JP6290916B2 - 循環流回復装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療装置の分野、特に、腹部押圧要素と、胸部押圧要素と、脈動発生器とを備える循環流回復(CFR)装置に関する。本発明の循環流回復(CFR)装置は、心停止の場合に用いることができる。
突然の心停止(Sudden cardiac arrest: SCA)は、心臓が効果的に収縮できないことにより、正常な血液循環が停止することに基づいており、多くの場合、症状の発現から1時間未満で死に至る。米国では、年間約600,000人が突然の心停止(SCA)を起こし、そのうち約460,000人が死亡する。SCA及びSCDは、不整脈と関係することが多く、通常、症状及び徴候が先に現れる心臓発作とは異なる。
突然の心停止(SCA)及び/又は突然の心臓死(SCD)を起こす個々人は、実際には3つのグループに分けることができる。
第1のグループには、機械的ポンプ不全を含む心疾患を呈する個々人が含まれる。これらの患者は、心筋虚血(SCAの80%)、弁膜症、肥大性心筋症(HCM)、先天性異常、心筋炎、左心室瘤破裂、僧帽弁乳頭筋断裂、手術による合併症、ウール症候群、急性心内血栓症、外傷等、ヒス・プルキンエ系線維のような電気的ポンプ不全、催不整脈性右室異形成(ARVD)症候群[Marcus]、Q−T間隔延長症候群、薬物、電解質異常、低体温、特発性心室細動などを示す。
第2のグループには、中枢神経系(CNS)、呼吸器系、脈管系、及び代謝系疾患を含む心臓以外の疾患を呈する個々人が含まれる。CNS疾患の例は、脳浮腫、脳出血、脳腫瘍、脳髄膜炎、脳炎、脳膿瘍、脳外傷、脳卒中、薬物、毒素、化学受容器と交感神経及び副交感神経の不調などである。呼吸器疾患の例は、肺塞栓症、ぜん息、アイゼンメンゲル症候群、気道の急性炎症及び/又は感染、すなわち咽頭炎、喉頭炎、気管気管支炎、毒素吸入、すなわち一酸化炭素中毒、溺れ、窒息、食物誤嚥、喉頭痙攣などである。脈管疾患の例は、外傷による大量出血、解離性大動脈瘤、大動脈瘤破裂、異常ヘモグロビン症、静脈還流の機械的閉塞、すなわち急性心タンポナーデなどである。代謝疾患の例は、炎症性症候群、変性性神経筋疾患、糖尿病性昏睡、電解質異常(例えば、低カリウム血症、高カリウム血症、高カルシウム血症(ストーンハート)、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症など)である。
第3のグループには、窒息又はカフェコロナリー症候群、分娩後羊水塞栓症、アルコール、敗血症、睡眠時無呼吸、自然現象(すなわち、90歳を超える高齢)、アナフィラキシーショック、殺人、感電死、頭部打撲又は胸部打撲によるショック(心臓震盪)、低体温/高体温、過度な運動(例えば、35歳未満の運動競技中におけるHCM、及び35歳超の運動競技中におけるIHDによるもの)、離脱症候群、喫煙者、感情因子(例えば、ストレス、抑うつ症状など)のような種々の疾患を呈する個々人が含まれる。
突然の心停止(SCA)に対する現在知られている治療法は通常、心肺蘇生術(CPR)と救急心血管治療(ECC)を伴う。これらの治療法は、心臓マッサージ、薬物による補助、電気(DC)ショック、蘇生後のケア、及び予防という本質的に5つのグループに細分できる多くの処置を含む。
1.)心臓マッサージ:
a)居合わせた人が、胸の中央で胸壁の外部圧迫を行い、圧迫の合間に人工呼吸を行う(胸部圧迫30回に対し、人工呼吸2回の割合)ことによって通常実施する、手による標準的なCPRである。繰り返し数を早くする(毎分約100回の速い圧迫リズム)と、標準的なCPRと比べて、血行と24時間後生存率を改善することができる。
b)手による標準的なCPRに代わる技法として、胸部圧迫を最適化するとともに救助者の疲労を軽減する、胸骨を押し下げるようにされた機械式ピストンCPRのような、機械的CPRである。機械的CPRを行う方法は、以下のように、数多く存在する。
(i)ベスト型CPR:胸部を取り囲むベストであり、空気圧式ブラダーを備え、電気機械的律動発生器によって支援された、膨張/収縮の律動的周期で、胸部を圧迫する。この装置は、扁平な除細動器電極を備えることもでき、前胸壁部分の皮膚に配置されるとともに、ECG制御システムに接続される。
(ii)オートパルス(AutoPulse):モーターと、充電式電池と、幅20センチメートル(8インチ)のベルトとを備えるボードからなる。ボードを心臓発作患者の下に配置し、ベルトを患者の胸部に巻き付ける。装置のスイッチを入れると、モーターがベルトを締めたり緩めたりして、胸部を圧迫する。オートパルスはCPRベストよりも軽量で(CPRが36キログラム(80ポンド)に対してオートパルスは9キログラム(20ポンド))、最大で毎分80回圧迫できる。このシステムは、充電式電池1式で30〜60分作動できる。FDAは、このシステムの米国での使用を承認している。
(iii)間欠的腹部圧迫法(IAC−CPR)(胸部圧迫中における別の救助者による手による腹部圧迫を含む):間欠的腹部圧迫法(IAC−CPR)は、剣状突起と臍との中間の正中線に位置する点を用いる。腹部圧迫は、腹大動脈と大動脈を圧迫するのに充分な強さでなければならない(約100mmHg)。
(iv)胸部腹部交互圧迫法(PTACD−CPR、Lifestick):2つの接着パッドに取り付けられた剛体フレームを備える。小さい方のパッド(20×17cm)を胸骨中央に置き、大きい方のパッド(37×25cm)を上腹部に置く。これらのパッドは、患者に配置する前にLifestickに固定する。Lifestickは、圧迫15回に対して2回の人工呼吸という割合にて、毎分60回の周期で使用する。このシステムは、最適なヘモダイナミックレスポンスのインジケーターとして、メトロノームによる、胸部と腹部との間の240°のフェイズシフト(phase shift)(3拍子のタイミング)を備える。また、腹部圧迫力を18〜28kgに制限する(フレーム頂部のカラーLEDディスプレイによって制御する)ようにする触覚的な圧力インジケーターシステムを備える。胸部に対する力に関するディスプレイを低い設定(28〜45kg)から中程度の設定(41〜63kg)又は高い設定(54〜82kg)に切り替えて、4〜5cmの標的圧迫深度を実現できる。
(v)CD−CPR(能動的圧迫減圧−CPR):CPRの減圧フェイズ中に胸腔内圧を低下させることによるCD−CPRは、静脈還流の回復を促進し、それによって、次の圧迫に備えて「呼び水的に血液が入る」と考えられている。ACD−CPRは、減圧中に前胸部を能動的に持ち上げるための吸引カップを備える手持ち式の装置によって行う。
(vi)インピーダンス閾値弁(ITV、又はResQ弁):胸腔内圧陰圧と関連するものである。圧迫/減圧装置とともに用いる場合、インピーダンス閾値弁は、標準的な気管チューブ人工呼吸回路に挿入し、CPR性能を妨げない。インピーダンス閾値弁は、胸部減圧中の吸気を防ぐことによって、胸腔内圧陰圧を増加させ、胸腔に血液が戻るのを促す。
(vii)開胸又は胸骨切開による直接心臓マッサージを必要とする特殊な状況のSCAにおける侵襲的CPR。
(viii)緊急心肺バイパス(CPB):大腿−大腿動脈法によって、開胸の必要なしに適用できる。特定の場合のSCAでは、低体温をCPBと連携させると、神経学的転帰を改善することができる。
2.)薬物による補助:
通常、熟練した医療従事者が、薬物(例えば、エピネフリン、バソプレッシン、及び炭酸水素ナトリウム)を右心室の中に直接心腔内注射(ICI)してから、対外心臓マッサージを継続する。
3.)DCショック:
標準的な体外式除細動器装置を用いて、正常な心調律を回復させるために経胸腔的電気ショックを与える。通常、手持ち式のパドル電極又は自己粘着性パッチ電極の使用を伴う。パドルは通常、心尖と右鎖骨下部分との間の前外側の位置に配置する。前後の位置においては、パドルは、胸骨と肩甲間のスペースの上に配置する。追加の装置は、以下のようなものとすることができる。a)自動体外式除細動器(AED)(その場に居合わせた未熟な人でも使用できる携帯可能な特別な除細動器)。AEDは、何れかの危険な不整脈を検知したら電気ショックを与えて、失神と見られる人に不要なショックを与えないようにプログラムされている。b)埋め込み型除細動器(ICD)(ペースメーカーのような装置で、心腔(右心房及び右心室)に接続される電極を両端に備えるワイヤを有する。ICDは、危険な心調律を検出すると、電気ショックを与えて、正常な心調律を回復させる。患者は、ICDを始動させ得る不整脈を回避するために、薬物による補助が必要なこともある。
4.)蘇生後のケア:
患者は、初期CPR後、心機能と臓器機能を回復させるためのサポートが必要になる。これらのサポートには、血行動態の補助、高体温又は低体温の予防、血糖のコントロール、及び日常的な過換気の回避が含まれる。蘇生後症候群による死亡の半数以上は、微小循環障害により、ROSCから24時間以内に発生するので、微小循環障害は、代謝性疾患を引き起こし、そして、多臓器不全に至る。
5.)予防:
マイクロボルトT波交互脈検査(TWA)及び心室プログラム刺激(PVS)のような手順は、ハイリスクな虚血性心疾患患者における致死性不整脈を予測するための有望なアプローチを代表するものであり得る。
SCA患者におけるCPRの有効性を改善するために、手による標準的なCPRを補助する数多くの装置及び手段が示されているが、生存率は依然として非常に低いままである。これらの欠点は、少なくとも部分的には、蘇生方法と治療コンセプトが適切に選択されないことが原因と考えられている。
特定のコンセプトの選択の際には、心血管の生理病理、心胸郭の解剖学的構造、及び血行動態や血液レオロジーに留意する。
心筋の収縮は、電気インパルスによって開始し、この電気インパルスは、特定の心臓細胞(ペースメーカー細胞という)の分極/脱分極機構によるものである。これらのペースメーカー細胞は、心臓細胞のうちの1パーセント(1%)に過ぎず、律動的なインパルスを発生させ、そのインパルスは、ペースメーカー細胞から伝導系及び隣接細胞に伝わる。
解剖学的には、心臓の電気インパルス発生系は、a)右心房壁(上大動脈の入口近く)にある洞房結節(SA結節−主要なペースメーカー部)、b)右心房内のコッホの三角の頂点近くにある房室結節(AV結節−第2のペースメーカー部)、及びc)心臓の電気伝導系と連続するヒス束及びプルキンエ線維という3つの部分から構成されている。
ペースメーカー細胞は、自発的に脱分極して、約100bpmの基本拍動をもたらし、この拍動は、自律神経系の交感神経系と副交感神経系によって制御及び修飾され、その結果、成人の心拍数は70bpm前後となる。SA結節が機能しない場合には、AV結節(第2のペースメーカー)が介入して、自発心拍数を40〜60bpm前後にする。主要なペースメーカーと第2のペースメーカーの何れもが電気信号を発生させることができない場合には、ヒス束及びプルキンエ線維が、1分当たり約30〜40回の拍動数の自発活動電位を発生させる。
このように、心拍は通常は、活動電位を他の部分よりも頻繁に発生させるという点で、SA結節のみによって制御される。SA結節によって生じた活動電位は、心臓の伝導系を伝わり、他の細胞が自発活動電位を発生させる機会を持つ前に、最後まで到達する。
活動電位を発生させる際、ペースメーカー細胞は、5つのフェイズ(フェイズ0〜4)を経る。フェイズ4は、静止膜電位(−60mV〜−70mV)によって特徴付けられ、この電位は、細胞膜におけるイオンチャネルタンパク質からのカリウムイオンの連続的流出によって生じる。フェイズ0では、急激な脱分極が起き、この脱分極は主に、Na+及びCa2+イオンの流入により生じる。フェイズ1では、K+イオンの移動(流出)及びCl-イオンの移動により、Na+チャネルが不活性化される。フェイズ2は、Ca2+イオンの流入とK+イオンの流出の平衡により、心臓活動電位の「プラトー」フェイズを表す。フェイズ3では、活動電位の「再分極」が生じ、Ca2+チャネルが閉じて、K+の流出が減速する。
明らかであるように、心拍は、ペースメーカー細胞の膜上/膜内での反応に依存する。
この反応は、空の右心房が突発的に満たされることによって、ペースメーカー細胞の膜における直接的なスナップ衝撃によって、また、壁の伸長によって間接的に引き起こされ得る。換言すると、心拍は主に、右心腔の血流動態によって引き起こされるせん断応力によってもたらされる内皮弾性膜の機能に依存する。人間の最初の心拍は、胎齢21日前後に見られ、胎盤循環の内皮せん断応力(ESS)の直接的作用と、右心房ペースメーカー細胞の母体の神経体液性因子によって引き起こされる。以後、心拍は、せん断応力の拍動性の衝撃によって機械的に、及び/又は神経体液性因子と電解質チャネルとの組み合わせによって化学的にペースメーカー細胞を刺激する血流によって継続及び保持されることになる。
心停止の場合、血液循環を回復させるための主な標的は、まずは右心房内のペースメーカー細胞を刺激することであるが、これは、現在のCPR法では困難である。既知のとおり(また、図1に示されているように)、胸骨は、心臓から数センチメートル離れている。そのため、胸部圧迫は、硬い胸郭(1、2)に続き、可動性の柔らかい縦隔構造体及び心臓構造体から胸大動脈(6)(胸椎(7)に沿って後方に少し離れた位置にある)に至るまで圧迫するほど充分に強くなければならない。しかしながら、脳循環流と冠循環流の回復は、左心房(8)への前負荷に続いて、左心室(4)によって駆出される全身動脈血流に依存する。解剖学的には、左心腔は、右心腔の後方に位置し、これは、まず、圧迫された右心室の収縮により、血流が肺循環に供給され、正常な心周期に従うことを意味する。心停止により虚脱した肺循環は、心臓マッサージの全身的な前負荷−後負荷依存性というこの非現実的な想像を否定する。
したがって、心臓の解剖学的位置により、現在使われている心臓マッサージでは、心臓の拍動を引き起こす可能性が小さい。更に、これらの現在の手順では、心時相の生理学的な活動電位にかかわらず、胸部への連続的な衝撃が繰り返され、それにより、心臓震盪又は心臓の再停止に至る場合もある。
人間の成人の体内には、大体4〜6lの血液が含まれており、静脈系には、血液体積の大体約70〜80%が保持されている。成人の心臓には、400〜500ml前後の血液が含まれており、全身の動脈には、血液体積の約3〜5%が含まれる。
施術状況下では、心臓と血液循環系が圧力(血圧)を発生させ、この圧力は、内因的に動脈の方が静脈系よりも高い。突然の心停止から約30秒以内で、心血管の圧力は、血液循環系において均一になる。均圧化の最中に動脈血の一部が静脈に移動して、動脈圧が低下し、静脈圧が上昇するからである。
CPRの最中、自己心拍の再開(ROSC)には、少なくとも15mmHgという高い冠動脈灌流圧(CPP)が必要になる。上記のように少量の心室内停滞血液体積(約400ml)であって、左心腔と右心腔との間で不均等に分けられた血液を圧迫することによって、代謝プロセスと臓器灌流を適切に回復させるのはほぼ不可能に思える。そのため、CPR中の血流は通常、重要臓器灌流を確実に行うには不充分である。
手によるCPR又はピストンCPRのような現在適用されている装置の欠点としては、減圧中に、胸郭のリコイルと、静脈還流の回復が限定的であることが挙げられる。除細動効果への干渉が生じることもあり、これにより、心室細動の再発(例えば心臓震盪)を引き起こすことがある。ACD−CPR中に胸壁に加わる過剰な力とエネルギーのために、肋骨骨折、並びに心臓損傷及び心臓タンポナーデを引き起こすことが多い。IAC−CPRのような装置は、大動脈瘤患者、妊娠している患者、又は最近腹部手術を受けた患者には使用禁忌である。ほぼ全ての機械的装置は、院内蘇生に限定され、熟練したスタッフとかなりの費用が求められる。機械的装置の有効性と安全性は、乳児と小児に対しては示されておらず、機械的装置の使用は依然として、成人に限られる。FDAは、現在の機械的CPR装置の大半を承認していない。侵襲的CPRは依然として、i)低体温、肺塞栓症、又は心臓タンポナーデを原因とする心停止、ii)非開胸CPRが無効である胸部変形、及びiii)悪化と心停止を伴う穿通性腹部外傷を含む特有の適応症を有する入院患者に限られている。特殊な状況下では、開胸式の直接心臓マッサージの使用を検討できるが、後から、単なる最後の手段としては行うべきではない。
薬物による補助に関しても欠点がある。認識されているように、細胞内及び細胞外電解質は、心拍機構において重要な役割を果たしており、通常、SCAによって阻害される。薬物の静脈内投与による、現在のCPR補助策は、循環の停滞により、無効である。直接ICI法による薬物処置も、有効性が低く、非常に厄介な副作用を伴う。さらに、前向き無作為化対照比較試験により、高用量のエピネフリンの常用は有益でなかったとともに、実際に罹患率及び死亡率を上昇させ得ることが確認されている。
最初に胸部圧迫を行うべきか、最初にDCショックを行うべきかという問題の決着がついていないため、DCショックの利点については依然として議論されている。これは主に、大半のSCA患者は、数分間にわたり無灌流フェイズ(長期脱分極)を示し、即座にマッサージが必要となることを原因とする。有効なDCショックは、心筋細胞の約1%に過ぎないペースメーカー細胞に作用するほど充分に強くなければならない。強いショックの後の長期脱分極は、エレクトロポレーションを原因とする心筋壊死、すなわち心臓細胞膜の断裂を引き起こすことがある。関連する頻拍性不整脈は、DCショックと関連する最も一般的な合併症の1つであり、ジキタリス中毒の場合には使用禁忌である。適切な抗凝固処置を行わずに、DCショックによって処置した心房細動(AF)患者では、血栓塞栓性偶発症候が生じる可能性が高い。DCショック後、技術的な理由により、患者の20〜25%において有痛性の皮膚熱傷が報告されている。これは通常、パドルサイズ、皮膚と電極との接触、及び波形のタイプ(すなわち単相性又は二相性)に起因する。一部の研究により、前後の位置のDCショックの方が、AFを停止させるのに必要なエネルギーが小さいことから、優れていることが確認されている。
実のところ、ショックエネルギーのうち、実際に心臓に到達するのは、その電界のずれにより、わずか4%〜5%である。また、DCショック後、肺浮腫も報告されている。
先行技術においては、心停止中/後に補助を行うための医療装置であって、胸部圧迫に焦点を当てていない医療装置が数多く知られている。
特許文献1には、拍動を得るための新生児又は乳児用拍動ウェアが開示されている。このウェアは、乳児の体と接する弾性内層と、乳児の体を隔離する外層と、内層と外層との間の中間層とを備える多層構造体を呈する。前記中間層は、脈動循環液体を含み、外層は内層よりも硬い。
特許文献2は、循環補助のための脈動性非侵襲的装置に関するものであり、この装置は、対象の体内の血液量の循環を促進させる。この装置は、対象の体の少なくとも一部に取り付けるように設計された可撓性多層構造体を備えるとともに、前記対象の体の方を向く可撓性内層と、内層よりも剛性の高い外層とを呈する。多層構造体と脈動手段とから構成されるこのアセンブリーに漏れがないような形で、脈動手段が前記多層構造体に連結している。脈動手段を用いて、脈動流体によって、前記内層と外層との間で脈動を発生させる。前記構造体を前記対象の体の特定部分に配置すると、各脈動が、静脈還流の方向に、前記対象の体の前記部分に沿って漸進的に伝わる。
特許文献3には、侵襲性が最小限であるとともに、患者において、血行、すなわち臓器微小循環全体と、欠損した内皮機能の回復及び保持を改善する循環補助装置(CAD)が開示されている。この装置は、患者の体の外側に配置して、少なくともパイプ及び又は特殊な連結要素によって連結させて、右心室の前負荷を増加させて、心筋への酸素供給を増大させ、心筋の収縮性を増大させ、及び/又は左心室への負荷を除いて、大動脈起始部の近くに律動的な脈動流を拡散させて、心臓の左心室の血行を改善し、及び/又は内皮をせん断応力強化によって機械的に刺激して、一酸化窒素のような、内皮細胞血管拡張物質のいくつかのメディエーターを放出させて、全身系及び肺系の後負荷を軽減するようにしなければならない。
特許文献4は、医療装置に所定の脈圧をかける装置に関するものである。開示されている装置は、流体源から流体を高圧の連続流で取り出すように設計された取り出し手段と、前記流体を低圧の脈動流の流体に変換するように設計された変換手段と、前記流体を低圧脈動流として前記医療装置に適用するための少なくとも1つの適用手段と、前記流体を取り除くための手段とを備える。
当該技術分野においては、依然として、CPR処置の転帰を改善する装置に対するニーズが存在する。
国際公開第2008/000111号公報 国際公開第2010/070018号公報 米国特許出願公開第2012/0232331号公報 国際公開第2009/153491号公報
本発明は、停滞流体、特に血液を動かして、ペースメーカー細胞(例えばSA結節部)においてせん断応力移動作用を引き起こすような形で、心臓の特定の区域を刺激できる新規の機械的装置を提供する。
本発明の装置は、その最も広い意味においては、少なくとも1つの腹部押圧要素(横隔膜下装置)と、少なくとも1つの胸部押圧要素と、少なくとも1つの脈動発生器とを備える。腹部押圧要素は、患者の胴の周囲に配置するように構成されており、圧迫/減圧ユニットを少なくとも1つ備える。胸部押圧要素は、患者の胸部の周囲に配置するように構成されており、圧迫/減圧ユニットを少なくとも1つ備える。両方の押圧要素の少なくとも1つの圧迫/減圧ユニットは、インパルスを圧迫/減圧ユニットに送る少なくとも1つの脈動発生器と電気及び/又は流体接続していて、圧迫/減圧ユニットが患者の体に圧力を加えることができるようになっている。
押圧要素は、何れかの好適な形状、例えば、圧迫/減圧ユニットを配置できる厚さの層又はシートの形状を有することができる。前記層/シートは、患者に面する少なくとも1つの内層、及び/又は周囲環境に面する少なくとも1つの外層に隣接することができる。
本発明の具体的実施形態によれば、この外層は、本質的に剛性の材料で作られている一方で、内層は、可撓性材料、好ましくは軟質材料で作られている。本質的に剛性の材料の例としては、ポリカーボネート、又は軽量で耐久性のある同等の材料が挙げられるが、これらに限らない。可撓性材料、好ましくは軟質材料の例としては、患者の皮膚と生体適合性のある材料、例えばポリウレタン又は同等の材料が挙げられるが、これらに限らない。
腹部押圧要素は、ベルトの形状、又はズボン若しくはおむつの形状とすることができる。
胸部押圧要素は、適切な手段によって閉じることのできるベルト、又はシャツ若しくはベストのように設計することができる。
別の実施形態によれば、少なくとも1つの脈動発生器は、空気圧式若しくは電気機械式の何れか又は両方である。
本発明の実施形態によれば、循環流回復装置は、容器のようなブリーフケースに入れるように構成されている。この容器には、標準的な医療用応急処置キット及び/又は取扱説明書も含まれているのが好ましい。
本発明の実施形態によれば、脈動発生器は、まず、腹部押圧要素の圧迫/減圧ユニットを始動させてから、胸部押圧要素を始動させる。
別の実施形態によれば、脈動発生器は、両方の押圧要素を連続的に始動させ、毎分約40〜50回の頻度、好ましくは約40bpmで、低い圧迫圧力、例えば約0.5〜2バール、好ましくは0.8〜2バール、より好ましくは約0.8〜1.5バールで交互に作動させ、これら(bpm及び圧力)の何れも、患者の形態学的特徴、例えば小児、肥満などに従って適合させることになる。
別の実施形態によれば、少なくとも1つの脈動発生器は、腹部押圧要素若しくは胸部押圧要素、又は腹部押圧要素若しくは胸部押圧要素の上に配置する。あるいは、少なくとも1つの脈動発生器は、両方の押圧要素から離れた位置に配置する。例えば、容器に連結させる。
図1は、胸骨の高さ中央における人間の胸部CTスキャンの断面の概要を表している。C−Iは胸骨後縦隔被覆域、Mは胸骨中央圧迫力を矢印で示したもの、1は胸骨、2は胸壁、3は右心室(RV)、4は左心室(LV)、5は肺、6は大動脈(Ao)、7は胸椎、8は左心房(LA)、9は右心房(RA)である。 図2は、身体レオロジー(somarheology)理論の治療原理を示している。Aは流体領域、Bは細胞壁領域、Cは被覆組織領域、Dは本発明の装置の領域である。 図3は、ブリーフケースデザインによって表された本発明の一実施形態を示している。右図は、ボード型救急搬送台車(trolly)に変形させた展開済み装置を表している。 図4は、想定SCA患者に巻き付けた本発明の実施形態を示している。 図5は、本発明の実施形態の正面図であり、腹部押圧要素(T1)と胸部押圧要素(T2)が示されている。12は展開済み搬送台車、15は境界調整パッド、17は乳房部溝状パッド、18は胸骨保護パッド、20は(T2)の外部シェル、27は(T1)の外部シェル、25は生殖器用の溝、26は鼠径部用の溝、29は長さ調節用の畳まれた伸縮性押圧要素、33は幅調節用のジッパーである。 図6は、本発明の実施形態の内側の図であり、12は展開済み搬送台車、13は背側胸部及び腰椎保護パッド、14は肩甲間除細動器接着パッチ、15は調節可能な境界連結ストラップパッド、16は胸骨後除細動器接着パッチ、18は胸骨後パッド、19は上腹部保護バー、20は「T2」の腹側外部シェル、21は「T2」の背側外部シェル、22は「T2」の可膨張性背側パッド、23は「T1」の背側外部シェル、24は「T1」の可膨張性背側パッド、25は生殖器保護溝、26は鼠径部保護溝であり、27は「T1」の腹側シェルであり、28は胸骨柄−胸骨上溝である。 図7は、いくつかのユニットを備える本発明の更なる実施形態を表している。各ユニット(I)は、各端部に配置されているとともに、弾性伸縮性材料で作られている2つのボール(30及び31)を備える。各ユニット端部には、らせんコイル形状に畳むことができる圧縮性流体が、予め不均等に充填されており、素早く広げたり縮めたりして、内層に配置されている下部パッド(32)を圧迫できるようになっている。 図8は、律動発生器(G)と、手動で及び/又はコンプレッサーによって充填できる様々な加圧高圧流体供給源(院内の壁に設置した空気源(I)、高圧ボンベ(II)、又は大気空気の貯蔵容器(III)など)を示している。流体は、空気又は液体、例えば、溺れた人の場合には海水でもよい。発生器(G)は、一方向性モノバルブ(黄色)を備える高圧可撓性ホースによって、供給源と直接連結できる。 図9は、本発明の一実施形態によるCFR装置の機構を表している。右図には、(T1)によって引き起こされる腹部収縮であって、T2によって引き起こされる胸部拡張(水平な黄色の矢印)と交互に生じる腹部収縮を表す垂直な黄色の矢印が示されている。これに対して、左図には、T2によって引き起こされる胸部収縮(水平な黄色の矢印)が、Tlによって引き起こされる腹部拡張(垂直な黄色の矢印)と交互に生じることが示されている。Gは発生器である。 図10は、本発明の一実施形態によるCFR装置の機構を表す外形の概要を示している。上図は、胸部収縮(T2)及び腹部拡張(T1)中における想定SCA患者の側面の外形を示している。中央の図は、胸部拡張(T2)及び腹部収縮(T1)中における想定SCA患者の側面の外形を示している。下図は、全開のCFRギアを示しており、頭(10)を低く、脚(11)を高くしたトレンデレンブルグ体位における搬送台車ボード上の想定患者の体勢の概要を示している。CFRギア全体は、患者の胸部(T2)、胴(T1)、及び下肢(T3)に巻き付けて配置されている。C−1は縦隔にせん断応力を加える質量であり、C−2は肺ポンプ、C−3は横隔膜ポンプ、C−4は横隔膜下にせん断応力を加える質量である。 図11は、本発明の一実施形態による簡潔化したCFR装置であって、2つの層、外側シェル、内側の可膨張性/可収縮性ストラップ及び/又はブラダー(33)を備える装置の原理を示している。 図12は、本発明の別の実施形態を示している。 図13は、発明の別の実施形態を表しており、34、35は修正可能な関節式バー、36は長手方向バー、37は横隔膜下部、38は交互脈動発生器である。紫色の矢印は、バー移動の要求軸線を示している。図13I及びIIは、(T1に従う)心停止中の横隔膜下部の動きを表しており、図13III及びIVは、心拍が検出されてからの横隔膜下部の動きを表している。 図14は、救急用搬送台車に変形させたスーツケース様システムの、水平及び長手方向の境界区画線を示している。
図の凡例
図1:胸骨中央CTスキャンの概要:C−Iは胸骨後縦隔域、(M)は手による胸骨圧迫、1は胸骨、2は胸壁、3は右心室、4は左心室、5は肺、6は大動脈、7は胸椎、8は左心房、9は右心房である。
図2:身体レオロジー(somarheology)の血行動態理論:「身体レオロジー(somarheology)」理論の治療原理。Aは流体領域、Bは細胞壁領域、Cは被覆組織領域、Dは装置である。
図3:CPRブリーフケース(La Mallette)は、腹部コンパートメント(T1)と、胸部コンパートメント(T2)と、脈動発生器とで構成されたCPRギアを収容している。右図は、ボード型救急搬送台車に変形させた展開済み装置を表している。
図4:CFR装置としてSCA患者に巻き付けた「ブリーフケース(La Mallette)」。上図及び下図は、展開済みCPRブリーフケース「La Mallette」の上に寝ているSCA患者の概要を表しており、腹部コンパートメント(T1)、胸部コンパートメント(T2)、脈動発生器、及び変形済みセットバッグ−ボード型救急搬送台車(12)を示している。
図5:「ブリーフケース(La Mallette)」の正面図:展開済み搬送台車(12)、境界調整パッド(15)、乳房部溝状パッド(17)、胸骨部シャフト(18)、胸部「T2」コンパートメントの外部シェル(20)、及び横隔膜下「T1」コンパートメントの外部シェル(27)、保護パッドを有する生殖器用の溝(25)、保護パッドを有する鼠径部用の溝(26)、装置の長さを調節できるようにする柔軟な伸縮性コンパートメント(29)、装置の幅を調節できるようにするジッパー様システム(33)が示されている。
図6:「ブリーフケース(La Mallette)」の内側図。展開済み搬送台車(12)、背側胸部及び腰椎保護バー(13)、肩甲間除細動器パッド(14)、調節可能な境界連結ストラップパッド(15)(ライフジャケットのように膨らませて、装置を患者の胸部及び胴にしっかり巻き付けられるようにできる)、胸骨後除細動器パッド(16)、乳房用の溝(16)、胸骨後保護パッド(18)、剣状保護パッド(19)、「T2」の腹側外部シェル(20)、「T2」の背側外部シェル(21)、「T2」の可膨張性背側パッド(22)、「T1」の背側外部シェル(23)、「T1」の可膨張性背側パッド(24)、生殖器保護溝(25)、鼠径部保護溝(26)(何れの溝も、医療器具、例えば尿道カテーテル、直腸プローブ、大腿動脈又は静脈ラインを使用可能にできる)、「T1」の腹側シェル(27)、胸骨柄−胸骨上溝(28)が示されている。
図7:いくつかのユニットで構成される「蠕虫様」システム(「wormy」システム)。(図7−1)に示されているような蠕虫様システムの各ユニットにおいては、内層内に配置された下のパッド(32)を圧迫するように、弾性伸縮性材料で作られている各端部、すなわち、らせん形状の2つのボール(30及び31)に流体が予め不均等に充填されている。各ユニットにおいては、圧縮性流体が予め充填されており、らせんコイル形状に畳まれ、素早く広げたり縮めたりできる。このシステムは、空気圧式及び/又は電気機械式律動発生器に直接連結している。このシステムは、外側シェルと内層との間の空間を構成する中間チャンバーにおいて挟まれている。中間チャンバーの主な機能は、要求軸線と流動の方向を考慮して、対応する発生器によって引き起こされる加圧の作用を、内層の内方に伝えることである。胸部ベスト(T2)における象徴的な例では、要求軸線は、生理学的な胸部ポンプ軸線内で水平でなければならない。一方で、横隔膜下コンパートメント(T1)における軸線では、方向は、静脈還流の方向で垂直でなければならない。これらにより、蠕虫様システムは、胸郭(C)を圧迫して、制御された律動収縮動作(上図、II)と脱収縮動作(下図、III)を行えるようになる。これらのシステムは、非侵襲的な機械的呼吸補助装置としても用いることができる。胸部コンパートメント(T2)及び/又は横隔膜下コンパートメント(T1)のこれらの詳細な説明は、主な概念((T1)及び(T2)の交互の圧迫動作(T1)が始まるとともに、常に(T1)によって始まることを意味する)が保たれていれば非限定的である。したがって、様々な体の大きさ(例えば、新生児、小児、成人(女性及び男性の両方))に合わせる。「蠕虫様」システムは、増大する前後圧迫波を、要求軸線に従って、すなわち、胸部では左右方向斜めに、胴及び横隔膜下領域では垂直に誘導的且つ迅速に伝えるという範囲内で、2つのボール、らせん状、砂時計状、渦巻き状、などとすることができる。蠕虫様システムは、下の構造体、例えば、予め流体を充填したパッドを患者の体の内方に押し付ける。
図8:律動発生器(G)と、手動で及び/又はコンプレッサーによって充填できる様々な加圧高圧流体供給源(院内の壁に設置した空気源(I)、高圧ボンベ(III)、又は大気空気の貯蔵容器(III)など)。流体は、空気、又は液体、例えば、溺れた人の場合には海水でもよい。発生器(G)は、一方向性モノバルブ(黄色の三角)を備える高圧可撓性ホースによって、その供給源に直接連結できる。
発生器(G)は、機能的にT1とT2との間に脈動を交互に(Tlから開始)、一定の頻度、例えば40bpm前後で発生させる。
この発生器は、心拍の自発的回復を捕獲及び検出するためのセンサーを備える。心拍の回復を検出したら、T2の頻度を20bpmまで低下させなければならず、本発明の装置は、呼吸補助装置及び心肺蘇生装置として用いることになる。T1の頻度は、40bpm前後に保たなければならない。発生される圧力は様々であり、年齢及び体面積に対応する。平均的な目的は、通常、内臓領域及び下肢領域において、横隔膜下の停滞血液を動かすことである。胸部押圧コンパートメントでは、水平な軸線において胸壁の律動的なリコイルを可能にするように、圧力を加えなければならない。これらは、概ね低圧(0.8〜2バール)の付加を必要とする。安全機構、特に、機械的ポンプ不全の場合に過膨張を防ぐための自動高圧解放弁を設けることができる。
図9:CFR装置(ブリーフケース(La Mallette))機構である。右図:T1は腹部収縮(黄色の矢印)、T2は胸部拡張(青色の矢印)である。左図:T1は腹部拡張(青色の矢印)、T2は胸部収縮(黄色の矢印)、Gは脈動発生器である。
図10:全開のCPR装置の概要。T1は胴部、T2は胸部である。上図は、ブリーフケース(La Mallette)(全開のCFR装置)である。
図11:「ブリーフケース(La Mallette)」の簡潔化した実施形態。新生児及び体重超過の患者に適しており、補強された可膨張性/可収縮性ストラップ及び/又はブラダー(33)で構成されたCFR装置(ブリーフケース(La Mallette))が示されている。ストラップ及び/又はブラダー(33)は、(T2)において胸郭の解剖学的形状を取ることができ、これは、ストラップを、新生児及び小児では水平軸線で、成人では斜めの軸線で再配置しなければならないことを意味する。(T1)では、この装置は、可膨張性/可収縮性腹部ブラダー(33)によって簡潔化できる。
図12:ブリーフケース(La Mallette):全開のCFR装置
図13:「Practy」は、胸部ポンプ補助装置であり、CFR装置として、及び新世代の非侵襲的機械的人工呼吸の概念としての「ブリーフケース(La Mallette)」の実用的な主要部品であることができる。「Practy」は、生理学的な胸郭の動きの範囲内で(前後に)移動できる修正可能な関節式バー(34、35)からなる。象徴的なものとして(ただし、非限定例である)、横方向外側のバーは移動し、実現できる。関節式バーシステムは、患者の体格に従って容易に取り付けたり交換したりできることを強調すべきである。これらは、長手方向バー(36)の鎖でプレビューでき、更に興味深いことに、「Practy」システム全体は、スーツケース様システムに一体化できるとともに、患者の胸部にしっかりフィットするように再配置できる。
紫色の矢印は、バーの移動の要求軸線を示している。
「身体レオロジー(somarheology)」理論によれば、「Practy」システムは、C−I(縦隔膜)、C−II(肺ポンプ)C−III:(横隔膜)という外部せん断応力を介した3つの被覆内皮機能駆動力を既に備える。
横隔膜下部(37)は、横隔膜筋を表しており、一方で、SCA患者の場合、主な目的が、停滞血液を動かすことであるので、この部品は、T1の収縮及び拡張に従うことになる。さもなければ、自己心拍の再開、又は機械的人工呼吸による補助の後、横隔膜ベルトは、正常な呼吸器機能に従って、吸気及び呼気を可能にする。
「ブリーフケース(La Mallette)」利点の1つとして、胸部外傷(例えば、複雑肋骨骨折、脊柱骨折など)の場合(T2の適用が危険になる)、侵襲的呼吸補助装置(例えば機械的人工呼吸、最も好ましくは模型人工肺(ECMO))と連携するまでは、CFR Tlが、入院前のCPR治療アプローチとして最も有効なものとなることに注意されたい。逆に、腹部部品(T1)は、腹部外傷の場合には使用禁忌である。
図14:救急用搬送台車(12)に変形させたスーツケース様システム「ブリーフケース(La Mallette)」。水平及び長手方向の境界区画線(39)が示されている。サイズ調整の問題を解決するために、患者をこれらの線の間に配置し、体格に合わせて、装置のトラップドア(T1、T2)を閉じる。
人間のような多細胞生物は、基質を交換するための循環流体の分配に依存している。細胞膜を介する基質拡散のこれらの原理は、流体(例えば血液、空気、滑液、CSFなど)の動的な力に依存する。通常、細胞膜バリアにおける伝導と勾配を通じて発生及び開始するこのプロセスは通常、a)機械的機構(例えば、せん断応力)、b)化学的機構(例えば電解質チャネル)、及びc)電気的機構(例えば電気泳動)という3つの機構を通じて起きる。
本発明は、血液循環系(内側を内皮で覆われた、閉じた液圧加圧回路)も、重複領域(B)をせん断する血液を含む領域(A)と、内皮細胞のバリアで構成される領域(B)と、領域(B)の外側を覆うとともに圧迫する周囲組織領域(C)という3つの領域に細分できるという考えに本発明は基づく。図2には、人体を3つのレオロジー領域(A、B、及びC)に大まかに分けた図が示されており、Aは、B(C(被覆組織)と重複する細胞のバリア(例えば内皮))に囲まれている流体(圧縮性ニュートン流体(例えば空気)又は非圧縮性非ニュートン流体(例えば血液)であることができる)の量を表している(例えば、ぜん動血管、拡張可能な胞など)。
同様に、かねてから循環系の指揮者として認識されてきた呼吸ポンプも、本発明の身体レオロジー(somarheology)理論の概念に従って、流体(空気又は血液)と相関する領域(A)と、領域(A)を分離するとともに、毛細血管又は肺胞内皮のバリアで構成されている領域(B)と、被覆組織の層で構成されているとともに、胸腔の他の構成要素(例えば肺実質、ぜん動血管、肋間筋、横隔膜ポンプなど)を表す領域(C)という3つの領域に細分できる。
現在のCP法は、心臓に焦点を当て、最優先事項として、心拍を回復させるように努める。この技法により、圧迫された心臓内血液が無弁の大動脈系に逆送され、肺動脈の方に送られるようにする。実際、全身系静脈は、肺動脈よりもコンプライアンスが低く、これは、その少量の血液が、肺動脈よりも、遠くに移動しないことを意味する。
これに対して、本発明は、対応する内皮の内側に蓄えられた停滞血液に焦点を当てる。臨床診療中、心臓の左心室を直接圧迫すると、より有利な非侵襲的な形で、ペースメーカー細胞が直接影響を受け、重度の脳障害を本質的に回避できる程度に、組織灌流が回復/保持されることが分かっている。下記の表Iには、本発明に至る所見の一部がまとめられている。
Figure 0006290916
何れかの理論に束縛されるものではないが、RA及びRV(右心室(RV)及び右心房(RV))の停滞血液に対する圧迫は、循環系内の血液の移動を引き起こすことになり、この移動は、中隔間冠状動脈網及び心筋組織微小循環を通る血流を改善する内皮メディエーターに対する感受性が非常に高いRV心内膜下内皮系内で、せん断応力を介した内皮機能を生じさせると本発明では考えられる。したがって、本発明によれば、せん断応力を介した内皮機能は、心筋灌流と正常な心拍の回復を改善させる土台であることが分かっている。
本発明による医療装置は、少なくとも2つの押圧要素(T1、T2)を備え、その少なくとも1つは、患者の腹部/臀部/胴の領域に配置され(T1、横隔膜下要素)、少なくとも1つは、患者の胸部の領域に配置される(T2)。
押圧要素(T1)は、患者の体と本質的に密接するように配置し、この配置は、例えばストラップ又はジッパーシステム、マジックテープ(登録商標)などによって、要素(T1)を患者の体に巻き付け、及び/又は固定することによって実現できる。任意に応じて、密接状態は、患者の体の輪郭に従って、患者との接触状態を向上させるように、軟質材料又は弾性材料(泡状物質、又は空気、ゲル、若しくは何れかの他の液体のような流体など)を充填できるか、又は既に予め充填したものを前記少なくとも1つの押圧要素(T1)に設けることによって実現及び/又は改善することができる。
腹部押圧要素(T1)は、患者の体と密接できる限りは、患者の体と接触する何れかの好適な形状、好ましくは層状化形状、例えば、円形、正方形、若しくは三角形の層の形状、又は特殊な層状化形状(ベルト、ズボン、若しくはおむつなど)、あるいはその他の何れかの形状とすることができる。ズボン又はおむつの形状には、下腿及び足部の毛細血管内の静脈血で、血液酸素飽和度が動脈血に近い静脈血が、体の上部に迅速に圧送されるという更なる利点があり、SCA患者において組織酸素化を生理学的に補助する。
腹部押圧要素(T1)は、任意に応じて、大腿の上部と、押圧要素(T2)を配置する患者胸部の末端とを含め、患者の上腹部を左右に本質的に覆うような大きさになっている。
本発明の医療装置は、患者の胸部領域に配置するように構成されている少なくとも1つの胸部押圧要素(T2)も備える。押圧要素(T1)と同様に、押圧要素(T2)の配置は、押圧要素(T2)と患者の体とが本質的に密接するように行い、この密接は、例えば、本発明の装置を例えばストラップ又はジッパーシステム、マジックテープ(登録商標)などによって巻き付け、及び/又は固定することによって実現させる。任意に応じて、押圧要素(T1)と同様に、押圧要素(T2)と患者の体との接触を高めるために、空気、ゲル、又はその他の何れかの液体のような流体を充填するか、このような流体がすでに予め充填されているか、又は泡状物質のような他の軟質材料及び本質的に弾性の材料を含む追加のものを前記要素(T2)に設ける。胸部押圧要素(T2)は、患者の体と密接できる限りは、患者の体と接触する何れかの好適な形状、好ましくは層状化形状、例えば円形、正方形、若しくは三角形の層、又は特殊な層状化形状(ベルト、シャツ、若しくはベストなど)、又は何れかの他の形状を有することができる。
胸部押圧要素T2は、患者の胸部を左右に本質的に覆い、胸郭の下端で終わる大きさになっており、胸郭の下端(押圧要素(T1)を配置し始める位置)と胸骨柄溝の上端で終わる。更に、押圧要素(T2)を患者の体と胸部/胸部周囲で接触させる際には、循環が自発的に回復した場合の胸部リコイル又は呼吸運動に何れの制限も課さない形でなければならない。
明らかなように、少なくとも1つの押圧要素(T1)及び(T2)の何れも、圧力を加えることになる体の部分を覆う長さ及び幅になっている。また、押圧要素(T1、T2)の何れも、人体に加えた圧力を伝達できるように、また、任意に応じて、その圧力を生成できるように、可撓性材料で作ることができる。
少なくとも1つの押圧要素(T1、T2)はそれぞれ、患者の体の方向に圧力を加えることができる少なくとも1つの圧力付加ユニットを備え、このユニットは、各要素(T1、T2)に取り付けても、埋め込んでもよく、前記要素(T1、T2)自体であってもよい。
このようなユニットは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は11個以上存在することができ、要素に設けて、(患者の体の高さ/長さ方向に)交互に配置することも、及び/又は隣接して(患者の体の幅に対して)配置することもできる。圧力ユニットは、本質的に患者の長さ軸線に対して垂直に配置しても、本質的に患者の長さ軸線に沿って配置しても、患者の長さ軸線に対して何れかの角度で傾斜させてもよい。
圧力付加ユニット自体は、ロール又はコンパクター(compactor)として実現させても、本質的に三角形、正方形、又は細長い形状をしたバッグ、ポーチ、又はパッドの形状をしていても、これらの何れかの組み合わせであってもよい。
一実施形態によれば、圧力付加ユニットは、少なくとも1つのバッグ、ポーチ、又はパッドを備えるか、少なくとも1つのバッグ、ポーチ、又はパッドである。このバッグ、ポーチ、又はパッドは更に、要素(T1、T2)についてそれぞれ上記したような何れかの形状とすることができる。
少なくとも1つのバッグ、ポーチ、又はパッドには、特定の材料、好ましくは弾性材料(泡状物質、ゲル状流体など)、及び/又はその他の類似の材料を予め充填して、例えばロール又はコンパクター(compactor)によって加えた圧力が患者の体に伝わる前に、その圧力をある程度消散させるようにしてもよい。
あるいは、少なくとも1つのバッグ、ポーチ、又はパッドは、流体を前記バッグ、ポーチ、又はパッドに充填し/前記バッグ、ポーチ、又はパッドから排出することによって、例えば、前記バッグ、ポーチ、若しくはパッドを気体、好ましくは空気で膨張及び収縮させるか、又は液体(液体など)、好ましくはゲル状液体を充填/排出することによって、その寸法を変えられるように形成する。この実施形態では、バッグ、ポーチ、又はパッドに流体を充填すると、その寸法が増加し、増加した寸法によって、患者の体に、各位置で圧力を加える。
別の実施形態によれば、各要素(T1、T2)において、少なくとも2つのバッグ/ポーチ/パッド、好ましくは3つ、4つ、5つ、又は6つのバッグ/ポーチを、互いに隣接し合うように(患者の体の幅に対して)配置し、少なくとも2つのバッグ/ポーチ/パッド、好ましくは少なくとも3つ、4つ、5つ、又は6つのバッグ/ポーチ/パッドを順に(患者の高さ/長さに対して)配置する。
本発明は、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のバッグ/ポーチ/パッドをそれぞれの上に設けて、各バッグ/ポーチ/パッドによって加えた圧力を増大させるようにすることも想定している。
バッグ/ポーチ/パッドには、流体を別々に充填することができる。あるいは、少なくとも2つ、例えば3つ、4つ、又は5つ以上のバッグ/ポーチ/パッドを流体連通させて、1つのバッグに充填すると、そのバッグが膨張して、患者の体に対する圧力を生み出し、上流のバッグ/ポーチ/パッドが、ある特定の所定の程度まで充填された後に、次のバッグに充填が行われる。これは、例えば、バッグ/ポーチ/パッド間を連通させることによって実現でき、例えば、寸法の面で制限するか、又は弁を搭載する。
別の実施形態によれば、押圧要素(T1)及び(T2)は、多層構造体として形成してもよく、圧迫/減圧ユニットを備える少なくとも1つの層が、患者に面する少なくとも1つの内層と、周囲環境に面する少なくとも1つの外層に隣接して配置される。したがって、多層構造体は、様々な数の内層、外層、及び中間層(少なくとも1つの圧力付加ユニットを備える)とともに、2つ、3つ、4つ、5つ、及び6つ以上の層を備えることができる。
外層は、例えば弾性材料、好ましくは軽量な材料の周囲に、押圧要素(T1)及び(T2)の物理的形状を本質的に保持する何れかの好適な材料で形成することができる。
好ましくは、体に面する内層は、加えた圧力を、その層を通じて人体に伝えることのできる可撓性生体適合性材料で作る必要がある。
要素(T1、T2)について上で説明したように形成した中間層は、1つの層、2つの層、3つの層、更には4つの層をそれぞれの上に直接、又は特定の程度オフセットさせるなどして、それぞれの上に積み重ねたものとして存在することができる。例えば2つの層をそれぞれの上にオフセットして積み重ねる配置により、施術中に、要素(T1、T2)において、中程度の圧力波形を提供できる。
一般に、選択する材料と設計により、本発明の装置をSCA患者の体にしっかり円滑に、特に腹部に取り付けたり、及び/又は巻き付けたりできなければならない。
圧力付加ユニットは、押圧要素(T1)及び(T2)の何れにおいても、同じであっても異なっていてもことが分かる。さらに、胸郭の形態学的な骨の特徴を考慮すると、体と直接接する可膨張性/可収縮性バッグ/ポーチ/パッドは、押圧要素(T2)に対して実用的であると考えられる。
本発明の装置は、患者の体の前(腹側押圧要素)と患者の体の後ろ(背側押圧要素)に配置する各押圧要素(T1)及び(T2)のうちの1つを備えても、各押圧要素(T1)及び(T2)のうちの2つを備えてもよい。
押圧要素(T1)及び(T2)の両方と、少なくとも1つの脈動発生器は好適には、支持体の上に配置することができ、任意に応じて支持体に固定することができ、この支持体は、弾性材料又は可撓性材料で作ることができ、支持体は、押圧要素(T1、T2)とともに、好適な手段によって、押圧要素(T1)及び(T2)が患者に面するように、患者に取り付けることができる。持ち運びやすさ、保管しやすさ、及び取り扱いやすさのために、支持体は、バッグ又は容器の形状をすることができ、例えばブリーフケースのように閉じることができ、内部前側と内部後ろ側とを有する。少なくとも2つの押圧要素(T1)及び(T2)は、支持体の内部前側と、任意に応じて、支持体の内部後ろ側にも取り付けることができ、保管及び持ち運びの際に、バッグ又は容器のサイズを小さくするために、内部前側と内部後ろ側を近接させた状態、又は更には重ねた状態で配置することができる。バッグ/容器を閉じた位置では、内部後ろ側は内部前側と向かい合って、押圧要素(T1)及び(T2)の全てがバッグ/容器内に入り、周囲環境の影響から保護されるようにする。バッグ/容器を開くと、2つの押圧要素(T1)及び(T2)が開いた位置、好ましくは平らな配置になって、それぞれから所望の長さ/幅まで引き離して、人体の様々な輪郭に合わせるようにできる。このために、支持体は、柔軟な区域又はジッパーのように、支持体自体の寸法を大きくするための手段を呈して、支持体の寸法を大きくしたら、押圧要素(T1、T2)の距離が更に離れるようにでき、あるいは、支持体は、押圧要素(T1)及び(T2)を所定の方向に移動させる誘導手段を提供することもできる。支持体及び/又はバッグは、支持体に取り付けられる全てのケーブル及びチューブとともに、脈動発生器も備えるのが好ましい。支持体(バッグ/容器)の外側は、システムを損傷させ得る外部の影響から、内側、すなわち押圧要素、脈動発生器、及びケーブルチューブなどを保護するのに充分な弾性を有するのが好ましい。
本発明の装置は、安全機構、特に、特許文献1及び特許文献2という特許(これらの内容は、参照により本明細書に援用される)で説明されているような自動圧力解放弁も備えることができる。
一実施形態によれば、本発明の装置、特に押圧要素(T2)は、その装置に取り外し可能な形で配置された乳房用保護パッド(15)を備えることができる。このような手段により、外傷(例えば乳房血腫)のリスクなしに、胸部押圧要素(T2)を胸壁に完全に一体化できる。折り畳まれた拡張部の押圧要素を外部シェルに、ジッパーを長さ及び幅調節部に一体化することができる。
別の実施形態によれば、本発明の装置は、下部組織保護部に加えて、生殖器及び鼠径部用の溝も備えることができ、この溝により、標準的な生命維持用医療器具、例えば尿道カテーテル、直腸プローブ、大腿動脈又は静脈ラインの提供と取扱いが可能になる。
更に別の実施形態によれば、本発明の装置は、除細動器も備えることができ、その除細動器は、押圧要素(T2)を固定すると、その除細動器が右の位置にくるように配置する。
本発明の装置は、ほぼ心停止中に、通常15〜18Cm水柱である平均心血管圧を測定し、RA充填圧(>16mmHgを超えてはならない)を制御するための非侵襲的な中心静脈圧モニターも備えることができる。ROSC後、静脈圧、CO、及びSVO2も制御する。
本発明の装置は、以下のように動作することができる。
支持体の上で実施する場合、バッグ又は容器を開き、SCA患者を正確に配置し、押圧要素(T1、T2)を患者の胸部と胴に取り付ける。続いて、任意に応じて、腹部押圧要素(T1)及び胸部押圧要素(T2)の両方を、患者の体の周囲に緩みが生じなくなるまで膨らませる。
続いて、腹部押圧要素(T1)を例えば30〜50bpm、好ましくは40bpm前後の頻度で始動させることができる。続いて、胸部押圧要素(T2)も同様に、ただし、(T1)と交互の頻度で始動させる。
押圧要素(T1)及び(T2)の両方が、2つ以上の圧迫/減圧ユニット、例えば2つ、3つ、又は4つの圧迫/減圧ユニットを備える場合、前記ユニットは、特定の方向に波形圧を加えるように始動させることができる。この点において、押圧要素(T1)の圧迫/減圧ユニットは、まず、要素(T1)の下端、すなわち患者の体の末端のうち、頭から遠位置の末端にあるユニットを始動させて、圧力を付加する。続いて、第1の圧迫減圧ユニットの圧力を停止させ始めながら、押圧要素(T1)の圧迫/減圧ユニットであって、患者の頭部に隣接するとともに、患者の頭部に対して近位の方にあるユニットの圧力を増大させ、これを続けていく。したがって、流体を患者の体において特定の方向に誘導する圧力波を患者の体に加えることができる。押圧要素(T2)の圧迫/減圧ユニットについても同様であり、押圧要素(T2)では、圧力波は、患者の高さに沿って、患者の高さに対して垂直に、又は患者の高さに対して傾斜させて生成できる。特に図12IV及びVに示されているように、圧力波は、(T1)では患者の体で上下に、(T2)では体の左右に動いていく。(T1)及び(T2)の圧力波は、上述のように交互になることが分かる。
療法士は、患者をトレンデレンブルグ体位(頭を低く、脚を高くする体位)で配置できる。
療法士がバイタルサインを観察したら直ちに、且つ心拍が検出されたら、呼吸運動に対応するために、(T2)/(T1)の頻度を1対2にする。
更に、本発明の装置を設置して、数分間、完全に機能させたら、DCショックを補助手段として適用することができる。
一実施形態によれば、本発明の装置は、「蠕虫様」システム(「wormy」システム)の形状で動作してもよく、このシステムは、いくつかのユニットで構成される。各ユニットには、(図7−I)に示されているように、らせんコイル形状に加えることができる圧縮性流体が予め充填されており、素早く広げたり縮めたりできる。これらは、半弾性伸縮性材料で作られている2つのロール又はボールであって、各端部に配置されており、流体が予め不均等に充填されていて、らせん形状に保持されているロール又はボール(30及び31)によって実現できる。この「蠕虫様」ユニットは、外側シェルと内層との間の空間を構成する中間チャンバーに配置及び挟むことができる。中間チャンバーの主な機能は、要求軸線と流動の方向を考慮して、対応する発生器によって引き起こされる加圧の作用を、内層の内方に伝えることである。すなわち、この「蠕虫様」システムは、空気圧式及び/又は電気機械式律動発生器(G)に連結することになる。「蠕虫様」ユニットは、波様のインパルスを引き起こす外部シェル圧迫電子プレートによって、直接圧迫することもできる。発生器を始動させたら、一方の端部のボールを圧迫し、その圧迫作用が、増大する圧迫波で、もう一方の端部に伝わる。これらの作用が、要求軸線内の内層に配置されている下部パッド(32)を圧迫して機能することになる。例えば、胸部ベスト(T2)では、要求軸線は水平でなければならず(胸郭を圧迫するための生理学的な胸部ポンプ軸線に対応する(C−II))、制御された律動収縮動作(上図、II)と脱収縮動作(下図、III)を引き起こす。したがって、「T2」は、非侵襲的な機械的呼吸補助装置の新たな概念とみなすこともできる。一方で、横隔膜下押圧要素(T1)における軸線の方向は、静脈還流の方向で垂直でなければならない。
「蠕虫様」システムの主な利点の1つは、例えば、内側下部層とSCA患者の体へのスナップ作用を発生させて、例えば、圧迫周期の時間を増やし、減圧の時間を減少させるように、迅速な「前後」動作及び/又は減速する「前後」動作を制御できる点である。ある種、心周期と逆の周期に似ている((T1)の装置の想定収縮は、拡張よりも長くなる)。これらの主な利点は、生存している人における医療への適応及び用途を有する本発明のいくつかの実施形態を可能にする。
発生器(G)は、機能的にT1とT2との間に脈動を交互に(Tlから開始)、一定の頻度、例えば40bpm前後で発生させる。この発生器は、心拍の自発的回復を捕獲及び検出するためのセンサーを備える。心拍の回復を検出したら、T2の頻度を20bpmまで低下させ、本発明の装置を呼吸補助装置及び心肺蘇生装置として用いることになる。T1の頻度は、40bpm前後に保たなければならない。発生される圧力は様々であり、年齢及び体の表面積に対応する。平均的な目的は、通常、内臓領域及び下肢領域において、横隔膜下の停滞血液を動かすことである。胸部押圧要素では、水平な軸線において胸壁の律動的なリコイルを可能にするように、圧力を付加しなければならない。
安全機構、特に、機械的ポンプ不全の場合に過膨張を防ぐための自動高圧解放弁を設けることができる。これらの機構は、動物及び治験ボランティアでの拍動追跡による経験に基づく。
原理上、(T1)と(T2)の交互圧迫運動は、常に(T1)から開始する。したがって、様々な体の大きさ(例えば、新生児、小児、成人(女性及び男性の両方))に合わせて、「蠕虫様」システムは、増大する前後圧迫波を、要求軸線に従って、すなわち、胸部では左右方向斜めに、胴及び横隔膜下領域では垂直に誘導的且つ迅速に伝えるという範囲内で、2つのロール又はボール、らせん状、砂時計状、渦巻き状、などとすることができる。蠕虫様は、下の構造体、例えば、予め流体を充填したパッドを患者の体の内方に押し付ける。
蠕虫様システムは、生理学的な胸郭の動きの範囲内で、(前後に)移動できる修正可能な関節式バー(34、35)からなる。象徴的なものとして(ただし、非限定である)、横方向外側の長手方向バー(36)は、取り付けられているバーを機械的に操って、胸壁を律動的に(オン−オフ的に)つかむ動きを可能にできる。関節式バーと横隔膜下部(37)は、患者の体格に従って容易に取り付けたり交換したりするために、大きさが様々であることができることを強調すべきである。更に興味深いことに、「Practy」システム全体は、スーツケース様システムに一体化できるとともに、患者の胸部にしっかりフィットするように再配置できる。「身体レオロジー(somarheology)」理論によれば、「Practy」システムは、外部せん断応力を介した3つの被覆内皮機能駆動力(C−I(縦隔膜)、C−II(肺ポンプ)、C−III(横隔膜)を既に備える。横隔膜下部は、横隔膜筋を表しており、一方で、SCA患者の場合、主な目的が、停滞血液を動かすことであるので、この部分は、横隔膜下押圧要素(T1)の収縮及び拡張に従うことになる。さもなければ、自己心拍の再開、又は機械的人工呼吸による補助の後、横隔膜ベルトは、正常な呼吸器機能に従って、吸気及び呼気を可能にする。「本発明の装置」の利点の1つとして、胸部外傷(例えば、複雑肋骨骨折、脊柱骨折など)の場合(T2の適用が危険になる)、侵襲的呼吸補助装置(例えば機械的人工呼吸、最も好ましくは模型人工肺(ECMO))と連携するまでは、CFR Tlが、入院前のCPR治療アプローチとして最も有効なものとなることに注意されたい。逆に、腹部部品(T1)は、腹部外傷の場合には使用禁忌である。ベストバーと横隔膜下ベルトとの間の交互動作は、特殊な発生器によって操ることができる。
本発明の装置を用いた臨床観察に基づき、心臓に焦点を当てた標準的なCPR手順によって引き起こされる脳障害の状況を軽減又は回避できることを示すことができた。
本発明の装置は、先行技術の技法、特にCPRを上回る下記の利点をもたらすことが分かっている。
1.1.心血管生理機能:循環流回復装置(CFR)としての「本発明の装置」は、律動的な形で、右心房前負荷を増加させ、直接的なスナップ作用を生み出すとともに、せん断応力を介した内皮機能の増大によって直接的に、且つ、全身の微小循環と心筋細胞の細胞代謝プロセスの改善によって間接的に、ペースメーカー細胞の再分極/脱分極の機会を高める壁延伸応力を生み出す。
1.2.心血管の解剖学的構造:本発明の装置は、完全に適合しているとともに、患者の体に安全に作用する。「身体レオロジー(somarheology)理論」に従って、本発明のCFR装置は、C−I縦隔膜領域、C−II胸郭及び肺ポンプ領域、C−III横隔膜領域、並びにC−IV横隔膜下領域という4つの被覆域(C)に作用する。これらは、バリア境界「B」のせん断速度を向上させ、それにより、内皮細胞血管拡張物質メディエーター、例えば一酸化窒素シンターゼ(NOS)を増大させ、そのメディエーターが、臓器微小循環を改善し、領域「A」からの流体移動を増大させる。
1.3.血行動態/血液レオロジー:血行動態理論(流動及び速度)によれば、心臓及びぜん動動脈は、左心側の主な駆動力である。右心側では、補助的な駆動力(すなわち呼吸ポンプなど)が、血行動態プロセスにおいて重要な役割を果たす。右心側には、血行動態疾患の場合に生理学的なバックアップとして使用できる血液量と内皮ストックの大半が含まれる。心停止中、右心のこれらの貴重な血液レオロジー的ストックの利用は、提案しているCFR装置(本発明の装置)によって完全に実現できる。このストックの利用は、存在量(約400ml)と比べて、より多くの血液を可動化することによって、特に冠動脈灌流圧を向上させることによって、血行動態を改善する。
2.先行技術の装置との比較:
2.1.CPR装置又は先行技術との比較:本発明の装置は、一般的な外傷リスクなしに、胸壁を完全にリコイルさせる(通常、本発明の装置と関連する因子)。提案している本発明の装置は、病院環境に限定されない。本発明の装置は、屋外環境において、その場に居合わせた人が使用することも可能である。本発明の装置は、小児にも成人にも適している。開胸・侵襲的CPRを必要とするあらゆる状況下で、入院するまで、本発明の装置の横隔膜下押圧要素を適用できる(例えば、腹部外傷を除くSCAの大半のケースでの、血流増強装置としての押圧要素「T1」)。このような状況下においては、ズボン型が安全に適用される。心タンポナーデの場合、本発明の装置全体を院内設置で、例えば超音波誘導心臓ドレナージ、静脈内輸液などで適用できる。
2.2.本発明の装置は、その場に居合わせた人がSCA患者に対して安全に適用することができ、現在の技術と比べて、方法に関して、重要な優れたフィードバックを提供できる。動物モデルに関しては、本発明者は、機械的呼吸も薬物によるCPRの補助もない臨床現場に近いインビボ研究を計画している。
2.3.本発明の装置は、心調律の機構が、加圧血流動態力に完全に依存するようになる特定の病態の場合(除神経した心臓移植患者の場合など)に特に有益である。
3.薬物による補助:血流動態回復装置としての本発明は、現在の技術と比べて、薬物の静脈内投与による補助策の効率を高める。これにより、危険なICI法の必要性が低下する。さらに、関連する内皮細胞血管拡張物質の分泌により、エピネフリンのような昇圧剤の適用とそれらの副作用も不要になる。
4.DCショックの欠点:現在の装置は、AEDの現在の技術の一部を含むDCショック接着パッチであって、無用なショックを回避するために心拍を検出できるパッチを備える。代わりに、本発明の装置のDCショックシステムの利点としては、前後の位置の電極により、経胸腔的又は前外側のパッチ位置と比べて、更に正確で効率的な成果を可能にすることが挙げられる。提案している本発明の装置自体は、特に、最優先事項として心拍に焦点を当てておらず、代わりに、心筋細胞の微小循環を改善し、除細動周囲環境の改善のために心臓を調整する。前後の位置により、DCショックにおいて、VF(心室細動)を止めるのに必要なエネルギーが減少し、数分間のマッサージの必要性がなくなり、心筋細胞の約1%を表すペースメーカー細胞に作用するほど充分に強いDCショック(エレクトロポレーションを原因とする心筋壊死のリスクが高い)をジキタリス中毒の場合に安全に利用できる(ジキタリス中毒は、微小循環の改善により一掃される)。血栓塞栓性偶発症候、皮膚熱傷のリスクが低い。これに加えて、胸部(T2)押圧要素(呼吸補助装置ともみなされる)の適用により、DCショック後の肺浮腫のリスクがない。
5.本発明の主な利点の1つは、スナップ作用(内側右心房壁を鞭打つような作用)を可能にする点である。これは、圧迫周期の時間を増やし、減圧の時間を減少させることを意味する。ある種、心周期と逆の周期に似ている((T1)の装置の想定収縮は、拡張よりも長くなる)。
6.更に、本発明のCFR装置によってもたらされる、臓器微小循環の改善期待によって、蘇生後の死亡率が有意に低下する。

Claims (15)

  1. 個人の突然の心停止の発生後、血液循環流を回復させる医療装置であって、
    患者の胴又は胴の周囲に配置するように構成され、前記患者の体に圧力を加えることができる2つ以上の第1のユニットを備える、少なくとも1つの腹部押圧要素(T1)と、
    患者の胸腔又は胸腔の周囲に配置するように構成され、患者の体に圧力を加えることができる2つ以上の第2のユニットを備える、少なくとも1つの胸部押圧要素(T2)と、
    前記押圧要素(T1、T2)の前記ユニットと電気接続又は流体接続し、前記押圧要素(T1、T2)において交互に生じる圧力波を作り出すようにされている、少なくとも1つの脈動発生器と、
    を備え、
    前記押圧要素(T1、T2)の前記ユニットに別個に流体を充填することによって、前記少なくとも1つの腹部押圧要素(T1)における前記圧力波が、前記患者の身長の方向交互に動き、前記少なくとも1つの胸部押圧要素(T2)における前記圧力波が、前記患者の体の両側方向及び内側方向に導かれる、
    装置。
  2. 前記患者の体に圧力を加えることができる前記第1又は前記第2のユニットが、ロール、コンパクター(compactor)、ボール、可膨張性バッグ、流体含有バッグ、又はこれらの何れかの組み合わせである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記患者の体の前又は後ろに配置するように構成された、2つの腹部又は胸部押圧要素(T1、T2)を備える、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記押圧要素(T1、T2)が、前記患者の体に圧力を加えることができる、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのユニットを備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記押圧要素(T1、T2)が、バッグ、ポーチ、又はパッドの形状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記バッグ、ポーチ、又はパッドが2つの層を備え、一方の層が、前記患者に面し、他方の層が、周囲環境に面する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記押圧要素(T1、T2)が、多層構造体で形成されている、請求項5又は6に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つの腹部押圧要素(T1)における前記バッグ、ポーチ、又はパッドが、前記患者の身長の方向に対して、1つずつ順番に配置され、前記少なくとも1つの胸部押圧要素(T2)における前記バッグ、ポーチ、又はパッドが、前記患者の体の幅方向に対して、互いに隣接し合うように配置される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記腹部押圧要素(T1)が、ベルト、ズボン、又はおむつの形状であるか、又は、前記胸部押圧要素(T2)が、ベルト、シャツ、又はベストの形状である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 支持体の上に取り付けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記装置が取り付けられている支持体が、バッグ又は容器の形状であり、閉じることができる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記脈動発生器が、空気圧式又は電気機械式の脈動発生器であり、規則的なインパルスを引き起こす、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. (a)前記装置を用意する工程と、
    (b)前記腹部押圧要素(T1)を前記患者の胴又は胴の周囲に取り付ける工程と、
    (c)前記胸部押圧要素(T2)を前記患者の胸腔又は胸腔の周囲に取り付ける工程と、
    (d)前記脈動発生器を始動させて、インパルスを、前記押圧要素(T1)及び(T2)に送り、患者の体に圧力を加えることができる前記ユニットに、前記患者の体の押圧の起動を開始させる工程と、
    を含む、患者の心拍を回復させる用途に使用する、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 圧力を加えることができる前記ユニットが、押圧要素(T1)を起動された前記患者の体に対して、圧力波を作り出す、請求項13に記載の装置。
  15. 前記患者が、突然の心停止(SCA)患者である、請求項13又は14に記載の装置。
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