以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による動画配信システム1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、動画配信システム1は、動画投稿装置3、動画配信装置5、及び端末装置7を備えて構成される。動画配信装置5と複数の端末装置7とは、インターネットなどのネットワーク9により接続される。なお、動画配信装置5と複数の動画投稿装置3の一部または全部が、ネットワーク9により接続されてもよい。
動画投稿装置3は、カメラを実装したスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ端末や、通信装置が接続されたカメラなどである。
図2は、動画配信装置5の内部構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。動画配信装置5は、1台以上のサーバコンピュータなどにより実現され、動画配信処理部51、及びコメント配信処理部53を備えて構成される。
動画配信処理部51は、記憶部511、配置決定部512、動画受信部513、一覧表示用動画生成部514、送信範囲決定部515、動画一覧表示画面生成部516、表示位置受信部517、音声配信部518、及び動画表示画面生成部519を備えて構成される。
記憶部511は、動画一覧などの各種データを記憶する。動画一覧は、複数の動画データの表示画像を、平面を埋めるように相互に隣接させて一覧表示する際の各動画データの配置を示すデータである。配置決定部512は、動画データの表示画像を一覧表示する際の各動画データの配置を決定し、決定した配置を示す動画一覧を記憶部511に書き込む。
動画受信部513は、動画投稿装置3から動画データを受信する。一覧表示用動画生成部514は、動画受信部513が受信した動画データから、動画一覧表示画面における表示サイズに合わせた動画データを生成する。動画一覧表示画面は、端末装置7が備えるディスプレイの表示サイズの中に複数の動画データの表示画像が含まれ、端末装置7が備えるディスプレイの表示サイズよりも大きなサイズの画面のデータである。
送信範囲決定部515は、動画一覧における送信範囲を、端末装置7が表示可能な範囲よりも大きなサイズで決定する。送信範囲決定部515は、動画一覧表示画面上の表示位置に関する情報を端末装置7から受信した場合、受信した情報に応じて送信範囲を決定する。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲に含まれる複数の動画データの表示画像を、動画一覧における配置に従って配置した動画一覧表示画面を生成し、端末装置7へ配信する。また、動画一覧表示画面生成部516は、動画の送信元の送信元装置からそれぞれ受信した動画をグループ毎に配列して動画一覧表示画面を生成することもできる。表示位置受信部517は、動画一覧表示画面を表示している端末装置7から、所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データを特定する情報を受信する。音声配信部518は、表示位置受信部517が受信した情報により特定される動画データの音声データを配信する。
動画表示画面生成部519は、動画データの表示要求を端末装置7から受信し、受信した表示要求により示される表示対象の動画データの画像を動画一覧表示画面における表示画像よりも大きく表示する動画表示画面を生成し、端末装置7に配信する。この動画表示画面にはさらに、表示対象の動画データの画像に隣接させて他の動画データの画像を画面の外周で切れるように表示させる。
加工部520は、端末装置からの要求に応じて、動画一覧表示画面のうち表示領域に表示する対象となる動画の数を変更し、当該表示領域内に表示する動画の数に応じて、グループ毎の表示の仕方の度合いを変えて表示するよう前記動画一覧表示画面を加工し、加工した動画一覧表示画面を端末装置に配信する。
コメント配信処理部53は、コメント受信部531、コメント記憶部532、及びコメント配信部533を備えて構成される。
コメント受信部531は、動画表示画面生成部519が動画表示画面を配信している端末装置7から、表示対象の動画データに対するコメントデータを受信する。コメントデータは、コメント内容、コメントを投稿したユーザを識別する情報、コメントの投稿時刻などが含まれる。コメント記憶部532は、コメント受信部531が受信したコメントデータを記憶する。コメント配信部533は、動画表示画面生成部519が動画表示画面を配信している端末装置7に、その動画表示画面が表示対象としている動画データに対するコメント情報を配信する。コメント配信部533は、コメント情報をコメント記憶部532に記憶されているコメントデータに基づいて生成する。コメント情報は、コメント内容や、コメントを投稿したユーザの情報(例えば、ユーザ名)、投稿時刻などを含む。
図3は、端末装置7の内部構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。端末装置7は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ端末により実現される。本実施形態では、端末装置7がスマートフォンである場合を例に説明する。端末装置7は、通信部71、表示部72、操作受付部73、音声出力部74、及び制御部75を備えて構成される。
通信部71は、ネットワーク9を介して動画配信装置5との間でデータを送受信する。また、通信部71は、動画の送信元の送信元装置からそれぞれ送信された動画データがグループ毎に配列された動画一覧表示画面を動画配信装置から受信する。
表示部72は、画面を表示するディスプレイであり、例えば、タッチパネルである。操作受付部73は、ユーザから種々の操作を受け付ける。表示部72がタッチパネルである場合、操作受付部73は、タッチパネルに配されているタッチセンサを介して操作を受け付ける。音声出力部74は、スピーカーであり、音声データの再生音声を出力する。
制御部75は、各部を制御する。制御部75は、一覧表示制御部751、音声制御部752、動画表示制御部753、及びコメント処理部754を備えて構成される。
一覧表示制御部751は、表示部72の表示サイズよりも大きな動画一覧表示画面の中から、表示部72の表示サイズに応じた表示範囲を表示移動操作に応じて移動させて表示部72に表示させる。
一覧表示制御部751は、表示対象となる表示領域に表示する動画一覧表示画面の範囲を指定する指示に応じて、動画一覧表示画面のうち表示領域に表示する動画データの数を変更し、当該表示領域内に表示する動画の数に応じて、グループ毎の表示の仕方の度合いを変えて、表示部72によって表示する。表示の仕方の度合いは、例えば、動画の明るさ、色味、ぼかし等があり、これらのうちいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせて用いることもできる。グループ毎の表示の仕方の度合いを変える場合、一覧表示制御部751は、操作入力に応じて表示領域内に含まれる動画の数が増えるほど、グループ間における前記表示の仕方の度合いの差が大きくなるように、表示部72に表示する。より具体的に、一覧表示制御部751は、動画一覧表示画面に表示される個々の動画データの表示画像の表示サイズを縮小するほど、色味や明るさの度合いが、グループ間において差が大きくなるように表示させる。このグループとしては、例えば、動画データ毎に設定されたカテゴリを用いることができる。すなわち、それぞれのカテゴリが、異なるグループとして対応している。
また、一覧表示制御部751は、端末装置7から動画配信装置5に対するアクセス状況に基づく注目度に従い、注目度が高い動画について、他のグループとは異なる表示の仕方によって、表示部72に表示させる。注目度としては、例えば、端末装置7から送信されたコメントの数や、端末装置7から動画に対して送信されたコメントに、特定のキーワード(例えば、「面白くない」、「つまらない」等、動画の内容に対して非難するような意味を含む文字列)が含まれるコメントの数や、閲覧ユーザ数等を用いることができる。
一覧表示制御部751は、グループのうち表示対象となるグループの選択する操作入力を受け付け、当該選択されたグループに属する動画を対象として表示部72の表示領域内に表示する。
音声制御部752は、表示部72に表示させている動画一覧表示画面の表示範囲の中で、所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データの音声データを動画配信装置5から受信し、音声出力部74から出力させる。
動画表示制御部753は、表示部72が表示している動画一覧表示画面内の動画データの表示画像により表示対象の動画データを選択する表示指示操作を操作受付部73が受けた場合、表示対象として選択された動画データの表示要求を動画配信装置5に送信する。また、動画表示制御部753は、動画表示画面において画像を画面の外周で切れるように表示させている動画データを新たな表示対象に変更する表示対象変更操作を受けた場合に、新たな表示対象として選択された動画データの表示要求を動画配信装置5に送信する。動画表示制御部753は、表示要求に対応して動画配信装置5から受信した動画表示画面を、表示部72に表示させる。
コメント処理部754は、動画表示画面が表示対象としている動画データに対してユーザが入力したコメント内容を設定したコメントデータを動画配信装置5に送信する。また、コメント処理部754は、動画配信装置5から受信したコメント情報を動画表示画面に追加して表示させる。
次に、動画配信システム1の動作を説明する。以下では、動画配信装置5が動画投稿装置3から受信した動画データを、端末装置7にライブ配信する場合について説明する。
最初に、動画配信装置5が各動画投稿装置3からライブ配信する動画データを受信した時の処理について説明する。
まず、動画配信装置5の配置決定部512は、所定の条件に従って、動画データの表示画像を一覧表示する際の動画データの配置を決定し、決定した配置を示す動画一覧を記憶部511に登録しておく。例えば、動画一覧は、動画一覧における配置位置と、その配置位置に表示画像を表示する動画データの動画IDとを対応付けた情報により示される。所定の条件には、動画データに関する任意の情報を使用することができる。例えば、動画毎に設定されているカテゴリを表すカテゴリ情報を用いることができる。また、動画一覧の生成のタイミングは、所定の時間毎、指示が入力されたときなど、任意とすることができる。
図4は、動画配信装置5における動画受信処理フローを示す図である。
動画配信装置5の動画受信部513は、ライブ配信する動画データを動画投稿装置3から受信する(図4、ステップS105)。一覧表示用動画生成部514は、動画受信部513が受信した動画データから、当該動画データのカテゴリ情報を参照し、動画一覧表示画面における表示画像の表示サイズに合わせた動画データを生成し、生成された動画データの表示画像が、カテゴリ毎に並ぶように生成する(図4、ステップS110)。カテゴリ情報は、動画データに対応付けられ、動画投稿装置3から送信してもらい、これを受信して用いることもできる。また、カテゴリ情報は、動画投稿装置3のユーザを識別するユーザIDとカテゴリ情報とを対応付けて記憶するカテゴリ情報記憶部を記憶部511に設けるようにし、動画投稿装置3から動画配信時にログイン等によって得られるユーザIDを元に、このカテゴリ情報記憶部を参照し、ユーザIDに対応するカテゴリ情報を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、動画一覧表示画面における各表示画像の表示サイズは同一とするが、動画一覧における配置位置に応じて表示サイズが異なっていてもよい。動画一覧表示画面における表示画像の表示サイズに合わせた動画データは、例えば、縮小表示画像の動画データでもよく、動画データの表示画像の一部をトリミングした動画データであってもよい。
続いて、図5及び図6に示す処理フローを用いて、動画配信システム1における動画一覧配信処理について説明する。
図5は、端末装置7における動画一覧表示処理フローを示す図であり、図6は、動画配信装置5における動画一覧配信処理フローを示す図である。
図5において、端末装置7の操作受付部73が、動画一覧の配信を要求するユーザ操作を受ける。一覧表示制御部751は、このユーザ操作に対応する動画一覧配信要求を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS205)。
図6において、動画配信装置5の送信範囲決定部515は、端末装置7から動画一覧配信要求を受信したか否かを判断する(図6、ステップS305)。ここでは、送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求を受信したと判断する(図6、ステップS305:YES)。送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求から端末装置7における動画一覧の表示位置を取得する。ここでは、動画一覧配信要求に表示位置が設定されていないため、送信範囲決定部515は、動画一覧における予め決められた初期表示位置を、表示位置として決定する。送信範囲決定部515は、記憶部511から動画一覧を読み出し、読み出した動画一覧における矩形の送信範囲を、表示位置に応じて、端末装置7が表示可能な範囲よりも所定サイズ分だけ大きなサイズで決定する(図6、ステップS310)。
図7は、動画一覧、配信範囲、及び、端末装置7の表示範囲の関係を示す図である。本実施形態では、動画一覧は、同一の大きさの正方形の表示画像を、縦方向及び横方向にタイル状に並べて一覧表示するときの動画データの配置を示す。同図に示すように、動画一覧は、左上から動画IDがV1、V2、V3、…の動画データが配置されることを示している。仮想画面A1は、動画一覧が示す配置に従って仮想的に動画データの表示画像を配置して表示させたときの全画面を示している。例えば、送信範囲決定部515は、初期表示位置A2が中心となるように送信範囲A3を決定する。送信範囲A3は、動画一覧表示画面として端末装置7へ送信する動画一覧の範囲であり、端末装置7の表示部72が表示可能なサイズである表示範囲A4よりも大きい。なお、動画一覧表示画面内の動画データの表示画像は、表示範囲A4の外周により、表示範囲A4内に含まれる最も外側の表示画像が切れるように配置される。つまり、表示範囲A4の縦、及び横の長さは、表示画像の辺の長さでは割り切れない。
図6において、動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲(例えば、図7の送信範囲A3)に含まれる配置位置それぞれに対応する動画IDを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に含まれる配置位置に、その配置位置に対応する動画IDの動画データから一覧表示用動画生成部514が生成した動画データの表示画像を配置し、カテゴリ毎に並べられた動画一覧表示画面を生成する(図6、ステップS315)。動画一覧表示画面には、各動画データの表示画像に、動画一覧における当該表示画像の配置位置を示す情報と、動画IDなど動画データを特定する情報と、動画ID毎に対応したカテゴリ情報のいずれか1つ、または2つ以上が付加される。一覧表示用動画生成部514は、生成した動画一覧表示画面を、動画一覧配信要求元の端末装置7に配信する(図6、ステップS320)。
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、動画配信装置5から動画一覧表示画面を受信する(図5、ステップS210)。一覧表示制御部751は、受信した動画一覧表示画面について、どの範囲を表示部72に表示するか、その表示範囲を決定する(図5、ステップS215)。
図8は、端末装置7の表示部72に表示させる表示範囲を示す図である。一覧表示制御部751は、例えば、受信した動画一覧表示画面L1の中心が表示範囲の中心となるように、表示範囲G1を決定する。さらに、一覧表示制御部751は、表示範囲G1の中で所定の表示位置に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。例えば、一覧表示制御部751は、表示範囲の中心を含む表示位置F1に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、表示範囲が決定されると、表示の仕方を決定する(図5、ステップS220)。例えば、動画データ毎に設定されているカテゴリ情報毎に異なる表示の仕方を決定する。例えば、カテゴリは、スポーツ、自動車、電車、料理、アニメ、カラオケ、楽器演奏等がある。表示の仕方として明るさを用いる場合、スポーツのカテゴリが割当てられている動画データの表示画像を最も明るくし、自動車、電車、料理、アニメ、カラオケ、楽器演奏の順に、動画データの表示画像が暗くなるように表示の仕方を決定する。
そして、一覧表示制御部751は、表示範囲の大きさに応じた表示の仕方に従って、表示範囲に含まれる動画一覧表示画面を表示部72に表示するとともに(図5、ステップS225)、選択中の動画データの表示画像に選択中であることを表す情報を付加して表示させる。選択中の動画データの決定は、表示範囲の中心の位置を含むように配列された動画データの表示画像が選択中であるとして行われる。
図9は、動画一覧表示画面がカテゴリ毎に異なる表示の仕方を行う場合について説明する図である。
仮想画面A10は、動画一覧表示画面を表す。この動画一覧表示画面において、カテゴリがスポーツである動画データの表示画像が並べられた領域(符号A101)と、カテゴリが自動車である動画データの表示画像が並べられた領域(符号A102)と、カテゴリが電車である動画データの表示画像が並べられた領域(符号A103)と、カテゴリが料理である動画データの表示画像が並べられた領域(符号A104)と、カテゴリが料理である動画データの表示画像が並べられた領域(符号A105)とが、カテゴリ毎に配列されている。また、この仮想画面A10には含まれていないが、動画投稿装置3から送信される動画データが、仮想画面A10の外周側に隣接する位置にそれぞれ配置される。
また、ここでは、スポーツ以外のカテゴリの動画データが、カテゴリ毎に1つのグループとして纏まった領域に配列されており、スポーツ以外のカテゴリの動画データが配列されていない残りの位置に、スポーツの動画データが1つのグループとして把握できるように配列されている。
また、ここでは、注目度が高い動画データが、他のカテゴリとは異なる表示の仕方によって表示画像が表示される(符号106)。例えば、この注目度が高い動画データについては、明るさではなく、色味を他の動画データの表示画像とは異なる色味で表示される。例えば、注目度が高い動画データの表示画像のみ、表示画像の赤味の度合いが高くなるように表示する。また、注目度が最も高い動画データの表示画像について、赤味の度合いを他よりも高くし、注目度が最も低い動画データの表示画像について、青味の度合いを他よりも高くすることもできる。
図10は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面の表示例を示す図である。同図に示すように、表示部72は、複数の動画データの表示画像を縦方向及び横方向にタイル状に並べた動画データの表示画像の一覧を表示する。表示部72が表示させている最も外側の表示画像H1−H12は、表示部72の表示範囲の外周により切れるように、一部分が表示される。また、一覧表示の中心の表示画像には、選択中の動画データの表示画像であることを表す外枠Fが表示される。また、表示画像H5、H7、H9、H13と、表示画像H10と、それ以外の表示画像とが、異なるカテゴリである場合、表示の仕方に応じて、表示画像H5、H7、H9、H13の明るさの度合いが最も小さく(暗く)、表示画像H10の明るさの度合いが次ぎに小さく(次に暗く)、これら以外の表示画像が、最も明るく表示される。また、これらの表示画像の一つ一つに動画が表示されるため、表示範囲全体に動画が表示される。
このように、カテゴリ毎に表示の仕方を変えることで、表示の仕方を手がかりにし、自分の趣味や嗜好にあった動画を容易に選択することが可能となる。
また、表示範囲の最も外側の表示画像を見切り表示させることにより、ユーザに、表示範囲の外側にも表示画像があり、表示範囲を移動させることができるという認識を与えることができる。また、この見切り表示により、一覧表示の広がりを演出し、ユーザに動画提供サイトの楽しさやにぎやかさを感じてもらうことができる。加えて、ユーザに、現在の表示範囲の外に表示されている表示画像に対する興味を持ってもらうこともできる。
図5において、端末装置7の音声制御部752は、一覧表示制御部751が決定した選択中の動画データを特定する情報である選択中動画情報を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS230)。例えば、音声制御部752は、選択中の動画データの配置位置を示す情報、あるいは、選択中であることを表す情報が付加されて表示された動画データの動画IDを動画一覧表示画面から読み出し、読み出した動画IDを選択中動画情報として用いることができる。また、ユーザが選択中の動画データを指定する操作を操作受付部73から入力するようにしてもよい。音声制御部752は、操作受付部73が受けた操作により選択中として指定された動画データを特定する選択中動画情報を動画配信装置5に送信する。
図6において、動画配信装置5の表示位置受信部517は、動画一覧配信要求を受信していないと判断し(図6、ステップS305:NO)、選択中動画情報を受信したか否かを判断する(図6、ステップS325)。表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信していない場合は処理を終了するが(図6、ステップS325:NO)、ここでは、端末装置7から選択中動画情報を受信したと判断する(図6、ステップS325:YES)。表示位置受信部517は、受信した選択中動画情報により特定される動画データの音声データを、選択中動画情報の送信元の端末装置7に配信する(図6、ステップS330)。
あるいは、音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データと、その動画データの周辺に表示画像が表示されている動画データの音声を重畳した音声データを生成し、端末装置7に配信してもよい。この場合、音声配信部518は、表示位置受信部517が受信した選択中動画情報により、動画一覧における選択中の動画データの配置位置を特定する。さらに、音声配信部518は、動画一覧において選択中の動画データの配置位置から所定範囲に表示画像が配置されている他の動画データを特定する。音声配信部518は、選択中の動画データの音声データと、特定した他の動画データの音声データとを、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置に応じた音量により重畳した音声データを生成する。音声配信部518は、生成した音声データを端末装置7に配信する。
図11は、音声データの重畳割合の例を示す図である。同図において、音声配信部518は、選択中動画情報により特定された動画データの音声データの重畳割合が最も大きく、この選択中動画情報により特定される動画データから配置位置が離れるほど、重畳割合が低下するように、音声データの重畳割合を決定する。より具体的には、選択中の動画データの音量を1.0とすると、選択中の動画データの配置位置A5に隣接した配置位置の動画データの音量を0.2、さらにその周辺の配置位置の動画データの音量を0.1としている。数値が記載されていない表示位置の動画データについては音声データの重畳割合を0とし、実質的に重畳しない。
なお、音声データを重畳する対象の動画データの範囲や、その重畳の割合は任意とすることができる。同図では、端末装置7における表示範囲A6に表示画像が含まれない動画データ(表示範囲A6の範囲外に配置された動画データの音声データ)についても音声を重畳しているが、表示範囲A6に表示画像が含まれる動画データのみの音声を重畳するようにしてもよい。
このように、端末装置7に一覧表示されている動画の中で選択中の動画の音声だけではなく、その周囲の動画の音声を重畳した音声を生成し、出力することにより、動画提供サイトのにぎやかさを演出し、ユーザにこのサイトの楽しさ感じてもらうことができる。
図5において、端末装置7の音声制御部752は、動画配信装置5から受信した音声データの再生音声を音声出力部74から出力する(図5、ステップS235)。
次に、制御部75は、操作受付部73から操作入力があったか否かを判定する(図5、ステップS240)。操作入力がない場合(図5、ステップS240:NO)、制御部75は、表示範囲内における動画データの表示と音声の出力を行い、一定時間経過後に、再度、操作入力があったか否かの判定を行う(図5、ステップS240)。
一方、制御部75は、操作受付部73から操作入力があった場合(図5、ステップS240:YES)、制御部75は、入力された内容が、表示範囲を変更する移動指示であるか否かを判定する(図5、ステップS245)。ここでは、操作入力された内容が移動指示である場合(図5、ステップS245:YES)、一覧表示制御部751は、移動指示として入力された、移動方向と移動量に応じて表示範囲と動画一覧表示画面との間で相対移動させる。この表示範囲の移動操作は、表示部72が表示している画面上のスワイプ操作またはフリック操作によって入力される。そして、一覧表示制御部751は、相対移動されたことによって変更された後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲内であるかを判断する(図5、ステップS250)。図8において、境界L2は、動画一覧表示画面L1の外周から所定距離の境界を表している。この境界L2は、動画一覧表示画面の大きさに応じて決められている。一覧表示制御部751は、相対移動後の表示範囲(例えばG2)が動画一覧表示画面L1の外周と境界L2の中に含まれるかを判断する。この場合、表示範囲G2が境界L2の範囲内であるため、一覧表示制御部751は、相対移動後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定範囲に達していない、すなわち、所定範囲外であると判断し(図5、ステップS250:所定範囲内)、相対移動によって変更された後の表示範囲に応じた動画一覧表示画面を表示部72に表示する(図5、ステップS255)。このとき、一覧表示制御部751は、表示範囲G2を、表示範囲G2内に含まれる最も外側の表示画像が、表示範囲G2の外周により切れるように決める。さらに、一覧表示制御部751は、移動後の表示範囲G2の中心が含まれる表示位置F2に表示画像を表示させている動画データを選択中の動画データとして決定する。一覧表示制御部751は、選択中であることを表す外枠Fを、表示位置F1の表示画像から表示位置F2の表示画像へと移動させて表示させる。
動画配信システム1は、図5のステップS230からの処理に移行する。すなわち、端末装置7の音声制御部752は、一覧表示制御部751が決定した選択中の動画データを特定する情報である選択中動画情報を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS230)。動画配信装置5の表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信する(図6、ステップS305:NO、ステップS325:YES)。音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データの音声データを端末装置7に配信する(図6:ステップS330)。端末装置7の音声制御部752は、動画配信装置5から受信した音声データの再生音声を音声出力部74から出力する(図5、ステップS235)。制御部75は、操作入力があったか否かを判定する(図5、ステップS240)。
一方、一覧表示制御部751は、相対移動によって変更された後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達している場合、すなわち、表示範囲が境界L2を越えて移動したと判断した場合(図5、ステップS250:所定範囲内)、一覧表示制御部751は、変更された後の表示範囲に基づいて、動画の表示位置を示す情報を設定した動画一覧配信要求を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS260)。動画の表示位置を示す情報として、表示範囲G3の所定の表示位置、例えば、表示範囲G3の中心が含まれる表示画像の配置位置を示す情報、あるいは、その配置位置に表示画像を表示させている動画データの動画IDを用いることができる。また、動画の表示位置を示す情報として、表示範囲の中心が含まれる表示位置を特定する情報(例えば、表示範囲G3の表示位置F2)と、表示範囲の大きさと、表示位置に対する表示範囲の位置とを含む情報を用いることもできる。
図6において、動画配信装置5の送信範囲決定部515は、端末装置7から動画一覧配信要求を受信する(図6、ステップS305:YES)。送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求から表示位置を示す情報を取得する。送信範囲決定部515は、記憶部511から動画一覧を読み出し、読み出した動画一覧における矩形の送信範囲を、取得した情報が示す表示位置に応じて、端末装置7が表示可能な範囲よりも所定サイズ分だけ大きなサイズで決定する(図6、ステップS310)。
例えば、送信範囲決定部515は、図7に示すように、動画一覧配信要求から読み出した情報が示す表示位置A7が中心となるように送信範囲A8を決定する。送信範囲A8は、送信範囲A3と同じサイズであり、端末装置7における現在の表示範囲A9が少なくとも含まれる。
図6において、動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲決定部515が決定した送信範囲に含まれる配置位置それぞれに対応する動画IDを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に含まれる配置位置に、その配置位置に対応する動画IDの動画データから一覧表示用動画生成部514が生成した動画データの表示画像をカテゴリ毎に配置して、表示させる動画一覧表示画面を生成する(図6、ステップS315)。一覧表示用動画生成部514は、生成した動画一覧表示画面を端末装置7に配信する(図6、ステップS320)。
図5において、端末装置7の一覧表示制御部751は、動画配信装置5から新たな動画一覧表示画面を受信する(図5、ステップS210)。一覧表示制御部751は、受信した新たな動画一覧表示画面における現在の表示範囲を、移動後の表示範囲に従って決定する(図5、ステップS215)。表示範囲が決定されると、一覧表示制御部751は、動画データに設定されているカテゴリ情報に基づいて、表示の仕方を決定し(図5、ステップS220)、表示部72に表示する(図5、ステップS225)。そして、音声制御部752は、表示範囲の位置に基づいて決定される選択中の動画データを特定し、選択中動画情報として動画配信装置5に送信する。音声制御部752は、これに応じて動画配信装置5から送信される、表示範囲に応じて重畳された音声データを受信して出力する(図5、ステップS235)。
一方、図5ステップS245において、制御部75は、操作入力された内容が移動指示ではない場合(図5、ステップS245:NO)、表示範囲を変更する操作入力であるか否かを判定する(図5、ステップS265)。表示範囲を変更する操作入力は、例えば、ピンチ機能を用いて、表示範囲のサイズを拡大または縮小する操作や、「拡大」あるいは「縮小」を指定するボタンを押下する操作がある。一覧表示制御部751は、表示範囲を変更する操作入力であると判定した場合、操作受付部73を介した操作入力に基づいて、表示範囲を変更し、変更後の表示範囲を検出する(図5、ステップS270)。変更後の表示範囲を検出すると、一覧表示制御部751は、変更された後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達しているか否かを判定する(図5、ステップS250)。一覧表示制御部751は、変更後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達していなければ(図5、ステップS250:所定範囲外)、変更後の表示範囲に対応するサイズであり、かつ、変更後の表示範囲のサイズに応じた表示の仕方に従って、動画一覧表示画面を表示する(図5、ステップS255)。一方、変更後の表示範囲が、動画一覧表示画面の外周から所定の範囲内に達している場合(図5、ステップS250:所定範囲内)、一覧表示制御部751は、変更された後の表示範囲に基づいて、動画の表示位置を示す情報を設定した動画一覧配信要求を動画配信装置5に送信する(図5、ステップS260)。そして、一覧表示制御部751は、動画配信装置5から送信される動画一覧表示画面を受信し、変更された後の表示範囲を表示範囲として決定し、変更された後の表示範囲のサイズであり、かつ、変更後の表示範囲のサイズに応じた表示の仕方に従って、動画一覧表示画面を表示す(図5、ステップS255)。
図12は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面の表示例を示す図であり、図13は、図12における動画一覧表示画面の表示範囲を拡大する操作入力が行われた場合の表示例を示す図である。
図12において、カテゴリがスポーツである動画データが配列された第1グループ(符号J11)、カテゴリが自動車である動画データが配列された第2グループ(符号J12)、カテゴリが電車である動画データが配列された第3グループ(符号J13)、注目度が高い動画データが配列された領域(符号J14)が、表示範囲のサイズに応じた表示の仕方に従って表示されている。この表示された状態において、動画一覧表示画面を拡大する指示が操作受付部73から入力されると、図13の表示例に示すように、拡大表示されると、各グループ毎の表示の度合いの差が小さくなるように表示される。例えば、図13においては、拡大前における第1グループ(図12、符号J11)が表示された明るさと第3グループが表示された明るさとの度合いの差がK1である場合、拡大後における第1グループ(図13、符号J21)が表示された明るさと第3グループが表示された明るさの度合いの差K2とを比べると、K1>K2である。また、この表示の仕方の変更に伴い、拡大前に比べて、拡大後の方が、第1グループ(図13、符号J21)、第2グループ(図13、符号J22)、第3グループ(図13、符号J23)の明るさの度合いの差が小さい。
なお、注目度が高い動画データの表示画像は、拡大前(図12、符号J14)と拡大後(図13、符号J24)とにおいて、同じ表示の仕方によって表示するようにしてもよいし、表示範囲の拡大または縮小に応じて、表示の度合いを変えるようにしてもよい。例えば、表示範囲が拡大されるほど赤味を強く表示し、表示範囲が縮小されるほど赤味が弱くなるように表示してもよい。
ここでは、一覧表示制御部751は、表示対象となる表示領域に表示する動画一覧表示画面の範囲を指定する指示(例えば、拡大、または縮小する指示)に基づいて、表示範囲を縮小する指示が入力された場合には、動画一覧表示画面のうち表示範囲に含まれる動画データの数を増やすように変更することで縮小表示し、当該表示領域内に含まれる動画データの数に応じて、グループ毎の表示の仕方の度合いを変えて、表示部72によって表示する。また、一覧表示制御部751は、表示範囲を拡大する指示が入力された場合には、動画一覧表示画面のうち表示範囲に含まれる動画データの数を減らすように変更することで、拡大表示し、当該表示領域内に含まれる動画データの数に応じて、グループ毎の表示の仕方の度合いを変えて、表示部72によって表示する。
なお、ここでは、図12における表示例から図13に示す表示例のように表示範囲を拡大した場合について説明したが、図13の表示例から図12に示す表示例のように、表示範囲を縮小した場合には、グループ毎の表示の度合いの差が大きくなるように表示される。
一方、図5ステップS265において、制御部75は、操作入力された内容が表示範囲変更の指示ではない場合、表示指示操作であるか否かを判定する(図5、ステップS275)。表示指示操作である場合(図5、ステップS:YES)、端末装置7は、後述する図14に示す動画表示処理フローを実行する。動画データの表示指示操作は、表示部72が表示している画面において、ユーザが表示対象の動画データの画像の表示領域をタップする操作またはダブルタップする操作である。制御部75は、操作入力された内容が表示指示操作ではない場合(図5、ステップS275:NO)、動画表示を終了する指示であるか否かを判定し(図5、ステップS280)、終了指示である場合には(図5、ステップS280:YES)、動画一覧表示処理(図5の処理)を終了し、終了指示ではない場合(図5、ステップS280:NO)、操作内容に応じた処理を行い(図5、ステップS285)、処理を図5ステップS240に移行する。
なお、一覧表示制御部751は、一回の表示移動操作による移動量を制限してもよい。これにより、表示範囲がすぐに動画一覧表示画面の外周から所定範囲内となって頻繁に動画配信要求を送信することや、次の動画一覧表示画面を受信する前に、表示範囲が現在の動画一覧表示画面外の範囲を含むようになることを防ぐことができる。
なお、端末装置7が過去に動画一覧表示画面を受信して表示していた場合、図5のステップS205において、一覧表示制御部751は、動画一覧表示画面における最後の表示位置を示す情報を動画一覧配信要求に設定してもよい。
続いて、図14から図16に示す処理フローを用いて、動画配信システム1における動画配信処理について説明する。図14は、端末装置7における動画表示処理フローを示す図である。図15は、動画配信装置5における動画表示画面配信処理フローを示す図であり、図16は、動画配信装置5におけるコメント配信処理フローを示す図である。
図14において、端末装置7の動画表示制御部753は、表示指示操作により表示対象として選択された動画データを特定する表示対象動画情報を設定した表示要求を送信する(図11、ステップS405)。動画表示制御部753は、選択された動画データの動画IDあるいは配置位置を示す情報を動画一覧表示画面から読み出し、表示対象動画情報として用いることで表示要求を送信する。
図15において、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、表示要求を受信したか否かを判断する(図15、ステップS505)。動画表示画面生成部519は、表示要求を受信していないと判断した場合、処理を終了するが(図15、ステップS505:NO)、ここでは、表示要求を受信したと判断する(図15、ステップS505:YES)。動画表示画面生成部519は、表示要求の送信元の端末装置7にすでに動画表示画面を送信中であるか否かを判断する(図15、ステップS510)。動画表示画面生成部519は、表示要求の送信元の端末装置7にまだ動画表示画面を送信していないと判断した場合(図15、ステップS510:NO)、ステップS515の処理を行う。
動画表示画面生成部519は、受信した表示要求に設定されている表示対象動画情報から表示対象の動画データの動画ID(以下、「表示対象動画ID」と記載する。)を取得する。表示対象動画情報が配置位置を示す場合、動画表示画面生成部519は、その配置位置に対応した動画IDを動画一覧から読み出し、表示対象動画IDとする。動画表示画面生成部519は、動画一覧において、表示対象動画IDに対応した配置位置を特定し、特定した配置位置に隣接する配置位置の他の動画データの動画IDを読み出す。本実施形態では、動画表示画面生成部519は、表示対象動画IDに対応した配置位置に対して、右側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「右隣接動画ID」と記載する。)及び左側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「左隣接動画ID」と記載する。)を読み出す。
動画表示画面生成部519は、動画受信部513が受信している動画データの中から、表示対象動画IDにより特定される表示対象の動画データと、右隣接動画IDにより特定される動画データと、左隣接動画IDにより特定される動画データを取得する。動画表示画面生成部519は、表示対象の動画データの画像を動画一覧表示画面における表示画像よりも大きく表示するとともに、その画像に隣接させて、動画一覧において隣接した配置位置の動画データの画像を画面の外周で切れるように表示する動画表示画面を生成する(図15、ステップS515)。例えば、動画表示画面生成部519は、動画表示画面に、表示対象の動画データの画像の右側に隣接するように右隣接動画IDの動画データの画像を配置し、表示対象の動画データの画像の左側に隣接するように左隣接動画IDの動画データの画像を配置する。動画表示画面には、表示される各動画データの動画IDが付加される。動画一覧表示画面生成部516は、生成した動画表示画面を、表示要求の送信元の端末装置7に配信する(図15、ステップS520)。
図14において、端末装置7の動画表示制御部753は、動画配信装置5から動画表示画面を受信する(図14、ステップS410)。コメント処理部754は、表示対象の動画データの動画IDを設定したコメント配信要求を動画配信装置5に送信する(図14、ステップS415)。
図16において、動画配信装置5のコメント配信処理部53は、コメント配信要求を受信したか否かを判断する(図16、ステップS605)。ここでは、コメント配信処理部53が、コメント配信要求を受信したと判断する(図16、ステップS605:YES)。コメント配信部533は、コメント配信要求に設定されている動画IDを取得する。コメント配信部533は、取得した動画IDに対応付けられたコメントデータをコメント記憶部532から、投稿時刻が新しい順に所定数読み出す。コメントデータには、コメントの対象である動画データの動画ID、コメント投稿時刻、コメントを投稿したユーザのユーザID、コメント内容のテキストデータが含まれる。コメント配信部533は、読み出したコメントデータそれぞれについて、コメントデータに設定されているユーザIDと対応付けて予め記憶部511またはコメント記憶部532に記憶されているユーザ名及びアイコン画像データを読み出す。コメント配信部533は、コメントデータのコメント内容及び投稿時刻と、コメントデータのユーザIDに基づいて読み出したユーザ名及びアイコン画像データとを設定したコメント情報を生成する(図16、ステップS610)。コメント配信部533は、コメント配信要求の送信元である端末装置7に対し、生成したコメント情報を送信する(図16、ステップS615)。
図14において、端末装置7のコメント処理部754は、動画配信装置5からコメント情報を受信する(図14、ステップS420)。動画表示制御部753は、ステップS410において受信した動画表示画面を表示部72に表示させる(図14、ステップS425)。さらに、コメント処理部754は、表示部72が表示させている動画表示画面に付加して、ステップS420において受信したコメント情報を投稿時刻の順に表示させる(図14、ステップS430)。
図17及び図18は、端末装置7の表示部72が表示する動画表示画面の表示例を示す図である。
図17は、表示部72が縦長の状態であるときの表示例である。同図に示すように、表示部72が表示している画面は、動画表示領域B1とコメント表示領域B2を有し、コメント表示領域B2は動画表示領域B1の下に配置される。動画表示領域B1は、表示領域B11、B12、B13からなる。表示領域B11には、表示対象の動画データの表示画像が表示される。また、表示領域B11の右側に隣接する表示領域B12には、右隣接動画IDの動画データの画像が表示され、表示領域B11の左側に隣接する表示領域B13には、左隣接動画IDの動画データの画像が表示される。右隣接動画IDの動画データ及び左隣接動画IDの動画データは、動画データの画像が表示部72の外周で切れるように、見切り表示される。コメント表示領域B2には、投稿時刻が新しい順に上側から下側に向かってコメント情報が並べて表示される。各コメント情報の表示には、ユーザ名B21、コメントを発言したユーザのアイコン画像データB22、コメント内容B23、及び投稿時間B24が含まれる。コメント処理部754は、投稿時間B24を、現在時刻と投稿時刻との差分に基づいて随時更新して表示させる。この投稿時間は、コメントが投稿された時刻を用いることもできる。
図18は、表示部72が横長の状態のときの表示例である。同図に示すように、表示部72が表示している画面は、動画表示領域C1とコメント表示領域C2を有し、コメント表示領域C2は動画表示領域C1上の下部に重ねて配置される。動画表示領域C1は、表示領域C11、C12、C13からなる。表示領域C11には、表示対象の動画データの表示画像が表示される。また、表示領域C11の右側に隣接する表示領域C12には、右隣接動画IDの動画データの画像が表示され、表示領域C11の左側に隣接する表示領域C13には、左隣接動画IDの動画データの画像が表示される。右隣接動画IDの動画データ及び左隣接動画IDの動画データは、動画データの画像が表示部72の外周で切れるように、見切り表示される。コメント表示領域C2には、投稿時刻が新しい順にコメント情報が表示される。各コメント情報の表示には、ユーザ名C21、アイコン画像データC22、コメント内容C23、及び投稿時間C24が含まれる。
図17、及び図18に示すような動画表示画面を端末装置7に表示させることで、ユーザは、表示対象の動画データを見ながら、他の動画データの一部の領域も見ることができる。よって、表示対象として指定した動画を視聴する際に煩わしさを感じさせることなく、ユーザが他の動画データへ興味を持ちやすくすることができる。また、表示指示された動画データの両側の動画データについては、画面の外周で切れるように一部の領域のみを表示することにより、両側の動画データに対して興味を持った場合には、その動画データに表示対象を移動させる、すなわち、右あるいは左に隣接して表示された動画データを中央側に寄せるような操作入力が可能なことをユーザが認識できるようにしている。
図14に戻り、表示部72が動画表示画面を表示させているときに、操作受付部73が、ユーザによるコメント入力操作を受けた場合、端末装置7のコメント処理部754は、コメント入力を受けたと判断し(図14、ステップS435:YES)、コメントデータを動画配信装置5に送信する(図14、ステップS440)。コメントデータには、表示対象の動画データの動画ID、ユーザID、操作受付部73が受けたコメント内容、コメント投稿時刻が設定される。
図16において、動画配信装置5のコメント配信処理部53は、コメント配信要求を受信していないと判断し(図16、ステップS605:NO)、コメントデータを受信したか否かを判断する(図16、ステップS620)。コメント配信処理部53は、コメントデータを受信していないと判断した場合は処理を終了するが(図16、ステップS620:NO)、ここでは、コメントデータを受信したと判断する(図16、ステップS620:YES)。コメント受信部531は、受信したコメントデータをコメント記憶部532に追加保存する(図16、ステップS625)。
コメント配信部533は、追加保存したコメントデータに設定されているユーザIDと対応付けて予め記憶部511またはコメント記憶部532に記憶されているユーザ名及びアイコン画像データを読み出す。コメント配信部533は、コメントデータのコメント内容及び投稿時刻と、コメントデータのユーザIDに基づいて読み出したユーザ名及びアイコン画像データとを設定したコメント情報を生成する(図16、ステップS630)。コメント配信部533は、追加保存したコメントデータに設定されている動画IDの動画データを視聴しているユーザの端末装置7へ生成したコメント情報を配信する(図16、ステップS635)。つまり、コメント情報の配信先の端末装置7は、動画表示画面生成部519が、追加保存したコメントデータに設定されている動画IDの動画データを表示対象とした動画表示画面を配信している端末装置7である。この端末装置7には、コメントデータ送信元の端末装置7と、コメントデータ送信元の端末装置7と同じ動画データを表示対象としている他の端末装置7とが含まれる。
図14において、コメントデータ送信元の端末装置7のコメント処理部754は、ステップS440の処理の後、動画配信装置5からコメント情報を受信し(図14、ステップS445:YES)、ステップS430からの処理を行う。一方、他の端末装置7のコメント処理部754は、ステップS435においてコメント入力がないと判断した後(図14、ステップS435:NO)、コメント情報を受信し(図14、ステップS445:YES)、ステップS430からの処理を行う。
コメント処理部754は、表示部72が表示させている動画表示画面に、受信したコメント情報を最も新しいコメント情報として追加表示させる(図11、ステップS430)。コメント処理部754は、すでにコメント情報を表示可能な数だけ表示部72に表示させている場合、投稿時刻が最も古いコメント情報の表示を削除し、受信したコメント情報を追加表示させる。これにより、コメント処理部754は、動画表示画面に、表示対象の動画データに対して自端末装置または他の端末装置7において入力されたコメント内容を表示する。
端末装置7のコメント処理部754が、コメントの入力がなく(図14、ステップS430:NO)、コメント情報を受信していないと判断した場合(図14、ステップS445:NO)、動画表示制御部753は、表示対象変更操作を受けたか否かを判断する(図14、ステップS450)。表示対象変更操作は、表示部72が表示している画面上のスワイプ操作またはフリック操作である。例えば、図17の表示領域B12あるいは図18の表示領域C12に表示されている動画データを新たな表示対象とする場合、表示対象変更操作は、右から左方向へのフリック操作またはスワイプ操作である。同様に、図17の表示領域13あるいは図18の表示領域C13に表示されている動画データを新たな表示対象とする場合、表示対象変更操作は、左から右方向へのフリック操作またはスワイプ操作である。動画表示制御部753は、表示対象変更操作を受けたと判断した場合(図14、ステップS450:YES)、ステップS405からの処理を繰り返す。ただし、ステップS405において、動画表示制御部753は、表示対象変更操作に応じて新たな表示対象の動画データを判断し、新たな表示対象と判断した動画データの動画IDを表示対象動画情報として設定した表示要求を送信する。なお、表示対象動画情報として、現在の表示対象の動画データの動画IDと、表示対象変更操作の方向とを示す情報を用いてもよい。
図15において、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、表示要求を受信したと判断し(図15、ステップS505:YES)、さらに、表示要求の送信元の端末装置7にすでに動画表示画面を送信中であると判断する(図15、ステップS510:YES)。動画表示画面生成部519は、表示要求に設定されていて表示対象動画情報から動画IDを読み出し、表示対象動画IDとする。なお、表示対象動画情報が、現在の表示対象の動画データの動画IDと表示対象変更操作の方向とを示す場合、動画表示画面生成部519は、動画一覧においてその動画IDに対応した配置位置を特定する。そして、動画表示画面生成部519は、特定した配置位置に、表示対象変更操作の方向に対応した方向(例えば、操作の方向が右から左であれば右)に隣接する配置位置の動画IDを表示対象動画IDとして取得する。
動画表示画面生成部519は、動画一覧において、表示対象動画IDに対応した配置位置を特定し、右隣接動画ID及び左隣接動画IDを読み出す。動画表示画面生成部519は、端末装置7に現在配信している動画表示画面から、新たな表示対象の動画データの画像を、現在の表示対象の動画データの画像が表示されている表示領域へと移動させて表示する動画表示画面を生成する(図15、ステップS525)。生成する動画表示画面においては、新たな表示対象の動画データの画像の右側に隣接して右隣接動画IDの動画データの画像を、表示対象の動画データの画像の左側に隣接して左隣接動画IDの動画データの画像を表示させる。動画表示画面生成部519は、生成した動画表示画面を表示要求の送信元の端末装置7に配信する(図15、ステップS520)。
図14のステップS410において、端末装置7の動画表示制御部753が、動画配信装置5から動画表示画面を受信した以降の処理は、上記と同様である。
そして、ステップS450において、動画表示制御部753は、表示対象変操作を受けていないと判断した場合(図14、ステップS450:NO)、表示対象の動画データが終了したか否かを判断する(図14、ステップS455)。動画表示制御部753は、終了していないと判断した場合は図14ステップS435からの処理を繰り返し(図14、ステップS455:NO)、終了と判断した場合は処理を終了する(図14、ステップS455:YES)。
なお、上記において、動画表示画面は、表示対象の動画データの画像の右側と左側に隣接させて他の動画データの画像を一部分の領域を表示させているが、表示対象の動画データの画像の上側と下側に隣接させて他の動画データの画像を一部分の領域を表示させるようにしてもよい。この場合、図15のステップS515、及びステップS525において、動画表示画面生成部519は、表示対象動画IDに対応した配置位置に対して、上側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「上隣接動画ID」と記載する。)及び下側に隣接する配置位置の動画ID(以下、「下隣接動画ID」と記載する。)を読み出す。動画表示画面生成部519は、表示対象の動画データの画像の上側に隣接して、上隣接動画IDの動画データの画像を表示し、表示対象の動画データの画像の下側に隣接して、下隣接動画IDの動画データの画像を表示する動画表示画面を生成する。
なお、上記において、動画表示画面は、他の動画データを新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報として、表示対象の動画データの画像の右側及び左側、あるいは、上側及び下側に隣接させて他の動画データの画像を、画面の外周で切れるようにして一部分だけ表示しているが、他の情報を用いてもよい。
図19は、端末装置7の表示部72が表示する動画表示画面の他の表示例を示す図であり、表示部72が縦長の状態であるときの表示例である。同図では、他の動画データを動画表示画面における新たな表示対象として選択して表示可能であることを表す情報として矢印B31、B32を用いている。動画表示画面は、図17の表示領域B12あるいは図18の表示領域C12に対応する領域に、一覧表示において表示対象の動画データの右側に隣接する動画データを新たな表示対象として選択可能であることを表す矢印B31を表示する。また、動画表示画面は、図17に示す表示例の表示領域B13あるいは図18の表示領域C13に対応する領域には、一覧表示において表示対象の動画データの左側に隣接する動画データを新たな表示対象として選択可能であることを表す矢印B32(図19)を表示する。
また、動画配信装置5の動画表示画面生成部519は、動画表示画面において、表示対象の動画データの画像に隣接させて画像を表示する他の動画データを、所定の時間毎に変更してもよい。いずれの動画データに入れ替えるかは任意に決めることができる。
また、上記では動画一覧表示画面において、動画データの正方形の表示画像を同一の大きさにより縦方向及び横方向にタイル状に並べて配置しているが、表示画像の大きさが複数種類であり、動画データ毎に異なる大きさの表示画像を配置してもよく、正方形以外の表示画像を並べて配置してもよい。
また、動画配信装置5の動画一覧表示画面生成部516は、送信範囲に表示画像を表示させるライブ配信の動画データを受信していない場合、その動画データに関連付けて予め記憶部511に記憶されているコンテンツデータを読み出す。動画一覧表示画面生成部516は、読み出したコンテンツデータの表示画像を、ライブ配信の動画データの代わりに表示させる動画一覧表示画面を生成する。例えば、コンテンツデータは、ライブ配信の開始時刻や、ライブ配信の終了を知らせる静止画データや動画データとすることができる。
また、上記においては、ライブ映像の動画データを用いた例を説明したが、動画配信装置5は、記憶部511に予め記憶されているアップロードされた動画データを用いて、上記の処理を行ってもよい。この場合、端末装置7のコメント処理部754から送信するコメントデータには、さらに、コメント内容が投稿された時点における、動画データの再生開始時点を基準とした動画再生時間を示すコメント付与時間がさらに付加される。また、動画配信装置5のコメント配信部533から配信されるコメント情報にもコメント付与時間が付加される。端末装置7のコメント処理部754は、動画表示画面により表示している動画データの動画再生時間と一致した動画再生時間が含まれるコメント情報を読み出し、動画表示画面に付加して表示させる。
なお、端末装置7の操作受付部73が、コメント表示をしない旨の操作を受けた場合、コメント処理部754は、動画配信装置5からコメント情報が配信されても表示させないようにしてもよい。
なお、上記において、端末装置7の表示部72が動画一覧表示画面を表示させる際、表示範囲の外側にも表示画像があり、表示範囲を移動させることが可能なことを表す情報として、表示部72が表示させている最も外側の表示画像を、表示部72の表示範囲の外周により切れるように表示しているが、他の情報を用いてもよい。例えば、動画配信装置5の動画一覧表示画面生成部516は、端末装置7における動画一覧表示画面の表示範囲に付加して、表示範囲を移動させることが可能なことを表す情報を表示する動画一覧表示画面を生成する。
図20は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面の他の表示例を示す図である。一覧表示制御部751は、図5のステップS215で決定した表示範囲の周囲の色を変えて、表示部72に表示させる。
図21は、端末装置7の表示部72が表示する動画一覧表示画面のさらに他の表示例を示す図である。同図に示すように、一覧表示制御部751は、図5のステップS215で決定した表示範囲の上、下、右、左側に、それぞれ矢印を表示させる。なお、これらの矢印は、表示範囲内に表示させてもよい。
なお、上述の実施形態においては、端末装置7の一覧表示制御部751が、表示範囲の拡大、縮小の指示に応じて表示の仕方の度合いを変えて表示する場合について説明したが、端末装置7から表示範囲のサイズを変更する指示を動画配信装置5へ送信し、動画配信装置5の加工部520が、表示範囲の拡大、縮小の指示に応じて表示の仕方の度合いを変えた動画一覧表示画面を生成し、端末装置7へ送信するようにしてもよい。
以上説明した実施形態によれば、ユーザは、タイル状に並べられた動画を見ながら視聴する動画を選択する。また、ユーザが、選択した動画を視聴するときには、他の動画の一部がその両側に選択可能に表示される。よって、ユーザは、所望の動画を楽しみながら、容易に見つけて視聴することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、コメント配信処理部53は、動画配信装置5に設けられた場合について説明した。しかし、コメント配信処理部53は、動画配信装置5とは別の装置として構成するようにしてもよい。例えば、コメント配信処理部53の機能を有するコメント配信装置と、動画配信装置とをネットワーク9に接続し、コメント配信装置が、端末装置7に、動画データに応じたコメントを送信するようにしてもよい。
次に、上述した動画一覧表示画面生成部516についてさらに説明する。ここでは、上述した動画一覧表示生成部516が、動画一覧表示画面を生成する際に、画質制御も行う場合について説明する。また、ここでは、上述の動画配信装置5の構成は同じであるが、機能が一部異なる。以下、同じ機能については説明を省略し、差異となる機能について主に説明する。
図22は、画質制御を行い動画一覧表示画面を生成する処理を説明するフローチャートである。この図において、動画配信装置5の送信範囲決定部515は、端末装置7から動画一覧配信要求を受信したか否かを判断する(図22、ステップS705)。ここで、送信範囲決定部515は、動画一覧配信要求を受信したと判断した場合には(図22、ステップS705:YES)、送信範囲決定部515は、表示画像のサイズを決定する(図22、ステップS710)。ここで、各端末装置7から動画配信装置5に送信される動画データのサイズは、端末装置7どうしで必ずしも同じではなく、それぞれ異なる。そのため、動画データの表示画像について、拡大や縮小、一部の領域の切り出し等の加工処理を行い、動画一覧表示画面を生成する際に適したサイズに加工すると、表示画像の配列が容易となる。この表示画像のサイズは、任意に決定することが出来るが、この実施形態においては、一例として、コーデックのコントロール単位の倍数となるように表示画像のサイズを決定する。より具体的には、8X8、16X16、H.265では8X8〜64X64等を単位として、縦方向にN倍(Nは自然数)、横方向にM倍(Mは自然数)とすることができ、例えば、128X128を表示画像のサイズとして用いることができる。なお、表示画像のサイズは、表示画像を複数配置した場合に、端末装置7が表示可能なサイズである表示範囲の外周に一致しないようなサイズとなっている。すなわち、端末装置7の表示範囲の縦、及び横の長さは、表示画像の辺の長さでは割りきれないようになっている。
次に、送信範囲決定部515は、端末装置7に表示される表示領域より大きな領域を動画一覧表示画面の領域サイズとして決定する(図22、ステップS715)。例えば、送信範囲決定部515は、端末装置7が表示可能なサイズである表示範囲よりも大きなサイズである。また、表示範囲決定部515は、動画一覧配信要求から端末装置7における動画一覧の表示位置を取得し、表示位置として決定し、最初に動画一覧表示画面を表示する場合のように動画一覧配信要求に表示位置が設定されていない場合には、送信範囲決定部515は、動画一覧における予め決められた初期表示位置を、表示位置として決定する。
動画一覧表示画面の領域サイズが決まると、動画一覧表示画面生成部516は、動画一覧表示画面内の位置に応じて動画データを圧縮して表示画像を生成する際のビットレートを決定する(図22、ステップS720)。ここでは、動画一覧表示画面生成部516は、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置が中心から遠いほど動画データの画質が低くなるように設定してもよい。例えば、端末装置7における表示範囲内に含まれる表示画像の画質よりも、表示範囲外であって動画一覧表示画面内にある表示画像の画質の方が低くなるように設定することができる。また、端末装置7における表示範囲内において、中心から表示範囲の外周に近づくほど表示画像の画質を低くするようにし、表示範囲外については、さらに表示画像の画質が低くなるように設定することもできる。一般に、動画一覧表示画面において、端末装置7の表示範囲の外側の表示画像については、ユーザが表示範囲を変更する操作を入力しなければ表示されないため、表示範囲内の表示画像に比べて重要性が低い。また、閲覧したい対象の表示画像が、表示範囲の中央側に位置するようにユーザによって表示範囲の位置の移動が行われることが考えられる。そのため、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置が中心から遠いほど動画データの画質が低くなるように設定することで、重要性が高い表示画像についてはリソース(ビット量)を多く割当て、重要性が低い表示画像についてはリソースを少なく割当てることができ、リソースを有効活用することが可能となる。
次に、動画一覧表示画面生成部516は、受信した動画データの表示画像について、ステップS715において決定されたサイズとなるように調整して表示画像を生成する(図22、ステップS725)。ここでは、動画一覧表示画面生成部516は、動画データの表示画像について、拡大や縮小、一部の領域の切り出し等の加工処理を行い、所定のサイズ(例えば、128X128)に変更する。このような調整は、動画データのそれぞれについて行う。
次に、動画一覧表示画面生成部516は、サイズが調整された表示画像を並べて、動画一覧表示画面を生成する(図22、ステップS730)。いずれの表示画像を動画一覧表示画面のどの位置に配置するかについては、例えば、動画データの人気(閲覧数の多さ)、動画データの送信元であるユーザの人気(過去の閲覧数の合計数等)、動画データを視聴している特定の属性のユーザの数、動画データを視聴しているユーザの端末装置から受信したコメントに含まれる所定の言葉(おもしろい、楽しい、つまらない等)の数、動画データの属性、動画データのジャンル、動画データの提供者が支払ったポイントあるいは金額、縮小画面配置位置についての競りの結果等のうち、すくなくともいずれか1つのルールに従うようにしてもよい。
次に、動画一覧表示画面生成部516は、生成された動画一覧表示画面を、配信要求元の端末装置7に配信する(図22、ステップS735)。
一方、動画一覧配信要求を受信していないと判断した場合(図22、ステップS705:NO)、表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信したか否かを判断する(図22、ステップS740)。表示位置受信部517は、選択中動画情報を受信していない場合は処理を終了する(図22、ステップS740:NO)。一方、表示位置受信部517が端末装置7から選択中動画情報を受信したと判断した場合(図22、ステップS740:YES)、音声配信部518は、受信した選択中動画情報により特定される動画データの音声データを、選択中動画情報の送信元の端末装置7に配信する(図22、ステップS745)。ここでは、音声配信部518は、選択中動画情報により特定される動画データと、その動画データの周辺に表示画像が表示されている動画データの音声を重畳した音声データを生成し、端末装置7に配信することもできる。
次に、図23は、動画画面に含まれる表示画像と処理単位について説明する図である。ここで、動画画面は、複数の動画データの各表示画像を配列した動画一覧表示画面(例えば動画一覧表示画面K10)または、動画一覧表示画面から選択された動画データの表示画像(例えば表示画像K20)を動画一覧表示画面における当該動画データよりも大きなサイズの動画データと当該動画一覧表示画面における他の動画データの一部の領域の動画データが配列された動画表示画面(表示範囲K11内に対応する表示画面)である。動画一覧表示画面K10は、複数の表示画像が並べられて構成される。表示範囲K11は、動画一覧表示画面のほぼ中央に設定されている。この動画一覧表示画面K10に含まれる表示画像のサイズは、例えば、符号K20に示すように、コーデックの処理単位の整数倍となるように設定されている。ここでは、一例として、コーデックの処理単位となる領域が、縦に4倍、横に4倍となっている。また、表示画像は、コーデックの処理単位に応じて決まっているため、各表示領域が並べられたときに、隣接する表示領域どうしの境界についても、コーデックの処理単位に対応した位置となっている。
以上説明した実施形態において、動画一覧表示画面生成部516は、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置に代えて、あるいは、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置に加えて、端末装置7と動画配信装置5との間の通信容量に応じて、動画一覧表示画面に配置する動画データの画質を決定するようにしてもよい。これにより、大きな通信容量を利用することができる端末装置7については、通信容量を生かして高画質で動画一覧表示画面を表示させることができる。一方、大きな通信容量を利用することができない端末装置7については、利用可能な範囲での通信容量に収まるデータ量に対応させた画質にて表示することができる。
なお、上述した実施形態において、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置が中心から遠いほど動画データの画質が低くなるように画質を設定する場合について説明したが、ビットレートによって画質を変えるようにする方法以外に、合成するフレームレートを変更することもできるし、ビットレートの変更とフレームレートの変更との両方によって画質を設定することもできる。
また、上述した実施形態において、動画一覧表示画面内であって表示範囲の外側における表示画像の画質を低くする場合について説明したが、端末装置7において現在表示されている表示範囲が変更された際、動画一覧表示画面のうち、変更後の表示範囲に含まれる表示画像を一時的に表示しておき、端末装置7から改めて動画一覧表示画面の配信要求がなされる。そして、表示範囲後の動画一覧表示画面が端末装置7に配信されると、表示範囲が変更された後の動画一覧表示画面内における表示範囲の表示画像が表示される。このように、表示範囲が変更されてから、その変更後の表示範囲に対応する表示画像が表示されるまでの間、既に送信されていた動画一覧表示画面に含まれる表示画像を一時的に表示することで、ユーザによって表示範囲を移動するように変更される操作に応じて、表示画像が途切れることなくスムーズに表示画像を表示することができる。また、この場合、表示画像は、コーデックの処理単位に対応したサイズとなっているため、表示の制御もし易い。
また、上述した実施形態においては、動画一覧表示画面に並べられる表示画像のサイズを、コーデックのコントロール単位の倍数となるように決定するようにした。このように、コーデックでは、コントロール単位の倍数となるように合わせることにより、各種コントロールを行い易くすることができる。主なコントロールの手段としては、例えば、量子化値、Intra/Inter等のエンコードモード、フレームレート等を用いることができる。例えば、端末装置7において各表示画像が表示される際、表示画像の画像にコーデック特有の処理の単位が視認されてしまうようなノイズを低減することも可能となる。
例えば、コントロール手段として、フレームレートを用いる場合、動画一覧表示画面生成部516は、動画一覧表示画面における表示画像の配置位置が中心から遠いほど動画データの画質が低くなるようにフレームレートを低くするようにし、相対的に、表示範囲の内側の表示画像ほど画質が高くなるようにフレームレートを高く設定してもよい。これにより、動画一覧表示画面全体を高画質にして動画配信装置5から端末装置7に動画を配信する場合に比べて、データ量を低減することができる。
また、H.264以降のコーデック規格に準じて処理を行う場合には、コントロール手段として、平滑化処理を行うこともできる。動画一覧表示画面生成部516は、各動画データの表示画像を動画一覧表示画面に配置する際、画像の平滑化処理を行い、動画一覧表示画面を生成する。ここでいう平滑化の処理としては、例えば、デブロッキングフィルタ処理がある。デブロッキングフィルタ処理では、例えば、複数のブロックに分けられて圧縮された画像データを端末装置側で受信して1つの画像として再生する際、再生される画像におけるブロック間の境界近傍で発生するブロッキングノイズを低減することができる。
平滑化処理を行う場合、動画一覧表示画面生成部516は、動画画像の表示領域の外周に対応する位置の平滑化の度合いが、動画画像の表示領域の外周以外に対応する位置の平滑化の度合いよりも低くなるようにエンコードし、端末装置7へ配信する。また、動画一覧表示画面生成部516は、表示画像のうち外周ではない位置(表示画像の内側)においては、平滑化の度合いを表示画像の外周よりも高くする。これにより、動画一覧表示画面K10(図23)における表示範囲K11(図23)を表示した場合、動画データの表示画像の内側については、ブロック単位に対応する位置におけるブロッキングノイズを低減し、ブロックの境界であっても滑らかな画像を表示させることができる。一方、表示画像の境界については、平滑化の度合いが低いため、ブロックノイズの除去度合いが、表示画面の内側に比べて低い。これにより、表示画像どうしが隣り合う境界においては、その境界の滑らかさが低減し、それぞれの表示画像の表示内容に、より忠実に表示される。そのため、表示画像の境界があいまいになってしまうことを抑え、表示画像の視認性を向上させることができる。ここでは、表示画像の境界について、表示画像の内側に比べて低くなっていればよい。そのため、表示画像の内側においては平滑化を行い、表示画像の境界においては、平滑化の度合いを0、すなわち平滑化を行わないようにしてもよい。
なお、上述の動画配信装置5及び端末装置7は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、動画配信装置5及び端末装置7の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。