以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技盤正面図〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による遊技機の遊技盤ついて説明する。図1は、遊技盤の正面図である。
ここで、遊技機は、島設備に固定される本体枠にヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備えている。開閉枠は、遊技領域21を有する遊技盤20が交換可能に配設される前面枠と、前面枠の前方に配置され、遊技盤20の前面を覆うクリア部材を備えたクリア部材保持枠とで構成される。クリア部材は、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材であり、遊技盤20の遊技領域21を視認可能とする遊技視認領域として機能している。
前面枠及びクリア部材保持枠は、それぞれ個別に開放することが可能であり、クリア部材保持枠のみを開放することで、遊技盤20の遊技領域21にアクセスすることができる。また、前面枠をクリア部材保持枠が開放されていない状態で開放することで、遊技盤20の裏面側に配設された遊技制御装置100(図2参照)等にアクセスすることができる。
図1に示すように、遊技盤20は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体の表面に、区画部材としてのガイドレール21aを設けることで、略円形状の遊技領域21を区画形成している。そして、前面枠の右下部に配置される発射ハンドルを遊技者が回動操作することによって、遊技球が遊技盤20の遊技領域21に発射される。遊技球の発射速度は、発射ハンドルの回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。遊技領域21には、方向変換部材22として、風車22a、障害釘22b及び遊技盤20の前面に突設される突変換部22cが配設されており、発射された遊技球はこれらの方向変換部材22により転動方向を変えながら遊技領域21を流下する。
遊技領域21の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース23が取り付けられている。センターケース23に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置30が配置されている。表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース23の窓部を介して遊技盤20の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置30は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)31には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示領域(表示画面)31には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
センターケース23の右方の遊技領域21には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート24が配設される。普図始動ゲート24の内部には、該普図始動ゲート24を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)24a(図2参照)が設けられている。そして、遊技領域21内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート24内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース23の左下側には、二つの一般入賞口25が配置されている。また、センターケース23の右下側には、一つの一般入賞口25が配置されている。一般入賞口25への遊技球の入賞は、一般入賞口25に備えられた入賞口スイッチ(SW)25a〜25n(図2参照)によって検出される。
センターケース23の下方の遊技領域21には、遊技球が流入可能な流入口26を備え、流入口26から内部に流入した遊技球を左右に振り分ける球振り分け装置200が配設される。球振り分け装置200は、遊技球の入賞に基づき第1特別図柄(特図1)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な第1始動入賞穴261と、遊技球の入賞に基づき第2特別図柄(特図2)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な第2始動入賞穴262とを有する。なお、流入口26に流入した遊技球は、第1始動入賞穴261及び第2始動入賞穴262のどちらにも入賞することなく外部(遊技領域21)に流出する可能性もある。球振り分け装置200についての詳細は、図4〜図15にて後述する。
また、センターケース23の右下方であって球振り分け装置200の右上方の遊技領域21には、遊技球の入賞に基づき第2特別図柄(特図2)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な第2始動入賞口27が配設される。第2始動入賞口27は、その入賞口に遊技球が流入し易い状態と流入しにくい状態とに変換可能な可動部材(普通電動役物)27aを備えている。第2始動入賞口27の可動部材27aは、常時は第2始動入賞口27に遊技球が入賞しにくい状態若しくは入賞しない状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド27b(図2参照)によって、可動部材27aの態様が変換されて第2始動入賞口27に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材27aは、後述する遊技制御装置100(図2参照)によって制御される。遊技制御装置100は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態(電サポ状態、時短状態)を発生させる。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態には、通常遊技状態(通常状態)と特別な遊技状態とがある。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、前述の特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
さらに遊技領域21の第2始動入賞口27の下方には、センターケース23に大入賞口ソレノイド28b(図2参照)によって回動して横方向に開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉(特別電動役物)28aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置28が設けられている。特別変動入賞装置28は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ28d(図2参照)が配設されている。
また、センターケース23の窓部下方には、ステージ部23aが設けられる。センターケース23には、センターケース23の左側の遊技領域21を流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域21に向けて開口する流入口23dが設けられ、内部にワープ通路(図示省略)が配置される。そして、ステージ部23aには、ワープ通路を通過した遊技球が排出される。センターケース23のステージ部23aは、球振り分け装置200の流入口26の上方に配置されているため、ステージ部23a上で転動した遊技球が流入口26に流下しやすいように構成されている。また、ステージ部23aの後方には遊技球の落下防止のための壁部23bが立設されており、壁部23bには演出用のLEDランプからなる表示部23cが設けられている。表示部23cは、盤装飾装置170(図3参照)の一つとして演出制御装置150(図3参照)によって制御される。
また、遊技盤20の裏面には、動作時にセンターケース23の窓部から表示画面31の前方に出現可能な可動役物270(図29参照)やシャッター可動役物280(図35参照)が配設されている。これらの可動役物は、盤演出装置172(図3参照)として構成され、演出制御装置150(図3参照)によって制御される。
一般入賞口25、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262、第2始動入賞口27、及び特別変動入賞装置28の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置410(図2参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を遊技者に払い出す。また、球振り分け装置200の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口29が設けられている。
また、遊技盤20の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲーム)の特図の変動表示、特図入賞記憶数(特図1変動表示ゲーム及び特図1変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数(普図変動表示ゲームの始動記憶数)、及び大当りの決定ラウンド数等を表示する一括表示装置36が配設される。一括表示装置36は、遊技制御装置100(図2参照)によって制御される。
また、センターケース23の右下角部分には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲーム)の特図変動表示部及び特図入賞記憶数(特図1変動表示ゲーム及び特図1変動表示ゲームの始動記憶数)報知用の記憶表示部からなる飾り特図表示部35が配設される。飾り特図表示部35は、後述の盤装飾装置170(図3参照)の一つであり、演出制御装置150(図3参照)によって制御される。
ここで、本実施形態の遊技機における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本実施形態の遊技機では、遊技者によって発射ハンドルが回動操作され、遊技領域21に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域21内の各所に配置された突変換部22c、障害釘22bや風車22a等の方向変換部材22によって転動方向を変えながら遊技領域21を流下し、普図始動ゲート24、一般入賞口25、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262、第2始動入賞口27又は特別変動入賞装置28に入賞するか、遊技領域21の最下部に設けられたアウト口29へ流入し遊技領域21から排出される。そして、一般入賞口25、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262、第2始動入賞口27又は特別変動入賞装置28に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置410によって制御される払出ユニットから、遊技者に払い出される。
前述のように、普図始動ゲート24内には、該普図始動ゲート24を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ24a(図2参照)が設けられている。普図始動ゲート24は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域21内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート24内を通過すると、ゲートスイッチ24aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口27が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート24を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置36の始動入賞数報知用の普図始動記憶表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置36に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口27の一対の可動部材27aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口27に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート24への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口27は、内蔵されている普電ソレノイド27b(図3参照)が駆動されることにより、可動部材27aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口27への遊技球の入賞が許容される。
球振り分け装置200に設けられた第1始動入賞穴261への入賞球及び第2始動入賞穴262への入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動入賞穴スイッチ261a(図2参照)と第2始動入賞穴スイッチ262a(図2参照)によって検出される。第1始動入賞穴261に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞穴262に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図2参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、飾り特図表示部35及び一括表示装置36の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、表示装置30の表示画面31においても表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262又は第2始動入賞口27への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、飾り特図表示部35、一括表示装置36の特図1表示器又は特図2表示器)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示画面31にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示画面31における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示画面31では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262又は第2始動入賞口27への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示画面31の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置28は、大入賞口ソレノイド28b(図2参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、20秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置28に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態の遊技機は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されており、大当り時の特別結果態様(停止図柄)が特定の図柄等である場合には、大当り遊技状態後の遊技状態が時短状態となる。時短状態は、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)が所定回数(例えば100回)行われるまで継続される。時短状態中においては、遊技機は、遊技者が右打ちを行うように設定されている。
ところで、本実施形態の遊技機は、発生した始動記憶の順に消化される。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、入賞した順に特図変動表示ゲームが実行される。
また、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞穴261、第2始動入賞穴262又は第2始動入賞口27に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞穴261(第2始動入賞穴262又は第2始動入賞口27)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図2及び図3を参照して、遊技機に備えられる遊技制御装置100及び演出制御装置150について説明する。図2は、遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。図3は、演出制御装置150の構成を示すブロック図である。
図2に示す遊技制御装置100は、遊技機における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置100には、電源装置450、払出制御装置410、及び演出制御装置150が接続される。遊技制御装置100は、払出制御装置410や演出制御装置150に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置100には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置100は、各種演算処理を行うCPU部110と、各種信号の入力を受け付ける入力部120と、各種信号や制御信号を出力する出力部130とを備える。CPU部110、入力部120及び出力部130は、互いにデータバス140によって接続される。
入力部120は、遊技盤等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置410から出力される信号を受け付ける。この入力部120は、近接インターフェース(I/F)121及び入力ポート122、123を備える。
入力ポート122、123は、近接I/F121を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート122、123に入力した情報は、データバス140を介してCPU部110等に提供される。
近接I/F121は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート122に出力するインターフェースである。近接I/F121には、第1始動入賞穴スイッチ261a、第2始動入賞穴スイッチ262a、第2始動口スイッチ27d、ゲートスイッチ24a、入賞口スイッチ25a〜25n及びカウントスイッチ28dが接続される。
第1始動入賞穴スイッチ261aは、遊技球が第1始動入賞穴261に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動入賞穴スイッチ262aは、遊技球が第2始動入賞穴262に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ27dは、遊技球が第2始動入賞口27に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ24aは、遊技球が普図始動ゲート24を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ25a〜25nは、遊技球が一般入賞口25に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動入賞穴スイッチ261a、第2始動入賞穴スイッチ262a及び第2始動口スイッチ27dの検出信号は、入力ポート122に出力されるとともに、CPU部110の反転回路112を介して遊技用マイコン111に出力される。これは、遊技用マイコン111の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ28dは、遊技球がそれぞれ特別変動入賞装置28の大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ28dによって遊技球の入賞が検出されると、大入賞口に入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置100に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F121への入力信号の電圧は、通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F121によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F121は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
なお、近接I/F121に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F121に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F121はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、入力ポート122には磁気センサスイッチ32a及び振動センサスイッチ32bからの信号が直接入力され、入力ポート123には前面枠開放検出スイッチ(SW)4e及びクリア部材保持枠開放検出スイッチ(SW)5dからの信号が直接入力される。入力ポート123には、払出制御装置410からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ32aは、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ32bは、遊技機を振動させる不正行為を検出するために遊技機の振動を検出する。
前面枠開放検出SW4eは、前面枠が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW4eは、前面枠が本体枠から開放されるとオンに設定され、前面枠が本体枠に閉止されるとオフに設定される。
クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠が開放されたことを検出する。クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠が前面枠から開放されるとオンに設定され、クリア部材保持枠が前面枠に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置100のCPU部110は、遊技用マイコン111と、反転回路112と、水晶発振器113とを備える。
遊技用マイコン111は、CPU111a、ROM111b、及びRAM111cを有しており、入力部120を介して入力された信号に基づいてROM111bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン111は、出力部130を介して、一括表示装置36、普電ソレノイド27b、大入賞口ソレノイド28b、演出制御装置150、及び払出制御装置410に制御信号を送信し、遊技機を統括的に制御する。遊技用マイコン111は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM111bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM111cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路112は、近接I/F121を介して入力された信号(第1始動入賞穴スイッチ261a、第2始動入賞穴スイッチ262a及び第2始動口スイッチ27dからの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン111に出力する。
水晶発振器113は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置100の出力部130は、ポート131a〜131eと、バッファ132a、132bと、ドライバ133a〜133dと、フォトカプラ134とを備える。
ポート131a〜131eは、データバス140を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ132a、132bは、データバス140やポート131a、131bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ133a〜133dは、ポート131c〜131eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ134は、外部の検査装置143に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ134と検査装置143との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置410には、ポート131aを介してパラレル通信によってCPU部110から出力された情報が送信される。払出制御装置410に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート131aから払出制御装置410の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置410は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置410は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置100に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置150には、出力部130のポート131aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート131bからの8bitのデータ信号がバッファ132aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ132aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ132aは、演出制御装置150から遊技制御装置100に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置150に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
普電ソレノイド27b、大入賞口ソレノイド28bには、ポート131c及びドライバ133aを介して、CPU部110から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28bは特別変動入賞装置28の開閉扉28a(図1参照)を回動させ、普電ソレノイド27bは第2始動入賞口27の可動部材27aを開状態に動作させる。
一括表示装置36は、前述したように遊技盤20の右下方に配設され、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図や特図の始動記憶、大当りの決定ラウンド等を表示する表示器で構成されている。一括表示装置36のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ133cに接続し、このドライバ133cとポート131dとが接続している。一括表示装置36のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ133bと接続し、このドライバ133bとポート131cとが接続している。一括表示装置36のLEDのアノード端子にはドライバ133cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置36のLEDのカソード端子からはドライバ133bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子142は、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート131e及びドライバ133dを介して外部情報端子142に出力される。
遊技制御装置100は、中継基板141を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、、第1始動入賞穴スイッチ261a、第2始動入賞穴スイッチ262a、第2始動口スイッチ27d、ゲートスイッチ24a、入賞口スイッチ25a〜25n及びカウントスイッチ28dからの信号や、普電ソレノイド27b及び大入賞口ソレノイド28bに出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置100は、入力部120に設けられるシュミット回路124を介して、電源装置450に接続している。シュミット回路124は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路124には、電源装置450からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置450は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部460と、遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部465と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部480とを備える。
バックアップ電源部465は、遊技用マイコン111のRAM111cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置100は、停電復旧後、RAM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部480は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部480から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路124を経由して、入力部120の入力ポート123に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路124を経由して、遊技用マイコン111及び出力部130の各ポート131a〜131eに入力する。遊技制御装置100は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部110の動作を停止させる。
制御信号生成部480は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部480から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路124を介して、入力部120の入力ポート123に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン111のRAM111c及び払出制御装置410のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図3に示す演出制御装置150は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)151と、主制御用マイコン151の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)152と、映像制御用マイコン152からのコマンドやデータに従って表示装置30への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)157と、各種メロディや効果音等を上スピーカ8a及び下スピーカ8bから再生させる音源LSI158とを備える。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)154、155がそれぞれ接続され、VDP157にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM156が接続され、音源LSI158には音声データが記憶された音声ROM159が接続されている。主制御用マイコン151は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン152へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI158への再生音の指示、LED等の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152の作業領域を提供するRAM151a、152aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM151a、152aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152との間、主制御用マイコン151と音源LSI158との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン151とVDP157との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP157には、画像ROM156から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)157a、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ157b、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置30へ送信する映像信号を生成する信号変換回路157cが設けられる。
VDP157から主制御用マイコン151へは、表示装置30の映像と、前面枠や遊技盤20に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP157から映像制御用マイコン152へは、VRAM157aへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン152からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン152から主制御用マイコン151へは、映像制御用マイコン152が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン151と音源LSI158との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン152には、主制御用マイコン151よりも高速なCPUが使用されている。主制御用マイコン151とは別に映像制御用マイコン152を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン151のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置30に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン152と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)153を備えている。演出制御装置150は、コマンドI/F153を介して、遊技制御装置100から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置150の主制御用マイコン151はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F153には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置150には、センターケースや遊技盤に設けられるLED等を含む盤装飾装置170を制御する盤装飾LED制御回路161、前面枠等に設けられるLED等を含む枠装飾装置171を制御する枠装飾LED制御回路162、表示装置30における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等を含む盤演出装置172を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163、枠演出装置173を駆動制御する枠演出モータ制御回路164が設けられている。これら制御回路161〜164は、アドレス/データバス160を介して主制御用マイコン151に接続されている。
また、演出制御装置150には、演出ボタンが操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ(SW)174や可動役物の位置等を検知する演出役物検出スイッチ175などを検出して主制御用マイコン151へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路165、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路166、167が設けられている。
さらに、演出制御装置150には、リアルタイムクロック(RTC)181が設けられる。リアルタイムクロック(RTC)181は、リアルタイムクロック手段として機能し、これに電力を供給する電池180(蓄電装置、電源手段)を有し、現在時刻を計時可能であり、主制御用マイコン151に時刻の信号を入力する。なお、電池180を内部電源としてリアルタイムクロック(RTC)181の内部に設けてもよい。
電源装置450の通常電源部460は、演出制御装置150及び当該演出制御装置150によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置30を駆動するためのDC12V、コマンドI/F153の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置450の制御信号生成部480により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン151、映像制御用マイコン152、VDP157、音源LSI158、各種制御回路161〜164に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置450は、映像制御用マイコン152の有する汎用のポートを利用して、VDP157に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン152とVDP157の動作の連携性を向上させることができる。
〔球振り分け装置〕
以下、図4〜図15を参照して、球振り分け装置200の構造について説明する。まず、図4は、球振り分け装置200の正面図である。図5は、球振り分け装置200の分解斜視図である。
図4に示すように、球振り分け装置200は、図1に示す前装飾を省略した状態では、クリア部材からなるカバー部材210が取付ベース部材220の前面を被覆している。球振り分け装置200の中央上端には、遊技領域21を流下する遊技球を取り込む流入口26が上方に開口して設けられる。カバー部材210がクリア部材なので、遊技者は前装飾の後方に流入口26に流入した遊技球が流下する様を視認することが可能である。
また、カバー部材210の前面には、流入口26に流入した遊技球が左(第1方向)及び右(第2方向)のどちらに振り分けられるか遊技者が確認可能な左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212が形成される。左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212は、それぞれ流入口26の左右下方に設けられる円形状の貫通穴である。遊技者は、左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212のどちらが発光しているかに応じて振り分け状態を認識することができる。例えば、流入口26に流入した遊技球が左に振り分けられる場合は、左状態確認開口部211が発光する。球振り分け装置200は、取付ベース部材220の後方に発光機能を備える。
図5に示すように、球振り分け装置200は、カバー部材210と、カバー部材210が取り付けられる取付ベース部材220と、取付ベース部材220が取り付けられるベース裏部材230とから筐体を構成する。
球振り分け装置200は、取付ベース部材220の前方にカバー部材210が取り付けられ、カバー部材210と取付ベース部材220との間に遊技球の流下先を振り分け可能な振り分け機能を備える。取付ベース部材220の前面には、遊技球を左右に振り分ける振り分け部材240と、遊技球を振り分け先に誘導する誘導部材250とが取り付けられる。また、取付ベース部材220には、振り分け先として前後に貫通して設けられる第1始動入賞穴261及び第2始動入賞穴262が形成されている。
球振り分け装置200は、取付ベース部材220の後方にベース裏部材230が取り付けられ、取付ベース部材220とベース裏部材230との間に発光機能と第1始動入賞穴261及び第2始動入賞穴262を通過した遊技球を検出する検出機能と検出した遊技球を外部に排出する排出機能とを備える。
球振り分け装置200は、ベース裏部材230の前面にLEDが配設されたT字状の装飾基板233が設けられる。取付ベース部材220には、前述の左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212に対応する取付ベース側左状態確認開口部223及び取付ベース側右状態確認開口部224(図11参照)が形成されており、装飾基板233のLEDの発光が左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212に届く。
球振り分け装置200は、取付ベース部材220の後面に取付ベース部材220の前方左側を流下して第1始動入賞穴261に入賞した遊技球を検出する検出手段としての第1始動入賞穴スイッチ261aが配設される。同様に、取付ベース部材220の前方右側を流下して第2始動入賞穴262に入賞した遊技球を検出する検出手段としての第2始動入賞穴スイッチ262aが配設される。ベース裏部材230には、第1始動入賞穴スイッチ261a及び第2始動入賞穴スイッチ262aを通過した遊技球を外部に排出する左排出口231及び右排出口232が形成されている。
したがって、球振り分け装置200の流入口26に流入した遊技球は、振り分け部材240及び誘導部材250によって左右どちらかに誘導され、第1始動入賞穴261又は第2始動入賞穴262に流入する。第1始動入賞穴261又は第2始動入賞穴262に流入した遊技球は、第1始動入賞穴スイッチ261a又は第2始動入賞穴スイッチ262aによって検出され、後方の左排出口231又は右排出口232から外部に排出される。
以下、図6〜図11を参照して、球振り分け装置200の振り分け機能についての詳細を説明する。
図6は、球振り分け装置200のカバー部材210の裏面図である。図7は、球振り分け装置200の取付ベース部材220の正面図である。
カバー部材210の裏面には、左球側壁213、右球側壁214、左球流下樋215及び右球流下樋216が後方に向かって突設される。そして、左球側壁213、右球側壁214、左球流下樋215及び右球流下樋216の後端面には、それぞれ取付部217a〜217dが設けられる。取付部217a〜217dは、取付ベース部材220の被取付部225a〜225dに取り付けられる。被取付部225a〜225dは、取付ベース部材220の前面に設けられ、取付穴と位置決めの突設リブからなる。
左球側壁213及び右球側壁214は、上端で流入口26を構成し、流入口26の直下に配置される振り分け部材240の左右を遊技球が流下可能なように下方に向かって拡がるように設けられている。左球流下樋215及び右球流下樋216は、取付ベース部材220の第1始動入賞穴261及び第2始動入賞穴262に対応して設けられる。
また、左球側壁213、右球側壁214、左球流下樋215及び右球流下樋216で囲われるカバー部材210の裏面には、流入口26に流入した遊技球を第1始動入賞穴261又は第2始動入賞穴262に誘導するための流路構成凸部218が形成されている。取付ベース部材220の前面には、振り分け部材240によって振り分けられた遊技球を第1始動入賞穴261に誘導するための左球誘導リブ221が突設されている。同様に、第2始動入賞穴262に誘導するための右球誘導リブ222も突設されている。
なお、左球側壁213と左球流下樋215とは連続しておらず、左球側壁213の下端と左球流下樋215の外側端との隙間は距離T1が確保されている。同様に、右球側壁214と右球流下樋216とは連続しておらず、右球側壁214の下端と右球流下樋216の外側端との隙間は距離T2が確保されている。また、左球流下樋215の内側端と右球流下樋216の内側端との隙間は距離T3が確保されている。ここで、距離T1、T2、T3は何れも遊技球の直径よりも大きい。これにより、流入口26に流入した遊技球は、振り分け部材240によって左右に振り分けられた後、第1始動入賞穴261又は第2始動入賞穴262に入賞しない場合もあり得る。球振り分け装置200の上端の流入口26に流入した遊技球は、下方に拡がって左から順に設けられる隙間T1、左球流下樋215、隙間T3、右球流下樋216及び隙間T2の何れかに流下する。また、流入口26ではなく隙間T1〜T3から遊技球が球振り分け装置200内部に流入する場合もあり得る。
このように、球振り分け装置200では、遊技球が流入口26に流入した時点では遊技球の入賞が確定されず、遊技球が第1始動入賞穴261又は第2始動入賞穴262に流入した時点で入賞が確定する。
続いて、図8は、前述の図7における領域Aの拡大図である。図9は、球振り分け装置200の振り分け部材240の正面斜視図である。図10は、球振り分け装置200の振り分け部材240の裏面斜視図である。図11は、振り分け部材240及び誘導部材250を取り外した取付ベース部材220の正面図である。
図8に示すように、振り分け部材240は、取付ベース部材220の振り分け部材取付凹部226に回動軸241を中心に回動可能に嵌め込まれ、初期位置は回動軸241を右回転に最大回動した状態である。
ここで、図11に示すように、取付ベース部材220には、振り分け部材240が取り付けられる振り分け部材取付凹部226が形成されている。そして、振り分け部材取付凹部226の中央には、振り分け部材240の回動軸241が回動自在に嵌め込まれる連通穴227が設けられる。また、振り分け部材取付凹部226には、前述のカバー部材210の左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212(図4参照)に対応する位置に前後方向に貫通する円形状の取付ベース側左状態確認開口部223及び取付ベース側右状態確認開口部224が形成される。
さらに、振り分け部材取付凹部226には、連通穴227の下方に誘導部材250が取り付けられる誘導部材取付穴228が設けられている。そして、振り分け部材取付凹部226は、誘導部材取付穴228から左右に左被当接部226a及び右被当接部226bが設けられる。左被当接部226a及び右被当接部226bは、それぞれ振り分け部材240の左回動及び右回動を規制する。また、取付ベース部材220には、振り分け部材取付凹部226の下方に誘導部材250を保持する誘導部材取付凸部229が設けられている。
図8〜図10に示すように、振り分け部材240は、回動軸241を中心に左右仕切り壁242、左球保持部243及び右球保持部244からなる碇部245と、前述の振り分け部材取付凹部226に収納される収納部246とを有する。回動軸241は、碇部245と収納部246とに設けられ、振り分け部材取付凹部226の連通穴227に回動自在に嵌め込まれる。
収納部246の底面には、外側に振り分け部材取付凹部226の左被当接部226a及び右被当接部226bに当接する左取付凹部当接部246a及び右取付凹部当接部246dが設けられる。左取付凹部当接部246aは振り分け部材240が左に最大回動した場合に左被当接部226aに当接し、右取付凹部当接部246dは振り分け部材240が右に最大回動した場合に右被当接部226bに当接する。また、収納部246の裏面には、回動軸241の両側にボス246cが設けられている。
碇部245の左球保持部243及び右球保持部244は、上面が回動軸241の軸中心から外側に向かって下り傾斜する左球保持部傾斜面243a及び右球保持部傾斜面244aとなっている。そして、左球保持部傾斜面243a及び右球保持部傾斜面244aは、左取付凹部当接部246a及び右取付凹部当接部246dの面とそれぞれ鈍角を成す。また、左球保持部243及び右球保持部244の下面は、左取付凹部当接部246a及び右取付凹部当接部246dの面と成す角度がさらに緩い(大きい)鈍角となる左誘導部材当接部243b及び右誘導部材当接部244bとなっている。左誘導部材当接部243bは振り分け部材240が左に最大回動した場合に誘導部材250の左内側上面253に当接し、右誘導部材当接部244bは振り分け部材240が右に最大回動した場合に誘導部材250の右内側上面254に当接する。
誘導部材250は、誘導部材取付穴228及び2つの誘導部材取付凸部229によって取付ベース部材220に固定される。このとき、誘導部材250の左外側上面251及び右外側上面252は、振り分け部材取付凹部226の左被当接部226a及び右被当接部226bに沿った平行面である。
図8に示すように、振り分け部材240の上方の流入口26に流入した遊技球は、まず、左球保持部243の左球保持部傾斜面243aに流下する。そして、遊技球の重み及び流下勢によって振り分け部材240は左回動し、振り分け部材240の左取付凹部当接部246aが取付ベース部材220の振り分け部材取付凹部226の左被当接部226aに当接することで回動が停止する。そして、遊技球は、左球保持部243の左球保持部傾斜面243aから誘導部材250の左外側上面251を転動して左球誘導リブ221へと誘導される。
このとき、振り分け部材240の左球保持部傾斜面243a及び誘導部材250の左外側上面251によって遊技球の流下勢が抑えられるので、遊技球は左球誘導リブ221を辿って第1始動入賞穴261に入賞しやすい。
そして、振り分け部材240は左側に傾いた左状態(左に最大回動した状態)となる。このとき、振り分け部材取付凹部226の取付ベース側右状態確認開口部224(図11参照)及びカバー部材210の右状態確認開口部212(図4参照)を介して、遊技者は装飾基板233のLEDによる発光を確認することができる。これにより、遊技者は、次に流入口26に流入した遊技球は右球保持部244の右球保持部傾斜面244a及び誘導部材250の右外側上面252を転動して第2始動入賞穴262に誘導されることを認識することができる。
このように、振り分け部材240は、流入口26に流入した遊技球を左(第1始動入賞穴261)、右(第2始動入賞穴262)の交互に振り分ける。なお、本実施形態では、振り分け部材240の初期位置(右傾き状態)の設定は取り付け時に行われ、回動軸241は遊技球による流下勢によって回動可能にしている。これに対し、例えば、左右どちらかに傾いた状態を保持するために2つのボス246c(図10参照)に重りの差を設けてもよい。
また、本実施形態のカバー部材210の左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212(図4参照)は、発光により振り分け部材240の状態を確認可能とするだけでなく、振り分け部材240における球詰まり等の不具合を解消するための球振り分け装置200内部へのアクセス手段としても機能する。
〔カバー部材の別パターン〕
以下、図12を参照して、本実施形態のカバー部材210の左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212の別パターンについて説明する。図12は、球振り分け装置200のカバー部材210の別パターン例である。
図12に示すように、別パターンのカバー部材210は、本実施形態で円形状であった左状態確認開口部211及び右状態確認開口部212を長穴形状とした。長穴は、流入口26に流入した遊技球の流路に沿って設けられる。これにより、より球詰まり等の不具合を解消しやすい。
〔振り分け部材の傾き状態誘導手段〕
以下、図13〜図15を参照して、本実施形態の振り分け部材240に傾き状態誘導手段を設ける場合の例について説明する。図13及び図14は、磁石による状態誘導手段を備える振り分け部材の構造について説明する。図15は、ロック機構による状態誘導手段を備える振り分け部材の構造について説明する図である。
まず、図13を参照して、振り分け部材240を中央位置で揺動状態に維持し、傾き状態に誘導しやすい状態とする場合について説明する。図13(A)及び(B)に示すように、この場合は、振り分け部材240の中心部(すなわち、左右仕切り壁242)と、対応する後方の取付ベース部材220(振り分け部材取付凹部226)とに同極(ここではN極)が向かい合せになるように磁石が埋め込まれる。これにより、図13(C)に示すように、固定側の取付ベース部材220の磁石に対し、回動側の振り分け部材240の磁石が反発するので、振り分け部材240は中央位置で左右に揺動状態となる。よって、振り分け部材240は、遊技球の流下によって左右どちらか一方の傾き状態に切り替わりやすい。なお、振り分け部材240の回動は、下方に固設される回動規制板255によって規制される。
次に、図14を参照して、振り分け部材240を左右どちらか一方の最大傾き状態に誘導する場合について説明する。図14(A)及び(B)に示すように、この場合は、振り分け部材240の両端と、振り分け部材240の左右傾き状態に対応する回動規制板255の近傍位置とに異なる極(N極とS極)の磁石が埋め込まれる。これにより、固定側の回動規制板255の磁石に対し、回動側の振り分け部材240の磁石が引き付けられるので、振り分け部材240は左右どちらか一方の傾き状態を保持しやすい。このように、引き合う磁石によって、左右どちらか一方に傾いた振り分け部材240が遊技球の流下なしにもう一方側に傾くことを防止することができ、より正確に振り分け部材240によって遊技球の振り分けを行うことができる。
続いて、図15を参照して、ロック機構247によって振り分け部材240を傾き状態に保持する場合について説明する。なお、ロック機構247は、振り分け部材240の裏面側に設けられるのが好ましいが、ここでは正面視で(前面側の配設として)説明する。図15(A)及び(B)に示すように、この場合は、振り分け部材240に、振り分け部材240の回動軸241の右下方に開口して設けられる収納ベース部247aと、収納ベース部247aに設けられるバネ247bと、バネ247bの先端に設けられる当接ピン部247cとからなるロック機構247が備えられる。このとき、回動規制板255は、回動軸255cを中心に左右にシーソー動作が可能な可動板である。
図15(A)に示すように、ロック機構247の当接ピン部247cがバネ247bの反発力によって収納ベース部247aから押し出されて回動規制板255の右上面255bを押圧するので、振り分け部材240を右傾き状態を保持することができる。そして、振り分け部材240は、遊技球の流下によって左傾き状態から右傾き状態に切り替えられる。このとき、ロック機構247のバネ247b及び当接ピン部247cは、回動規制板255のシーソー動作に伴い、一旦収納ベース部247aに押し込まれる。その後、図15(B)に示すように、回動規制板255が反対側に傾き、ロック機構247の当接ピン部247cがバネ247bの反発力によって再び収納ベース部247aから押し出されて回動規制板255の左上面255aを押圧する。そして、振り分け部材240は、右傾き状態となる。このように、ロック機構247によって、左右どちらか一方に傾いた振り分け部材240が遊技球の流下なしにもう一方側に傾くことを防止することができ、より正確に振り分け部材240によって遊技球の振り分けを行うことができる。
〔保留記憶数に関連した演出〕
以上より、本実施形態の遊技領域21では、可動部材(普通電動役物)27aの入賞容易状態変換中における第2始動入賞口27への遊技球の入賞だけでなく、球振り分け装置200における第2始動入賞穴262への遊技球の入賞によっても特図2変動表示ゲームの始動条件が成立、すなわち、特図2始動記憶が発生する。
特図2始動記憶の発生が可動部材27aを備える第2始動入賞口27への入賞に限られる場合は、可動部材27aが入賞容易状態となる電サポ状態(特定遊技状態)でしか特図2始動記憶の保留発生が見込めない。したがって、非電サポ状態において、特図1始動記憶は発生するが特図2始動記憶はほとんど発生しない。また、電サポ状態において、遊技者は第2始動入賞口27への入賞を狙うので特図2始動記憶は頻繁に発生するが特図1始動記憶の発生頻度は減る。これでは、特図1始動記憶と特図2始動記憶とをそれぞれ4個ずつ合計8個の始動記憶を保留可能といっても、実際に保留記憶数が5〜8個に至ることはほとんどない。
これに対し、本実施形態では、第2始動入賞口27の可動部材27aの状態に関わらず、流入口26に流入した遊技球は球振り分け装置200によって略交互に第1始動入賞穴261と第2始動入賞穴262とに振り分けられる。また、本実施形態では、特図2変動表示ゲームを優先することなく、入賞順に特図変動表示ゲームを実行することで、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが交互に実行される。これにより、特図1始動記憶と特図2始動記憶とが交互に加算及び減算されるので、特図始動記憶の保留記憶数を実質8個としたのと略同じ状態を生み出すことができる。
本実施形態では、特図始動記憶の保留記憶数を関連付けた演出が実行されることを特徴としている。以下、図16〜図26を参照して説明する。
〔特殊モード移行演出〕
図16は、本実施形態の特殊モード移行演出について説明する図である。
図16(A)に示すように、通常の演出モードにはA〜Cの3種類のモードが設定されており、モードAから順にB、Cと演出モードが切り替わってモードCが終了するとモードAに戻る。
ここで、本実施形態では、遊技者にミッション(モード移行条件)を付与し、遊技者がミッションをクリアする(モード移行条件を成立させる)ことができた場合に通常のモードA〜Cとは異なる特殊モードDに演出モードを切り替える。
具体的には、図16(B)に示すように、ミッション実行タイミングとなった場合は、モードA〜Cのいずれかの演出モードで変動表示が実行されている表示画面31において、ミッション(ここでは現在2個の始動記憶を5個以上貯める)が表示される。このとき、ミッションクリアにより獲得できる内容(ここでは特殊モードDに変更)も表示される。なお、表示画面31における保留表示は、特図1始動記憶と特図2始動記憶とを区別しない。
そして、図16(C)に示すように、ミッションをクリアした場合(始動記憶を6個貯めた場合)は、表示画面31における演出モードが特殊モードDに変更される。また、図16(D)に示すように、ミッションをクリアできなかった場合(始動記憶が2個のままの場合)は、表示画面31における演出モードに何ら変化はない。
〔特殊モード変更処理〕
続いて、図17は、本実施形態の特殊モード変更処理の手順を示すフローチャートである。特殊モード変更処理は、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、まず、表示装置30の表示画面31においてモード移行条件(ミッション)を表示中であるか否かを判定する(S1701)。本実施形態におけるモード移行条件とは、始動記憶を5個以上貯めることである。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、すでにモード移行条件を表示中である場合には(S1701の結果が「Y」)、S1704の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、モード移行条件が表示中でない場合には(S1701の結果が「N」)、現在の変動が条件表示対象の変動か否かを判定する(S1702)。ここで、条件表示(ミッション実行)対象の変動との判断は、例えば、既存の保留記憶内に期待の高い保留がある場合やRTC181(図3参照)によって計られる時間が所定のタイミングとなった場合等が考えられる。また、カレンダーの日付等に関連して3日なので保留記憶数が3個貯まった場合等、流動的な判断基準を設けてもよい。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)151は、現在の変動が条件表示対象の変動であると判断した場合には(S1702の結果が「Y」)、表示画面31にモード移行条件(ミッション)を表示する(S1703)。一方、現在の変動が条件表示対象の変動でないと判断した場合には(S1702の結果が「N」)、特殊モード変更処理を終了する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)151は、表示画面31に表示されたモード移行条件(ミッション)がクリアされたか否かを判定する(S1704)。そして、クリアされていない場合には(S1704の結果が「N」)、特殊モード変更処理を終了する。また、クリアされた場合には(S1704の結果が「Y」)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S1705)、特殊モード変更処理を終了する。
以上より、遊技者はミッションをクリアすることで特殊モードの演出を見ることができるので、始動記憶を多く貯めようとする。これにより、遊技の興趣を高めるとともに、遊技球の発射を促進することができ稼働率を上げることができる。
〔パトランプ演出〕
図18は、本実施形態のパトランプ演出について説明する図である。ここで、パトランプは、遊技枠に設けられる場合は枠演出装置173(図3参照)、表示装置30の上方、すなわちセンターケース23に配設される場合は盤演出装置172(図3参照)として構成される。
本実施形態では、遊技者にミッション(パトランプ回転条件)を付与し、遊技者がミッションをクリアする(パトランプ回転条件を成立させる)ことができ、かつ、実行中の変動結果が大当りとなる場合にパトランプを発光回転させる。
具体的には、図18(A)に示すように、ミッション実行タイミングとなった場合は、表示画面31において、ミッション(ここでは、現在4個の始動記憶を8個貯める)が表示される。また、本実施形態ではミッションをクリアしても実行中の変動結果が大当りでない場合、パトランプは回転しない。そこで、表示画面31には、「今、始動記憶8個貯めるとパトランプが回転するかも・・・」とミッションクリアによりパトランプ回転が獲得できる可能性があることが表示される。
そして、図18(B)に示すように、ミッションをクリアした場合(始動記憶を8個貯めた場合)であっても表示画面31におけるリーチ演出が初期段階のうちは、パトランプは回転しない。その後、図18(C)に示すようにリーチ演出が進むとパトランプが発光回転を始め、図18(D)に示すように表示画面31における変動が大当り結果となって変動停止するタイミングでパトランプも回転を停止し、発光を継続する。
〔パトランプ回転処理〕
続いて、図19は、本実施形態のパトランプ回転処理の手順を示すフローチャートである。パトランプ回転処理は、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、まず、表示装置30の表示画面31においてパトランプ回転条件(ミッション)を表示中であるか否かを判定する(S1901)。本実施形態におけるパトランプ回転条件とは、始動記憶を8個貯めることである。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、すでにパトランプ回転条件を表示中である場合には(S1901の結果が「Y」)、S1904の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、パトランプ回転条件が表示中でない場合には(S1901の結果が「N」)、現在の変動が条件表示対象の変動か否かを判定する(S1902)。ここで、条件表示(ミッション実行)対象の変動との判断は、例えば、既存の保留記憶内に期待の高い保留がある場合やRTC181(図3参照)によって計られる時間が所定のタイミングとなった場合等が考えられる。また、カレンダーの日付等に関連して3日なので保留記憶数が3個貯まった場合等、流動的な判断基準を設けてもよい。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)151は、現在の変動が条件表示対象の変動であると判断した場合には(S1902の結果が「Y」)、表示画面31にパトランプ回転条件(ミッション)を表示する(S1903)。一方、現在の変動が条件表示対象の変動でないと判断した場合には(S1902の結果が「N」)、パトランプ回転処理を終了する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)151は、表示画面31に表示されたパトランプ回転条件(ミッション)がクリアされたか否かを判定する(S1904)。そして、クリアされていない場合には(S1904の結果が「N」)、パトランプ回転処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、パトランプ回転条件(ミッション)がクリアされた場合には(S1904の結果が「Y」)、続いて、現在の変動が大当りか否かを判定する(S1905)。そして、大当りとなる場合は(S1905の結果が「Y」)、パトランプを発光回転させて(S1906)、パトランプ回転処理を終了する。また、大当りでない場合は(S1905の結果が「N」)、何も行わずにパトランプ回転処理を終了する。
なお、現在の変動が大当りとなれば必ずパトランプを発光回転させるが、これに限らない。大当りとなる場合であっても所定の割合でパトランプを発光回転させるようにしてもよい。また、パトランプ回転条件をクリアできない場合は大当りであってもパトランプは発光回転しない。
以上より、遊技者はミッションをクリアすることで早めに変動結果を知ることができるので、始動記憶を多く貯めようとする。これにより、遊技の興趣を高めるとともに、遊技球の発射を促進することができ稼働率を上げることができる。
〔先読み表示を伴う特殊モード移行演出〕
図20は、本実施形態の先読み表示を伴う特殊モード移行演出について説明する図である。
本実施形態では、始動記憶の発生時に当該始動記憶の変動結果に応じて所定の割合で遊技者にミッション(先読み表示&モード移行条件)を付与し、遊技者がミッションをクリアする(先読み表示&モード移行条件を成立させる)ことができた場合に、当該始動記憶に対して先読み表示を行うとともに演出モードを特殊モードDに切り替える。
具体的には、図20(A)に示すように、3つ目に保留された始動記憶の発生によってミッションが付与されると、モードA〜Cのいずれかの演出モードで変動表示が実行されている表示画面31において、ミッション(ここでは現在3個の始動記憶を5個以上貯める)が表示される。このとき、ミッションクリアにより獲得できる内容(ここでは特殊モードDに変更)も表示される。なお、表示画面31における保留表示は、特図1始動記憶と特図2始動記憶とを区別しない。
そして、図20(B)に示すように、ミッションをクリアした場合(始動記憶を6個貯めた場合)は、表示画面31における演出モードが特殊モードDに変更されるとともに、ミッション付与の契機となった3つ目の始動記憶に対して先読み表示が実行される。
〔先読み表示処理〕
続いて、図21は、本実施形態の先読み表示処理の手順を示すフローチャートである。先読み表示処理は、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、まず、発生した始動記憶が当りか否かを判定する(S2101)。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、始動記憶が当りではない場合は(S2101の結果が「N」)、所定の割合(1/2000)で表示画面31において先読み誘導表示を行う(S2102)。ここで、先読み誘導表示とは、先読み表示及びモード移行条件を成立させるためのミッションを報知するものである(図20(A)参照)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)151は、先読み表示&モード移行条件が成立(条件クリア)したか否かを判定する(S2103)。条件クリアしていない場合は(S2103の結果が「N」)、先読み表示処理を終了する。一方、条件クリアした場合は(S2103の結果が「Y」)、表示画面31において対象の始動記憶に対する先読み表示を実行するとともに(S2104)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S2105)、先読み表示処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、始動記憶が当りとなる場合は(S2101の結果が「Y」)、はずれの場合よりも高い所定の割合(1/10)で表示画面31において先読み誘導表示を行う(S2106)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)151は、先読み表示&モード移行条件が成立(条件クリア)したか否かを判定する(S2107)。条件クリアしていない場合は(S2107の結果が「N」)、先読み表示処理を終了する。一方、条件クリアした場合は(S2107の結果が「Y」)、表示画面31において対象の始動記憶に対する先読み表示を実行するとともに(S2108)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S2109)、先読み表示処理を終了する。
以上より、始動記憶の事前判定結果(先読み結果)が当りとなるか否かに応じて先読み誘導表示が表示される確率が大きく異なるので、先読み誘導表示が表示されると遊技者は当りの期待を抱くことができる。また、当りの種類に応じて先読み表示の表示態様が異なれば、遊技者はミッションをクリアすることで先読み表示を確認しようとするので、始動記憶を貯めようとする。これにより、遊技の興趣を高めるとともに、遊技球の発射を促進することができ稼働率を上げることができる。
〔確率状態報知を伴う特殊モード移行演出〕
図22は、本実施形態の確率状態報知を伴う特殊モード移行演出について説明する図である。
本実施形態では、確率状態が不明瞭な遊技状態である場合に所定の割合(1/10)で遊技者にミッション(確率報知&モード移行条件)を付与し、遊技者がミッションをクリアする(確率報知&モード移行条件を成立させる)ことができた場合に、現在の確率報知を行うとともに演出モードを特殊モードDに切り替える。
具体的には、図22(A)に示すように、高確率状態であるが遊技者には報知されていない不明瞭状態である場合に1/10の確率でミッションが付与されると、モードA〜Cのいずれかの演出モードで変動表示が実行されている表示画面31において、ミッション(ここでは現在3個の始動記憶を5個以上貯める)が表示される。このとき、ミッションクリアにより獲得できる内容(ここでは特殊モードDに変更)も表示される。なお、表示画面31における保留表示は、特図1始動記憶と特図2始動記憶とを区別しない。
そして、図22(B)に示すように、ミッションをクリアした場合(始動記憶を6個貯めた場合)は、表示画面31における演出モードが特殊モードDに変更されるとともに、現在の確率状態が高確率であることが報知される。
〔確率状態報知処理〕
続いて、図23は、本実施形態の確率状態報知処理の手順を示すフローチャートである。確率状態報知処理は、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、まず、現在の遊技状態が不明瞭状態(確率状態が報知されていない状態)であるか否かを判定する(S2301)。そして、不明瞭状態でない場合は(S2301の結果が「N」)、確率状態報知処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、不明瞭状態である場合は(S2301の結果が「Y」)、現在の確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S2302)。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、確率状態が高確率状態でない、すなわち低確率状態である場合は(S2302の結果が「N」)、所定の割合(1/10)で表示画面31において確率報知誘導表示を行う(S2303)。ここで、確率報知誘導表示とは、確率報知及びモード移行条件を成立させるためのミッションを報知するものである(図22(A)参照)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)151は、確率報知及びモード移行条件が成立(条件クリア)したか否かを判定する(S2304)。条件クリアしていない場合は(S2304の結果が「N」)、確率状態報知処理を終了する。一方、条件クリアした場合は(S2304の結果が「Y」)、表示画面31において確率状態が低確率状態であることを表示するとともに(S2305)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S2306)、確率状態報知処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、確率状態が高確率状態である場合は(S2302の結果が「Y」)、所定の割合(1/10)で表示画面31において確率報知誘導表示を行う(S2307)。ここで、確率報知誘導表示とは、確率報知及びモード移行条件を成立させるためのミッションを報知するものである(図22(A)参照)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)151は、確率報知及びモード移行条件が成立(条件クリア)したか否かを判定する(S2308)。条件クリアしていない場合は(S2308の結果が「N」)、確率状態報知処理を終了する。一方、条件クリアした場合は(S2308の結果が「Y」)、表示画面31において確率状態が高確率状態であることを表示するとともに(S2309)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S2310)、確率状態報知処理を終了する。
以上より、不明瞭状態においては所定の割合で確率状態を報知可能である。遊技者はミッションをクリアすることで確率状態を確認しようとするので、始動記憶を貯めようとする。これにより、遊技の興趣を高めるとともに、遊技球の発射を促進することができ稼働率を上げることができる。
〔特殊モード移行演出の変形例1〕
図24は、本実施形態の特殊モード移行演出の変形例1について説明する図である。
前述した本実施形態(図16及び図17)におけるミッション(モード移行条件)は、始動記憶を5個以上貯めることであった。これに対し、変形例1におけるミッション(モード移行条件)は、保留記憶数が所定の変遷をたどることである。
図24(A)に示すように、本実施形態の変形例1における通常の演出モードには、「通常モード」、「チャンスモード」及び「高期待モード」の3種類のモードが設定されており、保留記憶数に応じて演出モードが切り替わる。
具体的には、まず、「通常モード」からスタートする。そして、保留記憶数が8個に到達すると「通常モード」から「チャンスモード」に切り替わる。その後、保留記憶数が0個になると「チャンスモード」から「通常モード」に戻る。また、保留記憶数が1〜4個になってから再び8個に到達した場合は、「チャンスモード」から「高期待モード」に切り替わる。そして、保留記憶数が0個になると「高期待モード」から「通常モード」に切り替わる。
ここで、変形例1では、保留記憶数の変遷において所定の保留記憶数となったときに遊技者による操作手段の操作入力が認められた場合に、ミッション(モード移行条件)がクリアされたと判定される。そして、表示画面31における演出モードは、通常の演出モード(「通常モード」、「チャンスモード」及び「高期待モード」)とは異なる特殊モードに突入する。
具体的に、図24(B)を参照して、保留記憶数が「7」、「3」、「1」、「8」と変遷したタイミングで遊技者による操作入力を要するミッションの場合について説明する。このとき、前述の特殊モード変更処理(図17)におけるS1703の処理で、表示画面31には操作タイミング(「7318」)が表示される。そして、表示画面31に表示される保留記憶数が「7」、「3」、「1」、「8」となったタイミングで遊技者が操作手段(演出ボタン)を操作するとミッションクリアとなり、表示画面31における演出モードが特殊モードに変更される。
このように、変形例1では、ミッションクリアのために遊技者が保留記憶数を狙って増減させることを遊技者による操作手段の操作入力によって確認することができる。よって、通常の演出モード内における移行意思と、特殊モードへの移行意思とを区別して遊技データを収集することができる。
また、遊技者に保留記憶数1〜8個の増減変遷をたどらせるミッションを与えるので、遊技の興趣を高めるとともに、特に多くの保留記憶数を要求する場合は遊技球の発射を促進することができ稼働率を上げることができる。
〔特殊モード移行演出の変形例2〕
図25は、本実施形態の特殊モード移行演出の変形例2について説明する図である。
前述した本実施形態(図16及び図17)における特殊モード移行演出では、対象となる変動において始動記憶を5個以上貯めた場合に特殊モードに変更する。これに対し、変形例2ではイレギュラーな入賞が発生した場合に特殊モードに変更する。ここで、イレギュラーな入賞発生とは、特図1始動記憶又は特図2始動記憶が連続して発生することを示す。
前述したように、流入口26に流入した遊技球は振り分け部材240によって左右交互に振り分けられる。そして、第2始動入賞口27が非電サポ状態等の通常状態の場合は、第2始動入賞口27への入賞による特図2始動記憶はほぼ発生しない。このため、通常状態では、球振り分け装置200の第1始動入賞穴261への入賞による特図1始動記憶と第2始動入賞穴262への入賞による特図2始動記憶とが交互に発生することになる。しかしながら、例えば、遊技球が振り分け部材240に当たって跳ねてしまい、回動軸241を反対側に回動させる負荷が不足する場合は、振り分け部材240の傾き状態が交互に切り替わらない事態が発生する。この場合、連続して同じ方向に遊技球が振り分けられることとなり、イレギュラーな入賞が発生し得る。
なお、変形例2では、表示画面31において特図1始動記憶と特図2始動記憶とは異なる表示態様で保留表示される。
具体的には、図25(A)に示すように、モードA〜Cのいずれかの演出モードで変動表示が実行されている表示画面31において、特図1始動記憶、特図2始動記憶の順に保留表示される。そして、図25(B)に示すように、3つ目の始動記憶として特図2始動記憶が発生したことを契機に、図25(C)に示すように、表示画面31における演出モードが特殊モードDに変更される。
〔特殊モード変更処理〕
続いて、図26は、本実施形態の変形例2の特殊モード変更処理の手順を示すフローチャートである。特殊モード変更処理は、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)151は、まず、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S2601)。そして、通常状態でない場合には(S2601の結果が「N」)、特殊モード変更処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)151は、遊技状態が通常状態である場合には(S2601の結果が「Y」)、イレギュラー入賞が発生したか否かを判定する(S2602)。そして、イレギュラー入賞が発生した場合には(S2602の結果が「Y」)、表示画面31における演出モードを特殊モードに変更するモード変更表示を実行して(S2603)、特殊モード変更処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)151は、イレギュラー入賞が発生していない場合には(S2602の結果が「N」)、特殊モード変更処理を終了する。
以上より、イレギュラー入賞の発生により入賞の規則性が乱れるが、これを契機に特殊モードの演出を見ることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、前述した特殊モード変更処理(図17)、先読み表示処理(図21)及び確率状態報知処理(図23)においてモード移行条件を表示する(ミッションを実行する)契機をイレギュラー入賞の発生としてもよい。また、パトランプ回転処理(図19)においてパトランプ回転条件を表示する(ミッションを実行する)契機をイレギュラー入賞の発生としてもよい。
〔特図始動記憶表示〕
次に、図27を参照して、本実施形態の遊技盤20における特図始動記憶表示について説明する。図27は、本実施形態の遊技盤20における特図始動記憶表示について説明する図である。
図27(A)に示すように、本実施形態の遊技盤20には、特図1始動記憶及び特図2始動記憶に関する情報を示す特図表示部として、表示装置30の表示画面31、飾り特図表示部35及び一括表示装置36の本特図表示部が備えられている。
前述したように、表示装置30は、遊技領域21の略中央に設けられるセンターケース23の窓部の後方に配置される。そして、図27(B)に示すように、表示画面31には、特図1始動記憶及び特図2始動記憶の保留表示が同一表示態様で表示される。表示画面31における表示は、演出制御装置150によって表示制御される。
飾り特図表示部35は、センターケース23の右下角部分に設けられ、6つの花弁形状のLEDランプで構成される。飾り特図表示部35は、特図変動表示ゲーム用の特図変動表示部及び特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部からなる。飾り特図表示部35では、上段の3つのLEDランプのうち、2つのLEDランプの点灯/点滅の組み合わせによって特図1始動記憶の保留記憶数(上限4個)が表わされる。また、残り1つのLEDランプによって変動実行中(消化中)の特図1始動記憶の変動結果(変動中:点滅、当り:点灯、はずれ:消灯)が表わされる。飾り特図表示部35では、変動結果が当りとなるときの当り種類は表わされない。なお、点灯色によって当り種類が表わされるようにしてもよい。下段の3つのLEDランプは、特図2始動記憶に対応しており、各LEDランプの役割は上段と同じである。飾り特図表示部35は、演出制御装置150によって制御される。
一括表示装置36は、遊技領域21の外側であって遊技盤20の右下部に設けられる。一括表示装置36は、遊技制御装置100によって制御され、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図変動表示ゲーム用の特図変動表示部及び特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部からなる本特図表示部を有する。
本実施形態では、遊技者は、表示画面31の保留表示から特図1始動記憶と特図2始動記憶とのどちらの始動記憶なのかを把握することができない。そこで、表示画面31の右下方に配設される飾り特図表示部35を見れば、特図1始動記憶及び特図2始動記憶の保留記憶数や変動中の特図変動表示ゲームが特図1と特図2の何れであるかを把握することができる。そして、さらに飾り特図表示部35の右下方に配設される一括表示装置36を見れば、変動結果が当りとなるときの当り種類等の詳細な遊技情報を把握することができる。
このように、本実施形態の表示装置30、飾り特図表示部35及び一括表示装置36は、センターケース23の窓部の左上と右下とを結ぶ直線上に配置される。これにより、遊技者は一直線上で視線を動かせばよいので、遊技情報を効率よく確認することができるとともに、あちこちに視線を動かすことによる眼精疲労等を防止することができる。
〔突変換部(打球方向変換部材)〕
次に、図28を参照して、本実施形態の遊技領域21における方向変換部材22について説明する。図28は、本実施形態の方向変換部材22の突変換部22cについて説明する図である。
図28(A)に示すように、本実施形態の遊技領域21の一部は、センターケース23によって構成される。そして、センターケース23によって構成される遊技領域21では、方向変換部材22として障害釘22bの代わりに突変換部22cが配設される。突変換部22cの近傍には障害釘22bも配設されており、障害釘22bによって遊技球の流下方向を調整する。
図28(B)に示すように、突変換部22cは、遊技領域21を構成するセンターケース23の表面に突設される。突変換部22cを縦断面で見ると、遊技領域21の遊技球転動面から突設される突出部22dの内部は空洞の凹部22eが設けられている。凹部22eは、突変換部22cを材料板厚一定で成形し、材料コストを抑えるために形成される。また、突変換部22cは、突出部22dが遊技球転動面(遊技領域21)と成す角をR形状としたR部22fを有する。遊技領域21を転動する遊技球は突出部22dの付け根に頻繁に衝突するので、R部22fは、突出部22dの耐久性を向上させるために設けられる。
このように、本実施形態の遊技領域21では、方向変換部材22として障害釘22bと突変換部22cとを併用している。細かい調整は障害釘22bによって行う必要があるが、突変換部22cを用いることで障害釘22bの使用本数を減らすことができる。また、突変換部22cは、障害釘22bよりも強度が高いので、遊技球の衝突による変形等に対するメンテナンスが容易である。
〔先読み演出〕
ところで、上限を超えて始動記憶が発生した場合に、記憶されている始動記憶に関する先読み予告表示を行う遊技機が知られている(特開2011−234850号公報)。しかしながら、始動記憶に関連した演出における遊技の興趣をさらに高める余地があった。
そこで、図29を参照して、遊技の興趣を高めることが可能な先読み演出について説明する。図29は、本実施形態の先読み演出について説明する図である。
本実施形態では、先読み演出対象となる始動記憶の発生により、当該始動記憶より前に発生した始動記憶に対応する特図変動表示ゲームにおいてポイントが付与されるポイント演出が行われる。そして、先読み演出された始動記憶に対応する特図変動表示ゲームにおいて、付与されたポイント数に応じた演出が実行される。
具体的に、図29(A)〜(E)を参照して説明する。図29(A)に示すように、表示画面31の始動記憶表示領域31aには、左から消化が早い順(入賞順)に始動記憶の保留表示が表示される。そして、左から3つ目の保留表示に先読み演出が実行される。ここでは、保留表示の先読み演出として保留表示の表示態様が無地から縞模様に変化する。
このとき、表示画面31には、人の手を模擬したキャラクタ「ハンドマン」が表示される。そして、「ハンドマン」の動作に応じてポイントが付与されるポイント演出が開始される。
ここで、表示画面31の下方には、センターケース23のステージ部23a(図1参照)が配置される。そして、ステージ部23aの壁部23bには、ポイント数を表示可能な表示部23cが設けられている。表示部23cには、3つのLEDランプが設けられており、それぞれに「1」「2」「3」が表示されている。
本実施形態のポイント演出は、「ハンドマン」が表示部23cに飛び込む演出の成功により、飛び込んだ「ハンドマン」がストックされたものとして表示部23cの対応するストック数(すなわち、ポイント数)が表示されたLEDランプが点灯される演出を示す。
図29(B)に示すように、図29(A)において表示画面31に表示された「ハンドマン」の飛び込み演出は成功し、表示部23cの「1」のLEDランプが点灯される。続いて、再び表示画面31に表示される「ハンドマン」が表示部23cの「2」に向かって飛び込み動作する演出が行われる。
なお、「ハンドマン」の飛び込み演出が失敗した場合は、対応する表示部23cのLEDランプは点灯されない。「ハンドマン」の飛び込み演出の成功確率は、「ハンドマン」の表示色によって表わされてもよい。本実施形態では、飛び込み演出失敗となってもストックが加算されないだけで貯めたストック数(ポイント数)は継続保持されるが、これに限らない。飛び込み演出失敗の場合は、貯めたストック数から所定数(例えば、1)を減算してもよい。
そして、図29(C)に示すように、先読み演出対象の始動記憶が消化される直前の特図変動表示ゲームにおいて、表示部23cの3つ全てのLEDランプが点灯される状態となる。後述するように、表示部23cによって後の特図変動表示ゲームにおける可動役物270の可動回数(ここでは3回)が報知される。
これにより、図29(D)に示すように、先読み演出対象の始動記憶に対応する特図変動表示ゲームでは、表示画面31の前方に人の手を模擬した可動役物270が出現する演出が行われる。ここで、可動役物270の出現回数は、ポイント演出におけるポイント数に対応する回数(ここでは、3回)である。
また、図29(E)に示すように、予め変動時間に対して可動役物270の可動を許可する許可ポイントA〜Cが設定されているので、可動役物270は、変動時間が許可ポイントA〜Cとなったときに可動して表示画面31の前方に出現することになる。
なお、可動役物270の出現回数が3回に満たない場合は、許可ポイントA〜Cの何れかのポイントで可動役物270は可動する。このとき、選択される許可ポイントが変動開始から時間が経過しているほど、変動結果の期待度が高くなるように設定してもよい。
以上より、本実施形態によれば、先読み演出対象の特図変動表示ゲームにおける演出内容(ここでは、可動役物270の可動回数)がそれ以前の特図変動表示ゲームにおけるポイント演出にて決定されるので、遊技の興趣が高まる。特に、ポイント演出が行われる特図変動表示ゲームに対する関心が高まる。
ポイント演出では、所定のキャラクタ(「ハンドマン」)の動作態様(飛び込み演出の成功又は失敗)に応じて付与されるポイント数が決まるので、キャラクタの動作態様に関心が高まり、さらに遊技の興趣が高まる。
また、前述のようなポイント演出を実行するには、先読み演出対象となる始動記憶が消化直前では時間が足りない。先読み演出対象の始動記憶の前に一定の演出時間を確保可能な数の始動記憶が記憶されている必要がある。これにより、遊技者は、消化待ちの始動記憶(保留表示)が多い状態を維持しようとするので、遊技機の稼働率が上がる。
また、先読み演出対象の始動記憶に対応する特図変動表示ゲームにおける可動役物270の可動回数は、ポイント演出で付与されたポイント数に基づいて決定されるので、より遊技の興趣が高まる。
さらに、可動役物270の可動タイミングは、特図変動表示ゲーム中に複数設定されているタイミングの中から当該特図変動表示ゲームの変動結果の期待度に応じて決定されるので、先読み演出対象の特図変動表示ゲームに対する関心がさらに高まり、遊技の興趣が高まる。
〔発射促進演出〕
続いて、図30を参照して、表示画面31の始動記憶表示領域31aにおける発射促進演出について説明する。図30は、本実施形態の発射促進演出について説明する図である。
本実施形態では、表示画面31の始動記憶表示領域31aにおいて所定の表示領域に保留表示が表示されていない場合等、所定の実行条件を満たす場合に、所定の表示領域にて発射促進演出を行う。以下では、先読み演出対象の始動記憶の発生を発射促進演出の実行条件とする場合について説明する。
図30(A)に示すように、表示画面31の始動記憶表示領域31aに表示される保留表示のうち消化順が2番目の始動記憶が先読み演出対象になると、消化順が4番目の始動記憶を表示するための表示領域に発射促進表示(ここでは、「ハンドマン」のシルエット表示)が表示される。
このとき、演出制御装置150は、遊技者による発射ハンドルの操作を検出可能に構成されている。そして、発射ハンドルの操作を検出している間は、遊技球が遊技領域21に発射されているものとする。
したがって、図30(B)に示すように、発射中の場合は、表示画面31に、発射促進表示が行われている表示領域まで始動記憶を発生させるよう促すメッセージ「ここまで入れてね!」が表示される。
一方、図30(C)に示すように、発射が止まった場合は、表示画面31に、「発射を止めるな!」とのメッセージが表示される。
そして、発射促進表示が行われている表示領域まで始動記憶を発生させた場合には、シルエット表示されていた「ハンドマン」による特別演出等の特典が付与される。
本実施形態によれば、発射促進演出によって遊技者に始動記憶ストック(保留表示の発生)を強く意識させることができるので、遊技機の稼働率が上がる。また、発射促進演出によって所定数の始動記憶を貯めることができた場合は特典が付与されるので、遊技の興趣が高まる。さらに、前述の先読み演出(図29)と関連付けて、ポイント演出の実行に必要な始動記憶数を発射促進表示によって報知するようにすれば、より遊技者に発射を促すことができる。
〔保留記憶数に応じた変動設定〕
ところで、遊技領域に設けられる第1始動入賞口と第2始動入賞口に遊技球が交互に入賞可能なように振り分け装置で遊技球の流下先を振り分けることで、通常状態であっても第2始動入賞口に入賞可能とし(特図2始動記憶を発生可能とし)、実質的な特図始動記憶の保留記憶数の上限数を8個とした遊技機が知られている(特開2013−052167号公報)。しかしながら、保留記憶数の上限数が実質8個に増えても、特図変動表示ゲームに何ら変化はなく遊技の興趣に欠けている。
そこで、図31及び図32を参照して、遊技の興趣を高めることが可能な本実施形態の変動設定について説明する。図31は、本実施形態の保留記憶数に応じた変動設定について説明する図である。図32は、本実施形態の保留記憶数に応じた状態遷移を示す図である。
図31及び図32に示すように、本実施形態では保留記憶数に応じて特図変動表示ゲームの変動態様が変化する。具体的には、遊技制御装置100が特図普段処理において設定する変動時間値や演出制御装置150が設定する演出内容が変更となる。保留記憶数に応じて、「通常」「SP待機ゾーン」「SPゾーン」及び「超短縮ゾーン」のいずれかの変動パターン決定テーブルが選択される。
まず、保留記憶数が1〜3個の場合は、通常通りで変更はない。ここで、「通常」時に設定される変動時間は平均10秒である。表示画面31では、画面中央で識別情報が変動表示され、画面下の始動記憶表示領域31aに保留記憶が表示される。
次に、保留記憶数が4個の場合は、保留記憶数5〜7個の場合のSPゾーンに突入する一歩手前として「SP待機ゾーン」となる。「SP待機ゾーン」では、遊技者が保留記憶数を増やしやすいように変動時間が平均18秒に設定される。このとき、表示画面31では、画面中央で「SPゾーン」への突入を期待する専用演出(例えば、ミッション演出)が実行され、識別情報は画面右上で変動表示される。
また、保留記憶数が5〜7個の場合は、「SPゾーン」となる。「SPゾーン」では、変動時間が平均1.6秒に設定される。また、変動結果がはずれとなる場合のリーチ演出の選択確率が低い。したがって、リーチ演出が発生した場合は、大当りとなる可能性が高い。「SPゾーン」において、表示画面31では、画面中央でSPゾーン中の特図変動に跨る専用ゾーン演出が実行され、識別情報は画面右上で変動表示される。また、4個分の保留記憶は画面左上のセット表示領域31bにまとめて表示され、始動記憶表示領域31aには5個目以降の保留記憶が表示される。
また、保留記憶数が上限8個の場合は、「超短縮ゾーン」となる。「超短縮ゾーン」では、変動時間が0.5秒に設定される。このため、表示画面31の画面中央では、変動結果がはずれとなる場合は識別情報が前回のはずれ停止図柄から変更されない。識別情報は、瞬間的に揺動して停止する。なお、変動結果が大当りとなる場合は、変動時間は変わらないが、識別情報は大当り停止図柄に切り替わる。また、「超短縮ゾーン」においても、4個分の保留記憶は画面左上のセット表示領域31bにまとめて表示され、始動記憶表示領域31aには5個目以降の保留記憶が表示される。
このように、本実施形態では、実際に高い確率で貯めることが可能な保留記憶数が8個であることを活用して、保留記憶がある程度貯まっている状態(保留記憶数5〜7個の「SPゾーン」)においてのみ専用ゾーン演出が行われる。そして、専用ゾーン演出では、複数の特図変動表示ゲームに跨った演出が行われるので、遊技の興趣を高めることができる。また、この間の平均変動時間は1.6秒と短い。このため、遊技者はテンポ良く始動記憶を消化可能な状態を維持しようと止め打ちすることなく遊技球を発射するので、遊技機の稼働率が上がる。
そして、遊技者が継続して遊技球を発射しても、球振り分け装置200によって特図1始動記憶と特図2始動記憶とに交互に振り分けられるので、保留記憶数が上限に到達する割合は従来に比べて低い。このため、遊技機の稼働率が上がる。
また、専用ゾーン演出が終了してしまっても直後(保留記憶数が4個)の特図変動表示ゲームの平均変動時間は18秒と長く設定されるので、始動記憶を発生させやすい。したがって、遊技者は専用ゾーン演出への再突入を期待して発射を継続するので、遊技機の稼働率が上がる。また、このときの演出もミッション演出や再突入演出等の専用演出が実行されるので、遊技の興趣を高めることができる。このように専用ゾーン演出終了後に戻る期待が持てることも、遊技の興趣をさらに高めることとなる。
なお、本実施形態では保留記憶数が5〜7個の場合を専用ゾーン演出が行われて変動時間が短縮される「SPゾーン」とし、保留記憶数が4個の場合を専用演出が行われて変動時間が長く設定される「SP待機ゾーン」としたが、これに限らない。保留記憶数が所定の範囲である場合に「SPゾーン」に設定され、保留記憶数が1〜第1所定数の範囲である場合に「通常」に設定されるとする。「SP待機ゾーン」は、「SPゾーン」に設定される保留記憶数の所定の範囲の下限数より少なく、「通常」に設定される上限保留記憶数である第1所定数よりも多い範囲の複数の保留記憶数を対象としてもよい。ここでは、「SP待機ゾーン」で遊技者に「SPゾーン」への再突入を促すことで、「SP待機ゾーン」と「SPゾーン」とをループするような状態(保留記憶数が貯まっている状態)を継続させることが重要である。これにより、テンポの良い特図変動表示ゲームの実行となるので、大当りへの期待度が上がるとともに、遊技者にストレスがかからない。また、早いテンポで始動記憶が消化されても特図変動表示ゲームが途切れることがない好循環を生み出すことができる。また、止め打ち効果もあるため遊技機の稼働率が上がることから、遊技者及び遊技店の双方にとって好ましいシステムを提供することができる。
〔発光装飾部材〕
ところで、レンズ部材と発光基板との間に光拡散シートを配設し、遊技状況に応じて発光演出を行う発光装飾部材を備えた遊技機が知られている(特開2010−017359号公報)。しかしながら、このような遊技機では、レンズ部材と光拡散シートとを個別に設ける必要があり、コスト高を招いていた。
そこで、図33〜図35を参照して、コスト高を抑制可能な本実施形態の発光装飾部材について説明する。図33は、本実施形態のシャッター可動役物280を構成する発光装飾部材の正面図である。図34は、発光装飾部材の構造について説明する図33のA−A断面図である。
本実施形態では、演出制御装置150によって制御される盤装飾装置170及び盤演出装置172(図3参照)の一つとして、シャッター可動役物280が設けられる。シャッター可動役物280は4つの発光装飾部材(第1シャッター部材280a、第2シャッター部材280b)からなり、初期状態(非可動状態)ではセンターケース23の後方であって表示画面31の左右両側に配置されている(図1、図35(A)参照)。
図33及び図34に示すように、発光装飾部材は、格子状の枠内に装飾(提灯)が施された装飾拡散部材281と、LED282aを備えるLED基板282とからなる。
図34(B)に示すように、装飾拡散部材281は、装飾拡散シート283と、格子に沿って設けられる樹脂部284とで構成される。装飾拡散シート283は、装飾が描かれた滑らかな面の表面283aと、等方拡散機能を有する凹凸面の裏面283bとを備えた樹脂シートであり、熱プレス加工によって平面シートから格子内がドーム型の立体シートに成形される。また、樹脂部284は、インサート成形によって装飾拡散シート283に格子状に樹脂を注入して設けられる。なお、樹脂部284は、発光装飾部材の格子部分に限らず、可動役物として組み立てる際に必要なボスに適用してもよい。
図34(A)に示すように、LED基板282は、装飾拡散シート283のドーム型部分を照射するようにLED282aが配設される。
本実施形態によれば、従来個別に設けていた装飾レンズ部材と拡散シートとを一体化して装飾拡散シート283とすることができるので、コストを抑えることができる。また、装飾拡散シート283は、装飾レンズ機能と拡散機能の両方を備えているので、各機能が別部材に設けられることによる部材間の位置ずれ等が発生せず適正に機能可能である。また、レンズ部材と拡散部材の一体化により、発光源(LED282a)から拡散部材(装飾拡散シート283)までの距離が十分に確保できるので、高い光拡散効果を奏する。
また、本実施形態の装飾拡散部材281は、装飾拡散シート283に対してインサート成形を行って樹脂部284を設けているので、部材強度が高まる。これにより、部材の破損を防止することができる。また、樹脂部284は、発光源によって照射される部分ではなく枠組みに設けられるので、光拡散効果は維持される。
続いて、図35を参照して、前述の発光装飾部材を用いたシャッター可動役物280の演出について説明する。図35は、本実施形態のシャッター可動役物280の動作態様について説明する図である。
図1及び図35に示すように、本実施形態では、盤装飾装置170及び盤演出装置172(図3参照)としてシャッター可動役物280が設けられる。シャッター可動役物280は、第1シャッター部材280aと第2シャッター部材280bとからなる。シャッター可動役物280は、初期状態(非可動状態)において、センターケース23の後方であって表示画面31の前方左右両側にそれぞれ一対の第1シャッター部材280a及び第2シャッター部材280bが配設される。そして、第1シャッター部材280aは、第2シャッター部材280bの前方に配置される。
図35(A)に示すように、シャッター可動役物280は、まず、左右両側の第1シャッター部材280a及び第2シャッター部材280bが表示画面31の中央に向かって可動し、第1シャッター部材280aの最大可動位置で停止する。このとき、第2シャッター部材280bは第1シャッター部材280aの後方に位置している。
次に、図35(B)に示すように、第1シャッター部材280aに被覆されていた第2シャッター部材280bが表示画面31の中央に向かって可動する。そして、図35(C)に示すように、左右両側の第2シャッター部材280bが表示画面31の中央で相対して一致し、第1シャッター部材280a及び第2シャッター部材280bによって表示画面31が完全に被覆されて遊技者から視認不能になる。
このように本実施形態における発光装飾部材は、襖のように表示画面31の前方を可動する。なお、発光装飾部材にLED基板282を備えたが、必ずしも必要ない。本実施形態のように発光源となる表示画面31の前方を動作する場合は、表示画面31の発光によって装飾拡散シート283を照射してもよい。これにより、発光装飾部材をより簡易な構成とすることができるとともに、LED282aによる発光よりも発光態様が多様化するので遊技の興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。