JP6271072B1 - 端末装置、映像配信システムおよび映像配信方法 - Google Patents

端末装置、映像配信システムおよび映像配信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択して、映像を安定して再生することができるようにする。【解決手段】端末装置が、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントとして、過去の通信時における通信履歴情報に基づいて、所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信する。映像配信装置が、端末装置から送信されるセグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを端末装置に送信し、端末装置が、映像配信装置から送信されるセグメントを受信する。【選択図】図14

Description

本発明は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して受信する端末装置、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信システムおよび映像配信方法に関するものである。
近年、映画やテレビ番組やコンサートなどの映像を、コンテンツサーバからユーザ端末に配信する映像配信サービスが広く普及している。このような映像配信サービスでは、現在、ネットワーク帯域に応じて映像の配信レートを制御する配信方法が採用されており、その配信方法のひとつにMPEG−DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)がある。特にこのような適応レート制御技術は、帯域が常時変動するモバイルネットワーク環境において有用である。
一方、モバイルネットワークの分野では、現在、5G(第五世代移動体通信)の検討が盛んに行われている。5Gでは、様々な特性を持つRAT(Radio Access Technology、無線通信方式)が混在するヘテロジーニアスネットワークと呼ばれるネットワーク構成がベースとなる。ヘテロジーニアスネットワークでは、通信レートや通信エリアが大きく異なるセルが重畳配置され、例えば、それらを用途に応じて利用することによりシステム容量の改善やネットワーク負荷の低減等が可能となる。
このような5Gヘテロジーニアスネットワークでは、車両で移動している場合のように、移動中のユーザ端末の移動速度が速いと、接続先の切り替えに応じて帯域が激しく変動する。このため、MPEG−DASHのような帯域に応じた配信レート制御を、5Gヘテロジーニアスネットワークで行うと、広帯域から狭帯域へ帯域が急激に変動した際に、パケットロスが多発して、再生中に映像が途切れる不具合が生じ、これによりユーザの満足度が低下するという問題が生じる。これは、帯域変動が激しいために、利用可能な帯域へ配信レートを変更する処理が間に合っていないためである。
さて、MPEG−DASHでは、コンテンツを複数の伝送レートで階層的に圧縮し、セグメントと呼ばれる数秒単位に分割されたデータで構成され、配信レートの変更がセグメント単位で行われる。そこで、上述の問題を解決する方法のひとつとして、セグメントの時間長を可能な限り短くすることで、配信レートを高速に変更する方法が考えられる。しかし、セグメントの時間長を短くすると、Iフレーム(キーフレーム)の挿入率が高くなるため、伝送効率が大きく低下し、結果として映像品質が低下してしまうという問題が生じる。
このため、セグメントの時間長を変更する制御手法で上述の課題を解決する技術が望まれるが、このような制御手法に関連する技術としては、従来、移動局との間の通信状態に応じて、移動局が受信可能な最大の伝送速度と、その伝送速度に応じてコンテンツを伝送する時間領域(セグメントの長さ)を割り当てる技術が知られている(特許文献1参照)。
特許第4393041号公報
前記従来の技術に開示された手法は、TDMAシステムにおいて、通信距離の異なる複数の移動局に対して、同時にコンテンツを伝送する場合においては効率的である。しかし、5Gヘテロジーニアスネットワークのように様々なRATが混在したネットワークにおいて、帯域に応じた配信レート制御を行うシステムに対しては、上述の課題を解決することはできない。
そこで、本発明は、通信経路の帯域が大きく変動する場合に、映像データの配信レートを高速に変更して、映像を安定して再生することができる端末装置、映像配信システムおよび映像配信方法を提供することを主な目的とする。
本発明の端末装置は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して受信する端末装置であって、前記映像配信装置と通信を行う通信部と、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、を備え、前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
また、本発明の映像配信システムは、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信システムであって、前記映像配信装置は、前記端末装置と通信を行う通信部と、前記映像データに関して、配信レートおよび時間長が異なる複数のセグメントを記憶する記憶部と、前記端末装置から送信されるセグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信する制御部と、を備え、前記端末装置は、前記映像配信装置と通信を行う通信部と、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、を備え、前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
また、本発明の映像配信方法は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信方法であって、前記端末装置が、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントとして、過去の通信時における通信履歴情報に基づいて、所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信し、前記映像配信装置が、前記端末装置から送信される前記セグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する構成とする。
本発明によれば、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択するため、セグメントの配信レートを高速に切り替えることができる。これにより、通信経路の切り替えにより帯域が急激に縮小した場合に、パケットロスの多発により再生中の映像が途切れる不具合を避けて、映像を安定して再生することができる。
第1実施形態に係る映像配信システムの全体構成図 コンテンツサーバ1の概略構成を示すブロック図 ユーザ端末2の概略構成を示すブロック図 コンテンツサーバ1の記憶部14に格納される配信用映像データファイルの構成を示す説明図 MPDファイルの基本構造を示す説明図 MPDファイルの標準的な例を示す説明図 本実施形態によるMPDファイルの例を示す説明図 本実施形態によるMPDファイルの例を示す説明図 本実施形態によるMPDファイルの例を示す説明図 ユーザ端末2の動作手順を示すフロー図 コンテンツサーバ1の動作手順を示すフロー図 ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第2実施形態に係るユーザ端末2の概略構成を示すブロック図 第2実施形態に係るユーザ端末2の無線制御部41の動作手順を示すフロー図 第2実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第3実施形態に係るユーザ端末2の概略構成を示すブロック図 第3実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第3実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第4実施形態に係る映像配信システムの全体構成図 第4実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第5実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図 第5実施形態の変形例に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して受信する端末装置であって、前記映像配信装置と通信を行う通信部と、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、を備え、前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
これによると、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
また、第2の発明は、前記記憶部は、各位置における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報から取得した自装置の現在位置における過去の前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
これによると、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
また、第3の発明は、前記記憶部は、各時刻における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報から取得した現在時刻における過去の前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
これによると、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
また、第4の発明は、前記制御部は、前記通信履歴情報の通信速度が所定より大きい場合には、短い時間長のセグメントを選択し、前記通信速度が前記所定以下となる場合には、長い時間長のセグメントを選択する構成とする。
これによると、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
また、第5の発明は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信システムであって、前記映像配信装置は、前記端末装置と通信を行う通信部と、前記映像データに関して、配信レートおよび時間長が異なる複数のセグメントを記憶する記憶部と、前記端末装置から送信されるセグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信する制御部と、を備え、前記端末装置は、前記映像配信装置と通信を行う通信部と、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、を備え、前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
また、第6の発明は、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信方法であって、前記端末装置が、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントとして、過去の通信時における通信履歴情報に基づいて、所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信し、前記映像配信装置が、前記端末装置から送信される前記セグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る映像配信システムの全体構成図である。
この映像配信システムは、コンテンツサーバ1(映像配信装置)と、ユーザ端末2(端末装置)と、マクロセル基地局3と、スモールセル基地局4と、無線LANアクセスポイント5と、キャッシュサーバ6と、カメラ7(撮像装置)と、映像蓄積サーバ8と、を備えている。
コンテンツサーバ1は、ユーザ端末2に配信するコンテンツを管理し、コンテンツごとの配信用映像データを保有する。このコンテンツサーバ1は、MPEG−DASHに対応した映像配信サーバである。
このコンテンツサーバ1は、インターネットやLANなどのネットワークを介して、カメラ7や映像蓄積サーバ8から映像データを取得する。カメラ7は、コンサートなどを撮影し、ライブ配信の場合に、コンテンツサーバ1がカメラ7からリアルタイムで映像データを取得する。映像蓄積サーバ8は、過去にコンサートなどを撮影した映像データや、映画やテレビ番組の映像データを蓄積し、VOD(Video On Demand)などのストア配信の場合に、コンテンツサーバ1が映像蓄積サーバ8から映像データを取得する。なお、カメラ7から取得した映像データをコンテンツサーバ1に蓄積してストア配信を行うようにしてもよい。また、コンテンツサーバ1にカメラ7が直接接続された構成や、各種の記憶媒体を用いてコンテンツサーバ1が映像データを取得する構成も可能である。
マクロセル基地局3は、LTEなどによる比較的小容量の無線通信を行うものである。スモールセル基地局4は、5Gで採用される高SHF帯などを利用した比較的大容量の無線通信を行うものである。無線LANアクセスポイント5は、Wi−Fi(登録商標)による比較的小容量の無線通信や、WiGig(登録商標)による比較的大容量の無線通信を行うものである。このマクロセル基地局3、スモールセル基地局4、および無線LANアクセスポイント5の通信エリアは互いに重畳され、複数のRAT(無線通信方式)が混在する通信環境、いわゆるヘテロジーニアスネットワークを構成している。
ユーザ端末2は、ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末などである。このユーザ端末2は、ヘテロジーニアスネットワークを構成するマクロセル基地局3、スモールセル基地局4、および無線LANアクセスポイント5のいずれかに接続することができ、ヘテロジーニアスネットワークと、インターネットおよびコアネットワークからなる有線ネットワークと、を介して、コンテンツサーバ1と通信を行う。
キャッシュサーバ6は、コアネットワーク内などに設置されている。このキャッシュサーバ6は、コンテンツサーバ1が管理するコンテンツの複製を保有し、ユーザ端末2からの要求に応じて、コンテンツサーバ1に代わってコンテンツを配信する。これにより、コンテンツサーバ1の負荷を軽減し、ネットワークトラフィックを削減することができる。
次に、コンテンツサーバ1の概略構成について説明する。図2は、コンテンツサーバ1の概略構成を示すブロック図である。
コンテンツサーバ1は、通信部12と、制御部13と、記憶部14と、を備えている。
通信部12は、有線ネットワークおよび5Gヘテロジーニアスネットワークを介してユーザ端末2と通信を行う。
また、通信部12は、有線ネットワークを介してカメラ7や映像蓄積サーバ8と通信を行い、ライブ配信の場合に、カメラ7から送信される映像データを通信部12で受信し、また、VODなどのストア配信の場合に、映像蓄積サーバ8から送信される映像データを通信部12で受信する。
記憶部14は、制御部13で生成したMPEG−DAS配信用映像データファイルを記憶する。VoDなどのストア配信の場合には、過去に撮影されたコンテンツの配信用映像データファイルが蓄積される。ライブ配信の場合には、制御部13でリアルタイムに生成した配信用映像データファイルが一時的に格納される。また、記憶部14は、制御部13で実行するプログラムを記憶する。
制御部13は、配信用映像データ生成部21と、通信制御部22と、を備えている。この制御部13はプロセッサで構成され、制御部13の各部は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
配信用映像データ生成部21は、通信部12で受信した映像データから、MPEG−DASH配信用映像データファイルを生成する。すなわち、通信部12で受信した映像データを、所定の符号化方式で符号化し、符号化された映像データを所定の時間長で分割したセグメントを生成する。本実施形態では、同一のコンテンツの映像データを複数の符号化レート(配信レート)で符号化するとともに、符号化された映像データを複数の時間長で分割して、配信レートおよび時間長が異なるセグメントを生成する。
通信制御部22は、MPEG−DASHに基づくセグメントの構成内容を定義したMPD(Media Presentation Description)ファイルを生成する。また、通信制御部22は、ユーザ端末2から送信されるMPDファイル取得要求を受信すると、そのMPDファイル取得要求で指定されたコンテンツに関するMPDファイルをユーザ端末2に送信する。また、通信制御部22は、ユーザ端末2から送信されるセグメント取得要求を受信すると、その取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントをユーザ端末2に送信する。
次に、ユーザ端末2の概略構成について説明する。図3は、ユーザ端末2の概略構成を示すブロック図である。
ユーザ端末2は、無線通信部31と、制御部32と、記憶部33と、操作入力部34と、映像表示部35と、音声出力部36と、を備えている。
無線通信部31は、5Gヘテロジーニアスネットワークを構成するマクロセル基地局3、スモールセル基地局4、および無線LANアクセスポイント5のいずれかとの間で無線通信を行い、5Gヘテロジーニアスネットワークおよび有線ネットワークを介して、コンテンツサーバ1と通信を行う。
記憶部33は、無線通信部31でコンテンツサーバ1から受信したMPDファイルや映像データのセグメントなどを記憶する。また、記憶部33は、制御部32で実行するプログラムを記憶する。
制御部32は、無線制御部41と、通信制御部42と、再生部43と、を備えている。この制御部32はプロセッサで構成され、制御部32の各部は、記憶部33に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
無線制御部41は、接続先の管理を行い、測定した無線品質に応じて接続先の選択を行う。本実施形態では、5Gヘテロジーニアスネットワークを構成するマクロセル基地局3、スモールセル基地局4、および無線LANアクセスポイント5が接続先となる。また、無線制御部41は、接続先情報や無線品質情報などを通信制御部42に通知する。
通信制御部42は、操作入力部34でのユーザの操作により指定されたコンテンツに関するMPDファイル取得要求をコンテンツサーバ1に送信する。そして、MPDファイル取得要求に応じてコンテンツサーバ1から送信されるMPDファイルを受信する。
また、通信制御部42は、MPDファイルを参照して、コンテンツサーバ1に要求するセグメントを選択して、セグメント取得要求をコンテンツサーバ1に送信する。そして、セグメント取得要求に応じてコンテンツサーバ1から送信されるセグメントを受信する。このとき、本実施形態では、通信経路の帯域に関連する帯域関連情報に基づいて、配信レートおよびセグメントの時間長を決定して、コンテンツサーバ1に要求するセグメントを選択する。
再生部43は、通信制御部42で受信したセグメントを順番につなぎ合わせて映像データを復元し、その映像データを用いてコンテンツを再生し、映像表示部35に映像が表示され、音声出力部36から音声が出力される。
次に、コンテンツサーバ1の記憶部14に格納される配信用映像データファイルについて説明する。図4は、配信用映像データファイルの構成を示す説明図である。
コンテンツサーバ1では、同一のコンテンツの映像データを、複数の符号化レート(例えば3Mbps,5Mbps,...80Mbps)で符号化して、複数の符号化レートごとの配信用映像データを生成し、この複数の符号化レートごとの配信用映像データを、複数の時間長(例えば1s,...10s)で分割して、複数の符号化レートごとのセグメントのファイルを複数の時間長ごとに生成し、時間長が異なる複数の符号化レートごとのセグメントのファイルが、配信用映像データファイルとして記憶部14に格納される。
次に、MPDファイルについて説明する。図5は、MPDファイルの基本構造を示す説明図である。
MPD(Media Presentation Description)ファイル(セグメント構成情報)は、1つのコンテンツの映像データを分割したセグメントの構成を、XML形式で記述したものであり、コンテンツごとに作成される。このMPDファイルは、階層構造をなしており、1つのMPDファイルの中に任意の数のPeriodが含まれ、このPeriodの中に任意の数のAdaptation Setが含まれ、このAdaptation Setの中に任意の数のRepresentationが含まれ、このRepresentationの中にSegment Info、Initialization Segment、Media Segmentが含まれる。
Periodには、プログラム(同期をとった1組の動画や音声などのデータ)の情報が記述される。Adaptation Setには、言語(吹き替えや字幕)などの情報が記述される。Representationには、動画や音声の符号化速度、動画の画像サイズなどの情報が記述される。Segment Infoには、動画や音声のセグメント関連の情報が記述される。Initialization Segmentには、データ圧縮方式などの初期化情報が記述される。Media Segmentには、動画や音声のセグメントの取得先アドレス(URL)などが記述される。
次に、MPDファイルの具体的な構成について説明する。図6は、MPDファイルの標準的な例を示す説明図である。図7、図8、図9は、本実施形態によるMPDファイルの例を示す説明図である。
図6に示す標準的なMPDファイルでは、配信レートごとにRepresentationが記述され、このRepresentationの中のSegment Infoにセグメントの時間長(duration)が記述され、Representationの中のMedia Segmentに、セグメントごとの取得先のアドレス(取得先情報)が記述されている。ユーザ端末2の通信制御部42では、MPDファイルを参照することで、再生するコンテンツに関するセグメントの配信レートおよび時間長を把握することができる。また、MPDファイルを参照することで、セグメントの取得先のアドレスを取得することができ、これによりセグメントの取得先にアクセスしてセグメントを取得することができる。
本実施形態では、帯域関連情報に基づいて、配信レートの他に時間長が異なるセグメントを取得するようにしているが、図6に示す標準的な構成では、時間長が異なるセグメントの情報を記述することができない。そこで、本実施形態では、時間長が異なるセグメントの情報を記述できるようにMPDファイルの構成を変更する。
図7に示す例では、1つのPeriodの中に、配信レートが異なる複数のRepresentationが記述され、1つのRepresentationの中に、セグメントの時間長が異なる複数のSegment Infoが記述されている。すなわち、Representation 1は500kbit/sの配信レートであり、Representation 2は100kbit/sの配信レートであり、Representation 1とRepresentation 2とでは配信レートが異なり、Representation 1では、Segment Info 1にセグメントの時間長を表すduration=10sが記述されており、Segment Info 2にduration=1sが記述されている。
図8に示す例では、1つのPeriodの中に、配信レートが同一となる複数のRepresentationが記述され、複数のRepresentationの各々に、時間長が異なるSegment Infoが記述されている。すなわち、Representation 1およびRepresentation 2はともに500kbit/sの配信レートであり、Representation 1では、Segment Infoに、セグメントの時間長を表すduration=10sが記述されており、Representation 2では、Segment Infoにduration=1sが記述されている。
図7や図8の構成により、配信レートおよび時間長が異なるセグメントの情報をMPDファイルに格納することができ、ユーザ端末2の通信制御部42では、MPDファイルを参照することで、セグメントの配信レートおよび時間長の情報を取得するとともに、所要の配信レートおよび時間長のセグメントの取得先のアドレスを取得することができる。
また、MPDファイルでは、先頭部分に記述される配信コンテンツの概要に続いて、コンテンツサーバ1のアドレスを記述するようになっている。ここで、図9(A)に示す標準的な例では、コンテンツサーバ1の基本アドレス(Base URL)のみが記述されているが、図9(B)に示す例では、セグメントの時間長ごとに基本アドレスを設定し、基本アドレスと対応させて、セグメントの時間長(Segment duration)の情報が記述されている。図9(B)により、ユーザ端末2の通信制御部42では、セグメントの時間長の情報を取得するとともに、所要の時間長のセグメントの取得先のアドレスを取得することができる。
なお、本実施形態では、コンテンツごとにMPDファイルを作成するようにしたが、1つのコンテンツに関するMPDファイルを、セグメントの時間長ごとに別々に作成するようにしてもよい。
次に、ユーザ端末2の動作手順について説明する。図10は、ユーザ端末2の動作手順を示すフロー図である。
ユーザ端末2では、まず、操作入力部34でのユーザの操作により指定されたコンテンツに関するMPDファイル取得要求をコンテンツサーバ1に送信する(ST101)。そして、MPDファイル取得要求に応じてコンテンツサーバ1から送信されるMPDファイルを受信すると(ST102でYes)、コンテンツサーバ1に要求するセグメントを選択する(ST103)。
このとき、現在通信中の通信経路の帯域に関連する帯域関連情報を取得して、その帯域関連情報に基づいて望ましい時間長のセグメント(セグメントの長さ)を決定し、MPDファイルを参照して、コンテンツサーバ1に要求する所定の時間長のセグメントを選択する。そして、MPDファイルを参照して、セグメントの取得先アドレスを取得して、セグメント取得要求をコンテンツサーバ1に送信する(ST104)
次に、セグメント取得要求に応じてコンテンツサーバ1から送信されるセグメントを受信すると(ST105でYes)、受信したセグメントを用いてコンテンツを再生する(ST106)。
次に、バッファ滞留量が所定のしきい値より大きいか否かを判定する(ST107)。ここで、バッファ滞留量がしきい値より大きい場合には(ST107でYes)、ST106のコンテンツの再生が繰り返される。
一方、バッファ滞留量がしきい値以下である場合には(ST107でNo)、再度、現在通信中の通信経路の帯域に関連する帯域関連情報を取得して、その帯域関連情報に基づいて所定の時間長のセグメントを選択し(ST103)、前記の動作が繰り返される。
また、MPDファイルを受信できない場合や(ST102でNo)、セグメントを受信できない場合は(ST105でNo)、処理を終了する。
次に、コンテンツサーバ1の動作手順について説明する。図11は、コンテンツサーバ1の動作手順を示すフロー図である。
コンテンツサーバ1では、まず、コンテンツごとにMPDファイルを生成する(ST201)。そして、ユーザ端末2から送信されるMPDファイル取得要求を受信すると(ST202でYes)、そのMPDファイル取得要求で指定されたコンテンツのMPDファイルをユーザ端末2に送信する(ST203)。次に、ユーザ端末2から送信されるセグメント取得要求を受信すると(ST204でYes)、そのセグメント取得要求に対応する符号化レートおよび時間長のセグメントをユーザ端末2に送信する(ST205)。
このとき、ストア配信の場合には、MPDファイル取得要求は、コンテンツの映像の再生を開始する際に一度行われ、以降は、MPDファイル取得要求を受信しないまま(ST202でNo)、セグメント取得要求に応じたセグメントの送信が繰り返される。また、ライブ配信の場合には、適宜なタイミングでMPDファイルを更新することがある。このため、セグメント取得要求のたびに、事前にMPDファイル取得要求が行われ、MPDファイル取得要求に応じたMPDファイルの送信と、セグメント取得要求に応じたセグメントの送信とが繰り返される。
次に、ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時(図10のST103)の動作手順について説明する。図12および図13は、セグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
ユーザ端末2内の通信制御部42では、通信経路の帯域に関連する帯域関連情報に基づいて、コンテンツサーバ1に要求するセグメントを選択する。具体的には、帯域関連情報に基づいて、帯域が広い状態と判定されると、配信レートが高く(例えば4K)且つ短い時間長(例えば1s)のセグメントを選択し、帯域が狭い状態と判定されると、配信レートが低く(例えばVGA)且つ長い時間長(例えば10s)のセグメントを選択する。
ここで、現在通信中の接続先で採用されているRATに応じて通信容量が異なり、大容量通信が可能なRATである場合には、帯域が広いと想定され、大容量通信が不能なRATある場合には、帯域が狭いと想定される。例えば、高SHF帯を利用したRATや、WiGig(登録商標)のRATでは、大容量通信が可能で帯域が広く、LTE(Long Term Evolution)のRATでは、大容量通信が不能で帯域が狭い。そこで、本実施形態では、接続先が大容量通信可能なRATか否かに応じて、所定の時間長のセグメントの選択を行う。
具体的には、図12(A)に示すように、通信制御部42において、まず、無線制御部41から、現在通信中の接続先のRATに関する接続先情報を取得する(ST301)。そして、接続先情報に基づいて、接続先が大容量通信可能か否かを判定する(ST302)。ここで、大容量通信が可能である場合には(ST302でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST303)。一方、大容量通信が可能でない場合には(ST302でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST304)。
ここで、RATが大容量通信可能か否かの判定は、RATごとに大容量通信可能か否かに関する情報を記憶部33に記憶させておいて、その情報に基づいて判定を行えばよい。また、大容量通信可能か否かに関する情報を、ネットワーク内に設置された通信制御装置(基地局やサーバ)から通知するようにしてもよい。
また、現在通信中の接続先の無線品質が良好である場合には帯域が広いと想定され、無線品質が良好でない場合には帯域が狭いと想定される。そこで、本実施形態では、接続先の無線品質に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
具体的には、図12(B)に示すように、通信制御部42において、まず、無線制御部41から無線品質情報を取得する(ST311)。そして、無線品質情報に基づいて、無線品質が良好か否かを判定する(ST312)。なお、この判定は、無線品質を表す数値を所定のしきい値と比較して行えばよい。ここで、無線品質が良好である場合には(ST312でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST313)。一方、無線品質が良好でない場合には(ST312でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST314)。
なお、接続先が大容量通信可能か否かの判定と、無線品質が良好か否かの判定と、を組み合わせるようにしてもよい。例えば、接続先が高SHF帯による大容量通信からLTEの小容量通信に切り替わる直前に、大容量通信が可能であるが無線品質が良好でない状態となり、この場合、長い時間長のセグメントを選択する。
また、現在通信中の通信経路における混雑度が低い場合には帯域が広いと想定され、混雑度が高い場合には帯域が狭いと想定される。そこで、本実施形態では、通信経路の混雑度に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
具体的には、図13(A)に示すように、通信制御部42において、まず、無線制御部41から混雑度情報を取得する(ST321)。そして、混雑度情報に基づいて、通信経路が混雑していないか否かを判定する(ST322)。なお、この判定は、混雑度を表す数値を所定のしきい値と比較して行えばよい。ここで、通信経路が混雑していない場合には(ST322でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST323)。一方、通信経路が混雑している場合には(ST322でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST324)。
ここで、通信経路の混雑度を表す数値は、例えば、アクティブユーザ数、すなわち、現在接続中の基地局において通信中のユーザ端末2の数や、使用済みサブキャリア数、すなわち、現在使用中のサブキャリアの数などである。
また、現在通信中の通信経路における往復遅延時間(RTT:Round-Trip Time)が短い場合には帯域が広いと想定され、往復遅延時間が長い場合には帯域が狭いと想定される。そこで、本実施形態では、往復遅延時間に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
具体的には、図13(B)に示すように、通信制御部42において、まず、無線制御部41から往復遅延時間を取得する(ST331)。そして、往復遅延時間が所定のしきい値より小さいか否かを判定する(ST332)。ここで、往復遅延時間がしきい値より小さい場合には(ST332でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST333)。一方、往復遅延時間がしきい値以上となる場合には(ST332でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST334)。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図14は、第2実施形態に係るユーザ端末2の概略構成を示すブロック図である。図15は、ユーザ端末2の無線制御部41の動作手順を示すフロー図である。図16は、ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
通信経路の帯域は、ユーザ端末2の位置や時間帯に応じて異なる。そこで、本実施形態では、過去の通信時に取得した通信状況に関する情報、特に帯域に関係する測定値(帯域関連情報)を、通信履歴情報として記憶部33に蓄積しておき、この通信履歴情報を参照して、現在位置における過去の通信状況に関する情報を取得して、この情報に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行う。以下、通信状況に関する情報として通信速度を用いた制御の例を示す。
図14に示すように、ユーザ端末2は、位置情報取得部37を備えている。この位置情報取得部37は、GPS(Global Positioning System)などの測位システムにより、ユーザ端末2の位置情報を取得する。無線制御部41は、ユーザ端末2の位置情報および通信速度を、通信履歴情報として記憶部33に蓄積する。この記憶部33に蓄積された通信履歴情報は通信が行われるたびに更新される。通信制御部42は、通信履歴情報に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
具体的には、図15に示すように、無線制御部41では、まず、位置情報取得部37からユーザ端末2の現在位置を取得する(ST501)。そして、記憶部33に記憶された通信履歴情報を検索して、現在位置に関する通信履歴情報がある場合には(ST502でYes)、その通信履歴情報から現在位置における過去の通信速度を取得して通信制御部42に通知する(ST503)。一方、現在位置に関する通信履歴情報がない場合には(ST502でNo)、処理を終了する。
また、図16に示すように、通信制御部42では、まず、無線制御部41から通信速度を取得する(ST341)。そして、通信速度が所定のしきい値より大きいか否かを判定する(ST342)。ここで、通信速度がしきい値より大きい場合には(ST342でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST343)。一方、通信速度がしきい値以下となる場合には(ST342でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST344)。
ところで、通信速度は、ユーザ端末2の位置の他に時間帯に応じて異なる。そこで、ユーザ端末2の位置情報とともに時刻情報を通信履歴情報として記憶部33に蓄積しておき、この通信履歴情報を参照して、ユーザ端末2の現在位置および現在時刻における過去の通信速度を取得して制御を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、通信状況に関する情報、特に帯域に関係する測定値として、通信速度を制御に用いるようにしたが、この他に、パケット損失率や遅延時間などを用いるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図17は、第3実施形態に係るユーザ端末2の概略構成を示すブロック図である。図18および図19は、ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
本実施形態では、ユーザ端末2の状態に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。ユーザ端末2の制御部32は、端末状態取得部44を備えており、この端末状態取得部44で取得した端末状態情報を通信制御部42に通知し、通信制御部42において、端末状態情報に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
ここで、ユーザ端末2の移動速度が速い場合には帯域が狭くなり、移動速度が遅い場合には帯域が広くなるものと想定される。そこで、本実施形態では、端末状態取得部44において、端末状態情報として、ユーザ端末2の移動速度を取得して、その移動速度に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行う。すなわち、移動速度が速い場合には、時間長が長く且つ配信レートが低いセグメントを選択し、移動速度が遅い場合には、時間長が短く且つ配信レートが高いセグメントを選択する。
具体的には、図18(A)に示すように、通信制御部42において、まず、端末状態取得部44から移動速度を取得する(ST351)。そして、移動速度が所定のしきい値より小さいか否かを判定する(ST352)。ここで、移動速度がしきい値より小さい場合には(ST352でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST353)。一方、移動速度がしきい値以上となる場合には(ST352でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST354)。
また、ユーザ端末2の処理能力が低い場合には、時間長が短く且つ配信レートが高いセグメントで映像を配信しても、映像を適切に再生することができない。例えば、表示解像度が低い場合には、高解像度の映像を配信しても、その高解像度の映像を表示することができない。そこで、本実施形態では、端末状態取得部44において、ユーザ端末2の処理能力に関する情報を取得して、ユーザ端末2の処理能力に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。すなわち、処理能力が低い場合には、時間長が長く且つ配信レートが低いセグメントを選択し、処理能力が高い場合には、時間長が短く且つ配信レートが高いセグメントを選択する。図18(B)に示す例では、処理能力として表示解像度に基づいてセグメントの選択を行っている。
具体的には、通信制御部42において、まず、端末状態取得部44から表示解像度を取得する(ST361)。そして、表示解像度が所定のしきい値より大きいか否かを判定する(ST362)。ここで、表示解像度がしきい値より大きい場合には(ST362でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST363)。一方、表示解像度がしきい値以下となる場合には(ST362でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST634)。
なお、本例では、ユーザ端末2の処理能力として表示解像度に基づいて制御を行うようにしたが、この他に、ユーザ端末2の処理能力としてデコード能力に基づいて制御を行うようにしてもよい。
また、ユーザ端末2の負荷が大きい状態では、時間長が短く且つ配信レートが高いセグメントで映像を配信しても、映像を適切に再生することができない。そこで、本実施形態では、端末状態取得部44において、端末状態情報として、ユーザ端末2の負荷状況に関する情報を取得して、この負荷状況に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。すなわち、ユーザ端末2の負荷が大きい状態では、時間長が長く且つ配信レートが低いセグメントを選択し、ユーザ端末2の負荷が小さい状態では、時間長が短く且つ配信レートが高いセグメントを選択する。図19(A)に示す例では、ユーザ端末2の負荷状況として、CPU(制御部32)の負荷状況、すなわち、CPUの最大の処理量に対する使用中の処理量の割合を示した値であるCPU負荷率(CPU使用率)に基づいてセグメントの選択を行っている。
具体的には、通信制御部42において、まず、端末状態取得部44からCPU負荷率を取得する(ST371)。そして、CPU負荷率が所定のしきい値より小さいか否かを判定する(ST372)。ここで、CPU負荷率がしきい値より小さい場合には(ST372でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST373)。一方、CPU負荷率がしきい値以上となる場合には(ST372でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST374)。
なお、本例では、ユーザ端末2の負荷状況としてCPUの負荷状況に基づいて制御を行うようにしたが、この他に、ユーザ端末2の負荷状況として、起動中のアプリケーションの数やその稼動状況に基づいて制御を行うようにしてもよい。
また、ユーザ端末2で再生中のコンテンツをユーザが実際に視聴していない場合には、高品質な映像を配信する必要がない。そこで、本実施形態では、端末状態取得部44において、ユーザの利用状況、例えば、ユーザが実際に視聴しているか否かに関する情報を取得して、ユーザの視聴状況に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。
ここで、ユーザが視聴中か否かの判定は、ユーザ端末2に設けられたカメラでユーザを撮像して、撮像画像に対する画像認識によりユーザの視線を検知して、その検知結果に基づいて、ユーザが画面を見ているか否かを判定すればよい。また、画面操作(例えばタップ操作)の頻度を取得して、画面操作の頻度に基づいて、ユーザが画面を見ているか否かを判定するようにしてもよい。
具体的には、図19(B)に示すように、通信制御部42において、まず、端末状態取得部44から利用状況情報を取得する(ST381)。そして、利用状況情報に基づいて、ユーザが視聴中か否かを判定する(ST382)。ここで、ユーザが視聴中である場合には(ST382でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST383)。一方、ユーザが視聴中でない場合には(ST382でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST384)。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図20は、第4実施形態に係る映像配信システムの全体構成図である。図21は、ユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
本実施形態では、図20に示すように、5Gヘテロジーニアスネットワーク内に、補助サーバ9(通信制御装置)が設置されている。この補助サーバ9は、例えば、パケット交換ストリーミングサービスを提供するために移動体通信事業者が設置するPSS(packet-switched streaming)サーバなどである。
この補助サーバ9は、補助情報として、推奨レート(Recommend rate)、保証レート(Guaranteed bitrate)、最高レート(Max bitrate)などの伝送レートを、ユーザ端末2の通信制御部42に通知する。この伝送レートが高い場合には帯域が広いと想定され、伝送レートが低い場合には帯域が狭いと想定される。そこで、本実施形態では、伝送レートに基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行う。図21(A)に示す例では、推奨レート(Recommend rate)に基づいてセグメントの選択を行っている。
具体的には、通信制御部42において、まず、補助サーバ9から送信される推奨レートを受信する(ST391)。そして、推奨レートが所定のしきい値より大きいか否かを判定する(ST392)。ここで、推奨レートがしきい値より大きい場合には(ST392でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST393)。一方、推奨レートがしきい値以下となる場合には(ST392でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST394)。
なお、保証レート(Guaranteed bitrate)や最高レート(Max bitrate)に応じて所定の時間長のセグメントを選択する場合には、補助サーバ9から送信される保証レートや最高レートを通信制御部42が受信して、図21(A)に示した例と同様の手順でセグメントを選択すればよい。
また、補助サーバ9は、補助情報として、パケット損失率(Packet loss rate)や最大遅延時間(MAX RTT)を、ユーザ端末2の通信制御部42に通知する。このパケット損失率が低い場合には帯域が広いと想定され、パケット損失率が高い場合には帯域が狭いと想定される。また、最大遅延時間が短い場合には帯域が広いと想定され、最大遅延時間が長い場合には帯域が狭いと想定される。そこで、本実施形態では、パケット損失率や最大遅延時間に応じて所定の時間長のセグメントの選択を行う。図21(B)に示す例では、パケット損失率(Packet loss rate)に基づいてセグメントの選択を行っている。
具体的には、通信制御部42において、まず、補助サーバ9から送信されるパケット損失率を受信する(ST401)。そして、パケット損失率が所定のしきい値より小さいか否かを判定する(ST402)。ここで、パケット損失率がしきい値より小さい場合には(ST402でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST403)。一方、パケット損失率がしきい値以上となる場合には(ST402でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST404)。
なお、最大遅延時間(MAX RTT)に応じて所定の時間長のセグメントを選択する場合には、補助サーバ9から送信される最大遅延時間を通信制御部42が受信して、図21(B)に示した例と同様の手順でセグメントを選択すればよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図22は、第5実施形態に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
前記の実施形態では、ユーザ端末2において、各種の帯域関連情報に基づいて、コンテンツサーバ1に要求するセグメントとして、長い時間長のセグメントと短い時間長のセグメントとのいずれか一方を選択するようにしたが、本実施形態では、大容量通信が可能な場合に、長い時間長のセグメントと短い時間長のセグメントとの両方を選択する。
ユーザ端末2では、長い時間長のセグメントおよび短い時間長のセグメントのうち、一方のセグメントを用いてコンテンツを再生し、他方のセグメントは、一方のセグメントで不具合が生じた場合のバックアップ用の映像データとなる。特に本実施形態では、短い時間長のセグメントの映像データが、符号化レートが高く高画質であるため、短い時間長のセグメントを用いてコンテンツを再生する。
図22に示す例では、図12(A)に示した例と同様に、帯域関連情報として接続先情報に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行っている。
具体的には、通信制御部42において、まず、無線制御部41から接続先情報を取得する(ST411)。そして、接続先が大容量通信可能か否かを判定する(ST412)。ここで、大容量通信可能である場合には(ST412でYes)、短い時間長のセグメントおよび長い時間長のセグメントの両方を選択する(ST413)。一方、大容量通信可能でない場合には(ST412でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST414)。
なお、図12(B)に示した例のように無線品質情報に基づく制御など、種々の帯域関連情報に基づく制御を本実施形態に適用することができる。
このようにすると、接続先が、例えば高SHF帯による大容量通信からLTEの小容量通信に切り替わると、短い時間長のセグメントの取得を停止するが、以前に取得した短い時間長のセグメントが記憶部33に蓄積されているため、この短い時間長のセグメントを用いた再生を継続し、適宜なタイミングで、長い時間長のセグメントを用いた再生に切り替える。これにより、経路切り替え時の遅延により、映像の再生が途切れるリスクが低減することができる。
次に、第5実施形態の変形例について説明する。図23は、第5実施形態の変形例に係るユーザ端末2の通信制御部42で行われるセグメント選択時の動作手順を示すフロー図である。
本変形例では、大容量通信が可能か否かの判定に加えて、無線品質が良好か否かの判定を行うことで、短い時間長のセグメントおよび長い時間長のセグメントの両方を選択する場合と、長い時間長のセグメントを選択する場合と、短い時間長のセグメントを選択する場合との3通りに場合分けしている。
具体的には、まず、通信制御部42において、無線制御部41から接続先情報および無線品質情報を取得する(ST421)。そして、接続先情報に基づいて、接続先が大容量通信可能か否かを判定する(ST422)。
ここで、大容量通信が可能である場合には(ST422でYes)、次に、無線品質情報に基づいて、無線品質が良好か否かを判定する(ST423)。ここで、無線品質が良好である場合には(ST423でYes)、短い時間長のセグメントを選択する(ST424)。
一方、無線品質が良好でない場合には(ST423でNo)、短い時間長のセグメントおよび長い時間長のセグメントの両方を選択する(ST425)。また、大容量通信が可能でない場合には(ST422でNo)、長い時間長のセグメントを選択する(ST426)。
このようにすると、大容量通信の接続先から小容量通信の接続先に切り替わる直前に、大容量通信が可能であるが無線品質が良好でない状態となり、このとき、短い時間長のセグメントおよび長い時間長のセグメントの両方を取得することで、経路切り替え時の遅延により、映像の再生が途切れるリスクを低減することができる。
一方、無線品質が良好な場合は、当分、接続先の切り替えが発生しない状態であり、この場合、バックアップ用として長い時間長のセグメントを取得する必要性が低く、短い時間長のセグメントのみを取得することで、ネットワークリソースを節約することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
例えば、前記の実施形態では、配信用映像データ、すなわち、映像データを分割したセグメントを、コンテンツサーバ1で生成するようにしたが、配信用映像データの生成を別のサーバで実施するようにしてもよい。
また、第1〜第4の実施形態では、帯域関連情報に基づいて2通りに場合分けして、短い時間長のセグメントと長い時間長のセグメントとのいずれかを選択するようにしたが、3通り以上に場合分けして、時間長が3段階以上に設定されたセグメントの中から選択するようにしてもよい。
また、前記の実施形態では、種々の帯域関連情報に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行うようにしたが、帯域推定を実施して取得した帯域推定値に基づいて所定の時間長のセグメントの選択を行うようにしてもよい。この場合、帯域推定に様々な方法を用いることができるが、例えば、実際にセグメントを受信した時間間隔に基づいて帯域推定を行うようにしてもよい。
本発明に係る端末装置、映像配信システムおよび映像配信方法は、通信経路の帯域に応じた適切なセグメントを選択して、映像を安定して再生することができる効果を有し、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して受信する端末装置、映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信システムおよび映像配信方法などとして有用である。
1 コンテンツサーバ(映像配信装置)
2 ユーザ端末(端末装置)
3 マクロセル基地局
4 スモールセル基地局
5 無線LANアクセスポイント
6 キャッシュサーバ
9 補助サーバ(通信制御装置)
12 通信部
13 制御部
14 記憶部
21 配信用映像データ生成部
22 通信制御部
31 無線通信部
32 制御部
33 記憶部
37 位置情報取得部
41 無線制御部
42 通信制御部
43 再生部
44 端末状態取得部

Claims (6)

  1. 映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して受信する端末装置であって、
    前記映像配信装置と通信を行う通信部と、
    前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、
    前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、
    を備え、
    前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、
    前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択することを特徴とする端末装置。
  2. 前記記憶部は、各位置における通信履歴情報を記憶し、
    前記制御部は、前記通信履歴情報から取得した自装置の現在位置における過去の前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記記憶部は、各時刻における通信履歴情報を記憶し、
    前記制御部は、前記通信履歴情報から取得した現在時刻における過去の前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端末装置。
  4. 前記制御部は、前記通信履歴情報の通信速度が所定より大きい場合には、短い時間長のセグメントを選択し、前記通信速度が前記所定以下となる場合には、長い時間長のセグメントを選択することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の端末装置。
  5. 映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信システムであって、
    前記映像配信装置は、
    前記端末装置と通信を行う通信部と、
    前記映像データに関して、配信レートおよび時間長が異なる複数のセグメントを記憶する記憶部と、
    前記端末装置から送信されるセグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信する制御部と、
    を備え、
    前記端末装置は、
    前記映像配信装置と通信を行う通信部と、
    前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を記憶する記憶部と、
    前記セグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信するとともに、そのセグメント取得要求に応じて前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信する制御部と、
    を備え、
    前記記憶部は、過去の通信時における通信履歴情報を記憶し、
    前記制御部は、前記通信履歴情報に基づいて、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントを選択することを特徴とする映像配信システム。
  6. 映像データを分割したセグメントを、映像配信装置からネットワークを介して端末装置に送信する映像配信方法であって、
    前記端末装置が、前記映像配信装置に蓄積されたセグメントの構成内容に関するセグメント構成情報を参照して、前記映像配信装置に要求する所定の時間長のセグメントとして、過去の通信時における通信履歴情報に基づいて、所定の時間長のセグメントを選択して、前記映像配信装置にセグメント取得要求を送信し、
    前記映像配信装置が、前記端末装置から送信される前記セグメント取得要求を受信すると、そのセグメント取得要求に対応する配信レートおよび時間長のセグメントを前記端末装置に送信し、
    前記端末装置が、前記映像配信装置から送信されるセグメントを受信することを特徴とする映像配信方法。
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