胞の増殖及び/又は維持に適切な条件下で維持する。好適な細胞培養条件は当該技術分野において周知であり、例えば、Santiago et al.(2008)PNAS 105:5809−5814、Moehle et al.(2007)PNAS 104:3055−3060、Urnov et al.(2005)Nature 435:646−651、及びLombardo et al(2007)Nat.Biotechnology 25:1298−1306に記載されている。細胞を培養する方法は当該技術分野において既知であり、細胞種によって様々であり得るとともに、様々となることは当業者には明らかである。いずれのケースでも、通常の最適化を用いて、特定の細胞種に最適の技法を割り出してよい。
融合タンパク質のDNA結合ドメインが標的配列に結合したら、融合タンパク質のHATドメインが、標的配列の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化する。少なくとも1つのリジン残基がアセチル化されるヒストンタンパク質は、コアヒストン(すなわちH2A、H2B、H3、又はH4)のうちの1つ以上であることができる。ある1つの実施形態では、融合タンパク質は、ヒストンH3の少なくとも1つのリジン残基をアセチル化する。ヒストンH3における例示的リジン(K)残基としては、K4、K9、K14、K18、K23、K27、K42、及びK56が挙げられる。例示的実施形態では、融合タンパク質は、ヒストンH3のリジン18及びリジン27をアセチル化する。ヒストンタンパク質における特定のリジン残基のアセチル化度は、約1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、又は10倍超増大できる。当業者は、ヒストンタンパク質のアセチル化レベルを決定する手段を熟知している(例えば実施例1を参照されたい)。
概して、ヒストンのアセチル化の増大により、標的染色体配列の転写が増大する。転写は、約1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍、22倍、24倍、26倍、28倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、60倍、80倍、100倍、又は100倍超増大し得る。発現のレベルを測定する好適な手段は、当該技術分野において周知である(例えば実施例2を参照されたい)。
(b)細胞種
様々な細胞が、本発明の方法で用いるのに適している。様々な実施形態において、細胞は、ヒト細胞、ヒト以外の哺乳類細胞、哺乳類以外の脊椎動物細胞、無脊椎動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母細胞、又は単細胞真核生物であることができる。様々な胚が、本発明の方法で用いるのに適している。例えば、胚は、ヒト以外の哺乳類1細胞胚であることができる。1細胞胚を含む例示的哺乳類胚としては、これらに限らないが、マウス胚、ラット胚、ハムスター胚、げっ歯類胚、ウサギ胚、ネコ胚、イヌ胚、ヒツジ胚、ブタ胚、ウシ胚、ウマ胚、及び霊長類胚が挙げられる。さらに別の実施形態では、細胞は幹細胞であることができる。好適な幹細胞としては、これらに限らないが、胚性幹細胞、ES様幹細胞、胎児幹細胞、成体幹細胞、万能性幹細胞、誘導万能性幹細胞、多能性幹細胞、少能性幹細胞、単能性幹細胞、及びその他の幹細胞が挙げられる。例示的実施形態では、細胞は哺乳類細胞である。
好適な哺乳類細胞の非限定例としては、ヒト胎児腎細胞(HEK293、HEK293T)、ヒトK562細胞、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、ヒトU2−OS骨肉腫細胞、ヒトA549細胞、ヒトA−431細胞、サル腎臓SV−40形質転換線維芽(COS7)細胞、サル腎臓CVI−76細胞、アフリカミドリザル腎臓(VERO−76)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、マウスミエローマNS0細胞、マウス胎児線維芽3T3細胞(NIH3T3)、マウスBリンパ腫A20細胞、マウスメラノーマB16細胞、マウス筋芽C2C12細胞、マウスミエローマSP2/0細胞、マウス胎児間葉C3H−10T1/2細胞、マウス腫瘍CT26細胞、マウス前立腺DuCuP細胞、マウス乳腺EMT6細胞、マウス肝細胞癌Hepa1c1c7細胞、マウスミエローマJ5582細胞、マウス上皮MTD−1A細胞、マウス心筋MyEnd細胞、マウス腎臓RenCa細胞、マウス膵臓RIN−5F細胞、マウスメラノーマX64細胞、マウスリンパ腫YAC−1細胞、ラット神経膠肉腫9L細胞、ラットBリンパ腫RBL細胞、ラット神経芽細胞腫B35細胞、ラット肝細胞癌細胞(HTC)、バッファローラット肝臓BRL3A細胞、イヌ腎臓細胞(MDCK)、イヌ乳腺(CMT)細胞、ラット骨肉腫D17細胞、及びラット単球/マクロファージDH82細胞が挙げられる。哺乳類細胞株の広範なリストは、American Type Culture Collectionカタログ(ATCC、バージニア州マナサス、www.atcc.org/)に見出すことができる。
定義
別段の定めのない限り、本明細書で用いられているいずれの専門用語及び科学用語も、本発明の属する技術分野の者によって広く理解されている意味を有する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994)、The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988)、The Glossary of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag(1991)、及びHale&Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)という参考文献は、当業者に、本発明で用いられている多くの用語の一般的な定義を示している。本明細書で使用する場合、下記の用語は、別段の指定のない限り、その用語のものとされている意味を有する。
本開示又はその好ましい実施形態(単一又は複数)の要素を取り上げるとき、単数形、「その」、及び「前記」という冠詞は、その要素が1つ以上存在することを意味するように意図されている。「含む」、「挙げられる」、及び「有する」という用語は、包括的であるように意図されており、列挙されている要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。
「DNA結合ドメイン」という用語は、特定のDNA配列を認識して、その配列に結合する少なくとも1つのモチーフを含むタンパク質ドメインを指す。
「遺伝子」という用語は、本明細書で使用する場合、遺伝子産物をコードするDNA領域(エキソン及びイントロンを含む)、並びに、遺伝子産物の産生を調節するすべてのDNA領域(このような調節配列が、コード配列及び/又は転写配列に隣接するか否かは問わない)を指す。従って、遺伝子としては、プロモーター配列、ターミネーター、翻訳調節配列(リボソーム結合部位及び内部リボソーム侵入部位など)、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、境界エレメント、複製起点、マトリックス付着部位、及び遺伝子座調節領域が挙げられるが、必ずしもこれらに限らない。
「HATドメイン」という用語は、ヒストンアセチラーゼ活性を呈するタンパク質ドメイン又はその機能的変異体を指す。
「核酸」という用語は、直鎖状又は環状構造、かつ1本鎖又は2本鎖形態のいずれかであるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的上、これらの用語は、ポリマーの長さに関して限定するものとして解釈すべきではない。これらの用語は、天然ヌクレオチドの既知の類縁体、並びに、その塩基、糖、及び/又はリン酸部分(例えばホスホロチオエート骨格)において修飾されているヌクレオチドを包含できる。概して、特定のヌクレオチドの類縁体は、同じ塩基対合特異性を有し、すなわち、Aの類縁体は、T又はTの類縁体と塩基対合することになる。
「タンパク質」及び「ポリペプチド」というという用語は、アミノ酸残基のポリマーを指す目的で、同義的に用いる。
「上流」及び「下流」という用語は、一定の位置に対する核酸配列での位置を指す。本明細書で使用する場合、「上流」は、遺伝子の転写開始部位の5’末端側の位置を指し、負数(例えば−100bp、−500bpなど)で表され、「下流」は、遺伝子の転写開始部位の3’末端側の位置を指し、正数(例えば+100bp、+500bpなど)で表される。
以下の実施例は、特許請求する発明を限定ではなく、例示するために含まれている。
実施例1.ZF(Oct4)−p300融合タンパク質は、Oct4遺伝子と関連するヒストンをアセチル化した。
ヒトOCT4遺伝子の転写開始部位に近い特定の配列を標的とするように、融合タンパク質を設計した。この融合タンパク質は、ジンクフィンガー(ZF)DNA結合ドメイン及びヒトp300HATドメインを含んでいた。ZF結合ドメインは、OCT4の転写開始部位から+181下流のヌクレオチドから始まる5’−GGAGGGcCAGGAATCGGGC−3’(配列番号1)という特定の配列に結合するように設計した。このZF DNA結合ドメイン、ZF(Oct4+181)という、は、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSDRSHLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARNDDRKKHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSQSGNLARHIRTHTGEKPFACDICGRKFAAKWNLDAHTKIHTHPRAPIPKPFQCRICMRNFSRSAHLSRHIRTHTGEKPFACDICGRKFAQSGHLSRHTKIHLRQKDAAR(配列番号2)。HATドメインは、ヒトp300(登録番号:NM_001429)のアミノ酸1284〜1673に相当した。
融合タンパク質ZF(Oct4+181)−p300をコードする発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションした。ネガティブコントロール細胞には、GFP又はp300HATドメイン(ZFは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の酪酸ナトリウム(Nabut)で処理した細胞をポジティブコントロールとして用いた。Oct4プロモーター部位におけるヒストンH3Lys18(H3K18)及びヒストンH3Lys27(H3K27)のヒストンアセチル化を分析し、トランスフェクション/処理後48時間に比較を行った。Imprint(商標)Chromatin Immunoprecipitation Kit(ミズーリ州セントルイスのSigma Aldrich)の使用説明に従って、細胞をクロスリンクし、クロマチンを超音波処理した。ChIP法で用いた抗体はα−H3K18ac及びα−H3K27ac(マサチューセッツ州ケンブリッジのAbcam)であった。SYBR Greenによって定量PCRを行った。コントロールの「ZF標的部位」に特異的なプライマーは5’−GAAGATGGGGTGAAATTTGGC−3’(配列番号3)及び5’−TGGCACTCTCTCAGGCTCTG−3’(配列番号4)であり、「ZF標的部位+200bp」(すなわちoct4+181)に特異的なプライマーは5’−CGGCTTGGAGACCTCTCAG−3’(配列番号5)及び5’−CCAGCTTCACGGCACCAG’3’(配列番号6)であった。図1は、融合タンパク質ZF(Oct4+181)−p300が、H3K18及びH3K27の両方のアセチル化を増大させたことを示している。
実施例2.ZF(Oct4+181)−p300融合タンパク質は、Oct4の発現を増大させた。
OCT4の転写開始部位から−720又は−615上流のヌクレオチドに位置する配列を標的とするさらなるZF−p300融合タンパク質を設計した:ZF(Oct4−720)−p300及びZF(Oct4−615)−p300。ポジティブコントロールとして用いるために、NF−κBサブユニットp65を含む第2の組のコントロール融合タンパク質も構築した:ZF(Oct4+181)−p65及びZF(Oct4−720)−p65。
ZF(Oct4+181)−p300又は上記のコントロール融合タンパク質の1つをコードする発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションした。コントロール細胞には、GFP、p65(ZFは含まない)、又はp300(ZFは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。48時間後に、細胞を回収し、全RNAを単離した。リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)(カリフォルニア州カールスバッドのLife Technologies)によって、OCT4のmRNA及び内在性コントロールシクロフィリンA(すなわちPPIA)のmRNAのレベルを測定した。OCT4の発現を正規化するのに、OCT4/cyc比を用いた。図2に示されているように、ZF(Oct4+181)−p300融合タンパク質も、OCT4の発現を25倍超増大させた。すなわち、OCT4遺伝子と関連するヒストンのアセチル化の増大によって、OCT4の転写が増大した。
実施例3:ZF(PEDF)−p300融合タンパク質は、PEDFの発現を増大させた。
p300HATドメインを含むZF融合タンパク質が、他の遺伝子を活性化できるか調べるために、ヒトPEDF(色素上皮由来因子)遺伝子を標的とするように、ZF DNA結合ドメイン融合体を設計した。PEDFをコードする配列の転写開始部位から−92上流のヌクレオチドから始まる特定の配列5’−GGATGGtGGTGCAGCAGTG−3’(配列番号7)に結合するように、ZF結合ドメインを設計した。このZF(PEDF)DNA結合ドメインはZF6961といい、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSRSDALSRHIRTHTGEKPFACDICGRKFAQSGDLTRHTKIHTGGQRPFQCRICMRNFSQSGDLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFATSGHLSRHTKIHTGGGGSQKPFQCRICMRNFSRSDHLSNHIRTHTGEKPFACDICGKKFAQSATRITHTKIHLRQKDAAR(配列番号8)。ZF(PEDF)DNA結合ドメインをp300HATドメイン又はNF−κBサブユニットp65のいずれかに結合させた。
ZF(PEDF)−p300又はZF(PEDF)−p65をコードする発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションした。コントロール細胞には、GFP、p65(ZFは含まない)、又はp300(ZFは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。72時間後に全RNAを単離し、PEDFのmRNA及び内在性コントロールシクロフィリンAのmRNAのレベルをRT−PCRによって測定した。PEDFの発現を正規化するのに、PEDF/cyc比を用いた。結果は図3に示されている。融合タンパク質ZF(PEDF)−p300は、PEDFの発現を約2.5倍超増大させた。
実施例4:ZF(PEDF)−GCN5は、PEDFの発現に影響を及ぼさなかった。
別のヒストンアセチルトランスフェラーゼのHATドメインがp300の代わりになり得るかを決定するために、GCN5のHATドメインを含む融合タンパク質の組を構築した。このHATドメインは、ヒトGCN5(登録番号:NM_021078)のアミノ酸491〜662に相当した。CGN5のHATドメインをZF(PEDF)に結合して、ZF−GCN5を作製するか、又はZF(PEDF)−p65に結合してGCN5−ZF−p65を作製するかのいずれかを行った。細胞に、ZF−p65(すなわちZF(PEDF)−p65)、ZF−GCN5)、又はGCN5−ZF−p65を発現するベクターをトランスフェクションした。コントロール細胞には、p65(ZFは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。72時間後に全RNAを単離し、PEDFのmRNA及び内在性コントロールシクロフィリンAのmRNAのレベルをRT−PCRによって測定した。PEDFの発現を正規化するのにPEDF/cyc比を用いた。図4に示されているように、ZF−GCN5は、PEDFの発現を活性化しなかった。実際、ZF−p65による活性化は、GCN5との融合により弱まった。
実施例5:ZF(Oct4)−p300融合タンパク質を最適化するためのスクリーニング
OCT4の転写開始部位周辺の配列を体系的に標的とするように、一連のZF−p300融合タンパク質を設計した。ヒトOCT4遺伝子の転写開始部位から約−2.5kb上流〜約+1.5kb下流に位置する配列を標的とするように、標準的な手順を用いてZFドメインを設計及び構築した。各ZF(Oct4)−p300融合体をコードする発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションした。ネガティブコントロール細胞には、GFP又はp300HATドメイン(ZFドメインは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。トランスフェクションした細胞の各集団において、OCT4のmRNAのレベルをRT−PCRによって測定し、本質的に上記の実施例2に説明されているように、OCT4の発現をシクロフィリンAの発現に対して正規化した。
ZF(Oct4)−p300融合タンパク質の各々によって誘導されたOCT4の発現のレベルは、図5に示されている。OCT4の発現を約20倍超増大させた融合タンパク質は、転写開始部位の約−100bp〜約+500bpに位置する配列を標的とするように設計した。
実施例6:ZF(Oct4)−p300融合タンパク質は、複数の細胞種において、Oct4の発現を活性化し、Oct4と関連するヒストンをアセチル化した。
実施例5で、OCT4の発現を活性化することが確認された2つの融合タンパク質を他の細胞種で調べた。このタンパク質は:ZF(Oct4+286)−p300及びZF(Oct4+420)−p300であった。ZF(Oct4+286)−p300のDNA結合ドメインは、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSRSAHLSRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARSDALARHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSDRSHLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFATSGSLTRHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSRSDNLSTHIRTHTGEKPFACDICGRKFADNRDRIKHTKIHLRQKDAAR(配列番号9)。ZF(Oct4+420)−p300のDNA結合ドメインは、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSQSSNLARHIRTHTGEKPFACDICGRKFAQSGHLSRHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSQSSNLARHIRTHTGEKPFACDICGRKFAQSGHLSRHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSQSSDLSRHIRTHTGEKPFACDICGRKFAQSGNLARHTKIHLRQKDAAR(配列番号10)。
HEK293細胞及びK562細胞に、それぞれの融合タンパク質をコードする発現ベクターをトランスフェクションし、上に詳述されているように、OCT4の発現を測定した。図6に示されているように、両方の融合タンパク質とも、HEK293細胞においてOCT4の発現を少なくとも90倍増大させ、K562細胞においてOCT4の発現を少なくとも20倍増大させた。
両方の細胞種において、OCT4の転写開始部位のいずれかの側の別個の領域におけるH3K27のヒストンのアセチル化をChIPによって分析した。上記の実施例1に記載されているように、トランスフェクション後48時間に細胞を回収し、クロスリンクし、クロマチンを超音波処理した。特定の領域(例えば−1700bp、−500bp、−100bp、+300bp、+700bp、+1500bp、+3000bp、及び+4500bp)を増幅するためのプライマー対を用いて、定量PCRをSYBR Greenによって行った。ChIPで用いた抗体はα−H3K27ac(マサチューセッツ州ケンブリッジのAbcam)であった。
図7に示されているように、ZF(Oct4+286)−p300及びZF(Oct4+420)−p300は、HEK293細胞では、OCT4の転写開始部位から約−1700bp〜約+3000bpの位置で、K562細胞では、OCT4の転写開始部位から約−100bp〜約+900bpの位置で、H3K27をアセチル化した。従って、OCT4の開始部位周辺のH3K27のアセチル化の増大は、遺伝子の転写増大と関連していた。
実施例7:ZF(Sox2)−p300融合タンパク質を同定するためのスクリーニング
SOX2の転写開始部位周辺の配列を体系的に標的とするように、一連のZF−p300融合タンパク質を設計した。ヒトSOX2遺伝子の転写開始部位から約−500bp上流〜約+1500bp下流に位置する配列を標的とするように、標準的な手順を用いて、ZFドメインを設計及び構築した。各ZF(Sox2)−p300融合体をコードする発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションした。ネガティブコントロール細胞には、GFP又はp300HATドメイン(ZFドメインは含まない)をコードするベクターをトランスフェクションした。SOX2のmRNAのレベルをRT−PCRによって測定し、トランスフェクションした細胞の各組において、SOX2の発現をシクロフィリンAの発現に対して正規化した。
ZF(Sox2)−p300融合タンパク質の各々によって誘導されたSOX2の発現のレベルは、図8に示されている。SOX2の発現を最も増大させた融合タンパク質は、転写開始部位から約−100bp〜約+500bpに位置する配列を標的とするように設計されていた。
SOX2の発現を活性化した2つの融合タンパク質を他の細胞種で調べた。これらのタンパク質は:ZF(Sox2+185)−p300及びZF(Sox2+r475)−p300(「r」は逆鎖を示す)であった。ZF(Sox2+185)−p300のDNA結合ドメインは、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSRSDDLSKHIRTHTGEKPFACDICGRKFADRSHLARHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSQSGDLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARSDDLTRHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSRSDDLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARNDDRKKHTKIHLRQKDAAR(配列番号11)。ZF(Sox2+r475)−p300のDNA結合ドメインは、以下のアミノ酸配列を有していた:AAMAERPFQCRICMRNFSRSADLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARSDDRKTHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSDRSHLTRHIRTHTGEKPFACDICGRKFARSDDLTRHTKIHTGSQKPFQCRICMRNFSQSSDLSRHIRTHTGEKPFACDICGRKFAYHWYLKKHTKIHLRQKDAAR(配列番号12)。
HEK293細胞及びK562細胞に、各融合タンパク質をコードする発現ベクターをトランスフェクションし、上に詳述されているように、SOX2の発現を測定した。図9に示されているように、両方の融合タンパク質とも、HEK293細胞ではSOX2の発現を少なくとも1.5倍増大させ、K562細胞では、SOX2の発現を2倍近く又はそれ以上増大させた。

Claims (14)

  1. ジンクフィンガーDNA結合ドメイン、および哺乳類E1A結合タンパク質p300のアミノ酸1284〜1673からなる少なくとも1つのヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を有するドメインを含む融合タンパク質であって、前記DNA結合ドメインが染色体配列に結合する、融合タンパク質。
  2. 前記ジンクフィンガーDNA結合ドメインが、5〜7個のジンクフィンガーを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 前記ジンクフィンガーDNA結合ドメインが、転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列に結合する、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
  4. 前記転写開始部位が、Oct4、PEDF、又はSox2をコードする染色体配列と関連する、請求項に記載の融合タンパク質。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする単離された核酸。
  6. 少なくとも1つの発現制御配列をさらに含む、請求項に記載の単離された核酸。
  7. 細胞における標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化するためのインビトロの方法であって、前記方法が、前記細胞を融合タンパク質又は前記融合タンパク質をコードする核酸と接触させることを含み、前記融合タンパク質が、ジンクフィンガーDNA結合ドメイン、および哺乳類E1A結合タンパク質p300のアミノ酸1284〜1673からなる少なくとも1つのヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を有するドメインを含み、前記DNA結合ドメインが前記標的染色体位置の配列に結合したら、前記ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を有するドメインが、前記標的染色体位置の少なくとも1つのヒストンタンパク質をアセチル化するようになっている、方法。
  8. 前記ジンクフィンガーDNA結合ドメインが、5〜7個のジンクフィンガーを含む、請求項に記載のインビトロの方法。
  9. 前記ヒストンタンパク質が、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、又はヒストンH4である、請求項またはに記載のインビトロの方法。
  10. 前記ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を有するドメインが、ヒストンH3のリジン18、ヒストンH3のリジン27、又はこの両方をアセチル化する、請求項のいずれか1項に記載のインビトロの方法。
  11. 前記標的染色体位置の染色体配列の転写が増大する、請求項10のいずれか1項に記載のインビトロの方法。
  12. 前記細胞が、ヒト細胞、哺乳類細胞、哺乳類以外の脊椎動物細胞、無脊椎動物細胞、又は単細胞真核生物である、請求項11のいずれか1項に記載のインビトロの方法。
  13. 前記ジンクフィンガーDNA結合ドメインが、転写開始部位の上流又は下流に位置する特定の配列に結合する、請求項に記載のインビトロの方法。
  14. 前記転写開始部位が、Oct4、PEDF、又はSox2をコードする染色体配列と関連する、請求項13に記載のインビトロの方法。
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