JP6244709B2 - 不整合検出方式、検出装置及び検出プログラム - Google Patents

不整合検出方式、検出装置及び検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ネットワークにおける伝送方式の不整合検出技術に関する。
Duplex不整合は、ネットワークで接続しているノード装置間で、例えば全二重モードと半二重モードとのように、異なるDuplexモードが設定されている状態を指す。
ある区間においてDuplex不整合となっていると、その区間で上り方向のパケットと下り方向のパケットが衝突し、パケットロスが発生する。
Duplex不整合となっている区間を含む伝送経路で、トラフィックが増すと、スループットやレスポンスが悪化する。但し、Duplex不整合は、pingなどによる単純な疎通確認では検出することが難しい。
ある文献には、検査メッセージを連続的に送信することによって、伝送経路中のどこかの区間でDuplex不整合となっていることを検出する技術が開示されている。
しかし、この技術によっても、伝送経路の環境によってはDuplex不整合を検出できない場合もあった。
特開2006−345224号公報 特開2000−134216号公報 特開2000−224172号公報
本発明の目的は、一側面では、伝送経路中の伝送方式の不整合検出の精度を高めることである。
一態様に係る不整合検出方式は、(A)複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、複数パケットのうち第2パケットが往路の上記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、検査データの構成を特定する特定処理と、(B)特定した構成に従って検査データを伝送経路に送信する処理と、(C)伝送経路から戻った検査データのロス状況に基づいて、伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理とを含む。
一側面としては、伝送経路中の伝送方式の不整合検出の精度を高めることができる。
図1は、ネットワークの構成例を示す図である。 図2は、不整合区間の例を示す図である。 図3は、データ伝送の様子を示す図である。 図4は、データ伝送の様子を示す図である。 図5は、データ伝送の様子を示す図である。 図6は、検査メッセージの構成例を示す図である。 図7は、先側の高速区間においてロスが発生する条件を説明するための図である。 図8は、不整合区間の例を示す図である。 図9は、データ伝送の様子を示す図である。 図10は、データ伝送の様子を示す図である。 図11は、元側の高速区間においてロスが発生する条件を説明するための図である。 図12は、不整合区間の例を示す図である。 図13は、データ伝送の様子を示す図である。 図14は、中間の高速区間においてロスが発生する条件を説明するための図である。 図15は、検出装置のモジュール構成例を示す図である。 図16は、構成パターンテーブルの例を示す図である。 図17は、検出装置におけるメインフローを示す図である。 図18は、判定パターンの例を示す図である。 図19は、第1構成パターン向け検出処理フローを示す図である。 図20は、通常方式による検出処理フローを示す図である。 図21は、第3高速方式による検出処理フローを示す図である。 図22は、第3特定処理Aフローを示す図である。 図23は、第3特定処理Bフローを示す図である。 図24は、第3特定処理Cフローを示す図である。 図25は、第1高速方式による検出処理フローを示す図である。 図26は、第1特定処理Aフローを示す図である。 図27は、第1特定処理Bフローを示す図である。 図28は、判定パターンの例を示す図である。 図29は、第2構成パターン向け検出処理フローを示す図である。 図30は、第1通常方式による検出処理フローを示す図である。 図31は、第2通常方式による検出処理フローを示す図である。 図32は、第2高速方式による検出処理フローを示す図である。 図33は、第2特定処理Aフローを示す図である。 図34は、第2特定処理Bフローを示す図である。 図35は、第2特定処理Cフローを示す図である。 図36は、コンピュータの機能ブロック図である。
通信速度が異なる区間を含む伝送経路でパケットを連続的に送信する場合、低速な通信を行う区間では、連続した状態でパケットが伝送される。しかし、高速な通信を行う区間では、パケット間隔が広がる。つまり、パケットが占有する時間帯が疎らになる。
そのため、上りのメッセージに含まれるパケットと、下りのメッセージに含まれるパケットとが、高速な通信を行う区間で衝突せずにすれ違う現象が起きる。従って、パケットを単に連続的に送信するだけでは、Duplex不整合となっている区間を検出できないことが多かった。
本実施の形態に係る検出装置では、通信速度が異なる区間を含む伝送経路におけるDuplex不整合を検出する。
図1に、ネットワークの構成例を示す。検出装置101は、伝送経路に含まれるノード装置における誤設定を検出する。隣接する2つのノード装置について、例えば一方のノード装置が全二重方式に設定されており、且つ他方のノード装置が半二重方式に設定されている場合に、その2つのノード装置を連結する区間において不整合が存在することになる。
検出装置101は、伝送経路中のいずれかの区間に存在する不整合を検出する。検出装置101は、伝送経路における元側の端に位置する。検査対象装置103は、伝送経路における先側の端に位置する。検出装置101は、検査対象装置103宛てに検査メッセージを送信し、検査対象装置103は、検査メッセージを受信すると、受信したメッセージを検出装置101に返信する。検出装置101から検査対象装置103へ送られる検査メッセージをリクエストメッセージという。検査対象装置103から検出装置101へ送られる検査メッセージをレスポンスメッセージという。
不整合が存在する区間で、リクエストメッセージのパケットとレスポンスメッセージとのパケットが同時に到達すると、リクエストメッセージのパケットとレスポンスメッセージのパケットとが正常に伝送されずに消滅する。この現象を、衝突という。検出装置101は、送信したリクエストメッセージのパケットに対する受信したレスポンスメッセージのパケットの割合によって、衝突が生じたことを検出する。衝突を検出した場合には、伝送経路中のいずれかの区間に不整合が存在することが推測される。
検出装置101と検査対象装置103との間には、第1中継装置105aと第2中継装置105bとが存在する。従って、この例における伝送経路は、検出装置101と第1中継装置105aとを両端とする第1区間と、第1中継装置105aと第2中継装置105bとを両端とする第2区間と、第2中継装置105bと検査対象装置103とを両端とする第3区間とに分けられる。本実施の形態では、高速の通信を行う区間における不整合を検出する。また、不整合の存在を検出するだけでなく、不整合が存在する区間も特定する。
図2に示す例で、第1区間はLAN(Local Area Network)によって接続されており、高速で通信を行う。第2区間はWAN(Wide Area Network)によって接続されており、低速で通信を行う。第3区間は、LANによって接続されており、高速で通信を行う。以下、この例で第1区間における通信速度をHaで表す。同じく第2区間における通信速度をLで表す。同じく第3区間における通信速度をHbで表す。
図3に、第3区間に不整合が存在している場合におけるデータ伝送の様子を示す。この図は、第2区間におけるデータ伝送の様子と第3区間におけるデータ伝送の様子とを示している。第1区間におけるデータ伝送の様子は、省略する。
下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。第2区間は、低速で通信を行い、第3区間は、高速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第3区間における矩形よりも大きい。
この例で、1つのリクエストメッセージは、3つのパケットに分割されている。「リクエストA(1/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(2/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(3/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。
第2区間では、「リクエストA(1/3)」と示した矩形と、「リクエストA(2/3)」と示した矩形と、「リクエストA(3/3)」と示した矩形とは連続している。つまり、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットは、連続した状態で伝送される。
順次第2中継装置105bに到達したパケットは、後続のパケットの到達を待たずに第3区間に送出される。そのため、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットは、間隔を空けて伝送される。第3区間では、「リクエストA(1/3)」と示した矩形と、「リクエストA(2/3)」と示した矩形と、「リクエストA(3/3)」と示した矩形とは間隔が空いている。
検査対象装置103は、同じリクエストメッセージに含まれる後続のパケットの到達を待って、パケットを組み立て、リクエストメッセージを再現する。そして、検査対象装置103は、再現したリクエストメッセージと同じレスポンスメッセージを再び3つに分割し、順次分割したパケットを第3区間に送出する。
図中、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(2/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(3/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。
第3区間では、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形と、「レスポンスA(2/3)」と示した矩形と、「レスポンスA(3/3)」と示した矩形とは連続している。つまり、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットは、連続した状態で伝送される。
このとき、図示するように第2区間では、リクエストメッセージAに続くリクエストメッセージBから分割された3つのパケットが、リクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。第3区間でも、これらのパケットはリクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。従って、第3区間において、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間と、リクエストメッセージBから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間との間には、リクエストメッセージに係るパケットが伝送されない期間が生じる。第3区間における「リクエストA(3/3)」と示した矩形と、「リクエストB(1/3)」と示した矩形との間がこの期間に相当する。
図示するように、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットは、この期間中に伝送されることになる。そして、この現象が後続のメッセージにおいても繰り返される。そのため、リクエストメッセージから分割されたパケットと、レスポンスメッセージから分割されたパケットとは衝突を起こさない。
この例における第3区間のように先側端の区間で高速通信が行われる場合には、その区間において不整合が存在しても検出されないことがある。以下、先側端の高速通信区間における不整合を検出するための態様を2つ説明する。
図4を用いて、1番目の態様について説明する。この態様では、検査メッセージから分割されるパケットの数を多くする。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。また前述と同様に、区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。パケットの大きさは、図3の場合と同様である。従って、第2区間における矩形と第3区間における矩形との大きさも、図3の場合と同様である。
この例で、1つのリクエストメッセージは、6つのパケットに分割されている。「リクエストA(1/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(2/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(3/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(4/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち4番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(5/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち5番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(6/6)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットのうち6番目のパケットの伝送時間を示している。
第2区間では、「リクエストA(1/6)」と示した矩形と、「リクエストA(2/6)」と示した矩形と、「リクエストA(3/6)」と示した矩形と、「リクエストA(4/6)」と示した矩形と、「リクエストA(5/6)」と示した矩形と、「リクエストA(6/6)」と示した矩形とは連続している。つまり、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットは、連続した状態で伝送される。
順次第2中継装置105bに到達したパケットは、図3の場合と同様に後続のパケットの到達を待たずに第3区間に送出される。そのため、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットは、間隔を空けて伝送される。第3区間では、「リクエストA(1/6)」と示した矩形と、「リクエストA(2/6)」と示した矩形と、「リクエストA(3/6)」と示した矩形と「リクエストA(4/6)」と示した矩形と、「リクエストA(5/6)」と示した矩形と、「リクエストA(6/6)」と示した矩形とは間隔が空いている。間隔は、図3の場合と同じ大きさである。
検査対象装置103は、図3の場合と同様に、同じリクエストメッセージに含まれる後続のパケットの到達を待って、パケットを組み立て、リクエストメッセージを再現する。そして、検査対象装置103は、再現したリクエストメッセージと同じレスポンスメッセージを再び6つに分割し、順次分割したパケットを第3区間に送出する。
図中、「レスポンスA(1/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(2/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(3/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(4/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち4番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(5/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち5番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(6/6)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち6番目のパケットの伝送時間を示している。
図3の場合と同様に、第3区間では、「レスポンスA(1/6)」と示した矩形と、「レスポンスA(2/6)」と示した矩形と、「レスポンスA(3/6)」と示した矩形と、「レスポンスA(4/6)」と示した矩形と、「レスポンスA(5/6)」と示した矩形と、「レスポンスA(6/6)」と示した矩形とは連続している。つまり、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットは、連続した状態で伝送される。
このとき、図示するように第2区間では、リクエストメッセージAに続くリクエストメッセージBから分割された6つのパケットが、リクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。第3区間でも、これらのパケットはリクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。
図4の場合には、第3区間において、レスポンスメッセージAから分割された6つのパケットのうち6番目のパケットの伝送時間と、リクエストメッセージBから分割された6つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間とが重なる。そのため、これらの2つのパケットは衝突し、正常に伝送されない。
図4の場合には、このように先側端の高速通信区間におけるパケットロスが生じるので、先側端の高速通信区間における不整合を検出することにつながる。
次に、図5を用いて、先側端の高速通信区間における不整合を検出するための別の態様について説明する。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。また前述と同様に、区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。
パケットの分割数は、図3の場合と同様に3つである。図3の場合と同様に、「リクエストA(1/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「リクエストA(2/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「リクエストA(3/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。
第2区間では、「リクエストA(1/3)」と示した矩形と、「リクエストA(2/3)」と示した矩形と、「リクエストA(3/3)」と示した矩形とが連続している点も、図3の場合と同様である。図3と同様に、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットは、連続した状態で伝送される。
但し、この例では図3の場合とパケットの伝送時間が異なる。図3の場合には、分割された3つのパケットの大きさが同じであったため、各パケットの伝送時間も均等であった。この例では、3番目のパケットが、1番目のパケットと2番目のパケットとに比べて大きい。そのため、第2区間において、3番目のパケットの伝送時間が1番目のパケットの伝送時間と2番目のパケットの伝送時間よりも長くなっている。
順次第2中継装置105bに到達したパケットは、図3の場合と同様に後続のパケットの到達を待たずに第3区間に送出される。そのため、リクエストメッセージAから分割された6つのパケットは、間隔を空けて伝送される。第3区間で、「リクエストA(1/3)」と示した矩形と、「リクエストA(2/3)」と示した矩形との間隔は、短い。「リクエストA(2/3)」と示した矩形と、「リクエストA(3/3)」と示した矩形との間隔は、長い。「リクエストA(3/3)」と示した矩形と、「リクエストB(1/3)」と示した矩形との間隔は、さらに短い。
検査対象装置103は、図3の場合と同様に、同じリクエストメッセージに含まれる後続のパケットの到達を待って、パケットを組み立て、リクエストメッセージを再現する。そして、検査対象装置103は、再現したリクエストメッセージと同じレスポンスメッセージを再び3つに分割し、順次分割したパケットを第3区間に送出する。
図中、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(2/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(3/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。但し、レスポンスメッセージの場合にも、リクエストメッセージの場合と同様に3番目のパケットの伝送時間は、1番目のパケットの伝送時間と2番目のパケットの伝送時間とに比べて長い。
図3の場合と同様に、第3区間では、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形と、「レスポンスA(2/3)」と示した矩形と、「レスポンスA(3/3)」と示した矩形とは連続している。つまり、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットは、連続した状態で伝送される。
このとき、図示するように第2区間では、リクエストメッセージAに続くリクエストメッセージBから分割された3つのパケットが、リクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。第3区間でも、これらのパケットはリクエストメッセージAの場合と同様に伝送される。
図5の場合には、第3区間において、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間と、リクエストメッセージBから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間とが重なる。そのため、これらの2つのパケットは衝突し、正常に伝送されない。
図5の場合にも、このように先側端の高速通信区間におけるパケットロスが生じるので、先側端の高速通信区間における不整合を検出することにつながる。
続いて、図4及び図5に示したように先側端の高速通信区間における不整合を検出するための検査データの条件について説明する。検査データの条件は、例えば検査メッセージの構成(パケット数及びパケットサイズ)と、検査メッセージの連続数とによって特定される。
まず、本実施の形態における検査メッセージの構成について説明する。1つのパケットが検査メッセージに相当する場合と、複数のパケットが1つのパケットに相当する場合がある。検査メッセージが分割されない場合には、パケット数が1となる。検査メッセージが分割される場合には、分割数nに応じてパケット数がnとなる。
また、分割されたパケットは、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。この例では、1番目からn−1番目までのパケットは同じサイズを有するものとする。このサイズをPで表す。また、n番目のパケットは、上述のサイズPと別に定義されるサイズを有するものとする。このサイズをQで表す。但し、サイズQの値をサイズPと同じ値に設定した場合には、実質的に1番目からn番目までのパケットの大きさは均等となる。
図6では、リクエストメッセージXの場合を例として示しているが、連続するリクエストメッセージは、いずれも同じ構成を有するものとする。更に、レスポンスメッセージにおいても、リクエストメッセージと同様の構成を有するものとする。
従って、この例における検査メッセージは、パケット数nとサイズPとサイズQとによって特定される。図6に示した構成は例示であるので、図6に示した構成以外の構成に基づく検査メッセージを用いるようにしてもよい。
続いて、図7を用いて、先側の高速区間においてロスが発生する条件を説明する。前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。また前述と同様に、区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。パケットの大きさは、図6に示した検査メッセージの構成を前提としている。この図で、n番目のパケットは、1番目からn−1番目までのパケットよりも小さい例を示している。しかし、n番目のパケットは、1番目からn−1番目までのパケットと同じ大きさであってもよい。また、n番目のパケットは、1番目からn−1番目までのパケットよりも大きくてもよい。
図中「0」と示した基準時点からの経過時間に基づいて、衝突が起きる条件を示す式を導く。基準時点は、第2区間においてリクエストメッセージAの最終パケットの伝送を終え、次のリクエストメッセージBにおける初回パケットの伝送に切り替わるタイミングを指している。また、基準時点は、第3区間においてリクエストメッセージAの最終パケットの伝送が開始するタイミングにも相当する。
この図に従って、リクエストメッセージに関する経過時間Tuと、レスポンスメッセージに関する経過時間Tdとを比較する。経過時間Tuは、基準時点から、第3区間においてリクエストメッセージBの初回パケットの伝送が開始するまでの時間である。経過時間Tdは、基準時点から、第3区間においてレスポンスメッセージAの最終パケットの伝送が終了するまでの時間である。
そして、以下の条件式に示すように、経過時間Tdが経過時間Tuを越えると衝突が起こる。
Td>Tu (1)
経過時間Tuは、基準時点から、第2区間におけるリクエストメッセージBの初回パケットの伝送終了までの時間に相当するので、リクエストメッセージBの初回パケットのサイズPを、第2区間における通信速度Lで割ることによって、経過時間Tuが求められる。以下に経過時間Tuを導出する式を示す。
Tu=P/L (2)
一方、経過時間Tdは、第3区間におけるリクエストメッセージAの最終パケットの伝送時間と、第3区間におけるレスポンスメッセージA全体の伝送時間との合計時間に相当する。
第3区間におけるリクエストメッセージAの最終パケットの伝送時間は、最終パケットのサイズQを、第3区間における通信速度Hbで割ることによって求められる。また、第3区間におけるレスポンスメッセージA全体の伝送時間は、レスポンスメッセージ全体のサイズ(n−1)P+Qを、第3区間における通信速度Hbで割ることによって求められる。従って、経過時間Tdは、以下の式に従って導出される。
Td=Q/Hb+((n−1)P+Q)/Hb
=((n−1)P+2Q)/Hb (3)
式(2)と式(3)とを式(1)に代入すると、以下の条件式が求められる。
P/L<((n−1)P+2Q)/Hb (4)
第2区間の通信速度Lと第3区間の通信速度Hbとに応じて、この条件式を満たすように、パケット数nとサイズPとサイズQとによって検査メッセージの構成を特定し、その構成に従ったメッセージを検出装置101から送出すると、第3区間において衝突が生じることになる。そして、このように第3区間において衝突が起こる条件が整っているという前提で、図2に示した第3区間における不整合の存在を検証することができる。以上で、高速で通信が行われる第3区間に不整合が存在している場合の検出条件についての説明を終える。
続いて、第1区間に不整合が存在している場合の検出条件について述べる。図8に、第1区間に不整合が存在する様子を示す。各区間における通信速度は、図2の場合と同様である。つまり、第1区間はLANによって接続されており、高速で通信を行う。第2区間はWANによって接続されており、低速で通信を行う。第3区間は、LANによって接続されており、高速で通信を行う。前述の例と同様に、第1区間における通信速度をHaで表す。同じく第2区間における通信速度をLで表す。同じく第3区間における通信速度をHbで表す。
図9に、第1区間に不整合が存在している場合におけるデータ伝送の様子を示す。この図は、第1区間におけるデータ伝送の様子と第2区間におけるデータ伝送の様子と第3区間におけるデータ伝送の様子とを示している。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。第2区間は、低速で通信を行い、第1区間と第3区間とは、高速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第1区間における矩形と第3区間における矩形よりも大きい。
この例で、1つのリクエストメッセージは、2つのパケットに分割されている。「リクエストA(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストB(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージBから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストB(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージBから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストC(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージCから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストC(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージCから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストD(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージDから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストD(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージDから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。以上のように、4つリクエストメッセージが検出装置101から連続して送出される。
順次第1中継装置105aに到達したパケットは、第2区間に送出される。但し、第1中継装置105aは、先に送出したパケットの伝送が終了するタイミングを待って、次のパケットを送出する。
順次第2中継装置105bに到達したパケットは、後続のパケットの到達を待たずに第3区間に送出される。そのため、リクエストメッセージAから分割された2つのパケットは、間隔を空けて伝送される。
検査対象装置103は、同じリクエストメッセージに含まれる後続のパケットの到達を待って、パケットを組み立て、リクエストメッセージを再現する。そして、検査対象装置103は、再現したリクエストメッセージと同じレスポンスメッセージを再び2つに分割し、順次分割したパケットを第3区間に送出する。
図中、「レスポンスA(1/2)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(2/2)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。
第3区間では、「レスポンスA(1/2)」と示した矩形と、「レスポンスA(2/2)」と示した矩形とは連続している。つまり、レスポンスメッセージAから分割された2つのパケットは、連続した状態で伝送される。尚、この例で第3区間に不整合は存在しないので、第3区間において衝突は起こらない。
順次第2中継装置105bに到達したレスポンスメッセージに係るパケットは、第2区間に送出される。但し、第2中継装置105bは、先に送出したパケットの伝送が終了するタイミングを待って、次のパケットを送出する。尚、この例で第2区間に不整合は存在しないので、第2区間において衝突は起こらない。
順次第1中継装置105aに到達したレスポンスメッセージに係るパケットは、後続のパケットの到達を待たずに第1区間に送出される。このとき、検出装置101からリクエストメッセージは送出されていない。従って、第1区間において衝突は起こらない。
この例における第1区間のように元側端の区間で高速通信が行われる場合には、その区間において不整合が存在しても検出されないことがある。以下、元側端の高速通信区間における不整合を検出するための態様を説明する。
図10に、検出装置101から多くのリクエストメッセージを送出する態様を示す。前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。図9と同様に、第2区間は、低速で通信を行い、第1区間と第3区間とは、高速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第1区間における矩形と第3区間における矩形よりも大きい。
この例で、1つのリクエストメッセージは、2つのパケットに分割されている。リクエストメッセージAからリクエストメッセージDまでのパケットについては、図9の場合と同様である。
この態様では、リクエストメッセージDに続いて、リクエストメッセージE乃至リクエストメッセージIも送出される。図中、「リクエストE(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージEから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストE(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージEから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストF(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージFから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストF(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージFから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストG(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージGから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストG(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージGから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストH(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージHから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストH(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージHから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストI(1/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージIから分割された2つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストI(2/2)」と示した矩形は、リクエストメッセージIから分割された2つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。
リクエストメッセージAが第2区間と第3区間とを伝送される様子は、図9の場合と同様である。また、レスポンスメッセージAが第3区間と第2区間とを伝送される様子も、図9の場合と同様である。
図10に示すように、第1中継装置105aから送出されるレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送時間と、検出装置101から送出されるリクエストメッセージIの初回パケットの伝送時間とは重なる。そのため、これらの2つのパケットは衝突し、正常に伝送されない。
このように元側端の高速通信区間におけるパケットロスが生じるので、元側端の高速通信区間における不整合を検出することにつながる。
図11を用いて、元側端の高速通信区間における不整合を検出するための検査データの条件について説明する。この例では、検査メッセージを分割しない。つまり、1つのパケットが1つの検査メッセージに相当する。以下、パケットの大きさを、Pで表す。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。図10と同様に、第2区間は、低速で通信を行い、第1区間と第3区間とは、高速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第1区間における矩形と第3区間における矩形よりも大きい。
図中「0」と示した基準時点からの経過時間に基づいて、衝突が起きる条件を示す式を導く。基準時点は、第1区間においてリクエストメッセージAの伝送が終了し、リクエストメッセージBの伝送が開始するタイミングを指している。
この図に従って、リクエストメッセージに関する経過時間Tuと、レスポンスメッセージに関する経過時間Tdとを比較する。経過時間Tuは、基準時点から、第1区間においてm番目のリクエストメッセージ(図中「リクエストX」と記す)の伝送が終了するまでの時間である。経過時間Tdは、基準時点から、第1区間において初回のレスポンスメッセージ(図中「レスポンスA」と記す)の伝送が開始するまでの時間である。
そして、以下の条件式に示すように、経過時間Tuが経過時間Tdを越えると衝突が起こる。
Tu>Td (5)
経過時間Tuは、基準時点から、第1区間におけるm番目のリクエストメッセージの伝送終了までの時間に相当するので、m−1個のリクエストメッセージの合計サイズを、第1区間における通信速度Haで割ることによって、経過時間Tuが求められる。以下に経過時間Tuを導出する式を示す。
Tu=(m−1)P/Ha (6)
一方、経過時間Tdは、第2区間におけるリクエストメッセージAの伝送時間と、第3区間におけるリクエストメッセージAの伝送時間と、第3区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間と、第2区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間との合計時間に相当する。
第2区間におけるリクエストメッセージAの伝送時間は、パケットのサイズPを第2区間の通信速度Lで割ることによって求められる。第3区間におけるリクエストメッセージAの伝送時間は、パケットのサイズPを第3区間の通信速度Hbで割ることによって求められる。第3区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間は、パケットのサイズPを第3区間の通信速度Hbで割ることによって求められる。第2区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間は、パケットのサイズPを第2区間の通信速度Lで割ることによって求められる。
従って、経過時間Tdは、以下の式に従って導出される。
Td=P/L+P/Hb+P/Hb+P/L
=2P/L+2P/Hb (7)
式(6)と式(7)とを式(5)に代入すると、以下の条件式が求められる。
(m−1)P/Ha>2P/L+2P/Hb (8)
第1区間の通信速度Haと第2区間の通信速度Lと第3区間の通信速度Hbとに応じて、この条件式を満たすように、サイズPの検査メッセージをm個検出装置101から送出すると、第1区間において衝突が生じることになる。そして、このように第1区間において衝突が起こる条件が整っているという前提で、図8に示した第1区間における不整合の存在を検証することができる。
更に、m番目のリクエストメッセージ(図中「リクエストX」と記す)との衝突に限定する場合には、更に条件が加わる。リクエストメッセージに関する経過時間Tsと、レスポンスメッセージに関する経過時間Teとを比較する。経過時間Tsは、基準時点から、第1区間においてm番目のリクエストメッセージ(図中「リクエストX」と記す)の伝送が開始するまでの時間である。経過時間Teは、基準時点から、第1区間において1番目のレスポンスメッセージ(図中「レスポンスA」と記す)の伝送が終了するまでの時間である。
そして、以下の条件式に示すように、経過時間Teが経過時間Tsを越えていることがもう一つの条件となる。
Ts<Te (9)
経過時間Tsは、基準時点から、第1区間におけるm−1番目のリクエストメッセージの伝送終了までの時間に相当するので、m−2個のリクエストメッセージの合計サイズを、第1区間における通信速度Haで割ることによって、経過時間Tsが求められる。以下に経過時間Tsを導出する式を示す。
Ts=(m−2)P/Ha (10)
一方、経過時間Teは、経過時間Tdと第1区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間との合計時間に相当する。第1区間におけるレスポンスメッセージAの伝送時間は、パケットのサイズPを第1区間の通信速度Haで割ることによって求められる。
従って、経過時間Teは、以下の式に従って導出される。
Te=Td+P/Ha
=2P/L+2P/Hb+P/Ha (11)
式(10)と式(11)とを式(9)に代入すると、以下の条件式が求められる。
(m−2)P/Ha<2P/L+2P/Hb+P/Ha (12)
以上で、高速で通信が行われる第1区間に不整合が存在している場合の検出条件についての説明を終える。
上述の例では、先側端の区間及び元側端の区間において高速の通信が行われるネットワーク構成における不整合の検出について述べた。ここからは、中間の区間において高速の通信が行われるネットワーク構成における不整合の検出について述べる。
図12に示す例において、第1区間はWANによって接続されており、低速で通信を行う。第2区間はLANによって接続されており、高速で通信を行う。第3区間は、WANによって接続されており、低速で通信を行う。以下、この例で第1区間における通信速度をLaで表す。同じく第2区間における通信速度をHで表す。同じく第3区間における通信速度をLbで表す。
図13に、第2区間に不整合が存在している場合におけるデータ伝送の様子を示す。この図は、第1区間におけるデータ伝送の様子と第2区間におけるデータ伝送の様子と第3区間におけるデータ伝送の様子とを示している。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。第2区間は、高速で通信を行い、第1区間と第3区間とは、低速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第1区間における矩形と第3区間における矩形よりも小さい。
この例で、1つのリクエストメッセージは、3つのパケットに分割されている。「リクエストA(1/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(2/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストA(3/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。
「リクエストB(1/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージBから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストB(2/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージBから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。「リクエストB(3/3)」と示した矩形は、リクエストメッセージBから分割された3つのパケットのうち3番目のパケットの伝送時間を示している。リクエストメッセージAから分割された3つのパケットとリクエストメッセージBから分割された3つのパケットとは、検出装置101から連続して送出される。
順次第1中継装置105aに到達したパケットは、後続のパケットの到達を待たずに第2区間に送出される。そのため、リクエストメッセージAから分割された3つのパケットとリクエストメッセージBから分割された3つのパケットは、いずれも間隔を空けて伝送される。
順次第2中継装置105bに到達したパケットは、第3区間に送出される。但し、第2中継装置105bは、先に送出したパケットの伝送が終了するタイミングを待って、次のパケットを送出する。
検査対象装置103は、同じリクエストメッセージに含まれる後続のパケットの到達を待って、パケットを組み立て、リクエストメッセージを再現する。そして、検査対象装置103は、再現したリクエストメッセージと同じレスポンスメッセージを再び3つに分割し、順次分割したパケットを第3区間に送出する。
図中、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち1番目のパケットの伝送時間を示している。同じく「レスポンスA(2/3)」と示した矩形は、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットのうち2番目のパケットの伝送時間を示している。
第3区間では、「レスポンスA(1/3)」と示した矩形と、「レスポンスA(2/3)」と示した矩形とは連続している。3番目のパケットは省略しているが、レスポンスメッセージAから分割された3つのパケットは、連続した状態で伝送される。尚、この例で第3区間に不整合は存在しないので、第3区間において衝突は起こらない。
順次第2中継装置105bに到達したレスポンスメッセージに係るパケットは、後続のパケットの到達を待たずに第2区間に送出される。このとき、第2区間では「リクエストB(2/3)」と示したパケットと「レスポンスA(1/3)」と示したパケットとが伝送されているが、伝送時間が重ならない。従って、第2区間において衝突は起こらない。
この例における第2区間のように先側端でも元側端でもない区間、つまり中間の区間で高速通信が行われる場合には、その区間において不整合が存在しても検出されないことがある。以下、中間の高速通信区間における不整合を検出するための態様を説明する。
図14を用いて、中間の高速区間において不整合を検出するための検査データの条件について説明する。この例では、図6に示した検査メッセージの構成を前提とする。
前述と同様に、下方向の軸は、経過時間を示している。区間に示した矩形は、当該区間におけるパケットの伝送時間を示している。図13と同様に、第2区間は、高速で通信を行い、第1区間と第3区間とは、低速で通信を行うので、第2区間における矩形は、第1区間における矩形と第3区間における矩形よりも小さい。
図中「0」と示した基準時点からの経過時間に基づいて、衝突が起きる条件を示す式を導く。基準時点は、第1区間においてリクエストメッセージAの伝送が終了し、リクエストメッセージBの伝送が開始するタイミングを指している。
この図に従って、リクエストメッセージに関する経過時間Tuと、レスポンスメッセージに関する経過時間Tdとを比較し、更にリクエストメッセージに関する経過時間Tsと、レスポンスメッセージに関する経過時間Teとを比較する。
リクエストメッセージに関する経過時間のうち、経過時間Tsは、基準時点から、第1区間においてリクエストメッセージBに続くリクエストメッセージCの初回パケットの伝送が開始するまでの時間である。経過時間Tuは、経過時間Tsに続き、第2区間においてリクエストメッセージBに続くリクエストメッセージCの初回パケットの伝送が終了するまでの時間である。
レスポンスメッセージに関する経過時間のうち、経過時間Tdは、基準時点から、第2区間においてレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送が開始するまでの時間である。経過時間Teは、基準時点から、第2区間においてレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送が終了するまでの時間である。
この例では、以下に示す2つの条件を満たす場合に、衝突が起こる。経過時間Tuが経過時間Tdを越えることが第1の条件である。以下にその条件式を示す。
Tu>Td (13)
また、経過時間Teが経過時間Tsを越えることが第2の条件である。以下にその条件式を示す。
Ts<Te (14)
経過時間Tsは、第1区間におけるリクエストメッセージB全体とリクエストメッセージCの初回パケットとの伝送時間に相当するので、メッセージ全体と初回のパケットの合計サイズを、第1区間における通信速度Laで割ることによって、経過時間Tsが求められる。以下に経過時間Tsを導出する式を示す。
Ts=((n−1)P+Q+P)/La
=(nP+Q)/La (15)
経過時間Tuは、経過時間Tsに第2区間におけるリクエストメッセージCの初回パケットとの伝送時間を加えた時間に相当する。第2区間におけるリクエストメッセージCの初回パケットとの伝送時間は、初回のパケットのサイズPを、第2区間における通信速度Hで割ることによって求められる。従って、経過時間Tuは、以下の式によって導かれる。
Tu=Ts+P/H
=(nP+Q)/La+P/H (16)
また、経過時間Tdは、第2区間におけるリクエストメッセージAの最終パケットの伝送時間と、第3区間におけるリクエストメッセージA全体の伝送時間と、第3区間におけるレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送時間との合計時間に相当する。
第2区間におけるリクエストメッセージAの最終パケットの伝送時間は、最終パケットのサイズQを第2区間の通信速度Hで割ることによって求められる。第3区間におけるリクエストメッセージA全体の伝送時間は、リクエストメッセージA全体のサイズ(n−1)P+Qを第3区間の通信速度Lbで割ることによって求められる。第3区間におけるレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送時間は、初回パケットのサイズPを第3区間の通信速度Lbで割ることによって求められる。従って、経過時間Tdは、以下の式に従って導出される。
Td=Q/H+((n−1)P+Q)/Lb+P/Lb
=Q/H+(nP+Q)/Lb (17)
経過時間Teは、経過時間Tdに第2区間におけるレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送時間を加えた時間に相当する。第2区間におけるレスポンスメッセージAの初回パケットの伝送時間は、初回のパケットのサイズPを、第2区間における通信速度Hで割ることによって求められる。従って、経過時間Teは、以下の式によって導かれる。
Te=Td+P/H
=Q/H+(nP+Q)/Lb+P/H
=(P+Q)/H+(nP+Q)/Lb (18)
式(16)と式(17)とを式(13)に代入すると、第1の条件式が求められる。
(nP+Q)/La+P/H>Q/H+(nP+Q)/Lb (19)
式(15)と式(18)とを式(14)に代入すると、第2の条件式が求められる。
(nP+Q)/La<(P+Q)/H+(nP+Q)/Lb (20)
第1区間の通信速度Laと第2区間の通信速度Hと第3区間の通信速度Lbとに応じて、この条件式を満たすように、検査メッセージを少なくとも3つ送出すると、第2区間において衝突が生じることになる。そして、このように第2区間において衝突が起こる条件が整っているという前提で、図12に示した第2区間における不整合の存在を検証することができる。以上で、高速で通信が行われる第2区間に不整合が存在している場合の検出条件についての説明を終える。
ここから、上述の条件に基づいて、不整合を検出する検出装置101について説明する。図15に、検出装置101のモジュール構成例を示す。検出装置101は、受付部1501、構成記憶部1503、第1特定部1505、第2特定部1507、送信部1509、受信部1511、判定部1513及び出力部1515を有している。受付部1501は、検査対象となる伝送経路に関するデータなどを受け付ける。構成記憶部1503は、伝送経路として想定される構成パターンなどを記憶している。第1特定部1505は、検査対象となる伝送経路の構成パターンを特定する。第2特定部1507は、検査データの構成を特定する。送信部1509は、検査データを伝送経路に送信する。受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する。判定部1513は、受信した検査データのロス状況に基づいて、伝送経路中におけるDuplex不整合を判定する。出力部1515は、判定結果を出力する。
図16に、構成パターンテーブルの例を示す。構成パターンテーブルは、構成パターンを特定するためのレコードを有している。レコードは、区間数と各区間の通信速度とを設定するためのフィールドを含んでいる。但し、ここで設定される通信速度は、各区間における通信速度を高速と低速とに分けて示している。例えば、高速はLANの通信速度に相当し、低速はWANの通信速度に相当する。それぞれの区間における通信速度を比較することに役立てば足りる。
この例で、第1レコードで特定される第1構成パターンは、伝送経路が3つの区間を含み、検出装置101から近い順に、第1区間の通信速度は高速であり、第2区間の通信速度は低速であり、第3区間の通信速度は高速であることを示している。第2レコードで特定される第2構成パターンは、伝送経路が3つの区間を含み、検出装置101から近い順に、第1区間の通信速度は低速であり、第2区間の通信速度は高速であり、第3区間の通信速度は低速であることを示している。
図17に、検出装置101における処理のメインフローを示す。受付部1501は、区間数を受け付ける(S1701)。例えば入力装置を介して入力された区間数が受け付けられる。
受付部1501は、各区間における通信速度を受け付ける(S1703)。ここでは、具体的な通信速度を受け付ける。具体的な通信速度によって、構成パターンを特定すると共に、前述の条件式を判定する。
あるいは、受付部1501は、概略の高速と低速の別を受け付け、更に各区間の通信速度の比を受け付ける。この場合には、高速と低速の別によって構成パターンを特定し、通信速度の比によって前述の条件式を判定する。
第1特定部1505は、S1701とS1703とで受け付けたデータに基づいて、検査対象である伝送経路の構成パターンを特定する(S1705)。
そして、検出装置101は、各構成パターンに応じた検出処理を実行する(S1707)。
まず、第1構成パターンに対応する検出処理について説明し、後に第2構成パターンに対応する検出処理について説明する。
図18を用いて、第1構成パターンにおける判定の概要について説明する。例えば、前述の図2及び図8の構成は、第1構成パターンに相当する。
上述した図2の場合に対する検査方式を、第3高速方式という。上述した図8の場合に対する検査方式を、第1高速方式という。尚、第2高速方式については、第2構成パターンにおける判定において後述する。
また、第1高速方式と第3高速方式とに該当しない通常方式による検査も行う。通常方式は、低速区間に対する検査方式である。
第1構成パターンにおける判定では、上記の3つの検査を行う。また、4つの判定パターンに基づいて、各区間における不整合の有無を判定する。4つの判定パターンについて順に説明する。
第1判定パターンでは、通常方式の検査、第3高速方式の検査及び第1高速方式の検査のいずれにおいても、検査データのロスを検出しなかった場合に、判定結果を「いずれの区間においても不整合なし」と設定する。
第2判定パターンでは、通常方式の検査において、検査データのロスを検出した場合に、判定結果を「第2区間に不整合があり」と設定する。尚、第2判定パターンでは、第3高速方式の検査における結果と、第1高速方式の検査における結果は、判定結果に関わらない。
第3判定パターンでは、通常方式の検査において、検査データのロスを検出せず、第3高速方式の検査において、検査データのロスを検出し、第1高速方式の検査において、検査データのロスを検出しない場合に、判定結果を「第3区間に不整合あり」と設定する。第3判定パターンは、図7で説明した衝突の条件を満たすと想定している。
第4判定パターンでは、通常方式の検査と第3高速方式の検査において、検査データのロスを検出せず、第1高速方式の検査において、検査データのロスを検出した場合に、判定結果を「第1区間に不整合あり」と設定する。第4判定パターンは、図11で説明した衝突の条件を満たすと想定している。
尚、ここでは、第3高速方式の検査において、検査データのロスを検出した場合には、第1高速方式の検査において、検査データのロスが起きない例を示している。また、第1高速方式の検査において、検査データのロスを検出した場合には、第3高速方式の検査において、検査データのロスが起きない例を示している。但し、第3高速方式の検査において、検査データのロスを検出し、更に第1高速方式の検査において、検査データのロスを検出した場合には、第3区間又は第1区間において不整合が存在すると判定するようにしてもよい。あるいは、第3区間及び第1区間において不整合が存在すると判定するようにしてもよい。以上で、第1構成パターンにおける判定の概要についての説明を終える。
続いて、上述の第1構成パターンにおける判定の概要に従った検出処理について説明する。図19に、第1構成パターン向け検出処理フローを示す。検出装置101は、まず通常方式による検出処理を実行する(S1901)。
図20に、通常方式による検出処理フローを示す。第2特定部1507は、通常方式による検査データの構成を特定する(S2001)。通常方式による検査データの構成は、連続する検査メッセージであって、低速の通信を行う区間において衝突を生じさせる従来の検査データに相当する。また、通常方式による検査データの構成は、第3高速方式における検査データの構成に該当せず、更に第1高速方式における検査データの構成にも該当しない。
送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S2003)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S2005)。このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S2007)。例えば、検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、その割合(ロス率という。)が所定の閾値を越えたか否かを判定する。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。そして、図19に示したS1903の処理に戻る。
図19に示した第1構成パターン向け検出処理フローの説明に戻って、判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S1903)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第2区間に不整合あり」と設定する(S1905)。この処理は、上述の第2判定パターンに相当する。そして、第1構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、検出装置101は、第3高速方式による検出処理を実行する(S1907)。
図21に、第3高速方式による検出処理フローを示す。第3高速方式は、上述の通り、図7で示した衝突の条件に基づく。
第2特定部1507は、第3特定処理を実行する(S2101)。第3特定処理では、第3高速方式による検査データの構成を特定する。ここでは、第3特定処理Aと第3特定処理Bと第3特定処理Cとの例を示す。
図22に、第3特定処理Aフローを示す。この処理では、予め設定されているパケットサイズを用いる。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S2201)。第2特定部1507は、上述した式(4)に従って、所定のパケットサイズを用いてパケット数を算出する(S2203)。
上述した式(4)において、パケットサイズP、パケットサイズQ、第2区間における通信速度L及び第3区間における通信速度Hbが定まると、パケット数nの範囲が特定される。第2特定部1507は、ある値よりも大きいパケット数nを算出する。そして、図21に示したS2103の処理に戻る。
図23に、第3特定処理Bフローを示す。この処理では、予め設定されているパケット数を用いる。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S2301)。第2特定部1507は、上述した式(4)に従って、所定のパケット数を用いてパケットサイズを算出する(S2303)。
上述した式(4)において、パケット数n、第2区間における通信速度L及び第3区間における通信速度Hbが定まると、パケットサイズPとパケットサイズQとの比の範囲が定まる。第2特定部1507は、ある値よりも大きい比Q/Pとなるように、パケットサイズPとパケットサイズQとを算出する。そして、図21に示したS2103の処理に戻る。
図24に、第3特定処理Cフローを示す。この処理では、予め候補となる複数のデータ定義を構成記憶部1503に登録しておく。そして、第2特定部1507は、それらのデータ定義のうち条件に合うものを特定する。
第2特定部1507は、未処理のデータ定義を1つ特定する(S2401)。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S2403)。第2特定部1507は、当該データ定義に含まれるパケット数とパケットサイズと用いて、上述した式(4)の条件判定を行う(S2405)。
第2特定部1507は、データ定義によってパケットサイズP、パケットサイズQ及びパケット数nを特定する。そして、第2特定部1507は、パケットサイズP、パケットサイズQ、パケット数n、第2区間における通信速度L及び第3区間における通信速度Hbによって、式(4)を満たすか否かを判定する。
第2特定部1507は、上述の条件を満たしたか否かを判定する(S2407)。上述の条件を満たしたと判定した場合には、第2特定部1507は、データ定義に含まれるパケット数とパケットサイズとを特定する(S2409)。そして、図21に示したS2103の処理に戻る。
他方、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、S2401の処理に戻って、第2特定部1507は一連の処理を繰り返す。以上で、第3特定処理についての説明を終える。
図21に示した処理に戻って、送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S2103)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S2105)。前述の通り、このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S2107)。例えば、S2007と同様に検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、その割合(ロス率という。)が所定の閾値を越えたか否かを判定する。但し、所定の閾値は、S2007の場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。そして、図19に示したS1909の処理に戻る。
図19に示した第1構成パターン向け検出処理フローの説明に戻って、判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S1909)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第3区間に不整合あり」と設定する(S1911)。この処理は、上述の第3判定パターンに相当する。そして、第1構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、検出装置101は、第1高速方式による検出処理を実行する(S1913)。
図25に、第1高速方式による検出処理フローを示す。第1高速方式は、上述の通り、図11で示した衝突の条件に基づく。
第2特定部1507は、第1特定処理を実行する(S2501)。第1特定処理では、第1高速方式による検査データの構成を特定する。ここでは、第1特定処理Aと第1特定処理Bとの例を示す。
図26に、第1特定処理Aフローを示す。この処理では、各区間における通信速度に基づいて検査メッセージ数を算出する。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S2601)。第2特定部1507は、上述した式(8)に従って、検査メッセージ数を算出する(S2603)。
上述した式(8)において、パケットサイズP、第1区間における通信速度Ha、第2区間における通信速度L及び第3区間における通信速度Hbが定まると、検査パケット数mの範囲が定まる。第2特定部1507は、ある値よりも大きい検査パケット数mを算出する。尚、第1区間における通信速度Haと第2区間における通信速度Lとの比、第1区間における通信速度Haと第3区間における通信速度Hbとの比、あるいは第2区間における通信速度Lと第3区間における通信速度Hbとの比を用いてもよい。そして、図25に示したS2503の処理に戻る。
図27に、第1特定処理Bフローを示す。この場合、予め候補となる複数のデータ定義を構成記憶部1503に登録しておく。そして、第2特定部1507は、それらのデータ定義のうち条件に合うものを特定する。
第2特定部1507は、未処理のデータ定義を1つ特定する(S2701)。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S2703)。第2特定部1507は、データ定義に含まれるパケットサイズPと検査メッセージ数mを用いて、上述した式(8)の条件判定を行う(S2705)。
第2特定部1507は、データ定義によってパケットサイズPと検査メッセージ数mとを特定する。そして、第2特定部1507は、パケットサイズP、検査メッセージ数m、第1区間における通信速度Ha、第2区間における通信速度L及び第3区間における通信速度Hbによって、式(8)を満たすか否かを判定する。尚、第1区間における通信速度Haと第2区間における通信速度Lとの比、第1区間における通信速度Haと第3区間における通信速度Hbとの比、あるいは第2区間における通信速度Lと第3区間における通信速度Hbとの比を用いてもよい。
第2特定部1507は、上述の条件を満たしたか否かを判定する(S2707)。上述の条件を満たしたと判定した場合には、第2特定部1507は、当該データ定義に含まれるパケットサイズPと検査メッセージ数mを特定する(S2709)。そして、図25に示したS2503の処理に戻る。
他方、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、S2701の処理に戻って、第2特定部1507は一連の処理を繰り返す。以上で、第1特定処理についての説明を終える。
図25に示した処理に戻って、送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S2503)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S2505)。前述の通り、このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S2507)。例えば、S2007及びS2107と同様に検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、ロス率が所定の閾値を越えたか否かを判定する。但し、所定の閾値は、S2007又はS2107の場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。図19に示したS1915の処理に戻る。
図19に示した第1構成パターン向け検出処理フローの説明に戻って、判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S1915)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第1区間に不整合あり」と設定する(S1917)。この処理は、上述の第4判定パターンに相当する。そして、第1構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、判定部1513は、判定結果を「いずれの区間にも不整合なし」と設定する(S1919)。この処理は、上述の第1判定パターンに相当する。そして、第1構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
図17に示したメイン処理フローの説明に戻って、出力部1515は、判定結果を出力する(S1709)。
続いて、S1705で第2構成パターンと特定した場合について説明する。図28を用いて、第2構成パターンにおける判定の概要について説明する。例えば、前述の図12の構成は、第2構成パターンに相当する。
上述した図12の場合に対する検査方式を、第2高速方式という。
また、第2高速方式に該当しない2つの通常方式による検査も行う。第1通常方式は、先側端の低速区間に対する検査方式である。第1通常方式では、小さい検査データを用いる。この場合は、送出した先頭パケットが検出装置101に戻る前に送出を終えることになる。第2通常方式は、元側端の低速区間に対する検査方式である。第2通常方式では、大きい検査データを用いる。この場合は、送出した先頭パケットが検出装置101に戻った後も送出を続けることになる。
第2構成パターンにおける判定では、上記の3つの検査を行う。また、4つの判定パターンに基づいて、各区間における不整合の有無を判定する。4つの判定パターンについて順に説明する。
第1判定パターンでは、第1通常方式の検査、第2通常方式の検査及び第2高速方式の検査のいずれにおいても、検査データのロスを検出しなかった場合に、判定結果を「いずれの区間においても不整合なし」と設定する。
第2判定パターンでは、第1通常方式の検査において、検査データのロスを検出した場合に、判定結果を「第3区間に不整合があり」と設定する。尚、第2判定パターンでは、第2通常方式の検査における結果と、第2高速方式の検査における結果とは、判定結果に関わらない。
第3判定パターンでは、第1通常方式の検査において、検査データのロスを検出せず、第2通常方式の検査において、検査データのロスを検出した場合に、判定結果を「第1区間に不整合あり」と設定する。尚、第3判定パターンでは、第2高速方式の検査における結果は、判定結果に関わらない。
第4判定パターンでは、第1通常方式の検査と第2通常方式の検査において、検査データのロスを検出せず、第2高速方式の検査において、検査データのロスを検出した場合に、判定結果を「第2区間に不整合あり」と設定する。第4判定パターンは、図14で説明した衝突の条件を満たすと想定している。以上で、第2構成パターンにおける判定の概要についての説明を終える。
続いて、上述の第2構成パターンにおける判定の概要に従った検出処理について説明する。図29に、第2構成パターン向け検出処理フローを示す。検出装置101は、まず第1通常方式による検出処理を実行する(S2901)。
図30に、第1通常方式による検出処理フローを示す。第2特定部1507は、第1通常方式による検査データの構成を特定する(S3001)。第1通常方式による検査データの構成は、連続する検査メッセージであって、低速の通信を行う区間において衝突を生じさせる従来の検査データに相当する。また、通常方式による検査データの構成は、第2高速方式における検査データの構成に該当しない。第1通常方式による検査データの大きさは、送出した先頭パケットが検出装置101に戻る前に送出を終えることを条件とする。
送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S3003)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S3005)。このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S3007)。例えば、検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、ロス率が所定の閾値を越えたか否かを判定する。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。そして、図29に示したS2903の処理に戻る。
図29に示した第2構成パターン向け検出処理フローの説明に戻って、判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S2903)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第3区間に不整合あり」と設定する(S2905)。この処理は、上述の第2判定パターンに相当する。そして、第2構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、検出装置101は、第2通常方式による検出処理を実行する(S2907)。
図31に、第2通常方式による検出処理フローを示す。第2特定部1507は、第2通常方式による検査データの構成を特定する(S3101)。第2通常方式による検査データの構成は、連続する検査メッセージであって、低速の通信を行う区間において衝突を生じさせる従来の検査データに相当する。また、通常方式による検査データの構成は、第2高速方式における検査データの構成に該当しない。第2通常方式による検査データの大きさは、送出した先頭パケットが検出装置101に戻った後も送出を続けることを条件とする。
送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S3103)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S3105)。このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S3107)。例えば、S3007と同様に検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、その割合(ロス率という。)が所定の閾値を越えたか否かを判定する。但し、所定の閾値は、S3007の場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。そして、図29に示したS2909の処理に戻る。
図29に示した第2構成パターン向け検出処理フローの説明に戻って、判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S2909)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第1区間に不整合あり」と設定する(S2911)。この処理は、上述の第3判定パターンに相当する。そして、第2構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、検出装置101は、第2高速方式による検出処理を実行する(S2913)。
図32に、第2高速方式による検出処理フローを示す。第2高速方式は、上述の通り、図14で示した衝突の条件に基づく。
第2特定部1507は、第2特定処理を実行する(S3201)。第2特定処理では、第2高速方式による検査データの構成を特定する。ここでは、第2特定処理Aと第2特定処理Bと第2特定処理Cとの例を示す。
図33に、第2特定処理Aフローを示す。この処理では、予め設定されているパケットサイズを用いる。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S3301)。第2特定部1507は、上述した式(19)と式(20)とに従って、所定のパケットサイズを用いてパケット数を算出する(S3303)。
上述した式(19)において、パケットサイズP、パケットサイズQ、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbが定まると、パケット数nの第1範囲が特定される。更に上述した式(20)において、パケットサイズP、パケットサイズQ、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbが定まると、パケット数nの第2範囲が特定される。そして、第2特定部1507は、第1範囲と第2範囲とに含まれるパケット数nを算出する。尚、第1区間における通信速度Laと第2区間における通信速度Hとの比、第1区間における通信速度Laと第3区間における通信速度Lbとの比、あるいは第2区間における通信速度Hと第3区間における通信速度Lbとの比を用いてもよい。そして、図32に示したS3203の処理に戻る。
図34に、第2特定処理Bフローを示す。この処理では、予め設定されているパケット数を用いる。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S3401)。第2特定部1507は、上述した式(19)と式(20)とに従って、所定のパケット数を用いてパケットサイズを算出する(S3403)。
上述した式(19)において、パケット数n、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbが定まると、パケットサイズPとパケットサイズQとの比の第1範囲が定まる。更に上述した式(20)において、パケット数n、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbが定まると、パケットサイズPとパケットサイズQとの比の第2範囲が定まる。第1範囲と第2範囲とに含まれる比Q/Pとなるように、パケットサイズPとパケットサイズQとを算出する。尚、第1区間における通信速度Laと第2区間における通信速度Hとの比、第1区間における通信速度Laと第3区間における通信速度Lbとの比、あるいは第2区間における通信速度Hと第3区間における通信速度Lbとの比を用いてもよい。そして、図32に示したS3203の処理に戻る。
図35に、第2特定処理Cフローを示す。この場合は、予め候補となる複数のデータ定義を構成記憶部1503に登録しておく。そして、第2特定部1507は、それらのデータ定義のうち条件に合うものを特定する。
第2特定部1507は、未処理のデータ定義を1つ特定する(S3501)。第2特定部1507は、構成記憶部1503から各区間における通信速度を読む(S3503)。第2特定部1507は、当該データ定義に含まれるパケット数とパケットサイズと用いて、上述した式(19)と式(20)との条件判定を行う(S3505)。
第2特定部1507は、データ定義によってパケットサイズP、パケットサイズQ及びパケット数nを特定する。そして、第2特定部1507は、パケットサイズP、パケットサイズQ、パケット数n、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbによって、式(19)を満たすか否かを判定する。更に第2特定部1507は、パケットサイズP、パケットサイズQ、パケット数n、第1区間における通信速度La、第2区間における通信速度H及び第3区間における通信速度Lbによって、式(20)を満たすか否かを判定する。尚、第1区間における通信速度Laと第2区間における通信速度Hとの比、第1区間における通信速度Laと第3区間における通信速度Lbとの比、あるいは第2区間における通信速度Hと第3区間における通信速度Lbとの比を用いてもよい。
第2特定部1507は、上述した式(19)の条件と上述した式(20)の条件との両方を満たしたか否かを判定する(S3507)。両方の条件を満たしたと判定した場合には、第2特定部1507は、当該データ定義に含まれるパケット数とパケットサイズとを特定する(S3509)。そして、図32に示したS3203の処理に戻る。
他方、上述の条件を満たしていないと判定した場合には、S3501の処理に戻って、第2特定部1507は一連の処理を繰り返す。以上で、第2特定処理についての説明を終える。
図32に示した処理に戻って、送信部1509は、特定した構成に従って、伝送経路を介して検査データを検査対象装置103に送信する(S3203)。このとき、検査対象装置103においてリクエストメッセージに含まれるパケットを組み立てた後に、折り返しレスポンスメッセージをパケットに分割して送信するように指示する。
受信部1511は、伝送経路から検査データを受信する(S3205)。前述の通り、このとき受信する検査データは、ロスせずに到達したパケットである。レスポンスメッセージの一部または全体が消滅している場合がある。
判定部1513は、ロス状況を判定する(S3207)。例えば、S3007及びS3107と同様に検査データとして送信したパケット数に対する受信したパケット数の割合を算出し、ロス率が所定の閾値を越えたか否かを判定する。但し、所定の閾値は、S3007又はS3107の場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ロス率が所定の閾値を越えたと判定した場合には、ステータスを「ロス検出」と設定する。ロス率が所定の閾値を越えていないと判定した場合には、ステータスを「ロス非検出」と設定する。そして、図29に示したS2915の処理に戻る。
判定部1513は、ロスを検出したか否か、つまり前述のステータスが「ロス検出」であるかあるいは「ロス非検出」であるかによって処理を分岐させる(S2915)。
ロスを検出した場合には、判定部1513は、判定結果を「第2区間に不整合あり」と設定する(S2917)。この処理は、上述の第4判定パターンに相当する。そして、第2構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
他方、ロスを検出しなかった場合には、判定部1513は、判定結果を「いずれの区間にも不整合なし」と設定する(S2919)。この処理は、上述の第1判定パターンに相当する。そして、第2構成パターン向け検出処理を終え、図17に示したS1709の処理に戻る。
図17に示したメイン処理フローの説明に戻って、出力部1515は、判定結果を出力する(S1709)。
本実施の形態によれば、上記条件式に従って、レスポンスメッセージのパケットとリクエストメッセージのパケットとを衝突させ、パケットロスに基づく不整合検出の精度を高めることができる。
更に、各区間において通信速度が異なる場合でも、レスポンスメッセージのパケットとリクエストメッセージのパケットとを衝突させることができる。
更に、大きさの異なるパケットが伝送される時間によって、レスポンスメッセージのパケットとリクエストメッセージのパケットとを衝突させやすくなる。
更に、複数の区間のうち不整合となっている区間を高い精度で特定することができる。
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の機能ブロック構成は実際のプログラムモジュール構成に一致しない場合もある。
また、上で説明した各記憶領域の構成は一例であって、上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
なお、上で述べた検出装置101は、コンピュータ装置であって、図36に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本発明の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上述べた本発明の実施の形態をまとめると、以下のようになる。
本実施の形態に係る不整合検出方式は、(A)複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、複数パケットのうち第2パケットが往路の上記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、検査データの構成を特定する特定処理と、(B)特定した構成に従って検査データを伝送経路に送信する処理と、(C)伝送経路から戻った検査データのロス状況に基づいて、伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理とを含む。
このようにすれば、第1パケットと第2パケットとを衝突させ、パケットロスに基づく不整合検出の精度を高めることができる。
更に、上記条件は、複数の区間の各々における通信速度又は複数の区間の各々における通信速度の比に基づき定められるようにしてもよい。
このようにすれば、各区間において通信速度が異なる場合でも、第1パケットと第2パケットとを衝突させることができる。
更に、上記特定処理において、複数のパケットのうち、一部のパケットの大きさが他のパケットの大きさと異なる構成を特定するようにしてもよい。
このようにすれば、大きさの異なるパケットが伝送される時間によって、第1パケットと第2パケットとを衝突させやすくなる。
更に、上記判定処理において、所定区間において不整合があると判定するようにしてもよい。
このようにすれば、複数の区間のうち不整合となっている区間を高い精度で特定することができる。
なお、上記方式による処理をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納されるようにしてもよい。尚、中間的な処理結果は、一般的にメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データの構成を特定する特定処理と、
特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する処理と、
前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理と
を含む不整合検出方式。
(付記2)
前記条件は、前記複数の区間の各々における通信速度又は前記複数の区間の各々における通信速度の比に基づき定められる
付記1記載の不整合検出方式。
(付記3)
前記特定処理において、前記複数のパケットのうち、一部のパケットの大きさが他のパケットの大きさと異なる構成を特定する
付記1又は2記載の不整合検出方式。
(付記4)
前記判定処理において、前記所定区間において前記不整合があると判定する
付記1乃至3のうち1つ記載の不整合検出方式。
(付記5)
複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データの構成を特定する特定部と、
特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する送信部と、
前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定部と
を含む検出装置。
(付記6)
複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データの構成を特定する特定処理と、
特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する処理と、
前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理と
を、コンピュータに実行させるための検出プログラム。
101 検出装置 103 検査対象装置
105a 第1中継装置 105b 第2中継装置
1501 受付部 1503 構成記憶部
1505 第1特定部 1507 第2特定部
1509 送信部 1511 受信部
1513 判定部 1515 出力部

Claims (5)

  1. 複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データのパケット数及びパケットの大きさに関する構成を特定する特定処理と、
    特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する処理と、
    前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理と
    を含む不整合検出方式であって、
    前記特定処理において、前記複数のパケットのうち、一部のパケットの大きさが他のパケットの大きさと異なる構成を特定する
    不整合検出方式
  2. 前記条件は、前記複数の区間の各々における通信速度又は前記複数の区間の各々における通信速度の比に基づき定められる
    請求項1記載の不整合検出方式。
  3. 前記判定処理において、前記所定区間において前記不整合があると判定する
    請求項1又は2記載の不整合検出方式。
  4. 複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データのパケット数及びパケットの大きさに関する構成を特定する特定部と、
    特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する送信部と、
    前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定部と
    を含む検出装置であって、
    前記特定部は、前記複数のパケットのうち、一部のパケットの大きさが他のパケットの大きさと異なる構成を特定する
    検出装置
  5. 複数の区間を含む伝送経路を往復させる検査データに含まれる複数パケットのうち第1パケットが復路の所定区間において伝送される時間と、前記複数パケットのうち第2パケットが往路の前記所定区間において伝送される時間とが重なる条件に従って、前記検査データのパケット数及びパケットの大きさに関する構成を特定する特定処理と、
    特定した前記構成に従って前記検査データを前記伝送経路に送信する処理と、
    前記伝送経路から戻った前記検査データのロス状況に基づいて、前記伝送経路中における伝送方式の不整合を判定する判定処理と
    を、コンピュータに実行させるための検出プログラムであって、
    前記特定処理において、前記複数のパケットのうち、一部のパケットの大きさが他のパケットの大きさと異なる構成を特定する
    検出プログラム
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