JP6277777B2 - 空調制御システム及び空調制御方法 - Google Patents

空調制御システム及び空調制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、空調制御システム及び空調制御方法に関する。
データセンタにおいては、サーバ等の複数の電子機器にジョブが分配され、各電子機器においてジョブが実行される。電子機器にはCPU(Central Processing Unit)等の発熱部品が設けられているが、大量のジョブを処理するとCPU温度も上昇し、CPUが熱暴走するおそれがある。
このようなCPU温度の上昇を防止するために、データセンタには電子機器を冷却するための空調機が設けられる。空調機にはいくつかのタイプがある。例えば、データセンタの外気をそのままデータセンタに取り込んで冷却風を生成し、その冷却風で電子機器を冷却する空調機がある。また、データセンタ内で空気を循環させつつ、熱交換器でその空気を冷却して冷却風を冷却するパッケージエアコンも空調機として使用されることがある。
いずれのタイプの空調機においても、冷却風を生成するためのファンが設けられる。データセンタの消費電力を抑制するには、そのファンの消費電力をいかにして削減するかが鍵となる。
特開2001−284868号公報 特開平5−95063号公報 特開2011−65444号公報
空調制御システム及び空調制御方法において、電子機器を冷却するファンの電力を削減することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、発熱部品を備えた電子機器と、前記電子機器に電力を供給する電源線と、前記電源線に接続され、前記電子機器の消費電力を測定する電力センサと、前記電子機器に冷却風を供給するファンと、前記ファンの回転数を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記電力センサで測定された前記消費電力から前記電子機器の消費電力の上昇率を算出し、前記上昇率が第1の閾値以上であるか否かを判断し、記上昇率が前記第1の閾値よりも小さい第1の場合に、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御し、前記上昇率が前記第1の閾値以上となる第2の場合に、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替える空調制御システムが提供される。
また、その開示の別の観点によれば、電子機器に冷却風を供給するファンの回転数を制御する制御部が、前記電子機器に電力を供給する電源線に接続された電力センサを用いて前記電子機器の消費電力を取得し、前記消費電力から前記電子機器の消費電力の上昇率を算出し、記上昇率が第1の閾値以上か否かを判断する処理と、前記上昇率が前記第1の閾値よりも小さいと判断された第1の場合に、前記制御部が、前記電子機器が備える発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御する処理と、前記上昇率が前記第1の閾値以上と判断された第2の場合に、前記制御部が、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替える処理とを有する空調制御方法が提供される。
以下の開示によれば、電子機器の消費電力の上昇率が第1の閾値以上となった場合、発熱部品の温度上昇を見越してファンの回転数を大きくするので、発熱部品の温度の上昇にファンの回転数が追従でき、発熱部品の冷却不足を抑制できる。
その結果、発熱部品の冷却不足を防止する目的でファンの回転数を常に高めておく必要がなくなり、ファンの消費電力を低減することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るデータセンタの模式上面図である。 図2は、本実施形態に係るデータセンタの模式側面図である。 図3は、本実施形態に係る空調制御システムのハードウェア構成図である。 図4は、本実施形態に係る空調制御システムの制御部の機能ブロック図である。 図5は、本実施形態に係る空調制御システムのモデル予測部の機能ブロック図である。 図6は、本実施形態に係る空調制御方法について示すフローチャートである。 図7(a)〜(c)は、比較例に係る調査結果を示すグラフである。 図8(a)〜(c)は、比較例に係る調査結果を示すグラフである。 図9は、比較例と本実施形態の各々についてファンユニットの電力量を調査して得られたグラフである。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が検討した事項について説明する。
サーバ等の電子機器に搭載されるCPUには、CPUが熱暴走を起こさないための上限温度が設定されている。理想的には、CPUを冷却するためのファンの回転数をなるべく低下させてファンの冷却能力を落とすことで、CPU温度が前述の上限温度よりもわずかに低い状態を維持し、ファンの消費電力を抑制するのが好ましい。
しかしながら、CPU温度はサーバの稼働率によって常に変動しており、CPU温度が急激に上昇する場合がある。このような場合に前述のようにファンの回転数が低下していると、CPU温度がその上限温度を超えてしまう。
これを防ぐためには、例えば、前述の上限温度よりも十分に低い温度をCPU温度の目標温度として設定し、CPU温度がその目標温度になるようにファンの回転数を増大させればよい。但し、これではファンの消費電力も増加するため、データセンタの省エネルギ化を実現することはできない。
以下に、ファンの消費電力を抑制することが可能な本実施形態について説明する。
(本実施形態)
図1は、本実施形態に係るデータセンタの模式上面図である。
なお、以下では、外気を利用してサーバ等の電子機器を冷却するモジュール型データセンタを例にして説明する。
図1に示すように、このデータセンタ1は、直方体形状のコンテナ10と、そのコンテナ10内に配置されたファンユニット12と、複数のラック13とを有する。ラック13の各々には、サーバ等の電子機器14が収容されている。
また、コンテナ10の相互に対向する二つの面のうちの一方には吸気口10aが設けられており、他方には排気口10bが設けられている。
ファンユニット12は複数のファン12aを備えており、各ファン12aが回転することにより、吸気口10aからコンテナ10内に外気が取り込まれ、その外気から冷却風Cが生成される。
冷却風Cは、各電子機器14を冷却した後、前述の排気口10bから排出される。
図2は、このデータセンタ1の模式側面図である。
なお、図2において、図1で説明したのと同じ要素には図1におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図2に示すように、冷却ユニット12とラック13との間の空間はコールドアイル22として供せられ、ラック13と排気口10bとの間の空間はホットアイル23として供せられる。
前述のコールドアイル22の上には仕切り板15が設けられている。そして、この仕切り板15と、ラック13の上面と、コンテナ10の天井面とにより流路24が画定される。
その流路24の端部には開閉自在なダンパ17が設けられる。冬季等のように外気の温度が低い場合には、そのダンパ17が開くことにより、各電子機器14から排出された暖かな冷却風Cが流路24を通ってファンユニット12の上流側に導かれ、各電子機器14の過剰冷却を防止できる。
図3は、このデータセンタ1を冷却するための空調制御システムのハードウェア構成図である。
図3に示すように、空調制御システム100には、電源線16、制御部30、目標温度設定部31、発熱温度測定部32、エアー温度測定部33、回転数設定部35、及び制御パラメータ設定部36が設けられる。
電源線16は、複数のコンセント19aを備えたテーブルタップ19に接続されており、そのテーブルタップ19から各電子機器14の電源線18に電力が分配される。
テーブルタップ19には、複数の電源線18ごとに電力センサ34が設けられている。各電力センサ34は、電源線18を流れる電流等に基づいて、電源線18が接続されている電子機器14の各々の消費電力vPを測定し、その測定結果を制御部30に伝送する。
制御部30は、ファンユニット12の各ファン12aの回転数を制御するものであり、例えば、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びPLC(Programmable Logic Controller)のいずれかである。これらに代えて、制御部30が行うプログラムを汎用コンピュータにロードすることにより、ソフトウェア的に制御部30を実現してもよい。
各電子機器14には、CPU等の発熱部品14aが設けられる。発熱温度測定部32は、発熱部品14aと同一チップ内に搭載されており、電子機器14内に設けられた不図示の通信機を介して発熱部品14aの温度を制御部30に伝送する。その伝送のプロトコルとしては例えばUDP(User Datagram Protocol)があるが、これ以外のプロトコルを用いて電子機器14と制御部30との間で通信を行ってもよい。
なお、発熱部品14aと発熱温度測定部32としてそれぞれ別々の半導体パッケージを用い、これらを密着させることで発熱部品14aの温度を測定するようにしてもよい。
また、この例では前述のようにテーブルタップ19の電力センサ34で発熱部品14aの凡その消費電力が推定できる。そのため、発熱部品14aの消費電力を測定する目的で発熱部品14aにアクセスする必要がなく、発熱部品14aがジョブを実行するのを妨げることがない。
各発熱部品14aの温度y0は、ファンユニット12で生成される冷却風Cの風量によって変動する。以下では温度y0をCPU温度y0とも呼ぶ。
この例では、目標温度設定部31においてCPU温度y0の目標温度rを定め、後述のようにCPU温度y0がその目標温度rに近づくように、ファン12aの回転数を設定する。
また、エアー温度測定部33は、電子機器14に供給される直前の冷却風Cの温度vTを測定し、その測定結果を制御部30に伝送する。
なお、エアー温度測定部33は電子機器14ごとに設けられており、前述の温度vTは電子機器14ごとに測定される。
そして、回転数設定部35は各ファン12aの最大の回転数u0を記憶する。その回転数u0については後述する。
また、制御パラメータ設定部36は、各ファン12aの回転数を制御するときに用いる各種の制御パラメータを記憶する。
図4は、制御部30の機能ブロック図である。
なお、図4において、図3で説明したのと同じ要素には図3におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
制御部30は、温度収集部41、最高温度検出部42、平均温度演算部43、電力収集部44、最大電力検出部45、モデル予測部46、及び回転数固定部47を有する。そのほかに、制御部30は、電力上昇率演算部48、継続時間演算部49、切替判定部50、切替操作部51、及び操作量記憶部52を有する。
温度収集部41は、発熱温度測定部32で測定した各発熱部品14aのCPU温度y0を収集し、それらを最高温度検出部42に出力する。
そして、最高温度検出部42は、複数のCPU温度y0のうちで最も高い温度である最高温度yrealを検出する。
一方、平均温度演算部43は、エアー温度測定部33で測定された電子機器14ごとの冷却風Cの温度vTを受け、それらの温度vTの平均温度v1を算出する。
電力収集部44は、電力センサ34で測定した各電子機器14の消費電力vPを収集し、それらを最大電力検出部45と電力上昇率演算部48とに出力する。
そして、最大電力検出部45は、複数の消費電力vPのうちで最も大きな最大電力v2を算出する。
また、モデル予測部46は、最高温度yreal、平均温度v1、及び最大電力v2に基づいて将来のCPU温度を予測することにより、CPU温度が許容範囲に収まるようなファン12aの回転数を算出する。その算出方法については後述する。
一方、回転数固定部47は、回転数設定部35に予め記憶されていた各ファン12aの最大の回転数u0に各ファン12aの回転数を固定する。
なお、本実施形態では、ある時刻においてはモデル予測部46と回転数固定部47のいずれか一方のみで各ファン12aの回転数の制御を行う。モデル予測部46と回転数固定部47のどちらを選択するかについては後述する。
そして、上記の最大の回転数u0としては、モデル予測部46の制御下にある各ファン12aの回転数よりも大きい回転数が採用される。
また、回転数固定部47によって各ファン12aの回転数の制御が行われている場合、回転数固定部47による制御の残り時間を継続時間tconと呼ぶ。
更に、電力上昇率演算部48は、複数の電子機器14の各々の消費電力vPの上昇率を計算し、そのうちで最も大きな最大電力上昇率vp_maxを特定する。なお、消費電力vPの上昇率は、消費電力vPの時間微分で定義される。その最大電力上昇率vp_maxは、後段の継続時間演算部49と切替判定部50に出力される。
継続時間演算部49は、上記の最大電力上昇率vp_maxに基づいて、前述の継続時間tconを算出する。継続時間tconの具体的な算出方法については後述する。
切替判定部50は、モデル予測部46と回転数固定部47のどちらに基づいて各ファン12aの回転数を制御するかを判定する。その判定には、前述の最大電力上昇率vp_maxや継続時間tconが用いられる。
切替操作部51は、切替判定部50の判定結果に基づいて、各冷却ファン12aの回転数の制御主体をモデル予測部46と回転数固定部47のいずれか一方に切り替える。
なお、各冷却ファン12aの回転数の制御主体がモデル予測部46の場合、切替操作部51は、各冷却ファン12aの現在の回転数uを操作量記憶部52に出力する。
図5は、前述のモデル予測部46の機能ブロック図である。
図5に示すように、モデル予測部46は、予測モデル60、補正部61、コスト関数62、及び最適化部63を有する。
これらのうち、予測モデル60は、前述の最高温度yreal、平均温度v1、最大電力v2、及び各ファン12aの回転数uに基づいて、発熱部品14aの将来の温度の予測値
Figure 0006277777
を算出する。
また、補正部61は、この予測値
Figure 0006277777
を補正することにより、この予測値が発熱部品14aの実際の温度に近づくようにする。
そして、コスト関数62は、予測値
Figure 0006277777
と目標温度rとの差分を重み付けしてなる関数であり、その形については後述する。
更に、最適化部63は、現在から将来にわたる所定の時間範囲について、後述の制約条件を満たし、かつコスト関数62の値Jを最小とする冷却ファン12aの操作量Δuを算出する。
次に、本実施形態に係る空調制御方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る空調制御方法について示すフローチャートである。
このフローチャートは、制御部30により所定の制御周期Δtで実行される。制御周期Δtは、このフローチャートを実行する周期を表す整数である。
まず、ステップS11において、複数の発熱部品14aの各々のCPU温度y0と、電子機器14ごとに測定した冷却風Cの温度vTと、電子機器14の各々の消費電力vPとを制御部30が取得する。
次いで、ステップS12に移り、最高温度検出部42が、複数のCPU温度y0のうちで最も高い温度である最高温度yrealを検出する。
また、これと共に、平均温度演算部43が前述の温度vTの平均温度v1を算出する。
更に、最大電力検出部45が、複数の消費電力vPのうちで最も大きな消費電力である最大電力v2を算出する。
次に、ステップS13に移る。
本ステップにおいては、まず、目標温度設定部31において予め定められているCPU温度y0の目標温度rをモデル予測制御部46が取得する。
また、回転数固定部47が、回転数設定部35に予め記憶されている各ファン12aの最大の回転数u0を取得する。
更に、制御部30が、制御パラメータ設定部36に記憶されている各種の制御パラメータを取得する。なお、その制御パラメータの具体的な内容については後述する。
次いで、ステップS14において、電力上昇率演算部48が、複数の電子機器14の各々の消費電力vPの上昇率を計算し、そのうちで最も大きな最大電力上昇率vp_maxを監視する。
次に、ステップS15に移り、継続時間演算部49が以下のように継続時間tcon(k)を算出する。
前述のように、継続時間tcon(k)は、回転数固定部47によって各ファン12aの回転数の制御が行われている場合における回転数固定部47による制御の残り時間であって、時点kに依存する。なお、時点kは、制御部30が図6のフローチャートを実行するのが何回目であるのかを示す整数である。
まず、次の式(1)に従い、継続時間tcon(k-1)をΔtだけ減ずる。
Figure 0006277777
Δtは、前述の制御周期であって、この例では1秒とする。
式(1)は、制御部30が図6のフローチャートを一回実行するたびに、回転数固定部47によって制御が行われる残りの時間がΔtだけ少なくなることを示す。
更に、このtcon(k-1)とは別に、次の式(2)に従ってtcon(k)を算出する。
Figure 0006277777
式(2)に示すように、本実施形態では、最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上の場合に継続時間tcon(k)を最大電力上昇率vp_maxに比例させる。第1の閾値θ1の意義については後述する。また、βrは正の比例定数である。これは、最大電力上昇率vp_maxが大きくなるほど発熱部品14aの温度も高くなるので、回転数固定部47によって各ファン12aの回転数を最大にしておく継続時間を長くすべきとの考えによる。
なお、最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1よりも小さい場合は継続時間tcon(k)を0とする。
そして、次の式(3)に従い、式(1)のtcon(k-1)と式(2)のtcon(k)のうちで大きい方をk時点の継続時間tcon(k)として採用する。
Figure 0006277777
このように二つの値tcon(k-1)、tcon(k)のうちで大きい方を採用するのは、安全性を考慮してのことであり、二つのうちで大きな方を採用しておけば電子部品14aの冷却不足が防止できるためである。
次に、ステップS16に移る。
ステップS16以降では、モデル予測部46と回転数固定部47のいずれか一方を選択して各ファン12aの制御をする。
前述のように、回転数固定部47は、各ファン12aを最大の回転数u0で回転させる。よって、各ファン12aの制御主体として回転数固定部47を選択すると、モデル予測部46を選択した場合よりも積極的に発熱部品14aを冷却できる。
そこで、この例では発熱部品14aを積極的に冷却する必要がある場合には回転数固定部47を選択し、そうでない場合にはモデル予測部46を選択する。
また、どちらを選択するかの判断材料として、前述の最大電力上昇率vp_maxと継続時間tcon(k)のいずれかを採用する。
最大電力上昇率vp_maxが急激に上昇すると将来的に発熱部品14aの温度が上昇する蓋然性が高いので、最大電力上昇率vp_maxは発熱部品14aを積極的に冷却すべきかどうかの判断材料となり得る。
また、継続時間tcon(k)は、式(2)のように最大電力上昇率vp_maxに比例するので、最大電力上昇率vp_max自身と同様に発熱部品14aを積極的に冷却すべきかどうかの判断材料となり得る。
そこで、ステップS16においては、切替判定部50が、最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上(vp_max≧θ1)か否かについてと、継続時間tcon(k)が第2の閾値θ2よりも大きい(tcon(k)>θ2)か否かについての判断をする。
各閾値θ1、θ2は、発熱部品14aを積極的に冷却しなければならない程度に最大電力上昇率vp_maxや継続時間tcon(k)が高いかどうかを判断する指標であって、実験やシミュレーションにより予め求めておけばよい。
ここで、上記の二つの条件vp_max≧θ1、tcon(k)>θ2のいずれか一方でも成立すればステップS18に移り、二つの条件の両方とも成立しない場合にはステップS17に移る。
まず、ステップS17に移った場合について説明する。
ステップS17においては、モデル予測部46が発熱部品14aの将来の温度を予測することにより、発熱部品14aの温度が許容範囲に収まるように各ファン12aの回転数を制御する。この制御は、以下のように予測モデルを用いて行われる。
その予測モデルの一般式は、次の式(4)で表される。
Figure 0006277777
式(4)の左辺の
Figure 0006277777
は、k+1時点における発熱部品14aの温度の予測値である。
また、式(4)の右辺のu(k)はk時点での冷却ファン12aの回転数であり、v1(k)はk時点における冷却風Cの平均温度である。そして、v2(k)は、k時点における各電子機器14の消費電力のうちで最も大きい最大電力である。
なお、回転数u(k)は、操作量記憶部52に記憶されているものを使用する。
本実施形態では、式(4)の一般式を次の式(5)、(6)のように具体化する。
Figure 0006277777
Figure 0006277777
但し、
Figure 0006277777
である。
式(5)、(6)におけるx(k)は、k時点における状態変数であり、n次元(nは自然数)のベクトルである。また、Aはn×nの行列、Buはn次元ベクトル、Bvはn×2次元の行列、Cはn次元ベクトルである。
なお、A、Bu、Bv、Cの各々の成分の値は、将来の発熱部品14aの温度の予測値
Figure 0006277777
を最も良く近似するように、実験データによりシステム同定により求め得る。システム同定の方法としては、例えば、予測誤差法や部分空間同定法がある。
また、発熱部品14aの温度の動的特性を表現する物理モデルの微分方程式が導出できる場合は、その微分方程式をテーラー展開して線形化することによってもA、Bu、Bv、Cの各々の成分の値を求め得る。
更に、nは、モデルの次数ndとむだ時間dtで定まり、n=nd+dtとなることが知られている。この理由については、後述の参考例において説明する。
なお、むだ時間dtは、ファン12aの回転数のむだ時間であり、ファン12aに対して回転数を指示してからファン12aがその回転数に達するまでの時間として定義される。この例では、その時間を四捨五入することによりむだ時間dtを整数値とし、例えばdt=12秒とする。
また、上記では状態空間モデルを用いたが、モデルの表現方法は、重回帰式モデルであってもよいし、マップ関数のようなデータであってもよい。
次に、補正部61が、次の式(8)に基づいて、k+1時点における発熱部品14aの温度の予測値
Figure 0006277777
を補正し、補正後の予測値y(k+1|k)を算出する。
Figure 0006277777
式(8)とこれ以降の式では、p時点の変数αをq時点の情報で算出する場合にα(p|q)と書く。
式(8)の右辺第1項の
Figure 0006277777
は、補正前の発熱部品14aの温度のk+1時点での予測値である。
そして、式(8)の右辺第2項は補正項である。その補正項において、yreal(k)はk時点での発熱部品14aの実際の最高温度であって、ステップS12で取得した値である。そして、その補正項におけるy(k|k-1)はk時点での発熱部品14aの温度の予測値である。k時点においては実際の値がyreal(k)−y(k|k-1)だけ予測値から乖離していたので、yreal(k)−y(k|k-1)を式(8)の右辺に加えることで、k+1時点において予測値が実際の値から乖離するのを防止できる。
ここで、将来区間pを導入する。将来区間pとは、現在から発熱部品14aの温度を予測する将来までの時間を表す整数である。以下では将来区間pを例えば100とする。
そして、ファン12aの回転数の変化量Δuを次の式(9)で定義する。
Figure 0006277777
式(9)において、iは、将来区間pをp個に等分するインデックスである。
式(9)から理解されるように、変化量Δu(k+i|k)は、k+i時点におけるファン12aの回転数u(k+i|k)と、k+iよりも一つ前のk+i-1時点におけるファン12aの回転数u(k+i-1|k)で定義される。
また、式(9)における各回転数u(k)としては、操作量記憶部52に記憶されているものを使用し得る。
なお、ファン12aの回転数は制御部30が操作するものであるため、以下では変化量Δuのことを操作量Δuと呼ぶ場合もある。
式(9)のインデックスiを用いると、前述の式(5)、(6)、(8)は、それぞれ次の式(10)〜(12)のように表現できる。
Figure 0006277777
Figure 0006277777
Figure 0006277777
次に、各パラメータの許容範囲を以下のように定義する。
Figure 0006277777
Figure 0006277777
Figure 0006277777
式(13)は、発熱部品14aの最高温度yの許容範囲を定めたものであって、yminはその許容範囲の下限温度を示し、ymaxはその上限温度を示す。これらの値は特に限定されないが、上限温度ymaxとしては発熱部品14aが熱暴走を起こさない80℃程度の温度を採用し得る。また、下限温度yminは例えば20℃である。
式(14)は、ファン12aの操作量Δuの許容範囲を定めたものである。その許容範囲の最小値Δuminと最大値Δumaxは、一回の操作でファン12aの回転数を変化させ得る限界値である。
そして、式(15)は、ファン12aの回転数uそのものの許容範囲を定めたものであり、uminはその許容範囲の下限値を示し、umaxはその上限値を示す。
各パラメータy、Δu、uは、それぞれ式(13)〜(15)の制約条件を受けることになる。
また、上記の制約条件の他に、本実施形態では操作量Δuに対して更に次の式(16)の制約条件を課す。
Figure 0006277777
式(16)は、k+m時点以降において操作量Δuが0になることを示す。これは、将来区間の終点において初めて操作量Δuが0になるのではなく、終点に向かって徐々に操作量Δuを0に近づけていくべきとの考えによる。
また、mの値は特に限定されないが、この例ではmは1とする。
次に、最適化部63が、次の式(17)で表されるコスト関数62を呼び出す。
Figure 0006277777
式(17)において、Q、RΔu、Ruは重みを示すスカラである。式(17)の右辺第一項は、制御対象である発熱部品14aの温度yを前述の目標温度rに近づける操作であり、Qはその操作の重み、すなわち目標値追従パラメータである。
式(17)の右辺第二項は、操作量uの変化量Δuを0に近づける操作であり、RΔuはその操作の重み、すなわち操作量低減パラメータである。RΔuが小さいと操作量Δuは大きく、RΔuが大きいと操作量Δuは小さくなる。
式(17)の右辺第三項は、回転数uを目標の回転数utargetに近づける操作である。目標の回転数utargetが小さいほどファン12aの消費電力を抑制できるので、本実施形態ではutargetを0とする。Ruは回転数を目標の回転数utargetに近づける操作の重み、すなわち操作量変動幅パラメータである。
これらの制御パラメータQ、RΔu、Ruは、前述の制御パラメータ設定部36に格納されており、最高温度検出部42を介してモデル予測部46が取得する。
そして、最適化部63が、次の式(18)に基づいて、このコスト関数63の値Jを最小にする操作量Δuの入力列を算出する。
Figure 0006277777
次に、式(18)で求まった最適入力列
Figure 0006277777
の先頭要素Δuopt(k|k)を最適化部63が抽出する。
更に、最適化部63は、k時点におけるファン12aの回転数u(k)を次の式(19)から算出する。
Figure 0006277777
コスト関数62を最小にする最適化ソルバーは、遺伝的アルゴリズム(GA: Genetic Algorithm)や粒子群最適化(PSO: Particle Swarm Optimization:)等の近似解を探索するメタヒューリスティックな数値解法を用いることもできる。但し、この例では2次計画問題を解くための逐次2次計画法(SQP: Sequential Quadratic Programming)を用いた。
以上でステップS17を終了する。
この後は、ステップS19に移り、制御部30がファン12aの回転数を制御するための制御信号を生成し、各ファン12aの回転数を式(19)のu(k)にする。
次に、ステップS16からステップS18に移った場合について説明する。
ステップS18においては、回転数固定部47の制御下において、回転数設定部35に記憶されている最大の回転数u0で各ファン12aを回転させる。
最大の回転数u0は、ステップS17でモデル予測部46の制御下にある各ファン12aの回転数よりも大きければ特に限定されず、シミュレーションや実機を用いた実験で任意に設定し得る。
その実験では、例えば、予め冷却風Cの温度vTを電子機器14の仕様で許容できる最高温度にしておく。そして、各ファン12aの風量を、各ファン12aで送風できる最大風量にしておく。この状態で、CPUの最高温度yをモニタリングしながら、少しずつファン12aの回転数を下げていく。そして、最高温度yが前述の上限値ymaxを超えない最大の回転数を見つけ、その回転数を最大の回転数u0とし得る。
なお、このようにステップS18を実行し続けると継続時間tcon(k)が徐々に少なくなっていくので、図6のフローチャートを繰り返し実行していくうちにステップS16において条件式tcon(k)>θ2がいずれ不成立となり、再びステップS17が行われる。最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上となってステップS18が開始された後、このようにステップS17が再び行われるまでの時間を所定の時間Tと呼ぶ。
これによれば、最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上となってステップS18が開始された後、所定の時間Tが経過するまではステップS18が継続して実行され、ファン12aの回転数が最大の回転数u0となる。
そして、上記の所定の時間Tが経過したときは、再びステップS17が行われることになる。
なお、継続時間tcon(k)が長いほど、回転数固定部47がファン12aの回転数を制御している時間が長くなるので、上記の所定の時間Tも長くなる。式(2)のように本実施形態では継続時間tcon(k)を最大電力上昇率vp_maxに比例させたので、結局、所定の時間Tは、最大電力上昇率vp_maxに応じて長く設定されることになる。
また、ステップS16でvp_max≧θ1が成立するか否かを判定するときに使用する最大電力上昇率vp_maxは、直前のステップS14で取得する。よって、所定の時間Tの設定に使用する最大電力上昇率vp_maxは、当該最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上となるときの最大電力上昇率vp_maxの値となる。
この後は、前述のステップS19に移り、制御部30がファン12aの回転数を制御するための制御信号を生成し、各ファン12aの回転数を最大の回転数u0に固定する。
なお、このように回転数を固定せずに、最大の回転数u0よりも大きな回転数で各ファン12aを回転させてもよい。
以上により、本実施形態に係る空調制御方法の基本ステップを終了する。
上記した本実施形態によれば、ステップS16で最大電力上昇率vp_maxが第1の閾値θ1以上(vp_max≧θ1)と判定されたときに、ステップS18〜S19において最大の回転数u0にファン12aの回転数を固定する。
電子機器14の消費電力が増大すると将来的に発熱部品14aの温度が上昇する可能性が高くなる。よって、このように電力の上昇率を判断基準にすることで、発熱部品14aの温度が実際に上昇するのを待たずにファン12aの回転数を最大の回転数u0にすることができ、最大の回転数u0に固定するタイミングが発熱部品14aの温度上昇に遅れるのを防止できる。
この効果を確かめるために、本願発明者は次のような調査を行った。
この調査では、比較例と本実施形態の各々について、複数のCPU温度のうちの最高温度yが時間と共にどのように変化するかが調べられた。
比較例の調査結果を図7(a)に示す。
この比較例では、図4の回転数固定部47を設けずに、常にモデル予測部46でファン12aの回転数の制御を行った。なお、CPUの目標温度rは89℃に設定した。
また、図7(b)はファン12aの回転数uの時間変化を示すグラフであり、図7(c)は最大電力v2の時間変化を示すグラフである。
図7(a)の点線円Aに示すように、比較例においては、発熱部品14aの使用率が上昇して最大電力v2が急激に増加したときに、最高温度yが目標温度rを超えるオーバーシュートが発生している。
オーバーシュートが発生しても最高温度yが目標温度rを超えないようにするには、目標温度rを89℃よりも低く設定する必要がある。例えば、この例ではオーバーシュート時の温度上昇が10℃程度なので、目標温度rを89℃よりも10℃低い79℃程度にしなければならない。
しかし、このように目標温度rを低くすると、最高温度yが目標温度rを超えないようにするためにファン12aの回転数を常に高めておく必要があり、ファン12aの消費電力が増加してしまう。
一方、図8(a)〜(c)は、これと同じ調査を本実施形態に対して行って得られたグラフである。
これらのグラフのうち、図8(a)は、CPU温度のうちの最高温度yの時間変化を示すグラフである。
そして、図8(b)はファン12aの回転数uの時間変化を示すグラフであり、図8(c)は最大電力v2の時間変化を示すグラフである。
図8(a)の点線円Bに示すように、本実施形態では最大電力v2が急激に増加しても、最高温度yはほぼ目標温度r以下に保たれており、比較例のような顕著なオーバーシュートは発生していない。
これは、最大電力v2が急激に上昇した1000秒の時点において、ファン12aの制御主体がモデル予測部46から回転数固定部47に切り替わり、その回転数固定部47の制御下でファン12aが最大の回転数u0で回転したためと考えられる。
このようにオーバーシュートが殆ど発生しないため、本実施形態ではオーバーシュートを見越して目標温度rを低く設定する必要がなく、比較例よりもファン12aの消費電力を抑制することが可能となる。
図9は、図7及び図8の比較例と本実施形態の各々について、ファンユニット12の電力量を調査して得られたグラフである。
比較例では前述のように目標温度rを79℃としている。一方、本実施形態の目標温度rは89℃である。
図9に示すように、本実施形態においては、ファンユニット12の電力量が比較例のそれよりも約52%も削減できる。これは、前述のように本実施形態では目標温度rを低くする必要がないので、各ファン12aの回転数を高める必要がないからである。
図7〜図9の結果により、本実施形態のように最大電力上昇率vp_maxを判断基準にしてファン12aの回転数を最大の回転数u0にするか否かを判断することが、ファン12aの消費電力を低減するのに有効であることが確認できた。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態は上記に限定されない。
例えば、図1では外気から冷却風Cを生成するタイプのモジュール型データセンタ1を例示したが、そのモジュール型データセンタ1に気化式冷却装置を設け、冷却風Cの温度や湿度をその気化式冷却装置で調節するようにしてもよい。
更に、モジュール型データセンタに代えて、パッケージエアコンで冷却風Cを生成するタイプのデータセンタに本実施形態を適用することにより、パッケージエアコンのファンの回転数を制御してもよい。
また、データセンタの空調に代えて、発熱部を多く含む施設の空調に本実施形態を適用してもよい。
(参考例)
上記した本実施形態のステップS17においては、状態変数x(k)の次元n、モデルの次数nd、及びむだ時間dtが、n=nd+dtなる関係を満たすことを説明した。以下に、その理由について説明する。
まず、次の式(20)のような離散時間の1入力1出力、モデル次数1の状態空間モデルを考える。
Figure 0006277777
ここで、入力uのむだ時間が1秒、kの周期が1秒であるとき、次の式(21)のように入力uの値を状態変数の2つ目の要素に記憶し、次の周期に1行目にシフトするように表現できる。
Figure 0006277777
式(21)の例では、状態変数の次数は、モデルの次数1とむだ時間を考慮するための1を足し合わせた2となる。
また、入力uのむだ時間が2秒のときは、上記と同様に、次の式(22)のように、状態変数の2つ目の要素、3つ目の要素、及び入力uの値をシフトさせて表現できる。
Figure 0006277777
式(22)の例では、状態変数の次数は、モデルの次数1とむだ時間を考慮するための2を足し合わせた3となる。
入力uのむだ時間が3秒であるときは、上記と同様に、次の式(23)のように、状態変数の2つ目の要素、3つ目の要素、4つ目の要素、及び入力uの値をシフトさせて表現できる。
Figure 0006277777
式(23)の例では、状態変数の次数は、モデルの次数1とむだ時間を考慮するための3を足し合わせた4となる。
次に、以下の式(24)のような離散時間の1入力1出力、モデル次数2の状態空間モデルを考える。
Figure 0006277777
ここで、入力uのむだ時間が1秒、kの周期が1秒であるとき、次の式(25)のように入力uの値を状態変数の3つ目の要素に記憶し、次の周期に1行目と2行目にシフトするように表現できる。
Figure 0006277777
よって、状態変数の次数は、モデルの次数2とむだ時間を考慮するための次数1を足し合わせた3となる.
また、入力uのむだ時間が2秒でkの周期が1秒のときは、次の式(26)のように入力uの値を状態変数の3つ目の要素に記憶し、更に次の周期に4つ目の要素に記憶し、次に1行目と2行目にシフトするように表現できる。
Figure 0006277777
式(26)の例では、状態変数の次数は、モデルの次数2とむだ時間を考慮するための次数2を足し合わせた4となる。
以上のように、n=nd+dtなる関係が満たされる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 発熱部品を備えた電子機器と、
前記電子機器に冷却風を供給するファンと、
前記ファンの回転数を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記電子機器の消費電力の上昇率が第1の閾値よりも小さい第1の場合に、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御し、
前記上昇率が前記第1の閾値以上となる第2の場合に、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替えることを特徴とする空調制御システム。
(付記2) 前記制御部は、
前記上昇率が前記第1の閾値以上となってから所定の時間が経過するまで、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数を制御し、
前記所定の時間が経過したとき、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の温度が前記許容範囲に収まるように前記ファンの回転数の制御を切り替えることを特徴とする付記1に記載の空調制御システム。
(付記3) 前記所定の時間は、前記上昇率が前記第1の閾値以上となるときの該上昇率に応じて長く設定されることを特徴とする付記2に記載の空調制御システム。
(付記4) 前記電子機器に電力を供給する電源線と、
前記電源線に接続され、前記消費電力を測定する電力センサとを更に有し、
前記制御部は、前記電力センサで測定された前記消費電力から前記上昇率を算出することを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の空調制御システム。
(付記5) 前記電子機器が複数設けられ、
前記制御部は、前記電子機器の前記消費電力として、複数の前記電子機器の消費電力のうちで最も大きな最大電力を採用することを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の空調制御システム。
(付記6) 前記発熱部品の温度と、前記電子機器に入る直前の前記冷却風の温度と、前記電子機器の電力とに基づいて、前記発熱部品の前記将来の温度を予測する予測部を更に有することを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の空調制御システム。
(付記7) 前記第1の場合におけるよりも大きな前記回転数に前記ファンの前記回転数を固定する回転数固定部を更に有することを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の空調制御システム。
(付記8) 電子機器に冷却風を供給するファンの回転数を制御する制御部が、前記電子機器の消費電力の上昇率が第1の閾値以上か否かを判断する処理と、
前記上昇率が前記第1の閾値よりも小さいと判断された第1の場合に、前記制御部が、前記電子機器が備える発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御する処理と、
前記上昇率が前記第1の閾値以上と判断された第2の場合に、前記制御部が、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替える処理と、
を有することを特徴とする空調制御方法。
(付記9)前記制御部が、前記上昇率が前記第1の閾値以上となってから所定の時間が経過するまで、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数を制御する処理と、
前記所定の時間が経過したとき、前記制御部が、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の温度が前記許容範囲に収まるように前記ファンの回転数の制御を切り替える処理とを更に有することを特徴とする付記8に記載の空調制御方法。
(付記10) 前記消費電力の前記上昇率が第1の閾値よりも小さいか否かを判断する処理において、
前記電子機器に電力を供給する電源線に接続された電力センサを用いて前記消費電力を取得し、該消費電力から前記上昇率を算出することを特徴とする付記8又は付記9に記載の空調制御方法。
1…データセンタ、10…コンテナ、10a…吸気口、10b…排気口、12…ファンユニット、12a…ファン、13…ラック、14…電子機器、14a…発熱部品、15…仕切り板、16、18…電源線、17…ダンパ、19…テーブルタップ、19a…コンセント、22…コールドアイル、23…ホットアイル、24…流路、30…制御部、31…目標温度設定部、32…発熱温度測定部、33…エアー温度測定部、34…電力センサ、35…回転数設定部、36…制御パラメータ設定部、41…温度収集部、42…最高温度検出部、43…平均温度演算部、44…電力収集部、45…最大電力検出部、46…モデル予測部、47…回転数固定部、48…電力上昇率演算部、49…継続時間演算部、50…切替判定部、51…切替操作部、52…操作量記憶部、60…予測モデル、61…補正部、62…コスト関数、63…最適化部。

Claims (4)

  1. 発熱部品を備えた電子機器と、
    前記電子機器に電力を供給する電源線と、
    前記電源線に接続され、前記電子機器の消費電力を測定する電力センサと、
    前記電子機器に冷却風を供給するファンと、
    前記ファンの回転数を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、
    前記電力センサで測定された前記消費電力から前記電子機器の消費電力の上昇率を算出し、
    前記上昇率が第1の閾値以上であるか否かを判断し、
    記上昇率が前記第1の閾値よりも小さい第1の場合に、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御し、
    前記上昇率が前記第1の閾値以上となる第2の場合に、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替えることを特徴とする空調制御システム。
  2. 前記制御部は、
    前記上昇率が前記第1の閾値以上となってから所定の時間が経過するまで、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数を制御し、
    前記所定の時間が経過したとき、前記発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の温度が前記許容範囲に収まるように前記ファンの回転数の制御を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記所定の時間は、前記上昇率が前記第1の閾値以上となるときの該上昇率に応じて長く設定されることを特徴とする請求項2に記載の空調制御システム。
  4. 電子機器に冷却風を供給するファンの回転数を制御する制御部が、前記電子機器に電力を供給する電源線に接続された電力センサを用いて前記電子機器の消費電力を取得し、前記消費電力から前記電子機器の消費電力の上昇率を算出し、記上昇率が第1の閾値以上か否かを判断する処理と、
    前記上昇率が前記第1の閾値よりも小さいと判断された第1の場合に、前記制御部が、前記電子機器が備える発熱部品の将来の温度を予測することにより、前記発熱部品の前記温度が許容範囲に収まるように前記ファンの回転数を制御する処理と、
    前記上昇率が前記第1の閾値以上と判断された第2の場合に、前記制御部が、前記第1の場合におけるよりも大きな回転数となるように前記ファンの回転数の制御を切り替える処理と、
    を有することを特徴とする空調制御方法。
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