<遊技機の構成>
以下、本発明の一実施形態に係る遊技機について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る遊技機としては、パチンコ遊技機およびパチスロ遊技機を適用することができるが、ここでは一例として、パチンコ遊技機を想定する。
図1〜図15に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤1(図7〜図8参照)が着脱可能に設けられた本体枠ベース板2a(本体枠ベースともいう)を備えた本体枠2(図5〜図6参照)と、遊技盤を視認可能な開口部3h(以下、表枠開口部という)が設けられた表枠ベース板3a(表枠ベースともいう)を備え、本体枠2の前方(遊技者側)において当該本体枠2により回動可能に支持された表枠3(図2〜図3参照)と、所定の演出表示を行うための液晶表示装置4(図9参照)が着脱可能に設けられた後枠ベース板5a(後枠ベースともいう)を備え、本体枠2の後方(反遊技者側)において当該本体枠2により回動可能に支持された後枠5(図9〜図10参照)とを備えている。
この場合、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、外枠6を介して島設備(図示しない)に取り付けられており、その状態において、上記した本体枠2は、本体枠ヒンジ2bを介して外枠6に回動可能に支持されている。なお、図1には、表枠3が本体枠2に対して閉じられているとともに、本体枠2が外枠6に対して閉じられた状態が示されており、かかる状態において、後枠5(図9〜図10参照)は、外枠6内に収容されるため、図示されていない。
<表枠3>
表枠3は、表枠ベース板3aと、表枠ベース板3aに備えられる種々の表枠構成部材を含み、表枠構成部材には、透明板ユニット7、皿ユニット8、操作ユニット9、スピーカ10a〜10b、各種装飾部材(トップ飾り14、右側装飾部材15、左側装飾部材16)などがある。なお、表枠構成部材はこれらに限定されるものではなく、表枠3を構成する部材は全て含まれるものである。また、皿ユニット8にあっては、後述する係止構造を介して表枠ベース板3aにそれぞれのカバー部材(上皿上部カバー8a、下皿カバー8bなど)を係止により取り付けている。
当該表枠3において、上記した表枠開口部3hには、透過性を有する透明板ユニット7(保護ガラスともいう)が設けられている。
透明板ユニット7は、表枠3に備えられた表枠ベース板3aに設けた表枠開口部3h(窓部)に対して、表枠ベース板3aの裏面側(背面側)から着脱自在に取り付けられており、当該表枠3を本体枠2に対して閉じた状態において、遊技盤1の表面(前面)側に対向し、かつその表面(前面)側を覆うように構成されている。
また、表枠3には、表枠開口部3hの上方両側に、音による演出を行うためのスピーカ10a,10bが設けられており、各スピーカ10a,10bの背面側は、当該表枠3の裏面(図3参照)に設けられたカバー部材11a,11bによって覆われている。この場合、各カバー部材11a,11bに、例えばハーネスやコード等の各種配線12a,12bを保持するための配線保持機構を設けることが好ましい。
なお、図3には、配線保持機構の一例として、当該配線を各カバー部材11a,11bとの間で挟持して保持する保持片13a,13bを設けた構成を示したが、かかる構成に限定されることはなく、これ以外の方法として、例えば、粘着テープ(図示しない)で各種配線12a,12bを各カバー部材11a,11bに保持させる方法や、ワッシャ付きネジ(図示しない)を各カバー部材11a,11bに締結することで、各種配線12a,12bをワッシャと各カバー部材11a,11bとの間に保持させる方法などを適用することもできる。
また、表枠3の表面(前面)(図1〜図2参照)には、表枠開口部3hを囲むように、当該遊技機の美観を向上させるための装飾部材が設けられている。なお、装飾部材の一例として、表枠開口部3hの上側には、後述するパトランプ役物を内蔵したトップ飾り14が設けられているとともに、表枠開口部3hの左右には、発光表示態様を変化させることが可能な右側装飾部材15(例えば、右上レンズ15a、右中レンズ15b、右パネルカバー15cなど)と、左側装飾部材16(例えば、左アウターレンズ16aなど)とが設けられている。
さらに、右側および左側装飾部材15,16の内方には、後述するサブ制御基板33(図10参照)によって制御される発光手段(例えば、LED等)が設けられている(図示省略)。この場合、発光手段(LED)から発せられた光を右側および左側装飾部材15,16に照射すると、当該右側および左側装飾部材15,16から美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができ、これにより、光による表示態様に変化を与えることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、表枠3の表面(前面)には、表枠ベース板3aの表枠開口部3hの下側に、皿ユニット8が設けられており、当該皿ユニット8は、貸出球や賞球を貯留するための上皿17と、上皿17の下方側に設けられ、例えば上皿17が満杯時に溢れた遊技球などを貯留することが可能な下皿18とが設けられている。
下皿18は、遊技球を貯留可能な下皿本体18pと、下皿本体18pの上部を覆うように取り付けられた下皿カバー8bとを備えている。
一方、上皿17は、遊技球を貯留可能な上皿本体17pと、上皿本体17pの上部を覆うように表枠ベース板3aに対して着脱可能に取り付けられた上皿上部カバー8aと、上皿17の美観を向上させるための上皿装飾部材とを備えている。なお、上皿装飾部材の一例として、上皿本体17pには、上皿上部カバー8aを囲むように、上皿左飾り17a、上皿前飾り17cなどが設けられており、上皿前飾り17cは、上皿上部カバー8aの左側から前側を経由し、右側へ向かう途中から下皿18に向けて屈曲した形状を成している。
表枠ベース板3aには、上皿17に貯留された遊技球を表枠ベース板3aの背面側に排出する排出口19(図20参照)と、排出口19から排出された遊技球を下皿18に供給する供給口20(図2参照)とを備え、表枠ベース板3aの背面側には、排出口19と供給口20とを連通させて球通路21を構成する球通路カバー21a(図3参照)を備えている。ここで、上皿上部カバー8aに設けられた球抜きボタン22(図1参照)を押すと、上皿17に貯留された遊技球が排出口19から球通路21、供給口20を介して下皿18へと送られる。
また、本実施形態では、遊技機の前面の装飾にメッキ部材を使用しており、上皿17の前面部分を装飾する上皿前飾り17cにもメッキ部材17bを使用している(図1、図2)。このメッキ部材17bの使用により遊技機外観デザインの装飾効果を高めて遊技者の興趣の向上を図っている。
また、上皿上部カバー8aには、球貸しを受けるための球貸ボタン23、図示しない球を貸し出すためのカードユニット装置からカードを返却するための返却ボタン24などのほか、所定の遊技中に遊技者が操作(回転操作、押圧操作)することで各種演出の表示態様に変化を与えるための操作ユニット9が設けられている。なお、操作ユニット9の配置構成(位置、向き)について、特に制限はないが、図面では一例として、上皿上部カバー8aから垂直方向に突出させて構成配置された操作ユニット9が示されている。
なお、表枠3については、その表面(前面)のうち(図1〜図2参照)、遊技者側から向かって左側(すなわち、本体枠2に回動可能に支持されている側)における部分に、例えばピアノ線など不正部材(図示しない)を侵入させ、その近傍裏側における当該表枠3の裏面に構築された各種構成に対して、当該不正部材(ピアノ線)による不正行為が行われる事態を想定することができる。
そこで、かかる不正行為を未然に防止するために、表枠3の裏面において、上記した不正部材による侵入行為が行われる部分には、配線保持機能付きカバー部材25(図3〜図4参照)が設けられている。配線保持機能付きカバー部材25は、ハーネス等の配線を保持する配線保持部25aと、表枠3の裏面に構築された基板(図示しない)を被覆する基板被覆部25bと、例えばピアノ線等の不正部材の侵入を防止する不正防止部25cとを一体化させて構成されている。これによれば、配線保持、基板被覆部、不正防止の3つの機能を兼ね備えた単体の配線保持機能付きカバー部材25を実現することができるため、これら各機能毎の部材をそれぞれ別個に用意する必要がなくなるため、その分だけ低コスト化を図ることができる。
<本体枠2>
本体枠2は、本体枠ベース板2aと、本体枠ベース板2aに備えられる種々の本体枠構成部材を含み、本体枠構成部材には、遊技盤1、発射装置26、スピーカ10c、各種制御基板・中継基板などがある。本体枠構成部材はこれらに限定されるものではなく、本体枠2を構成する部材は全て含まれるものである。
当該本体枠2において、上記した表枠開口部3hに対向した本体枠ベース板2aの所定位置に、当該表枠開口部3hとほぼ同形状を成した開口部2h(以下、本体枠開口部という)が設けられているとともに、当該本体枠ベース板2aの表面(前面)(図5参照)において、本体枠開口部2hの右下側(以下、本体枠ベース板2aの表面右下側という)には、遊技球を発射するための発射装置26が設けられている(図1〜図2、図5参照)。
発射装置26は、当該発射装置26を本体枠ベース板2aの表面右下側に配設するためのパネル体26aと、パネル体26aの前面側に配設された発射ハンドル26bと、パネル体26aの背面側に対向した本体枠ベース板2aの表面右下側に配設され、遊技球を発射するための駆動装置26fとを備えて構成されている(図5参照)。
なお、上記した表枠3の右下側には、当該発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)を遊技者側に露出させるための切り欠き3p(図1〜図2参照)が施されている。この場合、上記した表枠3を本体枠2に対して閉じると、発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)は、当該表枠3の切り欠き3pを介して露出し、上記した皿ユニット8に隣接して位置付けられ、その状態において、当該発射装置26(パネル体26a、発射ハンドル26b)と皿ユニット8とは、相互に連続して一体化されているかの如き美的外観を呈する(図1〜図2参照)。
発射ハンドル26bは、支持部(収容ケース)26cと、支持部(収容ケース)26cに対して回動自在に取り付けられ、時計回り・反時計回り方向に回転可能なハンドルグリップ26dと、支持部(収容ケース)26c内に備えられ、遊技球の発射を停止させる発射停止スイッチ(検知手段ともいう)26gと、支持部(収容ケース)26c内に備えられ、このスイッチをON/OFF操作する発射停止ボタン26e(操作部材ともいう)と、ハンドルグリップ26dの開口上を覆うように配設されるハンドルキャップ26hとを備えている(図1、図2、図5参照)。
この場合、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dを時計回り方向に回転させると、その回動量(回転角度)に応じて駆動装置26fの駆動力が増減変更され、そのときの駆動力によって、上皿17に貯留されている遊技球が、遊技盤1の遊技領域1p(図5、図7参照)に向けて打ち出されることになる。このとき、発射停止ボタン26eを操作すると、駆動装置26fが停止制御され、これにより、遊技球の発射を停止させることができる。
なお、本実施形態において、発射停止スイッチ26gの検知結果に基づいた制御などの発射ハンドル26bの操作制御にあっては、主制御基板28(図8参照)に接続されている払出・発射制御基板34が行なう(制御手段)。図中、26iはハンドル軸、26jは支持部(収容ケース)26cに一端26j-1を固定し、他端26j-2をハンドルグリップ26dに固定してなるバネ部材で、このバネ部材26jによってハンドルグリップ26dを、常時、開始時点方向へと付勢させているため、遊技者はこのバネ部材26jの弾性に抗してハンドルグリップ26dを時計回り方向に回転させて遊技球を発射させる(図28〜図30参照)。
また、遊技者が遊技を中断してハンドルグリップ26dから手を離すと、ハンドルグリップ26dはバネ部材26jの弾性によって開始時点位置に戻される。このとき、ハンドルグリップ26dの突起(図示しない)によって発射停止ボタン26eが押されて遊技球の発射が停止される。
ここで、遊技球の発射強度を増減変更させる方法として、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量(回転角度)に応じて、発射ボリューム(図示しない)の抵抗値を変化させ、これにより、発射ソレノイド(図示しない)に供給する電力を変化させることで、遊技球の発射強度を増減変更させているものも知られているが、本実施形態では、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動操作と連動する図示しない発射用ばね(図示しない)と、発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)用ギヤ機構とが用いられており、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dの回動量によって巻き上げ用ギヤ機構の回転量が調整されて発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)の程度を強めたり弱めたりすることで、遊技球の発射強度を増減変更させている。
具体的に説明すると、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dを回動操作すると、そのときの回転量がギヤ機構を介して発射用ばねに伝達され、当該発射用ばねが巻き上げ(締め上げ)られ、その結果、当該発射用ばねの戻り力(復元力)が強められる。これにより、遊技球の発射強度を高めることができる。なお、遊技球の発射強度を弱めたい場合には、発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dを逆回転させ、発射用ばねの巻き上げ(締め上げ)の程度を緩めればよい。
ところで、本実施形態において、遊技盤1は、本体枠ベース板2aの裏面(図6参照)から着脱可能に取り付けられる構造を採用している。具体的に説明すると、本体枠ベース板2aの裏面には、本体枠開口部2hの周囲に沿って複数の留め具27a〜27eが回動自在に設けられており、遊技盤1の表面(遊技領域1pが構成された前面)を本体枠ベース板2aの裏面に対向させつつ、当該遊技盤1を本体枠開口部2hに沿って位置付けた後、各留め具27a〜27eを回動させてその一部を遊技盤1に係合させることで、遊技盤1が各留め具27a〜27eと本体枠ベース板2aの裏面との間で挟持された状態となり、これにより、遊技盤1を本体枠ベース板2aの裏面に着脱可能に取り付けることができる。
なお、遊技盤1には、後枠5に設けられ、所定の演出表示を行うための液晶表示装置4上で演出表示される表示態様を視認可能な開口部1h(以下、遊技盤開口部)が設けられており、遊技盤1の表面(前面)(図5、図7参照)には、当該遊技盤開口部1hを含めた領域に亘って、遊技球が転動流下可能な遊技領域1pが構成されているとともに、遊技盤1の裏面(図8参照)には、当該遊技盤開口部1hを回避した位置に、主制御基板28がケース28kに収容された状態で設けられている。
また、本実施形態において、遊技盤開口部1hの裏面側には、当該遊技盤開口部1hを装飾するための開口装飾枠29が設けられており、当該開口装飾枠29は、回動・揺動・旋回可能に構成されている(図8参照)。これにより、遊技の演出状況に応じて、当該開口装飾枠29を所定方向(例えば、図8の実線と二点鎖線とで示す方向)に回動・揺動・旋回させることで、遊技に対する興趣を飛躍的に向上させることができる。
また、遊技領域1p(図5、図7参照)には、遊技盤開口部1hを囲むように各種装飾部材が設けられ、さらに、当該遊技盤開口部1hの下方には、複数の一般入賞口30や、遊技球の入球を契機として、特別図柄の可変表示が実行される始動入賞口31などの各種遊技部材が設けられている。
主制御基板28には、中継基板32(図8参照)を介して、サブ制御基板33や払出・発射制御基板34が接続されている。なお、サブ制御基板33や払出・発射制御基板34は、後述する後枠5(図10参照)に設けられている。この場合、サブ制御基板33は、主制御基板28から供給される各種のコマンドに応じて、上記した液晶表示装置4における表示制御、上記したスピーカ10a〜10cから発生させる音声に関する制御、上記した右側装飾部材15や左側装飾部材16などを含む各種LEDの制御を行う。また、払出・発射制御基板34には、上記した発射装置26や、遊技球の払出を行う払出装置35(図10〜図15参照)などが接続されている。
ここで、上記した発射装置26から発射された遊技球は、ガイドレールに沿って案内された後、遊技領域1pの上部側に流出される。この場合、ガイドレールは、外レール36(図5〜図6参照)と、当該外レール36の内側に沿って対向配置された内レール37(図5、図7参照)とを備えている。
本実施形態において、内レール37は、遊技盤1と一体に構成され(図5、図7参照)、外レール36は、遊技盤1とは別体で構成され、本体枠2に対して一体に構成されている(図5〜図6参照)。具体的には、外レール36は、本体枠ベース板2aの本体枠開口部2hに沿って設けられており、上記したように遊技盤1を本体枠2の裏面(図5参照)に着脱可能に取り付けると、その状態で、外レール36の内側に沿って内レール37が対向配置されたガイドレールが構成されることになる。
この場合、発射装置26から発射され、遊技領域1pの上部側に流出した遊技球が、複数の遊技釘(図示しない)などに衝突しながら転動流下し、例えば一般入賞口30に入賞したとすると、これを検知した信号が主制御基板28に供給される。このとき、主制御基板28(図8参照)から所定数の遊技球の払い出しを命ずるコマンドが払出・発射制御基板34(図10参照)に出力され、その払い出しコマンドに基づいて、払出・発射制御基板34(図10参照)が払出装置35を制御することで、当該払出装置35から所定数の遊技球が払い出されて、上記した上皿17に供給されることになる。
また、払出・発射制御基板34は、遊技中において、遊技者によって発射ハンドル26bのハンドルグリップ26dが回転されると、その回転量(回転角度)に応じて駆動装置を駆動し、上皿17に貯留されている遊技球を発射させる制御を行う。
以上、本実施形態によれば、従来は遊技盤にガイドレール(外レール、内レール)が一体化されており、遊技盤の交換の際には、必ず外レールと内レールの双方のレールも同時に交換せざるをえなかったところ、外レール36を遊技盤1とは別体で構成したことで、遊技盤1の交換の際、従来のように外内レール36,37の双方を同時に交換する必要がなく、内レール37の交換のみで済むため、当該交換作用の簡単化・低コスト化を実現することができる。
さらに、従来のように遊技盤に外内レールの双方を備えていた形態の場合、遊技盤を本体枠に取り付けたとき、本体枠に既に取り付けられている発射装置との位置合わせが極めて重要となる。このとき、発射装置とガイドレールの位置が微妙にずれていたりすると、球飛びが不安定となる虞がある。したがって、従来の遊技機形態の場合、遊技盤の取付、遊技盤に備えられるガイドレールの位置や角度、そして、本体枠に備えられる発射装置の位置などの関係を十分に考慮に入れて設計・設置をしなければならず、製造・取付が面倒であるとともにコスト高騰を招く虞があった。
そこで、本実施形態では、上記のように外レール36は、発射装置26とともに本体枠2の本体枠ベース板2aに取り付ける構成を採用しているため、発射装置26とガイドレール(外レール36)とが同じ場所に取り付けられることとなり、それぞれの位置合わせが簡単かつ正確に行ない得ることとなる。よって、球飛びが大変安定することとなり、遊技者にストレスを与えることもなく大変有用な作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、上記特有の作用効果の実行を図るため、本体枠ベース板2aに備えられる遊技盤1を着脱自在に留める留め具27a〜27eの数についても考慮した。すなわち、本実施形態によれば、本体枠ベース板2aに、発射装置26とともにガイドレール(外レール36)を一緒に備える形態を採用することで、球飛びの安定を図っているが、遊技盤1自体が本体枠2(本体枠ベース板2a)に対して強固に密着して取り付けられていないと、ガイドレールの位置(具体的には、外レール36と内レール37の対向位置)がずれてしまい、球飛びの安定といった本実施形態特有の作用効果の実行が図れなくなってしまう。特に本体枠ベース板2aの歪みなどが生じていたりするとこの不具合が顕著に表れてしまい上記特有の作用効果が達成できなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、留め具27を、本体枠ベース板2aの遊技盤1の上下四隅に対向する位置にそれぞれ備え、この四箇所の留め具27a〜27dで本体枠ベース板2aの裏面に強固に密着させて挟持するとともに、少なくとも遊技盤1の下側の中央付近を本体枠ベース板2aに密着固定させるため、本体枠ベース板2aの所定位置に一箇所留め具27eを備え、遊技盤1の内レール基端領域を本体枠ベース板2aに押し付けて密着固定させている。これにより、ガイドレールの位置(本体枠2にある外レール36と、遊技盤1にある内レール37の対向位置)がずれてしまうという不具合も生じず、球飛びの安定といった本実施形態特有の作用効果の実行が達成し得る。
また、従来では、遊技盤1の裏側に液晶表示装置4を直接配設する形態を採用することが多かった。しかしながら、かかる構成では、遊技盤1の交換・廃棄にあたり、液晶表示装置4も一緒に交換・廃棄することとなり、コスト高騰を招いていた。これに対して、本実施形態では、本体枠2に遊技盤1、その裏側の後枠5に液晶表示装置4を配設する別枠構成を採用しているため、遊技盤1を安価にでき、かつ液晶表示装置4の再利用が可能である。
また、本体枠2には、本体枠開口部2hの下部中央に、音による演出を行うためのスピーカ10cが設けられている。なお、このスピーカ10cから発せられた音は、表枠3の皿ユニット8の部位(具体的には、上皿17と下皿18との間の部位)に設けられたスピーカカバー10k(図1〜図3参照)を通して放出されるようになっている。
ここで、当該スピーカ10cの背面側は、本体枠2の裏面(図6参照)に設けられたカバー部材38によって覆われているが、この場合、カバー部材38に、例えばハーネスやコード等の各種配線39を保持するための配線保持機構を設けることが好ましい。なお、図6には、配線保持機構の一例として、当該配線39を各カバー部材38との間で挟持して保持する保持片40を設けた構成を示したが、かかる構成に限定されることはなく、これ以外の方法として、例えば、粘着テープ(図示しない)で各種配線39を各カバー部材38に保持させる方法や、ワッシャ付きネジ(図示しない)を各カバー部材38に締結することで、各種配線39をワッシャと各カバー部材38との間に保持させる方法などを適用することもできる。
ところで、本体枠2には、上記した遊技盤1をはじめ、遊技機にとって重要な電気部品(例えば、発射装置26、主制御基板28、中継基板32など)が設けられている。このため、本体枠2が外枠6(図1参照)から簡単に開錠されないようにすることが求められている。また、当該本体枠2は、本体枠ヒンジ2b(図1参照)を介して外枠6に回動可能に支持されており、上記した発射装置26のバネル体26aの上部右側に設けられた本体枠開閉用キー穴41(図1〜図2、図5参照)に、所定の開閉キー(図示しない)を挿入し回転させることで、本体枠2を外枠6から開くことができる。
この場合、例えば本体枠開閉用キー穴41やその近傍から例えばピアノ線などの不正器具(又は、不正部材)を、本体枠2の裏面に侵入させ、本体枠開閉用キー穴41の奥方側に構築された施錠装置(図示しない)に直接アクセスさせることで、当該施錠装置を開錠させるといった不正行為が想定される。
そこで、本体枠2が簡単に開かない(すなわち、施錠装置が簡単に開錠されない)ようにするため、本体枠2の裏面(図6参照)において、施錠装置は、その周囲全体がカバー部材42によって覆われている。これにより、上記したような不正行為を未然に防止することができる。
<後枠5>
後枠5は、後枠ベース板5aと、後枠ベース板5aに備えられる種々の後枠構成部材を含み、後枠構成部材には、液晶表示装置4を含む各種電気部品などがある。なお、後枠構成部材はこれらに限定されるものではなく、後枠5を構成する部材は全て含まれるものである。
図10に示すように、後枠5において、後枠ベース板5aには、各種電気部品(液晶表示装置4、サブ制御基板33の他、サブ制御基板33に対する信号の受け渡しを行うサブ中継基板43、遊技の演出に関するプログラムが記憶されたサブROM中継基板44、電力を供給する電源基板45など)が備えられている。
この場合、後枠5には、上記した表枠開口部3hおよび本体枠開口部2h並びに遊技盤開口部1hに対向した位置に、液晶表示装置4が設けられている。具体的には、当該液晶表示装置4は、本体枠2の裏面に対向した位置において、後枠5の後枠ベース板5aの表面(前面)に着脱可能に設けられている(図9参照)。この場合、液晶表示装置4は、主制御基板28からのコマンドに基づきサブ制御基板33によってその表示態様が制御される。例えば、本実施形態では、液晶表示装置4として、液晶ディスプレイ(LCD :Liquid Crystal Display)が想定されている。
また、後枠5において、上記した液晶表示装置4、サブ制御基板33、サブROM中継基板44、サブ中継基板43、払出・発射制御基板34、電源基板45などは、それぞれ、不正防止・破損防止などを図るため所定形状の電気部品収容部材4a,33a,44a,43a,34a,45aに収容させることが好ましい。
電気部品収容部材4a,33a,44a,43a,34a,45aは、本実施形態では透明な合成樹脂材をもって内部確認可能に構成されており、各種電気部品を収容する第一の面部60と、その背面側(反対側の面)である第二の面部61とを有している。
なお、特に図示しないが、それぞれの電気部品はコネクタを備え、所定の配線(例えば、複数本の電線が束になった組電線、いわゆるハーネス)515を介して電気的に接続されている。配線515は一端にコネクタを配し、そのコネクタを所定の電気部品のコネクタに接続している。
また、本実施形態では、前記配線を保持する配線保持部材(ハーネスケースともいう。)500を備えたことも特徴の一つである(図33〜図36参照)。
なお、本実施形態では、裏ユニットを構成するサブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44を、それぞれ、液晶表示装置4を収容する電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aの第二の面部(背面)61に横方向に一列に並べて備えており、それぞれはコネクタ同士を直接接続している形態(Board to Board)を採用している。また、本実施形態では、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44を、図示しない単一の透明カバー部材によって開閉可能に覆っている。
本実施形態では、上記電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aを、後枠5の後枠ベース板5aに対して、着脱自在に備える構成としている。
電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aは、長手方向の一端側に差込み片(図示しない)を所定間隔をあけて一対突設し、他端側には、ネジ止め可能なネジ止め片4a-1,4a-1が上下方向で相対向して突設されている(図9参照)。そして、後枠ベース板5aの所定位置に一対の差込み片挿入孔部(図示しない)を設け、相対向する後枠ベース板5aの所定位置に一対の雌ネジ部(図示しない)が設けられている。よって、電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aを後枠ベース板5aに取り付けるときは、電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aのそれぞれの図示しない差込み片を、それぞれの図示しない差込み片挿入孔部に差込み、そして、それぞれのネジ止め片4a-1,4a-1をそれぞれの図示しない雌ネジ部に対してネジ止め固定する。
このように、本実施形態では、液晶表示装置4を例えばネジ止めしたり、嵌め込んだりして収容する液晶ブラケット(電気部品収容部材)4aの第二の面部61に、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44を一体に備えるユニット構成を採用し、このユニット構成を、上記のとおり後枠ベース板5aから、液晶ブラケット(電気部品収容部材)4aのネジ止め片4a-1,4a-1をネジ止め固定しているネジの脱着作動のみで、液晶表示装置4、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44を、一体で、かつ簡単に着脱可能であるため、このユニット構成で液晶表示装置4のテスト(例えば、液晶表示装置4が正常に動作するか否かの試験)が容易に行ない得る。
これにより、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44を別個独立して交換することができるだけでなく、サブROM中継基板44のみを交換するだけで、異なる様々な演出を実行させることが可能となる。この場合、サブROM中継基板44については、プログラムの改竄や読取(複製)などの不正行為を防止するため、当該サブROM中継基板44への不正アクセスの有無を目視確認することが可能な「かしめ46」が施されている(図10参照)。なお、「かしめ」とは、封印、インシュロック(結束)などを意味する。
また、当該後枠5の裏面(図10参照)には、例えば貸出球や賞球として払い出される遊技球を収容するための球タンク47と、当該球タンク47から複数の遊技球を連続して転動流下させるレールユニット48と、当該レールユニット48の下端に連続させることが可能な払出装置35(具体的には、払出装置ケース49に覆われている)と、当該払出装置35から払い出された遊技球を上皿17に供給する球払出通路(図示しない)などが連設されている。
かかる構成において、遊技領域1pに打ち出された遊技球が例えば一般入賞口30に入賞したとすると、これを検知した信号が主制御基板28に送信される。このとき、主制御基板28(図8参照)から所定数の遊技球の払い出しを命ずるコマンドが払出・発射制御基板34(図10参照)に出力され、その払い出しコマンドに基づいて、払出・発射制御基板34が払出装置35を制御することで、球タンク47からレールユニット48を転動流下した複数の遊技球のうち、所定数の遊技球が払出装置35によって1個ずつ払い出され、球払出通路(図示しない)を流下して上皿に供給される。なお、図10において、払出装置35は、払出装置ケース49に収容された状態にあるため、その収容位置を参照符号35で指すことで、当該払出装置の輪郭は図示されていない。
ここで、従来の遊技機において、遊技盤は、本体枠の前面(表枠側)に対して着脱可能に設けられ、また、液晶表示装置は、後枠の前面(本体枠側)に対して着脱自在に設けられているものが知られている。このため、メンテナンス時などにおいて、遊技盤と液晶表示装置をともに取り外したい場合には、次の工程を経なければならなかった。
まず、遊技盤を本体枠から取り外したい場合、表枠を本体枠に対して回動させる必要があった。そして、液晶表示装置を後枠から取り外したい場合、本体枠を外枠に対して回動させ、次に、後枠を本体枠に対して回動させる必要があった。よって、少なくとも3回、該当する枠を回動(例えば、外枠に対して本体枠を回動、本体枠に対して表枠と後枠の双方を回動)させなければならない。
これに対して、本実施形態によれば、遊技盤1を、本体枠2の裏面(図5参照)に着脱可能に設けるとともに、液晶表示装置4を、本体枠2の裏面(背面)に対向した位置において、後枠5の表面(前面)(図9参照)に着脱可能に設けるようにしたことで、遊技盤1および液晶表示装置4の双方の取り外し作業をワンタッチ(本体枠2と後枠5における一回の回動操作)で効率よく行うことができる。なお、液晶表示装置4の取付方法としては、後枠5の表面(前面)のみならず、後枠5の裏面に対して着脱可能に設けるようにしてもよい。
また、払出装置35を覆う払出装置ケース49は、その上端側に設けられたヒンジ機構50を介してレールユニット48の下端に回動自在に支持されているとともに、当該払出装置ケース49を回動させて、払出装置35を露出させた状態において(図11参照)、そのときの姿勢を維持することができるようになっている。このため、払出装置ケース49の上端側には、第1係止片49aが設けられ、レールユニット48の下端側には、第1係止片49aが係止可能な第2係止片48aが設けられている(図11〜図12参照)。
この場合、第1係止片49aおよび第2係止片48aは、その一部(先端部)が、互いに引っ掛かり合うような形状を成している。ここで、払出装置ケース49を回動させて、払出装置35を露出させたとき、第1係止片49aおよび第2係止片48aが互いに引っ掛かり合うことで、当該払出装置ケース49は、払出装置35を露出させた姿勢に維持される。これに対して、払出装置ケース49を逆方向に回動させると、これに追従して、第1係止片49aと第2係止片48aとの引っ掛かり合いが解除され、これにより、当該払出装置ケース49によって払出装置35を覆うことができる。
また、払出装置35は、遊技球の払い出しが可能な位置(図13参照)と、取り外しが可能な位置(図14参照)とに切り替えることが可能である。この場合、遊技球の払い出しが可能な位置において、払出装置35は、脱着機構51によって、その下端面35aが支持された状態にあるとともに、その上端面35bが上記したレールユニット48に当接している。なお、脱着機構51は、回転軸52によって回転自在に支持された脱着レバー53を有しており、当該脱着レバー53の一端が払出装置35の下端面35aに当接することで、払出装置35は、当該脱着機構51(脱着レバー53)によって支持された状態で、その上端面35bがレールユニット48に当接する(図13参照)。これにより、レールユニット48(具体的には、レールユニット48内に構築された球通路48a)と払出装置35とが互いに連通することで、当該レールユニット48(球通路48a)を転動流下した遊技球は、払出装置35に導入可能となる。
これに対して、取り外しが可能な位置(図14参照)においては、脱着レバー53が回動し、その一端が払出装置35の下端面35aから回避した状態(すなわち、脱着機構51(脱着レバー53)による支持が解除された状態)となっており、これにより、払出装置35を下方にスライドさせることが可能となる。この場合、払出装置35を下方にスライドさせた後、手前に引き出すことで、当該払出装置35を後枠5の裏面から簡単に取り外すことができる。
ところで、払出装置35を取り外す際、上記したレールユニット48(球通路48a)には、球タンク47からの遊技球が転動流下しているため、かかる遊技球がレールユニット48(球通路48a)から流出して落下してしまうことが想定される。そこで、かかる不具合を解消するために、後枠5の裏面には、球落下防止機構54(図13〜図15(a)参照)が設けられている。
図15(a)に示すように、球落下防止機構54は、上記したレールユニット48の下端側に構築されており、当該レールユニット48に着脱自在に取り付けられた球落下防止機構用カバー体48p内に収容されている。この場合、球落下防止機構54は、レールユニット48の球通路48aに向けて突出させた球止め部55pを有する球落下防止本体55と、球落下防止本体55を常に球通路に向けて付勢する付勢手段56と、付勢手段56の付勢力に抗して、球落下防止本体55を球通路48aから離間する方向に移動させる移動手段とを備えている。なお、図面には付勢手段56の一例として、圧縮コイルばねが示されているが、これに代えて、圧縮空気の弾性力を利用した空気ばねを用いてもよい。
移動手段は、球落下防止機構用カバー体48pに回転自在に支持されたレバー57と、当該レバー57の先端部57a(具体的には、当該先端部57aのうち後述する傾斜面55sに対向する当接部57p)が当接可能であって、かつ球落下防止本体55に形成された傾斜面55sとを備えている。傾斜面55sは、球止め部55pの突出方向に沿って延在し、かつ当該球止め部55pから離間する方向に沿った勾配を成して構成されている。なお、傾斜面55sの勾配(傾斜角度)は、例えば球落下防止本体55の形状や大きさ等に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。また、レバー57は、その基端部57bに設けられた回転軸58がレールユニット48に軸支されている。
また、移動手段によって球落下防止本体55を移動させる方向を一定にするため、当該球落下防止本体55には、その端面にガイド片59が延在されており、当該ガイド片59は、レールユニット48に延在されたガイド溝(図示しない)に沿って移動可能となっている。この場合、ガイド溝およびガイド片59の延在方向は、球止め部55pをレールユニット48の球通路48aに突入させたり、当該球止め部55pを球通路48aから脱出させたりできる方向として規定することができる。
かかる構成において、先端部57aを押圧してレバー57を回転させると、当該先端部57aの当接部57pが球落下防止本体55の傾斜面55sに当接し、このときの当接力は、傾斜面55sに垂直方向の成分と、傾斜面55sに沿った傾斜方向の成分とに振り分けられる。このため、傾斜面55sに対して先端部57aを押圧し続けて、その傾斜面55sに対する当接力を加え続けると、これにより、ガイド片59がガイド溝に沿って一方向に移動することで、付勢手段56の付勢力に抗して、球落下防止本体55を同方向に移動(別の言い方をすると、球通路48aから後退)させることができる(図15(c)参照)。これに対して、レバー57に対する押圧力を解除すると、それと同時に、付勢手段56による付勢力のみが球落下防止本体55に作用し、これに伴って、ガイド片59がガイド溝に沿って他方向に移動することで、球落下防止本体55を同方向に移動(別の言い方をすると、球通路48aに向けて前進)させることができる(図15(b)参照)。
従って、かかる球落下防止機構をレールユニット48に設けた状態において、払出装置35が遊技球の払い出し可能な位置(図13参照)にある場合、当該払出装置35の上端面35bによって先端部57aが押圧されてレバー57が回転し、これにより、当該先端部57aの当接部57pから球落下防止本体55の傾斜面55sに当接力が加えられた結果、当該球落下防止本体55が付勢手段56の付勢力に抗して後退することで、球止め部55pを球通路48aから脱出させることができる(図13、図15(c)参照)。このとき、レールユニット48(球通路48a)と払出装置35とが互いに連通することで、当該レールユニット48(球通路48a)を転動流下した遊技球は、払出装置35に導入可能となる。
これに対して、払出装置35の取り外し可能な位置(図14参照)にある場合、当該払出装置35の上端面35bによるレバー57の先端部57aへの押圧状態が解除されるため、それと同時に、付勢手段56による付勢力のみが球落下防止本体55に作用し、これにより、当該球落下防止本体55が前進することで、球止め部55pを球通路48aに突入させることができる(図14、図15(b)参照)。この結果、遊技球がレールユニット48(球通路48a)から流出して落下してしまうといった不具合の発生を未然に防止することができる。
<透明板ユニットについて>
表枠3に備えられている透明板ユニット7は、遊技機を島設備に設置したときの遊技者側から見て手前側に位置する第1の透明板100と、前記第1の透明板100の後方に位置する第2の透明板101と、前記第1の透明板100と前記第2の透明板101との間に所定の空間102を配した状態で前記第1の透明板100と第2の透明板101とを保持する透明板保持枠103とを備えて構成されている(図16乃至図18)。
第1の透明板100と第2の透明板101は、本実施形態では所定形状・所定厚みを有する同一のガラス板を採用している。
前記透明板保持枠103は、前後にそれぞれ第1の透明板100と第2の透明板101をそれぞれ保持する保持部103a,103aを有するとともに、保持部103aと保持部103aとの間に配される中間部103bには、前記第1の透明板100と第2の透明板101との間に形成される所定の空間102と連通する複数個の連通孔104を有している(図18)。
前記第1の透明板100と第2の透明板101は、それぞれ透明板保持枠103の保持部103a,103aに対して接着剤を介して一体に固定されている。
前記連通孔104は、上下方向で相対向する位置において設けられた第1連通孔104aと第2連通孔104bである。
このように、本実施形態では、透明板保持枠103の相対向する位置に設けた第1連通孔104aと第2連通孔104bとしたため、透明板ユニット7の外方から空間102内を通過して外方へと抜ける空気の流通経路が有効に形成される(図17及び図18)。
また、前記第1連通孔104aと前記第2連通孔104bとは、前記表枠ベース板3aの表枠開口部(窓部)3hと接しない位置に設けられている。すなわち、開口の接地面によって孔が塞がれないようにするためであり、このように構成することで空気の流通経路が遮断されることもない。
本実施形態では、第1連通孔と第2連通孔は、それぞれ3個ずつの孔群によって形成されている。
なお、第1の透明板と第2の透明板は、後方に位置する本体枠2に備えられた遊技盤1の遊技球の転動流下状況や、各種演出(役物可動演出や画像による演出など)状況の視認性を損ねない材質であればガラス板でなくてもよく、例えば透明合成樹脂性の板材であってもよい。
連通孔104は、その孔径や、配設数・配設位置など本実施形態に限定解釈されるものではなく、強度面と通気性を考慮したうえで最適な仕様を採用するようにする。
透明板保持枠103に設けた複数個の連通孔104(104a,104b)によって、いずれかの連通孔104(104a,104b)から2枚の透明板100,101間の空間102、そして他の連通孔104(104a,104b)へと空気が流通する空気の流通経路が確保されるため、乾燥剤室や乾燥剤を備えなくとも有効に空間内の湿気除去が可能となる。
したがって、透明板ユニット7全体の大型化を招く虞がないとともに、乾燥剤を必要としないためコスト高も抑えることができる。
なお、表枠3の裏面に対する透明板ユニット7の取付方法としては、例えば、本実施形態では次の構成を採用している(図3参照。)。
透明板ユニット7を、表枠開口部3hに設けられている透明板ユニット組込み部105に沿って、表枠開口部3hの裏側から組み込んで位置決めし、その状態で当該透明板ユニット7の下端面7aを、表枠開口部3hの組込み部下方領域に形成された台座108に載置させた後、当該表枠開口部3hの上部両側、すなわち、表枠開口部3h上方の表枠ベース板3aの裏面に回動自在に設けられた留め具106,106によって、透明板ユニット7の上端面(透明板保持枠103の上端に設けられた左右の舌片107,107)に押圧力を付与させて固定すればよい。これにより、透明板ユニット7は、各留め具106と台座108との間で挟持された状態で、表枠3の裏面に対して着脱可能に取り付けることができる。
透明板ユニットの形態、すなわち、透明板と透明板保持枠の形態は、本実施形態に何ら限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において適宜設計変更可能である。
<球通路カバーについて>
上記のとおり表枠構成部材を構成する下皿18の下皿カバー8bは、係止構造を介して表枠ベース板3aに取り付けられている(図1参照。)。
すなわち、下皿カバー8bは、後方へと水平方向に突出する係止部203を備え、表枠ベース板3aは、前記下皿カバー8bの係止部203が係止可能な係止孔204が所定位置に貫通して設けられている(図19及び図21参照。)。
係止部203は、下皿カバー8bから水平に突出する細板状の本体203aと、本体203aの先端に設けられ、前記係止孔204の周縁と係止可能な略矢尻型の係止爪部203bとで構成されている。
このように係止構造を介して下皿カバー8bは表枠ベース板3aに取り付けられているため、この係止状態を解除すれば着脱自在である。
本実施形態では、このように係止孔204に係止された状態の下皿カバー8bの係止爪部203bが、必要時以外には簡単に取り外すことができないように、係止部203の係止状態を保持可能とする保持部202を備えている。
本実施形態の保持部202は、表枠ベース板3aに設けられた排出口19と供給口20とをつないで球通路21を形成している球通路カバー21aに一体に設ける構成を採用している(図19及び図21参照)。
前記球通路カバー21aは、本実施形態では、図19に示すように、それぞれ表枠ベース板3aに対して着脱自在に備えられる上カバー200と下カバー201の二部材で構成されている。
本実施形態では、上記下カバー201の表枠ベース板3aへの取り付け時に、下カバー201の横に前記係止孔204が位置しているため、下カバー201の側面所定位置に、前記係止部203と前記係止孔204との係止状態を保持する保持部202を一体に備え、前記保持部202は、前記係止爪部203bの脱落を防止する脱落防止部として機能している(図19参照)。
保持部202は、下カバー201の側面(図面で向かって右側の側面)から水平方向に突出した板状部材であって、下カバー201を表枠ベース板3aの所定位置に取付固定すると、前記保持部202が係止孔204の所定位置を横切るように備えられることとになる(図19及び図21参照)。なお、保持部202の形状にあっては図示形態に限定されるものではない。
すなわち、前記係止爪部203bを、その弾性に抗して下方に押し下げられた状態で前記表枠ベース板3aの前方から挿入し、前記表枠ベース板3aの背面側にてその弾性の戻り力によって前記係止孔204の上方周縁に係止される。
そして、下カバー201を表枠ベース板3aの所定位置に取付固定すると、脱落防止部(保持部)202は、前記係止孔204の上方周縁に係止された状態の係止爪部203aの直下に位置する(図19及び図21参照)。
したがって、上皿17と下皿18をつなぐ球通路カバー21a(下カバー201)を表枠ベース板3aの裏面側に通常通りに配設すれば、球通路カバー21a(下カバー201)の保持部(脱落防止部)202により、係止部203と係止孔204からなる係止構造を介して表枠ベース板3aに着脱自在に備えられる下皿カバー(表枠構成部材)8aの係止状態を不用意に解除し得ないものとすることができ、球通路カバー21a(下カバー201)に球通路21としての機能以外の機能を兼用させ、球通路カバーの有用性を高めることができる。
また、下皿カバー(表枠構成部材)8aの係止爪部203bが、その弾性に抗して表枠ベース板3aの係止孔204に係止される簡単に着脱可能な構成であり、下皿カバー(表枠構成部材)8aの取り付けが容易である一方、球通路カバー21a(下カバー201)を表枠ベース板3aの背面側に取り付ければ、球通路カバー21a(下カバー201)に備えた脱落防止部(保持部)202が、前記係止爪部203bの直下にて前記係止爪部230bの下方への移動を抑制するため、係止爪部203bの係止孔204からの脱落が簡単に防止される。
なお、表枠構成部材の係止状態の解除防止を図る保持部(脱落防止部)構成については、本実施形態に何等限定解釈されるものではない。すなわち、係止構造を介して着脱自在に表枠ベース板3aに備えられる表枠構成部材であって、かつその表枠構成部材の係止部が、表枠ベース板3aの裏面側のどの位置にて係止されるかによって、保持部をどのように構成するかが異なるものである。
また、保持部(脱落防止部)は、単体で係止孔に係止された係止爪部の脱落防止を図るように取り付けられるものであってもよいが、係止爪部が係止される係止孔の近傍にて表枠ベース板3aの裏面側に着脱自在に備えられる表枠構成部材があれば、その表枠構成部材に保持部(脱落防止部)を一体成形するようにすればよい。
<コネクタカバーについて>
左側装飾部材16は、光による装飾演出を図る部材であって、例えば図1、図2および図22〜図25に示すように、電子部品(例えば発光手段、LED:Light Emitting Diode 発光ダイオード)を実装する左中継基板(ガラス左中継基板ともいう。)300と、発光手段から発光される光を所定方向へと導く絶縁材からなる左導光レンズ302と、前記左導光レンズ302を介して導かれた光を拡散させる左上レンズ16bと左アウターレンズ16aとで構成されており、前記左中継基板300の下端に、電気部品と配線(ハーネス)を介して電気的に接続するための端子301aを有するコネクタ301を備えている。
本実施形態では、表枠3の前面に備えられる上皿17を装飾する上皿前飾り(第1装飾部材ともいう。)17cにメッキ部材17bを用いており、そのメッキ部材17bの端部が、前記左側装飾部材(第2装飾部材ともいう。)16の左中継基板300のコネクタ301と相対向する位置に隣接して配設されている(図1、図2、図22、図23参照)。
このようなメッキ部材17bは、遊技機全体を煌びやかに装飾して装飾効果を高めるという効果を有している反面、このメッキ部材17bには静電気が帯電し易い。
したがって、上皿前飾り17cのメッキ部材17bから、その直近にある左中継基板300のコネクタ301(具体的には、端子301a)に直接静電気が放電された場合、左中継基板300に実装されているLEDなどの電子部品に支障をきたしてしまう(破損してしまう)おそれがある。
すなわち、静電気を放電する要因箇所(上皿前飾り17cのメッキ部材17b)とコネクタ301との間の沿面距離(Creepage Distance)が近いからである。
そこで、本実施形態では、左中継基板300のコネクタ301を覆うコネクタカバー(絶縁体)303を設けて、静電気を放電する要因箇所(上皿前飾り17cのメッキ部材17b)とコネクタ301(具体的には、端子301a)との間の沿面距離が遠くなるようにしている。
本実施形態では、左中継基板300の平面形状と略同一形状に形成されるとともに、左中継基板300上に配設され、左中継基板300からの光を前方へと導光する絶縁体からなる左導光レンズ302の一部に、左中継基板300のコネクタ301を覆うコネクタカバー303が一体成形されている(図24参照)。
すなわち、左中継基板300の表面下方に突出して備えられているコネクタ301上を覆うように、左導光レンズ302の相対向する内面の所定位置を、箱状に窪ませて(外面には箱状に突出している。)コネクタカバー303を一体成形している。
なお、コネクタカバー303は左導光レンズ302とは別部品として構成してもよい。
図25(a)は本実施形態におけるコネクタカバー303を左導光レンズ302に一体に備えたため、コネクタ301(具体的には、端子301a)までの沿面距離が長くなった場合の概略図を示し、図25(b)はコネクタカバーを備えない場合に、コネクタ301までの沿面距離が短い場合の概略図を示す。それぞれの図中の矢印は第一装飾部材(メッキ部材17b)から放電された静電気の流れを示す。
沿面距離が短いと静電気は直接コネクタ301に放電されてしまうが、本実施形態のようにコネクタカバー303を一体に備えた絶縁体である左導光レンズ302を備えた場合、沿面距離が長くなり、静電気は直接コネクタ301(端子301a)に放電されなくなる。
したがって、本実施形態によれば、メッキ部材17bが施された装飾部材(上皿前飾り17c)に隣接して、制御基板(左中継基板300)が備えられた装飾部材(左側装飾部材16)を配置しても、制御基板(左中継基板300)に備えられたコネクタ301の端子とメッキ部材17bとの沿面距離をとるためのコネクタカバー303が備えられているため、コネクタ301の端子301aに静電気が直接放電されることが防止し得る。
また本実施形態によれば、絶縁材で構成された左導光レンズ302にコネクタカバー303を一体に設けたため、美観を損なうことなくコネクタ301の端子に静電気が直接放電されることを防止できる。また、左導光レンズ302を配置することで、コネクタカバー303も同時に配置されることとなるため、コネクタ専用のカバーを別途用意することがなく、製造コスト・作業コストなどの低廉化を図ることができる。
<発射停止ボタンについて>
本実施形態における発射停止ボタン26eは、例えば、一端側に備えられるボタン部401と他端側に備えられる押圧部403と、ボタン部401と押圧部403の間に備えられる軸止部400とを含む操作部402と、前記操作部402の軸止部400の内面に一体に配設され、発射ハンドル26bの支持部(収容ケース)26cの内底面から突設された軸部材405に対して摺動する摺動部404とを備えて構成されている(図26−図32参照)。
発射停止ボタン(操作部材)26eは、摺動部404を一体に内装した軸止部400が、ネジ406を介して軸部材405に回動自在に備えられ、一端側のボタン部401が前記支持部(収容ケース)26cの外方に突出するように配設され、そして他端側の押圧部403が発射停止スイッチ(検知手段ともいう。)26gの下方に位置している(図29〜図32参照)。すなわち、ボタン部401は、発射ハンドル26bの外方に突出して位置している。なお、図32中で、符号407は、摺動部404の頂面とネジ406のネジ頭との間に介在されるワッシャを示す。
そして、発射停止ボタン26eは、常時、押圧部403が発射停止スイッチ(検知手段ともいう。)26gから離れる(遊技球発射可能状態)方向に付勢されており、発射停止ボタン26eのボタン部401を押圧することにより、前記押圧部403が発射停止スイッチ(検知手段ともいう。)26gに接触して遊技球の発射が停止される。
図29は、発射停止スイッチ(検知手段ともいう。)26gに押圧部403が接触している状態(遊技球発射停止状態)を示し、図30は、発射停止スイッチ(検知手段ともいう。)26gから押圧部403が離れている状態(遊技球発射可能状態)を示す。
前記摺動部404は、摺動性能に優れた部材、例えば、ポリアセタール(polyacetal POM)、ポリアミド(polyamide)、ポリエチレン(polyethylene)などの自己潤滑性のある部材で形成されている。
前記操作部402は、難燃性V-0等級などの難燃性部材、例えば、ポリカーボネート(polycarbonate PC)、ポリスチレン(polystyrene PS)、難燃ABS樹脂(FR-ABS)などの難燃性部材で形成されている。
したがって、本実施形態によれば、発射停止ボタン(操作部材)26eは、摺動部404のみ自己潤滑性のある材料で形成し、操作部402は難燃性部材で形成しているため、発射停止ボタン(操作部材)26eの操作性を損なわないようにしつつ、火事等の災害に強いボタン機構を提供することができる。
よって、例え、遊技者が火のついたタバコをもったままで発射ハンドル26bを操作したとしても、さらに、遊技者が遊技の腹癒せに発射ハンドル26bに火をつけようとしたとしても、発射停止ボタン26eの操作部402が引火し難いものであるため、火事の虞も少なく安全性が高い。
なお、操作部402と摺動部404は一体に配設されるとしているが、これは、操作部402と摺動部404が同一の動きをするように配設されていればよいという意味であり、特に一体成形されるとの意味ではない。例えば、接着剤などで分離不可能に固着して一体とする場合、キー結合や嵌合など分離可能に一体とする場合の双方ともが想定され、何等限定解釈されるものではない。
<配線保持部材について>
前記配線保持部材500は、着脱機構を介して電気部品収容部材(例えば、液晶表示装置収容部材4a、サブ制御基板収容部材33a,サブROM中継基板収容部材44a,サブ中継基板収容部材43a,払出・発射制御基板収容部材34a,電源基板収容部材45aなど)に着脱可能に備えられている。本実施形態では、液晶表示装置4を収容する液晶表示装置収容部材(液晶ブラケットともいう)4aを電気部品収容部材の一実施形態として用いた上で、本実施形態の配線保持部材500の一例を図に基づいて説明する(図33−図36)。
前記液晶表示装置収容部材(電気部品収容部材)4aは、例えば本実施形態では、図33に示すように、電気部品(液晶表示装置4)を収容する所定の凹形状をもって構成された第一の面部(収容部)60と、当該第一の面部60と反対の面(背面)である第二の面部(背面部)61とを備えている。
また、前記第二の面部61には、所定の配線(ハーネス)515を保持する配線保持部材500を配設する領域が形成されており、その領域の所定位置には、配線保持部材500に備えられる複数個の突出部507と複数個の係止爪部508とともに着脱機構を構成する複数個の差込み孔509と複数個の係止孔510を備えている(図34参照)。
前記電気部品収容部材(例えば、液晶表示装置収容部材4a、サブ制御基板収容部材33a,サブROM中継基板収容部材44a,サブ中継基板収容部材43a,払出・発射制御基板収容部材34a,電源基板収容部材45aなど)は、特にその形態に限定解釈されるものではないが、各種の電気部品(液晶表示装置4、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44、払出・発射制御基板34、電源基板45など)を収容可能な形態を有する第一の面部60と、その背面側の第二の面部61を少なくとも備えているものである。
第一の面部60は電気部品の全体を収容するものと、一部を収容するものとが想定されており、そのいずれもが本発明の範囲内である。
配線保持部材500は、前記電気部品収容部材(例えば、液晶表示装置収容部材4a)の第二の面部61に着脱機構を介して着脱可能に備えられている。
配線保持部材500は、例えば、図34−図36に示すように、平行に形成された板状の上面部501と下面部502と、前記上面部501と下面部502の相対向する一つの長辺同士にわたって一体に形成される板状の後面部503とからなり、前面側と左右の側面側をそれぞれ開放し、側面視で略コの字状を有する細幅の長尺状に形成されている。
また、本実施形態では、透明な合成樹脂材をもって内部確認可能に構成されている。
前記上面部501と底面部502のそれぞれの内面の開口縁寄りには、上下方向(図中、Lで示す方向)で同一位置を底辺とした略直角三角形状の突起504,504が対向して形成されている。本実施形態では、上下一対の突起504,504が、等間隔で4組備えられている(図35−図36参照)。
相対向する突起504,504は、いわゆる点対称に形成されている。すなわち、それぞれの頂点504a,504a同士と、それぞれ直角をもって水平方向に設けられた一辺(垂辺)504b,504b同士とを、それぞれ横方向にずらして形成されているとともに、それぞれの相対向する斜辺504c,504c同士の間に所定の間隙505を形成している(図35及び図36参照)。
この間隙505を介して配線(ハーネス)515が後述する配線(ハーネス)保持空間506へと組み入れられる。
前記突起504と後面部503の内面503aとの間には、前記突起504,504間の間隙505を挿入口とし、左右の開放した側面側をそれぞれ配線引出口516,516とする所定空間の配線(ハーネス)保持空間506が形成される(図34〜図36参照)。
また、前記突起504の厚み(図34中、Wで示す奥行き方向の厚み)は特に限定はされないが、配線の組み入れ時に折損しない程度で、かつ配線保持空間506を形成可能な程度の厚みを有していればよい。
また、突起504の形態も限定されるものではなく、配線保持空間506に保持された配線が容易に抜け落ちない形態であればよい。
さらに、図示しないが、前記突起504,504同士で形成された間隙(挿入口)505に代えて、前記後面部503に対向する前面部を設け、その前面部の長手方向(左右の側面部方向)にわたって切欠かれた長尺の切り込みも挿入口として採用できることは想定可能である。
前記着脱機構は、例えば本実施形態では、前記電気部品収容部材(液晶表示収容空間4a)の第二の面部61に設けられた差込み孔509及び係止孔510と、前記配線保持部材500に設けられ、前記差込み孔509に差込み可能な突出部507と、前記係止孔510に着脱可能に係止する係止爪部508とで構成されている(図33〜図36参照)。
前記突出部507は、前記上面部501の外面の開口縁寄りにて上方に向けて設けられており、前記上面部501から一体に立ち上げられた所定厚さで矩形状の立設部507aと、前記立設部507aの先端に一体に設けられた係止部507bとで構成されている。本実施形態では、配線保持部材500の長手方向に等間隔で3個突設されている。
なお、本実施形態では、上述のとおり係止部507bを備え持つ構造としているが、突出部にはこの係止部507bを持たない形態も本発明の範囲内である。
前記係止爪部508は、前記後面部503から所定長さをもって前方に向けて突設されており、後面部503から直交状に一体に突設された水平板部508aと、前記水平板部508aの先端に一体に設けられた爪部508bとで構成されている。
本実施形態では、前記底面部502の所定位置を切欠き、その切欠き領域に前記水平板部508aが配設され、前記爪部508bを前記領域から前方に向けて突出させている。
本実施形態では、前記両端の突出部507,507よりも内側に入った位置にてそれぞれ一つずつ計2個突設されている。
前記差込み孔509及び係止孔510は、前記電気部品収容部材の第二の面部61における所定位置にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aの第二の面部61には、図33に示すように、一段高い位置に形成された第一領域61aが形成されており、その第一領域61aには、サブ制御基板33、サブ中継基板43、サブROM中継基板44が裏ユニットとして横方向に並んで配設されている。
そして、前記第二の面部61には、前記第一領域61aよりも垂直方向で下方にて、前記第一領域61aよりも一段低い横長の幅狭状に形成された第二の領域61bが形成されており、その第二の領域61bに前記差込み孔509と係止孔510がそれぞれ所定位置に形成されている。
前記差込み孔509は、第一の領域61aから第二の領域61bへと段差状に続く水平壁部511に貫通状に3個形成されている。
前記係止孔510は、その水平壁部511から連続して垂直状に下方に続く垂直面512に2個形成されている。
前記差込み孔509と係止孔510の位置関係は、次の通りである。
配線保持部材500の上面部501から係止爪部508までの距離をAとし、差込み孔509から係止孔510までの距離をBとしたとき、A>Bの関係を具備するように構成する。
すなわち、上述の通り、A>Bの関係となるように構成することで、配線保持部材500が電気部品収容部材(液晶ブラケット)4aの第二の面部61にしっかりと保持されるからである。
まず、配線保持部材500の配線保持空間506に配線515を保持させた状態で、第二の面部61の各差込み孔509に、配線保持部材500の各突出部507を挿入し、次に、A>Bの関係であるため、係止爪部508の弾性力に抗して係止孔510に爪部508bを挿入する。これにより、挿入後、係止爪部508の弾性力によって係止孔510に爪部508bがしっかりと係止できる。
本実施形態では、配線保持部材500の後面部503には複数個の矩形状の貫通孔513が設けられている。
貫通孔513の孔形状や孔数量は特に限定されるものではなく、また、貫通孔513の位置も限定されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。また、貫通孔513を有さない形態であっても本発明の範囲内である。
さらに、本実施形態では、配線515の配設方向が一目で分かるように後面部503に配設方向を示す矢印514を記載している。これにより、あまり経験のない作業者であっても配設間違いをすることがない。
本実施形態によれば、配線保持部材500を備えたため、着脱機構を介して配線保持部材500を電気部品収容部材(例えば液晶ブラケット4a)から取り外すだけの簡単な操作で配線515の取り外しが行なえることとなった。
これにより、従来配線の這い回しや取り外しが大変面倒であった配線着脱作業の容易化が図れる。また、配線着脱作業の容易化によりメンテナンス作業時間の短縮化も図れることとなる。
さらに、本実施形態では、配線保持部材500に貫通孔513を備える構成としたため、貫通孔513を介して配線515の状態を容易に確認できる。また、この貫通孔513が設けられていることにより、放熱効果も発揮され得る。
なお、前記配線保持部材の形態は、本実施形態に限定されず、電気部品収容部材の第二の面部の形態や、所定の配線の配設位置や配設空間などに応じて適宜設計変更可能である。
<操作ユニット9について>
上記したように、表枠3に対して着脱可能な上皿上部カバー8aには、所定の遊技中に遊技者が操作(回転操作、押圧操作)することで各種演出の表示態様に変化を与えるための操作ユニット9が設けられており(図1〜図2参照)、操作ユニット9は、図37〜図45に示すように、上皿上部カバー8aに着脱可能に固定されるベース部材600上に、遊技者が回転させて操作することが可能な回転操作機構601と、遊技者が押圧して操作することが可能な押圧操作機構602とを一体的に組み付けて構成されている。なお、本実施形態では、回転操作機構601を中空環状に構成し、その中空環状領域内に、環状を成す押圧操作機構602を介在させた構成を想定する。
図39に示すように、押圧操作機構602は、遊技者が例えば手指等で押圧して突没操作させることが可能な押圧操作手段と、押圧操作手段を突没可能に弾性支持する弾性支持手段と、押圧操作手段の押圧操作状態(例えば、突没回数、突没タイミング等)を検知する押圧操作状態検知手段とを備えている。
また、かかる押圧操作機構602(操作ユニット9)を有するパチンコ遊技機には、演出実行手段が設けられ、これにより、押圧操作手段の押圧操作状態が押圧操作状態検知手段によって検知されたことに基づいて、所定の演出を実行することができる。この場合、演出実行手段としては、例えば、液晶表示装置4(図9参照)、サブ制御基板33(図10参照)などを適用することができる。
これによれば、例えば、液晶表示装置4上に「押圧(突没)操作すべき命令(ボタンを押せ!)」についての演出が表示されている場合を想定すると、かかる命令に従って遊技者が押圧操作手段を押圧操作(突没操作)すると、そのときの押圧操作(突没操作)に基づいて、サブ制御基板33によって液晶表示装置4上に所定の演出(例えば「押圧(突没)操作完了」についての演出など)が実行される。
ここで、弾性支持手段のとしては、例えば圧縮コイルばね603を適用することができる。かかる構成によれば、当該弾性支持手段(圧縮コイルばね)603を、後述する回転操作機構601の固定ベース604(ベース部材600上に固定される)と、押圧操作手段との間に介在され、これにより、押圧操作手段を、当該弾性支持手段(圧縮コイルばね603)の弾性力によって、ベース部材600(固定ベース604)に対して突没可能に弾性支持することができる。
また、押圧操作手段の一例としては、押圧ベース605上に、発光手段606a(例えば、LED等)が構築されたボタン電飾基板606と、押圧操作時に遊技者の例えば手指等が触れる表面装飾部材607(レンズ607a、拡散シート607bなど)とを対向配置させて構成することができる。かかる構成によれば、発光手段(LED)606aから発せられた光により、表面装飾部材607から美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができるため、遊技における押圧操作に対する興趣を向上させることができる。なお、発光手段(LED)606aの制御は、サブ制御基板33(図10参照)によって行われる。
この場合、発光手段(LED)606aが構築されたボタン電飾基板606、表面装飾部材607(レンズ607a、拡散シート607b)は、上記した演出実行手段として構成することが可能であり、そうすると、遊技の状態に応じて、当該発光手段(LED)606aから発せられた光を拡散シート607bに照射することで、レンズ607aから美観に優れた例えば放射光や拡散光などを遊技状態に合わせて発生させることができる。
また、押圧操作状態検知手段の一例としては、検知片(検知部材ともいう)608を押圧ベース605に設けるとともに、当該検知片608を検知するためのセンサ基板609をベース部材600に固定することで構成することができる。かかる構成において、センサ基板609には、押圧ベース605(押圧操作手段)とともに突没する検知片608の突没状態(例えば、突没回数、突没タイミング等)を検知するセンサ部609sが設けられている。この場合、押圧操作に際し、センサ部609sに対して出たり入ったり(突没)する検知片608の例えば突没回数や突没タイミングを検知することで、押圧操作手段の押圧操作状態(すなわち、遊技者が押圧操作手段を例えば手指等で押圧して突没操作させる回数やタイミング等)を正確に検知することができる。
一方、図39に示すように、回転操作機構601は、ベース部材600上に支持され、遊技者が例えば手指等で回転操作可能な回転操作手段と、回転操作手段の回転操作状態を検知する回転操作状態検知手段と、回転操作手段とベース部材600との間に設けられ、回転操作手段の回転操作に追従して回転する複数の球状部材610(例えば、金属製の球体やボール等)とを備えている。
また、かかる回転操作機構601(操作ユニット9)を有するパチンコ遊技機には、演出実行手段が設けられ、これにより、回転操作手段の回転操作状態が回転操作状態検知手段によって検知されたことに基づいて、所定の演出を実行することができる。この場合、演出実行手段としては、例えば、液晶表示装置4(図9参照)、サブ制御基板33(図10参照)などを適用することができる。
これによれば、例えば、液晶表示装置4上に「回転操作すべき命令(ジョグダイヤルを回せ!)」についての演出が表示されている場合を想定すると、かかる命令に従って遊技者が回転操作手段を回転操作すると、そのときの回転操作に基づいて、サブ制御基板33によって液晶表示装置4上に所定の演出(例えば「回転操作完了」についての演出など)が実行される。
ここで、回転操作手段の一例としては、ベース部材600上に回転可能に設けられた回転ハウジング611と、遊技者の例えば手指等で回転させることが可能な透光性を有する(後述する発光手段612aからの光を透光可能な)回転カバー613と、回転カバー613と回転ハウジング611との間に介在させる回転レンズ614とを備えて構成することができる。
なお、回転ハウジング611、回転カバー613、回転レンズ614は、互いに一体的に組み合わせて構成され、これにより、回転カバー613の回転操作に連動して、回転レンズ614および回転ハウジング611が共に回転する。また、上記した発光手段612a(例えば、LED等)は、ジョグダイヤル電飾基板612に構築されており、当該ジョグダイヤル電飾基板612は、固定ベース604に搭載された状態で、ベース部材600上に固定されるようになっている。
この場合、発光手段(LED)612aが構築されたジョグダイヤル電飾基板612、回転レンズ614、回転カバー613は、上記した演出実行手段として構成することが可能であり、そうすると、遊技の状態に応じて、当該発光手段(LED)612aから発せられた光を回転レンズ614に照射することで、回転カバー613から美観に優れた例えば放射光や拡散光などを遊技状態に合わせて発生させることができる。
また、回転操作状態検知手段の一例としては、検知片(検知部材ともいう)615(図41参照)を回転ハウジング611に設けるとともに、回転ハウジング611とともに回転する当該検知片615を検知するためのセンサ616(図40参照)をジョグダイヤル電飾基板612に設けることで構成することができる。なお、検知片615は、回転ハウジング611のうちジョグダイヤル電飾基板612に対向する表面611fに設けられ、当該回転ハウジング611の回転中心に対して同心円状に、かつ周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で複数個配列されている。
一方、センサ616は、ジョグダイヤル電飾基板612のうち回転ハウジング611の表面611fに対向する裏面612tにおいて、回転ハウジング611とともに回転する各検知片615が通過可能な位置に沿って、周方向に2つ設けられており、各センサ616を検知片615が通過したことを検知することで、回転ハウジング611の回転状態(すなわち、回転操作手段の回転操作状態)を正確に検知することができる。
なお、センサ616による検知方法の一例としては、発光素子616aと、発光素子616aから発せられた光を受光する受光素子616bとを対向配置させて各センサ616を構成すればよい。これにより、各センサ616において、発光素子616aと受光素子616bとの間を通過した検知片615の例えば通過個数や通過タイミング等を検知することで、回転操作手段(回転カバー613)の回転方向や回転速度などを正確に検知することができる。
このような回転操作機構601において、回転ハウジング611の裏面611t(検知片615が設けられた表面611fとは反対側の面)には、複数の球状部材610を1つずつ回転自在に保持する保持部611hが、周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)に設けられ(図42参照)、一方、ベース部材600には、回転ハウジング611の裏面611tに対向する対向面600fにおいて、上記した保持部611hに保持された球状部材610が転動可能な転動面600sが、周方向に沿って円環状に連続して設けられている(図43参照)。
これにより、複数の球状部材610は、回転ハウジング611のうち検知片615が設けられた表面611fとは反対側の裏面611tに接触しつつ、ベース部材600との間に沿って転動する。なお、複数の球状部材610を1つずつ回転自在に保持する保持部611hに代えて、周方向に沿って円環状に連続した保持部(図示しない)を構成し、当該円環状の保持部全体に亘って複数の球状部材610を連続的に配列させるようにしてもよい。また、転動面600sについては、ここに潤滑剤を塗布し、球状部材610の転動性を向上させるようにしてもよい。
以上、回転操作手段(回転ハウジング611)とベース部材600との間に、当該回転操作手段(回転カバー613)の回転操作に追従して回転する複数の球状部材610を介在させたことで、当該球状部材610を介在させない場合に比べて、回転操作手段における回転操作性を飛躍的に高めることができる。これによれば、当該回転操作手段の回転操作に際し、何らの違和感を覚えることなく円滑(スムーズ)に行うことができるため、遊技者は遊技にのみ集中することが可能となり、その結果、遊技に対する興趣を低下させることはない。
さらに、1つの部材(回転ハウジング611)に対し、円滑(スムーズ)に回転操作手段を回転させるための構成(球状部材610が回転可能に接触する裏面611t)と、回転操作手段の回転操作状態を検知するための構成(回転操作状態検知手段の検知片615が設けられた表面611f)とを備えるようにしたことで、回転操作手段に要する部品点数を削減することができるため、その分だけ当該回転操作手段の低コスト化を図ることができるとともに、これによる当該回転操作手段のコンパクト化(省スペース化)を図ることができる。
ところで、上記したような操作ユニット9は、図44〜図45に示すように、ベース部材600上に回転操作機構601と押圧操作機構602とを組み付けて一体化させた状態で、所定の取付機構を介して、パチンコ遊技機に着脱自在に搭載させることができるようになっており、これにより、当該操作ユニット9を構成する上記した操作手段(押圧操作手段、回転操作手段)を当該パチンコ遊技機に着脱自在に取り付けることができる。
ここで、操作ユニット9の搭載場所については、例えば遊技者が操作し易い部位を含めて、パチンコ遊技機の使用目的や使用環境などに応じて設定されるため、特に限定されるものではないが、図44〜図45では一例として、表枠3を構成する上皿上部カバー8aに対して、操作ユニット9を着脱自在に設ける場合を想定する。
取付機構は、上皿上部カバー8aを貫通して形成され、操作ユニット9を挿入配置させることが可能な取付用孔617と、上皿上部カバー8aの裏面(背面)側において、取付用孔617を挟んでその両側に対向して設けられた一対の取付用ボス618と、当該操作ユニット9に設けられ、当該操作ユニット9を上皿上部カバー8aの裏面(背面)側から取付用孔617に挿入配置させた状態で、一対の取付用ボス618を介して、当該操作ユニット9を上皿上部カバー8aに着脱自在に固定させる固定手段とを備えている。
この場合、一対の取付用ボス618は、上皿上部カバー8aの裏面(背面)側から立ち上げられた軸部618aと、軸部618aの先端に設けられ、軸部618aよりも拡大した頭部618bとを備えている。なお、取付用ボス618としては、例えば、一般的なネジを軸部618aとし、当該軸部618aよりも拡大したワッシャを頭部618bとして構成することができる。また、取付用孔617の形状や大きさ等は、ここに挿入配置させる操作ユニット9(押圧操作手段、回転操作手段)の形状や大きさ等に応じて設定されるため、特に限定しない。
また、固定手段の配置については、例えば、上記した操作ユニット9(押圧操作手段、回転操作手段)に直接構築してもよいし、或いは、当該操作ユニット9(押圧操作手段、回転操作手段)をベース部材600上に組み付けて一体化させた状態における当該ベース部材600に構築してもよい。ここでは一例として、ベース部材600に固定手段が構築された場合を想定する。
図38、図43、図45に示すように、固定手段は、操作ユニット9(ベース部材600)の両側に対向して貫通形成され、操作ユニット9(具体的には、回転操作手段)の回転方向に沿って円弧状に延在し、かつ、一対の取付用ボス618の軸部618aを挿通させた状態で、その両端まで移動させることが可能な一対の固定用長孔619と、一対の固定用長孔619の一端側に形成され、一対の取付用ボス618の頭部618bを挿脱させることが可能な頭部挿脱部619aと、一対の固定用長孔619の他端側に形成され、一対の取付用ボス618の頭部618bを挿脱させることが不可能な頭部抜け止め部619bとを備えている。
かかる固定手段によれば、まず、操作ユニット9をその回転操作機構601および押圧操作機構602側から取付用孔617に挿入しつつ、一対の取付用ボス618の頭部618bを、一対の固定用長孔619の一端側の頭部挿脱部619aに同時に挿入し(図45参照)、その状態で、操作ユニット9(具体的には、ベース部材600)を一方向に回転させて、一対の取付用ボス618の軸部618aを一対の固定用長孔619の他端側まで移動させる。このとき、一対の取付用ボス618の頭部618bは、頭部抜け止め部619bによって抜け止めされた状態となり、その結果、操作ユニット9(ベース部材600)を一対の取付用ボス618に対して抜け止め固定させることができる。これにより、操作ユニット9は、回転(押圧)操作可能にベース部材600で支持された状態で、一対の取付用ボス618を介して、上皿上部カバー8aに対して抜け止め固定される。
これに対して、操作ユニット9が一対の取付用ボス618に対して抜け止め固定された状態において、まず、操作ユニット9(具体的には、ベース部材600)を他方向に回転させて、一対の取付用ボス618の軸部618aを一対の固定用長孔619の一端側まで移動させる。このとき、一対の固定用長孔619の頭部挿脱部619aを介して、一対の取付用ボス618の頭部618bが挿脱可能な状態とる。これにより、操作ユニット9(ベース部材600)は、一対の取付用ボス618から取り外し可能となる。
以上、一対の取付用ボス618と固定手段(固定用長孔619)とを用いた取付機構によれば、上皿上部カバー8aに対する操作ユニット9(押圧操作手段、回転操作手段)の取付作業および取外作業をワンタッチで、簡単かつ短時間に行うことができる。なお、当該取付機構では、従来では必要であった取付ネジ等の部材が一切不要となるため、その分だけ遊技機の製造コストを削減することができるとともに、操作ユニット9の取付性および取外性を飛躍的に向上させることができる。
さらに、上記した表枠3(表枠ベース板3a)の表面に備えられる皿ユニット8には、上皿上部カバー8aを囲むように、上皿構成部材(上皿左飾り17a、上皿前飾り17c、上皿本体17pのほかに、特に図示しないが例えば、上皿を装飾する装飾部材や、上皿下部カバーなど)が備えられており、上皿構成部材は、表枠3の裏面(背面)側から固定されているため、表枠3を本体枠2から開けた状態でなければ、表枠3から取り外すことができない。従って、上皿上部カバー8aに対する操作ユニット9の取付・取外作業を行う場合、表枠3を開けた状態で、当該上皿構成部材を全て取り外した後でなければ、上皿上部カバー8aに対する操作ユニット9の取付・取外作業を行うことができない。これにより、遊技者側からの不正なアクセスによって、操作ユニット9を簡単に取り外すことはできない。
ここで、上皿上部カバー8aに対する操作ユニット9の取付・取外作業としては、例えば、表枠3を開けた状態で上皿構成部材を全て取り外し、上皿上部カバー8aのみを残留させた後、当該上皿上部カバー8aの裏面側から操作ユニット9(回転操作機構601、押圧操作機構602)を取付用孔617に挿入して取り付けるようにしてもよいし、或いは、上皿上部カバー8aを表枠3の表面(前面)(図1〜図2参照)から差し込んで、その差込先端8p(図44〜図45参照)を表枠3の裏面(背面)側から固定(例えば、ビス止め、係止など)する構成とし、操作ユニット9の取付・取外に際し、表枠3を開いた状態で上皿構成部材とともに上皿上部カバー8aも取り外した後に、当該上皿上部カバー8aに対して、上記同様の方法により操作ユニット9を着脱させるようにしてもよい。なお、上皿構成部材の一部又は全部を表枠3の表面(前面)側から固定するようにしてもよい。
<右側装飾部材における導光板の押え部材について>
図46に示すように、右側装飾部材15(右上レンズ15a、右中レンズ15b、右パネルカバー15c)には、その内方に、端面700tより入れた光を均一に面発光させる導光板700と、光を反射させるリフレクタ701と、導光板700の端面700tに向けて光を照射する第1発光手段702a、および、リフレクタ701に向けて光を照射する第2発光手段702bを有する発光基板702と、導光板700およびリフレクタ701と、発光基板702との間に位置するとともに、導光板700に当接させることで、導光板700を位置決め固定させ、その端面700tを第1の発光手段702aに対向させる押え部材703とを備えている。
かかる右側装飾部材15において、発光基板702は、2つの基板部材702−1,702−2から構成され、押え部材703も、2つの押え部材703−1,703−2から構成されている。これに合わせて、上記した導光板700は、2つ用意されており、これら2つの導光板700は、その端面700tを第1発光手段702aに対向させるべく、当該第1発光手段702aに平行かつ一方向に整列させて構成されている。かかる構成において、当該各導光板700は、反射シート704と透光性を有する右パネルユニットとの間に挟持(サンドイッチ)された状態で、その反射シート704側に位置させた右側ステイ705の一方側面に支持されるようになっている。
具体的には、右パネルユニットは、その導光板700側から順に右パネルシート706と、所定のデザインが施された右パネルカバー15cと、右パネルカバー15cを覆う右サイドフレーム707を備えて構成されている。かかる構成において、右サイドフレーム707を右側ステイ705に取り付けることで、当該右サイドフレーム707と右側ステイ705の一方側面との間に、上記した反射シート704、各導光板700、右パネルシート706、右パネルカバー15cが互いに密接して積層した状態で収容される。
この場合、第1の発光手段702aから各導光板700の端面700tに光を照射すると、その光は各導光板700に沿って均一に面状に広がった後、反射シート704によって反射されることで、各導光板700から右パネルユニットに向けて面状に発光する。そして、かかる面状の光が、右パネルシート706から右パネルカバー15cを通過することで、右パネルカバー15cに施されたデザインを、光による表示態様によって右サイドフレーム707から発生表示させることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、当該右側装飾部材15において、右側ステイ705の他方側面(導光板700が支持される側とは反対側の面)には、上記したリフレクタ701が支持されるようになっている。なお、右側ステイ705に対するリフレクタ701の支持方法としては、例えば、接着、ビス止めなど既存の方法を適用すればよい。これにより、当該リフレクタ701を囲むように、上記した右上レンズ15aおよび右中レンズ15bを対向させることができる。
この場合、第2発光手段702bからリフレクタ701に光を照射すると、当該リフレクタ701からランダムに反射した光が右上レンズ15aおよび右中レンズ15bを通過することで、美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができ、これにより、光による表示態様に変化を与えることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
ところで、上記した第1及び第2発光手段702a,702bとして、例えば複数のLED708を適用した場合、第2発光手段702bでは、発光基板702の側面(リフレクタ701側の面)に亘って複数のLED708を任意に点在させればよいが、第1発光手段702aでは、各導光板700の端面700tに沿って光を照射させるべく、複数のLED708を一方向に整列させる必要がある。この場合、各導光板700の端面700tと複数のLED708とをズレ無く対向させることが求められる。
そこで、右側装飾部材15には、各導光板700を位置決め固定して、その端面700tを第1の発光手段702a(すなわち、一方向に整列させた複数のLED708)に対向させる押え部材703が設けられている。なお、図面には、押え部材703の一例として、導光板700の端面700t近傍の側面に沿って延出させた矩形状のものが示されているが、これに限定されることはなく、導光板700の端面700t近傍の側面に沿って当接して位置決めできるような形状であればよい。
これによれば、図47に示すように、押え部材703を導光板700の端面700t近傍の側面に当接させ、その状態で、当該押え部材703の取付部703aを右側ステイ705に固定することで、当該導光板700の端面700t近傍の側面は、当該押え部材703と右側ステイ705との間で挟持された状態となる。これにより、導光板700の端面700t近傍の側面が位置決めされ、その結果、その端面700tを複数のLED708の整列方向に沿って正確かつズレ無く対向させることができる。
この場合、押え部材703は、当該押え部材703を導光板700に当接させた状態において、その一部が光の照射経路を覆うように各導光板700の端面700tよりも突出させることが好ましい。そうすることで、第1の発光手段702a(一方向に整列させた複数のLED708)から発せられた光を、各導光板700の端面700tに向けて漏れなく照射させることができる。なお、押え部材703を突出させる形状や大きさについては、例えば、各導光板700の端面700tと第1の発光手段702a(一方向に整列させた複数のLED708)との間の隙間の寸法や構成などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
ところで、右側装飾部材15としては、上記したものに限定されることはなく、例えば図49に示すような構成としてもよい。すなわち、図49の右側装飾部材15において、右側ステイ710の一方側面と右サイドフレーム711との間には、右側ステイ710側から順に、反射シート712、2枚整列した導光板713、所定のデザインが施された右パネルシート714、右パネルカバー715を積層配置させる。また、右側ステイ710の他方側面に対して、光を反射させるリフレクタ716、導光レンズ717、導光板713の端面713tに向けて光を照射する第1発光手段718a、および、リフレクタ716と導光レンズ717に向けて光を照射する第2発光手段718bを有する発光基板718を対向配置させる。なお、当該右側装飾部材15において、導光レンズ717は、2つのレンズ部材717−1,717−2から構成され、発光基板718も、2つの基板部材718−1,718−2から構成されている。
かかる構成において、第1の発光手段718aから各導光板713の端面713tに光を照射すると、その光は各導光板713に沿って均一に面状に広がった後、反射シート712によって反射されることで、各導光板713から面状に発光する。このとき、当該面状の光が右パネルシート714から右パネルカバー715を通過することで、右パネルカバー715に施されたデザインを光による表示態様によって右サイドフレーム711から発生表示させる。
また、第2発光手段718bからリフレクタ716および導光レンズ717に光を照射すると、当該リフレクタ716および導光レンズ717からランダムに反射した光が右アウターレンズ719および右インナーレンズ720を通過することで、美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させる。
ここで、上記した第1及び第2発光手段718a,718bとして、例えば複数のLED721を適用した場合、第2発光手段718bでは、発光基板718の側面(リフレクタ716側の面)に亘って複数のLED721を任意に点在させればよいが、第1発光手段718aでは、各導光板713の端面713tに沿って光を照射させるべく、複数のLED721を一方向に整列させる必要がある。この場合、各導光板713の端面713tと複数のLED721とをズレ無く対向させることが求められる。
そこで、図49に示された右側装飾部材15にも、各導光板713を位置決め固定し、その端面713tを第1の発光手段718a(すなわち、一方向に整列させた複数のLED721)に対向させる部材が設けられているが、かかる部材としては、図46に示された右側装飾部材15に用いられた押え部材703(2つの押え部材703−1,703−2から構成されている押え部材)をそのまま再利用することができる。
これによれば、押え部材703を導光板713の端面713t近傍の側面に当接させ、その状態で、当該押え部材703の取付部703aを右側ステイ710に固定することで、当該導光板713の端面713t近傍の側面は、当該押え部材703と右側ステイ710との間で挟持された状態となる。これにより、導光板713の端面713t近傍の側面が位置決めされ、その結果、その端面713tを複数のLED721の整列方向に沿って正確かつズレ無く対向させることができる。
以上、右側装飾部材15の押え部材703によれば、当該右側装飾部材15の発光表示態様を変更する場合、例えばリフレクタ701の形状や発光基板702の構成を変更しても、さらには、右側装飾部材15自体をモデルチェンジしても(図46、図49参照)、従前に使用していた押え部材703を、そのまま再利用することができるため、当該変更に要するコストの上昇を抑えることができる。
また、押え部材703の一部を、光の照射経路を覆うように各導光板700の端面700tよりも突出させることで、第1の発光手段702a(一方向に整列させた複数のLED708)から発せられた光の全てを漏れなく導光板700の端面700tに照射させることができるため、高精度で見映えの良い優れた発光表示態様を実現することができる。
この場合、図48に示すように、上記した押え部材703−2に、発光基板702−1及び702−2に亘って延在する配線709(例えば、コード、ハーネス)を保持する保持部703bを設けることが好ましい。これによれば、発光基板702−1及び702−2に亘って延在する配線709がばらけることを防止することができるため、当該配線709が他の部材に絡まったり、引っ掛かったりするといった不具合の発生を未然に防止することができる。
なお、上記した実施形態において、押え部材703、発光基板702,718、導光レンズ717として、2つの部材から構成されたものを想定したが、これに限定されることはなく、押え部材703、発光基板702,718、導光レンズ717を、それぞれ、単体で構成してもよいし、或いは、3つ以上の部材を組み合わせて構成してもよい。また、押え部材703−1に保持部703bを設けるようにしてもよい。
<パトランプ役物について>
図50〜図53に示すように、パトランプ役物は、表枠開口部(図1〜図2)の上側に設けられたトップ飾り14に内蔵されており、光を発する発光手段800と、光を反射する反射面部801a,801bを有し、発光手段800の周囲を旋回することで、当該反射面部801a,801bが当該発光手段800の前方および後方に変位可能な第1の可動装飾部材801と、光を反射する反射面部802a,803aを有し、第1の可動装飾部材801の両側のうち、少なくともいずれか一方に、第1の位置(図50参照)と、第2の位置(図51参照)とに変位可能な第2の可動装飾部材802,803と、発光手段800から発せられた光を反射する反射面部804aを有し、発光手段800の後方に設けられた後方装飾部材804とを備えている。
ここで、発光手段800、第1および第2の可動装飾部材801、802,803、後方装飾部材804は、トップ飾り14内に構築されたトップ飾りベース805に対して吊り下げられた状態で構成配置されている。また、発光手段800としては、例えば、市販の電球や発光素子(LED等)を適用すればよい。さらに、第2の可動装飾部材は、ここでは一例として、第1の可動装飾部材801の両側に、第2の右側可動装飾部材802、第2の左側可動装飾部材803として設けられている。なお、右側および左側とは、遊技者側から見た場合における左右方向に基づいて規定されている。
第1の可動装飾部材801において、上記した反射面部801aおよび801bは、当該第1の可動装飾部材801を構成する外側反射部材801tおよび内側反射部材801sにそれぞれ設けられている。外側反射部材801tおよび内側反射部材801sは、発光手段800を一部囲むような半円弧形状を成しており、内側反射部材801sは、発光手段800に対向配置され、外側反射部材801tは、内側反射部材801sの外側に対向配置された状態で、共に、発光手段800の周りを同心状に回転する回転台806に固定されている。
この場合、上記した反射面部801bは、内側反射部材801sのうち、発光手段800に対向する部分(すなわち、第1の可動装飾部材801の内側部分)に設けられ、発光手段800から発せられた光を反射する内側反射面部801bとして構成されている。
一方、上記した反射面部801aは、外側反射部材801tのうち、内側反射部材801sとは反対側の部分(すなわち、第1の可動装飾部材801の外側部分)に設けられ、後述する発光手段(LED)809から発せられた光等を反射する外側反射面部801aとして構成されている。なお、当該各反射面部801a,801bには、光による演出効果を高めるべく、反射光の向きや角度に変化を与えるための例えば高低差(段差)や凹凸などを施すことが好ましい。
かかる構成によれば、回転台806を回転させると、これに伴って、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)を発光手段800の周囲に沿って旋回させることができ、その結果、当該各反射面部(外側反射面部801a、内側反射面部801b)を発光手段800の前方および後方に変位させることができる。この場合、発光手段800の発光中に、第1の可動装飾部材801が発光手段800の前方に変位すると、発光手段800から発せられた光は、内側反射部材801sの内側反射面部801bによって後方に反射された後、後方装飾部材804の反射面部804aから前方に向けて反射され、トップ飾り14から外部すなわち遊技者側に放出(発光)される。
これに対して、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)が発光手段800の後方に変位すると、発光手段800から発せられた光は、そのままトップ飾り14から外部(遊技者側)に放出(発光)される成分と、内側反射部材801sの内側反射面部801bによって前方に反射され、トップ飾り14から外部(遊技者側)に放出(発光)される成分とが重合する。このとき、放出(発光)される光は、上記した後方装飾部材804の反射面部804aから反射した光よりも比較的強い光となるため、発光手段800の発光中に、第1の可動装飾部材801を旋回させることで、トップ飾り14から外部(遊技者側)に、強い発光と弱い発光とを所定タイミングで繰り返すことができる。
第2の右側および左側可動装飾部材802,803は、その一端側(発光手段800から離間した部位)が回動軸807,808に支持されており、これら回動軸807,808を回動させることで、第1の位置(図49参照)と、第2の位置(図51参照)とに変位させることができる。また、第2の右側および左側可動装飾部材802,803には、それぞれ、遊技者側に対向する表面(前面)に反射面部802a,803aが設けられている。なお、各反射面部802a,803aには、光による演出効果を高めるべく、反射光の向きや角度に変化を与えるための例えば高低差(段差)や凹凸などを施すことが好ましい。
後方装飾部材804は、発光手段800の後方側を囲むような半円弧形状を成して固定され、発光手段800に対向する表面(前面)に反射面部804aが設けられている。なお、反射面部804aには、光による演出効果を高めるべく、反射光の向きや角度に変化を与えるための例えば高低差(段差)や凹凸などを施すことが好ましい。
このようなパトランプ役物においては、所定の条件が成立したことを契機に、発光手段800の発光、第1の可動装飾部材801の旋回、第2の右側および左側可動装飾部材802,803の第2の位置(図51参照)への移動が行われる。なお、所定の条件が成立する場合としては、現状の遊技状態から他の遊技状態(例えば、リーチ、大当り)に移行した場合などを想定することができる。
ここで、第2の右側および左側可動装飾部材802,803が第2の位置に変位した状態において(図51参照)、当該第2の右側および左側可動装飾部材802,803は、後方装飾部材804と隣接して位置付けられ、第2の右側および左側可動装飾部材802,803と後方装飾部材804との反射面部802a,803a,804aは、互いに連続した一連の後方反射面部を形成する。このとき、発光手段800から発せられた光は、第2の右側および左側可動装飾部材802,803と後方装飾部材804とのそれぞれの反射面部802a,803a,804aから反射可能となる。
この場合、発光手段800の発光中における第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)の旋回により、トップ飾り14から外部(遊技者側)に、強い発光と弱い発光とが所定タイミングで繰り返される中で、これに連動して、発光手段800から発せられた光が上記した一連の後方反射面部(802a,803a,804a)から反射されることで、トップ飾り14から外部(遊技者側)に向けて、光演出効果の高い美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができる。
これによれば、発光手段800による光演出と、第1の可動装飾部材801と第2の右側および左側可動装飾部材802,803との間に関連性を持たせることができるとともに、第2の右側および左側可動装飾部材802,803と後方装飾部材804との反射面部802a,803a,804aが互いに連続した一連の後方反射面部を形成することで、光による演出効果がさらに高められて、光による表示態様に変化を与えることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)が発光手段800の後方に旋回したとき、発光手段800から発せられた光の一部が内側反射部材801sによって遮光されるため、一連の後方反射面部(802a,803a,804a)への照射光量が減少し、これにより、一連の後方反射面部(802a,803a,804a)からの反射光量も減少するが、かかる光量の減少が、第1の可動装飾部材801の旋回タイミングに同期して繰り返されることで、当該トップ飾り14における光表示態様の変化をさらに向上(助長)させることができる。
また、パトランプ役物においては、所定の条件が成立していないときには、発光手段800の発光、および、第1の可動装飾部材801の旋回は行われない。このとき、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)が発光手段800の前方に位置するとともに、第2の右側および左側可動装飾部材802,803が第1の位置に位置することで(図50参照)、外側反射部材801tの外側反射面部801aと第2の右側および左側可動装飾部材802,803の反射面部802a,803aとは、互いに連続した一連の前方反射面部を形成する。
この場合、外側反射部材801tの外側反射面部801aと第2の右側および左側可動装飾部材802,803の反射面部802a,803aとが互いに連続した一連の前方反射面部を形成することで、当該装飾部材が可動しないものと思わせることができ、その後、所定の条件が成立したことを契機に、発光手段800からの発光、第1の可動装飾部材801の旋回、第2の右側および左側可動装飾部材802,803の第2の位置への移動が行われることで、遊技者に驚きを与えることができるため、演出効果を飛躍的に向上させることができ、これにより、さらに遊技の興趣を高めることができる。
ここで、トップ飾り14において、上記した一連の前方反射面部(801a,802a,803a)の遊技者側の領域に、一連の前方反射面部(801a,802a,803a)に沿って複数の発光手段809(例えば、LED)を設けることが好ましい。これにより、一連の前方反射面部(801a,802a,803a)が形成された状態において(図50参照)、当該各発光手段(LED)809を発光させることで、当該一連の前方反射面部(801a,802a,803a)から遊技者側に向けて、光演出効果の高い美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができる。
この場合、各発光手段(LED)809の発光タイミングとしては、上記した一連の後方反射面部(802a,803a,804a)が形成された状態で(図51参照)、当該各発光手段(LED)809を発光させることが好ましい。これにより、各発光手段(LED)809の発光とともに、発光手段800の発光中における第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)の旋回により、トップ飾り14から外部(遊技者側)に、強い発光と弱い発光とが所定タイミングで繰り返される中で、これに連動して、発光手段800から発せられた光が上記した一連の後方反射面部(802a,803a,804a)から反射されることで、トップ飾り14から外部(遊技者側)に向けて、光演出効果の高い美観に優れた例えば放射光や拡散光などを発生させることができる。
ところで、トップ飾り14には、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)の旋回、第2の右側および左側可動装飾部材802,803の第1および第2の位置への移動を行うための駆動機構が設けられているが、駆動機構については、トップ飾り14の使用目的や使用環境などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。なお、図52には、駆動機構の一例が示されており、当該駆動機構は、第1の可動装飾部材801(外側反射部材801t、内側反射部材801s)を旋回させるための第1の駆動機構と、第2の右側および左側可動装飾部材802,803を第1および第2の位置へ移動させるための第2の駆動機構とを備えている。
図52に示すように、第1の駆動機構は、第1のモータ810(図50〜図51参照)の回転軸(図示しない)に連結された増速ギヤ811と、第1の可動装飾部材801が固定された回転台806(図50〜図51参照)に連結された駆動プーリ812と、増速ギヤ811と駆動プーリ812との間に介在された2つの中継ギヤ813,814とを備えている。この場合、第1のモータ810の回転運動を増速ギヤ811から各中継ギヤ813,814を介して駆動プーリ812に伝達し、当該駆動プーリ812を回転させて、当該駆動プーリ812に連結された回転台806を回転させることで、第1の可動装飾部材801を旋回させることができる。
一方、第2の駆動機構は、第2のモータ815(図50〜図51参照)の回転軸(図示しない)に連結された駆動ギヤ816と、駆動ギヤ816の回転運動を第2の右側および左側可動装飾部材802,803の回動軸807,808に伝達して回動させる回動装置とを有し、回動装置は、第2の右側および左側可動装飾部材802,803の回動軸807,808寄りの部位に1つずつ設けられ、一方向に沿って往復移動可能な右側ラック817および左側ラック818と、右側ラック817と左側ラック818との間に亘って回転可能に延在された1本の回転シャフト819とを備えている。
回転シャフト819には、右側ラック817および左側ラック818に対向した部位に、周方向に沿って所定ピッチで右側ギヤ(図示しない)および左側ギヤ(図示しない)が形成されており、当該右側ラック817および左側ラック818には、右側ギヤおよび左側ギヤが歯合可能であって、かつ、一方向(往復移動方向)に沿って形成された第1右側歯部820(図53参照)および第1左側歯部(図示しない)が設けられている。なお、図53には、右側ラック817の第1右側歯部820の構成が示されているが、かかる構成は、左側ラックの第1左側歯部も同様であるため、図示は省略する。
また、右側ラック817および左側ラック818には、一方向(往復移動方向)に沿って所定ピッチで形成された第2右側歯部817gおよび第2左側歯部818gが設けられており、第2右側歯部817gおよび第2左側歯部818gは、それぞれ、中継ギヤ821,822を介して、上記した第2の右側および左側可動装飾部材802,803の回動軸807,808に連結されている。この場合、回動軸807,808には、当該回動軸807,808と共に回転可能な連結ギヤ823,824が構築されており、当該連結ギヤ823,824に上記した中継ギヤ821,822が連結されている。そして、右側ラックの第2右側歯部には、上記した駆動ギヤ816が歯合されている。
この場合、第2のモータ815の回転運動を、駆動ギヤ816を介して第2右側歯部817gに伝達し、右側ラック817を一方向に移動させるとともに、このとき、当該右側ラック817の第1右側歯部820(図53参照)に歯合した右側ギヤ(図示しない)を介して回転シャフト819を回転させ、そのときの回転運動を当該回転シャフト819の左側ギヤ(図示しない)を介して、左側ラック818の第1左側歯部(図示しない)に伝達し、左側ラック818を一方向に移動させることで、右側ラック817と左側ラック818の直線運動は、各中継ギヤ821,822および各連結ギヤ823,824を介して各回動軸807,808に伝達され、これにより、当該各回動軸807,808を回動させることで、当該各回動軸807,808に支持された第2の右側および左側可動装飾部材802,803を第1および第2の位置へ移動させることができる。