JP6296079B2 - ターボ過給機付エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン本体と、エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、各気筒から排出される排気が流通する排気通路と、排気通路に設けられる第1タービンおよび吸気通路に設けられる第1コンプレッサを含むターボ過給機とを備えたターボ過給機付エンジンに関する。
従来より、エンジンの加速性能を高めるために、排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられてこのタービンにより回転駆動されるコンプレッサとを含み、排気のエネルギーを利用して吸気を過給することのできるターボ過給機を設けることが行われている。
しかしながら、ターボ過給機には、ターボラグがあるため加速性能が十分に得られないという問題がある。
これに対して、特許文献1に開示されるように、電力で駆動されるコンプレッサ(いわゆる電動コンプレッサ)を吸気通路に設けられることが検討されている。
この特許文献1のエンジンでは、吸気通路に、上流側から順にターボ過給機のコンプレッサと電動コンプレッサとが配設されるとともに、電動コンプレッサをバイパスするバイパス通路が設けられ、通常時はバイパス弁が開弁されてターボ過給機によってのみ過給が行われる一方、所定の加速時には、バイパス弁が閉弁されて電動コンプレッサが駆動され、ターボ過給機と電動コンプレッサとによって過給が行われる。
特開2013−148062号公報
特許文献1のエンジンのように電動コンプレッサを備えたものでは、所定の加速時においてこれを駆動することで、早期に過給圧を高めることができる。また、このエンジンのように、電動コンプレッサに加えてターボ過給機を有していれば、前記のように、所定の加速時でのみ電動コンプレッサを用い、通常時はターボ過給機によって過給圧を行うことが可能となるため、電動コンプレッサでの消費電力を小さく抑えつつ過給圧を適切に制御することができる。
しかしながら、特許文献1のエンジンにおいても、急加速が頻繁に行われた場合には電動コンプレッサの稼働機会は増大してしまい電動コンプレッサでの消費電力は増大する。また、加速性能をより高めるためには電動コンプレッサの稼働機会を積極的に増大することが望ましいが、このようにすると、当然ながら電動コンプレッサでの消費電力が増大してしまう。そのため、電動コンプレッサに供給する電力をより確実に確保することが望まれている。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、過給圧を適切に制御しつつ電動コンプレッサに供給する電力をより確実に確保することのできるターボ過給機付エンジンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、エンジン本体と、エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、エンジン本体から排出される排気が流通する排気通路と、前記排気通路に設けられる第1タービンおよび前記吸気通路に設けられる第1コンプレッサを含むターボ過給機とを備えたターボ過給機付エンジンであって、前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路に設けられて電力により駆動される第2コンプレッサと、前記第1タービンを通過した排気の全量が流入するように前記第1タービンよりも下流側の排気通路に配設されて、当該排気のエネルギーを受けて回転する発電用タービンと、前記発電用タービンにより駆動されて発電する発電機と、エンジンの各部を制御する制御手段とを備え、前記吸気通路は、前記第1コンプレッサよりも上流側の部分と下流側の部分とを連通して当該第1コンプレッサをバイパスする第1バイパス通路と、当該第1バイパス通路を開閉する第1バイパス弁と、前記第2コンプレッサよりも上流側の部分と下流側の部分とを連通して当該第2コンプレッサをバイパスする第2バイパス通路と、当該第2バイパス通路を開閉する第2バイパス弁と、前記第1バイパス通路の上流端が接続される部分と前記第1コンプレッサとの間の通路の流路面積を変更する絞り弁とを有し、前記制御手段は、通常時は、前記第2コンプレッサの駆動を停止するとともに、前記第1バイパス弁を閉じ、かつ、前記絞り弁および前記第2バイパス弁を開く一方、前記第2バイパス通路の下流端が接続される部分よりも下流側の圧力である過給圧が目標値に対して予め設定された基準量以上不足すると、前記第2バイパス弁を閉じ、前記第1バイパス弁を開いて、前記絞り弁を全開よりも小さい開度にするとともに、前記第2コンプレッサを駆動させ、かつ、前記発電機に発電を行わせることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明では、通常時は、ターボ過給機のみによって過給が行われるとともに、第1バイパス弁が閉じられ、かつ、絞り弁および第2バイパス弁が開かれて、ターボ過給機の第1コンプレッサに吸気の全量が導入される。また、一方で、過給圧の目標値に対する不足量が基準量以上になると、第2コンプレッサが電力で駆動されてこれにより過給が行われる。そのため、第2コンプレッサの稼働機会を少なく抑えつつ、通常時においてターボ過給機により過給圧を適切な値に制御することができるとともに、加速等に伴って過給圧の前記不足量が基準量未満となった時において過給圧をより早期に高めることができる。
しかも、本発明では、排気通路に発電用のタービンが設けられて、排気のエネルギーによって発電用タービンおよび発電機が駆動される。そのため、システム全体のエネルギー効率を良好にしつつ、第2コンプレッサに供給する電力を確保することができる。特に、過給圧の目標値に対する不足量が基準量以上になり第2コンプレッサが駆動された際にこの発電機において発電が行われるため、第2コンプレッサに効率よく必要な電力を供給することができる。
また、この発電用のタービンが過給用タービンよりも下流側に設けられて、発電用タービンが過給用タービンに流入する排気に対して抵抗とならないように構成されている。そのため、通常時において、より高い排気エネルギーを過給用タービンに導入することができターボ過給機によって効率よく過給圧を高めることができる。
一方、このように過給用タービンよりも下流側に発電用のタービンを設け、かつ、前記のように過給圧の目標値に対する不足量が基準量未満になったときに発電用タービンによって発電機を駆動させた場合には、発電用タービンの上流側の圧力すなわち過給用タービンの背圧が高くなって過給用タービンの回転数の上昇が抑制され、ターボ過給機によって過給圧を適切に上昇できないおそれがある。すなわち、加速途中や、加速後に第2コンプレッサの駆動が停止されてターボ過給機のみによって過給が行われる場合において、過給圧の上昇が抑制されるおそれがある。
これに対して、本発明では、過給圧の目標値に対する不足量が基準量以上になると、絞り弁の開度が全開よりも小さい開度とされて、第1コンプレッサに流入する吸気の量すなわち第1コンプレッサの作動流体の量が低減される。そのため、第1コンプレッサの回転数を高めることができ、ターボ過給機による過給能力を高く維持することができる。従って、過給圧をより確実に適切な値に高めることができる。
なお、本発明において「弁を閉じる」とは、ガスの流通を規制することであり、実質的にこのガスの流通が規制されていればよく、弁を全閉にすることに限定されない。同様に、「弁を開く」とは、ガスの流通が規制されないようにすることであり、実質的にガスの流通が規制されない状態になっていればよく、弁を全開にすることに限定されない。
本発明において、前記排気通路のうち前記過給用タービンに流入する排気の流路面積を変更して当該排気の流速を変更可能な排気流速変更手段を備え、前記排気流速変更手段は、エンジン本体の稼働時において前記流路面積を所定の範囲で変更し、前記制御手段は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になると、前記排気流速変更手段によって前記流路面積を前記所定の範囲における最小面積よりも大きい面積にするのが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、排気流速変更手段によって過給用タービンに流入する排気の流速が変更されることで、ターボ過給機による過給力ひいては過給圧をより精度よく適切な値にすることができる。
しかも、この構成では、過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になると、過給用タービンに流入する排気の流路面積が大きい面積とされて過給用タービンでの排気エネルギーの消費が抑制されて、発電用タービンにより多くの排気エネルギーが供給される。従って、発電量を高く確保することができる。
ここで、このように、過給用タービンでの排気エネルギーの消費が抑制されると、ターボ過給機の回転数の上昇が抑制されるおそれがあるが、本発明では、前記のように過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量未満になるとターボ過給機の第1コンプレッサに流入する吸気の量が低減されてこれによってターボ過給機の回転上昇が促進されるため、前記のように発電量を高く確保しつつターボ過給機の回転数の低下を抑制することができる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になってから所定期間が経過すると、前記第2コンプレッサの駆動を停止し、前記第1バイパス弁を閉じ、かつ、前記絞り弁を開くとともに、これと同時あるいはこれよりも後に、前記第2バイパス弁を開くのが好ましい(請求項3)。
この構成では、第1コンプレッサの回転数が高められた状態で第2コンプレッサの駆動が停止されて第1ターボ過給機のみによる過給に切り替えられる。そして、このときに、第1バイパス弁が閉じられ、かつ、絞り弁が開かれて、吸気の全量が第1コンプレッサに導入されるようになる。従って、多量の吸気を回転数が十分に高められた第1コンプレッサによって過給することができ、過給圧を高くすることができる。しかも、第2バイパス弁が開かれるため、吸気を第2コンプレッサをバイパスしてより抵抗の小さい状態で流下させることができ、過給圧をより確実に高くすることができる。
また、前記構成において、前記所定期間は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になってから、前記第1コンプレッサの回転数が予め設定された基準回転数に到達するまでの期間であるのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、より確実に第1コンプレッサの回転数を高めた状態で第1ターボ過給機のみによる過給に切り替えることができ、過給圧をより確実に高くすることができる。
以上説明したように、本発明のターボ過給付エンジンによれば、過給圧を適切に制御しつつ電動コンプレッサに供給する電力をより確実に確保することができる。
本発明の一実施形態にかかるターボ過給付エンジンの全体構成を概略的に示す図である。 VGTの概略断面図である。 エンジンの制御系を示すブロック図である。 バイパス弁等の制御手順を示したフローチャートである。 加速時の各パラメータの時間変化を示した図である。 コンプレッサの特性を説明するための図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるターボ過給付エンジンの全体構成を概略的に示す平面図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのガソリンエンジンであり、紙面に直交する方向に並ぶ複数(例えば4つ)の気筒2を有する直列多気筒型のエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1で生成された燃焼ガス(排気)を排出するための排気通路30と、排気通路30を流通する排気により駆動されるターボ過給機50と、電動コンプレッサ(第2コンプレッサ)62と、排気通路30を流通する排気により駆動されて発電する発電装置70とを備えている。
エンジン本体1は、円筒状の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、気筒2の上面を塞ぐようにシリンダブロック3に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復動可能に挿入されたピストン5とを有している。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されており、この燃焼室6には、インジェクタ11から噴射されるガソリンを主成分とする燃料が供給される。供給された燃料は燃焼室6で燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられることでピストン5は上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸15が配設されている。クランク軸15は、ピストン5とコネクティングロッド14を介して連結され、ピストン5の往復運動に応じて中心軸回りに回転する。
シリンダヘッド4には、前記のように燃焼室6に向けて燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ11と、インジェクタ11から噴射された燃料と空気との混合気に点火する点火プラグ12とが、各気筒2につき1組ずつ設けられている。
また、シリンダヘッド4には、各気筒2に対応して、吸気通路20から供給される空気(吸気)を各気筒2に導入するための吸気ポート7と、各気筒2で生成された排気を排気通路30に導出するための排気ポート8と、吸気ポート7を開閉可能に閉鎖する吸気弁9と、排気ポート8を開閉可能に閉鎖する排気弁10とがそれぞれ設けられている。
吸気通路20は、各吸気ポート7に繋がるように設けられている。吸気通路20には、上流側から順に、エアクリーナ21、第1コンプレッサ52、電動コンプレッサ62、インタークーラ22、スロットルバルブ23が設けられている。
第1コンプレッサ52は、ターボ過給機50の構成部品である。すなわち、ターボ過給機50は、排気通路30に設けられて排気により回転駆動される過給用タービン54と、吸気通路20に設けられて過給用タービン54により回転駆動される第1コンプレッサ62とを有しており、過給用タービン54に排気が導入されて回転することで第1コンプレッサ52が回転して吸気を過給する。
電動コンプレッサ62は、電力を受けて回転して吸気を過給するものである。電動コンプレッサ62には、これを電力により回転させる電動機64が接続されている。電動機64には、バッテリ(不図示)が接続されており、電動機64にはバッテリから電力が供給される。
吸気通路20には、第1コンプレッサ52をバイパスする第1バイパス通路121と、電動コンプレッサ62をバイパスする第2バイパス通路122とが設けられている。
具体的には、第1バイパス通路121は、第1コンプレッサ52と電動コンプレッサ62との間の部分121bと、第1コンプレッサ52よりも上流側の部分121bとを連通している。また、第2バイパス通路122は、第1バイパス通路121の上流端が接続される部分よりも下流側の部分と、電動コンプレッサ62よりも下流側の部分122bとを連通している。
第1バイパス通路121には、これを開閉する第1バイパス弁41が設けられている。第1バイパス弁41が全閉の状態(第1バイパス通路121を封鎖している状態)では、吸気の全量は第1コンプレッサ52に流入する。一方、第1バイパス弁41が開弁している状態では、吸気の多くは第1コンプレッサ52をバイパスして流下する。すなわち、第1コンプレッサ52は吸気の流通に対して抵抗となるため、第1バイパス弁41が開弁している状態では、吸気の多くはより抵抗の小さい第1バイパス通路121に流入する。
同様に、第2バイパス通路122には、これを開閉する第2バイパス弁42が設けられている。第2バイパス弁42が全閉の状態(第2バイパス通路122を封鎖している状態)では、吸気の全量は電動コンプレッサ62に流入する。一方、第2バイパス弁42が開弁している状態では、吸気の多くは電動コンプレッサ62をバイパスして流下する。すなわち、電動コンプレッサ62は吸気の流通に対して抵抗となるため、第2バイパス弁42が開弁している状態では、吸気の多くはより抵抗の小さい第2バイパス通路122に流入する。
さらに、吸気通路20には、第1バイパス通路121の上流端が接続される部分121aと第1コンプレッサ52との間の通路20aに、この通路20aの流路面積を変更する絞り弁43が設けられている。これに伴い、第1バイパス弁41が開弁している状態において、絞り弁43の開度が全開よりも小さい開度すなわち閉じ側とされると、第1コンプレッサ52に流入する吸気の量は非常に少なくされ、より多くの吸気が第1バイパス通路122に流入する。
排気通路30は、エンジン本体1の各排気ポート11に繋がるように設けられている。排気通路30には、上流側から順に、過給用タービン54、発電用タービン64、触媒装置90が設けられている。
前記のように、過給用タービン54は、排気のエネルギーを受けて第1コンプレッサ52を回転駆動する。
発電用タービン74は、発電装置70の構成部品である。発電装置70は、この発電用タービン74と、これにより回転駆動される発電機72とを有している。発電用タービン74は、排気のエネルギーを受けて回転する。そして、発電機72は、発電用タービン74により回転駆動されることで発電する。具体的には、発電機72は、発電用タービン74と連動して回転するロータコイルを有しており当該ロータコイルの回転に伴う電磁誘導により発電を行う。発電機72で生成された電力は、バッテリ(不図示)に蓄電される。
本実施形態では、過給用タービン54は、複数の翼を有しこれら翼に排気が衝突することで回転するインペラである。また、本実施形態では、過給用タービン54は、図2に示すように、VGT(Variable Geometry Turbine)であり、この過給用タービン54の周囲には、角度変更可能な複数のノズルベーン54bが設けられているとともに、各ノズルベーン54bと連携されたロッド54cと、ロッド54cを進退駆動することにより各ノズルベーン54bの角度を変更するベーンアクチュエータ54dとが設けられている。ベーンアクチュエータ54dおよびロッド54cによってノズルベーン54bが閉方向(隣接するノズルベーン54bどうしの距離を狭める方向)に駆動されると、過給用タービン54に流入する排気の流路の面積は小さくなり、過給用タービン54に流入する排気の流速が増大する。
このように、本実施形態では、各ノズルベーン54bと、ロッド54cと、ベーンアクチュエータ54dとが、過給用タービン54に流入する排気の流路面積を変更してこの排気の流速を変更可能な排気流速変更手段として機能する。
ここで、排気通路30には、過給用タービン54をバイパスする通路は設けられておらず、過給用タービン54を流下した排気はその全量が発電用タービン74に導入される。
また、本実施形態のエンジンは、排気の一部を吸気に還流させるEGR装置80を有しており、エンジンには、排気通路30のうち過給用タービン54よりも上流側の部分と、吸気通路20のうちスロットルバルブ23よりも下流側の部分とを連通するEGR通路81と、これを開閉するEGRバルブ82と、EGR通路81内のガスを冷却するEGRクーラ83とが設けられている。
(2)制御系統
次に、図3を用いて、エンジンの制御系について説明する。本実施形態のエンジンシステムは、車両に搭載されたECU(エンジン制御ユニット、制御手段)500によって制御される。ECU500は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM、I/F等から構成されるマイクロプロセッサである。
ECU500には、各種センサからの情報が入力される。例えば、ECU500は、クランクシャフト15の回転数すなわちエンジンの回転数を検出するためのエンジン回転数センサSN1、各気筒2に導入される吸気量を検出するためのエアフローセンサSN2、車両に設けられて運転者により操作されるアクセルペダル(不図示)の開度を検出するアクセル開度センサSN3、過給圧(吸気通路20のうち第2バイパス通路122の上流端が接続される部分よりも下流側の圧力)を検出する過給圧センサSN4、第1コンプレッサ62の回転数を検出する第1コンプレッサ回転数センサSN5等と電気的に接続されており、これらのセンサからの入力信号を受け付ける。
ECU500は、各センサSN1〜SN5からの入力信号等に基づいて種々の演算等を実行し、過給用タービン54、各バイパス弁41,42、絞り弁43、電動機64、発電機72およびその他のエンジンの各部(点火プラグ12、インジェクタ11、スロットルバルブ23等)にそれぞれ制御信号を出力する。
具体的には、ECU500は、各弁41,42,43を駆動するアクチュエータに指令を出して、これら弁41,42,43を開閉させる。
また、ECU500は、過給用タービン54の制御として、ベーンアクチュエータ54dに駆動信号を出力して過給用タービン54のノズルベーン54bの角度(以下、適宜、VGT開度という)を制御する。ここで、VGT開度は、その値が大きいほど過給用タービン54の各翼に向かう排気の流通通路の流路面積が大きくなり、その値が小さいほどこの流路面積が小さく絞られるようになるパラメータである。また、エンジン本体2の稼働中において、VGT開度は全閉および全開とされることはなく、全閉よりも開き側に設定された最小開度と、全開よりも閉じ側に設定された最大開度との間で変更される。なお、VGT開度が最小開度とされるのは、発電機72で発電を実施しない場合であってエンジン回転数が低い低回転数領域で運転され、かつ、エンジン負荷が最大とされたときである。換言すると、VGTの最小開度は、発電機72で発電を実施しない場合であってエンジン回転数が低い低回転数領域で運転され、かつ、エンジン負荷が最大とされたときの開度である。
ECU500による、各バイパス弁41,42、絞り弁43、過給用タービン54(VGT開度)、電動機64、発電機72の制御内容について図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、ECU500は、ステップS1にて、エンジン回転数、アクセル開度、過給圧、第1コンプレッサ回転数等を読み込む。
ステップS1の後は、ステップS2に進む。ステップS2では、過給圧の目標値である目標過給圧を設定する。例えば、ECU500は、目標過給圧をエンジン回転数とエンジン負荷とに関するマップで記憶しており、ステップS2において、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに応じた値をこのマップから抽出する。なお、エンジン負荷はエンジン回転数とアクセル開度等から算出される。
次に、ステップS3にて、実際の過給圧の目標過給圧に対する不足量(以下、過給圧不足量という場合がある)が予め設定された基準量以上か否かを判定する。すなわち、ECU500は、目標過給圧から実際の過給圧を差し引いた値が、基準量以上か否かを判定する。
ステップS3の判定がNOであって、過給圧不足量が基準量未満であって過給圧が目標過給圧付近である通常時(請求項における通常時)は、ステップS4に進む。
ステップS4では、電動コンプレッサ62の駆動を停止する(既に停止しているときは停止を維持する)。ステップS4の後は、ステップS5に進む。
ステップS5では、絞り弁43を全開にする。そして、ステップS5の後に進むステップS6にて、第1バイパス弁41を全閉にする。また、ステップS6の後に進むステップS7にて第2バイパス弁42を全開にする。ステップS7の後は、ステップS8に進む。
ステップS8では、バッテリの残量が予め設定された基準残量以上か否かを判定する。
ステップS8の判定がYESであって、バッテリの残量が基準残量以上と高い場合には、ステップS11に進む。
ステップS11では、発電機72での発電を停止する。具体的には、発電機72のロータコイルへの磁化用の電流の印加を停止する。
ステップS11の後は、ステップS12に進み、VGT開度を基本VGT開度にして処理を終了する(ステップS1に戻る)。基本VGT開度は、発電機72での発電を停止している状態において目標過給圧を実現することのできるVGTの開度であって、予め実験等により設定されている。例えば、ECU500は、基本VGT開度をエンジン回転数とエンジン負荷とに関するマップで記憶しており、ステップS12において、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに応じた値をこのマップから抽出する。基本VGT開度は、例えば、エンジン負荷が高いほど閉じ側の値に設定されている。なお、ステップS12において、VGTの開度は、実際の過給圧に応じて補正されてもよい。
一方、ステップS8での判定がNOであってバッテリの残量が基準残量未満と少ない場合は、ステップS21に進む。ステップS21では、発電機72での発電が実施される(既に発電が行われている場合は発電を維持する)。具体的には、発電機72のロータコイルへ磁化用の電流を印加する。なお、この電流量は、バッテリの残量に応じて決定される発電量の要求値に応じて変更される。ステップS21の後は、ステップS22に進む。
ステップS22では、VGT開度を発電用基本VGT開度にして処理を終了する(ステップS1に戻る)。発電用基本VGT開度は、発電機72で発電を行っている状態で目標過給圧を実現することのできるVGTの開度であって、予め実験等により設定されている。例えば、ECU500は、発電用基本VGT開度を、エンジン回転数とエンジン負荷とバッテリの残量とに関するマップで記憶しており、ステップS22において、現在のエンジン回転数とエンジン負荷とバッテリの残量とに応じた値をこのマップから抽出する。なお、ステップS22において、VGTの開度は、実際の過給圧に応じて補正されてもよい。
このように、本実施形態では、過給圧不足量が基準量未満となる通常時は、電動コンプレッサ62の駆動が停止されるとともに、絞り弁43および第2バイパス弁42が全開にされる一方、第1バイパス弁41が全閉にされる。これにより、第1コンプレッサ52に吸気の全量が供給されるとともに、この吸気の全量が第1コンプレッサ52のみによって過給される。また、過給された吸気は、電動コンプレッサ62をバイパスしてエンジン本体2に導入される。
そして、この場合において、バッテリの残量が多い場合は、発電機72での発電が停止されるとともに、VGT開度が基本VGT開度とされる。一方、バッテリの残量が少ない場合は、発電機72での発電が実施されるとともに、VGT開度が発電用基本VGT開度とされる。なお、ここでは、バッテリの残量に応じて発電機72での発電を行うか否かを決定した場合について説明したが、その他、バッテリに接続されている電気機器での負荷が増加した場合等に発電機72において発電を行うようにしてもよい。
一方、ステップS3の判定がYESであって、過給圧不足量が基準量以上の場合は、ステップS31に進む。
ステップS31では、電動コンプレッサ62を駆動する。具体的には、バッテリから電動機64に電力を供給し電動機64によって電動コンプレッサ62を回転させる。
ステップS31の後はステップS32に進み、第2バイパス弁42を全開にする。また、ステップS32の後はステップS33に進み、第1バイパス弁41を全開にする。また、ステップ33の後はステップS34に進み、絞り弁43の開度を全開よりも閉じ側の開度にする。ステップS34の後は、ステップS35に進む。
ステップS35では、VGT開度を電動過給用開度にする。電動過給用開度は、前記最小開度よりも開き側の開度に設定された開度である。本実施形態では、この電動過給用開度は、前記最大開度付近の開度に設定されている。ステップS35の後は、ステップS36に進む。
ステップS36では、発電機72での発電を実施する。
ステップS36の後は、ステップS37に進み、第1コンプレッサ回転数が予め設定された基準回転数以上か否かを判定する。
ステップS37の判定がYESであって、第1コンプレッサ回転数が基準回転数以上に高められている場合は、ステップS4に進む。そして、ステップS4以降を実施する。すなわち、絞り弁43を全開にし、第1バイパス弁41を全閉にするとともに、第2バイパス弁42を全開にする。
一方、ステップS37の判定がNOであって、第1コンプレッサ回転数が基準回転数にまだ到達していない場合は、ステップS31に戻る。そして、ステップS31〜S37を繰り返す。
このように、本実施形態では、過給圧不足量が基準量以上になると、電動コンプレッサ62が駆動されるとともに、第1バイパス弁41が全開にされ、第2バイパス弁42が全閉にされるとともに、絞り弁43が全開よりも閉じ側の開度にされる。従って、吸気の全量が電動コンプレッサ62に導入されるとともに、吸気の多くが第1コンプレッサ52をバイパスしてこれによる抵抗を受けずに円滑に電動コンプレッサ62に流入する。また、VGT開度が最小開度よりも開き側の開度とされて、過給用タービン54での排気のエネルギーの消費量が小さくされる。
そして、第1コンプレッサ52の回転数が基準回転数に到達すると、電動コンプレッサ62の駆動が停止されるとともに、絞り弁43が全開にされ、第1バイパス弁41が全閉にされ、第2バイパス弁42が全開にされて、通常時の制御が実施される。なお、電動コンプレッサ62を駆動した直後では、バッテリの残量が少なくなっている可能性が高く、ステップS37の判定がYESになった後はステップS8の判定がNOとなる可能性が高い。
(3)作用等
図5は、時刻t1で加速が開始されて過給圧不足量が基準量以上となったときの各パラメータの変化を模式的に示したものである。なお、この図5において、電動機供給電力とは、電動機64に供給する電力である。
この図5に示すように、本実施形態では、時刻t1にて、加速が開始されて過給圧不足量が基準不足量以上になると、電動機64への電力供給が開始されて電動コンプレッサ62が駆動される。ここで、電動コンプレッサ62は、電動機64により強制的に回転駆動されるものであり、その回転数は即座に上昇する。そのため、時刻t1において電動機64への電力供給が開始されてこれにより電動コンプレッサ62が駆動されることで、図5に示すように、電動コンプレッサの回転数は時刻t1直後から上昇する。
また、本実施形態では、時刻t1にて、電動コンプレッサ62の駆動と同時に、第1バイパス弁41が全閉から全開に切り替えられ、第2バイパス弁42が全開から全閉に切り替えられるとともに、絞り弁43の開度が全開よりも小さい開度とされる。そのため、前記のように、吸気の多くを円滑に電動コンプレッサ62に導入することができるとともに、吸気の全量を電動コンプレッサ62に導入することができる。すなわち、時刻t1後において、電動コンプレッサ62に流入する吸気の流量を増大させることができる。従って、時刻t1後では、前記のように回転数が高められた電動コンプレッサ62によって吸気が効果的に過給されることになり、図5に示すように、過給圧を早期に高めることができる。
しかも、本実施形態では、時刻t1で電動コンプレッサ62が駆動されるのと同時に発電機72による発電が開始される。そのため、高い効率(送電効率)で電動コンプレッサ62を駆動することができる。すなわち、この場合には、バッテリは、発電機からの電力を受けつつ電動コンプレッサ62に電力を供給することになる。そのため、これらの一部が相殺されてバッテリの最終的な入力電力あるいは出力電力は小さくなり、高い効率(送電効率)で電動コンプレッサ62を駆動することが可能になる。
特に、本実施形態では、発電用タービン74を介して排気のエネルギーによって発電機72が駆動される。そのため、システム全体のエネルギー効率を良好にしつつ、電動コンプレッサ62に供給する電力を確保することができる。
また、本実施形態では、前記のように時刻t1にて電動コンプレッサ62が駆動され、かつ、発電機72による発電が開始されるのと同時に、過給用タービン54のVGT開度が全閉よりも開き側に設定された電動過給用開度とされる。例えば、図5に示した例では、VGT開度が時刻t1にて開き側に変更されて電動過給用開度とされる。そのため、過給用タービン54での排気エネルギーの消費量を少なく抑えることができ、発電用タービン74により多くの排気エネルギーを供給することができる。従って、発電機72での発電量をより確実に多くすることができる。
ここで、発電用タービン74を過給用タービン54よりも上流側に配置した場合には、発電用タービン74が発電を行っていない場合でも、発電用タービン74が抵抗となることで過給用タービン54に流入する排気のエネルギーは小さくなる。これに対して、本実施形態では、発電用タービン74が過給用タービン54よりも下流側に配置されているので、発電が行われていない場合において、過給用タービン54に流入する排気のエネルギーを高くしてターボ過給機50の過給性能を高く維持することができる。
一方、このように過給用タービン54よりも下流側に発電用タービン74を設けた場合には、発電用タービン74によって発電機72を駆動させると発電用タービン74の上流側の圧力すなわち過給用タービン54の背圧が高くなって過給用タービン54の回転数の上昇が抑制されるおそれがある。特に、前記のように過給用タービン54の開度を開き側として過給用タービン54で消費される排気のエネルギーを小さくした場合には、第1コンプレッサ52を駆動する駆動力が小さくなる結果、第1コンプレッサ52の回転数が十分に高められない、あるいは、低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、前記のように、過給圧不足量が基準量以上になると、絞り弁43の開度が全開よりも小さい開度とされて、第1コンプレッサ52に流入する吸気の量すなわち第1コンプレッサ52の作動流体の量が低減される。そのため、第1コンプレッサ52の回転数を高めることができ、ターボ過給機50による過給能力を高く維持することができる。
図6を用いて詳細に説明する。図6は、コンプレッサの特性を示した図であり、横軸をコンプレッサに流入する作動流体の流量、縦軸をコンプレッサの前後の圧力比(上流側の圧力を下流側の圧力で割ったもの)として、コンプレッサの回転数と、コンプレッサの駆動力(コンプレッサを駆動するのに必要な力)を示した図である。具体的には、図6において、各実線はそれぞれ駆動力が互いに同じとなる点をつないだ線であり、各破線Nc1〜Nc5はそれぞれコンプレッサの回転数が互いに同じとなる点をつないだ線である。ここで、回転数は、Nc1からNc5に向けて高くなっている。また、図6には、合わせて、鎖線でコンプレッサの効率も示している(各鎖線は、それぞれ効率が同じとなる点をつないだ線である)。
この図6に示されるように、コンプレッサの駆動力が低下するとコンプレッサの回転数は低下する。例えば、点Aにある状態からコンプレッサの駆動力が低下すると点Bに移行してコンプレッサの回転数は低下する。一方で、この図6に示されるように、駆動力が同じであっても、コンプレッサの作動流体の流量が小さくなるとコンプレッサの回転数は高くなる。例えば、点Bにある状態から前記流量が小さくなると点Cに移行し、コンプレッサの回転数は点Aの回転数以上になる。
従って、前記のように絞り弁43が全開よりも小さい開度とされて第1コンプレッサ62に流入する吸気の量すなわち第1コンプレッサ62の作動流体の流量が低減されることで、第1コンプレッサ62の駆動力が低下するにも関わらず回転数は高くなる。また、図6から明らかなように、このように作動流体の流量が低減されて回転数が高められるとコンプレッサの圧力比も増大する。そのため、絞り弁43が全開よりも小さい開度とされることによって第1コンプレッサ62による過給も促進されることになり、過給圧はより一層高められる。
このように、本実施形態では、時刻t1であって加速等に伴い過給圧不足量が基準量以上になった場合において、過給圧を高めつつ、電力を効果的に生成して電動コンプレッサ62を駆動するための電力を確保することができる。
また、本実施形態では、時刻t2において第1コンプレッサ52の回転数が基準回転数に到達すると、電動コンプレッサ62の駆動が停止されて、第1ターボ過給機50によって吸気が過給されるようになるが、前記のように、時刻t1後において、第1コンプレッサ52の回転数は十分に高められているため、時刻t2後においても、ターボ過給機50によって過給圧を適切に高めること、あるいは、適切な値に維持することが可能になる。
また、このときには、前記のように、第1バイパス弁41が全閉とされるとともに絞り弁43が全開とされて第1コンプレッサ52に吸気の全量が導入される。そのため、ターボ過給機50によってより確実に過給圧を高めることができる。さらに、このとき、第2バイパス弁42が全開とされて、吸気抵抗が小さく抑えられる。従って、ターボ過給機50によって圧力が高められた吸気をその高い圧力を維持したままエンジン本体1に導入することができ、エンジントルクを高く確保することができる。
なお、図5に示すように、時刻t2後であっても、しばらくの間は、電動コンプレッサ9は回転し続ける。そのため、時刻t2直後は第2バイパス弁42を全開よりも閉じ側とし、一部の吸気を電動コンプレッサ62に導入してもよい。このようにすれば、電動コンプレッサ62によっても吸気を過給することができ、過給圧をより一層高めることができる。
ここで、図5では、時刻t2後において発電要求がない場合の例を示しており、この場合は、この図5に示すように、時刻t2において発電量は0とされる。また、VGT開度は基本VGT開度とされる。なお、時刻t2後において発電要求がある場合は、時刻t2以後においても発電は行われ、VGT開度は発電用基本VGT開度に制御されることになる。
(4)変形例
前記実施形態では、過給圧不足量が基準量以上になってから第1コンプレッサ52の回転数が基準回転数に到達すると、第1バイパス弁41を全開から全閉に、絞り弁43を全開よりも小さい開度から全開に、第2バイパス弁42を全閉から全開にそれぞれ切り替える場合について説明したが、この切替を行うタイミングは、前記に限らない。
例えば、過給圧不足量が基準量以上になってからの経過時間が予め設定された所定時間(所定期間)を経過すると前記切替を実施するようにしてもよい。
ただし、前記実施形態のようにすれば、第1コンプレッサ52の回転数が確実に高められている状態でターボ過給機50による過給に切り替えられため、ターボ過給機50によってより確実に過給圧を高くすること、あるいは、高く維持することができる。
また、前記実施形態では、前記各切替をすべて同時に行った場合について説明したが、これらは順次行われてもよい。特に、第2バイパス弁42を全閉から全開に切り替えるタイミングを、他の切替タイミングよりも遅くしてもよい。すなわち、図6に示すように、電動コンプレッサ62は、電力供給が停止されてもしばらくの間は回転し続ける。従って、このときに第2バイパス弁42を閉じ側にしておけば、電動コンプレッサ62によっても吸気を過給することができ、過給圧をより一層高くすることができる。
また、前記実施形態では、第1コンプレッサ52の回転数が基準回転数に到達すると、第1バイパス弁41を全開から全閉に、絞り弁43を全開よりも小さい開度から全開に、第2バイパス弁42を全閉から全開にそれぞれ切り替える場合について説明したが、これらの開度を徐々に変更してもよい。例えば、第1コンプレッサ52の回転数が前記基準回転数よりも小さい所定の回転数に到達すると、各弁41〜43の開度を全閉あるいは全開に向けて徐々に変化させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、過給用タービン54をVGTとした場合について説明したが、過給用タービン54は、ノズルベーン54bを有しない通常のタービンであってもよい。ただし、過給用タービン54をVGTとすれば、過給圧をより高くすることができるとともに、より精度よく変更することができる。
また、前記実施形態では、各バイパス弁41,42を全閉と全開とに切り替える場合について説明したが、必ずしも全閉と全開とに切り替える必要はない。すなわち、各弁41,42が所定量開いていても、実質的に全閉にしたときと同様に各弁41,42によってガスの流通が規制される場合(ほとんどガスが流れない場合)には、前記実施形態における各バイパス弁41,42を全閉にするという制御に代えて各バイパス弁41,42の開度を前記の所定量以下にするという制御を行ってもよい。同様に、各弁41,42が全開から所定量閉じていても、実質的に全開にしたときと同様に各弁41,42によってガスの流通がほとんど規制されない場合には、前記実施形態における各バイパス弁41,42を全開にするという制御に代えて各バイパス弁41,42の開度を前記の所定量以上にするという制御を行ってもよい。また、絞り弁48においても、絞り弁48を全開にする制御に代えて、絞り弁48の開度を所定量以上にするという制御を行ってもよい。
1 エンジン本体
20 吸気通路
30 排気通路
41 第1バイパス弁
42 第2バイパス弁
43 絞り弁
50 ターボ過給機
52 第1コンプレッサ
54 過給用タービン
62 電動コンプレッサ(第2コンプレッサ)
64 電動機
74 発電用タービン
76 発電機
121 第1バイパス通路
122 第2バイパス通路

Claims (4)

  1. エンジン本体と、エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、エンジン本体から排出される排気が流通する排気通路と、前記排気通路に設けられる第1タービンおよび前記吸気通路に設けられる第1コンプレッサを含むターボ過給機とを備えたターボ過給機付エンジンであって、
    前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路に設けられて電力により駆動される第2コンプレッサと、
    前記第1タービンを通過した排気の全量が流入するように前記第1タービンよりも下流側の排気通路に配設されて、当該排気のエネルギーを受けて回転する発電用タービンと、
    前記発電用タービンにより駆動されて発電する発電機と、
    エンジンの各部を制御する制御手段とを備え、
    前記吸気通路は、前記第1コンプレッサよりも上流側の部分と下流側の部分とを連通して当該第1コンプレッサをバイパスする第1バイパス通路と、当該第1バイパス通路を開閉する第1バイパス弁と、前記第2コンプレッサよりも上流側の部分と下流側の部分とを連通して当該第2コンプレッサをバイパスする第2バイパス通路と、当該第2バイパス通路を開閉する第2バイパス弁と、前記第1バイパス通路の上流端が接続される部分と前記第1コンプレッサとの間の通路の流路面積を変更する絞り弁とを有し、
    前記制御手段は、通常時は、前記第2コンプレッサの駆動を停止するとともに、前記第1バイパス弁を閉じ、かつ、前記絞り弁および前記第2バイパス弁を開く一方、
    前記第2バイパス通路の下流端が接続される部分よりも下流側の圧力である過給圧が目標値に対して予め設定された基準量以上不足すると、前記第2バイパス弁を閉じ、前記第1バイパス弁を開いて、前記絞り弁を全開よりも小さい開度にするとともに、前記第2コンプレッサを駆動させ、かつ、前記発電機に発電を行わせることを特徴とするターボ過給機付エンジン。
  2. 請求項1に記載のターボ過給機付エンジンにおいて、
    前記排気通路のうち前記過給用タービンに流入する排気の流路面積を変更して当該排気の流速を変更可能な排気流速変更手段を備え、
    前記排気流速変更手段は、エンジン本体の稼働時において前記流路面積を所定の範囲で変更し、
    前記制御手段は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になると、前記排気流速変更手段によって前記流路面積を前記所定の範囲における最小面積よりも大きい面積にすることを特徴とするターボ過給機付エンジン。
  3. 請求項1または2に記載のターボ過給機付エンジンにおいて、
    前記制御手段は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になってから所定期間が経過すると、前記第2コンプレッサの駆動を停止し、前記第1バイパス弁を閉じ、かつ、前記絞り弁を開くとともに、これと同時あるいはこれよりも後に、前記第2バイパス弁を開くことを特徴とするターボ過給機付エンジン。
  4. 請求項3に記載のターボ過給機付エンジンにおいて、
    前記所定期間は、前記過給圧の目標値に対する不足量が前記基準量以上になってから、前記第1コンプレッサの回転数が予め設定された基準回転数に到達するまでの期間であることを特徴とするターボ過給機付エンジン。
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