JP6246234B2 - 高いクラスター含有率を有するハイブリッドポリマー - Google Patents

高いクラスター含有率を有するハイブリッドポリマー Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーマトリックス中に、金属クラスターを高い又は非常に高い濃度で組み込む技術分野を扱う。更に特定して、本発明は、それらの発光性を保持して、ポリマーマトリックス中において高い又は非常に高い濃度で組み込まれうる発光性金属クラスターを扱う。
ホストマトリックス、更に特定してポリマーマトリックス中にクラスターを組み込むことは、すでに知られている。しかしながら、クラスターは周知の固体状態の化学技法(固体気体又は固体/固体反応、高温反応)によって得られるが、それらのセラミック様の挙動(硬質、脆性、非延性)により、今まで、実用的デバイスにおける特に光学的技法におけるそれらの使用はひどく阻まれてきた。
例えば、八面体の金属クラスターを、ポリマーマトリックス中に、「溶媒としてのモノマー」を用いる手法による還元によって分散することが知られている。この手法においては、八面体のモリブデンクラスターユニット、即ち[Mo6Cl8(OTf)6]2-の6個の弱く結合した頂点トリフレート(OTf)配位子が、N-ビニルイミダゾール(NVI)モノマー部分により置換されて[Mo6Cl8(NVI)6].(OTf)4が生ずる。置換後、[Mo6Cl8(NVI)6].(OTf)4は、不安定なNVIモノマー中に0.1又は0.5mol/Lの濃度で分散される。次に、改変されたモリブデンクラスター及びNVIは、ラジカルプロセスにより2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を使用して共重合される(Goldenら、Science、1995、268、1463)。
これはUS5,589,537にも記載されており、この特許は、[Co3(CO)9(C9H7)]及び[Rh22(CO)34(NVI)3]も重合性配位子に結合した金属クラスターの例として言及している。金属クラスターカチオンの例として、[Nb6Cl8(4-ビニルピリジン)6]4+、[Ta6Cl8(アクリルアミド)6]4+、[Pt38(CO)40(4-ビニルピリジン)4H2]2+、[Au13(p-ジメチルフェニルビニル)10Cl2]3+等が含まれる。これらのカチオンと共に使用するのに適当なアニオンの例には、PF6、(BPh4)4 4-、SO4 2-及びBPh4 4-(Phはフェニルである)が含まれる。
これらの金属クラスターユニットは、重合性有機溶媒に容易に溶解すること及び均一に分散することができる。これは、重合性有機溶媒の金属クラスターユニットに配位又は溶媒和する能力に基づくと考えられる。
これらの化合物の主要な欠点は、空間的転位の可能性がない金属クラスターに強く配位した重合性配位子の数と関連する。このことが、ポリマーマトリックス中に組み込まれうる金属クラスターの量を制限する。実際、高濃度においては、加工性を妨げる、過剰な架橋反応(網状化)が起こるであろう。更に、発光性となり得る[Mo6Cl8NVI6]4+は別として、他のものは発光性ではない。
Adamenkoら(Doklady Physical Chemistry、2001、381、275;Russian Chemical Bulletin、2002、51、994;Inorg. Mater、2004、40、306)は、[Mo6Cl8(CF3COO)6]2-の6個の不安定なトリフルオロ酢酸塩(CF3COO-)配位子の一部をアクリレート部分(CH2CHCOO-)で置き換えることによる同じ手法を使用して[Mo6Cl8(CF3COO)6-n(CH2CHCOO)n]2-を得た(nは1から3である)。得られた錯体は、次にメタクリル酸と共重合される。しかしながら、金属クラスターの発光性は、CF3COO-配位子の変化しやすさにより誘発される若干の分解により時間が経過した後失われる。
Shriverら(J. Coord. Ahem.、1996、37、119)は、[Mo6Cl8(OTf)6]2-及び[Mo6Cl8 iCl4 a(EtOH)2 a](iは内側の配位子及びaは頂点配位子を示す)をポリ(ビニルピリジン)に配位させて架橋した材料を生じさせた。ポリマーに結合したヘキサトリフレートクラスターは多くの[Mo6Cl8]4+に基づくクラスターの発光特性を欠くが、他のものはルミネッセンスを示すことが、遷移発光分光法により明らかになった。しかしながら、識別可能なガラス転移温度Tgを有しない非膨張性の材料が、高度の架橋、したがって加工性の欠如を示すクラスター/重合性配位子比が1:5以下で得られる。
スチレンとクラスターに配位したビニルピリジンとの共重合による、ポリスチレンらせん構造の側鎖における単官能化された八面体のレニウムクラスター(Re6)の導入が、Zhangら(J. Cluster Sci.、2003、14、449)により記載されている。しかしながら、このハイブリッドのルミネッセンス特性は報告されておらず、それは多分Re6クラスターの周囲におけるホスフィン配位子の導入が、そのルミネッセンスの量子収率における深刻な減少をもたらすからである。
US5,589,537
Goldenら、Science、1995、268、1463 Adamenkoら、Doklady Physical Chemistry、2001、381、275; Russian Chemical Bulletin、2002、51、994; Inorg. Mater、2004、40、306 Shriverら、J. Coord. Ahem.、1996、37、119 Zhangら、J. Cluster Sci.、2003、14、449 F. A. Cotton、Inorg. Chem. 1964、3、1217 M. Summers、J. Eastoe、S. Davis、Z. Du、R. M. Richardson、R. K. Heenan、D. Steytler、I. Grillo、Langmuir 2001、17、5388 Zhangら、J. Appl. Polym. Sci.、2001、121、2430 Progress in Organic Coatings、72 (2011)、305-314
本開発の1つの目的は、上で示した先行技術の欠点の少なくとも1つを克服することである。
この目的のために、発光性塩が提供される。この発光性塩は、金属クラスターアニオン及び有機カチオンを含み、該塩において、
該金属クラスターアニオンは、少なくとも2個の金属原子を有する金属クラスターを含み、該金属原子はモリブデン、レニウム、タングステン、タリウム及びニオブの中から選択され、
有機カチオンは、重合性官能基を含む少なくとも1つの置換基により置換されたカチオン性ヘッドを含む。
驚くべきことに、重合性部分にイオン結合により結合した金属クラスターアニオンを使用すると、金属クラスターが有機マトリックス中に10%以上の重量含有率で組み込まれることが可能になることが見出された。生じたポリマー材料は可溶のままである。それ故、生じたポリマー材料は、重合性部分単独のように容易に加工できる状態を保つ。更に、この発光性塩を使用して、金属クラスターは、高含有率(10重量%を超える)でさえ如何なる相分離もなく、ポリマーマトリックス全体にわたって均一に分散され、しかもそのルミネッセンス特性を保持する。これらのことは、重合性官能基を担持する金属クラスターアニオンと有機カチオンとの間のイオン結合は、上記有機カチオンが、金属クラスター周囲で動くことができるので、重合性官能基の位置取りをより柔軟性にするという事実に基づく。このことが架橋効果を相殺して材料の溶解性を保持する。
上記の発光性塩を有して重合されたポリマーマトリックスを含むポリマー材料も提供される。
1気圧で約0.09%から90%の範囲の気体酸素の濃度を検出するためにも上記の発光性塩の発光性プローブとしての使用も提供される。
その場における細胞の可視化及び薬剤放出のモニターなどの医学的プロセスのための発光性プローブとしての上記の発光性塩の使用も提供される。
オプトエレクトロニクス及び光源などのフォトニクスの要素においても、光学増幅器、レーザ供給源その他においても、又は保護ガラス中の、例えば波長が540nm未満の光を吸収する吸光性化合物としても、上記の発光性塩の使用が提供される。
太陽電池及び光起電性の系のために適当な変換層を製造するための光起電性改良剤としても、上記の発光性塩の使用が提供される。
工業的プロセス用の光触媒としても、上記の発光性塩の使用が提供される。
クラスターユニットの模式的表示であり、その金属クラスターは、8個の面キャッピング配位子(黒色ビーズ)及び6個の頂点配位子(白色ビーズ)により囲まれた6個の金属原子(八面体)を含む。 窒素雰囲気下において実施例のCM4(実線)、CM3(破線)及びCM2(点線)の熱重量分析(ATG/TD Perkin Pyris Diamond社)により得られた熱重量変化の記録を表示し、CM4、CM3及びCM2の固体相の質量を温度の関数として例示する図である(質量は初期質量の重量パーセンテージとして表される)。 窒素雰囲気下において実施例のCM4(実線)、CM3(破線)及びCM2(点線)の示差熱重量分析(ATG/TD Perkin Pyris Diamond社、10K/分の加熱速度で)により得られた熱重量変化の記録を表す図であり、これらのグラフは図2のグラフの1次導関数である。 405nmの照明に25℃で露出したときの、Fluorolog-3(商標)蛍光分光計(FL3-22、Horiba Jobin Yvon社)を用いて記録した、実施例のCM3(実線)及び[(n-C4H9)4N]2[Mo6Br14]粉末(破線)の固体状態のルミネッセンススペクトルを表す図である。 実施例の材料CM15(b)及びCM17(c)、並びに市販のPDMS材料(a)の1H-NMRを表す図である。 実施例のCM24(実線)、CM19(破線)、CM2(点線)及びCM14(破線-点線)の、400nmにおける照射下のルミネッセンススペクトルを示す図である。 実施例の400nmにおける照射下のCM19(点線)、CM20(破線)、CM21(破線-点線)及びCM22(実線)のルミネッセンススペクトルを示す図である。 実施例の400nmにおける照射下のCM6(実線)及びCM16(破線)のルミネッセンススペクトルを示す図である。
発光性塩
特に断りのない限り、「1つ又は2つ以上の」及び「1つ又は2つ」という言い回しは「1つ又は2つ以上の同一の又は異なった」及び「1つ又は2つの同一の又は異なった」の意味と解釈されるべきである。
発光性塩を下で説明する。
ルミネッセンスは、熱によらない物質による光の放出であり;このことがルミネッセンスを、加熱の結果として物質により放出された光である白熱放射から区別する。したがって、それは冷体放射の形態である。電子のエネルギーは、励起されてその基底レベルに戻る前に偏移する。電子がそれらのエネルギーの基底レベルに戻るときに、光が放出される。蛍光は、光の放出が励起の直後に、励起の通常10-9から10-6s後に起こる場合のルミネッセンスである。燐光は、光放出が、励起からより長い時間の経過後、通常10-3から10s後に起こる場合のルミネッセンスである。
「塩」により、それは、1個又は2個以上のカチオン及び1個又は2個以上のアニオンで構成されて、その結果生成物が電気的に中性である化合物と理解される。
この発光性塩は、金属クラスターアニオン及び少なくとも1個の有機カチオンを含む。
該金属クラスターアニオンは、少なくとも2個の金属原子を有する金属クラスターを含む。
金属クラスターの定義は、F. A. CottonによりInorg. Chem. 1964、3、1217において、「たとえ幾つかの非金属原子もクラスターと密接に結合しているとしても、主として又は少なくとも有意な程度に金属原子間の直接結合により、結合している金属原子の有限の群」として与えられている。
以下の記載において、「金属クラスター」は、共有結合で結合して一緒になり、金属-金属結合を形成する少なくとも2個の金属原子と理解される。金属-金属結合は、全ての金属原子における全ての価電子の非局在化を可能にする。金属クラスターの金属原子は多面体を形成する。各金属原子は、多面体の頂点(隅点)を占めると考えられる。
金属クラスターのアニオンは、まとめて内部配位子と称される、面キャッピング配位子及び/又は辺架橋配位子を少なくとも含むことができる。
「配位子」は、金属クラスターに結合して配位錯体を形成するイオン又は分子である。金属クラスターと配位子の間の結合は、配位子の電子対の1つ又は2つの形式的供与を通常含む。
「面キャッピング配位子」とは、多面体の1面の中心に垂直に配置された配位子である、即ち、配位子及び多面体の面心を通る仮想線はまさにその面と直交する。
「辺架橋配位子」とは、金属-金属結合の中央に垂直に配置された配位子である、即ち、配位子及び金属-金属結合の中央を通る仮想線は、まさにその金属-金属結合に垂直である。
金属クラスターアニオンは、頂点配位子を含むことができる。
「頂点配位子」は、多面体の頂点に面して位置する配位子である。
金属クラスター及び内部配位子は、本記載ではまとめて「クラスターコア」と称する。クラスターコア及び頂点配位子は、まとめて「クラスターユニット」と称する。
金属クラスターは、ナノメートルの、好ましくは約0.5nmから約20nmの間の、より好ましくは約0.5nmから約2nmの間のサイズを有する。
例えば、金属クラスターアニオンは、以下の式を有する:
[MaQbXc]d
(式中、Mは、金属クラスターの金属原子を表し、aは2から20、好ましくは2から12の範囲にあり、より好ましくは6であり、
Q及びXは配位子を表し、
Qは、面キャッピング配位子又は辺架橋配位子、好ましくは面キャッピング配位子を表し、bは3から30、好ましくは8から12の範囲にあり、より好ましくは8であり、
Xは、頂点配位子を表し、cは2から50の範囲にあり、好ましくは6であり、及び
dは、1から12、好ましくは2から4の範囲にある)。
Qは、ハロゲン、カルコゲン又はそれらの混合物でもよい。ハロゲン族は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)、又はそれらの混合物を含む。ハロゲンの中で、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びそれらの混合物が好ましい。最も好ましいハロゲンは、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びそれらの混合物である。より好ましくは、Qは臭素(Br)である。カルコゲン族は、酸素(O)、イオウ(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)、リバモリウム(Lv)又はそれらの混合物を含む。カルコゲンの中で、酸素(O)、イオウ(S)、セレン(Se)、テルル(Te)又はそれらの混合物が好ましい。最も好ましいカルコゲンはセレン(Se)である。
Qは、ハロゲン又はセレン(Se)であること;とりわけ塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)又はセレン(Se)であることが有利である。
Xは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)、炭素(C)、窒素(N)、イオウ(S)、ホウ素(B)、酸素(O)、水素(H)、シアノ(CN)、カルボキシレート及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明において、「カルボキシレート」はR1-COO基を意味し、ここで、R1は、C1〜C6アルキル基、とりわけC1〜C3アルキル基を表し、その中で1個又は数個の水素原子が、各々フッ素原子によって置き換えられうる。それは、特にC2F5COO基でもよい。
「C1〜C6アルキル」基、「C1〜C3アルキル」基は、それぞれ1から6個、1から3個の炭素原子を含む線状の又は分岐の飽和炭化水素鎖をそれぞれ意味する。
Xは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、シアノ(CN)及びカルボキシレートからなる群から選択されることが有利である。とりわけ、Xは、塩素(Cl)、臭素(Br)、シアノ(CN)及びカルボキシレート(C2F5COOなど)からなる群から選択される。
とりわけ、Xは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)、炭素(C)、窒素(N)、イオウ(S)、ホウ素(B)、酸素(O)、又は水素(H)、又はそれらの混合物からなる群から選択することができる。Xは、好ましくは、ハロゲン、より好ましくはBrである。
Mは、モリブデン(Mo)、レニウム(Re)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)及びそれらの混合物からなる群から選択されることが有利である。好ましくは、金属原子は、Mo、Re及びWから選択され、より好ましくは、金属原子はMo又はReであり、更により好ましくは、金属原子はMoである。これらの金属原子は、金属クラスター、クラスターコア又はクラスターユニット中に組み込まれると、発光性になる性質を有する。
一実施形態において、金属クラスターアニオンは、
- 好ましくはMo、Re及びW、より好ましくはMo及びRe、更により好ましくはMoからなる群から選択される6個の金属原子を含む金属クラスター、
- 好ましくはハロゲン、より好ましくはBrである8個の面キャッピング配位子、及び
- 好ましくはハロゲン、より好ましくはBrである6個の頂点配位子
を含む。
特定の実施形態によれば、金属クラスターアニオンは、式[M6Q8X6]d-を有し、M、Q及びXは前に定義したとおりである。
そのような金属クラスターアニオンは以下の構造を有する:
Figure 0006246234
(式中、
●はMを表し、
○はQを表し、及び
LはXを表す)。
有機カチオンは、重合性官能基を含む少なくとも1つの置換基により置換されたカチオン性ヘッドを含む。
好ましくは、該カチオン性ヘッドは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム、ヒドロキシホスホニウム及びスルホニウムからなる群から選択される。ピロリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム、ヒドロキシホスホニウム及びスルホニウムは、結局1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により置換することができる。イミダゾリウムも、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により置換することができる。
より好ましくは、カチオン性ヘッドは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、及びアンモニウムからなる群から選択され;とりわけイミダゾリウム又はアンモニウムであり、該イミダゾリウムは、1つのC1〜C3アルキル基、例えばメチルにより置換することができ(特に1個の窒素原子上で)、該アンモニウムは、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により置換することができる。特に、該カチオン性ヘッドは、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基、例えばメチル基により置換することができるアンモニウム、又はC1〜C3アルキル基、例えばメチルにより置換することができる(特に1個の窒素原子上で)イミダゾリウムである。更により好ましくは、該カチオン性ヘッドは、2つのC1〜C3アルキル基、例えばメチル基により置換されたアンモニウム、又はC1〜C3アルキル基、例えばメチルにより置換されたイミダゾリウム(特に1個の窒素原子上で)である。
特定の実施形態によれば、カチオン性ヘッドはアンモニウムであり、該アンモニウムは、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により更に置換することができる。更により好ましくは、該カチオン性ヘッドは、2つのメチル基により置換されたアンモニウムである。
上記の置換基は、末端部及びリンカーを含むことができる。この場合、リンカーは1から30個のメチレン基、好ましくは1から12個、例えば8から12個のメチレン基を有する。より長い鎖は可動性を増大させる。末端部は重合性官能基である。リンカーは、末端部をカチオン性ヘッドに連結する。
「メチレン」基は、本発明において、-CH2-基を意味する。
リンカーの少なくとも1つのメチレン基は、芳香族環、-O-、-CO-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OC(O)-、-CH=N-、-CH=N-、-C(O)NH-、-N=N-、-NH-CO-及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の原子又は原子団により置き換えることができる。特定の実施形態によれば、1つのメチレン基は、-OC(O)-により置き換えることができる。より好ましくは、置き換えられるメチレン基は、末端部に最も近いものである。リンカーの少なくとも1個の水素原子は、フッ素原子により更に置き換えることができる。置き換えるフッ素原子の数は、置き換えられる水素原子の数と等しい。
「芳香族環」は、本発明において、好ましくは6から10個の炭素原子を含む、1つ又は2つ以上の融合した環、例えば、フェニル基又はナフチル基を含む芳香族炭化水素基を意味する。それはフェニル基であることが有利である。
重合性官能基は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、アジド官能基(-N3)、メタクリレート官能基(-OC(O)-C(CH3)=CH2)、アクリレート官能基(-OC(O)-CH=CH2)、アミン官能基(-NH2)、カルボキシル官能基(-CO2H)、アルデヒド官能基(-CHO)、ヒドロキシル官能基(-OH)、アルコキシ官能基(-OR2、R2=C1〜C6アルキル)、ヨウ素原子(-I)、臭素原子(-Br)及び塩素原子(-Cl)からなる群から選択することができる。
「炭素-炭素二重結合」は、本発明において-CR3=CR4R5基を意味し、R3、R4及びR5は、互いに独立に、水素原子又はC1〜C6アルキル基を表す。
「炭素-炭素三重結合」は、本発明において、-C≡CR6基を意味し、R6は、水素原子又はC1〜C6アルキル基を表す。
アクリレート、メタクリレート、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合は、ポリマーマトリックスのポリマー又はモノマーとのラジカル重合のために好ましい。炭素-炭素三重結合及びアジド官能基は、ポリマーマトリックスのポリマー又はモノマーとのHuisgenカップリング反応のために好ましい。アミン、カルボキシル官能基は、ポリアミド合成、即ちナイロン6-6のために好ましい。
ヒドロキシル、アルコキシ官能基、臭素及び塩化物原子は、ポリマーマトリックスのポリマー又はモノマーとのアニオン性重合のために好ましい。
好ましくは、重合性官能基は、炭素-炭素二重結合(-CH=CH2など)、メタクリレート官能基(-OC(O)-C(CH3)=CH2)、アミン官能基(-NH2)又はヒドロキシル官能基(-OH)である。
特定の実施形態によれば、重合性官能基は炭素-炭素二重結合である。
カチオン性ヘッドは、1から30個のメチレン基、好ましくは1から15個、より好ましくは8から15個、例えば12個のメチレン基を含有する第2の置換基により更に置換することができる。第2の置換基のメチレン基の少なくとも1つは、芳香族環、-O-、-CO-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OC(O)-、-CH=N-、-CH=N-、-C(O)NH-、-N=N-、-NH-CO-及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の原子又は原子団により置き換えることができる。第2の置換基の少なくとも1個の水素原子は、フッ素原子により更に置き換えることができる。
したがって、第2の置換基は、式-A-Hの基であってよく、ここで、Aは、1から30個のメチレン基、好ましくは1から15個、より好ましくは8から15個、とりわけ10又は11個のメチレン基の鎖である。第2の置換基のメチレン基の少なくとも1つは、芳香族環、-O-、-CO-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OC(O)-、-CH=N-、-CH=N-、-C(O)NH-、-N=N-、-NH-CO-及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の原子又は原子団により置き換えることができる。第2の置換基の少なくとも1個の水素原子は、フッ素原子により更に置き換えることができる。好ましくは、メチレン基又は水素原子は、他の基又は原子により置き換えられていない。
第2の置換基は、C1〜C30アルキル基、例えばC1〜C15アルキル基、とりわけC10〜C15アルキル基でもよい。
第1の特定の実施形態において、有機カチオンは、好ましくは1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により置換された、より好ましくは2つのメチル基により置換されたアンモニウムであるヘッド、1から12個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、より好ましくは11個のメチレン基を有するリンカーを含み、該メチレン基の少なくとも1つは、-O-CO-により更に置き換えることができ、好ましくは末端部に最も近いものであり、末端部はC-C二重結合、例えば-C(CH3)=CH2である。アンモニウムは、1つのC1〜C15アルキル基、例えば、ウンデシル基又はドデシル基により更に置換することができる。
第2の特定の実施形態において、有機カチオンは、好ましくは、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基、例えば2つのメチル基及び1つのC1〜C15アルキル基、例えばウンデシル基又はドデシル基により置換されたアンモニウムであるヘッド、1から15個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、より好ましくは11個のメチレン基を有するリンカーを有し、末端部は、メタクリレート官能基(-OC(O)-C(CH3)=CH2)である。
第3の特定の実施形態において、有機カチオンは、好ましくは、1つ又は2つのC1〜C3のアルキル基、例えば、2つのメチル基及び1つのC1〜C15アルキル基、例えばウンデシル基又はドデシル基により置換されたアンモニウムであるヘッド、1から15個のメチレン基、好ましくは1から10個のメチレン基、より好ましくは1から5個のメチレン基、例えば3個のメチレン基を有するリンカーを有し、末端部は、アミン官能基(-NH2)又はヒドロキシル官能基(-OH)である。
第4の特定の実施形態において、有機カチオンは、好ましくは1つのC1〜C3アルキル基、より好ましくは1つのメチル基により、特に窒素原子上で置換されたイミダゾリウムであるヘッド、リンカーは、1から15個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、例えば9個のメチレン基を有し、末端部は、C-C二重結合、例えば-CH=CH2である。
更に特定して、発光性塩の有機カチオンは、以下の式を有することができる:
Figure 0006246234
(式中、
P1は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム、ヒドロキシホスホニウム又はスルホニウムからなる群から選択されるカチオン性ヘッドを表し;
P2及びP3はP1の置換基であり、
zは、0から12、好ましくは1から3、とりわけ1の範囲にあり;nは、1から12、好ましくは1又は2の範囲にあり;及びgは、1から4、好ましくは1の範囲にあり;
P2は、末端部と1から30個のメチレン基を有するリンカーとを含み、該末端部は重合性官能基であり、該リンカーは末端部をカチオン性ヘッドに連結し、
P3は1から30個のメチレン基を含有する)。
好ましくは、リンカーのメチレン基の少なくとも1つは、1つ又は2つ以上の芳香族環、-O-、-CO-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OC(O)-、-CH=N-、-CH=N-、-C(O)NH-、-N=N-、-NH-CO-及びそれらの混合物により置き換えられている。リンカーの水素原子の少なくとも1つも、フッ素原子により置き換えることができる。
重合性官能基は、炭素-炭素の化学的二重結合、炭素-炭素の化学的三重結合、アジド官能基、メタクリレート官能基、アクリレート官能基、アミン官能基、カルボキシル官能基、アルデヒド官能基、ヒドロキシル官能基、アルコキシ官能基、臭素原子及び塩素原子からなる群から選択することができる。
とりわけ、P3のメチレン基の少なくとも1つは、1つ又は2つ以上の芳香族環、-O-、-CO-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OC(O)-、-CH=N-、-CH=N-、-C(O)NH-、-N=N-,-NHCO-及びそれらの混合物により置き換えられている。
したがって、P1は、上で定義したカチオン性ヘッドに相当し、P2は、末端部及び上で定義したリンカーを含むカチオン性ヘッドの置換基であり、P3は、上で定義したカチオン性ヘッドの第2の置換基である。
したがって、発光性塩は、上で述べた同じ定義を有する以下の式を有することができる:
Figure 0006246234
(fは1から12の範囲にあり、d/gに等しい)。
特定の一実施形態において、金属クラスターアニオンは、
- 好ましくはMo、Re及びW、より好ましくはMo及びRe、更により好ましくはMoからなる群から選択される6個の金属原子を含む金属クラスター、
- 好ましくはハロゲン、より好ましくはBrである8個の面キャッピング配位子、及び
- 好ましくはハロゲン、より好ましくはBrである6個の頂点配位子
を含む。
この特定の実施形態の発光性塩の有機カチオンは、好ましくは、1つ又は2つのC1〜C3アルキル基により置換された、より好ましくは2つのメチル基により置換されたアンモニウムであるヘッドを含むことができ、リンカーは、1から12個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、より好ましくは11個のメチレン基を有し、該メチレン基の少なくとも1つ、好ましくは、C-C二重結合である末端部に最も近いものが、-O-CO-により更に置き換えられうる。
特定の実施形態によれば、この特定の金属クラスターアニオンと結合している、発光性塩の有機カチオンは:
- 好ましくは1つ若しくは2つのC1〜C3アルキル基により、例えば2つのメチル基及び1つのC1〜C15アルキル基、例えばウンデシル基若しくはドデシル基により置換されたアンモニウムであるヘッド、1から15個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、より好ましくは11個のメチレン基を有するリンカー、及びメタクリレート官能基(-OC(O)-C(CH3)=CH2)である末端部、又は
- 好ましくは、1つ若しくは2つのC1〜C3アルキル基、例えば2つのメチル基及び1つのC1〜C15アルキル基、例えばウンデシル基若しくはドデシル基により置換されたアンモニウムであるヘッド、1から15個のメチレン基、好ましくは1から10個のメチレン基、より好ましくは1から5個のメチレン基、例えば3個のメチレン基を有するリンカー、及びアミン官能基(-NH2)若しくはヒドロキシル官能基(-OH)である末端部、又は
- 好ましくは1つのC1〜C3アルキル基により置換された、より好ましくは1つのメチル基により、特に窒素原子上で置換されたイミダゾリウムであるヘッド、1から15個のメチレン基、好ましくは8から12個のメチレン基、例えば9個のメチレン基を有するリンカー、及び-CH=CH2などのC-C二重結合である末端部、
を有する。
クラスターコア/ユニットの性質(使用された金属原子、幾何学的形態、取り巻く配位子)に依存して、応用的観点から適当な性質の種々のタイプを予想することができる。多くの金属クラスターは、多くのタイプの反応に対して触媒活性を有することが知られている。
八面体のM6クラスター(M=Mo、W又はRe)は、赤色〜近赤外領域(約550nmから約950nm)で高度に発光性である。装置(device)の視点から、これらの八面体クラスターの広い吸収帯及び放出帯、大きいストークス偏位(約300nm)及び長い励起状態寿命により、独特の工学的利点が提供される。
更に、ルミネッセンスの寿命は、簡単な位相同期ループ構成(simple phase locked loop configuration)を使用して実施することができる位相判別技法を使用して容易にモニターすることができ、それにより嵩張る光学的蛍光計の必要を排除することができる。
これらの発光性塩の優れたルミネッセンス特性は、遠隔通信又は生医学的用途のために使用することができる。
これらの発光性塩中の金属クラスターは、1気圧において約0.09%から90%の範囲、医学的及び工業的プロセスのために重要な組成の範囲にある気体酸素の濃度を検出するために理想的な発光性プローブである。
オプトエレクトロニクス及びフォトニクスの要素(光源、保護ガラス、光学増幅器、レーザ供給源その他)も、有利に、これらの金属クラスターアニオンを含むことができる。
太陽電池及び光起電性の系において、これらの金属クラスターアニオンを含む変換層を構築して光起電性の収率を増大させることは可能である。
生医学的用途において、これらの金属クラスターアニオンの使用は、その場における細胞可視化、薬剤放出その他をモニターするために有利となりうる。
前に述べたように、金属クラスターアニオンは、光触媒として使用することができる。
ポリマー材料
上の発光性塩に組み込むポリマー材料をこの後で説明する。
ポリマー材料は、完成した構造内で分離して別個のままの、大きく異なった物理的及び/又は化学的性質を有する2つ以上の構成材料から作製される。ここで問題のポリマー材料において、ポリマーマトリックスは、容易に成形することができる支持体として機能する。発光性塩は、上でより詳細に述べた種々の用途のために、シグナルを発する素子として使用される。
ポリマー材料は、後で重合するために、1つ若しくは2つ以上のポリマー又はモノマーと上記の発光性塩とを混合することにより得ることができる。
ポリマーは、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカルバメート、ポリ塩化ビニル、又はそれらの混合物からなる群から選択することができる。該ポリマーは、ヒドリド末端のポリジメチルシロキサン(PDMS)であってもよい。
モノマーは、アミド、カーボネート、エチレン、エチレンナフタレート、エチレンテレフタレート、イミド、メチルメタクリレート、メタクリル酸、スチレン、ウレタン、カルバメート、塩化ビニル、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。モノマーは、1,6-ブタンジオールなどのジオール、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などのシアネート、又はヘキセンジアミン(HAD)などのジアミンであってもよい。
特定の実施形態によれば、ポリマーは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)であり、又はモノマーはメチルメタクリレートである。
ポリマー材料は、100wt%まで、好ましくは60wt%まで、より好ましくは50wt%まで、好ましくは約5から約50wt%、より好ましくは約10から約50wt%の発光性塩を含むことができる。重量パーセンテージは、ポリマー材料の合計重量に対して与えられる。
発光性塩の合成
アニオン及び上記の有機カチオンで構成され、有機カチオン前駆体と称する塩を、対カチオン及び上記の金属クラスターアニオンで構成され、金属クラスター前駆体と称する塩と混合する。上記の発光性塩は、有機カチオン前駆体と金属クラスター前駆体とのメタセシス反応により得られる。有機カチオン前駆体/金属クラスター前駆体の比は、金属クラスター前駆体のアニオンの電荷に依存して変化しうる。例えば、発光性レニウムクラスターは、式[Re6Q8L6]4-の4価アニオン種である。それらの電荷は、Cs+又はK+カチオンで釣り合わされているが、該カチオンは重合性カチオンにより置き換えられうる。
特定の実施形態によれば、有機カチオン前駆体のアニオンは、Br-などのハロゲン化物である。
更に他の特定の実施形態によれば、金属クラスター前駆体の対カチオンは、アルカリ金属カチオン又はヒドロニウムイオン(H3O+)である。
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Cs及びFrを含む。それは、特にK又はCsであることができる。
上記による発光性塩及び複合体材料の合成の例を下に示す。
I. 本発明による発光性塩の合成
化合物4
(SciFinderにより、ステップ1及び2は、M. Summers、J. Eastoe、S. Davis、Z. Du、R. M. Richardson、R. K. Heenan、D. Steytler、I. Grillo、Langmuir 2001、17、5388で初めて発表された)
1 エステル化(ステップ1)
Figure 0006246234
塩化メタクリロイル(0.92g、8.8mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)10mLに溶解し、11-ブロモ-1-ウンデカノール(2.0g、8.0mmol)及びトリエチルアミン(N(CH2-CH3)3)(0.87g、8.8mmol)の乾燥THF13mL中の攪拌溶液に滴下した。混合物を60℃で2.5時間攪拌した。冷却後、沈殿したトリエチルアミン塩酸塩(N(CH2-CH3)3-HCl)を濾過した。生成した濾液を蒸発させて、ジクロロメタン(CH2Cl2)中のカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製後、化合物1が無色液体として得られた(収率: 80%)。
化合物1:
Figure 0006246234
2. 四級化(ステップ2)
Figure 0006246234
得られた化合物1(1.3g、4mmol)、N,N-ジメチルドデシルアミン及び1mgの2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルメチルフェノール(重合阻害剤として)を、クロロホルム13mLに溶解し、次に60℃で72時間加熱した。冷却して、混合物を真空により3〜5mLに濃縮し、ジエチルエーテルを速やかに加えた。濁った溶液を-18℃に3日間保った(収率: 80%)。
化合物2:
Figure 0006246234
3. Cs2Mo6Br14とのメタセシス(化合物3)
Figure 0006246234
(上の反応において、黒色ビーズはMo原子を表し、白色ビーズ及びLはBr原子を表す)。
金属クラスター前駆体として使用した化合物3(1.97g、1mmol)を、アセトン20mL中で完全に溶解するまで攪拌した。有機カチオン前駆体として使用した化合物2(1g、2.20mmol)の溶液を、ジクロロメタンに溶解して、化合物3及びアセトンの上記の溶液に滴下した。混合物を2時間加熱した。形成されたCsBrを濾別して、有機溶液を真空下で乾燥した。乾燥後、化合物4が粘稠な油状物として得られた。
化合物4:
Figure 0006246234
EDS: セシウムなし。
化合物6
Figure 0006246234
化合物5(0.38g、0.23mmol)をEtOH(無水)5mLに溶解した。ジクロロメタン10mL中の化合物2(0.21g、0.5mmol)の溶液を、クラスター溶液に滴下した。混合物を1時間加熱して、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を最少量のアセトンに溶解し、セライト(登録商標)パッドを通して濾過した。アセトンを真空下で除去した。化合物6が黄色油状物として得られた。収率95%。
化合物6:
Figure 0006246234
化合物8
Figure 0006246234
化合物7(0.4g、0.19mmol)を、蒸留水5mLに溶解した。ジクロロメタン中の化合物2の溶液を、攪拌されている上記水溶液に滴下した。2相性の混合物を激しく1h攪拌した。相が分離するのに任せた後、有機相を集めて水で3回洗浄した。ジクロロメタンを真空で除去して化合物8を暗赤色の固体として得た。収率95%。
化合物8:
Figure 0006246234
化合物11
1. メチルイミダゾールのアルキル化(Zhangら、J. Appl. Polym. Sci.、2001、121、2430)
Figure 0006246234
11-ブロモ-1-ウンデセン(2.0g、8.58mmol)及び1-メチルイミダゾール(0.59g、7.17mmol)を、CHCl325mLに溶解し、溶液を50℃で15h攪拌した。溶媒を真空で除去すると粘稠液体が生じた。該液体をシクロヘキサン/酢酸エチル(1:1v/v)の混合物で5回洗浄した。化合物9を真空下で乾燥して粘稠な無色油状物を得た。収率66%。
化合物9:
Figure 0006246234
2. Cs2Mo6I8(C2F5COO)6とのメタセシス(化合物10)
Figure 0006246234
クラスター前駆体の化合物10(2g、0.70mmol)を、無水アセトン20mLに溶解した。無水アセトン5mL中のイミダゾリウム塩、化合物9(0.45g、1.4mmol)の溶液を、クラスターの溶液に加えた。混合物を室温で1h攪拌した。アセトンをロータリーエバポレーター中で蒸発させた後、混合物をジクロロメタンに溶解した。この溶液を、セライト(登録商標)パッドを通して濾過した。溶媒を蒸発させると、化合物11が橙赤色の粘稠液体として生じた。収率97%。
化合物11:
Figure 0006246234
化合物12
Figure 0006246234
化合物5(2g、1.2mmol)をEtOH(無水)15mLに溶解した。ジクロロメタン10mL中の化合物9(0.77g、2.4mmol)の溶液をクラスター溶液に滴下した。混合物を1時間加熱して、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を最少量のジクロロメタンに溶解し、セライト(登録商標)パッドを通して濾過した。ジクロロメタンを真空下で除去した。化合物12が黄色粉末として得られた。収率92%。
化合物12:
Figure 0006246234
化合物14
1. ヒドロキシ末端アンモニウム塩の合成(Progress in Organic Coatings、72 (2011)、305-314)。
Figure 0006246234
3-ジメチルアミノプロパノール(1.55g、15mmol)及び11-ブロモウンデカン(3.06g、13mmol)を混合して80℃で30分間還流させた。反応混合物を室温に冷却して、1:3(v/v)プロパノール:メタノールをフラスコに注いだ。80℃で12h反応させた後、溶媒を蒸発させて生成物をジエチルエーテルで2回洗浄することにより精製した。収率82%。
化合物13:
Figure 0006246234
2. Cs2Mo6I8(C2F5COO)6とのメタセシス
Figure 0006246234
化合物13(1.2g、35mmol)をアセトンに溶解した。フッ素化されたクラスター(0.5g、17.6mmol)のアセトン中の溶液を加えて、混合物を1h攪拌した。アセトンを除去して残渣をジクロロメタンに溶解し、溶液をセライト(登録商標)を通して濾過した。溶媒を蒸発させて、暗橙色の油状物を得た。収率=92%。
化合物14:
Figure 0006246234
化合物16
1. アミンのアルキル化
Figure 0006246234
3-ブロモプロピルアミン(1.1g、5mmol)及びN,N-ジメチルドデシルアミン(1.1g、5.1mmol)をエタノール12.5mLに溶解した。反応物をAr下において還流下で40h加熱した。溶液を冷却し、酢酸エチルを加えて化合物を沈殿させた。白色固体を濾別して最少量の水に溶解し、水酸化カリウムを、pHが10になるまで加えた。水を蒸発させて、生成物をエタノール/THFの混合物中で精製した。溶媒を蒸発させて残渣をジクロロメタンに溶解し、ジエチルエーテル中-18℃で沈殿させた。収率38%。
化合物15:
Figure 0006246234
2. Cs2Mo6I8(C2F5COO)6とのメタセシス
Figure 0006246234
化合物15(0.25g、70mmol)を、エタノールに溶解して化合物10(1g、35mmol)のアセトン中の溶液に加えた。混合物を1h攪拌して溶媒を蒸発させた。残渣をジクロロメタンに溶解して、セライト(登録商標)パッドを通して濾過した。溶媒を蒸発させると橙色固体が生じた。収率=96%。
化合物16:
Figure 0006246234
II. 本発明によるポリマー材料の合成
Moクラスターを含有するPMMA材料の合成
化合物4を、蒸留されたメチルメタクリレート(MMA)に溶解した(1wt%から50wt%)。ラジカル開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加えた(0.2wt%)。生じた溶液を80℃で2時間超音波処理した。次に、溶液をオーブン中に60℃で48時間置いた。透明な固体の複合体材料が得られた。
下のTable 1(表1)に4つの試料の測定された性質を示す。化合物4の分解温度(Td)及び生じた材料の合計重量に対する材料中の重量パーセンテージを、TGA Perkin Pyris diamondを10K/分の加熱速度で使用して熱重量分析分析(TGA)により計算する。ガラス転移温度(Tg)を、内部冷却装置を備えたNETZSCH DSC 200 F3装置を10K/分の加熱及び冷却速度で使用して、示差走査熱量測定により測定した。
Figure 0006246234
CM1、CM2、CM3及びCM4は全て、CHCl3に可溶であった。PMMAマトリックス中に、共有結合で連結された重合性6つの官能基(頂点配位子)を含む、0.36wt%(生じた材料の合計重量に対して)の金属クラスターユニットを組み込むことを試みた結果、生じた材料はCHCl3に可溶ではなかった。
図2及び図3にも示したように、分解温度は、CM1からCM4の全ての試料について同じであり、化合物4の50wt%又は10wt%がそれぞれCM4及びCM3ポリマーマトリックスに効果的に導入された。
図4、及び下のtable 2(表2)に示したように(xcはルミネッセンスの最大における波長を示し、wは発光性ピークの最大の半分における全幅を示し、R2は固体状態のルミネッセンスのガウスモデルの補正係数を示し: y=y0+A・exp(-0.5-((x-xc)/w)2)、与えられたパラメータxc及びwがより正確であるほどR2は1に非常に近くなる)、Cs2Mo6Br14(化合物3)の粉末と比較して、金属クラスターはそれらのルミネッセンス特性をポリマーマトリックス内で保つ。
Figure 0006246234
Wクラスターを含有するPMMA材料の合成
化合物6をアセトニトリルに溶解して、蒸留したMMAに加えた(1wt%及び50wt%にした)。ラジカル開始剤AIBN(0.2wt%)を加えた。溶液を12h恒温浴中で70℃に保ち、次にオーブン中に60℃で48h置いた。透明な固体複合体材料が得られた。
下のTable 3(表3)に、2つの試料の測定された性質を示す。材料中の化合物6の分解温度(Td)及び重量パーセンテージを、熱重量分析分析(TGA)により計算した。ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量測定により10K/分で測定した。重量平均分子量(Mw)及び多分散性を3本のカラムのセットを使用して測定した: 2×ResiPore及び1×PLゲルMixed C (Polymer Labs.社)。検出系は、屈折計及びUV検出器で構成されている。クロロホルムを溶離剤として流速0.8mL分-1で使用した。溶離プロファイルをソフトウェアEmpower GPCモジュール(Waters社)により分析した。計算は、200gmol-1から6×106gmol-1までの範囲でポリスチレン標準から得られた較正曲線に基づいた。分析のために、試料を30分クロロホルムで還流させた。得られた溶液を濾過した後注入した。
Figure 0006246234
CM6は有機溶媒、即ちCHCl3に可溶であったが、CM7は部分的にのみ可溶であった。
Reクラスターを含有するPMMA材料の合成
化合物8をアセトニトリルに溶解して蒸留したMMAに加えた(1wt%及び50wt%にした)。ラジカル開始剤AIBN(0.2wt%)を加えた。溶液を12h恒温浴中で70℃に保ち、次にオーブン中に60℃で48h置いた。透明な固体の複合体材料が得られた。
下のTable 4(表4)に、2つの試料の測定された性質を示す。材料中の化合物8の分解温度(Td)及び重量パーセンテージを、熱重量分析分析(TGA)により計算した。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定により10K/分で測定した。重量平均分子量(Mw)及び多分散性を実施例CM6及びCM7について記載したようにして測定した。
Figure 0006246234
CM8及びCM9は有機溶媒、即ちCHCl3に可溶であった。
Moクラスターを含有するポリスチレン材料の合成
スチレンを、重合に先立って阻害剤のカラム除去により精製した。化合物4(1wt%及び50wt%)及びスチレンをアセトニトリルに溶解して、AIBN(20mg)を開始剤として加えた。重合液を12h恒温浴中で70℃に及び48hオーブン中で60℃に保った。橙色の透明な複合体が得られた。
下のTable 5(表5)に、3つの試料のTg、Mw及び多分散性を示す。
Figure 0006246234
CM10及びCM11は有機溶媒即ちCHCl3に可溶であったが、CM12は部分的にのみ可溶であった。
Moクラスターを含有するポリジメチルシロキサン(PDMS)材料の合成
化合物11(1%及び最大で15wt%)を無水ジクロロメタンに溶解して、それにヒドリド末端のPDMS(Mn=17500)を加えた。Karstedの触媒を加えて(20mg)反応液を還流下で2日間加熱した。ジクロロメタンを蒸発させて粗成物をペンタンに溶解し、Acrodisc(登録商標)(1μm)フィルタで濾過した。ペンタンを蒸発させると、1%クラスターの場合には透明な橙色油状物が生じ、15%クラスターの場合には橙色固体が生じた。
下のTable 6(表6)に2つの材料の組成及びMw及び多分散性を示す。
Figure 0006246234
CM14は有機溶媒、即ちCHCl3に可溶であったが、CM15は部分的にのみ可溶であった。
Wクラスターを含有するPDMS材料の合成
前駆体としての化合物12(1%及び10wt%)について同じ手順を続けた。黄色油状物が1%クラスターについて得られ、黄色ゲルが10%クラスターについて得られた。
下のTable 7(表7)に、2つの材料の組成及びMw及び多分散性を示す。
Figure 0006246234
CM16は有機溶媒、即ちCHCl3に可溶であったが、CM17は部分的にのみ可溶であった。
図5に、材料CM15 (b)及びCM17 (c)並びに市販のPDMS材料(a)の1H-NMRを示す。-Si-H基におけるプロトンに対応する4.65ppmにおけるシグナルの消失により、クラスター材料と市販のPDMS中の末端ヒドリド官能基との完全な反応が証明される。
Moクラスターを含有するポリウレタン材料の合成
1,6-ブタンジオールと化合物14(1から50wt%)の混合物を、50℃に加熱して溶融させた。それにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をアルゴン下で加えて反応混合物をAr下で4h放置した。ポリマーをメタノールで2回洗浄することにより精製して濾別した。生成物を真空下で乾燥して橙色固体を得た。全ての材料は、熱DMF及びDMSOを除く普通の溶媒に不溶性であった。
下のTable 8(表8)に、5つの材料の組成並びTGA分析及びDSCにより決定したTm(溶融温度)によって計算したに無機クラスターのTd、重量パーセンテージを示す。
Figure 0006246234
Moクラスターを含有するナイロン材料の合成
化合物16(1wt%及び50wt%)及びヘキサンジアミン(HDA)を無水THFに溶解した。それにTHF中の塩化アジポイルの溶液を滴下した。反応液を50℃で12h加熱した。形成された沈殿を濾別して水及びアセトンで洗浄した。橙色固体の形態の複合体が得られた。全ての材料は、普通の溶媒及び水に不溶性であった。
下のTable 9(表9)に、材料の組成及びTd及び無機部分の計算された重量及びDSCにより決定されたTg及びTmを示す。
Figure 0006246234
400nmにおける照射下のルミネッセンススペクトル:
- CM24(実線)、CM19(破線)、CM2(点線)及びCM14(破線-点線)のスペクトルは図6に示す;
- CM19(点線)、CM20(破線)、CM21(破線-点線)及びCM22(実線)のスペクトルは図7に示す;及び
- CM6(実線)及びCM16(破線)のスペクトルは図8に示す。

Claims (13)

  1. 金属クラスターアニオン及び有機カチオンを含む発光性塩であって、
    前記金属クラスターアニオンが以下の式
    [M a Q b X c ] d-
    (式中、Mは、金属クラスターの金属原子を表し、前記金属原子は、モリブデン、レニウム、タングステン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、かつ共有結合で結合して一緒になり、金属-金属結合を形成し、aは2から20の範囲内にあり、
    Qは、ハロゲン、カルコゲン、及びそれらの混合物からなる群より選択される面キャッピング配位子又は辺架橋配位子を表し、bは2から30の範囲内にあり、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素、窒素、イオウ、ホウ素、酸素、水素及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む頂点配位子を表し、cは2から50の範囲内にあり、
    dは、1から12の範囲内にある)
    を有し、
    前記有機カチオンは、重合性官能基を含む少なくとも第1の置換基により、ならびに場合により第2の置換基により置換されたカチオン性ヘッドを含み、
    前記カチオン性ヘッドが、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、及びアンモニウムからなる群から選択され、その中で、前記ピロリジニウム及びアンモニウムは、1つ若しくは2つのC 1 〜C 3 アルキル基により更に置換することができ、前記イミダゾリウムは、1つのC 1 〜C 3 アルキル基により更に置換することができ、
    前記第1の置換基が、末端部及びリンカーを含み、前記末端部は重合性官能基であり、前記リンカーは前記末端部をカチオン性ヘッドに連結し、
    前記リンカーは1から30個のメチレン基を有し、
    前記重合性官能基は、炭素-炭素の化学的二重結合、炭素-炭素の化学的三重結合、アジド官能基、メタクリレート官能基、アクリレート官能基、アミン官能基、カルボキシル官能基、アルデヒド官能基、ヒドロキシル官能基、アルコキシ官能基、ヨウ素原子、臭素原子及び塩素原子からなる群から選択され、
    前記第2の置換基は、C 1 〜C 30 アルキル基である、
    発光性塩。
  2. aは2から8の範囲内にあり、bは8から12の範囲内にあり、cは2から6の範囲にあり、dは2から4の範囲内にある、請求項1に記載の発光性塩。
  3. Qが、ハロゲン又はセレンである、請求項1又は2に記載の発光性塩。
  4. Xが、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ及びカルボキシレートからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の発光性塩。
  5. カチオン性ヘッドが、1つ又は2つのC 1 〜C 3 アルキル基により置換することができるアンモニウム、又はC 1 〜C 3 アルキル基により置換することができるイミダゾリウムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の発光性塩。
  6. リンカーが、1から12個のメチレン基を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の発光性塩。
  7. 重合性官能基が、炭素-炭素の化学的二重結合、メタクリレート官能基、アミン官能基及びヒドロキシル官能基からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の発光性塩。
  8. 2の置換基がC 1 〜C 15 アルキル基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の発光性塩。
  9. 以下の式を有する請求項1に記載の発光性塩:
    Figure 0006246234
    (式中、
    P1はカチオン性ヘッドを表し;
    P2及びP3は置換基であり、
    zは、0から3の範囲内にあり、nは1又は2あり、gは1から4の範囲内にあり、fは1から12の範囲内にあってd/gと等しく;
    P1は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、及びアンモニウムからなる群から選択され、
    P2は、重合性官能基である末端部、及び末端部をカチオン性ヘッドに連結する1から30個のメチレン基を有するリンカーを含み
    P3が、1から30個のメチレン基を含有する)。
  10. zが1から3の範囲内にある、請求項9に記載の発光性塩。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の発光性塩と共に重合したポリマーマトリックスを含むポリマー材料。
  12. ポリマー材料の合計重量に対して与えられる重量パーセンテージで、60wt%までの発光性塩を含む、請求項11に記載のポリマー材料。
  13. ポリマー材料の合計重量に対して与えられる重量パーセンテージで、10から50wt%の発光性塩を含む、請求項12に記載のポリマー材料。
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