JP6237506B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
この種の電力変換装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、給電設備から非接触で電動車両に給電する非接触給電システムに適用されるものが知られている。非接触給電システムにおいて、給電設備側には、極性を交互に反転させながら矩形波電圧を出力するインバータと、インバータの出力電圧が印加される送電側コイルとが備えられている。非接触給電システムにおいて、電動車両側には、送電側コイルから非接触で供給された電力を受ける受電側コイルと、受電側コイルから出力された交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ等に供給する整流回路とが備えられている。
上記インバータは、互いに直列接続された第1上アームスイッチ及び第1下アームスイッチと、互いに直列接続された第2上アームスイッチ及び第2下アームスイッチと、各スイッチのそれぞれに逆並列に接続されたダイオードとを備えている。第1,第2上アームスイッチの高電位側の端子には、直流電源の正極側が接続されている。第1,第2下アームスイッチの低電位側の端子には、直流電源の負極側が接続されている。また、送電側コイルの第1端には、第1上アームスイッチと第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路が接続され、送電側コイルの第2端には、第2上アームスイッチと第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路が接続されている。極性を交互に反転させながら矩形波電圧を出力するために、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチの組と、第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチの組とは、交互にオン操作される。
国際公開第2010/035321号
ここで、送電側コイル及び受電側コイルの相対位置関係の変化等に起因して、送電側コイルに印加される矩形波電圧に対して、送電側コイルに流れる電流の位相が進む現象が生じ得る。この現象が生じると、非接触給電システムの送電側における力率が悪化する。詳しくは、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオン操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオフ操作されている状況下において、直流電源の負極側から、第2下アームスイッチに逆並列に接続された第2下アームダイオード、送電側コイル、及び第1上アームスイッチに逆並列に接続された第1上アームダイオードを介して、直流電源の正極側へと電流が流れる。こうした状況下において、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオフ操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオン操作されると、第1上アームダイオード及び第2下アームダイオードのそれぞれに逆電圧が印加される。その結果、直流電源の正極側から、第1上アームダイオード及び第2下アームダイオードにリカバリ電流が流れる。
一方、第2上アームスイッチ及び第1下アームスイッチがオン操作されてかつ第2下アームスイッチ及び第1上アームスイッチがオフ操作されている状況下において、負極側から、第1下アームスイッチに逆並列に接続された第1下アームダイオード、送電側コイル、及び第2上アームスイッチに逆並列に接続された第2上アームダイオードを介して、正極側へと電流が流れる。こうした状況下において、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオン操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオフ操作されると、第1下アームダイオード及び第2上アームダイオードに逆電圧が印加される。その結果、第1端子側から、第1下アームダイオード及び第2上アームダイオードにリカバリ電流が流れる。このように、リカバリ電流が流れると、リカバリ損失が生じ、非接触給電システムの効率やノイズが悪化する。
なお、非接触給電システムに限らず、第1上アームスイッチと第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第1端が接続され、第2上アームスイッチと第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第2端が接続されたコイルを備え、コイルの印加電圧に対してコイルに流れる電流の位相が進む現象が生じる構成であれば、上述したリカバリ損失の問題が生じ得る。
本発明は、リカバリ損失を低減することができる電力変換装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、直流電源(12)に並列接続された第1上アームスイッチ(SXp)及び第1下アームスイッチ(SXn)の直列接続体と、前記直流電源に並列接続された第2上アームスイッチ(SYp)及び第2下アームスイッチ(SYn)の直列接続体と、前記第1上アームスイッチ、前記第1下アームスイッチ、前記第2上アームスイッチ、及び前記第2下アームスイッチのそれぞれに逆並列に接続されたダイオード(DXp,DXn,DYp,DYn)と、前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第1端が接続され、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第2端が接続されたメインコイル(15a)と、前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路と、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路とを接続するサブリアクトル(13b;13c)及びサブスイッチ(Ss1,Ss2;Ssa,Ssb)の直列接続体と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、第1上アームスイッチと第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路と、第2上アームスイッチと第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路とが、サブリアクトル及びサブスイッチの直列接続体によって接続されている。こうした構成によれば、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオン操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオフ操作されている状況下において、直流電源の負極側から、第2下アームダイオード、メインコイル、第1上アームダイオードを介して、直流電源の正極側へと流れる電流の一部をサブリアクトルに流すことができる。このため、第1上アームダイオード及び第2下アームダイオードに流れる順方向電流を低減することができる。これにより、その後、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオフ操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオン操作されたとしても、第1上アームダイオード及び第2下アームダイオードに流れるリカバリ電流を低減することができる。
一方、第2上アームスイッチ及び第1下アームスイッチがオン操作されてかつ第2下アームスイッチ及び第1上アームスイッチがオフ操作されている状況下において、直流電源の負極側から、第1下アームダイオード、メインコイル、第2上アームダイオードを介して、直流電源の正極側へと流れる電流の一部をサブリアクトルに流すことができる。このため、第1下アームダイオード及び第2上アームダイオードに流れる順方向電流を低減することができる。これにより、その後、第1上アームスイッチ及び第2下アームスイッチがオン操作されてかつ第1下アームスイッチ及び第2上アームスイッチがオフ操作されたとしても、第1下アームダイオード及び第2上アームダイオードに流れるリカバリ電流を低減することができる。
このように、上記発明によれば、電流の位相進みが生じて力率が悪化する場合であっても、その力率悪化に伴って生じるリカバリ損失を低減することができる。さらに、上記発明によれば、互いに直列接続された第1上アームスイッチ及び第1下アームスイッチの組と、互いに直列接続された第2上アームスイッチ及び第2下アームスイッチの組とで、リカバリ損失を低減するためのサブリアクトル及びサブスイッチを共通化することもできる。このため、電力変換装置の部品数を削減でき、ひいてはこの装置の小型化及びコストの低減を図ることができる。
第1実施形態にかかる非接触給電システムの構成図。 送電側コイルに流れる共振電流の推移を示すタイムチャート。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE1)。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE2)。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE3)。 比較技術にかかるリカバリ電流の発生態様を示すタイムチャート。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE4)。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE5)。 比較技術にかかるインバータ内の電流流通態様を示す図(MODE6)。 サブスイッチ及びサブリアクトルの効果を示すタイムチャート。 インバータ内の電流流通態様を示す図。 インバータ内の電流流通態様を示す図。 第2実施形態にかかるインバータの構成図。 その他の実施形態にかかる非接触給電システムの構成図。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換装置を非接触給電システムに適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、非接触給電システムは、移動体である車両の外部(地上側)に設けられた送電システムPSと、車両に設けられた受電システムPRとを備えている。
送電システムPSは、交流電源10(系統電源)から出力された交流電圧が入力されるPFC回路11、DCDCコンバータ12、インバータ13、送電側フィルタ回路14、及び送電パッド15を備えている。PFC回路11は、入力された交流電圧を直流電圧に整流しつつ、入力電圧及び入力電流の力率改善を行う。PFC回路11は、例えば、ダイオードブリッジからなる全波整流回路と、非絶縁型の昇圧チョッパ回路とを備えている。DCDCコンバータ12は、PFC回路11から出力された直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する。DCDCコンバータ12は、例えば、非絶縁型の降圧チョッパ回路である。
インバータ13は、第1上アームスイッチSXp及び第1下アームスイッチSXnの直列接続体と、第2上アームスイッチSYp及び第2下アームスイッチSYnの直列接続体と、入力電圧を平滑化するコンデンサ13aとを備えるフルブリッジインバータである。第1上アームスイッチSXpには、第1上アームダイオードDXpが逆並列に接続され、第1下アームスイッチSXnには、第1下アームダイオードDXnが逆並列に接続されている。第2上アームスイッチSYpには、第2上アームダイオードDYpが逆並列に接続され、第2下アームスイッチSYnには、第2下アームダイオードDYnが逆並列に接続されている。本実施形態では、各スイッチSXp,SXn,SYp,SYnとして、電圧制御形の半導体スイッチを用いており、具体的には、IGBTを用いている。
第1上アームスイッチSXpのコレクタには、インバータ13の第1端子T1を介してDCDCコンバータ12の正極側の出力端子が接続されている。第1上アームスイッチSXpのエミッタには、第1下アームスイッチSXnのコレクタが接続されている。第1下アームスイッチSXnのエミッタには、インバータ13の第2端子T2を介してDCDCコンバータ12の負極側の出力端子が接続されている。第2上アームスイッチSYpのコレクタには、インバータ13の第1端子T1が接続され、第2上アームスイッチSYpのエミッタには、第2下アームスイッチSYnのコレクタが接続されている。第2下アームスイッチSYnのエミッタには、インバータ13の第2端子T2が接続されている。
インバータ13は、さらに、第1サブスイッチSs1、第1サブダイオードDs1、第2サブスイッチSs2、第2サブダイオードDs2、第1保護用ダイオードDp1、第2保護用ダイオードDp2、及びサブリアクトル13bを備えている。本実施形態では、各サブスイッチSs1,Ss2として、電圧制御形の半導体スイッチを用いており、具体的には、IGBTを用いている。
第1サブスイッチSs1には、第1サブダイオードDs1が逆並列に接続され、第2サブスイッチSs2には、第2サブダイオードDs2が逆並列に接続されている。第1上アームスイッチSXpと第1下アームスイッチSXnとの接続点には、第1サブスイッチSs1のエミッタが接続され、第1サブスイッチSs1のコレクタには、サブリアクトル13bの第1端が接続されている。サブリアクトル13bの第2端には、第2サブスイッチSs2のコレクタが接続され、第2サブスイッチSs2のエミッタには、第2上アームスイッチSYpと第2下アームスイッチSYnとの接続点が接続されている。こうした構成により、第1サブスイッチSs1及び第2サブスイッチSs2は、これらがオフ操作されることにより、第1サブスイッチSs1のエミッタ側から第2サブスイッチSs2のエミッタ側へと向かう方向の電流の流通と、第2サブスイッチSs2のエミッタ側から第1サブスイッチSs1のエミッタ側へと向かう方向の電流の流通との双方を阻止する機能を有する。
第1サブスイッチSs1とサブリアクトル13bとの接続点には、第1保護用ダイオードDp1のアノードが接続され、第1保護用ダイオードDp1のカソードには、第1端子T1が接続されている。第2サブスイッチSs2とサブリアクトル13bとの接続点には、第2保護用ダイオードDp2のアノードが接続され、第2保護用ダイオードDp2のカソードには、第1端子T1が接続されている。第1端子T1には、コンデンサ13aの第1端が接続され、コンデンサ13aの第2端には、第2端子T2が接続されている。
第1上アームスイッチSXpと第1下アームスイッチSXnとの接続点には、送電側フィルタ回路14を介して送電パッド15の第1端が接続され、送電パッド15の第2端には、送電側フィルタ回路14を介して第2上アームスイッチSYpと第2下アームスイッチSYnとの接続点が接続されている。なお、本実施形態では、送電側フィルタ回路14として、バンドパスフィルタを用いている。送電側フィルタ回路14は、送電側第1,第2リアクトル14a,14bの直列接続体と、送電側第3,第4リアクトル14d,14eの直列接続体と、各直列接続体の接続点を接続する送電側コンデンサ14cとを備えている。
送電パッド15は、送電側コイル15a、第1共振コンデンサ15b、及び第2共振コンデンサ15cを備えている。送電側コイル15aの第1端には、第1共振コンデンサ15bを介して送電パッド15の第1端が接続されている。送電側コイル15aの第2端には、第2共振コンデンサ15cを介して送電パッド15の第2端が接続されている。送電パッド15は、LC直列共振回路を構成する。送電パッド15は、電磁誘導によって受電システムPRの備える受電パッド20に電力を送るための回路である。なお、本実施形態において、送電側コイル15aが「メインコイル」に相当し、各共振コンデンサ15b,15cが「送電側共振コンデンサ」に相当する。
一方、受電システムPRは、受電パッド20、受電側フィルタ回路21、及び整流回路22を備えている。受電パッド20は、受電側コイル20a、第3共振コンデンサ20b、及び第4共振コンデンサ20cを備えている。受電側コイル20aの第1端には、第3共振コンデンサ20bを介して受電パッド20の第1端が接続されている。受電側コイル20aの第2端には、第4共振コンデンサ20cを介して受電パッド20の第2端が接続されている。受電パッド20は、LC直列共振回路を構成する。なお、本実施形態において、各共振コンデンサ20b,20cが「受電側共振コンデンサ」に相当する。
受電パッド20には、受電側フィルタ回路21を介して整流回路22が接続されている。なお、本実施形態では、受電側フィルタ回路21として、バンドパスフィルタを用いている。受電側フィルタ回路21は、受電側第1,第2リアクトル21a,21bの直列接続体と、受電側第3,第4リアクトル21d,21eの直列接続体と、各直列接続体の接続点を接続する受電側コンデンサ21cとを備えている。整流回路22は、受電パッド20から出力された交流電圧を直流電圧に変換して出力する。整流回路22は、例えば、ダイオードブリッジから構成される全波整流回路や、4つのスイッチング素子(例えばMOSFET)から構成される同期整流回路を用いることができる。整流回路22から出力された直流電圧は、車載バッテリを含む車載電気負荷23に供給される。なお、本実施形態において、バッテリは、車載主機としての図示しない回転機(モータジェネレータ)の電力供給源となる。
本実施形態において、送電システムPSは、送電側制御装置16をさらに備えている。送電側制御装置16は、送電側コイル15a及び受電側コイル20aの間で非接触で電力授受を行う。特に本実施形態では、送電側コイル15aから受電側コイル20aへと電力を供給することにより、車両を充電対象とした充電処理を行う。送電側制御装置16は、第1上アームスイッチSXp,第1上アームダイオードDXpに流れる電流を検出する第1電流センサ17aや、第1下アームスイッチSXn,第1下アームダイオードDXnに流れる電流を検出する第2電流センサ17bの検出値を取り込む。送電側制御装置16は、第2上アームスイッチSYp,第2上アームダイオードDYpに流れる電流を検出する第3電流センサ17cや、第2下アームスイッチSYn,第2下アームダイオードDYnに流れる電流を検出する第4電流センサ17dの検出値を取り込む。送電側制御装置16は、これら検出値を用いたり、受電システムPRの備える図示しない受電側制御装置と情報のやりとりをしたりすることで、PFC回路11や、DCDCコンバータ12、インバータ13を操作する。
送電側制御装置16は、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnの組と、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpの組とを、デッドタイムを挟みつつ交互にオン操作する。これにより、極性を交互に反転させた矩形波電圧を送電パッド15に供給する。なお、送電側制御装置16は、DCDCコンバータ12の出力電圧を目標電圧に制御すべく、DCDCコンバータ12を操作する。目標電圧は、送電側と受電側とのインピーダンスマッチングを行うことで高効率の非接触給電を実現可能な値に可変設定される。具体的には例えば、目標電圧は、受電パッド20の受電電力に基づいて可変設定される。ちなみに、本実施形態において、送電側制御装置16が「メイン操作手段」及び「サブ操作手段」に相当する。
ここで、本実施形態では、第1上アームスイッチSXpに第1スナバコンデンサ18aが並列接続され、第1下アームスイッチSXnに第2スナバコンデンサ18bが並列接続されている。また、第2上アームスイッチSYpに第3スナバコンデンサ18cが並列接続され、第2下アームスイッチSYnに第4スナバコンデンサ18dが並列接続されている。各スナバコンデンサ18a〜18dの設置を可能としたのは、サブリアクトル13b及び各サブスイッチSs1,Ss2をインバータ13に備えたためである。以下、サブリアクトル13b及び各サブスイッチSs1,Ss2について、比較技術と対比しながら説明する。
まず、サブリアクトル13b及び各サブスイッチSs1,Ss2の説明に先立ち、図2〜図9を用いて、比較技術について説明する。ここで、比較技術とは、先の図1に示した構成から、サブリアクトル13b、各サブスイッチSs1,Ss2、各保護用ダイオードDp1,Dp2、及び各スナバコンデンサ18a〜18dを除去した構成のことである。
図2(a)は、送電側コイル15aに流れる共振電流(以下、1次側電流Ip)と送電側コイル15aの印加電圧(以下、1次側電圧Vp)との推移を示し、図2(b)は、第1上アームスイッチSXp,第2下アームスイッチSYnの操作状態の推移を示し、図2(c)は、第1下アームスイッチSXn,第2上アームスイッチSYpの操作状態の推移を示す。なお、図2(a)において、第1上アームスイッチSXp及び第1下アームスイッチSXnの接続点から第2上アームスイッチSYp及び第2下アームスイッチSYnの接続点へと向かう方向に流れる1次側電流Ipを正と定義している。また、図2(a)において、送電側コイル15aの両端のうち、第2上アームスイッチSYp及び第2下アームスイッチSYnの接続点側の電位に対して第1上アームスイッチSXp及び第1下アームスイッチSXnの接続点側の電位が高くなる場合の1次側電圧Vpを正と定義している。さらに、図2では、デッドタイムの図示を省略している。
図示されるように、比較技術及び本実施形態では、各スイッチSXp,SXn,SYp,SYnのスイッチング周期Tswと1次側電流Ipの基本波電流の周期とが同一に設定されている。こうした設定において、理想的には、1次側電流Ipは、1次側電圧Vpが正の場合に正の値となり、1次側電圧Vpが負の場合に負の値となる。この場合、非接触給電システムの送電側の力率は高い水準とされる。しかしながら、比較技術にかかる非接触給電システムでは、送電パッド15の共振回路の共振周波数等の変化によって力率が悪化する。この要因としては、例えば、送電パッド15及び受電パッド20の相対位置関係の変化による各コイル15a,20a間の結合係数の変化や、送電パッド15及び受電パッド20の間の送受電電力の変化、共振回路の共振特性を決定するリアクトルやコンデンサ等の部品の初期特性ばらつき、温度変化に伴う共振特性のドリフトが挙げられる。
こうした要因により、1次側電圧Vpに対して1次側電流Ipの位相が進む現象が生じ得る。詳しくは、この現象は、1次側電圧Vpが正となる期間を2分した場合の後の期間において1次側電流Ipが負となり、1次側電圧Vpが負となる期間を2分した場合の後の期間において1次側電流Ipが正となる現象である。
なお、上記要因により、1次側電圧Vpに対して1次側電流Ipの位相が遅れる現象が生じ得る。詳しくは、この現象は、1次側電圧Vpが正となる期間を2分した場合の前の期間において1次側電流Ipが負となり、1次側電圧Vpが負となる期間を2分した場合の前の期間において1次側電流Ipが正となる現象である。
ここで、1次側電流Ipの位相が進む現象が生じると、各ダイオードDXp,DXn,DYp,DYnにリカバリ電流が流れることにより、リカバリ損失が生じる。以下、このことについて、図2〜図9を用いて説明する。なお、図3〜図5及び図7〜図9では、送電側フィルタ回路14等の図示を省略している。
時刻t1〜t2のMODE1においては、図3に示すように、第1上アームスイッチSXp,第2下アームスイッチSYnの組がオン操作され、第1下アームスイッチSXn,第2上アームスイッチSYpの組がオフ操作されている。MODE1では、第1端子T1側から、第1上アームスイッチSXp、送電側コイル15a、及び第2下アームスイッチSYnを介して、第2端子T2側へと電流が流れる。
その後、時刻t2〜t31のMODE2においては、図4に示すように、1次側電流Ipの位相進みにより、電流は、第2端子T2側から、第2下アームダイオードDYn、送電側コイル15a、及び第1上アームダイオードDXpを介して、第1端子T1側へと流れる。ここで、MODE2の途中の時刻t3において、第1上アームスイッチSXp,第2下アームスイッチSYnの組がオフ操作に切り替えられ、第1下アームスイッチSXn,第2上アームスイッチSYpの組がオン操作に切り替えられる。なお、その後、各スイッチSXp,SXn,SYp,SYnが全てオフ操作されるデッドタイム期間(時刻t3〜t31)においても、図4に示す電流流通経路となる。このため、本実施形態では、このデットタイム期間もMODE2に含めている。
その後、時刻t31直後のMODE3においては、図5に示すように、第1上アームダイオードDXpのアノードの電位が第2端子T2の電位(0)となり、カソードの電位が第1端子T1の電位VDCとなる。このため、第1上アームダイオードDXpに逆電圧が印加され、第1上アームダイオードDXpにリカバリ電流が流れることとなる。すなわち、第1端子T1側から第1上アームダイオードDXp及び第1下アームスイッチSXnを介して第2端子T2側へと電流が流れることとなる。また、第2下アームダイオードDYnにも逆電圧が印加され、第2下アームダイオードDYnにリカバリ電流が流れることとなる。すなわち、第1端子T1側から第2上アームスイッチSYp及び第2下アームダイオードDYnを介して第2端子T2側へと電流が流れることとなる。リカバリ電流が流れることにより、リカバリ損失が生じる。
ここで、図6を用いて、リカバリ電流の流通態様をさらに詳しく説明する。図6(a)は、第1上アームダイオードDXpに流れる電流Idxpの推移を示し、図6(b)は、第1下アームスイッチSXnに流れる電流Isxnの推移を示し、図6(c)は、第1下アームスイッチSXnのコレクタ及びエミッタ間電圧Vxnの推移を示す。図6(d)は、第1上アームスイッチSXpの操作状態の推移を示し、図6(e)は、第1下アームスイッチSXnの操作状態の推移を示す。なお、図6では、第1上アームダイオードDXpに流れる順方向の電流Idxpを負と定義し、エミッタ電位に対してコレクタ電位が高い場合のコレクタ及びエミッタ間電圧Vxnを正と定義する。
図示されるように、1次側電流Ipの位相進みにより、第1上アームダイオードDXpに順方向電流が流れている。こうした状況下、時刻t3において、第1上アームスイッチSXpがオフ操作に切り替えられ、時刻t3からデッドタイムが経過した時刻t31において、第1下アームスイッチSXnがオン操作に切り替えられる。これにより、第1上アームダイオードDXpの順方向電流Idxpが徐々に減少するとともに、第1下アームスイッチSXnに流れるコレクタ電流Isxnが徐々に増加する。その後、時刻t32において第1上アームダイオードDXpにリカバリ電流が流れ始める。時刻t33において、リカバリ電流がピークとなることで、第1下アームスイッチSXnに流れるコレクタ電流Isxnもピークとなる。その結果、リカバリ損失が増大する。なお、その後時刻t34において、リカバリ電流の流通が停止されることで、コレクタ及びエミッタ間電圧Vxnが0とされる。
時刻t34〜t4のMODE4においては、図7に示すように、第1上アームスイッチSXp,第2下アームスイッチSYnの組がオフ操作され、第1下アームスイッチSXn,第2上アームスイッチSYpの組がオン操作されている。MODE4では、第1端子T1側から、第2上アームスイッチSYp、送電側コイル15a、及び第1下アームスイッチSXnを介して、第2端子T2側へと電流が流れる。
その後、時刻t4〜t51のMODE5においては、図8に示すように、1次側電流Ipの位相進みにより、電流は、第2端子T2側から、第1下アームダイオードDXn、送電側コイル15a、及び第2上アームダイオードDYpを介して、第1端子T1側へと流れる。ここで、MODE5の途中の時刻t5において、第1上アームスイッチSXp,第2下アームスイッチSYnの組がオン操作に切り替えられ、第1下アームスイッチSXn,第2上アームスイッチSYpの組がオフ操作に切り替えられる。なお、その後、各スイッチSXp,SXn,SYp,SYnが全てオフ操作されるデッドタイム期間(時刻t5〜t51)においても、図8に示す電流流通経路となる。このため、本実施形態では、このデットタイム期間もMODE5に含めている。
その後、時刻t51直後のMODE6においては、図9に示すように、第2上アームダイオードDYp及び第1下アームダイオードDXnに逆電圧が印加され、第2上アームダイオードDYp及び第1下アームダイオードDXnにリカバリ電流が流れることとなる。このため、リカバリ損失が生じる。
ここで、1次側電流Ipの位相進みが生じる場合に各スイッチSXp〜SYnに各スナバコンデンサ18a〜18dを並列接続すると、各スイッチSXp〜SYnに大きな電流が流れ、各スイッチSXp〜SYnの信頼性が低下し得る。以下、第1上アームスイッチSXpを例にして説明する。各スナバコンデンサ18a〜18dが各スイッチSXp〜SYnに並列接続されている場合、先の図8のMODE5において、第2端子T2側から第1下アームダイオードDXnを介して流れてくる電流によって第1スナバコンデンサ18aが充電される。その後、MODE5から図9に示すMODE6に移行すると、第1スナバコンデンサ18aに蓄積された電荷が放電される。第1下アームダイオードDXnのリカバリ電流に加えて、第1スナバコンデンサ18aの放電電流が第1上アームスイッチSXpに流れることに起因して、第1上アームスイッチSXpの信頼性が低下し得る。このように、1次側電流Ipの位相進みが生じる場合、各スナバコンデンサ18a〜18dを設置することにより、設置しない場合と比較して各スイッチSXp〜SYnに大きな電流が流れる。このため、各スナバコンデンサ18a〜18dを設置できない。しかしながら、各スナバコンデンサ18a〜18dは、1次側電流Ipの位相遅れが生じる場合には、各スイッチSXp〜SYnのターンオフ損失の低減に寄与する。このため、1次側電流Ipの位相遅れを考えると、各スナバコンデンサ18a〜18dの設置が望まれる。
そこで、本実施形態では、サブリアクトル13bと、送電側制御装置16によって操作される各サブスイッチSs1,Ss2とをインバータ13に備えた。以下、これについて、図10〜図12を用いて説明する。
図10(a)は、第1上アームダイオードDXpに流れる電流Idxp,第2下アームダイオードDYnに流れる電流Idynの推移を示し、図10(b)は、第1下アームスイッチSXnに流れる電流Isxn,第2上アームスイッチSYpに流れる電流Isypの推移を示す。図10(c)は、サブリアクトル13bに流れる電流ICLの推移を示す。図10(e),(f)は、各スイッチSXp〜SYnの操作状態の推移を示し、図10(g)は、第1,第2サブスイッチSs1,Ss2の操作状態の推移を示す。なお、図10(d)は、先の図6(c)に対応している。また、図10において、第1上アームスイッチSXp及び第1下アームスイッチSXnの接続点から第2上アームスイッチSYp及び第2下アームスイッチSYnの接続点へと向かう方向に流れる電流ICLを正と定義する。
MODE2の期間の途中である時刻taにおいて、第1,第2サブスイッチSs1,Ss2をオン操作する。これにより、第1上アームダイオードDXp及び第2下アームダイオードDYnに流れていた順方向電流の一部がサブリアクトル13bに流れ始める(図11参照)。このため、上記順方向電流は徐々に減少し、サブリアクトル13bに流れる電流ICLは徐々に増加する。これにより、その後、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnをオフ操作に切り替える時刻t3におけるリカバリ電流を低減することができる。その後、時刻tbにおいて第1下アームスイッチSXnのコレクタ及びエミッタ間電圧Vxnが0になり、時刻t31において、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpがオン操作に切り替えられる。なお、その後、時刻tcにおいて第1,第2サブスイッチSs1,Ss2がオフ操作に切り替えられ、時刻tdにおいてサブリアクトル13bに流れる電流が0となる。
ちなみに、本実施形態では、各サブスイッチSs1,Ss2を、第1条件と第2条件との論理和が真であると送電側制御装置16によって判断された場合にオン操作すればよい。ここで、第1条件とは、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnのオン操作期間の途中において、第1上アームダイオードDXpに順方向電流が流れているとの条件である。第1上アームダイオードDXpに順方向電流が流れているか否かは、第1電流センサ17aの検出値に基づき判断すればよい。また、第2条件とは、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnのオン操作期間の途中において、第2下アームダイオードDYnに順方向電流が流れているとの条件である。第2下アームダイオードDYnに順方向電流が流れているか否かは、第4電流センサ17dの検出値に基づき判断すればよい。
その後、MODE5の期間の途中において、第1,第2サブスイッチSs1,Ss2をオン操作する。これにより、第1下アームダイオードDXn及び第2上アームダイオードDYpに流れていた順方向電流の一部がサブリアクトル13bに流れ始める(図12参照)。このため、上記順方向電流は徐々に減少し、サブリアクトル13bに流れる電流ICLは徐々に増加する。これにより、その後、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpをオフ操作に切り替えるタイミングにおけるリカバリ電流を低減することができる。その後、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnがオン操作に切り替えられた後、第1,第2サブスイッチSs1,Ss2がオフ操作に切り替えられる。
ちなみに、本実施形態では、各サブスイッチSs1,Ss2を、第3条件と第4条件との論理和が真であると送電側制御装置16によって判断された場合にオン操作すればよい。ここで、第3条件とは、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpのオン操作期間の途中において、第1下アームダイオードDXnに順方向電流が流れているとの条件である。第1下アームダイオードDXnに順方向電流が流れているか否かは、第2電流センサ17bの検出値に基づき判断すればよい。また、第4条件とは、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpのオン操作期間の途中において、第2上アームダイオードDYpに順方向電流が流れているとの条件である。第2上アームダイオードDYpに順方向電流が流れているか否かは、第3電流センサ17cの検出値に基づき判断すればよい。
このように、サブリアクトル13b及び各サブスイッチSs1,Ss2の設置により、リカバリ電流を低減することができる。このため、各スナバコンデンサ18a〜18dを設置することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)サブリアクトル13bと、各サブスイッチSs1,Ss2とをインバータ13に備えた。そして、第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnの組がオン操作される期間の途中から、その直後に第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpの組がオン操作される期間の途中までの期間に渡って継続して各サブスイッチSs1,Ss2をオン操作した。また、第1下アームスイッチSXn及び第2上アームスイッチSYpの組がオン操作される期間の途中から、その直後に第1上アームスイッチSXp及び第2下アームスイッチSYnの組がオン操作される期間の途中までの期間に渡って継続して各サブスイッチSs1,Ss2をオン操作した。こうした構成によれば、1次側電流Ipの位相進みが生じて送電側の力率が悪化する場合であっても、その力率悪化に伴って生じるリカバリ損失を低減することができる。
さらに、互いに直列接続された第1上アームスイッチSXp及び第1下アームスイッチSXnの組と、互いに直列接続された第2上アームスイッチSYp及び第2下アームスイッチSYnの組とで、リカバリ損失を低減するためのサブリアクトル13b及び各サブスイッチSs1,Ss2を共通化することもできる。このため、インバータ13の部品数を削減でき、ひいてはインバータ13の小型化及びコストの低減を図ることができる。
(2)第1保護用ダイオードDp1及び第2保護用ダイオードDp2をインバータ13に備えた。サブリアクトル13bに電流が流れている状態で、第1サブスイッチSs1が誤作動によってオフ操作されると、第1サブスイッチSs1の両端にサージ電圧が印加され、第1サブスイッチSs1の信頼性が低下する懸念がある。ここで、第1保護用ダイオードDp1を設けることにより、第1サブスイッチSs1とサブリアクトル13bとの接続点の電位を第1端子T1の電位で制限できる。このため、第1サブスイッチの両端の電位差をインバータ13の入力電圧VDC以下におさめることができ、第1サブスイッチSs1の信頼性の低下を回避することができる。なお、第2保護用ダイオードDp2は、第2サブスイッチSs2の信頼性の低下を回避するためのものである。第2保護用ダイオードDp2の動作原理は、第1保護用ダイオードDp1の動作原理と同じである。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図13に示すように、インバータに備えられるサブスイッチ及びサブリアクトルの接続手法を変更する。なお、図13において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、インバータ13は、第1サブスイッチSsa、第1サブダイオードDsa、第2サブスイッチSsb、第2サブダイオードDsb、第1保護用ダイオードDpa、第2保護用ダイオードDpb、及びサブリアクトル13cを備えている。本実施形態では、各サブスイッチSsa,Ssbとして、電圧制御形の半導体スイッチを用いており、具体的には、IGBTを用いている。
第1サブスイッチSsaには、第1サブダイオードDsaが逆並列に接続され、第2サブスイッチSsbには、第2サブダイオードDsbが逆並列に接続されている。第1上アームスイッチSXpと第1下アームスイッチSXnとの接続点には、第1サブスイッチSsaのコレクタが接続され、第1サブスイッチSsaのエミッタには、第2サブスイッチSsbのエミッタが接続されている。第2サブスイッチSsbのコレクタには、サブリアクトル13cの第1端が接続されている。サブリアクトル13bの第2端には、第2上アームスイッチSYpと第2下アームスイッチSYnとの接続点が接続されている。なお、各サブスイッチSsa、Ssbは、オフ操作されている場合、各サブスイッチSsa,Ssbの直列接続体の一対の端子(コレクタ)のうち一方から他方への電流の流通を阻止する機能を有する。
第2サブスイッチSsbとサブリアクトル13cとの接続点には、第1保護用ダイオードDpaのカソードと、第2保護用ダイオードDpbのアノードとが接続されている。第1保護用ダイオードDpaのアノードには、第2端子T2が接続され、第2保護用ダイオードDpbのカソードには、第1端子T1が接続されている。第1保護用ダイオードDpaは、第1サブスイッチSsaを保護するために設けられ、第2保護用ダイオードDpbは、第2サブスイッチSsbを保護するために設けられている。詳しくは、第1上アームスイッチSXp側から第2下アームスイッチSYn側へとサブリアクトル13cに電流が流れている状態で、各サブスイッチSsa,Ssbが誤作動によってオフ操作されると、第1サブスイッチSsaの両端にサージ電圧が印加される。第1保護用ダイオードDpaは、このサージ電圧から第1サブスイッチSsaを保護する。一方、第2下アームスイッチSYn側から第1上アームスイッチSXp側へとサブリアクトル13cに電流が流れている状態で、各サブスイッチSsa,Ssbが誤作動によってオフ操作されると、第2サブスイッチSsbの両端にサージ電圧が印加される。第2保護用ダイオードDpbは、このサージ電圧から第2サブスイッチSsbを保護する。
以上説明した本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得られる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1,第2実施形態において、送電側フィルタ回路14、送電パッド15、受電パッド20及び受電側フィルタ回路21を図14のように変更してもよい。詳しくは、送電側コイル15aには、第5共振コンデンサ15dが並列接続されている。すなわち、送電側コイル15aと第5共振コンデンサ15dとによってLC並列共振回路が構成されている。送電側フィルタ回路14は、送電側第1コンデンサ14f及び送電側第5リアクトル14gの直列接続体と、送電側第2コンデンサ14h及び送電側第6リアクトル14iの直列接続体とを備えている。受電側コイル20aには、第6共振コンデンサ20dが並列接続されている。受電側フィルタ回路21は、受電側第1コンデンサ21f及び受電側第5リアクトル21gの直列接続体と、受電側第2コンデンサ21h及び受電側第6リアクトル21iの直列接続体とを備えている。なお、図14において、先の図1に示した部材と同一の部材には、同一の符号を付している。
・上記実施形態において、車両側のバッテリから地上側へと非接触で給電してもよい。この場合、極性を交互に反転させた矩形波電圧を受電側コイル20aに印加可能にすべく、例えば、整流回路22をフルブリッジインバータとすればよい。また、インバータ13に同期整流機能を持たせればよい。こうした構成において、車両側のフルブリッジインバータに本発明を適用することにより、リカバリ損失の低減によって非接触給電システムの車両側の力率の悪化を抑制することができる。
・先の図1や図13に示した構成において、各保護用ダイオードを除去してもよい。
・上記実施形態において、DCDCコンバータ12を除去してもよい。
・上記実施形態において、各スイッチSXp,SXn,SYp,SYnのスイッチング周期Tswを1次側電流Ipの基本波電流の周期よりも短く設定してもよい。
・インバータ13を構成するスイッチとしては、IGBTに限らず、例えばMOSFETであってもよい。この場合、各スイッチに逆並列に接続されるフリーホイールダイオードとしては、外付けのダイオードに限らず、MOSFETのボディダイオードであってもよい。
・インバータの出力電圧が印加されるコイルとしては、非接触給電システムを構成する送電側コイルに限らない。例えば、高周波誘導加熱装置を構成するコイルや、電磁調理器を構成するコイルであってもよい。この場合であっても、コイルに流れる電流の位相が進む現象が生じるなら、リカバリ損失を低減できる本発明の適用が有効である。
13b…サブリアクトル、15a…送電側コイル、SXp,SXn…第1上,下アームスイッチ、SYp,SYn…第2上,下アームスイッチ、DXp,DXn…第1上,下アームダイオード、DYp,DYn…第2上,下アームダイオード、Ss1,Ss2…第1,第2サブスイッチ。

Claims (6)

  1. 直流電源(12)に並列接続された第1上アームスイッチ(SXp)及び第1下アームスイッチ(SXn)の直列接続体と、
    前記直流電源に並列接続された第2上アームスイッチ(SYp)及び第2下アームスイッチ(SYn)の直列接続体と、
    前記第1上アームスイッチ、前記第1下アームスイッチ、前記第2上アームスイッチ、及び前記第2下アームスイッチのそれぞれに逆並列に接続されたダイオード(DXp,DXn,DYp,DYn)と、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第1端が接続され、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第2端が接続されたメインコイル(15a)と、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路と、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路とを接続するサブリアクトル(13b;13c)及びサブスイッチ(Ss1,Ss2;Ssa,Ssb)の直列接続体と
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組と、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組とを交互にオン操作するメイン操作手段と、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組がオン操作される期間の途中から、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組が次回オン操作される期間の途中までの期間において前記サブスイッチをオン操作し、また、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組がオン操作される期間の途中から、前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組が次回オン操作される期間の途中までの期間において前記サブスイッチをオン操作するサブ操作手段と、を備え、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組がオン操作される期間の途中において、前記第1上アームスイッチに逆並列に接続された前記ダイオードに順方向電流が流れているとの条件を第1条件とし、前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組がオン操作される期間の途中において、前記第2下アームスイッチに逆並列に接続された前記ダイオードに順方向電流が流れているとの条件を第2条件とする場合、前記サブ操作手段は、前記第1条件と前記第2条件との論理和が真であると判断した場合に前記サブスイッチをオン操作し、
    前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組がオン操作される期間の途中において、前記第1下アームスイッチに逆並列に接続された前記ダイオードに順方向電流が流れているとの条件を第3条件とし、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組がオン操作される期間の途中において、前記第2上アームスイッチに逆並列に接続された前記ダイオードに順方向電流が流れているとの条件を第4条件とする場合、前記サブ操作手段は、前記第3条件と前記第4条件との論理和が真であると判断した場合に前記サブスイッチをオン操作することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとの接続点を第1接続点とし、
    前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとの接続点を第2接続点とし、
    前記サブスイッチは、オン操作されることにより、自身の一対の端子間の電流の流通を許容し、オフ操作されることにより、前記第1接続点側から前記第2接続点側へと向かう方向の電流の流通と、前記第2接続点側から前記第1接続点側へと向かう方向の電流の流通との双方を阻止する機能を有する請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記サブスイッチは、第1サブスイッチ(Ss1)及び第2サブスイッチ(Ss2)を含み、
    前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチは、これらの順で直列接続され、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路には、前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチの直列接続体の両端のうち前記第1サブスイッチ側が接続され、
    前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路には、前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチの直列接続体の両端のうち前記第2サブスイッチ側が接続され、
    前記第1サブスイッチは、オフ操作されることにより、前記第1接続点側から前記第2接続点側へと向かう方向の電流の流通を阻止する機能を有し、
    前記第2サブスイッチは、オフ操作されることにより、前記第2接続点側から前記第1接続点側へと向かう方向の電流の流通を阻止する機能を有し、
    前記第1サブスイッチと前記サブリアクトルとを接続する電気経路にアノードが接続され、カソードが前記直流電源の正極側に接続された第1保護用ダイオード(Dp1)と、
    前記第2サブスイッチと前記サブリアクトルとを接続する電気経路にアノードが接続され、カソードが前記直流電源の正極側に接続された第2保護用ダイオード(Dp2)と、をさらに備える請求項記載の電力変換装置。
  4. 直流電源(12)に並列接続された第1上アームスイッチ(SXp)及び第1下アームスイッチ(SXn)の直列接続体と、
    前記直流電源に並列接続された第2上アームスイッチ(SYp)及び第2下アームスイッチ(SYn)の直列接続体と、
    前記第1上アームスイッチ、前記第1下アームスイッチ、前記第2上アームスイッチ、及び前記第2下アームスイッチのそれぞれに逆並列に接続されたダイオード(DXp,DXn,DYp,DYn)と、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第1端が接続され、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路に第2端が接続されたメインコイル(15a)と、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路と、前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路とを接続するサブリアクトル(13b;13c)及びサブスイッチ(Ss1,Ss2;Ssa,Ssb)の直列接続体と、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組と、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組とを交互にオン操作するメイン操作手段と、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組がオン操作される期間の途中から、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組が次回オン操作される期間の途中までの期間において前記サブスイッチをオン操作し、また、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組がオン操作される期間の途中から、前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組が次回オン操作される期間の途中までの期間において前記サブスイッチをオン操作するサブ操作手段と、を備え、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとの接続点を第1接続点とし、
    前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとの接続点を第2接続点とし、
    前記サブスイッチは、第1サブスイッチ(Ss1)及び第2サブスイッチ(Ss2)を含み、
    前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチは、これらの順で直列接続され、
    前記第1上アームスイッチと前記第1下アームスイッチとを直列接続する電気経路には、前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチの直列接続体の両端のうち前記第1サブスイッチ側が接続され、
    前記第2上アームスイッチと前記第2下アームスイッチとを直列接続する電気経路には、前記第1サブスイッチ、前記サブリアクトル及び前記第2サブスイッチの直列接続体の両端のうち前記第2サブスイッチ側が接続され、
    前記第1サブスイッチは、オフ操作されることにより、前記第1接続点側から前記第2接続点側へと向かう方向の電流の流通を阻止する機能を有し、
    前記第2サブスイッチは、オフ操作されることにより、前記第2接続点側から前記第1接続点側へと向かう方向の電流の流通を阻止する機能を有し、
    前記第1サブスイッチと前記サブリアクトルとを接続する電気経路にアノードが接続され、カソードが前記直流電源の正極側に接続された第1保護用ダイオード(Dp1)と、
    前記第2サブスイッチと前記サブリアクトルとを接続する電気経路にアノードが接続され、カソードが前記直流電源の正極側に接続された第2保護用ダイオード(Dp2)と、を備えることを特徴とする電力変換装置。
  5. 前記メインコイルは、コンデンサ(15b,15c;15d)とともに共振回路を構成し、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組と、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組とを交互にオン操作するメイン操作手段を備え、
    前記第1上アームスイッチ及び前記第2下アームスイッチの組と、前記第1下アームスイッチ及び前記第2上アームスイッチの組とのそれぞれのスイッチング周期は、前記メインコイルに流れる電流の基本波の周期と同一に設定されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 送電側コイル及び受電側コイル(20a)の間で非接触で電力授受を行う非接触給電システムに適用され、
    前記メインコイルは、前記送電側コイルであり、
    前記コンデンサを送電側共振コンデンサとし、
    前記受電側コイルは、受電側共振コンデンサ(20b,20c;20d)とともに共振回路を構成する請求項5記載の電力変換装置。
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