JP6300586B2 - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、含フッ素化合物の製造方法に関する。
含フッ素化合物は、フッ素原子の小ささ及びその電気陰性度の大きさに起因して、ユニークな性質を有し、様々な用途(例、冷媒、界面活性剤、医薬(例えば、抗生物質)、光学繊維のさや材料、塗料用材料、半導体レジスト材料、及び機能性高分子、並びにそれらの合成中間体)に用いられている。
しかし、その一方で、含フッ素化合物の製造は、このフッ素原子の特殊性に起因して、制約を受ける場合が多い。
このため、製造できる含フッ素化合物の種類は限定的であり、常に新たな含フッ素化合物の製造方法が求められている。
例えば、非特許文献1には、鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物の製造方法が開示されている。
JCS Perkin Trans 2, 1998年, p219
しかし、非特許文献1に記載の方法は、複雑な経路で合成した含フッ素オレフィンのラジカル反応による方法であり、工業的には不利点を有する。
本発明は、上記の課題に鑑み、新たな含フッ素化合物の製造方法、特に鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
含フッ素オレフィンを、
遷移金属触媒の存在下で、
一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物、及び
部分構造:H−C=を有する化合物
と反応させる工程Aを含む製造方法により、
鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
項1. 鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物の製造方法であって、
含フッ素オレフィンを、
遷移金属触媒の存在下で、
一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物、及び部分構造:H−C=を有する化合物
と反応させる工程Aを含む製造方法。
項2. 前記部分構造:H−C=を有する化合物が、アルデヒド、オレフィン、又はエノンである項1に記載の製造方法。
項3. 式(1):
[式中、
a1、Ra2、Ra3、及びRa4は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はフルオロアルキル基を表す。但し、Ra1、Ra2、Ra3、及びRa4のうち、少なくとも1つは、フッ素原子である。
b1、Rb2、Rb3、及びRb4は、水素原子、又はアルキル基を表す。但し、Rb1、Rb2、Rb3、及びRb4のうちの少なくとも3つは水素原子である。
c1は、水素原子、又は−Rを表す。
c2は、=O、=CH−Rc2a、又は=CH−C(=O)−Rc2bを表す。
c2aは、水素原子、又はアルキル基を表す。
c2bは、−R、又は−ORを表す。
Rは、各出現において同一又は異なって、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物を、
遷移金属触媒の存在下で、
式(3):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物、及び
式(4):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物
と反応させる工程A’を含む項1に記載の製造方法。
項4. 前記遷移金属触媒がニッケル触媒である項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物を簡便に製造できる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等のC1−6アルキル基等が挙げられる。
本明細書中、「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル等のC3−8シクロアルキル基等が挙げられる。
本明細書中、「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基等のC1−6アルコキシ基が挙げられる。
本明細書中、「アシル基」の好ましい例としては、アルカノイル基等が挙げられる。当該「アルカノイル基」は、アルキル−CO−基である。ここで、「アルキル」は、前記の「アルキル基」であることができる。当該「アルカノイル基」としては、例えば、アセチル基、及びプロピオニル基等のC1−6アルキル−CO−基が挙げられる。
本明細書中、「アルコキシカルボニル基」における「アルコキシ」は、前記の「アルコキシ基」であることができる。当該「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル基、及びエトキシカルボニル基等のC1−6アルコキシ−CO−基が挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中、「芳香族基」としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等の炭素数6〜14のアリール基、及び単環性、2環性、又は3環性、又は4環性の、5〜18員のヘテロアリール基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基である。当該「ヘテロアリール基」の炭素数は、例えば、3〜17であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「単環性ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル)、テトラゾリル、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピラジニル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、イソインドリル(例、1−イソインドリル、2−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例、1−ベンゾ[c]フラニル、4−ベンゾ[c]フラニル、5−ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例、1−ベンゾ[c]チエニル、4−ベンゾ[c]チエニル、5−ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例、1−インダゾリル、2−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル(例、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル(例、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、シンノリニル(例、3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、フタラジニル(例、1−フタラジニル、4−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル)、キナゾリニル(例、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノキサリニル(例、2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル(例、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)等が挙げられる。
本明細書中、「脂肪族炭化水素基」としては、例えば、「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、及び「非芳香族環状炭化水素基」が挙げられる。
「アルキル基」については、前記で例示した。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルケニル基」としては、例えば、ビニル、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−1−イル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、及び5−へキセン−1−イル等のC2−6アルケニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルケニル基」としては、例えば、ビニル、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−1−イル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、5−へキセン−1−イル等のC2−6アルケニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−プロピン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、5−へキシン−1−イル等のC2−6アルキニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族環状炭化水素基」としては、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びシクロアルカジエニル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」については、前記で例示した。
本明細書中、特に断りのない限り、「シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等のC3−7シクロアルケニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「シクロアルカジエニル基」としては、例えば、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル等のC4−10シクロアルカジエニル基が挙げられる。
本発明の、鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物の製造方法は、
含フッ素オレフィンを、
遷移金属触媒の存在下で、
一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物、及び部分構造:H−C=を有する化合物
と反応させる工程Aを含む。
工程Aの反応では、後記する実施例2から理解されるように、
(1)含フッ素オレフィン、一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物(実施例2では、エチレン)、及び遷移金属触媒から5員環錯体が形成され、次いで(2)当該5員環錯体、及びH−C=を有する化合物から7員環錯体が形成され、次いで(3)当該7員環錯体から鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物が生じると推測されるが、本発明は、これに限定されるものではない。
また、工程Aの反応系への、含フッ素オレフィン、一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物、遷移金属触媒、及びH−C=を有する化合物の添加又は導入の順序は、特に限定されるものではない。
工程Aで用いられる「含フッ素オレフィン」は、好ましくは、二重結合を構成する2個の炭素原子の上に、合計で、少なくとも1個のフッ素原子を有する。
工程Aで用いられる「含フッ素オレフィン」は、例えば、式(2):
[式中、Ra1、Ra2、Ra3、及びRa4は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はフルオロアルキル基を表す。但し、Ra1、Ra2、Ra3、及びRa4のうち、少なくとも1つは、フッ素原子である。]
で表される化合物である。
工程Aで用いられる「含フッ素オレフィン」の具体例としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、及びフッ化ビニリデンが挙げられる。
工程Aで用いられる前記一般式:CH=CHRで表されるオレフィン化合物は、好ましくはエチレンである。
工程Aで用いられる「部分構造:H−C=を有する化合物」は、好ましくは、アルデヒド、オレフィン、又はエノンである。
工程Aで用いられる前記部分構造:H−C=を有する化合物は、例えば、
式(4):
[式中、
c1は、水素原子、又は−Rを表す。
c2は、=O、=CH−Rc2a、又は=CH−C(=O)−Rc2bを表す。
c2aは、水素原子、又はアルキル基を表す。
c2bは、−R、又は−ORを表す。
Rは、各出現において同一又は異なって、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物である。
Rで表される「脂肪族炭化水素基」の好ましい例としては、アルキル基、及びシクロアルキル基が挙げられる。
Rで表される「1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基」の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子が挙げられる。当該芳香族基が1個以上の置換基を有する場合、当該置換基の数は、例えば、1〜3個であることができる。
工程Aで用いられる前記部分構造:H−C=を有する化合物がアルデヒドである場合、その例としては、
式(4):
[式中、
c1は、−Rを表す。
c2は、=Oを表す。
Rは、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物が挙げられる。
工程Aで用いられる前記部分構造:H−C=を有する化合物がオレフィンである場合、その例としては、
式(4):
[式中、
c1は、水素原子を表す。
c2は、=CH−Rc2aを表す。
c2aは、水素原子、又はアルキル基を表す。]
で表される化合物が挙げられる。
工程Aで用いられる前記部分構造:H−C=を有する化合物がオレフィンである場合、当該オレフィンは、前記一般式:CH=CHRで表されるオレフィン化合物と同一であってもよく、及び共通していてもよい。
工程Aで用いられる前記部分構造:H−C=を有する化合物がエノンである場合、その例としては、
式(4):
[式中、
c1は、水素原子、又はRを表す。
c2は、=CH−C(=O)−Rc2bを表す。
c2bは、−R、又は−ORを表す。
Rは、各出現において同一又は異なって、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物が挙げられる。
本発明の製造方法で得られる、鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物は、好ましくは、鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=(式中、C、C、C、C、及びCは、炭素原子を表す。)を有する含フッ素化合物である。ここで、好ましくは、C、及びCの一方、又は両方は、その上に、1個以上のフッ素原子を有する。
本発明の製造方法の好適な態様は、式(1):
[式中、
a1、Ra2、Ra3、及びRa4は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はフルオロアルキル基を表す。但し、Ra1、Ra2、Ra3、及びRa4のうち、少なくとも1つは、フッ素原子である。
b1、Rb2、Rb3、及びRb4は、水素原子、又はアルキル基を表す。但し、Rb1、Rb2、Rb3、及びRb4のうちの少なくとも3つは水素原子である。
c1は、水素原子、又は−Rを表す。
c2は、=O、=CH−Rc2a、又は=CH−C(=O)−Rc2bを表す。
c2aは、水素原子、又はアルキル基を表す。
c2bは、−R、又は−ORを表す。
Rは、各出現において同一又は異なって、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物を、
遷移金属触媒の存在下で、
式(3):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物、及び
式(4):
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物
と反応させる工程A’を含む製造方法
である。
ここで、工程A’は工程Aの一態様である。従って、後記の工程Aについての説明は工程A’についての説明を兼ねる。
なお、前記鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=は、式(1)中、下記で太文字及び太い線で示した部分に対応する。
a1、Ra2、Ra3、及びRa4は、好ましくは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はパーフルオロアルキル基(例、トリフルオロメチル基)である。
本発明の製造方法で得られる鎖状部分構造:H−C−C−C−C−C=を有する含フッ素化合物としては、好ましくは、例えば、前記式(1)の化合物に包含される、次の式(1−1)の化合物、及び式(1−2)の化合物が挙げられる。
式(1−1):
H−Y−CHCH−X (1−1)
[式中、
は、−CFCH−、又は−CHCF−を表す。
は、−CO−R、−CH=CHCOR、又は−CH=CHCOORを表す。
は、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
で表される化合物。
式(1−2):
H−CRa2F−CRa4F−CHCH−X (1−2)
[式中、
a2、及びRa4は、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、又は−CF基を表す。但し、Ra2、及びRa4のうち、少なくとも1つは、フッ素原子である。
は、−CO−R、−CH=CH、−CH=CHCOR、又は−CH=CHCOORを表す。
は、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していて芳香族基を表す。]
で表される化合物。
で表される「脂肪族炭化水素基」の好ましい例としては、アルキル基、及びシクロアルキル基が挙げられる。
で表される「1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基」の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子が挙げられる。当該芳香族基が1個以上の置換基を有する場合、当該置換基の数は、例えば、1〜3個であることができる。
前記式(1−1)の化合物は、例えば、次の化合物である。これらの式中、Rは、前記式(1−1)の記載と同意義を表す。
HCFCH−CHCH−CO−R
HCFCH−CHCH−CH=CHCOR
HCFCH−CHCH−CH=CHCOOR
CHCF−CHCH−CO−R
CHCF−CHCH−CH=CHCOR
CHCF−CHCH−CH=CHCOOR
式(1−1)の化合物は、フッ化ビニリデンを、
遷移金属触媒の存在下で、
エチレン、及び
式:HCO−R、CH=CHCOR、又はH−CH=CHCOOR[各式中の記号は式(1−1)の記載と同意義を表す。]で表される化合物
と反応させる工程を含む製造方法によって得られる。
式(1−2)の化合物は、
が−CO−R、−CH=CHCOR、又は−CH=CHCOORである場合、
式:CRa2F=CRa4F[式中の記号は式(1−2)の記載と同意義を表す。]で表される化合物を、
遷移金属触媒の存在下で、
エチレン、及び
式:HCO−R、CH=CHCOR、又はCH=CHCOOR[各式中の記号は式(1−2)の記載と同意義を表す。]で表される化合物
と反応させる工程を含む製造方法によって得られる。
式(1−2)の化合物は、
が−CH=CHである場合、
式:CRa2F=CRa4F[式中の記号は式(1−2)の記載と同意義を表す。]で表される化合物を、
遷移金属触媒の存在下で、
エチレン
と反応させる工程を含む製造方法によって得られる。
工程Aは、遷移金属触媒の存在下で実施される。
工程Aで用いられる遷移金属触媒は、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びコバルトからなる群より選択される1種以上の遷移金属を含有する遷移金属触媒である。
すなわち、工程Aで用いられる遷移金属触媒としては、例えば、ニッケル触媒、パラジウム触媒、白金触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、イリジウム触媒及びコバルト触媒が挙げられる。
当該遷移金属は、好ましくは、ニッケル、及びパラジウムからなる群より選択される。
工程Aで用いられる遷移金属触媒は、好ましくは、ニッケル錯体、又はパラジウム錯体であり、より好ましくはニッケル錯体である。
前記ニッケル錯体、及び前記パラジウム錯体は、試薬として投入されるもの及び反応系中で生成するものの両方を意味し得る。
ニッケル錯体としては、例えば、
0価ニッケル錯体;
II価ニッケル錯体から反応中に発生した0価ニッケル錯体;及び
これらとジケトン、ホスフィン、ジアミン、ビピリジル、及びN−ヘテロ環状カルベンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(配位子)とを混合して得られる錯体
等が挙げられる。
0価ニッケル錯体としては、例えば、Ni(COD)、Ni(CDD)(CDDはシクロデカ−1,5−ジエン)、Ni(CDT)(CDTはシクロデカ−1,5,9−トリエン)、Ni(VCH)(VCHは4−ビニルシクロヘキセン)、Ni(CO)、(PCyNi−N≡N−Ni(PCy、及びNi(PPh等が挙げられる。
II価ニッケル錯体としては、例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)、又はこれらにトリフェニルホスフィン等のホスフィン配位子が配位した錯体等が挙げられる。これらのII価ニッケル錯体は、例えば、反応中に共存する還元種(ホスフィン、亜鉛、有機金属試薬等)により還元されて、0価ニッケル錯体が生成する。
前記の、0価ニッケル錯体、又はII価ニッケル錯体から還元により生じた0価ニッケル錯体は、反応中、必要に応じ添加される配位子と作用して、反応に関与する0価のニッケル錯体に変換することもできる。なお、反応中において、0価のニッケル錯体にこれらの配位子がいくつ配位しているかは必ずしも明らかでなくてもよい。
パラジウム錯体としては、例えば、
0価パラジウム錯体;
II価パラジウム錯体から反応中に発生した0価パラジウム錯体;及び
これらとジケトン、ホスフィン、ジアミン、ビピリジル、及びN−ヘテロ環状カルベンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(配位子)とを混合して得られる錯体
等が挙げられる。
0価パラジウム錯体としては、例えば、Pd(dba)(dbaはジベンジリデンアセトン)、Pd(cod)(codはシクロオクタ−1,5−ジエン)、Pd(dppe)(dppeは1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)、Pd(PCy(Cyはシクロヘキシル基)、Pd(Pt−Bu(t−Buはt-ブチル基)及びPd(PPh(Phはフェニル基)等が挙げられる。
II価パラジウム錯体としては、例えば、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ジクロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、又はこれらにトリフェニルホスフィン等のホスフィン配位子が配位した錯体等が挙げられる。これらのII価パラジウム錯体が、例えば、反応中に共存する還元種(例、ホスフィン、亜鉛、有機金属試薬等)により還元されて、0価パラジウム錯体が生成する。
前記の、0価パラジウム錯体、又はII価パラジウム錯体から還元により生じた0価パラジウム錯体は、反応中、必要に応じ添加される配位子と作用して、反応に関与する0価のパラジウム錯体に変換することもできる。なお、反応中において、0価のパラジウム錯体にこれらの配位子がいくつ配位しているかは必ずしも明らかでなくてもよい。
前記ニッケル錯体、及び前記パラジウム錯体等の遷移金属触媒は、前記のような配位子を用いることで、反応基質との均一な溶液を形成させて、反応に用いることが多いが、これ以外にもポリスチレン、ポリエチレン等のポリマー中に分散又は担持させた不均一系触媒としても用いることが可能である。このような不均一系触媒は、触媒の回収等のプロセス上の利点を有する。具体的な触媒構造としては、例えば、以下の化学式に示すような、架橋したポリスチレン(PS)鎖にホスフィンを導入したポリマーホスフィンなどで金属原子を固定したもの等が挙げられる。また、これ以外にも、以下:
1)Kanbaraら、Macromolecules, 2000年、33巻、657頁
2)Yamamotoら、J. Polym. Sci., 2002年、40巻、2637頁
3)特開平06−32763号公報
4)特開2005−281454号公報
5)特開2009−527352号公報
に示す文献に記載のポリマーホスフィンも利用可能である。
(式中、PSはポリスチレンを、Phはフェニル基を示す。)
ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,3−ジフェニルプロパンジオン等のβジケトン等が挙げられる。
ホスフィンとしては、例えば、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、及び置換されていてもよいアリール基等からなる群より選択される1個以上の置換基をリン原子上に有するホスフィンであることができる。
なかでも、トリ(シクロ)アルキルホスフィン、又はトリアリールホスフィンが好ましい。
トリ(シクロ)アルキルホスフィンとしては、具体的には、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリテキシルホスフィン、トリアダマンチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、ジt−ブチルメチルホスフィン、トリビシクロ[2,2,2]オクチルホスフィン、トリノルボルニルホスフィン等のトリ(C3−20(シクロ)アルキル)ホスフィン等が挙げられる。
トリアリールホスフィンとしては、具体的には、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン等のトリ(単環アリール)ホスフィン等が挙げられる。
またこれ以外にも、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル、[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]ジ−tert−ブチルホスフィン;並びに4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−9H−キサンテン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、及び2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルのような二座配位子も有効である。
また、前述したように、ホスフィン単位をポリマー鎖に導入した不均一系触媒用のアリールホスフィンも好ましく用いることができる。具体的には、以下の化学式に示す、トリフェニルホスフィンの1つのフェニル基をポリマー鎖に結合させたトリアリールホスフィンが例示される。
(式中、PSはポリスチレンを、Phはフェニル基を示す。)
ジアミンとしては、例えば、テトラメチルエチレンジアミン、及び1,2−ジフェニルエチレンジアミン等が挙げられる。
ビピリジルとしては、例えば、2,2’−ビピリジル、及びその誘導体等が挙げられる。
N−ヘテロ環状カルベンとしては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン(IPr)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジクロロイミダゾール−2−イリデン(IPrCl)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン(SIPr)、及び1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン(IMes)等が挙げられる。
また、本発明で用いられる遷移金属触媒は、前記遷移金属が担体に担持されている担持触媒であることができる。このような担持触媒は、触媒を再利用できるので、コストの点で有利である。
当該担体の例としては、例えば、炭素、アルミナ、シリカーアルミナ、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はゼオライト等が挙げられる。
工程Aにおける、遷移金属触媒の量は、含フッ素オレフィンの1モルに対して、好ましくは、0.001〜1モルの範囲内、より好ましくは、0.01〜0.2モルの範囲内、更に好ましくは、0.05〜0.1モルの範囲内である。
工程Aにおける、一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物の量は、含フッ素オレフィンの1モルに対して、好ましくは、0.1〜10モルの範囲内、より好ましくは、1〜10モルの範囲内、更に好ましくは、2〜5モルの範囲内である。
工程Aにおける、部分構造:H−C=を有する化合物の量は、含フッ素オレフィンの1モルに対して、好ましくは、0.01〜10モルの範囲内、より好ましくは、0.1〜5モルの範囲内、更に好ましくは、0.2〜1モルの範囲内である。
工程Aの反応温度は、通常、0℃〜250℃の範囲内、好ましくは、0℃〜200℃の範囲内、より好ましくは、10℃〜200℃の範囲内、更に好ましくは、10℃〜180℃の範囲内、より更に好ましくは、60℃〜180℃の範囲内、特に好ましくは、100℃〜150℃の範囲内である。
工程Aは、好ましくは、溶媒の存在下で実施される。
当該溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン、並びにそれらの2種以上の混合溶媒等が挙げられる。
工程Aの反応は、具体的には、例えば、遷移金属触媒、部分構造:H−C=を有する化合物、及び溶媒を耐圧容器に入れ、次いで含フッ素オレフィン、及び一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物(例、エチレン)を導入することにより実施できる。ここで、先に当該オレフィン化合物(例、エチレン)を導入し、その後に前記含フッ素オレフィンを導入することが好ましい。
一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物(例、エチレン)の導入圧力は、好ましくは0.1〜10MPaの範囲内、より好ましくは0.2〜1MPaの範囲内、更に好ましくは0.3〜0.4MPaの範囲内である。
工程Aにおいて、前記含フッ素オレフィンの分圧(モル数)は、一般式:CH=CHR(式中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。)で表されるオレフィン化合物(例、エチレン)の分圧(モル数)よりも低いことが好ましい。
含フッ素オレフィンの導入圧力は、前記含フッ素オレフィンの導入圧力によって異なるが、具体的には例えば、好ましくは0.1〜10MPaの範囲内、より好ましくは0.3〜1.5MPaの範囲内、更に好ましくは0.4〜0.5MPaの範囲内である。
先に記載した式(1−1)の化合物、及び式(1−2)の化合物は新規化合物である。特に、前記式(1−2)の化合物は、従来の方法では、合成が困難な化合物であり、特に有用である。当該式(1−2)の化合物は、例えば、次の化合物である。これらの式中、Rは、前記式(1−2)の記載と同意義を表す。
CFCFHCF−CHCH−CO−R
CFCFHCF−CHCH−CH=CH
CFCFHCF−CHCH−CH=CHCOR
CFCFHCF−CHCH−CH=CHCOOR
CFHCF(CF)−CHCH−CO−R
CFHCF(CF)−CHCH−CH=CH
CFHCF(CF)−CHCH−CH=CHCOR
CFHCF(CF)−CHCH−CH=CHCOOR
CFClHCF−CHCH−CO−R
CFClHCF−CHCH−CH=CH
CFClHCF−CHCH−CH=CHCOR
CFClHCF−CHCH−CH=CHCOOR
CFHCFCl−CHCH−CO−R
CFHCFCl−CHCH−CH=CH
CFHCFCl−CHCH−CH=CHCOR
CFHCFCl−CHCH−CH=CHCOOR
HCFCF−CHCH−CO−R
HCFCF−CHCH−CH=CH
HCFCF−CHCH−CH=CHCOR
HCFCF−CHCH−CH=CHCOOR
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本明細書中、特に断りの無い限り、「室温」とは、約10℃〜約35℃の範囲内の温度である。
以下、実施例で用いる略号は以下の通りである。この他、化学分野で一般に用いられる略号が用いられる。
cod: シクロオクタジエン(cyclooctadiene)
Cy: シクロヘキシル(cyclohexyl)
Cyp: シクロペンチル(cyclopentyl)
TFE: テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)
以下の実施例において、ガスリキッドクロマトグラィー(GLC)は次のGLC条件に従って実施した。
<GLC条件>
カラム:CBP−10、0.22 mmφ、長さ 25 m
測定条件:気化室温度:250℃;検出器温度:280℃;カラム温度:50℃(3 min)→250℃(昇温:10 ℃ / min)→250℃(7 min)
実施例1
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol), PCy3 (8.4mg, 0.03mmol)のC6D6 (重ベンゼン)(0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(α,α,α−trifluorotoluene)(14μL:19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにテトラフルオロエチレン(TFE、0.17mmol、0.25MPa)とエチレン(0.42mmol、0.50 MPa)を加えた。この反応溶液を室温で10時間放置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、5,5,6,6−テトラフルオロ−1−ヘキセンが定量的に得られたことを確認した。
実施例2−1
グローブボックス中、Ni(cod)2 (5.5mg, 0.02mmol), PPh3 (10.6mg, 0.04mmol)のC6D6 (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL:19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにエチレン(0.21mmol、0.25 MPa)とTFE(0.17mmol、0.25MPa)を加えた。この反応溶液を室温で放置したところ、以下に示す5員環を有するテトラフルオロエチレンエチレン−ニッケルビストリフェニルホスフィン錯体()が定量的に得られたことを確認した。
実施例2−2
実施例2−1で得られたニッケル錯体()を、グローブボックス中で溶媒を溜去することで単離した。これを再度耐圧チューブ中でC6D6 (0.4 mL)溶液として調製し、α,α,α−トリフルオロトルエン(14μL:19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにエチレン(0.42mmol、0.50 MPa)を加えて室温で放置したところ、5,5,6,6−テトラフルオロ−1−ヘキセンが定量的に得られたことを確認した。以上の結果から、5員環のテトラフルオロエチレンエチレン−ニッケルビストリフェニルホスフィン錯体()を経由して、テトラフルオロエチレン1分子とエチレン2分子による三量化反応が進行することが確認できた。
実施例3
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン (IPr, 3.89mg, 0.01mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.30mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.13mmol、ゲージ圧0.50MPaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で3時間放置した。反応の追跡および生成物の収率算出はガスクロマトグラフィー(GLC)で行った。3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが13%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例4
実施例3と同様にして、但し、同じ仕込み比の反応溶液を、40℃で3時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが17%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例5
実施例3と同様にして、但し、同じ仕込み比の反応溶液を、60℃で3時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが45%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例6
実施例3と同様にして、但し、同じ仕込み比の反応溶液を、80℃で3時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが63%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例7
実施例3と同様にして、但し、同じ仕込み比の反応溶液を、100℃で3時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが77%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例8
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル フェニル ケトンが98%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例9
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (0.55mg, 0.002mmol)、IPr (0.78mg, 0.002mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル フェニル ケトンが4%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例10
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とp-トルアルデヒド(12.02mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (4-メチルフェニル) ケトンが77%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例11
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とm-トルアルデヒド(12.02mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (3-メチルフェニル) ケトンが52%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例12
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とo-トルアルデヒド(14.82mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (2-メチルフェニル) ケトンが10%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例13
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)と2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド(14.82mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (2,4,6-トリメチルフェニル) ケトンが10%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例14
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とp-アニスアルデヒド(13.68mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (4-メトキシフェニル) ケトンが57%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例15
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)と4-フルオロベンズアルデヒド(12.41mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル (4-フルオロフェニル) ケトンが60%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例16
実施例3と同様にして、但し、仕込みについては、Ni(cod)2 (1.4mg, 0.005mmol)、IPr (1.95mg, 0.005mmol)とシクロヘキサンカルボキシアルデヒド(12.41mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、得られた反応溶液を150℃で30時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチル シクロヘキシル ケトンが30%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例17
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PCy3 (5.6mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で2時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが24%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例18
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PCyp3 (4.8mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で4時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが22%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例19
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PiPr3 (3.2mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で2時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが27%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例20
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PtBu3 (4.0mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で4時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが1%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例21
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PnBu3 (4.1mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を60℃で2時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが2%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例22
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、PPh3 (5.3mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を40℃で15時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが24%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例23
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、P(p-tolyl)3 (6.1mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を40℃で5時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが13%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例24
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、P(4-methoxyphenyl)3 (7.0mg, 0.02mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を40℃で5時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが15%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例25
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-4,5-ジクロロイミダゾール-2-イリデン(1,3-bis(2,6-diisopropylphenyl)-4,5-dichloroimidazol-2-ylidene)(IPrCl、4.6mg, 0.01mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を40℃で7時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが28%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例26
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン-2-イリデン(1,3-bis(2,6-diisopropylphenyl)imidazolidin-2-ylidene )(SIPr, 3.9mg, 0.01mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を40℃で2時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが9%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例27
グローブボックス中、Ni(cod)2 (2.75mg, 0.01mmol)、1,3-ジメシチルイミダゾール-2-イリデン(1,3-dimesitylimidazol-2-ylidene)(IMes, 3.0mg, 0.01mmol)とベンズアルデヒド(10.62mg, 0.1mmol)のトルエン (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。ここに室温下で、エチレン(0.42mmol、0.35 MPa)を導入した後、さらにTFE(0.17mmol、ゲージ圧0.50Mpaまで導入した)を加えた。この反応溶液を室温で2時間放置したところ、3,3,4,4−テトラフルオロブチルフェニルケトンが8%(ガスクロマトグラフピーク面積比)で得られたことを確認した。
実施例28
実施例2−1で調製したテトラフルオロエチレンエチレン−ニッケルビストリフェニルホスフィン錯体()と1当量のアクリル酸エチルのC6D6溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。これを室温で24時間放置した。反応液のNMR測定により、7,7,6,6-テトラフルオロ-2-ヘプテン酸エチル(ethyl 7,7,6,6-tetrafluoro-2-heptenoate)を69%の収率で得られたことを確認した。
実施例29
実施例2−1で調製したテトラフルオロエチレンエチレン−ニッケルビストリフェニルホスフィン錯体()と1当量のtrans-1-フェニル-2-ブテン-1-オン(trans-1-phenyl-2-buten-1-one)のC6D6溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。これを室温で24時間放置した。反応液のNMR測定により、80%の収率で以下に示す7員環のニッケラサイクル()の形成を確認した。さらにこれを60℃に昇温して24時間放置したところ、7,7,6,6-テトラフルオロ-1-フェニル-3-メチル-2-ヘプテン-1-オン(7,7,6,6-tetrafluoro-1-phenyl-3-methyl-2-hepten-1-one)が31%の収率で得られた。
実施例30
実施例2−1で調製したテトラフルオロエチレンエチレン−ニッケルビストリフェニルホスフィン錯体()と1当量のtrans-カルコン(trans-Chalcone)の重ベンゼン溶液を耐圧NMRチューブ中に調製した。これを60℃で24時間放置した。反応液のNMR測定により、7,7,6,6-テトラフルオロ-1,3-ジフェニル-2-ヘプテン-1-オン(7,7,6,6-tetrafluoro-1,3-diphenyl-2-hepten-1-one)が64%の収率で得られた。
実施例31
グローブボックス中、Ni(cod)2 (8.3mg, 0.03mmol), PPh3 (15.9mg, 0.06mmol), アクリル酸エチル(17.0mg, 0.17mmol)のC6D6 (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL:19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにエチレン(0.17mmol、0.2 MPa)とTFE(0.34mmol、0.5MPa)を加えた。この反応溶液を60℃で24時間放置した。この反応液をNMR測定により解析し、7,7,6,6-テトラフルオロ-2-ヘプテン酸エチル(ethyl 7,7,6,6-tetrafluoro-2-heptenoate)が痕跡量得られたことを確認した。
実施例32
グローブボックス中、Ni(cod)2 (8.3mg, 0.03mmol), PPh3 (15.9mg, 0.06mmol), trans-クロトン酸エチル(19.4mg, 0.17mmol)のC6D6 (0.4 mL)溶液を耐圧NMRチューブ中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(14μL:19F-NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにエチレン(0.17mmol、0.2 MPa)とTFE(0.34mmol、0.5MPa)を加えた。この反応溶液を室温で24時間放置した。この反応液をNMR測定により解析し、7,7,6,6-テトラフルオロ-3-メチル-2-ヘプテン酸エチル(ethyl 7,7,6,6-tetrafluoro-3-methyl-2-heptenoate)が痕跡量得られたことを確認した。

Claims (4)

  1. 式(1):

    [式中、
    a1、Ra2、Ra3、及びRa4は、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子を表す。但し、Ra1、Ra2、Ra3、及びRa4のうち、少なくとも1つは、フッ素原子である。
    b1、Rb2、Rb3、及びRb4は、水素原子、又はメチル基を表す。但し、Rb1、Rb2、Rb3、及びRb4のうちの少なくとも3つは水素原子である。
    c1は、水素原子、又は−Rを表す。
    c2は、=O、又は=CH−Rc2a 表す。
    c2aは、水素原子、又はアルキル基を表す
    、脂肪族炭化水素基、又は1個以上の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(2):

    [式中の記号は前記と同意義を表す。]
    で表される化合物を、
    ニッケル触媒の存在下で、
    式(3):

    [式中の記号は前記と同意義を表す。]
    で表される化合物、及び
    式(4):

    [式中の記号は前記と同意義を表す。]
    で表される化合物
    と反応させる工程A’を含む製造方法。
  2. a1 、R a2 、R a3 、及びR a4 は、フッ素原子である、請求項1に記載の製造方法。
  3. b1 、R b2 、R b3 、及びR b4 は、水素原子である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. c2 は、=O、又は=CH であり、
    但し、R c2 が=CH であるとき、R c1 は、水素原子である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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