JP6249234B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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本発明は、画像処理装置に関するものである。
画像処理の1つとしてバイラテラルフィルターによるフィルタリングがある(例えば特許文献1参照)。
図5は、縦3画素横3画素のフィルターサイズのバイラテラルフィルター演算の演算式を示す図である。
図5に示す式において、g(i,j)は、フィルタリング後の注目画素の画素値を示し、mおよびnは、主走査方向および副走査方向における注目画素(i,j)から周辺画素までの距離(画素数)を示しており、f(i,j)は、注目画素の画素値を示し、f(i+m,j+n)は、周辺画素の画素値を示している。また、σおよびσは、ガウス分布の標準偏差をそれぞれ示す。
特開2012−226399号公報
通常、バイラテラルフィルター演算は、エッジのコントラストを保存しつつ平均化を行う際に使用される。
一連の画像処理において、解像度変換などのためにバイリニア補間などで補間演算を行った後に、バイラテラルフィルター演算を行う場合、補間演算でエッジのコントラストが低下してしまうため、平均化フィルターとしてバイラテラルフィルターを使用しても、フィルタリング後の画像におけるエッジのコントラストが低下してしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、補間演算を行った後に平均化フィルタリングを施す場合において、フィルタリング後の画像におけるエッジのコントラストの低下を抑制する画像処理装置を得ることを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、複数のラインの画像データを記憶するラインメモリーと、前記ラインメモリー内の画像データを使用して、注目画素の画素値を導出するための補間演算を行う補間演算部と、前記補間演算で導出された前記注目画素の画素値を使用するとともに、前記補間演算が施されていない前記ラインメモリー内の画像データを周辺画素の画素値として使用して、前記周辺画素として前記補間演算により補間された画素を使用せずに、フィルタリング後の注目画素の画素値を導出するためのバイラテラルフィルター演算を行うフィルター演算部とを備える。
本発明によれば、補間演算を行った後に平均化フィルタリングを施す場合において、フィルタリング後の画像におけるエッジのコントラストの低下を抑制する画像処理装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す画像処理装置において使用される、縦3画素横3画素のフィルターサイズのバイラテラルフィルター演算の演算式の一例を示す図である。 図3は、補間前の画素の位置と補間後の画素の位置との対応関係の一例を示す図である。 図4は、図1に示す画像処理装置により実行される補間演算およびフィルター演算において、注目画素の位置に応じて参照される周辺画素を説明する図である。 図5は、縦3画素横3画素のフィルターサイズのバイラテラルフィルター演算の演算式を示す図である。
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示す画像処理装置は、フィルターサイズが主走査方向および副走査方向のそれぞれにおいて3画素であるバイラテラルフィルターの演算を行う。
図1において、ラインメモリー1−1〜1−3は、縦列に接続され、原画像の画像データを1ラインずつ順次記憶するメモリーである。ラインメモリー1−2に第i番目のラインが記憶されているとき、ラインメモリー1−1には第(i+1)番目のラインが記憶され、ラインメモリー1−3には第(i−1)番目のラインが記憶されている。
補間演算部2は、ラインメモリー1−1〜1−3内の画像データを使用して、注目画素の画素値を導出するための補間演算を行う。
例えばバイリニア補間演算を行う場合、注目画素が、副走査方向において第(i−1)番目のラインと第i番目のラインとの間に位置するときには、補間演算部2は、ラインメモリー1−1,1−2内の画像データを使用して、注目画素の周辺画素(4画素)の画素値に基づいて補間演算を行い、注目画素が、副走査方向において第i番目のラインと第(i+1)番目のラインとの間に位置するときには、補間演算部2は、ラインメモリー1−2,1−3内の画像データを使用して、注目画素の周辺画素(4画素)の画素値に基づいて補間演算を行う。なお、副走査方向において第i番目のライン上にある場合には、上記の2つの場合のいずれかに含めればよい。
フィルター演算部3は、補間演算部2における補間演算で導出された注目画素の画素値を使用するとともに、補間演算部2における補間演算が施されていないラインメモリー1−1〜1−3内の画像データを周辺画素の画素値として使用して、フィルタリング後の注目画素の画素値を導出するためのバイラテラルフィルター演算を行う。
図2は、図1に示す画像処理装置において使用される、縦3画素横3画素のフィルターサイズのバイラテラルフィルター演算の演算式の一例を示す図である。
一般的なバイラテラルフィルター演算では、注目画素と、参照すべき周辺画素との距離が、図5に示すように整数となるが、ここでは、補間後の注目画素について、補間前の画素が周辺画素として参照されるため、その代わりに、図2に示すように、主走査方向における注目画素と周辺画素との距離Lx(m,n)と、副走査方向における注目画素と周辺画素との距離Ly(m,n)とがバイラテラルフィルター演算において使用される。
また、図2に示す式において、f(0,0)には、補間後の注目画素の画素値が使用される。さらに、f(m,n)は、補間後の注目画素に最も近い補間前の画素から、主走査方向にm画素および副走査方向にn画素の距離にある周辺画素の画素値である。
このとき、フィルター演算部3は、補間演算で画素値が導出された注目画素と、補間演算が施されていない周辺画素との間のそれぞれの距離(上述のLx(m,n)の2乗とLy(m,n)の2乗との和の平方根)に基づいてバイラテラルフィルター演算を行う。
なお、Lx(m,n)およびLy(m,n)は、注目画素の位置および参照すべき周辺画素の位置に基づいて計算によって求めればよい。その場合、計算によって求めたLx(m,n)およびLy(m,n)をメモリーなどの記憶装置に記憶しておき、その後、注目画素が移動されていき、参照すべき周辺画素との間の距離が同一となる注目画素のときに、Lx(m,n)およびLy(m,n)の値を読み出して、バイラテラルフィルター演算に使用するようにしてもよい。
また、計算を簡単にするために、フィルター演算部3は、補間演算で画素値が導出された注目画素と、補間演算が施されていない周辺画素との間のそれぞれの距離が互いに同一であるものとして(つまり、1つの注目画素について、上述のLx(m,n)の2乗とLy(m,n)の2乗との和の平方根がmおよびnに拘わらず一定であるとして)、バイラテラルフィルター演算を行うようにしてもよい。
制御部4は、補間演算部2およびフィルター演算部3に対して注目画素を順番に指定する。
なお、補間演算部2、フィルター演算部3および制御部4は、専用回路としてハードウェアとして実現してもよいし、プロセッサーにプログラムを実行させてソフトウェアとして実現してもよい。
次に、上記画像処理装置の動作について説明する。
図3は、補間前の画素の位置と補間後の画素の位置との対応関係の一例を示す図である。図4は、図1に示す画像処理装置により実行される補間演算およびフィルター演算において、注目画素の位置に応じて参照される周辺画素を説明する図である。
ここでは、説明を簡単にするために、図3に示すように、解像度を2倍にする場合について説明する。なお、補間によって得られる画素の位置については特にこれに限定されるものではない。
制御部4は、まず、(補間後の解像度における)注目ラインを副走査方向に沿って順番に選択し、選択した注目ラインにおいて注目画素を主走査方向に沿って順番に選択していき、選択した注目画素を補間演算部2およびフィルター演算部3に対して指定し、補間演算部2およびフィルター演算部3は、その注目画素に対する補間演算およびバイラテラルフィルター演算を行う。
また、制御部4は、注目ラインの各画素のためのバイラテラルフィルター演算において参照される周辺画素を含む3ラインがラインメモリー1−1〜1−3にセットされるように、ラインメモリー1−1〜1−3に対する画像データの入出力を制御する。
補間演算部2は、図4に示すように、注目画素の画素値を、注目画素の周辺に位置する補間前の4画素を特定し、その4画素の画素値に基づく線形補間で補間後の画素の画素値を求める。
そして、フィルター演算部3は、図4に示すように、注目画素についてのバイラテラルフィルター演算を、補間後の注目画素の画素値と、8個の周辺画素の画素値とに基づいて行い、演算結果を出力する。
図4において、注目画素が(Xo,Yo)=(3,3)の画素である場合、ラインメモリー1−1には、Y=3のラインが記憶されており、ラインメモリー1−2には、Y=2のラインが記憶されており、ラインメモリー1−3には、Y=1のラインが記憶されている。そして、補間前の4画素((X,Y)=(1,1)、(X,Y)=(2,1)、(X,Y)=(1,2)、および(X,Y)=(2,2)の画素)の画素値に基づいて、補間後の(Xo,Yo)=(3,3)の画素の画素値が計算される。
そして、補間後の(Xo,Yo)=(3,3)の画素の画素値と、補間前の周辺8画素((X,Y)=(1,1)、(X,Y)=(2,1)、(X,Y)=(3,1)、(X,Y)=(1,2)、(X,Y)=(3,2)、(X,Y)=(1,3)、(X,Y)=(2,3)、および(X,Y)=(3,3)の画素)の画素値とに基づいて、バイラテラルフィルター演算が行われる。
このように、注目画素の副走査方向の位置Yoが3である場合、補間演算には、ラインメモリー1−3およびラインメモリー1−2に記憶されている画像データが使用され、バイラテラルフィルター演算には、ラインメモリー1−3、ラインメモリー1−2およびラインメモリー1−1に記憶されている画像データが使用される。
また、図4において、注目画素が(Xo,Yo)=(3,4)の画素である場合、ラインメモリー1−1には、Y=3のラインが記憶されており、ラインメモリー1−2には、Y=2のラインが記憶されており、ラインメモリー1−3には、Y=1のラインが記憶されている。そして、補間前の4画素((X,Y)=(1,2)、(X,Y)=(2,2)、(X,Y)=(1,3)、および(X,Y)=(2,3)の画素)の画素値に基づいて、補間後の(Xo,Yo)=(3,4)の画素の画素値が計算される。
そして、補間後の(Xo,Yo)=(3,4)の画素の画素値と、補間前の周辺8画素((X,Y)=(1,1)、(X,Y)=(2,1)、(X,Y)=(3,1)、(X,Y)=(1,2)、(X,Y)=(3,2)、(X,Y)=(1,3)、(X,Y)=(2,3)、および(X,Y)=(3,3)の画素)の画素値とに基づいて、バイラテラルフィルター演算が行われる。
このように、注目画素の副走査方向の位置Yoが4である場合、補間演算には、ラインメモリー1−2およびラインメモリー1−1に記憶されている画像データが使用され、バイラテラルフィルター演算には、ラインメモリー1−3、ラインメモリー1−2およびラインメモリー1−1に記憶されている画像データが使用される。
つまり、注目画素の副走査方向の位置Yoが3である場合も、注目画素の副走査方向の位置Yoが4である場合も、ラインメモリー1−1〜1−3に記憶されている画像データは互いに同一であるので、副走査方向の位置Yoが3である画素についての演算が完了した後、ラインメモリー1−1〜1−3に記憶されている画像データをシフトさせずに、副走査方向の位置Yoが4である画素についての演算が行われる。そして、副走査方向の位置Yoが4である画素についての演算が完了した後、ラインメモリー1−1〜1−3に記憶されている画像データを1ラインだけシフトさせて、副走査方向の位置Yoが5または6である画素についての演算が行われる。このようにして、補間後の各ラインについての画素値が計算される。
以上のように、上記実施の形態によれば、ラインメモリー1−1〜1−3は、複数のラインの画像データを記憶する。補間演算部2は、ラインメモリー1−1〜1−3内の画像データを使用して、注目画素の画素値を導出するための補間演算を行う。フィルター演算部3は、補間演算で導出された注目画素の画素値を使用するとともに、(補間演算が施されていない)ラインメモリー1−1〜1−3内の画像データを周辺画素の画素値として使用して、フィルタリング後の注目画素の画素値を導出するためのバイラテラルフィルター演算を行う。
これにより、補間演算を行った後に平均化フィルタリングを施す場合において、補間演算が行われる前の周辺画素値を使用しているため、フィルタリング後の画像におけるエッジのコントラストの低下が抑制される。
また、バイラテラルフィルター演算において参照される周辺画素として、補間後の画素を使用していないため、補間演算部2の後段に、補間後の画像全体を一旦保持するためのバッファーなどを設ける必要がなく、回路規模が少なくて済むとともに、低コストとなる。
また、補間演算部2とフィルター演算部3とがソフトウェアで実現される場合において、バイラテラルフィルター演算に使用される周辺画素のうち、補間演算に使用する画素と同一の画素については、プロセッサーが、補間演算に使用する画素の画素値を読み出した後、そのまま画素値を保持してバイラテラルフィルター演算に使用することで、その画素の画素値の読み出しを2度行わずに済み、ラインメモリー1−1〜1−3からの画素値の読み出しにかかる時間を減らすことができる。
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施の形態に係る画像処理装置を、スキャナー、複写機、複合機などの画像形成装置に内蔵し、画像処理装置により画像データを解像度変換した後にバイラテラルフィルターでフィルタリングし、フィルタリングした後の画像データに基づき印刷などを行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態ではフィルターサイズが3×3であるが、その代わりに、5×5またはそれ以上のフィルターサイズとしてもよい。例えば、5×5のフィルターサイズの場合、ラインメモリーを5本にすればよい。
また、上記実施の形態では、補間演算の一例としてバイリニア補間を挙げているが、バイキュービック補間など複数の画素値を使用して補間後の画素値を計算するものであれば、別の補間方法でもよい。
本発明は、例えば、画像形成装置における画像データのフィルタリングに適用可能である。
1−1〜1−3 ラインメモリー
2 補間演算部
3 フィルター演算部

Claims (3)

  1. 複数のラインの画像データを記憶するラインメモリーと、
    前記ラインメモリー内の画像データを使用して、注目画素の画素値を導出するための補間演算を行う補間演算部と、
    前記補間演算で導出された前記注目画素の画素値を使用するとともに、前記補間演算が施されていない前記ラインメモリー内の画像データを周辺画素の画素値として使用して、前記周辺画素として前記補間演算により補間された画素を使用せずに、フィルタリング後の注目画素の画素値を導出するためのバイラテラルフィルター演算を行うフィルター演算部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記フィルター演算部は、前記補間演算で画素値が導出された前記注目画素と、前記補間演算が施されていない周辺画素との間のそれぞれの距離に基づいて前記バイラテラルフィルター演算を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記フィルター演算部は、前記補間演算で画素値が導出された前記注目画素と、前記補間演算が施されていない周辺画素との間のそれぞれの距離が互いに同一であるものとして、前記バイラテラルフィルター演算を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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