JP6275869B2 - 関節リウマチの診断のための組成物及び方法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2014年7月23日に出願された米国特許出願第62/028,270号への優先権の利益を主張する。
(分野)
本開示は、分子生物学の分野に、より具体的には、関節リウマチ(RA)患者の血清中の抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体を検出するための方法に関する。
(背景)
関節リウマチ(RA)は、主として滑膜性連結部を攻撃する自己免疫疾患である。最近の研究によって、RA患者集団が不均質であること、また、ある種の自己抗体をバイオマーカーとして使用して、RA患者のサブグループを分類し、また様々な患者サブグループについての疾患進行の様々な経過を予測することができることが示されている。
シトルリン化タンパク質(ACPA)に対する自己抗体は、RAにおける確立されたバイオマーカーであり、例えば、2010年の米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)/欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism)のRAに関する基準において挙げられている(例えば、Aletaha D.らの文献、2010年、「関節リウマチ分類基準:米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会共同戦略(Rheumatoid classification criteria:an American College of Rheumatology/European League Against Rheumatism collaborative initiative)」Ann.Rheum.Dis.2010,69,1580-1588を参照のこと)。ACPAを形成しているRA患者は、一般に、ACPAを形成していないRA患者よりも、より深刻な疾患経過を経験し、薬物無しの寛解が見られる機会がより少なく、異なる類の環境的及び遺伝的危険因子にさらされる。
近年、RAに対する第2のクラスの自己抗体バイオマーカーが、ACPAによって提供される診断及び予後情報を補完することが発見されている。より深刻な疾患経過を、カルバミル化タンパク質(抗CarP抗体)に対する自己抗体の検出に基づいて、ACPA陰性のRA患者において予測できることが、研究によって示されている。抗CarP抗体の存在は、RAの、より放射線医学的な進行と、また、非炎症性の関節の痛み(関節痛)の、臨床的に明らかにされたRA(これは、最終的には慢性の全身性炎症性疾患をもたらす可能性がある)への変換と関連している。
抗CarP抗体は、RAの臨床症状の発症の何年も前に、血清試料中で検出することができる。抗CarP抗体の早期検出によって、RAのリスクがある候補又は早期RA患者が、RAの発症を緩和、遅延、又は回避するための予防的措置を取ることが可能になる。しかし、RAにおける診断及び予後バイオマーカーとしての抗CarP抗体のさらなる開発は、既存の抗CarP抗体アッセイの限界によって妨げられる。
したがって、抗CarP抗体を検出するための新規方法の必要性が存在する。本開示は、抗CarP抗体アッセイの開発のための新規の組成物及び方法を提供し、かつ、関連する利点も提供することによって、この必要性に対処する。
(概要)
本開示は、関節リウマチの診断及び予後のための組成物及び方法を提供する。
一態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたヒトα1アンチトリプシン(hA1AT)又はその断片を含めた、精製ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、cDNAによってコードされた、精製された組換えポリペプチドである。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、血液、血清、血漿、尿、又は滑液から精製された、hA1AT又はその断片である。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号:1のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号:1との70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性を有する。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号:1の8以上の連続アミノ酸の断片を含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号:1との80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ8以上の連続アミノ酸の断片を含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号:3〜32のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片は、配列番号:33〜203のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。いくつかの実施態様では、複数の精製ポリペプチド中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超の精製ポリペプチドの、hA1AT又はその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、それぞれが独立にカルバミル化状態又は非カルバミル化状態であり得る、1以上の抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体結合部位を含み、ここでは、ヒト関節リウマチ(RA)患者からの抗CarP抗体は、カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位と結合して、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体を形成するが、非カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位とは結合しない。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、複数の抗CarP抗体である。
いくつかの実施態様では、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超の抗CarP抗体結合部位が、カルバミル化状態である。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。いくつかの実施態様では、複数の精製ポリペプチド中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超の精製ポリペプチドにおける、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超の抗CarP抗体結合部位が、カルバミル化状態である。
別の態様では、本開示は、本開示の精製ポリペプチドと1以上の抗CarP抗体とを含む複合体を提供する。いくつかの実施態様では、該複合体は、溶液中である。いくつかの実施態様では、該複合体は、ある表面上に固定される。
別の態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドを調製するための方法であって、(a)該hA1AT又はその断片を含むポリペプチドを精製することと、(b)該hA1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化することとを含む前記方法を提供する。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片を含むポリペプチドが精製された後に、このhA1AT又はその断片がインビトロでカルバミル化される。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片がインビトロでカルバミル化された後に、このインビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含むポリペプチドが精製される。
別の態様では、本開示は、対象における抗CarP抗体を検出するための方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該試料の抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと;b)前記抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することとを含む前記方法を提供する。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在は、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、蛍光免疫吸着分析法(FIA)、化学発光免疫測定法(CIA)、放射免疫測定法(RIA)、酵素増幅免疫測定法、固相放射免疫測定法(SPROA)、蛍光偏光(FP)分析法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)分析法、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)分析法、表面プラズモン共鳴(SPR)分析法、又はドットブロット分析法などの分析によって検出される。
いくつかの実施態様では、対象は、RAに罹患している疑いがある。
いくつかの実施態様では、対象は、抗シトルリン化タンパク質抗体について陰性(ACPA-)である。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、試料中の抗CarP抗体のレベルを確認することを含む。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、対象からの試料中の抗CarP抗体のレベルを、健康な対照個人からの試料中の抗CarP抗体の対照レベルと比較することを含む。ここでは、試料中の抗CarP-抗体レベルの、対照レベルに対する増大は、該対象がRAに罹患していることを示す。
別の態様では、本開示は、抗CarP抗体を検出するための、又はRAを診断する、観察する、又は予測するための、又は対象におけるRA治療の有効性を判定するためのキットであって、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと、補助試薬とを含む前記キットを提供する。
いくつかの実施態様では、キットは、このキットが、RA若しくはRAサブタイプの診断、予後、又は観察のために使用されることを示すラベルを備える包装を含む。いくつかの実施態様では、ラベルは、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(FDA)によって、又は欧州医薬品庁(European Medicines Agency)(EMA)によって承認されている。いくつかの実施態様では、キットは、体外診断用(In Vitro Diagnostic)(IVD)コンパニオン診断機器としての使用のためにラベル付けされる。
別の態様では、本開示は、RAに罹患している疑いがある対象におけるRAを診断する方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該試料の抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと、b)前記抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することを含む前記方法を提供する。ここでは、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、該対象がRAに罹患していることを示す。
別の態様では、本開示は、ヒト対象における関節リウマチ(RA)の予後を判定する方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該試料の抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと、b)前記抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することを含む前記方法を提供する。ここでは、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、ヒト対象におけるRA進行の経過を予測する。
いくつかの実施態様では、ヒト対象は、RAを発症するリスクがある疑いがある無症候の対象である。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも、患者がRAを発症するリスクが高いことを示す。
いくつかの実施態様では、ヒト対象は、RAの臨床症状を有するRA患者である。いくつかの実施態様では、試料中の抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも深刻な、RA疾患進行の臨床経過を予測する。
いくつかの実施態様では、対象は、関節痛患者である。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、関節痛患者が抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在の決定から5年以内にRAを発症するリスクが、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも約10〜20%高いことを示す。
いくつかの実施態様では、試料は、ACPAについて陰性である。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、試料中の抗CarP抗体のレベルを決定することを含む。
いくつかの実施態様では、試料中の、より高いレベルの抗CarP抗体は、無症候の対象がRAを発症するリスクが、より低いレベルの抗CarP抗体よりも高いことを示す。
いくつかの実施態様では、試料中の、より高いレベルの抗CarP抗体は、RA患者における、より低いレベルの抗CarP抗体よりも深刻な、将来の疾患進行の経過を予測する。
別の態様では、本開示は、RA患者におけるRA治療の有効性を観察する方法であって、a)RA治療の過程を通して最初の時点とその後の時点で患者から得られた2以上の試料を、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該2以上の試料からの抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと;b)2以上の試料のそれぞれについて、抗CarP抗体のレベルを決定することと、c)2以上の試料間の抗CarP抗体のレベルを比較することとを含む前記方法を提供する。ここでは、最初の時点で得られた抗CarP抗体のレベルに対する、その後の時点で得られた1以上の試料における抗CarP抗体のレベルの低下は、そのRA治療が効果的であることを示す。
いくつかの実施態様では、その後の時点で得られた試料中の抗CarP抗体のレベルは、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超、低下する。
(図面の簡単な説明)
図1は、翻訳後タンパク質修飾としてのカルバミル化を例示する模式図を示す。
図2は、イオン交換HPLC(MonoQ)によって分離されたカルバミル化ウシ胎児血清(Car-FCS)の分取(fractional)ELISA分析を例示するグラフを示す。図2Aは、相対的タンパク質含有量(透明丸)、抗CarPヒトIgG 抗体との反応性(塗りつぶし四角)、及び正常な血清との反応性(PMDx、透明ひし形)に関して、HPLC分画を比較する。図2Bは、CarP+/ACPA- RA患者(BVx0038:透明丸;BVx0077:透明三角)、CarP-/ACPA+ RA患者(BVx0032:透明ひし形;BVx0008:二重×印)、及び正常対照(Neg(PMDx 1193);Neg(PMDx 1196);×印)からの血清試料との反応性に関して、選択されたHPLC分画を比較する。
図3は、A1ATの、HPLC-分画1G4中の主要なカルバミル化タンパク質としての特定を例示する。図3Aは、SDS-PAGEゲル上の1G4 HPLC-分画からの試料の分析を例示する。タンパク質バンド3及び4を切り出して、キモトリプシン消化にかけた。図3B及び3Cは、タンパク質バンド3及び4の質量分析(MS)分析の結果を例示する。A1AT断片は、>95%の確率スコアを用いて特定した。図3Bは、タンパク質中のカルバミル化リジン残基の存在とは無関係な、タンパク質バンド3及び4中の特定されたタンパク質のリストを示す。図3Cは、カルバミル化リジン残基を含有していたタンパク質バンド3及び4中のタンパク質のリストを示す。
図4は、インビトロでカルバミル化された又はカルバミル化されていないウシ胎児血清(Ca-FCS)及びインビトロでカルバミル化された又はカルバミル化されていないヒトA1AT(Ca-A1AT)を使用する、ヒトRA患者からの血清試料中の抗CarP抗体の検出を例示する。比色ELISAの相対的吸光度シグナルを、各患者試料、及び各カルバミル化又は非カルバミル化抗原についてプロットする。図4は、ヒトRA患者からの血清試料中の抗CarP抗体の抗原認識が、カルバミル化-特異的であることを例示する。
図5は、インビトロでカルバミル化されたウシ胎児血清(Ca-FCS)又はインビトロでカルバミル化されたヒトA1AT(Ca-A1AT)を使用する、ヒトRA患者からの血清試料中の抗CarP抗体の検出を例示する。例示的なCa-FCS ELISA分析の結果を、対応する例示的なA1AT分析の結果に対してプロットした。図5は、抗CarP抗体の抗Ca-FCS免疫反応性が、Ca-A1ATに対するその活性と相関することを例示する。
図6は、RA患者と健康な対照との区別における、インビトロでカルバミル化されたウシ胎児血清(Ca-FCS)及びインビトロでカルバミル化されたヒトA1AT(Ca-A1AT)の比較の例を示す。図6Aは、受信者動作特性(ROC)の比較分析の結果を示す(x軸:真陰性率;y軸:真陽性率;Ca-FCS:閉じた四角;CA-A1AT:開いたひし形)。図6Bは、98.8%の固定の特異性での、Ca-FCS及びCa-A1AT分析感度の比較を示す(TP:真陽性;TN:真陰性)。図6Cは、それぞれにCa-FCS及びCA-A1AT分析に対する、陽性尤度比と陰性尤度比(LR(+)、LR(-))とオッズ比(OR)の比較を示す。
(詳細な説明)
カルバミル化タンパク質に対する自己抗体(抗CarP抗体)は、RAにおける診断及び予後バイオマーカーである。抗CarP抗体バイオマーカーのさらなる研究及び開発を容易にするために、高感度かつ堅牢な抗CarP抗体検出アッセイが必要とされる。究極的には、抗CarP抗体の最大限の臨床的有用性を発揮させるために、臨床的診断及び予後分析のための厳密な規制要件を満たすことができる抗CarP抗体アッセイが必要とされる。こうした高性能分析を開発するために、再現性よく生成することができ、かつ、分析によって特徴付け及び定義することができる分析成分が必要とされる。
ヒトRA患者の血清試料中の抗CarP抗体の検出のための現在のアッセイは、捕捉試薬としてのカルバミル化ウシ胎児血清(Car-FCS)の使用を含む。ウシ胎児血清(FCS)及びCar-FCSは、再現性のある方式で製造することが困難であり、かつ、ヒト血清試料中の抗CarP抗体及び他の免疫グロブリンと非特異的に相互作用することができる数多くのタンパク質及び非タンパク質成分を含有する、複合的な生物学的試薬である。Car-FCSに基づく抗CarP抗体アッセイにおいて観察される非特異的バックグラウンドシグナルは、比較的高く、使用されるFCSのバッチに依存して変動し得る。
本開示は、抗CarP抗体アッセイの感度、精度、再現性、及び堅牢性を改善するためには、また、分析試薬及び臨床試験キットの生成における厳密な品質管理及び高度のバッチ間再現性を容易にするためには、精製された抗CarP抗体捕捉試薬に基づく新規の組成物及び方法が必要とされるという理解に、ある程度基づいている。
本開示は、さらに、カルバミル化ウシ(α)1-アンチトリプシンが、ヒトRA患者の血清試料中に見られる抗CarP抗体によって認識される、FCSにおける卓越した抗原であるという発見に、ある程度基づいている。例えば、実施例1及び2、図1〜4を参照のこと。
本開示は、RA患者の疾患の診断及び予後評価のための新規の手段を提供することによって、RA患者に利益を与える。特に、ACPA-陰性のRA患者は、本開示の組成物及び方法から恩恵を受けるであろう。ACPA-陰性のRA患者における抗CarP抗体の検出は、臨床的に明らかにされたRAの発症及び、より深刻な疾患進行を予測することが示された。本開示の組成物及び方法は、RAの早期検出を容易にすることができ、それによって、RAのリスクがある候補又は早期RA患者が、RAのさらなる進行の予防、遅延、又は緩和するための予防的措置を取ることが可能になる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈によってそうではないと明らかに決定付けられない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」には、複数の指示物が含まれることに留意しなければならない。したがって、例えば、「精製ポリペプチド(単数形)」に対する指示物には、2以上の精製ポリペプチドなどの混合物が含まれる。
用語「約」は、特に所与の量に関して、±5%の偏差を包含することを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「挙げられる(include)」、「〜を含めて(including)」、「含む(comprise)」、「含むこと(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有すること(containing)」、及びこれらの任意の変化形は、非排他的包含をカバーすることを意図し、その結果、要素又は要素のリストを挙げる、含む、又は含有するプロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、又は組成物は、これらの要素のみを含むわけではなく、明確に列挙されていない、又はこうしたプロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、又は組成物に固有である、他の要素を含むことができる。
本明細書で使用する場合、用語「カルバミル化」は、アミンのカルバミド(尿素)への変換を意味するものとする。カルバミル化は、例えば、化学反応又は酵素反応として起こり得る。化学反応によるカルバミル化としては、限定はされないが、アミンと、イソシアン酸(HNCO)、有機化合物のシアネート([NCO]-)、チオシアネート、又はイソシアネート基との反応が挙げられる。いくつかの実施態様では、カルバミル化には、アミンとシアネートとの反応が含まれる。いくつかの実施態様では、カルバミル化には、アミンとシアン酸カリウムとの反応が含まれる。酵素によるカルバミル化は、例えば、ペルオキシダーゼ又はカルバモイル-トランスフェラーゼによって触媒され得る。いくつかの実施態様では、酵素によるカルバミル化は、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)によって触媒される。いくつかの実施態様では、カルバミル化は、リジン-カルバモイル-トランスフェラーゼによって触媒される。
カルバミル化は、生体分子(例えば、ポリペプチド、ペプチド、脂質、炭水化物、又は核酸)の、また、人工の分子、例えばプラスチック又はポリマーなどのカルバミル化を含む。
いくつかの実施態様では、カルバミル化は、例えばペプチド又はポリペプチド中の、リジン残基のホモシトルリン残基への変換を含む。リジン残基は、例えば、ホモシトルリン(K(Car)とも呼ばれる)を形成するためにリジン側鎖のε-アミノ基を化学的又は酵素的に修飾することによって、ホモシトルリンに変換することができる。例えば、図1Bを参照のこと。いくつかの実施態様では、カルバミル化は、例えば、ペプチド又はポリペプチド合成中にリジン残基の代わりにホモシトルリン残基を組み込むことによる、ペプチド又はポリペプチド中のリジン残基の、ホモシトルリン残基による置き換えを含む。
カルバミル化は、インビトロ又はインビボで実施することができる。例えば、インビトロでのカルバミル化は、精製された生体分子(例えば、ペプチド又はポリペプチド)の化学的若しくは酵素的修飾又は化学的若しくは生化学的合成(例えば、ペプチド合成、インビトロ翻訳)、或いは、ウシ胎児血清(FCS)、ヒト血清などの複合的な生物学的試料の化学的若しくは酵素的修飾を含むことができる。インビボでのカルバミル化は、例えば、カルバミル化反応を触媒するリジン-カルバモイルトランスフェラーゼ又は他の酵素をコードするcDNAを含有する組み換え細胞(例えば、HEK、CHO、又はSf9細胞;E.coli細胞;酵母細胞、その他)における、生体分子の酵素的修飾を含むことができる。
ペプチド又はポリペプチドなどのカルバミル化生体分子は、単一の位置で、例えば単一のリジン残基で、又は複数の位置で、例えば複数のリジン残基で、カルバミル化することができる。いくつかの実施態様では、ペプチド又はポリペプチド中のすべてのリジン残基のうちの1%超、3%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超が、カルバミル化されている。
本明細書で使用する場合、用語「複数」とは、ポリペプチドメンバー又は他の言及した分子などの、2以上のメンバーの集団をいう。いくつかの実施態様では、複数のメンバーのうちの2以上のメンバーは、同じメンバーである。例えば、複数のポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有し、かつ同じリジン残基がカルバミル化されている、2以上のポリペプチドメンバーを含むことができる。いくつかの実施態様では、複数のメンバーのうちの2以上のメンバーは、異なるメンバーである。例えば、複数のポリペプチドは、異なるアミノ酸配列を有する2以上のポリペプチドメンバーを含むことができる。別の例では、複数のポリペプチドは、同じアミノ酸配列を有するが、異なる位置の又は異なる程度のリジン残基がカルバミル化されている、2以上のポリペプチドメンバーを含むことができる。複数には、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100以上の異なるメンバーが含まれる。複数には、200、300、400、500、1000、5000、10000、50000、1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8 ×105、9×105、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、又は1×107以上の異なるメンバーも含まれ得る。複数には、先の例示的な複数の数値の間にあるすべての整数が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「リスクがある」とは、対象が今後、ある種の疾患状態又は疾患の臨床症状を発症する可能性の増大をいう。例えば、「RAを発症するリスクがある」又は「RAの臨床症状を発症するリスクがある」対象は、今後、所与の集団における中央又は平均の対象よりも、RA又はRAの臨床症状を発症する可能性が高い。ある疾患状態を今後発症する「リスクがある」対象は、この状態を既に患っていることはない。ある疾患状態を発症する「リスクがある」対象は、抗CarP抗体(これは、該対象が、ある種の疾患状態(例えばRA)又はある種の疾患状態の臨床症状(例えば、関節の痛み、滑膜性連結部の炎症)を発症する可能性の増大を示す)のレベルの上昇などの、ある種のバイオマーカーを呈示する可能性がある。
用語「ポリペプチド」には、本明細書で使用する場合、2から30のアミノ酸(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、又は30アミノ酸)を有する短いオリゴペプチド、並びにより長いアミノ酸鎖、例えば、30を超えるアミノ酸、50を超えるアミノ酸、100を超えるアミノ酸、150を超えるアミノ酸、200を超えるアミノ酸、300を超えるアミノ酸、400を超えるアミノ酸、500を超えるアミノ酸、又は600を超えるアミノ酸が含まれる。本開示のポリペプチドには、例えば、組み換えポリペプチド、組織又は体液から精製されたポリペプチド、及びこれらの任意の断片が含まれる。ポリペプチド断片は、例えば、完全長タンパク質のプロテアーゼ消化、ポリペプチド断片の組み換え発現を介して、又は、化学的オリゴペプチド合成によって生成することができる。本開示のポリペプチドは、翻訳後に又は化学的に修飾することができる(例えば、カルバミル化、リン酸化、ビオチン化、蛍光色素付着など)。ポリペプチドは、天然の遺伝暗号によってコードされない、非天然アミノ酸を含むことができる。例えば、ポリペプチドは、メチル化骨格構造、ペプトイド骨格構造(ポリ-N-置換型グリシン)、L-アミノ酸、R-アミノ酸などを含むことができる。ポリペプチドは、野生型配列、天然に存在するバリアント配列、変異配列(例えば、点変異体、欠失変異体)などを有することができる。
用語「抗CarP抗体」とは、本明細書で使用する場合、カルバミル化自己抗原に対して、生物によって産生される自己抗体をいう。抗CarP抗体は、カルバミル化形の抗原を特異的に認識するが、非カルバミル化形の抗原は認識しない。抗CarP抗体によって認識される抗原としては、カルバミル化自己抗原若しくはその断片、又は、カルバミル化自己抗原とは無関係のカルバミル化タンパク質を挙げることができる。抗CarP抗体の存在は、関節リウマチ(RA)などの、カルバミル化タンパク質(CarP)に対する自己免疫応答に関与する疾患の評価のために、診断及び予測的価値がある。本開示によれば、インビトロでカルバミル化されるα1アンチトリプシン(Car-A1AT)は、例えばヒトRA患者の血清中に見られる抗CarP抗体によって認識されるカルバミル化タンパク質の1つである。抗CarP抗体は、任意の抗体クラス又はサブクラスのものであり得る。例えば、抗CarP抗体は、IgM、IgA(例えば、IgA1、IgA2)、IgD、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、若しくはIgG4)、又はIgE抗体であり得る。いくつかの実施態様では、本開示の抗CarP抗体は、Fab(断片抗原-結合)領域を介して、インビトロでカルバミル化されたA1ATにおける抗CarP抗体結合部位と相互作用する。抗CarP抗体は、例えば、血液、血漿、又は血清試料中で見られるような、完全長抗体であり得る。いくつかの実施態様では、本開示の抗CarP抗体は、加工された抗体であり得る。例えば、いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、脱グリコシル化、又は(例えばFab断片に)断片化される。抗CarP抗体は、1以上のモノクローナル抗CarP抗体又は1以上のポリクローナル抗CarP抗体を含む、複数の抗CarP抗体であり得る。複数の抗CarP抗体における異なる抗CarP抗体は、同じカルバミル化タンパク質と、又は異なるカルバミル化タンパク質と結合することができる。複数の抗CarP抗体における異なる抗CarP抗体は、カルバミル化タンパク質中の、同じ又は異なるカルバミル化抗体結合部位を認識することができる。
本明細書で提供される方法及び組成物においては、本開示の精製されたタンパク質を、固体状支持体上に固定することができる。いくつかの実施態様では、精製されたタンパク質は、精製されたタンパク質を固体状支持体に結合させるリンカー分子を介して固定される。分子(例えば、精製されたタンパク質)の固体状支持体への固定に言及する場合、用語「固定される」と「付着される」は、本明細書では互換的に使用され、明確に又は文脈によってそうではないと示されない限り、どちらの用語も、直接的又は間接的な、共有結合的又は非共有結合的付着を包含することが意図される。いくつかの実施態様では、共有結合的付着が好ましいが、一般に、必要とされるのは、これらの分子(例えば、精製されたタンパク質)が、例えば抗体-結合又は検出を必要とする用途において、支持体を使用することを目的とした条件下で、支持体に固定又は付着されたままであることだけである。
用語「固体表面」、「固体状支持体」、及び本明細書での他の文法的同等物は、本開示の精製されたタンパク質の付着に適切である、又は、付着に適切であるように改変することができる、任意の材料をいう。当業者には分かるように、可能な基材の数は、非常に大きい。可能な基材としては、限定はされないが、ガラス、及び変性又は機能化ガラス、プラスチック(アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、Teflon(商標)などを含めて)、多糖、ナイロン又はニトロセルロース、セラミック、樹脂、シリカ又はシリカを基にした材料(ケイ素及び変性ケイ素を含めて)、炭素金属(carbon metal)、無機ガラス、光ファイバー束、及び様々な他のポリマーが挙げられる。いくつかの実施態様では、固体状支持体は、マイクロタイターウェルプレート(例えば、96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルプレート)内に配置される。いくつかの実施態様では、固体状支持体は、フローセル又はフローセル装置(例えば、Biacore(商標)チップ又はタンパク質チップ上のフローセル)内に配置される。
いくつかの実施態様では、固体状支持体は、規則的なパターンの、精製されたタンパク質の固定に適したパターン付き表面(例えば、タンパク質チップ)を含む。「パターン付き表面」とは、固体状支持体の露出層内又は層上の、異なる領域の配置をいう。例えば、これらの領域の1以上は、そこに1以上の精製されたタンパク質が存在する特徴部であり得る。これらの特徴部は、精製されたタンパク質が存在しない間隙領域によって隔てることができる。いくつかの実施態様では、パターンは、列方向と行方向である特徴部のx-y形式であり得る。いくつかの実施態様では、パターンは、特徴部及び/又は間隙領域の反復配置であり得る。いくつかの実施態様では、パターンは、特徴部及び/又は間隙領域のランダム配置であり得る。本明細書に記述する方法及び組成物に使用することができるパターン付き表面の例は、米国特許出願公開第2008/0280785 A1号、米国特許出願公開第2004/0253640 A1号、米国特許出願公開第2003/0153013 A1号、及び国際公開第WO 2009/039170 A2号に記載されている。
いくつかの実施態様では、固体状支持体は、表面におけるウェル又はくぼみの配列を含む。これは、当技術分野で一般に公知であるように、限定はされないが、フォトリソグラフィ、スタンピング技術、成型技術、及びマイクロエッチング技術を含めた様々な技術を使用して作ることができる。当業者には分かるように、使用される技術は、アレイ基材の組成及び形状に依存することとなる。
いくつかの実施態様では、固体状支持体又はその表面は、非平面状、例えば、管又は容器の内側又は外側表面である。いくつかの実施態様では、固体状支持体は、ミクロスフェア又はビーズを含む。「ミクロスフェア」又は「ビーズ」又は「粒子」又は本明細書での文法的同等物は、小さいばらばらの粒子を意味する。適切なビーズ組成としては、限定はされないが、プラスチック、セラミック、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリル樹脂ポリマー、常磁性材料、トリアゾル(thoria sol)、カーボングラファイト、酸化チタン、ラテックス又は架橋デキストラン、例えばSephadoseなど、セルロース、ナイロン、架橋ミセル、及びTeflon(商標)が挙げられ、また、固体状支持体のための、本明細書で概説した任意の他の材料も、すべて使用することができる。Bangs Laboratories社(Fishers,Ind)からの「Bangs Beadsテクニカルプロダクトガイド(Bangs Beads Techincal Product Guide)」が、役に立つ案内書である。いくつかの実施態様では、ミクロスフェアは、磁性のミクロスフェア又はビーズである。
これらのビーズは、球状である必要はない;不規則な粒子を使用することができる。或いは又はさらに、これらのビーズは、多孔性であり得る。ビーズサイズは、ナノメートル(例えば100nm)から、ミリメートル(例えば1mm)までの範囲であり、いくつかの実施態様では、約0.2から約200ミクロンまでのビーズが好ましい。いくつかの実施態様では、ビーズサイズは、約0.5から約5ミクロンまでの範囲である。いくつかの実施態様では、約0.2ミクロンよりも小さい、又は、約200ミクロンよりも大きいビーズを使用することができる。
本明細書で使用する場合、用語「生物」、「個人」、「対象」、又は「患者」は、同義語として、かつ互換的に使用されることに留意されたい。本開示の対象には、健康な対象、無症候の対象、及び病気の対象が含まれる。病気の対象は、異常な抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体レベルを伴うあらゆる疾患を患っている可能性がある。用語 「異常な抗CarP抗体レベル」とは、本明細書で使用する場合、健康な対象の集団において見られる抗CarP抗体レベルの中央値から有意に外れた、試料中の抗CarP抗体レベルをいう。いくつかの実施態様では、異常な抗CarP抗体レベルは、抗CarP抗体レベルの中央値よりも高い。いくつかの実施態様では、異常な抗CarP抗体レベルは、抗CarP抗体レベルの中央値よりも低い。
いくつかの実施態様では、健康な対象は、ある種の疾患を一度も患ったことがない。いくつかの実施態様では、健康な対象は、以前に病気であった。いくつかの実施態様では、健康な対象は、通常の健康診断を受けている。いくつかの実施態様では、健康な対象は、臨床試験における対照群のメンバーである。いくつかの実施態様では、健康な対象は、当技術分野で周知である、ある種のリスクファクターの存在によって判定される通り、疾患に罹るリスクがある。こうしたリスクファクターとしては、限定はされないが、遺伝的素因、個人の病歴、家族の病歴、生活習慣因子、環境因子、診断指標などが挙げられる。
いくつかの実施態様では、対象は、無症候である。無症候の対象には、RAを発症するリスクが本質的にない又はリスクが少しだけである、健康な対象が含まれる(例えば、無症候の患者が、その後の5年間でRAを発症する、10%未満、5%未満、3%未満、又は1%未満の可能性が存在する)。無症候の対象には、RAを発症するリスクが高い、健康な対象がさらに含まれる(例えば、無症候の患者が、その後の5年間でRAを発症する、50%超、70%超、90%超、又は95%超の可能性が存在する)。無症候の対象には、RAの軽度の早期診断指標を示す可能性があるが、それ以外の疾患又は愁訴は無い(例えば、滑膜性連結部の痛み無し、全身性炎症性疾患無し)、病気の対象がさらに含まれる。いくつかの実施態様では、無症候の患者は、関節痛患者である。
いくつかの実施態様では、対象は、RAに罹患している。いくつかの実施態様では、対象は、RAに罹患している疑いがある。いくつかの実施態様では、対象は、関節の痛みを伴うRAに罹患している。いくつかの実施態様では、対象は、全身性炎症性疾患を伴うRAに罹患している。いくつかの実施態様では、対象は、若年性特発性関節炎(JIA)に罹患している。いくつかの実施態様では、対象は、RA前症候群(pre-RA syndrome)に罹患している。いくつかの実施態様では、RA前症候群は、関節痛である。
いくつかの実施態様では、対象は、RAを発症するリスクがある。いくつかの実施態様では、対象は、RAを発症する遺伝的素因又はRAの家族歴を有する。いくつかの実施態様では、対象は、RAの発症を促進する、ある種の生活習慣因子(例えば喫煙)に曝露されている、又は、対象は、RAの臨床的疾患顕在化を示す。いくつかの実施態様では、対象は、RAを診断するために、又は、RAを発症するリスクを評価するために、臨床精密検査を受けている患者である。
いくつかの実施態様では、対象は、例えば該対象の血液又は別の体の組織若しくは体液中に、抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)を呈示している(ACPA-陽性対象)。いくつかの実施態様では、対象は、正常対照者と比較して、例えば血液又は別の体の組織若しくは体液中の、ACPAレベルが上昇している。いくつかの実施態様では、対象は、例えば血液又は別の体の組織若しくは体液中に、抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)を呈示していない(ACPA-陰性対象)。
いくつかの実施態様では、対象は、例えば該対象の血液又は別の組織若しくは体液中に、抗カルバミル化タンパク質抗体(抗CarP抗体)を呈示している(抗CarP抗体-陽性対象)か、又は、対象は、正常対照者と比較して、例えば血液又は別の組織若しくは体液中の抗CarP抗体レベルが上昇している。いくつかの実施態様では、対象は、抗CarP抗体について陰性である。
いくつかの実施態様では、対象は、治療未経験者である。いくつかの実施態様では、対象は、RAに対する治療(例えば薬物治療)を受けている。いくつかの実施態様では、対象は、寛解期である。いくつかの実施態様では、寛解は、薬物によって誘発される。いくつかの実施態様では、寛解は、薬物無しである。
いくつかの実施態様では、対象は、RAに対する動物モデルである。いくつかの実施態様では、動物モデルは、RAのマウス又はウサギモデルである。いくつかの実施態様では、動物モデルは、動物にカルバミル化タンパク質(CarP)をワクチン接種することによって、抗CarP抗体応答を誘発することを含む。
一態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたα-1-アンチトリプシン(A1AT)又はその断片を含む精製ポリペプチドを提供する。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1ATは、哺乳類のA1ATである。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1ATは、ヒトA1AT(hA1AT)である。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1ATは、ウシA1AT(bA1AT)である。
いくつかの実施態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたbA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドを提供する。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、cDNAによってコードされる精製された組換えポリペプチドである。
組み換えポリペプチドを発現させる及び精製するための方法は、当技術分野で周知である。例えば、組み換えポリペプチドは、細菌細胞(例えば、大腸菌(E.coli))、酵母細胞(例えば、出芽酵母(S.cerevisiae))、哺乳類細胞(例えばCHO)などの中で発現させ、これらから精製することができる。組み換えポリペプチドは、タンパク質検出のためのタグと、切断可能タグ(例えば、TEV-切断部位を含むタグ)を含めた、親和性精製タグ(例えば、His-タグ、GST-タグ、Myc-タグ)とを含む融合タンパク質として発現及び精製することができる。
いくつかの実施態様では、ポリペプチドは、生物から得られた組織又は体液から精製される。組織又は体液としては、生物から得られた任意の組織又は体液を挙げることができる。いくつかの実施態様では、組織又は体液としては、(例えば、ヤギ、ウシ、ヒツジからの)血液、血清、血漿、尿、又は母乳が挙げられる。当業者は、組織又は体液からのポリペプチドの精製のための方法が、当技術分野で周知であることを認識するであろう。
組み換えタンパク質を発現及び精製するための、組織又は体液からタンパク質を精製するための、及び、ペプチドを化学的に合成するための方法の例は、例えば、Scopes R.K.の文献、「タンパク質精製-原理と実践、Springerの化学上級テキスト(Protein Purification-Principles and Practice,Springer Advanced Texts in Chemistry)」第3版(1994);Simpson R.J.らの文献、「タンパク質精製及び分析における基本的方法:実験マニュアル(Basic Methods in Protein Purification and Analysis:A Laboratory Manual)」Cold Spring Harbor Laboratory Press、第1版(2008);Green M.R.及びSambrook J.の文献、「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、第4版(2012);Jensen K.J.らの文献、「ペプチド合成と応用(分子生物学における方法)(Peptide Synthesis and Applications(Methods in Molecular Biology))」、Humana Press社、第2版(2013)で見ることができる。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、血液、血清、血漿、尿、又は滑液から精製されたhA1ATである。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、血液、血清、血漿、尿、又は母乳から精製されたbA1ATである。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、未変性のA1ATである。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、変性又はアンフォールド(unfolded)A1ATである。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、非天然アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、非天然アミノ酸は、α-アミノ基でメチル化されて、メチル化骨格をもつポリペプチドを生じる。いくつかの実施態様では、非天然アミノ酸は、R-アミノ酸である。いくつかの実施態様では、非天然アミノ酸は、色素(例えば蛍光色素)又はアフィニティタグを含む。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、化学修飾を含む。化学修飾としては、例えば、ビオチン、蛍光色素を用いる化学修飾が挙げられる。当業者は、非天然アミノ酸をポリペプチドに導入するための、また、ポリペプチドを化学的に修飾するための方法が、当技術分野で周知であることを認識するであろう。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。
本開示の精製ポリペプチドは、インビトロでカルバミル化されたA1ATを含む。A1ATは、任意の哺乳類のA1ATであり得る。いくつかの実施態様では、A1ATは、ヒト、霊長類(例えば、サル、チンパンジー、オランウータン、又はゴリラ)、ネコ、イヌ、ウサギ、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、又はブタ)、又はげっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター、又はモルモット)A1ATである。いくつかの実施態様では、A1ATは、ヒトA1AT(hA1AT)である。いくつかの実施態様では、A1ATは、ウシA1AT(bA1AT)である。
いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、成熟したヒトA1ATのアミノ酸配列・配列番号:1(NCBI Reference Sequence NP_001002235.1;GI:50363221のアミノ酸25〜418)、又は天然に存在するそのバリアントを含む:
Figure 0006275869
いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、成熟したウシA1ATのアミノ酸配列・配列番号:2(NCBI Reference Sequence NP_776307.1;GI:27806941のアミノ酸25〜416)、又は天然に存在するそのバリアントを含む:
Figure 0006275869
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、完全長A1ATを含む。いくつかの実施態様では、この完全長A1ATは、N-末端シグナル配列を含有する。いくつかの実施態様では、この完全長A1ATは、N-末端シグナル配列を欠く成熟したA1ATである。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、完全長A1ATである。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、A1AT断片を含む。いくつかの実施態様では、このA1AT断片は、完全長A1ATポリペプチドの、3を超える、5を超える、10を超える、15を超える、20を超える、25を超える、50を超える、75を超える、100を超える、125を超える、150を超える、200を超える、250を超える、300を超える、350を超える、又は400を超える連続アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、完全長A1ATの、100%未満、95%未満、90%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満の連続アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、A1ATペプチド断片である。
いくつかの実施態様では、A1AT断片は、化学的に合成される。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、当技術分野で公知の任意のペプチド合成方法を使用して化学的に合成される。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、組み換えポリペプチドとして産生される。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、完全長A1AT又はその断片を酵素によって消化することによって産生される。いくつかの実施態様では、酵素による消化は、プロテアーゼ又はペプチダーゼを用いて実施される。いくつかの実施態様では、プロテアーゼ又はペプチダーゼは、エキソプロテアーゼ又はエキソペプチダーゼである。いくつかの実施態様では、プロテアーゼ又はペプチダーゼは、エンドプロテアーゼ又はエンドペプチダーゼである。いくつかの実施態様では、プロテアーゼ又はペプチダーゼとしては、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、又はメタロプロテアーゼが挙げられる。いくつかの実施態様では、プロテアーゼ又はペプチダーゼとしては、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、及びカテプシン(例えば、カテプシンB、L、D、K、若しくはG)が挙げられる。当業者は、完全長A1AT又はその断片の、化学合成、組み換え産生、又は酵素による消化のための方法が、当技術分野で周知であることを認識するであろう。
A1AT断片は、完全長A1ATポリペプチドの、任意のリジン含有アミノ酸配列の一部を含むことができる。この部分アミノ酸配列は、完全長A1ATポリペプチドの、例えば5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、12以上の、14以上の、16以上の、18以上の、20以上の、24以上の、28以上の、又は32以上の連続アミノ酸を含むことができる。2以上のA1ATペプチド断片は、部分的に重複するA1ATアミノ酸配列を有することができる。この重複するA1ATアミノ酸配列は、完全長A1ATポリペプチドの、1以上の、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、12以上の、14以上の、16以上の、18以上の、20以上の、24以上の、28以上の、又は32以上の連続アミノ酸について重複し得る。
例示的なA1AT断片は、ヒトA1ATの、次の部分アミノ酸配列、配列番号3〜32を有することができる:
Figure 0006275869
本開示のA1AT断片は、1以上のリジン残基を含む。A1AT断片は、1以上のリジン残基で、カルバミル化されていてもカルバミル化されていなくてもよい。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、すべてのリジン残基部でカルバミル化されている。カルバミル化されたA1AT断片は、1以上のリジン残基の位置にホモシトルリンを有する。いくつかの実施態様では、A1AT断片は、すべてのリジン残基の位置にホモシトルリンを有する。いくつかの実施態様では、配列番号:3〜32のアミノ酸配列を有するA1AT断片は、1以上のリジン残基部でカルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、A1ATは、野生型ポリペプチド又は天然に存在するそのバリアントである。
いくつかの実施態様では、A1ATは、変異ポリペプチドである。変異ポリペプチドとしては、限定はされないが、点変異、欠失、挿入、重複などが挙げられる。
いくつかの実施態様では、A1ATは、野生型完全長A1ATポリペプチドの相同体である。いくつかの実施態様では、A1ATは、完全長ヒトA1AT(hA1AT)の相同体である。いくつかの実施態様では、A1ATは、完全長ウシA1AT(bA1AT)の相同体である。いくつかの実施態様では、A1AT相同体は、野生型A1ATとの60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性を有する。
いくつかの実施態様では、A1ATは、配列番号:1と相同なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、配列番号:1と相同なアミノ酸配列は、配列番号:1との60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性を有する。
いくつかの実施態様では、A1ATは、配列番号.2と相同なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、配列番号:2と相同なアミノ酸配列は、配列番号:2との60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性を有する。
本開示の精製されたタンパク質中のA1ATは、インビトロでカルバミル化される。例えば、図1を参照のこと。
いくつかの実施態様では、インビトロでのカルバミル化は、化学反応を含む。いくつかの実施態様では、この化学反応は、アミンと、イソシアン酸(HNCO)、シアネート([NCO]-)、イソシアネート基含有有機化合物との反応、又は、アミンとチオシアネートとの反応を含む。いくつかの実施態様では、この化学反応は、アミンとシアネートとの反応を含む。いくつかの実施態様では、この化学反応は、アミンとシアン酸カリウムとの反応を含む。
いくつかの実施態様では、インビトロでのカルバミル化は、酵素によって触媒される。いくつかの実施態様では、酵素は、以下の反応を触媒する:
カルバモイル-リン酸+L-リジン<=>リン酸+L-ホモシトルリン
いくつかの実施態様では、酵素は、トランスフェラーゼである。いくつかの実施態様では、酵素は、リジン-カルバモイルトランスフェラーゼである。いくつかの実施態様では、酵素は、ペルオキシダーゼである。いくつかの実施態様では、ペルオキシダーゼは、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)である。
いくつかの実施態様では、インビトロでのカルバミル化は、ホモシトルリン残基のA1ATへの組み込みを含む。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、A1AT中の1以上のリジン残基を置き換える。いくつかの実施態様では、A1AT中のすべてのリジン残基が、ホモシトルリン残基によって置き換えられる。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、A1AT中のリジン残基以外の1以上のアミノ酸残基を置き換える。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、A1AT中のリジン残基と非リジン残基の組み合わせを置き換える。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、インビトロでA1ATに組み込まれる。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、ペプチド合成によって、A1ATに組み込まれる。いくつかの実施態様では、ホモシトルリン残基は、複数のホモシトルリン残基である。
A1AT又はその断片中の任意のリジン残基を、単独で、若しくはA1AT中の任意の他のリジン残基と組み合わせて、又はA1AT中のリジン残基の任意の他の組み合わせと組み合わせて、インビトロでカルバミル化する(ホモシトルリンに置き換える)ことができる。A1AT中の任意の数のリジン残基を、インビトロでカルバミル化することができる。A1AT中の任意の組み合わせのリジン残基を、カルバミル化することができる。いくつかの実施態様では、A1ATのすべてのリジン残基がカルバミル化されている。
次の実施例は、例示的なA1AT又はその断片中の任意の個々のリジン残基を、単独で、又はA1AT又はその断片中の任意の数のリジン残基と組み合わせて、インビトロでカルバミル化することができることを例示する。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片は、配列番号:33〜203のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。ここでは、カルバミル化されたリジン残基(ホモシトルリン残基)は、K(Car)として示される:
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いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、又は95%超のリジン残基が、カルバミル化されている。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片中の100%のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、又は95%超のリジン残基が、カルバミル化されている。いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片中の100%のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、bA1AT又はその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超、95%超のリジン残基が、カルバミル化されている。いくつかの実施態様では、bA1AT又はその断片中の100%のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。いくつかの実施態様では、複数の精製ポリペプチド中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超の精製ポリペプチドの、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片における、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超のリジン残基が、カルバミル化されている。
いくつかの実施態様では、複数の精製ポリペプチドは、1以上の精製ポリペプチドが配列番号:3〜203のいずれか1つのA1ATアミノ酸配列を含む、精製ポリペプチドを含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号.1との80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ8以上の連続アミノ酸の断片を含む。いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号.1との60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ16以上の連続アミノ酸の断片を含む。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号.2との60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ8以上の連続アミノ酸の断片を含む。いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、配列番号.2との60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ16以上の連続アミノ酸の断片を含む。
RA患者は、該患者の血液中で検出可能なバイオマーカープロファイルに関して非常に不均質であり得る。例えば、あるRA患者は、抗CarP抗体について陽性かつACPAについて陽性であり得;あるRA患者は、抗CarP抗体について陽性かつACPAについて陰性であり得;あるRA患者は、抗CarP抗体について陰性かつACPAについて陽性であり得;あるRA患者は、抗CarP抗体とACPAとの両方について陰性であり得る。RA患者に対する包括的バイオマーカープロファイルの決定は、RA患者の亜集団(例えば、ACPA-/抗CarP抗体+RA患者)の特定を容易にし、RA疾患サブタイプの診断を助け、特定のRA疾患サブタイプに関する疾患進行及び治療結果の予測を助けることが期待される。いくらかの交差反応性は存在するが、抗CarP抗体は一般に、シトルリン化タンパク質よりもカルバミル化タンパク質を優先的に認識し、ACPAは一般に、カルバミル化タンパク質よりもシトルリン化タンパク質を優先的に認識する。したがって、抗CarP抗体による少なくともある程度のカルバミル化タンパク質の選択的認識を使用して、RA患者試料中の抗CarP及びACPAバイオマーカーを識別する、また、RA患者を、その抗CarP抗体及びACPAプロファイルに基づいて識別することができる。
本開示のA1AT又はその断片は、それぞれ、それぞれが独立にカルバミル化状態又は非カルバミル化状態であり得る、1以上の抗CarP抗体結合部位を含む。ヒト関節リウマチ患者からの抗CarP抗体は、カルバミル化状態の、A1AT又はその断片中の抗CarP抗体結合部位と結合して、Car-A1AT-抗CarP抗体複合体を形成するが、非カルバミル化状態のものとは結合しない。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、1以上のリジン残基を含む。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位中の1以上のリジン残基は、該抗CarP抗体結合部位がカルバミル化状態である場合、カルバミル化される(ホモシトルリン残基を形成する)。いくつかの実施態様では、該抗CarP抗体結合部位がカルバミル化状態である場合、抗CarP抗体結合部位中の1以上のリジン残基は、カルバミル化されない。いくつかの実施態様では、該抗CarP抗体結合部位がカルバミル化状態である場合、抗CarP抗体結合部位中のすべてのリジン残基が、カルバミル化される。
いくつかの実施態様では、hA1AT又はその断片は、それぞれが独立にカルバミル化状態又は非カルバミル化状態であり得る、1以上の抗CarP抗体結合部位を含み、ここでは、ヒトRA患者からの抗CarP抗体は、カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位と結合して、Car-hA1AT-抗CarP抗体複合体を形成するが、非カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位とは結合しない。
いくつかの実施態様では、bA1AT又はその断片は、それぞれが独立にカルバミル化状態又は非カルバミル化状態であり得る、1以上の抗CarP抗体結合部位を含み、ここでは、ヒトRA患者からの抗CarP抗体は、カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位と結合して、Car-bA1AT-抗CarP抗体複合体を形成するが、非カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位とは結合しない。
いくつかの実施態様では、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超の抗CarP抗体結合部位が、カルバミル化状態である。
いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチドである。いくつかの実施態様では、複数の精製ポリペプチド中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超の精製ポリペプチドにおける、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超の抗CarP抗体結合部位が、カルバミル化状態である。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、関節リウマチ患者の試料からの抗CarP抗体によって認識されるが、関節リウマチ患者の試料からのACPAによって認識されない。ACPAは、変異したシトルリン化ビメンチン(MCV;抗Cit-MCV抗体)などのシトルリン化タンパク質を含めた任意のシトルリン化ポリペプチド、及び環状シトルリン化ペプチド(CCP)などのシトルリン化ペプチド、又はその断片に向けることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の精製されたタンパク質中の1以上の抗CarP抗体結合部位は、ヒト関節リウマチ患者の試料からの抗CarP抗体及びACPAによって認識される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、関節リウマチ患者からの試料中の5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超の抗CarP抗体によって、また、関節リウマチ患者からの試料中の100%未満、95%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、3%未満、又は1%未満のAPCAによって認識される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、関節リウマチ患者の試料からの抗CarP抗体によって、関節リウマチ患者の試料からのAPCAよりも大きい親和性で結合される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、RA患者の試料からの抗CarP抗体によって、RA患者の試料からのAPCAの、2倍を超える、5倍を超える、10倍を超える、25倍を超える、50倍を超える、100倍を超える、300倍を超える、1,000倍を超える、3,000倍を超える、10,000倍を超える、30,000倍を超える、又は100,000倍を超える親和性で結合される。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、複数の抗CarP抗体である。
別の態様では、本開示は、本開示の精製ポリペプチドと1以上の抗CarP抗体とを含む複合体を提供する。いくつかの実施態様では、該複合体は、溶液中である。いくつかの実施態様では、該複合体は、ある表面上に固定される。いくつかの実施態様では、該複合体は、精製された複合体である。いくつかの実施態様では、該複合体は、体液、例えば、血液、血清、血漿、尿、母乳などの中に含有される。いくつかの実施態様では、この複合型の抗CarP抗体は、精製された抗体である。いくつかの実施態様では、この複合型の抗CarP抗体は、体液、例えば、血液、血清、血漿、尿、母乳などの中に含有される。
別の態様では、本開示は、インビトロでカルバミル化されたA1AT(例えば、hA1AT又はbA1AT)、又はその断片を含む精製ポリペプチドを調製する方法を提供する。この方法は、(a)A1AT又はその断片を含むポリペプチドを精製することと、(b)該A1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化することとを含む。
いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片を含むポリペプチドは、非カルバミル化形で精製され、その後、このA1AT又はその断片が、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、ポリペプチドは、細胞培養物上清(例えば、肝細胞培養物の上清)から、A1AT又はその断片を発現する組み換え細胞又は肝臓細胞を溶解することによって得られた溶解物などの細胞溶解物から、非カルバミル化形で精製される。いくつかの実施態様では、該ポリペプチドは、血液、血漿、血清、若しくは他の体液から、又は、肝臓抽出物などの組織抽出物から、非カルバミル化形で精製される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチド中のA1AT又はその断片は、化学反応又は酵素反応において、例えば、反応緩衝液中で、インビトロでカルバミル化される。
いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、インビトロでカルバミル化されて、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含むポリペプチドが産生され、その後、該ポリペプチドが精製される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、A1AT又はその断片を発現する組み換え細胞又は肝臓細胞を溶解することによって得られた溶解物などの細胞溶解物中で、例えば、化学反応又は酵素反応を使用して、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、血液、血漿、血清、又は他の体液中で、又は、肝臓抽出物などの組織抽出物から、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、ウシ胎児血清(FCS)、ウシ血清、又はヒト血清中で、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含むポリペプチドは、クロマトグラフィー技術(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー)を使用して精製されて、インビトロでカルバミル化されたA1ATポリペプチド又はその断片を含む精製ポリペプチドが生成される。
いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片は、ヒトA1AT(hA1AT)又はその断片である。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片は、ウシA1AT(bA1AT)又はその断片である。
いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドは、化学合成によって、例えば固相ペプチド合成を使用して、調製される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、精製ポリペプチドの合成中に、A1AT又はその断片中の1以上のリジン残基をホモシトルリン残基で置き換えることによって、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、1以上のA1ATリジン残基のε-アミノ基を化学的に又は酵素によって修飾することによって、インビトロでカルバミル化される。
いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、A1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドに対してモル過剰のカルバミル化試薬(例えば、イソシアン酸(HNCO)、シアネート([NCO]-)、イソシアネート基含有有機化合物、チオシアネート、又はカルバモイルリン酸)を含む条件下で、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、A1AT又はその断片は、A1AT又はその断片を含む精製されたタンパク質中のリジン残基に対してモル過剰のカルバミル化試薬を含む条件下で、インビトロでカルバミル化される。いくつかの実施態様では、モル過剰のカルバミル化試薬は、A1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドに対して、3倍超、5倍超、10倍超、30倍超、100倍超、300倍超、1,000超、3,000倍超、又は10,000倍超である。いくつかの実施態様では、モル過剰のカルバミル化試薬は、A1AT又はその断片を含む精製されたタンパク質中のリジン残基に対して、3倍超、5倍超、10倍超、30倍超、100倍超、300倍超、1,000超、3,000倍超、又は10,000倍超である。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドは、カルバミル化反応が、熱力学的平衡に到達する条件下でカルバミル化される。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、複数の精製ポリペプチド、例えば、精製ポリペプチドのライブラリである。
タンパク質をインビトロ及びインビボで修飾するための方法は、当技術分野で周知である。方法の例は、例えば、Lundblad R.L.の文献、「タンパク質修飾のための化学試薬(Chemical Reagents for Protein Modification)」、CRC Press社、第4版(2014);Walker J.M.の文献、「タンパク質プロトコルハンドブック(The Protein Protocols Handbook)」(Springer Handbooks)、Humana Press社、第3版(2009);Pollegioni L.及びServi S.らの文献、「非天然アミノ酸:方法及びプロトコル(Unnatural Amino Acids:Methods and Protocols)」(Methods in Molecular Biology、Vol.794)、Humana Press社、2012年版(2011) で見ることができる。
インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチド中のカルバミル化の程度、A1AT又はその断片中のカルバミル化残基の位置、及び精製ポリペプチドの集団におけるカルバミル化ポリペプチドの均一性を決定するための分析方法は、当技術分野で周知である。こうした方法としては、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、キャピラリー電気泳動(CE)、又はこれらの組み合わせ(例えば、LC-MS)が挙げられる。
タンパク質及びタンパク質修飾を特徴付けるための分析方法の例は、例えば、Whitelegge J.の文献、「タンパク質質量分析(Protein Mass Spectrometry)」、第52巻(包括的分析化学(Comprehensive Analytical Chemistry))、Elsevier Science社、第1版(2008);Wehr T.らの文献、「生体分子のHPLC及びCE基礎(Basic HPLC and CE of Biomolecules)」、Bay Bioanalytical Laboratory、第1版(1998);Aguilar M-Iの文献、「ペプチド及びタンパク質のHPLC:方法及びプロトコル(分子生物学における方法)(HPLC of Peptides and Proteins:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology))」、Humana Press社、2004年版(2003)で見ることができる。
別の態様では、本開示は、抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体を検出するための、又はRAを診断する、観察する、又は予測するための、又は対象におけるRA治療の有効性を判定するためのキットであって、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと、1以上の補助試薬とを含む前記キットに関する。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片は、ヒトポリペプチド(hA1AT)である。いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片は、ウシポリペプチド(bA1AT)である。
補助試薬としては、例えば、固定緩衝液、固定試薬、希釈緩衝液、二次抗体、検出試薬、ブロッキング緩衝液、洗浄緩衝液、検出緩衝液、検出試薬、停止溶液、システムすすぎ緩衝液、及びシステム清浄溶液を挙げることができる。
当業者は、多数の固定緩衝液が、当技術分野で公知であること、また、任意の特定のコーティング緩衝液の選択は、例えば、コーティングされる表面(例えば、Nunc Maxisorbマイクロタイタープレート)の性質及びコーティングされる基材(例えばCar-A1AT)の性質に基づく可能性があることを理解するであろう。コーティング緩衝液としては、例えば、炭酸ナトリウム-水酸化ナトリウム緩衝液及びリン酸緩衝液が挙げられる。いくつかの実施態様では、コーティング緩衝液は、0.1M NaHCO3(例えば、約pH 9.6)である。
本開示のキットは、共有結合的及び非共有結合的固定試薬を含めた、当技術分野で公知の任意の固定試薬を含むことができる。共有結合的固定試薬としては、本開示のポリペプチドを、ある表面上に共有結合的に固定するために使用することができる、あらゆる化学又は生物学的試薬を挙げることができる。共有結合的固定試薬としては、例えば、カルボキシル-対-アミン反応性の基(例えば、EDC又はDCCなどのカルボジイミド)、アミン反応性の基(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、イミドエステル)、スルフヒドリル反応性クロスリンカー(例えば、マレイミド、ハロアセチル、ピリジルジスルフィド)、カルボニル反応性クロスリンカー基(例えば、ヒドラジド、アルコキシアミン)、光反応性クロスリンカー(例えば、アリールアジド、ジジリン(dizirine))、又は化学選択的ライゲーション基(例えば、シュタウディンガー反応対)を挙げることができる。非共有結合的固定試薬としては、本開示のポリペプチドを、ある表面上に非共有結合的に固定するために使用することができる、あらゆる化学又は生物学的試薬、例えば、アフィニティタグ(例えばビオチン)又は捕捉試薬(例えば、ストレプトアビジン、又は抗His6若しくは抗Myc抗体などの抗タグ抗体)などが挙げられる。
本開示のキットは、固定試薬の組み合わせを含むことができる。こうした組み合わせとしては、例えば、EDC及びNHSが挙げられ、これらは、例えば、本開示のタンパク質を、カルボキシル化デキストランマトリックスなどの、ある表面上に(例えば、BIAcore(商標)CM5チップ又はデキストラン基材のビーズ上に)固定するために使用することができる。固定試薬の組み合わせは、あらかじめ混合された試薬の組み合わせとして保管することができるか、又は、該組み合わせのうちの1以上の固定試薬を、他の固定試薬とは別に保管することができる。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)ベースの緩衝液(例えば、Tris-緩衝生理食塩水、TBS)又はリン酸緩衝液(例えば、リン酸-緩衝生理食塩水、PBS)などの、洗浄緩衝液の幅広い選択は、当技術分野で公知である。洗浄緩衝液としては、一般的に、イオン性又は非イオン性界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。いくつかの実施態様では、洗浄緩衝液は、Tween(登録商標)20(例えば、約0.05% Tween(登録商標)20)を含む、PBS緩衝液(例えば、約pH 7.4)である。いくつかの実施態様では、洗浄緩衝液は、BIO-FLASH(商標)Special Wash Solution(INOVA Diagnostics社、San Diego、CA)である。
当技術分野で公知のいかなる希釈緩衝液も、本開示のキットに含めることができる。典型的な希釈緩衝液は、担体タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA))及び界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)20)を含む。いくつかの実施態様では、希釈緩衝液は、BSA(例えば、約1% BSA)及びTween(登録商標)20(例えば、約0.05% Tween(登録商標)20)を含む、PBS(例えば、約pH 7.4)である。
二次抗体としては、例えば、抗ヒトIgA抗体、抗ヒトIgD抗体、抗ヒトIgE抗体、抗ヒトIgG抗体、又は抗ヒトIgM抗体を挙げることができる。いくつかの実施態様では、二次抗体は、抗ウシ抗体である。二次検出抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体であり得る。二次抗体は、マウス、ラット、ハムスター、ヤギ、ラクダ、ニワトリ、ウサギなどを含めて、任意の哺乳動物から得ることができる。二次抗体は、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ルシフェラーゼなど)又は色素(例えば、発色色素、蛍光色素、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)-色素、時間分解(TR)-FRET色素など)と結合させることができる。いくつかの実施態様では、二次抗体は、HRPと結合されたポリクローナルウサギ-抗ヒトIgG抗体である。
いくつかの実施態様では、検出試薬は、発色検出試薬、蛍光検出試薬、又は化学発光検出試薬である。いくつかの実施態様では、発色検出試薬としては、PNPP(リン酸p-ニトロフェニル)、ABTS(2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)又はOPD(o-フェニレンジアミン)が挙げられる。いくつかの実施態様では、蛍光検出試薬としては、QuantaBlu(商標)又はQuantaRed(商標)(Thermo Scientific社、Waltham,MA)が挙げられる。いくつかの実施態様では、発光検出試薬としては、ルミノール又はルシフェリンが挙げられる。いくつかの実施態様では、検出試薬としては、トリガー(例えばH2O2)及びトレーサー(例えばイソルミノール-コンジュゲート)が挙げられる。いくつかの実施態様では、検出試薬は、1以上のBIO-FLASH(商標)Trigger溶液(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)を含む。
当技術分野で公知のいかなる検出緩衝液も、本開示のキットに含めることができる。いくつかの実施態様では、検出緩衝液は、クエン酸-リン酸緩衝液(例えば、約pH 4.2)である。
当技術分野で公知のいかなる停止溶液も、本開示のキットに含めることができる。本開示の停止溶液は、検出試薬のさらなる発色及び対応するアッセイシグナルを停止する又は遅延させる。停止溶液は、例えば、低pH緩衝液(例えば、グリシン緩衝液、pH 2.0)、カオトロピック剤(例えば、塩化グアニジウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))、又は還元剤(例えば、ジチオスレイトール、β-メルカプトエタノール)などを含むことができる。
いくつかの実施態様では、本開示のキットは、自動分析システム用の清浄試薬を含む。自動分析システムには、いかなる製造業者によるシステムも含まれ得る。いくつかの実施態様では、自動分析システムとしては、例えば、BIO-FLASH(商標)、BEST 2000(商標)、DS2(商標)、ELx50 WASHER、ELx800 WASHER、ELx800 READER、及びAutoblot S20(商標)(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)が挙げられる。清浄試薬は、当技術分野で公知のいかなる清浄試薬も含むことができる。いくつかの実施態様では、清浄試薬は、その自動分析システムの製造業者によって推奨される清浄試薬である。いくつかの実施態様では、清浄試薬としては、BIO-FLASH(商標)System Rinse又はBIO-FLASH(商標)System 清浄溶液(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)が挙げられる。
いくつかの実施態様では、キットは、固体状支持体をさらに含む。固体状支持体は、その上に本開示のタンパク質を固定することができる、当技術分野で公知のいかなる支持体も含むことができる。いくつかの実施態様では、固体状基材は、マイクロタイターウェルプレート、スライド(例えばスライドガラス)、チップ(例えば、タンパク質チップ、バイオセンサーチップ、例えばBiacoreチップなど)、マイクロ流体カートリッジ、キュベット、ビーズ(例えば、磁気ビーズ、xMAP(登録商標)ビーズ)、又は樹脂である。
いくつかの実施態様では、本開示のキットは、マイクロタイタープレートを含む。いくつかの実施態様では、マイクロタイタープレートは、96ウェルプレート、384ウェルプレート、又は1536ウェルプレートである。いくつかの実施態様では、マイクロタイタープレートは、該マイクロタイタープレートの1以上のウェル中に、固定された本開示のタンパク質を含む。いくつかの実施態様では、マイクロタイタープレートは、Nunc Maxisorp(登録商標)プレート(例えば、Fisher Scientific社、Hampton,NH、cat#430341)である。
いくつかの実施態様では、本開示のキットは、キュベットを含む。いくつかの実施態様では、キュベットは、BIO-FLASH(商標)キュベット(INOVA Diagnostics社、San Diego、CA)である。
いくつかの実施態様では、本開示のキットは、ビーズ又はミクロスフェア(例えば、xMAP(登録商標)ビーズ(Luminex社;Austin,TX)を含む。いくつかの実施態様では、これらのビーズは、色で識別される。
いくつかの実施態様では、本開示のキットは、1以上の追加の消耗品を含む。いくつかの実施態様では、消耗品は、試料カップ(例えば、1ml、5ml、10ml、25ml、若しくは50ml試料カップ)、又はスクリューキャップである。いくつかの実施態様では、試料カップは、Falcon(商標)チューブ(BD Biosciences社、San Jose,CA)などである。いくつかの実施態様では、試料カップは、BIO-FLASH(商標)試料カップ(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)である。いくつかの実施態様では、スクリューキャップは、BIO-FLASH(商標)スクリューキャップ(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)である。
いくつかの実施態様では、キットは、対象からの試料中の抗CarP抗体を検出するためのキットの構成要素を使用するための説明書をさらに含む。
本開示のキットは、特定の分析技術に合わせて作ることができる。いくつかの実施態様では、キットは、ELISAキット、ドットブロットキット、化学発光免疫測定(CIA)キット、又はマルチプレックスキットである。いくつかの実施態様では、ELSAキットは、洗浄緩衝液、試料希釈剤、二次抗体-酵素コンジュゲート、検出試薬、及び停止溶液を含む。いくつかの実施態様では、ドットブロットキットは、洗浄緩衝液、試料希釈剤、二次抗体-酵素コンジュゲート、検出試薬、及び停止溶液を含む。いくつかの実施態様では、CIAキットは、洗浄緩衝液、試料希釈剤、トレーサー(例えば、イソルミノール-コンジュゲート)、及びトリガー(例えば、H2O2)を含む。いくつかの実施態様では、マルチプレックスキットは、洗浄緩衝液、試料希釈剤、及び二次抗体-酵素コンジュゲートを含む。いくつかの実施態様では、これらのキットは、Luminexプラットフォームに合わせて作られ、例えばxMAP(登録商標)ビーズを含む。
いくつかの実施態様では、患者におけるRAを診断するために、又はRA患者亜集団を識別する(例えば、ACPA-/抗CarP+患者をACPA-/抗CarP-患者と識別する)ために、又はRA患者における疾患進行を予測する(例えば、ACPA-/抗CarP+患者における、ACPA-/抗CarP-患者よりも深刻な疾患進行を予測する、又は関節痛患者における臨床症状の発症を予測する)ために、又はRA治療の有効性を観察するために、又は治療結果を予測するために、本開示のキットが使用される。いくつかの実施態様では、RA治療は、薬物治療を含む。いくつかの実施態様では、薬物治療は、プレドニゾン、メロキシカム、セレブレックス、モービック、ナプロキセン、レミケードIV、プラケニル、メトトレキサート、ジクロフェナク、メチルプレドニゾロン、エンブレル、インドメタシン、イブプロフェン、ケナログ、エトドラク、ナブメトン、ヒュミラ、アリーブ、ミノサイクリン、オレンシア、リツキサン、又はFDA若しくはEMAに承認されている任意のRA薬物(臨床開発中の実験RA薬物を含めて)での治療を含む。いくつかの実施態様では、該キットは、RA治療のためのコンパニオン診断法として使用される。いくつかの実施態様では、本開示のキットは、患者特異的なRA薬物治療を選択するために使用される。
いくつかの実施態様では、キットは、該キットがRA若しくはRAサブタイプの診断、予後、又は観察のために使用されることを示すラベルを備えた包装を含む。RAサブタイプは、例えば、臨床疾患症状、又は、当技術分野で公知のゲノム又はプロテオームバイオマーカー(例えばACPA)の存在又は非存在に従って定義することができる。いくつかの実施態様では、ラベルは、政府監督機関によって承認されている。いくつかの実施態様では、ラベルは、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(FDA)、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)(EMA)、中華人民共和国の食品薬品監督管理局(China Food and Drug Administration)(CFDA)、又は日本の厚生労働省(Japanese Ministery of Health Labor and Welfare)(MHLW)によって承認されている。したがって、FDA承認ラベルは、FDA承認済みの使用の通知及び説明を含むことができる。いくつかの実施態様では、キットは、研究専用(Research Use Only)(RUO)について、又は調査専用(Investigational Use Only)(IUO)についてラベル付けされる。いくつかの実施態様では、キットは、体外診断用(In Vitro Diagnostic Use)(IVD)についてラベル付けされる。いくつかの実施態様では、キットは、米国連邦規則第21編第809条サブパートB(21 CFR 809、Subpart B)に従ってラベル付けされる。いくつかの実施態様では、キットのRUO、IUO、又はIVDラベルは、RAの診断のためのキットの使用を記載する。いくつかの実施態様では、キットのRUO、IUO、又はIVD ラベルは、RAサブタイプの診断のためのキットの使用を記載する。いくつかの実施態様では、キットのRUO、IUO、又はIVDラベルは、RAの予測のためのキットの使用を記載する。いくつかの実施態様では、キットは、IVDコンパニオン診断機器としてラベル付けされる。いくつかの実施態様では、キットは、プレドニゾン、メロキシカム、セレブレックス、モービック、ナプロキセン、レミケードIV、プラケニル、メトトレキサート、ジクロフェナク、メチルプレドニゾロン、エンブレル、インドメタシン、イブプロフェン、ケナログ、エトドラク、ナブメトン、ヒュミラ、アリーブ、ミノサイクリン、オレンシア、リツキサン、又はFDAに承認されている任意のRA薬物(臨床開発中の実験RA薬物を含めて)などの、RA薬物と共に使用するためのIVDコンパニオン診断機器としてラベル付けされる。
別の態様では、本開示は、対象における抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体を検出するための方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたヒトα1アンチトリプシン(hA1AT)又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと;b)試料中の抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することとを含む前記方法を提供する。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在は、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、蛍光免疫吸着分析法(FIA)、化学発光免疫測定法(CIA)、放射免疫測定法(RIA)、酵素増幅免疫測定法、固相放射免疫測定法(SPROA)、蛍光偏光(FP)分析法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)分析法、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)分析法、表面プラズモン共鳴(SPR)分析法、又はドットブロット分析法によって検出される。
いくつかの実施態様では、ELISAは、サンドイッチELISAである。いくつかの実施態様では、サンドイッチELISAは、本開示の精製ポリペプチドを固体状支持体上に(例えば、マイクロタイタープレートウェルの又はキュベットの壁に)固定する、最初のステップを含む。いくつかの実施態様では、対象からの試料を本開示の精製ポリペプチドと接触させることは、該試料を、固定された精製ポリペプチドに曝露することを含む。
いくつかの実施態様では、ELISAは、ダイレクトELISAである。いくつかの実施態様では、ダイレクトELISAは、試料中の抗CarP抗体を固体状支持体上に(例えば、マイクロタイタープレートウェルの、又はキュベットの壁に)固定する、最初のステップを含む。いくつかの実施態様では、対象からの試料を本開示の精製ポリペプチドと接触させることは、本開示の精製ポリペプチドを、固定された抗CarP抗体に曝露することを含む。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在は、マルチプレックス分析において、別の分析物(例えば、別のバイオマーカー又は疾患マーカー)の存在又は非存在と同時に検出される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在は、マルチプレックス分析において、ACPA-ACP複合体の存在又は非存在と同時に検出される。
免疫測定法及び生物物理学的タンパク質相互作用分析を実施するための方法及びプロトコルは、当技術分野で周知である。例えば、Wild D.の文献、「免疫測定ハンドブック(The Immunoassay Handbook)」、Elsevier Science社、第4版(2013);Fu H.の文献、「タンパク質間相互作用(Protein-Protein Interactions)」、Humana Press社、第4版(2004)を参照のこと。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体を検出するための方法は、次のプロトコルに従って実施される。最初に、本開示の精製されたインビトロでカルバミル化されたポリペプチド(Car-A1AT)、及び非カルバミル化A1AT陰性対照を、コーティング緩衝液で希釈して、10μg/ml Car-A1AT及びA1AT溶液を調製する。50μlのCar-A1AT溶液を、96-ウェルマイクロタイタープレートの陽性対照ウェル及び試験ウェルに分配する。50μlのA1AT溶液を、同じ96-ウェルマイクロタイタープレート上の陰性対照ウェルに分配する。このマイクロタイタープレートとポリペプチド溶液を、4℃で一晩インキュベートする。次に、このマイクロタイタープレートの陽性対照、陰性対照、及び試験ウェルに、100μlのブロッキング緩衝液を添加し、このプレートを4℃でさらに6時間インキュベートする。このプレートを、インキュベーション期間の終了時に、洗浄緩衝液で3回洗浄する。血清試験試料(抗CarP抗体含有量が不明である)を、希釈緩衝液で50倍希釈する;陽性対照標準は、抗CarP抗体を(例えば、単一濃度標準又は希釈系列として)含有することが分かっている血清試料を使用して調製し、陰性対照試料は、希釈緩衝液単独、又は抗CarP抗体を含有しないことが分かっている血清試料を使用して調製する。マイクロタイタープレートから洗浄緩衝液を除去した後、このマイクロタイタープレート上の試験、陰性対照、及び陽性対照ウェルに、50μlの試験試料、陽性対照試料、及び陰性対照試料をそれぞれ添加する。次に、このマイクロタイタープレートを、氷上で4℃で一晩インキュベートする。翌日、このマイクロタイタープレートを洗浄緩衝液で3回洗浄する。洗浄緩衝液を除去した後、ウサギ抗ヒト-IgG-HRPを、希釈緩衝液で1:5,000希釈し、50μlのこの抗体コンジュゲートを、各マイクロタイタープレートウェルに添加する。氷上で4℃での3.5時間のインキュベーション後、マイクロタイタープレートを、洗浄緩衝液でさらに3回洗浄する。10ml ABTS溶液(濃度は製造業者の説明書に従う)あたり5μl H2O2を添加することによって、検出基質溶液を調製する。洗浄緩衝液を除去した後、50μlの検出基質溶液を、各マイクロタイタープレートウェルに添加する。次いで、このマイクロタイタープレートを、室温で暗所で0.5〜5分間インキュベートし、ELISAリーダーで読み取る。試験ウェル及び陽性対照ウェルに対して得られるシグナルから、陰性対照ウェルに対する相対吸光度シグナル(例えば、平均シグナル又はシグナル中央値)を引く。バックグラウンドを超える有意な吸光度シグナル(例えば、陰性対照ウェルシグナルを超える2標準偏差(STD))をもたらす試験血清試料は、抗CarP抗体陽性とみなされる。抗CarP抗体陽性試料において、試験ウェルの相対的吸光度シグナルを、陽性対照細胞について観察される吸光度シグナルと比較することによって、抗CarP抗体を定量化することができる。
いくつかの実施態様では、本開示の方法は、少なくとも部分的に、1以上の自動分析システムを使用して実施される。いくつかの実施態様では、自動分析システムとしては、例えば、BIO-FLASH(商標)、BEST 2000(商標)、DS2(商標)、ELx50 WASHER、ELx800 WASHER、ELx800 READER、及びAutoblot S20(商標)(INOVA Diagnostics社、San Diego,CA)が挙げられる。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体を検出するための方法は、本開示の精製ポリペプチドを調製する最初のステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、cDNAから調製された組み換えタンパク質である。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、血液、血漿、血清、滑液、又は他の組織若しくは体液から調製されたA1AT又はその断片である。
いくつかの実施態様では、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドは、(a)A1AT又はその断片を含むポリペプチドを精製し、(b)該A1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化することによって調製される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、最初にポリペプチド(A1ATは非カルバミル化状態であるままである)を精製し、次いで、その精製ポリペプチド中のA1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化することによって調製される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドは、最初に、例えば生物学的混合物(例えば、細胞可溶化物、又は血液、血清、若しくは血漿試料)中のA1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化し(ポリペプチドは非精製状態のままである)、次いで、このインビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含むポリペプチドを精製することによって調製される。
いくつかの実施態様では、A1AT(例えば、hA1AT又はbA1AT)又はその断片は、それぞれが独立にカルバミル化状態又は非カルバミル化状態であり得る、1以上の抗CarP抗体結合部位を含み、ここでは、ヒト対象からの抗CarP抗体は、カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位と結合して、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体を形成するが、非カルバミル化状態の抗CarP抗体結合部位とは結合しない。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、アミノ酸配列に依存しない方式で、抗CarP抗体によって認識される。配列に依存しない方式で認識される抗CarP抗体結合部位は、カルバミル化されたリジン(K(Car);ホモシトルリン)残基を含み、追加の残基を含まない。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、配列特異的な方式で、抗CarP抗体によって認識される。配列特異的な方式で認識される抗CarP抗体結合部位は、カルバミル化されたリジン(K(Car);ホモシトルリン)残基と、A1AT又はその断片の1以上の追加の残基を含む。A1AT又はその断片の1以上の追加の残基は、直線状エピトープ又は非直線状エピトープの一部を形成することができる。A1AT又はその断片の1以上の追加の残基としては、例えば、1つの追加の残基、2つの追加の残基、2以上の追加の残基、3以上の追加の残基、4以上の追加の残基、5以上の追加の残基、6以上の追加の残基、7以上の追加の残基、8以上の追加の残基、9以上の追加の残基、10以上の追加の残基、12以上の追加の残基、14以上の追加の残基、16以上の追加の残基、18以上の追加の残基、又は20以上の追加の残基を挙げることができる。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、カルバミル化状態では抗CarP抗体によって結合されるが、非カルバミル化状態では結合されない。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、非カルバミル化状態よりもカルバミル化状態で高い親和性を有する抗CarP抗体によって結合される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体結合部位は、カルバミル化状態において、非カルバミル化状態よりも2倍超、3倍超、4倍超、5倍超、8倍超、10倍超、15倍超、20倍超、25倍超、50倍超、100倍超、300倍超、1,000倍超、3,000倍超、10,000倍超、30,000倍超、又は100,000倍超、高い結合親和性を有する抗CarP抗体によって結合される。より高い結合親和性は、例えば、抗CarP抗体-Car-A1AT複合体については、より低い解離定数(KD)によって、又は、抗CarP抗体とCar-A1ATそれぞれについては、より高い結合定数(KA)によって証明される。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-Car-A1AT複合体についての解離定数(KD)は、1mM未満、300nM未満、100nM未満、30nM未満、10nM未満、3nM未満、1nM未満、300pM未満、100pM未満、30pM未満、10pM未満、3pM未満、又は1pM未満である。抗体(例えば抗CarP抗体)の抗原(例えばCar-A1AT)への結合親和性を測定するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、ELISA、等温滴定熱量測定(ITC)、及び表面プラズモン共鳴(SPR)が挙げられる。
抗CarP抗体と、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を有する精製ポリペプチドとの複合体は、ある化学量論の1から1以上の抗CarP抗体を有することができる。いくつかの実施態様では、該複合体は、精製ポリペプチドあたり1つの抗CarP抗体を有する。いくつかの実施態様では、該複合体は、精製ポリペプチドあたり2つの抗CarP抗体を有する。いくつかの実施態様では、該複合体は、精製ポリペプチドあたり2よりも多い抗CarP抗体を有する。抗体(例えば抗CarP抗体)の抗原(例えばCar-A1AT)への結合化学量論を測定するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、等温滴定熱量測定(ITC)及び超遠心分離が挙げられる。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体と、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を有する精製ポリペプチドとの複合体は、同一の化学量論をもつ複数の複合体である。例えば、複数の複合体におけるすべての複合体は、精製ポリペプチドあたり1つの抗CarP抗体を有する。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体と、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を有する精製ポリペプチドとの複合体は、異なる化学量論をもつ複数の複合体である。例えば、複数の複合体におけるいくつかの複合体は、精製ポリペプチドあたり1つの抗CarP抗体を有することができ、複数の複合体におけるいくつかの他の複合体は、精製ポリペプチドあたり2以上の抗CarP抗体を有することができる。
いくつかの実施態様では、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体は、溶液中で形成される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体は、固体表面上で形成される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体は、最初に精製ポリペプチドを表面上に固定し、次いで溶液中の抗CarP抗体を、その固定された精製ポリペプチドと接触させることによって形成される。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチド-抗CarP抗体複合体は、最初に抗CarP抗体を表面上に固定し、次いで溶液中の精製ポリペプチドを、その固定された抗CarP抗体と接触させることによって形成される。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体を検出するための方法は、表面又は固体状支持体上の精製ポリペプチドをコーティングすることをさらに含む。
いくつかの実施態様では、対象は、RAに罹患している疑いがある。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体を検出するための方法は、対象から試料を得ることをさらに含む。いくつかの実施態様では、試料は、複数の試料である。いくつかの実施態様では、試料は、血液試料、血漿試料、血清試料、滑液試料 、又は別の組織若しくは体液試料である。
いくつかの実施態様では、複数の試料は、一定の期間をかけて得られる。いくつかの実施態様では、この期間は、12時間よりも長い、1日よりも長い、2日よりも長い、3日よりも長い、4日よりも長い、5日よりも長い、6日よりも長い、7日よりも長い、10日よりも長い、14日よりも長い、3週よりも長い、1か月よりも長い、2か月よりも長い、3か月よりも長い、4か月よりも長い、5か月よりも長い、6か月よりも長い、9か月よりも長い、12か月よりも長い、18か月よりも長い、24か月よりも長い、30か月よりも長い、3年よりも長い、4年よりも長い、又は5年よりも長い。
いくつかの実施態様では、対象がRA治療(例えば、RAを治療又は予防するための薬物レジメン)を受ける前に、1以上の試料が得られた。いくつかの実施態様では、対象がRA治療を受けた後に、又は進行中のRA治療期間の過程中に、1以上の試料が得られた。
いくつかの実施態様では、本開示の精製ポリペプチドは、ある表面上に固定される。いくつかの実施態様では、該精製ポリペプチドは、マイクロタイタープレート(例えば、96ウェルプレート、384ウェルプレート、若しくは1536ウェルプレート)、スライド(例えばスライドガラス)、又はキュベットの表面上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、精製されたタンパク質は、アンフォールド(unfolded)ポリペプチドとして、前記表面上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、精製されたタンパク質は、その未変性の形態で、前記表面上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドを前記表面にコーティングすることは、該ポリペプチドの、該表面に対する物理吸着を含む。いくつかの実施態様では、精製ポリペプチドを前記表面にコーティングすることは、該ポリペプチドの、該表面に対する共有結合を含む。
別の態様では、本開示は、RAに罹患している疑いがある対象においてRAを診断する方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該試料の抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと;b)抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することを含む前記方法に関する。ここでは、試料中の前記抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、該対象がRAに罹患していることを示す。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、試料中の抗CarP抗体のレベルを決定することを含む。試料中の抗CarP抗体レベルを(例えばmg/ml又はnM/mlで)決定するための方法は、当技術分野で公知の任意の方法(例えばELISA)によって決定することができる。
いくつかの実施態様では、試料中の、より高いレベルの抗CarP抗体は、RA患者における、より低いレベルの抗CarP抗体よりも深刻な、将来の疾患進行の経過を示す。いくつかの実施態様では、試料中の、より高いレベルの抗CarP抗体は、より低いレベルの抗CarP抗体よりも深刻な骨びらん(joint erosion)を示す。
例えば、関節の痛み又は骨びらんなどの臨床症状の深刻度に関して、疾患進行の深刻度は、医師(例えば、一般開業医又はリウマチ専門医)などの当業者によって決定することができる。
別の態様では、本開示は、ヒト対象における関節リウマチ(RA)の予後を判定する方法であって、a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと、b)この抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することを含む前記方法に関する。ここでは、前記抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在は、ヒト対象におけるRA進行の経過を示す。
いくつかの実施態様では、ヒト対象は、RAを発症するリスクがある疑いがある無症候の対象である。いくつかの実施態様では、試料中の抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、該抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも、患者がRAを発症するリスクが高いことを示す。
いくつかの実施態様では、ヒト対象は、RAの臨床症状を有するRA患者である。いくつかの実施態様では、試料中の抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、該抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも深刻な、RA疾患進行の臨床経過を予測する。
いくつかの実施態様では、試料中の抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、試料中の抗CarP抗体のレベルを決定することを含む。いくつかの実施態様では、より高いレベルの抗CarP抗体は、無症候の対象がRAを発症するリスクが、より低いレベルの抗CarP抗体よりも高いことを示す。いくつかの実施態様では、より高いレベルの抗CarP抗体は、RA患者における、より低いレベルの抗CarP抗体よりも深刻な、将来の疾患進行の経過を示す。いくつかの実施態様では、より高いレベルの抗CarP抗体は、より低いレベルの抗CarP抗体よりも急速な、RAの発症を示す。
いくつかの実施態様では、RAを発症するリスクがある疑いがある対象からの試料中の抗CarP抗体の存在は、該対象が、関節痛患者であることを示す。いくつかの実施態様では、該抗CarP抗体の存在は、ある関節痛患者が、抗CarP抗体を有しない関節痛患者よりも、抗CarP抗体の存在を検出した後1年、2年、3年、4年、又は5年の間にRAを発症する可能性が約10%〜20%大きいことを示す。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体の存在は、関節痛患者が、抗CarP抗体を有しない関節痛患者よりも、抗CarP抗体の存在を検出した後1年、2年、3年、4年、又は5年の間にRAを発症する可能性が50%以上であることを示す。
いくつかの実施態様では、ヒト対象は、関節痛患者である。いくつかの実施態様では、関節痛患者における抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在は、関節痛患者が、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在の決定から5年以内に、RAを発症するリスクが、該抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の非存在よりも約10〜20%高いことを示す。
いくつかの実施態様では、本開示の方法は、対象からの試料中のACPA-抗体の存在又は非存在を検出することをさらに含む。いくつかの実施態様では、試料は、抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)について陰性である。
いくつかの実施態様では、ACPA-抗体の非存在下での抗CarP抗体の存在は、抗CarP抗体とACPA-抗体の非存在よりも深刻な、疾患進行の臨床経過(例えば、より深刻な関節損傷、又は、より深刻な放射線医学的損傷を伴う)を予測する。ACPA-抗体を検出及び定量化するための分析は、当技術分野で公知である(例えばACPA-ELISA)。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、試料中の抗CarP抗体のレベルを確認することを含む。抗CarP抗体レベルは、例えば、試料中の抗CarP抗体濃度として(例えば、[mg/ml]又は[nM]で)表すことができる。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、対象からの試料中の抗CarP抗体のレベルを、健康な対照個人からの試料中の抗CarP抗体の対照レベルと比較することを含む。ここでは、対象からの試料中のCarP-抗体のレベルが、対照レベルよりも高いならば、これは、該対象が関節リウマチ(RA)に罹患していることを示す。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体-ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することは、対象からの試料中の抗CarP抗体のレベルを、健康な対照個人からの試料中の抗CarP抗体の対照レベルと比較することを含む。ここでは、対象からの試料中のCarP-抗体のレベルが、対照レベルよりも高いならば、これは、該対象が、今後、RAを発症するリスクがあることを示す。
いくつかの実施態様では、(例えば、健康な対照者の集団において観察される抗CarP抗体レベルの平均又は中央値に対する)抗CarP抗体のレベルの増大の検出は、該対象が、抗CarP抗体レベルの増大の判定から、3か月未満、6か月未満、9か月未満、12か月未満、18か月未満、2年未満、3年未満、4年未満、5年未満、6年未満、7年未満、8年未満、9年未満、10年未満、12年未満、14年未満、又は16年未満のうちに、RAの臨床症状(例えば、関節の痛み、滑膜性連結部の全身性炎症)を発症するリスクがあることを示す。
いくつかの実施態様では、抗CarP抗体のレベルの増大の検出は、対象が、抗CarP抗体レベルの増大の判定後、5年以内にRAの臨床症状を発症する可能性が、抗CarP抗体のレベルの増大を有しない対象の対照群よりも、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、60%超、70%超、又は80%超、又は90%超、高いことを示す。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体のレベルの増大の検出は、対象が、抗CarP抗体レベルの増大の判定後、5年以内にRAの臨床症状を発症する可能性が、抗CarP抗体のレベルの増大を有しない対象の対照群よりも、2倍超、3倍超、4倍超、5倍超、6倍超、7倍超、8倍超、9倍超、又は10倍超、高いことを示す。
いくつかの実施態様では、対照個人における抗CarP抗体は、存在しない。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、抗CarP抗体レベルが、その抗CarP抗体レベルを決定するために使用されるそれぞれの分析のノイズよりも多く検出できない場合、試料中に存在しないとみなされる。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、抗CarP抗体レベルが、その抗CarP抗体レベルを決定するために使用されるそれぞれの分析のノイズよりも多く検出できる場合、試料中に存在するとみなされる。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、その抗CarP抗体検出分析における試験試料シグナルが、バックグラウンドノイズ(例えば、陰性対照試料に関するシグナルの平均又は平均値)よりも少なくとも2標準偏差(2×STD)高い場合、試料中に存在するとみなされる。いくつかの実施態様では、抗CarP抗体は、その抗CarP抗体レベルが、あらかじめ決定した閾値レベルを超える場合、試料中に存在するとみなされる。抗CarP閾値レベルは、臨床試験の具体的な目的、又はある種の抗CarP抗体レベルの医学的(例えば、診断的、予後的)重要性、又はその抗CarP抗体レベルの検出を含まないRAに対する別の診断試験の結果などの、様々な要因に基づいて、当業者、例えば臨床医によって決定することができる。
別の態様では、本開示は、RA患者におけるRA治療の有効性を判定する又は観察する方法であって、a)RA治療の過程を通して最初の時点とその後の時点で患者から得られた2以上の試料を、インビトロでカルバミル化されたA1AT(例えば、hA1AT又はbA1AT)又はその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該2以上の試料の抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと;b)2以上の試料のそれぞれについて、該抗CarP抗体のレベルを決定することと、c)2以上の試料間の該抗CarP抗体のレベルを比較することとを含む前記方法に関する。ここでは、最初の時点で得られた抗CarP抗体のレベルに対する、その後の時点で得られた1以上の試料における抗CarP抗体のレベルの低下は、そのRA治療が効果的であることを示し、抗CarP抗体のレベルの安定又は増大は、そのRA治療が効果的ではないことを示す。
いくつかの実施態様では、1以上の試料は、RA治療の経過の開始時に得られ、かつ1以上の試料は、そのRA治療の経過の、より後の時点で得られた。
いくつかの実施態様では、その後の時点は、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、15以上の、20以上の、25以上の、又は30以上の時点である。
いくつかの実施態様では、RA治療は、薬物治療を含む。いくつかの実施態様では、薬物治療は、プレドニゾン、メロキシカム、セレブレックス、モービック、ナプロキセン、レミケードIV、プラケニル、メトトレキサート、ジクロフェナク、メチルプレドニゾロン、エンブレル、インドメタシン、イブプロフェン、ケナログ、エトドラク、ナブメトン、ヒュミラ、アリーブ、ミノサイクリン、オレンシア、リツキサン、又は他のFDA若しくはEMAに承認されているRA薬物(臨床開発中の実験RA薬物を含めて)での治療を含む。いくつかの実施態様では、RA治療は、2以上のRA薬物の組み合わせでの治療を含む。
いくつかの実施態様では、該方法は、RA治療が効果的ではないと判定された場合に、その治療を調節することをさらに含む。RA治療を調節することは、例えば、薬物治療の用量を調節すること、薬物治療の頻度を増大させること、異なる薬物又は薬物の組み合わせで治療すること、RA治療を終わらせることを含むことができる。
いくつかの実施態様では、該方法は、RA治療が効果的ではないと判定された場合に、そのRA治療を繰り返すことをさらに含む。
いくつかの実施態様では、本開示の方法は、RAを発症するリスクがあるRA患者又は対象に、RA治療を施すことをさらに含む。RA治療は、1回以上(例えば、1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上、9回以上、10回以上、15回以上、20回以上、25回以上、50回以上、100回以上、150回以上、200回以上、300回以上、400回以上、又は500回以上)施すことができる。いくつかの実施態様では、RA治療は、ある期間(例えば、1日以上、1週以上、2週以上、1か月以上、2か月以上、3か月以上、6か月以上、9か月以上、12か月以上、18か月以上、2年以上、又は3年以上)にわたって施される。いくつかの実施態様では、RA治療は、1日1回、1日2回、又は1日3回施される。いくつかの実施態様では、RA治療は、1週間に1回、2週間ごとに1回、又は1か月に1回施される。
別の態様では、本開示は、RA治療のための対象を選択する方法であって、a)対象からの試料中の抗CarP抗体の存在又は非存在を、本開示の方法に従って検出することと;b)該試料中の1以上の追加のRAバイオマーカーの存在又は非存在を任意に検出することと、c)抗CarP抗体の存在又は非存在に基づいて、かつ、任意に1以上の追加のRAバイオマーカーの存在又は非存在に基づいて、RA治療のための対象を選択することとを含む前記方法に関する。
追加のRAバイオマーカーとしては、当技術分野で公知の任意のRAバイオマーカーを挙げることができる。いくつかの実施態様では、追加のRAバイオマーカーとして、RA特異的な自己抗原が挙げられる。いくつかの実施態様では、追加のRAバイオマーカーとして、ACPA、Ra33(hnRNP A2)、フィブリノゲン、フィブロネクチン、α-エノラーゼ、II型コラーゲン、免疫グロブリン結合タンパク質(BiP)、アネキシン、エプスタイン・バーウイルスにコードされるタンパク質(EBNA-2)由来のウイルス性シトルリン化ペプチド(VCP)、並びに、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ・タイプ4(PAD4)に対する抗体、及びB-RAFに対する抗体が挙げられる。追加のRAバイオマーカーの存在又は非存在を検出するための方法は、当技術分野で公知である(例えば、ELISA、ウエスタンブロットなど)。
本明細書に記載した本発明に変更及び改変を施して、本発明を種々の用法及び条件に採用することができることが、先の説明から明らかであろう。こうした実施態様も、次の特許請求の範囲の範囲内である。
本明細書の変数のいかなる定義においても、要素のリストの記述には、いずれかの単独の要素としての、又は列挙された要素の組み合わせ(又はサブコンビネーション)としての変数の定義が含まれる。本明細書の一実施態様の記述には、いずれかの単独の実施態様としての、又はいずれかの他の実施態様若しくはその一部と組み合わせた、実施態様が含まれる。
本明細書に挙げたすべての特許及び刊行物を、まるで、それぞれ個々の特許及び刊行物が、具体的かつ個々に参照によって組み込まれることが示されるかのような程度まで、参照によって本明細書に組み込む。
次の実施例は、限定ではなく例示の目的で提供される。
(実施例I)
(ウシCar-A1ATの、関節リウマチ患者の抗CarP抗体によって認識される主要なCar-FCS 抗原としての特定)
この実施例は、ヒト関節リウマチ(RA)患者の血清中に見られる抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体の、カルバミル化ウシ胎児血清(Car-FCS又はCa-FCS)中の免疫学的標的としての、カルバミル化されたウシα(1)-アンチトリプシン(Car-A1AT又はCa-A1AT)の特定を例示する。
FCSとシアン酸カリウムとを反応させることによって、Car-FCSを生成した。簡単に言うと、シアン酸カリウム(KOCN、Sigma-Aldrich社、St. Louis,MO;cat no.215074-500G)の2M溶液を、PBS中で調製した。次いで、この2M KOCN溶液を、FCS(Bodinco社、Alkmaar,The Netherlands)と、1:1体積-体積比で混合した。FCS-KOCN混合溶液を、37℃で一晩インキュベートして、Car-FCSを生成した。インキュベーション期間後、このCar-FCS溶液を、48時間、PBS(2L)に対して透析した(その間にPBSを5回新しくした)。
次いで、Car-FCSを、イオン交換カラムを通過させるHPLC分取にかけた。SDS-PAGEゲル上で、HPLC分画のタンパク質含有量を分析し、Car-FCS HPLC 分画の免疫反応性を、ELISAによって試験した。例えば、図2及び3Aを参照のこと。
ELISAは、次の通りに実施した。簡単に言うと、改変されていないFCS及びCar-FCSを、NUNC MAXISORP(登録商標)プレート(Thermo Scientific社、Waltham,MA)上に一晩コーティングした。洗浄及びブロッキング後、このウェルを、ヒトRA患者及び健康なボランティアから得られた血清試料と共にインキュベートした。ウサギ抗ヒトIgG抗体(Dako社、Glostrup,Denmark)、続いてHPR-標識されたヤギ抗ウサギIgG 抗体(Dako社、Glostrup,Denmark)を使用して、結合したヒトIgGを検出した。追加の洗浄ステップの後、ABTS基質(Pierce社、Rockford,IL)を使用して、HPR酵素活性を測定した。陽性反応についてのカットオフは、健康な対照の特定の抗CarP反応性の、平均プラス標準偏差(SD)の2倍として選択した。
MonoQカラムを使用するイオン交換HPLCによって、Car-FCSを分取した。HPLC分画を、SDS-PAGE(4〜12%)によってその全タンパク質含有量について、また、ELISAによってそのカルバミル化タンパク質含有量について分析した。図2A及びBは、Car-FCS分取実行、並びにその後の該分画のSDS-PAGE及びELISA分析の結果の例を示す。このグラフは、ELISAシグナルをHPLC-分画数に対してプロットし、HPLC-クロマトグラムを重ね合わせたものである。健康なボランティアからの2つの陰性対照血清試料(Neg PMDx1193及びPMDx1196)と、RA患者からの4つの血清試料(抗CarP抗体を含み抗シトルリン化タンパク質抗体を含まない2つの血清試料(CarP+/ACPA-;BVx0038、BVx0077)、及びACPA抗体を含み抗CarP抗体を含まない2つの血清試料(CarP-/ACPA+;BVx0032、BVx0008)を含む)を使用して、HPLC分画を、カルバミル化タンパク質について探索した。
一般に、強いELISAシグナルは、抗CarP抗体を含有する血清(BVx0038、BVx0077)では観察されたが、抗CarP抗体を欠くACPA+血清では観察されなかった。抗CarP抗体を欠く血清は、すべてのHPLC分画を通してバックグラウンドに近いELISAシグナルを示した。これらの結果は、シトルリン化タンパク質対カルバミル化タンパク質に対する、ACPAの選択性を示す。逆に、これらの結果は、ある種のカルバミル化FCSタンパク質と、カルバミル化タンパク質を認識するがシトルリン化タンパク質を認識しないヒトRA患者からのある一部の自己抗体との、特異的相互作用を示す。
分取されたCar-FCSのSDS-PAGE分析によって、分画1G4及び1G6における2本の比較的弱いタンパク質バンド(バンド3及び4)と、その後の分画における、より強いタンパク質バンドが現れた。しかし、ELISAシグナルは、HPLC分画番号1G4及び1G6では、その後の分画における、特にBVx0038(CarP+/ACPA-)血清を用いるものよりもかなり強いことが判明した。これらのタンパク質バンドを、キモトリプシン消化及び質量分析(MS)にかけた(図3A〜C参照)。MS分析によって、バンド3がウシα(1)-アンチトリプシン(A1AT)と特定された(図3B及び3C参照)。
まとめると、この実施例は、カルバミル化ウシA1ATが、ヒトRA患者からの抗CarP抗体によって認識される、カルバミル化FCSにおける主なカルバミル化タンパク質であることを示す。
(実施例II)
(抗CarP抗体のヒトCar-A1ATに対する反応性は、抗CarP抗体のCar-FCSに対する反応性と相関する)
この実施例は、ヒトRA患者からの抗CarP抗体の、インビトロでカルバミル化されたヒトA1AT(Car-hA1AT)に対する反応性が、Car-FCSに対する該抗体の反応性と相関することを実証する。これらの結果は、ヒトRA患者の血清中の抗CarP抗体の検出のための、また、RA患者の疾患及び疾患進行の診断及び予後評価のためのアッセイの開発において、Car-hA1ATを、Car-FCSの代わりに使用できることを示唆している。
精製されたhA1AT(Lee Biosolutions社、St. Louis,MO;cat. no.106-11)を、シアン酸カリウムと反応させることによって、インビトロでカルバミル化されたヒトA1AT(Car-hA1AT)を生成した。簡単に言うと、シアン酸カリウム(KOCN、Sigma-Aldrich社、St. Louis,MO;cat no.215074-500G)の2M溶液を、PBS中で調製した。精製されたhA1ATを、PBSで2mg/mlに希釈した。次いで、この2M KOCN溶液を、hA1ATと、1:1体積-体積比で混合し、1MのKOCNと1mg/mlのhA1ATを含む溶液をもたらした。改変されていないhA1AT一定分量を、参照タンパク質として保持した。hA1AT-KOCN混合溶液を、37℃で一晩インキュベートして、Car-hA1ATを生成した。インキュベーション期間後、このCar-hA1AT溶液を、48時間、PBS(2L)に対して透析した(その間にPBSを5回新しくした)。
ELISAに基づく分析を、基本的に実施例1に記載した通りに実施し、Car-FCSとCar-hA1ATに対するヒト抗CarP抗体の反応性を比較した。ある範囲の抗CarP抗体量を含有する、約30人のRA患者からの血清試料を試験した。このELISA比較分析の結果を、図4及び5に例示する。図4は、RA患者からの抗CarP抗体が、カルバミル化に依存する方式で、Car-A1ATと共に複合体を形成することを実証している(第3及び第4列)。図4は、Car-A1ATの抗CarP抗体認識が、Car-FCSの抗CarP抗体認識(FCSに対して、第1及び第2列参照)と同じ又はそれよりも大きい特異性のものである(A1ATに対して、第3及び第4列参照)ことをさらに示す。図5は、ヒトCar-A1ATに対する抗CarP抗体の反応性が、Car-FCSに対するその反応性と相関することが判明したことを示す。
受信者動作特性(ROC)分析を実施して、RA患者と健康な対照の識別に関する、インビトロでカルバミル化されたウシ胎児血清(Ca-FCS)に基づくELISA分析、及びインビトロでカルバミル化されたヒトA1AT(Ca-A1AT) に基づくELISA分析の性能を比較した(図6参照)。得られたROC曲線及び曲線下面積(AUC)は、Ca-FCSに基づく分析とCa-A1ATに基づく分析について、類似であることが判明した。しかし、臨床的に意義のある高特異性エリアにおいては、Ca-A1ATに基づく分析のROC曲線は、Ca-FCSに基づく分析の曲線よりも上であることが判明した(図6A参照)。98.8%の固定の特異性では、Ca-A1ATに基づく分析の感度が、Ca-FCSに基づく分析エリアの感度よりも高いことが判明した(図6B参照)。尤度及びオッズ比は、Ca-A1ATに基づく分析について、Ca-FCSに基づく分析よりも高いことが判明した(図6C参照)。
まとめると、これらの結果は、A1ATが、FCS中に存在する優勢なカルバミル化タンパク質抗原であるということを示す。さらに、インビトロでカルバミル化されたhA1AT(Car-hA1AT)が、抗CarP抗体の検出及びRA患者の疾患の診断及び予後評価のためのアッセイの開発に有効な精製されたタンパク質抗原として作用することが示された。
本開示を、開示した実施態様に関して記載してきたが、当業者は、先に詳述した特定の例及び研究が、本開示の実例に過ぎないことを容易に理解するであろう。本開示の範囲を逸脱せずに、様々な改変を施すことができることを理解するべきである。したがって、本開示は、次の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (13)

  1. 関節リウマチ(RAに罹患している疑いがある対象においてRAの診断を実施するためのデータを取得する方法であって、
    a)対象からの試料を、インビトロでカルバミル化されたヒトα1アンチトリプシン(hA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片を含む精製ポリペプチドと接触させて、該試料の抗カルバミル化タンパク質(抗CarP抗体と該精製ポリペプチドとの複合体を形成することと、
    b)抗CarP抗体-精製ポリペプチド複合体の存在又は非存在を検出することを含む、前記方法。
  2. 前記精製ポリペプチドが、cDNAによってコードされた、精製された組換えポリペプチドである、請求項1記載の方法。
  3. 前記精製ポリペプチドが、血液、血清、血漿、尿、又は滑液から精製された、インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片である、請求項1記載の方法。
  4. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:1のアミノ酸配列を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:1との70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性を有する、請求項1記載の方法。
  6. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:1の8以上の連続アミノ酸のインビトロでカルバミル化された断片を含む、請求項1記載の方法。
  7. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:1との80%超、85%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超の配列同一性をもつ8以上の連続アミノ酸のインビトロでカルバミル化された断片を含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:3〜32のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1記載の方法。
  9. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、配列番号:33〜203のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1記載の方法。
  10. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1ATのインビトロでカルバミル化された断片が、配列番号:33〜203のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1記載の方法。
  11. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片中の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超のリジン残基が、カルバミル化されている、請求項1記載の方法。
  12. 前記インビトロでカルバミル化されたhA1AT又はインビトロでカルバミル化されたその断片が、
    (a)hA1AT又はその断片を含むポリペプチドを精製することと、
    (b)該hA1AT又はその断片をインビトロでカルバミル化することと
    を含む方法によって調製される、請求項1記載の方法。
  13. 前記hA1AT又はその断片を含むポリペプチドが、該hA1AT又はその断片がインビトロでカルバミル化される前に精製される、請求項12記載の方法。
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