JP6284461B2 - モード分離装置、モード多重装置、モード分離システム及びモード多重システム - Google Patents
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Description
まず、後述する実施形態に対する比較例について説明する。本比較例では、マッハツェンダ干渉計(例えば、非特許文献3を参照。)をモードの多重及び分離に利用することを特徴としている。具体的には、マッハツェンダ干渉計における2つの光路のうちの一方の光路に対して、伝搬する光の空間分布を予め定められた軸(反転面)に対して反転させる機能(以下、「像反転機能」とも称する。)を付加する。これにより、マッハツェンダ干渉計に入力(入射)される光に対して、原理的に損失を生じさせることなくモードの多重及び分離を行うことが可能になる。
図4は、一実施形態に係るモード分離装置の構成例を示す図であり、(A)及び(B)はそれぞれ、xz平面及びyz平面を図示している。なお、x軸方向を水平方向、y軸方向を垂直方向、z軸方向を光(ビーム)の伝搬方向としている。図4に示すように、モード分離装置40は、分割部41、干渉部42、及び合波部43で構成される。干渉部42は、上述のマッハツェンダ干渉計の構成を有し、x軸方向(水平方向)に分岐する2つの光路のうちの一方の光路に、当該光路を伝搬する光の空間分布を予め定められた軸(反転面)に対して反転させる機能である像反転機能を有する像反転機構が像反転部50として付加されている。干渉部42は入射光の偏波が図5に示す垂直偏波v成分と水平偏波h成分との光強度が等しい場合にのみ有効に機能するが、分割部41と合波部43の寄与により、光学系全体として入射光の偏光状態によらずモード分離が機能する偏波無依存性が確保される。本実施形態では、マッハツェンダ干渉計(干渉部42)及び像反転機構は、透過型の光学素子で構成される。これにより、上述のように、ミラーやBSといった反射型の光学素子を用いることなくマッハツェンダ干渉計及び像反転機能を実現する。
分割部41は、z軸方向(ビームの伝搬方向)において順に配置された、複屈折結晶BC1及び半波長板HW1で構成される。複屈折結晶BC1は、モード分離装置40に入射した信号光を、直交する2つの偏光成分に分割する。具体的には、複屈折結晶BC1は、入射した信号光から、−y方向に垂直偏波vを分離することによって、2つの偏光成分に対応する、2つの平行ビーム(水平偏波h及び垂直偏波v)を出力する。半波長板HW1は、複屈折結晶BC1から出力された2つのビームが透過する位置に配置される。
干渉部42は、z軸方向(ビームの伝搬方向)において順に配置された、複屈折結晶BC21、2つのシリンドリカルレンズCL1,CL2を備える像反転部50、半波長板HW2、及び複屈折結晶BC22で構成される。複屈折結晶BC21は、第1及び第2のビームのそれぞれについて、+x方向に水平偏波hを分離することによって、2つの光路を伝搬する水平偏波h(第1の偏光成分を含むビーム)及び垂直偏波v(第2の偏光成分を含むビーム)に分割する。その結果、複屈折結晶BC21は、合計4つのビームを出力する。
合波部43は、z軸方向(ビームの伝搬方向)において順に配置された、半波長板HW31、複屈折結晶BC31、半波長板HW32、及び複屈折結晶BC32で構成される。半波長板HW31は、干渉部42(複屈折結晶BC22)から出力された2つのビーム(第1及び第2のビーム)をそれぞれ、複屈折結晶BC31によって2つの偏光成分に分割可能となるよう、各ビームの偏光方向を所定の角度(−45°)だけ変化させる。これにより、LP11aモードの光が、水平偏波hに相当する偏光成分、LP11bモードの光が、垂直偏波vに相当する偏光成分を有する状態となる。
次に、図8は、一実施形態に係るモード多重装置の構成例を示す図であり、xz平面のみを図示している。図8に示すように、モード多重装置80は、モード分離装置40と同一の構成を有し、モード分離装置40の入力と出力とを入れ替えたものに相当する。
上述の実施形態で説明したモード分離装置40及びモード多重装置80を複数用いることによって、3つ以上のモードの光の分離及び多重を行うことが可能である。図9は、複数のモードの光が伝搬可能な光ファイバ(マルチモードファイバ(MMF))から出射される、5つのモード(LP01,LP11a,LP11b,LP21a,LP21b)の光を分離するモード分離システムの例を示している。なお、図9では、モード分離装置40を像反転MZI(マッハツェンダ干渉計)として示している。
Claims (15)
- 第1及び第2のモードの光が多重された、入射した信号光を、当該入射した信号光に含まれる直交する偏光成分のうちでそれぞれ異なる偏光成分を含む第1及び第2のビームに分割する分割手段と、
前記第1及び第2のビームのそれぞれについて、異なる2つの光路を伝搬する、第1の偏光成分を含むビームと前記第1の偏光成分と直交する第2の偏光成分を含むビームとに分割し、前記第1の偏光成分を含むビームの光路上で、前記第1の偏光成分を含むビームについての光の空間分布を予め定められた反転面に対して反転させた後、前記第1及び第2の偏光成分をそれぞれ含む、前記2つの光路をそれぞれ伝搬した2つのビームを合波することによって当該2つのビームを干渉させる、透過型の光学素子で構成された干渉手段であって、当該干渉により、前記干渉手段から出力する前記第1及び第2のビームのそれぞれにおいて、各ビームに含まれる直交する2つの偏光成分に対して前記第1及び第2のモードの光を分離する前記干渉手段と、
前記干渉手段から出力された前記第1及び第2のビームをそれぞれ、前記2つの偏光成分に分割し、前記第1及び第2のビーム間で、同一のモードの光に対応する偏光成分をそれぞれ合波することによって、前記第1のモードの信号光と前記第2のモードの信号光とを出力する合波手段と、を備え、
前記干渉手段は、前記第1及び第2のビームのそれぞれから分割される、前記第1の偏光成分を含むビームの光路上に配置され、当該ビームが透過する際に当該ビームについての光の空間分布を前記予め定められた反転面に対して反転させる像反転機構を備え、
前記第1のモードは、前記空間分布の反転により位相分布が変化しないモードであり、
前記第2のモードは、前記空間分布の反転により位相分布が反転するモードである、
ことを特徴とするモード分離装置。 - 前記空間分布の反転に用いられる反転面は、前記第1のモードの光の空間分布を当該反転面に対して反転させた場合に光の位相分布が変化せず、かつ、前記第2のモードの光の空間分布を当該反転面に対して反転させた場合に光の位相分布が反転するように定められる
ことを特徴とする請求項1に記載のモード分離装置。 - 前記分割手段は、
前記入射した信号光を、当該入射した信号光に含まれる直交する偏光成分のうちで異なる偏光成分をそれぞれが含む2つのビームに分割する複屈折結晶と、
前記複屈折結晶によって分割された2つのビームが透過する位置に配置され、当該2つのビームの偏光方向が同一となるよう、当該2つのビームが透過する領域ごとに各ビームの偏光方向を異なる方向に変化させることで、前記第1及び第2のビームを出力する半波長板と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモード分離装置。 - 前記干渉手段は、
前記像反転機構の前段の、前記第1及び第2のビームが透過する位置に配置され、前記第1及び第2のビームのそれぞれを、前記2つの光路を伝搬する前記第1の偏光成分を含むビームと前記第2の偏光成分を含むビームとに分割する第1の複屈折結晶と、
前記第1及び第2のビームのそれぞれについて、前記第1の複屈折結晶によって分割され、かつ、前記像反転機構を透過した、前記第1の偏光成分を含むビームと、前記第1の複屈折結晶によって分割された、前記第2の偏光成分を含むビームとを合波する、前記像反転機構の後段に配置された第2の複屈折結晶と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモード分離装置。 - 前記干渉手段は、前記第1の複屈折結晶によって分割され、かつ、前記像反転機構を透過した、前記第1の偏光成分を含むビームと、前記第1の複屈折結晶によって分割された、前記第2の偏光成分を含むビームとのそれぞれの偏光方向を所定の角度だけ変化させる、前記第2の複屈折結晶の前段に配置された半波長板、を更に備える
ことを特徴とする請求項4に記載のモード分離装置。 - 前記合波手段は、
前記干渉手段から出力された前記第1及び第2のビームが透過する位置に配置され、前記第1及び第2のビームをそれぞれ前記2つの偏光成分に分割することで、4つのビームを出力する第1の複屈折結晶と、
前記合波手段の第1の複屈折結晶の後段に配置され、前記第1及び第2のビーム間で、同一のモードの光に対応する偏光成分をそれぞれ合波可能となるよう、前記第1の複屈折結晶から出力された4つのビームが透過する領域ごとに各ビームの偏光方向を変化させる第1の半波長板と、
前記第1の半波長板の後段に配置され、前記第1の半波長板を透過した4つのビームについて、前記第1及び第2のビーム間で、同一のモードの光に対応する偏光成分をそれぞれ合波することによって、前記第1のモードの信号光と前記第2のモードの信号光とを出力する第2の複屈折結晶と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のモード分離装置。 - 前記合波手段は、
前記合波手段の第1の複屈折結晶の前段に配置され、前記干渉手段から出力された前記第1及び第2のビームをそれぞれ、前記第1の複屈折結晶によって前記2つの偏光成分に分割可能となるよう、前記干渉手段から出力された前記第1及び第2のビームのそれぞれの偏光方向を所定の角度だけ変化させる第2の半波長板、を更に備える
ことを特徴とする請求項6に記載のモード分離装置。 - 前記第1及び第2のモードは、同一の伝搬モードにおける縮退している2つのモードであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のモード分離装置。
- 前記第1及び第2のモードは、異なる伝搬モードであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のモード分離装置。
- 3つ以上のモードの光を分離するモード分離システムであって、
前記3つ以上のモードの光を、前記3つ以上のモードのうちで異なる伝搬モードの数に相当する数の光に分割するための複数のビームスプリッタと、
請求項1から7のいずれか1項に記載の、複数のモード分離装置と、を備え、
前記複数のビームスプリッタによって分割された光は、前記複数のモード分離装置のそれぞれの分割手段に入射し、
前記複数のモード分離装置は、それぞれ異なる伝搬モードにおける縮退している2つのモードの光を分離して出力する
ことを特徴とするモード分離システム。 - 3つ以上のモードの光を分離するモード分離システムであって、
請求項1から7のいずれか1項に記載の、複数のモード分離装置を備え、
前記複数のモード分離装置は、多段に配置されており、それぞれ異なるモードの2つの光を順に分離して出力する
ことを特徴とするモード分離システム。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のモード分離装置から成り、
前記モード分離装置の出力側から、前記第1のモードの信号光と前記第2のモードの信号光とが入射されることによって、前記モード分離装置の入力側から、前記第1のモードの信号光と前記第2のモードの信号光とが多重された信号光を出力する、
ことを特徴とするモード多重装置。 - 前記第1及び第2のモードは、同一の伝搬モードにおける縮退している2つのモードであることを特徴とする請求項12に記載のモード多重装置。
- 前記第1及び第2のモードは、異なる伝搬モードであることを特徴とする請求項12に記載のモード多重装置。
- 3つ以上のモードの光を多重するモード多重システムであって、
請求項12に記載の複数のモード多重装置と、
前記複数のモード多重装置から出力された光を合波して出力するための複数のビームスプリッタと、を備え、
前記複数のモード多重装置は、それぞれ異なる伝搬モードにおける縮退している2つのモードの光を多重して出力する
ことを特徴とするモード多重システム。
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