JP6262090B2 - 未臨界状態の推定方法及び未臨界状態推定システム - Google Patents

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Description

本発明は、核燃料物質取扱時の未臨界状態推定方法及び推定システムに係り、特に、沸騰水型原子力プラント及び加圧水型原子力プラント内の溶融した核燃料物質の取扱時における未臨界状態推定方法及び未臨界状態推定システムに関する。
現在の沸騰水型原子力プラント(以下、BWR)及び加圧水型原子力プラント(以下、PWR)等の原子力プラントでは、核分裂性ウラン同位体である235Uの全ウランに対する重量割合が、最高でも5%程度の低濃縮ウランが主に核燃料物質として用いられている。このような低濃縮ウランでは、ウランと中性子減速材である水が、臨界に適した体積比あるいは原子数比(以下まとめて混合割合と称する)で混合し、かつそのウランと水の混合体がある大きさ以上になった場合に初めて臨界となる。なお、ウランと水の混合体とは、燃料集合体のように、ウランが格納された燃料棒間に水が存在するような場合も含む。また、ウランと水の混合体の大きさとは、ある混合体と他の混合体との間に実質的に中性子のやりとりがない場合の、それぞれの混合体の体積を指す。また、燃料中には235U以外の核分裂性同位体が含まれる場合があるが、以下ではそれらの核分裂性同位体も含めてウランと総称する。
核燃料物質を扱う場合は、原子炉内だけでなく、製造時、輸送時などに、臨界とならないように注意する必要がある。ウランの濃縮度や、ウランと水の混合割合が分かれば、臨界になるウランと水の混合体の形状と体積が分かるため(例えば、臨界管理ハンドブック第2番、P111の表4.4)、例えば体積がそれ以上とならないように、核分裂物質を格納する容器の体積を設定する。
一方で、ウランの濃縮度や、ウランと水の混合割合が不明な場合でも、体系がどの程度臨界状態から離れているか、いわゆる未臨界度を測定する方法が、特許文献1に記載されている。核分裂性同位体と自発中性子を放出する同位体を含む流体状の核燃料物質を対象として、核燃料物質が収納された容器で、形状が異なる複数の部位で容器から漏洩する中性子を計測して未臨界度を算出する。ウランの濃縮度やウランと水の混合割合が同じ場合でも、核燃料物質の形状が異なると核燃料物質の外部に漏洩する中性子量が変化し、形状が異なる部位での中性子の計測値の比は、核燃料物質の未臨界度に依存して決まることを利用したものである。
また、未臨界度を測定する他の方法として、特許文献2が知られている。細長い形状や平板形状の核燃料物質の片側に複数の中性子検出器、もう一方に中性子源、中性子反射体、中性子吸収体のいずれか一つ以上を設置する。中性子源、中性子反射体、中性子吸収体を核燃料物質に近付けたり遠ざけたりして局所的に中性子束レベルを変化させ、複数の中性子検出器での中性子の計測値から、中性子検出器間での中性子の伝搬を評価する。中性子の伝搬は、その体系での未臨界度に依存することを利用し、中性子検出器間の未臨界度を評価するものである。
特開昭62−294998号公報 特開平2−222887号公報 特開平9−81737号公報
しかしながら、特許文献1に記載される未臨界度の測定方法は、予め既知の収納容器内に均一な液体状の核燃料物質を収容するものであるため、未知の形状を有する溶融した核燃料物質への適用は困難である。すなわち、未知の様々な形状を有する溶融した核燃料物質あるいは溶融後の核燃料物質と構造物との混合物である燃料デブリ(以下、燃料デブリと総称する)の未臨界度の推定に適用することは困難となる。
また、特許文献2に記載される未臨界度の測定方法は、中性子源、中性子反射体及び中性子吸収体を、核燃料物質に近付けたり、遠ざけるよう動作させる必要があり、このような設備を設置するスペースが必要となる。しかしながら、燃料デブリは原子炉圧力容器内にある場合が想定され、その場合、未知の形状を有する燃料デブリは狭隘部に存在することも考えられる。従って、上記設備を狭隘部に設置することはできず、燃料デブリの未臨界度の推定に適用することは困難となる。
そこで本発明は、大がかりな設備を導入することなく、燃料デブリの未臨界度を把握可能な未臨界状態の推定方法及び未臨界状態推定システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の未臨界状態推定システムは、燃料デブリの画像を取得し、前記取得画像に基づき3次元形状データを生成する画像取得部と、前記燃料デブリより発せられる中性子を測定する中性子検出器と、前記取得された画像データ及び3次元形状データに基づき前記燃料デブリの状態をシミュレーションし、前記シミュレーション結果及び計測された中性子に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界状態推定装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の原子炉建屋内に存在する燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界状態推定方法は、(1)先端部に画像取得部が設置される第1の支持部材を、前記原子炉建屋内で鉛直方向に下降させ、前記画像取得部を前記燃料デブリの近傍に位置付ける工程と、(2)先端部に中性子検出器が設置される第2の支持部材を、前記原子炉建屋内で鉛直方向に下降させ、前記中性子検出器を前記燃料デブリの近傍に位置付ける工程と、(3) 前記画像取得部により取得された前記燃料デブリの画像データ及び3次元形状データに基づき前記燃料デブリの状態をシミュレーションする工程と、(4)前記シミュレーション結果及び前記中性子検出器による計測結果に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界度推定工程からなることを特徴とする。
本発明によれば、大がかりな設備を導入することなく、燃料デブリの未臨界度を把握可能な未臨界状態の推定方法及び未臨界状態推定システムを実現することが可能となる。
また、例えば原子炉圧力容器内に存在する燃料デブリを切削し取出す際に、予め燃料デブリの未臨界度を把握することができるため、必要に応じて適切な臨界防止策を講ずることが可能となり、燃料デブリの取り出し作業時に臨界となるリスクを低減できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る未臨界状態推定システムの全体構成図である。 図1に示す未臨界状態推定システムを原子炉建屋内に設置した状態を示す図である。 燃料デブリ、画像取得部及び中性子検出器との位置関係を示す図である。 未臨界状態推定装置を構成するシミュレーション部におけるシミュレーション体系を示す図である。 図4に示すシミュレーション体系による中性子フラックスと中性子増倍率との関係の評価結果を示す図である。 未知の形状を有する燃料デブリによる構造物への非侵食状態を示す図である。 未知の形状を有する燃料デブリによる構造物への侵食状態を示す図である。 シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置による、中性子フラックスと中性子増倍率との関係を示す図である。 シミュレーションモデル上での中性子検出器の他の配置位置による、中性子フラックスと中性子増倍率との関係を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1に、本発明の一実施例に係る実施例1による未臨界状態推定システムの全体構成図を示す。図1に示すように、未臨界状態推定システム1は、画像取得部3、中性子検出器4、未臨界状態推定装置2、入力部5及び表示部6より構成される。画像取得部3は、カメラなどの撮像装置により取り込まれる画像データと、取り込まれた画像データより3次元形状データを生成する装置、あるいは、レーザー又は超音波を対象物である燃料デブリへ照射し、その反射波あるいは反射光から物体の3次元形状データと画像データを生成する装置などにより構成される。以下では、画像取得部3としてカメラを用いる場合を例に説明する。
また、未臨界状態推定装置2は、I/OIF21、入力条件作成部22、シミュレーション部23、未臨界推定部24、構造物データベース(以下、構造物DB)25及び内部バス26より構成される。ここで、入力条件作成部22、シミュレーション部23及び未臨界推定部24は、ハードウェア構成として、各種プログラムを格納するROM、演算対象のデータ、演算過程のデータあるいは演算結果を格納するRAMなどのメモリよりなる記憶装置、ROMに格納されたプログラムを読み出し、RAMに格納された演算対象のデータに対し読み出されたプログラムを実行し、演算結果をRAMへ格納するCPUなどのプロセッサより構成される。I/OIF21は、作業員により入力部5を介して入力されるデータ、カメラなどの画像取得部3より第1の信号線20aを介して送信される画像データ及び3次元形状データ、中性子検出器4より第2の信号線20bを介して送信される計測された中性子のデータ、例えば、中性子フラックスを取り込むと共に、内部バス26を介して、これら取り込まれたデータを入力条件作成部22、シミュレーション部23及び未臨界推定部24へ伝送する機能を有する。また、I/OIF21は、後述する作業工程において用いられる、カメラなどの画像取得部3より第1の信号線20aを介して送信される画像データを、表示部6へ伝送し、表示部6の画面上に表示させる機能を有する。
ここで、図2に未臨界状態推定システム1を原子炉建屋内に設置した状態を示す。先ず原子炉建12内の構造について説明する。通常状態において、BWRは、図示しない原子炉を原子炉格納容器13内に備えている。原子炉格納容器13は、原子炉建屋12内に設置されて、上端部に原子炉格納容器上蓋17が取り付けられて密封されている。原子炉格納容器13は、圧力抑制プールが内部に形成された圧力抑制室(ウェットウェル)33を有する。原子炉格納容器13に連絡されるベント通路34の一端が、圧力抑制室33内の圧力抑制プールの冷却水中に浸漬されている。原子炉格納容器上蓋17の真上に複数に分割された放射線遮蔽体であるシールドプラグが配置され、これらのシールドプラグが、原子炉建屋12のオペレーションフロア32に設置されている。
原子炉建屋12には、原子炉格納容器13が内部に設置されており、この原子炉格納容器13の上部には、原子炉停止時に原子炉圧力容器上蓋18を開けて燃料集合体(図示せず)を取り出し、隣接する使用済燃料貯蔵プール31へ移す。なお、燃料集合体の取り出し及び使用済燃料貯蔵プール31への移送は、燃料交換機(図示せず)にて行われる。さらに、原子炉格納容器上蓋17の真上に存在するシールドプラグ(図示せず)を挟むように、その両側にドライヤ・セパレータプール30及び使用済みの燃料を一時的に保管する使用済燃料貯蔵プー31が設けられている。ドライヤ・セパレータプール30は、定期検査時に蒸気乾燥器15や気水分離器16といった炉内構成機器を仮置きする場所として使われる。
原子炉圧力容器上蓋18が取り付けられて構成される原子炉圧力容器14、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が装荷された炉心、蒸気乾燥器15及び気水分離器16を備えている。炉心、蒸気乾燥器15及び気水分離器16は原子炉圧力容器14内に配置される。気水分離器16は炉心の上端部に位置する上部格子板よりも上方に配置され、蒸気乾燥器15が気水分離器16の上方に配置される。ここで、燃料集合体は、図示しない核燃料物質として例えばMOX燃料のペレットを、ステンレス製の被覆管内にその軸方向に複数充填された燃料棒を有する。複数の燃料棒を横断面四角形状のチャンネルボックス内に正方格子状に配列して燃料集合体が形成されている。原子炉圧力容器14は、原子炉格納容器13内の底部に設けられたコンクリートマット35上に設けられた筒状のペデスタル19上に据え付けられている。
図2に示す状態では、シールドプラグが取り外され、また、原子炉格納容器上蓋17、原子炉圧力容器上蓋18、蒸気乾燥器15及び気水分離器16が取り出され、水が張られたドライヤ・セパレータプール30内に、既に仮置きされた状態を示している。オペレーションフロア32上に、未臨界状態推定装置2、入力部5及び表示部6が設置され、取り外されたシールドプラグの上方、すなわち、原子炉格納容器13の上部開口及び原子炉圧力容器14の上部開口を覆う位置に作業台8が設置されている。先端に画像取得部3としての、例えば、カメラが取り付けられ原子炉格納容器13または原子炉圧力容器14内を鉛直方向に上下動する第1の支持部材9、先端に中性子検出器4が取り付けられ原子炉格納容器13または原子炉圧力容器14内を鉛直方向に上下する第2の支持部材10、及び、第1の支持部材9及び第2の支持部材10を懸垂し、作業台8上を水平方向に移動可能な移動装置7が作業台8に取り付けられている。これら、作業台8の設置等の工程については、後述する。また、第1の支持部材9の先端に取り付けられた画像取得部3からの画像データ及び当該画像データに基づき生成された3次元形状データは、第1の支持部材9及び第1の信号線20aを介して未臨界状態推定装置2に入力可能に構成されている。また、第2の支持部材10の先端に取り付けられた中性子検出器4により計測される中性子フラックスは、第2の支持部材10及び第2の信号線20bを介して未臨界状態推定装置2に入力可能に構成されている。図2においては、溶融した核燃料物質あるいは溶融後の核燃料物質と構造物との混合物である燃料デブリ11が、原子炉圧力容器14の底部及びペデスタル19の内側であってコンクリートマット35上に存在する場合を示している。
なお、図2に示す、移動装置7は、上述のとおり、作業台8上を水平方向に移動し、原子炉圧力容器14の上部開口に位置付けられ、その後、第1の支持部材9及び第2の支持部材10を所望の送り量にて、原子炉圧力容器14内の底部方向へ下降または上昇させる機能を有する。ここで移動装置7としては、例えば、燃料デブリ11を切削するため先端にドリルが取り付けられた燃料デブリボーリング装置を用い、第1の支持部材9及び第2の支持部材10を上下動させる機構を備えることで構成される。なお、移動装置7は、燃料デブリボーリング装置に限らず、作業台8上を水平方向に移動可能であって、第1の支持部材9及び第2の支持部材10を上下動可能に保持できる装置であればいずれを用いても良い。
ここで、図1に戻り、構造物DB25について説明する。構造物DB25は、原子炉圧力容器14に限らず、原子炉格納容器13、気水分離器16あるいは蒸気乾燥器15等の各機器、及び圧力抑制プールが内部に形成された圧力抑制室(ウェットウェル)33等の構造物の形状データ及び材質データ、また、核燃料物質の組成データ及び異なる組成の物質の含有率などを格納している。
図3に、燃料デブリ11、画像取得部3及び中性子検出器4との位置関係を示す。図3では、図2に示す原子炉圧力容器14の底部に燃料デブリ11が存在し、画像取得部3としてのカメラ及び中性子検出器4との位置関係を示している。図3に示すように、燃料デブリ11の形状は不規則な形状を有し、画像取得部3としてのカメラにより燃料デブリ11及びその周囲の画像データが取得され、取得される画像データに基づき燃料デブリ11の3次元形状データが生成され信号線20aを介して原子炉圧力容器14外の未臨界状態推定装置2のI/OIF21に入力される。また、中性子検出器4により計測された中性子フラックスは信号線20bを介して、同様に、原子炉圧力容器14外の未臨界状態推定装置2のI/OIF21に入力される。
I/OIF21に入力された、燃料デブリ11及びその周囲を含む画像データは表示部6へ伝送されると共に、画像データ、画像データに基づき生成された3次元形状データ及び計測された中性子のデータは、内部バス26を介して入力条件作成部22へ伝送される。入力条件作成部22は、シミュレーション部23にて演算可能な入力フォーマットに変換する機能を有する。例えば、画像取得部3より得られた画像データ、画像データより得られた3次元形状データより対象物体である燃料デブリ11の境界を設定し、入力部5より上記入力フォーマットへ入力される。また、境界により分割される対象物体である燃料デブリ11の領域に含まれる組成、例えば、炭素、鉄等の含有率を構造物DBより読み出し、上記入力フォーマットへ入力する。ここで、燃料デブリ11の境界の設定においては、例えば、I/OIF21より伝送される画像データ及び3次元形状データを表示部6に表示し、表示画面上で作業員による境界を、マウスカーソルあるいはタッチペンによりなぞる動作を受け付け、当該受け付けた表示画面上の座標データを入力条件作成部22に入力するよう構成すれば良い。なお、このように作業員による入力に限らず、必要に応じて、例えば、画像データ及び3次元形状データ中の特徴量に基づき境界を設定、あるいは、画像データの輪郭強調処理等により自動で境界を設定するよう構成しても良い。
このように、入力条件作成部22は、シミュレーション部23にてシミュレーションを実行可能とするための入力条件を作成する。ここで、シミュレーションの目的は、原子炉圧力容器14内あるいは原子炉格納容器13内に配される中性子検出器4により計測される中性子のデータ(中性子フラックス及び中性子増倍率)を予測することであり、そのために好適な方法としてモンテカルロ法を用いた中性子輸送計算方法がある(以下、モンテカルロ計算と呼ぶ)。このようなモンテカルロ計算を行うものとしては、例えば、web上のアドレス、https://mcnp.lanl.gov/に示される計算コードがある。モンテカルロ計算を行うために必要な情報は、主として異なる物質で構成される領域間の境界と、それぞれの領域での物質組成である。また、画像取得部3としてのカメラにより取得される画像データから物体の3次元情報、すなわち、3次元形状データを生成する方法として、例えば、特許文献3に記載される方法が知られており、異なる物質で構成される領域間の境界は自動的に作成できる。
また、ある程度自動的に作成した後、上述のように、作業員が表示部6に表示される画像を見ながら、手作業で修正を行う場合や、手作業のみで入力部5及びI/OIF21を介して入力条件作成部22へ入力する構成としても良い。
境界設定により分割される各領域に含まれる物質組成は、予め構造物DB25に保持されており、原子炉圧力容器14内あるいは原子炉格納容器13内に存在する構造物の組成や密度は既知であり、上述のように構造物DB25内に格納することが可能である。但し、燃料デブリ11の場合は、原子炉圧力容器14内に健全な状態として存在していた場合と異なり、核燃料物質以外の構造物が混入していたり、密度が変わっていたりする場合が想定される。また、原子炉圧力容器14内で燃焼した結果、核燃料物質の組成が変わり、例えばウラン濃度が変わっている場合も考えられる。以上を考慮して、燃料デブリ11の物質組成としては想定されるパターンを複数用意し、構造物DB25に格納しておくことが望ましい。また、画像取得部3としてのカメラにより取得される画像データに基づき、モンテカルロ計算に用いる情報として新たに物質組成を作成することも可能である。入力条件作成部22では、以上のように用意した物質組成および密度のデータを、境界設定により分割された領域毎に設定する。この場合、予め原子炉圧力容器14内の構造物の位置や物質組成は構造物DBに格納されているため、境界データと比較することで自動的に領域毎に物質組成を設定することもできる。
次に、図1に示すシミュレーション部23によるシミュレーションについて説明する。入力条件作成部22により作成された入力条件を用いて、シミュレーション部23はシミュレーションを実行する。燃料デブリ11の物質組成として複数のパターンが予め構造物DB25に格納されており、これら複数の物質組成のパターンに対応して、複数のシミュレーションを実行する。なお、単一のシミュレーションの高速化、複数のシミュレーションの並列処理など、必要な計算を効率的に行うため、シミュレーション部23は、複数のプロセッサを並列接続するハードウェア構成とすることが望ましい。
図4に、未臨界状態推定装置2を構成するシミュレーション部23におけるシミュレーション体系(シミュレーションモデル)を示す。本発明者らは、燃料デブリ11の物質組成で、未臨界度への影響が大きく、かつ不明となる可能性が高いパラメータとして、ウラン濃縮度、及び核燃料物質と水の混合割合に着目した。そこで、本実施例では、燃料デブリ11と水を直径40cmの球体として模擬し、中性子検出器4を直径10cmの球体として模擬した。また、図4に示すように、燃料デブリ11及び水からなる球体に、中性子検出器4の球体を隣接配置すると共に、これらの周囲は水として定義した。核燃料物質と水との混合割合を変化させるシミュレーションでは、ウラン濃縮度は約2%で一定とし、核燃料物質と水との体積比を以下の式(1)の範囲で変化させる条件とした。
核燃料物質:水 = 0.1:0.9〜1.0:0.0 ・・・(1)
また、ウラン濃縮度を変化させるシミュレーションでは、式(1)の条件でシミュレーションしたときに得られた、中性子増倍率が最大となる条件、すなわち、核燃料物質と水との体積比を以下の式(2)で一定とし、
核燃料物質:水 = 0.4:0.6 ・・・(2)
ウラン濃縮度を約1%〜約5%の範囲で変化させる条件とした。
上記、それぞれの条件でシミュレーションしたときに得られた中性子フラックスと中性子増倍率との関係を図5に示す。上記ウラン濃度を変化させるシミュレーションでは、図5に示すように、ウラン濃縮度を高めていくと、中性子フラックスと中性子増倍率が共に増加する結果が得られた。なお、中性子増倍率が1.0未満、すなわち未臨界の状態でも中性子フラックスがゼロでないのは、燃料デブリ11中に自発核分裂性同位体が含まれているためである。自発核分裂によって生じた中性子が燃料デブリ11(溶融燃料)の外に漏洩する他、自発核分裂によって生じた中性子が燃料デブリ11に含まれる核分裂性同位体の核分裂を引き起こし、そこで発生した中性子が燃料デブリ11外へ漏洩する。ウラン濃縮度が高い、すなわち核分裂性同位体の割合が多いと、自発核分裂、あるいは他の核分裂性同位体の核分裂で生じた中性子によって核分裂が起こる確率が高くなり、核分裂で発生する中性子も多くなるため燃料デブリ11外に漏洩する中性子も多くなる。このため、ウラン濃縮度が高くなると、シミュレーションモデル上での中性子検出器が配置される位置での中性子フラックスも増加する。
一方、核燃料物質と水の混合割合を変化させるシミュレーションでも、核燃料物質の割合を上記式(1)に示す範囲で高めていくと、ある程度までは中性子フラックスと中性子増倍率が共に増加していく。これは、核燃料物質の割合が増えることで自発核分裂性同位体の量が増え、自発核分裂で発生する中性子が増えるためと、中性子が水で適度に減速されて核分裂性同位体の核分裂を引き起こしやすいエネルギーになり、核分裂で発生する中性子が増えるためである。しかし、さらに核燃料物質の割合が高くなると、途中で中性子増倍率は減少に転じる。これは、燃料デブリ11中の水の割合が減ることで中性子が減速されず、核分裂性同位体の核分裂が起こりにくく、核分裂で発生する中性子が減るためである。
以上のように、シミュレーション部23は、シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置において得られる中性子フラックスと中性子増倍率との関係を、シミュレーション結果として出力する。すなわち、後述する未臨界推定部24において、実際の中性子検出器4により測定される中性子フラックスと比較可能な、シミュレーションにより模擬した中性子検出器による中性子データ(中性子フラックス)をシミュレーション結果として出力する。このシミュレーション結果は、内部バス26を介して未臨界推定部24へ伝送される。
未臨界推定部24は、中性子検出器4により計測された中性子フラックスを、第2の信号線20b、I/OIF21及び内部バス26を介して取り込む。そして、取り込んだ中性子フラックスの計測結果と、シミュレーションモデル上の中性子検出器位置において得られる中性子フラックスと中性子増倍率の関係を示すシミュレーション結果と比較し、未臨界度の推定を行う。すなわち、燃料デブリ11の中性子増倍率を推定し未臨界度を判定する。具体的には、シミュレーション時に不明であった燃料デブリ11の物質組成のパターンの中から、中性子検出器4による中性子フラックスの計測値とシミュレーション結果が一致するとみなせる物質組成を選定し、そのときの未臨界度を燃料デブリ11の未臨界度とみなす。図5に示したシミュレーション結果においては、例えば、中性子検出器4で計測された中性子フラックスが5×10/cm/sである場合、ウラン濃縮度を変化させたケースでは中性子増倍率として約0.7が得られる。また、核燃料物質と水の混合割合を変化させたケースでは中性子増倍率として約0.6が得られる。従って、中性子検出器4の計測値との比較のみでは、燃料デブリ11の物質組成がどちらに近いのか区別することは困難であるが、臨界状態となるリスクを把握する観点からは、得られる中性子増倍率が高くても、約0.7(上記ウラン濃縮度が高くなった場合)であることが分かれば十分である。
本実施例では、以上のように燃料デブリ11の物質組成を特定できずとも、中性子増倍率の最大値、すなわち最小となる未臨界度を包絡する範囲を推定できる。すなわち、シミュレーション結果と中性子検出器4による中性子フラックスの測定結果を比較することで、より厳しめに中性子増倍率を推定でき、燃料デブリ11の未臨界度を推定することができる。
なお、本実施例では、説明を分かり易くするため、ウラン濃縮度と、核燃料物質と水の混合割合を、それぞれ独立なパラメータとしてシミュレーションにより評価したが、これら双方を変化させた組合せを評価し、中性子検出器4による中性子フラックスの計測値を再現する条件で最大となる中性子増倍率をサーベイしても良い。また、本実施例では、中性子検出器4により計測されるデータと比較するデータとして、中性子フラックスを示したがこれに限られない。たとえば、計数率(カウント/秒)など、中性子検出器4で計測できる量で、かつシミュレーションで評価できるものであれば、シミュレーションにおけるパラメータとして使用できる。
中性子検出器4の計測データや未臨界度に影響するものとして、燃料デブリ11の物質組成に含まれる自発核分裂性同位体の割合や、構造物の物質の種類や割合なども考えられる。自発核分裂性同位体の割合は、運転管理データあるいは、運転管理データに基づく燃焼組成計算などから推定することができる。また、構造物の物質の種類や割合なども事故解析などから推定することができる。初期段階では、これら自発核分裂性同位体の割合あるいは構造物の物質の割合に基づき燃料デブリ11の未臨界度を推定し、その後、燃料デブリ11のサンプリング分析などで物質組成が明らかになった段階で、より高精度のデータを用いて未臨界度を判定することができる。なお、このとき、シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置で、同じ中性子データ(中性子フラックス、あるいは中性子の計数率など)を与える条件の中で、最大となる中性子増倍率を推定することがシミュレーションの目的であるため、自発核分裂性同位体の割合あるいは構造物の物質の種類および割合なども、推定される範囲でパラメータとしてシミュレーションを行えば良い。
図2に戻り、本実施例による未臨界状態の推定方法についての各工程について以下に説明する。先ず準備工程として、オペレーションフロア32より下方へ遮蔽水(水)を注水する遮蔽工程を行う。遮蔽工程により放射線量が低減された状態で、次に、オペレーションフロア32上に作業台8を設置する。このとき、後に作業台8に設置される移動装置7が、原子炉格納容器上蓋17が取り外された原子炉格納容器13の上部開口、あるいは、原子炉圧力容器上蓋18が取り外された原子炉圧力容器14の上部開口に位置付けることが可能となるよう作業台8を設置する(作業台設置工程)。
続いて、設置された作業台8に移動装置7を取り付ける。このとき、先端部に画像取得部3としてのカメラが取り付けられた第1の支持部材9、及び先端部に中性子検出器4が取り付けられた第2の支持部材10を、移動装置7の駆動部(図示せず)に係合させる(移動機構設置工程)。また、オペレーションフロア32の所望の位置に、未臨界状態推定装置2、入力部5及び表示部6を設置し、移動装置7と未臨界状態推定装置2とを第1の信号線20a及び第2の信号線20bにて接続する。これにより、画像取得部3、中性子検出器4、未臨界状態推定装置2、入力部5及び表示部6より構成される未臨界状態推定システム1の設置が完了する(未臨界状態推定システム据え付け工程)。
ここで、例えば、図2に示すように燃料デブリ11が原子炉圧力容器14の底部に存在する場合を想定する。入力部5を介して入力される作業員による操作に応じて、移動装置7は作業台8上を水平方向に移動する。移動装置7が、原子炉圧力容器14の上部開口のほぼ直上に位置するところまで移動すると、入力部5より停止指令が移動装置7へ、未臨界状態推定装置2内のI/OIF21を介して出力され、移動装置7は停止する。その後、移動装置7を駆動し、第1の支持部材9及び第2の支持部材10を原子炉圧力容器14内で鉛直方向に下降させる。この下降中において、第1の支持部材9の先端部に取り付けられた画像取得部3から得られる画像データ及び当該画像データに基づき生成されたた3次元形状データは、第1の支持部材9、第1の信号線20a、未臨界状態推定装置2のI/OIF21を介して、表示部6に表示される。また、同様に、第2の支持部材10の先端部に取り付けられた中性子検出器4により測定される中性子フラックス及び/または中性子の計数率(カウント/秒)も表示部6に表示される。作業員は、表示部6の画面上に表示される、これら、画像データ、3次元形状データ、中性子フラックス及び/または中性子の計数率(カウント/秒)を目視により確認しつつ、入力部5及びI/OIF21を介して移動装置7へ第1の支持部材9及び第2の支持部材10の送り量(操作量)を送出する。移動装置7は、受信される送り量に応じて第1の支持部材9及び第2の支持部材10を原子炉圧力容器14の底部側へと下降させる。なお、本実施例では、画像データ、3次元形状データ、中性子フラックス及び/または中性子の計数率を表示部6に表示する構成としたが、必ずしもこれに限られない。すなわち、画像データのみを表示部6へ表示し、作業員による操作を支援するよう構成しても良く、また、画像データ及び中性子フラックスの測定値を表示部6に表示するよう構成しても良い。
上記の第1の支持部材9及び第2の支持部材10の下降により、それぞれの先端部に取り付けられた画像取得部3及び中性子検出器4が、対象物体である燃料デブリ11の近傍に配置された状態が、図2及び図3に示される状態である。これにより画像取得部3及び中性子検出器4の位置付け工程が終了する。
画像取得部3及び中性子検出器4の位置付け工程後、表示部6に表示される画像データまたは、3次元形状データより対象物体である燃料デブリ11の境界を設定する。ここで、境界設定については、上述のように、作業員により入力部5を介しての設定あるいは、異なる物質で構成される領域間の境界の自動設定により、設定された境界が所定の入力フォーマットに変換され、I/OIF21を介して、入力条件作成部22に入力される。
入力条件作成部22は、上述のように、入力された境界及び構造物DB25を参照し、燃料デブリ11の物質組成として複数のパターンを生成し、シミュレーション部23へ内部バス26を介して伝送する。これにより、入力条件作成工程が完了する。
シミュレーション部23は、上述の処理を実行し、シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置において得られる中性子フラックスと中性子増倍率との関係を、シミュレーション結果として出力する。また、未臨界推定部24は、上述のとおり、中性子検出器4により計測された中性子フラックスを、第2の信号線20b、I/OIF21及び内部バス26を介して取り込む。そして、取り込んだ中性子フラックスの計測結果と、シミュレーションモデル上の中性子検出器位置において得られる中性子フラックスと中性子増倍率の関係を示すシミュレーション結果と比較し、未臨界度を推定する。未臨界度の推定値、すなわち、燃料デブリ11の中性子増倍率を内部バス26及びI/OIF21を介して表示部6に表示し処理を終了する(未臨界度推定工程)。
なお、本実施例では、図2に示すように、未臨界状態推定装置2を原子炉建屋12内のオペレーションフロア32上に設置し、第1の信号線20a及び第2の信号線20bにより有線にて、画像取得部3及び中性子検出器4を電気的に接続する構成としたが、必ずしもこれに限られない。例えば、オペレーションフロア32あるいは原子炉建屋12内のいずかの壁面に無線通信端末を設置し、当該無線通信端末に第1の信号線20a及び第2の信号線20bを接続する。未臨界状態推定装置2、入力部5及び表示部6を原子炉建屋12外の所望の場所に設置し、未臨界状態推定装置2内に新たに無線通信IFを組み込みことで、遠隔操作可能に構成しても良い。なお。この場合、上述の画像取得部3及び中性子検出器4の位置付け工程以降の処理を遠隔にて実行しても良く、また、原子炉建屋12内のオペレーションフロア32上またはその上方に多関節マニピュレータを新たに取り付け、同様に遠隔操作可能にすることで、準備工程である遮蔽工程を含め全ての工程を遠隔操作にて実行するよう構成しても良い。
また、第1の支持部材9の先端部に取り付けられる画像取得部3、第2の支持部材10の先端部に取り付けられる中性子検出器4を、遠隔操作にて回転可能に構成しても良い。
本実施例によれば、大がかりな設備を導入することなく、燃料デブリの未臨界度を把握可能な未臨界状態の推定方法及び未臨界状態推定システムを実現することが可能となる。
また、本実施例によれば、例えば原子炉圧力容器内に存在する燃料デブリを切削し取出す際に、予め燃料デブリの未臨界度を把握することができるため、必要に応じて適切な臨界防止策を講ずることが可能となり、燃料デブリの取り出し作業時に臨界となるリスクを低減できる。
図6に、未知の形状を有する燃料デブリによる構造物への非侵食状態を示し、図7に、未知の形状を有する燃料デブリによる構造物への侵食状態を示す。実施例1では、燃料デブリが原子炉圧力容器14の底部あるいは、原子炉格納容器13のコンクリートマット35上に存在する場合を想定し、画像取得部3及び中性子検出器4により得られる燃料デブリの画像データ、画像データに基づき生成される3次元形状データ、燃料デブリ11より発せられる中性子フラックスを検出することで未知の形状の燃料デブリ11の未臨界度を推定する構成とした。本実施例では、未知の形状を有る燃料デブリ11が、構造物である、例えば、原子炉圧力容器14の底部に侵食している場合、あるいは、原子炉格納容器13内のコンクリートマット35に侵食している場合において、これら燃料デブリ11の未臨界度を推定する点が実施例1と異なる。本実施例においても、図1、図2、図4及び図5に示す構成については実施例1と同様であるため、以下では説明を省略する。
図6に示されるように、構造物に対し侵食することなく、その上面に燃料デブリ11が存在する場合では、画像取得部3として、例えば、カメラにより取得される画像データ及び当該画像データに基づき生成される3次元形状データにより、燃料デブリ11の形状を把握することができる。これは、画像取得部3により得られる画像データに加え、構造物の形状は原子圧力容器14の図面(設計データ)により把握できるため、燃料デブリ11の3次元形状データを上記画像データに基づき生成することができることによる。この場合における燃料デブリ11の未臨界度については、上述の実施例1と同様に推定可能である。
但し、図7に示すように燃料デブリ11の一部が構造物に侵食している場合、構造物への侵食部(溶融燃料)は、画像取得部3によりその形状を把握することはできない。そこで、本実施例による未臨界状態推定システム1では、燃料デブリ11が仮に構造物に侵食している場合であっても、あえて、侵食なしと仮定し未臨界状態推定装置2を構成するシミュレーション部23により実施例1と同様にシミュレーションを実行する。このように、燃料デブリ11が構造物へ侵食していないと仮定することで、実際には侵食していた場合よりも燃料デブリ11(溶融燃料)の量(体積)を少なく見積もることになる。シミュレーションモデル上の中性子検出器の配置位置での中性子数が同じ場合、燃料デブリ11の量が少ないほど、すなわち、自発核分裂性同位体の量が少ないほど、核分裂性同位体による核分裂が多くなる必要がある。すなわち、侵食していないと仮定することで、シミュレーション部23によるシミュレーションの結果として得られる燃料デブリ11の中性子増倍率は、実際よりも大きく評価することになる。実施例1にて述べたように、シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置で、同じ中性子データ(中性子フラックス、あるいは中性子の計数率など)を与える条件の中で、最大となる中性子増倍率を推定することがシミュレーションの目的であることから、燃料デブリ11による構造物への侵食部を無視することにより、中性子増倍率の最大値を包絡する範囲を推定するができる。
なお、画像取得部3により得られる画像データにより燃料デブリ11の形状を把握できない態様として、燃料デブリ11が構造物を侵食している場合を例に説明した。しかし、これに限らず、燃料デブリ11の形状が変化する態様として、燃料デブリ11が構造物の隙間などに流れ込む場合もあり得る。この場合においても本実施例の未臨界状態推定システム11を適用することが可能である。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、燃料デブリ11が構造物に侵食している状態において、シミュレーションにより得られる中性子増倍率を、侵食部を無視し構造物上に存在する燃料デブリ11より発せられる中性子フラックスに基づき演算することにより、未臨界状態の判定をより厳しい条件で判定することが可能となる。すなわち、燃料デブリの取り出し作業における安全性をより確実に評価することができる。
図8にシミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置による中性子フラックスと中性子増倍率との関係を示し、図9に図8とは異なる位置に中性子検出器を配置した場合における中性子フラックスと中性子増倍率との関係を示す。実施例2では、画像取得部3により画像取得が困難な燃料デブリ11と構造物の接触部分に関し、燃料デブリ11による構造物の侵食がないと仮定することで、実際に侵食があった場合よりもシミュレーションによる中性子増倍率を高めに評価し、結果として中性子増倍率の最大値を包絡する範囲を推定する方法を示した。但し、場合によっては、侵食がないと仮定することで中性子増倍率を高めに評価しすぎる場合も考えられる。そこで本実施例では、燃料デブリ11が構造物に侵食する場合において、侵食部を考慮し中性子検出器を配置することで、より高精度に燃料デブリ11の未臨界度を推定するよう構成した点が実施例2と異なる。本実施例においても、図1、図2、図4及び図5に示す構成については実施例1と同様であるため、以下では説明を省略する。
図8に示すように、半球状に燃料デブリ11(溶融燃料)が構造物上にあり、構造物の侵食がない場合、半球状に侵食した場合、円筒状に侵食した場合のそれぞれについて、燃料デブリ11のウラン濃縮度をパラメータとして、図8の右側に示す中性子検出器Aの配置位置における中性子フラックスをシミュレーションで評価した結果を図8の左側のグラフに示している。
図8に示すシミュレーションモデル上での中性子検出器Aの配置位置(半球状の燃料デブリ11の直上に配置)では、侵食がない場合、半球状に侵食した場合及び円筒状に侵食した場合で、左側のグラフに示すように、中性子フラックスと中性子増倍率の関係は、ほぼ同一となっている。すなわち、侵食がないと仮定しシミュレーションにより評価した場合でも、実際に侵食があった場合よりも中性子増倍率を高めに評価しすぎることはない。
一方、図9に示すシミュレーションモデル上での中性子検出器Bの配置位置(半球状の燃料デブリ11の構造物との接触部、すなわち側方に配置)では、侵食がないと仮定した場合は、侵食がある場合と比較し、左側のグラフに示すように、シミュレーションンにより得られる中性子フラックスが同一のときの中性子増倍率が0.2程度大きく、実際に侵食があった場合は高めに評価しすぎることが分かる。
図8及び図9に示す相違は、燃料デブリ11が構造物に侵食した状態において、燃料デブリ11より発する中性子には、自発核分裂中性子と、燃料デブリ11内で増倍され出てくる中性子の双方が含まれる。図8に示すシミュレーションモデル上での中性子検出器Aの配置位置では、侵食部内、すなわち、半球状の侵食部あるいは円筒状の侵食部内の自発核分裂中性子は、中性子検出器Aに到達できず、中性子検出器Aにより検出される中性子フラックスは、燃料デブリ11内で増倍された中性子フラックスのみとなる。これに対し、中性子検出器Bの配置位置では、侵食部及び構造物上の燃料デブリ11の双方より発する自発核分裂中性子を全て検出することとなる。本来、未臨界状態を判断するため検出すべき中性子は、中性子増倍率に従って燃料デブリ11より発せられる中性子であり、自発核分裂中性子ではない。従って、中性子検出器Bの配置位置では、上述のように、自発核分裂中性子数を、中性子検出器Aの配置位置の場合に比較し、より多く検出することになり、中性子増倍率の推定におけるノイズを多く含むことになる。すなわち、中性子検出器Bの配置位置では、自発核分裂中性子をより正確に検出できるものの、中性子検出器自体では、自発核分裂中性子と中性子増倍率による中性子とを区別(識別)できないため、結果として中性子増倍率推定におけるノイズとなるのである。
本実施例では、以上の検討を踏まえ、燃料デブリ11による構造物の侵食の有無によって、中性子フラックスと中性子増倍率の関係がほぼ同一となる位置に、シミュレーションモデル上での中性子検出器及び実際に燃料デブリ11より発する中性子フラックスを測定する中性子検出器4を配置すれば良い。具体的には、シミュレーションの段階で、シミュレーションモデル上に複数の中性子検出器位置を設定し、さらに燃料デブリ11(溶融燃料)による構造物の侵食の有無もパラメータとして入力しシミュレーション部23にて、予め評価する。シミュレーションによる評価結果、侵食の有無による、中性子フラックスと中性子増倍率の関係の変化が最も小さい場所に、実際の中性子検出器4を配置すれば良い。これにより、過度な保守性を持つことなく、中性子増倍率の最大値を包絡する範囲を推定できる。
なお、本実施例では中性子検出器4で計測するデータを中性子フラックスとして評価したが、実施例1で説明したように、計数率(カウント/秒)など、中性子検出器4で計測できる量で、かつシミュレーションで評価できるものであればいずれを用いても良い。
また、実施例2で説明したように、燃料デブリ11の形状を把握できない例として、構造物の隙間に流れ込む場合にも同様に適用できる。
本実施例によれば、実施例2の効果に加え、シミュレーションモデル上での中性子検出器の配置位置及び実際の中性子検出器4の配置位置を最適化できると共に、過度な保守性を持つことなく、中性子増倍率の最大値を包絡する範囲を推定することが可能となる。
実施例1で示したように、燃料デブリ11のウラン濃縮度や構造物の物質の割合などは、燃料デブリ11をサンプリング分析し、その分析結果を適宜反映させてシミュレーション部23によるシミュレーションにより未臨界度の推定精度を向上できる。
本実施例では、燃料デブリ11の物質組成のパラメータの一つである、核燃料物質と水の混合割合について、例えば、ホウ素やガドリニウムなどの中性子吸収材を燃料デブリ11に近接させることで、より詳細なデータを得ることが可能となる。具体的には、核燃料物質に対して水の混合割合が多い場合には、中性子スペクトルが軟らかくなっている。ここで、中性子スペクトルが軟らかいとは、減速材である水の混合割合が多いと、中性子は減速されることにより、低いエネルギーレベルの中性子が多数を占めることになる。この状態を本明細書では、中性子スペクトルが軟らかいという。
従って、水の混合割合が高い場合は、水の混合割合が少ない場合と比較し、中性子吸収材を燃料デブリ11へ近接させた場合の中性子検出器位置での中性子数の減少が大きくなると考えられる。このように、中性子吸収材を用いた場合における、核燃料物質に対する水の混合割合により顕著に現れる相違を利用し、シミュレーション23によるシミュレーション評価結果と、実際の中性子検出器4での測定結果を比較することで、燃料デブリ11での核燃料物質と水の混合割合を推定する。
本実施例よれば、上述のように中性子吸収材を、燃料デブリ11に近接させる設備が必要になるが、燃料デブリ11の物質組成に関する情報を得ることができ、未臨界状態推定システム1による未臨界度の推定精度を向上することが可能となる。
なお、実施例1から実施例4においては、本発明の未臨界状態推定システム1を構成する画像取得部3及び中性子検出器4をそれぞれ1つ備えた構成を例に説明したが、これに限らず、画像取得部3及び/または中性子検出器4を複数数備える構成としても良い。
また、実施例1から実施例4において、図1に示すように、入力条件作成部22、シミュレーション部23及び未臨界推定部24を機能ブロックとして独立に構成する場合を例に説明した。これに限らず、1つあるいは複数並列接続されるプロセッサにて、ソフトウェア処理にて、これら3つの機能ブロック、入力条件作成部22、シミュレーション部23及び未臨界推定部24を実現しても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・未臨界状態推定システム
2・・・未臨界状態推定装置
3・・・画像取得部
4・・・中性子検出器
5・・・入力部
6・・・表示部
7・・・移動装置
8・・・作業台
9・・・第1の支持部材
10・・・第2の支持部材
11・・・燃料デブリ
12・・・原子炉建屋
13・・・原子炉格納容器
14・・・原子炉圧力容器
15・・・蒸気乾燥器
16・・・気水分離器
17・・・原子炉格納容器上蓋
18・・・原子炉圧力容器上蓋
19・・・ペデスタル
20a・・・第1の信号線
20b・・・第2の信号線
21・・・I/OIF
22・・・入力条件作成部
23・・・シミュレーション部
24・・・未臨界推定部
25・・・構造物データベース(構造物DB)
26・・・内部バス
30・・・トライヤ・セパレータプール
31・・・使用済燃料貯蔵プール
32・・・オペレーションフロア
33・・・圧力抑制室(ウェットウェル)
34・・・ベント通路
35・・・コンクリートマット

Claims (10)

  1. 燃料デブリの画像を取得し、取得画像に基づき3次元形状データを生成する画像取得部と、
    前記燃料デブリより発せられる中性子を測定する中性子検出器と、
    前記取得された画像データ及び3次元形状データに基づき前記燃料デブリの状態をシミュレーションし、シミュレーション結果及び計測された中性子に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界状態推定装置と、を備えることを特徴とする未臨界状態推定システム。
  2. 請求項1に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記未臨界状態推定装置は、
    前記画像データ及び3次元形状データにおける燃料デブリの境界を設定する入力条件作成部と、
    少なくとも、前記燃料デブリに関する核燃料物質の組成及び原子炉建屋内の構造物の組成を格納する構造物データベースと、
    前記設定された燃料デブリの境界及び前記構造物データベースに格納される組成に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出するシミュレーション部と、
    前記シミュレーション結果及び前記中性子検出器により測定された中性子に基づき、前記燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界推定部と、を有することを特徴とする未臨界状態推定システム。
  3. 請求項2に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記シミュレーション部は、シミュレーションモデル上での中性子検出器により得られる燃料デブリの中性子フラックスと中性子増倍率との関係を前記シミュレーション結果として出力し、
    前記未臨界推定部は、前記中性子検出器により測定された中性子フラックスと、前記中性子フラックスと中性子増倍率との関係から、前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記未臨界度として出力することを特徴とする未臨界状態推定システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記画像取得部が先端部に取り付けられた第1の支持部材と、
    前記中性子検出器が先端部に取り付けられた第2の支持部材と、
    前記1及び第2の支持部材を原子炉圧力容器内で鉛直方向に上下動可能とし、前記未臨界状態推定装置と電気的に接続される移動装置を備えることを特徴とする未臨界状態推定システム。
  5. 請求項2乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記燃料デブリが原子炉建屋内の構造物に侵食する状態において、前記シミュレーション部は、前記画像取得部からの構造物上の燃料デブリの3次元形状データにより得られる前記構造物上の燃料デブリの体積を用いて前記中性子増倍率を算出することを特徴とする未臨界状態推定システム。
  6. 請求項2乃至請求項4のうち、いずか1項に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記燃料デブリが原子炉建屋内の構造物に侵食する状態において、
    前記シミュレーション部は、シミュレーションモデル上の前記構造物に侵食する燃料デブリに対し、複数の中性子検出器の配置位置を設定し、当該設定された配置位置毎に、前記燃料デブリの中性子フラックスと中性子増倍率との関係を求め、当該求めた中性子フラックスと中性子増倍率の関係の変化が最小となる中性子検出器の配置位置を求めることを特徴とする未臨界状態推定システム。
  7. 請求項2に記載の未臨界状態推定システムにおいて、
    前記シミュレーション部は、シミュレーションモデル上での中性子検出器により得られる燃料デブリの中性子計数率と中性子増倍率との関係を前記シミュレーション結果として出力し、
    前記未臨界推定部は、前記中性子検出器により測定された中性子計数率と、前記中性子計数率と中性子増倍率との関係から、前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記未臨界度として出力することを特徴とする未臨界状態推定システム。
  8. 原子炉建屋内に存在する燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界状態推定方法であって、
    先端部に画像取得部が設置される第1の支持部材を、前記原子炉建屋内で鉛直方向に下降させ、前記画像取得部を前記燃料デブリの近傍に位置付ける工程と、
    先端部に中性子検出器が設置される第2の支持部材を、前記原子炉建屋内で鉛直方向に下降させ、前記中性子検出器を前記燃料デブリの近傍に位置付ける工程と、
    前記画像取得部により取得された前記燃料デブリの画像データ及び3次元形状データに基づき前記燃料デブリの状態をシミュレーションする工程と、
    ミュレーション結果及び前記中性子検出器による計測結果に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出し、前記燃料デブリの未臨界度を推定する未臨界度推定工程からなることを特徴とする未臨界状態推定方法。
  9. 請求項8に記載の未臨界状態推定方法において、
    前記シミュレーションする工程は、前記画像データ及び3次元形状データにおける燃料デブリの境界を設定する工程を含み、
    前記未臨界度推定工程は、少なくとも前記燃料デブリに関する核燃料物質の組成及び原子炉建屋内の構造物の組成を格納する構造物データベースを参照し、前記シミュレーション結果と前記中性子検出器による計測結果に基づき前記燃料デブリの中性子増倍率を抽出する工程を含むことを特徴とする未臨界状態推定方法。
  10. 請求項9に記載の未臨界状態推定方法において、
    前記画像取得部及び前記中性子検出器を前記燃料デブリの近傍に位置付ける工程の前に、前記原子炉建屋内の原子炉圧力容器の上方に作業台を設置し、前記第1及び第2の支持部材を上下動させると共に、作業台上を水平方向に移動可能な移動装置を、前記作業台に設置する準備工程を有することを特徴とする未臨界状態推定方法。
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