JP6274685B1 - 上顎牽引装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下顎等の顔面を押圧する力を軽減することにより、上顎のより効果的な牽引による短期間での治療を可能とし、また、下顎の前方成長の阻害を抑制することができる上顎牽引装置を提供すること。【解決手段】口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えた上顎牽引装置本体20と、上顎牽引装置本体20のフェイスマスクを前方に牽引する上顎牽引補助装置30とを備えた上顎牽引装置10である。【選択図】図1

Description

本発明は、不正咬合矯正治療に用いる上顎牽引装置に関する。
不正咬合の一つに下顎前突(反対咬合、受け口ともいう。)がある。これは、上顎に対し下顎の成長が強く、反対に下顎の成長に対し上顎の成長が弱いことに起因する。この症状を改善するため、成長期の上顎が未成熟な子供に対して使用する上顎牽引装置(上顎前方牽引装置、プロトラクターともいう。)が知られている。
従来の上顎牽引装置には、ホーン付チンキャップタイプ、フェイスマスクタイプ、ボウタイプなどがある。これらの多くは、額部及び下顎部(オトガイ、チン)を固定源として、上顎に取り付けられた口腔内装着装置を牽引ゴムにて前方に引くことにより、上顎の前方への発育を促すものである。
この従来の上顎牽引装置は、弱く長期間牽引するもの(1年から1年半程度のもの)と、強く短期間牽引するもの(2〜3ヶ月程度のもの)とがあり、弱く長時間牽引するものは痛みを起こしにくい反面、効果量が少ないという問題があった。一方、強く短期間牽引するものは、牽引する力が強く、このために、その反作用を受ける固定源である下顎の成長が抑制・後退されるおそれがあった。また、固定源である額部や下顎部を傷付けてしまう等、使用者にとっても苦痛を伴うものであった。
現在、様々な上顎牽引装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/097374号
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、下顎等の顔面を押圧する力を軽減することにより、上顎のより効果的な牽引による短期間での治療を可能とし、また、下顎の前方成長の阻害を抑制することができる上顎牽引装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を改善するべく鋭意研究した結果、上顎牽引装置本体のフェイスマスクを前方に牽引する上顎牽引補助装置を用いることにより、上顎牽引時に下顎や額等にかかる負担を軽減でき、これにより、上顎のより効果的な牽引による短期間での治療が可能となることを見いだした。また、下顎への負担を軽減することにより、下顎の前方成長の阻害を抑制することができることを見いだした。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えた上顎牽引装置本体と、
該上顎牽引装置本体のフェイスマスクを前方に牽引する上顎牽引補助装置と、
を備えたことを特徴とする上顎牽引装置。
[2]フェイスマスクの顔面を押圧する顔面押圧部の少なくとも1つが、下顎押圧部であることを特徴とする[1]記載の上顎牽引装置。
[3]フェイスマスクが、顔面押圧部を2以上有することを特徴とする[2]記載の上顎牽引装置。
[4]上顎牽引補助装置が、頭顔部を包囲する枠体と、該枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材と、前記枠体及びフェイスマスクに張設されるマスク牽引弾性部材とを備えたことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の上顎牽引装置。
[5]枠体が球状であることを特徴とする[4]記載の上顎牽引装置。
[6]マスク牽引弾性部材が、X状のバンドであることを特徴とする[4]又は[5]記載の上顎牽引装置。
[7]口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えた上顎牽引装置本体におけるフェイスマスクを前方に牽引するための上顎牽引補助装置。
[8]頭顔部を包囲する枠体と、該枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材と、前記枠体及びフェイスマスクに張設されるマスク牽引弾性部材とを備えたことを特徴とする[7]記載の上顎牽引補助装置。
[9]枠体が球状であることを特徴とする[8]記載の上顎牽引補助装置。
[10]マスク牽引弾性部材が、X状のバンドであることを特徴とする[8]又は[9]記載の上顎牽引補助装置。
本発明の上顎牽引装置によれば、下顎等の顔面を押圧する力を軽減することにより、顔面への負担が少なく、上顎のより効果的な牽引による短期間での治療が可能となり、また、下顎の前方成長の阻害を抑制することができる。さらに、上顎牽引補助装置として球状の枠体を用いることにより、寝返り等が可能で、睡眠を阻害することなく、睡眠中に上顎の牽引を行うことができる。また、上顎のより効果的な牽引が可能であることと相まって、睡眠中だけの処置でよく、普段の生活への支障なく治療を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る上顎牽引装置装着時の概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る上顎牽引装置装着時の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るフェイスマスク装着時の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置の装着装置本体の説明図である。 本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置のインナーフックの説明図である。 本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置の装着時の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るフェイスマスクの説明図である。 本発明の一実施形態に係るフェイスマスクの説明図である。 本発明の一実施形態に係るフェイスマスクの説明図である。 本発明の一実施形態に係る上顎牽引弾性部材の説明図である。 本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置を上顎牽引装置本体に固定した時の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置のマスク牽引弾性部材でフェイスマスクを牽引した時の概略側面図である。
本発明の上顎牽引装置は、上顎牽引装置本体と、上顎牽引装置本体のフェイスマスクを前方に牽引する上顎牽引補助装置とを備えている。
なお、本明細書中において、前方向とはヒトの目線方向を意味し、後方向とはその逆方向を意味する。また、右方向とは右耳の方向を意味し、左方向とは左耳の方向を意味する。
<上顎牽引装置本体>
上顎牽引装置本体は、口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えている。
(口腔内装着装置)
本発明の口腔内装着装置は、口内の上顎に固定される装着装置本体と、装着装置本体に取り付けられるインナーフックを備えている。
装着装置本体は、従来技術のものを使用することができ、例えば、可撤式の床矯正装置、固定式のリンガルアーチ、ポーター型拡大装置などを挙げることができる。これらの口腔内装着装置は、上顎を前方に牽引すると共に、必要に応じて歯列及び/又は上顎を拡げることができる。また、装着装置本体は、インナーフックを固定する固定部を備えている。
インナーフックは、その一端が口内の装着装置本体に固定され、他端が口外に配置される。インナーフックの他端の先端には、上顎牽引弾性部材を掛止する鉤状部等が設けられている。本発明のインナーフックは、一般的には、インナーボウやホリゾンタルボーと呼ばれるものである。なお、装着装置本体とインナーフックは、上記のように別体で構成されたものであってもよいが、一体に構成されていてもよい。
(フェイスマスク)
本発明の上顎牽引装置本体のフェイスマスクは、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される。フェイスマスクは、顔面を押圧する顔面押圧部が1つであってもよいが、安定性の点から2以上有することが好ましい。かかる顔面押圧部の少なくとも1つは、下顎押圧部であることが好ましく、額部押圧部との組み合わせが特に好ましい。
下顎や額部を押圧する押圧部は、例えば、顔面側に緩衝材が配置され、その外側を硬質な合成樹脂で覆ったパットやカップで構成される。パッドは、平板状でもよいが、安定性の点から、額や下顎の湾曲に合わせた形状とすることが好ましい。パッドやカップにおける緩衝材としては、ゴム、ウレタン等のクッション性の高い素材が挙げられる。硬質な合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。
額部及び下顎部に押圧部が設けられる場合、両者は、左右それぞれに延設したフレームにより連結されており、さらにヘッドバンドにより、顔面に固定される。ヘッドバンドは、安定性の点から、少なくとも後頭部に巻回されることが好ましい。ヘッドバンドの素材としては、ゴム等の弾性を有する素材などを挙げることができる。ヘッドバンドは、フェイスマスク本体と別体であってもよいし、一体であってもよい。
また、フェイスマスクは、アウターフックを具備している。アウターフックは、フェイスマスクを装着した際、インナーフックとほぼ同じ高さとなると共に、インナーフックより前方に配置され、その先端には、上顎牽引弾性部材を掛止する鉤状部等が設けられている。インナーフック及びアウターフックに上顎牽引弾性部材が張設されるが、アウターフックの位置を前後に調整することにより、上顎の牽引力を調整することができる。
(上顎牽引弾性部材)
本発明の上顎牽引弾性部材は、口腔内装着装置のインナーフック、及びフェイスマスクのアウターフックに張設される。これにより、口腔内装着装置を前方に牽引し、上顎を矯正する。上顎牽引弾性部材としては、高分子材料からなる医療用ゴム、弾性を有するワイヤー等を挙げることができる。
<上顎牽引補助装置>
上顎牽引補助装置は、上顎牽引装置本体のフェイスマスクを前方に牽引する装置であり、フェイスマスクによる顔面への押圧を軽減し、より効果的な上顎の牽引による短期間での治療を可能とする。また、下顎が固定源(押圧部)となっている場合には、下顎の前方成長の阻害を抑制することができる。なお、フェイスマスクを前方に牽引するとは、前方上方や前方下方に牽引する場合も含まれる。
上顎牽引補助装置は、例えば、頭顔部を包囲する枠体と、該枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材と、枠体及びフェイスマスクに張設されるマスク牽引弾性部材とを備えている。
(枠体)
枠体は、球状であることが好ましい。本発明の上顎牽引装置は、主として、睡眠時等に、仰向けの状態で使用されるものであるが、球状であることにより、寝返りを容易に行うことが可能となり、睡眠時の障害を抑制することができる。したがって、枠体が球状であるとは、厳密な球を意味するのではなく、寝返りができる程度の球状に近い多角体も含む。また、枠体は、頭を挿入する開口を有しているので、球状の枠体は、完全な球ではなく、一部が欠けた形状となる。
本発明の球状の枠体を備えた補助装置を用いることにより、上記のように、寝返り等が可能で、睡眠を阻害することなく、睡眠中に上顎の牽引を行うことができる。また、より効果的な上顎の牽引が可能であることと相まって、睡眠中だけの処置でよく、普段の生活への支障なく治療を行うことができる。
また、枠体の後部には、ヘッドパッドが設けられていることが好ましい。このヘッドパッドは、クッション性の高い部材、例えば、ウレタン、スポンジ等で形成され、装着し仰向けになった時に後頭部を保護するものである。これにより、仰向けの状態でより快適に処置を行うことができる。なお、ヘッドパッドは、枠体に固定されたものであってもよいし、取付け可能なものであってもよい。
(固定部材)
枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材としては、枠体及びフェイスマスクを確実に固定できるものであれば特に制限されるものではなく、紐等を挙げることができる。
(マスク牽引弾性部材)
マスク牽引弾性部材は、一端がフェイスマスクのフレーム等に取り付けられ、他端が枠体に取り付けられる。フェイスマスクへの取付け位置としては、顔面の下半部のいずれかの位置(目より下の位置)であることが好ましい。例えば、フェイスマスクの取付け位置の前方に枠体の前方端部を配置させ、フェイスマスクからマスク牽引弾性部材を前方に牽引し、枠体端部で上方に折り曲げ、枠体の前方上部に取り付けることにより、フェイスマスクは、前方にまっすぐ牽引されることになる。このマスク牽引弾性部材は、高分子材料等からなる弾性部材であり、その形状としてはX状のバンドであることが好ましい。かかるX状のバンドは、例えば、輪状に形成された弾性体を四方より中央に向けて絞り中央で固定することでX状とし、形成された4つの先端にフックを設けることにより構成することができる。マスク牽引弾性部材がX状のバンドである場合には、フェイスマスクの左右のフレーム等に2つの先端を接続し、残りの2つの先端を枠体の前方上部に左右所定間隔をあけて接続する。これにより、より安定的に固定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引装置装着時の概略平面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引装置装着時の概略側面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るフェイスマスク装着時の概略側面図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置の装着装置本体の説明図であり、図5は、本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置のインナーフックの説明図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る口腔内装着装置の装着時の概略側面図である。図7〜図9は、本発明の一実施形態に係るフェイスマスクの説明図である。図10は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引弾性部材の説明図であり、図11は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置の概略側面図であり、図12は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置を上顎牽引装置本体に固定した時の概略側面図であり、図13は、本発明の一実施形態に係る上顎牽引補助装置のマスク牽引弾性部材でフェイスマスクを牽引した時の概略側面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る上顎牽引装置10は、上顎牽引装置本体20と、上顎牽引補助装置30とを備えている。図2に示すように、上顎牽引装置10は、ヒトが仰向けになった状態で使用される。すなわち、睡眠時に処置することが可能であり、上顎牽引補助装置(枠体)30の形状が球状であることから、寝返りも可能である。
<上顎牽引装置本体>
図3に示すように、上顎牽引装置本体20は、口腔内装着装置40と、フェイスマスク50と、上顎牽引弾性部材60とを備えている。
(口腔内装着装置)
図4及び図5に示すように、口腔内装着装置40は、装着装置本体41(図4)とインナーフック42(図5)とを備えている。
図4に示すように、装着装置本体41は、カバープレート(マウスピース)43と、拡大ネジ44と、インナーフック固定部45とを備えている。カバープレート43は、4枚のプレートが連結して一体をなし、ヒトの口内の上顎を覆うように形成される。拡大ネジ44は、カバープレート43の中央に各プレートを連結するように設けられ、上顎の拡大に伴い、各プレート間に隙間を形成し、カバープレート43を拡張する。また、インナーフック固定部45は、臼歯の外側近傍に設けられている。
図5に示すように、インナーフック42は、平面視してU字状部材を備え、U字状部材の角部2箇所から垂直上方向に鉤状フック42L、42Rが延設されている。また、U字状部材の脚部2箇所には、接続フック42L、42Rが設けられ、装着装置本体41のインナーフック固定部45に取り付けられる。図6に示すように、使用時には、装着装置本体41は口内に配置されると共に、鉤状フック42L、42Rは、口外の唇の前方直近に配置される。
(フェイスマスク)
図7及び図8に示すように、フェイスマスク50は、額パッド51と、顎カップ52と、アウターフック53と、この額パッド51及び顎カップ52の左右両端に接続されたフレーム54(54L、54R)とを備えている。
額パッド51は、ヒトの額側に緩衝材を備え、外側には硬質な合成樹脂カバーが設けられている。額パッド51から左右に延びるフレーム54L、54Rは、頭部に沿って左右後方に向けて延伸し、こめかみ近傍にて下方向に湾曲し、頬骨近傍にて顔面の中央に湾曲し、頬部近傍で下方向に延設されている。
一方、このフレーム54L、54R間に設けられる顎カップ52は、ヒトの顎部側に緩衝材を備え、これらを覆うように外側には硬質な合成樹脂カバーが設けられている。
アウターフック53は、U字状部材を備え、U字状部材の基底部を前方向に向けてフレーム54L、54Rに固定されている。さらに、U字状部材の基底部には、垂直上方向に延設された鉤状フック53L、53Rを有する。この鉤状フック53L、53Rに上顎牽引弾性部材60の一端が張設され上顎を牽引するが、アウターフック53を前後方向に調整することにより、その牽引力を調整することができる。
図9に示すように、フェイスマスク50は、さらにヘッドバンド55を備えており、かかるヘッドバンド55は、頭部において後頭部を通り巻きつけるバンド55Bと前頭部上方を通り巻きつけるバンド55Fとを備え、額パッド51の両側に位置するフレーム54L、54Rの上部で緊締される。ヘッドバンド55により、装着時にフェイスマスク50の額パッド51と顎カップ52が顔面に当接した状態で、顔表面を囲うように安定して支持・固定される。
図10に示すように、口腔内装着装置40のインナーフック42の鉤状フックと、フェイスマスク50のアフターフック53の鉤状フックとの間には、上顎牽引弾性部材60が張設される。これにより、口腔内装着装置40が前方へ牽引され、上顎全体が前方に牽引されることになる。この際、上顎を牽引する前方へ力の反作用として、額パッド51及び顎カップ52に後方への力がかかることになる。つまり、本実施形態の場合、額パッド51及び顎カップ52が押圧部となる。
(上顎牽引補助装置)
図11に示すように、上顎牽引補助装置30は、枠体31を備えている。枠体31は、ヒトの頭部が挿入可能な開口32を有し、湾曲した棒状部材を組み合わせて球状に形成される。枠体31の後部には、ヘッドパッド33が設けられている。図12に示すように、この枠体31は、フェイスマスク50のヘッドバンド55と後部で固定紐34によって固定される。
図13に示すように、上顎牽引補助装置30は、枠体31及びフェイスマスク50に張設されるマスク牽引弾性部材35を備えている。図1に示すように、マスク牽引弾性部材35は、X状のバンドであり、4つの先端にフックが設けられている。
このXバンド35により、枠体31とフェイスマスク50を連結し、フェイスマスク50による顔面への押圧を抑制する。まず、フェイスマスク50の左右のフレーム54の口元近くにXバンド35の2つの先端を接続する。残りの2つの先端を枠体31の前方上部に左右所定間隔をあけて接続するが、このとき、このフェイスマスク50への取付け位置の前方に枠体31の前方端部を配置させておくことにより(図13参照)、フェイスマスク50からXバンド35を前方に牽引することが可能となる。すなわち、フェイスマスク50の取付け位置からまっすぐ前方にXバンド35を伸ばし、その位置に枠体31端部が存在するので、その端部で上方に折り曲げ、枠体31の前方上部に取り付けることにより、フェイスマスク50は、前方にまっすぐ牽引されることになる。
次に、本発明の一実施形態における上顎牽引装置10の装着方法及び使用方法について説明する。
まず、図4に示すように、口腔内に、装着装置本体41を装着し、その後、図5及び図6に示すように、インナーフック42を取り付ける。続いて、図7〜図9に示すように、フェイスマスク50を装着し、ヘッドバンド55で固定する。続いて、図10に示すように、口腔内装着装置40のインナーフック42と、フェイスマスク50のアウターフック53を上顎牽引弾性部材60で連結し、上顎の牽引を可能とする。ここまでの操作は、基本的に従来の上顎牽引装置と同様である。
続いて、図11に示すように、上顎牽引補助装置30の枠体31の開口32に頭を入れる。次に、図12に示すように、固定紐34を用いて、枠体31の後部及びヘッドバンド55の後部を縛り、上顎牽引装置本体20と上顎牽引補助装置30を固定する。最後に、図13に示すように、Xバンド35をフェイスマスク50の口元近傍の左右フレーム54L、54Rに各々係合し、その位置からまっすぐ前方にXバンド35を伸ばし、その位置に枠体31端部が存在するので、その端部で上方に折り曲げ、枠体31の前方上部に取り付ける。
このように、上顎牽引装置本体20を前方に牽引することにより、フェイスマスク50の額パッド51と顎カップ52による顔面への力を軽減することができる。特に、Xバンド35をフェイスマスク50の顔面下半分の領域に接続していることから、顎カップ52による下顎部への力がより軽減される。したがって、下顎への負担を軽減させて、下顎の成長阻害を抑制することができる。
(不正咬合矯正治療)
本発明の一実施形態である上顎牽引装置10を用いて、不正咬合矯正治療を行った。本発明の補助装置を用いた上顎牽引装置10による治療では、睡眠時のみ、2〜4か月継続して行うことにより、従来の装置では効果のないような症状に対しても効果がみられた。また、経験的に通常は6〜12か月程度かかると思われる治療が、2〜4か月といった短期間で行うことが可能となった。
本発明の上顎牽引装置は、不正咬合矯正治療に用いることができ、産業上有用である。
10 上顎牽引装置
20 上顎牽引装置本体
30 上顎牽引補助装置
31 枠体
32 開口
33 ヘッドパッド
34 固定紐
35 マスク牽引弾性部材(Xバンド)
40 口腔内装着装置
41 装着装置本体
42 インナーフック
42L、R 鉤状フック
42L、R 接続フック
43 カバープレート(マウスピース)
44 拡大ネジ
45 インナーフック固定部
50 フェイスマスク
51 額パッド
52 顎カップ
53 アウターフック
53L、R 鉤状フック
54 フレーム
55 ヘッドバンド
60 上顎牽引弾性部材

Claims (10)

  1. 口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えた上顎牽引装置本体と、
    該上顎牽引装置本体のフェイスマスクを前方に牽引する上顎牽引補助装置と、
    を備えたことを特徴とする上顎牽引装置。
  2. フェイスマスクの顔面を押圧する顔面押圧部の少なくとも1つが、下顎押圧部であることを特徴とする請求項1記載の上顎牽引装置。
  3. フェイスマスクが、顔面押圧部を2以上有することを特徴とする請求項2記載の上顎牽引装置。
  4. 上顎牽引補助装置が、頭顔部を包囲する枠体と、該枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材と、前記枠体及びフェイスマスクに張設されるマスク牽引弾性部材とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の上顎牽引装置。
  5. 枠体が球状であることを特徴とする請求項4記載の上顎牽引装置。
  6. マスク牽引弾性部材が、X状のバンドであることを特徴とする請求項4又は5記載の上顎牽引装置。
  7. 口腔内の上顎に固定される、インナーフックを具備する口腔内装着装置と、後頭部側及び顔面側からの押圧により顔面に固定される、アウターフックを具備するフェイスマスクと、インナーフック及びアウターフックに張設される上顎牽引弾性部材とを備えた上顎牽引装置本体におけるフェイスマスクを前方に牽引するための上顎牽引補助装置。
  8. 頭顔部を包囲する枠体と、該枠体及びフェイスマスクを後部で固定する固定部材と、前記枠体及びフェイスマスクに張設されるマスク牽引弾性部材とを備えたことを特徴とする請求項7記載の上顎牽引補助装置。
  9. 枠体が球状であることを特徴とする請求項8記載の上顎牽引補助装置。
  10. マスク牽引弾性部材が、X状のバンドであることを特徴とする請求項8又は9記載の上顎牽引補助装置。
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