JP6296070B2 - バラスト水処理システムおよびその制御方法 - Google Patents

バラスト水処理システムおよびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6296070B2
JP6296070B2 JP2016008672A JP2016008672A JP6296070B2 JP 6296070 B2 JP6296070 B2 JP 6296070B2 JP 2016008672 A JP2016008672 A JP 2016008672A JP 2016008672 A JP2016008672 A JP 2016008672A JP 6296070 B2 JP6296070 B2 JP 6296070B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
water
channel
circulation
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016008672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017127811A (ja
Inventor
谷田 和尋
和尋 谷田
宗譜 上山
宗譜 上山
金澤 進一
進一 金澤
哲弥 柴田
哲弥 柴田
竜児 原田
竜児 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2016008672A priority Critical patent/JP6296070B2/ja
Publication of JP2017127811A publication Critical patent/JP2017127811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6296070B2 publication Critical patent/JP6296070B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

本発明は、バラスト水処理システム、および、その制御方法に関する。
バラスト水は、船体姿勢あるいは喫水を安全な状態に維持するために船舶に積載される。たとえば搬出先において船舶から貨物が下ろされた後、船舶の周囲の水(海水、淡水、あるいは汽水)が採取されて、その水がバラスト水として船舶に積み込まれる。船舶に貯留したバラスト水は、その船舶の寄港地において船外に排出される。
国際航海を行う航船の場合、バラスト水が取水された海域とバラスト水が排出される海域とが異なり得る。バラスト水中に生物が生存する場合、バラスト水が船舶から排出されることにより、その生物は本来の生息地ではない海域に移動させられる。このため、バラスト水の排出が海域の生態系に影響を及ぼすという問題が生じうる。
この問題を回避するために、バラスト水を浄化するための装置および方法がこれまでに提案されている。たとえば特開2011−194396号公報(特許文献1)は、船舶用バラスト水の処理装置を開示する。この処理装置は、軸線を囲むように円筒配置されたフィルタを有する。フィルタは、その軸線を中心に回転自在に設けられる。処理装置は、フィルタを回転させつつ被処理水を濾過する。
特開2011−194396号公報
濾過装置の濾過性能を維持するためには、フィルタを洗浄する必要がある。上記の処理装置は、フィルタの目詰まりを生じにくくするために、被処理水を濾過しながらフィルタを洗浄する。
長期間運転することによって、フィルタから除去しにくい汚れが徐々にフィルタに堆積することが起こり得る。濾過性能を維持するためには、濾過処理が行われていないときにもフィルタを洗浄できることが望ましい。バラストタンクは船体の底に設置されるため、バラスト水処理装置も船体の底の限られたスペースに設置されうる。人手によるフィルタの洗浄は容易ではないと考えられる。
本発明の目的は、人手を介することなく効果的にフィルタを洗浄することが可能なバラスト水処理システム、およびその制御方法を提供することである。
本発明の一態様に係るバラスト水処理システムは、船舶に貯留されるバラスト水を生成するバラスト水処理システムである。バラスト水処理システムは、被処理水を導入する被処理水流路と、被処理水を濾過するフィルタと、フィルタによって濾過された被処理水を導出する濾過水流路とを含む濾過装置と、濾過水流路から分岐して被処理水流路に接続される循環流路と、循環流路に接続されて、フィルタを洗浄するための塩素系の洗浄液を貯留する第1のタンクと、循環流路に接続されて、洗浄液を中和するための中和液を貯留する第2のタンクと、洗浄液を第1のタンクから循環流路に導入するための第1のバルブと、中和液を第2のタンクから循環流路に導入するための第2のバルブと、濾過水流路に設けられた紫外線ランプを含む紫外線照射装置と、濾過水流路において、濾過水流路および循環流路の分岐部と、紫外線照射装置との間に設けられた第3のバルブと、液体を循環流路で循環させるポンプと、循環流路から分岐して洗浄液および中和液を排出する排出流路と、排出流路を開くための第4のバルブとを備える。
上記によれば、人手を介することなく効果的にフィルタを洗浄することが可能なバラスト水処理システム、およびその制御方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システムを搭載した船舶を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システムの構成を示した概略図である。 図2に示した濾過装置の構成例を説明する図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図4に示されたフィルタの代表的な構成を説明する斜視模式図である。 図2に示した紫外線照射装置の構成例を示した図である。 本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システムによって実行される一連の処理を示したフローチャートである。 図7に示されたバラスト水の注水工程(S1)を説明するための図である。 図7に示されたバラスト水の排水工程(S3)を説明するための図である。 図7に示された清水置換工程(S4)を説明するための第1の図である。 図7に示された清水置換工程(S4)を説明するための第2の図である。 図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの清水の循環および恒温の処理(S11)を説明するための図である。 図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの洗浄水の循環処理(S12)を説明するための図である。 図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの中和液の循環処理(S13)を説明するための図である。 図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの中和水の排水処理(S14)を説明するための図である。 図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの清水の供給処理(S15)を説明するための図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。以下において、「被処理水」との用語は、バラスト水処理システムによって処理される水を称する。
(1)本発明の一態様に係るバラスト水処理システムは、船舶に貯留されるバラスト水を生成するバラスト水処理システムである。バラスト水処理システムは、被処理水を導入する被処理水流路と、被処理水を濾過するフィルタと、フィルタによって濾過された被処理水を導出する濾過水流路とを含む濾過装置と、濾過水流路から分岐して被処理水流路に接続される循環流路と、循環流路に接続されて、フィルタを洗浄するための塩素系の洗浄液を貯留する第1のタンクと、循環流路に接続されて、洗浄液を中和するための中和液を貯留する第2のタンクと、洗浄液を第1のタンクから循環流路に導入するための第1のバルブと、中和液を第2のタンクから循環流路に導入するための第2のバルブと、濾過水流路に設けられた紫外線ランプを含む紫外線照射装置と、濾過水流路において、濾過水流路および循環流路の分岐部と、紫外線照射装置との間に設けられた第3のバルブと、液体を循環流路で循環させるポンプと、循環流路から分岐して洗浄液および中和液を排出する排出流路と、排出流路を開くための第4のバルブとを備える。
上記によれば、人手を介することなく効果的にフィルタを洗浄することが可能なバラスト水処理システムを実現できる。第3のバルブを閉じることによって、循環流路に液体を流すことができる。第1のバルブによって、洗浄液が循環流路を流れる。循環流路には濾過装置が設けられる。洗浄液によって濾過装置の中のフィルタを洗浄することができる。
フィルタの洗浄後には、第2のバルブによって、中和液を循環流路に導入することができる。塩素系の洗浄液が長期間残留した場合には、流路あるいはタンクに損傷を与える可能性がある。中和液を循環させることによってこのような問題を防ぐことができる。さらに、第4のバルブによって、中和された洗浄液を排出することができる。
(2)好ましくは、バラスト水処理システムは、第3のバルブを迂回するように濾過水流路に接続された恒温循環流路と、清水を濾過水流路に導入する清水流路と、恒温循環流路に設けられ、清水の循環時に開状態である第5のバルブと、紫外線照射装置から出た清水を循環流路に導くための清水導入路と、清水導入路に設けられ、清水の循環時に開状態である第6のバルブと、清水の温度を計測する温度センサとをさらに備える。温度センサによって計測された清水の温度が所定の温度よりも低い場合には、紫外線ランプが点灯するとともにポンプは清水を循環させる。清水の温度が所定の温度である場合、第5のバルブおよび第6のバルブが閉状態であるとともに第1のバルブが開状態である。
上記によれば、フィルタの洗浄効果を高めることができる。濾過装置の内部および紫外線照射装置の内部に残水(たとえば残海水)が残ったまま洗浄を開始した場合には、残水中の有機分により洗浄液の塩素濃度が低下するため、フィルタの洗浄効果が弱くなる。濾過装置および紫外線照射装置の内部から残水を排水して、その後に、濾過装置および紫外線照射装置の内部に清水を導入することにより、濾過装置および紫外線照射装置の内部の残水を清水に置換することができる。これによりフィルタの洗浄効果が高められる。さらに、清水が循環経路を流れることによって、洗浄液が循環される。清水を予め温めることによって、洗浄液の温度をフィルタの洗浄に適した温度にすることができる。
(3)好ましくは、第1のタンクおよび第2のタンクは、循環流路の途中に並列に配置される。第1のバルブは、第1のタンクの入口に設けられる。第2のバルブは、第2のタンクの入口に設けられる。バラスト水処理システムは、第1のタンクの出口に設けられ、洗浄液の循環時および中和液の循環時には、第1のバルブとともに開状態である第7のバルブと、第2のタンクの出口に設けられ、中和液の循環時には第2のバルブとともに開状態である第8のバルブとをさらに備える。
上記によれば、洗浄液および中和液を循環させた後に、第1のタンクおよび第2のタンクを空にすることができる。第1のバルブおよび第7のバルブが開状態であることにより、洗浄液および中和液が第1のタンクを通る。第2のバルブおよび第8のバルブが開状態であることにより、洗浄液および中和液が第2のタンクを通る。第1のバルブ、第2のバルブ、第7のバルブおよび第8のバルブが閉じられるとともに、洗浄液および中和液が排出される。これにより、第1のタンクおよび第2のタンクを空にすることができる。これにより、次に洗浄液および中和液を第1のタンクおよび第2のタンクへ投入する際に、液体を抜く手間を省くことができる。したがって第1のタンクあるいは第2のタンクが、長期間残留する液体によって損傷する(たとえば腐食する)可能性を小さくすることができる。
(4)好ましくは、洗浄液および中和液を排出流路へと導いた後に、第1から第8のバルブは閉状態である。濾過装置は、清水流路を通じて導入された清水を貯留する。
上記によれば、洗浄液および中和液が排出された後に、清水によって、濾過装置の内部を水密にすることができる。
(5)本発明の一態様に係るバラスト水処理システムの制御方法は、船舶に貯留されるバラスト水を生成するバラスト水処理システムの制御方法である。バラスト水処理システムは、被処理水を導入する被処理水流路と、被処理水を濾過するフィルタと、フィルタによって濾過された被処理水を導出する濾過水流路とを含む濾過装置と、濾過水流路から分岐して被処理水流路に接続される循環流路と、循環流路に接続されて、フィルタを洗浄するための塩素系の洗浄液を貯留する第1のタンクと、循環流路に接続されて、洗浄液を中和するための中和液を貯留する第2のタンクと、洗浄液を第1のタンクから循環流路に導入するための第1のバルブと、中和液を第2のタンクから循環流路に導入するための第2のバルブと、濾過水流路に設けられた紫外線ランプを含む紫外線照射装置と、濾過水流路において、濾過水流路および循環流路の分岐部と、紫外線照射装置との間に設けられた第3のバルブと、液体を循環流路で循環させるポンプと、循環流路から分岐して洗浄液および中和液を排出する排出流路と、排出流路を開くための第4のバルブと、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブを制御する制御部とを備える。制御方法は、制御部によって第1のバルブが開かれた状態において、ポンプによって洗浄液を循環流路で循環させるステップと、制御部によって第1のバルブおよび第2のバルブが開かれた状態において、ポンプによって洗浄液と中和液との混合液を循環流路で循環させるステップと、制御部によって第4のバルブが開かれた状態において、ポンプによって混合液を排出流路を通じて排出するステップとを備える。
上記によれば、フィルタを自動的に洗浄することができる。さらに、フィルタの洗浄後には、中和液を循環流路に導入することができる。さらに、中和された洗浄液を排出することができる。
(6)好ましくは、バラスト水処理システムは、第3のバルブを迂回するように濾過水流路に接続された恒温循環流路と、清水を濾過水流路に導入する清水流路と、恒温循環流路に設けられ、清水の循環時に開状態である第5のバルブと、紫外線照射装置から出た清水を循環流路に導くための清水導入路と、清水導入路に設けられ、清水の循環時に開状態である第6のバルブと、清水の温度を計測する温度センサとをさらに備える。制御方法は、フィルタの洗浄に先立って、濾過装置の内部および紫外線照射装置の内部に残る残水を排水するステップと、濾過装置および紫外線照射装置から残水を排水した後に、濾過装置の内部および紫外線照射装置の内部に清水を導入するステップと、温度センサによって計測された清水の温度が所定の温度よりも低い場合には、紫外線ランプが点灯するとともにポンプが清水を循環させるステップと、清水の温度が所定の温度である場合、制御部によって第5のバルブおよび第6のバルブを閉じるとともに第1のバルブを開くステップとをさらに備える。
上記によれば、濾過装置の内部および紫外線照射装置の内部に残る水を排水し、その後に、濾過装置および紫外線照射装置の内部に清水を導入することにより、フィルタの洗浄効果が弱くなることを防止できる。さらに、清水を予め温めることによって、洗浄液が清水と混合されたときに、洗浄液の温度をフィルタの洗浄に適した温度にすることができる。
(7)好ましくは、第1のタンクおよび第2のタンクは、循環流路の途中に並列に配置される。第1のバルブは、第1のタンクの入口に設けられる。第2のバルブは、第2のタンクの入口に設けられる。バラスト水処理システムは、第1のタンクの出口に設けられる第7のバルブと、第2のタンクの出口に設けられる第8のバルブとをさらに備える。洗浄液を循環流路で循環させるステップは、制御部によって第1のバルブおよび第7のバルブを開くステップを含む。混合液を循環流路で循環させるステップは、制御部によって第2のバルブおよび第8のバルブを開くステップを含む。
上記によれば、洗浄液および中和液を循環させた後に、第1のタンクおよび第2のタンクを空にすることができる。
(8)好ましくは、制御方法は、混合液を排出流路へと導いた後に、制御部によって、第1から第8のバルブを閉状態にするステップと、濾過装置が清水流路を通じて導入された清水を貯留するステップとをさらに備える。
上記によれば、洗浄液および中和液が排出された後に、清水によって、濾過装置の内部を水密にすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
1.バラスト水処理システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システムを搭載した船舶を示した模式図である。図1に示すように、船舶1は、本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システム100と、バラストタンク2とを有する。バラストタンク2はバラスト水4を貯留する。
バラスト水4がバラストタンク2に貯留される際には、バラスト水処理システム100は、以下の処理を行う。バラスト水処理システム100は、海域3から取水口5を通じて海水を採取して、採取された海水を浄化する。具体的には、バラスト水処理システム100は、海水を濾過する。バラスト水処理システム100は、濾過された海水に紫外線を照射して、バラスト水中の微生物を殺滅する。殺滅処理(紫外線照射)が施された海水は、バラストタンク2に貯留される。
船舶1の寄港地において、バラスト水4は、バラストタンク2から船外へ排出される。バラスト水4が排出される際に、バラスト水処理システム100は、バラスト水4を浄化する。具体的には、バラスト水処理システム100は、バラストタンク2からバラスト水4を汲み上げて、バラスト水4に紫外線を照射する。バラスト水処理システム100は、排水口6を通じて、バラスト水4を海域へと排出する。
図2は、本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システムの構成を示した概略図である。図2に示すように、バラスト水処理システム100は、バラストポンプ11と、濾過装置12と、紫外線照射装置13と、洗浄液タンク14と、中和液タンク15と、循環ポンプ16と、温度センサ17と、圧力計18,19と、制御部101とを含む。バラスト水処理システム100は、さらに、被処理水導入路21,22と、濾過水流路23と、排水流路24,25と、被処理水流路26,27,28と、排水流路29と、被処理水流路30,31と、循環流路32,33,34,35,36,37と、排水流路38と、排水流路39と、清水流路40と、恒温循環流路41と、UV排水流路42と、エアベント管43,44と、清水流路45とを含む。バラスト水処理システム100は、さらに、バルブW1〜W25を含む。バラスト水処理システム100の図示が煩雑になるのを避けるため、図2では排水口6が2か所に示される。
バラストポンプ11は、海域3(図1参照)からの被処理水の取水、およびバラストタンク2からのバラスト水の排出に用いられる。濾過装置12は、被処理水を濾過する。このために、濾過装置12は、フィルタ61を含む。さらに、濾過装置12は、フィルタ61を回転させるモータ90を含む。
紫外線照射装置13は、フィルタ61によって濾過された被処理水に、紫外線を照射する。
洗浄液タンク14は、フィルタを洗浄するための洗浄液を貯留する。洗浄液は塩素系洗浄液である。塩素系洗浄液は、フィルタ61に付着した有機物を分解できる。一実施形態では、塩素系洗浄液は、次亜塩素酸ナトリウム溶液であるが、これに限定されない。たとえば塩素系洗浄液は、次亜塩素酸カルシウム溶液であってもよい。
中和液タンク15は、中和液を貯留する。中和液は、フィルタ61を洗浄した後に洗浄液を中和するために用いられる。たとえば中和液は、チオ硫酸ナトリウムであるが、これに限定されない。
循環ポンプ16は、洗浄液および中和液を循環させるために用いられる。循環ポンプ16は、さらに、洗浄液および中和液を排出するために用いられるだけでなく、清水置換時(排水時)にも用いられる。
温度センサ17は、濾過水流路23を流れる液体の温度を測定する。圧力計18は、濾過装置12の上部の圧力を検出する。圧力計19は、濾過装置12の下部の圧力を検出する。圧力計18,19によって測定された圧力の差が、濾過装置12の差圧に対応する。
被処理水導入路21,22は、バラストポンプ11によって圧送された被処理水を通すための流路である。濾過水流路23は、濾過装置12によって濾過された被処理水を流すための流路である。被処理水は、濾過水流路23によって紫外線照射装置13へと導かれる。
排水流路24は、濾過装置12によって濾過されなかった水、あるいはフィルタ61から除去された生物等(生物および粒子など)を含む水を排出するための流路である。排水流路24は、排水口6に接続される。排水流路25は、排水流路24から分岐して、循環流路35に接続される。
被処理水流路26,27,28は、紫外線照射装置13を通った後に被処理水を流すための流路である。被処理水流路27は、被処理水流路26から分岐して、被処理水導入路21に接続される。被処理水流路28は、被処理水流路27から分岐して、バラストタンク2に被処理水(バラスト水)を導く。排水流路29は、被処理水流路26から分岐して、排水口6に接続される。
被処理水流路30は、被処理水導入路22から分岐して、被処理水流路26に接続される。被処理水流路31は、被処理水流路30から分岐して、濾過水流路23に接続される。
循環流路32,33,34,35,36,37は、洗浄液および中和液を循環させるための流路である。循環流路32は、濾過水流路23から分岐する。循環流路33,34は、循環流路32に並列に接続される、言い換えると、循環流路32は、循環流路33および循環流路34に分岐される。
洗浄液タンク14は、循環流路33に設けられる。中和液タンク15は、循環流路34に設けられる。すなわち洗浄液タンク14、および中和液タンク15は、循環流路に並列に設けられる。
循環流路35は、循環流路33,34に接続される。循環流路35は、循環ポンプ16の吸水口に接続される。循環流路36は、循環ポンプ16の吐水口に接続される。循環流路37は、循環流路36に接続されるとともに、被処理水導入路22に接続される。
排水流路38は、排水流路24と排水流路39とをつなぐ。排水流路39は、ドレイン7に接続される。ドレイン7は、船舶1(図1)の内部の排水口を表す。
清水流路40は、清水(fresh water)を導入するための流路である。清水流路40は、たとえば清水タンク(図示せず)に接続される。さらに清水流路40は、濾過水流路23に接続される。恒温循環流路41は、バルブW3を迂回するように、濾過水流路23と、被処理水流路26とに接続される。恒温循環流路41は、清水の恒温循環の際に使用される。UV排水流路42は、濾過水流路23と循環流路35とに接続される。UV排水流路42は、清水の恒温循環の際、および紫外線照射装置13からの排水の際に使用される。エアベント管43は、濾過装置12の空気抜き(エアベント)のための管である。エアベント管44は、紫外線照射装置13の内部の残水を排水するための管である。清水流路45は、紫外線照射装置13の内部に清水を導入するための管である。
バルブW1〜W25は、液体(被処理水、バラスト水、洗浄液、および中和液)の流れを制御する。バルブW1〜W25は、たとえば開閉弁である。ただし、バルブW1〜W25の一部は流量制御弁でもよい。
バルブW1,W2は、被処理水導入路21,22にそれぞれ設けられる。バルブW3は、濾過水流路23に設けられる。バルブW4,W5は、排水流路24,25にそれぞれ設けられる。バルブW6,W7,W8は、被処理水流路26,27,28にそれぞれ設けられる。バルブW9は、排水流路29に設けられる。バルブW10は、被処理水流路27に設けられる。バルブW10の位置は、被処理水流路27と被処理水流路28との分岐部、および被処理水流路27と被処理水導入路22との接続部の間である。
バルブW11は、被処理水流路30に設けられる。バルブW11の位置は、被処理水流路30と被処理水流路31との接続部、および被処理水流路30と被処理水流路26との接続部の間である。バルブW12は、被処理水流路31に設けられる。
バルブW13,バルブW14は、循環流路33に設けられる。バルブW15,バルブW16は、循環流路34に設けられる。より具体的には、バルブW13は、洗浄液タンク14の入口に設けられ、バルブW14は、洗浄液タンク14の出口に設けられる。バルブW15は中和液タンク15の入口に設けられ、バルブW16は、中和液タンク15の出口に設けられる。各タンクは、循環流路に接続された少なくとも1つの導入口を有する。その導入口にバルブを設けることによって、タンクに貯留された液を循環流路に導入することができる。この実施の形態では、各タンクの入口と出口の両方にバルブが設けられる。両方のバルブが開状態である場合、洗浄液あるいは中和液がタンクの内部を通る。これにより、洗浄液あるいは中和液がタンクの内部に長期間残留することを回避できる。たとえばタンクが損傷しにくくなるという効果が得られる。
バルブW17は、循環流路37に設けられる。バルブW18は、排水流路38に設けられる。バルブW19は排水流路39に設けられる。バルブW20,W21,W22は、清水流路40、恒温循環流路41および、UV排水流路42にそれぞれ設けられる。バルブW23は、エアベント管43に設けられる。バルブW24,W25は、それぞれ、エアベント管44および清水流路45に設けられる。
一実施形態では、上記の流路、導入路の各々は、金属の配管によって実現される。金属の配管は、難燃性であるため、好ましい。配管は、酸性またはアルカリ性の溶液に対する耐性を有することが好ましい。配管の内部は、たとえば樹脂によってコーティングされていてもよい。あるいは酸性またはアルカリ性の溶液に対する耐腐食性を有する金属によって配管の内部がコーティングされてもよい。
制御部101は、バラスト水処理システム100を統括的に制御する。特に、制御部101は、バルブW1〜W25を制御する。一実施形態によれば、制御部101は、制御盤として実現される。
図3は、図2に示した濾過装置12の構成例を説明する図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図3および図4に示すように、被処理水は、被処理水導入路22(図2を参照)から被処理水流路66を通り、ケース63の内部へ供給される。ケース63の内部には、円筒形状のフィルタ61が設けられている。軸線Cはフィルタ61(円筒)の中心軸を示す。言い換えると、フィルタ61は、軸線Cを囲むように配置されている。
モータ90は、フィルタ61の中心軸と接続される。モータ90は、駆動装置(図示せず)から電力が供給されることによって、軸線Cを中心としてフィルタ61を回転させる。モータ90は、モータカバー91で覆われている。
フィルタ61の円筒上下面は水密に塞がれている。回転自在な取り付け構造は、同じく水密構造とする必要があるが、特に限定されることなく既知の構造が用いられる。
ケース63は、フィルタ61の全体を覆う。ケース63は、外筒部71と、蓋部72と、底部73とを有する。底部73には、排水流路24(図2を参照)に接続される排出流路65が設けられる。ケース63の内部には、被処理水を導入するために、被処理水流路66と、被処理水ノズル62とが設けられる。
被処理水ノズル62は、被処理水流路66から延設されるように構成される。被処理水ノズル62の先端にノズル口67が形成される。ノズル口67は、ケース63の外筒部71の中に配置される。被処理水がノズル口67からフィルタ61の外周面に向けて流出するように、ノズル口67が形成される。
中心配管80は、軸線C上に配置される。中心配管80は、濾過水流路64に接続される。濾過水流路64は濾過水流路23(図2を参照)に接続される。なお、中心配管80は回転しない。
図5は、図4に示されたフィルタ61の代表的な構成を説明する斜視模式図である。図4および図5に示すように、フィルタ61はプリーツフィルタである。平面帯状の基材を山谷交互に折りたたむことによって、いわゆるプリーツ形状が形成される。プリーツ状に形成された基材の両端をつなぎ合わせることで、円筒状のプリーツフィルタが形成される。
フィルタの基材には、多孔質樹脂シートが用いられる。多孔質樹脂シートの材質として、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等からなる延伸多孔質体、相分離多孔体、不織布等の多孔質構造物が利用される。高流量での濾過処理を行なうために、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる不織布が特に好適に用いられる。
図3および図4を再び参照して、被処理水は被処理水流路66を通り、被処理水ノズル62のノズル口67から噴出する。ノズル口67から噴出した被処理水は、フィルタ61の円筒外部から円筒内部へと透過される。これによって被処理水が濾過される。フィルタ61を透過することによって濾過された被処理水は、中心配管80に設けられた取水穴81を通して濾過水流路64に導かれて、濾過装置12の外部に流出される。
フィルタ61によって濾過されなかった水および、ケース63の底部73に沈殿した濁質分は、排出流路65を通じて濾過装置12の外部に排出される。このように濁質分、あるいは残った水が連続的に排出されつつ濾過が行われる。これにより、被処理水の処理量として要求される処理量を確保することができる。
以上の動作において、フィルタ61の外周面には生物あるいは粒子等の濁質が付着する。図3に示す構成によれば、モータ90がフィルタ61を回転させる。ノズル口67から噴出した被処理水は、回転するフィルタ61の外周面に当たる。被処理水の圧力および回転する水流によって、フィルタ61の外周面には常に水流が生じる。これによってフィルタ61に付着した濁質分が除去されやすい。すなわち、この実施の形態によれば、バラスト水を濾過すると同時にフィルタ61を洗浄することができる。
図6は、図2に示した紫外線照射装置13の構成例を示した図である。図6に示すように、紫外線照射装置13は、ケース111と、光源としての紫外線ランプ112と、ランプ電源113と、照度センサ114とを備える。
ケース111は、濾過水流路23と被処理水流路26とに接続されて、紫外線ランプ112を収容する。被処理水は、濾過水流路23から紫外線照射装置13のケース111の内部に流入し、被処理水流路26へと流出する。すなわち紫外線ランプ112は、濾過水流路に設けられる。
紫外線ランプ112は、ケース111の内部を通過する被処理水に紫外線を照射する。紫外線ランプ112の点灯および消灯、ならびに紫外線ランプ112から被処理水に照射される紫外線の照射量は、制御部101からの信号UVCによって制御される。照度センサ114は、被処理水への紫外線の照度を検出して、検出された照度Iを示す信号を、制御部101へと送信する。制御部101は、ランプ電源113から紫外線ランプ112に供給される電力を制御する。
2.バラスト水処理システムの制御
図7は、本発明の一実施形態に係るバラスト水処理システム100によって実行される一連の処理を示したフローチャートである。図2および図7に示すように、ステップS1において、バラスト水処理システム100は、被処理水を浄化する。バラスト水処理システム100は、浄化された水をバラスト水としてバラストタンク2に注水する。
ステップS2において、バラスト水処理システム100は、フィルタ洗浄工程を実施する。
ステップS3において、バラスト水処理システム100は、バラスト水をバラストタンク2から船外に排水する。ステップS4において、バラスト水処理システム100は、濾過装置12および紫外線照射装置13の内部に清水を導入する(清水置換)。
フィルタ洗浄工程について詳細に説明する。ステップS2は、ステップS10〜S15を含む。
ステップS10において、バラスト水処理システム100は、濾過装置12の内部および紫外線照射装置13の内部から残水(残海水)を排出する。次に、バラスト水処理システム100は、濾過装置12の内部および紫外線照射装置13の内部に清水を導入する(清水置換)。
ステップS11において、バラスト水処理システム100は、清水を循環流路で循環させる。加えて、バラスト水処理システム100は、清水の温度を制御して、清水の温度を適温に保つ(恒温)。詳細には、バラスト水処理システム100は、紫外線ランプ112(図7を参照)を点灯させるとともに、紫外線照射装置13に清水を通す。バラスト水処理システム100は、紫外線ランプ112から発する熱によって清水を温める。
ステップS12において、バラスト水処理システム100は、洗浄液を循環させる。洗浄液は洗浄液タンク14から循環流路へと導入される。清水によって洗浄液が循環される。洗浄液はフィルタ61を通過する。フィルタ61に付着した有機物を洗浄液によって分解することができる。したがってフィルタ61が洗浄される。
ステップS13において、バラスト水処理システム100は、中和液を循環させる。中和液は中和液タンク15から循環流路へと導入される。洗浄液と中和液とが混合されることによって、洗浄液が中和される。
この実施の形態では、洗浄液は塩素系の洗浄液である。循環流路は金属の配管によって実現される。洗浄液が配管に長期間にわたり残留した場合、その残留した洗浄液が配管に損傷を与える(配管が腐食する)ことが考えられる。中和液を循環流路で循環させることによって、配管の損傷する可能性を低減できる。洗浄液と中和液との混合液、言い換えると、中和された洗浄液を、以下では「中和水」と呼ぶ。
ステップS14において、バラスト水処理システム100は、中和水を排水する。中和水は、循環流路から分岐した排出経路から排出される。
ステップS15において、バラスト水処理システム100は、清水流路40を通じて濾過装置12に清水を供給する。濾過装置12は清水で満たされる。
続いて、バラスト水の注水工程(S1)、バラスト水の排水工程(S3)、清水置換工程(S4)、およびフィルタ洗浄工程(S2,S11〜S15)の順に、各工程を詳細に説明する。以下に説明される図面において、バルブの近傍に矢印を記載することによって、そのバルブが開状態であることが表される。あるバルブについて特別に言及されない場合、そのバルブは閉状態である。
図8は、図7に示されたバラスト水の注水工程(S1)を説明するための図である。図8に示すように、バルブW1,W2,W3,W4,W6,W7,W8は開状態とされる。
バラストポンプ11が駆動されることにより、取水口5を介して船舶1の周囲から被処理水(たとえば海水)が汲み上げられる。被処理水は被処理水導入路21,22を通じて濾過装置12に送られる。濾過装置12は、被処理水を濾過して、被処理水中の生物と獨質とを取り除く。濾過された水は、濾過水流路23を流れて、紫外線照射装置13へと導かれる。濾過されなかった水および濁質分は、排水流路24を通り、排水口6から船舶1の外(海域)に排出される。
バルブW4は、流量制御弁であることが好ましい。排水流路24を流れる水の流量をバルブW4によって制御することができる。これにより、濾過装置12の処理能力(単位時間当たりに濾過できる水の量)を制御することができる。破線の矢印によって示されるように、バルブW4とともにバルブW5,W18が開状態であり、循環ポンプ16が駆動されてもよい。濾過装置12の処理能力を制御することができる。
被処理水は、紫外線照射装置13を通る。被処理水には紫外線がを照射される。被処理水は、被処理水流路26,27,28を流れて、バラストタンク2に貯留される。バルブW6は、流量制御弁であることが好ましい。被処理水流路26を流れる水の流量をバルブW6によって制御することができる。
図9は、図7に示されたバラスト水の排水工程(S3)を説明するための図である。図9に示すように、バルブW6,W8,W9,W10,W12は開状態とされる。バラストポンプ11が駆動されることにより、バラストタンク2からバラスト水4が汲み上げられる。バラスト水は、被処理水流路27,31および濾過水流路23を通り、紫外線照射装置13へと導かれる。紫外線照射装置13は、バラスト水に紫外線を照射する。バラスト水内に微生物あるいは細菌が生息していたとしても、それらの生物を紫外線によって殺滅できる。紫外線照射処理の後、バラスト水は、被処理水流路26および排水流路29を流れて排水口6から船舶1の外(海域)に排出される。バルブW6により、被処理水流路26を流れる水の流量が制御される。
図10は、図7に示された清水置換工程(S4)を説明するための第1の図である。図10に示されるように、バルブW23,W5,W18が開状態とされ、循環ポンプ16が駆動されることにより、濾過装置12の内部からは残海水が排出される。残海水は、排水流路24,25、循環流路36、および排水流路38を通り、排水口6を通じて排出される。さらに、バルブW23,W24が開状態とされることによって、紫外線照射装置13の内部から、残海水が、UV排水流路42、循環流路36、および排水流路38を通り、排水口6を通じて排出される。
図11は、清水置換工程(S4)を説明するための第2の図である。図11に示されるように、バルブW20,W23,W24,W25が開状態とされる。清水流路40,45を通じて清水がバラスト水処理システム100に導入される。清水は濾過水流路23を通じて濾過装置12の内部に導入されるとともに、紫外線照射装置13の内部に導入される。
次に、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)を詳細に説明する。なお、ステップS10における清水置換処理は、図10および図11に示された処理と同様であるので、詳細な説明は以後繰り返さない。
図12は、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの清水の循環および恒温の処理(S11)を説明するための図である。図12に示すように、バルブW20,W21,W22,W17が開状態とされ、循環ポンプ16が駆動される。
清水は、濾過水流路23、恒温循環流路41、被処理水流路26、UV排水流路42、循環流路35,36,37,被処理水導入路22、および濾過装置12を通り、この順に循環する。温度センサ17は、清水の温度を計測する。
一実施形態では、計測された温度が30℃以下の場合に、紫外線照射装置13の紫外線ランプ(図7を参照)が点灯する。清水の温度が30℃に達するまで、紫外線ランプが点灯する。制御部101は、紫外線ランプに供給される電力を制御する。清水の温度が30℃に達したときに、紫外線ランプが消灯する。清水の好ましい温度は、30℃に限定されず、ある範囲(たとえば25℃から35℃までの範囲)の中から適切に選択された温度であってもよい。
図13は、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの洗浄水の循環処理(S12)を説明するための図である。図13に示すように、バルブW13,W14,W17が開状態とされる。温まった清水が、循環流路33を通じて洗浄液タンク14に導入される。これにより、清水と洗浄液とが混合される。この実施の形態では、洗浄液の量は、1回の洗浄工程に必要な量である。余剰の洗浄液が洗浄液タンク14に長期間にわたり残留することを防ぐことができる。したがって、洗浄液タンク14の腐食の可能性を低減できる。洗浄液の量は、循環する流路の長さ、流路の断面積、フィルタ61の表面積、洗浄に必要な洗浄液の濃度等によって定めることができる。
洗浄液タンク14に洗浄液を充填するタイミングは、適切に定めることができる。なお、洗浄液が洗浄液タンク14に長期間貯留した場合には、洗浄液タンク14が損傷する可能性がある。したがって洗浄液が洗浄液タンク14に貯留される期間ができるだけ短くなるように、洗浄液タンク14に洗浄液を充填するタイミングを定めることが好ましい。なお、洗浄液が洗浄液タンク14に長期間にわたり貯留されることが予想される場合には、内面に防蝕コーティング等が施された洗浄液タンク14を用いることが好ましい。
循環ポンプ16によって、洗浄液は、循環流路35,36,37,被処理水導入路22を流れて、濾過装置12に導入される。フィルタ61は洗浄液によって洗浄される。清水を予め温めることによって、清水と洗浄液との混合液による洗浄の効果を高めることができる。
洗浄液は、濾過装置12から濾過水流路23、循環流路32、循環流路33へと流れ、循環流路35へと流入する。すなわち洗浄液が循環される。
洗浄液を濾過装置12に直接注入した場合には、洗浄液と清水とが十分に混ざらない可能性がある。この場合、たとえばフィルタ61が部分的に洗浄されることが考えられる。すなわち洗浄の効果が弱くなる可能性がある。この実施の形態では、バラスト水処理システム100の流路(循環流路)を利用して、洗浄液と清水との混合液を循環させる。洗浄液と清水とを十分に均一に混ぜることができるので、フィルタ61をより効果的に洗浄することができる。
図14は、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの中和液の循環処理(S13)を説明するための図である。図14に示すように、バルブW13,W14,W17に加えて、バルブW15,W16が開状態とされる。洗浄液が循環流路34を通じて中和液タンク15に導入される。これにより、洗浄液と中和液とが混合される。洗浄液と中和液との混合液、すなわち中和水が、循環流路35,36,37、濾過装置12、濾過水流路23、および循環流路32を流れ、循環流路33および循環流路34へと流入する。中和水は、循環流路33および循環流路34の両方から循環流路35へと合流する。中和水を循環することによって、流路(配管)中に洗浄液が残留することを防ぐことができる。
図15は、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの中和水の排水処理(S14)を説明するための図である。図15に示すように、バルブW17は閉状態とされる。これにより中和水の循環が停止する。バルブW13,W14,W15,W16,W19が開状態とされる。さらに、バルブW23が開状態とされる。濾過装置12の内部に空気が導入されることによって、中和水は濾過装置12から排出される。中和水は、濾過水流路23、循環流路32,33,34,35,36を通り、ドレイン7から排出される。
洗浄液タンク14および中和液タンク15は、ともに空の状態にされる。洗浄液あるいは中和液がタンクの中に残留しない。長期間にわたり薬品が滞留することによってタンクが損傷するという問題を防ぐことができる。さらに、濾過装置12の内部の中和液と同時に、洗浄液および中和液タンク15内の中和液を排水することによって、次に洗浄液および中和液を投入する際の手間を省くことができる。濾過装置12の内部の水位レベルは、圧力計18および圧力計19によって監視される。すなわち、水位レベルは濾過装置12の内部の差圧によって監視される。中和水の排水が完了すると、循環ポンプ16が停止する。
図16は、図7に示されたフィルタ洗浄工程(S2)のうちの清水の供給処理(S15)を説明するための図である。図16に示すように、バルブW20,W23が開状態とされる。清水流路40を通じて清水がバラスト水処理システム100に導入される。清水は濾過水流路23から濾過装置12に導入される。中和水の排出の時と同じく、濾過装置12の内部の水位レベルは、圧力計18および圧力計19によって監視される。清水が濾過装置12の内部に導入されることによって、濾過装置12は水密構造を保つことができる。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、バラスト水処理システム100は、洗浄液を貯留するための洗浄液タンク14を含む。洗浄液タンク14は、循環流路に設けられる。循環流路は濾過水流路に接続される。バラスト水処理システム100に含まれるバルブおよびポンプの制御によって、人手を介することなく、フィルタを洗浄することができる。したがって、バラスト水の注水後に、フィルタを自動で洗浄することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 船舶
2 バラストタンク
3 海域
4 バラスト水
5 取水口
6 排水口
7 ドレイン
11 バラストポンプ
12 濾過装置
13 紫外線照射装置
14 洗浄液タンク
15 中和液タンク
16 循環ポンプ
17 温度センサ
18,19 圧力計
21,22 被処理水導入路
23,64 濾過水流路
24,25,29,39 排水流路
26,27,28,30,31,66 被処理水流路
32,33,34,35,36,37 循環流路
38 排水流路
40,45 清水流路
41 恒温循環流路
42 UV排水流路
43,44 エアベント管
61 フィルタ
62 被処理水ノズル
63,111 ケース
65 排出流路
67 ノズル口
71 外筒部
72 蓋部
73 底部
80 中心配管
81 取水穴
90 モータ
91 モータカバー
100 バラスト水処理システム
101 制御部
112 紫外線ランプ
113 ランプ電源
114 照度センサ
C 軸線
I 照度
S1〜S4,S10〜S15 ステップ
UVC 信号
W1〜W25 バルブ

Claims (8)

  1. 船舶に貯留されるバラスト水を生成するバラスト水処理システムであって、
    被処理水を導入する被処理水流路と、前記被処理水を濾過するフィルタと、前記フィルタによって濾過された前記被処理水を導出する濾過水流路とを含む濾過装置と、
    前記濾過水流路から分岐して前記被処理水流路に接続される循環流路と、
    前記循環流路に接続されて、前記フィルタを洗浄するための塩素系の洗浄液を貯留する第1のタンクと、
    前記循環流路に接続されて、前記洗浄液を中和するための中和液を貯留する第2のタンクと、
    前記洗浄液を前記第1のタンクから前記循環流路に導入するための第1のバルブと、
    前記中和液を前記第2のタンクから前記循環流路に導入するための第2のバルブと、
    前記濾過水流路に設けられた紫外線ランプを含む紫外線照射装置と、
    前記濾過水流路において、前記濾過水流路および前記循環流路の分岐部と、前記紫外線照射装置との間に設けられた第3のバルブと、
    前記洗浄液、および前記洗浄液と混合された前記中和液を前記循環流路で循環させるポンプと、
    前記循環流路から分岐して前記洗浄液および前記中和液を排出する排水流路と、
    前記排水流路を開くための第4のバルブとを備える、バラスト水処理システム。
  2. 前記バラスト水処理システムは、
    清水を前記濾過水流路に導入する清水流路と、
    前記第3のバルブを迂回して前記清水が前記紫外線照射装置に流入するように前記濾過水流路に接続された恒温循環流路と、
    前記恒温循環流路に設けられた第5のバルブと、
    前記紫外線照射装置から出た前記清水を前記循環流路に導くように前記濾過水流路および前記循環流路に接続されたUV排水流路と、
    前記UV排水流路に設けられた第6のバルブと、
    前記濾過水流路に設けられて、前記濾過水流路を流れる前記清水の温度を計測する温度センサとをさらに備え、
    前記温度センサによって計測された前記清水の温度が所定の温度よりも低い場合には、前記紫外線ランプが点灯するとともに前記ポンプは前記清水を循環させ、前記第1のバルブ、前記第2のバルブ、前記第3のバルブおよび前記第4のバルブは閉状態であり、前記第5のバルブおよび前記第6のバルブは開状態であり、
    前記清水の前記温度が前記所定の温度である場合、前記第2のバルブ、前記第3のバルブ、前記第4のバルブ、前記第5のバルブおよび前記第6のバルブが閉状態であるとともに前記第1のバルブが開状態である、請求項1に記載のバラスト水処理システム。
  3. 前記第1のタンクおよび前記第2のタンクは、前記循環流路の途中に並列に配置され、
    前記第1のバルブは、前記第1のタンクの入口に設けられ、
    前記第2のバルブは、前記第2のタンクの入口に設けられ、
    前記バラスト水処理システムは、
    前記第1のタンクの出口に設けられ、前記洗浄液の循環時および前記中和液の循環時には、前記第1のバルブとともに開状態である第7のバルブと、
    前記第2のタンクの出口に設けられ、前記中和液の循環時には前記第2のバルブとともに開状態である第8のバルブとをさらに備える、請求項2に記載のバラスト水処理システム。
  4. 前記洗浄液および前記中和液を前記排水流路へと導いた後に、前記第1から第8のバルブは閉状態であり、前記濾過装置は、前記清水流路を通じて導入された清水を貯留する、請求項3に記載のバラスト水処理システム。
  5. 船舶に貯留されるバラスト水を生成するバラスト水処理システムの制御方法であって、
    前記バラスト水処理システムは、
    被処理水を導入する被処理水流路と、前記被処理水を濾過するフィルタと、前記フィルタによって濾過された前記被処理水を導出する濾過水流路とを含む濾過装置と、
    前記濾過水流路から分岐して前記被処理水流路に接続される循環流路と、
    前記循環流路に接続されて、前記フィルタを洗浄するための塩素系の洗浄液を貯留する第1のタンクと、
    前記循環流路に接続されて、前記洗浄液を中和するための中和液を貯留する第2のタンクと、
    前記洗浄液を前記第1のタンクから前記循環流路に導入するための第1のバルブと、
    前記中和液を前記第2のタンクから前記循環流路に導入するための第2のバルブと、
    前記濾過水流路に設けられた紫外線ランプを含む紫外線照射装置と、
    前記濾過水流路において、前記濾過水流路および前記循環流路の分岐部と、前記紫外線照射装置との間に設けられた第3のバルブと、
    前記洗浄液、および前記洗浄液と前記中和液との混合液を前記循環流路で循環させるポンプと、
    前記循環流路から分岐して前記洗浄液および前記中和液を排出する排水流路と、
    前記排水流路を開くための第4のバルブと、
    前記第1のバルブ、前記第2のバルブ、前記第3のバルブおよび前記第4のバルブを制御する制御部とを備え、
    前記制御方法は、
    前記制御部によって前記第1のバルブが開かれた状態において、前記ポンプによって前記洗浄液を前記循環流路で循環させるステップと、
    前記制御部によって前記第1のバルブおよび前記第2のバルブが開かれた状態において、前記ポンプによって前記洗浄液と前記中和液との前記混合液を前記循環流路で循環させるステップと、
    前記制御部によって前記第4のバルブが開かれた状態において、前記ポンプによって前記混合液を前記排水流路を通じて排出するステップとを備える、バラスト水処理システムの制御方法。
  6. 前記バラスト水処理システムは、
    清水を前記濾過水流路に導入する清水流路と、
    前記第3のバルブを迂回して前記清水が前記紫外線照射装置に流入するように前記濾過水流路に接続された恒温循環流路と、
    前記恒温循環流路に設けられ、前記制御部によって制御される第5のバルブと、
    前記紫外線照射装置から出た前記清水を前記循環流路に導くように前記濾過水流路および前記循環流路に接続されたUV排水流路と、
    前記UV排水流路に設けられ、前記制御部によって制御される第6のバルブと、
    前記濾過水流路に設けられて、前記濾過水流路を流れる前記清水の温度を計測する温度センサとをさらに備え、
    前記制御方法は、
    前記フィルタの洗浄に先立って、前記濾過装置の内部および前記紫外線照射装置の内部に残る残水を排水するステップと、
    前記残水を前記濾過装置および前記紫外線照射装置から排水した後に前記濾過装置の内部および前記紫外線照射装置の内部に清水を導入するステップと、
    前記温度センサによって計測された前記清水の温度が所定の温度よりも低い場合には、前記紫外線ランプが点灯するとともに前記ポンプが前記清水を循環させ、さらに、前記制御部によって前記第1のバルブ、前記第2のバルブ、前記第3のバルブおよび前記第4のバルブを閉じるとともに、前記第5のバルブおよび前記第6のバルブを開くステップと、
    前記清水の前記温度が前記所定の温度である場合、前記制御部によって前記第2のバルブ、前記第3のバルブ、前記第4のバルブ、前記第5のバルブおよび前記第6のバルブを閉じるとともに前記第1のバルブを開くステップとをさらに備える、請求項5に記載のバラスト水処理システムの制御方法。
  7. 前記第1のタンクおよび前記第2のタンクは、前記循環流路の途中に並列に配置され、
    前記第1のバルブは、前記第1のタンクの入口に設けられ、
    前記第2のバルブは、前記第2のタンクの入口に設けられ、
    前記バラスト水処理システムは、
    前記第1のタンクの出口に設けられる第7のバルブと、
    前記第2のタンクの出口に設けられる第8のバルブとをさらに備え、
    前記洗浄液を前記循環流路で循環させるステップは、前記制御部によって前記第1のバルブおよび前記第7のバルブを開くステップを含み、
    前記混合液を前記循環流路で循環させるステップは、前記制御部によって前記第2のバルブおよび前記第8のバルブを開くステップを含む、請求項6に記載のバラスト水処理システムの制御方法。
  8. 前記制御方法は、
    前記混合液を前記排水流路へと導いた後に、前記制御部によって、前記第1から第8のバルブを閉状態にするステップと、
    前記濾過装置が前記清水流路を通じて導入された清水を貯留するステップとをさらに備える、請求項7に記載のバラスト水処理システムの制御方法。
JP2016008672A 2016-01-20 2016-01-20 バラスト水処理システムおよびその制御方法 Expired - Fee Related JP6296070B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016008672A JP6296070B2 (ja) 2016-01-20 2016-01-20 バラスト水処理システムおよびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016008672A JP6296070B2 (ja) 2016-01-20 2016-01-20 バラスト水処理システムおよびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017127811A JP2017127811A (ja) 2017-07-27
JP6296070B2 true JP6296070B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=59394185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016008672A Expired - Fee Related JP6296070B2 (ja) 2016-01-20 2016-01-20 バラスト水処理システムおよびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6296070B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019150804A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 三浦工業株式会社 水処理装置
WO2023236136A1 (zh) * 2022-06-09 2023-12-14 台州市永宁轴承制造有限公司 一种机床轴承清洗剂集中过滤循环装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005152861A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Shigeharu Menrai 濾過循環式浴槽の殺菌方法
JP5431208B2 (ja) * 2010-02-24 2014-03-05 三洋電機株式会社 バラスト水処理装置
WO2012125175A1 (en) * 2011-03-15 2012-09-20 Severn Trent De Nora, Llc Field of the invention
JP2015128752A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 住友電気工業株式会社 水処理装置および水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017127811A (ja) 2017-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2948433C (en) System and method for cleaning and sterilizing a water flow
WO2014188929A1 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水管理システム
JP4856167B2 (ja) フィルター設備及びフィルター設備を運転する方法
KR101647517B1 (ko) 액체를 정화하기 위한 장치, 특히 밸러스트 수를 정화하기 위한 장치
JP5292474B2 (ja) バラスト水を用いた防汚システム及びその制御方法
WO2016031900A1 (ja) バラスト水処理システムおよびバラスト水処理方法
JP6236873B2 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水管理システム
JP2013043143A (ja) バラスト水処理装置
JP2007229575A (ja) 液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶
JPWO2014103854A1 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水処理装置の逆洗浄方法
JP6296070B2 (ja) バラスト水処理システムおよびその制御方法
JP2013150947A (ja) 濾過体、これを有する濾過装置及び海水処理装置
JP6086037B2 (ja) バラスト水処理装置
WO2016031388A1 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法
JP2017018932A (ja) バラスト水処理システムおよびバラスト水処理方法
JP6759731B2 (ja) バラスト水処理装置
JP6003806B2 (ja) バラスト水管理システム
JP2009006213A (ja) 膜濾過装置の洗浄方法
JP2021146334A (ja) 液体処理装置、及び紫外線リアクタの汚れ検知方法
JP2009112908A (ja) 膜濾過装置の逆洗方法
JPH10263322A (ja) 浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6296070

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees