JP6285817B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
下ヒンジやストッパに黒色の塗装を施し、下ヒンジやストッパの外装を黒くすれば、冷蔵庫の外装色の色調に合せて一体感を持たせることができると考えられる。しかしながら、下ヒンジとストッパとは、剛性の高い部材(鉄等の金属製)同士の衝突であるので、どのような塗装方法や塗料を用いたとしても、接触部の塗装が剥がれてしまうことが判明した。黒色の塗装を施したヒンジの塗装が剥がれると、その剥がれた部分が非常に目立ち、却って外観を損なうという課題がある。
図1は、本実施形態の冷蔵庫の正面図である。図1に示す冷蔵庫100は、冷蔵庫本体1の正面に、冷蔵室左扉2と、冷蔵室右扉3と、製氷室扉4と、冷凍室上段扉5と、冷凍室下段扉6と、野菜室扉7とを備えている。
冷蔵室左扉2の上部には上ヒンジ8が設けられ、下部には下ヒンジ9が設けられている。また、冷蔵室右扉3の上部には上ヒンジ10が設けられ、下部には下ヒンジ11が設けられている。
冷蔵室左扉2は、上ヒンジ8および下ヒンジ9により、紙面手前方向に回転可能になっている。さらに、冷蔵室右扉3は、上ヒンジ10および下ヒンジ11により、紙面手前方向に回転可能になっている。すなわち、冷蔵室左扉2および冷蔵室右扉3は観音開き可能に備えられ、これらと冷蔵庫本体1とにより形成される空間に、冷蔵室(図示しない)が形成されている。
冷蔵室左扉2の下ヒンジ9と冷蔵室右扉3の下ヒンジ11とは、左右対称で同じ構造を有している。本実施形態では、下ヒンジ9,11のうち、下ヒンジ9の構造を例に採り詳しく説明する。
図2は、冷蔵室左扉2の下ヒンジ9の構造を示す分解斜視図であり、図2(a)は冷蔵室左扉2の左側上方から見た図、図2(b)は、冷蔵室左扉2の左側下方から見た図である。
図3は、冷蔵室左扉2の扉閉時の下ヒンジ9の構造を示す図であり、図3(a)は冷蔵室左扉2の左側底面から見た斜視図、図3(b)は、冷蔵室左扉2の底面図である。図4は、冷蔵室左扉2の扉開時の下ヒンジ9の構造を示す図であり、図4(a)は冷蔵室左扉2の左側底面から見た斜視図、図4(b)は、冷蔵室左扉2の底面図である。
図2乃至4に示すように、下ヒンジ9(ヒンジ部材)は、冷蔵室左扉2の下部を冷蔵庫本体1に枢設する。下ヒンジ9は、冷蔵庫本体1に対して開閉自在に回動させるヒンジ部材である。下ヒンジ9は、冷蔵庫本体1側に固定される下ヒンジ部材91(第1ヒンジ部材)と、冷蔵庫100の冷蔵室左扉2側に固定されるストッパ部材92(第2ヒンジ部材)と、下ヒンジ部材91とストッパ部材92とが相対的に回動する際の回動中心となる下ヒンジ軸90(ピボット軸)と、を有する。
ストッパ部材92は、回動中心の外周側に回動を規制するストッパ部922(規制部)を具備する。また、下ヒンジ部材91は、ストッパ部材92のストッパ部922が当接するストッパ当接部913(当接部)を具備する。
このように、下ヒンジ9は、冷蔵庫本体1のキャビネットに固定され、冷蔵室左扉2を回動自在に支持する下ヒンジ軸90(ピボット軸)を板面上に有し、かつ、下ヒンジ軸90が備えられた板面の側面にストッパ当接部913を有する下ヒンジ部材91(第1ヒンジ部材)と、冷蔵室左扉2の底部に固定され、扉開時に、下ヒンジ部材91のストッパ当接部913に当接するストッパ部材92(第2ヒンジ部材)と、ストッパ部材92にネジ94により取り付けられ、扉全閉時に、下ヒンジ部材91の係合フック914に係合して冷蔵室左扉2を冷蔵庫本体1に固定する扉固定部材93(第2ヒンジ部材)と、を備える。
ストッパ部材収容部22は、底面部21から冷蔵室左扉2の内方(上方)に形成された凹部であり、後記するストッパ部材92の取付部921の外周面が隙間なく嵌合される。ストッパ部材収容部22には、扉固定部材93の軸受931(図2(a)参照)を嵌挿する開口部(図示省略)と、組み合わされたストッパ部材92および扉固定部材93をネジ94により締結するネジ穴(図示省略)と、が形成されている。
下ヒンジ部材91は、厚みのある金属製の板材を曲げ加工して形成され、全ての表面に黒メッキ塗装されている。下ヒンジ部材91は、冷蔵庫本体1のキャビネットへ下ヒンジ部材91を取付けるための取付部911を備える。取付部911の左側、中央部、右側には、横長のネジ貫通孔911a,911b,911cがそれぞれ開口している。ネジ貫通孔911a,911b,911cは図示しないネジが貫通する。
ストッパ部材92は、厚みのある金属製の板材を曲げ加工して形成され、全ての表面に下ヒンジ部材91と同様の塗装またはメッキがされている。ストッパ部材92は、冷蔵室左扉2の底面部21のストッパ部材収容部22へストッパ部材92を取付けるための取付部921を備える。取付部921の左側には、扉固定部材93から突出する軸受931を貫通する円形貫通孔921aと、扉固定部材93と共締めするネジ94を貫通するネジ貫通孔921bとがそれぞれ開口している。
取付部921の前面の端部分から板状のストッパ部922が下方に垂直に折り曲げられ、さらに段部を経て水平方向に突出している。ストッパ部922は、この水平方向に突出した端部が、左側に延出する延出部912aとなっており、延出部922aの先端922bは半円形を構成する。なお、この先端922bは、ストッパ当接部913の段部913bの段差が小さいことに対応して小円形となっている。
なお、本実施形態では、ストッパ部922(規制部)が、延出部922aおよびその先端922bを備える例について説明したが、下ヒンジ軸90(ピボット軸)の回動中心の外周側で回動を規制できる構造であればよく、突起部や先端922bであることには限定されない。
扉固定部材93は、下ヒンジ部材91およびストッパ部材92の塗装色(ここでは黒色)と同色の樹脂製であり、適度な弾性力を有する。扉固定部材93は、ストッパ部材92の取付部921の底面に組み合わされて、ストッパ部材92と見かけ上一体化される。
扉固定部材93の左側には、下ヒンジ部材91から突出する下ヒンジ軸90の軸受931が上方に突設されている。この軸受931は、ストッパ部材92の円形貫通孔921aに挿入される。
扉固定部材93の中央部には、ストッパ部材92のネジ貫通孔921bに対応する位置に、ストッパ部材92と共締めするネジ94を貫通するネジ貫通孔932が開口している。扉固定部材93の中央部右側には、ストッパ部材92と組み合わされた扉固定部材93を冷蔵室左扉2の底面部21に開口された孔(図示省略)に挿通する突起933が突出している。
扉固定部材93の右側には、屈曲した係合溝934が設けられ、冷蔵室左扉2を閉めた状態で、係合フック914が係合溝934と係合し、冷蔵室左扉2が開放状態になることを防止する。
図2に示すように、冷蔵室左扉2の底面部21のストッパ部材収容部22に、下方からストッパ部材92と扉固定部材93と下ヒンジ部材91とをこの順で重ねて取付ける。この場合、ストッパ部材92の取付部921の円形貫通孔921aに扉固定部材93の軸受931を挿通して重ね合わせる。ストッパ部材92の取付部921の円形貫通孔921aに扉固定部材93の軸受931が隙間なく挿通されること、およびストッパ部材92の取付部921とストッパ部材92との段部に扉固定部材93が密着することで、ストッパ部材92と扉固定部材93とは一体化される。その上で、ストッパ部材92の取付部921のネジ貫通孔921bと扉固定部材93のネジ貫通孔932とを位置合せし、ネジ貫通孔921b,932にネジ94を貫通させてネジ止めする。
作業者は、続いて上ヒンジ8(図1参照)を取り付けることにより、冷蔵室左扉2が回動自在に取り付けられる。
作業者は、冷蔵室左扉2と同様なヒンジ構造を有する冷蔵室右扉3も同様にして取り付ける。
図3に示すように、冷蔵室左扉2は、扉閉時には、下ヒンジ部材91の係合フック914が扉固定部材93の係合溝934と係合し、冷蔵室左扉2が開放状態になることを防止する。
このとき、ストッパ部材92のストッパ部922の延出部922aは、冷蔵庫本体1の正面に露出することになる。しかし、ストッパ部材92および下ヒンジ部材91は、冷蔵庫100の外装色の色調に合せた黒色系の塗装またはメッキが施されているので、ストッパ部材92や下ヒンジ部材91が目立つことはない。
冷蔵室左扉2は、上ヒンジ8(図1参照)および下ヒンジ9(図1参照)により、最大扉開の範囲内で所望の角度まで回転可能である。
ストッパ当接部913は、下ヒンジ軸90の軸中心Oよりも後方の側面に形成し、最大扉開時にストッパ部922の先端922bが突き当る段部913bを備える。また、ストッパ部材92は、所定扉開時にストッパ部922が、ストッパ当接部913にまで回り込んで届くように延出する延出部922aを備える。ストッパ部922は、扉開時にはストッパ当接部913の面上に接触し、最大扉開時には段部913bに突き当たる。
例えば、本実施形態では、冷凍庫を備える冷蔵庫への適用例を挙げたが、扉を備える冷蔵庫であれば同様に適用することが可能である。
2 冷蔵室左扉(扉)
3 冷蔵室右扉(扉)
8,10 上ヒンジ
9,11 下ヒンジ(ヒンジ部材)
90 下ヒンジ軸(ピボット軸)
91 下ヒンジ部材(第1ヒンジ部材)
911,921 取付部
912 軸支持部
912b 先頭部
913 ストッパ当接部(当接部)
913a ストッパ接触部
913b 段部
914 係合フック
92 ストッパ部材(第2ヒンジ部材)
922 ストッパ部(規制部)
922a 延出部
922b 先端
93 扉固定部材(第2ヒンジ部材)
931 軸受
934 係合溝
100 冷蔵庫
Claims (4)
- 冷蔵庫本体に対して開閉自在に回動させるヒンジ部材を備え、
前記ヒンジ部材は、
冷蔵庫本体側に固定される第1ヒンジ部材と、冷蔵庫の扉側に固定される第2ヒンジ部材と、前記第1ヒンジ部材と前記第2ヒンジ部材とが相対的に回動する際の回動中心となるピボット軸と、を有し、
前記第2ヒンジ部材は、回動中心の外周側に回動を規制する規制部が形成されたストッパ部材を具備し、
前記第1ヒンジ部材は、前記規制部が当接する当接部を具備し、
前記当接部は、前記ピボット軸を軸中心とする半円形の先頭部と、当該先頭部の側面に形成されたスロープ形状のストッパ接触部と、前記ストッパ接触部の終端において形成されて、当該ストッパ接触部の当接面との間で段差を形成する段部と、を有し、
前記ストッパ部材は、
所定扉開時に前記規制部が、前記ピボット軸中心よりも後方の側面に形成された前記当接部まで回り込み、
扉の開限界に近付くと、前記規制部が前記ストッパ接触部に接触して前記スロープ形状の面上を摺動し、扉の開限界で前記段部に突き当たって停止することを特徴とする冷蔵庫。 - 前記段部は、前記ピボット軸の軸中心よりも後方の側面に形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。 - 前記ヒンジ部材および前記ストッパ部材の表面は、前記扉の色調と同色系で塗装されている
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。 - 扉全閉時に、前記扉を前記冷蔵庫本体に固定する扉固定部材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
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