JP6246337B2 - 回折多焦点眼用レンズおよび回折多焦点眼用レンズの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は上述の如き事情を背景としてなされたものであって、その解決課題とするところは、少なくとも3つの焦点を生成し得る回折型多焦点眼用レンズであって、焦点位置の設定自由度が大きい、新規な構造の回折型多焦点眼用レンズおよびその新規な製造方法を提供することにある。
上述の如き課題を解決すべく本発明者が研究を重ねた結果、前述の従来構造の回折レンズが内在する別の課題も認識するに至り、且つ、かかる別の課題についても、本発明によれば必要に応じて解決することが可能であることが明らかとなった。従って、本発明は、上述の課題を解決することに加えて、以下に記載の別の課題にも、必要に応じて適宜に対処することができるのである。
以下、本発明の説明に先立ち、本発明で用いられる語句などについて以下のように定義する。
そして、前述の[本発明が解決すべき課題]の解決を目指して為された本発明の特徴的な態様は、上述の定義された語句を用いて以下のように表される。
[A−1.標準フレネルゾーン設定式を用いた基本的態様]
前述のフレネルゾーン設定式である[数1]に基づき付加屈折力Pを与えるフレネルゾーンがあり、第n番目のゾーン半径が以下の[数13]で表されるとする。このゾーン領域をゾーン領域(1)とする。なお、以降の説明において特に断りのない限り、ゾーン半径とはゾーンの外径の半径のことを示すこととする。同様に前記[数1]に基づき付加屈折力P’を与える異なるフレネルゾーンをゾーン領域(2)とし、かかる領域の第m番目のゾーン半径は以下の[数14]で示されることとする。
ゾーン領域(2) ・・・ m=4Ω
ゾーン領域(2) ・・・ m=2Ω
前記[表1]において付加屈折力PをP=4Dとしたゾーン領域(1)に対して、ゾーン領域(2)の付加屈折力を前記[数15]に基づきa=4、b=5とし、P’=(4/5)×P=3.2Dとした場合の回折多焦点眼用レンズの一実施形態を具体的に示すものである。
ゾーン領域(1)の付加屈折力は実施例1と同じとし、ゾーン領域(2)の付加屈折力をa=3、b=5としてP’= (3/5)×P=2.4Dとした場合の例を示す。かかる例ではゾーン領域(1)のn=5番目のゾーン半径とゾーン領域(2)のm=3番目のゾーン半径が一致する。したがって回折構造の内側をゾーン領域(1)の第1から第5番目のゾーンで、そしてその外側にゾーン領域(2)の第4から6番目のゾーンを配した新たな回折構造を設定した。なお、ゾーン領域(2)のゾーン間隔は[数23]の標準設定式から定めた。かかる回折構造の詳細を[表3]に示した。また図4(a),(b),(c)にかかる回折構造の位相プロファイル24,26,28と図4(d)に光軸方向の強度分布30を示した。
ゾーン領域(1)の付加屈折力は実施例1と同じとし、ゾーン領域(2)の付加屈折力をP’= (2/3)×P=2.6667Dとして設定した。したがって、a=2、b=3となることから本例ではゾーン領域(1)のn=3番目と、領域(2)のm=第2番目のゾーン半径が一致する。ところで、一致するゾーン半径はかかるゾーン番号だけに限定されるものではなく、前記[数19]、[数20]に示すようにaとbの公倍数となるゾーン間でも一致する。[数19]、[数20]のΩをΩ=2とした場合、ゾーン領域(1)ではn=3×2=6番目、ゾーン領域(2)ではm=2×2=4番目のゾーン半径でも一致する。したがって本例ではかかる関係に基づき、回折構造の内側をゾーン領域(1)の第1から6番目のゾーンとし、その外側をゾーン領域(2)の第5から8番目のゾーンを配した新たな回折構造を設定した。かかる回折構造の詳細を[表4]に示す。また図5(a),(b),(c)にこの回折構造の位相プロファイル32,34,36と図5(d)に光軸方向の強度分布38を示す。
本例は前記実施例3と同じゾーン領域(1)、(2)の組合せを用いて実施例3とは異なるゾーン番号でゾーン領域(2)へ切り替え、再びゾーン領域(1)へ戻るという構成からなるものである。ゾーン領域(1)とゾーン領域(2)のゾーン半径が一致するのは、ゾーン領域(1)のn=3、6、・・・番目とゾーン領域(2)のm=2、4、・・・番目である。そこで、回折構造の内側をゾーン領域(1)の第1〜3番目とし、その外側にゾーン領域(2)の第3〜4番目のゾーンを配し、そしてさらにその外側に再びゾーン領域(1)の第7〜9番目のゾーンを配した構成としたものである。かかる回折構造の詳細を[表5]に示す。また、図6(a),(b),(c)にこの回折構造の位相プロファイル40,42,44と図6(d)に光軸方向の強度分布46を示す。
本例は、前記実施例2におけるゾーン領域(1)と(2)の設定の位置を逆にした例である。すなわち実施例2におけるゾーン領域(1)、(2)を本例ではゾーン領域(2)、(1)とそれぞれ逆転させ、ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=2.4Dとし、ゾーン領域(2)の付加屈折力をP’=(5/3)×P=4Dで設定したものである。ゾーン半径が一致するゾーン番号は実施例2と同じであるが、回折構造の内側が付加屈折力P=2.4Dのゾーン領域(1)の第1から第3番目のゾーンで、その外側に付加屈折力4Dのゾーン領域(2)の第6から第10番目のゾーンで構成されたものである。かかる回折構造の詳細を[表6]に示した。また、図7(a),(b),(c)にこの回折構造の位相プロファイル48,50,52と図7(d)に光軸方向の強度分布54を示す。
前記[表1]からも明らかなように、異なるゾーン領域(2)の間でゾーン半径が一致する組合せがある。たとえば、[表1]においてP’= 3Dとした場合の第3ゾーンと、P’= 2Dとした場合の第2ゾーンは同じゾーン半径となっている。これ以外にもいくつかの組で同一となるゾーン半径が存在する。
ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4Dとし、ゾーン領域(2)に関しては付加屈折力P1 ’=2.4DとP2 ’=3Dの二つのゾーンが構成単位となる複数のゾーンを用いた。なお、P1 ’=2.4Dのゾーン領域をゾーン領域(21 )、P2 ’=3Dのゾーン領域をゾーン領域(22 )と表記した。各ゾーン領域のゾーン半径を[表7]に示す。
前記実施例6においてゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4DからP=2.5Dに変更し、ゾーン領域(2)うちの2つのゾーン領域(21 )と(22 )に関しては実施例6と同様に、a1 =3、b1 =5、a2 =3、b2 =4で付加屈折力を設定した。かかる条件で設定した各ゾーン領域の付加屈折力は以下のようになる。
・ゾーン領域(22 ):P2 ’=(3/4)×P=1.875D
(ゾーン第一半径を任意に設定する場合等の設定式)
ゾーンの設定は、[数1]に限定されず他の設定式を用いることもできる。たとえば以下の[数32]に示す拡張設定式を用いることも本発明では可能である。
m)=(5, 5)、(14, 13)、・・・のゾーン番号で領域(1)と(2)のゾーン半径が一致する。また、(a, b)=(6, 7)でP’を設定した場合は(n, m)=(4, 4)、(11, 10)、(18, 16)、・・・でゾーン半径が一致する。
ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4D、第一番目のゾーン半径をr1 =0.3950mmとして[数32]を用いてゾーン領域(1)のゾーン半径を設定した。次にα=1として[数36]からゾーン領域(2)の第一ゾーン半径を求めたところr1 ’=0.1396mmとなった。かかる値を用いてゾーン領域(2)の付加屈折力がP’=(2/3)×P=2.6667Dとなるように(a, b)=(2, 3)として[数33]よりゾーン領域(2)のゾーン間隔を設定した。
ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4D、第一番目のゾーン半径をr1 =0.6033mmとして[数32]を用いてゾーン領域(1)のゾーン半径を設定した。かかる設定値は標準設定式で与えられるものよりも少し大きい値としている。本例ではα=0としてゾーン領域(2)の第一ゾーン半径を領域(1)と同じとした。かかる値を用いてゾーン領域(2)の付加屈折力がP’=(2/3)×P=2.6667Dとなるように(a, b)=(2, 3)としてゾーン領域(2)のゾーン間隔を設定した。
ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4D、第一番目のゾーン半径をこれまで通りの標準設定式で定めr1 =0.5225mmとした。拡張設定式におけるαをα=−1とし、[数43]に基づきゾーン領域(2)の第一ゾーン半径を求めたところr1 ’=0.6399mmとされた。ゾーン領域(2)の付加屈折力をP’=(4/5)×P=3.2Dとなるように[数33]にてゾーン領域(2)の間隔を求めた。かかる組合せでは[表13]よりゾーン領域(1)の第4番目と、ゾーン領域(2)の第3番目のゾーン半径が一致する。したがって回折構造の内側をゾーン領域(1)の第1〜4番目のゾーンで構成し、その外側にゾーン領域(2)の第4番目から6番目までのゾーンで構成した。かかる回折構造の位相プロファイル94,96,98の詳細を[表20]及び図13(a)〜(c)にそれぞれ示す。また、光軸方向の強度分布100を図13(d)に示す。
ゾーン領域(1)の付加屈折力、第一ゾーン半径、αは実施例10と同じとし、ゾーン領域(2)を異なる二種類の付加屈折力を与えるゾーン領域(21 )と(22 )で構成した。ゾーン領域(21 )の付加屈折力をP1 ’=(2/3)×P=2.6667D、ゾーン領域(22 )の付加屈折力をP2 ’=(4/5)×P=3.2Dとした。なお、領域(21 )と(22 )の第一ゾーン半径は[数43]より0.6399mmとされ、[数33]から各付加屈折力に対応したゾーン間隔を定めた。かかる組合せにおいては[表13]より、ゾーン領域(1)の第6番目とゾーン領域(21 )の第4番目のゾーン半径が一致する。また、領域(1)の第9番目のゾーン半径は、領域(21 )の第6番目と領域(22 )の第7番目のゾーン半径にそれぞれ一致することから、ゾーン領域(21 )の6番目と領域(22 )の第7番目のゾーン半径も一致することとなる。かかる関係から回折構造を以下のように設定した。回折構造の内側をゾーン領域(1)の第1から第6番目のゾーンで構成し、その外側にゾーン領域(21 )の第5と6番目のゾーンを配し、さらにその外側にはゾーン領域(22 )の第8と9番目のゾーンを配した。本例の回折構造の位相プロファイル102,104,106,108の詳細を[表21]及び図14(a)〜(d)に示す。またかかる回折構造の光軸方向の強度分布110を図14(e)に示す。
ここまではゾーン半径一致の条件としてゾーン領域(2)の付加屈折力P’を前記[数15]に基づき整数比で表すこととしてゾーン半径一致の条件を定めた。次にかかる整数比で定めることなく任意の付加屈折力でゾーン半径を一致させうる方法について説明する。
ゾーン領域(1)の付加屈折力をP=4D、第一ゾーン半径を標準設定式よりr1 =0.5225mmとした。ゾーン領域(2)の付加屈折力はP’=(1/√4.5)×P=1.8856Dとし、ゾーン領域(1)とゾーン領域(2)がゾーン番号(n, m)=(5, 3)で一致するように[数44]からゾーン領域(2)の第一ゾーン半径r1 ’を求めたところr1 ’=0.4547mmとなった。かかる第一ゾーン半径を基にゾーン領域(2)のゾーン間隔を[数33]から求めたところ[表23]に示すゾーン間隔となった。
ゾーン領域(1)の第一ゾーン半径をr1 =0.4mmとした他は実施例12と同じとした例について示す。この場合、実施例12と同じゾーン番号でゾーン半径が一致するためのゾーン領域(2)の第一ゾーン半径はr1 ’=0.3062mmとなった。それぞれの第一ゾーン半径に基づき[数32],[数33]から設定される両領域のゾーン間隔は[表24]の通りとなる。かかる関係から実施例12と同様にゾーン領域(1)と(2)を組み合わせたものを回折構造とした。本例の位相プロファイル120,122,124の詳細を[表24]及び図16(a)〜(c)に示す。また光軸方向の強度分布126を図16(d)に示す。実施例12と同様の強度分布を示すことが分かる。このようにゾーン領域(2)の付加屈折力を非整数比で表しつつ、ゾーン領域(1)の第一ゾーン半径を任意で変量してもゾーンの切り換えが可能となることが本例から分かる。
ゾーン領域(1)の付加屈折力、第一ゾーン半径をそれぞれP=4D、r1 =0.5225mmとし、ゾーン領域(2)の付加屈折力をP’=2.75Dで設定した。[数44]に基づきゾーン半径が一致するゾーン番号を(n, m)=(6, 4)となるようにゾーン領域(2)の第一ゾーン半径を求めたところr1 ’=0.6684mmとなった。[数32]、[数33]から求めた各領域のゾーン間隔は[表25]に示す通りとなる。かかるゾーン半径の一致の関係から回折構造の内側にゾーン領域(1)の第1から第6番目のゾーンを配し、その外側にゾーン領域(2)の第5から7番目のゾーンを配した。この回折構造の位相プロファイル128,130,132の詳細を[表25]及び図17(a)〜(c)に示す。また光軸方向の強度分布134を図17(d)に示す。ゾーン領域(1)と(2)の+1次回折光に基づき近方領域および中間領域に焦点を与えるピークが生成することが分かる。
前記[A]欄で説明したゾーン領域の切り換えは基本的には[数1]で定められるフレネルゾーン間隔で構成することを基本としている。しかし、場合によっては非フレネルゾーン間隔を構成の一部としてもよい。
付加屈折力をP=4D、第一ゾーン半径をr1 =0.5225mmとしたフレネル間隔において第2番目のゾーン半径から第5番目のゾーン半径に相当する区間を3等分し、等間隔とされたゾーンをそれぞれ第3、4、5番目のゾーンとした。かかるゾーン構成からなるものを本例ではゾーン領域(1)とした。ゾーン領域(21 )の付加屈折力をP1 ’=2.4D、ゾーン領域(22 )の付加屈折力をP2 ’=3Dとし、いずれも標準設定式を用いてかかる領域のゾーン間隔を定めた。かかる各領域のゾーン間隔を[表28]に示す。
付加屈折力をP=4D、第一ゾーン半径をr1 =0.5225mmとしたフレネル間隔において第2番目のゾーン半径から第6番目のゾーン半径に相当する区間を4等分し、等間隔とされたゾーンをそれぞれ第3、4、5、6番目のゾーンとした。かかるゾーン構成からなるものを本例ではゾーン領域(1)とした。ゾーン領域(21 )の付加屈折力をP1 ’=2.6667D、ゾーン領域(22 )の付加屈折力をP2 ’=3.2Dとし、いずれも標準設定式を用いてかかる領域のゾーン間隔を定めた。かかるゾーン間隔を[表29]に示す。
付加屈折力をP=3D、第一ゾーン半径をr1 =0.6033mmとしたフレネル間隔において第2番目のゾーン半径から第5番目のゾーン半径に相当する区間を3等分し、等間隔とされたゾーンをそれぞれ第3、4、5番目のゾーンとした。かかるゾーン構成からなるものを本例ではゾーン領域(1)とした。ゾーン領域(21 )の付加屈折力をP1 ’=1.8D、ゾーン領域(22 )の付加屈折力をP2 ’=2.25Dとし、いずれも標準設定式を用いてかかる領域のゾーン間隔を定めた。かかるゾーン間隔を[表30]に示す。
実施例16におけるゾーン領域(21 )から別の異なる付加屈折力を与えるゾーン領域(22 )への切り換えを一般設定式である[数45]に基づき行った。ゾーン領域(21 )の最外半径は1.4309mmであったので、この値を[数45]のrn とし、変更するゾーン領域(22 )の付加屈折力を3.8Dとし、かかる付加屈折力を[数45]のP’へ代入し、ゾーン領域(22 )のゾーン間隔を決定した。本例の回折構造の詳細を[表31]に示す。また光軸方向の強度分布166を図21に示す。なお、表中では、ゾーン領域(21 )の最外半径を、領域(22 )の第一ゾーン半径として表記してある。ゾーン領域(22 )の付加屈折力を3.8Dと変更したことにより実施例16と比較して近方視用ピークと中間視用ピークの強度がほぼ等しい強度分布となる。
実施例3に基づきゾーン領域(2)の構成の一部を等間隔ゾーンとした設定例を次に示す。実施例3におけるゾーン領域(2)の第6番目のゾーンを二等分して等間隔とされたゾーンを本例ではゾーン領域(2)の第6、7番目のゾーンとした。この際の等間隔ゾーンの間隔はΔr=0.0683mmとなる。ゾーンが二等分された結果、本例ではゾーン領域(2)の構成ゾーン数が一つ増えた仕様となる。かかる等間隔ゾーンが設定された以外は実施例3からの変更はない。本例の回折構造の位相プロファイル168,170,172の詳細を[表32]及び図22(a)〜(c)に示す。また光軸方向の強度分布174を図22(d)に示す。本例は実施例3の第6番目のゾーンが二等分されたものなので、間隔が狭くなったゾーンが二つ配されたプロファイルとなる。本例では、かかる等間隔ゾーンが配された影響から実施例3よりも中間領域のピークの強度が低減し、代わりに近方領域のピーク強度が増大する強度分布を示すものとなる。すなわち、実施例3では中間領域のピーク強度が増強されたものであったが、本例では実施例3のピーク位置を維持しつつ、中間領域のピークの強度を抑え、近方領域の強度を増強させた仕様となる。したがって、実施例3と比較して近方視に重点を置いた多焦点眼用レンズとして有用なものとなるのである。
位相定数hを変量した例として実施例4のプロファイルを対象としたものを次に示す。実施例4では中間領域のピーク強度が近方領域のそれよりも少し大きくなる特性を示した。本例では実施例4のピーク出現位置を維持したまま近方と中間領域のピーク強度比を変量する目的で位相定数hを変量した。本例の回折構造のゾーン半径は実施例4と同じとし、位相定数を[表33]に示すように変量した。かかる位相定数の変量に伴う回折構造の位相プロファイル176の詳細を[表33]及び図23(a)に示す。本例ではゾーン番号i=3と6番目のゾーンの位相定数をh=0.7とし、ゾーン番号i=4と5番目のゾーンの位相定数をh=0.3と変量したものである。本例の回折構造の強度分布178を図23(b)に示す。かかる位相定数の変量に伴い本例では、中間領域のピーク強度が減少し、近方領域のピーク強度が増加する強度分布を示すことが分かる。なお、各ピークの出現位置は実施例4と同じで位相定数を変量することによっても各ピーク強度の微調整が可能となることが分かるのである。
以上、本発明の技術思想について幾つかの代表的な実施例を示しつつ詳述してきたが、本発明は、これらの具体的な記載内容によって限定して解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えうるものであり、また、そのような態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである。
18,26,34,42,50,80,88,96,114,122,130,170:位相プロファイル(ゾーン領域(2))、
20,28,36,44,52,62,72,82,90,98,108,116,124,132,142,152,162,172,176:位相プロファイル(組み合わせ)、
58,68,104,138,148,158:位相プロファイル(ゾーン領域(21 ))、
60,70,106,140,150,160:位相プロファイル(ゾーン領域(22 ))
Claims (21)
- 同心円状の複数のゾーンから構成された回折多焦点眼用レンズにおいて、回折構造の一部または全部が、[数1]に基づき付加屈折力Pのフレネル間隔をもって設定されたゾーン領域(1)と、[数2]に基づき該ゾーン領域(1)とは異なる付加屈折力P’のフレネル間隔をもって設定されたゾーン領域(2)からなり、かつ、該ゾーン領域(1)のn番目のゾーン半径と該ゾーン領域(2)のm番目のゾーン半径は同一であって、該ゾーン領域(1)のn番目までのゾーンは該ゾーン領域(2)の内側に配され、該ゾーン領域(2)のm+1番目以降のゾーンは、該ゾーン領域(1)の第n番目のゾーンに隣接して外側に配されていることを特徴とする回折多焦点眼用レンズ。
- 前記ゾーン領域(2)が、互いに異なる付加屈折力P1 ’、P2 ’、・・・をもってレンズ径方向に複数あり、それら複数のゾーン領域(21 )、(22 )、・・・の互いにレンズ径方向で隣り合うもの同士が、互いに同一となるゾーン半径の位置で接続されることにより、該ゾーン半径位置で隣接して内周側と外周側に配されている請求項1に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記[数4]においてα=0である請求項4に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記回折構造において前記ゾーンの少なくとも二つの径方向で隣接するゾーンが等間隔とされた等間隔ゾーンを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記等間隔ゾーンが、前記ゾーン領域(1)内に配されていることを特徴とする請求項7に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記等間隔ゾーンが、前記ゾーン領域(1)の第(n−s)番目のゾーン半径地点から第(n−t)番目のゾーン半径地点の範囲に少なくとも二つ含む請求項8に記載の回折多焦点眼用レンズ。
ただし、0≦t< s< nであって、tおよびsは整数である。 - 前記等間隔ゾーンが、前記ゾーン領域(2)内に配されている請求項7〜9の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記等間隔ゾーンが、前記ゾーン領域(2)の第(m−s’)番目のゾーン半径地点から第(m−t’)番目のゾーン半径地点の範囲に少なくとも二つ含む請求項10に記載の回折多焦点眼用レンズ。
ただし、0≦t’< s’< mであって、t’およびs’は整数である。 - 少なくとも3つの焦点を生成することが可能である請求項1〜11の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記3つの焦点のうち一つは遠方視用焦点であり、他の一つの焦点が近方視用焦点であり、更に他の一つの焦点が中間視用焦点である請求項12に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記遠方視用焦点が回折構造の0次回折光によって与えられ、前記近方視用焦点及び中間視用焦点が+1次回折光で与えられる請求項13に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記少なくとも3つの焦点が、直径で1.2mm以上のレンズ開口径において生成する請求項12〜14の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記ゾーンが、光の位相を変調させうるための位相関数で特徴付けられた回折構造をもって形成されている請求項1〜15の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記位相関数が、ブレーズ形状の関数からなる請求項16に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 前記回折構造が、位相に相当する光路長を反映したレリーフ構造によって構成されている請求項1〜18の何れか一項に記載の回折多焦点眼用レンズ。
- 同心円状の複数のゾーンから構成された回折多焦点眼用レンズを製造するに際して、
目的とする付加屈折力Pを与える回折構造(1)を決定する工程と、
目的とする別の付加屈折力P’を与える回折構造(2)を決定する工程と、
前記回折構造(1)におけるゾーン半径と前記回折構造(2)におけるゾーン半径とが同じ半径位置rとなる、該回折構造(1)におけるn番目のゾーンと該回折構造(2)におけるm番目のゾーンをそれぞれ求める工程と、
該半径位置rの内周側に該回折構造(1)におけるn番目以下のゾーン領域を設ける一方、該半径位置rの外周側に該回折構造(2)におけるm+1番目以上のゾーン領域を設ける工程と
を、含むことを特徴とする回折多焦点眼用レンズの製造方法。 - 前記半径位置rを、装用者における瞳孔の最小径以上で且つ最大径より小さい半径範囲内で設定する請求項20に記載の回折多焦点眼用レンズの製造方法。
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