JP6250420B2 - 負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、装着した使用者が受ける負荷に抗するために要する筋力を補助することによって支持する負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の技術分野に関する。
近年、使用者の行動に伴って人体における負荷に抗するための筋力を補助することによって支持する負荷支持装置が研究開発されている。典型的な負荷支持装置では、例えば、センサ類によって使用者の力、筋電位、加速度などを検知することにより動作を認識し、その認識結果に応じて、空気圧、油圧、モータなどを動力源とするアクチュエータから筋力を補助するための補助トルクを出力することにより、負荷支持を行う。
この種の負荷支持装置は様々な分野での活躍が期待されている。例えば特許文献1では、高齢者や歩行障害者などを使用者として対象にしており、健常側の足の歩行波形に基づいて、障害側の脚に設けられたリンク機構を駆動することにより、歩行動作をアシストする歩行介助システムが開示されている。また特許文献2では、更に着座部を有することにより、使用者の重量を受け止めつつ歩行運動を補助可能な歩行補助装具が開示されている。
特許第4686681号 特許第466644号
特許文献1及び2のように、歩行補助のために使用される負荷支持装置は、負荷の大きさが比較的小さいため、アクチュエータ等を含めた装置サイズを、例えば使用者が背中に背おうことが可能なレベルに軽量、且つ、コンパクトに構成しやすい。そのため、アクチュエータから出力する補助トルクは、装置重量(自重)をほぼ考慮することなく、使用者の接地面からの床反力と同等、若しくは、それ未満の比較的小さな補助トルクを出力するだけで済む。
ところで、この種の負荷支持装置として、重量物搬送などの重作業において通常の人体の筋力を増幅することを目的とする、いわゆるパワーアシストスーツがある。この場合、人体が受ける負荷が大きいため、筋力を増幅するためにアクチュエータ等を大型化する必要がある。また重量物を持ち上げる必要がある場合には、該重量物を支持するための上肢構造も必要となるため、装置サイズはより一層大型化してしまう。
使用者がこのような大型な装置を装着して歩行する場合、接地面から受ける床反力も大きくなるため、これに抗するための大きな補助トルクを出力する必要がある。このように床反力に抗するための補助トルクは、使用者の各脚について遊脚状態から立脚状態に切り替わるタイミングで適切に出力しないと、使用者にショックや違和感を与えてしまい、スムーズな動作が困難になってしまうという問題がある。
特に重量のあるパワーアシストスーツでは、遊脚状態においても自重を支持するための自重補償トルクを出力する必要がある。そのため、使用者の歩行状態に応じてアクチュエータからの出力トルクが大きく変動するため、上述のショックや違和感が発生しやすい。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、使用者にとってショックや違和感を抑制しながら筋力を増幅して負荷を支持可能な負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る負荷支持装置は上記課題を解決するために、使用者に装着されることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置であって、前記使用者の下肢に装着され、前記床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツと、接地面上の異なる位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する複数の床反力検知部と、前記駆動機構を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記複数の床反力検出部の検知値に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定し、遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで、前記駆動機構から補助トルクを出力することを特徴とする。
本態様によれば、下肢部パーツの接地面上の異なる位置に作用する床反力に基づいて、使用者の各脚の支持脚状態を判定することにより、遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで駆動機構から補助トルクを出力することで、使用者の筋力を補助することができる。特に複数の床反力検知部を互いに異なる位置に設けることで、歩行時における使用者の荷重移動に基づいて各脚の支持脚状態を精度よく判定することができるため、違和感やショックの少ない筋力増幅によってスムーズな負荷支持を実現することができる。
前記複数の床反力検知部は前記使用者の進行方向に沿って配列されており、前記制御部は、前記複数の床反力検知部の検知値の差分が予め設定された閾値未満になるタイミングで、前記補助トルクを出力するように前記駆動機構を制御するようにしてもよい。
この態様によれば、複数の床反力検知部を使用者の進行方向に沿って配列することによって、使用者の歩行時における荷重移動を精度よく検知することができる。人間工学に基づくと、歩行時に遊脚状態が立脚状態に移行するタイミングは、進行方向に沿って配列された複数の床反力検知部の検知値の差分が閾値未満になることによって、略等しくなるタイミングとして精度よく判定することができる。
また前記制御部は、前記複数の床反力検知部の検知値の時間微分の積の符号が反転した場合に、前記補助トルクを出力するように前記駆動機構を制御するようにしてもよい。
この態様によれば、複数の床反力検知部で検知された床反力の時間微分の積の符号が負であるか否かに基づいて、歩行時に遊脚状態が立脚状態に移行するタイミングを判定できるので、適切なタイミングで補助トルクを出力することができ、違和感やショックの少ない負荷支持を実現できる。
また前記制御部は、前記複数の床反力検知部の検知値について前記接地面上に予め設定された原点周りのモーメントを算出し、該モーメントの符合が反転した場合に、前記補助トルクを出力するように前記駆動機構を制御するようにしてもよい。
この態様によれば、複数の床反力検知部で検知された床反力から算出されたモーメントの符号に基づいて、歩行時に遊脚状態が立脚状態に移行するタイミングを判定できるので、適切なタイミングで補助トルクを出力することができ、違和感やショックの少ない負荷支持を実現できる。
この場合、前記原点を前記使用者の進行方向に沿って可変に調整する調整部を備えるようにしてもよい。
適切な補助トルクの出力タイミングは。例えば使用者自身(例えば足のサイズや歩き方等)や使用状況によって個人差がある。この態様では、モーメント算出の際に設定する原点の位置を可変にすることで、補助トルクの出力タイミングの微調整が可能となり、このような個人差による感覚の違いを補うことができる。
本発明の第2の態様に係る負荷支持装置は上記課題を解決するために、使用者に装着されることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置であって、前記使用者の下肢に装着され、前記床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツと、接地面上の異なる位置において前記前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する複数の床反力検知部と、前記複数の床反力検知部の検知値に基づいて、前記駆動機構から出力する補助トルクの目標値を算出する目標値算出部と、前記複数の床反力検知部の検知値に基づいて、前記使用者の左右脚に作用する床反力の比率に応じた分配係数を算出する分配係数算出部と、前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚について支持脚状態を判定し、遊脚状態の場合には0、立脚状態の場合には1を補正係数として算出する補正係数算出部とを備え、前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算することにより、前記駆動機構を制御するための指示値を生成することを特徴とする。
本態様によれば、使用者の各脚に作用する床反力を検知し、その結果に応じて算出した目標値に対して、分配係数及び補正係数を乗算することで、遊脚状態から立脚状態へ移行するタイミングで補助トルクを出力し、違和感やショックの少ないスムーズな負荷支持を行うことができる。
前記補正係数算出部は、前記複数の床反力検知部の検知値の差分を変数とするn次関数として連続的に変化するように、前記補正係数を算出するようにしてもよい。
この態様によれば、遊脚状態から立脚状態へ移行する際の補正係数の急激な変化を緩和できるので、より違和感やショックの少ないスムーズな負荷支持を行うことができる。
前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算した結果について、変化率が予め設定された所定範囲に制限するレートリミット処理を行った後に、ヤコビ行列を乗算することにより、前記指示値を生成するようにしてもよい。
この態様によれば、レートリミットブロック処理によって演算結果の変化速度を所定範囲内に制限することで、駆動機構に出力される指示値の変化も緩やかにすることができ、その結果、違和感やショックの少ない負荷支持を実現することができる。
前記使用者の上肢に装着されると共に前記下肢部パーツに連結され、搬送物を支持するための上肢部パーツを更に備えてもよい。
この態様によれば、搬送物を支持するための上肢部パーツを備えることによって、装置重量が大きい場合であっても、適切なタイミングで補助トルクを出力することで違和感やショックの少ないスムーズな負荷支持を行うことができる。
本発明の一態様に係る第1の負荷指示装置の制御方法は上記課題を解決するために、使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツを備えることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置の制御方法であって、接地面上の互いに異なる位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する工程と、前記検知した床反力に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定する工程と、前記判定結果に基づいて遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで、前記駆動機構から補助トルクを出力する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る第2の負荷指示装置の制御方法は上記課題を解決するために、使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツを備えることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置の制御方法であって、接地面上の互いに異なる位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する工程と、前記検知された床反力に基づいて、前記駆動機構から出力する補助トルクの目標値を算出する目標値算出工程と、前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚に作用する床反力の比率に応じた分配係数を算出する分配係数算出工程と、前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚について支持脚状態を判定し、遊脚状態の場合には0、立脚状態の場合には1を補正係数として算出する工程とを備え、前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算することにより、前記駆動機構を制御するための指示値を生成することを特徴とする。
これら第1及び第2の制御方法は、上述の第1及び第2の負荷指示装置(上記各種態様を含む)によって好適に実施される。
またこれら第1及び第2の負荷支持装置の制御方法は、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成してもよい。
本発明によれば、使用者にとってショックや違和感を抑制しながら筋力を増幅して負荷を支持可能な負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
実施例1に係るパワーアシストスーツの概略構成を示す斜視図である。 図1のパワーアシストスーツの装着状態を示す正面図である。 図1のパワーアシストスーツの装着状態を示す側面図である。 図1のパワーアシストスーツを構成する下肢部パーツを示す概略構成図である。 図1のパワーアシストスーツを構成する上肢部パーツを示す概略構成図である。 図5の上肢部パーツの正面図である。 図5の上肢部パーツの平面図である。 足センサ部の接地面上における床反力センサの配置を模式的に示す図である。 実施例1に係るパワーアシストスーツの制御系を機能ブロックとして示すブロック構成図である。 図9のブロック構成によって実施される制御方法を工程毎に示すフローチャートである。 実施例1に係るパワーアシストスーツを装着して歩行する際に床反力センサで検知される床反力の推移を示すグラフ図である。 左右脚が受ける床反力と補正係数との関係を示すグラフ図である。 実施例2に係るパワーアシストスーツを装着して歩行する際に床反力センサで検知される床反力の推移を示すグラフ図である。 実施例1に係るパワーアシストスーツの制御系を機能ブロックとして示すブロック構成図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
(実施例1)
ここでは本発明に係る負荷支持装置の一例として、重量物を搬送する際に使用されるパワーアシストスーツ10について説明する。図1は実施例1に係るパワーアシストスーツ10の概略構成を示す斜視図であり、図2及び図3は図1のパワーアシストスーツ10の装着状態を示す正面図及び側面図であり、図4はパワーアシストスーツ10を構成する下肢部パーツ11を示す概略構成図であり、図5はパワーアシストスーツ10を構成する上肢部パーツ12を示す概略構成図であり、図6及び図7は図5の上肢部パーツ12の正面図及び平面図である。
パワーアシストスーツ10は、使用者の下肢に装着可能な下肢部パーツ11、及び、該下肢部パーツ11の上部に連結されて使用者の上肢に装着可能な上肢部パーツ12を備える。下肢部パーツ11は、使用者の腰に装着される腰パーツ13、肩に装着される肩パーツ14、並びに、それぞれ使用者の左右脚に装着される脚パーツ15A及び15Bを備える。またパワーアシストスーツ10は、下肢部パーツ11を制御する下肢運動制御部16、各部の動力源である電力を供給するためのバッテリ17、及び、上肢部パーツ12を制御する上肢運動制御部18を備えている。
下肢部パーツ11を構成する腰パーツ13は、図2及び図3に示すように、腰装着部21、大腿駆動機構22A及び22B、並びに、大腿制御部23A及び23Bを備える。腰装着部21は、C型リング形状を有しており、使用者の腰の周囲に位置する。また、腰パーツ13は上肢運動制御部16及びバッテリ17が腰装着部21に取り付けられることによって構成され、使用者の背中側に配置されている。
尚、本実施形態では、下肢部パーツ11にのみバッテリ17を配置した場合を例示しているが、上肢部パーツ12にのみバッテリ17を配置してもよいし、下肢部パーツ11及び上肢部パーツ12の両方にバッテリ17を配置してもよい。
大腿駆動機構22A及び22Bは、腰装着部21の下方に連結されており、それぞれ使用者の左右側部に配置されている。大腿駆動機構22Aは、後述するように、脚パーツ15Aの大腿装着部41Aを腰装着部21に対して回動させることで、左脚の大腿の動作に応じて筋力を補助する。一方、大腿駆動機構22Bもまた、後述するように、脚パーツ15Bの大腿装着部41Bを腰装着部21に対して回動させることで、左脚の大腿の動作に応じて筋力を補助する。大腿制御部23A及び23Bは、それぞれ大腿装着部41A及び41Bに取り付けられており、大腿駆動機構22A及び22Bの駆動制御を行う。大腿駆動機構22A及び22B、並びに、大腿制御部23A及び23Bは、バッテリ17から供給される電力によって駆動される。
肩パーツ14は、肩装着部31、並びに、使用者の左右の方に掛止される左肩装着部32A及び右肩装着部32Bを備える。左肩装着部32A及び右肩装着部32Bは、使用者の背中側に配置される肩装着部31によって、腰パーツ13の腰装着部21に連結されている。
脚パーツ15A及び15Bは、それぞれ使用者の左右脚に対応して配置されている。左脚に対応する脚パーツ15Aは、大腿装着部41A、下腿装着部42A、足装着部43、下腿駆動機構44A、脚制御部45A、及び、足センサ部46Aを備える。
大腿装着部41Aは、使用者の左脚の大腿に沿って配置され、下腿装着部42Aは、使用者の左脚の下腿に沿って配置されている。大腿装着部41Aの一端は、腰パーツ13の腰装着部21に回動可能に連結されている。下腿装着部42Aの一端は、大腿装着部41Aの他端に回動可能に連結されており、下腿装着部42Aの他端は、回動軸47Aにより足装着部43Aに回動可能に連結されている。また、足装着部43Aは、使用者の左足部(足首から下の部分)に装着される靴部としても機能する。
大腿装着部41Aの一端には、図示しないクラッチが設けられており、該クラッチを介して大腿駆動機構22Aに接続されている。下腿装着部42Aの一端にもまた図示しないクラッチが設けられており、該クラッチを介して下腿駆動機構44Aに接続されている。
下腿駆動機構44Aは、大腿装着部41Aの他端に取り付けられており、下腿駆動機構44Aを大腿装着部41Aに対して回動させることで、筋力を補助する。脚制御部45Aは大腿装着部41Aに取り付けられており、下腿駆動機構44Aの駆動制御を行う。また、足センサ部46Aは、床面からの荷重(床反力)を検出する、本発明に係る「床反力検知部」の一例である。このような感圧センサ等を用いた床反力検知については、「薄型フォースセンサの基本性能評価と足底荷重計測への応用:生体医工学49巻1号(2011/2))」に記載されているため、適宜参照されたい。該下腿駆動機構44A、脚制御部45A及び足センサ部46Aは、バッテリ17から電力が供給される。
ここで図8は足センサ部46Aの接地面上における床反力センサ60の配置を模式的に示す図である。この例では、踵側から爪先側にかけて足センサ部46Aの接地面の全体にわたって複数の床反力センサ6060が配列されているおり、各床反力センサ6060の検知値は不図示の信号線を介して、補助トルクの出力制御を実施する大腿制御部23A及び脚制御部45Aに送信される。
尚、図8の例では床反力センサ60を足センサ部46Aの接地面全体に均一分布するように配置する場合を示しているが、これらの床反力センサ60は少なくとも使用者の前後方向(図8において上下方向)に沿った異なる位置にそれぞれ配置されていれば足りる。
一方、右脚に対応する脚パーツ15Bは、左脚パーツ15Aと同様に、大腿装着部41B、下腿装着部42B、足装着部43B、下腿駆動機構44B、脚制御部45B及び足センサ部46Bを備える。
大腿装着部41Bは、使用者の右脚の大腿に沿って配置され、下腿装着部42Bは、使用者の右脚の下腿に沿って配置される。大腿装着部41Bの一端は、腰パーツ13の腰装着部21に回動可能に連結されている。下腿装着部42Bの一端は、大腿装着部41Bの他端部に回動可能に連結されており、下腿装着部42Bの他端は、回動軸47Bにより足装着部43Bに回動可能に連結されている。また、足装着部43Bは、使用者の左足部(足首から下の部分)に装着される靴部としても機能する。
大腿装着部41Bは、一端側に図示しないクラッチが設けられており、該クラッチを介して大腿駆動機構22Bに接続されている。また、下腿装着部42Bは、一端側に図示しないクラッチが設けられており、該クラッチを介して下腿駆動機構44Bに接続されている。
下腿駆動機構44Bは、大腿装着部41Bの他端に取り付けられており、下腿駆動機構44Bを大腿装着部41Bに対して回動させることで、筋力を補助する。脚制御部45Bは大腿装着部41Bに取り付けられており、下腿駆動機構44Bの駆動制御を行う。また、足センサ部46Bは、床面からの荷重(床反力)を検出する、本発明に係る「床反力検知部」の一例である。例えばセンサとして例えば感圧センサやロードセルを用いることができる。該下腿駆動機構44B、脚制御部45B及び足センサ部46Bは、バッテリ17から電力が供給される。
足センサ部46Bもまた上述の足センサ部46Aと同様に、踵側から爪先側にかけて足センサ部46Bの接地面の全体にわたって複数の床反力センサ60が配列されているおり、各床反力センサ60の検知値は不図示の信号線を介して、補助トルクの出力制御を実施する大腿制御部23B及び脚制御部45Bに送信される。
尚、使用者に対する腰パーツ13、肩パーツ14、脚パーツ15A及び15Bの装着は、図示しないが、ラチェット式のロック装置を有する安全ベルトにより行い、安全ベルトにより腰回りと肩から腰に向かって縦方向に固定する。パワーアシストスーツ10の装着時には、ハンガーにかけておき、まず足先に装着し、次にハンガーにかけてあるパワースーツに体を預けるようにして装着する。パワーアシストスーツ10の脱衣時には、基本的にその逆の手順だが、非常時は、解除ボタンを押してロック装置を解除する。
このように下肢部パーツ11では、使用者の歩行状態に応じて右脚に対応する駆動機構22A及び44A、並びに左脚に対応する駆動機構22B及び44Bを制御することにより使用者の筋力を補助するための補助トルクが出力される。補助トルクは主に遊脚状態の際に自重を支持するためのトルクと、立脚状態の際に足装着部において接地面から受ける床反力に抗するためのトルクがあるが、以下の説明では、特段の記載がない限り、後者を意味することとする。
続いて図5乃至図7を参照して上肢部パーツ12の構成について説明する。上肢部パーツ12には上肢運動制御部18が取り付けられており、該上肢部パーツ12は、下肢部パーツ11の腰パーツ13に連結される連結部51、該連結部51に鉛直方向に沿って設けられるレール部52、該レール部52に沿って移動自在なアーム部53A及び53B、及び、上肢部駆動制御部54を備えて構成されている。連結部51は、腰パーツ13の腰装着部21に着脱自在となっている。
連結部51は、腰パーツ13の腰装着部21に背後側から密着し、複数のボルト61により固定されている。レール部52は、連結部51と一体に形成された指示板62にガイドレール63が鉛直方向に沿って固定されている。左右のアーム部53A及び53Bは、水平なフォーク部を有し、このアーム部53A及び53Bを連結する基部64がガイドレール63に沿って移動自在に支持されている。上肢部駆動制御部54は、アーム部53A及び53Bをレール部52に沿って移動可能である。
このように構成されたパワーアシストスーツ10は、上肢部パーツ12が下肢部パーツ11に対して着脱自在となっている。すなわち、上肢部パーツ12は、連結部51が腰パーツ13の腰装着部21に密着し、複数のボルト61により固定されている。すなわち、上肢部パーツ12は、複数のボルト61を弛緩することで、腰パーツ13から取り外すことができる。本実施例で、上肢部パーツ12は、昇降自在な左右のアーム部53A及び53Bを有するものとしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、マニピュレータやロボットハンドなど、作業の種類に応じて適宜設定し、下肢部パーツ11に装着することができる。
続いて、上記構成を有するパワーアシストスーツ10の駆動制御について説明する。本実施形態では特に、上肢部パーツ12にて重量物を支持した状態で下肢部パーツ12が接地側から受ける床反力に抗する補助トルクを出力する場合を例に説明する。尚、パワーアシストスーツ10を装着した使用者が動作を行った場合であっても、以下に説明する技術的思想を適用可能であることは言うまでもない。
ここでパワーアシストスーツ10の駆動制御は、大腿制御部23A、23B、及び、脚制御部45A、45Bからなる制御系70によって実施される。図9は実施例1に係るパワーアシストスーツ10の制御系を機能ブロックとして示すブロック構成図であり、図10は図9のブロック構成によって実施される制御方法を工程毎に示すフローチャートである。
制御系70は、複数の床反力センサ60の検知値を取得するデータ取得部71と、前記データ取得部71で取得した検知値に基づいて目標値を算出する目標値算出部72と、前記データ取得部71で取得した検知値に基づいて各脚について支持脚状態を判定する支持脚状態判定部73と、前記データ取得部71で取得した検知値に基づいて分配係数dを算出する分配係数算出部74と、前記データ取得部71で取得した検知値に基づいて補正係数α、αを算出する補正係数算出部75と、制御系70の制御対象である各駆動機構の出力制御用の指示値τを生成する指示値生成部76と、該生成された指示値τを各駆動機構に出力する出力部77とを備える。
まずデータ取得部71は足センサ部46A、46Bに設けられた複数の床反力センサ60から検知値を取得する(ステップS101)。目標値算出部72は、ステップS101で取得した検知値に基づいて、使用者の筋力を補助するために必要な全補助トルクの目標値Fを算出する(ステップS102)。例えば、目標値Fは、床反力センサ60の各検出値を合計することによって、使用者が受ける全床反力に抗するために必要な補助トルクとして求めるとよい。
分配係数算出部74は、ステップS101で取得した検知値に基づいて分配係数dを算出する(ステップS103)。ここで分配係数dは、目標値Fを左右脚に所定割合で分配するための比率であり、0<d<1である。具体的には、ステップS101で取得した検知値のうち右脚側の床反力センサ60の検知値合計をFR、右脚側の床反力センサ60の検知値合計をFLとすると、分配係数dは次式により求められる。

Figure 0006250420
続いて、ステップS102で求めた目標値Fと、ステップS103で求めた分配係数dとを用いることにより、次式から左右脚に対して出力すべき補助力F 、R を求める(ステップS104)。

Figure 0006250420
続いて支持脚状態判定部73は、ステップS101で取得した検知値に基づいて、左右脚についてそれぞれ遊脚状態或いは立脚状態かを判定し、遊脚状態にある場合には「0」、立脚状態にある場合には「1」を出力する(ステップS105)。
ここで支持脚状態判定部73における判定方法について、図11を参照しながら具体的に説明する。
尚、床反力センサ60は図8に示すように足センサ部46の接地面全体に亘って多数分布しているが、ここでは説明をわかりやすくするために、これらの床反力センサ60のうち踵側に配置された床反力センサ60hと爪先側に配置された床反力センサ60fの検知値を用いた判定方法について説明することとする。
図11は、実施例1に係るパワーアシストスーツ10を装着して歩行する際に床反力センサ60h及びfで検知される床反力の推移を示すグラフ図である。図11では、踵側に設けられた床反力センサ60hの検知値Fh、及び、爪先側に設けられた床反力センサ60fの検知値Ff、及び、これらの差分ΔF(=Fh−Ff)の時系列変化がそれぞれ示されている。
図11では歩行動作時の1サイクルが4つの期間I−IVに分割されている。まず期間Iでは、足センサ部46が接地しない状態(すなわち、床反力センサ60h及び60fともに検知値がゼロの状態)から、踵側から次第に接地する様子を示している。このとき、踵側の床反力センサ60hに遅れるように爪先側の床反力センサ60fの検知値が増加している。期間IIでは足センサ部46が踵側から接地した後、荷重が踵側からつま先側に移行する。このとき、踵側の床反力センサ60hと爪先側の床反力センサ60fの検出値は途中で逆転している。期間IIIでは、荷重が爪先側に移動した後に、踵側から足センサ部46が地面から離れる様子を示している。このとき、踵側の床反力センサ60hの検知値が略ゼロであると共に、爪先側の床反力センサ60fの検知値が減少している。期間IVでは足センサ部46が接地していない、いわゆる完全な遊脚状態を示しており、踵側の床反力センサ60h及び爪先側の床反力センサ60fは共に検知値がゼロとなっている。
ステップS105では支持脚状態判定部73は、このような各期間において踵側及び爪先側における床反力センサ60h及び60fの検知値の推移に基づいて、各脚が遊脚状態或いは立脚状態のいずれにあるかを判定し、支持脚状態が遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで、出力を「0」から「1」に切り替える。本実施例では特に、支持脚状態判定部73は、期間IIにおいて踵側の床反力センサ60hと爪先側の床反力センサ60fの検知値の差分ΔFが予め設定された閾値より小さくなることにより略等しくなった場合に、支持脚状態が遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングであるとみなして、出力の切換を行う。
補足して説明すると、床反力に抗して各駆動機構から出力される補助トルクは、遊脚状態にある脚が十分立脚状態になり、安定的に立脚状態を使用者自身がコントロール可能な状態(すなわち、倒れないように足裏(足センサ部46の接地面)上の重心を動かせる状態)において出力する必要がある。また遊脚状態から立脚状態に移行する際には、移行初期段階では、まず使用者がパワーアシストスーツ10による補助トルクなしに足裏を接地して、使用者自身が総重量の一部を支えた後に、補助トルクを出力することによって、ショックや違和感の少ないアシストが可能となる。すなわち、図11の矢印で示される時点を遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングであると判定し、支持脚状態判定部は出力を「0」から「1」に切り替える。
続いて補正係数算出部75はステップS101で取得した検知値に基づいて、左右脚に対応する補正係数αR、αLを算出する(ステップS106)。ここで図12は左右脚が受ける床反力と補正係数αR、αLとの関係を示すグラフ図である。図12の横軸は、右脚側が受ける全床反力F(すなわち、ステップS101で取得した検出値のうち右脚側を合計したもの)と左脚側の全床反力F(すなわち、ステップS101で取得した検出値のうち左脚側を合計したもの)との差分ΔF(=F―F)を示しており、縦軸はそれに応じた補正係数αR、αLの値を示している。
補正係数算出部75で算出される補正係数αR、αLは、差分ΔFに応じて0又は1の値を基本的に有するが、急激なトルク変化は使用者に違和感やショックを与える要因となる。そこで、図12に示すように、差分ΔFの変化に応じて補正係数αR、αLが変化する場合には、該ΔFを変数とするn(任意の自然数)次関数的に連続変化するように設定されている。これにより、遊脚状態から立脚状態に移行する際に補助トルクが急激に印加されることによる違和感やショックを軽減でき(いわゆるバンプレス効果が得られ)、スムーズな筋力補助が可能となる。
このように補正係数が乗算された後、指示値作成部76は更にヤコビ行列J(θ)を演算することによってトルク値を導出し(ステップS107)、立脚状態にある脚に対して出力される補助トルクの指示値τを算出する(ステップS108)。このように算出された指示値τは、出力部77から各制御部に出力されることによって、床反力に抗するための補助トルクが出力され、使用者の筋力が補助される。
以上説明したように本実施形態によれば、遊脚状態から立脚状態に移行した際に作用する床反力に抗するための補助トルクを、所定タイミングで出力することにより、ショックや違和感を抑制しながら、使用者の筋力を効果的に増幅補助することができる。
尚、パワーアシストスーツ10の装着時に受ける違和感やショックの感じ方は、個人差やパワーアシストスーツ10の使用状況にも依存するため、その都度、微調整可能に構成することが好ましい。具体的には、遊脚状態から立脚状態への移行タイミングを判定する基準となる上記閾値の大きさや補正係数が従う関数の次数nを使用者が任意に調整可能とすることで、このような微調整を可能にするとよい。
尚、本実施形態では各脚が立脚状態である場合に出力される補助トルク制御について説明したが、遊脚状態にある場合に出力される補助トルク(いわゆる自重補償トルク)制御に関しては、公知技術を用いるものとする。
(実施例2)
上記実施例1では、複数の床反力センサ60の検知値の差分ΔFが閾値未満になることで略等しくなった場合に、遊脚状態から立脚状態に移行したと判定して補助トルクの出力制御を行った。一方、遊脚状態から立脚状態への移行を、複数の床反力センサ60の検知値の時間微分の積の符号に基づいて判定することに特徴がある。すなわち、踵側に設けられた床反力センサ60hの検知値Fh、爪先側に設けられた床反力センサ60fの検知値Ffとすると、次式により求められる積Jの符号に基づいて支持脚状態が判定される。

Figure 0006250420
図13は、実施例2に係るパワーアシストスーツ10を装着して歩行する際に床反力センサ60h及び60fで検知される床反力の推移を示すグラフ図である。図13では、踵側に設けられた床反力センサ60hの検知値Fh、及び、爪先側に設けられた床反力センサ60fの検知値Ff、及び、これらの時間微分の積Jの時系列変化がそれぞれ示されている。
図13に示すように期間IIにおいて時間微分の積Jの符号が反転しており、遊脚状態から立脚状態に移行していることが判断される。実施例2では、このように時間微分の積Jの符号反転に基づいた判定を行うことにより、遊脚状態から立脚状態への移行を精度よく判定できる。特に上記実施例1では、歩行中の遊脚状態から立脚状態への移行と、例えば屈伸運動のように爪先から踵に向けて荷重が移行する場合等とを区別することが困難であるが、本実施例ではこのような問題も解決して、判定精度を控除することができる。
このように実施例2では上記実施例1と異なる判定方法を採用するため、図11及び図13における立脚状態への移行タイミングを示す矢印同士を比較すると、少なからずズレが存在することがわかる。どちらが使用者にとって違和感やショックが少ないかは、使用者個人の感覚やパワーアシストスーツの使用状況に依存するため、単純な優劣を一義的に述べることは難しい。そこで、実施例1及び実施例2に対応する制御をそれぞれアシストモードとして予め用意しておき、これを例えば切換スイッチなどによって使用者の好みに応じて適宜選択可能に構成するとよい。これにより、アシストスーツの使用状況や個人差に応じて、より適切な補助トルク制御を行うことができる。
(実施例3)
実施例3では、更に上記実施例1及び実施例2とは異なり、複数の床反力センサ60で検知された床反力に基づいて、接地面上に設定された原点の周りに作用するモーメントMを算出し、該モーメントMの符合が反転したか否かに基づいて、遊脚状態から立脚状態への移行を判定する点において特徴を有する。
ここで図8に示すように足センサ部46の接地面上に配置された複数の床反力センサ60の検知値をそれぞれFi(iは任意の自然数)とし、該接地面上に任意に設定された原点からの距離をそれぞれLiとすると、原点周りのモーメントMは次式により求められる。

Figure 0006250420
このように本実施例では、立脚の際に荷重中心が踵や爪先にある状態では床反力に抗するための補助トルクを使用者側が安定的に受け止めることが難しいことに鑑み、荷重中心が偏心していない状態、すなわちある原点に対するモーメントの符号が反転するモーメントゼロ近傍において、遊脚状態から立脚状態への移行を判定する。これにより、脚の爪先から踵に至るまで、略均一に荷重が分布した状態をもって、床反力に抗するための補助トルクを適切なタイミングで出力制御することができるので、使用者に与えるショックや違和感を効果的に抑制することができる。
尚、上記(4)式におけるモーメントMの演算では、接地面が鉛直方向に床反力を受けることを前提としているが、厳密には床反力は接地面に対して所定角度で斜めに作用する場合がある。そのため、より精度のよい判定を行うためには、床反力センサ60の検知値から床反力の垂直成分を求め、これをFiとしてモーメントMを算出することが好ましい。
尚、本実施例においてもパワーアシストスーツ10の使用状況や使用者によって、発生するショックや違和感の程度に対して個人差が考えられる。特に本実施例では、このような個人差を解消するために、モーメントMの演算基準となる原点の位置を、使用者の前後方向(図8において上下方向)に沿って可変に設定可能に構成するとよい。原点を調整する歳の具体的指標としては、例えば、パワーアシストスーツ10を装着した使用者の進行方向に対する荷重を取得しておき、制動状態(脚が床にグリップするよう静止する状態)と推進状態(脚をけり出すための力を次第に加える状態)の境界で立脚状態への移行がなされたと判定されて補助トルクが出力制御されるようにするとよい。
このような原点の位置調整は、自動的に行っても良いし、手動により行っても良い。後者の場合は特に、使用者が感覚的に調整を行いやすくするために、原点位置調整用のダイヤルなどを設けてもよい。
(実施形態4)
図14は実施例4に係るパワーアシストスーツ10の制御系70を機能ブロックとして示すブロック構成図である。本実施例では指示値生成部76においてヤコビ行列を用いた演算(図10のステップS107を参照)を行う前段に、レートリミットブロック78が設けられている点に特徴がある(他の構成は上述した図9と同様であるため、詳述は割愛する)。
レートリミットブロック78は、入力信号u(i)の1次微係数(すなわち単位時間あたりの変化速度)を、予め設定された範囲内に制限する機能ブロックである。具体的には、この1次微係数は次式により求められる。

Figure 0006250420
尚、t(i)は時間を示しており、u(i−1),t(i−1)は、前サンプリングにおける信号u(i)と時間t(i)である。
ここでレートリミットブロック78で1次微係数rateの範囲が、上限値(スルーレートの立ち上がりパラメータ)R、下限値F(スルーレートの立ち下がりパラメータ)Fを用いて、F<rate<Rの範囲に予め設定されている場合を例に説明する。まず(5)式で得られた1次微係数rateが上限値(スルーレートの立ち上がりパラメータ)Rより大きい場合、レートリミットブロック78の出力は次式により算出される。

Figure 0006250420
一方、(5)式で得られた1次微係数rateが下限値(スルーレートの立ち下がりパラメータ)Fより小さい場合、レートリミットブロック78の出力は次式により算出される。

Figure 0006250420
また、(5)式で得られた1次微係数rateが上限値(スルーレートの立ち上がりパラメータ)Rと下限値(スルーレートの立ち下がりパラメータ)Fとの間にある場合、レートリミットブロック78の出力は次式により算出される。

Figure 0006250420
このようにレートリミットブロック78において指示値生成部76の入力信号の変化速度を所定範囲内に制限することで、指示値生成部76において算出される指示値の変化も緩やかにすることができる。その結果、違和感やショックの少ない負荷支持を実現することができる。
本発明は、装着した使用者が受ける負荷に抗するために要する筋力を補助することによって支持する負荷支持装置、該負荷支持装置の制御方法、及び、該制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に利用可能である。
10 パワーアシストスーツ
11 下肢部パーツ
12 上肢部パーツ
13 腰パーツ
14 肩パーツ
15A、15B 脚パーツ
16 下肢運動制御部
17 バッテリ
18 上肢運動制御部
21 腰装着部
22A、22B 大腿駆動機構
23A、23B 大腿制御部
31 背装着部
32A 左肩装着部
32B 右肩装着部
41A、41B 大腿装着部
42A、42B 下腿装着部
43A、43B 足装着部
44A、44B 下肢駆動機構
45A、45B 脚制御部
46A、46B 足センサ部
51 連結部
52 レール部
53A、53B アーム部
54 上肢部駆動制御部
60 床反力センサ
70 制御系
71 データ取得部
72 目標値算出部
73 支持脚状態判定部
74 分配係数算出部
75 補正係数算出部
76 指示値生成部
77 出力部
78 レートリミットブロック

Claims (11)

  1. 使用者に装着されることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置であって、
    前記使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツと、
    接地面上の異なる位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する複数の床反力検知部と、
    前記駆動機構を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記複数の床反力検出部の検知値に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定し、遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで、前記駆動機構から補助トルクを出力し、
    前記複数の床反力検知部は前記使用者の進行方向に沿って配列されており、
    前記制御部は、前記複数の床反力検知部の検知値の時間微分の積の符号が反転した場合に、前記補助トルクを出力するように前記駆動機構を制御することを特徴とする負荷支持装置。
  2. 使用者に装着されることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置であって、
    前記使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツと、
    接地面上の異なる位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する複数の床反力検知部と、
    前記駆動機構を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記複数の床反力検出部の検知値に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定し、遊脚状態から立脚状態に移行するタイミングで、前記駆動機構から補助トルクを出力し、
    前記複数の床反力検知部は前記使用者の進行方向に沿って配列されており、
    前記制御部は、前記複数の床反力検知部の検知値について前記接地面上に予め設定された原点周りのモーメントを算出し、該モーメントの符合が反転した場合に、前記補助トルクを出力するように前記駆動機構を制御することを特徴とする負荷支持装置。
  3. 前記原点を前記使用者の進行方向に沿って可変に調整する調整部を備えることを特徴とする請求項に記載の負荷支持装置。
  4. 前記複数の床反力検知部の検知値に基づいて、前記駆動機構から出力する補助トルクの目標値を算出する目標値算出部と、
    前記複数の床反力検知部の検知値に基づいて、前記使用者の左右脚に作用する床反力の比率に応じた分配係数を算出する分配係数算出部と、
    前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚について支持脚状態を判定し、遊脚状態の場合には0、立脚状態の場合には1を補正係数として算出する補正係数算出部と
    を備え、
    前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算することにより、前記駆動機構を制御するための指示値を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の負荷支持装置。
  5. 前記補正係数算出部は、前記複数の床反力検知部の検知値の差分を変数とするn次関数として連続的に変化するように、前記補正係数を算出することを特徴とする請求項に記載の負荷支持装置。
  6. 前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算した結果について、変化率が予め設定された所定範囲に制限するレートリミット処理を行った後に、ヤコビ行列を乗算することにより、前記指示値を生成することを特徴とする請求項に記載の負荷支持装置。
  7. 前記使用者の上肢に装着されると共に前記下肢部パーツに連結され、搬送物を支持するための上肢部パーツを更に供えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の負荷支持装置。
  8. 使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツを備えることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置の制御方法であって、
    接地面上の互いに異なる前記使用者の進行方向に沿った複数の位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する工程と、
    前記検知した床反力に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定する工程と、
    前記互いに異なる前記使用者の進行方向に沿った複数の位置における検知値の時間微分の積の符号が反転した場合に、前記駆動機構から補助トルクを出力する工程と
    を備えることを特徴とする負荷支持装置の制御方法。
  9. 使用者の下肢に装着され、床反力に抗する補助トルクを出力する駆動機構を有する下肢部パーツを備えることにより、前記使用者に作用する負荷を支持する負荷支持装置の制御方法であって、
    接地面上の互いに異なる前記使用者の進行方向に沿った複数の位置において前記使用者に作用する負荷として前記床反力を検知する工程と、
    前記検知した床反力に基づいて前記使用者の支持脚状態を判定する工程と、
    前記互いに異なる前記使用者の進行方向に沿った複数の位置について前記接地面上に予め設定された原点周りのモーメントを算出し、該モーメントの符合が反転した場合に、前記駆動機構から補助トルクを出力する工程と
    を備えることを特徴とする負荷支持装置の制御方法。
  10. 記検知された床反力に基づいて、前記駆動機構から出力する補助トルクの目標値を算出する目標値算出工程と、
    前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚に作用する床反力の比率に応じた分配係数を算出する分配係数算出工程と、
    前記検知された床反力に基づいて、前記使用者の左右脚について支持脚状態を判定し、遊脚状態の場合には0、立脚状態の場合には1を補正係数として算出する工程と
    を備え、
    前記目標値に前記分配係数及び前記補正係数を乗算することにより、前記駆動機構を制御するための指示値を生成することを特徴とする請求項8又は9に記載の負荷支持装置の制御方法。
  11. 請求項8から10のいずれか一項に記載の負荷支持装置の制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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