JP6251134B2 - 予測処理時間をユーザに予見させるための装置、予測処理時間をユーザに予見させるための方法、プログラム - Google Patents
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本明細書ではユーザがいくつかの操作を組み合わせて完成させる一つの命令で、入力を受け付ける際に何らかの閾値を設定できるものをコマンドと定義する。例えば、クリックというコマンドはマウスボタンを押す操作と、マウスボタンを押したままカーソルをほぼ動かさずに離す操作の組み合わせからなるコマンドである。クリックの場合、マウスボタンを押した後に一定時間ホールドしてからボタンを離す必要があるため、ホールドに必要な時間に対して閾値を設定することができる。なおクリックの場合、ボタンを離すタイミングで、クリックというコマンドが完了するものとする。本明細書では、単に「コマンド完了」、「コマンドが完了」あるいは「コマンド入力完了」などという場合には、ユーザがコマンドに必要な全ての操作を装置に入力し終わったことを意味するものとする。装置がコマンドの実行を完了した場合には「コマンド実行完了」または「コマンドの実行が完了」などと表現するものとする。本発明の予測処理時間呈示装置は、あるコマンドの実行に対して予測される処理時間を、コマンドの入力が完了する前にユーザに明示的、暗示的に伝えることによって、ユーザに処理時間に対する期待感を生成させ、処理時間のばらつきに拠る心理的ストレスを軽減することを目的とする。
処理時間予測部11は、所定のウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に入力される各コマンドの実行に必要な処理時間をコマンド入力領域ごとに予測する(S11)。ここで、コマンド入力領域とは、リンク、アプレットの開始ボタン、検索キーワードの入力領域など、ウェブサイト上に存在するユーザのコマンド入力を受け付ける任意の領域全般を指す。以下の実施例においては、コマンド入力領域の例としてリンクを用いる。
予測処理時間記憶部12は、コマンド入力領域の識別情報と当該コマンド入力領域について予測された処理時間(予測処理時間)とを対応付けて記憶する(S12)。図4を参照して予測処理時間記憶部12について説明する。図4は、予測処理時間記憶部12に記憶されるテーブルの例を示す図である。予測処理時間記憶部12は、ウェブブラウザ9が表示するウェブサイトデータ8に含まれるリンクの識別番号(A1,A2,A3)に対して、クリック(コマンド入力完了)からリンクの表示処理(コマンド実行処理)が完了するまでの予測処理時間(T1,T2,T3)を処理時間予測部11から取得して、図4のテーブルに示すように、これらを対にして記憶する(S12)。
呈示部13は、ウェブサイトデータに含まれる何れかのコマンド入力領域に対するユーザのコマンドが完了する前に、ウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に対応する予測処理時間を表現する刺激を各コマンド入力領域に関連付けて呈示する(S13)。刺激には、ユーザの五感に働きかける任意の刺激を用いることが出来る。刺激として用いやすいものには、例えば音、視対象、振動などが考えられる。
刺激を音とした場合、呈示部13は例えば、あるリンクがクリックされた瞬間(コマンド入力開始直後、コマンド完了前)のクリックの効果音を刺激として用いる。例えば呈示部13は、効果音の周波数を当該リンクに紐付けられた予測処理時間によって変更すればよい。例えば呈示部13は、紐付けられた予測処理時間が短いほど効果音のピッチを高く設定し、紐付けられた予測処理時間が長いほど効果音のピッチを低くして呈示する。
一方、刺激を視対象とした場合、各リンク(各コマンド入力領域)に関する表示を異ならせることにより刺激を呈示すればよい。例えば呈示部13は、予測処理時間を数値とし、これを刺激として対応するリンクの近傍に呈示してもよい。
また呈示部13は、予測処理時間に応じて、リンク(コマンド入力領域)の明度、色相、彩度のいずれかを異ならせることにより刺激を呈示してもよい。例えば、呈示部13は、対応する予測処理時間が短いほどリンクの色を明るくして表示し、対応する予測処理時間が長いほどリンクの色を暗く表示することができる。
また呈示部13は、予測処理時間に応じて、疑似3次元表示したリンク(コマンド入力領域)の疑似高さを異ならせることにより刺激を呈示することとしてもよい。この刺激の呈示方法について図5に例を示した。図5に示すように、呈示部13は、「○×ポータル」サイトに表示されたリンク「主要」「スポーツ」「経済」「政治」に対して、これらに対応する予測処理時間に応じて、各リンクの疑似高さを変更して呈示してもよい。このとき、予測処理時間が短いほど疑似高さを低くし、予測処理時間が長いほど疑似高さを高く呈示してもよい。
呈示部13は、刺激の呈示タイミングを例えばリンク(コマンド入力領域)の表示と同時とすることができる。この場合、刺激=視対象(数値、明度、色相、彩度、疑似高さ)のパターンと組み合わせれば好適である。例えば、刺激=数値である場合、呈示部13は、該当のウェブサイトデータがウェブブラウザ9によって呈示された瞬間に、当該ウェブサイトデータに含まれるリンク(コマンド入力領域)の近傍に対応する予測処理時間を数値化した刺激を呈示することができる。また例えば、刺激=明度である場合、該当のウェブサイトデータがウェブブラウザ9によって提示された瞬間に、呈示部13は当該ウェブサイトデータに含まれるリンクの明度を対応する予測処理時間に応じて異ならせて表示する。
呈示部13は、刺激の呈示タイミングを例えばリンク(コマンド入力領域)にカーソルを合わせた瞬間とすることができる。この場合、刺激は音であっても、視対象であっても好適である。刺激=音である場合、ユーザが該当リンクにカーソルを合わせた瞬間に、呈示部13はユーザがカーソルを合わせたリンクに設定された効果音を呈示する。例えば、刺激=明度である場合、ユーザが該当リンクにカーソルを合わせた瞬間に、呈示部13はユーザがカーソルを合わせたリンクに設定された明度で、リンクを表示する。また例えば、刺激=疑似高さである場合、ユーザが該当リンクにカーソルを合わせた瞬間に、呈示部13はユーザがカーソルを合わせたリンクに設定された疑似高さで、リンクを疑似三次元表示する。
呈示部13は、刺激の呈示タイミングを例えばリンク(コマンド入力領域)をクリックした瞬間とすることができる。この場合、刺激は音であっても、視対象であっても好適である。刺激=音である場合、ユーザが該当リンクをクリックした瞬間に、呈示部13は効果音を呈示する。例えば、刺激=明度である場合、ユーザが該当リンクをクリックした瞬間に、呈示部13は設定された明度でリンクを表示する。また例えば、刺激=疑似高さである場合、ユーザが該当リンクをクリックした瞬間に、呈示部13は設定された疑似高さでリンクを疑似三次元表示する。
コマンド閾値変更部23は、各コマンド入力領域に入力されるコマンドの操作に設定された閾値を対応する予測処理時間に基づいて変更する(S23)。
コマンド閾値変更部33は、各コマンド入力領域に入力されるコマンドの操作に設定された閾値を対応する予測処理時間に基づいて変更する(S23)。ここまでの動作は実施例2と同じである。次に、コマンド閾値変更部33は、何れかのコマンド入力領域に対してコマンドの入力が開始された場合に(S33A−Y)、コマンド入力が開始されたコマンド入力領域の識別情報と、コマンド入力が開始されたコマンド入力領域に入力されるコマンドの変更済みの閾値情報とを出力する(S33B)。
呈示部43は、コマンドが完了する前に、コマンドが入力されたコマンド入力領域に関連付けて閾値情報を表現する刺激を呈示する(S43)。例えば呈示部43は、コマンド閾値変更部33から識別情報と閾値情報とを取得し、ウェブブラウザ9が表示するウェブサイトデータに重畳させる形で、閾値情報を表現する刺激を呈示する。
上述の実施例1〜3の予測処理時間呈示装置1〜3は、処理の高速化のために、ユーザがあるリンク(コマンド入力領域)にカーソルを合わせた時点でそのリンク(コマンド入力領域)に紐付けられた予測処理時間を予測処理時間記憶部12から呼び出しても良い。
本発明の実施例1〜3の予測処理時間呈示装置1〜3によれば、ユーザにコマンドの実行に必要な予測処理時間を予見させることができる。一見同じに見えるコマンド(上記実施例では様々なリンクのクリック)でも処理時間が異なることをコマンド完了前に予見させることで、心理的ストレスを減少する。
Claims (11)
- 所定のウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に入力されるコマンドの実行に必要な予測処理時間をユーザに予見させるための装置であって、
前記コマンドをユーザが一つ以上の操作を組み合わせて完成する一つの命令とし、
前記操作には、ユーザによる操作の入力の程度が閾値以上であるときに有効とされる操作である、程度依存操作が含まれるものとし、
前記コマンドの実行に必要な処理時間を前記コマンド入力領域ごとに予測し、予測により得た処理時間を前記予測処理時間とする処理時間予測部と、
前記各コマンド入力領域に入力される前記コマンドに含まれる前記程度依存操作の前記閾値を、対応する前記予測処理時間が長ければ長いほど大きな値に変更するコマンド閾値変更部と、
を含む予測処理時間をユーザに予見させるための装置。 - 所定のウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に入力されるコマンドの実行に必要な予測処理時間をユーザに予見させるための装置であって、
前記コマンドをユーザが一つ以上の操作を組み合わせて完成する一つの命令とし、
前記操作には、ユーザによる操作の入力の程度が閾値以上であるときに有効とされる操作である、程度依存操作が含まれるものとし、
前記予測処理時間を、前記コマンド入力領域ごとに記憶する予測処理時間記憶部と、
前記各コマンド入力領域に入力される前記コマンドに含まれる前記程度依存操作の前記閾値を、対応する前記予測処理時間が長ければ長いほど大きな値に設定するコマンド閾値設定部と、
を含む予測処理時間をユーザに予見させるための装置。 - 請求項1または2に記載の装置であって、
前記程度依存操作は、ユーザによる前記操作の入力の程度が、力の大きさについての閾値以上であるときに有効とされる操作である
装置。 - 請求項1または2に記載の装置であって、
前記程度依存操作は、ユーザによる前記操作の入力の程度が、時間の長さについての閾値以上であるときに有効とされる操作である
装置。 - 請求項1から4の何れかに記載の装置であって、
前記予測処理時間と前記閾値とは、前記予測処理時間が大きくなるにつれて前記閾値の増加量が少なくなる関数の関係にある
装置。 - 請求項1から4の何れかに記載の装置であって、
前記予測処理時間と前記閾値とは、前記閾値の増加量が前記予測処理時間の対数関数の関係にある
装置。 - 請求項1から6の何れかに記載の装置であって、
変化を伴う刺激を呈示する呈示部を更に含み、
前記呈示部は、
前記程度依存操作についてのユーザによる入力が開始されたのを契機に、前記閾値が大きければ大きいほど前記変化の速度が遅い前記刺激を呈示する
装置。 - 所定のウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に入力されるコマンドの実行に必要な予測処理時間をユーザに予見させるための装置が実行する方法であって、
前記コマンドをユーザが一つ以上の操作を組み合わせて完成する一つの命令とし、
前記操作には、ユーザによる操作の入力の程度が閾値以上であるときに有効とされる操作である、程度依存操作が含まれるものとし、
前記コマンドの実行に必要な処理時間を前記コマンド入力領域ごとに予測し、予測により得た処理時間を前記予測処理時間とする処理時間予測ステップと、
前記各コマンド入力領域に入力される前記コマンドに含まれる前記程度依存操作の前記閾値を、対応する前記予測処理時間が長ければ長いほど大きな値に変更するコマンド閾値変更ステップと、
を含む予測処理時間をユーザに予見させるための方法。 - 所定のウェブサイトデータに含まれる各コマンド入力領域に入力されるコマンドの実行に必要な予測処理時間をユーザに予見させるための装置が実行する方法であって、
前記コマンドをユーザが一つ以上の操作を組み合わせて完成する一つの命令とし、
前記操作には、ユーザによる操作の入力の程度が閾値以上であるときに有効とされる操作である、程度依存操作が含まれるものとし、
前記予測処理時間を、前記コマンド入力領域ごとに記憶する予測処理時間記憶ステップと、
前記各コマンド入力領域に入力される前記コマンドに含まれる前記程度依存操作の前記閾値を、対応する前記予測処理時間が長ければ長いほど大きな値に設定するコマンド閾値設定ステップと、
を含む予測処理時間をユーザに予見させるための方法。 - 請求項8または9に記載の方法であって、
変化を伴う刺激を呈示する呈示ステップを更に含み、
前記呈示ステップは、
前記程度依存操作についてのユーザによる入力が開始されたのを契機に、前記閾値が大きければ大きいほど前記変化の速度が遅い前記刺激を呈示する
方法。 - コンピュータを、請求項1から7の何れかに記載の装置として機能させるためのプログラム。
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