JP6267945B2 - 航空機のエンジン制御コンピュータ、および航空機 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機のエンジンを制御する制御コンピュータ、および航空機に関する。
航空機のエンジンは、FADEC(Full Authority Digital Engine Control)と呼ばれる制御コンピュータにより制御される(例えば、特許文献1)。
FADECは、航空機に搭載される他の制御コンピュータと協働しながら、安全、燃費の観点から最適な性能が得られるようにエンジンを制御する。
離陸するにあたり、エンジンのモードは、推力が大である離陸モードに選択される。そして、スラストレバーを一般にTOGA(Take Off / Go Around)と呼ばれるレバー位置に合わせて離陸を開始する。
その後、地上から十分に離れた高度(典型的には400フィート)に達するまでは、エンジンから大きな推力を出力し、離陸の安定性を確保する必要がある。そのため、地上に対して所定の高度差(400フィート)が確保されるまでは、FADECにより、エンジンのモードを離陸モードにラッチする。
特表2012−510585号公報
ところで、上空を飛行中、風雨の吹き込み等によってエンジンが停止しうる。その場合にエンジンを再始動させることにより、ラッチの対象とする高度の基準が更新されると、FADECは、飛行中であっても、地上から離陸する際と同様にラッチ処理を行う。
具体的には、図8に示すように、飛行中にエンジンが停止し(A)、エンジンを再始動させる(B)。その後、スラストレバーをTOGA位置に合わせたとする。すると、エンジンが起動して出力が上がるまで航空機は高度を下げるが(C)、その後、上昇する(D)。
ここで、エンジン再始動時(B)の高度Hを起点(高度の基準)として、所定の高度差ΔH(400フィート)が確保されるまで(E)の間((B)〜(E))、ラッチが作動する。
つまり、エンジンを再始動させてから(B)、下降した高度を回復し(C)・(D)、さらに400フィート上昇するまで(E)の長時間に亘り、ラッチが解除されないので、適切なモードへの変更が制限されてしまう。また、ラッチを解除するためだけに高度を上げなくてはならないので、燃料が無駄に消費される。
本発明は、飛行中に停止したエンジンを再始動させた場合に、ラッチによってエンジンのモード変更が制限されることに対処できる航空機のエンジン制御コンピュータ、および航空機を提供することを目的とする。
本発明は、航空機のエンジンをエンジンのモードに応じて制御するコンピュータであって、コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、モードをラッチするラッチ作動部と、航空機が地上にいるのか、地上から離れて飛行しているのかを判別する駐機中・飛行中判別部と、を備え、ラッチ作動部は、駐機中・飛行中判別部により航空機が地上にいると判断される場合に発動し、航空機が飛行していると判断される場合には発動しないことを特徴とする。
エンジンのモードをラッチする目的は、上述したように、離陸する際に、地上に対して所定の高度差(典型的には400フィート)が確保されるまでモードを離陸モードにラッチすることによって離陸の安定性を確保することである。
本発明においてラッチの対象とする高度の基準である「基準高度」は、原則的に、地上の高度である。この基準高度は、例えばエンジンが始動された際に設定することができる。そして、飛行中にエンジンが再始動されると、再始動時の高度(上空の高度)に基準高度が更新されていた。
ここで、飛行中にエンジンが再始動されたために基準高度が上空の高度に更新されるとともに、所定のタイミングで(例えば、推力操作部材がTOGA位置にセットされたタイミングで)ラッチが発動すると、上述したように、上空の高度に対して所定の高度差が確保されるまで、意図せぬラッチが掛かってモード変更が制限されてしまう。
このことに対処するために、飛行中はモードのラッチが発動しない第1発明と、基準高度の持ち方によってラッチによるモードの制限を緩和する第2発明とが提供される。
第1発明では、エンジンのモードをラッチするのに先立ち、駐機中・飛行中判別部により、航空機が地上にいるのか、それとも、地上を離れて飛行しているのかが判別される。
そして、航空機が地上にいると判断される場合にはモードのラッチが発動されるが、航空機が地上から離れて飛行していると判断される場合には、モードのラッチが発動されない。
そうすると、飛行中であれば、エンジンが停止して再始動されたか、それともエンジンが停止することなく平常に動作しているかにかかわらず、モードがラッチされることがない。
したがって、飛行中に再始動を行った場合に、エンジン再始動時の上空の高度へと基準高度が更新されたとしても、それには関係なく、飛行中にはモードがラッチされないのだから、上空で意図せぬモードにラッチされたまま長時間に亘りモードの変更が制限されるといった不都合がなく、適切なモードに変更することができる。また、モード変更が制限されたまま燃料が無駄に費やされることもない。
第1発明のエンジン制御コンピュータは、航空機が備える複数のエンジンの各々を制御することが好ましい。第1発明のエンジン制御コンピュータは、複数のエンジンの各々に対して、個別に構成することもできるし、複数のエンジンの各々に対して個別に用意された処理モジュールを一括して備えるように構成することもできる。以上は、第2発明についても同様である。
ここで、操縦上、左右のエンジンで推力のバランスがとれていることが望ましいので、いずれのエンジンに対しても同じモードが選択されることが好ましい。
仮に、航空機が地上にいるのか飛行しているのかの判別を行わずに、モードをラッチするとする。そうすると、飛行中に停止、再始動されていないエンジンについては、地上の高度を基準高度とすることができ、基準高度に所定の高度差を加えた高度(ラッチが解除される解除高度)を超える上空を飛行している場合にはモードがラッチされない。これに対して、飛行中に停止、再始動されたエンジンについて、エンジンが再始動された高度に基準高度が更新されると、その基準高度から解除高度までの間、モードがラッチされる。
上記のような場合に、各エンジンに同じモードを選択することができず、左右のエンジンで推力のバランスが崩れることにも第1発明は対処できる。
つまり、航空機の複数のエンジンのいずれにおいても、航空機が離陸してから、地上に対して十分に離れた高度に達するまでの間にのみモードがラッチされ、飛行中であれば、停止して再始動されたか、それとも停止するトラブル等に見舞われずに平常に動作しているかを問わず、モードがラッチされないとすれば、いずれのエンジンに対しても同じモードを選択し、左右のエンジンで推力のバランスをとることができる。
第1発明の航空機のエンジン制御コンピュータにおいて、駐機中・飛行中判別部は、航空機が備える脚に荷重が加わっていれば、航空機が地上にいると判断し、脚に荷重が加わっていなければ、航空機が飛行していると判断することができる。
航空機のシステムであるアビオニクスは、機体の各種制御を行うため、脚に加わる荷重(WOW;weight on wheel)を検出するセンサを備えている。こうした既存のセンサを用いることにより、エンジン始動のケースを容易に判別することができる。
第1発明における駐機中・飛行中判別部は、航空機に搭載される電波高度計の測定値に基づいて判別することができる。
電波高度計は、地上に向けて電波を発射する電波発信部と、地上で反射された電波を受け取る電波受信部とを備えており、発射した電波と受け取った反射波との相関を利用して高度を計算する。この電波高度計による高度測定値は、地上と航空機との間の距離を示す。駐機中・飛行中判別部は、電波高度計による高度測定値が、ほぼ「0」である所定の閾値以下であれば航空機が地上にいる、所定の閾値を超えていれば航空機が飛行していると判断することができる。
第2発明は、航空機のエンジンをエンジンのモードに応じて制御するコンピュータであって、コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、基準高度から所定の高度だけ航空機が上昇するまで、モードをラッチするラッチ作動部を備え、基準高度は、地上の高度に設定され、飛行中にエンジンの再始動が行われた場合に、再始動が行われた時の高度よりも低い高度に設定されることを特徴とする。
エンジンが停止し、再始動されても、エンジンが起動している間は高度が下がる。また、エンジンの起動が完了しても、着陸しようとして下降する場合も高度が下がる。
そのため、もし、エンジンが始動された時の高度(始動高度)を高度の基準とするならば、上述したように、高度を始動高度にまで回復させ、さらに、始動高度から所定の高度差だけ上昇するまでラッチが解除されないのでモードの変更が制限されてしまう。
そこで、第2発明では、飛行中にエンジンの再始動が行われた場合に、再始動が行われた時の高度よりも低い高度に基準高度を設定する。
そうすると、基準高度から始動高度までの間も、基準高度に対して必要な高度差に参入される。このため、基準高度が再始動時の高度に設定される場合に比べ、基準高度に高度差を加えた高度に早期に達し、ラッチが解除されてモードの変更が可能となる。
第2発明によれば、離陸時のみならず、飛行中にエンジンが再始動された場合にもモードがラッチされるが、ラッチによるモード変更の制限を緩和することができる。
また、第2発明では、ラッチによりモード変更が制限される時間が短いので、モード変更が制限される間、飛行中に再始動されたエンジンと、他のエンジンに対して同じモードを選択することができなくても、飛行の安定性には影響しない。
第2発明のエンジン制御コンピュータでは、飛行中にエンジンの再始動が行われた場合において、ラッチ作動部は、エンジンの推力を変更するための推力操作部材が離陸用の操作位置(典型的にはTOGA位置)にセットされた場合に発動し、基準高度は、推力操作部材が離陸用の操作位置にセットされることにより航空機が下降から上昇に転じる高度に設定されることが好ましい。
そうすると、飛行中のエンジン再始動後、航空機が一旦下降し、離陸用の操作位置へのセットによりエンジン出力が増大して高度を回復する過程において最低の高度(下降から上昇に転じる高度)に、基準高度が設定されることとなる。
そのため、基準高度に高度差を加えた高度に、より早期に達し、ラッチが解除されてモードの変更が可能となるので、飛行中のラッチによるモード変更の制限をより緩和することができる。
本発明の航空機は、推力を出力するエンジンと、エンジンをモードに応じて制御する上述のエンジン制御コンピュータと、を備えることを特徴とする。
本発明の航空機は、複数のエンジンを備えており、それらのエンジンのいずれも上述の制御コンピュータにより制御されることが好ましい。制御コンピュータは、典型的には、エンジン毎に個別に構成される。
本発明によれば、飛行中のラッチによるモード変更の制限を撤廃または緩和することができる。
第1実施形態に係るFADECおよびその周辺構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るFADECの構成を示すブロック図である。 第1実施形態において、離陸、エンジン停止、エンジン再始動の各場面を示す模式図である。 第1実施形態に係るFADECの処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るFADECの構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るFADECの処理を示すフローチャートである。 第2実施形態において、離陸、エンジン停止、エンジン再始動の各場面を示す模式図である。 従来、飛行中に意図せぬラッチが掛かることを説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すFADEC10を含むエンジン制御システム1は、航空機に搭載されており、航空機のエンジン11を制御する。
エンジン制御システム1は、FADEC10と、スラストレバー12と、エンジン作動スイッチ14と、燃料弁制御装置15と、点火装置16とを備える。
エンジン制御システム1は、航空機が備える複数のエンジン11毎に設けられており、各エンジン11をそれぞれ独立して制御する。
エンジン制御システム1には、フライトの間を通じて、航空機が備える図示しない電源装置から電力が供給される。この電源装置は、エンジン11が装備する発電機を含む。
エンジン制御システム1は、整備の際には、外部電源に接続される。
スラストレバー12は、適切なエンジン推力(スラスト)に調整するために揺動操作される。
スラストレバー12には、アイドル、TOGA、最大推力、および逆噴射などのレバー位置が設定される。
TOGA(Take Off / Go Around)は、離陸(Take Off)および着陸復行(Go Around)を行う際に用いられる操作位置であり、エンジン11から大きな推力を引き出して機体を上昇させる。
なお、TOGA位置を推力の異なる複数段階に設定することにより、乗客数に応じた荷重に対して最も適切な推力を引き出すことのできるレバー位置を選ぶことができる。
スラストレバー12は、レバーの揺動角度を検出する角度センサ121を備える。
角度センサ121は、FADEC10にスラストレバー12の揺動角度を出力する。FADEC10は、スラストレバー12の角度センサ121から入力される角度をスラストレバー12のレバー位置に変換する。
角度センサ121は、冗長性を持たせるために二重化される。エンジン作動スイッチ14およびモード選択スイッチ13についても同様である。
エンジン作動スイッチ14は、エンジン11を始動、停止させるために操作される。
エンジン作動スイッチ14は、オンまたはオフに切り替えられる接点141を有する。エンジン作動スイッチ14をオンに操作すると、FADEC10にエンジン始動信号が出力される。エンジン作動スイッチ14をオフに操作すると、FADEC10にエンジン停止信号が出力される。
燃料弁制御装置15は、エンジン11の燃料弁を調整することにより、エンジン11への燃料供給量を制御する。
点火装置16は、燃料に着火することによりエンジン11を点火する。
FADEC10は、エンジン制御システム1に含まれる多数のセンサおよび多数のアクチュエータを用いてエンジン11を電子的に制御する制御コンピュータであり、ECU(Engine Control Unit)とも呼ばれる。
FADEC10は、コンピュータプログラム等が記憶される不揮発性のメモリと、コンピュータプログラムの処理に必要なデータ等が一時的に記憶される揮発性のメモリと、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理部とを備える。
FADEC10は、複数のモードから選択されたいずれかのモードでエンジン1を動作させる。
モードには、離陸時に用いられる離陸モード(TO(Take Off)モード)、巡航時に用いられる巡航モード(CLB(Climb)モード)、着陸復行時に用いられる着陸復行モード(GA(Go Around)モード)などが用意される。離陸モードおよび着陸復行モードでは、巡航モードと比べてエンジン11から大きな推力が出力される。
離陸モードは、推力の大きさに応じて、推力大モード、推力中モード、および推力小モードといったように細分化されていてもよい。これらのモードのうち、乗客数に応じた荷重に適したものを選択することができる。
モード選択スイッチ13は、コックピット内に設けられ、エンジン11のモードを選択するために操作される。本実施形態のモード選択スイッチ13は、モードを切り替える複数のプッシュボタンスイッチから構成される。
モード選択スイッチ13を操作すると、選択したモードを示すモード信号D1がアビオニクス2に出力され、コントローラ21およびデータバス22を介してFADEC10に送信される。
FADEC10には、上述のスラストレバー12、モード選択スイッチ13、エンジン作動スイッチ14、燃料弁制御装置15および点火装置16が接続される。
エンジン作動スイッチ14からエンジン始動信号が入力されると、FADEC10は、図示しない電気回路を介して燃料弁制御装置15および点火装置16に指令を出すことによりエンジン11を始動させる。
そして、スラストレバー12の揺動角度が変換されたレバー位置、および選択されたモードに基づいて、FADEC10は、燃料弁制御装置15および点火装置16に指令を出すことによりエンジン11の推力を調整する。
FADEC10は、航空機に搭載されたアビオニクス2(Avionics)に接続される。
アビオニクス2は、航空機の通信システム、航法システム、自動操縦システム、燃料制御システム、および飛行管理システムなどの各種のシステム24を備える。また、アビオニクス2は、各システム24間、および外部との間のデータ通信を担うコントローラ21を備える。
FADEC10は、コントローラ21に対してデータバス22により接続される。
アビオニクス2が備えるシステムの一部は、エンジン11のモードを指示するモード信号D2を生成する。モード信号D2は、コントローラ21およびデータバスを介してFADEC10へと送信される。
また、アビオニクス2のシステムにより生成され、FADEC10が制御に必要とするデータも、コントローラ21およびデータバス22を介してFADEC10へと送信される。
例えば、航空機が備える主脚に設けられるWOW(weight on wheel)センサ23により検出された主脚荷重データD3がFADEC10へと送信される。
WOWセンサ23は、主脚に加わる荷重を検出する。地上への駐機中は主脚に機体の荷重が加わるが、飛行中は主脚に機体の荷重が加わらないので、主脚荷重データD3に基づいて、航空機が駐機中であるか、飛行中であるかを判別することができる。
FADEC10は、コンピュータプログラムに基づいて種々の処理を行う。
原則的に、FADEC10は、モード選択スイッチ13が手動で選択されることで入力されるモード信号D1、またはアビオニクス2のシステムから送信されるモード信号D2に基づいてモードを選択する。
ここで、モード選択スイッチ13の操作を誤ったり、アビオニクス2のシステムの不具合により、不適切なモードを指示するモード信号D1,D2がFADEC10に入力される可能性がある。
一般に、アビオニクス2の設計保証レベル(DAL;Design Assurance Level)は、FADEC10のDALよりも低い。そのため、アビオニクス2のコンピュータプログラムには、バグ等の不具合が存在する可能性がある。
モード選択スイッチ13の操作を誤ったり、アビオニクス2のシステムの不具合により、離陸する際において、離陸モードよりも推力が小さいモードを指示するモード信号D1,D2がFADEC10に入力されると、推力が下がり、樹木や建屋などの障害物に接触するおそれがある。
そのため、離陸する際には、地上に対して所定の高度差ΔH(典型的には400フィート)が確保されるまで、モード信号D1,D2を受け取ったとしても、FADEC10はモードを変更せず、離陸に際して選択された離陸モードにモードをラッチする。
FADEC10は、図2に示すように、コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、航空機の高度を取得する高度取得部31と、モードのラッチを発動するラッチ発動部32と、モードのラッチを解除するラッチ解除部33とを備える。これら31〜33は、モードをラッチするロジックを実現するために用いられる構成である。ラッチ発動部32およびラッチ解除部33により、ラッチ作動部が構成される。
また、FADEC10は、後述するように、飛行中にエンジン11が停止し、再始動された場合は、ラッチ・ロジックを実行しないでモード変更を許容する。このことを実現するために、FADEC10は、航空機が地上にいるのか、地上から離れて飛行しているのかを判別する駐機中・飛行中判別部34も備える。
高度取得部31は、航空機が位置する高度Hを取得する。高度取得部31は、航空機に搭載された電波高度計37から高度Hを取得する。電波高度計37による測定値は、アビオニクス2からデータバス22を介してFADEC10に送信される。
電波高度計37は、地上に向けて電波を発射する電波発信部と、地上で反射された電波を受け取る電波受信部とを備えており、発射した電波と受け取った反射波との相関を利用して高度を計算する。この電波高度計37による高度測定値は、地上と航空機との間の距離を示す。
航空機の高度Hは、外気圧の測定値から換算することもできる。外気圧を測定するために、エンジン11に装備される気圧計を用いることができる。
その気圧計は、航空機が地上にいるときに(駐機中に)測定される外気圧(地上気圧P)を基準とし、地上気圧Pに対する差分ΔPを測定する。
高度取得部31は、気圧計により測定された差分ΔPを高度に換算することにより、地上気圧Pに対応する航空機の高度(地上高度H)を基準とし、地上高度Hに対する航空機の高度Hを取得する。この高度Hは、地上高度Hに対する差分を示す。
外気圧から換算して高度を取得する場合は気圧変動の影響を受けるが、電波高度計37は、電波が地上へと届き、反射波を受信可能である限りにおいて高い精度を得ることができる。
本実施形態では、電波が届かないほどの上空ではラッチを作動させないため、ラッチに係る高度の測定に電波高度計37を用いる。
電波高度計37を用いる本実施形態では、離陸した航空機と地上との間の距離が高度差ΔHに達した時点でラッチが解除される。
一方、離陸する際、上空を飛行中のいずれにおいてもラッチを作動させる第2実施形態では、ラッチに係る高度を外気圧から換算して求める。但し、第2実施形態においても、離陸する際には電波高度計37を用いることができる。
ラッチ発動部32は、スラストレバー12がTOGA位置にセットされたタイミングで、モードのラッチを発動する。以後、ラッチが解除されるまで、モードを指示するモード信号D1,D2をFADEC10が受け取っても、モードは変更されることなく継続してラッチされる。
FADEC30は、スラストレバー12の角度センサ121から入力される角度をレバー位置に変換するモジュールを備えており、そのモジュールから、スラストレバー12がTOGA位置にセットされたことがラッチ発動部32に通知されると、ラッチ発動部32はモードのラッチを発動する。
モードのラッチは、所定の基準高度から、基準高度に高度差ΔHを加えた解除高度までを対象として行われる。
電波高度計37を用いる本実施形態では、基準高度は、電波が入射する地上の高度である。ここでいう「地上」には、山や谷、建屋などの地上の造作物が含まれる。
ラッチ解除部33は、高度取得部31により、地上との距離を示す高度差ΔHが取得されると、ラッチを解除する。これにより、モード信号D1,D2に基づくモードの変更が可能となる。
駐機中・飛行中判別部34は、アビオニクス2のWOWセンサ23からデータバス22を介して主脚荷重データD3を受け取る。そして、主脚荷重データD3が示す荷重がほぼ「0」である所定の閾値以下であれば、航空機が飛行している、所定の閾値を超えていれば航空機が地上にいると判別する。
次に、図3を参照し、FADEC10により離陸時にモードをラッチする処理について説明する。
まず、航空機が地上に駐機されているときの一連の処理(1)について説明する。
エンジン制御システム1に電源を投入すると、FADEC10が起動される。エンジン11のモードは、アビオニクス2からFADEC10へと送信されるモード信号D2に基づいて、離陸モードに自動的に選択される。
エンジン11をエンジン作動スイッチ14により始動させ、スラストレバー12をTOGA位置にセットすると、航空機が離陸を開始する。
また、スラストレバー12がTOGA位置にセットされると、ラッチ発動部32によってラッチが発動される。
スラストレバー12がTOGA位置にセットされてから(1)、高度取得部31により高度差ΔHが取得されるまで(2)の間((1)〜(2))、モードのラッチが継続される。
その間、例えば、アビオニクス2のシステムから巡航モードを指示するモード信号D2をFADEC10が受け取っても、モード信号D2に基づいてモードを選択する処理が無効化される。そのため、モードは、離陸する際に選択された離陸モードのままで変更されない。
そして、高度取得部31により高度差ΔHが取得されると(2)、ラッチ解除部33により、ラッチが解除される。それによってモードを離陸モードから他のモードへと変更することが可能となる。モード信号D1あるいはモード信号D2に基づいて、典型的には、離陸モードから巡航モードへのモード変更が行われる(3)。
その後、上空を飛行中、風雨の吹き込みや何らかのトラブルによってエンジン11が停止したり、あるいは訓練や試験のために意図的に停止されたとする(4)。その場合に、エンジン作動スイッチ14の操作により、エンジン11を再始動させたとする(5)。
なお、エンジン11が停止すると、通常は、FADEC10による再着火機能が働く。その機能が働いてもエンジン11が点火しない場合に、パイロットは、エンジン作動スイッチ14によりエンジン11の再始動を試みる。
上空を飛行中にエンジン11が停止する際、一般に、スラストレバー12はアイドルとTOGAとの間の位置にあり、エンジン11のモードは巡行モードである。
エンジン11を再始動させる手順としては、エンジン作動スイッチ14をオフにしてから、オンにする。
エンジン11の再始動は、原則、スラストレバー12をアイドル位置に戻してから行う。
仮に、飛行中にエンジン11を再始動させた後、スラストレバー12をTOGAの位置にセットした際にラッチを作動させることとすれば、図8を参照して説明したように、エンジン11を再始動させたときの高度に対して(B)、下降した高度を回復し(C)・(D)、さらに再始動時の始動高度Hに対して所定の高度Hだけ上昇するまで(E)、モードがラッチされたまま、長時間に亘りモードの変更が制限されてしまう。
そこで、本実施形態では、飛行中にはラッチすることなくモード変更を許容し、離陸の際にのみモードをラッチする。
そのために、以下で説明するように、エンジン11が始動される都度、駐機中・飛行中判別部34により、航空機が地上にいるのか、それとも、地上を離れて飛行しているのかを判別する。
図4は、エンジン制御システム1に電源が投入されてから(スタート)、電源が落とされるまでに行われるフライト中に、エンジン11の始動に続いて行われる処理の一例を示す。
以下、図4および図3を参照して説明する。
地上への駐機中、エンジン作動スイッチ14の操作によりエンジン11が始動される(エンジン始動ステップS11、図3の(1))。既に、アビオニクス2からのモード信号D2によりエンジン11のモードとして離陸モードが選択されている。
本実施形態では、エンジン11が始動された後、ラッチ処理に先立ち、駐機中・飛行中判別ステップS12を行う。
駐機中・飛行中判別ステップS12では、駐機中・飛行中判別部34により、主脚荷重データD3に基づいて、航空機が地上にいるのか、飛行しているのかを判別する。
航空機が地上にいる場合(ステップS12でYes)、離陸に際してスラストレバー12がTOGA位置にセットされると(ステップS13でYes)、ラッチ発動部32がモードのラッチを発動する(ラッチ発動ステップS14)。
ラッチが発動したら、高度取得部31により航空機の高度を取得しながら、地上に対して高度差ΔHが確保されたか否かを判定する(高度判定ステップS15)。
このステップS15でNoと判定されると、モードのラッチを継続する(ラッチ継続ステップS16)。
離陸した航空機と地上との間に高度差ΔHが確保されるまで(図3の(2))、高度判定ステップS15およびラッチ継続ステップS16が繰り返される。それによってモードが離陸モードに維持される(図3の(1)〜(2))。
地上からの距離が高度差ΔHに達すると(ステップS15でYes)、ラッチ解除部33により、モードのラッチを解除する(ラッチ解除ステップS17)。それによってモードの変更が可能となり、例えば、離陸モードから巡航モードへとモードを変更する(図3の(3))。
その後、上空でエンジン11が停止し(図3の(4))、エンジン11を再始動したとする(図3の(5))。その場合、エンジン始動ステップS11に戻り、再度、駐機中・飛行中判別ステップS12を行う。
このステップS12で、飛行中であると判断されるので(ステップS12でNo)、上記のステップS14〜S17を含むラッチ処理は行われない。
このため、モード選択は制限されず、任意のモードで航行可能である。
したがって、スラストレバー12をTOGA位置にセットしたとしても(図3の(6))、ラッチ処理が行われないため、飛行高度に関係なく、所望のモードを選択することができ、高度を迅速に回復することもできる。
以上で説明したように、本実施形態では、航空機が地上にいるのか、それとも飛行中であるのかを判別し、地上にいると判断される場合にはモードのラッチが発動されるが、飛行中であると判断される場合にはモードのラッチが発動されない。
そうすると、飛行中であれば、エンジン11が停止して再始動されたか、それともエンジン11が停止することなく平常に動作しているかにかかわらず、モードがラッチされることがない。
したがって、上空で意図せぬモードにラッチされることなく、適切なエンジンモードを選択することができる。勿論、ラッチを解除するためだけに高度を上げる必要もないので、燃料が無駄に消費されることもない。
また、複数のエンジン11のいずれも、FADEC10により同様に制御されるので、いずれのエンジン11においても、離陸してから地上に対する距離が高度差ΔHに達するまでの間にのみ、モードがラッチされる。つまり、飛行中であれば、停止して再始動されたエンジン11であるのか、停止するトラブル等に見舞われずに動作しているエンジン11であるのかを問わず、モードがラッチされないので、いずれのエンジン11に対しても同じモードを選択し、左右のエンジン11で推力のバランスをとることができる。
以上で説明した第1実施形態では、ラッチに係る高度の測定に電波高度計37を用いるが、外気圧から換算された高度を用いることもできる。
その場合、モードのラッチは、駐機中の航空機の高度(空港の地上高度H)を基準高度として、基準高度に高度差ΔHを加えた解除高度までを対象として行われる。
〔第2実施形態〕
次に、図5〜図7を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
図5に示す第2実施形態のFADEC30は、第1実施形態のFADEC10と同様に、エンジン制御システム1(図1)を構成しており、アビオニクス2に接続される。
以下、第1実施形態と相違する点を中心に説明する。第1実施形態の構成と同様の構成には同じ符号を付す。
本実施形態のFADEC30は、コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、高度取得部35と、ラッチ発動部32と、ラッチ解除部33と、基準高度設定部36とを備える。
高度取得部35は、エンジン11が備える気圧計38による測定値(地上気圧Pに対する差分ΔP)を高度に換算することにより、地上高度Hに対する航空機の高度Hを取得する。
ラッチ発動部32は、スラストレバー12がTOGA位置にセットされたタイミングで、モードのラッチを発動する。
基準高度設定部36は、ラッチの対象とする高度差ΔHが起算される基準高度を設定し、メモリに保持する。
基準高度には、航空機が地上にいるときの地上高度Hが初期値として設定される。
地上から離陸後、飛行中にエンジン11の再始動が行われた場合に、基準高度は、再始動が行われた時の高度H(再始動高度)よりも低い高度に更新される。本実施形態では、スラストレバー12がTOGA位置にセットされることにより航空機が下降から上昇に転じる高度に基準高度が設定される。
ラッチ解除部33は、高度取得部35により、上記の基準高度に対する差分である高度差ΔHが取得されると、ラッチを解除する。
モードのラッチは、上記の基準高度から、基準高度に高度差ΔHを加えた解除高度までを対象として行われる。
FADEC30により離陸時にモードをラッチする処理は、第1実施形態と同様である。
図6を参照して説明する。
航空機が地上に駐機されているときの処理(1)として、下記の処理を行う。
エンジン制御システム1に電源を投入すると、FADEC10が起動される。
エンジン11をエンジン作動スイッチ14により始動させ、スラストレバー12をTOGA位置にセットすると、航空機が離陸を開始する。
また、スラストレバー12がTOGA位置にセットされると、ラッチ発動部32によってモードのラッチが発動される。
スラストレバー12がTOGA位置にセットされてから(1)、高度取得部35により高度差ΔHが取得されるまで(2)の間((1)〜(2))、モードのラッチが継続される。
そして、高度取得部35により高度差ΔHが取得されると(2)、ラッチ解除部33により、ラッチが解除される。これによってモード変更が可能となるので、典型的には、離陸モードから巡航モードへのモード変更が行われる(3)。
その後、上空を飛行中にエンジン11が停止し(4)、エンジン作動スイッチ14の操作によってエンジン11を再始動させる場合がある(5)。
図7は、エンジン制御システム1に電源が投入されてから(スタート)、電源が落とされるまでに行われるフライト中に、エンジン11の始動に続いて行われる処理の一例を示す。
以下、図7および図6を参照して説明する。
本実施形態では、エンジン始動ステップS11および駐機中・飛行中判別ステップS12により、「飛行中にエンジンが再始動された場合」を検知する。
地上への駐機中、エンジン作動スイッチ14の操作によりエンジン11が始動される(エンジン始動ステップS11、図6の(1))。既に、アビオニクス2からのモード信号D2によりエンジン11のモードとして離陸モードが選択されている。
基準高度設定部36は、例えばエンジン11を始動させるタイミングで、基準高度を地上高度Hに設定する。
次に、航空機が地上にいるのか、それとも飛行しているのかを判別する(駐機中・飛行中判別ステップS12)。この判定は、例えば、上述したWOWセンサ23による主脚荷重データD3や電波高度計37による高度計測値、あるいは、離陸が完了したことを示すメモリ上のフラグやラッチ作動の履歴などに基づいて行うことができる。
ここでは、地上に駐機された状態でエンジン11が始動された状況であるため、ステップS12をYesで通過する。
その後、離陸に際してスラストレバー12がTOGA位置にセットされると(ステップS13でYes)、ラッチ発動部32がモードのラッチを発動する(ラッチ発動ステップS14)。
ラッチが発動したら、高度取得部35により航空機の高度を取得しながら、基準高度に対して所定の高度差ΔHが確保されたか否かを判定する(高度判定ステップS15)。このときの基準高度は地上高度Hである。
このステップS15でNoと判定されると、モードのラッチを継続する(ラッチ継続ステップS16)。
基準高度に対して高度差ΔHが確保されるまで(図6の(2))、高度判定ステップS15およびラッチ継続ステップS16が繰り返される。それによってモードが離陸モードに維持される(図6の(1)〜(2))。
基準高度(地上高度H)に対して高度差ΔHが確保されると(ステップS15でYes)、ラッチ解除部33により、モードのラッチを解除する(ラッチ解除ステップS17)。それによってモードの変更が可能となり、例えば、離陸モードから巡航モードへとモードを変更する(図6の(3))。
その後、上空でエンジン11が停止し(図6の(4))、エンジン11を再始動させたとする(図6の(5))。そうすると、複数のエンジン11のうち、飛行中に停止、再始動されたエンジン11については、エンジン始動ステップS11に戻り、航空機が地上にいるのか、それとも飛行しているのかを判別する(ステップS12)。このステップS12でNo(飛行している)と判断されるので、基準高度を設定するために飛行高度をモニタリングするステップS21に移行する。
ステップS21において、基準高度設定部36は、高度取得部35を介して飛行高度のモニタリングを開始し、基準高度を更新する用意をする。
エンジン11が再始動されても、エンジン11が起動している間は高度が下がる。また、エンジン11の起動が完了しても、近隣の空港に着陸しようとして下降する場合も高度が下がる(図6の(6))。
そのような状況下、障害物を回避するために旋回したいケースなど、推力を高めたい場合に、スラストレバー12をTOGA位置にセットする(ステップS13でYes、図6の(7))。
このとき、基準高度設定部36は、TOGA位置がセットされた時の高度に基準高度を更新するとともに、飛行高度のモニタリングを継続し、TOGA位置にセットされたことで航空機が下降から上昇に転じる高度Hを基準高度に設定する。その高度Hは、エンジン再始動後に航空機が描く軌跡カーブの最低高度である。
ここで、上記の状況下、障害物を回避するために旋回したいケースでは、通常、すべてのエンジン11の各々のスラストレバー12がTOGA位置にセットされるが、飛行中に停止、再始動されていないエンジン11については、再度、エンジン始動ステップS11に入らないので、基準高度は地上高度Hのまま更新されない。
飛行中に停止、再始動されたエンジン11については、対応するスラストレバー12がTOGA位置にセットされるタイミングで(ステップS15でYes)、ラッチ発動部32によってモードのラッチを発動する(ラッチ発動ステップS14)。
その後、航空機が高度Hから高度差ΔHだけ上昇すると(図6の(8))、ラッチ解除部33によりラッチを解除する(ステップS16)。
本実施形態は、上述のように、飛行中にエンジン11の再始動が行われた場合に、再始動が行われた時の高度よりも低い高度Hに基準高度を設定する。
もし、エンジン11が始動された時の始動高度Hから高度差ΔHを起算するとすれば、飛行中のエンジン再始動時には、一旦下がった高度を始動高度Hにまで回復させ、さらに、始動高度Hに高度差ΔHを加えた高度HCCにまで上昇させるまでラッチが解除されない。
それに対して、本実施形態では、基準高度からエンジン再始動時の始動高度Hまでの間も、基準高度に対して必要な高度差ΔHに参入される。このため、高度HCCよりも低い高度Hでラッチが早期に解除されてモードの変更が可能となる。
したがって、飛行中におけるモード変更の制限を緩和し、推力バランスへの影響を最小限に抑えることができる。
〔第2実施形態の変形例〕
上記の第2実施形態では、離陸する際、飛行中のいずれにおいても、基準高度から同じ高度差ΔHだけ上昇するまでモードをラッチするが、離陸する際にラッチを作動させる高度差と、飛行中にラッチを作動させる高度差とが相違していてもよい。
その場合、FADEC30に、第1実施形態で説明した駐機中・飛行中判別部34(図2)を設け、駐機中・飛行中判別部34により航空機が地上にいると判断されれば第1高度差を設定し、飛行していると判断されれば第2高度差を設定すればよい。
第1高度差は、上述の高度差ΔHと同様に、例えば400フィートに設定することができる。
第2高度差は、第1高度差よりも大きくても、小さくてもよい。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記の各実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明において、航空機が地上にいるのか、飛行しているのかを判別するために用いる情報は、主脚に加わる荷重に限定されない。
例えば、FADECのメモリに記憶されるフラグを用いることもできる。航空機の離陸が完了したときに、このフラグを立てて離陸が完了したことを保持する。そして、エンジン11が始動される都度、そのフラグに基づいて、航空機が地上にいるのか、飛行しているのかを判別することができる。
あるいは、ラッチが作動した履歴をメモリに保持しておき、エンジン11が始動された際に、その履歴に基づいて、航空機が地上にいるのか、飛行しているのかを判別することもできる。
上記で用いるメモリは、エンジン11が停止したときにデータ内容が消去されなければ、揮発性のものでも不揮発性のものでもよい。
さらには、電波高度計37により測定された高度や、気圧計38により測定される外気圧に基づいて、航空機が地上にいるのか、飛行しているのかを判別することもできる。
また、第1実施形態および第2実施形態におけるラッチ処理を示す動作フロー(図4および図7)は、一例に過ぎず、種々の改変が可能である。
図4および図7では、エンジン11が始動されるタイミング(S11)を捉えて処理を開始しているが、それに限らず、任意のタイミングで、あるいは、常時、航空機が地上にいるのか飛行しているかの判別(S12)を行うことにより、ラッチ処理を行うことができる。
1 エンジン制御システム
2 アビオニクス
10 FADEC(制御コンピュータ)
11 エンジン
12 スラストレバー(推力操作部材)
13 モード選択スイッチ
14 エンジン作動スイッチ
15 燃料弁制御装置
16 点火装置
21 コントローラ
22 データバス
23 WOWセンサ
31 高度取得部
32 ラッチ発動部
33 ラッチ解除部
34 駐機中・飛行中判別部
35 高度取得部
36 基準高度設定部
37 電波高度計
38 気圧計
121 角度センサ
141 接点
D1,D2 モード信号
D3 主脚荷重データ
H 高度
地上高度
ΔH 高度差
,HCC 解除高度
始動高度
下降から上昇に転じる高度
S11 エンジン始動ステップ
S12 駐機中・飛行中判別ステップ
S14 ラッチ発動ステップ
S15 高度判定ステップ
S16 ラッチ継続ステップ
S17 ラッチ解除ステップ
S21 飛行高度モニタリングステップ

Claims (5)

  1. 航空機のエンジンを前記エンジンのモードに応じて制御するコンピュータであって、
    コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、
    前記モードをラッチするラッチ作動部と、
    前記航空機が地上にいるのか、地上から離れて飛行しているのかを判別する駐機中・飛行中判別部と、を備え、
    前記ラッチ作動部は、
    前記駐機中・飛行中判別部により前記航空機が地上にいると判断される場合に発動し、前記航空機が飛行していると判断される場合には発動しない、
    ことを特徴とする航空機のエンジン制御コンピュータ。
  2. 前記駐機中・飛行中判別部は、
    前記航空機が備える脚に荷重が加わっていれば、前記航空機が地上にいると判断し、
    前記脚に荷重が加わっていなければ、前記航空機が飛行していると判断する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の航空機のエンジン制御コンピュータ。
  3. 航空機のエンジンを前記エンジンのモードに応じて制御するコンピュータであって、
    コンピュータプログラムを構成する処理モジュールとして、
    基準高度から所定の高度だけ前記航空機が上昇するまで、前記モードをラッチするラッチ作動部を備え、
    前記基準高度は、
    地上の高度に設定され、
    飛行中に前記エンジンの再始動が行われた場合に、前記再始動が行われた時の高度よりも低い高度に更新される、
    ことを特徴とする航空機のエンジン制御コンピュータ。
  4. 飛行中に前記エンジンの再始動が行われた場合において、
    前記ラッチ作動部は、
    前記エンジンの推力を変更するための推力操作部材が離陸用の操作位置にセットされた場合に発動し、
    前記基準高度は、
    前記推力操作部材が前記離陸用の操作位置にセットされることにより前記航空機が下降から上昇に転じる高度に設定される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の航空機のエンジン制御コンピュータ。
  5. 推力を出力するエンジンと、
    前記エンジンをモードに応じて制御する請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジン制御コンピュータと、を備える、
    ことを特徴とする航空機。
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