JP6242421B2 - 撮像プローブ及び磁気測定検出器を備えるシステム - Google Patents

撮像プローブ及び磁気測定検出器を備えるシステム Download PDF

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本発明は、磁気検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位に関する情報を得る方法に関する。また、本発明は、患者の組織の少なくとも一部を撮像するための撮像プローブと、磁気測定検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を検出するための磁気検出器と、を備えるシステムに関する。更に、本発明は、少なくともその一部分が患者の組織(tissue)内へ挿入可能な医療用デバイスであって磁性コンポーネントを備える医療用デバイスと、医療用デバイスの少なくとも一部に関する位置及び/又は方位情報を得る方法と、に関する。そして、本発明は、細長い医療用デバイスを磁化するための装置に関する。
患者の組織への医療用デバイスの挿入を伴う種々の医療処置、例えば侵襲を最小限にする処置や局所麻酔においては、患者の組織内での医療用デバイスの正確な位置を知らされることは、医師にとって極めて有利である。例えば、外科麻酔又は術後鎮痛のための末梢神経ブロックを含む局部麻酔を導入するために、ニードルが、超音波撮像の助力の下で関心領域へ案内されることがある。しかし、超音波画像においてニードルの端点を正確に検出する難易度は高いことが判明している。
カナダ、オンタリオのノーザン・デジタル・インク(www.ndigital.com)(Northern Digital Inc., Ontario, Canada (www.ndigital.com))は、商品名「オーロラ(Aurora)」という電磁的検出システムを提供している。このシステムは、電磁界を生成するための電磁界発生器と、この発生器によって生じる電磁界に反応する種々のセンサコイルと、を備える。機器のチップの位置を、又は複数のコイルが組み込まれている場合には機器の形状を、リアルタイムで測定するために、1つ以上のセンサコイルが、生検ニードル、カテーテル又はフレキシブル内視鏡等の医療用機器内に組み込まれていることがある。利用可能な種々のセンサコイルは、形状及びサイズが異なっており、三次元空間における、発生器の電磁界に対するセンサコイルの相対的な位置と、二次元又は三次元におけるセンサコイルの方位とを検出可能である。センサコイルは、コイルのデータをシステム制御ユニットへ送信するセンサインタフェースユニットに対して、ワイヤによって接続されている。システム制御ユニットは、センサコイルから得られた情報を集め、センサコイルの位置及び方位を計算する。
「小型電磁式位置追跡機の評価」、医療物理学(2002)、29(1)、2205頁以降("Evaluation of a miniature electromagnetic position tracker", Mat. Phys. (2002), 29 (1), 2205 ff)において、フンメル等(Hummel et al.)は、「オーロラ」電磁式追跡システム測定結果の正確性に対する超音波走査ヘッドの存在の影響について研究している。
プラシディ・ジー等(Placidi, G. et al.)は、「生体内カテーテル法のための磁気的位置特定システムに関する特許批評」、生体工学の最新特許(2009)、2、58頁以降("Review of Patents about Magnetic Localization Systems for in vivo Catheterizations", Rec. Pat. Biomed. Eng. (2009), 2, 58 ff)において、磁界が患者の身体の外にある(「オーロラ」システムに見られるような「体外生成磁界」)システムと、患者の身体の内にある永久磁石(「体内永久磁石」)によって磁界が生成されるシステムと、を区別している。体内医療用デバイスに恒久的に固定された永久磁石の三次元における位置と、二次元における方位とを検出可能なシステムが検討されている。各測定は、永久磁石によって生成された磁界のx、y及びz成分を少なくとも2つの空間位置において測定するために、空間的に分離された少なくとも2つの3軸磁気センサを伴う。6つの磁気センサが患者を包囲する円内に配列されて、患者の身体の各部分が少なくとも2つのセンサによって確実にカバーされるようになっている。使用に先立ち、システムは地磁界を考慮に入れて校正される。校正ステップにおいては、永久磁石の無い状態で地磁界が測定され、次いで、それに続く各測定値から減算される。その残余から磁石の位置が計算される。このシステムの不利な点は、一旦校正を行うとシステムを移動させることができないことであると考えられている。
また、プラシディ等の上記文献で引用されている米国特許第6263230号には、磁石と同時にではないにしても初期校正の後に検出器を動かすことができる「連続自動再校正」方式が記載されている。留置医療用デバイスの永久磁石の位置を検出するために、磁気検出システムが蛍光透視鏡ヘッドに既知の空間的関係で取り付けられ、磁界は双極子場として近似される。地磁界及びこれに伴う局所摂動を補償するために、磁石が患者内へ導入されるのに先立って初期校正が行われる。検出器システムの各磁気センサに対してオフセット値が決定される。その後、磁石が患者内へ導入されたときに、それぞれの磁気センサの示度からそれぞれのオフセット値が差し引かれることで、地磁界及びその局所摂動が補償される。また、「連続自動再校正」方式は、検出システムが動かされたとしても、地磁界の局所摂動を補償することを可能にする。この方式によると、先の測定から既知である位置に磁石を静置したまま、検出器が動かされる。検出器の正確な位置変化がデジタイジングアームによって追跡され、これにより、検出器の新たな位置での磁石による磁界が計算される。結果は、検出器によって実際に測定された磁界から差し引かれ、その残余は新たな位置での地磁界の寄与であるとみなされる。このプロセスは、検出器が更に別の位置に動かされると、繰り返され得る。
米国特許第6216029号は、ニードルの超音波フリーハンド案内のための装置を開示している。超音波プローブと、ニードル又はニードルガイドとの両方に、基準に対するプローブ及びニードルの位置を感知するための複数の方位センサが設けられている。各方位センサは、3つのトランスポンダを三角形配列で備えていてよい。トランスポンダは、好ましくは、赤外又は可視光で動作する電気光学センサである。代替的には、システムは、磁気送信機と、超音波プローブとニードル又はニードルガイドとの各々に取り付けられた磁気受信機と、を備える。目標区域の超音波画像は、ディスプレイ画面上に表示される。また、ニードルは、当該ニードルが超音波画像外にある場合でも、明確に色づけされた線として表示される。加えて又は代替的に、ニードルの軌跡がディスプレイされる。
同様に、米国特許第6733468号は、診断医療用超音波システムを開示しており、このシステムにおいては、超音波プローブと、侵襲的医療用デバイス(例えばカニューレ)との両方は、各々の位置及び/又は方位を送信するために各々に取り付けられた位置センサを有している。ニードル及びプローブの位置から、プローブの撮像面に対するニードルの相対位置が決定される。これにより、侵襲的医療用デバイスの投影された軌跡及び実際の軌跡が計算され、超音波画像上に重畳される。
本発明の目的は、磁気検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位に関する情報を得る改良された方法を提供することである。また、本発明は、患者の組織の少なくとも一部を撮像するための撮像プローブと、磁気測定検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を検出するための磁気測定検出器と、を備える改良されたシステムを提供することを目的とする。更に、本発明は、少なくともその一部分が患者の組織内へ挿入可能な改良された医療用デバイスであって磁性コンポーネントを備える改良された医療用デバイスを提供することと、医療用デバイスの少なくとも一部に関する位置及び/又は方位情報を得る改良された方法を提供することと、を目的とする。そして、本発明は、細長い医療用デバイスを磁化するための新規な装置を提供することを目的とする。
以下においては、特許請求の範囲を参照して本発明が説明される。尚、全ての請求項における参照番号は、限定の効果を有することはなく、読みやすさを高めるためのものである。
(位置及び/又は方位情報を得る方法)
本発明の1つの側面によると、請求項1の特徴を有する方法を提供することによって問題が解決される。従って、本発明によれば、磁気測定検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位が直接的に得られる。有利なことに、少なくとも2つの同時測定の結果を結合することによって、二次磁界の影響がコンピュータ的に排除されるので、地磁界を補償するためのオフセット値を得るために、例えば米国特許第6263230号に記載される方法において用いられる初期校正ステップを行う必要がない。また、当該文献に開示される「連続自動再校正」手順は、検出器の位置変化を測定するデジタイジングアームに頼り、検出器が動かされる間に磁性コンポーネントが静止したままであることを要するものであるが、この手順が回避され得る。それどころか、磁気測定検出器及び磁性コンポーネントが同時に動かされたとしても、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を導き出すことが可能である。このことは、特に、プローブにより生成された患者組織画像に対する医療用デバイスの位置を追跡する超音波支援医療処置のための超音波プローブ等の携帯型プローブに磁気測定検出器が取り付けられている場合において、大きな利益となる。このような場合、医療用デバイスが動かされている間に医師がプローブを静止させたままにするのは殆ど不可能である。また、有利なことに、米国特許第6263230号のデジタイジングアームを用いずに済ますことができるので、本発明による磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を検出するための手段は、基準との物理的な接触を必要としない。事実、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位に関する望ましい情報を提供するために、磁性コンポーネント以外の基準としての手段を不要にすることが達成可能である。このことは、米国特許第6263230号の教示だけでなく、例えば米国特許第6216029号及び米国特許第6733468号の教示とも対照的である。関心のある量、即ちプローブに対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位は直接的に得られるので、プローブ位置及び磁性コンポーネントの位置のための別個の推定値に頼る推定方法、例えば米国特許第6216029号及び米国特許第6733468号に開示される方法に比べて推定の誤差が生じにくい。
また、有利なことに、本質的に同時に行われる2つの測定の結果を結合して磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を得ることによって、地磁界を補償するために、身体外生成磁界に対する磁性コンポーネントの振動磁界に頼る手順、即ちプラシディ・ジー等の上記文献に開示される方法に頼る手順を不要にすることができる。
本発明との関連において、「磁気測定検出器」とは、それ自身がさらされている磁界に関する定量的情報、例えば磁界の絶対値、方向及び/又は勾配を得ることができるデバイスである。磁気測定検出器は、1つ以上の磁力計を含んでいてよい。測定が行われる複数の位置と磁気測定検出器とに関して「空間的に関連付けられる」という表現は、複数の位置の配置及び方位から検出器の位置及び方位が導き出され得るように複数の位置が検出器と同期して(従って複数の位置も互いに同期して)動くことを意味する。
「二次磁界」は、一般的には地磁界を含むはずである。加えて、「二次磁界」は、地磁界の歪又は他の磁界、例えば磁気測定検出器の近傍の装置によって生成される磁界若しくはその歪を含む。好ましい二次磁界は、磁気測定検出器が使用されるときに磁気測定検出器が動く空間内で本質的に均一である。
「磁性コンポーネント」は、それ自身の磁界を生成する実体である。磁性コンポーネントは、その磁気的性質によって、その位置及び/又は方位に関する情報を磁気測定検出器に提供することができる。
磁性コンポーネントの「位置に関する情報」は、少なくとも1つの空間次元における位置、より好ましくは二次元における位置、更に好ましくは三次元における位置を参照する。同様に、磁性コンポーネントの「方位に関する情報」は、少なくとも1つの空間次元における方位、より好ましくは二次元における方位、更に好ましくは三次元における方位を参照する。得られる情報は、好ましくは所定の解像度の範囲内での磁性コンポーネントの位置及び/又は方位である。また、単に磁性コンポーネントが撮像プローブの撮像面内にあるか否かの情報でさえ、本発明の範囲における位置情報を構成し得る。更に、磁性コンポーネントが撮像面の手前又は背後にあるという情報も、位置情報を構成する。
また、本発明に関連する課題は、請求項3の特徴を有する方法を提供することによって解決される。請求項3による方法は、慣性測定ユニットの測定から、磁気測定検出器の方位、又は、方位及び位置の両方が導き出され得るという事実を有利に利用することができる。その結果から、検出器に対する二次磁界、好ましくは地磁界の方位、又は、方位及び強度をそれぞれ導き出すことができる。このため、好ましくは、初期校正ステップにおいて、磁気測定検出器に対する二次磁界の方位、又は、強度及び方位が、磁性コンポーネントなしで測定される。初期校正位置からの磁気測定デバイスの方位変化を追跡すること(tracking)によって、空間的及び時間的に一定であると近似される二次磁界の各成分を計算することができる。
本発明との関連において、「慣性測定ユニット」は、ジャイロスコープ及び/又は加速度計、好ましくは両方を備えるユニットである。請求項1の解決法と同様に、有利なことには、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位に関する望ましい情報を提供するために、磁性コンポーネント以外に基準としての手段が必要とされない。
(撮像プローブ及び磁気測定検出器を備えるシステム)
本発明の別の側面によると、本発明に関連する課題は、請求項18の特徴を有するシステムを提供することによっても解決される。
「携帯型プローブ」は、ユーザの手によって所望の位置に保持される使用が意図されるプローブである。特に、携帯型プローブにおいては、ユーザが手を離した位置にプローブを保持し得るサポートアーム、ランナ又はワイヤ等の技術的手段が欠如している。好ましい携帯型プローブはハンドルを備える。
また、本発明に関連する課題は、請求項19の特徴を有するシステムを提供することによって解決される。ファスナにより、本発明による磁気測定検出器を、本発明による磁気測定検出器の使用を目的として当初設計されていなかった(又は少なくとも専用ではない)撮像プローブに取り付けることができる。好ましくは、ファスナは撮像プローブ及び/又は磁気測定検出器に固定的に取り付けられる。複数のファスナが別個の部品として設けられていてもよく、またファスナは、ファスナを撮像プローブ及び/又は医療用デバイスに固定的に取り付けるための部分(例えば自己接着性の部分)を備えていてよい。
(医療用デバイス並びに医療用デバイスに関する位置及び/又は方位情報を得る方法)
本発明の更に別の側面によると、請求項26の特徴を有する医療用デバイスや、医療用デバイスの少なくとも一部に関する位置及び/又は方位情報を得る請求項37の特徴を有する方法を提供することによっても課題が解決される。医療用デバイス並びに医療用デバイスの少なくとも一部に関する位置及び/又は方位情報を得る方法は、医療用デバイスを磁気測定検出器により検出可能にするために磁化され得る機能コンポーネント(例えばカニューレ又は金属ロッド)を多くの医療用デバイスが備えているという発明者の発見を利用する。従って、医療用デバイスの機能コンポーネントは、単純に磁化によって、医療用デバイスにおける機能コンポーネントの元々の機能を超える追加の目的を割り当てられ得る。
本発明との関連において、医療用デバイスの「機能コンポーネント」は、磁気測定検出器に位置及び/又は方位情報を提供することに加えて、医療用デバイスが機能することに貢献するコンポーネントである。即ち、機能コンポーネントは、医療用デバイスが医療用デバイスとしてその目的を達成することに貢献する。この点において、位置及び/又は方位情報を磁気測定検出器へ転送することは、医療用デバイスの機能とは考えられていない。機能は、例えば、医療用デバイスがカテーテル又はカニューレである場合には、患者の組織への液の輸送又は患者の組織からの液の輸送であり、あるいは、医療用デバイスが電気手術器具である場合には、電気外科的処置であってよい。
好ましい磁性コンポーネントは、医療用デバイスの「本質的(essential)」コンポーネントである。この関連において、「本質的」とは、磁性コンポーネントが取り除かれたときに医療用デバイスがその目的を果たすことができないことを意味する。代替的には、磁性コンポーネントは本質的ではないものの、有益である。例えば磁性コンポーネントは、方位及び/又は位置情報を磁気測定検出器に提供することを超えて、医療用デバイスの機能性、取り扱い性又は他の性質を改善することができる。
(磁化装置)
そして、本発明の更なる側面によると、細長い医療用デバイスを磁化するための請求項39の特徴を有する装置を提供することによって課題が解決される。この装置は、細長い医療用デバイス(例えばカニューレ)を、医療処置が行われる直前に磁化するために用いることができる。細長い医療用デバイスを保持するための容器及び磁化器の両方をこの装置が備えていることにより、カニューレを、本発明によるシステムを伴う方法や本発明による医療用デバイスにおける方法において使用される磁性コンポーネントへ変化させるために、例えば医師によってカニューレが容易に磁化され得る。
本明細書及び特許請求の範囲を通して本発明の基本概念のより良い理解のために1つの磁性コンポーネントのみが参照されるが、本発明は、言うまでもなくあらゆる面において、更なる磁性コンポーネントが存在する実施形態をも包含する。当業者にとって容易に明らかになるように、本発明による方法、装置及びシステムは、1つのみの磁性コンポーネントに代えて複数の磁性コンポーネントにも同様に適用することができる。
(本発明の好ましい実施形態の説明)
単独で又は組み合わせて適用され得る本発明の好ましい特徴を、以下において及び従属請求項において検討する。
(位置及び/又は方位情報の取得)
好ましくは、磁気測定検出器に空間的に関連付けられる1つ以上の位置で測定された磁界の強度及び/又は方位は、二次磁界、即ち地磁界(場合によっては歪んでいる)の強度及び/又は方位の直接的な推定値として用いられる。このため、好ましくは、この又はこれらの位置での測定値が、磁性コンポーネントの磁界によって十分に影響されずに、二次磁界の強度及び/又は方位の推定値を直接的に提供することを確実にするために、この又はこれらの位置は、磁性コンポーネントから十分に分離されている。従って、磁気測定検出器が、撮像プローブ(例えば超音波撮像プローブ)と一体化されている場合又はこれに取り付け可能である場合には、後で更に検討するように、本発明の実施形態による二次磁界の強度及び/又は方位を測定するための磁気測定検出器の手段(例えば複数の磁力計)は、患者の組織内へ導入された磁性コンポーネントの磁界によってこれら磁力計(又は1つの磁力計)が本質的に影響を受けないことを確実にするために、患者に近接する撮像プローブの部分から十分に離間している。
本実施形態との関連において、「直接的な推定値」とは、単一又は複数の位置での測定値が、二次磁界の強度及び/又は方位を必要な精度の範囲内で推定するのに十分であることを意味する。
有利なことに、本発明の上記好ましい実施形態によって測定された磁界を、1つ以上の他の位置での測定結果から単純に減算すれば、他の位置での測定値の各々に対して磁性コンポーネントの磁界のみを得ることができる。次いで、これを用いて、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を導き出すことができる。
好ましくは、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位は、磁性コンポーネントに起因する磁界のモデルを、磁性コンポーネントの磁界に影響される位置での測定値から得られた、二次磁界が減算された後の磁性コンポーネントの実際の磁界に適合させることによって、コンピュータ的に計算される。従って、このモデル適合手順においては、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位が未知のパラメータである。
本発明の代替的な実施形態においては、二次磁界、好ましくは地磁界に相当する均一磁界を備えるモデルが、モデルにおける更なる未知のパラメータであり、このモデルは、適切なアルゴリズムによって、未知のパラメータ、即ち磁性コンポーネントの位置及び/又は方位、並びに、関心のある場合には更に二次磁界の強度及び/又は方位を導き出すために、複数の位置での測定結果に適合させられる。この方法は、好ましくは、磁界の強度及び/又は方位が測定される磁気測定検出器の全ての位置が、それらの位置の何れも二次磁界の強度及び/又は方位の推定値を直接的に提供することができない程度に二次磁界によって影響される可能性があると考えられる場合に、採用される。
上記方法の変形においては、各位置での測定結果に対する二次磁界の影響は、異なる位置での測定値の差分値(differential values)を決定することによって、先ず相殺される。例えば、正規化(後で検討する)の後に、種々の位置で決定された磁界の強度及び/又は方位の平均値が、個別の位置での磁界の強度及び/又は方位から減算され得る。従って、磁力計は、事実上、磁場勾配計(gradiometers)として機能する。次いで、これらの差分値は、元の磁界の差分又は他の汎関数微分(differentials or other functional derivatives)を利用するモデルに適合させられ得る。
また、好ましくは、測定値から、磁気測定検出器の動きに起因する磁気測定検出器の方位及び/又は位置の変化が得られる。例えば、磁気測定検出器の方位及び/又は位置の変化は、磁気測定検出器の2つ以上の位置での測定結果を結合することによりコンピュータ的に計算された地磁界に対する検出器の方位から得ることができる。また、磁気測定検出器の方位及び位置は、慣性測定ユニットの測定値から導き出すこともできる。磁気測定検出器が撮像プローブに取り付けられている場合には、例えばこの情報を用いて、異なる位置及び/又は異なる方位で撮像プローブによって取得された複数の画像を3次元マップ又はパノラマ的マップに結合することができる。特に、これにより、拡張体積(extended volumes)の3次元マッピングが容易になる。従って、一方における慣性測定ユニット、特に加速度計と、他方における二次磁界を推定するための磁界の強度及び/又は方位の測定とは、互いに置換可能である。しかし、本発明は、これら両方の手段が設けられる実施形態をも含む。特に、両手段の結果を結合することで、例えば両手段の結果を平均化することで、正確性を高めることができる。
(磁気測定検出器及びベースユニット)
磁気測定検出器においては、磁界の強度及び/又は方位は、好ましくは、磁気測定検出器に空間的に関連付けられる少なくとも2つの位置で、より好ましくは少なくとも3つの位置で、更に好ましくは少なくとも4つの位置で測定され、これらの位置は互いに離れている。これらの測定値を結合することにより、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を導き出すことができる。これらを更に結合することで、二次磁界の影響をコンピュータ的に排除することができる。
好ましくは、少なくとも2つの位置での磁界、より好ましくは少なくとも3つの位置での磁界、更に好ましくは各位置での磁界が磁気測定検出器の磁力計によって測定され、各磁力計がそれぞれの位置に配置される。好ましくは、磁気測定検出器の第1の位置で、より好ましくはそれに加えて第2の位置で、更に好ましくはそれらに加えて第3の位置で、最も好ましくは全ての位置で、少なくとも2つの線形的に独立な空間方向、より好ましくは3つの線形的に独立な空間方向における磁界の各成分が測定される。
本発明の好ましい実施形態においては、測定結果は処理のためのベースユニットへ送信され、好ましいベースユニットは、磁気測定検出器から分離されている。この関係において、「分離されている」とは、ベースユニット及び磁気測定検出器が互いに同期して動かないこと、即ちこれらが空間的に関連付けられていないことを意味する。むしろ、磁気測定検出器は、ベースユニットとは独立に動くことができる。特に、ベースユニットは、磁気測定検出器(好ましくは上述したように撮像プローブに取り付けられている)が動かされる間に、静止したままでいることができる。磁気測定検出器とベースユニットとの間での伝送は、例えばフレキシブルケーブル又はワイヤレス接続によって実現することができる。ワイヤレス接続の有利な点は、プローブケーブルに加えて別のケーブルを必要とすることなしに、磁気測定検出器を従来の撮像プローブに取り付けることができる点にある。
本発明の実施形態で達成可能な利点は、測定結果から磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を導き出すのに必要なコンピュータ計算の大部分又は全てをベースユニット内で行うことができる点にある。このことは、二次磁界の影響を排除し且つ磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を導き出すために必要なコンピュータ的手段が、撮像プローブに容易に取り付けるのに十分小さいマイクロプロセッサにとっては過剰要求であり得るという事実を考慮すると、有益である。従って、コンピュータ計算の一部又は全部を、十分な処理能力が容易に提供され得るベースユニットに移行することによって、磁気測定検出器を小型軽量にすることができる。
別の実施形態においては、ベースユニットは、プローブケーブルを介して提供される磁力計からの情報を伴う撮像システムと統合される。
好ましい磁気測定検出器は、場合によっては慣性測定ユニットを伴う幾つかの磁力計と、マルチプレクサ又はマイクロプロセッサであってよいインタフェース回路と、を備える。インタフェース回路は、単一のケーブル又はワイヤレスリンクを介して、多重プローブの複数の信号を受け渡すことを可能にする。インタフェース回路は、それら磁力計について(慣性測定ユニットがある場合には、慣性測定ユニットについても)サンプリングを行い、場合によっては磁気測定検出器のバッテリの充電状態等の他の情報をモニタリングする。次いで、当該情報は、磁気測定検出器の送信機によってベースユニットの受信機へ送信される。
本発明の好ましい実施形態においては、磁気測定検出器は、更に、ベースユニットからの情報を受信する。従って、好ましくは、磁気測定検出器とベースユニットとの間で双方向通信が可能である。ベースユニットから磁気測定検出器への戻りチャネルは、例えば、磁力計又は慣性測定ユニットをベースユニットから遠隔操作で再設定するために用いることができる。例えば、特に測定プロセスにおけるオーバフローを回避するために、磁力計の動作範囲を、磁性コンポーネントの磁界の強度に適合させることができる。
伝送のために、磁気測定検出器とベースユニットとは、互いに機能的に接続される。「機能的に接続される」との用語は、直接接続と、1つ以上の中間コンポーネントを介した間接接続との両方を包含する。ここで、中間コンポーネントは、ハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントであってよい。好ましくは、磁気測定検出器とベースユニットとの間での伝送は、盗聴を防ぐ方法で、例えば非対称暗号化によって符号化される。また、好ましくは、磁気測定検出器及びベースユニットを備える複数のシステムが近くで動作している場合における干渉を防止するための手段が講じられる。
好ましくは、校正ステップにおいて、均一な磁界内では、複数の磁力計が全て本質的に同一の測定値を生じさせるように、磁力計は、利得、オフセット及び方位に関して校正される。それにより、全ての磁力計は、均一な磁界にさらされたときに等しい値を測定することが保証される。例えば、均一な地磁界内で磁力計が回転させられると、磁力計は、その方位に応じて、3つの線形的に独立な方向における磁界の成分の強度の変化を測定するはずである。しかし、磁界のトータルでの強度は、磁力計の方位にかかわらず一定であるべきである。一方、市販の磁力計においては、利得及びオフセットは3方向の各々で異なる。また、多くの場合には、それらの方向は互いに直交していない。例えば単一センサに関する米国特許第7275008号に記載されるように、均一且つ一定の磁界内で磁力計が回転させられると、測定結果は、傾斜した三次元楕円体を生じさせる。しかし、測定された磁界は一定であるから、正規化された測定値は球体上にあるべきである。好ましくは、オフセット値βと利得行列Mが導入されて、楕円体が球体へと変換される。
複数のセンサのセットに対して、異なるセンサの測定値が互いに同一になることを保証するために、追加のステップが行われる必要がある。これを補正するために、各位置kに対する利得正規化行列M及び正規化オフセットベクトルβのセットが決定され、これを用いて、磁力計の生の結果aが、正規化された結果bへと変換される。
=a +β
このような利得行列Mのセットは、既知の手順、例えばドルボー等による「センサのアレイのフィールド上校正」、2010年米国制御会議、バルチモア2010(Dorveaux et. al., "On-the-field Calibration of an Array of Sensors", 2010 American Control Conference, Baltimore 2010)に記載された反復的校正方式を用いて得ることができる。
定義された変換により、bは、3つの直交する空間方向における磁界の成分の強度を等利得で提供する。また、これらの方向は、磁気測定検出器内の全ての磁力計に対して同じであることが保証される。結果として、どのような均一磁界においても、全ての磁力計は本質的に同一の値を生じさせる。
校正ステップにおいて得られる各磁力計に対する正規化情報M及びβは、磁気測定検出器内又はベースユニット内に記憶しておくことが可能である。この情報は、磁気測定検出器内に記憶させておくことが好ましく、その理由は、これによりベースユニット内での情報の更新を必要とすることなく、磁気測定検出器の容易な交換が可能になるからである。このように、本発明の好ましい実施形態においては、磁気測定デバイスの磁力計がサンプリングに供され、それらの結果は磁気測定検出器内で正規化される。この情報は、場合によっては他の関連情報と共に、更なる解析のためにベースユニットへ送信される。
本発明の別の実施形態においては、変換は、別の更に一般的な非線形変換b=F(a)であってもよい。
上記校正方法に加えて、磁気測定検出器の磁力計の相対的な空間位置を得るために不均一な磁界を採用する別の校正方法が適用される。標準的な校正方法が、均一な磁界を利用して(a)複数の磁力計の測定軸を直交方向に揃え、(b)オフセット値を相殺し、(c)等利得に調節する一方で、上述したシステムにとっては、複数の磁力計の正確な相対的空間位置を利用可能であることも更に有利である。このことは、磁気測定検出器が、既知の不均一磁界にさらされる追加的な校正ステップによって達成可能である。好ましくは、種々の位置で得られた測定値を、それぞれの仮の位置で予想される磁界強度及び/又は方位と比較し、実際の測定値と予想される測定値が一致するまで仮の位置を補正することによって、センサの空間的位置の正確な校正が可能になる。
後者の校正方法の変形においては、既知ではなく未知の不均一磁界が用いられる。複数の磁力計は、未知の磁界内を、固定方位で位置を変化させながら掃引される。これらの磁力計の1つが基準トラック(reference track)を提供することで、他の磁力計の位置は、それらの測定値が基準ユニットの測定値に揃うような方法で適応的に変化させられる。このことは、例えば、機械‐磁気‐電子的傾斜降下アルゴリズム(mechano-magnetic-electronical gradient-descent algorithm)を実現するフィードバックループによって達成可能である。この不均一磁界校正において用いられるトラック(tracks)は、空間内の単一点のみから構成されてもよい。
(撮像プローブ及び処理ユニット)
好ましくは、磁気測定検出器は、患者の組織の少なくとも一部を撮像するための撮像プローブに一体化されており又は着脱可能である。「一体化」とは、撮像プローブが目的どおりに使用される場合に、磁気測定検出器が撮像プローブから取り外されることがないように、磁気測定検出器が撮像プローブに恒久的に固定されることを意味する。磁気測定検出器は、例えば、撮像プローブのハウジング内に配置されてよい。磁気測定検出器は、点検又は修理の目的で撮像プローブを破壊することなしに撮像プローブから分離することができる程度に、撮像プローブに接合されていてもよい。その意味において、「一体化」との用語は、磁気測定検出器が修理又は保守の目的で撮像プローブから取り外すことができる実施形態をも包含する。本発明との関連において、「着脱可能」とは、デバイスが目的どおりに使用される場合に、ある部品を、当該部品がユーザによって取り付けられた他の部品から取り外すことができることを意味する。従って、例えば、磁気測定検出器がある医療処置の間に撮像プローブと空間的に関連付けられるように撮像プローブに取り付けられたままである一方で、その医療処置が終わった後には、その検出器は、そのプローブから取り外されて別の医療処置のために別の撮像プローブへ取り付けられ得る。好ましくは、着脱を目的として、磁気測定検出器及び撮像プローブの少なくとも一方、好ましくは両方には、1つ以上のファスナが設けられている。好ましくは、磁気測定検出器及び撮像プローブは、医療処置における使用の間にそれらが互いに対して相対的に固定された位置にあることを保証するように、互いに取り付けられている。
好ましい撮像プローブは、超音波撮像プローブである。そのような超音波撮像プローブは、好ましくは超音波トランスデューサのアレイを含む。トランスデューサにより、好ましくは超音波パルスの形態にある超音波エネルギーが、診断されるべき患者の組織の領域内へと伝達される。次いで、その領域から戻る反射超音波エネルギーは、同じトランスデューサ又は他のトランスデューサによって受信され記録される。また、本発明は、他のタイプの撮像プローブ、例えばナーボニクス・インク(Nervonix Inc.)の米国特許第7865236号に開示されている種類のプローブを含むインピーダンス撮像プローブと共に用いられてもよい。
他の適切な撮像プローブは、血流量を測定可能なIRセンサ若しくはカメラ、及び/又は走査デバイスを含む。
また、好ましくは、処理ユニットが設けられている。磁気測定検出器によって生成された位置関連情報と、撮像プローブによって生成された画像情報とは、好ましくは、それぞれ磁気測定検出器及び撮像プローブから処理ユニットへ送信される(位置関連情報は、好ましくは上述したようにベースユニットを介して)。これらの情報は、次いで処理ユニット内で結合されて患者の組織の画像を生成し、この画像においては、医療用デバイスの少なくとも一部の位置が、磁気測定検出器から得られた位置及び/又は方位情報に基づいて表示される。好ましい処理ユニットは、画像をディスプレイするためのディスプレイデバイスを備える。この関連において、「位置関連情報」とは、例えば、磁力計によって得られた生データ、校正データ又は上述のように計算された実際の位置及び方位であってよい。同様に、「画像データ」とは、撮像プローブによって得られた生データ又は更に処理された生データであってよい。
本発明の好ましい実施形態においては、処理ユニットは、撮像プローブを駆動し、撮像プローブ(例えば超音波プローブ)から受信した生データを解釈する。また、好ましくは、撮像プローブを処理ユニットに接続するために、1本のケーブル又は複数のケーブルの束が設けられる。撮像プローブが超音波プローブである場合には、処理ユニットは、好ましくは、超音波パルスを発生するために、正確にタイミングがとられた電気信号を撮像プローブのトランスデューサへ送る駆動回路を備える。診断されるべき領域から超音波パルスの一部が反射されて超音波プローブに戻ってくると、受信された超音波エネルギーは電気信号に変換され、この電気信号は、次いで処理ユニットへ転送される。処理ユニットは、この電気信号を増幅すると共に処理して、患者の組織の診断領域の画像を生成する。
医療用デバイスの位置情報は、デバイスの磁性コンポーネントの位置を検出することによって得られるので、位置が表示される医療用デバイスの一部は、好ましくは、磁性コンポーネント又は医療用デバイスの別のコンポーネントの何れかであるはずであり、磁性コンポーネントに対するその相対位置は、既知である。本発明の1つの実施形態においては、磁性コンポーネントの一部分のみ、例えばカニューレの遠位端等の最遠位部分のみが示される。
磁気測定検出器及び撮像プローブから処理ユニットへの(好ましくはベースユニットを介しての)情報の送信のために、前者のコンポーネントは、処理ユニットに機能的に接続される。好ましくは、処理ユニットは、ベースユニットからの情報を受信するために、更に、磁気測定検出器に機能的に接続される(好ましくはベースユニットを介して)。このようにして、関連情報が処理ユニット又は磁気測定検出器から送信されることで、そこで行われるコンピュータ計算を容易にすることができる。
画像生成処理ユニットが双方向で接続されていれば、最も便利であろう。好ましくは、処理ユニット内で記録画像を処理することによって得られた情報は、ニードル位置の推定を容易にするために、ベースユニットへ伝送することができ、逆もまた同様である。例えば、未加工超音波画像に対するハフ変換(Hough-Transformation)によりニードルの不鮮明な画像(faint image)を検出することができ、超音波画像からのこの位置特定情報(localization information)は、制約として、磁力計データから同ニードル位置を導き出す最適化ステップに適用することができる。言うまでもなく、画像に対して直接的に動作するニードル検出アルゴリズムもまた、ベースユニットからもたらされるニードル位置に関する情報を通して安定化され得る。
好ましくは、画像内には、医療用デバイス又は医療用デバイスの一部が所定の空間面の内側に配置されているのか又は外側に配置されているのかが表示される。好ましくは、ディスプレイ上には特定の面内での患者の組織の画像がディスプレイされ、この特定の面は、上記所定の空間面に一致する。ディスプレイされる面は、例えば、撮像プローブの位置及び/又は方位によって決定されてよい。例えば、撮像プローブが2Dモードで動作する超音波撮像プローブである場合には、ディスプレイされる面は、プローブの撮像面である。好ましくは、医療用デバイスの複数部分がディスプレイされる場合には、どの部分がその空間面内に配置されているのか、どの部分がその空間面の一方の側に配置されているのか、及びどの部分がその空間面の他方の側に配置されているのかが表示される。例えば、撮像プローブの撮像面は、ある色に関連付けられていてよく、撮像プローブの一方の側(撮像面)は、別の色に関連付けられていてよく、そして他方の側は、第3の色に関連付けられていてよい。代替的に又は追加的に、例えば米国特許第6733458号に開示されるように、磁性コンポーネント又は医療用デバイスの一部の軌跡がディスプレイされてよい。撮像デバイスが主として3Dデバイスである場合には、上記説明は、当然ながら3Dボリュームに及ぶ。従って、特にこのような場合には、画像内には、医療用デバイス又は医療用デバイスの一部が所定のボリュームの内側にあるのか又は外側にあるのかが表示されてよく、ディスプレイ上には、特定のボリューム内の患者の組織の画像がディスプレイされてよく、この特定のボリュームは、上記所定のボリュームに一致する。ディスプレイされるボリュームは、例えば、撮像プローブの位置及び/又は方位によって決定されてよい。
(磁性コンポーネント及び医療用デバイス)
磁性コンポーネントは、好ましくは、残りの医療用デバイスと一体化されている。代替的には、磁性コンポーネントは、交換可能部品、例えばシリンジのカニューレであってよい。
医療用デバイスの機能は、好ましくは、磁性コンポーネントが磁性であることに依存しない。つまり、コンポーネントが磁性でないとしても、医療用デバイスはその目的を果たす。例えば、カニューレは、液体を患者の組織内へ導入するというその目的にかなうために磁性である必要はない。本発明のこの実施形態は、一般的には磁性でない医療用デバイスの特定のコンポーネントが磁化される可能性を有しており、従って、位置及び/又は方位情報を磁気測定検出器に提供するための磁性コンポーネントとして機能し得るという事実を利用する。
代替的には、磁性コンポーネントは、機能コンポーネントであり、当該機能はコンポーネントが磁性であることに依存する。この場合、本発明は、磁性コンポーネントがその磁性関連機能を医療用デバイス内で果たすことに加えて、位置及び/又は方位情報を提供するためにも使用され得るという事実を利用する。
発明者は、磁性コンポーネント、特に医療用デバイスの磁性コンポーネントが、市販の従来の磁力計によって確実に検出され得ることを見出した。磁性コンポーネントの磁界は、好ましくは交流磁界ではなく、即ち、周期的にその符号又は方位が変化しない。好ましい磁性コンポーネントの磁界は、診察、処置又は手術の間に本質的に一定であると追跡される医療用機器に関するその方位及び/又は絶対値を保つという意味において、変化しない。そのような磁化された医療用機器は、典型的な医療処置の間に磁化を十分に一定に保って磁気測定検出器によって確実に検出されることが見出された。
好ましい磁性コンポーネントは、少なくとも部分的に永久磁石である。本発明との関連において、「永久磁石」とは、磁化されている物体であって、それにより残留磁気に起因するそれ自身の持続的な磁界を生成している物体である。有利なことに、永久磁石であるが故に電源は必要ない。
永久磁石が好ましい一方で、磁性コンポーネントが非永久磁石(例えば電磁石、例えば磁界を発生するのに電流が適用され得るソレノイド)である実施形態も、本発明に包含される。また、本発明の幾つかの実施形態においては、磁性コンポーネントの一部が、単に、磁性コンポーネントの別の部分(例えば、コンポーネントの永久磁石部分)からの磁気誘導に起因して磁性であってよい一方で、本発明の他の実施形態においては、そのような誘導は関与しない。他の部分に磁界を誘導する磁性コンポーネントの一部は、必ずしも他の部分と一体化されている必要はない。むしろ、2つの部分は分離されていてよい。また、2つの部分が必ずしも互いに近接している必要はなく、互いに一定の距離を置いて離れていてもよい。実際には、一般的には、磁性コンポーネントは、1つのコンポーネントからなっていてもよいが、互いに離間する幾つかの分離した部分、例えば医療用デバイス内に1列で配列させられた幾つかの永久磁石からなっていてもよい。しかし、医療用デバイスの外側からの誘導にのみ起因して磁性になる医療用デバイスのコンポーネント(例えば、無線周波数アンテナのコイル)は、それ自身の磁界を発生しないので、本発明との関連において磁性コンポーネントとは考えないものとする。
磁性コンポーネント又は磁性コンポーネントの一部は、磁性コーティングであってよい。好ましくは、そのコーティングは、恒久的な磁性コーティングである。このため、そのコーティングは、例えば、恒久的に磁性の粒子、より好ましくはナノ粒子であってよい。「ナノ粒子」とは、少なくとも2つの空間次元において100nm以下のサイズの粒子である。
本発明の1つの実施形態においては、磁性コンポーネントは、本質的に均一な磁化を有する。別の実施形態においては、少なくとも1次元において磁化は不均一であり、即ち、磁気モーメントの大きさ及び/又は方向が磁性コンポーネント上での位置の関数として変化することにより、1次元以上の磁気パターンが生成され、このパターンは、例えば、情報の記憶のために例えばクレジットカードで用いられるような従来の磁気メモリストリップ(少なくとも1次元)又はディスク(2次元)のパターンに類似する。本発明の好ましい実施形態においては、1次元磁気パターンは、細長い磁性コンポーネント(例えばカニューレ)の長手方向に沿って記録されてよい。有利なことに、そのようなパターンは、磁性コンポーネントを識別するために便利であり得るし、従って、その磁性コンポーネントが取り付けられるデバイス又はその磁性コンポーネントが一部となっているデバイス(例えば医療用デバイス)を文書管理目的で識別するために便利であり得る。また、医療用物体(medical object)の特定の複数部分を異なる磁気コードでマーキングすることによって、これらの部分を区別可能である。本発明のこの実施形態の達成可能な利点は、磁性コンポーネントの個々の部分が識別可能であり、しかもそれらの位置及び/又は方位に関して個別的に追跡可能であることにより、磁性コンポーネントの位置及び/又は方位をより良く決定することができる点である。特に、有利なことに、磁性コンポーネントの変化しつつある形状、例えば圧力下で湾曲しつつあるニードルを追跡することができる。また、変形した磁性コンポーネント及び/又はそのコンポーネントの変形若しくは変形の度合いをより容易に決定することができる。
好ましい医療用デバイスは細長であり、即ち、その長さはその幅の少なくとも2倍である。より好ましくは、患者の組織内へ挿入可能な医療用デバイスの少なくとも一部が細長である。
好ましくは、患者の組織内へ挿入可能な医療用デバイスの少なくとも一部、より好ましくはその医療用デバイスの全体は、管状である。また、好ましくは、磁性コンポーネントは部分的に管状である。代替的には、患者の組織に挿入可能な医療用デバイスの一部又は医療用コンポーネントは、非管状の形状を有していてよく、例えば医療用デバイスが電気手術器具である場合には、例えば棒状の形状を有していてよい。本発明の好ましい実施形態においては、挿入可能な医療用デバイスの少なくとも一部、より好ましくはその医療用デバイスの全体は、カニューレである。そして、そのカニューレもまた磁性コンポーネントを構成する。好ましいカニューレは傾斜端を有しており、この傾斜端を用いてカニューレが患者の組織内へと導入される。
多くのカニューレは容易に湾曲してしまい、従って、カニューレの挿入された部分、特にカニューレ端の位置は、米国特許第6216029号に開示されるようなニードルガイドの位置からは容易に決定することができないので、本発明は、特にこのようなカニューレと共に好適に用いることができる。下記の詳細な説明に示されるように、本発明の好ましい実施形態において用いられるモデル磁界は、2つの相隔たる磁気量のみを仮定し、そのうちの1つはニードル端である。通常生じるような僅かなニードル湾曲に対しては、モデル磁界からの実際の磁界の偏差は比較的小さいので、ニードルが湾曲しているとしても、上記モデルを容易に適用してニードル端の位置を推定可能であることが見出された。
本発明は、局部麻酔のためのカニューレと共に特に有利に用いることができる。その一方で、本発明は、生検カニューレ及びカテーテル、例えば局部麻酔用のカテーテルと共に用いることもできる。カニューレ又はカテーテルの好ましい固体材料は恒久的に磁化され、又はカニューレ若しくはカテーテルには上述したように磁性コーティングが設けられる。代替的に又は追加的に、カニューレ又はカテーテルには、好ましくはその遠位端にソレノイドコイルが設けられてよい。
(磁化装置)
細長い医療用デバイスを磁化するための好ましい装置は、磁化開口を備える。磁石は、好ましくは、細長い医療用デバイスが開口を通過するにつれて細長い医療用デバイスを磁化するために磁化開口の近傍に配置される。好ましくは、装置内の開口は、容器内の開口であり、細長い医療用デバイスは、その開口を通って容器から引き抜かれることが可能であり、それにより、細長い医療用デバイスが容器から取り出されるときに細長い医療用デバイスが磁化される。好ましくは、複数の細長い医療用デバイスが容器内に収容される間、それらは容器とは異なる無菌包装内に保持される。好ましくは、それらはそれらが磁化される間にこの包装内にとどまる。
好ましい細長い医療用デバイスは、カニューレ、棒又はニードルである。好ましい容器は、2つ以上の医療用デバイスを同時に保持することができる。
磁石は、好ましくは電磁石、例えばソレノイドであり、より好ましくは輪状のソレノイド電磁石である。代替的には永久磁石であってよい。磁化デバイスは、挿入された医療用デバイスを均一に磁化するように又は細長い医療用物体に沿って磁化パターンを記録するように設計することができる。このことは、例えば、上述したような文書管理目的で使用される医療用物体を識別するために有益であろう。好ましくは、細長い医療用デバイスの長手方向に沿った磁化の変化は、細長い医療用デバイスが磁化開口を通って前進するのに従ってソレノイドの磁界を変化させることによって、達成され得る。磁界の変化を制御するために、細長い医療用デバイスの前進が、例えば、細長い医療用デバイスが磁化開口を通過するときに細長い医療用デバイスに接触する測定ロールによって記録され得る。別の実施形態においては、磁化デバイスは、磁石の分離した複数のセグメントから構成される中空管である。その管の異なる部分に異なる電流を適用することによって、医療用機器上に磁気パターンを刻み込むことができる。
磁気測定検出器及び細長い医療用デバイスの位置合わせのために装置上に複数のマーキングを設けることによって、その装置を校正ツールへと発展させることができる。好ましくは、位置合わせのために、磁気測定検出器は撮像プローブに一体化され又は取り付けられ、撮像プローブは、それらマーキングを用いて細長い医療用デバイスに対して位置合わせされる。このように、磁気測定検出器は、撮像プローブを介して医療用デバイスと位置合わせされる。
それらマーキングにより、明確に定義された相対位置に細長い医療用デバイス及び磁気測定検出器を置くことができる。これにより、磁気測定デバイスの測定に基づき、細長い医療用デバイスの特定のパラメータ、最も好ましくはその長さ及び磁気モーメントを測定して、医療処置の間におけるカニューレの位置及び方位の後のコンピュータ計算を容易にすることができる。実際に、これらのパラメータは、上述したように磁力計によって測定されたパラメータにモデルを適合させることを非常に強化することができる。
模式的な図面を用いて本発明を更に詳細に説明する。
本発明による撮像プローブ、磁気測定検出器及び医療用デバイスを備える撮像システムを模式的に示す図である。 本発明による磁気測定検出器のブロック図である。 本発明によるベースユニットのブロック図である。 本発明の第1実施形態によるカニューレの位置及び方位が重畳された患者の組織の画像の3例を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態による磁気測定検出器を模式的に示す図である。 超音波撮像プローブと、図5に示す磁気測定検出器とを備えたシステムを示す図である。 超音波撮像プローブの撮像面からのニードルの距離の関数としての、図5及び6の実施形態における絶対勾配磁界強度を示す図である。 本発明によるカニューレを磁化するための磁化装置を示す図である。
図1に示される撮像システム1は、ケーブル3を介して処理ユニット4に接続された携帯型の超音波プローブ2を撮像プローブとして備える。処理ユニット4は、超音波プローブ2を駆動する。即ち、処理ユニット4は、超音波プローブ2へ電気信号を送信して超音波パルスを発生させると共に、超音波プローブ2から受信した生データを解釈して、これを超音波プローブ2でスキャンされた患者の組織の画像へと組み立てる。また、超音波プローブ2には、バッテリ式の磁気測定検出器5が、ベルクロファスナー(Velcro(登録商標) fastener)(図示せず)により取り付けられる。磁気測定検出器5があらためて超音波プローブ2に取り付けられるときに、常に同一の明確に定められた位置及び方位で取り付けられることを確実にするために、磁気測定検出器5上には位置決め要素が設けられている。
磁気測定検出器5は、磁力計14,15(図1には図示せず)を備えており、ワイヤレスで又は他の手段によりベースユニット6と双方向(フラッシュ記号7で示される)で接続されている。そのために、磁気測定検出器5及びベースユニット6の両方にワイヤレス送受信機が設けられている。それらの送受信機は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)規格、又はWIFI(登録商標)(IEEE802.11)規格ファミリーの一規格を採用していてよい。ベースユニット6は、磁気測定検出器5の測定値の正規化された結果を受信し、この結果から、磁性の医療用カニューレ8の位置を計算し、幾つかの実施形態では、カニューレ8の位置及び方位を計算する。測定結果と共に、磁気測定検出器5のバッテリの充電状態等の付加的な情報が、磁気測定検出器5からベースユニット6へ送信される。また、設定情報(configuration information)がベースユニット6から磁気測定検出器5へ送信される。
ベースユニット6は、その計算結果、即ち、位置情報又は幾つかの実施形態では位置及び方位情報を、処理ユニット4へ転送する。このため、ベースユニット6は、例えば、USB(登録商標)(ユニバーサルシリアルバス)コネクタ、ファイヤワイヤ(FireWire)(登録商標)(iLink(登録商標)又はIEEE1394とも称される)コネクタ又はサンダーボルト(Thunderbolt)(登録商標)(ライトピーク(Light Peak)(登録商標)とも称される)コネクタ等の標準化されたシリアルコネクタを介して、処理ユニット4と接続されてよい。処理ユニット4においては、ベースユニット6から受信された情報と超音波画像とが組み合わされて、患者の組織の画像が処理ユニット4のディスプレイ画面9上に生成され、画像内にはカニューレ8の組織内での現在位置が表示される。また、ベースユニット6は、設定情報及び/又はカニューレ8の位置に関する先行情報を、同じ接続を介して処理ユニット4から受信する。
磁気測定検出器5のコンポーネントは、図2のブロック図に更に詳細に模式的に示されている。磁気測定検出器5は、マイクロプロセッサ11によるサンプリングに供される2つ以上の(例えば4つの)磁力計14,15(図2には図示せず)のアレイ10を備える。マイクロプロセッサ11は、磁力計アレイ10から得られた測定結果を正規化してそれを送受信機12へ転送し、送受信機12は、当該情報をベースユニット6へ順次送信するアンテナ13を有している。この実施形態の修正バージョンにおいては、磁気測定検出器5にはマイクロプロセッサ11ではなくマルチプレクサが設けられ、正規化はベースユニット6内のプロセッサ18によって行われる。
磁力計14,15のアレイ10内の各磁力計14,15は、線形的に独立な3方向における磁力計14,15の位置での磁界の成分a ,a ,a (kはそれぞれの磁力計を示す)を測定する。マイクロプロセッサ11は、これらの未加工値(raw values)
=(a ,a ,a
を、磁力計から得られる3つの値aに正規化行列Mを乗ずると共に正規化オフセットベクトルβを加えることによって、即ち、
=a +β
によって、等利得の所定の直交方向における対応する正規化値
=(b ,b ,b
へと変換する。
この同じ変換が全ての磁力計に対して行われ、全ての磁力計は、磁力計ごとの結果bが、等利得の同じ直交空間方向における磁界の成分をもたらすように、それぞれの正規化行列と、正規化オフセットベクトルの加算とを伴う。従って、ある均一磁界においては、全ての磁力計は、その均一磁界の強度又は方位にかかわらず、正規化の後では常に同一の値をもたらす。それぞれの正規化行列及び正規化オフセットベクトルは、マイクロコントローラに関連するメモリ内に恒久的に記憶される。
図3に更に詳細に模式的に示されるベースユニット6は、その受信機16及びアンテナ17を介して、磁気測定検出器5からの正規化された位置情報を受信し、その情報をプロセッサ18へ転送する。そこでは、複数の測定値の正規化された結果が結合されて、カニューレ8の位置(又は位置及び方位)が導き出される。このため、それぞれの値bを、磁性カニューレ8に由来する磁界と地磁界との組み合わせのモデルに当てはめる。このモデルにおける未知のパラメータpは、超音波プローブに対するカニューレの位置l、カニューレの長さ及び方位d、並びに、カニューレの磁気保持力mと地磁界Eとである。
p={l,d,m,E}
未知のパラメータは、磁性カニューレの磁界及び地磁界のモデルにより得られ、この場合、
(p)={c (p),c (p),c (p)}
は、パラメータpの所与のセットにおける磁力計kの位置でのモデルによる磁界の正規化成分である。当業者に既知の適切なアルゴリズムにより、このモデルによる磁界の成分の、実際に測定された成分
Σ(b−c(p))
からの偏差が最小になるパラメータpが得られる。適切な最小化技術は、例えば、傾斜降下アルゴリズム(gradient-descent algorithms)やレーベンバーグ・マーカート手法(Levenberg-Marquardt approaches)である。また、カルマンフィルタ技術(Kalman filter techniques)又は同様の反復的手段を利用して、そのような最適化を連続的に行うこともできる。
カニューレに十分に剛性がある場合、即ちカニューレが殆ど湾曲しない場合には、カニューレは、直線状の空洞シリンダとして近似され得る。そのようなシリンダの磁界は、シリンダの両端面上、即ちカニューレの対向端の対極磁荷を有する2つの円環上に均一に分布する対極磁荷(即ち相反する磁力を示す)の磁界と等価である。カニューレの直径が小さいことを考慮すると、磁荷はカニューレの両端での2点磁荷で更に近似され得る。従って、本モデルによると、ベクトルdに沿って延在するカニューレの磁界は、位置rから次のように測定される。
N(r,d,m)=m(r/|r−(r+d)/|r+d|
ここで、|r|及び|r+d|は、それぞれベクトルr及びr+dの絶対値である。位置rは、磁気測定検出器5内における磁力計14,15の既知の位置及び超音波プローブ2に対する磁気測定検出器5の相対的な位置を用いて、超音波プローブ2に対するカニューレ8の相対的な位置lへと変換することができる。その結果、地磁界Eを更に考慮すると、本モデルによるそれぞれの磁界成分は、
(p)=N(r,d,m)+E=m(r/|r−(r+d)/|r+d|)+E
となる。
尚、既知の多くの手法とは対照的に、上記モデルは、ニードルの磁界を双極子場と仮定しない。これは、双極子場を有効な近似にするには、磁気測定検出器が一般的にはニードルの長さに比べてニードルに近すぎるので、過度の単純化になるおそれがあるからである。
このモデルを、上述したように磁力計14,15により検出された実際の値に適合させることによって得られた値は、次いで、データインタフェース19、例えばUSB(登録商標)コネクタ、を介して処理ユニット4へ転送される。そこでは、携帯型超音波プローブ2から得られた組織の画像にそれらの値が重畳される。図4を参照して、カニューレ8をディスプレイ画面上で視覚化する方法について説明する。図4bは、2Dモードで携帯型超音波プローブ2によって撮像された血管20の断面を示している。従って、血管20は、超音波プローブ2の撮像面を横断している。また、模式的には、カニューレ8が、撮像面に対するその相対的な位置に依存してどのように視覚化されるのかが示されている。カニューレは、常に線として視覚化され、その端はカニューレのチップに対応する。カニューレ8がプローブ2の撮像面内にある場合には、カニューレ8は第1の色で表される(図面中に実線21で示される)。一方、カニューレ8が撮像面の外にある場合には、異なる色で表され、この色は、カニューレ8が撮像面の手前にある(図面中に破線22で示される色)のか背後にある(図面中に点線23で示される色)のかに依存する。図4aは、カニューレ8が撮像面を横断している状態を示している。この場合、撮像面の背後にあるカニューレ8の部分は、撮像面を横断しているカニューレ8の部分の色とは異なる色で表され、撮像面の手前にあるカニューレ8の部分は更に異なる色で表される。図4cに示される状況は、カニューレ8が異なる角度で撮像面を横断している点のみ図4aと異なる。撮像面の外のカニューレ8の部分は、撮像面への垂直方向の投影としてディスプレイ上に示される。
別の実施形態においては、上述したように、予想されるニードルの全軌跡が画像ディスプレイ上に示される。ニードルの実際の位置は、ニードル軌跡に対して異なる色又は異なる線の種類(ボールド/ハッチ等)の何れかによって表示される。また、撮像面を横断する位置は、特別な図形によって表示されてよく、例えば図4aに示される円又は長方形の何れかによって表示されてよい。その図形の形態又は見え方は、ニードルが当該点で撮像面を貫く可能性を表示するために変化してよく、即ち、目標区域を表示するために円の代わりに一般楕円が用いられてよい。
図5及び図6には、磁気測定検出器の代替的な実施形態が示されている。実施形態の第1の変形例におけるこの磁気測定検出器は、2つの磁力計14,15の1セット5のみを備える。実施形態の代替的な変形例においては、更に1つ以上のセットが超音波プローブ2上の更なる位置で設けられる。カニューレ8が撮像面24内、撮像面の手前25又は撮像面24の背後26の何れに配置されているのかを導き出すことが可能である。このため、それらの磁力計は、プローブの長手方向軸と平行な線に沿って配列させられる。第1の磁力計14の正規化された複数の測定結果が、第2の磁力計15の正規化された複数の測定結果から減算されることにより、地磁界が効果的に相殺される。当該差は、ニードルの端に起因する他の磁界成分がセンサ配列からの距離に従って急速に減衰するので、本質的にはニードルチップの方向を向いている。従って、センサは、ニードルチップのみを本質的に「見る」。相対的な距離は、測定された差磁界の大きさにより推測することができる。
本発明の別の実施形態においては、磁力計14,15は、プローブの長手方向軸と垂直に配列される。従って、得られる差は、本質的に磁性カニューレ8によって生じる磁界の勾配である。勾配の大きさを解析することによって、センサからのカニューレの相対距離を明らかにすることができる。勾配の方向を解析することによって、カニューレ8が撮像面24の手前25にあるのか若しくは背後26にあるのか又は撮像面24の直上にあるのかを明らかにすることができる。
図7は、撮像面24に平行であるが当該面24から距離Y(任意単位)で延在するカニューレ8の絶対勾配磁界強度G(任意単位)を示している。図からわかるように、勾配磁界強度Gは、距離Yがゼロに等しい場合、即ちカニューレ8が撮像面24内にある場合に、最小値を有する。一方、勾配磁界強度Gが所定の閾値よりも大きい場合には、カニューレ8は撮像面24の外にあると想定され得る。この場合、勾配磁界の方向は、カニューレ8が撮像面24の手前25にあるのか又は背後26にあるのかを示す(図7は磁界の絶対値のみを示しているので、図7には示されない)。従って、この単純なセットアップを用いて、処理デバイスの画面上にディスプレイされる超音波画像上に、ニードルの正確な配置及び位置は当然ながら表示することはできないにしても、例えば、「*(面上)」、「=>(撮像面の手前)」又は「<=(撮像面の背後)」を重畳することができる。
最後に、図8は、本発明によるカニューレ8を磁化するための装置27を示している。箱型の装置の内部には、複数のカニューレ8を保持することができる容器(図示せず)があり、各カニューレ8は別個の無菌フィルム包装28内に収納されている。装置27は更に円形開口29を備えており、この円形開口29を介して個々のカニューレ8をフィルム包装28と共に容器から取り出すことができるようになっている。内部において、開口は、輪状のソレノイド電磁石(図示せず)によって囲まれている。この電磁石は、装置に取り付けられたパワーサプライ(図示せず)によって作動する。パワーサプライのスイッチにより電磁石に電流を流すことができ、それにより電磁界が生じる。次いでカニューレ8が開口を介して箱から取り出されると、同時にカニューレ8は磁化される。電磁石の電流の適切な変調により、ニードルが容器から引き出されるのに伴うコード化された磁化が可能になる。
代替的には、医療用デバイスへの磁気コードの1ステップでの刷り込みを可能にする複数の別個の磁化用コイルから構成される空洞シリンダの一方の側に開口があってよい。
次いで、カニューレ8の磁気モーメント及び長さを測定するために、カニューレ8は、透明な無菌フィルム包装28内に収納されたままで、装置27の直線状のマーキング30上に置かれる。磁気測定検出器5が取り付けられた超音波プローブ2が、装置27上の箱形状の別のマーキング31上に置かれる。これにより、磁気測定検出器5とカニューレ8の相対的な位置及び方位が既知となるので、カニューレの磁気モーメント及び長さを正規化後の磁力計14,15の測定値から容易に導き出すことができる。これらの値は、次いで医療処置の間に、上述したモデルによる磁力計の測定値からカニューレ8の位置及び方位を導き出すことを容易にするために用いることができる。
上記明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された様々な特徴は、任意の組み合わせにおいて本発明に関連し得る。

Claims (7)

  1. 撮像プローブと、磁気測定検出器とを備えるシステムであって、前記撮像プローブは、患者の組織の少なくとも一部を撮像するためのものであり、前記磁気測定検出器は、前記磁気測定検出器に対する磁性コンポーネントの位置及び/又は方位を検出するためのものであり、前記システムは、前記撮像プローブを前記磁気測定検出器に着脱するための少なくとも1つのファスナを更に備える、システム。
  2. 前記撮像プローブは携帯型プローブである、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記撮像プローブは超音波撮像プローブである、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 少なくとも一部が患者の組織内へ挿入可能な医療用デバイスを備え、前記医療用デバイスは前記医療用デバイスの組織内挿入可能部分に一体化され又は着脱可能な前記磁性コンポーネントを備え、前記磁性コンポーネントは前記医療用デバイスの機能コンポーネントである、請求項1〜3の何れかに記載のシステム。
  5. 前記磁気測定検出器は個別のベースユニットに機能的に接続され、前記磁気測定検出器の測定結果は処理のための前記ベースユニットへ送信される、請求項1〜4の何れかに記載のシステム。
  6. 前記撮像プローブ及び前記磁気測定検出器の両方に機能的に接続され、前記患者の組織の画像を生成する処理ユニットを更に備え、前記画像においては、前記医療用デバイスの少なくとも一部の位置が得られた位置及び/又は方位情報に基づいて表示される、請求項1〜4の何れかに記載のシステム。
  7. 前記磁性コンポーネントの磁気モーメントの大きさ及び/又は方向が前記磁性コンポーネントにおける位置の関数として変化することにより、前記磁性コンポーネント上に1次元以上の磁気パターンが生成される、請求項1〜6の何れかに記載のシステム。
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