JP6307315B2 - 電子線検査装置 - Google Patents

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本発明は、半導体基板のフォトマスクやウェハの回路パターンの欠陥や異物の有無の検査など、試料表面の極めて微細な状態を検査したり評価したりする際に利用される電子線検査装置に係り、電子ビームを面で試料に照射し、試料の二次元の電子像を検出器のセンサ面に結像させる写像投影方式の構造のものに関する。
半導体集積回路の製造工程において、半導体基板の検査に、電子ビームを対象試料に照射し、試料から放出される二次電子(二次電子の他にミラー電子、反射電子などの放出電子を含み、これらを総称して二次電子という。)を検出することで試料表面の電子像を得て試料を検査する電子線検査装置が用いられている。
また、図15に示されるように、チャージアップの発生を抑制するため、筒状基材2000内に配置された静電電極2001の内側に導電層2002、外側に絶縁層2003と導電層2004を積層して静電偏向器を構成することが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−294850号公報
近時の半導体製造技術の進展により、半導体デバイスの高集積化、回路パターンの微細化が進み、例えばウェハ上に10nm〜20nmの線幅のパターンを形成する製造装置の開発が露光技術の進歩により現実なものとなってきている。
かかる超微細なパターンの欠陥検査においては、ウェハ上に線幅10nm〜20nmのパターンが形成され、マスク上ではこの4倍〜5倍、つまり40nm〜100nm程度の線幅のパターンが形成されている場合、これらのパターンの欠陥の有無の検査では、ウェハ上は2nm〜5nmのサイズの欠陥、マスク上では10nm〜25nmのサイズの欠陥を認識する必要がある。しかし、従来の光学式の検査装置においては、分解能が不足し、パターン認識ができないのが実状である。分解能に優れるSEM(走査型電子顕微鏡)方式は、検査画像の取得に多大の時間を要し、半導体回路の製造ラインで利用することは困難である。
分解能を高めるべく二次電子による電子ビームの信号量や加速度の増大を実現するには、電子ビームの軌道路を構成する鏡筒内部の基準電圧を高くすることが必要となる。
しかし、従来の電子線検査装置は、通常、電子ビームの軌道路内をGNDの基準に設定して用いる構造となっており、軌道路内を高電圧にするための手段や機能を備えた構造のものはない。
分解能を高めるための手段として、静電レンズや偏向器を用いたのでは、鏡筒のサイズが大きくなり、高電圧を供給するための高価な電源が必要となり、前記図15に示されるように、鏡筒内に組み込まれる各磁場レンズを多層構造に構成したのでは、鏡筒内の電子通過領域の断面積が大きくなり、コイルサイズや使用電力も大きくなって鏡筒が大型化してしまうという問題がある。
鏡筒を大型化することなく、従来構造の装置よりも検査の分解能を高めるためには、鏡筒内部の基準電圧を高くする機能を備えた新たな装置の開発が必要である。
前記の通り、SEM方式は分解能に優れるが、マスク上で20nmの欠陥を検出しようとすると、回路パターンに電子ビームを複数回走査させなければならず、一つのマスクの検査に時間がかかり過ぎてしまう。既存のSEM方式を用いて半導体製造ラインに設置される検査装置の仕様を達成することは技術的に困難である。
PEM(写像投影方式電子顕微鏡)方式の検査装置であれば、電子ビームを面でマスクに照射し、マスクから放出される二次電子による二次元の検査画像を検出器のセンサ面に生成するため、マスクの検査を短時間で行うことが可能であるが、微細な構造の検査や解析をより高精度且つ高速度で行えるようにするには、二次電子による電子ビームの軌道路である鏡筒内部の基準電圧を高電圧にして電子ビームを高エネルギー化することが不可決であり、また、量産仕様に沿った半導体の製造ラインに設置して使用するためには、検査装置をコンパクトに構成するという要請も満たす必要がある。
本発明は従来の技術が有するこのような問題点に鑑み、超微細パターンなどの試料面の微細な観察像を高精度且つ高分解能で取得して、試料の欠陥検査を高速度で行うことができ、半導体集積回路の製造ラインにおいて実用可能なコンパクトな構成の電子線検査装置を提供することを課題とする。
前記の通り、従来の検査装置にあっては、鏡筒内部の基準電圧を高くするための手段、機能はなく、そもそも基準電圧を高くすること自体が困難である。
電子ビームの軌道路内をGNDの基準に設定している従来構造の装置にあっては、電子ビームの信号量や加速度の増大を図るには、試料電位を負の高電圧に設定するしかなく、これでは電子ビームが高電子量となることに伴う電子反発による収差の増加を抑えることができず、鮮明な電子像が得られなくなって逆に検査の分解能は低下することとなる。また、電子ビームが入射するセンサ面を備えた検出器はGND電位で作動させる必要があるため、試料電位が高圧であるとセンサのリップル精度が不足し、さらに高電位の電子ビームが入射することでセンサ面に大きなダメージを及ぼし、劣化が著しく実用的ではない。
そこで、前記課題を解決するべく本発明は、電子ビームを試料表面に照射する一次電子光学系と、試料から放出される二次電子を検出器の電子検出面に結像させる二次電子光学系を備え、検出器で検出された信号から試料表面の電子像を取得して試料を検査する電子線検査装置において、
二次電子光学系が組み込まれる鏡筒内部に、内層と外層に導電体、中間層に絶縁体が積層されてなる筒体を設置し、この筒体の内部に電子軌道路を形成するとともに、筒体の外側に二次電子光学系を構成する部材が配置された構成を有することを特徴とする。
これによれば、本発明の前記構成を採用することで、鏡筒内部における電子ビームの軌道路の基準電圧を高くする機能を備えた装置の開発が具現化される。そして、電子ビームを高電子量にしたときに生じる電子反発による収差の増加を抑制して収差低減及び処理能力の向上が図られ、鏡筒内部の基準電圧として、従来装置の2倍〜30倍の高電圧を用いて、高エネルギーの電子ビーム像を形成することが可能となる。
また、電子軌道路の内面を筒体、その外側に各磁場レンズと磁場アライナを配置することで、磁場レンズ類の各々を導体と絶縁体の積層断面構造に設ける必要がなく、磁場レンズ類のコイルサイズや使用電力を小さくすることが可能となり、鏡筒をコンパクトなサイズに構成することができる。
前記構成の電子線検査装置において、電子軌道路の絶縁性を高めるため、筒体を構成する中間層の絶縁体の検出器側の端部と試料側の端部にそれぞれ外方へ張り出した鍔部を設けて、内外層の導電体の端部間の沿面距離を増大させた構成とすることが好ましい。
また、筒体を構成する中間層の絶縁体が、試料側の端部に薄肉の段差部を有する検出器側絶縁体、検出器側の端部に薄肉の段差部を有する試料側絶縁体からなり、両絶縁体の互いの段差部を接合し継ぎ合わせて、一体の筒体を構成することができる。
また、本発明は、前記構成の電子線検査装置において、鏡筒の検出器前段の電子軌道路上に、電子軌道路に面する内面に導電体、その外側に絶縁体を重ねて筒状に形成されていて、その検出器側から、中央に円形断面空間を有する検出器側部、多面形断面空間を有する中間部、及び円形断面空間を有する試料側部を連ねた形状に設けられ、且つ前記検出器側部の円形断面空間は前記試料側部に接続する筒体の内径よりも大きくして設けられているとともに、前記中間部の多面断面空間部の外側の絶縁体内部に偏向用コイルを設けて構成されたビーム位置補正器が設置された構成を有することを特徴とする。
これによれば、電子線検査装置のステージの稼働により発生する振動や磁場変動により、電子軌道路中を通る電子ビームの位置も変動を来たすが、これをビーム位置補正器により高精度で補正して、電子ビームが本来入射する検出器センサ面の素子位置に、電子ビームの位置を正確に補正することができる。
前記偏向用コイルは、高速で高精度の偏向動作を達成するため、電子軌道路を通る電子ビームをX方向及びY方向に偏向可能に設け、1〜100kHzの偏向周波数に対応可能に構成してあることが好ましい。
また、前記中間部は、例えば内部が正方形断面の空間部となるように周囲に四面を配置し、各面内に設けた偏向用コイルにより、電子ビームの軌道をX,Y方向に偏向し得るように形成することができる。多面形断面空間部は、内部を空間部として周囲を8面形や12面形、或いはそれ以上の多面形に形成し、各周面の外側に偏向用コイルを設けて、前記空間部を通る電子ビームの軌道を多面に配置した偏向用コイルにより高精度で制御できるように構成してもよい。
前記構成の検査装置において、鏡筒の電子軌道路内に筒体よりも大径の拡幅部が複数設けられ、鏡筒の外部に設けられていて真空ポンプと接続した排気管と各拡幅部が接続管で接続された構成を有することが好ましい。
電子軌道路内の真空度が低い場合、電子と残留ガス粒子との反応によってコンタミが生成され、それが軌道路内壁やアパーチャ(開口部)、検出器のセンサ面に付着して性能劣化を来たすことがある。本発明によれば、電子軌道路上で、磁場レンズ類が配置される部分には筒体が設置され、その他の部分は大径の拡幅部として広い断面領域を確保しており、各拡幅部に接続された排気管を通して電子軌道路内を効率的に真空排気することができるので、電子軌道路内を高真空排気して高い真空度に保つことができ、コンタミの付着による性能劣化を効果的に防止することができる。
真空ポンプと接続した排気管は、鏡筒の電子軌道路内の5倍以上の排気性能(コンダクタンス)を備えていることが好ましい。
前記構成の検査装置において、鏡筒に組み込まれた二次電子光学系は、試料側から対物レンズ、ビーム分離器、リレーレンズ、NA機構、ズームレンズ機構、拡大レンズ機構、ビーム位置補正器及び検出器の順で配置されており、結像倍率に関わりなく、NA機構の開口位置にクロスオーバーが形成されるようにした構成を有することが好ましい。
また、NA機構は、複数の開口部(例えば径の異なるアパーチャ等)を設置可能であり、それぞれX方向とY方向に沿って変位し得るように構成されているとともに、前記開口部に高電圧、例えば0〜100kV程度までを印加する機能及び開口部を通る電子ビームの吸収電流測定機能を有することが好ましい。
NA機構の開口位置にクロスオーバーが形成されるようにし、その後段にズームレンズ系を配置することにより、倍率変動時にクロスオーバー位置が変動することなく、高精度の電子ビーム像を得ることができる。
また、前記構成の検査装置において、筒体の外側に配置された磁場レンズの近傍に補助用の小型磁場レンズが設置された構成を有することが好ましい。
これによれば、磁場レンズの動作により電子ビーム、或いは電子像の回転が起きた際に、小型磁場レンズを作動して所定のX,Y方向に電子ビームや電子像を回転変位させて、その位置を調整することが可能となる。
さらに、前記構成の検査装置において、検出器がそのセンサ面に沿って変位又は回転可能に設けられていること、すなわち検出器に回転機構を装備させてセンサの素子の配置方向を変位し得るように設けられていることが好ましい。
これによれば、鮮明な電子像を得るために、試料が保持されたステージの移動方向とセンサの素子の配置パターンの方向を合わせることが有効であり、また、前記補助用の小型磁場レンズにより電子ビームや電子像の回転方向の位置調整が可能であることと相俟って、電子ビームや電子像の検出器のセンサ面への入射位置のズレを極力微少にすることが可能であり、高MTFを達成して、高コントラストで高分解能の電子像を得ることができる。
またさらに、前記構成の検査装置において、検出器が、試料の引き出し電圧に対してセンサ面の電圧を適宜に調整可能に構成してあることが好ましい。
鏡筒内の基準電圧を高くして高エネルギーの電子像を形成する場合、検出器のセンサ表面が従来装置の如く接地(GND)されていると、試料の電位がGNDの場合は電子ビームが検出器の手前で減速して検出器に入射せず、センサ面に電子像を形成することができない。また、試料に負電圧を印加すると、試料周囲の絶縁構造や配線の複雑さが増加してコスト高及びステージ精度の低下を来たす。この場合は、試料の負電圧と検出器との電圧差のエネルギーで電子ビームは検出器に入射することとなる。すなわち、試料電圧と検出器の電圧の差を適切に設定できるように設けることが安定動作確保のために重要となる。
本発明によれば、検出器のセンサ面の電圧を調整可能に設けてあるので、電圧を適宜に調整することで電子ビームのセンサに対する入射エネルギーを制御してセンサのゲインが調整され、これにより、最適な輝度で高分解能の電子像を取得することが可能となる。センサの劣化も抑えられる。
試料の引き出し電圧に対するセンサ面の電圧は、−10kV〜+10kVの範囲で調整可能に設けることができる。高分解能の電子像を得るには、0〜10kVの範囲、さらには少なくとも3kV〜5kVの範囲で調整可能に設けることが好ましい。
なお、試料と検出器の電圧の差(ΔV)が大きすぎると、例えばΔV>10kVであると、電子ビームが高電子量であるためセンサ内部の電子衝突エネルギーが大きくなりすぎて、素子がダメージを受け、センサが早期に劣化してしまう。
前記構成の検査装置において、一次電子光学系により電子ビームが照射されて二次電子を放出する試料表面は接地(GND)されており、二次電子が前記高電圧の筒体内部を通って検出器のセンサ面に入射させるには、試料表面との電位差を検出器に与えて、例えば0〜+10kVの入射エネルギーを二次電子が持った状態で検出器のセンサに入射するように設ける必要がある。
この場合に、電子ビームの入射エネルギーに対応させて0〜+10kVで制御させるセンサに対して、カメラをGND電位で作動させることは、センサとカメラの間の絶縁を図ることが構造的に難しく実用的ではなく、カメラを含む検出器全体をセンサと同じ電位で作動するように構成することが好ましい。さらに、カメラを含む検出器自体を、筒体に付加される高電圧と同等の電圧に耐えうるような耐圧構造とすることは困難である。
よって、前記構成の検査装置において、検出器はフローティング電源(非接地配線方式)により作動するように構成することが好ましい。そして、検出器と筒体の間に絶縁フランジ等を配置して両部材の絶縁を確保し、また、フローティング電源で作動するカメラを含む検出器の周囲を絶縁カバーで囲うように設けてあることが好ましい。
前記構成の検査装置において、検出器をフローティング電源により作動させる場合、センサを含む周囲の部材、例えばカメラやそのフランジなどの構成部材を同電位にしないと部材間の絶縁が必要となって設計が難しく、また、絶縁物を挟むと信号配線が長くなって通信速度の遅延をもたらすことになる。
よって、前記構成の検査装置において、検出器のセンサ、座板及び座板上に設置されたカメラの電位が同電位となるように構成してあることが好ましい。
この場合、鏡筒の外側は接地されており、検出器は鏡筒の端部に配置された状態で鏡筒との境界に絶縁フランジのような絶縁物を設置して、確実に電気的絶縁が確保されるように構成する必要がある。また、この絶縁物が鏡筒内部の電子軌道路に露出しているとチャージアップが生じる虞があることから、絶縁物と電子軌道路の間に検出器と同電位のブランク材を設置し、ブランク材で電子軌道路と絶縁物とを隔てることで、センサ面とその周辺の電位分布が均等に保たれるようにすることが好ましい。
前記のように検出器をフローティングにして動作させ、試料の引き出し電圧に対してセンサ面の電圧を調整可能に構成することで、二次電子のセンサへの入射エネルギーを適宜に変えることができ、これにより検出器のゲインを制御することが可能となる。
センサ入力面の一画素当りの電子の入力数はセンサの仕様で決まり、センサに入力した電子の数をセンサ内で増加させる割合であるゲインが決まると、得られる電子像である画像のノイズレベルが決まる。例えばゲインを下げた場合に、センサの一画素当りに入力する電子の数を増やすことが可能となり、これにより画像のノイズの比率が下がることになる。つまり、ゲインを変えることでセンサに入射する電子の数をコントロールすることができ、センサ面の電圧を適宜に調整して二次電子の入射エネルギーを制御し、センサのゲインを調整することで、センサへの入射電子数を所望の数に制御して画像のノイズレベルを上げたり下げたりするなどのノイズレベルを所望の比率に調整することが可能となる。
前記構成の検査装置において、鏡筒内の筒体に高電圧で印加される試料の引き出し電圧(例えば試料の電位がGND、筒体内面の高圧印加部が10kV以上の高圧のとき)に比べて、検出器のセンサ面の電圧が小さく電位差が大きい場合に、二次電子は筒体内部を通ってセンサ面に入射する経路上で、電位差により移動速度が急激に減速し、この際、センサの周辺部分の画像に歪みが生じることがある。この画像の歪みは、センサの周辺部分が特に大きく生じ、センサの中央部分の画像を解析するのには支障はないが、センサ全面に亘る広い領域の画像を解析しようとした場合に、綺麗な画像が得られず、解析精度は低下する。
よって、前記構成の検査装置において、二次電子に急激な電圧変化を与えることに起因して生じる画像の歪みを制御するため、検出器のセンサの入力面の前方に、センサに対する二次電子の入射速度及び入射位置を制御するための補正電極が設置されていることが好ましい。
前記補正電極は、例えば鏡筒内部の筒体の検出器側端部と検出器のセンサの間の部分に少なくとも一つ以上設置された、中央に円形の貫通孔が開けられた板状の緩和電極により構成することができる。
また、鏡筒内部の筒体の検出器側端部と検出器のセンサの間の部分に少なくとも一つ以上設置された、中央に円形の貫通孔が開けられた板状の電極であって当該貫通孔の周方向に沿って等間隔で、且つ貫通孔を挟む対向位置を一対として複数対に分割された分割電極を含んで構成することができる。
補正電極は、高電圧が印加された筒体の検出器側端部と検出器のセンサとの間の電界を緩和することを目的として設置されるものであり、例えば前記緩和電極と分割電極を組み合わせ、電子軌道路上で分割電極をセンサに近い側に配置して両電極を間に絶縁物を介して平行に並べ、それぞれの電極に筒体に印加される引き出し電圧と検出器のセンサ面の電圧との電圧差の範囲内の電圧を印加し、二次電子に何段階かの電圧の変化を与えるようにすることで、急減な電圧変化による画像の歪みの発生を抑制するように機能するものである。
例えば、前記のように緩和電極と分割電極を配置し、筒体内部電圧(VH)として筒体に50kVが印加され、検出器のセンサ面の電圧(VS)が5kVである場合に両部材間の電位差を緩和するにあたり、緩和電極(VC1)に20kVを印加して減速電界を生じさせ、緩和電極内を通る二次電子を20kVの印加電圧速度に緩和させた状態で、分割電極(VC2)の対となっている各電極に20kV±5kV(VC1±ΔV)の電圧を各々印加して、センサ面に向かう二次電子の進行方向を適宜且つ強制的に調整することで、センサ全体に亘り正確な位置に二次電子を入射させ、画像に歪みが発生することを抑止するようになっている。
さらに、例えば以下の関係を有していればより好ましい。
VC1=0.4〜0.6×VH
VC2=VC1±ΔV
ΔV=0.2〜0.7×VC1
なお、補正電極は、少なくとも一つの緩和電極と一つの分割電極を平行に並べて構成されていることが好ましいが、緩和電極と分割電極をそれぞれ複数枚平行に並べて構成されていてもよい。緩和電極は、中央に円形の貫通孔が開けられた電極であれば、板状の電極の他にブロック状や他の形状の電極を用いることができる。また、分割電極は、貫通孔の周方向に沿って電極が四分割された構成のものが好適に用いることができるが、8分割や12分割された構成のものを用いてもよい。
本発明の一実施形態の電子線検査装置の概略構成図である。 図1の電子線検査装置の電子コラムからステージに至る概略構成図である。 鏡筒の概略構成図である。 検出器の概略構成図である。 NAアパーチャ機構の概略構成を示す図である。 筒体の概略構成を示す断面図である。 筒体の他の形態の概略構成を示す断面図である。 ビーム位置補正器の概略構成を示す断面図である。 図8中のA−A線断面図(A)とB−B線断面図(B)である。 磁場レンズと小型磁場レンズの設置状態を示す図である。 検出器のセンサと筒体の端部の間に補正電極を設けた形態の概略構成図である。 図11の補正電極を構成する分割電極(A)と緩和電極(B)の概略平面図である。 図11の補正電極の鏡筒への取り付け部分を拡大して示した図である。 検出器にブランク材を取り付けてセンサの周囲を囲った形態の概略構成図である。 従来の静電偏向器の一例の断面図である。
本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、例えば半導体の回路パターンを検査する写像投影型観察装置に適用した本発明の電子線検査装置の概略全体構成を示している。同図に示されるように、電子線検査装置1000は、試料キャリア(ロードボート)100と、ミニエンバイロメント200と、ロードロック300と、トランスファチャンバ400と、メインチャンバ500と、防振台600と、電子コラム700と、画像処理ユニット810と制御ユニット820を有する処理ユニット800と、ステージ900とを備えて構成されている。電子コラム700は、メインチャンバ500の上部に取り付けられている。
試料キャリア100には、検査対象となる半導体回路などの試料が収納されている。ミニエンバイロメント200には、図示されない大気中の搬送ロボット、試料アライメント装置、クリーンエアー供給機構などが設けられている。試料キャリア100内の試料は、ミニエンバイロメント200内に搬送され、その中で試料アライメント装置によってアライメント作業が行われる。アライメントされた試料は、大気中の搬送ロボットによりロードロック300に搬送される。
ロードロック300は、図示されない真空ポンプにより、その内部が大気から真空状態へと排気され、圧力が一定値(例えば1Pa)以下になると、前記試料が、トランスファチャンバ400に配置された図示されない真空中の搬送ロボットにより、メインチャンバ500へと搬送される。このように、常に真空状態であるトランスファチャンバ400に搬送ロボットが配置されているので、圧力変動によりパーティクルなどの発生を最小限に抑制することが可能である。
メインチャンバ500の内部には、X方向、Y方向、及びθ(回転)方向に移動するステージ900が設けられている。ステージ900上に、後述する試料保持装置6が設置され、前記トランスファチャンバ400からメインチャンバ500へと搬送された試料が試料保持装置6でステージ900上に保持される。メインチャンバ500は、図示されない真空制御系により真空状態が維持されるように制御される。また、メインチャンバ500は、前記ロードロック300及びトランスファチャンバ400とともに防振台600上に載置され、床からの振動が伝達されないように構成されている。
また、メインチャンバ500には、一つの電子コラム700が設置されている。この電子コラム700からの検出信号は、画像処理ユニット810に送られて処理される。制御ユニット820は、画像処理ユニット810などを制御し、この制御により画像処理ユニット810は、オンタイムの信号処理及びオフタイムの信号処理の両方の処理動作が可能となっている。オンタイムの信号処理は、検査を行っている間に行われる。オフタイムの信号処理を行う場合、画像のみが取得され、後に信号処理が行われる。
画像処理ユニット810で処理されたデータは、ハードディスクやメモリなどの記録媒体に保存され、また、必要に応じて、コンソールのモニタを表示することが可能である。表示されるデータは、例えば観察画像、検査領域、欠陥マップ、欠陥サイズ分布/マップ、欠陥分類、パッチ画像などである。
図2及び図3は、前記チャンバ500に設置されたステージ900を含む電子コラム700の概略構成を示しており、図中、符号1は一次電子光学系、2は二次電子光学系、3は試料、4はビーム補正器、5は検出器、6は試料保持装置、7は鏡筒、8は筒体、9は排気管、10は真空ポンプをそれぞれ示している。
一次電子光学系1は、電子ビーム供給手段である電子銃(図示せず)、電子ビームの形状を制御するレンズ11、電子ビームの進行方向を制御するアライナ12を備えて構成してある。一次電子光学系1は、電子銃から放出された電子ビームを、レンズ11でその形状を整え、さらにアライナ12でその進行方向を制御して、試料保持装置6上に保持された試料3に導くように設けてある。
二次電子光学系2は、静電電極21、レンズ22、ビーム分離器23、レンズ24、NA(開口)機構25、ズームレンズ26,27、投影レンズ28及びビーム補正器4を備えて、一次電子光学系1によって導かれた電子ビームが試料3に照射されることにより試料表面から放出される二次電子を、前記各レンズ類により検出器5のセンサ面に結像させるように構成してある。
図3に示されるように、磁場レンズMIa、磁場アライナ(図示せず)は、各レンズの中心に電子ビームの軌道を調整するために各レンズ付近に設けられており、また、磁場レンズMIaと磁場アライナを含む二次電子光学系2を構成する前記各部材は、鏡筒7の電子軌道路71に沿って設けられた筒体8の外側に配置されている。
詳しくは、本形態における二次電子光学系2は、従来装置よりも収差を大幅に小さくするため、以下のように構成してある。
先ず、試料3の上方に静電電極21を配置して、電子軌道路71を通る電子ビームのエネルギーが高くなるように、試料3の引き出し電圧(例えば、試料と筒体内面に印加される電圧差、又は静電電極が設置されている場合は試料と静電電極に印加される電圧差)を従来装置の1.5倍〜15倍程度の大きさに設定してある。
また、電子ビームの照射により試料表面又は試料近傍から放出された二次電子を、レンズ22によりビーム分離器23の中心部に結像して、ビーム分離器23による電子像の収差及び歪みが低減されるように設けてある。
さらに、レンズ24によりNA機構25の開口位置にクロスオーバーを形成し、NA機構25の後段に設けたズームレンズ26,27と投影レンズ28とで所定倍率に拡大された後、ビーム補正器4で結像位置が補正されて検出器5に高精度の電子像が結像されるように設けてある。NA機構25とビーム補正器4の構成は後述する。
検出器5は、例えば二次電子を倍増するMCP(マイクロチャンネルプレート)と、倍増された電子を光に変換する蛍光板と、変換された光信号を画像信号として取り込むTDI(Time Delay Integration)−CCDカメラを用い、そのセンサ面に沿って適宜な角度回転し得るように設けてあるとともに、試料3の引き出し電圧に対してセンサ面の電圧を適宜な電圧に、例えば−10kV〜+10kVの範囲で調整可能な機能を備えて構成してある。検出器5のセンサ面への入射位置のズレを補正する方法については後述する。
詳しくは、図4に示されるように、検出器5は、そのセンサ51を、中央にセラミック製のパッケージ52aを有する座板52に支持させ、この座板52を、真空に保持される電子軌道路71にセンサ51が臨むように向けるとともに、パッケージ52aの周辺部に設けられた座板52のメタルフランジ52bを、後述する鏡筒7の検出器側端部の開口部位であり接地(GND)される接続フランジ73上に絶縁フランジ53を介して取り付け、センサ51の検出信号が座板52上に設置されたカメラ54に入力されるように設置して電気的に接続したカメラ54とセンサ51の電位を、バイアス電圧を発生する、電気的に非接地のフローティングの電源56から電力供給を受けて−10kV〜+10kVの範囲で変化させることができるように構成してある。
また、検出器5は、そのセンサ51、座板52、座板52上のカメラ54などのセンサ51を含む周囲の部材が、センサ51と同電位となるように構成して、絶縁フランジ53上に支持させてある。
なお、検出器5はフローティング電源56で作動するように設けられており、安全のため、検出器5のカメラ54などの電圧変化が起こる部位に対して作業者などが接触することを防止するため、絶縁フランジ53上方からカメラ54の周囲に亘り絶縁カバー55で囲ってあることが好ましい。座板52のパッケージ52aとメタルフランジ52bは、互いの内周縁部を銀ロウ付けや溶融接合により、或いはOリングを挟んで気密的に接合することができる。絶縁カバー55としては塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂などの合成樹脂材を用いることができる。カメラ54との絶縁距離が十分大きく確保されているときは、ステンレスやアルミニウムなどのメタルカバーを用いることができる。
検出器5は、電源56から電力供給を受けてセンサ51の入力面のバイアス電位を適宜に調整することで、電子軌道路71内を高エネルギーで移動する二次電子がセンサ51の前面で減速され、これにより検出器5のゲイン調整を可能とするとともに、二次電子が高エネルギーでセンサ51に入射することによってセンサ素子内にダメージが蓄積されることを抑制し、検出器5の早期劣化を防止できるようになっている。また、センサ51のゲインが二次電子の入射エネルギーにより変化する特性を利用して、バイアス電位を調整して二次電子の入射速度を適宜に調整することでセンサ51のゲインを適宜に設定して、センサ51の出力に適したゲインを選択することができるように設けてある。例えば、電子軌道路71を通る二次電子数が多すぎてセンサ51で検出される電子像が飽和するような場合には、センサ51の電位を試料3の電位である試料電位に近づけて、二次電子の入射エネルギーを下げることでゲインが低下するように設定すれば、飽和しない適切な輝度の撮像を行うことが可能となる。
なお、かかる構成の検出器5を用いると、センサ51の前面においてエネルギー変化をおこす二次電子による電子像が歪みなどを発生する場合がある。その場合、図4に示されるように、センサ51の入力面前方に補正電極58を設けて二次電子のセンサ51に対する入射位置を補正することで、歪みなどの影響を低減してエネルギー変化に起因する電子像の劣化を抑制することが可能である。補正電極58を配置した形態については後述する。
検出器5のセンサ面に結像された電子像は、検出器5で電気信号に変換されて画像データが形成され、この画像データは、前記画像処理ユニット810に送られて試料3の欠陥の判別などの検査処理が行われる。検出器5から画像処理ユニット810へのデータの転送は、図4に示されるように、光ファイバーを用いた絶縁ケーブル57により行われ、これにより低ノイズで安全な機器間の通信・データ転送が可能となっている。検出器5は、EB(Electron Beem)−CCDカメラやEB−TDIセンサを用いて構成されていてもよい。
試料保持装置6は、ステージ900上に設けられた静電チャックからなり、この静電チャックに試料3が設置される。或いは試料3は、パレットや治具に設置された状態で静電チャックに保持される。試料保持装置6は、試料3を保持した状態で、ステージ900によって、その試料保持面をX方向やY方向、Z方向(θ:回転方向)に沿って変位可能に設けてある。
鏡筒7は、図3に示されるように、その内部に一次電子光学系1から試料3に向かう一次電子と試料3から放出されて検出器5に至る二次電子が通る空間である電子軌道路71を備え、両光学系の各部材を組み込んで構成してある。
試料3から検出器5に至る電子軌道路71には筒体8が設置されて、当該筒体8の内側に電子軌道路71を形成しており、二次電子光学系2を構成する前記各部材と各磁場レンズMIa及び磁場アライナ(図示せず)は筒体8の外側に配置してある。
また、鏡筒7の電子軌道路71の、筒体8及び磁場レンズMIaが配置されていない部分は、筒体8よりも大径の拡幅部72となっており、各拡幅部72と鏡筒7の外部に設けられた排気管9とを接続管91で各々接続し、排気管9を通して真空ポンプ10で電子軌道路71内を高真空排気して、電子軌道路71内を高い真空度に保つことができるように設けてある。
また、鏡筒7の拡幅部72には、前記NA機構25を設置することができる。
図5は拡幅部72に設置されるNA機構25の一例の形態を示しており、NA機構25は、開口部(アパーチャ等)25aを複数設置可能であり、それぞれX方向とY方向に沿って変位し得るように構成するとともに、開口部25aに高電圧を印加する機能及び開口部25aを通る電子ビームの吸収電流測定機能を具備した構成とすることができる。
詳しくは、鏡筒7の拡幅部72の内部を、後述する筒体8の内層の導電体82aと外層の円筒管81にそれぞれ通ずる導電体72a,72bで区画するとともに両導電体72a,72b間に絶縁体72cを設置して、これら導電体72a,72b及び絶縁体72cで囲われた電子軌道路71中に、NA機構25の移動機構25bで支持された開口部25aを配置した構成としてある。
すなわち、NA機構25の開口部25aとその周囲の電位は、電子軌道路71内の基準電位と電位差があると電位差によって二次電子の軌道が曲がってしまうなどの悪影響が生じることから、電子軌道路71の基準電位と同じにするべく、当該電子軌道路71と同電位の導電体72aで開口部25aを囲った構造としてある。
また、導電体72aが高電位、例えば+20kVになった場合に、鏡筒7内部の周囲のGND電位の部材との電位差が大きくなって放電が発生する虞もあることから、導電体72aとその外側の導電体72bの間に絶縁体72cを配置して、電位差による影響の低減を図った構造としてある。
前記の通り、NA機構25は複数の開口部25aを搭載可能であり、例えば異なるサイズのアパーチャ等の開口部25aを設置してそれらを選択的に配置することで、試料3の検査速度に対応させて、試料3の電子像の像質を適宜に設定することが可能である。このとき、開口部25aの設置部は高電圧となるので、移動機構25bのGND電位部材との間を絶縁部材で接続する構成をとっている。
筒体8は、図6に示されるように、非磁性体の金属製の導電管である外部円筒管81の内側に、内層と外層に導電体82a,82c、中間層に絶縁体82bが積層されてなる内部円筒管82を一体に嵌め入れた形状に構成してある。
導体/絶縁体/導体の3層構造となっている内部円筒管82は、その外層の導電体82cを接地し、内層の導電体82aに例えば10kV〜100kVの高電圧を印加し得るように構成してある。内部円筒管82の絶縁体82bとしては、例えばセラミックや絶縁樹脂を用いることができる。例えばポリイミド樹脂は100kV/mm以上の耐電圧を有しており、前記の如く内層の導電体82aに100kV、外層の導電体82cをGNDとした場合でも、その間に0.5mm以上の厚さがあれば絶縁が確保されるので、絶縁体82bとして好適である。
また、筒体8の他の形態として、図7に示されるように、前記と同様に非磁性体の金属製の導電管である円筒管83の内側に、絶縁体84と導電体85を積層設置して導体/絶縁体/導体の3層構造の円筒管を形成するとともに、同図中の絶縁体84の上端である検出器側の端部と下端である試料側の端部に、円筒管83の端部よりも外方へ張り出した鍔部84a,84aをそれぞれ設けた構成のものとしてもよい。このようにすることで、高電位の内層の導電体85とGND電位の円筒管83の端部間の空間距離及び沿面距離が、絶縁体84の鍔部84aを介することで増大して絶縁を確実に確保することができる。
また、筒体8同士をその内部の電子軌道路71が繋がるように続けて接続するなどして、内層の導電体85の端部同士が接続する場合、接続部における接合面積確保のために、導電体85はその端部が外方へ突出した構造となるが、そのような構造に対応するためにも、当該導電体85の突出した端部に重なるように絶縁体84の端部に鍔部84aを設けた構造が必要となる。
また、同図に示されるように、絶縁体84は、試料側の端部に薄肉の段差部841aを有する検出器側絶縁体841と、検出器側の端部に薄肉の段差部842aを有する試料側絶縁体842を、互いの段差部841a,842aを接合し一体に継ぎ合わせて構成され、両絶縁体841,842の沿面距離が段差部841a,842aを介して十分に確保された構造としてある。段差部同士の接合は、樹脂接着剤を用いて固着一体化することが可能であり、これにより強固な絶縁構造の筒体8を形成することが可能となる。
なお、絶縁体84の鍔部84aを介した導電体85と円筒管83の端部間の沿面距離と、段差部841a,842aを介した両絶縁体841,842の沿面距離は、例えば内層の導電体85と外層の円筒管83に50kVの電位差を与える場合は50mm以上の沿面距離が確保されていること、つまり、設定される電位差1kVについて1mm以上の沿面距離が設定されていることが、絶縁確保のためには好ましい。
また、図2に示されるように、鏡筒7の検出器5の前段に位置する電子軌道路71上には、ビーム位置補正器4を設置してある。
ビーム位置補正器4は、図8及び図9に示されるように、電子軌道路71に面する内面に導電体41、その外側に絶縁体42を重ね、且つ検出器側から、その中央に円形断面空間を有する検出器側部4a、四角形の断面空間を有する中間部4b、及び円形断面空間を有する試料側部4cを一体に連ねた筒状に設けられているとともに、中間部4bの外側の絶縁体42の内部に偏向用コイル43を配置して構成してある。
また、前記検出器側部4aと試料側部4cの中央はそれぞれ円形の開口部4a1、4c1となっており、この内、検出器側部4aの開口4a1は、試料側部4cに接続する筒体8の内径よりも大きく設けてある。中間部4bの中央は正方形断面の空間部4b1となっている。
中間部4bの各面に設置された偏向用コイル43は、1〜100kHzの偏向周波数に対応可能に設けられており、各々の作動により電子軌道路71を通る電子ビームをX方向とY方向、さらに斜め方向を含むX,Y両方向で区画される重畳面内全域に亘って高速で偏向動作して、検出器5に入射する電子ビームの位置を補正することができるように設けてある。
ビーム位置補正器4の内面に設けた導電体41は、非磁性体の金属、例えばチタンやリン青銅などを用いることができ、また、絶縁体42の内面に導電性物資をコーティングしたり導電性のパイプを挿入設置したりしたものでもよい。
絶縁体42は、セラミックや絶縁樹脂を用いることができ、導電体41と偏向用コイル43を所定位置に配置した後、樹脂モールドやセラミック片の組み付けなどによって絶縁体42を組み立てて構成することができる。
また、図10に示されるように、二次電子光学系2を構成する各磁場レンズMIaの近傍には、補助用の小型磁場レンズMIa1が設置され、磁場レンズMIaの動作により電子ビーム、或いは電子像の回転が起きた際に、小型磁場レンズMIa1を作動して所定のX,Y方向に電子ビームや電子像を回転変位させて位置調整ができるように設けてある。
このように構成された検査装置を用いた試料3の検査は、電子軌道路71に高電圧を印加して電子のエネルギー量を増した状態で、電子銃から放射された電子ビームを試料3に照射し、試料表面から放出される二次電子を検出器5のセンサ面に結像させて、試料表面の電子像を取得することにより行うことができる。
この際、検出器5で電子像を連続的に取得する検査動作を行うときは、以下の手順で電子像のX,Y方向の位置の補正が行われる。
先ず、試料3のパターンの縦ラインなどに沿ってY方向パターンを選定する。その選定されたパターンのY方向に試料保持装置6とともにステージ900を移動し、或いはX,Y方向に組み合わせて移動する。次いで、前記小型磁場レンズMIa1により、検出器5のセンサのY方向に略合うように、例えば±1度以内に納まるように、電子像を回転変位し、その後、検出器5の回転機構を作動させてY方向の微調整を行い、センサ面に入射される電子像の位置を補正する。その後、前記電子像の撮像を行なって、縦ラインのX方向の位置のズレが小さくなるように微調整する。
そして、ビーム位置補正器4により、X,Y方向のビーム振動による位置ズレ補正量の調整を行うことで、ステージの振動(X,Y方向)による電子像の位置ズレを極力微少にすることができ、高MTFを達成し、高分解能でコントラストに優れた試料3の電子像を得ることができる。
図11は本発明の電子線検査装置の他の形態を示し、これは、センサ51の入力面と筒体8との間に大きな電位差があることに起因する電子像の歪みの影響を低減するため、センサ51の入力面前方に、二次電子のセンサ51への入射速度及び入射位置を制御するための補正電極58を設けたものである。
図11及び図12に示されるように補正電極58は、中央に円形の貫通孔58A3が開けられた板状の電極であって当該貫通孔58A3の周方向に沿って等間隔で且つ貫通孔を挟む対向位置を一対として二対、つまり四つに分割した分割電極58Aと、中央に円形の貫通孔58B1が開けられた板状の緩和電極58Bにより構成されており、電子軌道路71上で分割電極58Aをセンサ51に近い側、緩和電極58Bを筒体8の端部に近い側にそれぞれ配置するとともに、両電極の間に絶縁材58Cを挟んで適宜な間隔を開けて平行に並べて設置し、筒体8からセンサ51に向かう二次電子が両電極の貫通孔58A3,58B1を通ってセンサ5へと入力するように設けてある。
補正電極58は、筒体8の検出器側端部とセンサ51との間の電界を緩和することを目的として設置され、前記分割電極58Aと緩和電極58Bに、筒体8に印加される引き出し電圧とセンサ5の入力面の電圧との電圧差の範囲内の電圧を印加して、二次電子に電圧の変化を与えるようにすることで、急減な電圧変化による画像の歪みの発生を抑制するように機能するものである。
例えば、筒体8に50kV、検出器5のセンサ51に5kVの電圧がそれぞれ印加されている場合に、緩和電極58Bに20kVを印加して減速電界を生じさせ、緩和電極58B内を通る二次電子を20kVの印加電圧速度に緩和してセンサ51への入射速度を制御する。
そして、この状態で、図12(A)に示されるように、分割電極58Aの対となっている電極58A1,58A1と、電極58A2,58A2とに、20kV±5kVの異なる大きさの電圧を印加して、二次電子の進行方向をX,Y方向に沿って強制的に変位させることで、センサ51に対する入射位置を制御してセンサ51全体に亘って正確な位置に二次電子を入射させ、画像に歪みが発生することを抑止するようになっている。
なお、補正電極58を構成する分割電極58Aと緩和電極58Bは、図13に示されるように、その周辺が、鏡筒7の内周面に固定された絶縁体58Cに取り付けられて平行に支持され、図示されない電圧印加手段により、接地された鏡筒7の外側をGNDレベルとした電圧が印加されるように設けてある。
このように、検出器5のセンサ51の入力面の前方に補正電極58を設置することで、電子像の歪みの発生を効果的に抑制することが可能である。具体的には、センサ面に形成される電子像は、補正電極58を設けない場合に、センサ面の端部ではセンサ面の中央部に対して10倍以上の歪みが発生していたのに対し、補正電極58を設けた場合には、センサ面の端部の歪みをセンサ面の中央部に対して2倍以下の量に抑えられることが確認されている。
図14は本発明の電子線検査装置のさらに他の形態を示し、これは、鏡筒7と検出器5とを絶縁する絶縁フランジ53の内側であって、センサ51が取り付けられた座板52のパッケージ52aの下面に、センサ51の周囲を囲うようにしてメタルフランジ52bに導電材からなるブランク材59を一体に設置したものである。ブランク材59にもセンサ51と同電位の電圧が印加される。
同図に示されるように、ブランク材59は、絶縁フランジ53と鏡筒7内側の電子軌道路71の間に設置されて、ブランク材59で電子軌道路71と絶縁フランジ53とを隔ており、これにより絶縁物が鏡筒7の内部に露出していることによるチャージアップの発生を防止し、センサ51の入力面とその周辺の電位分布が均等に保たれるようになっている。
先に述べた通り、本発明の電子線検査装置は、二次元の検査画像を検出器のセンサ面に形成する写像投影方式の検査装置において、微細な構造の検査や解析をより高精度且つ高速度で行えるようにすることを技術的課題として開発されたものである。
かかる技術的課題を解決する手段として、先ず、写像投影方式で高精度且つ低収差で撮像された検査画像を得るには、電子線軌道路内を高電圧基準に設定してセンサ面に入射する電子ビームの高エネルギー化を図ることが不可欠である。しかし、量産仕様に沿った製造ラインに設置して使用する従来の検査装置にあっては、鏡筒内部を高電圧基準に設定した場合に装置が大型化して実用的でないことから、そのようなことは行われていなかった。
本発明では、装置を大型化せずに、電子軌道路内を高電圧基準にする手段について鋭意研究を行った結果、電子軌道路を形成する筒体を鏡筒内部に配置し、この筒体内部を高電圧基準にするとともに、筒体の外側に二次電子光学系を構成する部材を配置することで、電子ビームの高エネルギー化と装置のコンパクト化の両方の要請が達成されることを見出し、本発明の装置を開発するに至ったものである。
一方、従来の装置構成の検出器では、高エネルギー化した電子ビームをセンサ面に入射して有効な電子像を生成することはできない。
検出器のセンサとしてEB−TDIセンサやEB−CCDセンサ(電子打ち込み型内蔵管)の利用は、他のセンサと比較して分解能に優れ、高分解能の検査画像を得るために好適であるが、これらのセンサは入射する電子ビームのエネルギーが高すぎると劣化が激しく実用に耐えない。また、電子軌道路上の電子ビームの電位と比較してセンサの入射面の電圧が小さく電位差が大きいと、電位差によりセンサ面に形成される電子像の歪みが大きくなってしまう。
このような技術的問題に対し、本発明では、センサやカメラを含む検出器全体を、フローティング電源によって同電位で作動させることで前者の問題の解決を図り、また、検出器のセンサ面の前方に補正電極を配置して、センサ面に入射する電子ビームを適正な電位に調整することで、後者の問題の解決を図ることで、高精度且つ低収差の撮像を可能としたものである。
このように、本発明の電子線検査装置は、鏡筒内部の筒体の内側を高電圧基準に設定する、検出器の電圧をフローティング電源により制御する、センサの入射面の直前に補正電極を設ける、という従来にはない新たな着想の技術的手段を組み入れることで、従来装置では達成が不可能であった、写像投影方式で微細な構造の検査や解析をより高精度且つ高速度で行えるようにするという性能及び機能を実現したものである。
なお、実施の形態で説明し、図示した電子線検査装置の各構成要素の形態は一例であり、本発明はこれに限定されず、他の適宜な形態で構成することが可能である。
1000 電子線検査装置、100 試料キャリア、200 ミニエンバイロメント、300 ロードロック、400 トランスファチャンバ、500 メインチャンバ、600 防振台、700 電子コラム 800 処理ユニット、810 画像処理ユニット、820 制御ユニット、900 ステージ、1 一次電子光学系、2 二次電子光学系、3 試料、4 ビーム位置補正器、5 検出器、6 試料保持装置、7 鏡筒、71 電子軌道路、8 筒体、9 排気管、10 真空ポンプ

Claims (12)

  1. 電子ビームを試料表面に照射する一次電子光学系と、試料から放出される二次電子を検出器の電子検出面に結像させる二次電子光学系を備え、検出器で検出された信号から試料表面の電子像を取得して試料を検査する電子線検査装置において、
    前記二次電子光学系は、試料側から対物レンズ、ビーム分離器、リレーレンズ、NA機構、ズームレンズ機構、拡大レンズ機構、ビーム位置補正器及び検出器の順の配置で、結像倍率に関わりなく、NA機構の開口位置にクロスオーバーが形成されるように設けて鏡筒に組み込まれ、
    この鏡筒内部に、内層と外層に導電体、中間層に絶縁体が積層されてなる筒体が設置され、この筒体の内部に電子軌道路が形成され、筒体の外側に前記二次電子光学系を構成する部材が配置された構成を有するとともに、
    前記検出器が、フローティング電源により、前記試料の引き出し電圧に対してセンサ面の電圧を適宜に調整可能に作動するように設けられ、この検出器のセンサの入力面の前方に、当該センサに対する二次電子の入射速度及び入射位置を制御するための補正電極が設置された構成を有することを特徴とする電子線検査装置。
  2. 筒体を構成する中間層の絶縁体の検出器側の端部と試料側の端部にそれぞれ外方へ張り出した鍔部を設けて、内外層の導電体の端部間の沿面距離を増大させた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の電子線検査装置。
  3. 筒体を構成する中間層の絶縁体が、試料側の端部に薄肉の段差部を有する検出器側絶縁体、検出器側の端部に薄肉の段差部を有する試料側絶縁体からなり、両絶縁体の互いの段差部が接合し一体に継ぎ合わされて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線検査装置。
  4. 鏡筒の検出器前段の電子軌道路上に、電子軌道路に面する内面に導電体、その外側に絶縁体を重ねて筒状に形成されていて、その検出器側から、中央に円形断面空間を有する検出器側部、多面形断面空間を有する中間部、及び円形断面空間を有する試料側部を連ねた形状に設けられ、且つ前記検出器側部の円形断面空間は前記試料側部に接続する筒体の内径よりも大きくして設けられているとともに、前記中間部の多面断面空間部の外側の絶縁体内部に偏向用コイルを設けて構成されたビーム位置補正器が設置された構成を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電子線検査装置。
  5. 偏向用コイルが電子軌道路を通る電子ビームをX方向及びY方向に偏向可能に設けられているとともに、1〜100kHzの偏向周波数に対応可能に構成してあることを特徴とする請求項4に記載の電子線検査装置。
  6. 鏡筒の電子軌道路内に筒体よりも大径の拡幅部が複数設けられ、鏡筒の外部に設けられていて真空ポンプと接続した排気管と各拡幅部が接続管で接続された構成を有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子線検査装置。
  7. NA機構は、複数の開口部を設置可能であり、それぞれX方向とY方向に沿って変位し得るように構成されているとともに、前記開口部に高電圧を印加する機能及び開口部を通る電子ビームの吸収電流測定機能を有することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の電子線検査装置。
  8. 筒体の外側に設けられた磁場レンズの近傍に補助用小型磁場レンズが設置された構成を有することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電子線検査装置。
  9. 検出器がそのセンサ面に沿って回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の電子線検査装置。
  10. 検出器のセンサ、座板及び座板上に設置されたカメラの電位が同電位となるように構成してあることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の電子線検査装置。
  11. 補正電極は、鏡筒内部の筒体の検出器側端部と検出器のセンサの間の部分に少なくとも一つ以上設置された、中央に円形の貫通孔が開けられた緩和電極により構成されたことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の電子線検査装置。
  12. 補正電極は、鏡筒内部の筒体の検出器側端部と検出器のセンサの間の部分に少なくとも一つ以上設置された、中央に円形の貫通孔が開けられた板状の電極であって当該貫通孔の周方向に沿って等間隔で、且つ貫通孔を挟む対向位置を一対として複数対に分割された分割電極を含んで構成されたことを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の電子線検査装置。
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