JP6267223B2 - 塗膜接着性を向上させるための缶の前処理方法 - Google Patents

塗膜接着性を向上させるための缶の前処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、缶を前処理するための酸性水性組成物の使用に関するものであり、その過程において無機−有機化成被膜層が形成されて、これ自体が、成形された缶シートメタルの滑り挙動を向上させるワックスに、そして続くコーティングに優れた接着下地を提供する。本発明は、この場合、缶シリンダをまず、元素Zr、Ti、Si、HfまたはCeの水溶性無機化合物、およびカルボキシル基またはヒドロキシル基を有する水溶性ポリマーを含有する酸性水性組成物と接触させ、続いて、ワックスの水性分散系と接触させる、湿式化学前処理方法を含む。このようにして、缶シリンダには、缶生産プロセスの他の方法の工程に必要とされる滑り特性および成形特性が付与され、加えて、塗膜に優れた接着下地が提供される。金属缶シリンダの外面および内面の双方は、本発明による方法において前処理されてよい。また、本発明は、前処理方法に特に適し、かつグリコールウリルおよびアルデヒドの縮合物から選択される水溶性ポリマーを含有する酸性水性組成物に関する。また、本発明による前処理を含む、缶シリンダ用の製造方法が開示されている。
錫メッキ鋼(ブリキ)の、アルミニウムの(またはアルミニウム合金の、これらは便宜上、以下では用語「アルミニウム」で兼ねられる)、そして鋼の缶が、食品、特に飲料の貯蔵に広く用いられている。缶生産プロセスでは、缶薄板が深絞りされて缶シリンダが形成された後、缶は、一般的に脱脂され、洗浄され、そして通常、防食のために前処理される。そのための、例えば、酸性またはアルカリ性の洗浄剤および不動態化溶液が市販されている。少なくとも洗浄剤溶液は、缶から金属残留物を効果的に取り除くために当該金属に対し十分な溶解力を有していなければならない。洗浄剤によるエッチング作用のために、缶表面は通常、すでにかなり粗くなっているので、続いて不動態化溶液による防食前処理を行っても、ある種の表面粗さが残る。シリンダ缶の外周面のこの粗さは、互いに接触する缶の間の、そして缶と、缶シリンダを受け入れてさらに成形するデバイスとの間の摩擦を増大させる。この摩擦は、ある生産工程から次の工程への缶の移送中に、例えば、特に缶の離脱(separation)に起因して缶の滞り(backlog)が生じた場所における、停止時間によって、または、続く処理工程において、飲料缶が完成するまで、缶シリンダを受け入れて成形するプロセスを遅らせることによって、移送速度および処理速度のロスを定期的に生じさせる。それによって生産ラインの能力が低下するので、互いに接触する缶の間の摩擦をできるだけ低下させるように缶表面を調整する努力がなされている。
この目的を達するために、缶シリンダには、防食前処理の後に続く表面調整のためのフラッシング処理において一般的に塗布される減摩コーティングが提供される。このフラッシング工程において、缶シリンダは、金属表面の滑り特性を向上させる特別な界面活性剤および/または有機物質の、通常は水性の溶液で湿らされる。そのような物質は、缶生産の先行技術において、「滑り性向上剤」と称される。したがって、深絞りされて缶シリンダが形成された缶薄板の前処理は、一般的に、複数の湿式化学処理工程を包含するので、脱脂または洗浄および防食前処理に加えて、缶シリンダの外周面は、「滑り性向上剤」を伴う、フラッシング処理による表面調整をも受ける。
しかしながら、減摩層の塗布は、コーティング、マーキング、または他の表面コーティング(腐食から保護するために、および/または装飾的な理由のために塗布される)の密着性に悪影響を及ぼしてはならない。特に、フランジを形成するためのシリンダリムの絞り加工(drawing)(「ネッキング」)および続く成形加工の直後において、塗膜密着性が悪いせいでコーティングにダメージがあってはならない。しかしながら、まさにこの成形加工において、塗膜のチッピングオフ(chipping off)がしばしば観察されるので、このようにしてダメージを受けた缶シリンダは選り分けられる必要がある。
特許文献1は、摩擦抵抗を減らすための、金属缶のある表面調整を記載しており、これは、水溶性有機エトキシル化リン酸エステル、アルコールおよび/または脂肪酸を含有する。これらは、続くコーティングとの相溶性によって区別される。
特許文献2はまた、アルミニウム缶用のエトキシル化脂肪酸エステルおよびポリオキシアルキレンエーテルに基づく表面調整を開示しており、これは、続くコーティングに悪影響を及ぼさず、クロム系の化成処理の後に直接的に続くものである。
さらに、缶シリンダの表面処理およびコーティングの際に、耐食性に関する要件(充填される缶の材料によって異なる)が満たされることが確実とならなければならない。環境上、特に食品産業に関して、概して無害である活性剤のみが用いられなければならない。このことは、缶の外面の処理のみが技術的に意図されるかどうかに関わりなく、缶シリンダの外面塗装および内面塗送におけるバインダの選択とほぼ同様に、表面処理における活性成分の選択に関する。なぜなら、表面処理は、生産上の経済的理由からスプレー処理で行われることが多いが、スプレー処理については、材料の一部が缶シリンダの内側に達することを防止することはできないからである。
先行技術において、金属缶の防食前処理のための種々のクロムフリー処理が知られている。これは、多くの場合、無機酸、特にリン酸、フッ化水素酸、またはその他の、フッ化物および/またはフッ化物錯体源を用いており、そして、有機ポリマーの付加的な使用の有無にかかわらず、機能するものである。
例えば、特許文献3は、リン酸、Zr、Ti、HfまたはSiのフルオロ酸、およびポリフェノール化合物を含有する水性酸性処理溶液を記載しており、これは、置換アミンの、ポリアルケニルフェノールまたはタンニンへのマンニッヒ付加物を構成する。
特許文献4は、好ましくはアルミニウム缶用の処理溶液を開示しており、これは、a)0.5から10g/Lのポリアクリル酸またはそのエステル、およびb)0.2から8g/Lの、化合物ヘキサフルオロジルコニウム酸、ヘキサフルオロチタン酸またはヘキサフルオロケイ酸の少なくとも1つを含有する。
米国特許第4859351号明細書 米国特許第6040280号明細書 米国特許第4992116号明細書 欧州特許第8942号明細書
本発明は、金属缶を表面処理する方法を提供する課題を扱い、これは、前述の種々の要件に関する性能スペクトルを向上させるものである。特に、深絞りされて缶シリンダが形成される缶薄板の滑り挙動および成形挙動は、さらに向上し得、そして同時に、保護コーティング用の優れた耐食性を有する接着下地が提供され得る。
この課題は、金属板から深絞りされ、かつ一方の端が開口した缶シリンダを表面処理する多段処理方法によって解決される。この処理方法において、少なくとも、缶シリンダの外周面は、
(i)以下成分を含有する酸性水性組成物と接触し、
a)元素Zr、Ti、Si、Hfおよび/またはCeの少なくとも1つの水溶性無機化合物;および
b)少なくともカルボキシル基またはヒドロキシル基を含む少なくとも1つの水溶性有機ポリマーであって、酸価および/またはヒドロキシル価の合計が、少なくとも50mgKOH/gである水溶性有機ポリマー;
続いて、中間のフラッシング工程を介するかまたは介さずに、
(ii)ワックスの水性分散系と
接触する。
本発明の意味において、50gの無機化合物を20℃の温度にてpH値が3の1キログラムの水中に溶解させることが可能であり、水性相において不溶性の固体物質が形成されなければ、無機化合物は水溶性である。
本発明の意味において、10gのポリマーを20℃の温度にてpH値が3の1キログラムの水中に溶解させることが可能であり、かつ透明な溶液が存在したままであれば、有機ポリマーは水溶性である。DIN ISO 7027に従って860nmの波長にて20℃の溶液温度での光散乱によって測定される混濁値(NTU)が50未満の値であれば、透明な溶液が存在する。
酸価は、本発明によれば、実験的に判定される測定変数であり、これは、ポリマー中の、またはポリマー混合物中の遊離酸基の数の測定値である。酸価は、計量された量のポリマーまたはポリマー混合物を、容量比率が3:1であるメタノールおよび蒸留水の溶媒混合物中に溶解させてから、メタノール中0.05mol/L KOHで電位差測定的に滴定することによって、判定される。電位差測定は、複合電極(LL−Solvotrode(登録商標)(Metrohm製);参照電解質:エチレングリコール中0.4mol/Lテトラエチルアンモニウムブロミド)でなされる。ここで、酸価は、電位差測定の滴定曲線の変曲点での、ポリマーまたはポリマー混合物のグラムあたりのKOH添加量に対応する。
同様に、本発明によれば、ヒドロキシル価は、ポリマー中の、またはポリマー混合物中の遊離ヒドロキシル基の数の測定値として、電位差測定的な滴定によって、実験的に判定されてよい。この目的のために、計量された量のポリマーまたはポリマー混合物が、ピリジン中0.1mol/Lのフタル酸無水物の反応溶液において130℃にて45分間加熱されて、次に1.5倍容量のピリジン中当該反応溶液と、そしてその後1.5倍容量の脱イオン水(κ<1μScm−1)中当該反応溶液と混合される。フタル酸の放出量は、1M水酸化ナトリウムによって、この混合物中で滴定される。電位差測定は、複合電極(LL−Solvotrode(登録商標)(Metrohm製);参照電解質:エチレングリコール中0.4mol/Lテトラエチルアンモニウムブロミド)でなされる。ここで、ヒドロキシル価は、電位差測定の滴定曲線の変曲点での、ポリマーまたはポリマー混合物のグラムあたりのNaOH添加量に対応する。
本発明の意味において、フラッシング工程は、特に明記しない限り、先の湿式化学処理工程由来の活性成分を含有する、缶表面に付着した未乾燥膜を単に除去するのに役立つ。したがって、フラッシング工程は好ましくは、水により行われる。フラッシング水は、好ましくは、乾燥残留物が1g/L未満、特に好ましくは100ppm未満、とりわけ好ましくは10ppm未満である。
本発明の意味において、ワックスは、20℃にて混練可能であり、かつ固体状から硬脆(brittle hard)までであり、粗構造から微結晶構造までを有し、色は半透明(color−translucent)から不透明であるがガラスの様ではなく、40°を超えて分解することなく溶融し、融点を僅かに超えて僅かに液体であり(低粘度)、粘稠性および溶解性が強く温度依存的であり、そして僅かな圧力下で研磨可能である有機物質を指す。有機物質は、前述の特性のうちの2つ以上が満たされなければ、ワックスでない。
本発明による方法は、まず、第2の必須の工程において缶シリンダの表面に塗布されるワックスの良好な密着性をもたらす。ワックスの密着性とは、例えばワックス層の著しい摩滅が、缶用塗料の塗布前に行われる、本発明による方法において下流のフラッシング工程において、観察されないことである。ワックスの良好な密着性は、同様に、産業用缶の生産において、特に個々の生産工程の終了時における缶シリンダの移動性を向上させる。なぜなら、缶シリンダの互いに接触する円周面の摩擦がかなり低下するので、高い移送速度、そして結果的に高い生産速度も確実にされ得るためである。
さらに、缶用塗料の塗布後、本発明によって処理された缶シリンダの成形挙動は向上し、上端での缶直径のテーパリング(「ネッキング」)の際の、そして上端の成形によるフランジの形成後の塗膜のチッピングオフ(chipping off)は、それほど頻繁に起こらないし、かなり少ない程度にしか起こらない。
したがって、本発明による方法は、缶シリンダの開端部のリム領域における成形に特に有利であり、缶シリンダのシーリングキャップへの連結調整のため直接的に必須である成形(例えば、リム領域における缶シリンダの直径にテーパをつけるための缶シリンダの開端部の絞り加工(drawing−in)(「ネッキング」))および/または缶シリンダの成形によるフランジの形成がそれぞれ包含される。
本発明による好ましい方法は、工程(i)の酸性水性組成物中の成分a)に該当する元素Zr、Ti、Si、Hfおよび/またはCeの水溶性無機化合物の含有量が、前述の元素の総含有量に基づき、0.01から1g/Lの範囲にあり、元素Zrおよび/またはTiの水溶性無機化合物の量は、元素ZrおよびTiの総含有量に基づき、好ましくは少なくとも0.01g/L、特に好ましくは少なくとも0.02g/Lである方法である。
この文脈において、本発明による方法における工程(i)の酸性水性組成物の成分a)に該当する水溶性化合物は、元素Zr、Tiおよび/またはSiのフルオロ錯体から、特に好ましくは元素Zrおよび/またはTiのフルオロ錯体から選択されることが、さらに好ましい。
本発明の意味において、フルオロ錯体とは、対応する前述の金属元素または半金属元素との錯体を指し、これは、少なくとも1つのフッ素原子を配位子として含み、そして水溶液中にアニオンとして存在する。
本発明による方法において用いられる、成分b)に該当する工程(i)の有機樹脂の割合は、酸性水性組成物中で、好ましくは、0.1から50g/Lの範囲、特に好ましくは0.5から10g/Lの範囲にある。
本発明による方法において用いられる、成分b)に該当する、工程(i)の酸性水性組成物の水溶性有機樹脂は、好ましくは、ビニルエーテル、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸、マレイン酸またはフマル酸に基づくポリマーまたはコポリマーから、ヒドロキシル基含有ポリエステルから、そしてグリコールウリルまたはメラミンの、アルデヒドとの縮合物から選択される。特に好ましいのは、グリコールウリルまたはメラミンの、アルデヒドとの縮合物、とりわけ好ましいのは、ヒドロキシル価が好ましくは少なくとも50mg KOH/gである、グリコールウリルのアルデヒドとの縮合物を構成する有機樹脂である。ここで、グリコールウリルまたはメラミンの、アルデヒドとの縮合物のアルキル化度は、好ましくは20%未満、特に好ましくは10%未満である。前述の縮合物に関して、一級アルデヒド、特にアセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドが好ましい。
本発明による方法の工程(i)における酸性水性組成物は、好ましくは少なくとも0.1g/Lの量で、リン酸イオンをさらに含有することがさらに好ましい。リン酸の使用は、工程(i)において形成された化成被膜層の防食特性を向上させる。経済的理由から、そしてリン酸のスラッジを回避するために、リン酸イオンの割合は、10g/Lを超えないことが好ましい。
工程(i)の酸性水性組成物のpH値は、本発明による方法において、好ましくは2以上、特に好ましくは3以上、かつ好ましくは6以下、特に好ましくは5以下である。
本発明による方法において、一方の端が開口した缶シリンダを、工程(ii)においてワックスの水性分散系と接触させることで、缶生産プロセスにおける他の缶との、または受入れツールとの接触時の、缶シリンダの外周面の十分な滑り特性が確実となる。そのために用いられるワックスは、好ましくは合成ワックスから、特に好ましくは酸化ポリアルキレンワックスから、とりわけ好ましくは酸化ポリエチレンワックスから選択され、工程(ii)における水性分散系中のワックスの含有量は、好ましくは少なくとも0.1g/L、特に好ましくは少なくとも1g/Lであることで、十分な量のワックスが、工程(i)に従って前処理された缶シリンダの表面上に集まり得ることが保証される。経済的理由から、工程(ii)における水性分散系中のワックスの割合は、好ましくは50g/L以下、特に好ましくは10g/L以下である。
本発明による方法の工程(ii)の後には、一般的に、湿式化学処理工程がさらに続き、当該工程には、缶シリンダの、缶用塗料によるコーティングを最終的に含む。缶用塗料の塗布において、缶生産の際に内面塗料と外面塗料との区別がなされる。本発明による方法は、外面塗料および内面塗料の双方の塗布に適した塗膜密着性促進および防食性を有する前処理を提供する。
したがって、本発明による好ましい方法において、少なくとも、一方の端が開口した缶シリンダの外周面に、工程(ii)の水性組成物との接触後に、そして必要により、工程(ii)の直後にフラッシング工程を介した後に、保護被膜が提供される。
缶の内面塗料は、多くの場合食品と接触するので、缶の内面のコーティングは特別な要件を有する。先行技術において、例えば、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂の、缶の内面塗料としての使用は断念されていた。したがって、種々の国内立法府による発案(national legislative initiative)(EU指令2002/72/EUによって部分的に推進される)が進行中であり、ビスフェノールAの、外装から食品中への移動を最大限に制限することが定められている。
缶の外面上への塗料の塗布において、プロセス工学の観点から、大部分がスプレーオンされる(sprayed−on)塗料が缶の内側に達するのを完全に防止することは不可能であるから、食品に適した塗料が、好ましくは、缶の外側上へのコーティングに同様に用いられる。
本発明による方法はまた、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂に基づくバインダを有する保護被膜にも特に適していることが確認された。
したがって、深絞り缶シリンダを表面処理する本発明による好ましい方法において、少なくとも、一方の端が開口した缶シリンダの外周面に、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂から選択されるバインダを有する保護被膜が提供され、アクリル樹脂は、好ましくは、アルケン、特にエテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエンおよび/または2−メチルブタ−1,3−ジエン、ならびにα,β−不飽和カルボン酸、特にケイ皮酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸および/またはメタクリル酸のコポリマーで構成される。
各水性組成物の、工程(i)および(ii)における接触、および保護被膜の塗布は、本発明による方法において、好ましくは、例えばエアレス方式における、スプレーオンによって行われる。
いわゆるエアレス方式では、各液体は、エアレスで霧状にされて、材料表面上に塗布される。これらのスプレー方式において、所定量の液体が、スプレーガンによって塗布されると同時に、缶は、その長手軸周りに回転して、均質な未乾燥膜が形成される。
未乾燥膜が保護被膜によるコーティングのために塗布された後、このように処理された、一方の端が開口した缶シリンダは、好ましくは、120から200℃の範囲の温度(物体温度)にて硬化して、被膜が形成される。
缶生産のさらなる過程において、一方の端が開口しており、本発明による方法において湿式化学的前処理され、かつ保護被膜が提供された缶シリンダは、通常、一方の端が開口したリム領域において成形される。特に、リム領域において絞り加工されて、缶シリンダの直径にテーパがつけられ(「ネッキング」)、そしてフランジが形成されるように成形されることが含まれる。
したがって、防食性、塗膜密着性コおよび低滑り摩擦係数に加えて、本発明による方法に起因して付与される缶シリンダの成形挙動の向上は、前述の成形加工が、工程(i)および(ii)による湿式化学前処理の後に続くのであれば、単に技術的に用いられるだけですむ。
本発明による表面処理方法は、結果的に、工程(i)および(ii)、ならびに必要により続く保護被膜の塗布工程が、一方の端が開口した端部領域において成形されていない、特に、絞り加工されて缶シリンダの直径にテーパがつけられてもいなければ、フランジが形成されるように成形されてもいない、一方の端が開口した缶シリンダ上に対してのみ、好ましくは行われる、という点で、特徴付けられる。
本発明による表面処理方法において用いられる、一方の端が開口した缶シリンダは、好ましくは、ブリキ、鋼板またはアルミニウム板から深絞りされる。
本発明はさらに、一方の端が開口した缶シリンダの表面処理のための本発明による方法の工程(i)に該当する湿式化学前処理に特に適した酸性水性組成物を包含する。
本発明による、金属缶の表面処理用のこのような酸性水性組成物の1つは、pH値が2から5の範囲であり、かつ
a)各元素に基づき、0.005から0.5wt%、好ましくは0.01から0.1wt%の、元素Zr、Tiおよび/またはSiのフルオロ錯体;ならびに
b)0.05から3wt%、好ましくは0.1から2wt%の、グリコールウリルのアルデヒドとの縮合物から選択される水溶性樹脂であって、縮合物は、好ましくは、ヒドロキシル価が少なくとも50mg KOH/gであり、そして縮合物のアルキル化度が好ましくは20%未満である、水溶性樹脂
を含有する。
一級アルデヒド、特にアセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドが、縮合物に好ましい。
本発明による酸性水性組成物は、好ましくは、0.1wt%未満の、エポキシド、ウレタンおよびポリエステルの群由来の有機ポリマー、好ましくは0.1wt%未満の、グリコールウリルのアルデヒドとの縮合物を構成しない有機ポリマーを含有する。
本発明はまた、缶シリンダの製造方法であって、
A.金属板の円形ブランクが深絞りされて、一方の端が開口した缶シリンダが形成され;
B.一方の端が開口した缶シリンダは、湿式化学的前処理が施され、そしてその後コーティングされ、
前記湿式化学前処理において、少なくとも、缶シリンダの外周面を、
(i)以下成分を含有する酸性水性組成物と接触させ、
a)元素Zr、Ti、Si、Hfおよび/またはCeの少なくとも1つの水溶性無機化合物;および
b)少なくともカルボキシル基またはヒドロキシル基を含む少なくとも1つの水溶性有機ポリマーであって、酸価および/またはヒドロキシル価の合計が、少なくとも50mgKOH/gである水溶性有機ポリマー;
続いて、中間のフラッシング工程を介するかまたは介さずに、
(ii)ワックスの水性分散系と
接触させ;そして
C.湿式化学的前処理が施され、かつコーティングされた缶シリンダは、一方の端が開口したリム領域において絞り加工されて、缶シリンダの直径にテーパがつけられ、そして/または一方の端が開口したリム領域においてフランジが形成されるように成形される
製造方法に関する。
一方の端が開口した缶シリンダを形成する円形ブランクの深絞りは、好ましくは、金属加工液を除去する洗浄工程が後に続く。
本発明による表面処理方法について先に記載されたのと同じ好ましい実施形態はまた、本発明による製造方法における缶シリンダに用いられる湿式化学前処理、および続く保護被膜によるコーティングにもあてはまる。同実施形態はまた、前処理における組成物の接触、缶シリンダのコーティング、および金属板の材料選択のための方法にもあてはまる。
以下の組成物を有する酸性水性処理溶液を、アルミニウム缶(EN AW−3104)の前処理用のベース製剤として用いた:
ZrF由来50ppmのZr
ホウ酸由来40ppmのB
リン酸由来80ppmのPO
硝酸由来300ppmのNO
25ppmの遊離フッ化物(イオン選択性電極により測定)
pH値3.2
第1工程は、有機ポリマーを追加的に含有する前述の処理溶液による、缶の外面の化成処理を伴う。以下の有機ポリマーを、そのような化成処理において用いた:
Org1:テトラメチロールグリコールウリル樹脂(ヒドロキシル価が450から480mg KOH/g)
Org2:マレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマー(酸価が220から280mg KOH/g)
Org3:ポリアクリル酸
このようにしてアルミニウム缶の外面に、まず表1に示す処理溶液をスプレーしてから、脱イオン水(κ<1μScm−1)でフラッシュし、続いて、第2の工程において、7g/Lの乳化状にした非イオン性の(non−ionogenic)酸化ポリエチレンワックスを含有する水溶液をスプレーし、直後に再度脱イオン水(κ<1μScm−1)でフラッシュしてから、60℃の物体温度で乾燥させた。
Figure 0006267223
先に記載した2段処理に従って前処理した缶の外面の特性を、滑り挙動および塗膜密着性に関して、表2において判定した。
滑り挙動は、3つの缶を三角形に積み重ねて、ベースを形成する下方の2つの缶を、缶の長手方向に対して垂直に、一方の端にて持ち上げることによって、判定した。缶の積重ねを片側に持ち上げる際に、上方の缶が滑り始める、缶軸と水平線との間の角度を、「滑り角度」として示す。この試験を別の、同様に前処理した缶で5回繰り返して、それぞれ判定した「滑り角度」の平均値を確定した。
市販の缶用塗料(塗料ベース:アクリレート修飾ポリエステル(DSM製、Uradil(登録商標)SZ250);層厚約15μm)により前処理した缶の外面コーティングを行った後、そして開缶リムのテーパリングまたは圧縮(「ネッキング」)および缶リムの90°のフランジング後、塗膜密着性を判定した。以下の基準に従って、5缶単位で、缶の成形領域における評価を視覚的に行った:
1:塗膜の目に見えるクラックもチッピングもなし
2:塗膜のクラックおよび僅かなチッピング
3:塗膜のひどいチッピング
Figure 0006267223
前記評価結果は、本発明による表面処理用の2段処理において、特に第1工程におけるグリコールウリル樹脂を含有する組成物の使用により(E1)、最も小さい滑り角度および最も良好な塗膜密着性が得られる(E1からE3)ことを示している。

Claims (10)

  1. pH値が2から5の範囲である、金属缶の表面処理用の酸性水性組成物であって、
    a)各元素に基づき、0.005から0.5wt%の、元素Zr、Tiおよび/またはSiのフルオロ錯体と;
    b)0.1から3wt%の、グリコールウリルのアルデヒドとの縮合物から選択される水溶性樹脂と
    を含有する酸性水性組成物。
  2. グリコールウリルのアルデヒドとの前記縮合物のヒドロキシル価が少なくとも50mgKOH/gであり、アルキル化度が20%未満であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  3. 少なくとも0.1g/Lの量のリン酸イオンをさらに含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 金属板から深絞りされ、かつ一方の端が開口した缶シリンダの表面処理方法であって、少なくとも、缶シリンダの外周面を、
    (i)請求項1から3の何れか一項に記載の組成物と接触させ、
    続いて、中間のフラッシング工程を介するかまたは介さずに、
    (ii)ワックスの水性分散系と
    接触させることを特徴とする、缶シリンダの表面処理方法。
  5. 工程(ii)における水性分散系中のワックスが、合成ワックスからから選択され、前記水性分散系中のワックスの含有量が、0.1から50g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(i)および(ii)におけるそれぞれの前記水性組成物との接触が、いずれの場合にも、スプレーオンによって行われることを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 少なくとも、一方の端が開口した缶シリンダの外周面に、工程(ii)における水性組成物との接触後に、保護被膜が提供されることを特徴とする、請求項4から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記缶シリンダが、一方の端が開口したリム領域において成形されていないことを特徴とする、請求項4から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 前記缶シリンダが、ブリキ、鋼板またはアルミニウム板から深絞りされることを特徴とする、請求項4から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 缶シリンダの製造方法であって、
    A.金属板の円形ブランクが深絞りされて、一方の端が開口した缶シリンダが形成され;
    B.一方の端が開口した前記缶シリンダが、請求項7に記載の方法において前処理され、かつコーティングされ;そして
    C.前処理され、かつコーティングされた前記缶シリンダが、一方の端が開口したリム領域において絞り加されて、前記缶シリンダの直径にテーパがつけられ、および/または一方の端が開口した前記リム領域においてフランジが形成されるように成形される、缶シリンダの製造方法。
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