JP6242780B2 - 低付着性石炭灰製造方法 - Google Patents

低付着性石炭灰製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6242780B2
JP6242780B2 JP2014209124A JP2014209124A JP6242780B2 JP 6242780 B2 JP6242780 B2 JP 6242780B2 JP 2014209124 A JP2014209124 A JP 2014209124A JP 2014209124 A JP2014209124 A JP 2014209124A JP 6242780 B2 JP6242780 B2 JP 6242780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ash
fly ash
coal
sulfur content
coal ash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014209124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016080203A (ja
Inventor
岳史 山下
岳史 山下
高憲 岡
高憲 岡
善之 宮部
善之 宮部
優貴 藤井
優貴 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014209124A priority Critical patent/JP6242780B2/ja
Publication of JP2016080203A publication Critical patent/JP2016080203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6242780B2 publication Critical patent/JP6242780B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)

Description

本発明は、低付着性石炭灰製造方法に関する。
石炭火力発電設備等の石炭を燃料とする石炭燃焼設備では、石炭1tあたり約100kg以上もの石炭灰が発生する。例えば百万キロワット級の石炭火力発電設備では、毎日数百トンの石炭灰が生じる。
石炭灰はシリカ及びアルミナを主成分とし、微量成分としてFe,Ca,K,Na,Mg,S等を含む。このような石炭灰は、例えばセメント原料、コンクリート混和材、土壌又は排水改良材等に利用される。従って、石炭灰を資源とする観点からは、石炭燃焼設備では、石炭灰を製造する設備ともいえる。
石炭灰製造量の多い石炭燃焼設備からセメント製造工場等の石炭灰利用設備への輸送は、主に船舶によって行われる。このような船舶への石炭灰の積み下ろしは、一般に空気輸送によって行われる。
しかしながら、このような石炭灰の輸送中に、石炭灰が吸湿して付着性が増加、つまり流動性が低下することにより、石炭灰が船内でブロックする居着きと呼ばれる現象が発生して石炭倍の積み下ろしに支障をきたすことがある。このような居着きが発生すると、人手によりブロックした石炭灰を解砕する必要があるだけでなく、船の停泊期間が延長されるため、経済的な損失が大きい。
そこで、予め石炭灰を湿気と接触させて石炭灰と水分とを反応させた後、石炭灰粒子同士の架橋構造を破壊する方法や、撹拌又は流動状態で粒子同士の架橋形成を妨害しながら石炭灰と水分とを予め反応させる方法により、低付着性石炭灰(流動性が低下し難い石炭灰)を製造することが提案されている(特開2002−286220号公報)。しかしながら、この方法では、低付着性石炭灰の製造コストが高くなる。
特開2002−286220号公報
上記不都合に鑑みて、本発明は、安価で居着きが発生し難い低付着性の石炭灰を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、石炭灰のブロックが発生した状況を分析することにより、石炭灰のブロックが吸湿により発生すること、及び吸湿時のブロック性と石炭灰中の硫黄含有量との間に相関があることを発見すると共に、石炭燃焼設備の各所の集塵部で捕集される石炭灰の組成を細かく分析し、集塵部毎に石炭灰の組成が異なることを見出し、以下の本発明を完成させた。
上記課題を解決するためになされた発明は、燃焼炉を備える石炭燃焼設備から発生する石炭灰を用いて低付着性石炭灰を製造する方法であって、上記石炭燃焼設備内のフライアッシュを複数の集塵部によって捕集する工程と、上記捕集工程で捕集されるフライアッシュ中の硫黄の含有量が一定の硫黄含有量閾値以下である集塵部のフライアッシュを選択する工程とを備えることを特徴とする低付着性石炭灰製造方法である。
当該低付着性石炭灰製造方法では、硫黄含有量が一定の硫黄含有量閾値以下の集塵部のフライアッシュを選択することにより、得られる石炭灰のバルク中に、硫黄含有量が大きい領域を形成しないようにできる。これにより、当該低付着性石炭灰製造方法により製造される石炭灰は、吸湿しても付着性が増加し難いことにより流動性が低下し難くい。つまり、当該低付着性石炭灰製造方法によれば、得られる石炭灰が固結し難く、ブロックが極めて発生し難いので、居着きを防止できる。また、当該低付着性石炭灰製造方法は、換言すると、硫黄含有量が上記硫黄含有量閾値を超える集塵部のフライアッシュを除外して混合するだけであるので、比較的安価に低付着性石炭灰を製造できる。
上記硫黄含有量閾値、つまり低付着性石炭灰に使用されるフライアッシュの硫黄含有量の上限値としては、三酸化硫黄換算で0.5質量%以上0.7質量%以下が好ましい。このように、硫黄含有量の硫黄含有量閾値を上記範囲とすることによって居着きを発生させ難いフライアッシュを選択しながら、除外するフライアッシュの量を小さくして製造量を確保することができる。
上記混合工程で、上記フライアッシュに燃焼炉で発生したクリンカアッシュを混合するとよい。このように、フライアッシュに加えて硫黄の含有量が低いクリンカアッシュを使用することによって、低付着性石炭灰の製造量をさらに大きくできる。
上記クリンカアッシュを粉砕する工程をさらに備えるとよい。このように、クリンカアッシュを粉砕することで、製造される石炭灰の空気輸送が容易となる。
上記複数の集塵部が多段式の電気集塵機の複数の集塵部を含み、この電気集塵機の1段目の集塵部を、上記捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が三酸化硫黄換算で0.6質量%以下の集塵部として用いるとよい。このように、フライアッシュの捕集量が多い電気集塵機の1段目の集塵部で捕集されるフライアッシュを使用することにより、石炭灰の製造量を確保でき、かつ吸湿により固結し難く、居着きが発生し難い低付着性の石炭灰をより安価に製造できる。
大気の絶対湿度が予め定められる湿度閾値以上になり得る場合に、上記フライアッシュの選択を行うとよい。このように、大気の絶対湿度が湿度閾値以上の高温多湿時に、硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値以下の集塵部のフライアッシュをクリンカアッシュに選択することにより、吸湿による居着きの発生を効果的に防止できる。また、大気の絶対湿度が湿度閾値未満の場合には、硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値を超えるフライアッシュもクリンカアッシュに混合することによって、石炭灰の製造量を大きくできる。
上記フライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値以下の集塵部として、エコノマイザ、エアヒータ又は脱硝装置に配設される集塵部が含まれるとよい。このように、エコノマイザ、エアヒータ又は脱硝装置に配設される集塵部で捕集されるフライアッシュも混合することにより石炭灰の製造量を大きくできる。
なお、フライアッシュの硫黄の「含有量」としては、フライアッシュの乾燥質量を100%とする値を使用する。また、「絶対湿度」としては、乾燥空気1kg当たりの水分量をkgで表わしたものを使用する。
以上のように、本発明の低付着性石炭灰製造方法は、安価で居着きが発生し難い低付着性の石炭灰を製造できる。
本発明の一実施形態の低付着性石炭灰製造方法が適用される石炭燃焼設備の構成を示す模式図である。 図1の各集塵部で捕集される石炭灰の硫黄含有量と飽和吸湿量との関係を示すグラフである。 図1の各集塵部で捕集される石炭灰の相対湿度と飽和吸湿量との関係を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[石炭燃焼設備]
図1に、本発明の一実施形態に係る低付着性石炭灰製造方法が適用される石炭燃焼設備の一般的な構成を示す。
図1の石炭燃焼設備は、ボイラ1と、このボイラの煙道に順に配設されるエコノマイザ2、脱硝装置3、エアヒータ4、電気集塵機5及び脱硫装置6とを備える。エコノマイザ2、脱硝装置3、エアヒータ4、電気集塵機5及び脱硫装置6を通過して浄化された燃焼排ガスは、煙突7から大気に放出される。
また、図1の石炭燃焼設備は、ボイラ1から排出されるクリンカアッシュ、並びにエコノマイザ2、脱硝装置3、エアヒータ4及び電気集塵機5から排出されるフライアッシュが貯留される複数のサイロ8と、ボイラ1、エコノマイザ2、脱硝装置3、エアヒータ4及び電気集塵機5から複数のサイロ8のうちの任意の1つへアッシュを移送する搬送装置9とをさらに備える。
<ボイラ>
ボイラ1は、石炭を燃焼する燃焼炉10と、燃焼炉10の内部に配設され、石炭の燃焼熱により水を加熱して水蒸気を発生さるための水管11とを備える。また、ボイラ1は、燃焼炉10の底部に、燃焼炉10内で発生するクリンカアッシュを粉砕するクリンカアッシュ粉砕機を有するクリンカ粉砕部12を備える。
上記クリンカアッシュ粉砕機としては、クリンカアッシュを紛体状に小さくすることができるものであればよく、例えば回転シャフトに配設される回転刃と、固定された固定刃とでクリンカアッシュを粉砕する装置とすることができる。また、クリンカアッシュ粉砕機は、クリンカアッシュを段階的に細かくするよう多段に構成されてもよい。
<エコノマイザ>
エコノマイザ2は、ボイラ1の燃焼排ガスの熱によって、水管11等に供給される補給水を加熱する熱交換器である。
このエコノマイザ2は、その底部に、エコノマイザ2の内部において燃焼排ガスから分離されるフライアッシュを捕集するエコノマイザ集塵部13を有し、集塵装置としても機能する。
<脱硝装置>
脱硝装置3は、例えばエコノマイザ2を通過した燃焼排ガスにアンモニアを注入し、触媒を通過させることによって、窒素酸化物とアンモニアとを反応させて窒素ガスと水蒸気とに変成する選択触媒還元脱硝装置(SCR:Selective catalytic reduction)である。
この脱硝装置3も、その底部に、内部で分離されるフライアッシュを捕集するSCR集塵部14を有し、集塵装置としても機能する。
<エアヒータ>
エアヒータ4は、脱硝装置3を通過した燃焼排ガスに残留する熱によって、燃焼炉10に供給する燃焼用空気を予熱する熱交換器である。
このエアヒータ4も、内部で分離されるフライアッシュを捕集するエアヒータ集塵部15を有し、集塵装置としても機能する。
<電気集塵機>
電気集塵機5は、排ガス中のフライアッシュを静電気力により捕集する装置である。
この電気集塵機5は、直列に配設される第1電気集塵部16、第2電気集塵部17及び第3電気集塵部18を有する。
<脱硫装置>
脱硫装置6は、例えば水に石灰石(CaCO)を分散したスラリーを噴霧して燃焼排ガスと接触させることで、石灰石を燃焼排ガス中の二酸化硫黄(SO)と反応させて石膏(CaSO)を生成させることにより、燃焼排ガス中から二酸化硫黄を除去する湿式脱硫装置(FGD:Flue Gas Desulfurization)である。
〈搬送装置〉
搬送装置9としては、クリンカ粉砕部12、エコノマイザ集塵部13、SCR集塵部14、エアヒータ集塵部15、第1電気集塵部16、第2電気集塵部17及び第3電気集塵部18から任意のサイロ8にアッシュを移送できるものであれば特に限定されず、例えば空気輸送装置、ベルトコンベア、バケットコンベア等を単独又は組み合わせて使用することができる。
[低付着性石炭灰製造方法]
図1の石炭燃焼設備を用いる本発明の一実施形態に係る低付着性石炭灰製造方法は、複数の集塵部13,14,15,16,17,18で捕集したフライアッシュの硫黄の含有量に基づいて低硫黄集塵部と高硫黄集塵部とに区分する工程(区分工程)と、クリンカ粉砕部12からクリンカアッシュを移送するサイロ8、及び絶対湿度に応じて各集塵部13,14,15,16,17,18からそれぞれフライアッシュを移送するサイロ8を決定する工程(サイロ決定工程)と、燃焼炉10での石炭の燃焼により生成されるクリンカアッシュをクリンカ粉砕部12で粉砕して回収する工程(クリンカアッシュ回収工程)と、各集塵部13,14,15,16,17,18でフライアッシュを捕集する工程(フライアッシュ捕集工程)と、クリンカ粉砕部12から回収されたクリンカアッシュ及び各集塵部13,14,15,16,17,18で捕集されたフライアッシュのサイロ8への移送によって、クリンカアッシュにフライアッシュを選択的に混合する工程(混合工程)とを備える。
<区分工程>
上記区分工程では、図1の石炭燃焼設備の複数の集塵部13,14,15,16,17,18を、捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が一定の硫黄含有量閾値以下の低硫黄集塵部と捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値超の高硫黄集塵部とに区分する。
上記硫黄含有量閾値の下限としては、三酸化硫黄換算で0.5質量%が好ましく、0.55質量%がより好ましい。一方、上記硫黄含有量閾値の上限としては、三酸化硫黄換算で0.7質量%が好ましく、0.65質量%がより好ましい。上記硫黄含有量閾値が上記下限に満たない場合、低硫黄集塵部に区分される集塵部が少なくなり、低付着性石炭灰の製造量が不十分となるおそれがある。逆に、上記硫黄含有量閾値が上記上限を超える場合、得られる石炭灰の付着性を十分に低くすることができず、高温多湿時に居着きの発生を防止できないおそれがある。好ましい硫黄含有量閾値としては、0.6質量%を用いることができる。
図1の石炭燃焼設備は、各装置が一般的な構成であれば、複数の集塵部13,14,15,16,17,18を上記範囲内の硫黄含有量閾値を用いて区分すると、エコノマイザ集塵部13、SCR集塵部14、エアヒータ集塵部15及び第1電気集塵部16が、捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値以下となる低硫黄集塵部に区分され、第2電気集塵部17及び第3電気集塵部18が、捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値を超える高硫黄集塵部に区分される。
<サイロ決定工程>
上記サイロ決定工程では、製造される石炭灰がサイロ8内に貯留される期間中、好ましくは輸送を含めた期間中に、大気の絶対湿度が予め定められる湿度閾値以上になり得る場合、つまり、大気の絶対湿度が上記湿度閾値を超える可能性があると予想される場合は、クリンカ粉砕部12からクリンカアッシュを移送する先と、低硫黄集塵部13,14,15,16からフライアッシュを移送する先とを同一のサイロ8に設定し、このサイロと異なるサイロ8を高硫黄集塵部17,18からフライアッシュを移送するサイロ8に設定する。
上記湿度閾値の下限としては、0.02kg/kgが好ましく、0.022kg/kgがより好ましい。一方、上記湿度閾値の上限としては、0.03kg/kgが好ましく、0.028kg/kgがより好ましい。上記湿度閾値が上記下限に満たない場合、湿度が低く居着きが発生し得ない場合にまで一部のフライアッシュを除外して低付着性石炭灰を製造することになり、石炭灰の製造量が少なくなるおそれがある。逆に、上記湿度閾値が上記上限を超える場合、居着きの発生を十分に防止できないおそれがある。好ましい湿度閾値としては、0.025kg/kgを用いることができる。
一方、大気の絶対湿度が湿度閾値未満を維持し得る場合、つまり上記大気の絶対湿度が湿度閾値以上になり得る場合以外は、クリンカ粉砕部12で回収されるクリンカアッシュを移送するサイロ8と、全ての集塵部13,14,15,16,17,18からフライアッシュを移送するサイロ8とを同一のサイロに設定する。
また、「大気の絶対湿度が湿度閾値以上になり得る場合」とは、天気予報に基づいて判断してもよく、過去の気象データから判断してもよい。より簡単には、例えば、日本国の東京都における6月から9月までの期間を、全て「大気の絶対湿度が湿度閾値以上になり得る場合」と判断してもよい。さらに簡単には、クリンカアッシュを移送するサイロ8を決定又は変更する日の暦によって「大気の絶対湿度が湿度閾値以上になり得る場合」か否かを判別してもよい。
<クリンカアッシュ回収工程>
上記クリンカアッシュ回収工程では、石炭燃焼設備を稼働、つまり燃焼炉10で石炭を燃焼し、ボイラ1で水蒸気を製造すると同時に、クリンカ粉砕部12でクリンカアッシュを粉砕して回収する。
<フライアッシュ捕集工程>
上記フライアッシュ捕集工程は、上記クリンカアッシュ回収工程と並行して行われ、各集塵部13,14,15,16,17,18でボイラ1から排出される燃焼排ガス中のフライアッシュを捕集する。
なお、図1の石炭燃焼設備において各装置が一般的な構成であれば、全てのアッシュ(クリンカアッシュ及びフライアッシュ)の中で、第1電気集塵部16で捕集されるフライアッシュが最も多く、一例としては約66質量%を占める。また、同じ例において、クリンカアッシュは約10質量%であり、第2電気集塵部17で捕集されるフライアッシュは約13質量%であり、第3電気集塵部18で捕集されるフライアッシュは約3質量%である。また、他のエコノマイザ集塵部13、SCR集塵部14及びエアヒータ集塵部15で捕集されるフライアッシュはそれぞれ数%で、これらを合わせても約10%に過ぎない。従って、捕集量が小さいエコノマイザ集塵部13、SCR集塵部14及びエアヒータ集塵部15で捕集されるフライアッシュは、必ずしも低付着性石炭灰の製造に使用しなくてもよい。
<混合工程>
混合工程では、クリンカ粉砕部12及び各集塵部13,14,15,16,17,18からアッシュを先に設定されたサイロ8に移送する。この結果として、クリンカ粉砕部12で粉砕されたクリンカアッシュと同じサイロ8に移送されたフライアッシュは、クリンカアッシュと混合される。
このため、大気の絶対湿度が上記湿度閾値以上になり得る場合には、サイロ8において、クリンカアッシュに低硫黄集塵部13,14,15,16で捕集されたフライアッシュを選択的に混合した低付着性石炭灰が製造される。
この低付着性石炭灰は、サイロ8から主に空気輸送によって搬送され、船舶に積載されて出荷される。
また、大気の絶対湿度が上記湿度閾値以上になり得る場合、高硫黄集塵部17,18で捕集されたフライアッシュは、クリンカアッシュと異なるサイロ8に移送される。この高硫黄集塵部17,18で捕集され、サイロ8に貯留されたフライアッシュは、上記低付着性石炭灰とは別に使用される。
また、大気の絶対湿度が上記湿度閾値未満を維持できる場合には、同一のサイロ8に、クリンカ粉砕部12で粉砕されたクリンカアッシュと全ての集塵部13,14,15,16,17,18で捕集されたフライアッシュとが移送されて互いに混合されることにより、付着性が調製されない石炭灰が上記低付着性石炭灰の製造時よりも多量に製造される。
[利点]
当該低付着性石炭灰製造方法では、硫黄含有量が大きく、吸湿性及び固結性の高いフライアッシュを除外して、硫黄含有量が小さく、吸湿性及び固結性の低いフライアッシュを選択することにより石炭灰を製造するので、安価に石炭灰を製造できるにもかかわらず、得られる石炭灰の付着性が低く、石炭灰の輸送中に居着きが発生し難い。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、全ての低硫黄集塵部、つまり、エコノマイザ集塵部、SCR集塵部、エアヒータ集塵部及び第1電気集塵部で捕集されるフライアッシュを全てクリンカアッシュと混合したが、本発明の低付着性石炭灰製造方法は、いずれか1つの低硫黄集塵部で捕集されるフライアッシュを選択すればよく、クリンカアッシュと混合することは必須ではない。但し、製造効率の点から、フライアッシュの捕集量が最も多い第1電気集塵部のフライアッシュを選択することが好ましく、第1電気集塵部のフライアッシュを他の低硫黄集塵部で捕集されるフライアッシュと混合することがより好ましい。また、製造効率の点からは、1又は複数の低硫黄集塵部で捕集されるフライアッシュをクリンカアッシュと混合することが好ましい。
また、本発明の低付着性石炭灰製造方法を適用する石炭燃焼設備は、燃焼炉と複数の集塵部とを備えるものであればよく、集塵部の種類及び数は特に限定されない。電気集塵機が有する集塵部の数も3つに限らない。上記実施形態では、エコノマイザ集塵部、SCR集塵部、エアヒータ集塵部及び第1電気集塵部が低硫黄集塵部であると説明したが、石炭燃焼設備の構成に応じて、捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が一定の硫黄含有量閾値以下となる集塵部が低硫黄集塵部とされる。例えば脱硝装置の上流側に高温電気集塵装置が配設される石炭燃焼設備において、この高温電気集塵装置の1以上の集塵部のうち、捕集されるフライアッシュの硫黄の含有量が硫黄含有量閾値以下となる集塵部を低硫黄集塵部としてもよい。
なお、本発明者らの研究により、一般に、燃焼炉から電気集塵機の1段目の集塵部までの間で捕集されるフライアッシュの硫黄の含有量が小さく、電気集塵機の第2段目以降の集塵部で捕集されるフライアッシュの硫黄の含有量が大きくなる傾向があることが分かっている。
従って、電気集塵機よりも上流側の集塵部及び電気集塵機の1段目の集塵部を低硫黄集塵部として取り扱えばよい。つまり、本発明の低付着性石炭灰製造方法は、電気集塵機の第2段目以降の集塵部で捕集されるフライアッシュをクリンカアッシュに混合しないよう分離して回収するものとすればよい。
クリンカアッシュとフライアッシュとの混合は、例えば中間ホッパ等、サイロ以外の場所で行ってもよい。
また、上記実施形態では、クリンカアッシュを粉砕により紛体化したが、クリンカアッシュを湿式処理したものを乾燥することにより紛体化してもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
上記実施形態と同様に、燃焼炉の煙道に、エコノマイザ、脱硝装置、エアヒータ、3段構成の電気集塵機及び脱硫装置が配設された石炭火力発電用石炭燃焼設備において、クリンカ粉砕部から排出されるクリンカアッシュ、第1電気集塵部で捕集されたフライアッシュ及び第2電気集塵部で捕集されたフライアッシュをサンプリングし、その三酸化硫黄換算硫黄含有量と、相対湿度53%における飽和吸湿量とを測定した。この測定結果を、図2に示す。
図示するように、石炭燃焼設備の上流側で捕集されるアッシュ程硫黄含有量が小さく、吸湿性も低いことが確認された。具体的には、三酸化硫黄換算硫黄含有量が0.7質量%以下のフライアッシュであれば、飽和吸湿量が0.4%以下となり、付着性が比較的小さいことが確認された。また、三酸化硫黄換算硫黄含有量が0.5質量%以下のフライアッシュであれば、飽和吸湿量が0.2%以下となり、付着性が極めて小さいことが確認された。
また、上記クリンカアッシュ、第1電気集塵部で捕集されたフライアッシュ及び第2電気集塵部で捕集されたフライアッシュについて、さらに湿度条件を変えてその飽和状態における吸湿量を測定した。この測定結果を図3に示す。
図示するように、第2電気集塵部で捕集されたフライアッシュは、特に低湿度域における吸湿性が高いことが確認された。石炭灰はそれ自体が吸湿剤となり、雰囲気の湿度を低下させるため、石炭灰の低湿度域における吸湿性を低減することが居着きの発生を防止するためには効果的である。従って、第2電気集塵部以降のフライアッシュを排除して石炭灰を製造、つまり第1電気集塵部よりも上流側で捕集されるフライアッシュとクリンカアッシュとを混合することにより、居着きの発生を効果的に防止できる低付着性石炭灰を製造できる。
本発明は、石炭火力発電所等の石炭燃焼設備において好適に利用できる。
1 ボイラ
2 エコノマイザ
3 脱硝装置
4 エアヒータ
5 電気集塵機
6 脱硫装置
7 煙突
8 サイロ
9 搬送装置
10 燃焼炉
11 水管
12 クリンカ粉砕部
13 エコノマイザ集塵部
14 SCR集塵部
15 エアヒータ集塵部
16 第1電気集塵部
17 第2電気集塵部
18 第3電気集塵部

Claims (6)

  1. 燃焼炉を備える石炭燃焼設備から発生する石炭灰を用いて低付着性石炭灰を製造する方法であって、
    上記石炭燃焼設備内のフライアッシュを複数の集塵部によって捕集する工程と、
    上記捕集工程で捕集されるフライアッシュ中の硫黄の含有量が一定の硫黄含有量閾値以下である集塵部のフライアッシュを選択する工程とを備え、
    上記フライアッシュを選択する工程は、大気の絶対湿度が予め定められる湿度閾値以上になり得る場合に行う工程である
    ことを特徴とする低付着性石炭灰製造方法。
  2. 上記硫黄含有量閾値が、三酸化硫黄換算で0.5質量%以上0.7質量%以下である請求項1に記載の低付着性石炭灰製造方法。
  3. 上記フライアッシュに燃焼炉で発生したクリンカアッシュを混合する工程をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の低付着性石炭灰製造方法。
  4. 上記クリンカアッシュを粉砕する工程をさらに備える請求項3に記載の低付着性石炭灰製造方法。
  5. 上記複数の集塵部が多段式の電気集塵機の複数の集塵部を含み、
    この電気集塵機の1段目の集塵部を、上記捕集したフライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値以下の集塵部として用いる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の低付着性石炭灰製造方法。
  6. 上記フライアッシュの硫黄の含有量が上記硫黄含有量閾値以下の集塵部として、エコノマイザ、エアヒータ又は脱硝装置に配設される集塵部が含まれる請求項1から請求項のいずれか1項に記載の低付着性石炭灰製造方法。
JP2014209124A 2014-10-10 2014-10-10 低付着性石炭灰製造方法 Active JP6242780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014209124A JP6242780B2 (ja) 2014-10-10 2014-10-10 低付着性石炭灰製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014209124A JP6242780B2 (ja) 2014-10-10 2014-10-10 低付着性石炭灰製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016080203A JP2016080203A (ja) 2016-05-16
JP6242780B2 true JP6242780B2 (ja) 2017-12-06

Family

ID=55958214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014209124A Active JP6242780B2 (ja) 2014-10-10 2014-10-10 低付着性石炭灰製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6242780B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018066079A1 (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 中国電力株式会社 石炭火力発電設備
JP7407049B2 (ja) * 2020-03-26 2023-12-28 太平洋セメント株式会社 水硬性硬化体用材料の製造方法、及びセメント硬化体の製造方法
JP7488677B2 (ja) * 2020-03-30 2024-05-22 太平洋セメント株式会社 クリンカ細骨材の製造方法、及びセメントクリンカの製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02217711A (ja) * 1989-02-15 1990-08-30 Shikoku Sogo Kenkyusho:Kk 石炭ボイラの煙道ガスからのフライアッシュ採取方法
JPH0478481A (ja) * 1990-07-18 1992-03-12 Chubu Electric Power Co Inc 石炭灰品質管理方法及び装置
JP3626797B2 (ja) * 1995-10-06 2005-03-09 三菱重工業株式会社 クリンカ回収装置
JP3029565B2 (ja) * 1996-01-25 2000-04-04 住友重機械工業株式会社 電気集塵装置の灰輸送制御方法及び灰輸送制御装置
JP2000140686A (ja) * 1998-11-09 2000-05-23 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd フライアッシュ回収装置
JP2004199324A (ja) * 2002-12-18 2004-07-15 Kawasaki Heavy Ind Ltd 石炭灰有効利用支援システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016080203A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6242780B2 (ja) 低付着性石炭灰製造方法
JP4483946B2 (ja) セメントの製造方法
CN102173608A (zh) 电石渣高比例配料五级预热器窑外分解生产水泥熟料工艺方法
Olsen Opportunities for energy efficiency and demand response in the California cement industry
CN101791622B (zh) 金属镁渣转化为锅炉脱硫剂的工艺方法
CN101955166B (zh) 半水磷石膏的分解方法
CN101869805A (zh) 用来保护scr催化剂和控制多种排放物的系统和方法
CN102512919B (zh) 一种电石渣制粉工艺及系统
US9579600B2 (en) Method of and apparatus for combusting sulfurous fuel in a circulating fluidized bed boiler
US8906333B1 (en) Dry scrubber system with air preheater protection
US7897134B1 (en) System and method for calcining gypsum
Ladwig et al. Flue-gas desulfurization products and other air emissions controls
US20220105523A1 (en) Hydrated lime with reduced resistivity and method of manufacture
CN107252624A (zh) 一种利用粉煤灰的半干法脱硫系统及工艺
CN103486867A (zh) 水泥窑旁路放风工艺及系统
JP3999995B2 (ja) 乾式排煙浄化システム
CN103896501B (zh) 一种石灰生产线窑尾通风系统及窑尾通风工艺
JP2017104855A (ja) 乾式排煙浄化剤の製造方法
JPWO2018168637A1 (ja) フライアッシュの使用方法
CN105797833B (zh) 一种磷渣粉磨系统
CN103239984A (zh) 一种用于cfb锅炉的干法精细连续脱硫装置及方法
JP2016079192A (ja) 燃料用石炭調製方法、石炭灰評価方法及び石炭灰
CN209519577U (zh) 一种水泥回转窑干雾脱硫系统
CN207446204U (zh) 基于烟气脱硫脱硝的胶凝材料的生产装置
JP5063761B2 (ja) 火力発電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6242780

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150