JP6297211B2 - リソグラフィ装置及び方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2014年9月15日に出願された欧州特許出願第14184776.4号の優先権を主張する。この出願は引用によりその全体が本願に含まれるものとする。
[0002] 本出願は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。
[0004] 基板のターゲット部分上の各ポイントによって受光される放射ドーズ量を高精度に制御できるリソグラフィ装置を提供することが望ましい。基板のターゲットエリアの一部によって受光される放射ドーズ量は、その部分により受光される単位面積当たりのエネルギ量として定義することができる。放射ドーズ量を高精度に制御すると、基板上に形成されるフィーチャのクリティカルディメンションの変動を制御することが可能となる。
[0005] 本発明の目的は、本明細書で又は他で特定される従来技術の問題の1つ以上に少なくとも部分的に対処するリソグラフィ装置及びデバイス製造方法を提供することである。
[0006] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置が提供される。この装置は、放射ビームを生成するように動作可能な放射システムと、フレームと、基板を保持するための基板テーブルであって、フレームに移動可能に搭載され、基板のターゲット部分が放射ビームを受光するよう配置されるように配置される、基板テーブルと、フレームに対して基板テーブルを移動させるように動作可能なスキャン機構と、フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定するように動作可能な機構と、を備え、放射システム及び前記フレームの相対運動の結果としての基板により受光される放射のドーズ量の変動を低減させるように、フレームに対する放射システムの速度を示す量に応じて放射ビームのパワーを制御するように動作可能である調整機構が、放射システムに設けられている。
[0007] 放射ビームは放射帯として基板のターゲット部分に投影することができ、リソグラフィ装置は、基板テーブルを移動させることにより、この放射帯に対して基板を移動させるように動作可能である。スキャン露光中、基板上のポイントに送出される放射ドーズ量は、そのポイントについての放射ビームの放射照度の時間積分によって与えられる。従って、基板上の所与のポイントにより受光される放射ドーズ量は、放射帯が基板の表面上を移動する速度に依存する。例えば、放射ビームのパワーが一定のままである場合、放射帯が基板の表面上を移動する速度が遅くなればなるほど、放射ドーズ量は大きくなる。
[0008] 放射システムとフレームの相対移動があると、放射帯が基板の表面上を移動する速度に影響を与え、従って基板により受光される放射ドーズ量に影響を与える。例えば、スキャン機構によってフレームに対して基板テーブルが移動するとフレームに対して放射システムが振動するように、放射システムはフレームに対して弱く(loosely)機械的に結合され得る。フレームに対する基板テーブルの運動方向でそのような振動があると、放射帯が基板の表面上を移動する速度、従って基板により受光される放射ドーズ量が、時間と共に周期変動する(oscillate)。本発明の第1の態様では、放射ビームのパワーを変化させることで、基板により受光されるドーズ量のそのような変動を少なくとも部分的に補償することができる。
[0009] 一般的に、基板上の各ポイントによって受光される放射ドーズ量を高精度に制御することが望ましい。ドーズ量は、基板により受光される単位面積当たりのエネルギ量として定義される。例えば、基板上に形成されるフィーチャのクリティカルディメンションの変動が所望の閾値未満であるよう充分に高精度にドーズ量を制御することが望ましい場合がある。
[0010] フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定するように動作可能である機構は、放射システムに搭載された加速度計を含み得る。フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定するように動作可能である機構は、放射システムに又は放射システム及びフレームの双方に搭載された複数の加速度計を含み得る。
[0011] フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定するように動作可能である機構は、放射システムから出射する放射帯の移動を測定するように動作可能な、フレームに搭載されたカメラを含み得る。フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定するように動作可能である機構は、放射システムから出射する放射帯の移動を測定するように動作可能な、フレームに搭載された複数のカメラを含み得る。
[0012] 放射ビームのパワーが、ベースパワーに、フレームに対する放射システムの速度を示す量に依存する係数(factor)を乗算した値と等しくなるように、調整機構が放射ビームのパワーを制御するように動作可能であり得る。ベースパワーは、放射システムがフレームに対して静止している場合に所望の放射ドーズ量を達成するパワーとすればよい。係数は時間と共に変動してもよい。ベースパワーは、実質的に時間非依存であってもよい。あるいは、ベースパワーは時間と共に変動してもよい。例えばベースパワーは、リソグラフィ装置内の1つ以上の時間依存の変動を少なくとも部分的に補償するように変動させてもよい。
[0013] 係数は、フレームに対する基板テーブルのスキャン速度と、フレームに対する基板の面内でのスキャン方向の放射ビームの速度と、のベクトル和に比例してもよい。係数は、この和とフレームに対する基板テーブルのスキャン速度との比であってもよい。フレームに対する基板の面内でのスキャン方向の放射ビームの速度は、フレームに対する放射システムの速度を、放射システムと基板の面との間で放射ビームに適用される縮小率で除算することによって与えることができる。
[0014] 係数は1つ以上の調整可能パラメータを含んでもよい。例えば係数は、フレームに対する基板テーブルのスキャン速度と、パラメータf及びフレームに対する基板の面内でのスキャン方向の放射ビームの速度の積と、のベクトル和に比例してもよい。係数は、この和とフレームに対する基板テーブルのスキャン速度との比であってもよい。
[0015] 放射システムは、放射ビームを生成するように動作可能な放射源と、放射ビームを調節するように動作可能な照明システムと、を備えることができる。
[0016] 放射システムは射出スリットを備えることができる。射出スリットは照明システムの一部を形成し得る。射出スリットに、1つ以上の可動の調整可能フィンガを設けることができる。射出スリットはさらに、2つの可動ブレードを含み得る。各ブレードは、少なくとも、スリットを少なくとも部分的に隠す位置とスリットを隠さない位置との間で移動可能とすればよい。各ブレードは、スリットを完全に隠す位置まで移動可能であってもよい。
[0017] リソグラフィ装置は、パターニングデバイスを支持するための支持構造をさらに備えることができる。放射ビームが基板のターゲット部分によって受光される前にその断面にパターニングデバイスがパターンを付与するように、放射システムが放射ビームをパターニングデバイスに投影するように配置すればよい。
[0018] リソグラフィ装置は、放射ビームを基板のターゲット部分に放射帯として投影するための投影システムをさらに備えることができる。投影システムはフレームに接続することができる。
[0019] 放射システムはレーザを含み得る。レーザはエキシマレーザであってもよい。
[0020] 本発明の第2の態様によれば、基板を提供することと、放射システムを用いて放射のビームを提供することと、パターニングデバイスを用いて放射ビームの断面にパターンを付与することと、パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影することと、スキャン機構を用いて、パターン付与された放射ビームが基板の表面上を移動するように基板をフレームに対して移動させることと、フレームに対する放射システムの速度を示す量を決定することと、放射システム及びフレームの相対運動の結果としての基板により受光される放射のドーズ量の変動を低減させるように、フレームに対する放射システムの速度を示す量に応じて放射ビームのパワーを制御することと、を備える方法が提供される。
[0021] 当業者に容易に明らかとなるように、上述の及び後述の本発明の様々な態様及び特徴は、本発明の他の様々な態様及び特徴と組み合わせることができる。
[0022] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
本発明の一実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す。 イルミネータのフィンガを後退させた場合の、フレームに対するイルミネータの(スキャン方向の)振動から生じる3シグマドーズ量変動(換算単位)のシミュレーションのグラフを、第1の強度分布についての振動の周波数の関数として示す。 図2のグラフの拡大部分をさらに小さい周波数スケールで示す。 イルミネータのフィンガを部分的に挿入した場合の、フレームに対するイルミネータの振動から生じる3シグマドーズ量変動(換算単位)のシミュレーションのグラフを、第2の強度分布についての振動の周波数の関数として示す。
[0023] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0024] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0025] 本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成する等のため、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得るデバイスを指すものとして広義に解釈されるものとする。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しない場合があることに留意するべきである。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0026] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
[0027] 支持構造がパターニングデバイスを支持する。支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、さらに、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているかといった他の条件に応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持は、機械式クランピング、真空式、又は、例えば真空条件下での静電式クランピングのような他のクランピング技法を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルとすることができ、必要に応じて固定式又は可動式とすればよく、パターニングデバイスを例えば投影システムに対して確実に所望の位置とすることができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0028] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、適宜、例えば露光放射の使用、あるいは浸漬液の使用又は真空の使用などの他の要因に対する、屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折システムを含む、様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0029] また、照明システムは、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折光学コンポーネント、反射光学コンポーネント、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントを包含することができ、そのようなコンポーネントは以下で、まとめて又は単独で「レンズ」とも称される。
[0030] リソグラフィ装置は、単一の基板テーブル及び単一の支持構造を有することができる。あるいは、リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでもよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上のテーブルで予備工程を実行しながら1つ以上の他のテーブルを露光に使用することも可能である。
[0031] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液体に浸すタイプでもよい。液浸技法は、投影システムの開口数を大きくするため当技術分野では周知である。
[0032] 図1は、本発明の特定の実施形態に従ったリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
−放射ビームPB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するための照明システム(イルミネータ)ILと、
−フレームMFと、
−ベースフレームBFと、
−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するための支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
−基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するための基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
−パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLと、
を備える。
[0033] ベースフレームBFは、地上に支持することができる。フレームMFは、フレームMFをベースフレームBF上に支持する音響減衰マウントDMを用いることにより、ベースフレームBFの振動のような外部の影響から実質的に分離された防振フレームである。これらの音響減衰マウントDMは、ベースフレームBFによって及び/又は分離フレームMF自体によって生じる振動を分離するように能動的に制御することができる。
[0034] 投影システムPLは分離フレームMFに接続されている。支持構造MTは、第1の位置決めデバイスPMを介してフレームMFに移動可能に搭載されている。第1の位置決めデバイスPMを用いて、パターニングデバイスMAを移動させ、これをフレームMFに対して(さらには、フレームMFに接続された投影システムPLに対して)高精度に位置決めすることができる。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPWを介してフレームMFに移動可能に搭載されている。第2の位置決めデバイスPWを用いて、基板Wを移動させ、これをフレームMFに対して(さらには、フレームMFに接続された投影システムPLに対して)高精度に位置決めすることができる。第2の位置決めデバイスPWをスキャン機構とも称する場合がある。あるいは、第1及び第2の位置決めデバイスPM、PWをまとめてスキャン機構と称することがある。支持構造MT及び基板テーブルWTをまとめてオブジェクトテーブルと称することがある。
[0035] 本明細書に示すように、装置は透過型(例えば透過性マスクを用いる)である。あるいは、装置は反射型(例えば上記したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを用いる)としてもよい。
[0036] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受光する。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合、放射源SOとリソグラフィ装置とは別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームBは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを含むビームデリバリシステムBDを利用することで、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプである場合、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。イルミネータILを放射システムと呼ぶことができる。あるいは、放射源SO及びイルミネータILを、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、まとめて放射システムと呼ぶことができる。
[0037] イルミネータILは、ビームの角度強度分布を調整するための調整手段AMを含むことができる。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは一般的に、インテグレータIN及びコンデンサCOのような他の様々なコンポーネントも備えている。
[0038] 調節された放射ビームPBの形状及び強度分布は、イルミネータILの光学部品によって規定される。イルミネータILは、調節された放射ビームPBが通過するスリットSLを備える。スリットSLは、複数の可動フィンガによって画定される、細長い、概ね矩形のアパーチャを含む。スリットは、長い寸法(長さと称する場合がある)及び短い寸法(幅と称する場合がある)を有することができる。各可動フィンガは、少なくとも放射ビームの経路内に配置されない後退位置と放射ビームを部分的に遮る挿入位置との間で、個別に移動可能である。フィンガを移動させることにより、スリットSLの形状及び/又は強度分布を調整できる。フィンガはフィールド面内に存在せず、フィールドはフィンガの周辺部にある。従って、フィンガは放射ビームPBをシャープに遮断しない。フィンガの後退位置と挿入位置との間の移動は、スリットSLの長さに垂直な方向とすることができる。フィンガはペアで配置し、各ペアはスリットSLの各側に1つずつフィンガを含むようにすればよい。フィンガのペアはスリットSLの長さに沿って配置することができる。フィンガのペアを用いて、スリットSLの長さに沿って放射ビームPBの異なる減衰レベルを与えることができる。
[0039] 放射ビームPBの強度分布は、複数のフィンガ(及びイルミネータILの光学部品)の位置に依存し得る。放射ビームPBの強度関数は、スキャン方向に相当するスリットSLの幅方向で変動し得る。スリットSLの幅方向の強度関数の形状を、放射ビームPBのプロファイルと呼ぶことができる。放射ビームPBのプロファイルは、スリットSLの長さに沿ってほぼ同一であり得る。これに加えて又はこの代わりに、スリットSLの幅方向の放射ビームPBの強度プロファイルの積分は、スリットSLの長さに沿ってほぼ一定であり得る。これを達成するには、フィンガのペアをそれぞれ異なる量ずつ放射ビームPBの経路内に挿入して、スリットSLの長さに沿って異なる量ずつ放射ビームを減衰させればよい。フィンガのペアが異なる量ずつ放射ビームPBの経路内に挿入されるこのような実施形態では、放射ビームPBのプロファイルはスリットSLの長さに沿ってわずかに変動する。
[0040] イルミネータILは、2つのブレード(図示せず)を備えている。2つのブレードの各々はスリットSLの長さに対して概ね平行であり、2つのブレードはスリットの反対側に配置されている。各ブレードは、放射ビームの経路内に配置されない後退位置と放射ビームを部分的に遮る挿入位置との間で、個別に移動可能である。ブレードを放射ビームの経路内に移動させることで、放射ビームPBのプロファイルの上部を切り、これによってスキャン方向で放射ビームPBのフィールドの範囲を限定する。
[0041] イルミネータILは、断面において所望の均一性及び強度分布を有する調節された放射ビームPBを与える。
[0042] イルミネータILのスリットSLから出射した放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを横断したビームPBは投影システムPLを通過し、投影システムPLはこのビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)を利用して、例えばビームPBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTをフレームMFに対して高精度に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中に、フレームMFに対してパターニングデバイスMAを高精度に位置決めできる。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を利用して実現できる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
[0043] 投影システムPSは、放射ビームPBに縮小率を与えて、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する像を形成できる。例えば、縮小率4を与えることができる。
[0044] 図示する装置はスキャンモードで使用することができる。スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、ビームPBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。いくつかの実施形態において、支持構造MT及び基板テーブルWTは反対方向にスキャンされる。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。例えば、投影システムPSが縮小率Nを与える実施形態では、支持構造MTの速度は基板テーブルWTの速度よりもN倍速くすることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン運動の長さによって、ターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0045] スキャンモードにおいて、投影システムPLは、放射ビームを(ある放射帯として)基板Wの面内の露光領域に集束する。イルミネータILのブレードを用いて、露光領域内の放射帯の幅を制御することができる。ターゲット部分Cの単一動的露光の開始時には、露光領域のどの部分も放射を受光しないように、スリットSLの第1のブレードを放射ビームの経路内に配置してシャッタとして機能させればよい。基板のターゲット部分Cの前縁が露光領域内に移動すると、第1のブレードが移動して、露光領域内に配置されたターゲット領域Cの部分のみが放射を受光する(すなわちターゲット領域外の基板のどの部分も露光されない)ようにする。ターゲット部分Cの露光の途中で、双方のブレードを放射ビームの経路外に後退させて、露光領域全体が放射を受光できるようにする。基板のターゲット部分Cの前縁が露光領域外に移動すると、第2のブレードが移動して、露光領域内に配置されたターゲット領域Cの部分のみが放射を受光するようにする。
[0046] あるいは、図示する装置は別のモードで使用することができる。この場合、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームPBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるたびに、又はスキャン中の連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、上記したようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0047] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0048] 放射源SOは、基板W上に放射帯として投影させるため、リソグラフィ装置に放射を送出する。フレームMF(及び投影システムPL)に対して基板テーブルWTを移動させることにより、リソグラフィ装置は、放射帯に対して基板Wをスキャン速度v0で移動させるように動作可能である。投影システムPSが放射ビームに縮小率を与える実施形態では、パターニングデバイスMAは放射帯に対して異なる速度で移動することに留意すべきである。露光中、リソグラフィ装置は、放射帯に対して基板Wを固定距離だけ移動させるように動作可能である。これを実行することで、リソグラフィ装置は、実質的に固定面積のターゲット部分Cを放射に露光するように動作可能である。例えばターゲット部分Cは、ダイの一部、1つのダイ、又はいくつかのダイを含み得る。第1のターゲット部分Cの露光後、リソグラフィ装置は、第2のターゲット部分Cの放射への露光を可能とするため、投影システムPLに対して基板Wをさらに移動させるよう動作可能である。各々がターゲット部分Cの露光とその後の基板Wの移動とを含むステップを複数回行って、単一のウェーハを放射に露光させることができる。
[0049] 一般的に、基板W上の各ポイントにより受光される放射ドーズ量に対する高精度の制御を行うことが望ましい。このドーズ量は、基板Wにより受光される単位面積当たりのエネルギ量として定義される。基板W上に形成されるフィーチャのクリティカルディメンションの変動が所望の閾値未満であるよう充分に高精度にドーズ量を制御することが望ましい場合がある。
[0050] スキャン露光中、基板W上のポイント(位置r)に送出される放射ドーズ量E(r)は、そのポイントについての放射照度I(r,t)の時間積分によって与えられる。
ここで、t1は放射帯の前縁が位置rを通過する時点であり、t2は放射帯の後縁が位置rを通過する時点である。放射照度は、基板Wが受光する単位面積当たりのパワーである。
[0051] 放射照度が一定であると仮定される場合、基板W上の所与のポイントにより受光されるドーズ量は、放射帯がそのポイントを通過するために要する時間(t2−t1)に比例する。放射帯が所与のポイントを通過するために要する時間は、スキャン方向の放射帯の大きさと放射帯が基板W上を移動する速度vとの比によって与えられる。従って、基板W上の所与のポイントにより受光されるドーズ量は、放射帯が基板W上を移動する速度vに反比例する。一次近似では、放射帯が基板W上を移動する速度vは、スキャン速度v0(すなわち、フレームMFに対する基板テーブルWTの速度)によって与えられる。
[0052] スキャンモードにおける動作中、第1及び第2の位置決めデバイスPM、PWを用いてパターニングデバイスMA及び基板Wを移動させる。高いスループットのリソグラフィを容易にするため、支持構造MT及び基板テーブルWTは迅速な加速及び減速を行うことができ、結果として、これらが分離フレームMFを介して支持されているベースフレームBFに対して大きな力を加え得る。これらの誘発された力は、逆移動平衡質量(counter−moving balance masses)によって部分的に補償されるが、この補償は完璧でないので、ある程度の残留力がベースフレームBFに加えられる。ベースフレームBFにかかる残留力は、ベースフレームBFの振動を誘発する。イルミネータILはベースフレームBFに直接には搭載されない可能性があるとはいえ、接続はされており、ベースフレームBFとイルミネータILとの間には何らかの物理的結合がある。従ってベースフレームBFの振動は、ある程度、イルミネータIL(及びベースフレームBF上に直接又は間接的に結合された他のコンポーネント)に伝達される。この結果イルミネータILは、概ね全ての方向に、特にスキャン方向に振動する。そのようなスキャン方向のイルミネータILの振動により、パターニングデバイスMA及び基板W上に、振動する放射帯が生じる。これらの振動は、放射帯がパターニングデバイスMA及び基板Wをスイープする速度vを変調させる(modulate)と考えられる。結果として、基板Wにより受光される放射ドーズ量が、この振動によって変調される。
[0053] イルミネータILの振動の振幅は、支持構造MT及び基板テーブルWTにより実行される運動、並びにイルミネータILとベースフレームBFとの間の結合によって決まる。イルミネータILの振動の振幅は、例えば約10μmであり得る。投影システムPSが放射ビームに縮小率4を与える場合、これは、基板Wに投影される放射帯の振動が約2.5μmの振幅を有することに相当する。補正されない場合は、この結果として、基板Wの異なる部分により受光される放射ドーズ量に著しい変動が生じる恐れがある。
[0054] 本発明の実施形態には、(a)フレームMFに対するイルミネータILの速度を示す量を決定するように動作可能な機構と、(b)イルミネータIL及びフレームMFの相対運動の結果としての基板Wにより受光される放射ドーズ量の変動を少なくとも部分的に補償するように、フレームに対する放射システムの速度を示す量に応じて放射ビームPBのパワーを変化させるように動作可能な調整機構と、が備えられている。
[0055] これより、フレームMFに対するイルミネータILの速度を示す量を決定するように動作可能な機構の一実施形態について説明する。イルミネータILに加速度計ACが搭載されている。加速度計ACはイルミネータILのスリットSLの近くに搭載すればよい。加速度計ACは、スキャン方向でのフレームMFに対するイルミネータILの加速度を測定するように動作可能である。測定された加速度を、分解能時間(resolution time)で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向でのスリットSLの瞬間平均速度を計算する。
[0056] 図1において、加速度計ACは、地球の基準フレームに対してイルミネータILの加速度を測定するように動作可能である。いくつかの実施形態では、フレームMFに第2の加速度(図示せず)を搭載し、これが地球の基準フレームに対してフレームMFの加速度を測定するように動作してもよい。イルミネータILに搭載された加速度計AC及び分離フレームMFに搭載された加速度計を組み合わせて用いて、(スキャン方向の)フレームMFに対するイルミネータILの加速度を決定することができる。しかしながら上述のように、精密リソグラフィを実行するため、フレームMFは、音響減衰マウントDMによって周囲から極めて充分に機械的に分離されている可能性があり、従って地球の基準のフレームに対して静止していると仮定できる。従って、フレームMFに対するイルミネータILの加速度を決定するため、単一の加速度計ACを用いればよい。
[0057] 一実施形態において、加速度計ACは、各々がイルミネータILのスリットSLの近くに搭載されている3つの別々の加速度計を含む。これにより、スキャン方向(図1の紙面内に向かう方向)におけるスリットの加速度(及び速度)を、スキャン方向におけるスリットの線形運動に相当する成分と、Z軸(図1を参照のこと)を中心としたスリットの回転に相当する成分と、X軸(図1を参照のこと)を中心としたスリットの回転に相当する成分と、の3つに分解することができる。X軸及びZ軸を中心としたスリットの回転に相当する成分は、基板Wをスイープする放射帯の速度に寄与せず(しかし、露光領域のサイズには影響を与える)、従って捨てられる。スキャン方向におけるスリットの線形運動に相当する成分のみを用いて、どのように放射ビームPBのパワーを変調するべきかを決定する。
[0058] 加速度計ACは、フレームMFに対するスキャン方向のイルミネータILの加速度を決定するように、さらにそれを示す信号をコントローラCN(図1に示す)に出力するよう動作可能である。コントローラCNはマイクロプロセッサを含み得る。コントローラCNは、測定された加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向でのスリットの平均速度vsを計算するように構成することができる。
[0059] あるいは、加速度計ACが、測定された加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中のスキャン方向でのスリットの平均速度vsを計算するように構成されてもよい。加速度計ACはさらに、前記分解能時間中のスキャン方向でのスリットの平均速度vsを示す信号をコントローラCNに出力するように動作可能であってもよい。
[0060] コントローラCNはさらに、放射源SOの1つ以上の変数を制御するため使用され得る制御信号を放射源SO(例えばレーザ)に出力するように構成されている。
[0061] 上述のように、基板W上に入射する放射照度が一定であると仮定される場合、基板W上の所与のポイントにより受光されるドーズ量は、放射帯が基板W上を移動する速度vに反比例する。放射帯が基板W上を移動する速度vは、スキャン速度v0と、分離フレームMFに対する基板Wの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの瞬間速度vbと、の(ベクトル)和によって与えられる。投影システムによって縮小率が与えられない場合、分離フレームMFに対する基板Wの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの速度vbは、スリットの速度vsに等しい。投影システムPSが縮小率Nを与える実施形態では、分離フレームMFに対する基板Wの面内でのスキャン方向の放射ビームPBの速度vbは、vs/Nによって与えられる。従って本発明の一実施形態において、コントローラは、以下に従って放射源SOのパワーを制御する制御信号を放射源SO(例えばレーザ)に出力するように動作可能である。
ここで、P(t)は放射源のパワーであり、P0(t)は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動が存在しない場合に(すなわちvb=vs=0)、所与の放射ドーズ量を達成するため必要となるベースパワーである。連続放射源では、放射源のパワーP(t)は時間の連続関数であり得る。あるいは、パルス状放射源では、放射源のパワーP(t)は複数の時間的に離間したパルスを含み得る。パルス状放射源では、各パルスのエネルギを式(2)に従って選択することができる。この場合、P(t)は時点tにおけるパルスのエネルギであり、P0(t)は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動が存在しない場合に所与の放射ドーズ量を達成するため必要となるベースパルスエネルギである。式(2)におけるスキャン速度v0と放射ビームの瞬間速度Vb(t)との和はベクトル和であることは認められよう。スキャン速度v0は、フレームMFに対する基板W(パターニングデバイスMAではない)の速度である。一般的に、フレームMFに対する基板Wの速度は、フレームMFに対するパターニングデバイスMAの速度とは異なる。
[0062] 放射ビームPBの瞬間速度Vb(又は同様の意味でスリットの速度Vs)が決定されるレートは、フレームMFに対するイルミネータILの振動の典型的な周波数よりも高くなければならない。イルミネータILとフレームMFとの間の結合の性質のため、イルミネータILに誘発される振動の周波数は比較的低いことがある。例えば、80Hz未満の周波数のみ、いくつかの実施形態では30Hz未満の周波数のみが励起され得る。加速度計のサンプルレートは、例えば100〜200Hzのオーダーとすることができる。放射源SOがパルス状放射ビームを生成する実施形態では、スリットの瞬間速度vsが決定されるレートは、数キロヘルツのオーダーであり得る放射源SOの繰り返し率ほど高い必要はない。加速度計ACによるスリット速度vsの決定と決定との間に生成された放射パルスについては、内挿又は外挿を用いてスリットの速度vsを推定すればよい。
[0063] 式(2)に従って、放射源SOのパワー(又は、パルス状放射源では各パルスのパルスエネルギ)を制御することは、イルミネータIL及びフレームMFの相対運動の結果としての基板Wにより受光される放射ドーズ量の変動を許容可能レベルまで低減させるには充分であり得る。しかしながら一般的に、基板Wに入射する放射照度は時間と共に変動し得る。放射照度(式(1)を参照のこと)は、基板Wによって受光される単位面積当たりのパワーであり、以下によって与えられる。
ここで、ISO(t)は放射ビームのパワー密度であり、s(r,t)は、イルミネータILにより出力される放射帯の空間プロファイルを記述する無次元分布であり、m(r)は、パターニングデバイスMAにより放射ビームに付与されるパターンを表す無次元分布である。以下の検討では、簡略化のため、パターニングデバイスMAにより放射ビームに付与されるパターンから生じるエネルギドーズ量に対する寄与は無視される。従って、以下においてmの値はm=1に設定される。
[0064] 放射帯のプロファイルs(r,t)は、イルミネータILの光学コンポーネントによって決まる。具体的には、これは、イルミネータILの光学部品及びスリットSL(複数の個別に移動可能なフィンガにより規定される)によって決まる。一般的に、基板W上のポイントrは、2つの座標x,yにより規定できる。例えば、座標yはスキャン方向でのrの位置を規定し、座標xはスキャン方向に対してほぼ垂直な方向でのrの位置を記述することができる。無次元分布s(r,t)の値は、スキャン方向(y)におけるrの位置によって決まり、スキャン方向に対して垂直な方向(x)のrの位置とは無関係であり得る。そのような実施形態において、放射のプロファイルは、スキャン方向での放射プロファイルの全体的な形状を記述し、y=vtで求められる1次元関数f(y)によって記述することができる。スキャン方向での放射帯のプロファイルは、例えば「シルクハット(top hat)」形状、台形のような形状、又は上部を切ったガウス分布(又は「ガウス分布のような」形状等、任意の好都合な形状を有し得る。
[0065] 式1から、マスクMAが存在しない場合(すなわちm=1)、基板上のポイント(位置y)により受光されるドーズ量E(y)は、放射帯のプロファイル及び放射源のパワー密度のたたみ込みによって与えられることがわかる。
[0066] 放射源SOは、パルス周波数fpでパルスを出力する放射ビームを生成することができる。例えば放射源SOは、パルス周波数fpを有するパルス状放射ビームを生成するレーザ(例えばエキシマレーザ)を含み得る。そのような構成では、基板W上の所与のポイントにより受光される放射ドーズ量は、各パルスが送出する放射ドーズ量の(その所与のポイントを照射する全てのパルスの)和である。所与のポイントのドーズ量に寄与するパルス数を決定するのは、そのポイントが放射帯をスイープして通過するために要する時間、パルス周波数fp、及び、所与のポイントがプロファイルの前縁を通過する際の放射パルス列の位相、すなわち、プロファイルの前縁を通過する所与のポイントとそれを照射する第1のパルスとの間で経過する時間量である。放射帯があるポイントをスイープして通過するために要する時間は、放射帯の幅と基板Wが放射に対して移動する速度vとの比によって与えられる。
[0067] パルス状放射源SOを利用する実施形態では、放射ビームのパワー密度は、放射源のパルス列によって決まる。例えば以下の通りである。
ここで、I0(t)は放射源のパワー密度の振幅であり、p(t)は無次元パルス波形である。I0(t)は同等の連続放射源のパワー密度と見なすことができ、パルス波形はこれがパルス周波数fpでどのようにサンプリングされるかを記述する。パルス状放射は任意のパルス列を有し得る。パルスの形状、持続時間、及び周波数は、所望の通りに又は必要に応じて選択すればよい。パルス周波数は例えば、約0.17msのパルス時間期間と同等である約6KHzとすればよい(しかしながら、他のパルス周波数も使用可能である)。パルスの持続時間は、パルス列の時間期間よりも著しく短い場合がある。例えば、パルス列の時間期間とパルスの持続時間との比は1000のオーダーであり得る(又は他の何らかの値であり得る)。パルスの持続時間は例えば約150nsとすればよい(しかしながら、他のパルス持続時間も使用可能である)。
[0068] 本発明のある実施形態において、コントローラCNは、イルミネータILの相対速度vsに応じて、式(2)とは異なる方法で、放射源のパワー(又はパルス状放射源の各パルスのパルスエネルギ)を制御する制御信号を、放射源SO(例えばレーザ)に出力するように動作可能である。具体的には、コントローラは、基板Wに入射する放射照度のさらに高精度の解析を考慮に入れたパラメータ化を用いることができる。例えばコントローラCNは、以下に従って放射源のパワーを制御する制御信号を放射源SO(例えばレーザ)に出力するように動作可能である。
ここで、fは、1に近いが1ではない場合があるパラメータである。例えば、fは約0.995とすればよい。
[0069] パラメータfの値は、基板Wの表面上でのドーズ量変動の低減を最適化するように選択すればよい。パラメータfの値は、イルミネータILの光学部品に依存し得る。具体的には、パラメータfは、イルミネータILの瞳面における強度分布の形状に依存し得る(例えばこれは、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側半径範囲、内側半径範囲、及び/又は角度範囲に依存し得る)。これに加えて又はこの代わりに、パラメータfは、複数の個別に移動可能なフィンガの位置によって規定されるイルミネータILのスリットSLの形状に依存し得る。これに加えて又はこの代わりに、パラメータfは、イルミネータILの開口数に依存し得る。これに加えて又はこの代わりに、パラメータfは、イルミネータILの振動の周波数スペクトルに依存し得る。
[0070] 図2及び図3は、フレームMFに対するイルミネータILの振動から生じる3シグマドーズ量変動(換算単位)のシミュレーションの結果を、前記振動の周波数の関数として示す。換算単位の3シグマドーズ量変動は、(百分率での)3シグマドーズ量変動と(任意の長さ単位での)スリットSL振動の振幅との比として定義される。3シグマドーズ量変動は、ドーズ量の標準偏差の3倍と平均ドーズ量との比として定義される。図3は、図2のグラフの拡大部分をさらに小さいスケールで示す。
[0071] 第1の曲線210は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動に対して補正を行わない場合のドーズ量変動を示す。曲線210は周期変動し、多くの周期的で交番する最大値211及び最小値212を有する。最小値212は、基板Wの露光時間(すなわち、放射帯が基板上の各ポイントを通過するため要する時間)が整数の振動期間とほぼ等しい振動周波数に対応する。さらに、周期的な最大値211の大きさは、振動周波数が高くなるにつれて低減する。
[0072] 第2の曲線220は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動に対して式(2)に基づく補正を行った場合の、(曲線210と同じスケールではっきり見やすいように)200倍にしたドーズ量変動を示す。また、曲線220は周期変動し、多くの周期的で交番する最大値221及び最小値222を有する。周期的な最大値221の大きさは、ほぼ同じである。
[0073] 第3の曲線230は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動に対して、パラメータf=0.994を用いて式(6)に基づく補正を行った場合の、(曲線210と同じスケールではっきり見やすいように)200倍にしたドーズ量変動を示す。また、曲線230は周期変動し、多くの周期的で交番する最大値231及び最小値232を有する。周期的な最大値231の大きさは、振動周波数が高くなるにつれて低減する。
[0074] 全ての3つの曲線210、220、230は、イルミネータILのフィンガの全てを放射ビームPBの経路から完全に後退させる状況に対応している。図2は、式(2)に基づく補正を適用することで、少なくとも比較的低い周波数では、3シグマドーズ量変動の全体的なスケールが約100分の1に低減することを示す。さらに、比較的低い周波数では、f=0.994を用いて式(6)に基づく補正を適用することで、3シグマドーズ量変動のさらなる(比較的小さい)低減が達成され得る。より高い周波数では、f=0.994を用いて式(6)に基づく補正を適用することで達成される換算単位の3シグマドーズ量変動の低減は、式(2)に基づく補正を適用することで達成される低減よりも小さい。イルミネータILとフレームMFとの間の結合の性質のため、イルミネータILに誘発される振動は比較的低い周波数であると予想できる。
[0075] 図4は、イルミネータILのフィンガを部分的に放射ビームPBの経路に挿入した場合の、フレームMFに対するイルミネータILの振動から生じる3シグマドーズ量変動(換算単位)のシミュレーションの結果を、前記振動の周波数の関数として示す。具体的には、フィンガは、約10%の放射ビームPBの減衰を生じるように放射ビームPBの経路に挿入される。第1の曲線310は、イルミネータIL及びフレームMFの相対移動に対して補正を行わない場合のドーズ量変動を示し、第2の曲線320は、式(2)に基づく補正を行った場合の、(曲線310と同じスケールではっきり見やすいように)25倍にしたドーズ量変動を示し、第3の曲線230は、パラメータf=0.994を用いて式(6)に基づく補正を行った場合の、(曲線210と同じスケールではっきり見やすいように)25倍にしたドーズ量変動を示す。
[0076] 図4は、約10%の減衰を生じるようにイルミネータILのフィンガを挿入して、式(2)に基づく補正を適用することにより、換算単位の3シグマドーズ量変動の全体的なスケールが低減し、その低減率は振動周波数が高くなるにつれて大きくなることを示している。さらに、約10%の減衰を生じるようにイルミネータILのフィンガを挿入して、f=0.994を用いて式(6)に基づく補正を適用することにより達成される低減は実質的に改善しない。従って、fが1と異なるパラメータ化を用いることには、ほとんど利点がない場合がある。しかしながら、フィンガを用いた約10%の減衰は極めて高いことに留意すべきである。実際には10%未満の減衰が使用されることがあり、一般的に、減衰レベルはイルミネータILのスリットSLの長さに沿って異なる。
[0077] これより、レーザにより出力されるパルス状レーザビームの各パルスのエネルギ又はパワーを調整することができる機構について説明する。
[0078] 放射源SOにはエネルギが供給される。例えば放射源がレーザである実施形態では、外部ソースによってレーザの利得媒質にエネルギを供給することができる。このプロセスはポンピングとして知られ、外部ソースは、電力供給(電気ポンピング)、電磁放射(光ポンピング)、ガス流(ガスダイナミックポンピング)、又は他の何らかの適切なエネルギ源を含み得る。外部パワーソースを調整可能なものとすることで、利得媒質に供給される励起パワー量を変動させることができる。外部パワーソースは、利得媒質に供給されるパワーを変動させるように変化させ得る1つ以上の入力変数を備えてもよい。例えばエキシマレーザ等のガスレーザの場合、外部パワーソースは、高電圧が印加される1対の放電導体を含み得る。そのような実施形態では、導体に印加する電圧を変化させることによって、利得媒質に供給されるパワーを変動させ得る。水銀ランプ等のガス放電ランプの場合、外部パワーソースは、電圧が印加されて電気アークを確立及び維持する1対の主電極を含み得る。そのような実施形態では、主電極に印加する電圧を変化させることによって、利得媒質に供給されるパワーを変動させ得る。
[0079] 一般的に、レーザビームのパワーは、外部パワーソースによって供給される励起パワーに依存する。外部電力供給の1つ以上の変数(例えば1対の放電導体に印加される高電圧)とビームのパワーとの関係が既知である場合、それに従って変数の値を選択することによって所望のパワーを達成できる。この関係は、較正プロセス中に決定され得る1つ以上の自由パラメータを用いた多項式としてパラメータ化することができる。さらに、この関係は時間と共に変動することがあり、従って定期的に較正を実行することが必要であり得る。
[0080] 例えばエキシマレーザの場合、レーザのパワーは、2つの導体に印加される高電圧Vに依存する。一般的に、この関係は非線形である。しかしながら、実際に用いられる電圧Vの範囲では、レーザのパワーPは電圧Vの多項式展開によって充分に近似され得る。電圧Vの充分に小さい範囲では、パワーPと電圧との関係は以下の線形関係によって近似することができる。
ここで、レーザの利得G及びオフセットOは、較正プロセス中に決定できるパラメータである。より大きい電圧範囲では、電圧VとパワーPとの関係をパラメータ化するため、より調整可能なパラメータを用いた高次多項式が必要となり得る。
[0081] 実際、(例えば放射センサにより測定されるような)放射源SOの出力パワーPは、ノイズ要素を含む。従って較正プロセスでは、長期間のデータを用いて、外部電力供給の1つ以上の変数とパワーとの関係において用いられるパラメータを評価すればよい。パラメータの値は、リソグラフィ装置が動作する時間の経過と共にドリフトすることがあり、このためパラメータは較正プロセスを用いて定期的に決定することができる。
[0082] パワーPは、放射センサRSによって測定することができる。放射センサRSは、放射センサRSに入射する放射のエネルギを測定するのに適した任意のセンサとすればよい。例えば、放射センサRSはフォトダイオードとすればよい。放射センサRSは、放射源SOにより生成された放射ビームの少なくとも一部が放射センサRSに入射するように位置決めすることができる。放射源SOにより生成された放射ビームの少なくとも一部だけが放射センサRSに入射する実施形態では、放射センサRSにより受けられるドーズ量の測定値から基板Wにより受けられるドーズ量を決定できるように、両者の関係が既知でなければならない。
[0083] 図1に放射センサRSの例示的な位置決めが示されている。イルミネータIL内に、部分的に透過性のミラー100が位置決めされている。部分的に透過性のミラー100は、放射ビームの第1の部分101を放射センサRSに反射する。放射ビームの残り102は部分的に透過性のミラー100によって透過され、パターニングデバイスMAへ伝わる。部分的に透過性のミラー100によって反射される放射ビームの部分(第1の部分101)は、例えば放射ビームの約数パーセント、又はそれ以下であり得る。この部分が既知である場合、部分的に透過性のミラー100によって透過される放射ビーム102のエネルギは、放射センサRSによる測定値を用いて計算することができる。この部分が既知でない場合、基板を第2の放射センサ(図示せず)と取り替え、双方の放射センサにより測定されるエネルギを比較することで、第2の放射センサを用いた放射センサRSの較正を行えばよい。
[0084] 他の実施形態では、部分的に透過性のミラー100及び放射センサRSは、放射ビームの経路に沿った他の位置に配置してもよい。例えば、部分的に透過性のミラー100及び放射センサRSは、イルミネータILの前段(例えばビームデリバリシステム内)に位置決めしてもよい。
[0085] 本発明の実施形態は、放射システム及びフレームの相対運動の結果としての基板により受光されるエネルギドーズ量の変動を低減させるように、フレームに対する放射システムの速度を示す量に応じて放射ビームのパワーを制御するよう動作可能である。従って、放射システム及びフレームの相対運動の結果としての基板により受光されるエネルギドーズ量の変動は、少なくとも部分的に補正される。
[0086] 上述の実施形態は、イルミネータILに搭載された加速度計ACを用いてスキャン方向でのスリットSLの瞬間速度を決定するが、フレームに対するイルミネータの速度を示す量を決定するように動作可能な他の機構も用い得る。例えば、1つのそのような機構は、フレームMFに対する放射帯の移動を直接測定するように動作可能な、フレームMFに搭載されたカメラを含み得る。
[0087] 放射ビームのパワーは、放射ビームがエネルギを供給する割合(rate)である。パワーは、単位時間当たりのエネルギ単位を有する(例えばW)。表面に入射する放射ビームの放射照度は、その表面に入射する放射ビームの単位面積当たりのパワーである。放射照度は、単位面積当たりの単位時間当たりのエネルギ単位を有する(例えばWm-2)。上記の開示において、「パワー」及び「放射照度」という用語は交換可能に用いることができ、その意味は使用の文脈から明らかとなる。
[0088] 上記の開示では、基板Wにより受光される単位面積当たりのエネルギ量を、「放射のドーズ量」、「エネルギのドーズ量」、「エネルギドーズ量」、又は「ドーズ量」として交換可能に称することがある。
[0089] 放射源SOはレーザを含むものとして説明したが、放射源SOは任意の形態の放射源SOとすればよい。例えば放射源SOは、EUV放射源(例えば放電生成プラズマ源、レーザ生成プラズマ源、もしくは自由電子レーザ)、又はランプ型光源(例えば水銀放電ランプ)とすればよい。
[0090] 本発明の一実施形態について、透過型光学部品を使用するDUVリソグラフィ装置の文脈で上述したが、本発明は、反射型光学部品を用いたEUVリソグラフィ装置に適用することも可能である。
[0091] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。

Claims (20)

  1. 放射ビームを生成するように動作可能な放射システムと、
    フレームと、
    基板を保持するための基板テーブルであって、前記フレームに移動可能に搭載され、前記基板のターゲット部分が前記放射ビームを受光するよう配置されるように配置される、基板テーブルと、
    前記フレームに対して前記基板テーブルを移動させるように動作可能なスキャン機構と、
    前記フレームに対する前記基板の面内でのスキャン方向の前記放射システムの速度を決定するように動作可能な機構と、
    を備え、前記放射システム及び前記フレームの相対運動の結果としての前記基板により受光される放射のドーズ量の変動を低減させるように、前記放射ビームのパワーが、ベースパワーに、前記フレームに対する前記基板テーブルのスキャン速度と前記フレームに対する前記面内での前記スキャン方向の前記放射システムの前記速度とのベクトル和に比例する係数を乗算した値と等しくなるように、前記放射ビームの前記パワーを制御するように動作可能である調整機構が、前記放射システムに設けられている、リソグラフィ装置。
  2. 前記フレームに対する前記放射システムの前記速度を決定するように動作可能である前記機構が、前記放射システムに搭載された1つ以上の加速度計を含む、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記フレームに対する前記放射システムの前記速度を決定するように動作可能である前記機構が、前記放射システムから出射する放射帯の移動を測定するように動作可能な、前記フレームに搭載された1つ以上のカメラを含む、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記係数が1つ以上の調整可能パラメータを含む、請求項1から3のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記係数が、前記フレームに対する前記基板テーブルのスキャン速度と、パラメータf及び前記フレームに対する前記基板の面内でのスキャン方向の前記放射ビームの速度の積と、のベクトル和に比例する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記係数が、前記和と前記フレームに対する前記基板テーブルの前記スキャン速度との比である、請求項1から5のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記放射システムが、放射ビームを生成するように動作可能な放射源と、前記放射ビームを調節するように動作可能な照明システムと、を備える、請求項1からのいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  8. 前記放射システムが射出スリットを備え、前記フレームに対する前記基板の面内での前記スキャン方向での前記放射システムの前記速度が前記射出スリットの速度と等しい、請求項1からのいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  9. パターニングデバイスを支持するための支持構造をさらに備え、前記放射ビームが前記基板のターゲット部分によって受光される前にその断面に前記パターニングデバイスがパターンを付与するように、前記放射システムが前記放射ビームを前記パターニングデバイスに投影するように配置されている、請求項1からのいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  10. 前記支持構造が前記フレームに移動可能に搭載され、前記スキャン機構がさらに、前記フレームに対して前記支持構造を移動させるように動作可能である、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  11. 前記放射ビームを前記基板の前記ターゲット部分に放射帯として投影するための投影システムをさらに備える、請求項1から10のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  12. 前記投影システムが前記フレームに接続されている、請求項11に記載のリソグラフィ装置。
  13. 前記放射システムがレーザを含む、請求項1から12のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
  14. 基板を提供することと、
    放射システムを用いて放射のビームを提供することと、
    パターニングデバイスを用いて前記放射ビームの断面にパターンを付与することと、
    前記パターン付与された放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影することと、
    スキャン機構を用いて、前記パターン付与された放射ビームが前記基板の表面上を移動するように前記基板をフレームに対して移動させることと、
    前記フレームに対する前記基板の面内でのスキャン方向の前記放射システムの速度を決定することと、
    前記放射システム及び前記フレームの相対運動の結果としての前記基板により受光される放射のドーズ量の変動を低減させるように、前記放射ビームのパワーが、ベースパワーに、前記フレームに対する前記基板テーブルのスキャン速度と前記フレームに対する前記面内での前記スキャン方向の前記放射システムの前記速度とのベクトル和に比例する係数を乗算した値と等しくなるように、前記放射ビームの前記パワーを制御することと、
    を備える方法。
  15. フレームに対する前記基板の面内での放射システムの速度を受信することと、
    前記放射システム及び前記フレームの相対運動の結果としての、前記フレームに対して移動する基板によって受光される放射のドーズ量の変動を低減させるように、前記放射ビームのパワーが、ベースパワーに、前記フレームに対する前記基板テーブルのスキャン速度と前記フレームに対する前記基板の面内での前記スキャン方向の前記放射システムの前記速度とのベクトル和に比例する係数を乗算した値と等しくなるように、放射源により出力される放射ビームのパワーを制御するための命令を、前記放射源に与えることと、
    を備える方法。
  16. 前記放射システムの速度を示す前記量がスキャン方向での前記放射システムの加速度であり、前記方法が、前記加速度を分解能時間で積分して、前記分解能時間中の前記スキャン方向での前記放射システムの平均速度を計算するステップを備える、請求項15に記載の方法。
  17. 前記係数が1つ以上の調整可能パラメータを含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記係数が、前記フレームに対する前記基板のスキャン速度と、パラメータf及び前記フレームに対する前記基板の面内でのスキャン方向の前記放射ビームの速度の積と、のベクトル和に比例する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記係数が、前記和と前記フレームに対する前記基板テーブルの前記スキャン速度との比である、請求項15から18のいずれかに記載の方法。
  20. 請求項15から19のいずれか1項に記載の方法を実施するように動作可能なコンピュータプログラム。
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