JP6274531B2 - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

ヘッドマウントディスプレイ Download PDF

Info

Publication number
JP6274531B2
JP6274531B2 JP2015073815A JP2015073815A JP6274531B2 JP 6274531 B2 JP6274531 B2 JP 6274531B2 JP 2015073815 A JP2015073815 A JP 2015073815A JP 2015073815 A JP2015073815 A JP 2015073815A JP 6274531 B2 JP6274531 B2 JP 6274531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display unit
display
line
image light
luminance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015073815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016195313A (ja
Inventor
宏征 高橋
宏征 高橋
智己 片野
智己 片野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2015073815A priority Critical patent/JP6274531B2/ja
Publication of JP2016195313A publication Critical patent/JP2016195313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274531B2 publication Critical patent/JP6274531B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は、使用者の頭部に装着して画像を表示するヘッドマウントディスプレイに関する。
近年、様々な産業又は医療等の分野において、使用者の頭部に装着して画像を表示するヘッドマウントディスプレイ(HMD)の普及が進んでいる。従来のHMDとして、眼鏡型、ゴーグル型、ヘルメット装着型等の構成が知られている。このようなHMDは、常時装着型と呼ばれるものであり、使用者の行動や目的等に応じて外界の視野を確保する必要もある。そのような課題に関連して、例えば特許文献1には、使用者の行動状態に応じて情報の表示モードを切り換える情報表示装置が開示されている。
特開2007−163634号公報
ところで、装着手段を介して使用者の頭部に装着されるHMDは、一定の自由度を有して前記装着手段に対し表示装置が支持されている。そのため、使用者は、表示装置を視界の外に移動させて外界のみを視認して作業をすることができる。このように、表示装置を使用者の視界の外に保持する位置を「跳ね上げ位置」という。また、使用者は、必要なときに視線の先を変えるだけで表示画像を見ることができる位置に表示装置を保持して作業をする場合もある。そのような、視線の先を変えるだけで画像を見ることができる位置を「ちら見位置」という。
HMDを装着する使用者にとっては、表示装置を上述の「ちら見位置」に保持して、手元の作業に集中しながら表示装置が出力する情報を補助的に取得したいというニーズがある。しかし、特許文献1に記載の情報表示装置は、眼球からの赤外反射光を基に画像を注視しているか否かを判断し、使用者が注視していないときには画像を非表示モードに切り換えるというものである。そのため、使用者の視線から若干ずれた「ちら見位置」に表示装置を保持すると非表示モードに切り換わってしまい、どのような画像情報が表示されていたのか確認することができなかった。
また、特許文献1に記載の情報表示装置は、表示装置の支持部の回動をロータリーエンコーダが検出することで表示装置の角度位置を判別している。そして、情報表示装置の自由度は、眼球回旋点を中心とした回動を前提としている。しかし、支持部の先端に、例えば自在継手を介して表示装置が接続される構成の自由度の大きなHMDにおいて、例えば特許文献1では表示装置の位置を検知することが困難である。仮に、表示装置自体に何らかの移動を検知するセンサを設けることが考えられるが、その場合でも、表示装置自体が装着具に対して相対的に移動したのか、使用者が歩く等の身体動作に伴って移動したのかを、正確に判別することは困難であった。
本発明は、かかる従来の課題にかんがみてなされたものであり、装着具に対する表示ユニットの相対位置を正確に検出することができる等のヘッドマウントディスプレイを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、使用者の頭部に装着される装着具と、制御手段と、前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な表示ユニットと、前記装着具に対して前記表示ユニットを一定の自由度を有して支持する支持アームと、前記表示ユニットに設けられ、前記表示ユニットの加速度、方位又は角速度のうち少なくとも1つの物理量を検出する第1センサと、前記装着具に設けられ、前記第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を少なくとも検出する第2センサと、を備え、前記制御手段は、前記第1及び第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記表示ユニットの相対位置を測定する、ヘッドマウントディスプレイである。
前記制御手段は、測定した前記表示ユニットの相対位置に応じて、前記表示ユニットが射出する画像光の輝度を変化させる処理を行うことが好ましい。
前記制御手段は、前記相対位置が所定の第1領域に属するとき、前記画像光の輝度を第1輝度にし、前記相対位置が前記第1領域よりも外方に離間する所定範囲内であって、且つ、前記第1領域を除く第2領域に属するとき、前記画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度にする処理を行うことが好ましい。
前記表示ユニットには、使用者の視線の方向を検出する視線検出部が備えられ、前記制御手段は、前記表示ユニットの相対位置が前記第2領域に属し、且つ、前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致しているときには、当該画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にする処理を行うことが好ましい。
前記制御手段は、前記相対位置が前記第2領域よりも外方に離間する場合、前記画像光の射出を停止する処理を行うことが好ましい。
また、本発明は、使用者の頭部に装着される装着具と、制御手段と、使用者の両眼に対応して設けられ、前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な第1表示ユニットと、使用者の他方の眼に対応して設けられ、前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な第2表示ユニットと、前記装着具に対して前記第1表示ユニットを支持し、その長手方向各端部において前記装着具及び前記第1表示ユニットに、それぞれ自在継手を介して接続される第1支持アームと、前記装着具に対して前記第2表示ユニットを支持し、その長手方向各端部において前記装着具及び前記第2表示ユニットに、それぞれ自在継手を介して接続される第2支持アームと、前記第1表示ユニットに設けられ、前記第1表示ユニットの加速度、方位又は角速度のうち少なくとも1つの物理量を検出する第1の第1センサと、前記第2表示ユニットに設けられ、前記第1の第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を検出する第2の第1センサと、前記装着具に設けられ、前記第1の第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を少なくとも検出する第2センサと、を備え、前記制御手段は、前記第1の第1センサ及び前記第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記第1表示ユニットの相対位置を測定し、前記第2の第1センサ及び前記第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記第2表示ユニットの相対位置を測定し、前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの相対位置が、共に所定の第1領域に属するとき、前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットが射出する画像光の輝度を第1輝度にし、前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの何れか一方の前記相対位置が、前記第1領域よりも外方に離間する所定範囲内であって、且つ、前記第1領域を除く第2領域に属するとき、前記第2領域にある前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの他方が射出する画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度にする処理を行う、ヘッドマウントディスプレイである。
前記第1及び第2表示ユニットには、使用者の視線の方向を検出する第1及び第2視線検出部がそれぞれ備えられ、前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットの何れか一方の相対位置が、前記第2領域に属し、且つ、前記第2領域に属する表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致しているときには、当該画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にする処理を行うことが好ましい。
前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットに対して、使用者に応じて利き目用又は非利き目用として、それぞれ設定された設定情報を記憶し、前記第1及び第2表示ユニットの相対位置が、共に前記第2領域に属する場合であって、利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していると検出され、非利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、前記利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第3輝度にし、前記非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度にする処理を行うことが好ましい。
前記第1及び第2表示ユニットの相対位置が、共に前記第2領域に属する場合であって、前記制御手段は、非利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していると検出され、利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、前記非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第3輝度にし、前記利き目用の表示ユニットにおける画像光の射出を停止する処理を行うことが好ましい。
前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットの何れか一方の前記相対位置が、前記第2領域よりも外方に離間する位置にある場合、前記第2領域よりも外方に離間する位置にある表示ユニットにおける画像光の射出を停止する処理を行うことが好ましい。
前記第1領域が有効視野に対応し、前記第2領域が有効視野よりも外側の安定注視野に対応して設定されていることが好ましい。
上述した構成のヘッドマウントディスプレイによれば、装着具に対する表示ユニットの相対位置を正確に検出することができる。また、外界の実視野や表示ユニットが表示する情報画像の視認性を十分確保することができる。
本発明の一実施形態であるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による表示ユニットを前方から見た斜視図である。 図2の表示ユニットを後方から見た斜視図である。 図2及び図3の表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。 図4のレンズホルダの斜視図である。 図4の回転カムの背面図である。 本発明の一実施形態による注視状態判別手段の光学系を示す図である。 本発明の一実施形態によるHMDを制御するシステム全体の電気回路構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による輝度調整処理1を示すフロー図である。 外界視野を仮想的に投影した視野平面を例示する図である。 左眼用の表示ユニットが「跳ね上げ位置」にある状態を例示する正面図である。 左眼用の表示ユニットが「ちら見位置」にある状態を例示する正面図である。 本発明の一実施形態による輝度調整処理2を示すフロー図である。 本発明の一実施形態による輝度調整処理3を示すフロー図である。 図14Aの処理に継続する輝度調整処理3を更に示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。図1は、本発明に係るヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display、以下「HMD」という。)の一実施形態である、両接眼型のHMD10の外観を示す斜視図である。なお、図1に示される三次元xyz座標系において、x軸の正方向を右、x軸の負方向を左、y軸の正方向を上、y軸の負方向を下、z軸の正方向を前、z軸の負方向を後として以下説明する。
HMD10は、表示装置として、使用者の左眼及び右眼にそれぞれ対応する2つの表示ユニット11A、11Bを備えている。図1において右側に示される左眼用の表示ユニット11Aは、支持アーム13Aを介して装着具12に支持されている。図1において左側に示される右眼用の表示ユニット11Bは、支持アーム13Bを介して装着具12に支持されている。
HMD10は、コントロールボックス(以下、「CB」という。)30を備えている。CB30は、表示ユニット11A、11Bの表示処理を行う制御手段としての一例である。CB30には、信号入力コネクタ31が設けられる。コネクタ31には、図示しない外部の映像出力装置からケーブル32A、32Bを介して送られてくる映像信号が入力される。画像情報、映像出力装置からの映像信号により搬送されCB30に入力される画像情報は、動画像及び静止画像の他に文字情報等の視認可能な情報コンテンツを含む。CB30に入力される映像信号は、デジタル形式の例えばHDMI(登録商標)映像信号であってもよいし、例えばMPEG規格に準拠して圧縮された映像データ信号であってもよい。また、映像信号は、例えばNTSCアナログコンポジェット信号であってもよい。
映像出力装置としては、例えばデジタルビデオカメラや画像再生装置等である。これらの他に、HMD10の用途や目的に応じて、例えば産業用の遠隔モニタリングシステム若しくは作業工程管理システム、又は、医療診断用のサブモニタシステム等からの映像信号が、随時、CB30に入力され、HMD10に表示されてもよい。CB30は、外部の映像出力装置やシステムから入力される映像信号に基づいて、表示ユニット11A、11Bに表示させる画像のサイズ及び色調整等の補正処理をすることができる。また、後述するように、CB30は、表示ユニット11A、11Bの相対位置変位に応じて、各表示ユニット11A、11Bが射出する画像光の輝度を適正にする等の処理を行っている。
本実施形態によるHMD10は、例えば光学透過型(シースルー)HMDである。このような透過型のHMD10によれば、使用者の眼前に配置される表示ユニット11A、11Bの表示部であるハーフミラー51A、51Bに、後述する画像生成部が射出する画像光が入射する。ハーフミラー51Aで反射された画像光が使用者の左眼の瞳孔に、ハーフミラー51Bで反射された画像光が使用者の右眼の瞳孔にそれぞれ入射することで、使用者に虚像を視認させる。透過型のHMD10のハーフミラー51A、51Bが、使用者の眼に接眼して配置されることにより、ハーフミラー51A、51Bを透過する外景に画像生成部が生成する画像等を重ねて使用者に視認させることができる。
なお、本明細書においては両眼用の光学透過型HMD10の実施形態を説明する。ただし、本発明の実施にあたっては、非透過型のHMDであってもよい。また、単眼用のHMDにおいて、1つの表示ユニットの相対位置に応じて当該表示ユニットによる画像の表示態様が適正化される構成であってもよい。
[HMDの機械的構成の説明]
(装着具)
装着具12は、人間の頭部に装着して保持できるようにするために、湾曲した細長い板状部材として形成される。装着具12は、曲げ弾性を有する例えばステンレスなどの金属、可撓性を有する樹脂材料及びそれらの組み合わせによって構成される。装着具12は、湾曲部12aと、幅広部12b、12bとを備えている。湾曲部12aは、U字状に湾曲する部分である。一方の幅広部12bは、湾曲部12aの一端に接続する。他方の幅広部12bは、湾曲部12aの他端に接続する。幅広部12b、12bは、それらの各端部同士が互いに近づく方向にそれぞれ湾曲している。幅広部12b、12bには、使用者の頭部に接触する部分に柔軟性を有するパッド材が備えられてもよい。なお、湾曲部12aには、第2センサ15である例えば9軸センサが埋め込まれている。この9軸センサについては後述する。
装着具12は、左右の各幅広部12b、12bが互いに離間する方向に力が加えられると、主として湾曲部12aの全体が開くように弾性変形する。この状態で、使用者の前頭部に湾曲部12aの内側面を当接させ、左右各側頭部に幅広部12b、12bの各内側面を当接させることで、装着具12が使用者の頭部に装着される。
装着具12の右側一端部には、3回転自由度を有する自在継手である球面継手22Aが設けられている。この球面継手22Aには、支持アーム13Aの一端部(図1において上側端部)が接続している。また、装着具12の左側一端部には、3回転自由度を有する自在継手である球面継手22Bが連結して設けられている。この球面継手22Bには、支持アーム13Bの一端部(図1において上側端部)が接続している。
(支持アーム)
支持アーム13A、13Bは、それぞれ例えば硬質の樹脂等により形成される棒状のリンク部材である。支持アーム13Aの他端部(図1において下側端部)は球面継手23Aを介して、表示ユニット11Aに接続している。支持アーム13Bの他端部(図1において下側端部)は、球面継手23Bを介して、表示ユニット11Bに接続している。球面継手23A、23Bは、それぞれ、3回転自由度を有する自在継手である。
(表示ユニット)
左右それぞれの表示ユニット11A、11Bは、可動範囲に一定の制限はあるものの、支持アーム13A、13Bを介した上述のリンク機構により、装着具12に対してそれぞれ6自由度を有して保持可能とされている。ここで、6自由度とは、前後(surging)、左右(swaying)及び上下(heaving)の移動、並びに、前後への傾き(pitching)、左右への旋回(yawing)及び両側への揺動(rolling)が可能であることをいう。
表示ユニット11A、11Bは、それぞれ左右対称の構成を有している。そのため、本明細書では、左眼用の表示ユニット11Aを代表して説明する。ここで、図2は前方から見た左眼用の表示ユニット11Aの斜視図でありる。図3は後方から見た表示ユニット11Aの斜視図である。また、図4は、表示ユニット11Aの内部構造を示す分解斜視図である。
これらの図に示されるように、表示ユニット11Aは、中空で略楕円筒状の筐体41を備えている。筐体41は、特に図4に例示されるように、硬質の樹脂を成型して形成される第1成型部材47と、第2成型部材48とを組み合わせた構成である。第1成型部材47は、表示ユニット11の筐体41前部を構成する。第2成形部材48は、表示ユニット11の筐体41後部を構成する。筐体41の長手方向一端側(即ち、支持アーム13が接続する側の反対側の端)は、切欠き部42を有する。切欠き部42は、前面側が倒U字状に切り欠かれた形状を有する。即ち、筐体41の長手方向一端側は、切欠き部42によって前後方向に開放している。なお、この切欠き部42を前後に貫く空間内に、ハーフミラー51Aを備える偏向部50が設置される。
筐体41の前面には、切欠き部42に隣接して調節つまみ43が設けられている。調節つまみ43は、円錐台形状を有し、回転操作が可能である。使用者は、調節つまみ43を適宜回転させて、後述する画像生成部60が射出する画像光の焦点を眼の網膜に合わせることができる。使用者は、画像光の焦点を眼の網膜に合わせることにより表示ユニット11Aが出力する画像を明瞭に視認することができる。
筐体41の背面側には、矩形状に切り欠かれた窓部49が形成されている。ハーフミラー51で反射される画像光は、窓部49通過して使用者の眼に向けて放出される。また、筐体41の背面には、複数のネジ孔44と、複数のネジ孔45とが形成されている。複数のネジ孔44は、後述の画像生成部60を筐体41内部に固定するためのものである。複数のネジ孔45は、支持アーム13の球面継手23を取り付けるためのものである。また、筐体41の背面には、ケーブル46Aが設けられている。ケーブル46Aは、CB30(図1参照)から送信される映像信号を入力し、及び、後述する左第1センサ14A及び第2センサ15の出力データをCB30へ送信する。なお、左第1センサ14A及び第2センサ15の出力データが、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によりCB30にワイヤレスで伝送されてもよい。
表示ユニット11Aに備えられる光学系について、図4を参照して更に詳細に説明する。表示ユニット11Aの筐体41内には、図4の右から左にかけて、画像生成部60、レンズユニット70及び偏向部50が、この順で配列されている。画像生成部60がレンズユニット70及び偏向部50に向けて射出する画像光の光軸方向(図4における右から左方向)と、表示ユニット11Aの筐体41(47、48)の長手方向とは一致しているか又は実質的に一致している。
画像生成部60は、ディスプレイ61Aと、ハウジング62と、基板保持部材63とを備えている。ハウジング62は、ディスプレイ61A及びプリズム64を収容する。基板保持部材63は、ディスプレイ61を収容したハウジング62を塞ぐように、ハウジング62に対して取り付けられる。ディスプレイ61Aは、例えば、カラーの画像を表示可能な液晶表示パネルと、バックライトとを備える。ディスプレイ61Aは、有機ELパネルで構成されてもよい。
ディスプレイ61Aは横長矩形状の表示可能領域を有している。表示可能領域の画素数は、例えば1280×720ドット(アスペクト比16:9)である。ディスプレイ61Aの表示可能領域面に接して、透明なガラス体からなるプリズム64が設けられている。すなわち、ディスプレイ61Aから射出される画像光は、プリズム64で屈折し、レンズユニット70に入射される。
ハウジング62は、収容部65と、円筒部66とが一体形成されてなる。収容部65は、ディスプレイ61A及びプリズム64を収容する。円筒部66は、ディスプレイ61Aの光軸方向に延びる。円筒部66は中空であり、ディスプレイ61Aが射出する画像光の光軸が円筒部66の中心を貫いている。また、円筒部66の上部内側の面には、光軸に平行して延び、レンズユニット70の案内突起712aに係合する案内溝66aが形成されている。また、収容部65の後内壁面には、プリズム64に向けて赤外線を投射する赤外発光素子と、プリズム64で反射する赤外線を受光する赤外受光素子とが一体化されてなる視線検出部67Aが設けられている。この視線検出部67Aの構成については後述する。
基板保持部材63には、ディスプレイ61Aを駆動制御する表示制御基板68が保持されている。ディスプレイ61Aと表示制御基板68とは、図示しないフレキシブルプリント配線基板を介して電気的に接続されている。表示制御基板68は、ケーブル46A(図2及び図3参照)を介して、CB30(図1参照)に接続している。表示制御基板68は、CB30から送信される映像信号及び制御信号に従って、ディスプレイ61Aを駆動制御する。また、表示制御基板68には、左第1センサ14Aが搭載されている。左第1センサ14Aは、表示ユニット11Aの姿勢や装着具12に対する相対的な位置を検出可能な、例えば9軸センサである。
なお、本実施形態においては、左眼用の表示ユニット11Aに備えられる左第1センサ14A(第1の第1センサ)及び装着具12に備えられる第2センサ15がそれぞれ検出する物理量の比較に基づいて、装着具12に対する表示ユニット11Aの相対位置が測定される。同様に、右眼用の表示ユニット11Bに備えられる右第1センサ14B(第2の第1センサ)及び装着具12に備えられる第2センサ15がそれぞれ検出する物理量の比較に基づいて、装着具12に対する表示ユニット11Bの相対位置が測定される。
左第1センサ14A、右第1センサ14B及び第2センサ15は、それぞれ、加速度、方位又は回転角速度のうち少なくとも1つの物理量を検出するセンサであり、例えば9軸センサであることが好ましい。ここで9軸センサとは、3軸加速度、3軸角速度及び3軸地磁気(方位)を検出可能なセンサをいう。例えば、左第1センサ14Aが検出する表示ユニット11Aの3軸方向における加速度成分と、第2センサ15が検出する装着具12の3軸方向における加速度成分との差分を求め、それぞれの差分を時間軸で2回積分することで、装着具12に対する左眼用表示ユニット11Aの相対位置を測定することができる。同様に、右第1センサ14Bが検出する表示ユニット11Bの加速度成分と、第2センサ15が検出する装着具12の加速度成分との差分を求め、それぞれの差分を時間軸で2回積分することで、装着具12に対する右眼用表示ユニット11Bの相対位置を測定することができる。
また、左第1センサ14Aが検出する表示ユニット11Aのz軸周りの角速度と、第2センサ15が検出する装着具12のz軸周りの角速度との差分を求め、その差分を時間積分することで、装着具12に対する左眼用表示ユニット11Aのxy平面における相対的な回転角を測定することができる。同様に、右第1センサ14Bが検出する表示ユニット11Bのz軸周りの角速度と、第2センサ15が検出する装着具12のz軸周りの角速度との差分を求め、その差分を時間積分することで、装着具12に対する右眼用表示ユニット11Bのxy平面における相対的な回転角を測定することができる。
レンズユニット70は、画像生成部60から射出された画像光を屈折させて、偏向部50のハーフミラー51Aに導く光学手段である。レンズユニット70は、レンズホルダ71内に複数のレンズからなるコンビネーションレンズ72を備えて構成される。レンズホルダ71は、コンビネーションレンズ72を内部に固定する本体部711と、上述の画像生成部60の円筒部66の中に嵌合して摺動可能な外径を有する筒状部712とが一体形成されてなる。レンズホルダ71は、筒状部712側に開口713を有する。レンズホルダ71は、本体部711側に開口714を有する。レンズホルダ71は、中空に形成されている。そして、コンビネーションレンズ72の光軸が、レンズホルダ71の本体部711及び筒状部712の中心を貫いている。
レンズホルダ71の本体部711の前面側には、従動突起711aが形成されている。従動突起711aは、後述する回転カム80のカム孔83(図6参照)に係合する。また、図5に示されるように、レンズホルダ71の本体部711の背面側には、レンズホルダ71の円筒軸方向(つまり可動方向)に沿って延びる線状突起711bが形成されている。線状突起711bは、スリット溝48aに嵌合する。スリット溝48aは、第2成型部材48の内側面に形成される。線状突起711bがスリット溝48aに嵌合することにより、筐体41内でレンズホルダ71の回転が規制されている。また、レンズホルダ71の筒状部712の例えば上面には、案内突起712aが形成されている。案内突起712aは、レンズホルダ71の円筒軸方向(つまり可動方向)に沿って延びる。案内突起712aは、案内溝66aに係合する。
すなわち、コンビネーションレンズ72を保持するレンズホルダ71は、筒状部712が画像生成部60の円筒部66の中に摺動可能に嵌合し、かつ、本体部711の線状突起711bが第2成型部材48のスリット溝48aに摺動可能に嵌合することで、画像光の光軸に沿う左右方向に移動可能に設けられている。
図6には、回転カム80の背面図が例示される。図4及び図6に示される回転カム80は、円板部81と、前方に突出する軸部82とが一体形成されている。円板部81の背面には、図6に例示される態様のカム孔83が形成されている。カム孔83には、上述したレンズホルダ71の従動突起711aが係合する。回転カム80の軸部82は、筐体41前部を構成する第1成型部材47の貫通孔47aに内側から挿入される。調節つまみ43の軸孔と回転カム80の軸部82とが結合される。これにより、調節つまみ43と回転カム80とは一体的に回転するように、第1成型部材47に軸支される。そして、使用者が調節つまみ43を回転操作すると、これに連動して回転する回転カム80のカム孔83に沿って移動するように従動突起711aに操作力が作用する。使用者が調節つまみ43を例えば時計回りに回転操作すると、カム孔83の端83a側に向けて従動突起711aが移動し、これにより画像生成部60に近づく方向にレンズホルダ71が移動する。また、使用者が調節つまみ43を反時計回りに回転操作すると、カム孔83の端83b側に向けて従動突起711aが移動し、これにより画像生成部60から離れる方向にレンズホルダ71が移動する。このように、レンズホルダ71に保持されているコンビネーションレンズ72を、カム孔83の端83aから端83bで規定される所定の可動範囲内で、光軸方向任意の位置に移動させることができる。
また、回転カム80の円板部81の外周に沿って複数の凹部81aが形成されている。調節つまみ43と回転カム80とが連動して回転する過程において、回転カム80の複数の凹部81aのうちの1つにバネ歯止め84が係合した状態から、他の凹部81aにバネ歯止め84が係合する状態に順次変化する。このような機構により、回転カム80の複数の凹部81aに対応するピッチ間隔で、バネ歯止め84が何れかの凹部81aに係合し、それらの各位置においてレンズホルダ71を安定して保持することができる。また、調節つまみ43の回転操作の際に、使用者に適当な節度感を与えることもできる。
なお、調節つまみ43を回転操作してレンズホルダ71とともにコンビネーションレンズ72を左右に移動させることにより、画像生成部60のディスプレイ61Aが射出する画像光の広がり角が変化する。従って、使用者は、調節つまみ43を適宜回転操作することで、ハーフミラー51Aに投影されて視認される画像のピントを調節することができる。
偏向部50は、ハーフミラー51Aとミラーホルダ52とを備えている。ハーフミラー51Aは、ミラーホルダ52に固定されている。ハーフミラー51の反射面は、画像生成部60のディスプレイ61が射出する画像光の光軸に対して45度の角度を成す。偏向部50は、ディスプレイ61Aが射出しコンビネーションレンズ72を通過した画像光を、ハーフミラー51Aで反射させることで、光軸を後方に偏向させることができる。使用者は、画像生成部60がハーフミラー51Aに射出する虚像を眼前の画像として認識することができる。また、偏向部50が透過型の場合には、ハーフミラー51Aを透過して見える眼前の外景に、画像生成部60が生成する画像を重ねて表示することができる。
ハーフミラー51Aは矩形板状を有する。ハーフミラー51は、透明なガラス板の表面に、アルミや銀などの光沢性のある金属元素を、所定の反射率(例えば50%)となるように蒸着等することで得られる。なお、ハーフミラー51Aの代わりに、例えばプリズムや回折格子のような光路偏向部材を偏向部50に用いてもよい。
上述したように第2成型部材48には、窓部49が形成されている。この窓部49にミラーホルダ52の外縁が嵌め込まれて取り付けられる。
(注視状態判別手段)
次に、表示ユニット11Aに備えられ、視線検出部67Aを構成要素として含む注視状態判別手段の一実施形態を説明する。なお、右眼用の表示ユニット11Bに備えられる注視状態判別手段は、左眼用の表示ユニット11Aに備えられる注視状態判別手段とは左右対称の関係にあるのみで同一光学系を有している。そのため、ここでの右眼用の注視状態判別手段についての詳細な説明は省略する。
図7には、表示ユニット11Aに備えられる注視状態判別手段の光学系が示される。視線検出部67Aは、その内部に、赤外発光素子と、赤外受光素子とを有している。赤外発光素子は、上述したように、プリズム64に向けて赤外線を投射する。赤外受光素子は、プリズム64で反射する赤外線を受光する。視線検出部67Aの発光素子から投射された赤外線は、プリズム64で光路を90度偏向される。そして、コンビネーションレンズ72及びハーフミラー51Aを経由して、使用者の眼球EYEの網膜に投射される。眼球EYEがハーフミラー51Aを向いているとき、つまり投影画像を注視しているときには、赤外線の光軸と眼球EYEの角膜とが直交する。そのため、ハーフミラー51Aで反射した赤外線は、眼球EYEの角膜表面で反射し、往路と同じ光路を逆行して、視線検出部67Aの受光素子に入射する。
つまり、使用者の視線の方向がディスプレイ61Aが射出する画像光の光軸と一致するとき、視線検出部67Aの受光素子により所定強度の赤外線が検出される。したがって、制御手段は、視線検出部67Aの受光素子が所定強度の赤外線を検出したことにより、ディスプレイ61Aが射出する画像光を使用者が注視していると判断することができる。反対に、使用者の視線の方向がディスプレイ61Aが射出する画像光の光軸と一致しないとき、視線検出部67Aの受光素子により所定強度の赤外線は検出されない。したがって、制御手段は、視線検出部67Aの受光素子が所定強度の赤外線を検出しなければ、ディスプレイ61Aが射出する画像光を使用者が注視していないと判断することができる。
[HMDの電気回路の説明]
次に、図8を参照して、HMD10を制御するシステム全体の電気回路構成を説明する。先ず、CB(コントロールボックス)30は、CPU301、ROM302、RAM303、周辺インターフェイス(以下、「周辺I/F」という。)304、電源回路305が内部バス(データバス、制御バス及び電源ラインを含む)306を介して電気的に接続されている。CPU301は、ROM302に記憶されているプログラムに従って演算処理を実行し、これによりCB30の全体動作を制御する。RAM303は、左右の第1センサ14A、14B及び第2センサ15等の各種データを一時的に記憶するワーキング記憶領域として機能する。
電源回路305には、DCジャック307、外部電源コネクタ308、バッテリ309等が接続されている。電源回路305は、バッテリ309を制御して、CPU301や後述する画像処理部321等に所定の電力を安定的に供給する。周辺I/F304には、各種スイッチ311や、LED312が接続されている。各種スイッチ311は、HMD10の輝度設定や動作モード等を設定操作するためのものである。LED312は、HMDの動作状態等を表示する。
CB30は、信号入力コネクタ31Aから入力される映像信号に基づいて、左眼用の表示ユニット11Aで表示する画像の画像処理制御をするための第1の画像処理回路320を備えている。第1の画像処理回路320は、デコーダ322と、入力バッファ323と、画像処理部321と、出力バッファ324と、画像出力制御部325と、接続インターフェイスコントローラ(以下、「接続I/Fコントローラ」という。)326とを備えている。これらのうち、デコーダ322、画像処理部321、画像出力制御部325及び接続I/Fコントローラ326が、内部バス306に電気的に接続されている。
信号入力コネクタ31Aから入力された映像信号は、デコーダ322により復号化処理される。デコーダ322により復号されたフレーム毎の画像データ(ピクセルデータ)は、一旦入力バッファ323に記憶される。画像処理部321は、RAM303に設定されているパラメータに従って、表示ユニット11Aのディスプレイ61Aに表示させる画像の調整処理を行う。具体的には、画像処理部321は、入力された映像信号の画像を、ディスプレイ61Aの表示可能領域の画素数(例えば1280×720ドット)に適合するサイズの画像に調整する。また、画像処理部321は、入力バッファ323に記憶されている画像データに対しγ補正等の補正処理を行ってもよい。画像処理された画像データは、出力バッファ324に格納される。
画像出力制御部325は、入力された映像信号に基づくフレーム同期信号と、出力バッファ324に記憶された画像データとに基づいて、表示ユニット11Aのディスプレイ61Aに画像を表示させるための所定形式の映像信号に符号化する処理を行う。また、画像出力制御部325は、CPU301からの輝度制御コマンドに従って、ディスプレイ61Aが射出する画像光の輝度を調整する。接続I/Fコントローラ326は、画像出力制御部325から出力された映像信号を例えばシリアル化して、表示ユニット11の表示制御基板68に備えられる接続I/Fコントローラ684に伝送する通信制御処理を行う。
また、CB30は、信号入力コネクタ31Bから入力される映像信号に基づいて、右眼用の表示ユニット11Bで表示する画像の画像処理制御をするための第2の画像処理回路330を備えている。第2の画像処理回路330も、第1の画像処理回路320と同じ機能を有するデコーダ332、入力バッファ333、画像処理部331、出力バッファ334、画像出力制御部335、接続I/Fコントローラ336を備えている。これらのうち、デコーダ332、画像処理部331、画像出力制御部335及び接続I/Fコントローラ33が、内部バス306に電気的に接続されている。
次に、左右の表示ユニット11A、11Bが備える電気回路の構成を説明する。左眼用の表示ユニット11Aの表示制御基板には、CPU681、ROM682、RAM683及び接続I/Fコントローラ684が内部バス685を介して電気的に接続されている。CPU681は、ROM682に記憶されているプログラムに従って動作する。具体的には、CPU681は、接続I/Fコントローラ684から送信される映像信号に基づいてディスプレイ61Aをドライブする。
また、内部バス685には、左第1センサ14Aと、視線検出部67Aとが接続されている。左第1センサ14A及び視線検出部67Aからのセンサ出力は、接続I/Fコントローラ684を介してCB30に送信される。
右眼用の表示ユニット11Bの表示制御基板にも、左眼用と同じ構成のCPU686、ROM687、RAM688及び接続I/Fコントローラ689、右第1センサ14B及び視線検出部67Bが、内部バス690に電気的に接続されている。CPU686は、ROM687に記憶されているプログラムに従って動作する。具体的には、CPU686は、接続I/Fコントローラ689から送信される映像信号に基づいてディスプレイ61Bをドライブする。
また、装着具12の第2センサ15と表示ユニット11Bの内部バス690とは通信ケーブル90を介して電気的に接続されている。すなわち、CPU686は、右第1センサ14B及び装着具12の第2センサ15が検出する物理量を示す出力値を定期的に読み取る。CPU686は、接続I/Fコントローラ689を介して、右第1センサ14B及び第2センサ15からの出力データをCB30に送信している。なお、左右の第1センサ14A、14B及び第2センサ15に近距離無線通信機能を持たせ、これらセンサの出力データを、ワイヤレスで定期的にCB30に伝送する構成であってもよい。
[輝度調整処理の説明]
次に、画像光輝度の輝度調整処理に関する実施形態を説明する。輝度調整処理は、制御手段であるCB(コントロールボックス)30に備えられるCPU301により実行される。
(輝度調整処理1)
図9は、表示ユニット11A、11Bが射出する画像光の輝度調整処理1のフロー図である。なお、図9には、左右の表示ユニット11A、11Bのうちの何れか1つの表示ユニットのみについての輝度調整処理が例示されている。つまり、両眼用のHMD10に本実施形態を適用する場合には、左右それぞれの表示ユニット11A、11Bを対象として、図9に示されるような輝度調整処理1がそれぞれ独立して実行される。ここでは、一例として、左眼用の表示ユニット11Aを対象とした輝度調整処理1について説明する。
なお、本実施形態は、図示しない単眼用のHMDにも適用することができる。単眼用のHMDにおいては、1つの表示ユニットを対象に図9に例示されるような輝度調整処理1が実行されることとなる。
ここで、図9の表記において、「A」は、装着具12に対する表示ユニット11A、11Bの上下方向における相対的な回動角を意味している。例えば左眼用の表示ユニット11Aの上下回動角Aは、左第1センサ14Aが出力する加速度値のy座標成分と、装着具12に備えられる第2センサが出力する加速度値のy座標成分との間の差分を2回積分することで測定できる。また、上下回動角Aは、左第1センサ14Aが出力するx軸周りの角速度成分と、第2センサが出力するx軸周りの角速度成分との間の差分を積分することでも測定できる。右眼用の表示ユニット11Bの上下回動角Aについても、右第1センサ14B及び第2センサ15が出力する加速度又は角速度の差分に基づいて同様に測定できる。
図9の表記において、「B」は、装着具12に対する表示ユニット11A、11Bの左右方向における相対的な回動角を意味している。例えば左眼用の表示ユニット11Aの左右回動角Bは、左第1センサ14Aが出力する方位角と、装着具12に備えられる第2センサが出力する方位角との間の差分により測定できる。また、左右回動角Bは、左第1センサ14Aが出力するy軸周りの角速度成分と、第2センサが出力するy軸周りの角速度成分との間の差分を積分することでも測定できる。右眼用の表示ユニット11Bの左右回動角Bについても、右第1センサ14B及び第2センサ15が出力する加速度又は角速度の差分に基づいて同様に測定できる。
図9の表記において、上下視野角「A1」及び左右視野角「B1」は、使用者から見える外界視野を仮想的に投影したxy平面(これを「視野平面」という。)上の第1領域を規定するパラメータである。例えば図10に示すように、第1領域は、いわゆる有効視野と称される領域であり、一般的には、
−12°≦A1≦8°、−15°≦B1≦15°
であることが知られている。
また、上下視野角「A2」及び左右視野角「B2」は、視野平面上の第2領域を規定するパラメータである。同じく図10に示すように、第2領域(第1領域を除く)は、いわゆる安定注視野と称される領域であり、一般的には、
−30°≦A2≦25°、−40°≦B2≦40°
であることが知られている。
輝度調整処理1において、先ず、HMD10への電源が投入後、制御手段は、各種設定初期化を実行する(ステップS10)。この設定初期化には、例えば表示ユニット11A、11Bの表示部を使用者の眼の接眼位置にそれぞれ保持して、その各位置を表示ユニット11A、11Bの基準位置に設定するキャリブレーション処理が含まれる。
制御手段は、左眼用表示ユニット11Aの左第1センサ14Aと装着具12の第2センサ15との出力値の差分を演算する(ステップS11)。なお、S11の処理において、左第1センサ14Aと第2センサ15との3軸角速度の出力の差を用いて、加速度値の差分の演算を補正してもよい。これによって、例えば、頭を回転させた場合の左第1センサ14Aと第2センサ15とが受ける遠心力の差を補正することができる。あるいは、支持アーム13の長さを元に、加速度値の差分の演算を補正してもよい。
制御手段は、表示ユニット11Aの上下回動角Aが上下視野角A1の範囲内であり、かつ、表示ユニット11Aの左右回動角Bが左右視野角B1の範囲内であるか判断する(ステップS12)。表示ユニット11Aの上下回動角Aが上下視野角A1の範囲内であり、かつ、表示ユニット11Aの左右回動角Bが左右視野角B1の範囲内である場合には(ステップS12;YES)、制御手段は、表示ユニット11Aが有効視野に対応する第1領域、すなわち接眼位置にあると判断する。その場合には、制御手段は、表示ユニット11Aが射出する画像光の輝度を第1輝度(例えば最大輝度)に制御する(ステップS13)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を最大に設定させる。
制御手段は、表示ユニット11Aが第1領域(接眼位置)にないと判断すると(ステップS12;NO)、表示ユニット11Aが前記第1領域よりも外側の第2領域に属しているか否かを判断する(ステップS14)。このステップS14において、表示ユニット11Aの上下回動角Aが上下視野角A2の範囲よりも外か、又は、表示ユニット11Aの左右回動角Bが左右視野角B2の範囲よりも外であるときには(ステップS14;YES)、表示ユニット11Aが、第2領域よりも外方に離間する、いわゆる「跳ね上げ位置」にあると判断される。
ここで、図11には、使用者USRに装着された左眼用の表示ユニット11Aが「跳ね上げ位置」にある状態の典型例が示される。跳ね上げ位置において、左眼用の表示ユニット11Aは、使用者USRの頭頂部近傍に位置している。即ち、跳ね上げ位置において、左眼用の表示ユニット11Aからの画像光は、使用者USRには視認されない。制御手段は、表示ユニット11Aが「跳ね上げ位置」にあると判断すると(ステップS14;YES)、表示ユニット11Aにおける画像光の射出を停止する処理を行う(ステップS15)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトを消灯させる。これにより、不要な画像光の射出をなくし、省電力化することができる。
また、制御手段は、ステップS14において、表示ユニット11Aの上下回動角Aが上下視野角A2の範囲よりも外、又は、表示ユニット11Aの左右回動角Bが左右視野角B2の範囲よりも外ではないときには(ステップS14;NO)、表示ユニット11Aが第2領域、つまり安定注視野にあると判断する。ここで、安定注視野とは、視線移動により無理のない情報受容が可能な範囲とされている。つまり、使用者は、画像を注視しなくても画像の存在自体は認識することができるとともに、見ようと思えば視線の先を変えるだけで画像の視覚情報を無理なく取得できるのである。そのような、画像の存在自体を認識でき、また視線の先を変えるだけで画像の視覚情報を取得できる程度の距離に移動させた表示ユニット11A、11Bの位置を、本明細書では「ちら見位置」という。ここで、図12には、使用者USRに装着された左眼用の表示ユニット11Aが「ちら見位置」にある状態の典型例が示される。ちら見位置において、左眼用の表示ユニット11Aは、使用者USRの左眼に対して、僅かに上に位置する。使用者USRは、左眼の視線を正面に向けた状態で、表示ユニット11Aからの画像光を、安定注視野において視認することができる。また、使用者USRは、左眼の視線を表示ユニット11Aに向けることで、画像を有効視野において視認できる。
制御手段は、ステップS14において、表示ユニット11Aが安定注視野に対応する第2領域に属していること、つまり表示ユニット11Aが「ちら見位置」にあると判断した場合には(ステップS14;NO)、表示ユニット11Aが射出する画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度に下げる処理を行う(ステップS16)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を、ステップS13の場合よりも暗い値に設定させる。
このように、輝度調整処理1によれば、表示ユニット11Aが「ちら見位置」では画像が暗く表示されるため、使用者は画像情報の存在を認識することができる。それに加え、輝度を落とした画像により外界の実視野を妨げず、視認性を十分確保することができる。また、画像光の輝度を下げることにより省電力化も図られる。
(輝度調整処理2)
次に、図13は、表示ユニット11A、11Bが射出する画像光の輝度調整処理2のフロー図である。なお、図13の実施形態による輝度調整処理も、左右双方の表示ユニット11A、11Bを対象としている。ここでは、一例として、左眼用の表示ユニット11Aを対象とした輝度調整処理2について説明する。また、本実施形態は、図示しない単眼用のHMDにも適用することができる。
ここで、図13の表記において、図9と同様に、「A」は、装着具12に対する表示ユニット11A、11Bの上下回動角、「B」は、装着具12に対する表示ユニット11A、11Bの左右回動角を意味する。
また、同じく上下視野角「A1」及び左右視野角「B1」は、有効視野に対応する第1領域を規定するパラメータであり、上下視野角「A2」及び左右視野角「B2」は、安定注視野に対応する第2領域を規定するパラメータである。
図13のステップS20〜S26の処理は、図9のステップS10〜S16と同一処理である。したがって、ここでのステップS20〜S26についての詳細な説明は省略する。
ステップS27の処理は、ステップS24で表示ユニット11Aが第2領域(ちら見位置)にあると判断されたときに実行される。その場合、制御手段は、視線検出部67Aの出力値を取得する(ステップS27)。そして、制御手段は、使用者の視線の方向がディスプレイ61Aが射出する画像光の光軸と一致するか否かを判断する(ステップS28)。すなわち、視線検出部67Aが、使用者の角膜に反射した所定強度の赤外線を検出することにより、制御手段は、表示ユニット11Aが表示する画像を当該使用者が注視していると判断する。制御手段は、使用者が画像を注視していると判断すると(ステップS28;YES)、表示ユニット11Aが射出する画像光の輝度を、前記第2輝度よりも明るい第3輝度に上げる処理を行う(ステップS29)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を、ステップS26の場合よりも明るい値に設定させる。前記第3輝度は、前記第2輝度よりも明るければよく、前記第1輝度と同じ輝度でもよく又はディスプレイ61Aが射出可能な最大輝度であってもよい。
このように、輝度調整処理2によれば、表示ユニット11A又は表示ユニット11Bが「ちら見位置」にある場合でも、使用者が意図的に視線を変えて画像を注視したときには、画像が暗い状態から明るい状態へと表示態様が変更される。これにより、使用者の行動目的等に応じ、画像による視覚情報が不要なときには、表示ユニット11A又は表示ユニット11Bを「ちら見位置」に保持して外界の実視野を確保するとともに、視覚情報が必要なときには画像に注視するだけで視覚情報を明瞭に取得することができる。
(輝度調整処理3)
次に、図14A及び図14Bは、表示ユニット11A、11Bが射出する画像光の輝度調整処理3のフロー図である。ここで、図14Aの表記において、「AL」は、装着具12に対する左眼用の表示ユニット11Aの上下回動角、「BL」は、装着具12に対する同じく左眼用の表示ユニット11Aの左右回動角を意味する。また、「AR」は、装着具12に対する右眼用の表示ユニット11Bの上下回動角、「BR」は、装着具12に対する同じく右眼用の表示ユニット11Bの左右回動角を意味する。
また、図14Aの表記において、上下視野角「A1」及び左右視野角「B1」は、有効視野に対応する第1領域を規定するパラメータであり、上下視野角「A2」及び左右視野角「B2」は、安定注視野に対応する第2領域を規定するパラメータである。
また、図14A及び図14Bの表記において、「左HD」は左眼用の表示ユニット11Aを意味し、「右HD」は右眼用の表示ユニット11Bを意味する。
先ず図14Aに示される輝度調整処理3において、HMD10への電源が投入後、制御手段は、各種設定初期化を実行する(ステップS40)。この設定初期化には、例えば表示ユニット11A、11Bの表示部を使用者の眼の接眼位置にそれぞれ保持して、その各位置を表示ユニット11A、11Bの基準位置に設定するキャリブレーション処理が含まれる。
次に制御手段は、使用者の操作入力による利き目設定処理を実行する(ステップS41)。制御手段は、2つの表示ユニット11A、11Bに対して、使用者に応じて利き目用又は非利き目用として、それぞれ設定された設定情報をRAM303に記憶する。
制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aの左第1センサ14A(第1の第1センサ)と装着具12の第2センサ15との出力値の差分を演算する(ステップS42)。左眼用の表示ユニット11Aの上下回動角ALが上下視野角A1の範囲内であり、かつ、左右回動角BLが左右視野角B1の範囲内である場合には(ステップS43;YES)、制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aが有効視野に対応する第1領域、すなわち接眼位置にあると判断する。その場合には、制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aが射出する画像光の輝度を第1輝度(例えば最大輝度)に制御する(ステップS44)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を最大に設定させる。
制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aが第1領域(接眼位置)にないと判断すると(ステップS43;NO)、上下回動角ALが上下視野角A2の範囲よりも外か、又は、左右回動角BLが左右視野角B2の範囲よりも外かを判断する(ステップS45)。制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aが安定注視野に対応する第2領域よりも外方に離間する「跳ね上げ位置」にあると判断すると(ステップS45;YES)、表示ユニット11Aにおける画像光の射出を停止する処理を行う(ステップS46)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトを消灯させる。
また、制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aが第2領域、つまり「ちら見位置」にあると判断すると(ステップS45;NO)、表示ユニット11Aが射出する画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度に下げる処理を行う(ステップS47)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を、ステップS44の場合よりも暗い値に設定させる。即ち、ステップS42〜S48の処理は、図9のステップS11〜S16の処理に対応する。
続いて、制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bの右第1センサ14B(第2の第1センサ)と装着具12の第2センサ15との出力値の差分を演算する(ステップS48)。右眼用の表示ユニット11Bの上下回動角ARが上下視野角A1の範囲内であり、かつ、左右回動角BRが左右視野角B1の範囲内である場合には(ステップS49;YES)、制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bが第1領域、すなわち接眼位置にあると判断する。その場合には、制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bが射出する画像光の輝度を第1輝度(例えば最大輝度)に制御する(ステップS50)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトの輝度を最大に設定させる。
制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bが第1領域(接眼位置)にないと判断すると(ステップS49;NO)、上下回動角ARが上下視野角A2の範囲よりも外、又は、左右回動角BRが左右視野角B2の範囲よりも外かを判断する(ステップS51)。制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bが第2領域よりも外方に離間する「跳ね上げ位置」にあると判断すると(ステップS51;YES)、表示ユニット11Bにおける画像光の射出を停止する処理を行う(ステップS52)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトを消灯させる。
また、制御手段は、右眼用の表示ユニット11Bが第2領域、つまり「ちら見位置」にあると判断すると(ステップS51;NO)、表示ユニット11Bが射出する画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度に下げる処理を行う(ステップS53)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトの輝度を、ステップS50の場合よりも暗い値に設定させる。即ち、ステップS48〜S53の処理は、左眼用の表示ユニット11Aが右眼用の表示ユニット11Bの表示ユニットに変わっていることを除いては、図9のステップS11〜S16の処理に対応する。
続いて、図14Bに示されるように、制御手段は、左右の表示ユニット11A、11Bが共に「ちら見位置」にあるか、つまり第2領域に属するか否か判断する(ステップS54)。ステップS54の判断は、ステップS45及びステップS51の判断結果を参照することで行われる。左右の表示ユニット11A、11Bが共に「ちら見位置」にある場合(ステップS54;YES)、制御手段は、左右の表示ユニット11A、11Bの視線検出部67A、67Bの出力値を取得する(ステップS55)。
次に、制御手段は、利き目用として設定された表示ユニットの視線検出部により検出された視線の方向が画像光の射出方向に一致していると検出され、非利き目用として設定された表示ユニットの視線検出部により検出された視線の方向が画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にし、非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度にする処理を行う。
具体的には、制御手段は、左眼用の表示ユニット11Aの視線検出部67Aが所定強度の赤外線を検出したか判断する(ステップS56)。つまり、使用者の左眼の視線の方向が画像光の射出方向に一致しているか、換言すれば、左眼で画像を注視しているかが、ステップS56では判断される。制御手段は、視線検出部67Aが所定強度の赤外線を検出と判断した場合、(ステップS56;YES)、左眼が利き目として設定されているかを判断する(ステップS57)。制御手段は、左眼が利き目として設定されている場合には(ステップS57;YES)、利き目用である左眼用の表示ユニット11Aの画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度に上げる処理を行う(ステップS58)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を、ステップS47の場合よりも明るい値に設定させる。制御手段は、非利き目用である右眼用の表示ユニット11Bの画像光の輝度を前記第2輝度に下げる(又は第2輝度に維持する)処理を行う(ステップS59)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトの輝度を、ステップS53の場合と同じ値に設定させる。
他方、制御手段は、ステップS56で、左眼用の視線検出部67Aが所定強度の赤外線を検出しないと判断した場合、(ステップS56;NO)、右眼用の表示ユニット11Bの視線検出部67Bが所定強度の赤外線を検出したか判断する(ステップS62)。つまり、使用者の右眼の視線の方向が画像光の射出方向に一致しているか、換言すれば、右眼で画像を注視しているかが、ステップS62では判断される。制御手段は、視線検出部67Bが所定強度の赤外線を検出と判断した場合、(ステップS62;YES)、右眼が利き目として設定されているかを判断する(ステップS63)。制御手段は、右眼が利き目として設定されている場合には(ステップS63;YES)、利き目用である右眼用の表示ユニット11Bの画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度に上げる処理を行う(ステップS64)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトの輝度を、ステップS53の場合よりも明るい値に設定させる。制御手段は、非利き目用である左眼用の表示ユニット11Aの画像光の輝度を前記第2輝度に下げる(又は第2輝度に維持する)処理を行う(ステップS65)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトの輝度を、ステップS47の場合と同じ値に設定させる。
また、制御手段は、非利き目用として設定された表示ユニットの視線検出部により検出された視線の方向が画像光の射出方向に一致していると検出され、利き目用として設定された表示ユニットの視線検出部により検出された視線の方向が画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第3輝度にし、利き目用の表示ユニットにおける画像光の射出を停止する処理を行う。
具体的には上述したように、制御手段は、ステップS56で左眼用の表示ユニット11Aの視線検出部67Aにより所定強度の赤外線が検出されとき(ステップS56;YES)、左眼が利き目として設定されているかを判断する(ステップS57)。制御手段は、左眼が利き目として設定されていない場合には(ステップS57;NO)、非利き目用である左眼用の表示ユニット11Aの画像光の輝度を、ステップS47で設定した前記第2輝度よりも明るい第3輝度に上げる処理を行う(ステップS60)。ステップS60で制御手段が表示ユニット11Aの輝度を上げる処理は、ステップS58と同一処理である。制御手段は、利き目用である右眼用の表示ユニット11Bの画像光の射出を停止する処理を行う(ステップS61)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Bに指示を送信することで、表示ユニット11BのCPU686に、ディスプレイ61Bのバックライトを消灯させる。
他方、ステップS56で左眼用の視線検出部67Aにより所定強度の赤外線が検出されず、ステップS62で右眼用の視線検出部67Bで所定強度の赤外線が検出された場合(ステップS62;YES)、制御手段は、上述したように右眼が利き目として設定されているかを判断する(ステップS63)。制御手段は、右眼が利き目として設定されていないと判断した場合には(ステップS63;NO)、非利き目用である右眼用の表示ユニット11Bの画像光の輝度を、ステップS53で設定した前記第2輝度よりも明るい第3輝度に上げる処理を行う(ステップS66)。ステップS66で制御手段が表示ユニット11Bの輝度を上げる処理は、ステップS64と同一処理である。制御手段は、利き目用である左眼用の表示ユニット11Aの画像光の射出を停止する処理を行う(ステップS67)。例えば、制御手段は、表示ユニット11Aに指示を送信することで、表示ユニット11AのCPU681に、ディスプレイ61Aのバックライトを消灯させる。
このように、輝度調整処理3によれば、左右の表示ユニット11A、11Bが共に「ちら見位置」にある場合に使用者が左右何れかの画像を注視したときには、その画像が暗い状態から明るい状態へと表示態様が変更される。その場合において、使用者が利き目側の画像を注視したときは、非利き目側の画像を暗い状態で表示する。非利き目側で輝度を落とした画像を表示することにより、非利き目側の実視野を妨げずに、少なくとも画像情報の存在を認識させることができる。
また対照的に、使用者が、例えば意図的に又は必要に迫られ非利き目側で画像を注視したときは、その注視した非利き目側の画像が明るい状態で表示されるとともに、利き目側の画像光の射出が停止される。つまり、利き目側に表示されるはずの画像による干渉がないため、使用者は非利き目での視覚情報の取得に集中できる。
10 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
11A、11B 表示ユニット
12 装着具
13A、13B 支持アーム
14A、14B 第1センサ
15 第2センサ
22、23 球面継手
30 コントロールボックス(CB)
41 筐体
42 切欠き部
43 調節つまみ
49 窓部
50 偏向部
51A、51B ハーフミラー
52 ミラーホルダ
60 画像生成部
61A、61B ディスプレイ
70 レンズユニット
72 コンビネーションレンズ
301 CPU
302 ROM
320、330 画像処理回路

Claims (9)

  1. 使用者の頭部に装着される装着具と、
    制御手段と、
    前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な表示ユニットと、
    前記装着具に対して前記表示ユニットを一定の自由度を有して支持する支持アームと、
    前記表示ユニットに設けられ、前記表示ユニットの加速度、方位又は角速度のうち少なくとも1つの物理量を検出する第1センサと、
    前記装着具に設けられ、前記第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を少なくとも検出する第2センサと、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第1及び第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記表示ユニットの相対位置を測定し、測定した前記表示ユニットの相対位置に応じて、前記表示ユニットが射出する画像光の輝度を変化させる処理を行うものであって、
    前記相対位置が所定の第1領域に属するとき、前記画像光の輝度を第1輝度にし、
    前記相対位置が前記第1領域よりも外方に離間する所定範囲内であって、且つ、前記第1領域を除く第2領域に属するとき、前記画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度にする処理を行う、ヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記表示ユニットには、使用者の視線の方向を検出する視線検出部が備えられ、
    前記制御手段は、前記表示ユニットの相対位置が前記第2領域に属し、且つ、前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致しているときには、当該画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にする処理を行う、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 前記制御手段は、前記相対位置が前記第2領域よりも外方に離間する場合、前記画像光の射出を停止する処理を行う、請求項1又は2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 使用者の頭部に装着される装着具と、
    制御手段と、
    使用者の一方の眼に対応して設けられ、前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な第1表示ユニットと、
    使用者の他方の眼に対応して設けられ、前記制御手段から送信される画像信号に基づいて画像光を射出可能な第2表示ユニットと、
    前記装着具に対して前記第1表示ユニットを支持し、その長手方向各端部において前記装着具及び前記第1表示ユニットに、それぞれ自在継手を介して接続される第1支持アームと、
    前記装着具に対して前記第2表示ユニットを支持し、その長手方向各端部において前記装着具及び前記第2表示ユニットに、それぞれ自在継手を介して接続される第2支持アームと、
    前記第1表示ユニットに設けられ、前記第1表示ユニットの加速度、方位又は角速度のうち少なくとも1つの物理量を検出する第1の第1センサと、
    前記第2表示ユニットに設けられ、前記第1の第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を検出する第2の第1センサと、
    前記装着具に設けられ、前記第1の第1センサが検出する物理量と同じ種類の物理量を少なくとも検出する第2センサと、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1の第1センサ及び前記第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記第1表示ユニットの相対位置を測定し、
    前記第2の第1センサ及び前記第2センサがそれぞれ検出する各物理量の比較に基づいて、前記装着具に対する前記第2表示ユニットの相対位置を測定し、
    前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの相対位置が、共に所定の第1領域に属するとき、前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットが射出する画像光の輝度を第1輝度にし、
    前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの何れか一方の前記相対位置が、前記第1領域よりも外方に離間する所定範囲内であって、且つ、前記第1領域を除く第2領域に属するとき、前記第2領域にある前記第1表示ユニット及び前記第2表示ユニットの他方が射出する画像光の輝度を、前記第1輝度よりも暗い第2輝度にする処理を行う、ヘッドマウントディスプレイ。
  5. 前記第1及び第2表示ユニットには、使用者の視線の方向を検出する視線検出部として第1視線検出部と第2視線検出部とがそれぞれ備えられ、
    前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットの何れか一方の相対位置が、前記第2領域に属し、且つ、前記第2領域に属する表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致しているときには、当該画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にする処理を行う、請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記第1及び第2表示ユニットには、使用者の視線の方向を検出する視線検出部として第1視線検出部と第2視線検出部とがそれぞれ備えられ、
    前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットに対して、使用者に応じて利き目用又は非利き目用として、それぞれ設定された設定情報を記憶し、
    前記第1及び第2表示ユニットの相対位置が、共に前記第2領域に属する場合であって、
    利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していると検出され、非利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、前記利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にし、前記非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度にする処理を行う、請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 前記第1及び第2表示ユニットの相対位置が、共に前記第2領域に属する場合であって、
    前記制御手段は、非利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していると検出され、利き目用として設定された表示ユニットの前記視線検出部により検出された視線の方向が前記画像光の射出方向に一致していないと検出された場合には、前記非利き目用の表示ユニットの画像光の輝度を前記第2輝度よりも明るい第3輝度にし、前記利き目用の表示ユニットにおける画像光の射出を停止する処理を行う、請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 前記制御手段は、前記第1及び第2表示ユニットの何れか一方の前記相対位置が、前記第2領域よりも外方に離間する位置にある場合、前記第2領域よりも外方に離間する位置にある表示ユニットにおける画像光の射出を停止する処理を行う、請求項4〜7の何れか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 前記第1領域が有効視野に対応し、前記第2領域が有効視野よりも外側の安定注視野に対応して設定されている、請求項1又は4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
JP2015073815A 2015-03-31 2015-03-31 ヘッドマウントディスプレイ Expired - Fee Related JP6274531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015073815A JP6274531B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 ヘッドマウントディスプレイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015073815A JP6274531B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 ヘッドマウントディスプレイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016195313A JP2016195313A (ja) 2016-11-17
JP6274531B2 true JP6274531B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=57323031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015073815A Expired - Fee Related JP6274531B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 ヘッドマウントディスプレイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6274531B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08328512A (ja) * 1995-05-26 1996-12-13 Canon Inc 頭部装着型表示装置
JPH11161188A (ja) * 1997-11-27 1999-06-18 Seiko Epson Corp 頭部装着型表示装置
JP2008083574A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Toshiba Corp 移動情報機器及び映像表示方法
JP2012073550A (ja) * 2010-09-30 2012-04-12 Nikon Corp 表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016195313A (ja) 2016-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9494807B2 (en) Wearable high resolution audio visual interface
US10306217B2 (en) Display device, control method for display device, and computer program
US9581822B2 (en) Head-mounted display
US10018848B2 (en) Display device, control method for display device, and computer program
CN105629467B (zh) 图像显示装置
WO2016113951A1 (ja) 頭部装着型表示装置、及び映像表示システム
US20160062457A1 (en) Display device, method of controlling the same, and computer program
WO2016098412A1 (ja) 頭部装着型表示装置、及び映像表示システム
JP6405991B2 (ja) 電子機器、表示装置、及び、電子機器の制御方法
US20160170482A1 (en) Display apparatus, and control method for display apparatus
JP2017092628A (ja) 表示装置、及び、表示装置の制御方法
JP6195126B2 (ja) 画像表示装置
CN110927973A (zh) 显示装置
JP6274531B2 (ja) ヘッドマウントディスプレイ
CN110772211A (zh) 一种用于腔镜手术的视觉随动显示系统
WO2022254782A1 (ja) 視線検出装置、表示装置、視線検出システム、及び視線検出方法
US20220390751A1 (en) Image display device and adjustment method
JP6565310B2 (ja) 表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラム
JP6613646B2 (ja) 画像表示装置
JP2016116066A (ja) 表示装置、及び、表示装置の制御方法
JP2016219897A (ja) 表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラム
WO2018116519A1 (ja) ヘッドマウントディスプレイ
WO2017145324A1 (ja) ヘルメットマウントディスプレイ
US20230100190A1 (en) Image display device and light-shielding member
JP6582398B2 (ja) 画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171010

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees