[パチンコ遊技機の全体構成]
以下、本発明の遊技機としてのパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ遊技機の正面図であり、図3はパチンコ遊技機の背面図である。
パチンコ遊技機1は、図1〜図3に示すように、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域605を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ遊技機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域605が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302(図7を参照)と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域605内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
また、パチンコ遊技機1は、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5がそれぞれ上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、それぞれの左右方向の横幅が略同じ寸法とされているとともに、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取り付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うようにそれぞれが配置されるとともに、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
また、パチンコ遊技機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域605が臨むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域605内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域605内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域605内へ手等を挿入して遊技領域605内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。
[外枠の全体構成]
次に、遊技ホールの島設備に設置される外枠2について、図4を参照して説明する。図4は外枠の正面斜視図である。外枠2は、図4に示すように、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、それぞれの枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、後述する上支持金具20が取り付けられている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされている。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ遊技機1を遊技ホールのパチンコ島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ遊技機1を保持し易くすることができるようになっているとともに、外観の意匠性を高められるようになっている。
外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具386の軸支ピン389(図5を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具393に形成された本体枠支持板に設けられた支持孔が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具393の支持孔に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具386の軸支ピン389を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、外枠2は、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25(図1を参照)が取り付け固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されている。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000(施錠装置)のフック部1054,1065(図1を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて外枠2に対する本体枠3の閉鎖状態を解除することができるものである。
[本体枠の全体構成]
次に、外枠2の前面側に開閉自在に設けられる本体枠3について、図5及び図6を参照して説明する。図5は本体枠の正面斜視図であり、図6は本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。本体枠3は、図5に示すように、本体枠3の骨格を形成するとともに前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口371を有した本体枠ベース370と、本体枠ベース370の正面視左側端部の上端及び下端にそれぞれ取り付けられ外枠2に軸支されるとともに扉枠5を軸支するための上軸支金具386及び下軸支金具391と、本体枠ベース370の下部前面に取り付けられ遊技盤4の遊技領域605内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース370の後側に取り付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払い出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース370の前面に取り付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース370の下部後面に取り付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース370における遊技盤保持口371の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース370の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取り付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[本体枠ベース]
次に、本体枠ベース370について説明する。本体枠ベース370は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされているとともに、前後方向に所定量の奥行きを有するように形成されている。本体枠ベース370は、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口371と、本体枠ベース370の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部372と、前端枠部372の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c(図1を参照)、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167(図1を参照)及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片164(図1を参照)が挿入係合される係合溝373と、を備えている。
また、本体枠ベース370は、遊技盤保持口371の下側から本体枠ベース370下端まで延出し前端枠部372の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部374と、前端枠部372よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口371の内周壁を形成する周壁部375と、を備えている。周壁部375によって、コ字状の前端枠部372の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース370の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース370は、下部後壁部374の上端に遊技盤保持口371の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部376と、遊技盤載置部376の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル600のアウト球排出溝と係合する位置決め突起377と、周壁部375における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部と、周壁部375の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ379と、を備えている。本体枠ベース370の位置決め突起377は、遊技盤4のアウト球排出溝と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
また、本体枠ベース370は、下部後壁部374が前端枠部372の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部374の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部内に収容されるように前側から打球発射装置650が取り付けられるようになっている。この下部後壁部374の前面に打球発射装置650を取り付けた状態では、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間385が形成されるようになっている。本実施形態では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間385の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542e(図1を参照)が位置するようになっており、ファール空間385を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302(図7を参照)へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース370は、正面視で下部後壁部374の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部と、開口部の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔380と、を備えている。この本体枠ベース370の開口部は、前側から中継端子板カバー692によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部374の後面に取り付けられた基板ユニット800の主扉中継端子板880と周辺扉中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。
また、本体枠ベース370は、正面視で下部後壁部374の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴381の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出するための扉枠開放スイッチ382が取り付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検出することができるようになっている。また、本体枠ベース370は、扉枠開放スイッチ382が取り付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検出するための本体枠開放スイッチ384が取り付けられており、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検出することができるようになっている。
[上軸支金具及び下軸支金具]
次に、上軸支金具386及び下軸支金具391について説明する。上軸支金具386及び下軸支金具391は、本体枠ベース370の正面視左端上下後面の金具取付部に、所定のビスを用いてそれぞれ取り付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるとともに、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
上軸支金具386は、本体枠ベース370の上側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部387と、取付部387の上端から前方へ延出する板状の前方延出部388と、前方延出部388の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン389と、軸支ピン389の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン(図示せず)が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴390と、前方延出部388の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパと、を備えている。上軸支金具386は、取付部387、前方延出部388、及びストッパが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
下軸支金具391は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具392と、扉枠軸支金具392の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具393と、を備えている。下軸支金具391における扉枠軸支金具392は、本体枠ベース370の下側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部と、取付部の下端から前方へ延出する板状の前方延出部392bと、前方延出部392bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン(図示せず)が挿入される扉枠軸支穴392cと、前方延出部392bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ392dと、を備えている。この扉枠軸支金具392は、取付部、前方延出部392b、及びストッパ392dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具391における本体枠軸支金具393は、本体枠ベース370の下側の金具取付部に取り付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部と、取付部の下端から前方へ延出する前方延出部393bと、前方延出部393b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支孔と、を備えている。本体枠軸支金具393もまた、取付部、及び前方延出部393bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
下軸支金具391は、扉枠軸支金具392の取付部と本体枠軸支金具393の取付部とが前後方向に重なった(接した)状態とされるとともに、扉枠軸支金具392の前方延出部392bと本体枠軸支金具393の前方延出部393bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース370における下側の金具取付部に取り付けられるようになっている。
上軸支金具386及び下軸支金具391は、本体枠ベース370に取り付けた状態で、上軸支金具386の軸支ピン389と、下軸支金具391の本体枠軸支孔とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具391における本体枠軸支金具393の本体枠軸支孔が、外枠2における下支持金具21の支持突起21d(図4を参照)に嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具393の前方延出部393bを、下支持金具21の支持突出片21c(図4を参照)上に載置した上で、上軸支金具386の軸支ピン389を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c(図4を参照)内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、上軸支金具386及び下軸支金具391は、本体枠ベース370に取り付けた状態で、上軸支金具386の扉枠軸支穴390と、下軸支金具391の扉枠軸支穴392cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具391における扉枠軸支金具392の扉枠軸支穴392cに、扉枠5の軸ピンが挿入されるように扉枠5の下軸支部を扉枠軸支金具392の前方延出部392b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具386の扉枠軸支穴390に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本実施形態では、扉枠5の上側の軸ピンは、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具386の扉枠軸支穴390へ挿入させる際に、軸ピンを一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部と上軸支金具386の前方延出部388とが上下に重なるようにした上で、軸ピンを上方へスライドさせることで扉枠軸支穴390へ挿入することができるようになっている。
[打球発射装置]
次に、打球発射装置650について説明する。打球発射装置650は、本体枠ベース370における下部後壁部374の前面所定位置に取り付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取り付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取り付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、回転駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の回転駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が回転駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
打球発射装置650は、本体枠ベース370の下部後壁部374に取り付けた状態においては、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部374の上端、つまり、遊技盤載置部376(遊技盤保持口371の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口371に保持された遊技盤4における外レール602の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間385が形成されるようになっている。そして、打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間385を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域605内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態においては、ファール空間385の下部に、扉枠5に取り付けられるファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域605内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間385を落下してファール球入口542eへ受け入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
[賞球ユニット]
次に、賞球ユニット700について説明する。パチンコ遊技機1を設置するホールにおけるパチンコ島設備において、パチンコ島設備側からパチンコ遊技機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基づいてパチンコ遊技機1の上皿301へ払い出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース370の後面に取り付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取り付けられパチンコ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基づいて払い出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710の後面に取り付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。
[賞球タンク]
賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。
[タンクレールユニット]
タンクレールユニット730は、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、を備えている。整列歯車732は、タンクレール731の仕切壁によって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。
[賞球装置]
賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口から排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基づいて皿ユニット300の上皿301へ払い出すためのものである。賞球装置740は、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路と、供給通路の下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間と、振分空間の背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路と、振分空間の背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路と、を備えている。この供給通路、振分空間、賞球通路、及び球抜通路は、後方へ開放された状態で形成されている。
賞球装置740は、払出モータ744の回転軸に一体回転可能に固定されモータ支持板の後側に配置される第1ギアと、第1ギアと噛合する第2ギアと、第2ギアと噛合する第3ギアと、第3ギアとともに一体回転し振分空間内に配置される払出回転体と、払出回転体とは第3ギアを挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本実施形態では、3つ)の検出スリットが形成された回転検出盤と、を備えるとともに、供給通路内の遊技球の有無を検出するための球切れスイッチ750と、賞球通路内を流下する遊技球を検出するための計数スイッチ751と、払出回転体と一体回転する回転検出盤に形成された検出スリットを検出するための回転角スイッチ752と、回転角スイッチ752を保持する回転角スイッチ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752と後述する払出制御基板との接続を中継する賞球ケース内基板754と、を備えている。
払出回転体は、周方向に等間隔でそれぞれ1つの遊技球を収容可能な大きさの3つの凹部を備えており、払出回転体が回転することで、供給通路から供給された遊技球が1球ずつ凹部に収容されて、賞球通路又は球抜通路側へ払い出すことができるようになっている。また、払出回転体と一体回転する回転検出盤に形成された3つの検出スリットは、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されるとともに、払出回転体の凹部間と対応する位置にそれぞれ設けられており、検出スリットを回転角スイッチ752によって検出することで、払出回転体の回転位置を検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ744の18ステップの回転に相当するように設計されている。
賞球装置740は、払出モータ744によって払出回転体が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路内の遊技球が、賞球通路へ払出されるようになっており、払出回転体の回転によって賞球通路へ払出された遊技球は、計数スイッチ751によって1球ずつ数えられた上で賞球通路へ受け渡されるようになっている。一方、球抜き操作部材がホールの店員等により操作されると、供給通路内の遊技球が球抜通路へ払出されるようになっており、球抜通路へ払出された遊技球は、球抜通路の下端から後述する満タン分岐ユニット770を介してパチンコ遊技機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
[満タン分岐ユニット]
満タン分岐ユニット770は、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球装置740の賞球通路を流下してきた遊技球を受ける賞球受口と、賞球受口の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間と、分岐空間における賞球受口の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路と、通常通路を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間における賞球受口の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路と、満タン通路を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
また、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路を流下してきた遊技球を受ける球抜受口と、球抜受口に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路と、球抜通路を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口と、を備えている。
満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、それぞれ扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542c(図1を参照)と対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口は、本体枠ベース370における本体枠ベース球抜通路の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口から放出された遊技球が本体枠ベース370の本体枠ベース球抜通路へ受け渡されるようになっている。
皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口から上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路内も一杯になる。この状態で、賞球受口から分岐空間内へ侵入した遊技球は、通常通路内へ侵入することができず、分岐空間内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路内へ侵入して、満タン球出口からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路、そして第二球出口を介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
[基板ユニット]
次に、基板ユニット800について説明する。基板ユニット800は、図6に示すように、本体枠ベース370の下部後壁部の後面に取り付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取り付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の後面に取り付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取り付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成される電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取り付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取り付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取り付けられる主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882と、を備えている。
電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能なボックス収容部と、を備えている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっているとともに、基板ユニットベース810の開口部が排出通路842へ臨む位置に形成されており、本体枠ベース370における下部後壁部の後面に形成された本体枠ベース球抜通路を流通して基板ユニットベース810の開口部を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、遊技盤4のアウト球排出部から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球と、を排出通路842を通してパチンコ遊技機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取り付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取り付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取り付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取り付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。したがって、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本実施形態では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
また、払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に設けられた検査用出力端子860c等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取り付けられる基板ベース871と、基板ベース871の後面に取り付けられ後方へ向かって周辺パネル中継端子872が固定された枠周辺中継端子板868と、基板ベース871の後面に取り付けられ後方へ向かってCRユニット中継端子873が固定された遊技球等貸出装置接続端子板869と、周辺パネル中継端子872とCRユニット中継端子873とが後側へ臨むように基板ベース871の後側を覆う基板カバー874と、を備えている。周辺パネル中継端子872は、パチンコ遊技機1を設置するパチンコ島設備側に備えられたパチンコ遊技機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と接続するためのものであり、CRユニット中継端子873は、パチンコ遊技機1と隣接して設置されるCRユニットと接続するためのものである。
主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠3に取り付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御基板4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部に取り付けることで、本体枠ベース370の前面から前側へ臨むようになっており、扉枠5から延びだした配線を接続することができるようになっている。
なお、主扉中継端子板880及び周辺扉中継端子板882は、本体枠ベース370の前面に取り付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっているとともに、中継端子板カバー692の開口692aを通して、接続端子のみが前側へ臨むようになっており、本体枠3の前面がすっきりした外観となるようになっている。
また、主扉中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500のポテンショメータ512、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タンスイッチ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。なお、貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500のポテンショメータ512、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タンスイッチ550についての説明を後述する。
また、周辺扉中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、及び操作ユニット400に備えられた、ダイヤル駆動モータ414、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を各々検出する各種スイッチと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御基板4140との接続を中継するためのものである。なお、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、及び操作ユニット400に備えられた、ダイヤル駆動モータ414、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を検出する各種スイッチについての説明は後述する。
[扉枠の全体構成]
次に、本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図1、図2及び図7を参照して説明する。図7は主として扉枠の前面側を示す遊技機の斜視図である。扉枠5は、図2に示すように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニットと、扉枠ベースユニットの前面で遊技窓101の右外周に取り付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニットの前面で遊技窓101の左外周に取り付けられる左サイド装飾ユニット240と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニットの前面で遊技窓101の下部に取り付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取り付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300の右側に取り付けられている上皿側液晶表示装置470、この上皿側液晶表示装置470の表示領域を覆うように設けられており接触状態を検知しうる接触面を有する静電容量型のタッチパネル480(接触型入力装置)、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニットの右下隅部に取り付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニットを挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニットの後面に取り付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニットの後面に取り付けられる球送ユニット580と、扉枠ベースユニットの後側に遊技窓101を閉鎖するように取り付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[扉枠ベースユニット]
次に、扉枠ベースユニットについて説明する。扉枠ベースユニットは、外形が縦長の矩形状に形成されるとともに、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取り付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に取り付けられる一対のサイドスピーカ130と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取り付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケットと、を備えている。
また、扉枠ベースユニットは、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取り付けられる防犯カバー180(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取り付けられるガラスユニット係止部材190(図1を参照)と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取り付けられる発射カバー191(図1を参照)と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取り付けられ後述するハンドル装置500のポテンショメータ512と後述する遊技盤4に備えられた主制御基板4100との接続を中継するハンドル中継端子板192(図1を参照)と、ハンドル中継端子板192の後側を被覆するハンドル中継端子板カバー193(図1を参照)と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル中継端子板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取り付けられる枠装飾駆動アンプ基板194(図1を参照)と、枠装飾駆動アンプ基板194の後側を被覆する枠装飾駆動アンプ基板カバー195(図1を参照)と、を備えている。
枠装飾駆動アンプ基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカと電気的に接続されるとともに、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御基板4140と電気的に接続されており、周辺制御基板4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、具体的な図示は省略するが、本実施形態では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータやスイッチ、ハンドル中継端子板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御基板4140等とを電気的に接続する配線が、枠装飾駆動アンプ基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で後方へ延出して本体枠3の主扉中継端子板880や周辺扉中継端子板882に接続されるようになっている。
[扉枠ベース本体]
扉枠ベース本体110は、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口を挿通可能な方形状の切欠部が形成され、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取り付けて固定するためのスピーカ取付部、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケットを取り付けるためのハンドル取付部、ハンドル取付部の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口、ハンドル取付部の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116が形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。
[補強ユニット]
補強ユニット150は、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金151(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金152(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金153(図1を参照)と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金154(図1を参照)と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具386及び下軸支金具391に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、開放側補強板金153の後側下部には、錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。このフックカバー165は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000(施錠装置)の扉枠用フック部1041と係合するものであり、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動する(本体枠3を外枠2に対して開放する方向と反対方向に回転する)ことにより、扉枠用フック部1041とフックカバー165との係合が外れて本体枠3に対する扉枠5の閉鎖状態を解除することができるものである。
[皿ユニット]
次に、皿ユニット300について説明する。皿ユニット300は、賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えているとともに、上皿301に貯留した遊技球を球送ユニットを介して打球発射装置650へ供給することができるものである。
皿ユニット300の上皿上部パネル314の形状は、正面視で左方向から中央に向かって前方へ突出するように湾曲状に形成されるとともに、その中央から右方向に向かって直線上に前方へ突出して形成されている。皿ユニット300の上部中央には、操作ユニット400が取り付けられる操作ユニット取付部が形成され、この操作ユニット取付部の右側に上皿側液晶表示装置470を取り付けるための液晶取付部314dが形成される。液晶取付部314dが形成される上皿上部パネル314の形状は、板状に形成されており、この部分を例えば遊技者が手で下に向かって押しつけると下方向にたわむようになっており、その押しつける力が所定の力を超えると、上皿上部パネル314が壊れるようになっている。これは、上皿側液晶表示装置470が高価なものであるため、上皿側液晶表示装置470の画面を遊技者が手を押しつけた際に、その力を上皿上部パネル314で受けることにより上皿上部パネル314をたわませることで上皿側液晶表示装置470が破損しないようにしている。つまり、上皿側液晶表示装置470が破損する前に上皿上部パネル314が先に破損するという構造が採用されている。なお、上皿上部パネル314が破損した場合には、皿ユニット300を交換することとなる。この場合、壊れた上皿上部パネル314から上皿側液晶表示装置470を取り外して交換する皿ユニット300の上皿上部パネル314に取り付けて再利用する。
また、皿ユニット300には、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿球抜きボタン354の操作に応じて下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、パチンコ遊技機1に隣接して設置された図示しないCRユニットを作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
[操作ユニット]
操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401(操作部)と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405(操作部)と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。ダイヤル操作部401の回転(回転方向)は、操作ユニット400に備える回転検出スイッチにより検出され、押圧操作部405の操作は、操作ユニット400に備える押圧検出スイッチにより検出されるようになっている。
また、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計回りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転させる回転と逆転させる回転とを交互に繰返させることによりダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
[貸球ユニット]
貸球ユニットは、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えている。貸球ボタン361が操作されると、球貸スイッチ365aにより検出され、返却ボタン362が操作されると、返却スイッチ365bにより検出されるようになっている。貸球ユニット360は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払い出す)ことができるとともに、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
[球送ユニット]
次に、球送ユニット580について説明する。球送ユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を1球ずつ打球発射装置650へ供給することができるとともに、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
球送ユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、上皿301の上皿球排出口、扉枠ベース本体110の球送開口を通して供給され前後方向に貫通した侵入口、及び侵入口の下側に開口する球抜口を有し後方が開放された箱状の前カバーと、前カバーの後端を閉鎖するとともに前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバーの侵入口から侵入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバーと、後カバー及び前カバーの間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバーの後側で侵入口と球抜口との間を仕切る仕切部を有した球抜き部材と、球抜き部材の仕切部上の遊技球を1球ずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバーと後カバーとの間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送部材と、球送部材を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。
球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と、球送部材が遊技球を1球受け入れる一方、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。
[ハンドル装置]
次に、ハンドル装置500について説明する。ハンドル装置500は、扉枠ベース本体110の前面に取り付けられたハンドルブラケットに固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベースと、ハンドルベースに対して相対回転可能にハンドルベースの前側に配置される環状の回転ハンドル本体後と、回転ハンドル本体後の前面に固定され回転ハンドル本体後と一体回転可能とされた回転ハンドル本体前と、回転ハンドル本体前の前面に配置されると共にハンドルベースに固定され、ハンドルベースと協働して回転ハンドル本体前及び回転ハンドル本体後を回転可能に支持する前端カバーと、を備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出するように取り付けて固定され後端に非円形の軸受部を有した軸部材と、軸部材の軸受部と嵌合し回転可能とされた検出軸部を有しハンドルベースの前面に回転不能に嵌合されるポテンショメータ512と、ポテンショメータ512をハンドルベースとで挟むようにハンドルベースの前面に固定されポテンショメータ512の検出軸部が通過可能な貫通孔を有したスイッチ支持部材と、スイッチ支持部材の後面に取り付けられるタッチスイッチ516と、タッチスイッチ516とはスイッチ支持部材の後面の異なる位置に取り付けられる発射停止スイッチ518と、スイッチ支持部材に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタンと、軸部材の外周を覆うように配置され回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後を原回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネと、を備えている。なお、ポテンショメータ512は、回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域605に向かって打ち出す強度を電気的に調節するためのものである。また、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後は、原回転位置から正面視で時計周りの方向へ最大回転位置となる限界回転位置(正面視で時計周りの方向への回転端)まで回動する。
また、ハンドル装置500は、ポテンショメータ512が可変抵抗器とされており、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後を回転させると、軸部材を介してポテンショメータ512の検出軸部が回転することとなる。そして、検出軸部の回転位置(回転角度)に応じてポテンショメータ512の内部抵抗が変化し、ポテンショメータ512の内部抵抗に応じて打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後の回転角度、つまり回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後の回転位置に応じた(見合った)発射強度で遊技球が遊技領域605内へ打ち込まれるようになっている。
[ファールカバーユニット]
次に、ファールカバーユニット540について説明する。ファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニットにおける遊技窓101よりも下側の後面に取り付けられ、賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されたにも関わらず遊技領域605内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。ファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベースと、カバーベースの前端を閉鎖する前カバーと、を備えている。
ファールカバーユニット540のカバーベースは、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路と、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路と連通しカバーベースの内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776とそれぞれ対向する位置に形成されている。なお、カバーベースにおける第二球通路は、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路の下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路と、を備えている。また、カバーベースは、第二球入口の下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片を、備えている。この開閉作動片は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランクの球状の当接部と当接することで、開閉クランクを回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバーは、カバーベースの前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベースの第一球通路と連通し前後方向に貫通した第一球出口と、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口と、を備えている。前カバーの第一球出口は、扉枠ベースユニットの切欠部を通して皿ユニット300の上皿球供給口と接続されるようになっている。また、第二球出口は、扉枠ベース本体110の球通過口を通して皿ユニット300における下皿球供給樋の後端が接続されるようになっている。
ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路を通って第一球出口から皿ユニット300の上皿球供給口を介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路を通って第二球出口から皿ユニット300の下皿球供給樋及び下皿球供給口を介して下皿302へ供給することができるようになっている。
また、ファールカバーユニット540は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間385の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域605内へ到達せずにファール球となってファール空間385を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そしてファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路及び第二球通路を通って第二球出口から皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、ファールカバーユニット540は、第二球通路における収容空間の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベースに軸支された揺動部材と、揺動部材の揺動を検出する満タンスイッチ550と、揺動部材が満タンスイッチ550によって非検出状態となる方向へ付勢するバネと、を備えている。
この揺動部材は、カバーベースに対して下端が回動可能に軸支されているとともに、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材は、バネによって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材は、収容空間側とは反対側の側面に外側へ突出する検出片が形成されており、この検出片が満タンスイッチ550よって検出されるようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判断することができるようになっている。
[タッチパネル]
図8は、図7のタッチパネル付近の拡大図である。上皿側液晶表示装置470及びその表示領域に操作面が重なるように設けられているタッチパネル480が、本体枠3に対して開閉可能な扉枠5の幅方向の略中央部に設けられている。タッチパネル480においては、遊技者のタッチパネル480の接触面における接触状態を検知し、接触状態に基づいて接触部分の中心を示すタッチパネル480の接触面の座標値を取得して、座標値で表される位置を検出ポイントとして特定する。また、図示しない内部機構により、タッチパネルに対する、叩く、こする、はじくといった操作を判別して、図53に示された周辺制御基板4140において操作情報として取得する。
遊技者の遊技者参加型演出への参加は、遊技球を遊技領域605に打ち込みながら行うものであり、遊技者はハンドル装置500を通常右手によって操作するため、遊技者参加型演出への操作は、ハンドル装置500の操作に用いていない左手を用いるのが通常であることから、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480を扉枠5の幅方向略中央部に配置したことにより、遊技者参加型演出における最適な操作環境を提供することができる。
また、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480の左側で上皿301の前面に操作ユニット400が配置されており、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405とを備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受け付けたり、ダイヤル操作部401を可動したり、押圧操作部405を押圧操作することができる。ここで、368はタッチパネル480及び操作ユニット400の周囲に設けて、遊技者の操作する箇所を示唆する補助マークである。
本実施形態においては、操作ユニット400が、扉枠5の幅方向の略中央部に設けられている上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480の左側に設けられていることにより、前記のとおり、遊技者のタッチパネル480や操作ユニット400の操作は左手で行うことが通常であるところ、操作ユニット400の操作がしやすくなる。また、操作ユニット400の操作によって、上皿側液晶表示装置470の表示の視認を妨げることもない。しかしながら、本発明は操作ユニット400が、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480の左側に配置されるものに限定されるものではなく、遊技者が支障なく操作できるものであれば、上側、下側などに配置してもよいし、多少上皿側液晶表示装置470の表示の妨げになったとしても、右側等に配置することを排除するものではない。
また、本実施形態においては、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480と、操作ユニット400が平面視上、異なる位置に配置されているが、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480が配置されている箇所に重なるように操作ユニット400を配置することも可能である。そのように配置すると、遊技者の操作する範囲が限られた範囲となるため、遊技者の操作が容易となる。
さらに、本実施形態においては、上皿側液晶表示装置470の表示領域に操作面が重なるようにタッチパネル480が設けられているが、必ずしもタッチパネル480を上皿側液晶表示装置470の表示領域に重なるように設けなくともよく、タッチパネル480のみ単独で設けることもできるし、操作ユニット400上にタッチパネル480を設けることもできる。操作ユニット400上にタッチパネル480を設けたときは、遊技者の操作する範囲がさらに限られた範囲となって遊技者の操作を容易としつつ、操作ユニット400の操作する種別を増やすことが可能となる。
図8に示すように、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480と上皿301との間には操作部発光装置490が設けられており、上皿301と遊技盤4との間には上皿発光装置492が設けられている。さらに、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480と操作部発光装置490との間にはタッチパネル部発光装置494が設けられている。本実施形態においては、操作部発光装置490でタッチパネル480や、操作ユニット400の操作タイミング等の示唆を行い、上皿発光装置492と、タッチパネル部発光装置494とでタッチパネル480を操作した際に、操作が確実に行われていることを報知する。
操作部発光装置490は、上皿側液晶表示装置470及びタッチパネル480の近傍に位置しているという関係から、経験的に、操作部発光装置490が発光すると、遊技者は、タッチパネル480及び操作ユニット400と、操作部発光装置490とが関連していると認識することができる。加えて、タッチパネルはタッチして操作するということを遊技者は知っている為、操作部発光装置490が発光することは、タッチパネル480や、操作ユニット400を操作することができるタイミングであるという示唆となる。
また、上皿発光装置492及びタッチパネル部発光装置494は、遊技者がタッチパネル480を操作するタイミングに合わせて発光したり、タッチパネル480の操作の種類(タッチ操作や、フリック操作等)に応じて発光態様が変化したりすることで、タッチパネル480の操作に対する応答として上皿発光装置492及びタッチパネル部発光装置494とが発光していると認識することができる。そのため、タッチパネル480を操作していることを遊技者は容易に把握することができる。
タッチパネル480や、操作ユニット400の操作は、所定のタイミングにおいて所定の動作を行う必要があり、液晶表示装置1400や、上皿側液晶表示装置470によって所定のタイミングを知らせることも行われているが、液晶表示装置はバックライトによって常時発光しているため、発光などによって操作の所定のタイミングの報知を行っても、報知のための発光に気づかないおそれがある。また、遊技者は体格等によって、液晶表示装置に対する視線の角度が異なってくるため、角度によっては液晶表示装置が見にくくなって報知に気づかないおそれもある。さらに、液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置470とは若干配置場所が離れているため、遊技者が両方の液晶表示装置を同時に視認することは困難な場合があり、いずれかの液晶表示装置において操作の指示を行っていたとしても、遊技者が気づかないおそれがある。本実施形態のように、遊技盤4の位置から上皿301の位置にわたって発光装置による示唆を行うことにより、遊技者が確実にタッチパネル480や操作ユニット400の操作のタイミングや操作種別を把握することができる。
具体的な発光装置の示唆の手法としては、操作部発光装置490を点灯させたり、さらに上皿発光装置492とタッチパネル部発光装置494も同時に点灯させることができる。また、点灯に代えて点滅によって示唆を行ったり、上皿発光装置492、操作部発光装置490、タッチパネル部発光装置494と順に点灯又は点滅を行うことで示唆を行うこともでき、その逆も可能である。さらに、それぞれの発光装置として、多色発光可能な発光装置を用いて、発光色を同一にすることによって示唆を行うこともできる。また、それぞれの発光装置を点灯又は点滅した後に、液晶表示装置1400や上皿側液晶表示装置470に「叩け!」や「HIT」と表示するなど、液晶表示装置の表示内容を組み合わせて示唆を行うことも可能である。
[遊技盤の全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は遊技盤の正面図であり、図10は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図11は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。更に、図12は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図13は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。また、図14は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図15は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル600と、遊技パネル600の外周を覆うと共に遊技パネル600を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ630と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、機能表示ユニット640の前面に貼り付けられる機能表示シール649と、を備えている。
この遊技盤4は、主に遊技パネル600の前面側に配置される表ユニット2000と、遊技パネル600の後面側に配置される裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400と、を更に備えている。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド装飾部材2200と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2300と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2400と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、パネルホルダ630の後側に取付けられる枠状の裏前ユニット3000aと、裏前ユニット3000aの後側に取付けられる裏後ユニット3000bと、を備えている。この裏後ユニット3000bの後面には、液晶表示装置1400が脱着可能に取付けられるようになっており、裏前ユニット3000a及びセンター役物2400の枠内を通して、表示された演出画像が遊技者側から視認できるようになっている。
本例の遊技盤4における裏ユニット3000は、前後に分割された形態となっており、前側の裏前ユニット3000aと後側の裏後ユニット3000bとに分かれている。この裏ユニット3000における裏前ユニット3000aは、センター役物2400よりも外側で透明な遊技パネル600の後側を装飾する裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040を主に備えている。また、裏ユニット3000における裏後ユニット3000bは、遊技パネル600の後側で液晶表示装置1400の外周に配置される上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600を主に備えている。なお、液晶表示装置1400は、裏後ユニット3000bにおける裏箱621を構成する裏箱本体3100の後側に着脱可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1400の後側には、詳細は後述するが、周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150からなる周辺基板4010を収容した周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400へ電源を供給するインバータ基板1411を収容したインバータ基板ボックス1410とが備えられている。
[アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図16乃至図19を参照して説明する。図16はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図17はアタッカユニットを後から見た斜視図である。
また、図18はアタッカユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。更に、図19は、アタッカユニットにおける各開閉駆動機構を示す斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた区形状の大入賞口2103と、大入賞口2103の左右両側やや上寄りに配置された全部で四つの一般入賞口2104と、を備えている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させることで、第二始動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2106によって開閉可能とされている。この開閉部材2106は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、大入賞口2103は、開閉部材2106により可変入賞口となっている。
本例のアタッカユニット2100を更に詳述すると、図18に示すように、遊技パネル600の前面に取付けられ、左右中央に第一始動口2101及び大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、台板2110の前面の所定位置に一般入賞口2104を形成するように取付けられ上側及び後側が開放された四つのサイド受部材2112と、台板2110の前面で左右のサイド受部材2112の下側に夫々取付けられる透光性を有した板状の台板レンズ部材2113と、台板レンズ部材2113の後側に配置され前面に所定色で発光可能なLED2114aが実装されたアタッカサイド装飾基板2114と、アタッカサイド装飾基板2114の後側を覆い台板2110の後面に取付けられる基板カバー2115と、台板2110の後側に取付けられ、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及び開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、を備えている。
アタッカユニット2100における一対の可動片2105は、図示するように、下端付近で前後方向に貫通した軸孔2105aと、軸孔2105aとは偏芯し後面から後方へ延出した作用棹部2105bと、を備えている。また、開閉部材2106は、左右両端に形成された軸部2106aと、軸部2106aとは偏芯し正面視左端部から左方へ突出した作用棹部2106bと、前面下部の左右両端から前方へ突出し開閉部材2106における開方向の回動位置を規制するストッパ2106cと、を備えている。
アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されていると共に、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、表面にレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口2102と対応した位置に前後方向へ貫通する開口2110aを有している。また、台板2110は、第一始動口2101、第二始動口2102、大入賞口2103、及び一般入賞口2104と対応した位置に遊技球を誘導可能な後方へ延出した樋部2110aを備えている。
台板2110の前面に取付けられる中央受部材2110は、前面にレリーフ状の装飾が施されていると共に、透光性の低い部材によって形成されている。この中央受部材2110は、台板2110における開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸部2111aを備えており、これら軸部2111aを可動片2105の軸孔2105aに挿入することで可動片2105を回動可能に軸支することができるようになっている。
また、アタッカユニット2100のサイド受部材2112は、前面にレリーフ状の装飾が施されていると共に、透光性の低い部材によって形成されている。更に、アタッカユニット2100の台板レンズ部材2113は、唐草模様状のレリーフが施されていると共に、唐草模様状の部位のみ表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。なお、図46に示すように、台板レンズ部材2113におけるメッキ層が備えられた部位は、正面視でアタッカサイド装飾基板2114に実装されたLED2114aにかかるように形成されており、LED2114aの一部が遊技者側から臨むようになっている。
このアタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121と、始動口ソレノイド2121の駆動を可動片2105へ伝達させる始動口駆動伝達部材2122と、始動口駆動伝達部材2122及び始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、通電によって進退可能とされると共に、図示しないコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャ2121aを有しており、第一始動口2101の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャ2121aが前方へ向かって突出するように始動口駆動機構ベース2123に支持されている。なお、図示するように、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aの先端は、進退方向に対して直角方向へ延出した円盤状に形成されている。
始動口駆動伝達部材2122は、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aよりも下側の位置で左右方向へ延びた軸周りを回動するように始動口駆動機構ベース2123の前端に左右両端が軸支されている。この始動口駆動伝達部材2122は、左右方向の略中央上側にプランジャ2121aの円盤状の先端が挿入されるプランジャ挿入部2122aと、左右の両端付近に側面視で略C字状に形成され開放側が軸支位置よりも前方に位置した伝達係合部2122bと、を備えている。この始動口駆動伝達部材2122は、略C字状の伝達係合部2122bの内部に、その開放側から可動片2105の作用棹部2105bの後端が挿入されるようになっている。
この伝達係合部2122bは、通常の状態では略C字状の開放側が軸支位置よりも下方へ位置した状態(一対の可動片2105が直立して第二始動口2102が閉状態)となるようになっている。そして、始動口ソレノイド2121へ通電することで、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aが後退すると、開放側が軸支位置よりも上方へ位置した状態となると共に、伝達係合部2122b内に挿入係合された可動片2105の作用棹部2105bも上昇し、一対の可動片2105の上端同士が互いに離反した状態(第二始動口2102が開状態)となるようになっている。
始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支持することができるように箱状に形成されていると共に、前端に始動口駆動伝達部材2122を左右方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支することができるように形成されている。また、始動口駆動機構ベース2123は、上面に第一始動口2101へ受入れられて台板2110の対応する樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成され第二始動口2102へ受入れられて対応する樋部2110bを流通した遊技球を下方へ遊動する第二誘導部(詳細な図示は省略する)と、を備えている。
また、アタッカ駆動ユニット2120は、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を開閉駆動させるためのアタッカソレノイド2124と、アタッカソレノイド2124の駆動を開閉部材2106へ伝達させるアタッカ駆動伝達部材2125と、アタッカ駆動伝達部材2125及びアタッカソレノイド2124を支持すると共に開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベース2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2128と、アタッカ駆動機構ベース2126の下部に支持され上面に複数のLED2129aが実装された大入賞口装飾基板2129と、アタッカ駆動機構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、第二始動口センサ2127、及びカウントセンサ2128と主制御基板4100との接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカソレノイド2124は、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、図示しないコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャ2124aを有している。このアタッカソレノイド2124は、プランジャ2124aが正面視で左方向へ進退するように、アタッカ駆動機構ベース2126に取付けられている。なお、図示するように、アタッカソレノイド2124のプランジャ2124aの先端は、進退方向に対して直角方向へ延出した円盤状に形成されている。
アタッカ駆動伝達部材2125は、詳細な図示は省略するが、アタッカソレノイド2124におけるプランジャ2124aよりも前方且つ上方の位置で前後方向へ延びた軸周りを回動するようにアタッカ駆動機構ベース2126に軸支されている。このアタッカ駆動伝達部材2125は、前後方向へ延びアタッカ駆動機構ベース2126に軸支される軸部2125aと、軸部2125aから直角方向へ扇状(三角形状)に広がる板部2125bと、軸部2125aとは偏芯した位置で板部2125bの後面から後方へ突出しアタッカソレノイド2124のプランジャ2124aにおける円盤状に形成された先端を挟持可能な挟持部2125cと、軸部2125aに対して挟持部2125cよりも大きく偏芯した位置で板部2125bの前面から前方へ突出した二つの係合ピン2125dと、を備えている。
アタッカ駆動伝達部材2125は、図示するように、二つの係合ピン2125dの間に、アタッカ駆動機構ベース2126に軸支された開閉部材2106の作用棹部2106bの先端が挿入されるようになっている。このアタッカ駆動伝達部材2125は、アタッカソレノイド2124のプランジャ2124aがコイルバネの付勢力により突出した通常の状態では、二つの係合ピン2125dが軸部2125aよりも下方に位置し、上側の係合ピン2125dが開閉部材2106における作用棹部2106bと当接して作用棹部2106bが上方へ移動するのを阻止し開閉部材2106が直立した状態(大入賞口2103が閉状態)となるようになっている。一方、アタッカソレノイド2124が通電されてプランジャ2124aが没入(正面視で右方向へ移動)すると、アタッカ駆動伝達部材2125が正面視で反時計周りの方向へ回動し、その回動に伴って二つの係合ピン2125dも上方へ移動するように回動することとなる。この係合ピン2125dが上昇することで、二つの係合ピン2125dの間に挿入された開閉部材2106の作用棹部2106bも上昇することとなり、開閉部材2106の上端が相対的に前方へ移動するように回動し、上端が水平よりも若干上方に位置した状態(大入賞口2103が開状態)となるようになっている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカ駆動機構ベース2126は、上下に二分割された箱状に形成されており、その内部にアタッカソレノイド2124やアタッカ駆動伝達部材2125等を支持することができるようになっている。このアタッカ駆動機構ベース2126は、図示するように、前面に台板2110の大入賞口2103と対応した横長矩形状の開口部2126aを有しており、大入賞口2103へ受入れられた遊技球が開口部2126aを通して内部に進入するようになっている。詳細な図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース2126における開口部2126aの後側底面は、正面視右後部へ向かって低くなるように傾斜しており、その最底部に下方へ貫通する大入賞口通路が形成されており、その大入賞口通路内を流通する遊技球が検知できるようにカウントセンサ2128を支持している。また、アタッカ駆動機構ベース2126は、左右方向の略中央後部に上下方向へ貫通した始動口通路が形成されており、この始動口通路内を流通する遊技球が検知できるように第二始動口センサ2127を支持している。
なお、本例では、基板カバー2115、始動口駆動機構ベース2123、及びアタッカ駆動機構ベース2126が、透明な合成樹脂によって形成されており、大入賞口装飾基板2129のLED2129aからの光によって、アタッカ駆動機構ベース2126内等を発光装飾させることができるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲート部材2300において遊技球がゲート2302を通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105が拡開して受入可能となるようになっている。また、大入賞口2103では、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)、アタッカソレノイド2124が通電駆動されることで開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、アタッカユニット2100では、第一始動口2101へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aにおける右球誘導部材3050の右第一球通路3051へ送られるようになっている。また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知された後に下方へ排出されるようになっている。更に、大入賞口へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持されたカウントセンサ2128により検知された後に下方へ排出されるようになっている。また、一般入賞口2104へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aにおける右球通路部材3050の右第二球通路3052や、左球通路部材3060の左第一球通路3061、左第二球通路3062等へ送られるようになっている。
本実施形態のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124を、プランジャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、アタッカソレノイド2124を可及的に開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、アタッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くすることができ、アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるようになっている。
[サイド装飾部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド装飾部材2200について、主に図14及び図15等を参照して説明する。遊技盤4におけるサイド装飾部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、遊技領域605の内周に沿うように形成されている。
このサイド装飾部材2200は、遊技パネル600の前面に取付けられ遊技領域605の内周に略沿った円弧状の開口枠2202aを有した本体部材2202と、本体部材2202における開口枠2202a内に挿入される透明板状のサイドレンズ部材2204と、サイドレンズ部材2204の後側に配置され前面に複数のLED2206aが実装された左下円弧装飾基板2206(図46を参照)と、左下円弧装飾基板2206を後側から覆うように本体部材2202の後面に取付けられる基板カバー2208と、を備えている。
このサイド装飾部材2200における本体部材2202は、図示するように、その上端部に、遊技パネル600の前面よりも前方へ膨出し上面が右側へ向かって低くなるように傾斜した棚部2202bを備えており、棚部2202b上に流下してきた遊技球を、遊技領域605における左右方向の中央側へ誘導することができるようになっている。この本体部材2202は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
また、サイド装飾部材2200におけるサイドレンズ部材2204は、唐草模様状のレリーフが施されていると共に、唐草模様状の部位のみ表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、サイドレンズ部材2204によって円弧状の左下円弧装飾部2205を形成している。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ部材2204におけるメッキ層が備えられた部位は、正面視で左下円弧装飾基板2206に実装されたLED2206aにかかるように形成されており、LED2206aの一部が遊技者側から臨むようになっている(図46を参照)。
[ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材2300について、主に図14及び図15等を参照して説明する。遊技盤4におけるゲート部材2300は、透明な遊技パネル600における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2300は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート2302を有しており、このゲート2302内に配置されたゲートセンサ2304によりゲート2302を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2300は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが短く形成されており、遊技パネル600の前面よりも後側の部分が、遊技パネル600の厚さ内に収まるようになっている。
[センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2400について、主に図20及び図21を参照して説明する。図20は、センター役物の奥板を外した状態で斜め前から見た分解斜視図である。また、図21は、センター役物の奥板を外した状態で斜め後から見た分解斜視図である。本例のセンター役物2400は、透明な遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域605の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域605の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2400は、遊技パネル600の前面と当接する薄板状で枠状に形成されたフランジ部2401と、フランジ部2401から遊技パネル600の開口部600e内へ向って延出する挿入壁部2402と、フランジ部2401から前方へ突出する前壁部2403と、を主に備えている。このセンター役物2400の前壁部2403には、上側の外周面における左右方向の略中央の位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2404が形成されており、遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2404へ流下するとセンター役物2400の左側を通って流下するようになっていると共に、上棚部2404よりも右側へ流下(進入)した遊技球はセンター役物2400の右側を通って一気に遊技領域605の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2400における上棚部2404よりも右側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2400は、前壁部2403の左側の外周面に遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2405(図11を参照)と、ワープ入口2405に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2406と、ワープ出口2406から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域605内へ放出させ挿入壁部2402の下辺上面に形成されたステージ2410と、を主に備えている。このセンター役物2400におけるステージ2410は、ワープ出口2406から放出された遊技球が供給される第一ステージ2411と、第一ステージ2411の前側に配置され第一ステージ2411から遊技球が供給されると共に遊技領域605内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージ2412と、を備えている。
これら第一ステージ2411及び第二ステージ2412は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されており、ステージ2410の略中央から遊技領域605内へ放出(還流)された遊技球は、高い確率でアタッカユニット2100の第一始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
また、センター役物2400は、挿入壁部2402の後端に取付けられ、前後方向へ貫通した枠内のほとんどを閉鎖する透明板状の奥板2407を備えている。この奥板2407により、ステージ2410上に供給された遊技球が、ステージ2410の後方へ脱落して不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
更に、センター役物2400は、前壁部2403における正面視右側に、遊技領域605の内周に沿って形成された円弧状の右円弧装飾部2420と、右円弧装飾部2420の上端に配置された円形状の右円形装飾部2421と、センター役物2400の所定位置に複数配置された星形装飾部2422と、右円弧装飾部2420の内側に沿って複数列設された点状装飾部2423(図11を参照)と、右円弧装飾部2420の内側(正面視左側)で上下方向の略中央に外形が矩形状の右ロゴ装飾部2424と、左右方向の中央上部に配置され右ロゴ装飾部2424のおよそ半分の大きさの上中ロゴ装飾部2425と、を主に備えている。
この右円弧装飾部2420は、図示するように、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有しており、枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。この右円弧装飾部2420の表面には、金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、右円形装飾部2421は、前方へ膨出し透光性を有した円形の中央部と、中央部の外周から扇状に延び表面に金属光沢を有するメッキ層が形成された外延部とを備えている。更に、星形装飾部2422は、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
また、点状装飾部2423は、透明な合成樹脂によって前端が半球状に形成されており、遊技者があたかも砲弾状のLEDに見えるように形成されている。また、右ロゴ装飾部2424は、矩形状の枠内に所定のロゴが透光性を有した状態で形成されている。更に、上中ロゴ装飾部2425は、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
このセンター役物2400は、右円弧装飾部2420の後側に配置され円弧状に複数のLED2430aが実装された右円弧装飾基板2430と、右円形装飾部2421の後側に配置され前面に複数のLED2432aが実装された右円形装飾基板2432と、右ロゴ装飾部2424の後側に配置され前面に複数のLED2434aが実装された右ロゴ装飾基板2434(図46を参照)と、を備えている。なお、図示するように、右円弧装飾基板2430に実装されたLED2430aは、正面視で、右円弧装飾部2420における唐草模様状の部位に一部がかかるように配置されており、LED2430aの一部が遊技者側から臨むようになっている。
本例のセンター役物2400は、右円弧装飾基板2430のLED2430aを適宜色で発光させることで、右円弧装飾部2420を円弧状に発光装飾させることができると同時に、点状装飾部2423を発光装飾させることができるようになっている。また、右円形装飾基板2432のLED2432aを適宜色で発光させることで、右円形装飾部を発光装飾させることができるようになっている。更に、右ロゴ装飾基板2434のLED2434aを適宜色で発光させることで、右ロゴ装飾部2424を発光装飾させることができるようになっている。
このセンター役物2400は、詳細な図示は省略するが、フランジ部2401と前壁部2403の表面に、金属光沢を有したメッキ層が備えられており、右円弧装飾部2420、右円形装飾部2421の外延部、星形装飾部2422、右ロゴ装飾部2424等と共に、金属光沢を有したメッキ層によって光の反射率が高く、全体が煌びやかにキラキラと光るようになっている。特に、星形装飾部2422では、表面(前面)に大小様々な複数の多角錐が形成されており、入射してきた光を宝石の如くキラキラと反射させることができるようになっている。
なお、センター役物2400では、挿入壁部2402がステージ2410を含めて無色透明な合成樹脂によって形成されており、ステージ2410を通して下側後に配置された裏ユニット3000の下部可動装飾体ユニット3600が見えるようになっている。また、センター役物2400の枠内を通して後側に配置された裏ユニット3000の上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235や液晶表示装置1400が遊技者側から良好に見えるようになっている。
[裏前ユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット3000の裏前ユニット3000aの詳細な構成について、主に図22乃至図25を参照して説明する。図22は裏ユニットにおける裏前ユニットを前から見た斜視図であり、図23は裏前ユニットを後から見た斜視図である。また、図24は、裏前ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。更に、図25は、裏前ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000における裏前ユニット3000aは、後述する裏前ユニット3000bにおける裏箱本体3100と共に裏箱621を形成し、裏箱本体3100の前端開口を閉鎖すると共に遊技パネル600を保持するパネルホルダ630の後側に取付けられ外形が矩形状で枠状に形成された裏箱前板3010と、裏箱前板3010の前面上部に取付けられる裏前上部装飾部材3020と、裏箱前板3010の前面左部に取付けられる裏前左部装飾部材3030と、裏箱前板3010の前面下部に取付けられる裏前下部装飾部材3040と、裏前下部装飾部材3040の右側に配置されアタッカユニット2100における第一始動口2101と右側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を受取って下方へ誘導する右球誘導部材3050と、裏前下部装飾部材3040の左側に配置されアタッカユニット2100における左側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を受取って下方へ誘導する左球誘導部材3060と、裏箱前板3010の前面右上隅部付近に取付けられセンター役物2400の星形装飾部2422と同じ形態とされた複数の星形装飾部材3070と、を備えている。
裏前ユニット3000aにおける裏箱前板3010は、透明な合成樹脂によって形成されており、図示するように、外形が略矩形状とされると共に所定形状で前後方向へ大きく貫通した開口部3011を有した板枠状の本体壁部3012と、本体壁部3012の外周縁に沿って前方へ短く延出した外壁部3013と、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置から上側では開口部3011の内周縁に沿い、中央よりもやや下寄りの位置から上側では本体壁部3012の前面から前方へ短く延出した内壁部3014と、外壁部3012の前端から外方へフランジ状に延出しパネルホルダ630へ取付けるための固定部621aと、を備えている。
この裏箱前板3010の開口部3011は、図示するように、略矩形状の本体壁部3012に対して上側へ偏芯した位置に形成されており、枠状の本体壁部3012の下部前面が上部前面よりも広く形成されている。また、内壁部3014は、左右両辺側が遊技領域605の内周と略沿った円弧状に形成されていると共に、下辺側における左右方向の中央が上側へ膨らんだ円弧状に形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、本体壁部3012における外壁部3013と内壁部3014との間のには、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、右球誘導部材3050、左球誘導部材3060、及び星形装飾部材3070や、裏後ユニット3000bにおける裏箱本体3100等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
また、裏前ユニット3000aにおける裏前上部装飾部材3020は、上端が遊技領域605の内周と略沿った円弧状で横長に形成され、遊技領域605の左右方向中央と対応する位置に上端の円弧よりも曲率の小さい円弧状の上円弧装飾部3021と、上円弧装飾部3021の左側に配置された上左ロゴ装飾部3022と、上左ロゴ装飾部3022及び上円弧装飾部3021の外周を覆うように複数配置されセンター役物2400における星形装飾部2422と同形態の星形装飾部3023と、上円弧装飾部3021の後側に配置され円弧状に複数のLED3024a(図46を参照)が実装された上円弧装飾基板3024と、上円弧装飾基板3024の下側且つ星形装飾部3023の後側に配置され下面に下方へ向かって光を照射可能な複数のLED3025a(図46を参照)が実装された上部装飾基板3025と、を備えている。
この裏前上部装飾部材3020の上円弧装飾部3021は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。上円弧装飾部3021の後側に配置された上円弧装飾基板3024は、各LED3024aが、正面視で上円弧装飾部3021における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3024aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この上円弧装飾基板3024のLED3024aを適宜色で発光させることで、上円弧装飾部3021を発光装飾させることができるようになっている。
また、裏前上部装飾部材3020の上左ロゴ装飾部3022は、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この上左ロゴ装飾部3022は、センター役物2400における右ロゴ装飾部2424のおよそ半分の大きさとされている。また、裏前上部装飾部材3020は、星形装飾部3023の表面にも金属光沢を有したメッキ層が備えられている。更に、上部装飾基板3025のLED3025aを適宜色で発光させることで、下側に配置される裏後ユニット3000bの上部稼動装飾体ユニット3200、下部可動装飾体ユニット3600等や、センター役物2400におけるステージ2410等を発光装飾させることができるようになっている。
裏前ユニット3000aにおける裏前左部装飾部材3030は、遊技領域605の内周に沿って形成されると共に、正面視で表ユニット2000におけるサイド装飾部材2200の左下円弧装飾部2205と連続するように形成された円弧状の左上円弧装飾部3031と、左上円弧装飾部3031の上端に配置された円形状の左円形装飾部3032と、左上円弧装飾部3031の内側(正面視右側)に配置され外形が矩形状の左ロゴ装飾部3033と、左上円弧装飾部3031の内側と左上円弧装飾部3031の上端付近から裏前上部装飾部材3020の左端へ連続するように複数配置された星形装飾部3034と、左上円弧装飾部3031の後側に配置され前面に複数のLED3035a(図46を参照)が円弧状に実装された左上円弧装飾基板3035と、左円形装飾部3032の後側に配置され前面にLED3036a(図46を参照)が実装された左円形装飾基板3036と、を備えている。
裏前左部装飾部材3030における左上円弧装飾部3031は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。左上円弧装飾部3031の後側に配置された左上円弧装飾基板3035は、各LED3035aが、正面視で左上円弧装飾部3031における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3035aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この左上円弧装飾基板3035のLED3035aを適宜色に発光させることで、左上円弧装飾部3021を発光装飾させることができるようになっている。なお、左上円弧装飾部3031は、内側辺(正面視右側辺)が裏箱前板3010の内壁部3014と略接するように、内壁部3014よりも外側(外壁部3013と内壁部3014との間)に位置されている。
裏前左部装飾部材3030の左円形装飾部3032は、前方へ膨出し透光性を有した円形の中央部と、中央部の外周から扇状に延び表面に金属光沢を有するメッキ層が形成された外延部とを備えており、円形の中央部の径が、センター役物2400における右円形装飾部2421よりも小径とされている。この左円形装飾部3032の後側には、左円形装飾基板3036が配置されており、左円形装飾基板3036のLED3036aを適宜色に発光させることで、左円形装飾部3032を発光装飾させることができるようになっている。
また、裏前左部装飾部材3030の左ロゴ装飾部3033は、裏前上部装飾部材3020の上左ロゴ装飾部3022と同様に、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この左ロゴ装飾部3033は、上左ロゴ装飾部3022と略同じ大きさとされている。
更に、裏前左部装飾部材3030の星形装飾部3034は、センター役物2400の星形装飾部2422と同様に、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
裏前ユニット3000aにおける裏前下部装飾部材3040は、裏箱前板3010の内壁部3014における下辺に形成された円弧状の部位の下側と略接するように上側へ膨らんだ半円弧状の下円弧装飾部3041と、下円弧装飾部3041の半円弧内を閉鎖する半円板状の下円弧内装飾部3042と、下円弧装飾部3041の後側に配置され前面に複数のLED3043a(図46を参照)が円弧状に実装された下円弧装飾基板3043と、下円弧内装飾部3042の後側に取付けられ所定の磁気を検出可能な磁気検出センサ3044と、を備えている。この裏前下部装飾部材3040は、正面視で、下円弧装飾部3041がアタッカユニット2100の外周を囲うように形成されている(図9等を参照)。
この裏前下部装飾部材3040の下円弧装飾部3041は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。下円弧装飾部3040の後側に配置された下円弧装飾基板3043は、各LED3043aが、正面視で下円弧装飾部3041における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3043aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この下円弧装飾基板3043のLED3043aを適宜色で発光させることで、下円弧装飾部3041を発光装飾させることができるようになっている。
裏前下部装飾部材3040の下円弧内装飾部3042は、図示するように、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、放射状に延びた棒状のレリーフが周方向に列設されている。この下円弧内装飾部3042は、左右方向の中央に所定形状で前後方向に貫通した開口部3042aを有しており、その開口部3042a内にアタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120の後端が挿入されるようになっている。なお、下円弧内装飾部3042は、放射状に延びたレリーフ部が、他とは異なる色のメッキ層とされている。
裏前ユニット3000aにおける右球誘導部材3050は、アタッカユニット2100における第一始動口2101に受入れられて対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導され、始動口駆動機構ベース2123の第一誘導部2123aによって右方向へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する右第一球通路3051と、アタッカユニット2100における正面視右側の二つの一般入賞口2104に受入れられて対応する樋部2110bにより夫々遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を夫々受取って、一箇所から下方へ誘導排出する右第二球通路3052と、を備えている。
この右球誘導部材3050には、右第一球通路3051の上端付近に、第一始動口2101に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3080が取付けられるようになっている。また、右球誘導部材3050には、右第二球通路3052の下端付近に、アタッカユニット2100における右側に配置された二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3081が取付けられるようになっている。
裏前ユニット3000aにおける左球誘導部材3060は、アタッカユニット2100における正面視左中央側の一般入賞口2104に受入れられて、対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する左第一球通路3061と、アタッカユニット2100における正面視左外側の一般入賞口2104に受入れられて、対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する左第二球通路3062と、を備えている。
この左球誘導部材3060は、左第一球通路3061と左第二球通路3062の夫々下端付近に、アタッカユニット2100における正面視左側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を夫々検知する一般入賞口センサ3081が取付けられるようになっている。
また、裏前ユニット3000aにおける星形装飾部材3070は、上述した星形装飾部2422,3023,3034等と同様の構成となっている。
本例の裏前ユニット3000aは、図9等に示すように、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、及び星形装飾部材3070が、センター役物2100よりも外側に位置するように備えられており、透明な遊技パネル600を通して遊技者側から視認できるようになっている。また、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、及び星形装飾部材3070は、透明な遊技パネル600の後側に配置されているので、上円弧装飾基板3024、左上円弧装飾基板3035、左円形装飾基板3036、下円弧装飾基板3043等によって夫々を発光装飾させることができると共に、それらからの光が透明な遊技パネル600で反射して前面側へ照射されることで、表面に備えられたメッキ層で更に遊技者側へ反射させることができ、キラキラした発光装飾を行うことができるようになっている。
[裏後ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット3000の裏後ユニット3000bの全体構成について、主に図26乃至29を参照して説明する。図26は裏ユニットにおける裏後ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図27は裏ユニットにおける裏後ユニットを斜め後から見た斜視図である。また、図28は裏後ユニットを主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図29は裏後ユニットを主要な部材毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000における裏後ユニット3000bは、裏前ユニット3000aの裏箱前板3010と共に裏箱621を形成し、前側が開放された箱状で後壁621bに前後方向へ貫通した矩形状の開口621cを有した裏箱本体3100と、裏箱本体3100内で開口621cよりも上側に取付けられる上部可動装飾体ユニット3200と、裏箱本体3100内で上部可動装飾体ユニット3200の下側且つ開口621cの左右両側に取付けられるサイド可動装飾体ユニット3400と、裏箱本体3100内で開口621cの下側に取付けられる下部可動装飾体ユニット3600と、裏箱本体3100の後側下部に取付けられ第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802(図53を参照)を収容したランプ駆動基板ボックス3804と、ランプ駆動基板ボックス3804の左側(背面視では右側)に取付けられアタッカユニット2100のアタッカユニット中継基板2130やゲートセンサ2304、周辺制御基板4140等と主制御基板4100との接続を中継するパネル中継基板3806と、裏箱本体3100における後壁621b後面の左右両辺付近に取付けられた右中継端子板3808及び左中継端子板3810と、を備えている。
裏後ユニット3000bにおける裏箱本体3100は、図示するように、前側が開放された箱状に形成され、後壁621bに前後方向へ貫通した矩形状の開口621cが形成されている。この裏箱本体3100には、後壁621bの後面で開口621cの左側(背面視で右側)に外側へ向かって窪んだ二つの固定溝3102と、開口621cを挟んで反対側に取付けられるロック部材(図示は省略)と、を備えており、固定溝3102内に液晶表示装置1400の左側面から突出した固定片1402を挿入した上で、右側面の固定片1402をロック部材で支持することで、裏箱本体3100の後側に液晶表示装置1400を着脱可能に取付けることができるようになっている。裏箱本体3100の後側に取付けられた液晶表示装置1400は、その表示画面が開口621cを介して前側から臨むようになっている。
また、裏箱本体3100は、後壁621bの後面における開口621cの右側(背面視で左側)に、右中継端子板3808を支持しするための端子板取付台3104を備えている。この端子板取付台3104は、右中継端子板3808を取付ける部位が、正面視で開口621c内に位置した固定位置と、開口621cよりも外側に位置した開放位置との間で回動するようになっている。この端子板取付台3104は、裏箱本体3100に対して液晶表示装置1400を着脱する際に、開放位置へ回動させることで、端子板取付台3104(右中継端子板3808)が邪魔になることなく、液晶表示装置1400を着脱させることができるようになっていると共に、液晶表示装置1400を取付けた後では、端子板取付台3104を固定位置へ回動させて、液晶表示装置1400の背面に位置させることで、後側への突出量を少なくすることができるようになっている。
更に、裏箱本体3100は、後壁621bの前面で開口621cの左右両側及び下側に、所定の装飾が施された板状の背面装飾板3106を備えている。なお、詳細な説明は省略するが、裏箱本体3100には、裏箱前板3010、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、下部可動装飾体ユニット3600、ランプ駆動基板ボックス3804、パネル中継基板3806等を取付固定するための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。また、本例では、裏箱本体3100が黒色で不透光性の剛性樹脂によって形成されており、遊技者側から見た時に、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600の後側が暗くなり、実際よりも奥行きがあるように錯覚させることができると共に、発光装飾させた時にコントラストを強くすることができ、より装飾効果の高い発光装飾をさせることができるようになっている。
なお、裏箱本体3100の後側に取付けられるランプ駆動基板ボックス3804は、図53に示すように、二つの第一ランプ駆動基板3801と第二ランプ駆動基板3802とを互いが対向するように保持している。
[上部可動装飾体ユニット]
次に、裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200について、主に図30至図37を参照して説明する。図30は裏ユニットにおける裏後ユニットの上部可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図31は裏ユニットにおける裏後ユニットの上部可動装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図である。また、図32は上部可動装飾体ユニットを主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図33は上部可動装飾体ユニットを主要な部材毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。更に、図34は上部可動装飾体ユニットのユニットベースとスライダカバーを省略した状態で示す平面図であり、図35は上部可動装飾体ユニットにおける本体ユニットと、星ユニットとの関係を示す正面図であり、図36は上部可動装飾体ユニットにおけるLEDの配置を示す正面図である。また、図37は、上部可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
本実施形態の裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200は、裏箱本体3100内で開口621cの上側に取付けられ左右方向へ延びた本体ユニット3210と、本体ユニット3210の前面右側に配置され本体ユニット3210によって左右方向へ移動可能とされた右ロゴ可動装飾体3230と、右ロゴ可動装飾体3230と並ぶように本体ユニット3210の前面左側に配置され本体ユニット3210によって左右方向へ移動可能とされた左ロゴ可動装飾体3235と、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235と本体ユニット3210との間に配置され本体ユニット3210によって昇降可能とされた星ユニット3240と、を備えている。
上部可動装飾体ユニット3200の本体ユニット3210は、左右方向へ延びたユニットベース3211と、ユニットベース3211の後側で左右両端付近に回転軸が上方へ突出するように取付けられた一対のロゴ駆動モータ3212と、ロゴ駆動モータ3212の回転軸に固定されるロゴ駆動ギア3213と、ロゴ駆動ギア3213と噛合し左右方向へ直線状に延びたラックギア3214aを備えユニットベース3211の左右上部で左右方向へスライド可能に支持された一対のスライダ3214と、スライダ3214の上側を覆うようにユニットベース3211の上面に取付けられるスライダカバー3215と、を備えている。
また、本体ユニット3210は、ユニットベース3211の後側で左右方向の中央と左右両端との中間位置に回転軸3216aが前方へ突出するように取付けられた一対の星ユニット昇降駆動モータ3216と、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定されると共にユニットベース3211の前面に配置され回転軸3216aに対して直角方向へ延びた昇降アーム3217と、昇降アーム3217の先端に前方へ突出するように取付けられた昇降ピン3218と、昇降アーム3217の回転範囲よりも外側でユニットベース3211の前面両端に複数取付けられた星形状の星形装飾部3219と、を備えている。
更に、本体ユニット3210は、ユニットベース3211の上部の所定位置に取付けられスライダ3214のスライド位置を検知する一対のスライド検知センサ3220と、ユニットベース3211の前面に取付けられ昇降アーム3217の回動位置を検知する一対の昇降検知センサ3221と、ユニットベース3211の後側で左右方向の中央部と左右の星ユニット昇降駆動モータ3216との間に夫々取付けられた上部右中継端子板3222、及び上部左中継端子板3223と、を備えている。
本体ユニット3210におけるユニットベース3211は、図示するように、左右方向の中央に上方に延出し前側が開放された縦長箱状の収納部3211aを備えており、この収納部3211a内に後述する星ユニット3240の星回転駆動モータ3242が上下方向へ移動可能に収納されるようになっている。また、ユニットベース3211は、星ユニット昇降駆動モータ3216を支持した付近の前面に前方へ突出した昇降ストッパ3211bを備えており、上昇位置に位置した昇降アーム3217が当接して昇降アーム3217の回動端を規制することができるようになっている。
また、本体ユニット3210におけるスライダ3214は、左右方向へ延びた板状に形成されており、後端辺に沿ってロゴ駆動ギア3213と噛合するラックギア3214aが形成されている。また、スライダ3214には、ユニットベース3211に対して中央寄り側の後端部に検知片3214bを備えており、この検知片3214bがスライド検知センサ3220によって検知されるようになっている。更に、スライダ3214は、ユニットベース3211に対して中央寄りの前端に左右方向へ所定距離離間した状態で前方へ突出する一対の取付ボス3214cを備えており、この取付ボス3214cに右ロゴ可動装飾体及3230及び左ロゴ可動装飾体3235が夫々取付けられるようになっている。
更に、本体ユニット3210における昇降アーム3217は、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定されると共に、回転軸3216aに対して偏芯した位置に昇降ピン3218を支持している。また、昇降アーム3217には、図35に示すように、所定位置にユニットベース3211の前面に取付けられた昇降検知センサ3221によって検知される検知片を有している。この昇降アーム3217は、昇降アーム3217を上昇位置に回動させた時に、検知片がユニットベース3211の昇降ストッパ3211bと当接するようになっている。
また、本体ユニット3210における星形装飾部3219は、裏表ユニット3000aの星形装飾部3034と同様に、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
上部可動装飾体ユニット3200における右ロゴ可動装飾体3230は、外形が立体的で前面にレリーフ状のロゴ部3231a及び星形状の星部3231bを有し透光性を有し合成樹脂によって形成された本体部3231と、本体部3231の前側に保持されロゴ部3231aや星部3231bが通過可能な開口3232aを有した前面ロゴ枠3232と、本体部3231内に配置され前面に複数のLED3233a(図36を参照)が実装された右ロゴ装飾基板3233と、右ロゴ装飾基板3233の後側を覆い本体部3231の後面に取付けられる基板カバー3234と、を備えている。
この右ロゴ可動装飾体3230における本体部3231は、詳細な図示は省略するが、ロゴ部3231aの前面が滑らかな形状とされているのに対して、ロゴ部3231aの後面が複雑な多面形状とされており、ロゴ部3231aがプリズム状のレンズとなっている。これにより、ロゴ部3231aへ入射した光が、内部で乱屈折すると共に分光され、複雑で綺麗な虹色に見えるようになっている。また、本体部3231の星部3231bは、中心が前方へ突出した角錐状に形成されている。また、本体部3231は、上部後端から斜め上方後側へ板状に延出しする固定部3231cを更に備えており、この固定部3231cがスライダ3214の取付ボス3214cに取付けられるようになっている。
また、右ロゴ可動装飾体3230における前面ロゴ枠3232は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。また、前面ロゴ枠3232は、正面視右上隅に、上右ロゴ装飾部3232bを備えている。この上右ロゴ装飾部3232bは、裏前ユニット3000aにおける上左ロゴ装飾部3022や左ロゴ装飾部3033は、と同様に、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この上右ロゴ装飾部3232bは、上左ロゴ装飾部3022や左ロゴ装飾部3033と略同じ大きさとされている。
本例の右ロゴ可動装飾体3230は、右ロゴ装飾基板3233のLED3233aを適宜色で発光させることで、ロゴ部3231aや星部3231bを発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、本体部3231内には、ロゴ部3231aと星部3231bとを仕切る不透光性の仕切壁を備えており、ロゴ部3231aと星部3231bとを別々に発光装飾させることができるようになっている。
上部可動装飾体ユニット3200における左ロゴ可動装飾体3235は、外形が立体的で前面にレリーフ状のロゴ部3236a及び星形状の星部3236bを有し透光性を有し合成樹脂によって形成された本体部3236と、本体部3236の前側に保持されロゴ部3236aや星部3236bが通過可能な開口3237aを有した前面ロゴ枠3237と、本体部3236内に配置され前面に複数のLED3238a(図36を参照)が実装された左ロゴ装飾基板3238と、左ロゴ装飾基板3238の後側を覆い本体部3236の後面に取付けられる基板カバー3239と、を備えている。
この左ロゴ可動装飾体3235における本体部3236は、詳細な図示は省略するが、ロゴ部3236aの前面が滑らかな形状とされているのに対して、ロゴ部3236aの後面が複雑な多面形状とされており、ロゴ部3236aがプリズム状のレンズとなっている。これにより、ロゴ部3236aへ入射した光が、内部で乱屈折すると共に分光され、複雑で綺麗な虹色に見えるようになっている。また、本体部3236の星部3236bは、中心が前方へ突出した角錐状に形成されている。また、本体部3236は、上部後端から斜め上方後側へ板状に延出しする固定部3236cを更に備えており、この固定部3236cがスライダ3214の取付ボス3214cに取付けられるようになっている。更に、また、左ロゴ可動装飾体3235における前面ロゴ枠3237は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
本例の左ロゴ可動装飾体3235は、左ロゴ装飾基板3238のLED3238aを適宜色で発光させることで、ロゴ部3236aや星部3236bを発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、本体部3236内には、ロゴ部3236aと星部3236bとを仕切る不透光性の仕切壁を備えており、ロゴ部3236aと星部3236bとを別々に発光装飾させることができるようになっている。
上部可動装飾体ユニット3200における星ユニット3240は、左右方向へ広がった板状の星ユニットベース3241と、星ユニットベース3241の左右方向の中央上部後側に取付けられ前側へ回転軸が延びだした星回転駆動モータ3242と、星回転駆動モータ3242の回転軸に固定された駆動ギア(図示は省略する)と、駆動ギアと噛合し星ユニットベースにおける左右方向略中央に配置された従動ギア(図示は省略する)と、従動ギアの軸心に固定される軸部3245aを有し星ユニットベース3241の前側に配置される所定の大きさの星形回転装飾体3245と、星形回転装飾体3245と略同じ大きさの星部3246a、及び星部3246a内所定位置に配置され前後方向へ貫通した複数の開口部3246bを有し、星形回転装飾体3245と従動ギアとの間に配置されると共に星形回転装飾体3245の軸部3245aを回転可能に軸支し、従動ギア及び駆動ギアの前側を覆う星ベース3246と、星ベース3246における星部3246aと従動ギアとの間に配置され星ベース3246の開口部3246bを通して前側へ臨むように複数のLED3247aが前面に実装された星装飾基板3247(図36を参照)と、を備えている。
また、星ユニット3240は、星ユニットベース3241の前面で星ベース3246の星部3246aよりも左右両外側に夫々二つずつ配置され星形回転装飾体3245よりも小さい星形装飾体3248と、星ユニットベース3241の後側で左右の二つの星形装飾体3248と対応する位置に取付けられ複数のLED3249a(図36を参照)が前面に実装された左右の上部星装飾基板3249と、星ユニットベース3241に取付けられ星形回転装飾体32445と共に回転する従動ギアの回転位置を検知可能な星回転検知センサ3250と、を備えている。
星ユニット3240における星ユニットベース3241は、左右両端上部に本体ユニット3210における昇降ピン3218が挿通可能とされ前後方向へ貫通し左右方向へ延びた一対の長孔3241aを備えている。この星ユニットベース3241における左右の長孔3241a内に本体ユニット3210の左右の昇降ピン3218が挿通されることで、星ユニット3240が本体ユニット3210に支持されるようになっている。なお、本例では、昇降ピン3218には、摺動ブッシュが回動可能に挿入されており、摺動ブッシュを介して昇降ピン3218が長孔3241a内に挿入されていると共に、摺動ブッシュが長孔3241a内を左右方向へ摺動(転動)するようになっている。
また、星ユニットベース3241は、前面の略全体に、本体ユニット3210の星形装飾部3219と同様の星形装飾部3241bを複数備えている。なお、この星ユニットベース3241は、透明な合成樹脂によって形成されており、一部の星形装飾部3241bの前面のみ金属光沢を有したメッキ層が施されており、残りの星形装飾部3241b、長孔3241aが形成された部位や星形装飾体3248が取付けられる位置にはメッキ層が施されておらず透明な状態となっている。
星ユニット3240における星形回転装飾体3245は、外形が五芒星状に形成され中心から後方へ軸部3245aが延出した透明板状の回転星ベース3245bと、回転星ベース3245bの前面を覆うように回転星ベース3245bに取付けられ回転星ベース3245bの外周辺に沿って複数重に枠状に形成されると共に表面に金属光沢を有するメッキ層を備えた回転星枠3245cと、回転星枠3245cと回転星ベース3245bとの間に配置され透光性を有した回転星レンズ3245dと、を備えている。この星形回転装飾体3245は、星装飾基板3247のLED3247aを適宜色で発光させることで、発光装飾することができるようになっている。
また、星ユニット3240における星装飾基板3247は、図36に示すように、五芒星状に形成された外側の各頂点付近に配置されたLED3247aが、星形回転装飾体3245における内側の各頂点よりも外側に配置されており、星形回転装飾体3245が回転すると、それらのLED3247aが遊技者側から臨むようになっている(図37(D)を参照)。これにより、LED3247aを発光させた状態で星形回転装飾体3245を回転すると、一部のLED3247aからの光が星形回転装飾体3245を通さずに直接遊技者側へ照射させることができるので、瞬間的に遊技者側を眩しくさせることで発光装飾のキラキラ感を高めることができるようになっている。
星ユニット3240における星形装飾体3248は、星形回転装飾体3245よりも小さく、星ユニットベース3241の星形装飾部3241bよりも大きく五芒星の枠状に形成され、表面に金属光沢を有するメッキ層を備えた枠部と、枠部内に配置され透明星形のレンズ部と、を備えている。この星形装飾部3248は、後側に配置された上部星装飾基板3249のLED3249aを適宜色で発光させることにより、発光装飾させることができるようになっている。
本例の上部可動装飾体ユニット3200は、図31や図32等に示すように、星ユニット3240の星回転駆動モータ3242が後方へ突出するように星ユニットベース3241の後側に取付けられており、後方へ突出した星回転駆動モータ3242が、組立てた状態では本体ユニット3210におけるユニットベース3211の収納部3211a内に収納されるようになっている(図31を参照)。
また、上部可動装飾体ユニット3200は、図30や図31等に示すように、組立てた状態では、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が星ユニット3240よりも前方へ位置するようになっており、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235によって星ユニット3240を遊技者側から隠蔽(見難く)することができるようになっている。
続いて、上部可動装飾体ユニット3200の動きについて説明する。本例の裏ユニット3000の裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200は、左右に配置されたロゴ駆動モータ3212を夫々回転させることで、左右のスライダ3214を介して右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235を左右方向へ移動させることができるようになっている。この上部可動装飾体ユニット3200は、図37(A)に示すように、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接近した状態、つまり、左右方向における中央側へ移動させた状態では、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とによって中央に配置された星形回転装飾体3245が遊技者側から見難くなるようになっている。
また、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接近した状態では、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが連続した状態となり、具体的な図示は省略するが、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とで表された夫々のロゴが一つのロゴとなって遊技者に対してパチンコ機1のコンセプトを認識させ易くすることができるようになっている。
そして、左右のロゴ駆動モータ3212を互いに異なる方向へ回転駆動させることで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が互いに離反する方向(左右方向の外方向)へと移動し、中央に配置された星形回転装飾体3245が遊技者側から視認することができるようになる(図37(B)を参照)。なお、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の移動位置は、左右のスライダ3214の検知片3214bをスライド検知センサ3220によって検知することで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の左右位置を特定することができるようになっている。
また、上部可動装飾体ユニット3200は、左右に配置された星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々互いに異なる方向へ回転駆動させることで、左右の昇降アーム3217を介して支持された星ユニット3240を昇降させることができるようになっている。具体的には、図35に示すように、星ユニット3240が上昇位置の時では、昇降アーム3217の検知片3217aがユニットベース3211の昇降ストッパ3211bの上面に当接した状態となっていると共に、昇降アーム3217に支持された昇降ピン3218が摺動ブッシュを介して星ユニットベース3241における長孔3241aの外側端部と当接した状態となっている。これにより、昇降ピン3218の下方への移動が規制された状態となり、星ユニット昇降駆動モータ3216の駆動力がなくても星ユニット3240を上昇位置に停止した状態で維持させることができるようになっている。
この状態から、正面視で右側の星ユニット昇降駆動モータ3216を反時計周りの方向へ、左側の星ユニット昇降駆動モータ3216を時計回りの方向へ、夫々同時に同じ速度で回転させると、夫々の星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定された左右の昇降アーム3217が夫々異なる方向へ回動することとなる。左右の星ユニット昇降駆動モータ3216の回転により、左右の昇降アーム3217に支持された昇降ピン3218が、星ユニットベース3241の長孔3241a内を左右方向へ摺動しながら互いに接近する方向へ移動すると共に上昇し、上死点に達した後に下降するような動きをする。この昇降ピン3218の上下方向の動きに伴って、星ユニット3240全体が上下動するようになっている。そして、左右の昇降ピン3218が下死点に到達すると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動が停止して、星ユニット3240が下降位置に位置した状態となる(図37(C)を参照)。
星ユニット3240を下降位置に位置させた状態では、星ユニット3240の略全体が液晶表示装置1400における表示画面の上部前面に位置した状態となり、遊技者から星ユニット3240全体が充分に見えるような状態なるようになっている(図48等を参照)。また、星ユニット3240が下降位置の状態では、図示するように、左右の星形装飾体3248が、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の下側に遊技者側へ露出した状態となり、上部星装飾基板3249による発光装飾を充分に遊技者に見せることができるようになっている。
また、星ユニット3240が下降位置の状態では、昇降ピン3218が星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aから垂下した状態となり、回転軸3216aに対して回転モーメントが作用せず、星ユニット昇降駆動モータ3216の駆動力がなくても星ユニット3240を下降位置に維持することができるようになっている。
なお、下降位置の状態から星ユニット3240を上昇させるには、上述とは逆方向へ星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々回転駆動させることで上昇させることができ、昇降ピン3218が上死点を越えて若干下降し、昇降アーム3217の検知片3217aが昇降ストッパ3211bの上面に当接するまで回転駆動させることで、上昇位置に干しユニット3240を復帰させることができるようになっている。なお、星ユニット3240の昇降は、昇降アーム3217の検知片3217aを昇降検知センサ3220によって検知することで、昇降地位を特定することができるようになっている。
この上部可動装飾体ユニット3200における星ユニット3240は、星回転駆動モータ3242によって前面の中央に配置された星形回転装飾体3245を回転させることができるようになっている(図37(D)を参照)。星回転駆動モータ3242によって星形回転装飾体3245を、時計回り或いは反時計周りの何れの方向へも回転させることができるようになっている。なお、星ユニット3240は、上昇位置の時でも星形回転装飾体3245を回転させることができ他に、上昇位置で右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が互いに接近した状態の時でも回転させることができるようになっている。また、星転駆動モータ3242により回転する従動ギアの検知片(図示は省略)を星回転検知センサ3250によって検知することで、星形回転装飾体3245の回転位置を特定することができるようになっている。
このように、本実施形態の上部可動装飾体ユニット3200によると、センター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の上側を装飾することができると共に、左右方向へ移動する右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235、上下方向へ移動する星ユニット3240、及び回転する星形装飾体3245、の夫々異なる動きと発光装飾(発光演出)によって遊技者を楽しませることができ、遊技に飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[サイド可動装飾体ユニット]
次に、裏後ユニット3000bにおけるサイド可動装飾体ユニット3400について、主に図38及び図39を参照して説明する。図38は、サイド可動装飾体ユニットを示す正面図である。また、図39は、サイド可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
本実施形態の裏後ユニット3000bにおけるサイド可動装飾体ユニット3400は、裏箱本体3100内で開口621cの左右上部で上部可動装飾体ユニット3200の下側に取付けられるものであり、左右のサイド可動装飾体ユニット3400が、略対称に形成されている。
このサイド可動装飾体ユニット3400は、図示するように、裏箱本体3100に取付けられるユニットベース3402と、ユニットベース3402の後側上部に回転軸が前方へ延出するように固定されるサイド駆動モータ3404(図28及び図29を参照)と、サイド駆動モータ3404の回転軸に一体回転可能に固定され回転軸に対して直角方向に延びたリンク部材(図示は省略する)と、リンク部材の回動位置を検知しユニットベース3402に取付けられるサイド回動検知センサ3408と、リンク部材の先端に固定され前方へ突出したリンクピン3410と、リンクピン3410が摺動可能に挿入され所定方向へ延びたスリット3412aを有し、ユニットベース3402に対してサイド駆動モータ3404の回転軸とは偏芯した位置で回動可能に軸支される装飾体ベース3412(図29を参照)と、を備えている。
また、サイド可動装飾体ユニット3400は、装飾体ベース3412の前側を覆い、軸支された側とは反対側の先端側付近に配置され前後方向へ貫通した大口3414a、大口3414aの外周に複数配置され大口3414aよりも小径の小口3414b、小口3414bと大口3414aとの間の大きさで軸支された基端側に複数配置された中口3414cを有した装飾体本体3414と、装飾体本体3414の大口3414a、中口3414c、及び小口3414bに後側から挿入されるレンズ部材3416と、レンズ部材3416と装飾体ベース3412との間で大口3414a及び小口3414bと対応した位置に配置され前面に複数のLED3418aが実装されたサイド先端装飾基板3418と、レンズ部材3416と装飾体ベース3412との間で中口3414cと対応した位置に配置され前面に複数のLED3420aが実装されたサイド基端装飾基板3420と、を備えている。
サイド可動装飾体ユニット3400における装飾体本体3414は、図示するように、上下方向へ延びた形態とされ、下端(先端)の矩形状に形成された部位の中央に大口3414aが形成されていると共に、大口3414aの外周四隅に小口3414bが形成されている。また、装飾体本体3414の上端(基端)には、左右に離反して配置された二つの円形部3414dと、円形部3414dの下側に三つ並んだ星部3414eとを備えており、星部3414eと大口3414aとの間に中口3414cが複数配列されている。
この装飾体本体3414は、図示するように、大口3414aをスポットライトに見立てた照明スタンドを模した形態とされている。なお、装飾体本体3414は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
このサイド可動装飾体ユニット3400は、装飾体ベース3412が、ユニットベース3402に対して装飾体本体3414における内側(遊技領域605の中心側)に配置された円形部3414dを中心として回動可能に軸支されており、装飾体ベース3412と共に装飾体本体3414、レンズ部材3416、サイド先端装飾基板3418、及びサイド基端装飾基板3420が回動するようになっている。これら装飾体ベース3412等の回動範囲は、図39に示すように、装飾体本体3414の先端が下端となるように略垂直に垂下した状態から、装飾体本体3414の先端同士が互いに接近する方向(内側の方向)へ向かって約90度の角度範囲の間で回動するようになっている。なお、装飾体本体3414の先端が垂下した状態では、左右のサイド可動装飾体ユニット3400がセンター役物2400や裏前ユニット3000aにおける裏前左部装飾部材3030の後側に位置した退避位置とされており、遊技者側から見難い隠れた位置に位置している(図9等を参照)。
また。サイド可動装飾体ユニット3400は、サイド先端装飾基板3418のLED3418aやサイド基端装飾基板3420のLED3420aを適宜色で発光させることで、レンズ部材3416を通して、装飾体本体3414の大口3414a、中口3414c、小口3414bを発光装飾させることができるようになっている。また、サイド可動装飾ユニット3400の装飾体本体3414が退避位置の時に各LED3418a,3420aを発光させることで、センター役物2400における右側の部位や裏前左部装飾部材3030を後側から発光装飾させることができるようになっている。
[下部可動装飾体ユニット]
続いて、裏後ユニット3000bにおける下部可動装飾体ユニット3600について、主に図40乃至図43を参照して説明する。図40は、下部可動装飾体ユニットのユニットベースカバーと後昇降ベースを外した状態で示す背面図である。図41は、図40を斜め後から見た斜視図である。また、図42は、下部可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。図43は、下部可動装飾体ユニットにおけるLEDの配置を示す説明図である。
本実施形態の裏後ユニット3000bにおける下部可動装飾体ユニット3600は、裏箱本体3100内で開口621cの左右両外側下部付近に取付けられ後側が開放された箱状で上下方向へ延びたユニットベース3602と、ユニットベース3602の後端開口を閉鎖する板状のユニットベースカバー3604(図29を参照)と、ユニットベースカバー3604の後面下端付近に回転軸が前方へ突出するように取付けられる下部昇降駆動モータ3606と、下部昇降駆動モータ3606の回転軸に固定された駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支された第一伝達ギア3610と、第一伝達ギア3610と噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支された第二伝達ギア3612と、第二伝達ギア3612の前側に一体回転可能に固定された第三伝達ギア(図示は省略)と、第三伝達ギアと噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支されたピニオンギア3616と、ピニオンギア3616と噛合する上下方向へ延びたラックギア3618aを有した昇降ラック3618と、昇降ラック3618を上下方向へスライド可能に支持しユニットベース3602内に取付けられる円柱状の昇降レール3620と、ユニットベースカバー3604の下端に取付けられ昇降ラック3618の下端に形成された検知片(図示は省略)を検知する下部昇降検知センサ3622と、を備えている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、左右に配置された昇降ラック3618に左右両端が取付けられる透明板状の後昇降ベース3630(図29を参照)と、後昇降ベース3630との間に所定量の隙間を形成するように後昇降ベース3630の前面に取付けられる透明板状の前昇降ベース3632と、前昇降ベース3632の前面で左右方向の中央に取付けられ外形が略円形状で円形及び星形の開口3634aを有した下部中央装飾部材3634と、下部中央装飾部材3634における円形及び星形の開口3634a内に後側から挿入される透明なレンズ部材3636(図28等を参照)と、レンズ部材3636と前昇降ベース3632との間に配置され前面に複数のLED3638aが実装された下部中央装飾基板3638(図43を参照)と、下部中央装飾部材3634の左右両側に配置され翼状に形成された前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642(図28等を参照)と、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と前昇降ベース3632との間に配置され前面に複数のLED3644a,3646aが実装された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(図43を参照)と、を備えている。
更に、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の左右方向中央の前面下部に後方へ向かって回転軸が突出するように取付けられた翼回動駆動モータ3648と、翼回動駆動モータ3648の回転軸に固定され前昇降ベース3632の後側に配置された駆動ギア3650と、駆動ギア3650と噛合し前昇降ベース3632の後側に回転可能に軸支された左従動ギア3652と、左従動ギア3652と噛合すると共に左従動ギア3652の右側(背面視で左側)の位置で前昇降ベース3632に回転可能に軸支され左従動ギア3652と同径の右従動ギア3654と、右従動ギア3654と噛合し前昇降ベース3632に回転可能に軸支された扇状の後右翼駆動ギア3656と、後右翼駆動ギア3656とは前昇降ベース3632における左右方向中央を挟んで反対側に回転可能に軸支され左従動ギア3652と噛合する扇状の後左翼駆動ギア3658と、後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658と夫々一体回転し前昇降ベース3632の後側に配置された透明板状の後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662と、後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662の前側に夫々固定され外形が翼状に形成された透明な後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666(図42(C)等を参照)と、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662との間に夫々配置され前側へ向けて光を照射可能とされた複数のLED3668a,3670aが実装された透明な後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670と、を備えている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の後側に取付けられ後右翼駆動ギア3656の検知片3656aを検知する翼回動検知センサ3672と、前昇降ベース3632における下部中央装飾部材3634の下側前面に取付けられ翼回動駆動モータ3648の前側を覆うモータカバー3674(図28を参照)と、を備えている。また、下部可動装飾体ユニット3600は、左右のユニットベース3602よりも下側に夫々配置され裏箱本体3100の内側下部に取付けられる下部中継基板カバー3676と、下部中継端子板カバーの下面に夫々取付けられる下部右下中継端子板3678及び下部左下中継端子板3680と、前昇降ベース3632の後側で中央付近の左右両側に取付けられる下部右上中継端子板3682及び下部左上中継端子板3684と、を備えている。これら中継端子板3678,3680,3682,3684は、下部可動装飾体ユニット3600に備えられた各駆動モータ3606,3648、検知センサ3622,3672、及び装飾基板3638,3644,3646,3668,3670等と、第一ランプ駆動基板3801や第二ランプ駆動基板3802等の周辺制御基板4140との接続を中継するためのものである。
本例の下部可動装飾体ユニット3600は、昇降レール3620によって上下方向へスライド可能とされた昇降ラック3618のラックギア3618aと噛合するピニオンギア3616が、昇降レール3620における上下方向の略中央の位置に軸支されていると共に、ピニオンギア3616を回転駆動させる下部昇降駆動モータ3606が昇降レール3620の下端付近に取付けられており、下部昇降駆動モータ3606の回転駆動が複数の伝達ギア3610,3612等によって上方のピニオンギア3616へ伝達されるようになっている。これにより、下部昇降駆動モータ3606を目立ち難い位置に配置することができると共に、昇降ラック3618を昇降レール3620の略全長に亘って移動させて翼装飾部材3640,3642,3664,3666を可及的に高く上昇させることができるようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、ユニットベースカバー3604によって後端の開口が閉鎖された箱状のユニットベース3602内に、駆動ギア、第一伝達ギア3610、第二伝達ギア3612、第三伝達ギア、ピニオンギア3616、昇降ラック3618、及び昇降レール3620を収容させるようにしているので、これに駆動部品に埃等が付着するのを防止することができ、各駆動部品が良好に可動するようになっている。更に、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の後側に配置支持された駆動ギア3650、左従動ギア3652、右従動ギア3654、後右翼駆動ギア3656、後左翼駆動ギア3658、等の後側を後昇降ベース3630によって覆うようにしているので、これら駆動部品に対しても埃等が付着するのを防止することができ、各駆動部品が良好に可動するようになっている。
下部可動装飾体ユニット3600の前昇降ベース3632は、図28等に示すように、前面に、円形の下部中央装飾部材3634の中央を中心とする放射状に延びた複数の放射線が立体的に形成されており、光線の当り具合によって複数の放射線が浮かび上がるようになっていると共に、前昇降ベース3632の後側に配置されたものを遊技者側から見辛くすることができるようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の下部中央装飾部材3634は、図示するように、円形の開口3634aの上側に星形の開口3634aを備えていると共に、星形の開口3634aの左右両側に円弧状の開口3634aを備えている。この下部中央装飾部材3634は、前面にレリーフ状の複数の星形装飾部が備えられていると共に、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この下部中央装飾部3634の開口3634aに後側から嵌合挿入されるレンズ部材3636は、詳細な図示は省略するが、表面が滑らかな曲面とされていると共に、裏面に複数の微細なレンズが形成されており、レンズ部材3636の後側に配置された下部中央装飾基板3638からの光を広く拡散させて、開口3634a全体を均一に発光させることができるようになっていると共に、レンズ部材3636を通して後側が略視認できないようになっている。
更に、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、翼を広げたような形状に形成されていると共に、腕側から翼端へ延びた複数の突条を有している。また、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、詳細な図示は省略するが、外周に沿って金属光沢を有したメッキ層が枠状に備えられていると共に、表面に沿って金属光沢を有したメッキ層が細かい唐草模様状に備えられており、透明な前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642を装飾している。この前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、表面が白色とされていると共に、表面に実装された複数のLED3644a,3646aが、図43に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642に形成された複数の突条に沿うように列設されている。なお、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、不透光性とされており、遊技者側から前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(前昇降ベース3632における前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の配置された位置)の後側が見えないようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と同様に、翼を広げたような形状に形成されていると共に、腕側から翼端へ延びた複数の突条を有している。また、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、詳細な図示は省略するが、外周に沿って金属光沢を有したメッキ層が枠状に備えられていると共に、表面に沿って金属光沢を有したメッキ層が細かい唐草模様状に備えられており、透明な後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を装飾している。この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の後側に配置された後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670は、透明な基板とされており、遊技者側からは殆ど見えないようになっている。また、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670とを支持する後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662は、透明板状とされており、遊技者側から後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を通して後側(液晶表示装置1400に表示された演出画像)が視認できるようになっている。
この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、下部中央装飾部材3634の後側に軸支された後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658の回転軸回りに夫々回動するようになっており、翼回動駆動モータ3648によって、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に位置した状態から、自由端側が互いに接近するように上昇回動した状態まで同時に回動するようになっている。
なお、本例の下部可動装飾体ユニット3600は、図9等に示すように、遊技盤4に取付けられた状態では、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の下側で透明な遊技パネル600を通して遊技者側から視認できるようになっており、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642によってセンター役物2400の下側でアタッカユニット2100の左右斜め上側を装飾することができるようになっている。また、下部可動装飾体ユニット3600の左右のユニットベース3602は、遊技者側から見えないようになっている。
次に、下部可動装飾体ユニット3600の動きについて説明する。この下部可動装飾体ユニット3600は、図42(A)に示すように、通常の状態では、左右のユニットベース3602内の昇降レール3620に支持された昇降ベース3630,3632が下降位置に位置している。また、通常の状態では、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の真後ろの隠匿位置に位置しており、遊技者側からは見えないようになっている。更に、下降位置の状態では、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、センター役物2400よりも下側に位置した状態となっている(図9等を参照)。
この下降位置の状態から左右に配置された下部昇降駆動モータ3606を夫々異なる方向へ同時に回転駆動させると、左右のピニオンギア3616が回転し、ピニオンギア3616に噛合したラックギア3618aによって昇降レール3620に案内された昇降ラック3618が上昇することとなり、左右の昇降ラック3618が上昇することで昇降ベース3630,3632も上昇することとなる。
そして、左右の昇降ラック3618が昇降レール3620の上端に到達すると、下部昇降駆動モータ3606が停止し、昇降ベース3630,3632が上昇位置で停止した状態となる(図42(B)を参照)。この上昇位置の状態では、昇降ベース3630,3632の前側に取付けられた下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の枠内(液晶表示装置1400の表示画面の前面でステージ2410よりも上側)に位置した状態となり(図51を参照)、遊技者側から明瞭に視認することができる状態となっている。
なお、上昇位置の昇降ベース3630,3632を下降させるには、左右の下部昇降駆動モータ3606を、上昇時とは逆方向へ夫々回転させることで、昇降ベース3630,3632を下降させることができ、昇降ラック3618の検知片が下部昇降検知センサ3622によって検知されるまで下部昇降駆動モータ3606を駆動させて昇降ラック3618を下降させる。そして、下部昇降検知センサ3622によって昇降ラック3618の検知片が検知されると、下部昇降駆動モータ3606の回転駆動を停止させ、昇降ベース3630,3632を下降位置に復帰させることができるようになっている。
一方、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に位置した隠匿位置の状態から、前昇降ベース3632に取付けられた翼回動駆動モータ3648を所定方向へ回転させること、左右方向の中央付近に軸支された後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658が同時に異なる方向へ回動すると共に、右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658に一体回転可能に支持された後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の自由端側(下部可動装飾体ユニット3600における左右両端側)が上昇且つ接近するように回動することとなる。そして、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が約90度回動すると、翼回動駆動モータ3648の回転が停止し、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の略全体が、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に現れた出現位置の状態となる(図42(C)を参照)。
後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が出現位置の状態では、図52に示すように、液晶表示装置1400の表示画面の大部分が、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642によって覆われるようになっおり、下部可動装飾体ユニット3600が遊技者側から目立つような状態となっている。なお、の例では、昇降ベース3630,3632が上昇位置の時に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置に位置させた例を示したが、昇降ベース3630,3632が下降位置の時に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置に位置させるようにしても良い。
なお、出現位置に位置した後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を隠匿位置に位置させるには、翼回動駆動モータ3648を、出現時とは逆方向へ回動させることで、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の先端同士が互いに離反すると共に下方へ移動する方向へ回動させることができ、右後翼駆動ギア3656の検知片3656aが翼回動検知センサ3672によって検知されるまで翼回動駆動モータ3648を回転駆動させる。そして、翼回動検知センサ3672によって右後翼駆動ギア3656の検知片3656aが検知されて、翼回動駆動モータ3648が停止すると、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が隠匿位置に位置した状態となるようになっている。
このように、本実施形態の下部可動装飾体ユニット3600によると、昇降ベース3630,3632が下降位置の時には、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の下側から透明な遊技パネル600を通して視認することができるようになっているので、遊技領域605内を装飾することができると共に、下部中央装飾基板3634、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3644a,3644a,3646を発光させることで、センター役物2400の下側を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機にはない装飾により遊技者を驚かせて楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、下部可動装飾体ユニット3600によってセンター役物2400の下側を発光装飾させることができるので、遊技領域605内を目立たせることができ、他のパチンコ機に対してより大きく差別化することが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、昇降ベース3630,3632を上昇位置へ移動させることで、センター役物2400の下側を装飾していた前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642を、液晶表示装置1400の前面へ出現移動させることができるので、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技領域605内における装飾の変化により、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、昇降ベース3630,3632を上昇位置へ移動させた状態で、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置へ回動させることができるようになっているので、四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができるようになっている。また、四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666によって液晶表示装置1400の前面が覆われたような状態となるので、遊技者を楽しませることができるようになっている。更に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置へ回動させた状態で、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666、の後側に配置された各装飾基板3638,3644,3646,3668,3670の各LED3638a,3644a,3646a,3668a,3670aを発光させることで、下部可動装飾体ユニット3600の略全体を発光装飾させることができ、めくるめく光により遊技者を幻惑させて楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
[機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット640について図44を参照して説明する。
この機能表示ユニット640は、前構成部材1110の所定位置に取り付けて配置されるものである。図44はパチンコ遊技機に取り付けた状態で遊技盤における機能表示ユットを拡大して示す正面図である。
機能表示ユニット640は、図44に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための1つのLEDからなる遊技状態表示器647と、遊技状態表示器647の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受け入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器643と、第一特別図柄記憶表示器643の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受け入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器641と、第一特別図柄表示器641の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受け入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための1つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器642と、第二特別図柄表示器642の右側で上下方向へ並んだ2つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受け入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器644と、を備えている。
機能表示ユニット640には、第二特別図柄表示器642の直上から内周レールに略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート2302の通過に関する保留数を表示するための4つのLEDからなる普通図柄記憶表示器646と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート2302を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための1つのLEDからなる普通図柄表示器645と、普通図柄記憶表示器646の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための2つのLEDからなるラウンド表示器648と、を備えている。
遊技状態表示器647は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
第一特別図柄記憶表示器643は、第一特別図柄表示器641において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受け入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器643は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ643aと、第一特別図柄記憶ランプ643bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ643a,643bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留数が2つの時には第一特別図柄記憶ランプ643a,643bがともに点灯し、保留数が3つの時には第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留数が4つの時には第一特別図柄記憶ランプ643a,643bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
第二特別図柄記憶表示器644は、第二特別図柄表示器642において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受け入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器644は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ644aと、第二特別図柄記憶ランプ644bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ644a,644bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が1つの時には第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留数が2つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ644a,644bがともに点灯し、保留数が3つの時には第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留数が4つの時には第二特別図柄記憶ランプ644a,644bがともに点滅するようになっている。なお、本実施形態では、4つまで保留されるようになっている。
第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受け入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
普通図柄表示器645は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なフルカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2350を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器645による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
普通図柄記憶表示器646は、普通図柄表示器645において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート2302を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器646は、下から並んで配置された4つの普通図柄記憶ランプ646a〜646dを備え、それぞれが所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ646a〜646dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示が4つまで保留(記憶)されるようになっている。
ラウンド表示器648は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ648aと、15ラウンド表示ランプ648bとを備えており、それぞれのランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット640は、図44に示すように、遊技盤4をパチンコ遊技機1に取り付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。遊技状態表示器647、第一特別図柄記憶表示器643、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、普通図柄表示器645、及びラウンド表示器648は、機能表示基板1191の前面に取り付けられている。なお、機能表示ユニット640の後方突出部の後端には、機能表示基板1191と主制御基板4100とを接続するための接続端子が取り付けられている。
本実施形態では、機能表示ユニット640を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル600に取り付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット640を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ遊技機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができるとともに、パチンコ遊技機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ遊技機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット640の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく機能表示ユニット640の位置を認識させることができるようになっている。
[裏箱後面の各種基板]
次に、裏箱本体3100の後面に取付けられた各種の基板類について、主に図27及び図45を参照して説明する。図45は、裏箱本体を周辺基板ボックスと共に切断して平面断面図である。本実施形態の遊技盤は、裏箱本体3100の後面に、後述する主制御基板4100と接続される複数の基板類が取付けられている。具体的には、裏箱本体3100の後面には、裏箱本体3100における開口621cの下側に横長に取付けられる第一ランプ駆動基板3801と、第一ランプ駆動基板3801の後面を覆い裏箱本体3100に固定される箱状のランプ駆動基板ボックス3804と、ランプ駆動基板ボックス3804内の後壁前面に第一ランプ駆動基板3801と対向するように取付けられる第二ランプ駆動基板3802と、を備えている。
第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802は、遊技盤4に備えられた、各装飾基板、可動装飾体を可動させる駆動モータや検知センサ等と接続されると共に、液晶表示装置1400の後側に取付けられた周辺制御基板4140と接続されており、主制御基板4100からの制御コマンドに応じた周辺制御基板4140から出力信号に基いて、各装飾基板や駆動モータを駆動させるものである。第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802は、図示するように、ランプ駆動基板ボックス3804によって互いが対向するように支持されており、裏箱本体3100における後側のスペースを有効に活用することができるようになっている。
また、裏箱本体3100の後側には、ランプ駆動基板ボックス3804の左側(背面視では右側)に取付けられ、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127、カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081、ゲートセンサ2304、始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、磁気検出センサ3044、及び周辺制御基板4140と、主制御基板4100との接続を中継するパネル中継基板3806を備えている。
更に、裏箱本体3100の後側には、後壁621b後面の左右両辺に取付けられる右中継端子板3808、及び左中継端子板3810と、を備えている。右中継端子板3808及び左中継端子板3810は、アタッカユニット2100、サイド装飾部材2200、裏前ユニット3000b、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体3400、及び下部可動装飾体3600の各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670、駆動モータ3212,3216,3242,3404,3606,3648、及び検知センサ3220,3221,3250,3408,3622,3672、等と、第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802との接続を中継するものである。
[遊技盤における発光装飾]
次に、本実施形態の遊技盤4における発光装飾について、主に図46を参照して説明する。図46は、遊技盤における主な装飾基板の位置を示す正面図である。本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表ユニット2000及び裏ユニット3000に発光可能な複数の装飾基板を備えており、周辺制御基板4140からの制御信号に基いて、様々な発光装飾(発光演出)を行うことができるようになっている。
本実施形態の遊技盤4は、図46に示すように、サイド装飾部材2200の左下円弧装飾基板2206、センター役物2400の右円弧装飾基板2430、裏前上部装飾部材3020の上円弧装飾基板3024、裏前左部装飾部材3030の左上円弧装飾基板3035が、遊技領域605の内周に沿って配置されており、右円弧装飾基板2430が遊技領域605の右端を、左下円弧装飾基板2206及び左上円弧装飾基板3035が遊技領域605の左端を、更に、上円弧装飾基板3024が遊技領域605の上端を夫々円弧状に発光装飾させることができるようになっている。
また、遊技盤4は、アタッカユニット2100のアタッカサイド装飾基板2114、及び裏前下部装飾部材3040の下円弧装飾基板3043が、遊技領域605における左右方向の中央下端に、アタッカユニット2100の第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103を囲うように配置されており、アタッカサイド装飾基板2114及び下円弧装飾基板3043が遊技領域605の下端を円弧状に発光装飾させることができるようになっている。これらの装飾基板2114,2206,2430,3025,3035,3043を発光させることで、略円形状の遊技領域605を環状に発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けられる発光装飾を行うことができるようになっている。
また、装飾基板2114,2206,2430,3025,3035,3043に実装された各LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aは、図示するように、前側に配置された不透光性の唐草模様状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041に正面視で一部がかかるように配置されており、遊技者に対して強烈な眩しさを与えてしまうのを回避させつつ、点状の発光により遊技者を驚かせて遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、各LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aの一部が唐草模様状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041にかかるようにしているので、遊技者の目の位置が移動すると、LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aと装飾部2205,2420,3021,3031,3041とのかかり具合が変化し、LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aからの光が瞬いているように見え、キラキラした感じとなって遊技者を楽しませることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、正面視で液晶表示装置1400の上辺付近の左右両端に、円形状の右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を備えており、これら右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032の後側に配置された右円形装飾基板2432及び左円形装飾基板3036の各LED2432a,3036aを発光させることで、右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。これら右円形装飾部2421や左円形装飾部3032を発光装飾させることで、遊技盤4全体の発光装飾に対してアクセントを付与することができ、飽き難い発光演出を行うことができるようになっている。また、右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を、上述した円弧状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041と共に発光装飾させることで、遊技領域605の内周に沿った発光装飾をより環状に近づけることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、裏ユニット3000における上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が、液晶表示装置1400の上側でセンター役物2400の枠内を通して遊技者側から視認できる位置に配置されており、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の後側に配置された右ロゴ装飾基板3233及び左ロゴ装飾基板3238の各LED3233a,3238aを発光させることで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235を発光装飾させることができ、ロゴが明るくなることで、遊技者に対してパチンコ機1のコンセプトを認識させ易くすることができると共に、遊技に対してチャンスが到来したのではないかと思わせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、センター役物2400の下側に透明な遊技パネル600を通して下可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が視認できるようになっており、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646により、センター役物2400の下側でアタッカユニット2100の左右斜め上側の領域を発光装飾させることができるようになっている。
また、下可動装飾体ユニット3600は、昇降ベース3630,3632を上昇させることで前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642をセンター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の表示画面の前面に位置させることができ、その状態で前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3644a,3646aを発光させることで、翼状の装飾部材3640,3642がセンター役物2400内で発光装飾され、遊技者の関心を強く引付けることが可能な発光装飾とすることができるようになっている。
昇降ベース3630,3632を上昇させた状態で、更に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を回動させて前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に出現させると共に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の後側に配置された後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670の各LED3668a,3670aを発光させることで、センター役物2400の枠内に広がった四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666が発光装飾されることとなり、煌びやかに光る翼によって遊技者の関心を非常に強く引付けることができると共に、何か良いことがあるのではと強く期待させることができ、遊技者の興趣を高められる効果を十二分に期待することができるようになっている。
なお、本実施形態の遊技盤4は、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aの各装飾部材3020,3030,3040が透明な遊技パネル600の後側に配置されており、各装飾部材3020,3030,3040を発光装飾させる各装飾基板3024,3035,3036,3043を発光させると、その光が遊技パネル600によって各装飾部材3020,3030,3040の表面側へ反射することとなり、各装飾部材3020,3030,3040の表面をキラキラと輝かせることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、遊技盤4の前面が、扉枠5におけるガラスユニット450の透明なガラス板452によって閉鎖されているので、遊技盤4に備えられた各装飾基板からの光がガラス板452で反射して遊技盤4に備えられた各装飾部材の表面を照らすことができ、各装飾部材の表面をキラキラと輝かせることができるようになっている。
更に、本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表面に金属光沢を有するメッキ層を備えた複数の星形装飾部2422,3023,3034,3070,3219,3241bや各種の装飾部を備えており、各装飾基板からの光や、他のパチンコ機からの光、或いは、パチンコ機1を設置した遊技ホール内の照明等の光によって、キラキラと輝くようになっており、煌く遊技盤4により遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは一見して異なる印象を与えることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択したくなるようなパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機1は、遊技盤4の前面を閉鎖する扉枠5のガラスユニット450に、遊技窓の内側へ向かって光を照射可能な複数のLED453aを備えており、ガラスユニット450のLED453aからの光が、表ユニット2000や裏ユニット3000における各装飾部材の表面で反射し、遊技領域605内をキラキラと輝かせることができるようになっている。
[遊技盤における可動装飾]
次に、本実施形態の遊技盤4における可動装飾(可動演出)について、主に図47乃至図52を参照して説明する。図47は遊技盤における上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図であり、図48は図47に続く上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図であり、図49は図48に続く上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図である。また、図50は、遊技盤におけるサイド可動装飾体の動きを示す正面図である。更に、図51は遊技盤における下部可動装飾体の動きを示す正面図であり、図52は図51に続く下部可動装飾体の動きを示す正面図である。本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表ユニット2000及び裏ユニット3000に可動可能な複数の可動装飾体を備えており、周辺制御基板4140からの制御信号に基いて、様々な可動装飾(可動演出)を行うことができるようになっている。
本例の遊技盤4は、図46等に示すように、液晶表示装置1400の上側でセンター役物2400の枠内に、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接するように左右方向へ並んだ状態となっている。この状態で、上部可動装飾体ユニット3200における本体ユニット3210のユニットベース3211に支持された左右のロゴ駆動モータ3212を夫々異なる方向へ回転駆動させると、ロゴ駆動モータ3212の回転軸と共にロゴ駆動ギア3213が回転し、ロゴ駆動ギア3213と噛合したラックギア3214aによってスライダ3214が互いに離反する方向へとスライドする。
これにより、左右のスライダ3214に夫々支持された右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235が、夫々互いに離反する方向へと移動し、後側に配置された星ユニット3240の星形回転装飾体3245が、図47に示すように、遊技者側から視認可能な状態となる。このように、左右のロゴ可動装飾体3230,3235が互いに離反する方向へ移動することで、液晶表示装置1400の上部に星形回転装飾体3245が出現することで、遊技者に対してチャンスの到来を期待させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
本例の遊技盤4では、図47に示すように、上部可動装飾体ユニット3200における左右のロゴ可動装飾体3230,3235が互いに離反した方向へ移動して、後側の星ユニット3240における星形回転装飾体3245が出現した状態で、ユニットベース3211に支持された一対の星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々異なる方向へ回転駆動させると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定された昇降アーム3217が夫々異なる方向(正面視右側の昇降アーム3217が反時計回りの方向、また、左側の昇降アーム3217が時計回りの方向)へ回動するようになっており、昇降アーム3217の自由端に取付けられた昇降ピン3218を介して支持された星ユニット3240が移動(昇降)するようになっている。
昇降アーム3217に取付けられた昇降ピン3218は、初期の状態(上昇位置の状態)では、上死点より若干回り込んだ状態となっており、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動により、夫々一旦、上死点まで回動した後に下死点へ向かって星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸を中心とした所定径の円周上を移動するようになっている。従って、一対の昇降アーム3217によって支持された星ユニット3240は、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動によって、一旦、わずかに上昇した後に下降するようになっている。そして、昇降アーム3217に取付けられた昇降ピン3218が下死点へ到達すると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動が停止し、星ユニット3240が下降位置に位置した状態となる。
星ユニット3240が下降位置に位置した状態では、図48に示すように、星ユニット3240が液晶表示装置1400の前面上部に位置した状態となり、中央の星形回転装飾体3245の左右に夫々二つずつ配置された星形装飾体3248が、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の下側に現れた状態となる。これにより、液晶表示装置1400の上部に星ユニット3240全体が出現することで、遊技領域605内の装飾状態が変化するので、遊技者の関心を引付けることができ、飽き難くすることができるようになっていると共に、遊技者に対してチャンスの到来を予感させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
この遊技盤4では、図48に示すような、星ユニット3240が下降位置に位置した状態で、星ユニット3240の後側に支持された星回転駆動モータ3242を所定方向へ回転駆動させると、星ユニット3240の前面中央に配置された大型の星形回転装飾体3245が所定方向へ回転するようになっている(図49を参照)。この星形回転装飾体3245の回転により、遊技者の関心を強く引付けることができるので、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、図49に示すように、星ユニット3240の星形回転装飾体3245を回転させた状態で、星形回転装飾体3245の後側に配置された星装飾基板3247の各LED3247aを発光させること、星形回転装飾体3245を発光装飾させることができるようになっている。また、星形回転装飾体3245が回転することで、各LED3247aからの光を回転星枠3245cによって瞬間的に遮ることができるので、LED3247aからの光を瞬かせることができ、キラキラした発光装飾を行うことができるようになっている。更に、星装飾基板3247における五芒星状の各頂点付近に配置されたLED3247aが、星形回転装飾体3245の回転位置に応じて、星形回転装飾体3245を通さずに直接遊技者側へ光を照射させることがきるようになっているので、瞬間的に遊技者側を眩しくさせることで発光装飾のキラキラ感を高めることができるようになっている。
従って、星ユニット3240を発光装飾させることで、遊技者の関心を強く引付けることができ、星形回転装飾体3245の回転と合せて、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、センター役物2400及び裏前ユニット3000aの後側で液晶表示装置1400の左右両側に夫々サイド可動装飾体ユニット3400を備えており、通常の状態では、装飾体本体3414の自由端側が垂下した状態とされ、図48等に示すように、サイド可動装飾体ユニット3400が遊技者側から見えないようになっている。この状態で、サイド可動装飾体ユニット3400におけるサイド駆動モータ3404を所定方向へ回転駆動させると、スポットライト状に形成された装飾体本体3414が回動し、図50に示すように、大口3414aを有した先端側が、正面視でセンター役物2400の枠内に出現し、遊技者を楽しませることができるようになっている。なお、左右に配置されたサイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414は、左右が夫々独立して可動するようになっている。
サイド可動装飾体ユニット3400は、サイド先端装飾基板3418及びサイド基端装飾基板3420の各LED3418a,3420aを発光させることで、装飾体本体3414を発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414を液晶表示装置1400の前面へ出現させると共に少なくともサイド先端装飾基板3418のLED3418aを発光させた状態で、液晶表示装置1400の表示画面に、装飾体本体3414の大口3414aからあたかもスポットライトの光が出ているような演出画像を表示させることができるようになっており、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414の動きと合せて演出画像を楽しませることができるようになっている。
また、本例の遊技盤4は、通常の状態では、図46に示すように、裏ユニット3000における下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の枠内よりも下側の下降位置に位置すると共に、透明な遊技パネル600を通して視認できるようになっており、センター役物2400の下側を装飾する装飾部材となっている。この下部可動装飾体ユニット3600は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が下降位置の状態で、左右に配置された下部昇降駆動モータ3606を夫々所定の異なる方向へ回転駆動させると、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642等を支持した後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇するようになっている。
そして、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642等が、センター役物2400の下側から、センター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の前面へ上昇出現し、図51に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上端が液晶表示装置1400における上下方向の略中央付近まで上昇すると、一対の下部昇降駆動モータ3606の回転駆動が停止して、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇位置で停止する。後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇位置の状態では、図51に示すように、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の枠内に位置すると共に、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の下側から臨んだ前昇降ベース3632の前面もセンター役物2400の枠内に位置した状態となっている。
この前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の枠内に上昇出現することで、遊技領域605内の装飾態様が大きく変化し、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。また、この状態で下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された下部中央装飾基板3638、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3638a,3644a,3646aを発光させることで、センター役物2400の枠内で左右に大きく広がった翼をキラキラと発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、センター役物2400の枠よりも下側の位置で、下部可動装飾体ユニット3600の後側には、背面装飾板3106が配置されており、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632と共に前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が上昇すると、センター役物2400の下側では、透明な遊技パネル600を通して、表面に所定の装飾を有した背面装飾板3106が遊技者側から見えるようになり、遊技盤4全体の装飾性が低下するのを防止することができるようになっている。
本例の遊技盤4は、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632と共に前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が上昇位置に位置した状態で、前昇降ベース3632に支持された翼回動駆動モータ3648を回動駆動させると、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側で前昇降ベース3632と後昇降ベース3630との間に配置された一対の後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が、遊技領域605の中央側を中心として左右の先端側が上昇するように夫々回動し、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に遊技者側から見えるように後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が出現する。
そして、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の左右の先端が液晶表示装置1400の上端付近まで回動上昇すると、翼回動駆動モータ3648の回転駆動が停止するようになっている。この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に出現させた状態では、図52に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666とによって液晶表示装置1400の前面の大部分が覆われた状態となり、四つの翼状の装飾部材が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の興趣をより高めることができるようになっている。
また、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現させた状態で、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666、の後側に配置された下部中央装飾基板3638、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646、後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670の各LED3638a,3644a,3646a,3668a,3670aを発光させることで、センター役物2400の枠内、つまり、液晶表示装置1400の前面をキラキラと眩く発光装飾させることができ、めくるめく光により遊技者を幻惑させて楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、本例の遊技盤4では、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600の各可動装飾体の可動を適宜組合せて可動させることもできるようになっており、より多彩な可動演出を遊技者に見せることで飽き難くすることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図53を参照して説明する。図53は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図53に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ646aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3080、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2127、及び一部の一般入賞口センサ3081からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2304、一般入賞口センサ3081、カウントセンサ2128及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3044からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3086、主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基いて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継基板3086を介して始動口ソレノイド2121及びアタッカソレノイド2124への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3086、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ646aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ646aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図53に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射ソレノイド654の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図53に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ744に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ646aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数スイッチ751及び回転角スイッチ752からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ744に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基いて上述した、賞球タンク720及びタンクレール731に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ744に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ744に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ550からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ744への駆動信号を停止して払出モータ744を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ751からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射ソレノイド654の発射制御を行う発射制御部4120は、図53に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基いて発射ソレノイド654の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基いて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基いて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射ソレノイド654の回転速度を制御している。
つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置500には、上述したように、タッチスイッチ516、発射停止スイッチ518が内蔵されており、操作ハンドル部の回動操作部材に触れるとタッチスイッチ516により検出され、単発ボタンを操作すると発射停止スイッチ518により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ646aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図53に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基いて、扉枠5に備えられた各装飾基板のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802を有したランプ駆動基板4160に出力したり、遊技盤4に備えられた各発光装飾基板3606のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、遊技盤4に備えられたロゴ駆動モータ3212、星ユニット昇降駆動モータ3216、星回転駆動モータ3242、サイド駆動モータ3404、下部昇降駆動モータ3606、翼回動駆動モータ3648に回転駆動信号を出力する遊技盤側モータ駆動コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板4150に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板4160に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側モータ駆動コマンド、遊技盤側モータ駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670のLEDに出力したりする。また、ランプ駆動基板4160は、受信した遊技盤側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を遊技盤4に備えられたロゴ駆動モータ3212、星ユニット昇降駆動モータ3216、星回転駆動モータ3242、サイド駆動モータ3404、下部昇降駆動モータ3606、翼回動駆動モータ3648に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4の上部可動装飾体ユニット3200における右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、及び星形回転装飾体3245や、サイド可動装飾体ユニット3400における装飾体本体3414や、下部可動装飾体ユニット3600における昇降ベース3630,3632(前右翼可動装飾部材3640及び前左翼可動装飾部材3644)、後右翼可動装飾部材3664及び後左翼可動装飾部材3666の可動位置を夫々検知する検知センサ3220,3221,3250,3408,3622,3672からの検知信号が、ランプ駆動基板4160を介して夫々入力されており、これらの検知信号に基いて、右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、星形回転装飾体3245、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414、昇降ベース3630,3632、後右翼可動装飾部材3664及び後左翼可動装飾部材3666の原位置を把握している。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ(ボタンセンサ)からの検知信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板4160を介して入力されたりする。ダイヤル駆動モータ414及び発光装置490,492,494に対してランプ駆動基板4160及び副ドロワ中継基板1108を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板4160、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ130や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板4150は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基いてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基いてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。
そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。
この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路1315bは、この1ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
また、液晶表示装置1400は、インバータ基板1411によって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2400の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2400の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2400の上棚部2404へ到達すると、上棚部2404によってセンター役物2400の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側に配置されたゲート部材2300のゲート2302に進入通過してゲートセンサ2304により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット640における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出されている普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。
この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段4204において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、後述する特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(低確率時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、非時短状態(低確率非時短状態)にて普通図柄変動パターンを選択する際に使用する普通図柄変動パターンテーブルと、時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)にて普通図柄変動パターンを選択する際に使用する普通図柄変動パターンテーブルと、を遊技状態に応じて選択し、選択した普通図柄変動パターンテーブルに基づいて普通図柄変動パターンを選択することで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2400の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート2302やワープ入口2405へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2400の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2400の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、操作ハンドル部の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2304で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄を停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2304からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2304の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2400の左側を流下した遊技球は、サイド装飾部材2100の棚部2102によってセンター役物2400の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2400の下方に配置された一般入賞口2104に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3081に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット700の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側側面に開口するワープ入口2405へ進入すると、センター役物2400のステージ2410における後側の第一ステージ2411へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2411上へ供給された遊技球は、第一ステージ2411上を左右方向へ転動して、前方へと放出されて第二ステージ2412上へと供給される。この第二ステージ2412でも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2100の上方の遊技領域605内へ放出される。なお、このステージ2410における第二ステージ2412の中央から遊技領域605内へ遊技球が放出されると、高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3080に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット700から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2410から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2410から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部材2300のゲート2302を通過してゲートセンサ2304により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット700から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127に検出されると、第一始動口2101では所定の第一特別乱数及び第一図柄乱数の発生・抽出が、第二始動口2102では所定の第二特別乱数及び第二図柄乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数及び図柄乱数に基いて、機能表示ユニット640の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数及び図柄乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2106が、所定のパターンで開閉動作する大当り遊技状態が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球ユニット700から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート2302への遊技球の通過による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、大当り遊技状態中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数及び第一図柄乱数や第二特別乱数及び第二図柄乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数及び図柄乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。
これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数及び図柄乱数が破棄されるようになっている。また、第二特別乱数及び第二図柄乱数が、第一特別乱数及び第一図柄乱数よりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2102に係る抽選結果の保留が、第一始動口2101に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を予め決められた当り判定テーブルと照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、予め決められた図柄判定テーブルと照合することで、「大当り」について、「2R大当り」、「15R大当り」の何れかであるかと、「確変時短無し当り(高確率非時短当り)」「確変当り(高確率時短当り)」、「時短当り(低確率時短当り)」、「非確変非時短当り(低確率非時短当り)」のいずれであるかと、も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返して、大入賞口2103へ遊技球を入賞することを可能にする小当り遊技状態を発生させるようになっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、「2R大当り」であれば2ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「高確率時短当り」については、低確率時に特別乱数と照合させる低確率時当り判定テーブルよりも大当りと判定される確率を向上させた高確率時当り判定テーブルと交換するようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数及び第一図柄乱数や第二特別乱数及び第二図柄乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、機能表示ユニット640の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400においても、特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1400において、複数の異なる図柄からなる一連の装飾図柄列が複数列(例えば、左・中・右の装飾図柄の三列)表示された状態で各装飾図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され(本例では左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止表示される)、最終的に全ての装飾図柄列が停止表示されると、停止表示された装飾図柄の組合せによって抽出された特別乱数及び図柄乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄及び第二特別図柄の停止図柄)と装飾図柄の停止図柄とは対応し、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の装飾図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。具体的には、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動停止時の態様が大当りとなる旨を示す態様である場合には装飾図柄の停止図柄も大当りとなる旨を示す停止図柄(大当り図柄;本例では15R大当りであれば左・中・右の装飾図柄が全て同一の図柄で揃った状態の15R大当り図柄で停止表示し、2R大当りであれば左・中・右の装飾図柄として予め決められた2種類以上の図柄を含む組み合わせの2R大当り図柄で停止表示する)となる。なお、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された装飾図柄に注目することとなる。
この複数の装飾図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する装飾図柄列(本例では中装飾図柄列)を残して停止表示された装飾図柄(本例では左装飾図柄及び右装飾図柄)の組合せが特定条件(リーチ;左装飾図柄と右装飾図柄とが同一図柄で停止表示したこと)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの装飾図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置1400には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図53を参照)、液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の装飾図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1400における装飾図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、周辺制御基板4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基いて、裏ユニット3000に備えられた可動する各上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、星形回転装飾体3245や、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414や、下部可動装飾体ユニット3600の後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632(前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642)、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666等を適宜作動させると共に、遊技盤4等に備えられた各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670に実装されたLEDを適宜発光させるようにしており、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができるようになっている。
[7.制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図54(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図54(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ646aが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ646aはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ646aは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ646aが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ646aを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数(リーチ乱数)、特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、可動片2105の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2101に始動入賞した場合であっても、第二始動口2102に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定値が設定されるリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なるリーチ判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図54(b)は、主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図54(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、ゲートセンサ2304、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127、カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。
そして次に、ステップS13の処理として、乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、特別図柄及び普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、図柄乱数、普通乱数)が更新されるかたちで乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、主制御MPU4100aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、可動片2105の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後の所定期間内は、可動片2105の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(時短制御)。なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示制御に要する時間を大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ短縮するとともに、可動片2105の開放時間を延長することによって、こうした時短制御を実現するようにしている。
また、特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを周辺基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば周辺基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当り、2R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127、カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう払出制御基板1186に払出制御コマンドを出力する。これにより、払出制御基板1186に搭載される払出制御MPU4110aは、払出モータ駆動回路4110dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図55は、特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図55に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、第一始動口センサ3080による検出信号がオン状態(第一始動口2101への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、第二始動口センサ2127による検出信号がオン状態(第二始動口2102への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否か及び小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御及び小当り遊技状態の制御を行う当り制御処理(ステップS39)を実行する。なお、15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには確変フラグをセットし、15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、及び2R高確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには時短フラグをセットし、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには後述する時短回数カウンタのカウンタ値に「0」をセットし、15R低確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには時短回数カウンタのカウンタ値に初期値「100」をセットする。これにより、15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には大当りの当選確率を向上させる制御が実行され、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には再び大当りとなるまで時短制御が実行され、15R低確率時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には特別図柄の変動表示を100回実行するまで時短制御が実行されるようになる。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS36)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS37)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS36)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図56は、第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS31の処理において、第一始動口センサ3080がオン状態にあり、第一始動口2101への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図56に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、第一特別図柄の保留数を計数する第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、第一保留数がその最大値でないと判断された場合には、第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、ステップS42の処理として、第一特別保留数カウンタをカウントアップする。またこのとき、第一保留数と第二保留数との合計をカウントする合算特別保留数カウンタをカウントアップする。主制御MPU4100aは、合算特別保留数カウンタのカウンタ値を参照することによって第一保留数及び第二保留数の合計を把握することが可能になる。次いで、ステップS43の処理として、第一特別乱数及び第一図柄乱数を乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、ステップS41の処理において、第一保留数がその最大値であると判断された場合には、第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
次いで、主制御MPU4100aは、時短制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされていなければ(ステップS45)、ステップS43で取得した第一特別乱数に基づいて大当りとなるか否かを判定し、大当りとなる旨の判定がなされた場合には第一図柄乱数に基づいて大当りの種類を判定する一方、大当りとならない場合にはリーチ乱数に基づいてリーチするか否かを判定する演出事前判定処理を実行して(ステップS46)、処理を終了する。一方、時短フラグがセットされていれば、保留数に応じた保留数指定コマンドをセットして処理を終了する(ステップS47)。これにより、第一始動口2101へ遊技球が入賞することにより発生した始動入賞に基づく変動表示を開始する以前に大当りとなるか否か、大当りの種類、及びはずれとなる場合にリーチするか否かを判別可能になる。なお、本例では時短制御を実行していないことを条件に第一特別図柄に関する演出事前判定処理を実行する。
図57は、第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS33の処理において、第二始動口センサ2127がオン状態にあり、第二始動口2102への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図57に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、第二保留数がその最大値でないと判断された場合には、第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、ステップS52の処理として、第二特別保留数カウンタをカウントアップするとともに合算特別保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS53の処理として、第二特別乱数、及び第二図柄乱数を乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、ステップS51の処理において、第二保留数がその最大値であると判断された場合には、第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、第二保留数がその最大値であると判断した時点で、この処理を終了する。
次いで、主制御MPU4100aは、時短制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされていれば(ステップS55)、ステップS53で取得した第二特別乱数に基づいて大当りとなるか否かを判定し、大当りとなる旨の判定がなされた場合には第二図柄乱数に基づいて大当りの種類を判定する一方、大当りとならない場合にはリーチ乱数に基づいてリーチするか否かを判定する演出事前判定処理を実行して(ステップS56)、処理を終了する。一方、時短フラグがセットされていなければ、保留数に応じた保留数指定コマンドをセットして処理を終了する(ステップS57)。これにより、第二始動口2102へ遊技球が入賞することにより発生した始動入賞に基づく変動表示を開始する以前に大当りとなるか否か、大当りの種類、及びはずれとなる場合にリーチするか否かを判別可能になる。なお、本例では時短制御を実行していることを条件に第二特別図柄に関する演出事前判定処理を実行する。
図58は、演出事前判定処理(ステップS46、S56)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理と第二始動口通過処理のステップS56で実行する演出事前判定処理とは共通のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数が異なるだけであるため、ここでは第一始動口通過処理のステップS46で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理についてのみ説明する。なお、第一特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率と第二特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率とを異ならせることにより、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルと第二始動口通過処理のステップS56で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルとを異ならせるようにしてもよい。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、演出事前判定処理を開始すると、図59に示す事前判定テーブルと取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、及びリーチ乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、を特定する(ステップS61)。なお、図59の事前判定テーブルは各判定値の割合を示している。
また、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か判定し、確変フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを判定する。この高確率の大当り判定値は、当り判定テーブルの高確率時のテーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値は、当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。そのため、ステップS61で第一特別乱数と高確率時事前判定テーブル又は低確率時事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定することができる。
なお、本例では事前判定テーブルの大当り判定値と当り判定テーブルの大当り判定値と同一の乱数としたがこれに限られるものではない。例えば、事前判定テーブルの大当り判定値として当り判定テーブルの大当り判定値の一部だけを含むものや、当り判定テーブルの大当り判定値の一部又は全部と当り判定テーブルの大当り判定値とは異なる所定数の乱数値とを含むように構成し、演出事前判定処理において大当りとなる可能性の程度を判定するようにしてもよい。
具体的には、大当り判定値及び大当り判定値とは異なるはずれ判定値のうち一部を高確率乱数グループとしてそれぞれ判別可能とするとともに、該高確率乱数グループとして判別可能とされる大当り判定値のはずれ判定値に対する割合は、大当りの当選確率が決定づけられる当り判定テーブルの割合よりも高く設定されてなる高確率乱数決定付手段、及び乱数取得手段により取得される乱数のうちの特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)がはずれ判定値と大当り判定値とのいずれかに分類判別される大当り判定についてはこれを未実行の状態に維持したままで、同判定に供される特別乱数が大当り判定値及びはずれ判定値の混在された高確率乱数グループに属する値であるか否かを判断することで、保留の状態とされている判定処理毎に大当りの当選に係る期待度(擬似当選確率)についての先行判定を実行可能とする擬似確率先行判定手段、を備え、擬似確率先行判定手段により大当りの当選に係る期待度を先行判定するようにしてもよい。
このように大当り判定値及びはずれ判定値が混在された高確率乱数決定付手段を備えるようにしたことで、未だ保留の状態とされている大当り判定の当落結果についての機密情報が漏出され得るリスクを排除した従来の演出構造を維持しつつも、当該高確率乱数決定付手段における大当り判定値及びはずれ判定値の混在率に応じた大当りの当落に係る期待度(擬似当選確率)についてはその先行判定が実行可能とされるようになる。例えば、大当り判定の実行(判定処理の消化)に先立って、当該大当り判定に供される特別乱数が高確率乱数グループに属する値(特殊当り判定値)である旨の先行判定がなされなかったときは、該先行判定された特殊当り判定値でない乱数値(高確率乱数グループと対の関係となる低確率乱数グループに属する値)に基づく判定処理が消化されるときの大当りの当選に係る期待度(擬似当選確率)は、大当りの期待度(当選確率)よりも低いことが確定されることとなる(擬似的に低くされた当選確率)。
このような高確率乱数グループについての先行判定手法によれば、特定の判定処理が保留の状態とされた時点では、その大当り判定を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その期待度(擬似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じたシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
そして、事前判定テーブルと取得した乱数との比較の結果、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、及び第一保留数(第一特別保留数カウンタの値))を示す事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。これにより、始動入賞が発生した始動口(第一始動口2101と第二始動口2102とのいずれか)、該始動口に対応して記憶される保留数の数、発生した始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するかなどの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aが把握できるようになる。
図60は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセス処理において主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御基板4100の主制御MPU4100aのRAMに格納されている第一特別乱数、第一図柄乱数などを読み出し、読み出した第一特別乱数が所定の大当り判定値と合致するか否か及び小当り判定値と合致するか否かに基づいて第一特別図柄の変動表示の結果、大当りとするか否か及び小当りとするか否かの抽選処理(当り判定処理)などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別乱数に基づいて大当りとする旨の抽選結果が得られた場合に第一図柄乱数に基づいて大当りの種類(15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、2R低確率時短当り)及び大当りの種類に応じた第一特別図柄の停止図柄を決定するための処理と、第一特別乱数に基づいて大当りとしない旨の抽選結果が得られた場合にリーチ乱数が所定のリーチ判定値と合致するか否かに基づいてリーチ演出を実行するか否か及びはずれ時の第一特別図柄の停止図柄を決定するための処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数及びリーチ乱数に基づいて第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動態様や、液晶表示装置1400で第一特別図柄に対応して実行される装飾図柄の変動態様についての抽選処理などを行い、周辺制御基板4140に装飾図柄の変動態様を示す第一変動パターンコマンドを送信する第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器641における第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動表示停止時の態様が第一特別図柄表示器641に表示されるように第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図54参照)において、第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図61は、第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図61に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、リーチ乱数、及び第一図柄乱数、)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、リーチ乱数、及び第一図柄乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図62は、当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図63(A)に示す高確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図63(A)に示す低確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図63(A)に示す当り判定テーブルは、主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の当り判定テーブルでは、5種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、7種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、1537種類の乱数値がはずれであることを示すはずれ判定値と一致するように特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の当り判定テーブルでは、低確率時の当り判定テーブルに設定される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)と同一の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)を含む50種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当り判定値と一致し、低確率時の当り判定テーブルに設定される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)と同一の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)である7種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が小当り判定値と一致し、1492種類の乱数値がはずれ判定値と一致するように特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)がそれぞれ関連付けされている。
このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態及び時短状態)の10倍に高められる。一方、小当り判定値は、高確率状態に制御されている場合であっても設定される小当り判定値の個数が変化せず、常に一定の確率で小当り判定を行うようになっている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115a)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS115b)、小当りとすると判定した場合には(ステップS116a)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116b)、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS117)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。なお、リーチ判定テーブルでは、事前判定テーブルと同様に、9種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、230種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するようにリーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
図64は、第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図64に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図63(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。
図63(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(2R高確率非時短当り、2R高確率時短当り、15R低確率時短当り、15R高確率時短当り)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。本例では、第一図柄乱数と比較される図柄決定テーブルでは、10種類の第一図柄乱数が2R高確率非時短当りと一致し、12種類の第一図柄乱数が2R高確率時短当りと一致し、39種類の第一図柄乱数が15R低確率時短当りと一致し、39種類の第一図柄乱数が15R高確率時短当りと一致するように第一図柄乱数が関連付けされている。また、第二図柄乱数と比較される図柄決定テーブルでは、6種類の第二図柄乱数が2R高確率時短当りと一致し、55種類の第二図柄乱数が15R低確率時短当りと一致し、39種類の第二図柄乱数が15R高確率時短当りと一致するように第二図柄乱数が関連付けされ、2R高確率非時短当りには第二図柄乱数が関連付けされていない。また、第二特別乱数は第一特別乱数に比べて15R大当り(特に15R低確率時短当り)となる割合が高くなるように設定されているとともに、2R大当りとなる割合が低くなるように設定されている。これにより、時短制御を実行している場合に発生しやすい第二始動口2102への始動入賞が生じた場合には、第一始動口2101への始動入賞が生じた場合に比べてより多くの賞球を獲得可能な大当り(この例では15R大当り)が発生するようになっている。そして、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御する15R高確率時短当り
2.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の所定回数(100回)の変動表示が実行されるまで前記低確率時短状態に制御し、その後、低確率非時短状態(通常状態)に制御する15R低確率時短当り
3.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御する2R高確率時短当り
4.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率非時短状態に制御する2R高確率非時短当り
の4種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、大当り遊技状態の終了後に液晶表示装置1400において、高確率状態である可能性が最も高い又は高確率状態であることを判別可能な演出モード、高確率状態である可能性が高いことを判別可能な演出モード、低確率状態である可能性が高いことを判別可能な演出モード、低確率状態である可能性が最も高い又は低確率状態であることを判別可能な演出モード、などの複数の演出モードのうちいずれかに制御するようにしてもよい。これにより、高確率状態に制御されていない場合であっても高確率状態への期待を抱かせることができ、稼働率の向上を図ることができる。
また、本例では大当り遊技状態終了後の時短状態として普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示制御に要する時間、可動片2105の開放時間等を同一態様で制御する時短状態に制御するが、大当りの種類に応じて時短状態の制御内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を0.3秒とする第1時短状態に制御し、15R低確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を第1時短状態よりも長い1秒とする時短状態に制御することで、遊技者にとってより有利な第1時短状態と第1時短状態よりも遊技者に不利な第2時短状態とに制御するようにしてもよい。
また、特別図柄の変動停止時の態様と大当りの種類とは対応している。具体的には、15R高確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として15R高確率時短当り図柄に決定し、15R低確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として15R低確率時短当り図柄に決定し、2R高確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として2R高確率時短当り図柄に決定し、2R高確率非時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として2R高確率非時短当り図柄に決定する(ステップS123)。
また、主制御MPU4100aは、小当りフラグがセットされていれば(ステップS124)、第一特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定する(ステップS125)。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS127)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS128の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれか)が周辺基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS129の処理として、第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいて液晶表示装置1400を表示制御する。
図65は、第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図65に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、複数種類の変動パターンテーブル(2R高確率時短当りの場合に選択されるテーブル、2R高確率非時短の場合に選択されるテーブル、15R高確率時短当りの場合に選択されるテーブル、15R低確率時短当りの場合に選択されるテーブル、小当りの場合に選択されるテーブル)のうち当りの種類(第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、又は小当り)に応じたテーブルを選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、リーチ時の変動パターンテーブルを選択するともにリーチフラグをリセットし(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS145)。
そして、変動乱数を更新する乱数カウンタから変動乱数を取得して、該取得した変動乱数と選択した変動パターンテーブルとを比較することにより実行する変動パターンを決定する(ステップS146)。そして決定した変動パターンに応じた第一特別図柄の変動表示を開始することを周辺基板4010に通知する第一変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると、この決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器641及び液晶表示装置1400にて演出制御が行われるようになる。
なお、図示しないが変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果に対応して複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に対応する変動パターンテーブルを選択した後、該選択したテーブルと取得した変動乱数とを比較し、該変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、変動パターンテーブルは、主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例では大当り遊技状態の終了後及び小当り遊技状態の終了後に液晶表示装置1400の表示態様(背景色、背景態様、装飾図柄の態様など)が異なる複数種類の演出モードのうちいずれかの演出モードに制御する。演出モードは、遊技状態(高確率時短状態、高確率非時短状態、低確率時短状態、低確率非時短状態(通常状態))及び大当りの種類に応じて複数種類設けられ、遊技状態の変化や大当り遊技状態の終了等に応じて対応する演出モードに制御することにより演出効果を向上させている。具体的には、演出モードとして、15R高確率時短当り終了後の高確率時短状態及び2R高確率時短当り終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別可能な高確率確定モード、15R低確率時短当り終了後の低確率時短状態、及び15R高確率時短当り終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定時短モード、2R高確率非時短当り終了後の高確率非時短状態、及び小当り遊技状態の終了後に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定非時短モード、及び低確率非時短状態(通常状態)に制御している場合に実行され、低確率状態に制御していることを判別可能な通常モードを有している。周辺制御基板4140の周辺制御ROM4140bには、主制御基板4100から送信されて液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(具体的には変動パターンコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド))に対応して実行する制御プログラムを演出モード毎に複数備えている。そして、周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合には現在の演出モードに応じた複数種類の制御プログラムのうち受信したコマンドに応じた制御プログラムに従って液晶表示装置1400を表示制御することで、演出モードに応じた液晶表示装置1400の表示内容を制御している。
なお、この例では特別図柄の変動開始時に変動乱数を取得するように構成したが、変動開始以前であれば取得するタイミングは問わない。例えば、始動入賞時に変動乱数を取得するようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後には所定の遊技状態に制御する(例えば15R高確率時短当りであれば大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御する)ようになっているが、小当り遊技状態の終了後には以前の遊技状態を継続して実行するようになっている。即ち、小当り遊技状態は単に賞球の機会を与えるだけであり、有利な状態を付与するものではない点で大当り遊技状態と相違する。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、時短制御を実行する変動回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS150)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS151)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS152)。
ステップS149の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、ステップS151の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS153の処理に移行する。そして、第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS153)、この処理を終了する。
図66は、第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図66に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図67は、第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図67に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を第一特別図柄表示器641に表示させるための表示制御を行うとともに、液晶表示装置1400に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより時短制御を終了させて低確率非時短状態(通常状態)の制御を開始するようになる。
また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示や2R大当りとなったのか小当りとなったのかを判別困難な表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし、時短フラグがセットされていれば該時短フラグをリセットするとともに確変フラグがセットされていれば該確変フラグをリセットし(ステップS189)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じた大当り開始コマンド(15R高確率時短当り開始コマンド、15R低確率時短当り開始コマンド、2R高確率時短当り開始コマンド、2R高確率非時短当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等により実行される。
また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、小当りフラグがセットされているときは(ステップS190)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(2R大当りとなったのか小当りとなったのかを判別困難な表示を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS193)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。
[周辺制御MPU4140aによる各処理]
次に、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図68は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図68に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aのRAMをクリアする処理等が行われる。
なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1400、LED453a,2114a,2129a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043a、スピーカ121,391等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図69は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、主制御基板4100から送信された変動表示の実行を指示するコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド)を受信したことにもとづいて液晶表示装置1400に関わる制御処理や可動装飾体ユニット(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を駆動するための制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ130,391に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたLEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板4160(第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802)にLEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図70は、コマンド解析処理(ステップS601)で実行される事前判定コマンド受信処理についてその手順を示すフローチャートである。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理で事前判定コマンドを受信したことに基づいて事前判定コマンド受信処理を実行する。
周辺制御MPU4140aは、事前判定コマンド判定処理を開始すると、受信した事前判定コマンドが第一保留数を示すものであるか否かを判定し(ステップS601a)、第一保留数を示すものであれば、第一保留数を計数する第一保留カウンタを1加算し(ステップS601b)、周辺制御MPU4140aのRAMの記憶領域のうち第一保留カウンタ値に対応する第一保留領域に、受信した事前判定コマンドによって通知された事前判定情報を記憶する(ステップS601c)。この例では第一保留カウンタの最大値は4とされ、第一保留カウンタ値「1」に対応する第一保留領域A〜第一保留カウンタ値「4」に対応する第一保留領域Dの複数の第一保留領域が設けられている。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理にて第一特別図柄の変動表示を開始する旨を示す第一変動パターンコマンドを受信すると、第一保留カウンタを1減算するとともに、第一保留領域A〜第一保留領域Dの記憶内容をシフト(第一保留領域Aの記憶内容を消去して、第一保留領域B,C,Dの記憶内容を第一保留領域A,B,Cにそれぞれ移動する)する。これにより、第一保留領域A〜第一保留領域Dには、保留されている第一特別図柄の変動表示に関わる事前判定情報だけが記憶されるようになる。
また、受信した事前判定コマンドが第二保留数を示すものであれば、第二保留数を計数する第二保留カウンタを1加算し(ステップS601d)、周辺制御MPU4140aのRAMの記憶領域のうち第二保留カウンタ値に対応する第二保留領域に、受信した事前判定コマンドによって通知された事前判定情報を記憶する(ステップS601e)。この例では第二保留カウンタの最大値は4とされ、第二保留カウンタ値「1」に対応する第二保留領域A〜第二保留カウンタ値「4」に対応する第二保留領域Dの複数の第二保留領域が設けられている。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理にて第二特別図柄の変動表示を開始する旨を示す第二変動パターンコマンドを受信すると、第二保留カウンタを1減算するとともに、第二保留領域A〜第二保留領域Dの記憶内容をシフト(第二保留領域Aの記憶内容を消去して、第二保留領域B,C,Dの記憶内容を第二保留領域A,B,Cにそれぞれ移動する)する。これにより、第二保留領域A〜第二保留領域Dには、保留されている第二特別図柄の変動表示に関わる事前判定情報だけが記憶されるようになる。
図71は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPU4140aは周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.コマンド解析処理にて解析された特別図柄の変動パターンを指示するコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド)に基づいて液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等を制御する処理などを行った後、演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等を制御する処理などが行い、変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄の変動表示停止を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、はずれであれば演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)。
4.大当り遊技状態の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1400に大当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技状態を終了するときに演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技状態の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1400に小当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技状態を終了するときに演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期して液晶表示装置1400で装飾図柄の変動表示が実行されるようになる。
[可動装飾体演出]
次に遊技盤4の後側に配置される複数の装飾体(例えば上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)によって実現される遊技演出について説明する。
上述したように、本例の遊技盤4は透明な遊技パネル600で構成されてその背部を視認可能であり、この透明な遊技パネル600の後側には複数の可動装飾体(本例では上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)が配置し、それぞれの待機位置にてその立体形状により遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾している。
本例のパチンコ機1では、液晶表示装置1400にて実行される演出表示に関連して、通常時には待機位置に保持されて遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾する可動装飾体を駆動させることにより遊技者に意外性を与える可動装飾演出を実行している。具体的には、リーチ演出画像やリーチ発展演出画像の表示に関連して、又は装飾図柄の変動表示を開始してからいずれかの装飾図柄が停止表示されるまでの期間に表示される予告演出画像の表示に関連して、上部可動装飾体ユニット3200を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させたり(図48及び図49参照)、再度可動装飾体3400を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させたり(図50参照)、下部可動装飾体ユニット3600を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させる(図51及び図52参照)可動装飾演出を実行する。なお、リーチ演出画像やリーチ発展演出画像、予告演出画像は複数種類用意され、これら複数種類のリーチ演出画像やリーチ発展演出画像、予告演出画像を実行する複数種類の変動パターンのうち可動装飾演出を伴う変動パターンに決定されている場合に実行する。
可動装飾体演出では、通常時に遊技パネル600の後側に配置されて遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾する可動装飾体(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を可動して液晶表示装置1400の前方に表出させるため、これらがただの飾りに過ぎないと認識していた遊技者に意外性を与えることができ、遊技興趣が向上する。また、通常時に遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾する機能と、可動時に液晶表示装置1400の前方に表出する機能と、の複数の機能を有する可動装飾体(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を配置するため、部品点数を低減でき、遊技機の製造コストを低減することができる。即ち、可動時だけでなく、非可動時(通常時と同意)にも装飾機能を有するように可動装飾体や遊技盤4などを構成することにより、機能毎に配置していた装飾体を一つに纏めて配置することができ、部品点数の低減及び遊技機の製造コスト低減を図ることができる。また、機能毎に配置していた装飾体を一つに纏めて配置することにより、可動装飾体を配置しつつも液晶表示装置1400の大型化を実現することができる。
なお、遊技機の一例としてのパチンコ機1では、液晶表示装置1400の下方に種々の入賞装置が設けられ、遊技球を転動させる領域(転動領域と呼ぶ)をある程度確保する必要がある。一方、液晶表示装置1400の上方及び左右側方には入賞装置は配置されていないため、転動領域は液晶表示装置1400の下方に比べて狭くてもよい。そのため、液晶表示装置1400を大型化する場合であっても液晶表示装置1400の下方の転動領域はある程度確保されることになる。本例ではこの液晶表示装置1400の下方に配置している下部可動装飾体ユニット3600を液晶表示装置1400の前方に表出させることにより、液晶表示装置1400の大型化と可動装飾体との共存が図られるのは勿論、可動装飾体としても大型のものを用いることができるようになる。また、本例では下部可動装飾体ユニット3600として前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を配置して下部可動装飾体ユニット3600を上昇させた(図42(A)から図42(B)に上昇した状態)後、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を回動させて下部可動装飾体ユニット3600を完全に表出させる(図42(C)の状態)ように構成するため、可動装飾体の大型化をより一層実現できる。即ち、単純に可動装飾体の昇降によって可動装飾体を完全に表出させる可動位置と可動装飾体が待機する待機位置とを切り替えるものでは可動装飾体の待機位置におけるスペースの制約を受け、この待機位置におけるスペースを超える可動装飾体を配置することができないが、本例のように複数の段階を経て可動位置と待機位置とを切り替えるものであれば可動装飾体の待機位置におけるスペースを超える可動装飾体を配置することが可能になるため、可動装飾体の大型化が可能である。
また、本例では可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出する可動時と遊技盤4の後側に待機する通常時とに変化するものを示したが、通常時の可動装飾体の態様として、遊技盤4の後側で小刻みに可動する機能を有するようにしてもよい。これにより可動装飾体が遊技盤4の後側で可動したときに意外性を与えることができることに加えて、可動装飾体の可動時には単純に遊技盤の後側で小刻みに可動すると思い込ませることができ、可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出させた場合に驚きを与えることができる。
また、本例では遊技盤4を透明な遊技パネル600で構成することによりその背部を視認可能とし、この遊技パネル600の後側に可動装飾体を配置することにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾するように構成したが、非可動時(通常時)に遊技盤4の後側に配置する可動装飾体を視認可能に配置するものであればこれに限られるものではない。例えば、その一部がくり抜かれる等によりその背部を視認可能に形成される不透明な遊技パネルで遊技盤4を構成し、前記一部に対応する遊技盤4の後側に可動装飾体を配置することにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾するように構成してもよい。
また、本例の可動装飾体それぞれには複数のLEDが設けられ(図36に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図38に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図43に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)、可動装飾体の非可動時(通常時)にはそれぞれの待機位置にてこれらLEDを発光制御することにより遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾している(図10及び図46参照)。また、可動装飾演出を実行して可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出したときには、この可動装飾体に設けられるLEDを発光制御して所定の態様で発光させる。
このように、可動装飾体演出では、通常時に遊技パネル600の後側に配置されて遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するLED(図36に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図38に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図43に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)を液晶表示装置1400の前方に表出させて所定の態様で発光させるため、液晶表示装置1400前方の光量を増大させ、遊技者の注意を引くことができる。また、通常時に遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾する機能と、可動時に液晶表示装置1400の前方に表出して所定の態様で発光する機能との複数の機能を有するように複数のLED(図36に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図38に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図43に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)を配置するため、LEDの設置数を低減でき、遊技機の製造コストを低減することができる。即ち、可動時だけでなく、非可動時(通常時と同意)にも装飾機能を有するようにLEDを配置したり遊技盤4を構成したりすることにより、機能毎に配置していたLEDを一つに纏めて配置することができ、設置数の低減及び遊技機の製造コスト低減を図ることができる。
なお、本例では遊技盤4を透明な遊技パネル600で構成し、この遊技パネル600の後側に複数のLEDを配置することにより非可動時(通常時)にも遊技パネル600の後側に配置するLEDから照射される光を透過させて遊技機前方から視認可能にして遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するように構成したが、非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側に配置する複数のLEDによって遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するものであればこれに限られるものではない。例えば、所定数の貫通穴が形成される不透明な遊技パネルで遊技盤4を構成し、その後側に配置するLEDから照射される光を貫通穴から通過させて遊技機前方から視認できるようにすることにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するように構成してもよい。
また、下部可動装飾体ユニット3600の左右のユニットベース3602(図26参照)は、図12から明らかなように、裏前ユニット3000a及びセンター役物2400の背部に重複して配置し、遊技盤4に正対した状態において遊技者側からは見えないようになっている。また、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、不透光性とされており、図42に示すように遊技者側から前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(前昇降ベース3632における前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の配置された位置)の後側が見えないようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の翼装飾部材3640,3642,3664,3666を昇降するための装置(具体的には、下部昇降駆動モータ3606、第一伝達ギア3610、第二伝達ギア3612、ピニオンギア3616、昇降ラック3618、ユニットベース3602、昇降レール3620、及び下部昇降検知センサ3622からなる装置)を翼装飾部材3640,3642の両側に配置するため、第一始動口2101及び第二始動口2102の背部や大入賞口2103の背部にスペースを作りだすことができ、図18に示すように下部可動装飾体ユニット3600と干渉することなく、該スペースに第一始動口2101及び第二始動口2102に入賞した遊技球を排出するための始動口通路が形成されるとともに該始動口通路内を流通する遊技球を検出する第二始動口センサ2127を支持するアタッカ駆動機構ベース2126や、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121、始動口ソレノイド2121の駆動を可動片2105へ伝達させる始動口駆動伝達部材2122、始動口駆動伝達部材2122及び始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123などを含むアタッカ駆動ユニット2120を配置することができる。
[音楽ゲームリーチ演出]
本実施形態では、液晶表示装置1400等を用いたリーチ演出の一環として、楽曲に合わせてタッチパネル480を遊技者が操作することにより所定の課題が達成されたときに大当りを導出することが可能な音楽ゲームリーチ演出を実行している。この音楽ゲームリーチ演出について、図72乃至図78を参照して説明する。
図72は、液晶表示装置1400を制御する周辺制御基板4140で実行される音楽ゲームリーチ演出制御処理を示すフローチャートである。図73は周辺制御基板4140に配備された周辺MPUが音楽ゲームリーチ演出制御処理の中の一処理として実行する音楽ゲームリーチ演出中処理を示すフローチャートである。図74は、音楽ゲームリーチ演出におけるタッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)を示すテーブルである。図75は、音楽ゲームリーチ演出におけるマーカー種別の出現順序を示すタイムチャートである。図76は、成功範囲にてタッチパネル480が操作された場合の獲得ポイントを決定するために用いる獲得ポイント決定テーブルである。図77及び図78は、音楽ゲームリーチ演出が実行されたときの液晶表示装置1400における具体的な演出画像である。
まず、音楽ゲームリーチ演出とは、音楽と共に液晶表示装置1400の画面上に流れるマーカーに合わせてタッチパネル480を遊技者が操作し、タッチパネル480をタイミング良く操作したとき、抽選により所定のポイント数を獲得可能とするものであって、音楽が終了するまでに所定の課題(本実施形態では、一定のポイント数を獲得すること)が達成されるか否か、という得点演出であり、獲得したポイント数が予め定められたポイント数(本実施形態では30ポイント)に達したときには、遊技者に特典が付与される。
但し、抽選による当落判定結果が大当りである場合には、タッチパネル480をタイミング良く操作するという遊技者の努力によって所定の課題が達成され得る一方、当落判定結果が外れである場合には、遊技者が努力しても所定の課題が達成されることのないように制御している。
なお、本実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の終了までに所定の課題を達成することにより、遊技者に付与される特典として当落判定結果が大当りである旨を導出しているが、遊技者への特典として有益な情報を導出するものであればよく、例えば、当落判定結果が突確の大当りである場合に、音楽ゲームリーチ演出の終了までに所定の課題を達成することにより、遊技者への特典として「当落判定結果が確変大当りである旨」を導出するものであってもよい。
上記の突確の大当りは、大当り遊技状態にあっては大入賞口2103が高速でパカパカと2回開閉動作するため、大当りではあるものの遊技球が入賞せず遊技者に対する出玉がない、といえる。しかし、大当り遊技状態後の遊技状態は、確変状態及び時短状態となり、一対の羽根状の可動片2105が頻繁に開閉動作するようになり、第二始動口2102への入賞確率が物理的に大幅にアップする。このため、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。したがって、当落判定結果が突確の大当りの場合、音楽ゲームリーチ演出の終了までに所定の課題を達成することにより、遊技者にとって有益な情報として(特典として)、「確変大当りである旨」を導出するのである。遊技者とって出玉は期待できないが、その代償的なものとして音楽ゲームリーチ演出を行って所定の課題を達成させることで、「確変大当りである旨」の報知により遊技意欲を充足させて遊技に積極的に参加させる。
周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140a(以下、単に周辺制御MPUという)は、図69の16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析処理において、受信した当落判定結果に基づく制御コマンドを解析する。そして、解析した制御コマンドに基づいて、特定演出(音楽ゲームリーチ演出)を行うか否かを決定する。例えば、制御コマンドに応じた演出用乱数の値と、演出テーブルとに基づいてどのような演出を行うのかを決定する。特定演出を行うことが決定された場合には、図69のステップS602〜ステップS606の16ms定常処理において特定演出(音楽ゲームリーチ演出)が実行されるべく制御する。例えば、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグをセットする。
図72に示すように、ステップS602の演出制御処理(主にステップS711の変動演出開始処理及びステップS712の変動演出中処理)で実行される音楽ゲームリーチ演出制御処理では、まず、リーチ演出の一環として音楽ゲームリーチ演出を実行することが決定しているときに音楽ゲームリーチ演出の開始制御を行う。
具体的には、周辺制御MPUは、音楽ゲームリーチ演出制御処理を開始すると、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS801)。ステップS801で音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされていると判別した場合には(YES)、先に図71において説明した演出プロセスフラグの値が変動演出開始処理に応じた値であるか否かを判定し(ステップS802)、この場合、演出プロセスフラグの値が変動演出開始処理に応じた値であると判定し(YES)、音楽ゲームリーチ演出設定処理(ステップS803)を実行し、演出プロセスフラグの値を変動演出中処理に応じた値に変更し(ステップS804)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。
一方、ステップS801で音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされていないと判別した場合には(NO)、音楽ゲームリーチ演出を実行しない場合であり、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。したがって、音楽ゲームリーチ演出が行われることはない。
なお、ステップS803の音楽ゲームリーチ演出設定処理では、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を複数種類の楽曲(本実施形態では、「楽曲A」〜「楽曲D」の4曲)から決定し、この決定した楽曲に設定されたマーカー種別及びタッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)に関するデータを、周辺制御ROM4140bから読み出す。このとき、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を決定する際には、抽選結果が大当りであるときに大当り期待度の高い楽曲を高い確率で決定し、抽選結果が外れであるときに大当り期待度の低い楽曲を高い確率で決定することにより、各々の楽曲には大当り期待度が設定されており、大当り期待度の高い楽曲が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示を開始し、左右装飾図柄をリーチ(同一の図柄)で停止表示した後、ノーマルリーチ演出へと展開する途中のタイミング(音楽ゲームリーチ演出の開始タイミング)で、音楽ゲームリーチ演出を開始するように制御し、音楽と共にタッチパネル480の有効範囲に関連付けられたマーカーが液晶表示装置1400の画面上に流れるように表示制御する。
次の処理周期の音楽ゲームリーチ演出制御処理では、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされ、演出プロセスフラグが変動演出中の値であることに基づいて、ステップS801をYESと判定し、ステップS802をNOと判定し、ステップS805に進み、演出プロセスフラグの値が変動演出中処理に応じた値であるか否かを判定し(ステップS805)、この場合、演出プロセスフラグの値が変動演出中処理に応じた値であると判定し(YES)、音楽ゲームリーチ演出中処理(ステップS806)を実行し、次いで非操作期間計時処理(ステップS811)を実行し、変動時間が経過したか否かを判定し(ステップS807)、変動時間が経過していなければ、ステップS807をNOと判定し、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。なお、音楽ゲームリーチ演出中処理および非操作期間計時処理については後述する。
そして、変動時間が経過すると、ステップS807をYESと判定し、演出プロセスフラグの値を変動終了処理に応じた値に変更し(ステップS808)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。
次の処理周期の音楽ゲームリーチ演出制御処理では、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされ、演出プロセスフラグが変動終了処理の値であることに基づいて、ステップS801をYESと判定し、ステップS802をNOと判定し、ステップS805をNOと判定し、ステップS809に進み、演出プロセスフラグの値を変動演出開始処理に応じた値に変更し(ステップS809)、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグをクリアし(ステップS810)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。なお、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがクリアされたことで、音楽ゲームリーチ演出制御処理が終了となる。
次に、タッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)とマーカーとの関係について、図75(A)を参照して説明する。まず、液晶表示装置1400の画面上に流れる(表示パネルの下部において右側から左側に向って移動表示される)マーカーには、そのタッチパネル480への操作態様の違いにより、「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」の4種類が設定されている。なお、各マーカーには、タッチパネル480への操作態様を指示する旨を表した文字や矢印が付帯している。
そして、各々の楽曲には、演出時間の経過と共に、液晶表示装置1400の画面上に「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」専用のマーカーが所定の順序で順次出現するように設定されている(例えば、図75(B)参照)。
また、図75(A)に示すように、「連打!」のマーカーを除いては、マーカーの前後の一定期間において「タッチパネル480の有効範囲」が設定されており、さらに「タッチパネル480の有効範囲」の中でもマーカーに近い範囲を「成功範囲」、マーカーから遠い範囲を「失敗範囲」に区分けしている。ただし、液晶表示装置1400の画面上には、マーカーのみ表示を行い、「タッチパネル480の有効範囲」、「成功範囲」、「失敗範囲」については、表示を行わず、遊技者が認識できないようになっている。
また、成功範囲にてタッチパネル480がマーカーに指示された操作態様で操作された場合には、液晶表示装置1400の画面上に獲得ポイントに応じた演出表現が行われ、ポイントが獲得可能となる一方、失敗範囲にてタッチパネル480が操作された場合や、タッチパネル480への操作が成功範囲であってもマーカーに指示された操作態様とは異なる接触操作態様であった場合には(一例を挙げると、「こすれ!」のマーカーに対してタッチによる接触操作が行われた場合が該当する)、液晶表示装置1400の画面上に失敗(タイミング悪、誤り操作)の演出表現が行われ、ポイントを獲得することができない。
一方、「連打!」のマーカーの出現期間については、常に「タッチパネル480の有効範囲」が設定されており、その有効範囲にてタッチパネル480が操作された場合には、各々の操作についてポイントが獲得可能となっている。
また、複数種類の楽曲(本実施形態では、4曲)のうち「楽曲A」に対して設定されたタッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)の一例について、図74を参照して説明する。なお、図74には、各々のマーカーに対して、音楽ゲームリーチ演出の開始からの時間値がフレーム数(1F=33ms)で記載されている。
図74(A)に示すように、「タッチ」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に12回出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がA1〜A12の12種類設定されている。これらのタッチパネル480の有効範囲には、A1〜A4,A7〜A10に対して成功範囲が7Fの範囲で、A5,A6,A11,A12に対して成功範囲が5Fの範囲で設定されている。
また、図74(B)に示すように、「連打!」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に1回のみ出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がB1の1種類設定されている。このタッチパネル480の有効範囲には、B1に対して144Fの範囲が設定されており、その他のマーカーと比べて有効範囲が格段に長い。このため、タッチパネル480の有効範囲では、タッチパネル480を遊技者が数十回操作することも可能となり、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
また、図74(C)に示すように、「こすれ!」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に2回出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がC1,C2の2種類設定されている。これらのタッチパネル480の有効範囲には、C1,C2に対して成功範囲が7Fの範囲で設定されており、「タッチ」のマーカーと成功範囲が略同等である。しかしながら、後述するように、成功範囲にてタッチパネル480が操作されたとき、「タッチ」のマーカーよりもポイントを獲得する確率が高く、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
また、図74(D)に示すように、「スライドスライド」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲の最後に1回のみ出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がD1の1種類設定されている。このタッチパネル480の有効範囲には、D1に対して成功範囲が7Fの範囲で設定されており、「タッチ」や「こすれ!」のマーカーと成功範囲が略同等である。しかしながら、後述するように、成功範囲にてタッチパネル480が操作されたとき、「タッチ」や「こすれ!」のマーカーよりもポイントを獲得する確率が高く、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
[音楽ゲームリーチ演出中処理]
次に、音楽ゲームリーチ演出中処理について説明する。音楽ゲームリーチ演出の実行中において、タッチパネル480の有効範囲にタッチパネル480を遊技者が操作したか否かを判別し、成功範囲にてタッチパネル480が操作された場合には、獲得ポイントに応じた演出表現(ポイント獲得ありの場合には成功の演出表現、ポイント獲得なしの場合には失敗と同等の演出表現)と共に、獲得したポイントの表示制御を行う。
周辺制御MPUは、音楽ゲームリーチ演出中処理を開始すると、図73に示すように、音楽ゲームリーチ演出に設定されたタッチパネル480の操作に対する有効範囲であるか否かを判別する(ステップS901)。タッチパネル480の操作に対する有効範囲である場合には(YES)、タッチ検出済フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS902)。ステップS902でタッチ検出済フラグがセットされていないと判別された場合には(NO)、タッチパネル480を遊技者が操作したときに周辺制御基板4140で検出可能なタッチパネル480からの入力信号が検出されたか否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903でタッチパネル480からの入力信号が検出された場合には(YES)、「連打!」でのタッチパネル480の有効範囲を除いてタッチ検出済フラグをセットし(ステップS904)、ステップS907に進む。
一方、ステップS902でタッチ検出済フラグがセットされていると判別された場合(NO)、又は、ステップS903でタッチパネル480からの入力信号が検出されなかった場合には(NO)、ステップS907〜S914の処理を実行することなく、音楽ゲームリーチ演出中処理を抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
なお、タッチ検出済フラグとは、タッチパネル480の有効範囲において、既に一回の操作を検出したことを示すフラグである。このため、「連打!」でのタッチパネル480の有効範囲を除いては、有効範囲でタッチパネル480を一回操作すると、その操作が成功範囲か否かに関わらず、それ以降に操作の検出を受け付けることがない。
一方、ステップS901で音楽ゲームリーチ演出に設定されたタッチパネル480の操作に対する有効範囲でない場合にも(NO)、タッチ検出済フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS905)。ステップS905でタッチ検出済フラグがセットされていると判別された場合には(YES)、このタッチ検出済フラグをクリアし(ステップS906)、音楽ゲームリーチ演出中処理を抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。また、ステップS905でタッチ検出済フラグがセットされていないと判別された場合(NO)、音楽ゲームリーチ演出中処理を抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
このように、タッチパネル480の有効範囲でタッチ検出済フラグをセットした後、当該有効範囲が終了したときにタッチ検出済フラグをリセットすることにより、次の有効範囲においてタッチ検出済フラグをセットすることを可能としている。
また、ステップS904でタッチ検出済フラグをセットした後、タッチパネル480から入力信号を検出したタイミングが、タッチパネル480の操作に対する有効範囲のうち成功範囲であるか否かを判別する(ステップS907)。ステップS907でタッチパネル480から入力信号を検出したタイミングが成功範囲である場合には(YES)、ステップS908に進み、タッチパネル480への操作態様とマーカーによって指示された操作態様とが一致しているか否かを判定する(ステップS908)。
タッチパネル480においては、遊技者のタッチパネル480の接触面における接触状態を検知し、接触状態に基づいて接触部分の中心を示すタッチパネル480の接触面の座標値を取得して、座標値で表される位置を検出ポイントとして特定する。また、図示しない内部機構により、タッチパネルに対する、叩く、こする、はじくといった操作を判別して、図53に示された周辺制御基板4140において操作情報として取得する。
例えば、「こすれ!」のマーカーに対して遊技者が行ったタッチパネル480への操作態様が「こする」という2次元検出データとして判定された場合には、タッチパネル480への操作態様とマーカーによって指示された操作態様とが一致していると判定される。
この場合には、ステップS909に移行し、マーカーの種別、当落、現在のポイントに応じた獲得ポイント決定テーブル(図76参照)を選択する(ステップS909)。そして、その選択した獲得ポイント決定テーブルに設定された判定値と読み出した乱数(獲得ポイント決定乱数)とを比較し、タッチパネル480の操作により獲得するポイントを決定する(ステップS910)。
図76に示す獲得ポイント決定テーブルは、周辺制御ROM4140bに記憶されており、タッチパネル480の有効範囲のうち成功範囲でタッチパネル480を遊技者がマーカーで指示された操作態様にて操作した場合において、マーカーの種別、当落、現在のポイントに応じて獲得ポイントを決定するために用いるテーブルである。各々の獲得ポイント決定テーブルでは、獲得ポイントが+0(獲得なし)、+1、+2、+30のいずれかとなるように判定値が振分られている。
具体的には、「タッチ」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図76(A)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「連打!」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図76(B)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「こすれ!」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図76(C)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「スライドスライド」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図76(D)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられている。
なお、抽選結果が外れ時の獲得ポイント決定テーブルには、+30の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。また、抽選結果が外れ時の獲得ポイント決定テーブルには、現在のポイントが28ポイントである場合、+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられておらず、現在のポイントが29ポイントである場合、+1及び+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。このため、抽選結果が外れである場合には、現在のポイントに獲得ポイントが新たに加算されても、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達することがなく、例えば「連打!」のマーカー出現時にタッチパネル480を遊技者が想定以上に連打したとしても所定の課題が達成されるのを回避することができる。
また、図76(B)に示すように、「連打!」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、「タッチ」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも低い獲得ポイント(例えば、+1よりも+0の獲得ポイント)に多くの判定値が振分けられている。
しかしながら、「連打!」のマーカー出現時には、その有効範囲にてタッチパネル480を数十回操作することも可能となり、「タッチ」のマーカーよりも高いポイントを獲得する確率が低くても、課題の達成に近付けることができる。
また、図76(C)に示すように、「こすれ!」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、「タッチ」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも高い獲得ポイント(例えば、+1よりも+2の獲得ポイント)に多くの判定値が振分けられている。このため、「こすれ!」のマーカー出現時には、その成功範囲にてタッチパネル480が操作されたとき、「タッチ」のマーカーよりも高いポイントを獲得する確率が高く、課題の達成に近付けることができる。
また、図76(D)に示すように、「スライドスライド」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が大当りである場合、「タッチ」や「こすれ!」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも+30の獲得ポイントに多くの判定値が振分けられている。このため、「スライドスライド」のマーカー出現時には、その成功範囲にてタッチパネル480が操作されたとき、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高く、楽曲の最後で所定の課題が達成され易くなっている。
また、「スライドスライド」を除いたマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が外れである場合、+30の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていないことを除いて、抽選結果が大当りである場合と略同等に判定値が振分けられている。このため、抽選結果が外れである場合には、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達することはないが、抽選結果が大当りである場合と同じく、「スライドスライド」のマーカーが出現するまでは課題の達成に近づくようになっている。
また、抽選結果が大当り時の獲得ポイント決定テーブルには、現在のポイントが28ポイントである場合、+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられておらず、現在のポイントが29ポイントである場合、+1及び+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。ただし、「スライドスライド」を除いたマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が大当りである場合、「スライドスライド」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルと比べて、+30の獲得ポイントに対して振分けられる判定値が少ない。
このため、抽選結果が大当りである場合には、現在のポイントに獲得ポイントが新たに加算されても、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達し難く、楽曲の最後で「スライドスライド」のマーカーが出現するまでは所定の課題が達成され難くなっている。
そして、ステップS910でタッチパネル480の操作により獲得ポイントを決定した後、液晶表示装置1400の画面上では、獲得ポイントに応じた演出表現を行うと共に、獲得ポイントを加算した累計のポイントに更新する(ステップS911)。
一方、ステップS907でタッチパネル480から入力信号を検出したタイミングが失敗範囲である場合には(NO)、または、ステップS908において、タッチパネル480への操作態様とマーカーによって指示された操作態様とが一致していないと判定した場合(NO)、液晶表示装置1400の画面上において、失敗(タイミング悪、誤り操作)の演出表現を行う(ステップS912)。
本実施形態では、獲得ポイントにより成功及び失敗で表示されるエフェクトが変化するように設定されており、成功(ポイント獲得)の演出表現として+1の獲得ポイントである場合には星のエフェクトが出現し、+2の獲得ポイントである場合にはハートのエフェクト及び「GOOD」の文字が出現し、+30の獲得ポイントである場合にはHKマークのエフェクトが出現する一方、タッチパネル480から入力信号を検出したタイミングが成功範囲でありながらも+0の獲得ポイント(ポイント獲得なし)である場合及び失敗範囲である場合には煙のエフェクトが出現するようになっている。
また、ステップS911で獲得ポイントを加算した累計のポイントに更新した後、その累計のポイントが課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達したか否かを判別し(ステップS913)、一定のポイント数に到達した場合には(YES)、液晶表示装置1400の画面上にて大当り時の表示を実行する(ステップS914)。
本実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の終了時において、課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行する。ただし、抽選結果が大当り時において、タッチパネル480の操作がなかった等により課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行した後、大当り時の表示へと昇格させるようになっている。
また、複数種類の楽曲(本実施形態では、「楽曲A」〜「楽曲D」の4曲)のうち「楽曲A」に対して設定されたマーカー種別の出現順序(タッチパネル480の有効範囲については図74参照)について、図75(B)を参照して説明する。図75(B)に示すように、「こすれ!」のマーカーC2が出現するよりも前には、「こすれ!」のマーカーC1を除いて、「タッチ」のマーカーA1〜A12が所定の間隔をおいて出現するように設定されている。すなわち、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、「タッチ」のマーカーが多く出現し、各々の成功範囲にてタッチパネル480を操作したとしても、抽選により高いポイントを獲得することが困難となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が極めて低く、タッチパネル480の操作が上手な遊技者であっても、所定の課題が早々に達成されないように設定しており、演出の後半部まで課題の達成(大当りの導出)に対する期待が持続するようになっている。
一方、「こすれ!」のマーカーC2が出現した後には、「連打!」のマーカーB1、「スライドスライド」のマーカーD1が所定の間隔をおいて出現するように設定されている。すなわち、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、「連打!」のマーカーB1が出現することによりタッチパネル480を遊技者が数十回操作することが可能となり、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させている。
また、「スライドスライド」のマーカーD1が出現することにより成功範囲にてタッチパネル480を操作すると、抽選結果が大当りであれば、抽選により高いポイントを獲得することが可能となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、ポイントを獲得することが容易となり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の前半部でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、演出の後半部で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、タッチパネル480を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
音楽ゲームリーチ演出の具体的な演出例について、図77及び図78に基づき説明する。図77(A)に示すように、音楽ゲームリーチ演出の開始時には、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を4曲の中から決定する演出を行う。このとき、液晶表示装置1400の画面上には、4つの選択曲が左回りで順に表示されており、遊技者にタッチパネル480を操作させて曲選択をしたかのような演出を行うが、実際には内部的な抽選により曲選択がなされており、その決定された楽曲が最終的に表示されるようになっている。
この演出例では、4曲のうち液晶表示装置1400の左上画面に表示された「楽曲A」を決定した場合を示す。
なお、液晶表示装置1400の画面右下には、音楽ゲームリーチ演出の実行中、すなわち大当り時または外れ時の表示を導出するまで、リーチ図柄(この演出例では、「1」のリーチ図柄)が遊技者に判別可能となるように、装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ図柄を形成するか否かまでの通常変動時よりも小さく表示している。
次いで、液晶表示装置1400の画面上には、「楽曲A」の音楽や映像の開始と共に「READY GO」の表示がなされた後、図77(B)に示すように、「タッチ」専用のマーカーMK1が右側から左側に向かって移動表示される。「タッチ」専用のマーカーMK1は、ばらの絵柄にタッチパネル480への操作態様として「タッチ」を指示する旨を表した文字が付帯している。
また、図77(C)に示すように、「タッチ」専用のマーカーMK1がマーカー枠MKWと一致する前後の一定期間を「タッチパネル480の有効範囲」に設定しており、さらに「タッチパネル480の有効範囲」の中でもマーカー枠MKWとの一致から近い範囲を「成功範囲」、マーカー枠MKWとの一致から遠い範囲を「失敗範囲」に設定している。
そして、成功範囲にてタッチパネル480を遊技者が操作した場合には、液晶表示装置1400の画面上に獲得ポイントに応じた演出表現が行われ、ポイントが獲得可能となる一方、マーカーで指示された操作態様と異なる操作態様で操作した場合や、失敗範囲にてタッチパネル480を遊技者が操作した場合には、液晶表示装置1400の画面上に失敗(タイミング悪、誤り操作)の演出表現が行われ、ポイントを獲得することができない。
また、ポイントを獲得した際には、液晶表示装置1400の画面上で+30の獲得ポイントまでを表示可能に30分割の目盛りが形成されたメーター1401において、獲得ポイントの加算により更新された累計のポイントを下側から上側に向かって表示するようになっている。
図77(D)には、液晶表示装置1400の画面上に「こすれ!」専用のマーカーMK2が出現した態様を示している。「こすれ!」専用のマーカーMK2は、ばらの絵柄にタッチパネル480への操作態様として「こすれ!」を指示する旨を表した文字と右上に向けて撥ねあがるように矢印の絵柄が付帯している。また、「こすれ!」の文字が「タッチ」の文字よりも大きく表示されている。このように、「タッチ」専用のマーカーMK1とは抽選内容等が異なる旨を見た目上で判別できるようになっている。
図78(E)には、液晶表示装置1400の画面上に「連打!」専用のマーカーMK3が出現した態様を示している。「連打!」専用のマーカーMK3は、ばらの絵柄が重なりながら連続的に出現する態様である。また、マーカーの先頭部分にはタッチパネル480への操作態様として「連打!」を指示する旨を表した文字が付帯している。このように、タッチパネル480を遊技者が連打するように促している。また、「連打!」のマーカーMK3の出現期間については、常に「タッチパネル480の有効範囲」が設定されており、その有効範囲にてタッチパネル480が操作された場合には、各々の操作についてポイントが獲得可能となっている。
図78(F)には、液晶表示装置1400の画面上に「スライドスライド」専用のマーカーMK4が出現した態様を示している。「スライドスライド」専用のマーカーMK4は、ばらの絵柄にタッチパネル480への操作態様として「こすれ!」を指示する旨を表した文字と、上下方向にジグザク状の大きめの矢印が右方に向けて伸び出すように描かれた絵柄が付帯している。このように、「スライドスライド」専用のマーカーMK4は、「タッチ」や「こすれ!」専用のマーカーMK1、MK2とは抽選内容等が異なる旨を見た上で判別できるようになっている。
遊技者は、移動表示されているマーカーMK1〜MK4がマーカー枠MKWに一致するタイミングで、各マーカーの文字表示によって指示された操作態様でタッチパネル480を操作する。すなわち、「タッチ」専用のマーカーMK1であれば、タッチ操作を行い、「こすれ!」専用のマーカーMK2であれば、タッチパネル480をこする操作を行い、「連打!」専用のマーカーMK3であれば、連続的にタッチ操作を行い、「スライドスライド」専用のマーカーMK4であれば、激しくスライドさせる操作を行う。
次いで、図78(G)に示すように、累計のポイントが課題の達成となる30ポイントに到達し、メーター1401の目盛りが満タンとなった場合には、液晶表示装置1400の画面上において、大当り時の表示として大当り時の装飾図柄の停止図柄(同一の装飾図柄の組合せ、この演出例では「1」の装飾図柄)を表示する。なお、音楽ゲームリーチ演出の終了までに課題が達成されなかった場合には、液晶表示装置1400の画面上において、外れ時の表示として外れ時の装飾図柄の停止図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ)を表示する。ただし、抽選結果が大当り時において、タッチパネル480の操作がなかった等により課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行した後、大当り時の表示へと昇格させるようになっている。
以上、本実施形態においては、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させたり、抽選により高いポイントを獲得させたりすることにより、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であっても、演出の後半部で挽回して、抽選結果が大当りである場合に所定の課題を達成することが可能となるものについて説明した。しかしながら、図74に示すように、「連打!」を除いたマーカーに対しては、タッチパネル480の有効範囲における殆どの成功範囲が7Fの範囲で設定されており、音楽ゲームリーチ演出の前後半で成功範囲に違いが見られない。
これに対し、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、タッチパネル480の操作タイミングを甘くする(マーカーに対する成功範囲を長くする)ことにより、ポイントを獲得する抽選の機会を逃させないようにし、タッチパネル480の操作が上手な遊技者との技量の差を生じ難くしてもよい。ここでは、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、マーカーに対する成功範囲が長く設定されたタッチパネル480の有効範囲について、図79を参照して説明する。
図79(A)に示すように、「タッチ」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に12回出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がA1〜A12の12種類設定されている。これらのタッチパネル480の有効範囲には、A1〜A6に対して成功範囲が1〜5Fの範囲で、A7〜A12に対して成功範囲が6〜10Fの範囲で、各々のマーカーが出現する順序で長くなるように設定されている。
また、図79(B)に示すように、「連打!」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に1回のみ出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がB1の1種類設定されている。このタッチパネル480の有効範囲には、B1に対して131Fの範囲が設定されており、その他のマーカーと比べて有効範囲が格段に長い。ただし、このタッチパネル480の有効範囲については、「成功範囲」と「失敗範囲」とに区分けされていない。
また、図79(C)に示すように、「こすれ!」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に2回のみ出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がC1,C2の2種類設定されている。これらのタッチパネル480の有効範囲には、C1,C2に対して各々の成功範囲が7F,11Fの範囲で設定されており、「タッチ」のマーカーA1〜A6よりも後に出現するC1、及び「タッチ」のマーカーA7〜A12よりも後に出現するC2のほうが、成功範囲が長くなっている。
また、図79(D)に示すように、「スライドスライド」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲の最後に1回のみ出現するよう、タッチパネル480の有効範囲がD1の1種類設定されている。このタッチパネル480の有効範囲には、D1に対して成功範囲が15Fの範囲で設定されており、「タッチ」や「こすれ!」のマーカーよりも成功範囲が長くなっている。
このように、音楽ゲームリーチ演出では、「タッチ」のマーカーA1〜A6、「こすれ!」のマーカーC1、「タッチ」のマーカーA7〜A12、「こすれ!」のマーカーC2、「連打!」のマーカーB1、「スライドスライド」のマーカーD1の順序で出現するものであり、「こすれ!」のマーカーC1を除いては、この出現順序に従って成功範囲が長くなるように設定されている。
すなわち、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、マーカーに対する成功範囲が短く、タッチパネル480の操作が上手な遊技者であっても、各々の成功範囲にタッチパネル480の操作タイミングを合わせることが難しく、抽選によりポイントを獲得することが困難となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が極めて低く、タッチパネル480の操作が上手な遊技者であっても、所定の課題が早々に達成されないように設定しており、演出の後半部まで課題の達成(大当りの導出)に対する期待が持続するようになっている。
一方、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、マーカーに対する成功範囲が長く、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であっても、各々の成功範囲にタッチパネル480の操作タイミングを合わせることが簡単となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、ポイントを獲得することが容易となり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。
従って、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の前半部でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、演出の後半部で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、タッチパネル480を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
なお、音楽ゲームリーチ演出の実行時には、液晶表示装置1400の画面上に「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」の各々の専用のマーカーが出現するのに加え、マーカーの種別に応じて獲得ポイントを決定しており、見た目上で抽選内容等が異なる旨を判別可能としているが、マーカーに対する成功範囲(タッチパネル480の有効範囲)については、表示を行わず、成功範囲の違いを遊技者が認識できないようにしている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、タッチパネル480の操作が上手な遊技者であっても、各々の成功範囲にタッチパネル480の操作タイミングを合わせることが特に難しくなっている。ただし、マーカーに対する成功範囲に基づいて「タッチ」等の専用のマーカーが出現するようにし、例えば、成功範囲の長短によってマーカーの色や大きさを変化させる等、見た目上で成功範囲の違いを遊技者が認識可能としてもよい。
実施形態の遊技機によれば、音楽ゲームリーチ演出において、液晶表示装置1400に「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」の各々の専用のマーカーを移動表示させ、各マーカーは、タッチパネル480への操作態様を指示する旨を表した文字や矢印が付帯しているので、タッチパネル480への操作態様をどのようにすればよいのかを遊技者に気付かせることができ、理解もしやすい。
また、液晶表示装置1400に表示された操作態様指示手段(「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」の各々の専用のマーカー)により指示される接触型入力装置(タッチパネル480)への操作態様が複数種類用意されているため、単なる演出ボタンを叩くという単調な操作ではなく、2次元的な接触操作によって、遊技者の操作意欲を高め、飽きを生じさせないように遊技に参加させることができ、遊技の興趣の低下を抑止することができる。
また、遊技者が操作態様指示手段で指示された操作タイミング及び操作態様で接触型入力装置(タッチパネル480)を操作したとき、操作態様指示手段の種類の別に基づいて得点を獲得可能な抽選が行われ、獲得された得点が予め定められた得点に到達するか否かの得点演出が行われる、という面白味があるため、遊技の興趣の低下を抑止することができる。
さらに、獲得した得点が予め定められた得点に到達したときには、特典が付与されるので、この特典に接した遊技者は、もしかして大当り抽選に当選しているかも、と大いに期待を抱きつつ遊技を継続するようになる、という面白味があるため、遊技の興趣の低下を抑止することができる。
次に、音楽ゲームリーチ演出の中途において、タッチパネル480の操作が上手な遊技者か下手な遊技者かを判断し、下手な遊技者と判断した場合には、上手な遊技者と判断した場合よりもその後の演出の難易度を低くするものについて説明する。このように、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更することにより、演出における遊技者の技量の差が生じ難くなり、下手な遊技者であっても、演出の難易度の変更後に挽回して、抽選結果が大当りである場合に所定の課題を達成することが可能となる。ここでは、図74に示す順序で各々のマーカーが出現するように設定された場合の音楽ゲームリーチ演出の中途において、タッチパネル480の操作が下手な遊技者と判断した場合に変更されるマーカーの種別について、図80を参照して説明する。
図80に示す実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の開始から「タッチ」のマーカーA1〜A6が出現し、「こすれ!」のマーカーC1が出現するまでの期間を対象として、その出現した7回のマーカーの成功範囲にてタッチパネル480の操作を所定の回数(本実施形態では、4回)以上検出したか否か、すなわち演出の前半部における成功範囲でのタッチパネル480の操作の検出度合いを判断する。
タッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合には、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であると判断し、その後に出現予定であった「タッチ」のマーカーA7〜A12(図74(A)参照)を、図80(C)に示すように、「こすれ!」のマーカーC2〜C7に変更して出現させる。すなわち、タッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合には、演出制御処理のステップS803で音楽ゲームリーチ演出の開始時に設定されたマーカー種別に関するデータのうち、変更判断後のマーカー種別に関するデータの部分を設定し直す。なお、タッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)については、マーカー種別を変更する前後で同じとしている。
一方、タッチパネル480の操作を所定の回数以上検出した場合には、タッチパネル480の操作が上手な遊技者であると判断し、その後に出現予定であった「タッチ」のマーカーA7〜A12(図74(A)参照)を変更することなく、そのまま出現させる。
音楽ゲームリーチ演出では、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、「タッチ」のマーカーA7〜A12を変更して、「こすれ!」のマーカーC2〜C7が出現するように設定されている。すなわち、マーカー種別の変更判断後には、「こすれ!」のマーカーC2〜C7が出現することにより成功範囲にてタッチパネル480を操作すると、その獲得ポイント決定テーブル(図76(C)参照)に基づき、「タッチ」のマーカーA7〜A12の出現時よりも抽選により高いポイントを獲得することが可能となっている。このため、マーカー種別を変更すると判断した場合には、変更しないと判断した場合よりも音楽ゲームリーチ演出の難易度が下がり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であって、マーカー種別の変更判断前でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、タッチパネル480を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
なお、図80に示す実施形態では、「こすれ!」のマーカーC1の出現後のタイミングで、成功範囲でのタッチパネル480の操作の検出度合いを判断しているが、判断時期については、これに限らず、例えば、音楽ゲームリーチ演出の実行中における複数回のタイミングで判断したり、マーカーが出現するごとに毎回判断したりしてもよい。このとき、成功範囲でのタッチパネル480の操作の検出度合いについては、判断するごとに基準を変更(例えば、演出の後半部に進行するほど、タッチパネル480の操作を検出すべき設定回数を増加させる等)してもよい。
また、成功範囲でのタッチパネル480の操作の検出度合いとして、所定の回数(本実施形態では、4回)以上検出したか否かを判断しているが、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であるか否かを判断できればよく、例えば、変更判断時までに獲得しているポイントが、所定のポイント数(例えば、課題を達成していない10ポイント)に到達しているか否かを判断基準としてもよい。この場合、タッチパネル480の操作が下手な遊技者だけでなく、変更判断時までにタッチパネル480を所定の回数以上操作したが、運悪く抽選によりポイントを殆ど獲得できなかった上手な遊技者であっても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となっている。
また、図80に示す実施形態では、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断後のマーカー種別を、変更判断前よりも抽選により高いポイントを獲得することが可能なマーカー種別に変更しているが、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更すればよく、例えば、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出した場合、変更判断後のマーカー種別を、変更判断前よりも抽選により高いポイントを獲得することが困難なマーカー種別に変更してもよい。この場合にも、音楽ゲームリーチ演出における遊技者の技量の差が生じ難くなり、タッチパネル480の操作が下手な遊技者だけが一方的に不利な立場とならないようになる。
また、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更する方法としては、マーカー種別の変更だけでなく、例えば、マーカー種別を維持したまま、獲得ポイント決定テーブル(図76参照)に基づく抽選内容(獲得ポイントの決定確率)を変更することが挙げられる。具体的には、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前よりも各々のマーカー種別に対してポイントを獲得する確率や、高いポイントを獲得する確率が高くなるように抽選内容を変更すればよい。
また、変更判断前に出現予定であったマーカーを、変更判断後に増減させることが挙げられる。具体的には、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前に出現予定であったマーカーをそのまま出現させるのに加え、出現予定にはなかったマーカーを新たに出現させることにより、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させればよい。
また、マーカー種別を維持したまま、各々のマーカーに設定された成功範囲を変更することが挙げられる。具体的には、変更判断時にタッチパネル480の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前よりも各々のマーカーに対する成功範囲を長くすることにより、各々の成功範囲にタッチパネル480の操作タイミングを合わせることを簡単とし、抽選によりポイントを獲得することを容易とすればよい。なお、音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更する方法は、これらの組合せであってもよい。
上記した場合にも、音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更すると判断した場合、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、タッチパネル480の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の難易度の変更判断前でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、タッチパネル480を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
[別実施形態]
遊技者はハンドル装置500を通常右手によって操作するため、遊技者のタッチパネル480への操作は左手で行うことが通常であるところ、「タッチ」、「こすれ!」、「連打!」、「スライドスライド」の4種類のマーカーは、タッチパネル480への操作態様の違いによって操作が容易な(簡単な)マーカーと、操作に手間がかかる、所謂操作が難しいマーカーとに分けることができる。
また、音楽ゲームリーチ演出では、マーカー枠MKW上に各マーカー移動して来たタイミングでタッチパネル480をマーカーで指定された操作態様で操作するので、操作態様と操作タイミングとを合わせることも求められるから、マーカーの種類の別によって操作性に差が出やすいといえる。
操作が簡単なマーカーは、「連打!」(連続的にタッチを繰り返すもので、有効範囲のみの設定であり全て成功範囲となる)が最も簡単な操作となり、次いで、所定の操作タイミングでタッチするだけの操作である「タッチ」が、簡単な操作となる。
操作が難しいマーカーは、所定の操作タイミングでタッチパネル480をこする操作である「こすれ!」は指を移動させる分、「タッチ」よりも操作が難しいマーカーとなり、所定の操作タイミングでタッチパネル480を数回素早くスライドさせる「スライドスライド」が最も難しい操作のマーカーとなる。
一方、音楽ゲームリーチ演出は、主制御手段(主制御基板4100)から出力された当落判定結果に基づく制御コマンドに基づいて、周辺制御MPU4140aが特定演出(音楽ゲームリーチ演出)を行うか否かを決定することから、音楽ゲームリーチ演出を行うことが決定された場合であっても、当落判定結果が大当りであるのか、外れであるのかは、事前に決定されている。したがって、当落判定結果が大当りである場合の音楽ゲームリーチ演出と、当落判定結果が外れである場合の音楽ゲームリーチ演出とに分けることができる。
このような観点から、音楽ゲームリーチ演出におけるタッチパネル480への操作態様を当落判定結果の別、即ち、大当り外れの別にリンクさせることが考えられる。例えば、当落判定結果が大当りの場合では、当落判定結果が外れの場合に比して、操作が簡単なマーカーである「タッチ」、「連打!」の出現割合を大きくする。これによって、音楽ゲームリーチ演出において遊技者が獲得するポイント数が所定の課題を達成しやすいようになる。
また、例えば、当落判定結果が外れの場合では、当落判定結果が大当りの場合に比して、操作が難しいマーカーである「こすれ!」、「スライドスライド」の出現割合を大きくする。これによって、音楽ゲームリーチ演出において遊技者が獲得するポイント数が所定の課題に近づくものの所定の課題が達成されないようにする。
図75(C)は大当り時のマーカー種別の出現順序を示すタイムチャートであり、図75(D)は外れ時のマーカー種別の出現順序を示すタイムチャートである。大当り時の音楽ゲームリーチ演出の前半部と、外れ時の音楽ゲームリーチ演出の前半部とを比較すると、大当り時外れ時の別に関係なく、「タッチ」のマーカーA1〜A8と「こすれ!」のマーカーC1とが所定の間隔をおいて出現し、同じ演出となっている。
すなわち、大当り時外れ時の音楽ゲームリーチ演出の前半部では、「タッチ」のマーカーが多く出現し、各々の成功範囲にてタッチパネル480を操作したとしても、抽選により高いポイントを獲得することが困難となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が極めて低い。
大当り時の音楽ゲームリーチ演出の中半部では、「タッチ」のマーカーA6〜A8、「タッチ」のマーカーA9〜A10、「こすれ!」のマーカーC2、「タッチ」のマーカーA11〜A12、「スライドスライド」のマーカーD1が順に出現し、タッチパネル480への操作がやや難しくなっている。このため、ポイントを獲得することが難しくなっている。
一方、外れ時の音楽ゲームリーチ演出の中半部では、「連打!」のマーカーB1が出現した後、「タッチ」のマーカーA9〜A10、「こすれ!」のマーカーC2が順に出現している。すなわち、外れ時の音楽ゲームリーチ演出の中半部では、「連打!」のマーカーB1が出現することによりタッチパネル480を遊技者が数十回操作することが可能となり、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させている。しかしながら、「連打!」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルにおいて、「タッチ」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも低い獲得ポイント(例えば、+1よりも+0の獲得ポイント)に多くの判定値が振分けられるようにし、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達しないように設定しておく。
大当り時の音楽ゲームリーチ演出の後半部では、「連打!」のマーカーB1、「タッチ」のマーカーA13〜A15、「連打!」のマーカーB2が順に出現している。このため、大当り時の音楽ゲームリーチ演出の後半部では、「連打!」のマーカーB1、B2、即ち、操作が簡単なマーカーである「連打!」のマーカーが2回出現することによりタッチパネル480を遊技者が数十回操作することが可能となり、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させている。抽選結果が大当りである場合には、タッチパネル480への操作態様を簡単にすることで、ポイント数を沢山獲得させて所定の課題を極力達成させるようになっている。
一方、外れ時の音楽ゲームリーチ演出の後半部では、「タッチ」のマーカーA11〜A12、「スライドスライド」のマーカーD1、「タッチ」のマーカーA13、「こすれ!」のマーカーC3〜C4、「スライドスライド」のマーカーD2が順に出現している。このため、外れ時の音楽ゲームリーチ演出の後半部では、操作が難しいマーカーである「こすれ!」のマーカーが2回と、操作が最も難しい「スライドスライド」のマーカーが2回も出現することにより、タッチパネル480への操作で成功範囲に入ることが困難になっている。また、外れ時の獲得ポイント決定テーブルにおいて獲得ポイント数が「+0」となっており、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達しないように設定されている。
図75(C)及び(D)に示すように、当落判定結果が大当りの場合では、当落判定結果が外れの場合に比して、操作が簡単なマーカーである「タッチ」、「連打!」の出現割合が大きい。すなわち、「タッチ」のマーカーは、大当り時で15回、外れ時では13回、「連打!」のマーカーは、大当り時で2回、外れ時では1回となっている。また、当落判定結果が外れの場合では、当落判定結果が大当りの場合に比して、操作が難しいマーカーである「こすれ!」、「スライドスライド」の出現割合が大きい。すなわち、「こすれ!」のマーカーは、大当り時で2回、外れ時では4回、「スライドスライド」のマーカーは、大当り時で1回、外れ時では2回となっている。
このため、大当り時の音楽ゲームリーチ演出において遊技者が獲得するポイント数が所定の課題を達成しやすいようになっており、一方、外れ時の音楽ゲームリーチ演出において遊技者が獲得するポイント数が所定の課題に近づくものの所定の課題が達成されないようになっている。
[操作説明演出]
以上、タッチパネル480への接触操作によって獲得された得点が予め定められた得点に到達するか否かの得点演出を行い、予め定められた得点に到達したときに特典を付与する音楽ゲームリーチ演出について説明したが、扉枠5の前面に設けられた皿ユニット300の上面に配置されているタッチパネル480が遊技盤4の液晶表示装置1400の表示パネルから離れていることと、タッチパネル480は単に矩形をした平板状の面として存在しているだけなので、この台(遊技機)を初めて経験する遊技者は皿ユニット300にある矩形のものがタッチパネル480であるのか、あるいは何かが表示される表示装置であるのかわからないまま遊技を進めることになる。そして、遊技中に音楽ゲームリーチ演出が開始された場合に、どれがタッチパネルか戸惑い、タッチチャンスを逃してしまう虞がある。
また、「タッチパネルを操作」等の直接的な指示表示をしないまま遊技の進行具合から遊技者にタッチ操作を促す演出構成である場合、演出内容を知らない遊技者は、タッチパネル480への操作態様をどのようにすればよいのか分からないまま演出内容(音楽ゲームリーチ演出)に遭遇することになり、遊技者参加型演出に参加するチャンスを逃してしまう虞がある。
そこで、遊技者にタッチパネル480の存在を認識させ、かつ、音楽ゲームリーチ演出を行うことを決定した場合、音楽ゲームリーチ演出が開始される前に、音楽ゲームリーチ演出においてタッチパネル480への操作タイミング及び操作態様をどのようにすればよいのかを遊技者に明確に認識させるため、操作説明演出を行うようにする。
図81は、音楽ゲームリーチ演出が開始される前に、液晶表示装置にて行われる操作説明演出の一例を示す図である。図81(A)に示すように、操作説明演出を開始すると、液晶表示装置1400の表示パネルの左上に「ゲーム説明」の文字を表示し、表示パネルの左側中央にタッチパネル480の操作部を表す操作部画像SUSを静止表示させる。また、表示パネルの下部左隅にマーカー枠MKWを表示させると共に、表示パネルの右辺下部から「タッチ」専用のマーカーMK1を出現させ、マーカーMK1をマーカー枠MKWに向けて表示パネルの右側から左側に向かって移動表示させる。
さらに、操作部画像SUSの右側方に、「タッチ」専用のマーカーMK1に対応してタッチパネル480をタッチ操作する旨を表すメッセージMGAを表示させる。図81(A)では、タッチ操作する旨を表すメッセージMGAとして、「タイミングよくタッチパネルをタッチ!」という文字が表示されていることを示している。
そして、移動表示されている「タッチ」専用のマーカーMK1がマーカー枠MKWに接近すると、図81(A)において2点鎖線で示すように手のひら画像(大)HNDを操作部画像SUSに対して重なるように出現させ、「タッチ」専用のマーカーMK1の移動表示に合わせて図81(A)において実線で示すように手のひら画像HNDの大きさを縮小変化させ、「タッチ」専用のマーカーMK1がマーカー枠MKWに一致すると、「タッチ」専用のマーカーMK1を消滅させるとともに、手のひら画像(小)HNDで表示させる。このように、タッチパネル480の操作部への操作タイミング及び操作態様を表現する。
なお、手のひら画像HNDを操作部画像SUSに対して大小変化させることに応じて、操作部画像SUSの表示色を変化させる。具体的には、表示当初は操作部画像SUSの表示色をブルーで表示し、「タッチ」専用のマーカーMK1がマーカー枠MKWに一致するのに合わせて、手のひら画像(小)HNDで表示させると共に操作部画像SUSの表示色をピンクに切り換える。実施形態では、以上のような演出表示を「タッチ」専用のマーカーMK1については2回行うようにしている。
次いで、図81(B)に示すように、表示パネルの右辺下部から「こすれ!」専用のマーカーMK2を出現させ、マーカーMK2をマーカー枠MKWに向けて表示パネルの右側から左側に向かって移動表示させる。操作部画像SUSの右側方に、「こすれ!」専用のマーカーMK2に対応してタッチパネル480をこする操作する旨を表すメッセージMGAを表示させる。図81(B)では、こする操作する旨を表すメッセージMGAとして、「矢印表示はタッチパネルをこする」という文字が表示されていることを示している。
そして、移動表示されている「こすれ!」専用のマーカーMK2がマーカー枠MKWに接近すると、図81(B)において2点鎖線で示すように手のひら画像(大)HNDを操作部画像SUSに対して重なるように出現させ、「こすれ!」専用のマーカーMK2の移動表示に合わせて図81(B)において実線で示すように手のひら画像HNDの大きさを縮小変化させる。
そして、「こすれ!」専用のマーカーMK2がマーカー枠MKWに一致すると、「こすれ!」専用のマーカーMK2を消滅させるとともに、手のひら画像(小)HNDで表示させ、図81(B)において鎖線矢印で示されるように、操作部画像SUSに対して遠ざかる方向に手のひら画像(小)HNDを移動表示させる。実施形態では、図81(C)に示すように、手のひら画像(小)HNDが斜め右方上方に向けて移動表示されたことを示している。
また、手のひら画像HNDを操作部画像SUSに対して大小変化させることに応じて、操作部画像SUSの表示色を変化させる。具体的には、「こすれ!」専用のマーカーMK2の表示当初は操作部画像SUSの表示色をブルーで表示し、「こすれ!」専用のマーカーMK2がマーカー枠MKWに一致するのに合わせて、手のひら画像(小)HNDで表示させると共に操作部画像SUSの表示色をピンクに切り換える。そして、操作部画像SUSに対して遠ざかる方向に手のひら画像(小)HNDを移動表示している間、操作部画像SUSの表示色をピンクで表示する。以上で、操作説明演出を終了する。
操作説明演出を終了後、液晶表示装置1400の表示パネルの表示内容が切り換わり、「楽曲A」の音楽や映像の開始と共に、図示しないがメーター1401(図77参照)と「このメータをできるだけためろ!」という文字によるミッション表示がなされた後、「READY GO」の表示がなされた後、音楽ゲームリーチ演出が開始される。
以上に説明したように、操作説明演出は、タッチパネル480の操作部を表す操作部画像SUSと、手のひら画像HNDと、操作部への操作タイミングおよびマーカーの種類の別に対応した操作態様とを表す旨のメッセージMGAとを液晶表示装置1400の表示パネルに表示すると共に、操作部画像SUSを静止表示した上で、手のひら画像HNDを操作部画像SUSに対して大小変化させることで、操作部への操作タイミング及び操作態様を表現するようにしたので、マーカーで指示された操作タイミングと操作態様でタッチパネル480の操作部に手による接触操作を行えばよいことを視覚的に認識しやすい。
手のひら画像HNDを操作部画像SUSに対して大小変化させることに応じて、操作部画像SUSの表示色を変化させるようにしたので、マーカーで指示された操作タイミングとタッチパネル480の操作部に手による接触操作を行うタイミングとが表示色の変化という表示態様で視覚的に明確になるから、どの操作タイミングで接触操作をすればよいのか理解し易い。
手のひら画像HNDを操作部画像SUSに対して大小変化させた後に、操作部画像SUSに対して遠ざかる方向に手のひら画像HNDを移動表示させることで、操作部への操作タイミング及び操作態様を表現するようにしたので、マーカーで指示された操作態様がこする操作である場合であっても、タッチパネル480への操作タイミング及び操作態様について手をどのように動かせばよいのかを明確に認識させることができる。
[音楽ゲームリーチ演出の非実行]
上述の音楽ゲームリーチ演出の場合、マーカー枠上に各マーカーが移動して来たタイミングでタッチパネル480を指定された操作態様で操作するので、操作態様と操作タイミングとを合わせることも求められるから、指示された操作態様でのマーカーへの操作によって操作性に差が出やすいといえる。
例えば、「連打!」は連続的にタッチを繰り返すもので、最も簡単な操作となり、次いで、所定の操作タイミングでタッチするだけの操作である「タッチ」が、簡単な操作となる。一方、所定の操作タイミングでタッチパネルをこする操作である「こすれ!」は指を移動させる分、「タッチ」よりも操作が難しくなる。また、所定の操作タイミングでタッチパネルを数回素早くスライドさせる「スライドスライド」が最も難しい操作となる。
上述のように音楽ゲームリーチ演出において、タッチパネル480への操作態様を多様にすると、その分左手による操作態様が複雑となり、遊技者によっては左手による操作に疲労を感じてしまい、タッチパネル480への操作を右手で行うことが予想される。また、右手が利き手であって、かつ音楽ゲーム演出に積極的に参加しようとする遊技者も、同様にタッチパネルへの操作を右手を使って行うことが予想される。
音楽ゲーム演出中に、右手を使ってタッチパネルへの操作を行うということは、すなわち、ハンドル装置500を右手によって操作していたものを、ハンドル装置500から右手を離してタッチパネル480を操作する、と解釈され、ハンドル装置500が操作されていない状態となる。このような非稼働状態が頻発した場合、遊技機の稼働率が低下してしまう虞がある。
そこで、以下に説明する発明は、遊技者がタッチパネル480を操作して演出に参加する音楽ゲームリーチ演出において、演出中にハンドル装置500が操作されていない期間を計時し、計時された期間が所定期間に達した場合、タッチパネル480への操作による音楽ゲームリーチ演出を行わなくすることで、演出中にハンドル装置500が操作されていないことに起因した遊技機の稼働率が低下するのを抑止する発明に関するものである。
[タッチスイッチ516]
上皿301に貯留された遊技媒体を遊技領域605内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500には、遊技者が当該ハンドル装置500を操作していることを検出するタッチスイッチ516が内蔵されている。具体的には、回転ハンドル部に遊技者の手や指が触れるとタッチスイッチ516により検出される。
図53に示すように、タッチスイッチ516からの検出信号は、まずハンドル中継端子板194、そして主扉中継端子板880(図5参照)を介して払出制御基板1186の発射制御部4120の入力回路4120aに入力される。入力回路4120aは、タッチスイッチ516からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
回転ハンドル本体に手のひらや指が触れていないときには、入力回路4120aの出力として論理がLOWとなったタッチ検出信号が発射制御回路4120cの入力端子に入力される。また、論理がLOWとなったタッチ検出信号は、払出制御I/Oポート4110bを介して払出制御MPU4110aに入力される。
一方、回転ハンドル本体に手のひらや指が触れているときには、入力回路4120aの出力として論理がHIとなったタッチ検出信号が発射制御回路4120cの入力端子に入力される。また、論理がHIとなったタッチ検出信号は、払出制御I/Oポート4110bを介して払出制御MPU4110aに入力される。
払出制御MPU4110aは、所定の処理周期毎にタッチ検出信号の論理(HI、LOW)に応じたタッチ検出コマンド(大きさ1バイト)を生成し、生成したタッチ検出コマンドを主ドロワ中継基板1107を通じて主制御基板4100へ送信する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御MPU4110aから送信されたタッチ検出コマンドを受信すると、2バイトの大きさに整形し、整形したタッチ検出コマンドを周辺制御基板4140に送信する(例えば、4ms毎)。
周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から送信されたタッチ検出コマンドを受信すると、タッチ検出コマンドを解析し、タッチあり、タッチなしを判定する。
[非操作期間計時処理]
周辺制御MPU4140a(以下、周辺制御MPUという)は、音楽ゲームリーチ演出中に、タッチスイッチ516による検出信号に基づいて主制御基板4100から送信されたタッチ検出コマンドに基づいて、ハンドル装置500が操作されていない非操作期間を計時する。
先に述べたように、周辺制御MPUは、図69の16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析処理において、受信した当落判定結果に基づく制御コマンドを解析する。そして、解析した制御コマンドに基づいて、音楽ゲームリーチ演出を行うか否かを決定する。例えば、制御コマンドに応じた変動時間と、演出態様テーブルとに基づいてどのような演出を行うのかを決定する。音楽ゲームリーチ演出を行うことが決定された場合には、図69のステップS602〜ステップS606の16ms定常処理において音楽ゲームリーチ演出が実行されるべく制御する。例えば、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグをセットする。
そして、図72に示すように、音楽ゲームリーチ演出制御処理のステップS801において、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされていると判定すると(YES)、ステップS802において演出プロセスフラグの値が変動演出開始処理に応じた値であると判定し(YES)、音楽ゲームリーチ演出設定処理(ステップS803)を実行し、演出プロセスフラグの値を変動演出中処理に応じた値に変更する(ステップS804)。
図82は周辺制御MPUが音楽ゲームリーチ演出中に行う非操作期間計時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、非操作期間計時処理は、図69に示す16ms定常処理において16ms毎に実行されるステップS602の演出制御処理における図71に示したステップS712の変動演出中処理のうちの一処理である図72に示すステップS806の音楽ゲームリーチ演出中処理の次の一処理として実行される。なお、図72では、非操作期間計時処理をステップS811として記載している。
周辺制御MPUは、非操作期間計時処理を開始すると、まず、タッチ検出フラグがオフであるか否かを判定する(ステップS920)。先に述べたように、周辺制御MPUは、主制御基板4100から送信された制御コマンドを受信すると、図69の16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析処理において、受信した制御コマンドがタッチ検出コマンドであるかを解析する。受信した制御コマンドがタッチ検出コマンドであると解析した場合、タッチ検出コマンドの内容に応じてタッチ検出フラグをセットする。具体的には、タッチ検出コマンドの内容がタッチありの場合、タッチ検出フラグに値1をセットする(オン)。一方、タッチ検出コマンドの内容がタッチなしの場合、タッチ検出フラグに値0をセットする(オフ)。
ステップS920において、タッチ検出フラグがオフであると判定した場合、即ち、ハンドル装置500が操作されていない非操作状態である場合、非操作状態となっている時間を計時するためのカウンタである計時カウンタの値を+1し(ステップS921)、ステップS923に進む。
一方、タッチ検出フラグがオフではないと判定した場合、即ち、ハンドル装置500が操作されている場合、計時カウンタに0をセットし(ステップS922)、ステップS923に進む。
ステップS923に進むと、計時カウンタの値が予め定められた規定時間Dに達しているか否かを判定する(ステップS923)。計時カウンタの値が予め定められた規定時間Dに達していなければ、ステップS923をNOと判定し、非操作期間計時処理のサブルーチンを抜ける。
上述の規定時間Dをどのくらいの期間とするかは任意に決定することができるが、一例として、音楽ゲームリーチ演出の演出時間が45秒間であるとすると、ハンドル装置500が操作されていない非操作期間として演出時間の2/3程度、本例では30秒としている。
非操作期間計時処理は16ms毎に実行されるため、ハンドル装置500に対する非操作状態が予め定められた規定時間Dに亘って検出され続けると、16ms毎に計時カウンタの値が1ずつアップしていき、計時カウンタの値が予め定められた規定時間D(本例では、30秒、カウント値1875)に達する。この場合、ステップS923をYESと判定し、非操作期間が規定時間に達したと見做し、非実行フラグに1(非実行)をセットし(ステップS924)、タイマに、音楽ゲームリーチ演出を非実行状態とする期間(演出非実行期間という)に相当する値をセットし(ステップS925)、非操作期間検出処理のサブルーチンを抜ける。
一方、音楽ゲームリーチ演出中にハンドル装置500が操作されている場合、計時カウンタの値が0にセットされるので、計時カウンタの値が予め定められた規定時間D(本例では、30秒、カウント値1875)に達することはない。
このように、音楽ゲームリーチ演出中にハンドル装置500から右手を離してタッチパネル480を右手で操作する状態が規定期間に亘ると、非実行フラグに1がセットされる。なお、非実行フラグは、デフォルト値として0(非実行を解除)にセットされている。また、音楽ゲームリーチ演出中に非実行フラグに1がセットされた場合であっても、現在行われている音楽ゲームリーチ演出は、演出時間が終了するまで継続して行われる。
また、ステップS925において、タイマに音楽ゲームリーチ演出を非実行状態とする演出非実行期間をセットしているが、音楽ゲームリーチ演出が非実行状態となっている間に現在の遊技者から別の遊技者に遊技者が交代することが予想される。また、交代した遊技者によっては音楽ゲームリーチ演出を楽しみにしていることが想定されるからである。
上述の演出非実行期間をどのくらいの期間とするかは任意に決定することができるが、本例ではおおむね20分〜30分の間の期間とする。なお、タイマにセットされたタイマ値は、2ms毎にタイマ割込が発生し、2msタイマ割込毎に実行される図示しない2ms定常処理におけるタイマ更新処理(後述する図84)において2ms周期で1ずつ減算される。
非実行フラグに1(非実行)がセットされた場合、この後、図69のステップS601のコマンド解析処理において主制御基板4100から送信された制御コマンドの解析結果に基づいて、音楽ゲームリーチ演出を行うか否かを決定する処理が行われ、音楽ゲームリーチ演出を行うことが決定された場合であっても、内部処理において一時的に決定されたことに過ぎず、非実行フラグに1(非実行)がセットされたことに応じて、以下に説明する演出差し換え処理が行われることで、タッチパネル480への操作による音楽ゲームリーチ演出が行われなくなる。
[演出差し換え処理]
次に、演出差し換え処理について説明する。図83は周辺制御MPUが行う演出差し換え処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出差し換え処理は、図69のステップS601のコマンド解析処理のうちの一処理としてコマンド解析処理中の終盤部分で実行される。
周辺制御MPUは、演出差し換え処理を開始すると、まず、非実行フラグが1(非実行)であるか否かを判定する(ステップS610)。非実行フラグが1(非実行)ではないと判定した場合は、即ち、ステップS610をNOと判定した場合は、演出差し換え処理のサブルーチンを抜ける。この場合には、音楽ゲームリーチ演出についての演出差し換えは行われない。
ステップS610にて、非実行フラグが1(非実行)であると判定した場合、即ち、ステップS610をYESと判定した場合には、ステップS611に進み、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグを0クリア(実行せず)する(ステップS611)。次に、ステップS612に進み、音楽ゲームリーチ演出に代わる演出として、タッチパネル480を用いない別演出用の実行フラグに1(実行)をセットする(ステップS612)。周辺制御MPUは、ステップS612を行うと演出差し換え処理を抜けてコマンド解析処理にリターンし、さらにコマンド解析処理を終了する。
音楽ゲームリーチ演出に代わるタッチパネル480を用いない別演出は、装飾図柄の変動時間が音楽ゲームリーチ演出と同じ時間とされているもので、タッチパネル480を用いない別演出についての演出データは、当落判定結果が大当り時の別演出データと、外れ時の別演出データとが用意されており、周辺制御ROM4140bに設定された演出態様テーブルに格納されている。
このように、音楽ゲームリーチ演出中に、予め定められた規定時間に亘ってハンドル装置500が操作されていないことに起因して非実行フラグがセットされている状態で、主制御手段から出力された当落判定結果に基づく制御コマンドに基づいて、音楽ゲームリーチ演出を行うことが決定された場合、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグが0クリアされる。また、音楽ゲームリーチ演出に代えてタッチパネル480を用いない別演出が選択される。
音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグが0クリアされた結果、図72の音楽ゲームリーチ演出制御処理では、ステップS801にて、実行フラグが0(実行なし)であると判定し、即ち、ステップS801をNOと判定し、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜ける。したがって、音楽ゲームリーチ演出は行われない。これにより、タッチパネル480への操作による音楽ゲームリーチ演出を行わなくすることで、遊技者がハンドル装置500から右手を離してタッチパネル480を操作することがなくなることから、遊技機の稼働率が低下するのを抑止することができる。
また、タッチパネル480を用いない別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされる結果、図71に示す演出制御処理においては、別演出用の実行フラグの値1と演出プロセスフラグが変動演出開始の値であることに基づいて、ステップS711の変動演出開始処理において、当落判定結果が大当りであれば、周辺制御ROM4140bの演出態様テーブルから大当り時の別演出データが読み出され、当落判定結果が外れであれば、周辺制御ROM4140bの演出態様テーブルから外れ時の別演出データが読み出される。
また、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示を開始し、左右装飾図柄をリーチ(同一の図柄)で停止表示した後、ノーマルリーチ演出へと展開する途中のタイミング(音楽ゲームリーチ演出の開始タイミングと同じタイミング)で、別演出を開始するように制御する。
次の処理周期の演出制御処理では、周辺制御MPUは、別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされ、演出プロセスフラグが変動演出中の値であることに基づいて、ステップS712の変動演出処理において読み出された別演出データによりタッチパネル480を用いない別演出が実行される。
したがって、無意味にタッチパネル480への操作による音楽ゲームリーチ演出が行われることを回避でき、遊技者に音楽ゲームリーチ演出が行われないことを悟られずに別演出により、遊技を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑止することができる。
[タイマ更新処理]
図84(A)は、2msタイマ割込毎に実行される図示しない2ms定常処理の一処理として実行されるタイマ更新処理のフローチャートである。タイマにセットされたタイマ値は、2ms周期で実行されるタイマ更新処理によって更新される。周辺制御MPUはタイマにセットされているタイマ値が0であるか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510にて、タイマ値が0でないと判定した場合には、即ち、ステップS510をNOと判定した場合には、タイマ値を1だけ減算し(ステップS511)、リターンする。
一方、ステップS510にて、演出非実行期間に相当する値をセットしたタイマのタイマ値が0であると判定した場合には、即ち、ステップS510をYESと判定した場合には、ステップS511の減算処理をスキップし、リターンする。これにより、タイマのタイマ値は、2msec周期で、値0になるまで減算されることとなる。
[非実行状態解除処理]
図84(B)は、2msタイマ割込毎に実行される図示しない2ms定常処理の一処理として実行される非実行状態解除処理のフローチャートである。周辺制御MPUは、非実行状態解除処理を開始すると、タイマがタイムアップ(タイマ値=0)したか否かを判定する(ステップS520)。タイマがタイムアップしていなければ、ステップS520をNOと判定し、非実行状態解除処理のサブルーチンを抜ける。
以下、演出非実行期間をセットしたタイマがタイムアップ(タイマ値=0)する迄の間、ステップS520をNOと判定する処理ルーチンを繰り返す。そうして、タイマがタイムアップすると、ステップS520をYESと判定し、演出非実行期間(本例では、20分〜30分)が経過したものとして、ステップS521に進んで非実行フラグを0クリアし(ステップS521)、非実行状態解除処理を抜ける。
非実行フラグが0クリアされた結果、音楽ゲームリーチ演出の非実行状態が解除される(図83のステップS610をNOと判定)。このように、音楽ゲームリーチ演出を非実行に切り換えた状態から演出非実行期間が経過すると、音楽ゲームリーチ演出を非実行に切り換えた状態が解除される。
これにより、音楽ゲームリーチ演出が非実行状態となっている間に現在の遊技者から別の遊技者に遊技者が交代し、交代した遊技者が音楽ゲームリーチ演出を楽しみにしている場合には、演出非実行期間が経過した後に、音楽ゲームリーチ演出を行うことが決定された場合、音楽ゲームリーチ演出が実行されるように復帰するため、交代した遊技者に音楽ゲームリーチ演出を楽しませることができ、交代した遊技者の遊技興趣が低下するのを抑止することができる。
[特定演出の出現頻度の上げ下げ・第1実施形態]
以上、タッチパネル480を用いて行う音楽ゲームリーチ演出について説明したが、このようなタッチパネル480を用いて行う遊技者参加型の演出に限らず、出現頻度が極めて低く設定されている所謂プレミア級演出は、遊技機の機種の遊技性上の特色を色濃く遊技者にアピールするものであり、遊技状態において大当りを引き当てたのではないか、という期待感を遊技者に強く持たせるように所謂激熱演出となっている。しかしながら、遊技機の売り(セールスポイント)であるはずのこのような激熱演出は、残念ながら遊技機仕様にあってはやたら滅多には出現しないように、設定されているのが現状である。
一方、遊技者はこのような新規な遊技性(タッチパネル480を用いて行う音楽ゲームリーチ演出は特定演出の一例)を搭載した遊技機について、例えば、パチンコ攻略雑誌等により、その遊び方や演出内容を知ることができるようになっている。そして、遊技者によってはプレミア級の激熱演出を体験したい、と楽しみにしていることが想定される。しかし、遊技場において係る遊技機が新台として導入されていても、激熱演出は滅多やたらには出現しないように設定されているため、遊技者がいくら遊技を行っても激熱演出に遭遇せず、期待を外されて遊ばせてもらえない、という蟠りを抱き、遊技の興趣を低下させてしまう虞がある。
そこで、以下に説明する発明は、遊技機の新設当初、特定演出の出現頻度の低さによる遊技の興趣が低下するのを抑止する遊技機に係る発明に関する。
特定演出の一例として、先に説明したタッチパネル480を用いて行う音楽ゲームリーチ演出を用いるものとする。遊技機の演出制御手段(周辺制御基板4140)は、年月日情報を取得する年月日情報取得手段と、開始日からの経過日数が所定日数に達していない場合に、音楽ゲームリーチ演出が選択される割合は、経過日数が所定日数に達した場合に、音楽ゲームリーチ演出が選択される割合よりも高く設定された演出態様選択テーブルと、を備える。
[RTC制御部]
実施形態の周辺制御MPU4140aは、年月日情報・時刻情報取得手段として年月日情報・時刻情報を取得することが可能な外付けのリアルタイムクロック(以下、「RTC」という)4192を備えている。
図85は周辺基板4010のブロック図であり、周辺基板4010にRTCを配設する例を示している。周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは内蔵RTC(図示せず)を備えている。周辺制御基板4140は、電源バックアップされていないため、遊技機の電源断の場合、電源オフとなる。したがって、内蔵RTCは、遊技機の電源断の期間は計時情報およびカレンダー情報を失う。
RTC4192は、時計・カレンダー機能を備える。時計・カレンダー機能は、年,月,日,時,分,秒をカウントする計時を行う機能である。また、必要に応じて、曜日までカウントするものを用いてもよい。
RTC制御部4190には、RTC4192、および、RTC4192を駆動するための電池4194が設けられている。電池4194を備えることによって、電源基板(図示せず)の電源遮断時においてもRTC4192は計時、および、カレンダー機能を中断することがない。
電池4194としては一次電池(例えばボタン電池)であってもよいし、充電可能な二次電池、これによって、バックアップ電源を配置する必要がなく周辺制御基板4140の構成が複雑化するのを避けることができる。なお、電池4194は、RAM4196のバックアップ電源としても用いられる。
遊技機はRTC4192を備えることによって、年・月・日・時・分・秒(カレンダー情報と時刻情報)を特定する機能を獲得する。つまり、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、遊技機の電源投入時に、外付けのRTC4192から時刻情報および年月日情報を読み取って、周辺制御MPU4140aの内蔵RTCへセットする。以後、RTC4192からの時刻情報および年月日情報を読み出すのではなく、内蔵RTCによって時刻情報および年月日情報を保持することができる。
これによって、時刻情報や年月日情報を用いた演出を行う際に、その都度、RTC4192に時刻情報および年月日情報を問い合わせる必要がなくなり、演出を内蔵RTCの時刻情報や年月日情報によって行うことができ、演出のための処理速度が低下することが防止され、従来不可能であった多様な演出を実行できる。
なお、遊技機の出荷時に、RTC4192に、年・月・日・時・分・秒(カレンダー情報と時刻情報)がセットされる。また、これと共に経過日数を算出するための開始日(年・月・日)が周辺制御ROM4140bの所定領域に格納される。なお、開始日は任意に決定することができるが、例えば、出荷する日としたり、遊技機が遊技場に設置される日としたり、することができる。
[演出態様選択テーブル]
図86は音楽ゲームリーチ演出を行うか否かを決定する際に用いられる演出態様選択テーブルを示す図である。演出態様選択テーブルは、周辺制御ROM4140bに設定記憶されている。演出態様選択テーブルによって決定される演出は、例えば、音楽ゲームリーチ演出とタッチパネル480を用いない別演出との2種類とされている。タッチパネル480を用いない別演出は、装飾図柄の変動時間が音楽ゲームリーチ演出と同じ時間とされているものである。
演出態様選択テーブルは、経過日数が予め定められた所定日数に達していないことを条件として選択されるもの(テーブルA、第一演出態様テーブルに相当する)と、経過日数が予め定められた所定日数に達していることを条件として選択されるもの(テーブルB、第二演出態様テーブルに相当する)とに区分されている。上述の所定日数をどのくらいの日数とするかは任意に決定することができるが、本例では30日(1か月)の間の期間(新台として設置されている期間)としている。
開始日からの経過日数が30日に達する迄の期間はテーブルAが選択され、テーブルAによれば音楽ゲームリーチ演出が選択される割合は90%、別演出が選択される割合は10%となるように設定され、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が高くなるようにしている。
一方、開始日からの経過日数が30日に達した後ではテーブルBが選択され、テーブルBによれば音楽ゲームリーチ演出が選択される割合は5%、別演出が選択される割合は95%となるように設定され、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度がかなり低く、プレミア級となるようにしている。
このように、開始日からの経過日数が所定日数に達していない場合に音楽ゲームリーチ演出が選択される割合は90%であり、経過日数が所定日数に達した場合に、音楽ゲームリーチ演出が選択される割合5%よりも高く設定されている。
[特定演出決定処理]
次に、特定演出決定処理について説明する。図87は周辺制御MPUが行う特定演出決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、特定演出決定処理は、図69のステップS601のコマンド解析処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、特定演出決定処理を開始すると、まず、受信した制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドであるか否かを判定する(ステップS620)。制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドではないと判定した場合は、即ち、ステップS620をNOと判定した場合は、特定演出決定処理のサブルーチンを抜ける。この場合には、実質的な音楽ゲームリーチ演出を行うか否かについての特定演出決定処理は行われない。
ステップS620にて、制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドであると判定した場合、即ち、ステップS620をYESと判定した場合には、ステップS621に進み、演出用乱数の値を取得し(ステップS621)、内蔵RTCより現在の年月日情報を取得し(ステップS622)、周辺制御ROM4140bの所定領域に格納された開始日と取得した年月日とにより、経過日数を算出する(ステップS623)。例えば、開始日が2013年6月5日であり、現在が2013年6月19日である場合、経過日数は15となる。
次いで、周辺制御MPUは、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したか否かを判定する(ステップS624)。一例として、本実施形態では所定日数を30日(1か月)の間の期間(新台として設置されている期間)としているため、H=31として、経過日数が予め定められた所定日数Hに満たないか否かを判定している。
経過日数が予め定められた所定日数Hに達していないと判定した場合(ステップS624をYES)、演出態様選択テーブルとしてテーブルAを選択し(ステップS625)、演出用乱数とテーブルAとにより演出態様を決定し(ステップS626)、特定演出決定処理のサブルーチンを抜ける。
この場合には、音楽ゲームリーチ演出が確率90%で決定され、別演出が確率10%で決定される。従って、開始日から所定日数が経過するまでの期間は、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が高い。このため、新台情報を知って音楽ゲームリーチ演出を体験したい、と楽しみにしている遊技者にとって、遊技を行っているうちに音楽ゲームリーチ演出に遭遇する可能性が高いため、音楽ゲームリーチ演出に出会った時には、期待が充足されて蟠りが解消され遊技の興趣の低下を抑止できる。すなわち、タッチパネル480を接触操作することにより遊技者参加型演出に参加させ、新台としての遊技を楽しませる。
なお、音楽ゲームリーチ演出が決定された場合には音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグに1(実行)がセットされ、別演出が決定された場合には別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされる。そして、演出制御処理(S602)において、実行フラグに対応する演出が開始されることになる。
経過日数が予め定められた所定日数Hに達したと判定した場合(ステップS624をNO)、演出態様選択テーブルとしてテーブルBを選択し(ステップS627)、演出用乱数とテーブルBとにより演出態様を決定し(ステップS628)、特定演出決定処理のサブルーチンを抜ける。
この場合には、音楽ゲームリーチ演出が確率5%で決定され、別演出が確率95%で決定される。従って、開始日から所定日数(30日、1月)が経過した後は、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が極めて低い本来設定予定のプレミア級に下がる。
上述と同様、音楽ゲームリーチ演出が決定された場合には音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグに1(実行)がセットされ、別演出が決定された場合には別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされる。そして、演出制御処理(S602)において、実行フラグに対応する演出が開始されることになる。
このように、遊技機の新設当初は、特定演出の出現頻度の低さによる遊技の興趣が低下するのを抑止することができる。
[第二実施例]
以下に説明する第二実施例は、電源投入時に、年月日情報取得手段によって取得された年月日情報と、予め記憶された開始日とに基づいて経過日数を算出し、算出した経過日数と予め定められた所定日数とを比較判定し、比較結果に応じて、第一演出態様テーブルまたは第二演出態様テーブルに決定するものである。
[演出態様テーブル決定処理]
次に、演出態様テーブル決定処理について説明する。図88(A)は周辺制御MPUが電源投入時に行う演出態様テーブル決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出態様テーブル決定処理は、図68に示すステップS501の初期設定処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、演出態様テーブル決定処理を開始すると、まず、先に電源投入時に年月日情報・時刻情報をセットした内蔵RTCより現在の年月日情報を取得し(ステップS630)、周辺制御ROM4140bの所定領域に格納された開始日と取得した年月日とにより、経過日数を算出する(ステップS631)。例えば、開始日が2013年6月5日であり、現在が2013年6月19日である場合、経過日数は15となる。
次いで、周辺制御MPUは、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したか否かを判定する(ステップS632)。一例として、本実施形態では所定日数を30日(1か月)の間の期間(新台として設置されている期間)としているため、H=31として、経過日数が予め定められた所定日数Hに満たないか否かを判定している。
経過日数が予め定められた所定日数Hに達していないと判定した場合(ステップS632をYES)、演出態様テーブルとしてテーブルA(第一演出態様テーブル)に決定し(ステップS633)、演出決定態様テーブル処理のサブルーチンを抜ける。
一方、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したと判定した場合(ステップS632をNO)、演出態様テーブルとしてテーブルB(第二演出態様テーブル)に決定し(ステップS634)、演出態様テーブル決定処理のサブルーチンを抜ける。
このように、電源投入時に、年月日情報取得手段によって取得された年月日情報と、予め記憶された開始日とに基づいて経過日数を算出し、算出した経過日数と予め定められた所定日数とを比較判定し、経過日数が予め定められた所定日数Hに達していないと判定した場合、演出態様テーブルとしてテーブルA(第一演出態様テーブル)に決定する一方、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したと判定した場合、演出態様テーブルとしてテーブルB(第二演出態様テーブル)に決定する。
[演出態様決定処理]
次に、演出態様決定処理について説明する。図88(B)は周辺制御MPUが行う演出態様決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出態様決定処理は、図69のステップS601のコマンド解析処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、演出態様決定処理を開始すると、まず、受信した制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドであるか否かを判定する(ステップS640)。制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドではないと判定した場合は、即ち、ステップS640をNOと判定した場合は、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。この場合には、実質的な音楽ゲームリーチ演出を行うか否かについての演出態様決定処理は行われない。
ステップS640にて、制御コマンドが特定演出指示を含むコマンドであると判定した場合、即ち、ステップS640をYESと判定した場合には、ステップS641に進み、演出用乱数の値を取得する(ステップS641)。次いで、電源投入時に実行した演出態様テーブル決定処理によって決定された演出態様テーブルと演出用乱数とにより演出態様を決定し(ステップS642)、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。
演出態様テーブル決定処理においてテーブルA(第一演出態様テーブル)に決定されている場合には、音楽ゲームリーチ演出が確率90%で決定され、別演出が確率10%で決定される。従って、開始日から所定日数が経過するまでの期間は、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が高い。このため、新台情報を知って音楽ゲームリーチ演出を体験したい、と楽しみにしている遊技者にとって、遊技を行っているうちに音楽ゲームリーチ演出に遭遇する可能性が高いため、音楽ゲームリーチ演出に出会った時には、期待が充足されて蟠りが解消され遊技の興趣の低下を抑止できる。
また、演出態様テーブル決定処理においてテーブルB(第二演出態様テーブル)に決定されている場合には、音楽ゲームリーチ演出が確率5%で決定され、別演出が確率95%で決定される。よって、開始日から所定日数(30日、1月)が経過した後は、音楽ゲームリーチ演出は、出現頻度が極めて低い本来設定予定のプレミア級の演出となる。
[特定演出の出現頻度の上げ下げ・第2実施形態]
以下に、特定演出の出現頻度の上げ下げに関する第2実施形態について説明する。先に述べたように、遊技者はこのような新規な遊技性を搭載した遊技機について、例えば、パチンコ攻略雑誌等により、その遊び方や演出内容を知ることができるようになっている。遊技場において係る遊技機が新台として導入されていると、試しに打ってみようか、と興味を持って遊技する遊技者がいる。そして、実際に遊技を行った遊技者の中に、上述のプレミア級の激圧演出を体験した後、大当りを引き当てた者が出ると、遊技中にプレミア級の激圧演出になると、殆んどの場合大当りとなる(高い信頼度)、という所謂オカルトが次第に広まる。そうなると、遊技者によってはこのようなオカルトを信じ込み、プレミア級の激圧演出を体験したい、と楽しみに遊技することが想定される。
確かに、新設の遊技機における遊技機仕様では、上記激熱演出を引くと、高確率で大当りとなるように設定されている。しかし、先の激熱演出は、滅多やたらには出現しないように設定されているため、遊技者がいくら遊技を行っても激圧演出に遭遇せず、期待を外されて遊ばせてもらえない、という蟠りを抱き、遊技の興趣を低下させてしまう虞がある。一方、遊技場側は、稼働率を見込んで新設の遊技機を導入しているはずである。然るに、先の激熱演出の出現頻度の低さのために、折角導入した新設の遊技機に対する遊技者の興味が薄れていくと、遊技機の稼働率が低下してしまう、と不安視してしまう虞がある。
そこで、以下に説明する特定演出の出現頻度の上げ下げに関する第2実施形態に係る発明は、演出の出現頻度の低さに起因して遊技機の稼働率が低下するのを抑止する遊技機に係る発明に関する。
遊技機の演出制御手段(周辺制御基板4140)は、年月日情報を取得する年月日情報取得手段と、制御コマンドに応じた変動パターンの種別毎に対応した複数の演出が設定記憶された第一演出態様テーブル及び第二演出態様テーブルと、年月日情報取得手段によって取得された年月日情報に基づく日付または期間が、予め記憶された設定条件を充足したか否かを判定し、日付または期間が設定条件を充足していないと判定した場合に第一演出態様テーブルに決定する一方、日付または期間が設定条件を充足していると判定した場合に第二演出態様テーブルに決定する演出態様テーブル決定手段と、を備える。なお、第一演出態様テーブル及び第二演出態様テーブルは、周辺制御ROM4140bに設定記憶されている。
[演出態様テーブル]
図89は日付または期間が設定条件を充足する迄の期間に演出を決定する際に用いられる第一演出態様選択テーブル(以下、テーブルCという)を示す図である。また、図90は日付または期間が設定条件を充足した後に演出を決定する際に用いられる第二演出態様選択テーブル(以下、テーブルDという)を示す図である。
図89に示すように、テーブルCには、主制御手段(主制御基板4100)から出力された当落判定結果に基づく制御コマンド(変動パターンコマンド)に応じた変動パターン(装飾図柄の変動時間)の種別毎に対応した複数の演出が設定記憶されている。具体的には、本例の遊技機には、装飾図柄について100種類の変動パターンが設けられている。変動パターンの番号1乃至50が当落判定結果が大当りである場合の変動パターンに設定され、変動パターンの番号51乃至100が当落判定結果が外れである場合の変動パターンに設定されている。したがって、当落判定結果が大当りである場合の演出の種類が50種類と、当落判定結果が外れである場合の演出の種類が50種類とに分けることができる。
図89に示すように、テーブルCにおいては、番号5と番号50の変動パターンが指定された場合に、大当りである場合の音楽ゲームリーチ演出(特定演出の一例)が実行されるようになっている。また、番号55と番号90の変動パターンが指定された場合に、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出が実行されるようになっている。
テーブルCにおいては、全100種類の演出のうち音楽ゲームリーチ演出(特定演出)が含まれる割合は、4/100、即ち、4%となっている。また、テーブルCでは、大当りである場合の音楽ゲームリーチ演出の数が2であり、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出の数が2であり、合計4のうちの2つが大当りであるから、テーブルCを用いて音楽ゲームリーチ演出が実行された場合、当落判定結果における大当りに対する期待度は、2/4、即ち、期待度50%となる。なお、テーブルCにおいて、別演出、リーチ別演出(装飾図柄がリーチとなる演出)とは、タッチパネル480を用いない演出を意味するものである。
図90に示すように、テーブルDには、主制御手段(主制御基板4100)から出力された当落判定結果に基づく制御コマンド(変動パターンコマンド)に応じた変動パターン(装飾図柄の変動時間)の種別毎に対応した複数の演出が設定記憶されている。具体的には、テーブルCと同様、装飾図柄について100種類の変動パターンが設けられている。テーブルCとテーブルDとで変動パターンの番号が同じ番号となっているものは、装飾図柄の変動時間、即ち、演出時間が同じ時間とされている。
テーブルDは、変動パターンの番号1乃至50が当落判定結果が大当りである場合の変動パターンに設定され、変動パターンの番号51乃至100が当落判定結果が外れである場合の変動パターンに設定されている。したがって、当落判定結果が大当りである場合の演出の種類が50種類と、当落判定結果が外れである場合の演出の種類が50種類とに分けることができる。
図90に示すように、テーブルDにおいては、番号5と番号50の変動パターンが指定された場合に、大当りである場合の音楽ゲームリーチ演出が実行されるようになっている。なお、当落判定結果が大当りである場合の変動パターンに対応する演出は、テーブルCと全く同じである。テーブルCとテーブルDとが異なる点は外れである場合の音楽ゲームリーチ演出の数であり、テーブルDにおいては、番号55〜番号59と番号76〜番号79と番号90の変動パターンが指定された場合に、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出が実行されるようになっている。このように、演出態様テーブルをテーブルCからテーブルDに変更すると、変動パターンの種別(番号)自体は同じで変化はないが、外れである場合のリーチ別演出が行われていた変動パターンが、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出を行う変動パターンに置き換わり、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出の割合が増加する
テーブルDにおいては、全100種類の演出のうち音楽ゲームリーチ演出(特定演出)が含まれる割合は、12/100、即ち、12%となっている。また、テーブルDでは、大当りである場合の音楽ゲームリーチ演出の数が2であり、外れである場合の音楽ゲームリーチ演出の数が10であり、合計12のうちの2つが大当りであるから、テーブルDを用いて音楽ゲームリーチ演出が実行された場合、当落判定結果における大当りに対する期待度は、2/12、即ち、期待度16.7%となる。なお、テーブルDにおいても、別演出、リーチ別演出とは、タッチパネル480を用いない演出を意味するものである。
テーブルCとテーブルDとを比較すると、テーブルC(第一演出態様テーブル)における全演出のうち音楽ゲームリーチ演出が含まれる割合が、テーブルD(第二演出態様テーブル)における全演出のうち音楽ゲームリーチ演出が含まれる割合よりも低く設定されている。
また、テーブルCを用いて音楽ゲームリーチ演出が実行された場合に比べて、テーブルDを用いて音楽ゲームリーチ演出が実行された場合の方が、当落判定結果における当りに対する期待度が低く設定されている。
[演出態様テーブル決定処理]
次に、演出態様テーブル決定処理について説明する。図91(A)は周辺制御MPUが電源投入時に行う演出態様テーブル決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出態様テーブル決定処理は、図68に示すステップS501の初期設定処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、演出態様テーブル決定処理を開始すると、まず、先に電源投入時に年月日情報・時刻情報をセットした内蔵RTCより現在の年月日情報を取得し(ステップS650)、周辺制御ROM4140bの所定領域に格納された開始日と取得した年月日とにより、経過日数を算出する(ステップS651)。例えば、開始日が2013年6月5日であり、現在が2013年6月19日である場合、経過日数は15となる。
次いで、周辺制御MPUは、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したか否かを判定する(ステップS652)。一例として、本実施形態では所定日数を30日(1か月)の間の期間(新台として設置されている期間)としているため、H=31として、経過日数が予め定められた所定日数Hに満たないか否かを判定している。
経過日数が予め定められた所定日数Hに達していないと判定した場合(ステップS652をYES)、演出態様テーブルとしてテーブルC(第一演出態様テーブル)に決定し(ステップS653)、演出決定態様テーブル処理のサブルーチンを抜ける。
一方、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したと判定した場合(ステップS652をNO)、演出態様テーブルとしてテーブルD(第二演出態様テーブル)に決定し(ステップS654)、演出態様テーブル決定処理のサブルーチンを抜ける。
このように、電源投入時に、年月日情報取得手段によって取得された年月日情報と、予め記憶された開始日とに基づいて経過日数を算出し、算出した経過日数と予め定められた所定日数とを比較判定し、経過日数が予め定められた所定日数Hに達していないと判定した場合、演出態様テーブルとしてテーブルC(第一演出態様テーブル)に決定する一方、経過日数が予め定められた所定日数Hに達したと判定した場合、演出態様テーブルとしてテーブルD(第二演出態様テーブル)に決定する。
[演出態様決定処理]
次に、演出態様決定処理について説明する。図91(B)は周辺制御MPUが行う演出態様決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出態様決定処理は、図69のステップS601のコマンド解析処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、演出態様決定処理を開始すると、まず、受信した制御コマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップS660)。制御コマンドが変動パターンコマンドではないと判定した場合は、即ち、ステップS660をNOと判定した場合は、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。この場合には、実質的な演出を行うか否かについての演出態様決定処理は行われない。
ステップS660にて、制御コマンドが変動パターンコマンドであると判定した場合、即ち、ステップS660をYESと判定した場合には、ステップS661に進み、電源投入時に実行した演出態様テーブル決定処理によって決定された演出態様テーブルと変動パターンとにより演出態様を決定し(ステップS661)、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。
例えば、演出態様テーブルがテーブルCに決定され、変動パターンコマンドが番号50の変動パターンである場合、大当りとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。また、例えば、演出態様テーブルがテーブルCに決定され、変動パターンコマンドが番号55の変動パターンである場合、外れとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。
また、例えば、演出態様テーブルがテーブルDに決定され、変動パターンコマンドが番号77の変動パターンである場合、外れとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。
なお、音楽ゲームリーチ演出が決定された場合には音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグに1(実行)がセットされ、別演出が決定された場合には別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされる。そして、演出制御処理(S602)において、実行フラグに対応する演出が開始されることになる。
演出態様テーブル決定処理においてテーブルC(第一演出態様テーブル)に決定されている場合には、音楽ゲームリーチ演出は全演出中4%である。従って、開始日から所定日数が経過するまでの期間は、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が低く、プレミア級である。テーブルCを用いている期間は、音楽ゲームリーチ演出の出現率は低いが、音楽ゲームリーチ演出が実行された場合には当落判定結果における当りに対する期待度が50%と高い。
遊技場において係る遊技機が新台として導入されていると、試しに打ってみようか、と興味を持って遊技する遊技者がいる。そして、実際に遊技を行った遊技者の中に、上述のプレミア級の激圧演出を体験した後、大当りを引き当てた者が出ると、音楽ゲームリーチ演出になると、殆んどの場合当りとなる(高い信頼度)、という所謂オカルトが次第に広まり、そうなると、遊技者によってはこのようなオカルトを信じ込み、音楽ゲームリーチ演出を体験したい、と楽しみに遊技する。新設当初から1カ月間は、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が極めて低い本来設定予定のプレミア級とする。
新設当初から1カ月間が経過すると、テーブルCを用いている期間から、テーブルDを用いる期間に移る。すると、音楽ゲームリーチ演出の出現率が12%に上がる。これにより、オカルトを信じ込み、音楽ゲームリーチ演出を体験したいと願っている遊技者の遊技の興趣に応えることができ、意欲をもって遊技するようになるため、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度の低さに起因して遊技機の稼働率が低下するのを抑止することができる。一方、音楽ゲームリーチ演出が実行された場合、当落判定結果における当りに対する期待度が16.7%と低く設定されているため、音楽ゲームリーチ演出が出現する割には当りとならず、遊技場側の損にはならない。
[第2実施例]
以上に説明した実施例では、遊技機の出荷時に、RTC4192に、年・月・日・時・分・秒(カレンダー情報と時刻情報)をセットすると共に経過日数を算出するための開始日(年・月・日)を周辺制御ROM4140bの所定領域に格納したが、開始日に代えてテーブルCからテーブルDに変更する予定日(設定日)を直接設定記憶してもよい。例えば、遊技機の出荷日が2013年6月1日であるとすると、設定日として1カ月後の日付である2013年7月1日を設定記憶する。
図92(A)は第2実施例における周辺制御MPUが電源投入時に行う演出態様テーブル決定処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、図92(B)は周辺制御MPUが行う演出態様決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
周辺制御MPUは、演出態様テーブル決定処理を開始すると、まず、先に電源投入時に年月日情報・時刻情報をセットした内蔵RTCより現在の年月日情報を取得する(ステップS6501)。次いで、周辺制御MPUは、周辺制御ROM4140bの所定領域に格納された設定日と取得した年月日とを比較し、取得した年月日が設定日を充足しているか否かを判定する(ステップS6502)。
例えば、設定日が2013年7月1日であり、現在が2013年6月19日である場合には、取得した年月日が設定日を充足していないと判定する(ステップS6502をNOと判定する)。そして、この場合には、演出態様テーブルとしてテーブルC(第一演出態様テーブル)に決定し(ステップS6503)、演出決定態様テーブル処理のサブルーチンを抜ける。
また、例えば、設定日が2013年7月1日であり、現在が2013年7月1日である場合や、現在が2013年7月3日であるような場合には、取得した年月日が設定日を充足していると判定する(ステップS6502をYESと判定する)。そして、この場合には、演出態様テーブルとしてテーブルD(第二演出態様テーブル)に決定し(ステップS6504)、演出決定態様テーブル処理のサブルーチンを抜ける。
なお、演出態様決定処理は、先に説明した図91(B)と同じ処理となるため、説明を省略する。また、図92(A)の演出態様テーブル決定処理を先に図88(A)において説明した演出態様テーブル決定処理について適用してもよく、開始日に代えてテーブルAからテーブルBに変更する予定日(設定日)を周辺制御ROM4140bの所定領域に直接設定記憶してもよい。
[参加型演出への参加の割合について]
上述のような操作入力手段(一例として説明したタッチパネル480)を操作することで演出の内容が変化する参加型演出(一例として説明した音楽ゲームリーチ演出)に、遊技者の多くは、遊技開始直後は積極的に参加するが、遊技を繰り返すことによって次第にその内容や効果の新鮮さが薄れ、遊技中にわざわざ演出に参加することに魅力を感じなくなり、結果として遊技者による参加型演出への参加の割合が遊技開始後の時間の経過とともに減少する傾向にある。
図93(A)は、遊技開始からの経過時間に対する参加型演出への遊技者の参加率の推移をグラフ形式で示す図である。なお、この実施形態では、参加型演出への遊技者の参加とは、参加型演出が行われている間に、操作入力手段を1回でも操作したことが検出されたことを意味する。縦軸には参加型演出への遊技者の参加率を取っており、横軸には遊技開始からの経過時間を取っている。また、参加型演出への遊技者の参加状態として、「常に参加」、「時々参加」、「不参加」の3つの種別に区分けされている。
図93(A)において矢印にて示すように、遊技開始からの時間が経過するに従って、「常に参加」を示す領域が次第に小さくなって減衰している。また、遊技開始からの時間が経過するに従って、「不参加」を示す領域が次第に大きくなって「時々参加」を示す領域に向かって膨出している。
また、遊技者は、新機種導入当初は積極的に参加するが、遊技を繰り返すことによって次第にその内容や効果の新鮮さが薄れ、遊技中にわざわざ演出に参加することに魅力を感じなくなり、結果として遊技者による参加型演出への参加の割合が遊技機設置後の日数の経過とともに減少する傾向にある。
図93(B)は、遊技機が設置されてからの経過日数に対する参加型演出への遊技者の参加率の推移をグラフ形式で示す図である。縦軸には参加型演出への遊技者の参加率を取っており、横軸には遊技機が設置されてからの経過日数を取っている。また、参加型演出への遊技者の参加状態として、「常に参加」、「時々参加」、「不参加」の3つの種別に区分けされている。
図93(B)において矢印にて示すように、遊技機がホールに設置されてからの日数が経過するに従って、「常に参加」を示す領域が次第に小さくなって減衰している。また、遊技機がホールに設置されてからの日数が経過するに従って、「不参加」を示す領域が次第に大きくなって「時々参加」を示す領域に向かって膨出している。
参加型演出は遊技機にとっての重要な機能の一つであり、遊技機として提供している演出を遊技者に十分楽しませることが求められる。また、遊技場側は、遊技機に対する遊技者の興味が薄れていくと、遊技機の稼働率が低下してしまう、と不安視する虞がある。
[第3実施形態]
そこで、以下に説明する第3実施形態の遊技機に係る発明は、参加型演出への参加率の低さにより、遊技の興趣が低下するのを抑止し、遊技機の稼働率の低下を抑止する遊技機に係る発明に関する。
参加型演出の一例として、先に説明した音楽ゲームリーチ演出を用いるものとする。遊技機の演出制御手段(図85に示す周辺制御基板4140)は、主制御手段(主制御基板4100)から出力された制御コマンドに基づいて、参加型演出を行うか否かを決定する参加型演出決定手段と、参加型演出決定手段によって決定された参加型演出を実行する参加型演出実行手段と、を備え、さらに、参加型演出が実行された回数をカウントする参加型演出回数カウント手段と、参加型演出が実行される毎に、操作入力装置(タッチパネル480)への操作が検出されると、参加したとみなして回数をカウントする参加回数カウント手段と、参加型演出回数カウント手段がカウントした参加型演出回数に対する参加回数カウント手段がカウントした参加回数の割合としての参加率を算出する参加率算出手段と、参加率と予め設定された設定値とを比較し、参加率が設定値を充足しない場合に、参加型演出が実行される頻度を高くする高頻度状態に移行させる参加型演出頻度変更手段と、を備えている。
また、演出制御手段は、高頻度状態において、参加型演出の実行中に、操作入力装置への操作が検出されると、参加したとみなして回数をカウントする継続回数カウント手段と、高頻度状態において、参加型演出の実行中に亘り、操作入力装置への操作が検出されないと、参加していないとみなして継続回数カウント手段がカウントした継続回数をリセットする継続回数リセット手段と、継続回数カウント手段がカウントした継続回数が予め定められた規定回数に達したことを条件として、演出表示装置(液晶表示装置1400)の表示領域に特別演出画像を表示させる特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備えている。
[参加率初期設定処理]
次に、参加率初期設定処理について説明する。図94(A)は周辺制御MPUが電源投入時に行う参加率初期設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、参加率初期設定処理は、図68に示すステップS501の初期設定処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、参加率初期設定処理を開始すると、まず、参加型演出の実行回数をカウントするための参加型演出回数カウンタC1に初期値「0」をセットし(ステップA01)、参加型演出への遊技者による参加回数をカウントするための参加回数カウンタC2に初期値「0」をセットし(ステップA02)、参加率初期設定処理のサブルーチンを抜ける。
[タッチパネル操作検出処理]
次に、タッチパネル操作検出処理について説明する。図94(B)は周辺制御MPUが実行するタッチパネル操作検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、タッチパネル操作検出処理は、音楽ゲームリーチ演出中に行う処理であり、図69に示す16ms定常処理において16ms毎に実行されるステップS602の演出制御処理における図71に示したステップS712の変動演出中処理のうちの一処理である。
周辺制御MPUは、タッチパネル操作検出処理を開始すると、タッチパネル480への操作があるか否かを判定する(ステップA10)。タッチパネル480を遊技者が操作したときには、タッチパネル480からの入力信号が周辺制御MPUに入力される。ステップA10でタッチパネル480からの入力信号が検出された場合には(YES)、参加検出フラグに1(参加あり)をセットし(ステップA11)、タッチパネル操作検出処理のサブルーチンを抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
一方、ステップA10でタッチパネル480からの入力信号が検出されなかった場合には、ステップA10をNOと判定し、ステップA11の処理を実行することなく、タッチパネル操作検出処理のサブルーチンを抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
ここで、参加検出フラグは、周辺制御MPUが、遊技者が参加型演出に参加したのか、参加しなかったのかを識別するためのフラグであり、「1」で参加ありであることを意味し、「0」で参加なしであることを意味する。また、先に述べたように、参加型演出が行われている間に、操作入力手段(タッチパネル480)を1回でも操作したことが検出された場合には、参加検出フラグに値1がセットされることになる。
[第3実施形態における音楽ゲームリーチ演出制御処理]
図95は、第3実施形態において周辺制御MPUが実行する音楽ゲームリーチ演出制御処理を示すフローャートである。なお、上述のタッチパネル操作検出処理は、図95に示すステップS806の音楽ゲームリーチ演出中処理の次のステップS811の非操作期間計時処理の次の一処理として実行される。なお、図95では、タッチパネル操作検出処理をステップA22として記載している。
周辺制御MPUは、図95に示した音楽ゲームリーチ演出制御処理を開始すると、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS801)。ステップS801で音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされていると判別した場合には、ステップS801をYESと判定し、先に図71において説明した演出プロセスフラグの値が変動演出開始処理に応じた値であるか否かを判定し(ステップS802)、この場合、演出プロセスフラグの値が変動演出開始処理に応じた値であると判定し、すなわちステップS802をYESと判定し、音楽ゲームリーチ演出設定処理を実行する(ステップS803)。
なお、ステップS803の音楽ゲームリーチ演出設定処理では、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を複数種類の楽曲(本実施形態では、「楽曲A」〜「楽曲D」の4曲)から決定し、この決定した楽曲に設定されたマーカー種別及びタッチパネル480の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)に関するデータを、周辺制御ROM4140bから読み出す。このとき、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を決定する際には、抽選結果が大当りであるときに大当り期待度の高い楽曲を高い確率で決定し、抽選結果が外れであるときに大当り期待度の低い楽曲を高い確率で決定することにより、各々の楽曲には大当り期待度が設定されており、大当り期待度の高い楽曲が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
ステップS803に次いで、周辺制御MPUは、今回実行する音楽ゲームリーチ演出に対応して参加型演出回数カウンタC1の値を+1し(ステップA20)、参加検出フラグに初期値「0」をセットし(ステップA21)、演出プロセスフラグの値を変動演出中処理に応じた値に変更し(ステップS804)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。
一方、ステップS801で音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがセットされていないと判別した場合には、すなわちステップS801をNOと判定した場合には、音楽ゲームリーチ演出を実行しない場合であり、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。したがって、音楽ゲームリーチ演出が行われることはない。
また、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示を開始し、左右装飾図柄をリーチ(同一の図柄)で停止表示した後、ノーマルリーチ演出へと展開する途中のタイミング(音楽ゲームリーチ演出の開始タイミング)で、音楽ゲームリーチ演出を開始するように制御し、音楽と共にタッチパネル480の有効範囲に関連付けられたマーカーが液晶表示装置1400の画面上に流れるように表示制御する。
次の処理周期の音楽ゲームリーチ演出制御処理では、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされ、演出プロセスフラグが変動演出中の値であることに基づいて、ステップS801をYESと判定し、ステップS802をNOと判定し、ステップS805に進み、演出プロセスフラグの値が変動演出中処理に応じた値であるか否かを判定する(ステップS805)。
この場合、演出プロセスフラグの値が変動演出中処理に応じた値であると判定し、すなわちステップS805をYESと判定し、音楽ゲームリーチ演出中処理(ステップS806)を実行し、次いで非操作期間計時処理(ステップS811)を実行し、タッチパネル操作検出処理(ステップA22)を実行する。そして、変動時間が経過したか否かを判定し(ステップS807)、変動時間が経過していなければ、ステップS807をNOと判定し、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。
そして、変動時間が経過すると、周辺制御MPUはステップS807をYESと判定し、演出プロセスフラグの値を変動終了処理に応じた値に変更し(ステップS808)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。
次の処理周期の音楽ゲームリーチ演出制御処理では、周辺制御MPUは、実行フラグがセットされ、演出プロセスフラグが変動終了処理の値であることに基づいて、ステップS801をYESと判定し、ステップS802をNOと判定し、ステップS805をNOと判定し、ステップA23の参加検出処理に進む。なお、参加検出処理については後述する。
周辺制御MPUは、ステップA23の参加検出処理を抜けると、ステップS809に進み、演出プロセスフラグの値を変動演出開始処理に応じた値に変更し(ステップS809)、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグをクリアし(ステップS810)、音楽ゲームリーチ演出制御処理を抜けてリターンする。なお、音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグがクリアされたことで、音楽ゲームリーチ演出制御処理が終了となる。
[参加率判定処理]
第3実施形態の遊技機は、所定のタイミングで、参加型演出回数カウント手段がカウントした参加型演出回数に対する参加回数カウント手段がカウントした参加回数の割合としての参加率を算出する。例えば、第3実施形態では、電源投入時から、1時間経過した毎に参加率を算出するようにしている。
図96は、周辺制御MPUが実行する参加率判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、参加率判定処理は、図69において図示していないが、図69に示す16ms定常処理のうちの一処理として実行される処理である。
周辺制御MPUは、参加率判定処理を開始すると、まず、先に電源投入時に年月日情報・時刻秒情報をセットした内蔵RTCより現在の時分秒情報を取得し(ステップA30)、取得した時分秒情報が判定タイミングであるか否かを判定する(ステップA31)。例えば、時分秒情報が10:00、11:00、12:00、・・・のように1時間経過した毎に、所定タイミングであると判定する。
周辺制御MPUは、ステップA30にて、所定タイミングではないと判定した場合、すなわちステップA30をNOと判定した場合、参加率判定処理のサブルーチンを抜けて16ms定常処理ルーチンにリターンする。この場合実質的な参加率が算出されることはない。
一方、ステップA30にて、所定タイミングであると判定する場合、すなわちステップA30をYESと判定した場合、周辺制御MPUは、参加回数カウンタC2がカウントした参加回数を参加型演出回数カウンタC1がカウントした参加型演出回数で割ることにより、参加率を算出する(ステップA32)。
次いで、周辺制御MPUは、算出した参加率が予め定めた設定値を充足しているか否かを判定する(ステップA33)。上述の設定値をどのくらいの値とするかは任意に決定することができるが、一例として、本例では50%としている。
ステップA33にて、算出した参加率が予め定めた設定値を充足していると判定した場合、すなわち、ステップA33をYESと判定した場合、周辺制御MPUは、ステップA34に進み、演出態様テーブルとしてテーブルC(第一演出態様テーブル、図89参照)に決定し、高頻度フラグに値「0」をセットし(ステップA35)、参加率判定処理のサブルーチンを抜けて16ms定常処理ルーチンにリターンする。
一方、ステップA33にて、算出した参加率が予め定めた設定値を充足しないと判定した場合、すなわち、ステップA33をNOと判定した場合、参加率が低いこととなり、周辺制御MPUは、ステップA36に進み、演出態様テーブルとしてテーブルD(第二演出態様テーブル、図90参照)に決定し、高頻度フラグに値「1」をセットし(ステップA37)、継続して参加型演出に参加すると、特別演出画像が表示される旨を演出表示装置(液晶表示装置1400)に表示し(ステップA38)、参加率判定処理のサブルーチンを抜けて16ms定常処理ルーチンにリターンする。
先に説明したが、テーブルCにおいては、全100種類の演出のうち音楽ゲームリーチ演出(参加型演出)が含まれる割合は、4/100、即ち、4%となっている。一方、テーブルDにおいては、全100種類の演出のうち音楽ゲームリーチ演出(特定演出)が含まれる割合は、12/100、即ち、12%となっている。
テーブルCとテーブルDとを比較すると、テーブルD(第二演出態様テーブル)における全演出のうち音楽ゲームリーチ演出が含まれる割合が、テーブルC(第一演出態様テーブル)における全演出のうち音楽ゲームリーチ演出が含まれる割合よりも高く設定されている。このように、参加型演出への参加率の低いと判定した場合、参加型演出が実行される頻度を高くする高頻度状態に移行させるため、遊技者に対して参加型演出へ参加する機会を増やすことができる。
また、高頻度フラグは、周辺制御MPUが、参加型演出(音楽ゲームリーチ演出)が実施される割合が高い状態にあるか否かを識別するためのフラグであり、「1」で高頻度状態であることを意味し、「0」で高頻度状態ではない通常状態であることを意味する。
また、参加型演出が実行される頻度を高くする高頻度状態に移行させるときに、継続して参加型演出に参加すると、特別演出画像が表示される旨(連続参加のメッセージ)を演出表示装置に表示させる。そのため、遊技者に参加型演出に参加する意欲をもたせることができる。また、遊技者が特別演出画像を見たさに、積極的に参加型演出に参加することが期待できる。
図98(A)は、演出表示装置に表示される連続参加のメッセージの一例を示している。図98(A)では、継続して参加型演出に参加すると、特別演出画像が表示される旨を表すメッセージとして、「5回連続して参加したら、特別演出が見れるよ!」という文字が表示されていることを示している。
[演出態様決定処理]
次に、演出態様決定処理について説明する。図91(B)は第3実施形態において周辺制御MPUが行う演出態様決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、演出態様決定処理は、図69のステップS601のコマンド解析処理のうちの一処理として実行される。
周辺制御MPUは、演出態様決定処理を開始すると、まず、受信した制御コマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップS660)。制御コマンドが変動パターンコマンドではないと判定した場合は、即ち、ステップS660をNOと判定した場合は、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。この場合には、実質的な演出を行うか否かについての演出態様決定処理は行われない。
ステップS660にて、制御コマンドが変動パターンコマンドであると判定した場合、即ち、ステップS660をYESと判定した場合には、ステップS661に進み、先に説明した参加率判定処理によって決定された演出態様テーブルと変動パターンとにより演出態様を決定し(ステップS661)、演出態様決定処理のサブルーチンを抜ける。
例えば、演出態様テーブルがテーブルCに決定され、変動パターンコマンドが番号50の変動パターンである場合、大当りとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。また、例えば、演出態様テーブルがテーブルCに決定され、変動パターンコマンドが番号55の変動パターンである場合、外れとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。
また、例えば、演出態様テーブルがテーブルDに決定され、変動パターンコマンドが番号77の変動パターンである場合、外れとなる場合の音楽ゲームリーチ演出に決定される。
なお、音楽ゲームリーチ演出が決定された場合には音楽ゲームリーチ演出用の実行フラグに1(実行)がセットされ、別演出が決定された場合には別演出用の実行フラグに1(実行)がセットされる。そして、演出制御処理(S602)において、実行フラグに対応する演出が開始されることになる。
参加率判定処理においてテーブルC(第一演出態様テーブル)に決定されている場合には、音楽ゲームリーチ演出は全演出中4%である。従って、音楽ゲームリーチ演出の出現頻度が低く、プレミア級である。
一方、参加率判定処理において参加率が低いと判定された場合、テーブルDに決定される。すると、音楽ゲームリーチ演出の出現率が12%に上がる。これにより、参加型演出への参加率の低いと判定した場合、参加型演出が実行される頻度を高くする高頻度状態に移行させるため、遊技者に対して参加型演出へ参加する機会を増やすことができる。
[参加検出処理]
次に、参加検出処理について説明する。図97は第3実施形態において周辺制御MPUが実行する参加検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、参加検出処理は、図95に示すように、音楽ゲームリーチ演出制御処理のうちの一処理として実行される。なお、演出プロセスフラグが変動終了処理の値に切り換わると、参加検出処理が実行される(ステップA23)。
周辺制御MPUは、参加検出処理を開始すると、まず、参加検出フラグが「1」(参加あり)であるか否かを判定する(ステップA40)。ステップA40にて、参加検出フラグが「1」(参加あり)であると判定した場合は、すなわちステップA40をYESと判定した場合は、周辺制御MPUは、参加回数カウンタC2の値を+1し(ステップA41)、ステップA42に進む。従って、遊技者が参加型演出に参加した場合には(音楽ゲームリーチ演出中に亘って少なくとも1回タッチパネル480への操作を行った場合)、参加回数カウンタC2の値が1つアップする。
一方、ステップA40にて、参加検出フラグが「1」(参加あり)ではないと判定した場合は、すなわち遊技者が参加型演出に参加しなかった場合には(音楽ゲームリーチ演出中に亘って1回もタッチパネル480への操作を行わなかった場合)、ステップA40をNOと判定した場合は、周辺制御MPUは、ステップA41をスキップしてステップA42に移行する。
ステップA42に進むと、周辺制御MPUは、高頻度フラグが「1」(高頻度状態)であるか否かを判定する(ステップA42)。ステップA42にて、高頻度フラグが「1」(高頻度状態)ではないと判定した場合は、すなわち通常状態である場合には、ステップA42をNOと判定し、周辺制御MPUは、以下の処理をスキップして参加検出処理のサブルーチンを抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
ステップA42にて、高頻度フラグが「1」(高頻度状態)であると判定した場合は、すなわちステップA42をYESと判定した場合は、周辺制御MPUは、ステップA43に進み、参加検出フラグが「1」(参加あり)であるか否かを判定する(ステップA43)。
ステップA43にて、参加検出フラグが「1」(参加あり)であると判定した場合は、すなわちステップA43をYESと判定した場合は、周辺制御MPUは、継続回数カウンタC3の値を+1し(ステップA44)、ステップA46に進む。従って、高頻度状態において、遊技者が継続して参加型演出に参加した場合には(音楽ゲームリーチ演出中に亘って少なくとも1回タッチパネル480への操作を行った場合)、継続回数カウンタC3の値が1つアップする。
一方、ステップA43にて、参加検出フラグが「1」(参加あり)ではないと判定した場合は、すなわち、参加検出フラグが「0」(参加なし)と判定した場合は、ステップA43をNOと判定し、周辺制御MPUは、継続回数カウンタC3に0をセットし(ステップA45)、ステップA46に進む。従って、高頻度状態において、遊技者が継続して参加型演出に参加しなかった場合には(音楽ゲームリーチ演出中に亘って1回もタッチパネル480への操作を行わなかった場合)、継続回数カウンタC3の値が0に戻される。
ここで、フローチャートには示していないが、継続回数カウンタの値に基づいて、参加型演出が行われた場合、継続してあと何回続けて参加すればよいのかを演出表示装置(液晶表示装置1400)の表示パネルに表示させるようにしてもよい。
図98(B)及び図98(C)は、音楽ゲームリーチ演出画像において、あと何回続けて参加すればよいのかを報知する場合の一例を示す図であり、図98(B)は、音楽ゲームリーチ演出画像において、あと5回続けて参加すればよいことを報知していることを示している。また、図98(C)は、音楽ゲームリーチ演出画像において、あと1回続けて参加すればよいことを報知していることを示している。
継続回数の表示例は、上述のようなカウントダウン数字や虹の色等(例えば、レベルメータ表示)で表示してもよい。継続して参加することが前提であり、途中で参加を止めてしまうと、継続回数がリセットされて最初からカウントし直す。
このように、継続回数が演出表示装置に表示されるので、継続して参加型演出に参加していることを視覚的に認識しやすい。
ステップA46に進むと、周辺制御MPUは、継続回数カウンタC3の値が規定回数に達しているか否かを判定する(ステップA46)。規定回数をどのくらいの値とするかは任意に決定することができるが、一例として、本例では5回としている。
ステップA46にて、継続回数カウンタC3の値が規定回数に達していると判定した場合、すなわち、ステップA46をYESと判定した場合、周辺制御MPUは、ステップA47に進み、特別演出を実行し(ステップA47)、参加検出処理のサブルーチンを抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
一方、ステップA46にて、継続回数カウンタC3の値が規定回数に達していないと判定した場合には、すなわち、ステップA46をNOと判定した場合には、ステップA47の処理をスキップし、参加検出処理のサブルーチンを抜けて音楽ゲームリーチ演出制御処理ルーチンにリターンする。
図99(A)は、特別演出画像選択テーブルを示す図であり、図99(B)は、特別演出画像の一例を示す図である。本実施形態では、ステップA47の特別演出の実行は、周辺制御ROM4141b(図85参照)に特別演出画像を予め複数種類(本例では5種類)記憶しておき、演出用乱数を取得し、取得した演出用乱数の値と特別演出画像選択テーブルとに基づいて、特別演出画像を選択決定する。
本例では、特別演出画像として「てんとう虫演出」、「ちび菜演出」、「きよし演出」、「はっとり演出」、「バカボン演出」の5種類が20%ずつの均等な振分率で選択されるようになっている。しかしながら、5種類の特別演出画像が均等な振分率で選択される必要はなく、5種類の特別演出画像が異なる振分率で選択されるように構成されていてもよい。
図99(B)は演出表示装置(液晶表示装置1400)の表示パネルに表示される特別演出画像の一例であり、特別演出画像として「てんとう虫演出」の画像が表示されていることを示している。
以上に説明したように、高頻度状態において、参加型演出の実行中に、操作入力装置への操作が検出されると、参加したとみなして回数をカウントする一方、高頻度状態において、参加型演出の実行中に亘り、操作入力装置への操作が検出されないと、参加していないとみなして継続回数カウント手段がカウントした継続回数をリセットする。したがって、参加型演出が行われる都度、遊技者が継続的に参加型演出へ参加しているか否かを判定することができる。
また、高頻度状態において、継続回数カウント手段(継続回数カウンタC3)がカウントした継続回数が予め定められた規定回数(本例では5回)に達したことを条件として、演出表示装置の表示領域に特別演出画像、一例として、図99(B)の「てんとう虫演出」の画像を表示させる特別演出を実行する。そのため、遊技者が、継続して繰り返し参加型演出に参加すると、特別演出が提供されることで、その遊技機に対する興趣が低下するのを抑止することができる。また、これにより、遊技機の稼働率が低下するのを抑止することができる。
また、参加型演出が実行される頻度を高くする高頻度状態に移行させるときに、継続して参加型演出に参加すると、特別演出画像が表示される旨[図98(A)]を演出表示装置に表示させる。そのため、遊技者に参加型演出に参加する意欲をもたせることができる。また、遊技者が特別演出画像を見たさに、積極的に参加型演出に参加することが期待できる。
また、特別演出画像は、予め複数用意された演出画像のうちからランダムに選択される。そのため、遊技者が期待する特別演出画像が見られるかどうか不確定な要素があるため、特別演出画像としてどのような演出画像が見られるのか楽しませることができる。
本例では、所定時間毎に(1時間経過する毎に)参加率を算出し、参加率が低いか否かを判定し、参加型演出への参加率の低いと判定した場合、高頻度状態において、継続回数カウント手段がカウントした継続回数が予め定められた規定回数に達したことを条件として、演出表示装置の表示領域に特別演出画像を表示させる特別演出を実行する。そのため、参加率が低い状態のままとなることを所定時間毎に抑止でき、参加率が上がるように是正することができる。
また、「1時間経過する毎」に限らず、「1日」毎に参加率を算出し、参加率が低いか否かを判定し、参加型演出への参加率の低いと判定した場合、高頻度状態において、継続回数カウント手段がカウントした継続回数が予め定められた規定回数に達したことを条件として、演出表示装置の表示領域に特別演出画像を表示させる特別演出を実行する、ようにしてもよい。
この場合、「1日」毎として、例えば、電源投入時とする。参加率の算出は、参加回数カウンタC2がカウントした参加回数と、参加型演出回数カウンタC1がカウントした参加型演出回数とを継続的に累計し、累計した参加回数を累計した参加型演出回数で割ることにより、参加率を算出すればよい。そして、求めた参加率の値に応じてテーブルC(通常頻度用)とするかテーブルD(高頻度用)とするのかを選択決定する。これによると、参加率が低い状態のままとなることを1日毎に抑止できるから、例えば、月単位という長いスパンで参加率の低下を抑止でき、参加率が上がるように是正することができる。
実施形態では、操作入力装置をタッチパネル480として説明したが、これに限らず、操作入力装置は、押しボタン式の押圧操作部405を採用することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、同様の作用効果を奏することができる。