実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の背面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの背面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が遊技盤30(図2参照)の方へ打ち込まれる。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の背面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300及び第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の木製(例えば、合板)でその左側の両角部が取れたような形状の遊技板30bを備えており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態である。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)及び可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34及び可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(図示省略の入賞口スイッチ、図示省略のカウントスイッチ、図示省略の作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
また、始動入賞装置33は、図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチにより検出される。また、下部側の第2の始動口33bには第2の始動口33b用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cと、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40d,40eと、このLED40d,40eでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40fとを備えている。
第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等するLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
上記と同様に、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等するLED40d,40eは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40d,40eの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40d,40eの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。なお、上述した第3図柄表示装置42が装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(遊技球発射装置38による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34などへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eが変動表示され、その変動停止後のLED40d,40eの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40fにて表示される。なお、保留ランプ40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部55(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(主制御装置261の図6を用いて後述する取付台230のみ図示し、それ以外の取付台は図示を省略する)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の背面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを、遊技盤30に取り付けられる別々の取付台(主制御装置261の図6を用いて後述する取付台230のみ図示し、それ以外の取付台は図示を省略する)に搭載してそれぞれユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を別の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の背面に対して開閉できる構成としている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の背面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ(図示省略)が設けられている。カウントスイッチ(図示省略)は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)と第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)(図示省略)とがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチ(図示省略)で検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
一般入賞口31の入賞口スイッチ(図示省略)及び第3の始動口34のゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、可変入賞装置32のカウントスイッチ(図示省略)は後述する大入賞口中継端子基板91に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板91がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、第1の始動口33a及び第2の始動口33bの各作動口スイッチ(図示省略)は中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、例えば略矩形状の取付台(主制御装置261の図6を用いて後述する取付台230のみ図示し、それ以外の取付台は図示を省略する)を上下2つ有し、遊技盤30の背面側から見た状態での下側の取付台230(図6参照)に主制御装置261が搭載され、上側の取付台(図示省略)にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス(図示省略)が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262及び表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされる。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが22ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図16を用いて説明する。
図6は、実施例1の遊技盤30の背面右上から見た背面斜視図である。図7は、実施例1の遊技盤30を背面左上から見た背面斜視図である。図8は、実施例1の遊技盤30の背面図である。図9は、実施例1の遊技盤30の正面右上から見た分解斜視図である。図10は、実施例1の遊技盤30の背面右上から見た分解斜視図である。図11は、取付台230を構成するスペーサ部232と集合通路盤60と回動支持軸部品242とを示す右上視斜視図である。図12は、スペーサ部232が集合通路盤60の下部側を回動軸J2として回動支持軸部品242で回動支持される様子を示す右上視斜視図である。図13は、実施例1の遊技盤30の背面左下から見た分解斜視図である。図14は、実施例1の遊技盤30の背面右下から見た分解斜視図である。図15は、取付台230を構成するスペーサ部232と集合通路盤60と回動支持軸部品242とを示す右下視斜視図である。図16は、スペーサ部232が集合通路盤60の下部側を回動軸J2として回動支持軸部品242で回動支持される様子を示す右下視斜視図である。図17は、取付台230及び集合通路盤60の回動支持軸部品242の端部243と係止部品250との係止箇所を断面視した一部断面斜視図である。図18は、取付台230及び集合通路盤60の回動支持軸部品242の端部243と係止部品250との係止箇所を断面視した一部断面図である。図19(a)は、主制御装置261を開状態とし且つ取付台230を集合通路盤60に近接した近接位置にある状態を示す遊技盤30の背面右下視斜視図、図19(b)は、取付台230を集合通路盤60から引き出した引出位置にある状態を示す遊技盤30の背面右下視斜視図である。図20(a)は、取付台230を集合通路盤60から引き出した引出位置にある状態を示す遊技盤30の側面図、図20(b)は、取付台230を引出位置から回動させた状態を示す遊技盤30の側面図である。図21(a)は、取付台230を集合通路盤60から引き出した引出位置にある状態を示す遊技盤30の背面左上視斜視図、図21(b)は、取付台230を引出位置から回動させた状態を示す遊技盤30の背面左上視斜視図である。図22(a)は、取付台230を集合通路盤60から引き出した引出位置にある状態を示す遊技盤30の背面右上視斜視図、図22(b)は、取付台230を引出位置から回動させた状態を示す遊技盤30の背面右上視斜視図である。図23(a)は、取付台230を集合通路盤60から引き出した引出位置にある状態を示す遊技盤30の背面右下視斜視図、図23(b)は、取付台230を引出位置から回動させた状態を示す遊技盤30の背面右下視斜視図である。図24は、取付台230が反転した状態を示す遊技盤30の背面右上視斜視図である。
なお、図6〜図10,図13、図14、図19〜図24では、遊技盤30は、その正面側に、一般入賞口31のみを配置し、その背面側に、集合通路盤60と、取付台230と、主制御装置261と、第3図柄表示装置42が取り付けられる被取付部材43とを備えた状態を図示し、その他の構成品(遊技盤30の正面側に配設される可変表示装置ユニット35やレール51,52や釘や可変入賞装置32や始動入賞装置33など)の図示を省略している。
本実施例のパチンコ機10は、図2を用いて前述したように、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが前面側に形成された遊技盤30を備えている。この遊技盤30は、図2に示すように、遊技領域30aに複数本の釘が立設されたものである。
この遊技領域30aの下部側箇所には、図2に示すように、始動入賞装置33と、この始動入賞装置33の直下に設けられた可変入賞装置32と、始動入賞装置33の略両側で離間した各箇所に配設された4個の一般入賞口31と、が設けられている。
また、遊技盤30の背面には、図6〜図10に示すように、遊技盤30を背面視した状態で手前側から奥側の順に、遊技を統括的に制御する主制御装置261と、この主制御装置261が取り付けられる取付台230と、取付台230が回動支持可能に取り付けられた集合通路盤60(集合板)とが、配設されている。
具体的には、集合通路盤60は、図6〜図10、図13、図14及び図19に示すように、遊技盤30の背面下部箇所に、例えばネジ止めすることで取り付けられている。この集合通路盤60の遊技盤30の背面への取り付けについては、通常のネジによるネジ止め以外に、破断ネジやワンウエイネジでネジ止めしてもよいし、接着剤で接着してもよいし、遊技盤30との係止機構で係止するようにしてもよいし、それらを組み合わせて取り付けるようにしてもよい。
集合通路盤60は、図6〜図10、図13、図14及び図19に示すように、遊技盤30の遊技領域30aの一般入賞口31や可変入賞装置32や始動入賞装置33に入球してこの遊技盤30の背面側に案内された遊技球を集めて当該パチンコ機10の下部の島設備に設けられた遊技球回収装置(図示省略)に向けて下方に排出する球通路を備えている。この集合通路盤60は、例えば樹脂成型部品としている。
遊技盤30は、図9に示すように、一般入賞口31、可変入賞装置32(図2参照)及び始動入賞装置33(図2参照)の各配設箇所に、貫通孔(図9に示す一般入賞口用貫通孔56、始動入賞装置用貫通孔57及び可変入賞装置用貫通孔58)がそれぞれ当該遊技盤30の前後方向に貫通して形成されている。
具体的には、図9に示すように、遊技盤30の一般入賞口31の配置箇所には、一般入賞口用貫通孔56が形成されている。また、図9に示すように、遊技盤30の始動入賞装置33(図2参照)の配置箇所には、始動入賞装置用貫通孔57が形成されている。また、図9に示すように、遊技盤30の可変入賞装置32(図2参照)の配置箇所には、可変入賞装置用貫通孔58が形成されている。
これらの一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞装置33に入賞した遊技球は、対応する貫通孔(図9に示す一般入賞口用貫通孔56、始動入賞装置用貫通孔57及び可変入賞装置用貫通孔58)を通過して当該遊技盤30の背後に案内される。
集合通路盤60は、図20,図21に示すように、その球通路部のうちで一般入賞口用貫通孔56に連通する通路の途中箇所に、一般入賞口31に入賞した遊技球の入賞検出する図示省略の入賞口スイッチ(通過検出センサ:近接センサ)を備え、その球通路部のうちで始動入賞装置用貫通孔57に連通する通路の途中箇所に、始動入賞装置33に入賞した遊技球の入賞検出する図示省略の作動口スイッチ(通過検出センサ:近接センサ)を備えている。
さらに、この集合通路盤60は、図12に示すように、その正面側に、遊技盤30に磁石を近づけたことを検出する磁気検出センサ(図示省略)と、この磁気検出センサ(図示省略)を例えば横向きに支持する磁気検出センサホルダー68とを備えている。
この磁気検出センサ(図示省略は、例えば、不正行為者が遊技盤30のガラス板137(図1参照)面に磁石を近づけることで、遊技盤30を流下する遊技球を、不正に第1の始動口33a等に入賞させようとする不正行為を検出するためのものである。この磁気検出センサで磁気検出(不正に磁石を近づけたことを検出)は、主制御基板261aあるいはホール側のホストコンピュータ等に出力され、エラー報知(パチンコ機での報知やホール側での報知)や遊技の停止(一部遊技停止)などが行われる。
この磁気検出センサホルダー68は、図12に示すように、集合通路盤60の遊技盤30と対向する側を見た状態で、集合通路盤60の周縁箇所のうちの一部箇所(本実施例では、上部中央から左側にずれた左側箇所と、上部中央から右側にずれた右側箇所)に、遊技盤30の背面に当接するようにして設けられている。なお、磁気検出センサホルダー68を遊技盤30の背面に近接するようにしてもよい。
この集合通路盤60の背面側(遊技盤30から遠い側)には、図20(a)、図21(a)、図24(a)に示すように、回動支持機構部240によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230が下方に回動可能に配設されている。
具体的には、取付台230は、図20、図23、図24に示すように、集合通路盤60の下部側を水平回動軸J2として回動可能にこの集合通路盤60に支持されている。
取付台230は、図9、図10、図13及び図14に示すように、主制御装置261が装着される台部231と、この台部231と集合通路盤60とのスペース(隙間)を少なくする(あるいは、無くす)ためのスペーサ部232とを備えている。この台部231及びスペーサ部232は、例えば樹脂成型部品としている。
台部231は、図9及び図10に示すように、主制御装置261が装着される正面視矩形状の略板状部材である。
スペーサ部232は、図9及び図10に示すように、台部231と合わせる側が開口された開口部232dを有する箱状部材である。スペーサ部232は、図11及び図15に示すように、その内側空間部分に格子状に仕切り壁部232aが形成されており、少ない樹脂材料で構成することができることから軽量化が図られるだけでなく、格子状の仕切り壁部232aによってスペーサ部232自体の変形や撓みが低減され、剛性に優れている。
スペーサ部232は、図15及び図16に示すように、その下部の両端各箇所に、奥行き方向に向かう直線状の溝部236がそれぞれ形成されている。この溝部236を構成する両側壁236aのうちで内側の側壁236a(当該スペーサ部232の横幅中央に近い方の側壁236a)には、後述する回動支持軸部品242を位置させる、奥行き方向に切り欠かれた切り欠き部233が形成されている。
また、台部231は、図13及び図14に示すように、その下部の両端各箇所に、奥行き方向に向かう直線状の溝部231eがそれぞれ形成されている。この溝部231eは、回動支持軸部品242の直径よりも大きい溝幅であり、台部231がスペーサ部232に取り付けた状態でスペーサ部232の溝部236と連通しているので、後述するように取付台230を反転させた場合に(図24参照)、回動支持軸部品242の一部が台部231の溝部231eに位置しており、取付台230を180度反転した状態とすることができる。
取付台230は、図9及び図10に示すように、台部231を、スペーサ部232の開口部232dを閉じるようにして取り付ける。
具体的には、スペーサ部232は、図9及び図10に示すように、遊技盤30の背面視において、その開口部232dの左端部に例えば3個、右端部例えば2個、及び、下端部に例えば1個の係止爪232bがそれぞれ形成されている。これと同様に、台部231は、図9及び図10に示すように、遊技盤30の背面視において、その左端部に例えば3個、右端部例えば2個、及び、下端部に例えば1個の係止孔231bがそれぞれ形成されている。そして、図9及び図10に示すように、後述する回動支持軸部品242を、スペーサ部232の下部の両溝部236での内側の側壁236aに形成された切り欠き部233(図15,図16参照)に位置させた状態において、スペーサ部232の各係止爪232bを台部231の係止孔231bに挿入させて係止させることで、スペーサ部232と台部231とが組み合わされる。
なお、スペーサ部232の切り欠き部233は、このスペーサ部232を樹脂成型した後に切り欠き加工して形成されたものとしてもよいが、本実施例では、スペーサ部232の樹脂成型工程で同時に切り欠き部233が形成されるような成型金型を使用している。
また、スペーサ部232の格子状の仕切り壁部232aは、図11及び図16に示すように、その左上交点箇所と右下交点箇所にねじ穴232cが形成されており、図9及び図13に示すようにこのねじ穴232cに対応する、台部231での箇所に貫通孔231dが形成されており、台部231の貫通孔231dに破断ネジを挿入してスペーサ部232のねじ穴232cにネジを螺入する。このようにすることで取付台230が組み立てられる。なお、破断ネジ以外に、ワンウエイネジを採用してもよい。
台部231をスペーサ部232から取り外したい場合には、ネジ止め箇所の外周箇所に形成されている円弧状切欠部231c間を切断して、その係止を解除することで取り外すことができる。
スペーサ部232は、その集合通路盤60と対向する側のうちで両側箇所に、平坦形状とした平坦部234が形成されている。こうすることで、後述するように取付台230を回動させる際に、スペーサ部232に、集合通路盤60に配設される入賞口スイッチの配線などが引っ掛かることを低減できる。
また、台部231は、図9、図10、図13及び図14に示すように、遊技盤30の背面視で右側上部位置と右側下部位置とに、主制御装置261の被係止部265と係止する係止爪231aがそれぞれ形成されている。
また、回動支持機構部240は、図9,図11に示すように、取付台230を遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置としての、集合通路盤60の背面側に近接した近接位置と、取付台230をその近接位置よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引き出した引出位置)とにスライド変位可能な変位機構部241を備えており、取付台230が離間位置にある状態でこの取付台230を回動可能とするものである。
ここで言う「近接位置」とは、集合通路盤60の背面側に接触する位置や、取付台230と集合通路盤60との間に不正基板等が介装不可な程度の間隔とすることが好ましい。
回動支持機構部240は、図11及び図15に示すように、取付台230を回動支持するための回動支持軸部品242と、この回動支持軸部品242の端部243が挿入されて引き抜き不可に当該端部243と係止する係止部品250と、集合通路盤60に形成されて、この集合通路盤60での遊技盤30と対向する側から係止部品250が挿入されて当該係止部品250を止める取付孔部61と、を備えている。
回動支持軸部品242は、図11及び図15に示すように、遊技盤30の平面視で略コの字状の棒状の金属製部材であり、その両端部243の周面箇所には、図17及び図18に示すように、その周方向に形成されたVノ字状溝が当該端部243に向かう方向に複数個並べて形成されることで鋸歯状周面部244が形成されている。この実施例では、Vノ字状溝のすぐ隣に次のVノ字状溝が形成されているため、両溝の間には逆Vノ字状の山部が形成された鋸歯状周面部244となっている。
係止部品250は、図9及び図10に示すように、集合通路盤60の取付孔部61への挿入方向視において、環状の本体部251と、この本体部251の上側に連結形成された横板状部252とを備えている。
本体部251は、図9及び図10に示すように、取付孔部61への挿入方向に突出してその先端側が内側に折れ曲がり形成された折れ曲がり爪部253を、当該環状に間隔を開けて複数個並べる(例えば4個均等に並べる)ように形成されている。図10に示すように、この4個の折れ曲がり爪部253の先端側は、回動支持軸部品242の端部243が挿入可能な大きさで且つ当該端部243の直径よりも小さい大きさの間隙部254が形成されているので、後述するように回動支持軸部品242の端部243が間隙部254に挿入可能で折れ曲がり爪部253に係止させることができる。
横板状部252は、図9及び図10に示すように、その両側箇所で、取付孔部61への挿入方向に突出した係止突出爪255が形成されている。
集合通路盤60の取付孔部61は、図9に示すように、遊技盤30と対向する側から係止部品250が挿入可能な穴部62と、図10、図17及び図18に示すように、取付台230と対向する側から当該係止部品250が挿入可能で穴部62と連通する、回動支持軸部品242の端部243の径程度の大きさの貫通孔部63とを備えている。
図9に示すように、集合通路盤60の遊技盤30と対向する側から当該集合通路盤60の取付孔部61に、係止部品250の本体部251が挿入されると、この係止部品250の横板状部252の係止突出爪255が、図9及び図10に示すように、集合通路盤60の取付孔部61の上側2箇所に形成された挿入孔64に挿入されて、図16に示すように係止突出爪255が取付孔部61における穴部62と貫通孔部63との境界箇所に形成された段差部65と係止される。
そして、図15及び図16に示すように、回動支持軸部品242を取付台230の下部側の切り欠き部233に挿入させた状態でその端部243を集合通路盤60の背面側から取付孔部61に挿入すると、図17及び図18に示すように、回動支持軸部品242の端部243の周面箇所の鋸歯状周面部244が係止部品250の折れ曲がり爪部253に係止された状態となり、回動支持軸部品242の端部243の係止部品250への挿入は許容するが、回動支持軸部品242を取付孔部61から引き戻そうとしても回動支持軸部品242の鋸歯状周面部244が係止部品250の折れ曲がり爪部253に係止されて引き戻しすることができない。
なお、回動支持軸部品242の端部243が係止部品250の折れ曲がり爪部253に係止された状態を解除するためには、まず、取付台230を集合通路盤60ごと取り外す。こうすることで、集合通路盤60と遊技盤30との間に隠れていた係止部品250にアクセスできる状態となる。そして、係止部品250を破壊する(あるいは集合通路盤60を破壊してもよい)ことで、端部243と折れ曲がり爪部253との係止を解除でき、端部243が取付孔部61から引き抜き可能となる。
また、取付孔部61は、図8に示すように、遊技盤30の背面視した状態において、集合通路盤60における取付台230よりも外側の箇所に設けられている。
回動支持軸部品242は、図11及び図15に示すように、集合通路盤60に向かう延出部245を備えている。この延出部245は、図11及び図15に示すように、取付台230に近い側に当該取付台230を回動支持する回動支持部246を備え、集合通路盤60に近い側に当該回動支持軸部品242の端部243が形成され、この端部243が取付孔部61に向かうように屈折した屈折部247を備えている。
回動支持機構部240は、図17に示すように、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態を保持する姿勢保持部248を備えている。姿勢保持部248は、図17及び図18に示すように、スペーサ部232の溝部236の奥面部236b(両側壁236a間に位置する窪み面部)と、回動支持軸部品242の延出部245での所定箇所(例えば、回動支持部246から屈折部247までの箇所)であって溝部236の奥面部236bが載置される載置部249と、を備えている。つまり、図17及び図18に示すように、取付台230が取付位置(近接位置)に位置している状態では、取付台230が回動支持軸部品242の延出部245に乗った状態となっており、図18に示すように遊技盤30の側面視で取付台230の重心位置が回動支持軸部品242上の位置にあるため、取付台230が自重で反転してしまうことがない。
また、スペーサ部232は、図16に示すように、その溝部236の両側壁236aのうちで外側の側壁236a(当該スペーサ部232の横幅端部に近い方の側壁236a)における、切り欠き部233よりも集合通路盤60に近い箇所に、保持突起部235を備えている。
図16に示すように、取付台230が取付位置(近接位置)にある場合には、スペーサ部232の溝部236の保持突起部235は、回動支持軸部品242での屈折部247に近い箇所(つまり、回動支持部246から遠い箇所)を保持していることから、取付台230を反転させる方向に多少の力(この保持を解除するには至らない程度の力)がかかっても取付台230が取付位置(近接位置)でその取付姿勢状態が保持されている。
つまり、図16に示すように、水平回動軸J2である回動支持部246が支点、保持突起部235が作用点、取付台230の手前側箇所(主制御装置261の取り付け側箇所)が力点となるので、取付台230が取付位置(近接位置)にある場合には、回動支持部246(支点)から保持突起部235(作用点)までの距離よりも、回動支持部246(支点)から取付台230の手前側箇所(力点)までの距離の方が短い。よって、てこの原理により、保持突起部235(作用点)での回動阻止力が大きくなっている。
これに対して、図23(b)に示すように、取付台230が離間位置(引出位置)にある場合には、回動支持部246(支点)から保持突起部235(作用点)までの距離よりも、回動支持部246(支点)から取付台230の手前側箇所(力点)までの距離の方が長い。よって、てこの原理により、保持突起部235(作用点)での回動阻止力が小さくなっており、取付台230の手前側箇所(力点)に軽く力をかけるだけで、取付台230を回動(反転)させることができる。
なお、図18に示すように、取付位置(近接位置)にある取付台230を回動させようとして、無理に力を加えて保持突起部235による回動支持軸部品242の保持を解除しても、取付台230のスペーサ部232の上部がその上側に位置する、遊技盤30の他の部品(例えば、被取付部材43)に当たるので、取付台230の取付位置(近接位置)ではこの取付台230が反転することはない。
図19(a)に示すように、取付台230が取付位置(近接位置)にあると、遊技盤30の背面視において、集合通路盤60の背面の大部分が取付台230で覆われて隠れた状態となる。
また、図17及び図18に示すように、回動支持軸部品242の端部243が係止部品250に挿入されて引き抜き不可に係止された状態では、屈折部247での集合通路盤60に対向する箇所247aが、集合通路盤60の被当接部66に当接する。この当接状態では、回動支持軸部品242の端部243が遊技盤30に対して非接触としている。
また、主制御装置261は、図19に示すように、遊技盤30の背面視で左端側を軸心として片開き可能に遊技盤30に軸支されている。具体的には、主制御装置261は、図19、図21及び図24に示すように、集合通路盤60の左端側を軸心として、近接位置の取付台230に係止された閉状態(図6、図7参照)と、近接位置の取付台230との係止が解除されて当該取付台230から開かれた開状態(図19(a)参照)とに回動変位可能に支持されている。
図19(a)に示すように取付台230を集合通路盤60に近接する近接位置とした上で、図19(a)に示す片開き状態の主制御装置261を、図6,図7に示すように閉状態とすると、この主制御装置261の被係止部265が取付台230の係止爪231aにより係止された状態となる。この状態では、図6,図7に示すように、取付台230の係止爪231aとの係止状態を解除しない限り、主制御装置261は、図19(a)に示す開状態とすることができないし、取付台230は、図17,図18に示すように、集合通路盤60の背面側に近接位置で保持されている。
なお、上述した遊技盤30が後述する遊技部品に相当し、上述した取付台230が配設部品に相当し、上述した集合通路盤60が取付部品に相当し、上述した回動支持機構部240が回動支持機構に相当し、上述した主制御装置261が開閉部品に相当し、上述した回動支持軸部品242が回動支持部品に相当し、上述した取付孔部61が取付部に相当する。また、上述した変位機構部241がスライド変位機構部に相当し、上述した姿勢保持部248が支持部に相当し、上述した切り欠き部233及び保持突起部235が回動阻止力変更部に相当する。
ここで、取付台230の反転手順について説明する。
図19(a)に示すように、取付台230の係止爪231aが主制御装置261の被係止部265から離れる方向にこの係止爪231aに力を加えてそれらの係止を解除し、主制御装置261を、遊技盤30の背面視で左端側を軸心として片開き状態にする。
取付台230は、図19(a)に示すように、取付位置(近接位置)にあり、図19(a)の拡大図に示すように、回動支持軸部品242の先端と回動支持部246との間の位置に保持突起部235が位置している。
そして、図19(b)に示すように、取付位置(近接位置)にある取付台230を引き出して、集合通路盤60から離れた離間位置(引出位置)にする。
取付台230は、図19(b)に示すように、離間位置(引出位置)にあり、図19(b)の拡大図に示すように、回動支持軸部品242の回動支持部246に近い位置に保持突起部235が位置し、図20(a)に示すように、遊技盤30の側面視で取付台230の重心位置が回動支持軸部品242よりも手前位置になっている。
そして、作業者が取付台230を回動させるためにこの取付台230に軽く力をかけることで、図20(b)、図21(b)、図22(b)及び図23(b)に示すように、回動軸J2周りに回動する。
そして、図24に示すように、取付台230が180度反転して、取付台230の集合通路盤60と対向していた面が露わになる。
なお、取付台230を元に戻す場合には上記作業を逆に行えば良い。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが正面側に形成された遊技盤30と、この遊技盤30の背面側に配設される取付台230と、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する回動支持機構部240とを備え、この回動支持機構部240は、取付台230を、遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、この取付位置(近接位置)よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とにスライド変位可能な変位機構部241と、取付位置(近接位置)の取付台230を取付姿勢で支持する姿勢保持部248と、取付位置(近接位置)よりも離間位置(引出位置)の方が取付台230の回動阻止力を小さくした回動阻止力変更部(切り欠き部233及び保持突起部235)とを備えている。
したがって、遊技盤30は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが形成され、その背面側に取付台230が配設される。取付台230は、回動支持機構部240によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として回動可能に支持されている。変位機構部241は、取付台230を、遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、この取付位置(近接位置)よりも前記遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とにスライド変位可能である。姿勢保持部248は、取付位置(近接位置)の取付台230を取付姿勢で支持するので、取付台230の閉状態を保持できる。また、作業者が取付位置(近接位置)の取付台230から手を離してもこの取付台230が回動することがなく、取付位置(近接位置)の取付台230が回動することに起因する取付台230及び他の部品(例えば、被取付部材43)の損傷を低減できる。
さらに、取付台230の回動阻止力は、取付台230が取付位置(近接位置)にあるときよりも離間位置(引出位置)にあるときの方が小さいので、離間位置(引出位置)では取付位置(近接位置)よりも小さい力で取付台230を回動させることができ、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させて当該離間位置(引出位置)で回動させる方が取付位置(近接位置)よりも回動させ易く、取付台230を容易に開状態にできる。その結果、取付台230の閉状態を保持できつつ、取付台230を容易に開状態にできる遊技機を提供することができる。
また、変位機構部241は、取付台230を、離間位置(引出位置)から遊技盤30の背面側の取付位置(近接位置)に変位させるので、取付位置(近接位置)の取付台230と遊技盤30の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させてから回動させるので、取付台230を例えば上下方向に回動させる構成の場合に、取付位置(近接位置)にある取付台230の上側に他の部品(例えば、被取付部材43)を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。また、取付台230を例えば左右方向に回動させる構成の場合に、取付位置(近接位置)にある取付台230の左側に他の部品を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の右側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の左側又は右側の隙間を低減することができ、左側又は右側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、回動支持機構部240は、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する。離間位置(引出位置)の取付台230は、遊技盤30の側面視において、その重心位置が回動軸J2よりも回動側(遊技盤30背面の後方位置)に位置しているので、その自重によって回動させることができ、さらに回動させ易くできる。
また、回動支持軸部品242の端部243が係止部品250に挿入されて引き抜き不可に係止された状態では、屈折部247での集合通路盤60に対向する箇所247aが、集合通路盤60の被当接部66に当接する。この当接状態では、回動支持軸部品242の端部243が遊技盤30に対して非接触としている。したがって、取付台230が取付位置(近接位置)に勢い良くスライドされた場合に、その力が集合通路盤60の被当接部66に伝達されるだけで、回動支持軸部品242の端部243が遊技盤30の背面に当接することが低減でき、回動支持軸部品242の端部243による遊技盤30の損傷を低減できる。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが正面側に形成された遊技盤30と、この遊技盤30の背面側に配設される取付台230と、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する回動支持機構部240とを備えている。
したがって、遊技盤30は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域が形成され、その背面側に取付台230が配設される。取付台230は、回動支持機構部240によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として回動可能に支持されているので、遊技盤30の背面視で左端または右端箇所に回動支持機構部240が位置することがなく、遊技盤30の正面視で遊技領域の左端及び右端箇所にも役物(例えば入賞部品など)を配設することができ、役物の設計自由度を拡大できる。
また、取付台230は、その高さよりも長い横幅方向が回動軸J2方向として回動されるので、回動支持機構部240などの撓みを低減でき、撓みに起因する取付台230の回動し辛さや取付台230などの破損を低減できる。その結果、役物の設計自由度を向上でき且つ取付台230の破損を低減できるパチンコ機10(遊技機)を提供することができる。
また、回動支持機構部240は、取付台230を遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、取付台230をその取付位置(近接位置)よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とに変位可能な変位機構部241を備え、離間位置(引出位置)の取付台230を回動可能である。したがって、変位機構部241は、取付台230を、離間位置(引出位置)から遊技盤30の背面側の取付位置(近接位置)に変位させるので、取付位置(近接位置)の取付台230と遊技盤30の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させてから回動させるので、取付台230を上下方向に回動させる構成下においても、取付位置(近接位置)にある取付台230の上側に他の部品(例えば、被取付部材43)を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、主制御装置261は、遊技盤30の背面側で取付位置(近接位置)の取付台230に係止された閉状態となるので、主制御装置261と取付台230との間に不正な部品などが入れられた場合には、主制御装置261を取付台230に対して閉状態にすることができない。よって、主制御装置261と取付台230との間に不正な部品などが入れられる不正行為を低減することができる。
また、遊技盤30の背面に取り付けられる集合通路盤60を備え、取付台230は、取付位置(近接位置)において集合通路盤60での遊技盤30と対向する側とは反対側に近接しており、回動支持機構部240は、取付台230を回動支持するための回動支持軸部品242と、この回動支持軸部品242の端部243が挿入されて引き抜き不可に当該端部243と係止する係止部品250と、集合通路盤60に形成されて、集合通路盤60での遊技盤30と対向する側から係止部品250が挿入されて当該係止部品250を止める取付孔部61と、を備えている。
したがって、遊技盤30の背面には、集合通路盤60が取り付けられ、取付位置(近接位置)の取付台230は、集合通路盤60の遊技盤30と対向する側とは反対側に近接している。取付台230を回動支持するための回動支持軸部品242の端部243は、集合通路盤60の取付孔部61に挿入されて止められた係止部品250に、挿入されて引き抜けないように係止されているので、取付台230が回動支持機構部240の回動支持軸部品242ごと引き抜かれることを低減でき、取付台230に対する不正行為を低減できる。
また、取付台230を集合通路盤60から取り外したい場合には、取付台230を集合通路盤60ごと遊技盤30から取り外し、この集合通路盤60の取付孔部61に挿入された係止部品250を破壊することで、取付台230を回動支持軸部品242ごと集合通路盤60から取り外すことができる。また、取付台230を集合通路盤60に再度装着する場合には、新たに用意した係止部品250を集合通路盤60の取付孔部61に挿入し、取付台230の回動支持軸部品242の端部243を取付孔部61の係止部品250に挿入して係止すればよく、集合通路盤60を再利用することができる。
また、回動支持機構部240は、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態を保持する姿勢保持部248を備えている。したがって、姿勢保持部248は、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態で保持できるので、主制御装置261を、取付位置(近接位置)の取付台230に係止された閉状態にする際に、作業者は、取付位置(近接位置)の取付台230を手で押さえておく必要がなく、取付位置(近接位置)の取付台230から手を離して主制御装置261を閉じれば良いので、作業性に優れる。
また、遊技盤30の背面視で集合通路盤60における取付台230よりも外側の箇所に、取付孔部61を設けているので、集合通路盤60の取付孔部61に係止される回動支持軸部品242の端部243の係止位置を遊技盤30の背面視で周縁位置とすることができ、役物の遊技盤30への配設箇所制限を低減できる。また、回動支持軸部品242の延出部245は、その端部243が取付孔部61に向かうように屈折した屈折部247を備えているので、屈折部247を有する延出部245と長さが同一で且つ一直線状の延出部の場合に比べて、延出部245の剛性を高めることができ、取付台230の撓みを低減できる。
次に、実施例2のパチンコ機10について図25〜図45を用いて説明する。図25は、実施例2の遊技盤30の背面図である。図26は、実施例2の遊技盤30の背面右上から見た背面斜視図である。図27は、図26の背面斜視図であって回動支持機構部400を破線で示した図である。図28は、実施例2の遊技盤30の正面右上から見た分解斜視図である。図29は、実施例2の遊技盤30の背面右上から見た分解斜視図である。図30は、実施例2の遊技盤30の背面左下から見た分解斜視図である。図31は、実施例2の遊技盤30の背面右下から見た分解斜視図である。図32は、取付台230を集合通路盤60に近接させた近接位置にある状態を示す遊技盤30の背面右上視斜視図である。図33は、取付台230の取り付ける様子を示す図である。図34(a)〜(c)は、回動支持機構部400の組み立て手順を示す一部破断斜視図である。図35(a),(b)は、図34に続いての組み立て手順を示す一部破断斜視図である。図36(a)〜(c)は、回動支持機構部400の組み立て手順を示す要部縦断面図である。図37(a),(b)は、図36に続いての組み立て手順を示す要部縦断面である。図38(a)〜(c)は、取付台230の引き出し手順を示す背面右下視斜視図である。図39(a),(b)は、取付台230の反転手順を示す背面右下視斜視図である。図40(a),(b)は、取付台230の引き出し手順を示す縦断面図である。図41(a),(b)は、取付台230の反転手順を示す縦断面図である。図42(a),(b)は、取付台230の引き出し手順を示す一部破断斜視図である。図43(a),(b)は、取付台230の反転手順を示す一部破断斜視図である。図44は、取付台230及び集合通路盤60の側面図である。図45は、取付台230及び集合通路盤60の図44に示したA−A線断面図である。
なお、図25〜図33,図38及び図39では、遊技盤30は、その背面側に、集合通路盤60と、取付台230と、主制御装置261と、第3図柄表示装置42が取り付けられる被取付部材43とを備えた状態を図示し、その他の構成品(遊技盤30の正面側に配設される可変表示装置ユニット35やレール51,52や釘や一般入賞口31や可変入賞装置32や始動入賞装置33など)の図示を省略している。
実施例2の遊技盤30は、前述した実施例1と同様に、取付台230が水平軸を軸心として反転可能なものであるが、実施例2の回動支持機構部400は、前述した実施例1の回動支持機構部240と比べて、具体的構成が異なっている。よって、本実施例2では、前述した実施例1と同様の内容についてはその詳細な説明を省略し、実施例1とは異なる実施例2の回動支持機構部400について詳細に説明する。
図25及び図26に示すように、集合通路盤60の背面側(遊技盤30から遠い側)には、回動支持機構部400によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230が回動可能に配設されている。
回動支持機構部400は、図27〜図31に示すように、取付台230を遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置としての、集合通路盤60の背面側に近接した近接位置と、取付台230をその近接位置よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引き出した引出位置)とにスライド変位可能な変位機構部401を備えており、取付台230が離間位置にある状態でこの取付台230を回動可能とするものである。
回動支持機構部401は、図28〜図31に示すように、取付台230を回動支持するための回動支持軸部品402と、この回動支持軸部品402の端部403が挿入されて引き抜き不可に当該端部403と係止する係止部品410と、集合通路盤60に形成されて、この集合通路盤60での遊技盤30と対向する側から係止部品410が挿入されて当該係止部品410を止める取付孔部70と、を備えている。
また、取付孔部70は、図25に示すように、遊技盤30の背面視した状態において、集合通路盤60における取付台230よりも外側の箇所に設けられている。図29及び図31に示すように、遊技盤30の背面視において、取付孔部70の右側面箇所には、段差部73が形成されている。
回動支持軸部品402は、図28〜図31に示すように、遊技盤30の平面視で略トノ字状で挿入方向視で厚みの薄い金属製部材である。
回動支持軸部品402は、図28〜図31に示すように、集合通路盤60に向かう延出部405を備えている。この延出部405は、図28〜図31に示すように、取付台230に近い側に当該取付台230を回動支持する鉤状の回動支持部406を備え、集合通路盤60に近い側に当該回動支持軸部品402の端部403が形成され、この端部403が取付孔部70に向かうように屈折した屈折部407を備えている。
鉤状の回動支持部406は、図28〜図31に示すように、遊技盤30の側面視で略Lノ字状の軸案内切り欠き部406aを備えている。回動支持軸部品402は、図34及び図35に示すように、回動支持部406の略Lノ字状の軸案内切り欠き部406aに、スペーサ部232の後述する軸部238を位置させるようにして、この軸部238に掛けられる。
回動支持軸部品402は、図28〜図31に示すように、その屈折部407での端部403から遠い箇所に、係止部品410と係止するための係止孔407aと、当該回動支持軸部品402が取付孔部70に挿入された状態でこの取付孔部70の縁部71に当接する規制板部407bとを備えている。図35に示すように、回動支持軸部品402の端部403が集合通路盤60の取付孔部70に挿入されると、規制板部407bが取付孔部70の縁部71に当接するので、回動支持軸部品402が取付孔部70への挿入方向に押し出されて抜けないように規制できる。
係止部品410は、図28〜図31に示すように、遊技盤30の平面視で略Eノ字状の樹脂成形部品である。具体的には、係止部品410は、図29に示すように、3つの板部411が並設されるとともに、それらの板部411の挿入方向後端側が連結された形状である。図31に示すように、遊技盤30の背面右下視した状態において、右側の係止部品410は3つの板部411の長さがそれぞれ等しくなっているのに対して、左側の係止部品410は、左側の板部411の長さがそれ以外の板部411よりも短くなっている。
左側の係止部品410は、図31に示すように、遊技盤30の背面右下視した状態において、その右側の板部411での外側中央上部箇所に、集合通路盤60に係止する第1係止突起部412が形成されている。また、左側の係止部品410は、図31及び図45に示すように、その真ん中の板部411での右側の板部411に対向する面での先端箇所に、回動支持軸部品402の係止孔407aに係止する第2係止突起部413が形成されている。
右側の係止部品410は、図31に示すように、遊技盤30の背面右下視した状態において、その右側の板部411での外側中央上部箇所に、集合通路盤60に係止する第1係止突起部が形成されている。また、右側のの係止部品410は、図45での左側の拡大図に示すように、その真ん中の板部411での右側の板部411に対向する面での中央箇所に回動支持軸部品402に係止する第2係止突起部(図45参照)が形成されている。
係止部品410は、図28〜図31に示すように、集合通路盤60の取付孔部70での遊技盤30に近い方から挿入されると、図45に示すように、端側の板部411の先端411aが取付孔部70内の止め部72に当接しているため、係止部品410が挿入方向に押し出されて抜けないように規制できる。
スペーサ部232は、図31に示すように、その下部の両端各箇所に、奥行き方向に向かう直線状の溝部237がそれぞれ形成されている。この溝部237は、その溝を構成する両側壁237aと、その両側壁237a間に位置し溝底である奥面部237bと、を備えている。
また、台部231は、図28及び図29に示すように、その下部の両端各箇所に、奥行き方向に向かう直線状の溝部231fがそれぞれ形成されている。この溝部231fは、回動支持軸部品402の直径よりも大きい溝幅であり、図38(c)に示すように、台部231がスペーサ部232に取り付けた状態でスペーサ部232の溝部237と連通しているので、後述するように取付台230を反転させた場合に(図41(b)及び図43参照)、回動支持軸部品402の一部が台部231の溝部231fに位置しており、取付台230を180度反転した状態とすることができる。
さらに、この溝部237は、図34に示すように、その溝長さ方向の略中央箇所に、回動支持軸部品402の鉤状の回動支持部406が掛けられる軸部238を備えている。この軸部238は、図42及び図43に示すように、両側壁237aの所定箇所(側壁237aの長さ方向の略中央箇所で且つ高さ方向の略中央箇所)同士を結ぶ円柱状部材である。
さらに、回動支持機構部400は、図27〜図31に示すように、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態で支持する姿勢保持部408を備えている。姿勢保持部408は、図40及び図42に示すように、スペーサ部232の溝部237の奥面部237bと、回動支持軸部品402の延出部405での所定箇所(例えば、回動支持部406から屈折部407までの箇所)であって溝部237の奥面部237bが載置される載置部409と、を備えている。つまり、図40及び図42に示すように、取付台230が取付位置(近接位置)に位置している状態では、取付台230が回動支持軸部品402の延出部405に乗った状態となっており、図40に示すように遊技盤30の側面視で取付台230の重心位置が回動支持軸部品402上の位置にあるため、取付台230が自重で反転してしまうことがない。
また、回動支持機構部400は、図28〜図31に示すように、回動支持軸部品402の鉤状の回動支持部246に取り付けられる止め部品420(ロック部品)を備えている。図34(c)に示す止め部品420を、図35(a)に示すように回動支持部246に取り付けた状態とした上で、図35(b)に示すように台部231をスペーサ部232の開口部232dを塞ぐように取り付けることで、止め部品420が台部231とスペーサ部232とで挟まれた状態となる。
この止め部品420は、図31に示すように、取付方向視で略Tノ字状の形状であり、下向きに突き出て且つ回動支持部246が挿入可能な間隔を開けて並設された並設板部421を備えている。この並設板部421は、その内側に例えば略半球状突起422が形成されており、図35及び図37に示すように止め部品420が回動支持部246に取り付けられた状態では、回動支持部246の軸案内切り欠き部406aに略半球状突起422が係合している。なお、略半球状突起422の形状に変えて、円柱状、立方体状など各種の形状の突起を採用してもよい。
図40(a)に示すように、取付台230が取付位置(近接位置)にある場合には、止め部品420の略半球状突起422が回動支持部246の軸案内切り欠き部406aに係合しているため、取付台230を反転させる方向に多少の力(この係合を解除するには至らない程度の力)がかかっても取付台230が取付位置(近接位置)でその取付姿勢状態が保持されている。
これに対して、図40(b)に示すように、取付台230が離間位置(引出位置)にある場合には、止め部品420の略半球状突起422が回動支持部246の軸案内切り欠き部406aから外れているため、取付台230の手前側箇所に軽く力をかけるだけで、取付台230を回動(反転)させることができる。つまり、取付台230が離間位置(引出位置)にある場合には、取付台230が取付位置(近接位置)にある場合に比べて、回動阻止力が小さくなっている。
なお、図40(a)に示すように、取付位置(近接位置)にある取付台230を回動させようとして、無理に力を加えて止め部品420の略半球状突起422を回動支持部246の軸案内切り欠き部406aから外れさせても、取付台230のスペーサ部232の上部がその上側に位置する、遊技盤30の他の部品(例えば、被取付部材43)に当たるので、取付台230の取付位置(近接位置)ではこの取付台230が反転することはない。
また、図50に示すように、回動支持軸部品402の端部403が係止部品410に挿入されて引き抜き不可に係止された状態では、屈折部407での集合通路盤60に対向する箇所である規制板部407bが、集合通路盤60の縁部71に当接する。この当接状態では、回動支持軸部品402の端部403が遊技盤30に対して非接触である。
なお、上述した回動支持機構部400が回動支持機構に相当し、上述した回動支持軸部品402が回動支持部品に相当し、上述した取付孔部70が取付部に相当する。また、上述した変位機構部401がスライド変位機構部に相当し、上述した姿勢保持部408が支持部に相当し、上述した止め部品420及び軸案内切り欠き部406aが回動阻止力変更部に相当し、上述した縁部71が被当接部に相当する。
ここで、取付台230及び回動支持機構部400の組み付け手順について、図34〜図37を用いて説明する。
図34(a)及び図36(a)に示すように、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aにスペーサ部232の軸部238が入るように、回動支持軸部品402を矢印Y1方向に移動させる。
続いて、図34(a)及び図36(a)に示すように、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aにスペーサ部232の軸部238が挿入された状態で、回動支持軸部品402を矢印Y2方向に移動させて、図34(b)及び図36(b)に横状態で一点鎖線で示すように、軸案内切り欠き部406aの奥側にスペーサ部232の軸部238を位置させた状態にする。
続いて、図34(b)及び図36(b)に示すように、横状態で一点鎖線で示された回動支持軸部品402を矢印Y3の反時計回りに180度回動させることで、回動支持軸部品402を図34(b)及び図36(b)に実線で示す状態にする。
続いて、図34(b)及び図36(b)に実線で示された回動支持軸部品402を、矢印Y4方向に移動させて、図34(c)及び図36(c)に示すように、軸案内切り欠き部406aの角部にスペーサ部232の軸部238を位置させた状態にする。
そして、図34(c)及び図36(c)に示すように、止め部品420を、その略半球状突起422が回動支持部246の軸案内切り欠き部406aに係合するように、矢印Y5方向に移動させて回動支持部246に取り付ける。
続いて、図35(a)及び図37(a)に示すように、スペーサ部232の開口部232dを塞ぐように、台部231を矢印Y6の方向に移動させてスペーサ部232に取り付ける。この取付状態では、スペーサ部232の各係止爪232bが、台部231の係止孔231bにそれぞれ係止されている。なお、図35(b)及び図37(b)に示すように、止め部品420が台部231とスペーサ部232とで挟まれた状態となる。
そして、図35(a)及び図37(a)に示すように、台部231の貫通孔231dに破断ネジを矢印Y7の方向に挿入してスペーサ部232のねじ穴232cにネジを螺入する。このようにすることで取付台230が組み立てられる。なお、破断ネジ以外に、ワンウエイネジを採用してもよい。
続いて、図35(a)及び図37(a)に示すように、取付台230の回動支持軸部品402の端部403を、集合通路盤60の取付孔部70に挿入する。なお、図45に示すように、取付孔部70には、その遊技盤30側の開口から係止部品410が挿入された状態としており、図42に示すように、係止部品410の第1係止突起部412が、遊技盤30の背面視において取付孔部70の右側面箇所の段差部73に係止されているので、係止部品410が取付孔部70から抜き取ることができないように規制されている。
図35(b)及び図37(b)に示すように、回動支持軸部品402の屈折部407の係合孔407aに、取付孔部70内の係止部品410の第2係止突起部413が係止されているので、回動支持軸部品402が取付孔部70から抜き取ることができないように規制されている。
このように、回動支持軸部品402の係合孔407aに、取付孔部70内の係止部品410の第2係止突起部413が係止されると(図35(b)及び図37(b)参照)、図40に示すように、取付台230が回動支持軸部品402に乗った状態であるので、この取付台230を下方向に移動できないし、図41(b)に示すように、取付台230を反転姿勢にしても、取付台230の軸部238が回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aの奥側に位置しているので、この取付台230を回動支持軸部品402から取り外せないように規制されている。
ここで、取付台230の反転手順について説明する。
図30(a)に示すように、取付台230に係止されて閉状態となった主制御装置261について、取付台230の係止爪231aが主制御装置261の被係止部265から離れる方向にこの係止爪231aに力を加えてそれらの係止を解除し、図38(b)に示すように、主制御装置261を、遊技盤30の背面視で左端側を軸心として片開き状態にする。
取付台230は、図30(b)に示すように、取付位置(近接位置)にあり、図40(a)に示すように、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aの奥側に止め部品420の略半球状突起422が係合するとともに、取付台230の軸部238が回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aの角部に位置し、取付台230の溝部237の奥面部237bが回動支持軸部品402の載置部409に載置された状態が維持されている。
そして、図38(c)及び図40(b)に示すように、取付位置(近接位置)にある取付台230を引き出して、集合通路盤60から離れた離間位置(引出位置)にする。
図40(b)に示すように、遊技盤30の側面視において、取付台230は離間位置(引出位置)にあり、止め部品420の略半球状突起422が回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aから外れて引出方向に移動した位置にあるので、取付台230の重心位置が引出方向に移動した位置になっている。
そして、作業者が取付台230を回動させるためにこの取付台230に軽く力をかけることで、図39及び図41に示すように、回動軸J2周りに回動する。
そして、図39(b)及び図41(b)に示すように、取付台230が180度反転して、取付台230の集合通路盤60と対向していた面が露わになる。
なお、取付台230を元に戻す場合には上記作業を逆に行えば良い。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが正面側に形成された遊技盤30と、この遊技盤30の背面側に配設される取付台230と、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する回動支持機構部400とを備え、この回動支持機構部400は、取付台230を、遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、この取付位置(近接位置)よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とにスライド変位可能な変位機構部401と、取付位置(近接位置)の取付台230を取付姿勢で支持する姿勢保持部408と、取付位置(近接位置)よりも離間位置(引出位置)の方が取付台230の回動阻止力を小さくした回動阻止力変更部(止め部品420及び軸案内切り欠き部406a)とを備えている。
したがって、遊技盤30は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが形成され、その背面側に取付台230が配設される。取付台230は、回動支持機構部400によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として回動可能に支持されている。変位機構部401は、取付台230を、遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、この取付位置(近接位置)よりも前記遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とにスライド変位可能である。姿勢保持部408は、取付位置(近接位置)の取付台230を取付姿勢で支持するので、取付台230の閉状態を保持できる。また、作業者が取付位置(近接位置)の取付台230から手を離してもこの取付台230が回動することがなく、取付位置(近接位置)の取付台230が回動することに起因する取付台230及び他の部品(例えば、被取付部材43)の損傷を低減できる。
さらに、取付台230の回動阻止力は、取付台230が取付位置(近接位置)にあるときよりも離間位置(引出位置)にあるときの方が小さいので、離間位置(引出位置)では取付位置(近接位置)よりも小さい力で取付台230を回動させることができ、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させて当該離間位置(引出位置)で回動させる方が取付位置(近接位置)よりも回動させ易く、取付台230を容易に開状態にできる。その結果、取付台230の閉状態を保持できつつ、取付台230を容易に開状態にできる遊技機を提供することができる。
また、変位機構部401は、取付台230を、離間位置(引出位置)から遊技盤30の背面側の取付位置(近接位置)に変位させるので、取付位置(近接位置)の取付台230と遊技盤30の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させてから回動させるので、取付台230を例えば上下方向に回動させる構成の場合に、取付位置(近接位置)にある取付台230の上側に他の部品(例えば、被取付部材43)を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。また、取付台230を例えば左右方向に回動させる構成の場合に、取付位置(近接位置)にある取付台230の左側に他の部品を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の右側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の左側又は右側の隙間を低減することができ、左側又は右側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、回動支持機構部400は、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する。離間位置(引出位置)の取付台230は、遊技盤30の側面視において、その重心位置が引出方向に移動した位置になっているので、回動させ易くできる。また、重心位置が回動軸J2よりも回動側(遊技盤30背面の後方位置)に位置している場合には、その自重によって回動させることができ、さらに回動させ易くできる。
また、回動支持軸部品402の端部403が係止部品410に挿入されて引き抜き不可に係止された状態では、屈折部407での集合通路盤60に対向する箇所である規制板部407bが、集合通路盤60の縁部71に当接する。この当接状態では、回動支持軸部品402の端部403が遊技盤30に対して非接触としている。したがって、取付台230が取付位置(近接位置)に勢い良くスライドされた場合に、その力が集合通路盤60の縁部71に伝達されるだけで、回動支持軸部品402の端部403が遊技盤30の背面に当接することが低減でき、回動支持軸部品402の端部403による遊技盤30の損傷を低減できる。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aが正面側に形成された遊技盤30と、この遊技盤30の背面側に配設される取付台230と、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として取付台230を回動可能に支持する回動支持機構部400とを備えている。
したがって、遊技盤30は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域が形成され、その背面側に取付台230が配設される。取付台230は、回動支持機構部400によって、遊技盤30の背面視で下部側を回動軸J2として回動可能に支持されているので、遊技盤30の背面視で左端または右端箇所に回動支持機構部400が位置することがなく、遊技盤30の正面視で遊技領域の左端及び右端箇所にも役物(例えば入賞部品など)を配設することができ、役物の設計自由度を拡大できる。
また、取付台230は、その高さよりも長い横幅方向が回動軸J2方向として回動されるので、回動支持機構部400などの撓みを低減でき、撓みに起因する取付台230の回動し辛さや取付台230などの破損を低減できる。その結果、役物の設計自由度を向上でき且つ取付台230の破損を低減できるパチンコ機10(遊技機)を提供することができる。
また、回動支持機構部400は、取付台230を遊技盤30の背面側に取り付けた取付位置(近接位置)と、取付台230をその取付位置(近接位置)よりも遊技盤30の背面側から離間させた離間位置(引出位置)とに変位可能な変位機構部401を備え、離間位置(引出位置)の取付台230を回動可能である。したがって、変位機構部401は、取付台230を、離間位置(引出位置)から遊技盤30の背面側の取付位置(近接位置)に変位させるので、取付位置(近接位置)の取付台230と遊技盤30の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、取付台230を離間位置(引出位置)に移動させてから回動させるので、取付台230を上下方向に回動させる構成下においても、取付位置(近接位置)にある取付台230の上側に他の部品(例えば、被取付部材43)を近接配置したり、取付位置(近接位置)にある取付台230の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置(近接位置)の取付台230の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、主制御装置261は、遊技盤30の背面側で取付位置(近接位置)の取付台230に係止された閉状態となるので、主制御装置261と取付台230との間に不正な部品などが入れられた場合には、主制御装置261を取付台230に対して閉状態にすることができない。よって、主制御装置261と取付台230との間に不正な部品などが入れられる不正行為を低減することができる。
また、遊技盤30の背面に取り付けられる集合通路盤60を備え、取付台230は、取付位置(近接位置)において集合通路盤60での遊技盤30と対向する側とは反対側に近接しており、回動支持機構部400は、取付台230を回動支持するための回動支持軸部品402と、この回動支持軸部品402の端部403が挿入されて引き抜き不可に当該端部403と係止する係止部品410と、集合通路盤60に形成されて、集合通路盤60での遊技盤30と対向する側から係止部品410が挿入されて当該係止部品410を止める取付孔部70と、を備えている。
したがって、遊技盤30の背面には、集合通路盤60が取り付けられ、取付位置(近接位置)の取付台230は、集合通路盤60の遊技盤30と対向する側とは反対側に近接している。取付台230を回動支持するための回動支持軸部品402の端部403は、集合通路盤60の取付孔部70に挿入されて止められた係止部品410に、挿入されて引き抜けないように係止されているので、取付台230が回動支持機構部400の回動支持軸部品402ごと引き抜かれることを低減でき、取付台230に対する不正行為を低減できる。
また、取付台230を集合通路盤60から取り外したい場合には、取付台230を集合通路盤60ごと遊技盤30から取り外し、この集合通路盤60の取付孔部70に挿入された係止部品410を破壊することで、取付台230を回動支持軸部品402ごと集合通路盤60から取り外すことができる。また、取付台230を集合通路盤60に再度装着する場合には、新たに用意した係止部品410を集合通路盤60の取付孔部70に挿入し、取付台230の回動支持軸部品402の端部403を取付孔部70の係止部品410に挿入して係止すればよく、集合通路盤60を再利用することができる。
また、回動支持機構部400は、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態を保持する姿勢保持部408を備えている。したがって、姿勢保持部408は、取付位置(近接位置)の取付台230をその取付姿勢状態で保持できるので、主制御装置261を、取付位置(近接位置)の取付台230に係止された閉状態にする際に、作業者は、取付位置(近接位置)の取付台230を手で押さえておく必要がなく、取付位置(近接位置)の取付台230から手を離して主制御装置261を閉じれば良いので、作業性に優れる。
また、遊技盤30の背面視で集合通路盤60における取付台230よりも外側の箇所に、取付孔部70を設けているので、集合通路盤60の取付孔部70に係止される回動支持軸部品402の端部403の係止位置を遊技盤30の背面視で周縁位置とすることができ、役物の遊技盤30への配設箇所制限を低減できる。また、回動支持軸部品402の延出部245は、その端部403が取付孔部70に向かうように屈折した屈折部247を備えているので、延出部245を直線状とした場合に比べて、延出部245の剛性を高めることができ、取付台230の撓みを低減できる。
次に、実施例3のパチンコ機10について図46〜図50を用いて説明する。図46は、実施例3の遊技盤30の正面右上から見た分解斜視図である。図47(a),(b)は、回動支持機構部400の組み立て手順を示す一部破断斜視図である。図48(a),(b)は、図47に続いての組み立て手順を示す一部破断斜視図である。図49(a),(b)は、回動支持機構部400の組み立て手順を示す要部縦断面図である。図50(a),(b)は、図49に続いての組み立て手順を示す要部縦断面である。
実施例3の回動支持機構部400は、前述の実施例2において別部品であった止め部品420を台部231に一体的に形成した止め部235を当該台部231に備えている点が、前述の実施例2とは異なっている。したがって、本実施例3では、前述の実施例2とは異なる構成(台部231の止め部235)について詳細に説明する。
実施例3の取付台230は、実施例2と同様に、図46及び図48に示すように、台部231の下部側両端箇所に溝部237が形成され、スペーサ部232の下部側両端箇所に溝部231fが形成されている。
図46に示すように、スペーサ部232は、そのスペーサ部232と対向する側で溝部231fの周囲箇所に、止め部235を備えている。止め部235は、図46に示すように、溝部231fの溝幅間隔と同じ間隔を空けて並設されて、且つ、その両側壁方向に突出した一対の突板部426を備えている。この一対の突板部426は、図46に示すように、その対向面箇所で向かい合うように、略半球状突起427が形成されている。なお、略半球状突起427の形状に変えて、円柱状、立方体状など各種の形状の突起を採用してもよい。
図48(b)及び図50(b)に示すように、取付台230の回動支持軸部品402の端部403が集合通路盤60の取付孔70に挿入されて当該取付台230が取付位置(近接位置)に位置しているときには、止め部235の略半球状突起427は、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aの奥側に係合した状態となる。
ここで、取付台230及び回動支持機構部400の組み付け手順について、図47〜図50を用いて説明する。
図47(a)及び図49(a)に示すように、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aにスペーサ部232の軸部238が入るように、回動支持軸部品402を矢印Y1方向に移動させる。
続いて、図47(a)及び図49(a)に示すように、回動支持軸部品402の軸案内切り欠き部406aにスペーサ部232の軸部238が挿入された状態で、回動支持軸部品402を矢印Y2方向に移動させて、図47(b)及び図49(b)に横状態で一点鎖線で示すように、軸案内切り欠き部406aの奥側にスペーサ部232の軸部238を位置させた状態にする。
続いて、図47(b)及び図49(b)に示すように、横状態で一点鎖線で示された回動支持軸部品402を矢印Y3の反時計回りに180度回動させることで、回動支持軸部品402を図47(b)及び図49(b)に実線で示す状態にする。
続いて、図47(b)及び図49(b)に実線で示された回動支持軸部品402を、矢印Y4方向に移動させて、図48(a)及び図50(a)に示すように、軸案内切り欠き部406aの角部にスペーサ部232の軸部238を位置させた状態にする。
そして、図48(a)及び図50(a)に示すように、止め部425を、その略半球状突起427が回動支持部246の軸案内切り欠き部406aに係合するようにして、回動支持部246に取り付ける。
続いて、図48(a)及び図50(a)に示すように、スペーサ部232の開口部232dを塞ぐように、台部231を矢印Y5の方向に移動させてスペーサ部232に取り付ける。
そして、図48(a)及び図50(a)に示すように、台部231の貫通孔231dに破断ネジを矢印Y6の方向に挿入してスペーサ部232のねじ穴232cにネジを螺入する。このようにすることで取付台230が組み立てられる。なお、破断ネジ以外に、ワンウエイネジを採用してもよい。
続いて、図48(a)及び図50(a)に示すように、取付台230の回動支持軸部品402の端部403を、集合通路盤60の取付孔部70に挿入する。
図48(b)及び図50(b)に示すように、回動支持軸部品402の屈折部407の係合孔407aに、取付孔部70内の係止部品410の第2係止突起部413が係止され、取付台230が回動支持軸部品402に乗った状態である。
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、止め部425を台部231に一定的に設けているので、部品点数を低減でき、実施例2の止め部品420の取り付け忘れなどを低減できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した各実施例では、配設部品として取付台230を例に挙げて説明しているが、配設部品として、サブ制御装置262や払出制御装置311などの取付台を採用してもよいし、取付台230ではなく主制御装置261やサブ制御装置262や払出制御装置311を配設部品としてもよい。
<2>上述した各実施例では、開閉部品として主制御装置261を例に挙げて説明しているが、開閉部品として、サブ制御装置262や払出制御装置311などの各種部品・装置を採用してもよい。
<3>上述した実施例1では、回動支持軸部品242と係止する係止部品250を、上述した実施例2,3では、回動支持軸部品242と係止する係止部品410を、別部品として集合通路盤60の取付孔部61に挿入しているが、集合通路盤60の取付孔部61,70に、回動支持軸部品242と係止する係止部を一体的に形成するようにしてもよい。
<4>木製(例えば、合板)の不透明な遊技盤30を採用しているが、透明樹脂製の透明遊技盤を採用してもよい。また、一部が少なくとも透明な遊技盤を採用し、その遊技盤の背面側で透明部分を含む箇所に集合通路盤60を取り付けるようにしてもよい。
<5>各実施例では、取付台230を樹脂成形品としているが、金属製部品としてもよい。また、取付台230での少なくとも支持部分(例えば、スペーサ部232の切り欠き部233や、台部231での回動支持軸部品242と接触する箇所など)を金属製部材を用いてもよい。
<6>実施例1では、回動支持軸部品242の端部243が係止部品250の折れ曲がり爪部253に係止された状態を解除するために、取付台230を集合通路盤60ごと取り外した後に、係止部品250を破壊しているが、集合通路盤60が、端部243を取付孔部61から引き抜き可能にする手段(係止解除操作レバーなど)を備えている構成としても良い。この場合には、係止解除操作レバーを解除位置に操作することで、端部243が取付孔部61から引き抜き可能となる。
また、係止部品250の係止状態においてその一部が外部に露出しており、係止部品250の当該露出箇所を破壊することで、その係止状態の解除ができ、端部243が取付孔部61から引き抜き可能となる構成としてもよい。
また、係止部品250を集合通路盤60と遊技盤30との間に隠し、係止部品250に対して外部からのアクセスができない構成とし、集合通路盤60を遊技盤30から取り外して係止部品250にアクセスできるようにし、係止部品250の係止を解除し、端部243が取付孔部61から引き抜き可能となる構成としてもよい。係止部品250は再利用可能となる。
<7>本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、遊技球が打ち込まれる遊技領域を正面側に有する遊技盤と、この遊技盤の正面視で略中央箇所に形成された開口部に表示画面が位置するように当該遊技盤の背面側に設けられた、識別情報を変動表示する表示装置とを備え、遊技盤の開口部を通じて表示装置の変動表示が視認可能とされている。また、遊技盤の背面側には、配設部品(例えば、遊技に関する制御を行う制御装置)が、当該遊技盤の背面視で左辺側を回動軸として横方向に回動可能に取り付け支持されている。このように制御装置を開状態にすることで、閉状態の制御装置での遊技盤と対向する面を目視確認をすることができる(例えば、特開2009−60955号公報(第2頁,第9図)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば制御装置を回動可能に支持する回動支持部品(例えばヒンジ)を遊技盤の背面視で左端箇所に配設されているので、遊技盤正面視で遊技領域の右端箇所に役物(例えば入賞部品など)を配設することができず、役物の設計自由度が制限されているという問題がある。
そこで、回動支持部品(例えばヒンジ)をその支持軸方向に短くすることで遊技盤背面での回動支持部品の占有面積を低減して前述の役物の配設制限を緩和することが考えられるが、制御装置の横幅に比べて回動支持部品(例えばヒンジ)の軸方向長さ(縦長さ)が小さくなり、回動支持部品などが撓んでしまい、制御装置が回動し辛くなったり、撓んだ状態で制御装置を回動することで制御装置などが破損するという別異の問題が生じてしまう。
下記(1)の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、役物の設計自由度を向上でき且つ配設部品の破損を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
(1) 遊技球が打ち込まれる遊技領域が正面側に形成される遊技部品を備える遊技機において、
前記遊技部品の背面側に配設される配設部品と、
前記遊技部品の背面視で下部側を回動軸として前記配設部品を回動可能に支持する回動支持機構と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、遊技部品は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域が形成され、その背面側に配設部品が配設される。配設部品は、回動支持機構によって、遊技部品の背面視で下部側を回動軸として回動可能に支持されているので、遊技部品の背面視で左端または右端箇所に回動支持機構が位置することがなく、遊技部品の正面視で遊技領域の左端及び右端箇所にも役物(例えば入賞部品など)を配設することができ、役物の設計自由度を拡大できる。
また、配設部品は、その高さよりも長い横幅方向が回動軸方向として回動されるので、回動支持機構などの撓みを低減でき、撓みに起因する配設部品の回動し辛さや配設部品などの破損を低減できる。
また、遊技部品の背面視で配設部品の横幅方向を回動軸方向として回動させる場合には、回動支持機構は、遊技部品の背面視で配設部品の下部側において当該配設部品の重心を挟む両側で配設部品を支持したり、回動軸長さを長くしたり(具体的には、例えば配設部品をその下部側の全部あるいは大半にわたって支持したり、配設部品の下部側を支持する複数個の支持ポイント間の距離を長くしたりする)することで、回動支持機構等の撓み(回動軸方向が曲がる変形)を低減でき、撓みに起因する配設部品の回動し辛さや配設部品などの破損を低減できる。その結果、役物の設計自由度を向上でき且つ配設部品(例えば制御装置)の破損を低減できる遊技機を提供することができる。また、遊技部品の背面視で横長の配設部品をその横幅方向を回動軸方向として回動させる場合には、回動支持機構は、遊技部品の背面視で配設部品の下部側において当該配設部品の重心を挟む両側で配設部品を支持したり、回動軸長さを長くしたり(具体的には、例えば配設部品をその下部側の全部あるいは大半にわたって支持したり、配設部品の下部側を支持する複数個の支持ポイント間の距離を長くしたりする)することで、より安定して支持することができる。
また、配設部品としては、制御基板を収容した基板ボックスと遊技盤との間に設けられる部品であって、その間に他の不正な部品を設けられないように当該間のスペースを低減するスペーサ部品を採用することが可能である。例えば、スペーサ部品は、部品の取り付けや取り外しの利便性等を確保するために、遊技盤の背面においてその横幅にわたる大きさで一体的に配設されることが多い。このように大きなスペーサ部品は重心が不安定になり易いが、スペーサ部品をその下部側で回動支持するので、スペーサ部品の取り付けバランスを良くすることができる。また、遊技盤の前側に配設される遊技部品の形状は機種毎に異なるが、遊技盤の背面でその左右端部箇所を回動軸として支持する構成としておけば、色々な機種変更に対しても同じ回動支持機構で対応することができる。
なお、「基板ボックスと遊技盤との間のスペースを低減する」とは、基板ボックスと遊技盤との間のスペースを、内部が詰まった立体物(例えば板部材)で埋めることや、例えば格子形状の区分け部材で当該スペースを区分けすることを含む。
また、配設部品としては、基板ボックスを定位置に固定支持する固定支持手段を設けた部品を採用してもよい。この場合には、より大型にしたり、強度を増したりすることで、重みの増した部品となったとしても、遊技盤の背面視で下部側を回動軸として配設部品の下部側を回動支持することで、安定して配設部品を取り付けることができる。結果として、配設部品の背面に取り付けられる基板ボックスも安定した状態で支持することができる。
また、遊技領域から遊技盤の背面に案内される球流路と、この球流路に配設されて遊技球の通過を検出する球検出センサとの少なくとも一方を覆う覆い部材としてもよい。このような覆い部材は、不正の目的で撓ませて球検出センサ等を狙った不正操作がなされるおそれがあるため、頑丈にする必要がある。覆い部材を頑丈にすることでその重みが増したりしたとしても、覆い部材の下部側を回動支持しているので、覆い部材を安定した状態で支持することができる。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記回動支持機構は、前記配設部品を前記遊技部品の背面側に取り付けた取付位置と、前記配設部品をその取付位置よりも前記遊技部品の背面側から離間させた離間位置とに変位可能な変位機構部を備え、前記離間位置の前記配設部品を前記回動可能である
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、変位機構部は、配設部品を、離間位置から遊技部品の背面側の取付位置に変位させるので、取付位置の配設部品と遊技部品の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、配設部品を離間位置に移動させてから回動させるので、配設部品を上下方向に回動させる構成下においても、取付位置にある配設部品の上側に他の部品を近接配置したり、取付位置にある配設部品の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置の配設部品の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、回動軸が取付位置の配設部品においてその背面に近い側に位置し、配設部品が取付位置から離間位置にスライド移動して、離間位置の配設部品がその下部側を回動軸として回動するので、配設部品と遊技盤との間のスペースを低減でき、そのスペースに不正部品を配設するという不正行為を低減できるとともに、配設部品の回動の際に配設部位が当該配設部品の上部に近接する他の部品に干渉するという問題も解消できる。
また、離間位置の配設部品をその下部側を回動軸として戻し方向に回動させてから、配設部品を取付位置にスライド移動しているので、取付位置の配設部品と遊技盤との間や、取付位置の配設部品とその周囲で近接する他の部品との間のスペースを低減でき、不正対策に優れる。例えば、配設部品を前述した覆い部材(球流路と球検出センサとを覆う部品)とした場合には、球検出センサやその周囲の配線等への不正を目的として配設部品と遊技盤との間に不正部品を進入させることが低減できる。
また、配設部品を取付位置で回動させると、当該配設部品の上端部がさらに上方に変移するような構成(例えば、遊技部品の側面視において、回動軸が、取付位置の配設部品での遊技部品から遠い位置にある構成)の場合であっても、配設部品を取付位置から離間位置にスライド移動させてから、離間位置の配設部品がその下部側を回動軸として回動することで、前述と同様の効果を有する。
また、回動支持機構と配設部品との少なくとも支持部分を金属製としてもよい。この場合には、不正対策に優れるのみならず、配設部品などが重くなったとしても、配設部品の下部側で当該配設部品を回動支持できるので、回動支持機構等の撓みを低減できる。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面側で開閉軸周りに開閉される部品であって、前記取付位置の前記配設部品に係止された閉状態と、前記取付位置の前記配設部品との係止が解除されて当該配設部品から開かれた開状態とに開閉可能な開閉部品
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、開閉部品は、遊技部品の背面側で取付位置の配設部品に係止された閉状態となるので、開閉部品と配設部品との間に不正な部品などが入れられた場合には、開閉部品を配設部品に対して閉状態にすることができない。よって、開閉部品と配設部品との間に不正な部品などが入れられる不正行為を低減することができる。
(4) 前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面に取り付けられる取付部品を備え、
前記配設部品は、前記取付位置において前記取付部品での前記遊技部品と対向する側とは反対側に近接しており、
前記回動支持機構は、
前記配設部品を回動支持するための回動支持部品と、
前記取付部品に設けられた、前記回動支持部品の端部が挿入されて引き抜き不可に当該端部と係止する係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、遊技部品の背面には、取付部品が取り付けられている。取付位置の配設部品は、取付部品の遊技部品と対向する側とは反対側に近接している。配設部品を回動支持するための回動支持部品の端部は、取付部品の係止部に挿入されて引き抜けないように係止されているので、配設部品が回動支持機構の回動支持部品ごと引き抜かれることを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
また、取付部品の係止部を破壊して配設部品を取付部品から取り外すと、係止部が破壊された取付部品に対して配設部品を再度装着することができないので、配設部品を取付部品から取り外すことを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
例えば、係止部が回動支持部品の端部に係止した状態において、係止部または配設部品を破壊しなければその係止状態を解除できない構成としたり、この係止部が配設部品と遊技盤との間に隠れてしまい外部からの係止解除が抑制されている構成としたり、引き抜き可能にする手段(係止解除操作部(操作レバー)など)を操作しなければ係止解除できない構成としたりすることで、当該端部を引き抜き不可としてもよい。
(5) 前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面に取り付けられる取付部品を備え、
前記配設部品は、前記取付位置において前記取付部品での前記遊技部品と対向する側とは反対側に近接しており、
前記回動支持機構は、
前記配設部品を回動支持するための回動支持部品と、
前記回動支持部品の端部が挿入されて引き抜き不可に当該端部と係止する係止部品と、
前記取付部品に形成されて、前記取付部品での前記遊技部品と対向する側から前記係止部品が挿入されて当該係止部品を止める取付部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、遊技部品の背面には、取付部品が取り付けられている。取付位置の配設部品は、取付部品の遊技部品と対向する側とは反対側に近接している。配設部品を回動支持するための回動支持部品の端部は、取付部品の取付部に挿入されて止められた係止部品に、挿入されて引き抜けないように係止されているので、配設部品が回動支持機構の回動支持部品ごと引き抜かれることを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
また、配設部品を取付部品から取り外したい場合には、配設部品を取付部品ごと遊技部品から取り外し、この取付部品の取付部に挿入された係止部品を破壊することで、配設部品を回動支持部品ごと取付部品から取り外すことができる。また、配設部品を取付部品に再度装着する場合には、新たに用意した係止部品を取付部品の取付部に挿入し、配設部品の回動支持部品の端部を取付部の係止部品に挿入して係止すればよく、取付部品を再利用することができる。
例えば、係止部品が回動支持部品の端部に係止した状態において、係止部品または配設部品を破壊しなければその係止状態を解除できない構成としたり、この係止部品が配設部品と遊技盤との間に隠れてしまい外部からの係止解除が抑制されている構成としたり、引き抜き可能にする手段(係止解除操作部(操作レバー)など)を操作しなければ係止解除できない構成としたりすることで、当該端部を引き抜き不可としてもよい。
(6) 前記(4)または(5)に記載の遊技機において、
前記回動支持機構は、前記取付位置の前記配設部品をその取付姿勢状態を保持する姿勢保持部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、姿勢保持部は、取付位置の配設部品をその取付姿勢状態で保持できるので、開閉部品を、取付位置の配設部品に係止された閉状態にする際に、作業者は、取付位置の配設部品を手で押さえておく必要がなく、取付位置の配設部品から手を離して開閉部品を閉じることができ、作業性に優れる。
(7) 前記(4)から(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面視で前記取付部品における前記配設部品よりも外側の箇所に、前記係止部又は前記取付部が設けられ、
前記回動支持部品は、前記取付部品に向かう延出部を備え、
前記延出部は、前記配設部品に近い側に当該配設部品を回動支持する回動支持部を備え、前記取付部品に近い側に前記端部が形成され、前記端部が前記係止部又は前記取付部に向かうように屈折した屈折部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、遊技部品の背面視で取付部品における配設部品よりも外側の箇所に、係止部又は取付部を設けているので、取付部品の係止部又は取付部に係止される回動支持部品の端部の係止位置を遊技部品の背面視で周縁位置とすることができ、役物の遊技部品への配設箇所制限を低減できる。また、回動支持部品の延出部は、その端部が係止部又は取付部に向かうように屈折した屈折部を備えているので、屈折部を有する延出部と長さが同一で且つ一直線状の延出部の場合に比べて、延出部の剛性を高めることができ、配設部品の撓みを低減できる。
(8) 前記(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の遊技機によれば、役物の設計自由度を向上でき且つ配設部品(例えば制御装置)の破損を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
<第1課題>
従来のパチンコ機では、例えば、制御装置は遊技盤または遊技盤側部品と係合する係合部を備え、制御装置を閉状態にすると、制御装置の係合部が遊技盤または遊技盤側部品に係合し、制御装置が遊技盤の背面に閉状態で保持されるものがある。そして、制御装置を開状態にする場合には、その係合力を上回る力で開かなければならないので、制御装置を楽に開放することができない。
だからと言って、前記係合部としてその係合力の弱いものを採用すると、ふとした弾みなどで制御装置が開状態となることがあり、制御装置を閉状態に維持できなくなる。
また、制御装置の係止を解除した状態でこの制御装置から作業者が手を離してしまうと、制御装置の重心位置が回動軸よりも回動側(遊技部品の後方位置)に位置している場合にはその自重等で開いて他の部品に接触や衝突などして、制御装置や他の部品が損傷してしまうという問題もある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、配設部品の閉状態を保持できつつ、配設部品を容易に開状態にできる遊技機を提供することを目的とする。
(9) 遊技球が打ち込まれる遊技領域が正面側に形成される遊技部品を備える遊技機において、
前記遊技部品の背面側に配設される配設部品と、
前記遊技部品の背面視で当該背面内の所定方向を回動軸として前記配設部品を回動可能に支持する回動支持機構と、
を備え、
前記回動支持機構は、
前記配設部品を、前記遊技部品の背面側に取り付けた取付位置と、この取付位置よりも前記遊技部品の背面側から離間させた離間位置とにスライド変位可能なスライド変位機構部と、
前記取付位置の前記配設部品を取付姿勢で支持する支持部と、
前記取付位置よりも前記離間位置の方が前記配設部品の回動阻止力を小さくした回動阻止力変更部と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、遊技部品は、その正面側に、遊技球が打ち込まれる遊技領域が形成され、その背面側に配設部品が配設される。配設部品は、回動支持機構によって、遊技部品の背面視で当該背面内の所定方向を回動軸として回動可能に支持されている。スライド変位機構部は、配設部品を、遊技部品の背面側に取り付けた取付位置と、この取付位置よりも前記遊技部品の背面側から離間させた離間位置とにスライド変位可能である。支持部は、取付位置の配設部品を取付姿勢で支持するので、配設部品の閉状態を保持できる。また、作業者が取付位置の配設部品から手を離してもこの配設部品が回動することがなく、取付位置の配設部品が回動することに起因する配設部品及び他の部品の損傷を低減できる。
さらに、配設部品の回動阻止力は、配設部品が取付位置にあるときよりも離間位置にあるときの方が小さいので、離間位置では取付位置よりも小さい力で配設部品を回動させることができ、配設部品を離間位置に移動させて当該離間位置で回動させる方が取付位置よりも回動させ易く、配設部品を容易に開状態にできる。その結果、配設部品の閉状態を保持できつつ、配設部品を容易に開状態にできる遊技機を提供することができる。
また、スライド変位機構部は、配設部品を、離間位置から遊技部品の背面側の取付位置に変位させるので、取付位置の配設部品と遊技部品の背面側との間の隙間を低減することができ、かかる隙間を狙った不正行為を低減することができる。
また、配設部品を離間位置に移動させてから回動させるので、配設部品を例えば上下方向に回動させる構成の場合に、取付位置にある配設部品の上側に他の部品を近接配置したり、取付位置にある配設部品の下側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置の配設部品の上側又は下側の隙間を低減することができ、上側又は下側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。また、配設部品を例えば左右方向に回動させる構成の場合に、取付位置にある配設部品の左側に他の部品を近接配置したり、取付位置にある配設部品の右側に他の部品を近接配置したりすることができ、取付位置の配設部品の左側又は右側の隙間を低減することができ、左側又は右側の隙間を狙った不正行為も低減することができる。
また、遊技部品の背面視で配設部品の横幅方向を回動軸方向として回動させる場合には、回動支持機構は、遊技部品の背面視で配設部品の下部側において当該配設部品の重心を挟む両側で配設部品を支持したり、回動軸長さを長くしたり(具体的には、例えば配設部品をその下部側の全部あるいは大半にわたって支持したり、配設部品の下部側を支持する複数個の支持ポイント間の距離を長くしたりする)することで、回動支持機構等の撓み(回動軸方向が曲がる変形)を低減でき、撓みに起因する配設部品の回動し辛さや配設部品などの破損を低減できる。その結果、役物の設計自由度を向上でき且つ配設部品(例えば制御装置)の破損を低減できる遊技機を提供することができる。また、遊技部品の背面視で横長の配設部品をその横幅方向を回動軸方向として回動させる場合には、回動支持機構は、遊技部品の背面視で配設部品の下部側において当該配設部品の重心を挟む両側で配設部品を支持したり、回動軸長さを長くしたり(具体的には、例えば配設部品をその下部側の全部あるいは大半にわたって支持したり、配設部品の下部側を支持する複数個の支持ポイント間の距離を長くしたりする)することで、より安定して支持することができる。
また、配設部品としては、制御基板を収容した基板ボックスと遊技盤との間に設けられる部品であって、その間に他の不正な部品を設けられないように当該間のスペースを低減するスペーサ部品を採用することが可能である。例えば、スペーサ部品は、部品の取り付けや取り外しの利便性等を確保するために、遊技盤の背面においてその横幅にわたる大きさで一体的に配設されることが多い。このように大きなスペーサ部品は重心が不安定になり易いが、スペーサ部品をその下部側で回動支持するので、スペーサ部品の取り付けバランスを良くすることができる。また、遊技盤の前側に配設される遊技部品の形状は機種毎に異なるが、遊技盤の背面でその左右端部箇所を回動軸として支持する構成としておけば、色々な機種変更に対しても同じ回動支持機構で対応することができる。
なお、「基板ボックスと遊技盤との間のスペースを低減する」とは、基板ボックスと遊技盤との間のスペースを、内部が詰まった立体物(例えば板部材)で埋めることや、例えば格子形状の区分け部材で当該スペースを区分けすることを含む。
また、配設部品としては、基板ボックスを定位置に固定支持する固定支持手段を設けた部品を採用してもよい。この場合には、より大型にしたり、強度を増したりすることで、重みの増した部品となったとしても、遊技盤の背面視で下部側を回動軸として配設部品の下部側を回動支持することで、安定して配設部品を取り付けることができる。結果として、配設部品の背面に取り付けられる基板ボックスも安定した状態で支持することができる。
また、遊技領域から遊技盤の背面に案内される球流路と、この球流路に配設されて遊技球の通過を検出する球検出センサとを覆う覆い部材としてもよい。このような覆い部材は、不正の目的で撓ませて球検出センサ等を狙った不正操作がなされるおそれがあるため、頑丈にする必要がある。覆い部材を頑丈にすることでその重みが増したりしたとしても、覆い部材の下部側を回動支持しているので、覆い部材を安定した状態で支持することができる。
また、回動軸が取付位置の配設部品においてその背面に近い側に位置し、配設部品が取付位置から離間位置にスライド移動して、離間位置の配設部品がその下部側を回動軸として回動するので、配設部品と遊技盤との間のスペースを低減でき、そのスペースに不正部品を配設するという不正行為を低減できるとともに、配設部品の回動の際に配設部位が当該配設部品の上部に近接する他の部品に干渉するという問題も解消できる。
また、離間位置の配設部品をその下部側を回動軸として戻し方向に回動させてから、配設部品を取付位置にスライド移動しているので、取付位置の配設部品と遊技盤との間や、取付位置の配設部品とその周囲で近接する他の部品との間のスペースを低減でき、不正対策に優れる。例えば、配設部品を前述した覆い部材(球流路と球検出センサとを覆う部品)とした場合には、球検出センサやその周囲の配線等への不正を目的として配設部品と遊技盤との間に不正部品を進入させることが低減できる。
また、配設部品を取付位置で回動させると、当該配設部品の上端部がさらに上方に変移するような構成(例えば、遊技部品の側面視において、回動軸が、取付位置の配設部品での遊技部品から遠い位置にある構成)の場合であっても、配設部品を取付位置から離間位置にスライド移動させてから、離間位置の配設部品がその下部側を回動軸として回動することで、前述と同様の効果を有する。
また、回動支持機構と配設部品との少なくとも支持部分を金属製としてもよい。この場合には、不正対策に優れるのみならず、配設部品などが重くなったとしても、配設部品の下部側で当該配設部品を回動支持できるので、回動支持機構等の撓みを低減できる。
(10) 前記(9)に記載の遊技機において、
前記回動支持機構は、前記遊技部品の背面視で下部側を回動軸として前記配設部品を回動可能に支持するものであり、
前記離間位置の前記配設部品は、前記遊技部品の側面視において、その重心位置が前記回動軸よりも前記遊技部品の後方位置に位置している
ことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、回動支持機構は、遊技部品の背面視で下部側を回動軸として配設部品を回動可能に支持する。離間位置の配設部品は、遊技部品の側面視において、その重心位置が回動軸よりも遊技部品の後方位置に位置しているので、その自重によって回動させることができ、さらに回動させ易くできる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面に取り付けられる取付部品を備え、
前記配設部品は、前記取付位置において前記取付部品での前記遊技部品と対向する側とは反対側に近接しており、
前記回動支持機構は、
前記配設部品を回動支持するための回動支持部品と、
前記取付部品に設けられた、前記回動支持部品の端部が挿入されて引き抜き不可に当該端部と係止する係止部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、遊技部品の背面には、取付部品が取り付けられている。取付位置の配設部品は、取付部品の遊技部品と対向する側とは反対側に近接している。配設部品を回動支持するための回動支持部品の端部は、取付部品の係止部に挿入されて引き抜けないように係止されているので、配設部品が回動支持機構の回動支持部品ごと引き抜かれることを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
また、取付部品の係止部を破壊して配設部品を取付部品から取り外すと、係止部が破壊された取付部品に対して配設部品を再度装着することができないので、配設部品を取付部品から取り外すことを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
例えば、係止部が回動支持部品の端部に係止した状態において、係止部または配設部品を破壊しなければその係止状態を解除できない構成としたり、この係止部が配設部品と遊技盤との間に隠れてしまい外部からの係止解除が抑制されている構成としたり、引き抜き可能にする手段(係止解除操作部(操作レバー)など)を操作しなければ係止解除できない構成としたりすることで、当該端部を引き抜き不可としてもよい。
(12) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面に取り付けられる取付部品を備え、
前記配設部品は、前記取付位置において前記取付部品での前記遊技部品と対向する側とは反対側に近接しており、
前記回動支持機構は、
前記配設部品を回動支持するための回動支持部品と、
前記回動支持部品の端部が挿入されて引き抜き不可に当該端部と係止する係止部品と、
前記取付部品に形成されて、前記取付部品での前記遊技部品と対向する側から前記係止部品が挿入されて当該係止部品を止める取付部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、遊技部品の背面には、取付部品が取り付けられている。取付位置の配設部品は、取付部品の遊技部品と対向する側とは反対側に近接している。配設部品を回動支持するための回動支持部品の端部は、取付部品の取付部に挿入されて止められた係止部品に、挿入されて引き抜けないように係止されているので、配設部品が回動支持機構の回動支持部品ごと引き抜かれることを低減でき、配設部品に対する不正行為を低減できる。
また、配設部品を取付部品から取り外したい場合には、配設部品を取付部品ごと遊技部品から取り外し、この取付部品の取付部に挿入された係止部品を破壊することで、配設部品を回動支持部品ごと取付部品から取り外すことができる。また、配設部品を取付部品に再度装着する場合には、新たに用意した係止部品を取付部品の取付部に挿入し、配設部品の回動支持部品の端部を取付部の係止部品に挿入して係止すればよく、取付部品を再利用することができる。
例えば、係止部品が回動支持部品の端部に係止した状態において、係止部品または配設部品を破壊しなければその係止状態を解除できない構成としたり、この係止部品が配設部品と遊技盤との間に隠れてしまい外部からの係止解除が抑制されている構成としたり、引き抜き可能にする手段(係止解除操作部(操作レバー)など)を操作しなければ係止解除できない構成としたりすることで、当該端部を引き抜き不可としてもよい。
(13) 前記(11)または(12)に記載の遊技機において、
前記遊技部品の背面視で前記取付部品における前記配設部品よりも外側の箇所に、前記係止部又は前記取付部が設けられ、
前記回動支持部品は、前記取付部品に向かう延出部を備え、
前記延出部は、前記配設部品に近い側に当該配設部品を回動支持する回動支持部を備え、前記取付部品に近い側に前記端部が形成され、前記端部が前記係止部又は前記取付部に向かうように屈折した屈折部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、遊技部品の背面視で取付部品における配設部品よりも外側の箇所に、係止部又は取付部を設けているので、取付部品の係止部又は取付部に係止される回動支持部品の端部の係止位置を遊技部品の背面視で周縁位置とすることができ、役物の遊技部品への配設箇所制限を低減できる。また、回動支持部品の延出部は、その端部が係止部又は取付部に向かうように屈折した屈折部を備えているので、屈折部を有する延出部と長さが同一で且つ一直線状の延出部の場合に比べて、延出部の剛性を高めることができ、配設部品の撓みを低減できる。
(14) 前記(13)に記載の遊技機において、
前記取付部品は、前記回動支持部品の端部が前記係止部または前記係止部品に挿入されて引き抜き不可に係止された状態において、前記屈折部での前記取付部品に対向する箇所が当接する被当接部を備え、
前記屈折部での前記取付部品に対向する箇所が前記被当接部に当接した状態において、前記回動支持部品の端部が前記遊技部品に対して非接触としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、回動支持部品の端部が係止部または係止部品に挿入されて引き抜き不可に係止された状態では、屈折部での取付部品に対向する箇所が、取付部品の被当接部に当接する。この当接状態では、回動支持部品の端部が遊技部品に対して非接触としている。したがって、配設部品が取付位置に勢い良くスライドされた場合に、その力が取付部品の被当接部に伝達されるだけで、回動支持部品の端部が遊技部品の背面に当接することが低減でき、回動支持部品の端部による遊技部品の損傷を低減できる。
(15) 前記(9)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の遊技機によれば、配設部品の閉状態を保持できつつ、配設部品を容易に開状態にできるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。