JP6281416B2 - ライン状光照射装置およびライン状光照射装置の動作状態検査方法 - Google Patents
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Description
ライン状光照射装置のある種のものは、例えば図10に示すように、複数のLED光源86が一方向(X方向)に配列されてなる光源部85を備えている。各々のLED光源86は、LED素子87と、半球状レンズ88とにより構成されている。そして、光源部85の、LED光源86の光軸C1が延びる方向(Z方向)前方側の位置には、一方向に長尺な柱状の例えばシリンドリカルレンズ90が配置されている。このような構成のライン状光照射装置は、例えば特許文献1に記載されている。
このライン状光照射装置においては、各々のLED光源86におけるLED素子87から半球状レンズ88を介して出射される光は、シリンドリカルレンズ90によって、X方向に広がるとともにY方向(LED光源86の光軸C1に垂直な平面内においてX方向と直交する方向)に収束される。従って、光照射面Sにおいては、隣接するLED光源86による光照射領域(図10(b)において、便宜上、破線および二点鎖線で示す。)LaのX方向の端部部分が互いに重畳されて、X方向に延びるライン光が照射される。
また、このようなライン状光照射装置における複数のLED光源は、通常、一斉に点灯されるため、光量が低下したLED素子を特定することが困難であった。
また、複数の発光素子を備えたライン状光照射装置において、劣化した発光素子を容易に特定することができるライン状光照射装置の動作状態検査方法を提供することを目的とする。
当該柱状レンズは、その周面に、前記発光素子の各々からの光が入射される入射面と、入射された光が出射される出射面とを有し、
当該柱状レンズの一端面には、前記発光素子から当該柱状レンズに入射された光を検知する光検知部が当該柱状レンズの一端面に対向して配置されていることを特徴とする。
このような構成のものにおいては、前記反射部は、前記柱状レンズの周面における非有効領域に形成されていることが好ましい。
このような構成のものにおいては、前記柱状レンズの一端面および他端面の各々には、各々前記発光素子のいずれかの発光波長特性に応じた感度を有する2以上の光検知部が前記柱状レンズの一端面または他端面に対向して配置された構成とされていることが好ましい。
前記発光素子の各々を個別に点灯させて前記柱状レンズの端面から出射される光を検知光として前記光検知部によって検出し、当該光検知部の検出信号に基づいて、当該点灯された発光素子の状態を検査することを特徴とする。
また、柱状レンズの一端面から取り出される光を検知光として利用しているので、柱状レンズの出射面から出射される光の出力を低下させることなく、個々の発光素子の発光状態を確認することができる。しかも、必要とされる光検知部の数も少なくすることができるので、ライン状光照射装置自体のコンパクト化および構造の簡素化を図ることができる。
図1は、本発明のライン状光照射装置の一例における構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すライン状光照射装置の要部の構成を概略的に示す図であって、(a)が正面図、(b)が側面図である。
このライン状光照射装置は、一方向に沿って直線状に配列された複数の発光素子を備えた光源部15を有する。光源部15は、一方向に長尺な平板状のLED基板22と、このLED基板22の一面上において、一方向に沿って直線状に配列された複数のLED光源21と、LED基板22の他面に配置されたヒートシンク20とを備えている。以下においては、便宜上、LED光源21の配列方向(前記一方向)を「X方向」、LED光源21の光軸方向を「Z方向」、LED光源21の光軸C1に垂直な平面内においてLED光源21の配列方向に直交する方向を「Y方向」と定義するものとする。
複数のLED素子21aが、互いに同一の発光波長特性を有するものであることにより、各々のLED素子21aの光出力のバラツキを相互に補償することができる。
第2の柱状レンズ28を保持する保持機構30は、第2の柱状レンズ28の両端部の各々を挟持して保持するカンチレバー31によるカンチレバー構造を有する。
この例における光検知部38は、受光面36が第1の柱状レンズ24の一端面24aに対向して配置された光センサ35を備えている。
光センサ35としては、例えば光量を検出するフォトダイオードや、LED素子21aの発光波長特性に応じた分光強度を検知するセンサ装置などを用いることができる。
そして、光センサ35により検出される光量が一定以上低下していることが検知された場合には、LED素子21aの各々を個別に(単独で)点灯させて当該点灯されたLED素子21aの光量を光センサ35により検出することにより各々のLED素子21aの発光状態を検査する。これにより、光量が劣化したLED素子が特定され、例えば、当該LED素子に供給する電力量が個別に調整されることによって所望の配光分布が得られる状態が維持される。
また、第1の柱状レンズ24の一端面24aから出射される光を光センサ35の検知光として利用しているので、第1の柱状レンズ24の出射面24cから出射される光出力を低下させることなく、LED素子21aの発光状態を確認することができる。しかも、必要とされる光センサは1つでよいので、ライン状光照射装置自体のコンパクト化および構造の簡素化を図ることができる。
例えば、図3に示すように、第1の柱状レンズ24の外周面における特定の領域に、第1の柱状レンズ24の長手方向(X方向)に沿って延びる反射部45が形成された構成とされていてもよい。ここでいう「反射」とは、拡散反射も含む。また、「反射部」とは、例えば、高反射率の金属材料が塗布ないしは蒸着する手段、プリズム面となる凹凸加工を施す手段、柱状レンズの外周面に拡散シートを張り付ける手段、あるいはフロスト加工を施す手段などによって、形成されるものをいう。
反射部45が第1の柱状レンズ24の出射面24cにおける特定の領域(非有効領域)に形成された構成とされていることにより、第1の柱状レンズ24の出射面24cからの光出力を低下させることなく、第1の柱状レンズ24に入射されて特定方向に進行する所望の光成分を反射部45によって反射または拡散させて第1の柱状レンズ24の端部に向かってX方向に導光することができる。従って、第1の柱状レンズ24の一端面24aから取り出される検知光の光量を、LED素子21aの出力光量や光センサ35の感度に応じて調整することが可能となる。また、入射面24bにおける光源部15からの光の受光面積を狭めないという点においても、第1の柱状レンズ24の出射面24cからの光出力が低下することを回避することができる。
ここに、検知光の光量は、反射部45の材質や形状、あるいは、反射部45の形成領域の面積(大きさ)や形成位置などを、目的に応じて適宜変更することにより、調整することができる。
このライン状光照射装置は、光源部15が、互いに発光波長域の異なるLED素子を備えた複数の第1のLED光源211および複数の第2のLED光源212が、一方向に沿って直線状に交互に配列されて構成されていると共に、第1の柱状レンズ24の他端面24dに光反射部が形成されていない構成とされていることの他は、図3に示すライン状光照射装置と同一の構成を有する。
一方の光検知部38a1は、第1のLED光源211におけるLED素子21a1の発光波長特性に応じた感度を有する光センサ35a1を備えており、この光センサ35a1は、その受光面36が第1の柱状レンズ24の一端面24aに対向して配置されている。
他方の光検知部38a2は、第2のLED光源212におけるLED素子21a2の発光波長特性に応じた感度を有する光センサ35a2を備えており、この光センサ35a2は、その受光面36が第1の柱状レンズ24の他端面24dに対向して配置されている。
このような構成とされていることにより、第1のLED光源211および第2のLED光源212のいずれのLED素子に光量低下などの発光状態の変化(劣化)が生じた場合であっても、光量が低下したLED素子を確実に特定することができる。
また、2つの柱状レンズを備えた構成のものにおいては、2つの柱状レンズの光軸方向(Z方向)の離間距離および各柱状レンズの出射面の曲率の大きさの両者の組み合わせを適宜選択することによって、光源部から光照射面までの距離を設定することができるので、第1の柱状レンズおよび第2の柱状レンズのレンズ径などの具体的な構成は、上記実施例に係るものに限定されない。
このような構成のものにおいては、光センサ35の受光面36のサイズが第1の柱状レンズ24の一端面24aの面積より相対的に小さい場合であっても、第1の柱状レンズ24の一端面24aから出射される光を確実に光センサ35の受光面36に入射させることができる。
図3に示す構成に従って、本発明に係るライン状光照射装置を作製した。
光源部(15)は、60個の白色LED光源(21)を直線状に配列して構成した。LED光源の配置ピッチ(Pd)は5mmである。
第1の柱状レンズ(24)としては、アクリル樹脂よりなり、長さ(X方向寸法)が300mm、直径がφ10mmであるロッドレンズを用いた。そして、第1の柱状レンズの軸中心に垂直な断面において、出射面(24c)の曲率中心(R1)を中心とする、光軸(C2)に対して30°〜40°の角度範囲の周面領域に長手方向の全域にわたって反射部(45)を形成した。反射部は、白色塗料をスクリーン印刷することにより形成した。
第1の柱状レンズの一端面に配置される光センサ(35)としては、受光面(36)のサイズが10mm角であるフォトダイオードを用いた。
第2の柱状レンズ(28)としては、アクリル樹脂よりなり、長さ(X方向寸法)が300mm、直径がφ25mmであるロッドレンズを用いた。
このライン状光照射装置においては、第2の柱状レンズの光軸上において第2の柱状レンズの出射面から50mm離間した位置において、Y方向の幅が4mmであるライン光が照射される。
さらに、すべてのLED光源を互いに同一の点灯条件で一斉に点灯させて、第2の柱状レンズの光軸上において出射面から50mm離間した位置に配置されたスクリーン上に照射されるライン光におけるX方向の配光分布(照度分布)を調べた。結果を図9において破線の曲線で示す。
そして、光量が低下したLED素子に対する供給電流量を他のLED素子より大きく設定(調整)してすべてのLED素子を一斉に点灯させ、上記と同様の方法により、光照射領域におけるX方向の配光分布(照度分布)を調べたところ、図9において実線で示す配光分布曲線が得られた。このように、光センサによって検出される個々のLED素子の発光状態に基づいて各々のLED素子の点灯条件が互いに独立して制御されることにより、所望の配光分布、具体的には、X方向において均一性の高い配光分布が得られる状態を維持することができることが確認された。
20 ヒートシンク
21 LED光源
211 第1のLED光源
212 第2のLED光源
21a,21a1,21a2 LED素子
21b 平凸レンズ
22 LED基板
23 保護部材
23a 貫通穴
24 第1の柱状レンズ
24a 一端面
24b 入射面
24c 出射面
24d 他端面
25 保持機構
26 カンチレバー
28 第2の柱状レンズ
28b 入射面
28c 出射面
29 光反射部
30 保持機構
31 カンチレバー
35,35a1,35a2 光センサ
36 受光面
37a 集光レンズ
37b 反射ミラー
37b1 反射面
38,38a1,38a2 光検知部
45 反射部
85 光源部
86 LED光源
87 LED素子
88 半球状レンズ
90 シリンドリカルレンズ
R1 第1の柱状レンズの出射面の曲率中心
R2 第2の柱状レンズの出射面の曲率中心
C1 LED光源の光軸
C2 第1の柱状レンズの光軸
C3 第2の柱状レンズの光軸
S 光照射面
La 光照射領域
Claims (7)
- 一方向に沿って直線状に配列された複数の発光素子を備えた光源部と、前記一方向に沿って延びる長尺な柱状レンズとを備えており、
当該柱状レンズは、その周面に、前記発光素子の各々からの光が入射される入射面と、入射された光が出射される出射面とを有し、
当該柱状レンズの一端面には、前記発光素子から当該柱状レンズに入射された光を検知する光検知部が当該柱状レンズの一端面に対向して配置されていることを特徴とするライン状光照射装置。 - 前記柱状レンズの周面には、前記発光素子から入射される光の一部を当該柱状レンズの一端面に向かって反射する反射部が、当該柱状レンズの長手方向に沿って延びるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のライン状光照射装置。
- 前記反射部は、前記柱状レンズの周面における非有効領域に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のライン状光照射装置。
- 前記柱状レンズの他端面には、当該他端面に向かって導光される光を当該柱状レンズの一端側に向かって反射する光反射部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のライン状光照射装置。
- 前記光源部は、互いに異なる波長域の光を出力する少なくとも2種以上の発光素子を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のライン状光照射装置。
- 前記柱状レンズの一端面および他端面の各々には、各々前記発光素子のいずれかの発光波長特性に応じた感度を有する2以上の光検知部が前記柱状レンズの一端面または他端面に対向して配置されていることを特徴とする請求項5に記載のライン状光照射装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のライン状光照射装置の動作状態検査方法であって、
前記発光素子の各々を個別に点灯させて前記柱状レンズの端面から出射される光を検知光として前記光検知部によって検出し、当該光検知部の検出信号に基づいて、当該点灯された発光素子の状態を検査することを特徴とするライン状光照射装置の動作状態検査方法。
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