本開示の原理の理解を促進する目的で、以下で図に示している実施形態が参照され、実施形態を表すのに特定のことばが用いられている。それにも拘わらず、本開示の範囲に対して何ら限定が意図されていないことが理解される。説明された装置、システムおよび方法に対する何れかの代替およびさらなる変形、ならびに本開示の原理の何らかのさらなる適用が、十分に考えられ、それらの適用は、本開示が関連する当業者が通常思い描くような本開示の範囲内に含まれる。特に、一実施形態に関して記載されている特徴、コンポーネントおよび/またはステップが、本発明の他の実施形態に関して記載されている特徴、コンポーネントおよび/またはステップと組み合わされてもよいと、十分に考えられる。しかし、簡潔のために、これらの組み合わせの多数の繰り返しについては、別個には記載されていない。
図1は、本開示の一実施形態によるマルチモダリティ処理システム101を含む医療システム100を示す模式図である。一般に、医療システム100は、人間の生物学的生理および形態学的情報を取得して翻訳し、種々の条件の処理を調整するのに用いられる様々な方法に敏感であるように設計された取得および処理要素の複数の形態のコヒーレント一体化および統合を提供する。より具体的には、システム100において、マルチモダリティ処理システム101は、マルチモダリティ医療センシング・データの取得、制御、翻訳および表示のための一体化された装置である。一実施形態では、処理システム101は、マルチモダリティ医療データを取得、処理および表示するハードウェアおよびソフトウェアを備えたコンピュータシステムであるが、他の実施形態では、処理システム101は、医療データを処理するように動作可能な何れかの他の種類の計算システムであってもよい。処理システム101がコンピュータ・ワークステーションである実施形態では、このシステムは、少なくとも、マイクロコントローラまたは専用中央処理装置(CPU)などのプロセッサと、ハードドライブ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)および/またはコンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)などの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などのビデオ・コントローラと、イーサネット(登録商標)・コントローラまたは無線通信コントローラなどのネットワーク通信装置とを含む。その点において、いくつかの特定の実施例では、処理システム101は、本明細書で説明するデータ取得および分析に関連するステップを実行するようにプログラムされる。したがって、データ取得、データ処理、機器制御、ならびに/もしくは本開示の他の処理または制御態様に関連する何れかのステップが、処理システムによりアクセス可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された対応する命令を用いて処理システムにより実施されてもよい。いくつかの実施例では、処理システム101は可搬型(たとえば、携帯、ローリング・カート(on a rolling cart))である。さらに、いくつかの実施例では、処理システム101は複数の計算装置(コンピューティング・デバイス)を含むことが理解される。その点において、本開示の異なる処理および/または制御態様は、複数の計算装置を用いて、別個にまたは所定のグループ内で実施されてもよいことが特に理解される。複数の計算装置にわたって以下で説明する処理および/または制御態様の何れかの分割および/または組み合わせは、本開示の範囲内にある。
図示された実施形態では、医療システム100は、管理室104を有するカテーテル研究室102に、管理室内に位置する処理システム101と共に配置される。他の実施形態では、処理システム101は、カテーテル研究室102、医療設備内の集中領域またはオフサイト場所(すなわち、クラウド(cloud)内)などの他の場所に位置付けられてもよい。カテーテル研究室102は、一般に手続き領域を取り囲む滅菌領域を含むが、その関連管理室104は、ある手続および/または医療施設の要求に応じて、滅菌性であってもまたはそうでなくてもよい。カテーテル研究室および管理室は、血管造影法、血管内超音波法(IVUS)、Virtual Histology(VH)、前方視IVUS(FL−IVUS)、血管内光音響(IVPA)造影法、血流予備量比(FFR)特定法、冠血流予備量能(CFR)特定法、光干渉断層法(OCT)、コンピュータ断層撮影法、心腔内心エコー法(ICE)、前方視ICE(FLICE)、血管内パルポグラフィ(Intravascular Palpography)、経食道心エコー検査、または当該技術分野で周知の任意の他の医療センシング・モダリティなどの任意の数の医療センシング手続きを患者に実行するように、使用されてもよい。さらに、カテーテル研究室および管理室は、ラジオ波焼灼治療法(RFA)、凍結治療法、アテローム切除法、または当該技術分野で周知の任意の他の医療手術手続きなどの1つまたは複数の手術または治療手続きを患者に対して実行するように、使用されてもよい。たとえば、カテーテル研究室102において、患者106は、単一の手続きとして、もしくは1つまたは複数のセンシング手続きを組み合わせて、マルチモダリティ手続きが実行されてもよい。何れの場合も、カテーテル研究室102は、患者106から種々の異なる医療センシング・モダリティにおいて医療センシング・データを収集してもよい医療センシング装置を含む複数の医療機器を含む。
図1に示す実施形態では、機器108および110は、患者106についての医療センシング・データを取得するように、臨床医が用いてもよい医療センシング装置である。特定の実施例では、装置108は一のモダリティにおいて医療センシング・データを収集し、装置110は異なるモダリティにおいて医療センシング・データを収集する。たとえば、機器は各々、圧力、流れ(速度)、画像(超音波(たとえば、IVUS)、OCT、熱および/または他の撮像技術を用いて得られる画像を含む)、温度、ならびに/もしくはそれらの組み合わせの一を収集してもよい。装置108および110は、血管内に位置付けられる、患者の外部に取り付けられる、またはある距離から患者が走査されるように、大きさ決めおよび形状化された、任意の形式の装置、機器またはプローブであってもよい。
図1に示す実施形態では、機器108は、IVUSセンシング・データを収集するように、フェーズド・アレイ・トランスデューサなどの1つまたは複数のセンサを含んでもよいIVUSカテーテル108である。いくつかの実施形態では、IVUSカテーテル108は、IVUSおよびIVPSセンシングなどのマルチモダリティ・センシングを可能にしてもよい。さらに、図示された実施形態では、機器110は、OCTセンシング・データを収集するように構築された1つまたは複数の光センサを含んでもよいOCTカテーテル110である。いくつかの実施例では、IVUS患者インタフェース・モジュール(PIM)112およびOCT PIM114はそれぞれ、IVUSカテーテル108およびOCTカテーテル110を医療システム100に結合させる。特に、IVUS PIM112およびOCT PIM114は、IVUSカテーテル108およびOCTカテーテル110により患者106から収集された医療センシング・データをそれぞれ受信するように動作可能であり、管理室104の処理システム101に受信されたデータを送信するように動作可能である。一実施形態では、PIM112および114はアナログ・デジタル(A/D)変換器を含み、デジタルデータを処理システム101に送信するが、他の実施形態では、PIMが処理システムにアナログデータを送信する。一実施形態では、IVUS PIM112およびOCT PIM114は、Peripheral Component Interconnect Express(PCIe)データ・バス接続において医療センシング・データを送信するが、他の実施形態では、それらは、USB接続、サンダーボルト(Thunderbolt)(登録商標)接続、ファイヤ・ワイヤ(FireWire)(登録商標)接続、または他のある高速データ・バス接続においてデータを送信してもよい。他の実施例では、PIMは、IEEE802.11Wi−Fi規格、超広帯域(UWB)規格、無線ファイヤ・ワイヤ、無線USB、または他の高速無線ネットワーキング規格を用いた無線接続により処理システム101に接続されてもよい。
さらに、医療システム100において、心電(ECG)装置116は、心電信号または他の血液動態データを患者106から処理システム101に送信するように動作可能である。いくつかの実施形態では、処理システム101は、ECG116からのECG信号を用いて、カテーテル108および110により収集されたデータの同期をとるように動作可能である。さらに、血管造影システム117は、患者106のX線、コンピュータ断層撮影(CT)または磁気共鳴撮像(MRI)を収集し、それらを処理システム101に送信するように動作可能である。一実施形態では、血管造影システム117は、アダプタ装置を介して処理システム101に通信可能に結合されることが可能である。そのようなアダプタ装置は、データを独自仕様の第三者フォーマットから処理システム101により使用可能なフォーマットに変換してもよい。いくつかの実施形態では、処理システム101は、血管造影システム117からの画像データ(たとえば、X線データ、MRIデータ、CTデータなど)をIVUSカテーテル108およびOCTカテーテル110からのセンシング・データとコレジストレーションする(co−register)ように動作可能であってもよい。この一特徴として、コレジストレーションは、センシング・データを用いて三次元画像を生成するように実行されてもよい。
ベッドサイド・コントローラ118も、処理システム101に通信可能に結合され、患者106を診断するように用いられる特定の(1つまたは複数の)医療モダリティのユーザ制御を提供する。本実施形態において、ベッドサイド・コントローラ118は、単一の表面にユーザ制御および診療画像を提供するタッチスクリーン・コントローラである。しかし、代替の実施形態では、ベッドサイド・コントローラ118は、非相互作用ディスプレイと物理的ボタンおよび/またはジョイスティックなどの別箇の制御器の両方を含んでもよい。一体化された医療システム100において、ベッドサイド・コントローラ118は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)でワークフロー制御オプションおよび患者画像データを提示するように動作可能である。図2に関連して詳細に説明するように、ベッドサイド・コントローラ118は、複数のモダリティに関連するワークフローが実行してもよいユーザ・インタフェース(UI)フレームワーク・サービスを含む。したがって、ベッドサイド・コントローラ118は、単一のインタフェース装置によりマルチモダリティ医療センシング・データの取得を臨床医が制御することを可能にする複数のモダリティのためのワークフローおよび診療画像を表示することが可能である。
管理室104のメイン・コントローラ120も、処理システム101に通信可能に結合され、図1に示すように、カテーテル研究室102に隣接している。本実施形態では、メイン・コントローラ120は、タッチスクリーンを含み、そのタッチスクリーン上で実行するUIフレームワーク・サービスを介して異なる医療センシング・モダリティに対応する多数のGUIベースのワークフローを表示するように動作可能である点で、ベッドサイド・コントローラ118に類似している。いくつかの実施形態では、メイン・コントローラ120は、ベッドサイド・コントローラ118とは異なる手続きのワークフローの側面を同時に実行するように用いられてもよい。代替の実施形態では、メイン・コントローラ120は、非インタラクティブ表示と、マウス、キーボードなどのスタンドアロン制御器とを含んでもよい。
医療システム100は、処理システム101に通信可能に結合されたブーム・ディスプレイ122をさらに含む。ブーム・ディスプレイ122は、モニタの配列であって、各々が医療センシング手続きに関連して異なる情報を表示することが可能である、モニタの配列を含んでもよい。たとえば、IVUS手続き中に、ブーム・ディスプレイ122の一のモニタは断層像を表示してもよく、一のモニタは矢状像を表示してもよい。
さらに、マルチモダリティ処理システム101は、データ・ネットワーク125に通信可能に結合される。図示している実施形態では、データ・ネットワーク125はTCP/IPベースのローカル・エリア・ネットワーク(LAN)であり、しかしながら、他の実施形態では、そのデータ・ネットワーク125は、Synchronous Optical Networking(SONET)などの異なるプロトコルを用いてもよく、またはワイドエリアネットワーク(WAN)であってもよい。処理システム101は、ネットワーク125を介して様々なリソースに接続してもよい。たとえば、処理システム101は、ネットワーク125を介して、Degital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)システム126、Picture Archiving and Communication System(PACS)127および病院情報システム(HIS)128と通信してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ネットワーク・コンソール130は、医師または他の医療従事者が遠隔的に医療システム100の態様にアクセスすることを可能にするようネットワーク125を介してマルチモダリティ処理システム101と通信してもよい。たとえば、ネットワーク・コンソール130のユーザは、マルチモダリティ処理システム101により収集された診療画像などの患者医療データにアクセスしてもよく、または、いくつかの実施形態では、リアルタイムにカテーテル研究室102における1つまたは複数の継続手続きを監視または制御してもよい。ネットワーク・コンソール130は、PC、ラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータもしくはヘルスケア施設の内部または外部に位置する他のそのような装置などの、ネットワーク接続を有する任意の種類の計算装置であってもよい。
さらに、図示している実施形態では、上述のシステム100における医療センシング・ツールは、標準的な銅リンクまたは光ファイバリンクなどの有線接続を介して処理システム101に通信可能に結合されるとして示されているが、代替の実施形態においては、ツールは、IEEE802.11Wi−Fi規格、超広帯域(UWB)規格、無線ファイヤ・ワイヤ、無線USB、または他の高速無線ネットワーキング規格を用いる無線接続を介して処理システム101に接続されてもよい。
当業者は、上述の医療システム100は、複数の医療モダリティに関連する診療データを収集するように動作可能であるシステムの単なる例示としての実施形態であることを認識するであろう。代替の実施形態では、異なるおよび/または追加のツールが、医療システム100に追加のおよび/または異なる機能性を与えるよう処理システム101に通信可能に結合されてもよい。
ここで図2を参照するに、マルチモダリティ処理システム101の実施形態で実行する処理フレームワーク200を含む、図1の医療システム100の一部の機能ブロック図が示されている。処理フレームワーク200は、マルチモダリティ医療センシング・データの取得、処理および表示を含む、処理システム101の動作を制御する種々の独立および非独立の実行可能なコンポーネントを含む。一般に、処理システム101の処理フレームワーク200はモジュール式および拡張可能である。すなわち、フレームワーク200は、異なる機能および医療センシング・モダリティにそれぞれ関連する独立したソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネント(または拡張機能)から成る。このモジュール式設計は、既存の機能性に影響を与えたり、または基礎をなすアーキテクチャへの変更を必要としたりせずに、追加の医療センシング・モダリティおよび機能性を収容するようにフレームワークが拡張されることを可能にする。さらに、内部メッセージング・システムは、フレームワーク内のモジュール間の独立したデータ通信を容易にする。一実施例では、処理フレームワーク200は、処理システム10における非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令として実施されてもよい。他の実施例では、処理フレームワーク200は、処理システム101内で実行するハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせであってもよい。
一般に、図2に示す実施形態では、処理フレームワーク200は、複数の医療センシング装置から医療センシング・データを受信し、そのデータを処理し、メイン・コントローラ120、ベッドサイド・コントローラ118または他のグラフィカル・ディスプレイ装置を介して診療画像としてのデータを出力するように構成される複数のコンポーネントを含む。フレームワーク200は、処理システム101のコア・システム機能を管理して、また複数のモダリティ固有コンポーネントを調整する複数のシステム・レベル・コンポーネントを含む。たとえば、フレームワーク200は、患者診療データの取得および処理に関連するハードウェアおよびソフトウェア・モジュールを含む処理フレームワーク200の複数の実行可能コンポーネントの立ち上げ(スタートアップ)および立ち下げ(シャットダウン)を調整するシステム・コントローラ202を含む。システム・コントローラ202はまた、たとえば、何れかのコンポーネントが予期せず実行を停止したかどうかを判定するように、フレームワーク202内で実行するコンポーネントの状態を監視するように構成されてもよい。さらに、システム・コントローラ202は、インタフェースであって、そのインタフェースにより他のフレームワーク・コンポーネントがシステム構成および状態情報を得てもよい、インタフェースを提供する。ソフトウェア・フレームワーク200はモジュール式であるため、システム・コントローラ202は、コンポーネントで生じたエラーおよび変化がシステム・コントローラの実行または構造に影響を及ぼさないように管理するフレームワーク内のコンポーネントから独立している。
上述のように、フレームワーク200は、システム・アーキテクチャの変更なしに、様々な拡張が追加および除去されてもよいように構成される。特定の実施形態では、フレームワーク200内で実行する拡張は、拡張の完全な機能を共に実行する複数の実行可能なコンポーネントを含んでもよい。そのような実施形態では、拡張は、拡張に関連する様々な実行可能なコンポーネントを立ち上げ、立ち下げおよび監視するように動作可能であるシステム・コントローラ202に類似する拡張コントローラを含んでもよい。たとえば、システム立ち上げ時に、システム・コントローラ202は、医療モダリティに対応する拡張コントローラを開始してもよく、続いて、拡張コントローラは、さらに、モダリティに関連する実行可能なコンポーネントを開始してもよい。一実施形態では、拡張コントローラは、システム・コントローラ202がそれらを、構成ファイルなどの構成機構から取り出されたパラメータを介して特定のモダリティまたは他のシステム・タスクに関連付けるまで、割り当てられなくてもよい。
処理フレームワーク200は、マルチモダリティ医療センシング・ワークフロー中にフレームワーク202の実行可能なコンポーネントの実行を支配するように一般に構成されるワークフロー・コントローラ・コンポーネント204をさらに含む。ワークフロー・コントローラ・コンポーネント204は、様々な異なる方法で処理フレームワーク200により実行されるワークフローを支配してもよい。
処理フレームワーク200は、処理フレームワークの種々のコンポーネントから受信されるログメッセージに対して構成されるイベント・ロギング・コンポーネント206をさらに含む。たとえば、システム立ち上げ中に、システム・コントローラ202は、標準化フォーマットでログファイルにメッセージをさらに書き込むイベント・ロギング・コンポーネント206に対して開始されるコンポーネントの状態についてのメッセージを送信してもよい。さらに、処理フレームワーク200は、マルチモダリティ医療センシングおよび/または処理ワークフロー中にフレームワーク202の様々な実行可能なコンポーネント間での限定されたシステム・リソースの共有を管理するように構成されるリソース・アービタ・コンポーネント208を含む。たとえば、マルチモダリティ・ワークフロー中に、処理フレームワーク202内の異なるモダリティに関連する2つまたは3つ以上のコンポーネントは、メイン・コントローラ120におけるグラフィカル表示などの同じシステム・リソースを競合する可能性がある。リソース・アービタ・コンポーネント208は、ロックシステム、キューシステムまたは階層的衝突管理システムなどの様々な方法における限定されたシステム・リソースの共有を調整してもよい。
一実施形態では、システム・コントローラ202、ワークフロー・コントローラ・コンポーネント204、イベント・ロギング・コンポーネント206およびリソース・アービタ・コンポーネント208は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして実行されてもよいが、代替の実施形態では、これらのコンポーネントは、専用マイクロプロセッサ、Field Programmable Gate Array(FPGA)、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などのハードウェア・コンポーネントとして実施されてもよい。代替として、処理フレームワークのコンポーネントは、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実施されてもよい。実行可能なコンポーネントがFPGAにおいて実施される特定の実施形態では、システム・コントローラ202は、そのときに必要な様々な機能を実施するようFPGA内でプログラマブル・ロジックを動的に変化させるように構成されてもよい。これの態様として、処理システム101は、システム立ち上げ中にシステム・コントローラにより割り当てられてもよい1つまたは複数の割り当てられないFPGAを含んでもよい。たとえば、処理システム101の立ち上げ時に、システム・コントローラが、OCT PIMおよびそれに結合されたカテーテルを検出する場合、OCT機能に関連するシステム・コントローラまたは拡張コントローラは、OCT医療データを受信および/または処理する機能を含むように、割り当てられていないFPGAの一内でプログラマブル・ロジックを動的に変換してもよい。
マルチモダリティ処理システム101における異なるハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネント間でのシステム間通信を容易にするように、処理フレームワーク200は、メッセージ配信コンポーネント210をさらに含む。一実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210は、フレームワーク202内のコンポーネントからメッセージを受信し、そのメッセージの意図された目的を決定し、適時にそのメッセージを配信する(すなわち、メッセージ配信コンポーネントはメッセージの配信において能動的に参画している)。そのような実施形態では、メッセージ・メタデータは、配信先情報、ペイロード・データ(たとえば、モダリティの種類、患者データなど)、優先情報、タイミング情報または他のそのような情報を含む送信コンポーネントにより生成されてもよい。他の実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210は、フレームワーク202内のコンポーネントからメッセージを受信し、そのメッセージを一時的に記憶し、そのメッセージがフレームワーク内の他のコンポーネントによって取り出すために利用できるようにする(すなわち、メッセージ配信コンポーネントは受動的キューである)ように構成されてもよい。いずれにしても、メッセージ配信コンポーネント210は、フレームワーク200における実行可能なコンポーネント間の通信を容易にする。たとえば、システム・コントローラ202は、システム立ち上げシーケンス中に開始するコンポーネントの状態を調べるようにメッセージ配信コンポーネント210を用いてもよく、続いて、状態情報を受信するときに、ログファイルに対して書き込まれてもよいように、イベント・ロギング・コンポーネント206に状態情報を送信するようにメッセージ配信コンポーネントを用いてもよい。同様に、リソース・アービタ・コンポーネント208は、限定されたリソースへのアクセスを要求するコンポーネント間でリソース・トークンを渡すようにメッセージ配信コンポーネント210を用いてもよい。
メッセージ配信コンポーネント210が受動的キューである例示としての一実施形態では、フレームワーク200におけるコンポーネントは、入ってくる医療センシング・データをメッセージにパケット化し、続いて、メッセージ配信コンポーネントのキューにそのメッセージを送信してもよく、ここでは、そのメッセージは画像データ処理コンポーネントなどの他のコンポーネントにより検索される。さらに、いくつかの実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210は、ファースト・イン・ファースト・アウト(FIFO)方法で受信されたメッセージを利用可能にするように動作可能であり、キューに最初に達するメッセージは、キューから最初に取り除かれるであろう。代替の実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210は、たとえば、メッセージ・ヘッダに記憶された優先値により、異なる方法でメッセージを利用可能にしてもよい。一実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210は、処理システム101におけるランダム・アクセス・メモリ(RAM)で実施されているが、他の実施形態では、それは、不揮発性RAM(NVRAM)、二次記憶装置(たとえば、磁気ハードドライブ、フラッシュメモリなど)、またはネットワークベースの記憶装置において実施されてもよい。さらに、一実施形態では、メッセージ配信コンポーネント210に記憶されたメッセージは、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)を用いて処理システム101におけるソフトウェアおよびハードウェアモジュールによりアクセスされてもよい。
処理フレームワーク202は、セキュリティ・コンポーネント212、マルチモダリティ案件管理(MMCM)コンポーネント214およびデータベース管理コンポーネント216を含むコア・システム機能を備えた複数の追加システム・コンポーネントをさらに含む。特定の実施形態では、セキュリティ・コンポーネント212は、全体的な処理フレームワークにまたは個別のコンポーネントに種々のセキュリティ・サービスを備えるように構成される。たとえば、IVUSデータ取得ワークフローを実施するコンポーネントは、ネットワーク接続において送信される前に、IVUSデータを暗号化するセキュリティ・コンポーネント212により露出された暗号化アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を用いてもよい。さらに、セキュリティ・コンポーネント212は、認証されたユーザに対する処理フレームワークへのアクセスを制限し、また拡張可能フレームワーク内の信頼できないコンポーネントの拡張を防ぐ、システムレベル認証および許可サービスなどの他のセキュリティ・サービスを提供してもよい。マルチモダリティ案件管理(MMCM)コンポーネント214は、より容易に管理されてもよい統合された患者記録に複数の医療モダリティに関連する診療データを調整および統合するように構成される。そのような統合された患者記録は、データベースに、より効率的に記憶されてもよく、およびデータのアーカイブ化および取り出しにより順応性をもってもよい。その点で、データベース管理コンポーネント216は、データベース接続および管理の詳細が他のコンポーネントから隠されるように、フレームワーク200において他のコンポーネントに透過的データベース・サービスを示すように構成される。たとえば、特定の実施形態では、データベース管理コンポーネント216は、フレームワーク200のコンポーネントに対してデータベース記憶装置および検索機能を含むAPIを露出してもよい。換言すれば、医療センシング・ワークフロー・コンポーネントは、データベース接続の詳細を認識することなしにデータベース・コンポーネントを介してDICOMまたはPACSサーバなどのローカルおよび/またはリモート・データベースに診療データを送信することが可能であってもよい。他の実施形態では、データベース管理コンポーネント216は、データベースのアーカイブ化のための診療データを作成するデータ・フォーマット・サービスなどの追加のおよび/または異なるデータベース・サービスを実行するように動作可能であってもよい。
上述のように、マルチモダリティ処理システム101の処理フレームワーク200は、複数のモダリティに関連する医療データを受信して処理するように動作可能である。その点で、処理フレームワーク200は、異なる医療センシングおよび診療モダリティにそれぞれ関連する複数のモジュール式取得コンポーネントおよびワークフロー・コンポーネントを含む。たとえば、図2の例示としての実施形態に示すように、処理フレームワーク200は、IVUS PIM112からIVUS医療センシング・データを受信して処理するようにそれぞれ構成されるIVUS取得コンポーネント220およびIVUSワークフロー・コンポーネント222を含む。処理フレームワーク200のモジュール式および拡張可能な性質に従って、任意の数の追加の取得コンポーネントおよびワークフロー・コンポーネントが、モダリティ“N”PIM228からデータを取得して処理するモダリティ“N”取得コンポーネント224およびモダリティ“N”ワークフロー・コンポーネント226で表されるフレームワークに独立して追加されてもよい。たとえば、特定の実施形態では、処理システム101は、OCT PIM114、ECGシステム116、血流予備量比(FFR)PIM、FLIVUS PIMおよびICE PIMに通信可能に結合されてもよい。他の実施形態では、追加のおよび/または異なる医療センシング装置、処理装置または診療装置は、当該技術分野で既知の追加のおよび/または異なるデータ通信接続を介して処理システム101に結合されてもよい。そのようなシナリオでは、IVUS取得モジュール220に加えて、処理フレームワーク200は、FFR PIMからFFRデータを受信するFFR取得コンポーネントと、FLIVUS PIMからFLIVUSデータを受信するFLIVUS取得コンポーネントと、ICE PIMからICEデータを受信するICE取得コンポーネントと、OCT PIMからOCTデータを受信するように動作可能であるOCT取得コンポーネントとを含み得る。これに関連して、処理フレームワーク200の実行可能コンポーネントと通信可能に結合された医療装置(たとえば、PIM、カテーテルなど)との間で通信される医療データは、センサにより収集されたデータ、制御信号、パワーレベル、装置フィードバック、およびセンシング、処理または診断手続きに関連する他の医療データを含んでもよい。さらに、特定の実施形態では、患者治療装置は、ラジオ波焼灼治療法(RFA)、凍結治療法またはアテローム切除法に関連する装置、そのような治療手続きに関連するPIMまたは他の制御機器など、処理システム101に通信可能に結合されてもよい。そのような実施形態では、モダリティ“N”取得コンポーネント224およびモダリティ“N”ワークフロー・コンポーネント226は、制御信号を中継し、パワーレベルを中継し、装置フィードバックを受信し、治療装置に備えられたセンサにより収集されたデータを受信することなどにより、治療装置と通信し、この治療装置を制御するように構成されてもよい。
一実施形態では、取得コンポーネント220および224が接続された医療センシング装置からデータを受信した場合、このコンポーネントは、システム間通信を容易にするように、データをメッセージにパケット化する。具体的には、このコンポーネントは、入ってきたデジタル・データ・ストリームから複数のメッセージを生成するように動作可能であってもよく、各々のメッセージは、デジタル化された医療センシング・データの一部およびヘッダを含む。メッセージ・ヘッダは、メッセージ内に含まれる医療センシング・データに関連するメタデータを含む。さらに、いくつかの実施形態では、取得コンポーネント220および224は、フレームワーク200の他の部分に送信される前に、何らかの方法でデジタル化された医療センシング・データを操作するように動作可能であってもよい。たとえば、取得コンポーネントは、システム間通信をより効率的にし、正規化し、スケーリングし、または後のデータの処理を支援するようデータをフィルタリングするように、センシング・データを圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、この操作はモダリティ固有であってもよい。たとえば、IVUS取得コンポーネント220は、後のステップで処理時間を節約するよう渡される前に、冗長なIVUSデータを特定して破棄してもよい。取得コンポーネント220および224は、データ・バス(たとえば、PCIe、USB)によりもたらされる中断に対応して、どの医療センシング装置が処理システム101に接続されているかを検出し、接続されている医療センシング装置についての情報を取り出し、センシング装置固有のデータを記憶し、データ・バスにリソースを割り当てることを含む、データの取得に関係する複数のタスクをさらに実行してもよい。上述のように、データ取得コンポーネントは、互いに独立していて、他のコンポーネントによるデータ取得を乱すことなく、設置されてもよく、または取り外されてもよい。さらに、取得コンポーネントは、基礎をなすデータ・バス・ソフトウェア・レイヤ(たとえば、APIを使用して)から独立していて、したがって、第三者の医療センシング装置からのデータの取得を容易にするように第三者により生成されてもよい。
IVUSワークフロー・コンポーネント222などの処理フレームのワークフロー・コンポーネントは、メッセージ配信コンポーネント210を介してそれぞれの取得コンポーネントから未処理の医療センシングおよび/または診療データを受信する。一般に、ワークフロー・コンポーネントは、計算した時間にデータ収集を開始および停止し、取得して処理した患者データを表示し、臨床医が取得した患者データの分析を容易にすることなどにより、医療センシング・データの取得を制御するように構成される。この態様としては、ワークフロー・コンポーネントは、患者から収集した未処理の医療データを、臨床医が患者の状態を評価することを可能にする診療画像または他のデータ・フォーマットに変換するように動作可能である。たとえば、IVUSワークフロー・コンポーネント222は、IVUS PIM112から受信したIVUSデータを翻訳して、このデータを人間可読IVUS画像に変換してもよい。一実施形態では、フレームワーク内のソフトウェア・スタックは、APIのセットを露出させ、そのAPIのセットを用いて、フレームワーク内のワークフロー・コンポーネント222および他のワークフロー・コンポーネントが、計算リソース、メッセージ配信コンポーネント210、および通信リソースなどのシステム・リソースにアクセスするように呼び出してもよい。取得したデータを処理した後、モダリティ中心ワークフロー・コンポーネントは、メッセージ配信コンポーネント210を介してフレームワーク200内の他のコンポーネントに処理したデータを含む1つまたは複数のメッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態では、そのようなメッセージを送信する前に、それらのコンポーネントは、メッセージが処理したデータを含むことを示すフラグをヘッダに挿入してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、医療センシング・データを処理した後、それらのコンポーネントは、局所的に取り付けられた大容量記憶装置またはネットワークベースのPACSサーバ127などのアーカイブ化システムに処理したデータを送信するようにデータベース管理コンポーネント216を用いてもよい。処理フレームワーク200のモジュール式アーキテクチャに従って、ワークフロー・コンポーネント222および226は、互いに独立していて、他のコンポーネントを乱すことなく、設置または取り外しされてもよく、第三者により書き込まれてもよい。さらに、それらの独立性のために、それらは、複数の医療センシング装置からの信号データおよび画像データを同時に処理するように動作可能であってもよい。
処理フレームワーク200は、任意の数のデータ収集ツール234からデータを取得して、それらを処理し、その取得したデータをフレームワーク内の他の取得コンポーネントの一により取得されたデータとともにコレジストレーションするように構成されるコレジストレーション・インタフェース・コンポーネント230およびコレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232をさらに含む。より詳細には、コレジストレーション・インタフェース・コンポーネント230は、図1のECG装置116またはアンギオグラフィ・システム117などの任意の数のモダリティに関連する医療データ取得ツールと通信可能にインタフェースするように動作可能であってもよい。特定の実施形態では、インタフェース・コンポーネント230は、処理システム101により取得された他のセンシング・データとともにコレジストレーションされてもよいように、入ってくるモダリティ・データを標準化および/または変換するように動作可能であってもよい。医療データがコレジストレーション・インタフェース・コンポーネント230により取得されているため、コレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232は、医療センシング装置間でのデータ収集を空間的または時間的に同期させ、空間的または時間的レジストレーション・マーカに基づいて2つまたは3つ以上の取得したデータセットを整列させ、臨床医が患者の状態を評価することが可能であるコレジストレーションした診療画像または他の人間可読データを生成することなどにより、異なるモダリティからのデータのコレジストレーションを容易にするように構成される。さらに、他の実施形態では、コレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232は、前に生成された二次元(2D)画像または三次元(3D)モデルを用いて、2Dまたは3D空間におけるカテーテル収集データを空間的にコレジストレーションするように動作可能であってもよい。たとえば、カテーテルベースのセンシング・ツールは、センシング手続き中に位置データを生成するように追尾される基準を含んでもよく、コレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232は、前に取得されたMRIデータに対してこの位置データをレジストレーションしてもよい。さらに、コレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232は、IVUS取得コンポーネント220およびモダリティ“N”取得コンポーネント224などのフレームワーク200内の本来の取得コンポーネントにより取得されたマルチモダリティ・データのコレジストレーションを容易にしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、リアルタイム・クロックが、コレジストレーション・ワークフロー・コンポーネント232に一体化されてもよい。発明の名称が「DISTRIBUTED MEDICAL SENSING SYSTEM AND METHOD」である米国特許仮出願第61/473,591号明細書において、時間的に同期する医療センシング・データ収集について詳細に開示されていて、その開示全体が参照より本明細書に含まれる。
図1に関連して上述しているように、処理システム101を用いる臨床医は、メイン・コントローラ120およびベッドサイド・コントローラ118を介してワークフローを制御して、診療画像を見てもよい。メイン・コントローラ120およびベッドサイド・コントローラ118は、複数のユーザ・インタフェース(UI)拡張(またはコンポーネント)を支援するユーザ・インタフェース(UI)・フレームワーク・サービス240および242をそれぞれ含む。一般に、UIフレームワーク・サービス240および242により支援されるUI拡張は、医療センシング・モダリティにそれぞれ対応し、処理されたセンシング・データの関連付けられた取得ワークフローおよび表示の制御のためのユーザ・インタフェースをレンダリングするように動作可能である。処理フレームワーク200と同様に、UIフレームワーク240および242は、互いに独立しているUI拡張をそれらが支援する点で、拡張可能である。すなわち、そのモジュール式設計は、基礎をなすUIアーキテクチャに対して既存のユーザ・インタフェースに影響することまたはそれに対する変化を必要とすることなく、UIフレームワーク240および242が追加の医療センシング・モダリティ・ユーザ・インタフェースを収容するように拡張されることを可能にする。図示された実施形態では、メイン・コントローラ120は、コア・システム制御部および構成オプションを含むユーザ・インタフェースをレンダリングするシステムUI拡張部244を含む。たとえば、臨床医は、システムUI拡張部244によりレンダリングされるユーザ・インタフェースを用いて処理システム101を立ち上げ、立ち下げまたは管理してもよい。一実施形態では、メイン・コントローラ120のコンポーネントにおいては、処理フレームワーク200の一部が考慮されてもよい。IVUS UI拡張部246および248は、メイン・コントローラ120およびベッドサイド・コントローラ118のそれぞれのためにユーザ・インタフェースをレンダリングする。たとえば、IVUS UI拡張部246および248は、IVUSワークフローを制御するように用いられるタッチ・スクリーン・ボタンをレンダリングおよび表示してもよいし、または、IVUSワークフロー・コンポーネント222により生成されたIVUS診療画像をレンダリングおよび表示してもよい。同様に、モダリティ“N”UI拡張部250および252は、モダリティ“N”ワークフローに関連する制御および画像をレンダリングする。
一実施形態では、UIフレームワーク・サービス240および242は、ルック・アンド・フィール・ツールボックスおよびエラー処理リソースなどのシステム・リソースにアクセスするようにUI拡張部が呼び出してもよいAPIを露出してもよい。ルック・アンド・フィール・ツールボックスAPIは、異なるモダリティ・ワークフローのための共通のボタン、パラレル・ワークフロー形式およびデータ提示スキームにより標準化されたユーザ・インタフェースをUI拡張部が提示することを可能にする。このように、臨床医は、追加のユーザ・インタフェース訓練なしで、取得モダリティ間でより容易に切り替えてもよい。さらに、コレジストレーションUI拡張部は、複数のモダリティから処理された画像または信号データを提示しても、および/または組み合わせてもよい。たとえば、UI拡張部は、IVUS画像データに隣接して心電図(ECG)波形を表示してもよく、または、OCT画像上に以前の描かれている境界に重畳してIVUS画像を表示してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、UIフレームワーク・サービス240および242は、既存のUI拡張部を同時に調節するようにマルチタスク・フレームワークを含んでもよい。たとえば、処理システム101が、2つ以上のモダリティに関連するデータを同時に取得している場合、UIフレームワーク・サービス240および242は、モダリティ選択画面をユーザに提示してもよく、その画面上で、所望のユーザ・インタフェースが選択されてもよい。
UIフレームワーク・サービス240は、メッセージ配信コンポーネント210を介して処理フレームワーク200のコンポーネントと通信する。図2の例示としての実施形態に示すように、ベッドサイド・コントローラ118は、ネットワーク接続254を介して処理フレームワーク200に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク接続254は、イーサネット接続またはIEEE 802.11 WiFi接続などの任意の種類の有線または無線ネットワーク接続であってもよい。代替として、メイン・コントローラ120およびベッドサイド・コントローラ118の一または両方が(PCIe)データ・バス接続、USB接続、サンダーボルト接続、ファイヤ・ワイヤ接続、または他のある高速データ・バス接続などのローカル・バス接続を介して処理フレームワーク200と通信してもよい。さらに、図2の例示としての実施形態では、ベッドサイド・コントローラは、ベッドサイド・コントローラ118におけるUI拡張部と処理フレームワーク200におけるコンポーネントとの間のメッセージベースの通信を容易にするように構成されたメッセージ配信コンポーネント256を含む。特定の実施形態では、メッセージ配信コンポーネント256は、診療画像データがネットワーク接続254に到達するために、ネットワーク通信パケットから診療画像データを抽出してもよい。
処理フレームワーク200は、マルチモダリティ処理システム101で実行するワークフローに臨床医がアクセスし、および/またはそれを制御することを可能にする追加のコンポーネントを含む。たとえば、フレームワーク200は、処理フレームワーク200にネットワーク・コンソール130(図1)を通信可能に結合するリモート・アクセス・コンポーネント260を含む。一実施形態では、リモート・アクセス・コンポーネント260は、ネットワーク・コンソール130に処理システム101の制御機能をエクスポートするように動作可能であり、ゆえに、ネットワーク・コンソールは、ユーザ・インタフェースにおいてワークフロー制御機能を提示してもよい。特定の実施形態では、リモート・アクセス・コンポーネント260は、ネットワーク・コンソール130からワークフロー・コマンドを受信し、リモート・アクセス・ワークフロー・コンポーネント262にそれを転送してもよい。リモート・アクセス・ワークフロー・コンポーネント262は、コマンドおよび診療データのセットを支配してもよく、それらのセットに、リモート・ユーザはネットワーク・コンソール130を介してアクセスしてもよい。さらに、レガシー制御コンポーネント264およびレガシー制御ワークフロー・コンポーネント266は、レガシー・コンソール268(たとえば、ボタン・コンソール、マウス、キーボード、スタンドアロン・モニタ)のユーザにモダリティ・ワークフロー制御およびデータへのある水準のアクセスを提供する。
一実施形態では、処理フレームワーク200のコア・システム・コンポーネントおよびモダリティ関連コンポーネントなどの追加コンポーネントは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして実施されてもよいが、代替の実施形態では、それらのコンポーネントは、専用マイクロプロセッサ、Field Programmable Gate Arrays(FPGA)、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などのハードウェア・コンポーネントとして実施されてもよい。代替として、処理フレームワークのコンポーネントは、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実施されてもよい。
当業者は、図2の処理フレームワーク200が単なる例示としての実施形態であり、代替の実施形態では、フレームワークは、種々の医療センシング・ワークフローを実行するように構成された、異なるおよび/または追加のコンポーネントを含んでもよい。たとえば、処理フレームワーク200は、人間の血管の狭窄の評価のために構成された、またはコンピュータ支援手術またはリモート制御手術の制御を容易にするように構成された実行可能コンポーネントをさらに含んでもよい。
ここで図3を参照するに、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態による医療データをラべリングおよび/または索引付するユーザ・インタフェース・コンポーネント300を含む、図1および2の医療システムの一部の機能ブロック図が示されている。種々の実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント300は、医療データを特定するように用いられるネスト化された索引またはラベルのリストを提示する。手術または治療中に収集されたデータの量はかなり多い可能性がある。複数のモダリティの追加はその問題を悪化させるだけである。データセットのラベル付けおよび/または索引付関連部分は、再調査、検索、監査、統計的分析およびデータの他の使用を容易にする。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント300は、ユーザ入力に基づいて関連ラベルを構成し、このラベルを医療データの一部に付与するラベル・ビルダ・モジュール302を含む。ラベル・ビルダ・モジュール302は、ラベル・ビルダ・エンジン306、医療データ・インタフェース308、ラベル・セットのデータベース310および手続きデータベース312のうちの1つまたは複数を含む。手続きデータベース312は、手続きまたは手術の操作可能なコース、患者識別、患者人口動態統計、患者の病歴、および/または処理システム100の状態などの、実行される手続きに関連する情報を含む。いくつかの実施形態では、ラベル・セット・データベース310および/または手続きデータベース312は、ラベル・ビルダ・モジュール302の外部にあり、したがって、モジュール302は、それぞれのデータベース310または312に結合されたデータベース・インタフェースを含む。
ユーザ・インタフェース・コンポーネントは、それ自体がユーザ入力装置314およびユーザ表示装置316を含むコントローラ304を含む。適切なユーザ入力装置314の例としては、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、ジェスチャベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェース、および当業者が知っている他のユーザ入力装置が挙げられるが、それらに限定されない。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント300の一部は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして、および/または専用マイクロプロセッサ、FPGA、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニットおよびDSPなどのハードウェア・コンポーネントとして、全体的にまたは部分的に、実施されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント300の一部が、図1および2を参照して説明されたマルチモダリティ処理システム100のコンポーネントに組み込まれる。たとえば、いくつかのそのような実施形態では、コントローラ304は、図1を参照して説明されたベッドサイド・コントローラ118、メイン・コントローラ120、ブーム・ディスプレイ122および/またはネットワーク・コンソール130のコンポーネントである。さらなる実施例としては、いくつかのそのような実施形態では、ラベル・ビルダ・モジュール302は、図2を参照して説明された、メイン・コントローラ120のUIフレームワーク・サービス240、ベッドサイド・コントローラ118のUIフレームワーク・サービス242、および/またはIVUS UI拡張部246またはIVUS UI拡張部248などのUI拡張部に組み込まれる。他の実施形態では、ラベル・ビルダ・モジュール302は、マルチモダリティ処理システム100の別個のおよび個別のコンポーネントである。
ラベル・ビルダ・モジュール302は、IVUS画像のフレーム、OCT断層画像のセグメント、FFR測定の範囲またはデータ・セットの他の部分などの医療データの単位に適用されるラベルを構築する。いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・モジュール302は、医療データ・インタフェース308を介してラベル付けされる医療データを受信する。他の実施形態では、ラベル・ビルダ・モジュール302は、この医療データ自体を受信することに追加してまたはそれの代替として、この医療データに対応する識別子を受信する。たとえば、そのような一実施形態では、ラベル・ビルダ・モジュール302とは別個のマルチモダリティ処理システム100の他のコンポーネントは、ラベル・ビルダ・モジュール302にそのデータを提供することなく、ユーザ・ディスプレイ装置316にそのデータを表示する。他のそのような実施形態では、医療データは、ネットワークにおいて配信される。
ラベル付けされるデータは、マルチモダリティ処理システムにより実施される1つまたは複数のモダリティにより収集される任意の適切な医療データであってもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、未処理の医療データであり、モダリティ取得コンポーネント(たとえば、図2のIVUS取得コンポーネント220、前方視IVUS取得コンポーネント、FFR取得コンポーネント、CFR取得コンポーネント、OCT取得コンポーネントおよび/または経食道心エコー取得コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、処理された医療データであり、ワークフロー・コンポーネント(たとえば、図2のIVUSワークフロー・コンポーネント222、前方視IVUSワークフロー・コンポーネント、FFRワークフロー・コンポーネント、CFRワークフロー・コンポーネント、OCTワークフロー・コンポーネントおよび/または経食道心エコー・ワークフロー・コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、複数のモダリティから集められたものであり、図2のMMCMワークフロー・コンポーネント214により提供されてもよい。
ラベルを構築するように、いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、オペレータが選択するようにユーザ・ディスプレイ装置316に、分類して配置された有効なラベルのセットを提示する。種々の例示としての実施形態では、ラベルのセットは、手術または手続きの名前、身体の部位、血管の名前または血管セグメントなどの解剖学的構造、患者データ、手続きデータ、および/または他の適切な識別子から導き出される。提示されるラベルのセットの決定において、ラベル・ビルダ・エンジン306は、現在の処理環境に関係する情報を決定するように、手続きデータベース312に、および/または処理環境に関係するラベルを決定するように、ラベル・セット・データベース310に、問い合わせてもよい。そのような一実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジンは、現在の動作環境の状況を決定するように、手続きデータベース312に問い合わせ、続いて、関連ラベルを決定するように、その状況に基づいて、ラベル・セット・データベース310に、問い合わせる。いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、医療データ、または他のモダリティにより収集された他の対応する医療データに基づいて、ラベルのセットを選択する。一実施例として、IVUSデータのためのラベルのセットは、システム100に接続された他のセンサ・モダリティにより測定された血圧または脈拍に対応するラベルを含んでもよい。その点で、モダリティ間のデータが、マルチモダリティ処理システムにより、タイム・スタンプまたは他の適切な技術を用いて、調整される。
ラベル・ビルダ・エンジン306は、コントローラ304のユーザ・ディスプレイ装置316を介してシステム・オペレータにラベルのセットを提示する。ユーザ入力装置314を用いて、オペレータは、このセットから適切なラベルを選択する。いくつかの実施形態では、オペレータは、このセットからのラベルの選択に追加して、またはその選択の代替として、このセットに含まれない代替のラベルを供給してもよい。このユーザ選択は、ラベル・ビルダ・エンジン306で受信され、対応するラベルが記憶される。ラベル・ビルダ・エンジン306は、ラベルのセットを構築し、このセットを提示し、選択を受信することを、複数繰り返して実行してもよい。いくつかの実施形態では、選択されたラベルは、後続のラベル・セットの構成要素を決定する。そのような実施形態では、任意の反復が、任意の以前の反復で受信された応答に依存してもよい。たとえば、そのような一実施形態では、ラベルの親セットは、血管の名前から導き出され、“LAD”(“左前下行枝”に対応する)、“LCX”(“左回旋枝”に対応する)および“RCA”(“右冠状動脈”に対応する)を含む。本実施例では、オペレータは“RCA”を選択し、応答がラベル・ビルダ・エンジン306で受信される。この応答に基づいて、ラベル・ビルダ・エンジン306は、対応する右冠状動脈の関連セグメントに基づいて、ラベルの従属セットを構築する。ラベル・ビルダ・エンジン306は、続いて、ユーザ・ディスプレイ装置316を介してラベルの従属セットを提示する。
いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は複数の分岐従属を支援する。そのような実施形態では、ラベル・セットは、任意の患者セットに依存してもよく、または何れかの患者セットに依存しなくてもよく、反復が、以前の応答に基づいて、追加または除去されてもよい。
さらに、ラベル・ビルダ・エンジン306は、以前の応答を変更して、任意の従属反復を繰り返すように、ユーザ入力装置314を介して任意の時間に要求を受信してもよい。ラベル・ビルダ・エンジン306は、順序から外れておよび/または他の介在反復を繰り返すことなく、従属反復を繰り返してもよい。たとえば、第2のラベルのセットに関係する応答に対する変更が、第1のまたは第3のラベルのセットに必ずしも変更をもたらすことなく、したがって、第1のまたは第3のラベルのセットが必ずしも繰り返されるようにすることなく、第4のラベルのセットに変更をもたらしてもよい。
ラベルの従属セットを組み込む実施形態では、選択されたラベルは記憶され、ラベルの従属セットはラベル・ビルダ・エンジン306により生成される。従属セットを含む後続のラベル・セットの生成は、親セットの生成と実質的に同様であってもよい。その点で、後続のセットは、ラベル・セット・データベース310および/または手続きデータベース312に問い合わせすることによりポピュレートされてもよい。後続のラベルのセットは、手術または手続きの名前、身体の部位、血管の名前または血管セグメントなどの解剖学的構造、患者データ、手続きデータ、および/または他の適切な識別子から導き出されてもよい。いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、医療データまたは他のモダリティにより収集された他の対応する医療データに基づいて、後続のラベルのセットを選択する。
そのような後続のセットが以前のセットから選択されたラベルにどのように依存し得るかと同様に、いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、他の医療データ・セットに付与されたラベルに基づいて、セットを選択およびポピュレートしてもよい。たとえば、第1のデータ・セットは、データが手順のある点の後で収集されたことを示す“POST”でラベル付されてもよい。このラベルから、ラベル・ビルダ・エンジン306は、データが臨界点の後にも収集されたことの前提を、したがって、“POST”を有する後続のデータ・セットのためのラベル・セットを選択してもよい。
いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、デフォルト選択としての所与のセットからのラベルを事前選択する。そのような実施形態では、オペレータは、事前選択されたラベルを無視する機会が与えられてもよい。一実施例として、ラベル・ビルダ・エンジン306は、時間関連ラベル・セットから現在の時間を事前選択してもよい。オペレータは、続いて、代替の時間を選択する能力を有してもよい。事前選択は、システム・デフォルト、手術の操作可能なコース、患者情報、ユーザ嗜好および/または他の基準に基づいてもよい。
最終反復が終了するとき、ラベル・ビルダ・エンジン306は、受信された応答に基づいて最終ラベルを構築する。最終ラベルはまた、ユーザ応答以外のソースから得られた他の関連情報を含んでもよい。この情報は、手続きデータベース312からおよび他のソースから取り出されてもよく、患者の名前または他の患者識別子、患者の統計データ、オペレータの名前、施設識別子、追加注釈ならびに/またはは他の関連情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、このラベルは、システム100の他のモダリティにより与えられる医療データに基づくデータを含む。たとえば、撮像データのためのラベルは、対応する患者の脈拍数または血圧を含んでもよい。
ラベル・ビルダ・エンジン306は、医療データに最終ラベルを付与する。いくつかの実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、このラベルを追加するように医療データを変更し、医療データ・インタフェース308を介して記憶装置に更新データを戻す。他の実施形態では、ラベル・ビルダ・エンジン306は、対応する医療データを変更することなく、対応する医療データとは別個のラベルを提供する。
図4は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるラベル構築のための例示としてのユーザ・インタフェース400の図である。このユーザ・インタフェース400は、図3を参照して説明されたユーザ・ディスプレイ316などのユーザ・ディスプレイに表示されてもよい。ユーザ・インタフェース400は、マルチモダリティ処理システム100、具体的には、このシステムのラベル・ビルダ・モジュール302により提示された情報を表示する1つの有効な配置を示す。当業者は、代替の配置が検討されて提供されることを、認識するであろう。
図示された実施形態では、ユーザ・インタフェース400は4つのラベル・セット・ペイン(ペイン402a、402b、402cおよび402d)を含むが、他の実施形態は、任意の数のペインを組み込む。いくつかの実施形態では、ペインの数は、選択されたラベルに基づいて増加または減少する。各ラベル・セット・ペインは、関連ラベル・セット、たとえば、ラベル・セット404を表示し、このラベル・セットからラベルを選択する領域および現在選択されているラベルの識別子406の両方を提供する。インタフェース400はまた、1つまたは複数の現在選択されているラベルを表示する現在選択ペイン408を含んでもいてもよい。いくつかの実施形態では、現在選択ペイン408は、オペレータがラベルを選択することを可能にする。たとえば、ペイン408は、タイピングまたは他の入力の使用を可能にする。ユーザ・インタフェース400はまた、ラベル・ビルダ・モジュール302に命令を送信する1つまたは複数のコマンド要素を含んでもよい。例示としての命令は、選択ラベルを含み、最終ラベルを適用し(すなわち、OKボタン410)、現在選択されているラベルを消去し(すなわち、CLEARボタン412)、ラベルを付与することなく中断する(すなわち、CANCELボタン414)。
図5は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム100内の医療データに対するラベルを決定して、それを付与する方法500のフロー図である。この方法500のステップの前、中および後に追加のステップが備えられることが可能であり、示されているステップのいくつかは、この方法の他の実施形態のために置き換えられ得るまたは取り除かれ得ることが理解される。
ブロック502において、ラベル付けされる医療データが、図3を参照して説明されたラベル・ビルダ・モジュール302などのシステム100のモジュールにより受信される。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子が、この医療データ自体の受信に加えて、またはその代替として、受信される。医療データの識別子は、医療データの一部または全部を含んでもよく、ならびに/またはは、システムのどこかに位置するまたはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。ブロック504では、モジュールは、第1のラベルのセットを選択してポピュレートする。いくつかの実施形態では、これは、ラベル・セット・データベース310または手続きデータベース312などの1つまたは複数のデータベースに問い合わせすることを含む。種々の例示としての実施形態では、ラベルのセットは、手術または手続きの名前、身体の部位、血管の名前または血管セグメントなどの解剖学的構造、患者データ、手続きデータ、および/または何れかの他の適切な識別子から、一部または全部が導き出される。ラベルのセットはまた、患者情報に関する情報、治療レジメン、統計的情報および何れかの他のコンテキスト情報から、一部または全部が導き出されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュールは、ラベル付けされた医療データまたは他のモダリティにより収集された他の対応する医療データに基づいてラベルのセットを選択する。一実施例として、IVUSデータのためのラベルのセットは、システム100に接続された他のセンサ・モダリティにより測定された血圧または脈拍に対応するラベルを含んでもよい。
ブロック506では、モジュールは、図3を参照して説明されたユーザ・ディスプレイ装置316などのディスプレイ装置に第1のラベルのセットを提示する。ブロック508では、モジュールは、第1のラベルのセットに基づいて第1のラベル選択を受信する。応答は、図3を参照して説明されたユーザ入力装置314などの入力装置を介して入力されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、このセットからのラベルの選択に加えて、またはその選択の代替として、第1のセットに含まれない代替のラベルを供給してもよい。オペレータにより供給されたラベルは、将来のラベル・セットを報告することまたはそのラベル・セットに含めることなどの将来の使用のために記憶されてもよい。モジュールはその選択を受信し、選択されたラベルはシステム100に記憶されてもよい。ブロック510では、第2のラベルのセットは、ラベル・ビルダ・エンジンにより生成されてもよい。第2のセットを含む後続のセットの構成要素は、第1のセットの構成要素と実質的に同様であってもよい。その点で、後続のセットは、データベースから取り出されてもよく、手術または手続きの名前、身体の部位、血管の名前または血管セグメントなどの解剖学的構造、患者データ、手続きデータ、および/または何れかの他の適切な識別子から導き出されてもよい。後続のセットはまた、さらにデータベースから取り出されてもよいコンテキスト情報に基づいてポピュレートされてもよい。いくつかの実施形態では、モジュールは、医療データまたは他のモダリティにより収集された他の対応する医療データに基づいて、後続のラベルのセットを選択する。
ブロック510をさらに参照して、モジュールはまた、医療データのための以前の選択されたラベルに基づいて、後続のラベル・セット(たとえば、第2のセット)を選択してポピュレートしてもよい。たとえば、そのような一実施形態では、第1のラベルのセットは、血管の名前から導き出され、“LAD”(“左前下行枝”に対応する)、“LCX”(“左回旋枝”に対応する)および“RCA”(“右冠状動脈”に対応する)を含む。本実施例では、オペレータは“RCA”を選択し、応答が受信される。この応答に基づいて、第2のラベルのセットが、対応する右冠状動脈の関連セグメントに基づいてポピュレートされる。
モジュールはまた、以前の他の医療データ・セットのために選択されたまたはそのデータ・セットに付与されたラベルに基づいて第2のセットを選択してもよい。たとえば、以前のデータ・セットは、患者の名前でラベル付けされたものであってもよい。いくつかの実施形態では、モジュールは、以前のデータに付与されたラベルに基づいて、患者の名前を含むように第2のセットをポピュレートする。
いくつかの実施形態では、ブロック512において、第2のラベルのセットからの特定のラベルまたは値が事前選択される。特定のラベルは、システム・デフォルト、手術の慣用フロー、患者情報および/または他の基準などの任意の適切な基準に基づいて事前選択されてもよい。一実施例として、いくつかの実施形態では、データ取得からのタイム・スタンプが時間関連ラベル・セットから事前選択される。
ブロック514では、第2のラベルのセットがディスプレイ装置に提示される。ブロック516では、モジュールは、第2のラベルのセットに基づいて、ユーザから第2のラベル選択を受信する。図3を参照して説明されたユーザ入力装置314などの入力装置を介して、応答が入力されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のラベル選択は、事前選択されたラベルまたは値を置き換える。
ブロック518では、ラベル・クエリが終了したかどうかが判断される。そのラベル・クエリが終了していない場合、ラベルのセットを構築し、そのセットを提示し、選択を受信することの後続の反復がブロック520で実行されてもよい。任意の反復は、任意の以前の反復で受信された応答に依存してもよい。もちろん、任意の反復は、何れかのまたは全部の以前の反復から独立してもよい。いつでも、以前の応答を変更し、任意の従属反復を繰り返すように、入力装置を介して、要求が受信されてもよい。順序から外れておよび/または他の介在反復を繰り返すことなく、従属反復が実行されてもよい。たとえば、第2のラベルのセットに関係する応答に対する変更が、第1のまたは第3のラベルのセットに必ずしも変更をもたらすものではなく、したがって、第1のまたは第3のラベルのセットが必ずしも繰り返されるようにすることなく、第4のラベルのセットに変更をもたらしてもよい。
ラベル・クエリが終了したとき、ブロック522では、最終ラベルが受信された応答から構築される。最終ラベルは、患者の名前または他の患者識別子、患者の統計データ、オペレータの名前、施設識別子、追加注釈ならびに/または他の関連情報などの、ユーザ応答以外のソースから得られた他の関連情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ラベルは、他のモダリティにより与えられた医療データに基づくデータを含む。たとえば、撮像データのためのラベルは、対応する患者の脈拍数または血圧を含んでもよい。
ブロック524では、最終ラベルが医療データに付与される。いくつかの実施形態では、医療データは、ラベルを加えるように変更され、続いて、更新されたデータが記憶および/または表示される。他の実施形態では、ラベルは、対応する医療データとは別個であり、データの変更は実行されない。
本開示のシステムおよび方法は、モダリティにおいて医療データを選択し、その医療データにラベルを割り当てるための機構を提供する。医療データにラベルを割り当てることは、検索および取り出しを含むデータ処理をかなり改善してもよい。いくつかの実施形態では、この割り当てられたラベルが、医療データのどの部分が記憶され、保持され、および/またはアーカイブされるかを判定する。たとえば、実施形態では、ラベル付けされていないデータは、ある時間が経過した後に破棄される一方、ラベル付けされたデータは保持される。このことは、重要なデータが維持されることを可能にし、冗長データが記憶されることを回避する。他の実施形態では、ラベル付けされたデータは、さらなる分析のための他のデータ処理システムにアップロードされる。他の実施形態では、データ処理システムは、1つまたは複数の重要な用語がラベル付けされた医療データを要求する。取り出しをさらに容易にするように、いくつかの実施形態では、医療データの検索可能索引が、迅速かつ効果的な取り出しのために割り当てられたラベルから生成される。有効なラベルのリストを提供することにより、いくつかの実施形態は、標準化された用語の使用を促進する一方、特別な場合をカバーするようリストを外部の用語をオペレータが選択することを尚も可能にする。オペレータを圧倒することを回避するように、いくつかの実施形態は、以前の選択、手続き情報、患者情報、他の医療データおよび/または他の基準により、リストを精緻化する。このことは、オペレータが殆どの関連ラベルを見ることを可能にし、それにより、ラベル付け速度および精度を改善する。もちろん、上記の有利点は単に例示であり、特定の有利点が任意の特定の実施形態に対して必須でないことが理解される。
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム100内のラベル付け手続きに対する中断を処理する方法600のフロー図である。いくつかの実施形態では、ラベル付け手続きは、一時停止または中止などの割り込みコマンドを支援する。他のタスクが実行されていながら、ユーザはラベル付け手続きを一時停止してもよい。たとえば、基礎をなすウィンドウが視認されながら、表示ラベル・セットに使用されるウィンドウは最小化されてもよく、また隠されてもよい。他の実施例では、処理システム100に接続されたモダリティは、ラベル付けが一時停止されるようにするエラー手続きの一部としての割り込みを与える。システムまたはユーザが継続する準備ができているとき、ラベル付け手続きを以前の状態から再開してもよい。
ブロック602では、ラベル付けタスクを一時停止する要求が受信される。この要求は、ユーザにより、マルチモダリティ・システム100のコンポーネントにより、マルチモダリティ・システム100に結合したモダリティと、このシステム100にネットワークされた計算装置とを含む外部の装置もしくはシステムにより、または任意の他の適切なソースにより与えられてもよい。いくつかの実施形態では、要求のソースがラベル付けタスクを一時停止することを許可するかどうかが判定される。ブロック604では、ラベル付けタスクの現在の状態が保存される。ブロック606では、ラベル付けタスクが中止される。ブロック608では、再開コマンドが受信されたかどうかが判定される。再開コマンドが受信されていない場合、ラベル付けタスクは、ブロック606では中止されたままである。再開要求が受信されたとき、ラベル付けタスクがブロック610で再開される。ラベル付けタスクの安全な割り込みのための機構を備えることにより、本方法は、データ損失なしに、より優先度の高い事項に対してオペレータが関心をもつことを可能にする。
ここで図7を参照するに、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態による医療データのオンデマンド強調を実行するためのユーザ・インタフェース・コンポーネント700を含む、図1および2の医療システムの一部の機能ブロック図が示されている。強調の実施例は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度調整、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含む。さらなる強調は、複数のモダリティにより収集されたデータを組み合わせて、医療データに付与される処理パラメータを精緻化する。さらなる例示としての強調は3d再構成を実行する。強調はまた、図3乃至6を参照して説明されたラベル付けなどの、医療データの一部のラベル付け、ハイライト化または注釈付けを含んでもよい。他の強調が検討されて、提供される。そのようなマルチモダリティ強調は、大量のデータのナビゲートにおいて、および有意味なかつ正確な診断相間を導き出すことにおいて、オペレータを支援する。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント700は、受信した位置マーカに基づいて測定判定を実行する。インタフェース・コンポーネント700は、ハイライト、マークおよび/または測定する点をオペレータが特定することを可能にする。このことは、患者をデータに結び付ける、表示された画像およびデータについてのコンテキストをオペレータに与える。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント700は、コントローラ704またはオペレータ・インタフェースに結合した測定ズーム・モジュール702を含む。測定ズーム・モジュール702は、測定ズーム・エンジン706、トランザクション記録を記憶するためのメモリ装置708、モダリティ・フィードバック・インタフェース710および医療データ・インタフェース712のうちの1つまたは複数を含む。コントローラ704は、ユーザ入力装置714および1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置(第1のユーザ・ディスプレイ装置716および第2のユーザ・ディスプレイ装置718として図示されている)を含む。ユーザ入力装置714は、図3に関して説明されたユーザ入力装置314と実質的に同様であってもよい。その点で、適切なユーザ入力装置714の実施例は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、ジェスチャベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェース、および当業者が知っている他のユーザ入力装置が挙げられるが、それらに限定されない。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント700の一部は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして、および/または専用マイクロプロセッサ、FPGA、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニットおよびDSPなどのハードウェア・コンポーネントとして、全体的にまたは部分的に、実施されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント700の一部が、図1および2を参照して説明されたマルチモダリティ処理システム100のコンポーネントに組み込まれる。たとえば、いくつかのそのような実施形態では、コントローラ704は、図1を参照して説明されたベッドサイド・コントローラ118、メイン・コントローラ120、ブーム・ディスプレイ122および/またはネットワーク・コンソール130のコンポーネントである。さらなる実施例としては、いくつかのそのような実施形態では、測定ズーム・モジュール702は、図2を参照して説明された、メイン・コントローラ120のUIフレームワーク・サービス240、ベッドサイド・コントローラ118のUIフレームワーク・サービス242、および/またはIVUS UI拡張部246またはIVUS UI拡張部248などのUI拡張部に組み込まれる。他の実施形態では、測定ズーム・モジュール702は、マルチモダリティ処理システム100の別個のおよび個別のコンポーネントである。
いくつかの実施形態では、測定ズーム・モジュール702は、医療データのオンデマンド強調を実行する。適切な強調の実施例は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度調整、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含む。強調はまた、図3乃至6に関して説明されたラベル付けなどの、医療データの一部のラベル付けまたは注釈付けを含んでもよい。他の強調が検討されて、提供される。測定ズーム・モジュール702は、まず、医療データ・インタフェース712を介して医療データの参照セットを受信する。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子が、この医療データ自体に追加して、またはその医療データを受信するための代替として受信される。医療データの識別子は、医療データの一部または全部を含んでもよく、ならびに/もしくは、システムのどこかに位置するまたはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。参照データはまた、オペレータが視認するようにコントローラ704のディスプレイ装置(たとえば、第1のユーザ・ディスプレイ装置716)に表示されてもよい。表示およびデータ処理の制御は、測定ズーム・モジュール702により、および/または測定ズーム・モジュール702から離れたマルチモダリティ処理システム100の他のコンポーネントにより直接実行されてもよい。
参照データは、任意の適切な医療データであってもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、未処理の医療データを含み、モダリティ取得コンポーネント(たとえば、図2のIVUS取得コンポーネント220、前方視IVUS取得コンポーネント、FFR取得コンポーネント、CFR取得コンポーネント、OCT取得コンポーネントおよび/または経食道心エコー取得コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、処理された医療データを含み、ワークフロー・コンポーネント(たとえば、図2のIVUSワークフロー・コンポーネント222、前方視IVUSワークフロー・コンポーネント、FFRワークフロー・コンポーネント、CFRワークフロー・コンポーネント、OCTワークフロー・コンポーネントおよび/または経食道心エコー・ワークフロー・コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは、複数のモダリティから集められたデータを含み、マルチモダリティ・コンポーネントにより提供されてもよい。
測定ズーム・モジュール702は、強調するデータ・セットまたはデータ・セットの一部を決定するために適切な領域識別子を受信してもよい。種々の実施形態では、領域識別子は、境界座標、ラベル、測定値および/またはブックマークされた位置のセットの形態をとる。測定ズーム・モジュール702は、ユーザ入力装置714からのおよび/またはモダリティ・ワークフロー・コンポーネントなどの他のシステム・コンポーネントからの領域識別子を受信する。たとえば、例示としての実施形態では、測定ズーム・モジュール702は、モダリティ・フィードバック・インタフェース710を介してIVUSワークフロー・コンポーネント222から強調する領域の識別子を受信する。本実施形態では、領域識別子は、ワークフロー・コンポーネントにより検出された関心のある領域をハイライトし、表示し、またはその領域に注目するように構成される。たとえば、関心のある領域は、血管壁、ステント、ならびに/またはプラークもしくは病変などの特徴付けられた組織であってもよい。そのような自動的な強調は、システムのコンポーネントが他の点で気が付かない可能性がある潜在的に重要なデータをオペレータに警告することを可能にする。
いくつかの実施形態では、領域識別子は初期フォーマットから変換される。たとえば、領域識別子は、第1のディスプレイ装置716の画素に対応する直交座標のセットを含んでもよく、参照データは、異なるスケールの極座標で表されてもよい。したがって、種々の実施形態では、モジュール702の測定ズーム・エンジン706は、初期フォーマットから適切なデータ・フォーマットに領域識別子を変換する。このことは、スケール変換、座標変換、形状変換および当業者が知っている他の適切な変換のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
測定ズーム・モジュール702はまた、実行する1つまたは複数の強調機能を特定する強調選択を受信してもよい。強調選択は、ユーザ入力装置714、および/またはモダリティ・フィードバック・インタフェース710を介してシステムの他のコンポーネントから受信されてもよい。
強調選択、領域識別子および参照データのうちの1つまたは複数に基づいて、測定ズーム・エンジン706は、強調のための目標データ・セットを決定する。目標データ・セットは、いくつかの実施例では、領域を特定するように用いられる参照データの一部を含む。目標データ・セットはまた、参照データ・セットに追加してまたは参照データ・セットに代えて、代替のデータ・セットを含んでもよい。そのような実施形態では、目標セットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作条件の他の組み合わせに対応してもよい。いくつかの強調の実行において、測定ズーム・エンジン706は、参照データ・セットを構成するようデータ・セットを直接的にまたは間接的に組み合わせてもよい。したがって、一実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、2つまたは3つ以上のモダリティにより収集されたデータ・セットの少なくとも一部を組み合わせるようMMCMコンポーネントに命令するモダリティ・フィードバック・インタフェース710でのコマンドを提供する。関連する実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、2つまたは3つ以上のモダリティにより収集されたデータ・セットを受信し、エンジン706内での組み合わせを実行する。同様に、いくつかの強調の実行では、測定ズーム・エンジン706は、応答性を改善するようデータ・セットを選択して、記憶装置、ネットワーキングおよび/または処理リソースの負荷を軽減してもよい。そのような一実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、領域識別子以外のデータを選択する。
いくつかの実施形態では、特定の強調はデータの収集を含む。測定ズーム・エンジンは、目標データ・セットに追加する追加データ・セットを直接的にまたは間接的に収集してもよい。たとえば、測定ズーム・エンジン706は、取り付けられた機器からデータを収集し、後続のデータ・セットを捕捉するようマルチモダリティ処理システムに命令するモダリティ・フィードバック・インタフェース710を介してコマンドを発行してもよい。後続のデータ・セットは、参照データ・セットと同じモダリティに対応してもよく、1つまたは複数の異なるモダリティに対応してもよく、および/または、参照データ・セットのモダリティを含むモダリティの組み合わせに対応してもよい。このように、測定ズーム・エンジン706は、既存のデータを強調することおよび後続のデータの収集を案内することができる。
目標データ・セットが特定される場合、測定ズーム・エンジン706は、目標データの強調を実行してもよい。強調のいくつかの実施例は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度増減、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含む。いくつかの実施形態におけるさらなる実施例として、測定ズーム・エンジン706は、目標データに付与される1つまたは複数の処理パラメータを変更する。いくつかの実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、変更されたパラメータをデータに直接付与する。いくつかの実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、適切なシステム・コンポーネントが用いるモダリティ・フィードバック・インタフェース710で変更をフィードバックすることにより変更されたパラメータをデータに間接的に付与する。いくつかの実施形態では、エンジン706は、変更されたパラメータを直接的にまたは間接的に適用する。例示としての一実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、フォーカスされたIVUSデータを生成するようIVUSワークフロー・コンポーネント(たとえば、図2のIVUSワークフロー・コンポーネント222)により用いられる焦点距離パラメータを間接的に変更する。そうすることにおいて、測定ズーム・エンジン706は、領域識別子に対応する領域内のデータ粒度および解像度を増加させるように焦点距離パラメータを変更するようワークフロー・コンポーネントに命令するモダリティ・フィードバック・インタフェース710でのコマンドを提供する。さらなる例示としての実施形態では、測定ズーム・エンジン706は、動作モードを変更し、領域識別子に対応する領域内でパワー・フロー分析(たとえば、Chromaflo(登録商標)撮像(Volcano Corporationの登録商標))を実行するようIVUSワークフロー・コンポーネントに命令するモダリティ・フィードバック・インタフェース710でのコマンドを提供する。
いくつかの実施形態では、参照データおよび強調された目標データは異なるユーザ・ディスプレイ装置(たとえば、第1のユーザ・ディスプレイ装置716および第2のユーザ・ディスプレイ装置718のそれぞれ)に表示される。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、異なる時点で単一の物理的ディスプレイ装置に対応する。したがって、参照データ・セットは、第1の時点でモニタに表示されてもよく、強調されたデータは、後の時間にモニタに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて、単一のモニタまたはディスプレイに示される単一の表示環境の一部に対応する。いくつかの実施形態では、第1および第2のディスプレイ装置は、第1および第2の別個の物理的ディスプレイ(たとえば、第1および第2のモニタのそれぞれ)に対応する。異なるユーザ・ディスプレイ装置に参照データおよび強調された目標データを表示することは、タッチスクリーン用途などの、ユーザ入力がディスプレイの一部を目立たなくしてもよい用途において特に有用であってもよい。
測定ズーム・モジュール702はまた、トランザクション記録を記憶するためのインタフェースを提供してもよい。トランザクション記録は、領域識別子、強調選択、データ・セット識別子、参照データ・セットの一部、強調された目標データ・セットの一部、変更された処理パラメータ、および/またはトランザクションの他の適切な要素を含んでもよい。トランザクション記録は、図2に関連して説明されたデータベース管理コンポーネント216などのシステムのコンポーネントによる送信および/または記憶のために、トランザクション記録データベース708内に記憶され、または医療データ・インタフェース712に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、トランザクション記録は、データ・セット、領域、強調および/または他のパラメータの記述を含む強調動作の態様を記録するブックマークを含む。このブックマークは、取り出されて、以前の状態を回復させ、以前のデータ・セット、領域選択、強調および/またはパラメータを後続のデータ・セットに適用するように用いられ得る。このブックマークは、図3乃至6に関連して上述されているように、索引付けのためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
測定ズーム・モジュール702はまた、追加の詳細を提供して、それにより診療分析を容易にするように設計されたオンデマンド測定を実行してもよい。たとえば、オペレータは、ピンポイント測定と称される、特定の点での詳細な測定を要求し得る。そのような実施例では、測定ズーム・モジュール702は、この点を指定する位置マーカを受信し、要求された測定を決定するように利用可能な医療データの分析を実行する。この分析は、データ補間、予測分析、モダリティにおける医療データ・セットの相互参照、および/またはデータ分析の他の形態を含んでもよい。他の実施例では、オペレータは、2つまたは3つ以上の参照点間の測定を要求し得る。そのような実施例では、測定ズーム・モジュール702は、参照点を受信し、距離測定、体積測定、面積測定、時間測定、変化率測定、および/または参照点に関連する他の適切な測定などの測定を実行する。これらの測定は、単に例示であり、他の種類の測定が検討または提供される。
上述のように、参照データ・セットは、ユーザ・ディスプレイ装置(たとえば、第1のユーザ・ディスプレイ装置716)に表示されてもよい。測定ズーム・モジュール702は、参照データに基づいて1つまたは複数の位置マーカを受信する。種々の実施形態では、位置マーカが、ユーザ入力装置(たとえば、図7のユーザ入力装置714)および/またはマルチモダリティ処理システムのコンポーネントから受信される。たとえば、マルチモダリティ・システム100のワークフロー・コンポーネントは、オペレータに血管壁、ステント、プラーク、病変、他の特徴付けられた組織、および/または他の対象の構造などの対象の診断特徴または領域を気付かせる位置マーカを指定してもよい。いくつかの実施形態では、位置マーカは、ユーザ入力およびシステム・コンポーネント・フィードバックの組み合わせにより決定される。たとえば、ユーザは、マルチモダリティ処理システムのコンポーネントまたはモジュールにより特定された対象の近傍点に対して調整またはスナップ(snap)された第1の位置を特定してもよい。
測定ズーム・モジュール702はまた、ユーザ入力装置および/またはマルチモダリティ処理システムのコンポーネントからの測定選択を受信してもよい。測定選択は、距離測定、面積測定、体積測定、時間測定、変化率測定、および/または参照点に関連する他の適切な測定などの1つまたは複数の測定機能に対応してもよい。
1つまたは複数の位置マーカ、測定選択ならびに/または参照データ・セットに基づいて、測定ズーム・エンジン706は、測定する目標データ・セットを特定する。いくつかの実施形態では、目標データ・セットは参照データ・セットの一部を含む。目標データ・セットはまた、参照データ・セットに追加してまたは参照データ・セットに代えて、他のデータ・セットを含んでもよい。そのような実施形態では、目標セットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作状態の他の組み合わせに対応してもよい。
目標データが特定された場合、測定ズーム・エンジン706は、測定選択に対応する1つまたは複数の測定を実行する。例示としての実施形態では、測定選択は距離測定を指定する。本実施例では、エンジン706は、位置マーカ間の画素距離を決定し、この画素距離を対応する点間の物理的距離に変換するが、距離測定を決定する他の方法が検討され、提供される。そのようにすることにおいて、測定ズーム・エンジン706は、ユーザ・ディスプレイ装置に関連する第1のフォーマット(たとえば、画素ベースのインクリメント)から物理的距離に関連する第2のフォーマット(たとえば、ミリメートルベースのインクリメント)への変換を実行してもよく、第1の座標系(たとえば、極座標)から第2の座標系(たとえば、直交座標)への変換を実行してもよい。したがって、測定ズーム・エンジン706は、関連モダリティの動作パラメータに基づいて、モダリティ・フィードバック・インタフェース710を介して変換係数を受信してもよい。例示としての本実施形態を継続して、測定ズーム・エンジン706は、ミリメートル毎のサンプルの変換係数を受信し、画素毎のサンプルの変換係数を受信する。このことから、測定ズーム・エンジン706は、ミリメートル毎の画素の数を決定する。
上述のように、いくつかの実施形態では、このシステムは複数のディスプレイを含む。したがって、参照データ、目標データ、位置マーカおよび測定値が、それらのディスプレイ装置のうちの任意の1つまたは複数に表示されてもよい。そのような一実施形態では、参照データは、第1のユーザ・ディスプレイ装置716に表示される。オペレータは、第1のユーザ・ディスプレイ装置716を重畳して、タッチ・センサ(一種のユーザ入力装置714)により位置マーカを入力する。測定ズーム・エンジン706は、位置マーカおよび測定値を示すアイコンにより第1のユーザ・ディスプレイ装置716を更新し、位置マーカおよび測定値を示すアイコンにより第2のユーザ・ディスプレイ装置718も更新する。複数のユーザ・ディスプレイ装置に位置マーカおよび測定値を表示することは、ユーザ入力がディスプレイの一部を目立たなくしてもよい、たとえばタッチスクリーン・アプリケーションのような、アプリケーションにおいて特に有用である。
いくつかの実施形態では、測定ズーム・モジュール702は、位置マーカおよび測定値などの測定動作の要素を記憶するインタフェースを備える。たとえば、測定ズーム・エンジン706は、位置マーカ、測定選択、測定値、参照データ・セットの一部、目標データ・セットの一部、および/またはトランザクションの他の適切な要素に関する情報を含んでもよいトランザクション記録を記憶、または記憶することを提供してもよい。トランザクション記録は、トランザクション記録データベース708内に記憶され、または図2に関連して説明したデータベース管理コンポーネント216などのシステムのコンポーネントによる送信および/または記憶のための医療データ・インタフェース712に備えられてもよい。いくつかの実施形態では、トランザクション記録は、データ・セット、位置マーカ、測定種類、測定値または他のパラメータの記述を含む測定動作の態様を記録するブックマークを含む。このブックマークは、取り出されて、以前の状態を回復させ、後続のデータ・セットに以前のデータ・セット、位置マーカ、測定種類および/または他のパラメータを付与するように用いられ得る。このブックマークは、図3乃至6に関連して上述されたように、索引付けするためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
図8は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるオン・デマンド・データ強調のための例示としてのユーザ・インタフェース800の図である。ユーザ・インタフェース800は、図7を参照して説明された第1および第2のユーザ・ディスプレイ716および718などの単一のユーザ・ディスプレイまたは複数のディスプレイに提示されてもよい。ユーザ・インタフェース800は、マルチモダリティ処理システム、具体的には、システムの測定ズーム・モジュール702により提示された情報を表示する1つの有効な配置を示す。当業者は、代替の配置が検討され、提供されることを認識するであろう。
インタフェース800は、異なるディスプレイ装置、異なる時点での単一の物理的ディスプレイ装置、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の異なる部分(“ディスプレイ”デスクトップの“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)、ならびに/または異なる物理的ディスプレイ(すなわち、異なるモニタ)に対応してもよい第1のデータ表示ウィンドウ802および第2のデータ表示ウィンドウ804を含む。図示された実施形態では、第1のデータ表示ウィンドウ802は、デスクトップの第1のウィンドウに参照データ・セットを提示し、第2のデータ表示ウィンドウ804はデスクトップの第2のウィンドウに強調された目標データ・セットを提示する。
インタフェース800はまた、オペレータが領域またはデータ部分を指定することが可能である領域選択ツール806を含んでもよい。種々の非限定的実施例では、オペレータは、タイプされた座標を用いて、マウス入力、タッチベース入力もしくはデジタル・ペン入力により指定された参照点を用いて、マウス入力、タッチベース入力もしくはデジタル・ペン入力により指定された幾何学形状、および/またはデータ・エントリの他の方法を用いて、領域を指定し得る。その点で、領域選択ツール806は、オペレータが提供されたユーザ入力を解析することにより、領域またはデータ部分を選択することを可能にする。
このインタフェースはまた、ツールバー808を含んでもよい。種々の実施形態では、ツールバー808は、マルチモダリティ処理システムのためのコマンドを選択するように用いられる。例示としてのコマンドは、強調する領域の選択、実行する強調の選択、ならびにデータ記憶およびロード・コマンドを含む。このインタフェースはまた、マルチモダリティ処理システムに送信するコマンドを迅速に選択するための複数のコマンド要素810を含んでもよい。ツールバーから選択してもよい任意のコマンドは、コマンド要素810を用いる選択のために適切である。その点で、例示としての実施形態では、インタフェース800は、実行する強調を選択するように構成されたコマンド要素810を含む。
図9は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるデータ測定のための例示としてのユーザ・インタフェース900の図である。ユーザ・インタフェース900は、図7を参照して説明された第1および第2のユーザ・ディスプレイ716および718などの、単一のユーザ・ディスプレイまたは複数のディスプレイに提示されてよい。ユーザ・インタフェース900は、マルチモダリティ処理システムによって提示される情報を表示するための1つの可能な配置を、より具体的には、システムの測定ズーム・モジュール702を提示する。当業者は、代替の配置が企図され提供されることを理解されよう。
多くの点で、ユーザ・インタフェース900は、図8のユーザ・インタフェース800と実質的に同様である。その点で、ユーザ・インタフェース900は、異なるディスプレイ装置、異なる時点での単一の物理的ディスプレイ装置、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の異なる部分(ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)、ならびに/または異なる物理的ディスプレイ(すなわち、異なるモニタ)に対応する第1のデータ表示ウィンドウ802および第2のデータ表示ウィンドウ804を含んでもよい。ユーザ・インタフェース900はまた、ツールバー808およびコマンド要素810を含んでもよい。ユーザ・インタフェース900はまた、マーカ902、すなわち、データ測定で用いるシステムに提供される位置マーカに対応するアイコンを含んでもよい。位置マーカは、ユーザ入力装置1212を介してオペレータにより提供されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、タイプされた座標を用いて、マウス入力を用いて、タッチベース入力を用いて、および/またはデジタル・ペン入力を用いて、位置マーカを指定および提供する。位置マーカはまた、オペレータにより提供された位置マーカに追加してまたはそれに代えて、モジュール・インタフェース1208を介してシステム100の他のコンポーネントにより提供されてもよい。2つの位置マーカが示されているが、他の実施形態では、任意の数の位置マーカが提供されてもよい。図示されている実施形態では、マーカ902は、第1のデータ表示ウィンドウ802および第2のデータ表示ウィンドウ804に表示されているが、さらなる実施形態では、第1のデータ表示ウィンドウ802または第2のデータ表示ウィンドウ804にこのマーカを表示する。ユーザ・インタフェースはまた、位置マーカに基づいて決定された測定値を表示する測定出力領域904を含んでもよい。いくつかの実施形態では、測定値が、測定出力領域904に追加してまたはそれに代えて、第1のデータ表示ウィンドウ802および第2のデータ表示ウィンドウ804のうちの1つまたは複数において表示される。図示された測定出力領域904は距離を表示する一方、他の実施形態では、測定出力領域904は、面積測定、体積測定、時間測定、変化率測定、および/または参照点に関連する他の適切な測定などを含む、システムが用いる任意の種類の測定を表示し得る。
図10は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム100内でのオン・デマンド・データ強調方法1000のフロー図である。方法1000のステップの前、中および後に追加のステップが提供され得、示されているステップのいくつかは、この方法の他の実施形態では置き換えられ得るまたは取り除かれ得ることが理解される。
ブロック1002では、医療データの参照セットがマルチモダリティ処理システム100により受信される。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子は、この医療データ自体を受信することに追加してまたはそれの代替として受信される。医療データの識別子は、医療データの一部もしくは全部を含んでもよく、ならびに/または、システムのどこかに位置するまたはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。医療データの参照セットは任意の適切な医療データであってもよい。たとえば、医療データは、モダリティ取得コンポーネントにより提供された未処理の医療データ、ワークフロー・コンポーネントにより提供された処理済みの医療データ、および/または複数のモダリティに対応しかつマルチモダリティ・コンポーネントにより提供された集合データを含んでもよい。ブロック1004では、医療データの参照セットは、第1のディスプレイ装置に表示されてもよい。
ブロック1006では、領域識別子が受信される。領域識別子は、医療データの参照セットのサブセットに対応している。種々の実施形態では、領域識別子は、境界座標、格子索引などの領域識別子、ジェスチャ、コマンド、ラベル、測定値、ブックマーク位置および/または適切なフォーマットのセットの形態をとる。いくつかの実施形態では、領域識別子は、図7を参照して説明されたユーザ入力装置714などのユーザ入力装置から受信される。適切なユーザ入力装置の実施例としては、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、ジェスチャベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェース、光ベースのセンシング機構(たとえば、赤外線センシング)および当業者が知っている他のユーザ入力装置が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、領域識別子は、モダリティ・ワークフロー・コンポーネントなどの他のシステム・コンポーネントから受信される。そのような一実施形態では、領域識別子は、対象の構造をハイライトし、表示し、またはその構造に注目するように構成される。そのような自動的な強調は、システムのコンポーネントが他の点では気付かない可能性がある潜在的に重要なデータをオペレータに警告することを可能にする。
いくつかの実施形態では、領域識別子は初期フォーマットから変換される。たとえば、領域識別子は、ディスプレイ装置の画素に対応する直交座標のセットを含んでもよく、参照データは、異なるスケールの極座標で表されてもよい。したがって、種々の実施形態では、領域識別子は、初期フォーマットから適切なデータ・フォーマットに変換される。このことは、スケール変換、座標変換、形状翻訳および当業者が知っている他の適切な変換のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
ブロック1008では、強調選択が受信される。この選択は、実行する1つまたは複数の動作を特定し、ユーザ入力装置および/またはシステムのコンポーネントから受信される。
ブロック1010では、目標データ・セットが、強調選択、領域識別子および参照データのうちの1つまたは複数に基づいて特定される。いくつかの実施形態では、目標データ・セットは参照データ・セットの一部を含む。目標データ・セットはまた、参照データ・セットに追加してまたは参照データ・セットに代えて、代替のデータ・セットを含んでもよい。そのような実施形態では、目標セットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作状態の他の組み合わせに対応してもよい。いくつかの実施形態では、この方法は、目標データ・セットを構成するようにデータ・セットを直接的にまたは間接的に組み合わせることを含む。同様に、いくつかの実施形態では、この方法は、目標データ・セットの一部を選択することを含む。そのような一実施形態では、この方法は、領域識別子に対応する領域以外のデータを選択することを含む。
ブロック1012では、システム100により目標データ・セットにおいて強調が実行される。種々の実施形態では、この強調は、強調選択、領域識別子および/または目標データ・セットにより決定される。強調の実施例は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度増減、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含む。さらなる強調は、複数のモダリティにより収集されたデータを組み合わせて、医療データに付与される処理パラメータを精緻化する。たとえば、そのような一実施形態では、マルチモダリティ処理システム100は、領域識別子により指定された領域内で高い解像度を提供するように、システム100のIVUSワークフロー・コンポーネントにより付与された焦点範囲パラメータを変更する。他のそのような実施形態では、マルチモダリティ処理システムは、システム100のワークフロー・コンポーネントの動作モードを変更する。
強調はまた、図3乃至6に関して説明されたラベル付けなどの、医療データの一部のラベル付けまたは注釈付けを含んでもよい。他の強調が検討され、提供される。
ブロック1014では、強調された目標データ・セットが第2のユーザ・ディスプレイに表示される。第1および第2のユーザ・ディスプレイは、異なるユーザ・ディスプレイ装置(たとえば、図7の第1のユーザ・ディスプレイ装置716および第2のユーザ・ディスプレイ装置718)に対応してもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、異なる時点で単一の物理的ディスプレイ装置に対応する。したがって、参照データ・セットは、第1の時点でモニタに表示されてもよく、強調されたデータ・セットは、後にこのモニタに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、異なるユーザ・ディスプレイ装置、第2のユーザ・ディスプレイは、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の一部に対応する(ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)。いくつかの実施形態では、異なるディスプレイ装置は、第1および第2の物理的ディスプレイ(たとえば、第1および第2のモニタのそれぞれ)に対応する。
ブロック1016では、強調のトランザクション記録が記憶される。種々の実施形態では、この記録は、領域識別子、強調選択、データ・セット識別子、参照データ・セットの一部、強調された目標データ・セットの一部、変更された処理パラメータ、および/またはトランザクションの他の適切な要素を含む。いくつかの実施形態では、記憶することは、遠隔の記憶装置のためのシステム・インタフェースでトランザクション記録を提供することを含む。トランザクション記録は、データ・セット、領域、強調または他のパラメータの記述を含む強調動作の態様を記録するブックマークを含んでもよい。このブックマークは、取り出されて、以前の状態を回復させて、以前のデータ・セット、領域選択、強調および/またはパラメータを後続のデータ・セットに適用するように用いられ得る。このブックマークは、図3乃至6に関連して上述されたように、索引付けのためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
図11は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム100内のデータ測定方法1100のフロー図である。方法1100のステップの前、中および後に追加のステップが提供され得、示されているステップのいくつかは、この方法の他の実施形態では置き換えられ得るまたは取り除かれ得ることが理解される。
ブロック1102では、医療データの参照セットがマルチモダリティ処理システム100により受信される。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子は、この医療データ自体を受信することに追加してまたはそれの代替として受信される。医療データの識別子は、医療データの一部もしくは全部を含んでもよく、ならびに/または、システムのどこかに位置するもしくはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。医療データの参照セットは任意の適切な医療データであってもよい。ブロック1104では、医療データの参照セットは、第1のディスプレイ装置に表示されてもよい。ブロック1106では、位置マーカが受信される。位置マーカは、図7のユーザ入力装置714などのユーザ・インタフェースのコンポーネントから、またはワークフロー・コンポーネントなどのマルチモダリティ・システム100のコンポーネントから受信されてもよい。後者の実施例としては、実施形態において、マルチモダリティ・システム100のワークフロー・コンポーネントは、血管壁、ステント、プラーク、病変、他の特徴付けられた組織、および/または他の対象の構造などの関連する診断特徴をオペレータに警告する位置マーカを指定する。いくつかの実施形態では、位置マーカは、ユーザ入力およびシステム・コンポーネント・フィードバックの組み合わせにより決定される。たとえば、ユーザは、マルチモダリティ処理システムのコンポーネントまたはモジュールにより特定された対象の近傍点に対して調整またはスナップ(snap)された第1の位置を特定してもよい。
ブロック1108では、測定選択が受信される。この選択は、実行する1つまたは複数の測定を特定する。たとえば、この選択は、距離測定、面積測定、体積測定、変化率測定、ピンポイント測定および/または他の適切な測定を指定してもよい。
ブロック1110では、目標データ・セットが特定される。目標データ・セットは、1つまたは複数の位置マーカ、測定選択および/または参照データ・セットに依存してもよい。いくつかの実施形態では、目標データ・セットは参照データ・セットの一部を含む。目標データ・セットはまた、参照データ・セットに追加してまたはそれの代替として、他のデータ・セットを含んでもよい。そのような実施形態では、目標セットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作条件の他の組み合わせに対応してもよい。
ブロック1112では、測定が、目標データ・セットに関してシステム100により実行される。種々の実施形態では、実行された特定の測定が、測定選択、1つもしくは複数の位置マーカ、ならびに/または目標データ・セットにより決定される。例示としての実施形態では、この測定は距離測定であり、ユーザ・ディスプレイ装置を表す第1の座標系(たとえば、画素ベースの座標)から物理的距離を表す第2の座標系(たとえば、ミリメートルベースの座標)に変換することを含む。特定の実施形態では、ミリメートル毎のサンプルの変換係数および画素毎のサンプルの変換係数が受信される。このことから、ミリメートル毎の画素の数が決定される。続いて、位置マーカ間の画素距離に基づいて、物理的距離が、対応する点間で決定され得る。さらなる例示としての実施形態では、選択された測定動作は、ピンポイント測定、すなわち、特定の点における詳細測定である。分析は、データ補間、予測分析、モダリティにおける医療データ・セットの相互参照、および/またはデータ分析の他の形態を含んでもよい。ピンポイント・データ値を決定する測定処理は、データ補間、予測分析、モダリティにおける医療データ・セットの相互参照、および/またはデータ分析の他の形態を含んでもよい。ブロック1112の測定を参照するに、面積測定、体積測定、変化率測定、モダリティ間測定、および当業者が知っている他の測定を含む他の測定動作が検討され、提供される。
ブロック1114では、測定動作により決定された値が表示される。上述のように、いくつかの実施形態では、システムは複数のディスプレイを含む。したがって、参照データ、目標データ、位置マーカおよび測定値が、任意の1つまたは複数のディスプレイ装置に表示されてもよい。ブロック1116では、トランザクション記録が生成されて、記憶される。トランザクション記録は、位置マーカ、測定選択、測定値、参照データ・セットの一部、目標データ・セットの一部、および/またはトランザクションの他の適切な要素に関する情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、記憶することは、遠隔の記憶装置のためのシステム・インタフェースでトランザクション記録を提供することを含む。トランザクション記録は、データ・セット、位置マーカ、測定種類、特定値または他のパラメータの記述を含む測定動作の特徴を記録するブックマークを含んでもよい。ブックマークは、取り出され得、以前の状態に回復されて、以前のデータ・セット、位置マーカ、測定種類および/または他のパラメータを後続のデータ・セットに付与するように用いられ得る。ブックマークは、図3乃至6に関連して上記で説明された索引付けするためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
ここで、図12を参照するに、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるユーザ入力を区別するためのユーザ・インタフェース・コンポーネント1200を含む、図1および2の医療システムの一部の機能ブロック図が示されている。ユーザ・インタフェース・コンポーネント1200は、ジェスチャの形態でのオペレータ入力を医療システムのためのコマンドに変換する。ジェスチャは、データ取得、操作および視認を制御する直観的機構を提供する。いくつかの実施形態では、ジェスチャ認識は、入力装置の変更なしに、アクティブ・ウィンドウを切り替えることなしに、および/または複雑なメニュー構造をナビゲートすることなしに、オペレータがコマンドを選択することを可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、ジェスチャ認識は、不必要なステップを除去し、GUIクラッタを低減する。良好な患者の結果および低減されたコストをもたらす、効率化されたGUIは、手続き時間を短縮する。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント1200は、さらに、医療システムの他のコンポーネントと通信するための、ジェスチャ認識エンジン1204、ジェスチャ・データベース1206およびモジュール・インタフェース1208のうちの1つまたは複数を含んでもよいジェスチャ認識モジュール1202を含む。ユーザ・インタフェース・コンポーネント1200は、コントローラ1210またはオペレータ・インタフェースも含む。コントローラ1210は、ユーザ入力装置1212および1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置1214を含む。ユーザ入力装置1212は、図3に関して説明されたユーザ入力装置314と実質的に同様であってもよい。その点で、適切なユーザ入力装置1212の実施例としては、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、ジェスチャベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェースおよび当業者が知っている他のユーザ入力装置が挙げられるが、それらに決して限定されない。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント1200の一部は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして、および/または専用マイクロプロセッサ、FPGA、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニットおよびDSPなどのハードウェア・コンポーネントとして、全部または一部が、実施されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1200の一部は、図1および2を参照して説明されたマルチモダリティ処理システム100のコンポーネントに組み込まれる。たとえば、そのようないくつかの実施形態では、コントローラ1210は、図1を参照して説明されたベッドサイド・コントローラ118、メイン・コントローラ120、ブーム・ディスプレイ122および/またはネットワーク・コンソール130のコンポーネントである。さらなる実施例としては、いくつかのそのような実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、図2を参照して説明されたメイン・コントローラ120のUIフレームワーク・サービス240、ベッドサイド・コントローラ118のUIフレームワーク・サービス242、および/またはIVUS UI拡張部246またはIVUS UI拡張部248などのUI拡張部に組み込まれる。他の実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、マルチモダリティ処理システム100の別個のおよび異なるコンポーネントである。
ジェスチャ認識モジュール1202は、ジェスチャ・データベース1206から取り出されたルールに基づきユーザ入力を解釈して、ユーザ入力をコマンドに翻訳する。このように、モジュール1202は、コマンドを発行するようにオペレータがジェスチャベースの入力を用いることを可能にする。有効なジェスチャは、身体のジェスチャおよび口頭のコマンドを含む。身体のジェスチャは、入力装置を移動させることまたはキー押下を実行することなどの入力装置を操作することを含んでもよく、または含まなくてもよい。ジェスチャはまた、当業者が知っている他のインタフェース方法を含んでもよい。参考のために、ジェスチャは、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェースおよび当業者が知っている他のユーザ入力装置を含む任意の適切なユーザ入力装置により捕捉されてもよい。
ジェスチャ認識モジュール1202は、1つまたは複数のユーザ入力装置1212からユーザ入力シーケンスを受信する。ユーザ入力シーケンスは、ボタン押下、キー押下、動き、キャプチャされた音声、キャプチャされた映像および当業者が知っている他の入力データなどの、入力装置1212により収集されたデータを表す離散要素に分割されてもよい。ユーザ入力シーケンスは、デバイス識別子、デバイス状態、デバイスポーリングおよびデリミタを含むデータをフォーマットすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ入力シーケンスは、複数の入力装置から収集された複数の種類のデータを組み合わせる。そのような実施形態では、シーケンスは、キーボードおよびマウスからのデータを含む。他のそのような実施形態では、シーケンスは、ペンベースの入力および仮想キーパッドからのデータを含む。例示としてのシーケンスは、マウス・ボタン上げイベントが後続する、位置データが後続するマウス・ボタン下げイベントを含む。さらなる例示としての入力シーケンスは、タッチ開始イベント、タッチ移動イベントおよびタッチ終了イベントを含む。
モジュール1202のジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力シーケンスと比較するように、アクティブ・コマンドのリストを構築する。いくつかの実施形態では、モジュール1202は、マルチモダリティ処理システムの動作の状態またはモードに対応するシステム状態指示子を受信する。この状態指示子はモダリティを示してもよい。その点で、例示としてのシステム状態指示子は、現在のデータが、IVUS、FL−IVUS、FFR特定法、冠血流予備量能(CFR)特定法、光干渉断層法(OCT)、経食道心エコー検査、圧力、流れおよび/または他の適切なモダリティのうち1つまたは複数に対応することを示す。状態指示子はまた、医療データが収集またはレビューされているかどうかのハードウェア・コンポーネントの状態、ソフトウェア・コンポーネントを実行するリスト、ソフトウェア・コンポーネントの状態、ソフトウェア・コンポーネントのモードおよび/またはシステムの任意の他の適切な特性を示してもよい。
状態指示子に基づいて、ジェスチャ認識エンジン1204はアクティブ・コマンドを決定し、このコマンドはシステムの現在の状態でサポートされている。アクティブ・コマンドのリストの構築において、エンジン1204は、システム状態指示子に基づいて、ジェスチャ・データベース1206に問い合わせてもよい。ジェスチャ・データベース1206の記録は、コマンド名、コマンド・フォーマット、相間システム状態、コマンドを受信するコンポーネント、関連ジェスチャの特徴の特定、および他の適切な情報のうちの1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクティブ・コマンドのリストは、現在の医療データのセットに対応する1つまたは複数のモダリティに依存する。たとえば、特定のコマンドは、前方視IVUS画像(FL−IVUS)のためのデータの収集および/またはレビューの間、アクティブであってもよい一方、他のコマンドは、OCTデータの収集および/またはレビューの間、アクティブであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、アクティブ・コマンドのサブセットは、複数のモビリティに共通である。たとえば、画像を操作することに関連するいくつかのコマンドは、異なる撮像モダリティにわたって統一的であってもよい。複数のモダリティにわたって統一性を有することは、インタフェースの簡略化の助けとなり、また、学習曲線およびオペレータの負担を低減する。
このリストが構築されるとき、ジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力シーケンスの1つまたは複数の要素をアクティブ・コマンドのリストに適合させる。要素は、アクティブ・コマンドの特徴の特定に基づいて適合されてもよい。適合が認められる場合、そのシーケンスは、対応するコマンドまたは一連のコマンドに翻訳され、適切なコンポーネントにより用いられるモジュール・インタフェース1208で表示される。関連コマンドの特定に追加して、その翻訳は、ユーザ入力シーケンスの1つまたは複数の要素をコマンドのパラメータに変換することを含んでもよい。たとえば、ユーザ入力シーケンスから得られた座標のセットは、コマンドのパラメータとして渡されてもよい。これらの座標は、続いて、図7に関して説明された測定ズーム・モジュール702、UIフレームワーク・サービス240、システムUI拡張部244、IVUS UI拡張部246およびモダリティUI拡張部250を含むモダリティ拡張、ならびに/またははシステム100の他の適切なコンポーネントなどのシステムのコンポーネントにより用いられてもよい。
非限定的な実施例として、1つのジェスチャベースのコマンド、すなわち、ポーク(poke)・コマンドが単一の点を選択するように意図され、無意識の動作のための閾値未満の移動距離が後続する選択イベントにより特徴付けられる。例示としてのポーク・コマンドは、パラメータとしてのジェスチャ入力シーケンスから導き出された座標のセットを渡す。他の例示としてのコマンド、すなわち、直径測定コマンドが、意図的でない動作のための閾値より大きい移動距離が後続する選択イベントにより特徴付けられ、ここで、その移動は、直線的経路の閾値の許容範囲内にある。例示としての直径測定コマンドは、パラメータとしてのジェスチャ入力シーケンスから導き出された開始座標および終了座標を渡す。他の例示としてのコマンド、すなわち、面積測定コマンドは、無意識の動作のための閾値より大きい移動距離が後続する選択イベントにより特徴付けられ、ここで、その移動は直線的経路の閾値の許容範囲を超える。例示としての面積測定コマンドは、パラメータとしてのジェスチャ入力シーケンスにより追従された経路を近似する幾何学的形状を渡す。
翻訳が終了したとき、ジェスチャ認識エンジン1204は、適切なコンポーネントにより用いられるモジュール・インタフェース1208で翻訳コマンドを提示する。いくつかの実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、モジュール・インタフェース1208でコマンドを提示する前の確認のためのコントローラ1210を介して、オペレータに翻訳されたコマンドを表示する。オペレータがそのコマンドを確認した場合、コマンドは、システム100で用いるために、モジュール・インタフェース1208で表示されてもよい。オペレータが翻訳されたコマンドに満足しない場合、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータの要求でコマンドをキャンセルおよび/または変更してよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、さらなるジェスチャおよび入力によりコマンドの要素を変更し得る。そのようないくつかの実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、位置または経路を調節するようオペレータがドラッグまたは操作し得る参照点をオペレータに提示する。他のそのような実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、現在のコマンドに対して示唆される変更点をオペレータに提示する。その示唆は、システムデフォルト、ユーザ嗜好および/または他の基準に基づいてもよい。他のそのような実施形態では、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータが選択する代替のコマンドのリストをオペレータに提示する。「MEDICAL SENSING CONTROL SYSTEM AND METHOD」という名称の米国特許仮出願番号第61/560,677号明細書はまた、ジェスチャおよびジェスチャ翻訳について開示していて、全体として参照することにより本明細書に援用する。
例示としての実施形態が、図13乃至17を参照して記載されている。図13は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるジェスチャベースのユーザ入力シーケンスを表示する、例示としてのユーザ・インタフェース1300の図である。図14は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるジェスチャベースのユーザ入力シーケンスを表示する、例示としてのユーザ・インタフェース1400の図である。図15は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態による翻訳された命令を表示する、例示としてのユーザ・インタフェース1500の図である。図16は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるジェスチャベースのユーザ入力シーケンスを表示する、例示としてのユーザ・インタフェース1600の図である。図17は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態による翻訳された命令を表示する、例示としてのユーザ・インタフェース1700の図である。
図13をより詳細に参照するに、図示されている実施形態では、医療データのセットが、第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304に表示される。ジェスチャ認識モジュール1202は、医療データのセットおよび操作モードに対応するモダリティを特定する状態指示子を受信する。モジュール1202のジェスチャ認識エンジン1204は、続いて、状態指示子に基づいてジェスチャ・データベース1206に問い合わせて、アクティブ・コマンドを受信する。このアクティブ・コマンドは、関連するジェスチャを認識するように用いられる特徴を特定するとともに、リストに追加される。
いくつかの実施例では、ジェスチャ認識エンジン1204は、タッチ開始イベントを含むユーザ入力シーケンスを受信する。図示されている実施形態では、マーカ1310が、タッチ開始イベントに基づいて表示される。ユーザ入力シーケンスは、位置データおよびタッチ終了イベントを含む(マーカ1312で表示されている)。マーカ1310および1312は、図13の第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304を含む任意の1つまたは複数の適切なユーザ・ディスプレイ装置に表示されてもよい。ジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力シーケンスをアクティブ・コマンドの特徴の特定に基づくジェスチャに適合させる。図13の実施例では、ポーク・コマンドは、動作が小さいまたは無意識であるように見える場合に、単一の点を選択するように意図され、入力装置の動きを無視する。閾値は、無意識の動作に対して確立されてもよい。したがって、ポーク・コマンドの特徴の特定は、タッチ終了イベントが後続する長さの閾値未満の移動距離が後続するタッチ開始イベントを含む。図示された実施形態では、ユーザ入力シーケンスは、ポーク・コマンドとして解釈される。
翻訳の一部として、ジェスチャ認識エンジン1204は、ポーク・コマンドのパラメータとして渡す座標のセットを決定する。種々の実施例では、これらの座標は、タッチ開始イベントの座標、タッチ終了イベントの座標、またはタッチ開始イベントの座標とタッチ終了イベントの座標との間の中間点に基づく。いくつかの実施形態では、これらの座標は、システム100により決定された位置により調整され、またはその位置にスナップされてもよい。たとえば、システム100が境界検出をサポートする実施形態では、ユーザが指定した位置は、近傍の境界およびそれに伴って決定された座標にスナップされてもよい。医療用撮像コンテキストにおける境界検出については、「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」という名称で2001年3月13日に発行された米国特許第6,200,268号明細書、「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」という名称で2002年4月30日に発行された米国特許第6,381,350号明細書、「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」という名称で2006年7月11日に発行された米国特許第7,074,188号明細書、「NON−INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」という名称で2007年2月13日に発行された米国特許第7,175,597号明細書、「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」という名称で2007年5月8日に発行された米国特許第7,215,802号明細書、「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」という名称で2008年4月15日に発行された米国特許第7,359,554号明細書および「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」という名称で2008年12月9日に発行された米国特許第7,463,759号明細書に開示されていて、それらの教示は全体として参照することにより本明細書に援用される。
翻訳された“ポーク”コマンドは、図7に関して説明された測定ズーム・モジュール702、UIフレームワーク・サービス240、システムUI拡張部244、IVUS UI拡張部246およびモダリティUI拡張部250を含むモダリティ拡張部、ならびに/もしくはシステム100の他の適切なコンポーネントなどのシステムのコンポーネントにより用いられるモジュール・インタフェース1208で提供される。
図14を参照するに、図示された実施形態では、ジェスチャ認識エンジンは、第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304に医療データのセットを表示した後、異なるユーザ入力シーケンスを受信する。例示としてのユーザ入力シーケンスは、タッチ開始イベント(マーカ1410で示されている)、位置データ(トレース1412で示されている)およびタッチ終了イベント(マーカ1414で示されている)を含む。マーカ1410および1414ならびにトレース1412は、図14の第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304を含む任意の1つまたは複数の適切なユーザ・ディスプレイ装置1214に表示されてもよい。ジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力シーケンスをアクティブ・コマンドの特徴の特定に基づくジェスチャに適合させる。図14の実施例では、直径測定コマンドは、2つの指定された点間の直線における距離を測定するように意図されている。したがって、コマンドの特徴の特定は、直線的経路の閾値の許容範囲内の、無意識の移動および移動経路についての閾値より大きい移動距離を含む。図示された実施形態では、ユーザ入力シーケンスは、直径測定コマンドとして解釈される。
ジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力に基づく座標端点の決定などのさらなる翻訳を実行してもよい。種々の実施例では、座標端点は、タッチ開始イベントの座標および/またはタッチ終了イベントの座標に基づく。いくつかの実施形態では、座標端点は、システム100により決定された領域により調整されてもよく、またはその領域にスナップされてもよい。たとえば、システム100が境界検出をサポートする実施形態では、ユーザが特定した位置は、近傍境界およびそれに伴って決定された座標にスナップされてもよい。ジェスチャ認識エンジン1204はまた、直径測定に影響する異常を補正または算定してもよい。
図15を参照するに、図示された実施形態では、図14を参照して説明した翻訳された直径測定コマンドが、第1のディスプレイ装置1302および第2のディスプレイ装置1304を含む1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置1214のうちの1つまたは複数に表示される。このことは、オペレータに翻訳を検証する機会を与える。図示された実施形態では、第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304は、コマンドの開始点を示すマーカ1510、コマンドの終了点を示すマーカ1514およびコマンドの直線的経路を示すトレース1512を用いる。オペレータは、ユーザ入力装置1212を介して翻訳されたコマンドを確認し得る。このコマンドがオペレータにより確認される場合、このコマンドは、図7に関して説明された測定ズーム・モジュール702、UIフレームワーク・サービス240、システムUI拡張部244、IVUS UI拡張部246およびモダリティUI拡張部250を含むモダリティ拡張部、ならびに/または、システム100の他の適切なコンポーネントなどのシステムのそれぞれのコンポーネントにより用いられるモジュール・インタフェース1208で提供される。オペレータが翻訳されたコマンドに満足しない場合、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータの要求でコマンドをキャンセルおよび/または変更してもよい。たとえば、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータが端点をドラッグすることを可能にしてもよく、オペレータが操作し得る他の参照点をオペレータに提示してもよく、現在のコマンドに対して示唆された変更をオペレータに提示してもよく、および/または、オペレータが選択する代替のコマンドのリストを提示してもよい。
ここで、図16を参照するに、図示された実施形態では、ジェスチャ認識エンジンは、第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304に表示された医療データのセットに基づいて、他のユーザ入力シーケンスを受信する。例示としてのユーザ入力シーケンスは、タッチ開始イベント(マーカ1610で示されている)、位置データ(トレース1612で示されている)およびタッチ終了イベント(マーカ1614で示されいる)を含む。マーカ1610および1614ならびにトレース1612は、図16の第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304を含む任意の1つまたは複数の適切なユーザ・ディスプレイ装置1214に表示されてもよい。ジェスチャ認識エンジン1204は、ユーザ入力シーケンスをアクティブ・コマンドの特徴の特定に基づきジェスチャに適合させる。図16の実施例では、面積測定コマンドは、指定された境界内の面積を決定するように意図されている。したがって、コマンドの特徴の特定は、直線的経路の閾値の許容範囲を超える、無意識の移動および移動経路についての閾値より大きい移動距離を含む。図示された実施形態では、ユーザ入力シーケンスは、面積測定コマンドとして解釈される。
翻訳の一部として、ジェスチャ認識エンジンは、そのコマンドのための座標端点の決定などのさらなる解釈を実行してもよい。種々の実施例では、座標端点は、タッチ開始イベントの座標および/またはタッチ終了イベントの座標に基づく。ジェスチャ認識エンジン1204はまた、対応するコマンドのために、円形、卵形、スプラインまたは多角形経路などの滑らかな幾何学的経路を決定してもよい。幾何学的経路の位置、形状および性質は、システム100により検出および認識された位置および構造の一部で決定されてもよい。例示としての実施形態では、円で表される幾何学的経路は、システム100で決定された境界点を通るように大きさ変更および移動される。さらなる例示としての実施形態では、卵形の幾何学的経路が、システムにより決定された1つまたは複数の境界点のより近傍を通るように、円形の幾何学的経路と置き換えられる。他の例示としての実施形態では、スプラインのブレーク・ポイントは、システムにより決定された境界点にスナップするように調整される。
図17を参照するに、図示された実施形態では、図16を参照して説明された、翻訳された面積測定コマンドは、翻訳を検証する機会を与える、1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置1214のうち1つまたは複数に表示される。図示された実施形態では、第1のユーザ・ディスプレイ1302および第2のユーザ・ディスプレイ1304は、そのコマンドの滑らかな幾何学的経路を示すトレース1712を用いる。オペレータは、ユーザ入力装置1212を介して翻訳されたコマンドを確認し得る。このコマンドがオペレータにより確認される場合、このコマンドは、図7に関して説明された測定ズーム・モジュール702、UIフレームワーク・サービス240、システムUI拡張部244、IVUS UI拡張部246およびモダリティUI拡張部250を含むモダリティ拡張部、ならびに/またはシステム100の他の適切なコンポーネントなどのシステムのそれぞれのコンポーネントにより用いられるモジュール・インタフェース1208で提供される。オペレータが翻訳されたコマンドに満足しない場合、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータの要求でコマンドをキャンセルおよび/または変更してもよい。たとえば、ジェスチャ認識モジュール1202は、オペレータが端点または中間点を調整するようにドラッグまたは操作し得る参照点をオペレータに提示してもよく、現在のコマンドに対して示唆された変更をオペレータに提示してもよく、および/または、オペレータが選択する代替のコマンドのリストを提示してもよい。
図18は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム100内のジェスチャ認識方法1800のフロー図である。方法1800のステップ前、中および後に追加のステップが提供され得、示されているステップのいくつかは、この方法の他の実施形態では置き換えられ得るまたは取り除かれ得ることが理解される。
ブロック1802では、状態指示子が、図12のジェスチャ認識モジュール1202などのシステム100のコンポーネントにより受信される。この状態指示子はモダリティを示してもよい。その点で、例示としてのシステム状態指示子は、現在のデータが、IVUS、FL−IVUS、FFR特定、冠血流予備量比(CFR)特定、光干渉断層撮影(OCT)、心腔内心エコー、圧力、流れおよび/または他の適切なモダリティのうちの1つまたは複数と対応することを示す。状態指示子はまた、医療データが収集されるかレビューされるかのハードウェア・コンポーネントの状態、ソフトウェア・コンポーネントを実行するリスト、ソフトウェア・コンポーネントの状態、ソフトウェア・コンポーネントのモード、および/または、システムの任意の他の適切な特定を示してもよい。
ブロック1804では、アクティブ・コマンドのリストが構築される。いくつかの実施形態では、アクティブ・コマンドのリストは状態指示子に基づく。たとえば、このリストは、モダリティに基づいてもよく、複数のモダリティを適用するアクティブ・コマンドのサブセットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、このリストの構築は、状態指示子を用いて、電子データベース、すなわち、ジェスチャ・データベース1206に問い合わせることを含む。ジェスチャ・データベース1206の記録は、コマンド名、コマンド・フォーマット、相間システム状態、コマンドを受信するコンポーネント、関連するジェスチャの特徴の特定、および他の適切な情報のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
ブロック1806では、ユーザ入力シーケンスが受信される。このシーケンスは、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェースおよび当業者が知っている他のユーザ入力装置を含む適切なユーザ入力装置から受信されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ入力シーケンスは、複数の入力装置、たとえば、キーボードおよびマウスからの複数のシーケンスを結合させる。このシーケンスは、当業者が知っている任意の適切な形態をとってもよい。例示としての実施形態では、このシーケンスの要素は、デバイス状態、イベント、操作データなどの位置データ、音声サンプル、デリミタ(区切り文字)および/または他のシーケンス要素を表す。
ブロック1808では、ユーザ入力シーケンスは、サポートされたコマンド・リストからのコマンドと相関させられる。このことは、ユーザ入力シーケンスの1つまたは複数のシーケンス要素をアクティブ・コマンドの特徴的な基準と比較することを含んでもよい。それはまた、対応するコマンドのパラメータに1つまたは複数のシーケンス要素をマッピングすることを含んでもよい。ブロック1810では、ユーザ入力シーケンスにマッピングされたコマンドが生成される。このことは、ユーザ入力シーケンスに基づいて、このコマンドの1つまたは複数のパラメータの値を生成することを含んでもよい。
ブロック1812では、コマンドが、オペレータによる確認のためにユーザ・ディスプレイ装置に表示される。このことは、ユーザ入力装置1212を介して確認応答を受信することを含んでもよい。オペレータが翻訳されたコマンドに満足しない場合、ブロック1814では、コマンドは、オペレータの要求でキャンセルおよび/または変更されてもよい。いくつかの実施形態では、このことは、コマンドに対する変更のためのオプションを提示すること、および/または、適用する変更を指定するさらなるユーザ入力を受信することを含む。いくつかのそのような実施形態では、オペレータが位置または経路を調整するようにドラッグまたは操作し得る参照点が提示される。他のそのような実施形態では、現在のコマンドに対して示唆された修正が提示されて、選択が受信される。この示唆は、システム・デフォルト、ユーザ嗜好および/または他の基準に基づいてもよい。他のそのような実施形態では、代替のコマンドのリストが提示され、選択が受信される。オペレータがこのコマンドを確認するとき、ブロック1816では、このコマンドは、システムの適切なコンポーネントによる使用のために、モジュール・インタフェース1208に提示される。
図19は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態による医療データのセットをナビゲートするためのユーザ・インタフェース・コンポーネント1900を含む、図1および2の医療システムの一部の機能ブロック図である。ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、医療データの参照セットの高レベルの表示を提示し、その参照セットから、オペレータは、詳細表示において調査するサブセットを選択し得る。詳細表示を生成するように、いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は一軸ズームを実行し、データのサブセットは、第2の軸から独立している第1の軸に沿って大きさ変更される。このことは、時間または距離のある範囲にわたって、またはデータ値が周期的である場合に、プロットされたデータを含む医療データ・セットに対して特に有用である。そのようなデータにおいては、一の軸に沿ったピーク・ツー・ピーク極値は、第2の軸のスケーリングが調整されるときに、実質的に変化しなくてもよい。
一軸ズーム強調に適切なデータ・セットの一実施例は血流予備量比(FFR)データである。FFRは、虚血による病変を含む、血管内の狭窄の重篤度を評価するために現在受け入れられている技術である。FFRは、近位血圧測定(狭窄の近位側でとられた)に対する抹消血圧測定(狭窄の抹消(遠位)側でとられた)の比の計算値である。FFRは、手術が必要となるほど血管内の血流を閉塞物が制限しているかどうかに関する判定を可能にする病変の重篤度の指標を与える。健全な血管におけるFFRの正常値は1.00である一方、約0.80未満の値は、一般に重篤であるとみなされて、手術を必要とする。InstantWave−Free Ratio(商標)機能データ(iFR(登録商標)機能)(両者はVolcano Corp.の商標である)などのさらなる測定、および、充血剤なしで使用可能な圧力比の使用について開示している、「DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR ASSESSING A VESSEL」という名称である米国特許出願第13/460,296号明細書に記載されている測定も、そのような強調に対して適切である。iFR(登録商標)およびFFRデータ・セットは、圧力測定値、圧力比および/またはある時間範囲にわたって測定された圧力差に対応する値を含んでもよい。圧力軸または比軸から独立した時間軸のスケーリングをオペレータが調整することを可能にすることにより、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、ユーザに対して選択されたサブセットのより有用な表示を提供し得る。
さらに、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、高度なおよび/または詳細なビューを用いて、データ選択、データ強調およびブックマーキングを含む複数のデータ操作をオペレータが指定することを可能にする。その点で、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、図7に関して説明された測定ズーム・モジュール702、図12に関して説明されたジェスチャ認識モジュール1202、および/または本明細書で開示されたシステム100の他のコンポーネントの機能の一部または全部を組み込んでもよい。したがって、種々の実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度増減、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含むデータのサブセットに関する様々なデータ強調を実行することができる。このように、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、基礎をなすデータの性質に応じた態様でデータ・セットをナビゲートおよび操作する改善されたインタフェースを備える。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、測定ナビゲータ・モジュール1902を含み、この測定ナビゲータ・モジュール1902は、さらに、ナビゲータ・エンジン1904、医療データのセットを受信する医療データ・インタフェース1906、およびトランザクション、ブックマークおよび注釈の電子データベース1908のうちの1つまたは複数を含んでもよい。ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900は、コントローラ1910またはオペレータ・インタフェースも含む。コントローラ1910は、1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置1914およびユーザ入力装置1912を含んでもよい。ユーザ入力装置1912は、図3に関して説明されたユーザ入力装置314と実質的に同様であってもよい。その点で、適切なユーザ入力装置1912の実施例は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、デジタル・ペン、タッチベースのインタフェース、ジェスチャベースのインタフェース、言葉および音声認識インタフェース、適応インタフェース、カメラ、動きセンシング・インタフェースおよび当業者が知っている他のユーザ入力装置を含むが、それらに決して限定されない。
ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900の一部は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェアとして、および/または専用マイクロプロセッサ、FPGA、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッシング・ユニットおよびDSPなどのハードウェア・コンポーネントとして実施されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ・インタフェース・コンポーネント1900の一部は、図1および2を参照して説明されたマルチモダリティ処理システム100のコンポーネントに組み込まれる。たとえば、いくつかのそのような実施形態では、コントローラ1910は、図1を参照して説明されたベッドサイド・コントローラ118、メイン・コントローラ120、ブーム・ディスプレイ122および/またはネットワーク・コンソール130の内のコンポーネントである。さらなる実施例としては、いくつかのそのような実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902は、図2を参照して説明されたメイン・コントローラ120のUIフレームワーク・サービス240、ベッドサイド・コントローラ118のUIフレームワーク・サービス242、および/またはIVUS UI拡張部246またはIVUS UI拡張部248などのUI拡張部に組み込まれる。他の実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902は、マルチモダリティ処理システム100の別個および個別のコンポーネントである。
測定ナビゲータ・モジュール1902は、医療データ・インタフェース1906を介して医療データの参照セットを受信する。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子は、この医療データの受信自体に追加してまたはそれの代替として受信される。医療データの識別子は、医療データの一部または全部を含んでもよく、および/または、システムのどこかに位置するまたはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。参照データ・セットはまた、オペレータが見るコントローラ1910のディスプレイ装置(たとえば、ユーザ・ディスプレイ装置1914)に表示されてもよい。ディスプレイの制御およびデータ操作は、測定ナビゲータ・モジュール1902によって直接、および/または、測定ナビゲータ・モジュール1902とは別個のマルチモダリティ処理システム100の他のコンポーネントによって、実行されてもよい。いくつかの実施形態では、参照データは、タイムラインまたは距離に基づくプロットなどのグラフとして提示されるが、データを表示する他の形式が、二次元画像および三次元画像を含めて検討される。
医療データの参照セットは任意の適切な医療データであってもよい。いくつかの実施形態では、医療データは未処理の医療データを含み、モダリティ取得コンポーネント(たとえば、血流予備量比取得コンポーネント、iFR取得コンポーネント、圧力取得コンポーネント、流れ取得コンポーネント、図2のIVUS取得コンポーネント220、前方視IVUS取得コンポーネント、FFR取得コンポーネント、CFR取得コンポーネント、OCT取得コンポーネント、および/または経食道心エコー取得コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは処理された医療データを含み、ワークフロー・コンポーネント(たとえば、血流予備量比ワークフロー・コンポーネント、iFRワークフロー・コンポーネント、圧力ワークフロー・コンポーネント、流れワークフロー・コンポーネント、IVUSワークフロー・コンポーネント、前方視IVUSワークフロー・コンポーネント、FFRワークフロー・コンポーネント、CFRワークフロー・コンポーネント、OCTワークフロー・コンポーネント、および/または経食道心エコー・ワークフロー・コンポーネント)により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、医療データは複数のモダリティから収集されたデータを含み、マルチモダリティ・ワークフロー・コンポーネントにより提供されてもよい。
測定ナビゲータ・モジュール1902は、医療データの参照セットの一部を示すデータ選択、強調選択、ブックマーク・コマンド、ズームインおよびズームアウトコマンドならびに他の適切なナビゲーション・コマンドなどの1つまたは複数のナビゲーション・コマンドも受信する。ナビゲーション・コマンドおよび/または医療データの参照セットに基づいて、ナビゲータ・エンジン1904は、強調する参照医療データのサブセットを決定する。このサブセットは、参照セットの全て、または一部を含んでもよい。このサブセットはまた、参照データ・セットに追加してまたは参照データ・セットに代えて代替のデータ・セットを含み得る。そのような実施形態では、サブセットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作条件の他の組み合わせに対応してもよい。いくつかの種類のデータ選択コマンドに関して、ナビゲーション・コマンドは、初期フォーマットからデータ・フォーマットに変換されてもよい。たとえば、ナビゲーション・コマンドは、ユーザ・ディスプレイ装置1914の画素に対応する直交座標のセットを含んでもよい。したがって、一実施形態では、モジュール1902のナビゲータ・エンジン1904は、画素座標をデータ値に変換する。このことは、スケール変換、座標変換、形状翻訳および当業者が知っている他の適切な変換などの1つまたは複数の変換を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ナビゲーション・コマンドはオペレータ・コマンドであり、ユーザ入力装置1912を介して受信される。そのような一実施形態では、ユーザ入力装置1912および測定ナビゲータ・モジュール1902と通信するジェスチャ・インタフェース(たとえば、図12のジェスチャ認識モジュール1202)は、ユーザ入力装置1912からジェスチャを受信し、このジェスチャをナビゲーション・コマンドに翻訳し、このナビゲーション・コマンドを測定ナビゲータ・モジュール1902に提供する。さらなるそのような実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902は、ジェスチャ認識モジュール1202の一部または全部を組み込む。ナビゲーション・コマンドはまた、モダリティ・ワークフロー・コンポーネントなどの他のシステム・コンポーネントから受信されてもよい。たとえば、例示としての実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902は、FFRワークフロー・コンポーネントから医療データの一部を示すデータ選択を受信する。このデータ選択は、ピークのFFR値、閾値を超える値、および/またはセンサ異常を示す値などのそのワークフロー・コンポーネントにより検出された対象の値をハイライトし、表示し、および/またはその値に注目するように構成されてもよい。他の例示としての実施形態では、測定ナビゲータ1902は、FFRワークフロー・コンポーネントからブックマークを受信する。このブックマークは、ワークフロー・コンポーネントにより検出された対象の値を迅速に特定するための参照点を提供するように構成されてもよい。そのような挙動は、このシステムのコンポーネントが、オペレータに、注目されない可能性のある潜在的に重要なデータに注目させることを可能にする。
上述のように、測定ナビゲータ・モジュール1902は、実行する1つまたは複数の強調機能を指定するナビゲータ・コマンドを受信してもよい。適切な強調の実施例は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度増減、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含む。強調はまた、図3乃至6に関して説明されたラベル付けなどの、医療データの一部のラベル付けまたは注釈付けを含んでもよい。他の適切な強調は一軸ズームを含む。二軸ズームと異なり、ナビゲータ・エンジン1904は、圧力軸または速度軸などの第2の軸から独立して、時間軸などの第1の軸に沿ってデータをサイズ変更し、再サンプリングし、または強調してもよい。そのような一実施形態では、FFR測定に対応する参照データ・セットは、ある時間の範囲にわたって複数の圧力データ点を含む。オペレータは、一軸ズームを実行するよう選択し、開始および終了時間境界と、それに伴う新しい範囲を指定する。これに応じて、ナビゲータ・エンジン1904は、時間軸に沿って新しい範囲によって示されるデータのサブセットをスケーリングするが、圧力軸に沿っては必ずしもそうではない。それに代えて、例示としての実施形態では、圧力軸は、新しい範囲における最大および最小圧力値に基づいてサイズ変更される。関連する実施形態では、ナビゲータ・エンジン1904は、時間軸に沿ってデータのサブセットをスケーリングするが、参照セットのそれから圧力軸をスケール変更しない。実施形態のさらなるセットでは、測定ナビゲータ・エンジン1904は、iFR(登録商標)撮像データの一軸ズームを実行する。オペレータは、一軸ズームならびに開始および終了時間境界を選択する。ナビゲータ・エンジン1904は、時間軸に沿った開始および終了時間境界により表されるサブセットをスケール変更するが、種々の実施形態では、圧力軸を独立してスケール変更し、または、参照セットに対して圧力軸をスケール変更しない。二軸操作に追加してまたはそれに代えて、一軸操作をサポートすることにより、ナビゲータ・エンジン1904は、特定のモダリティに対応する特定の種類のデータのより有用な表現を提供する。その点で、種々の実施形態では、一軸操作は、強調されたデータのより有用な表現を提示するように、FFRデータ、iFRデータ、圧力データ、流れデータおよび/または他の適切なデータ・セットに関して実行される。
データ指定コマンドと同様に、なされる種類の強調を指定するコマンドはまた、ユーザ入力装置1912からおよび/またはシステムの他のコンポーネントから受信されてもよい。指定された強調は、測定ナビゲータ・モジュール1902、ならびに/または、測定ズーム・モジュール702、UIフレームワーク・サービス240、システムUI拡張部244、IVUS UI拡張部246およびモダリティUI拡張部250を含むモダリティ拡張部および/若しくはシステム100の他の適切なコンポーネントなどのシステムの他のコンポーネントにより実行されてもよいため、測定ナビゲータ・モジュール1902は、強調選択コマンドを適切なシステム・コンポーネントに転送してもよい。たとえば、いくつかの強調の実行では、ナビゲータ・エンジン1904は、サブセットを構成するよう複数のデータ・セットを直接的にまたは間接的に組み合わせてもよい。したがって、一実施形態では、ナビゲータ・エンジン1904は、2つまたは3つ以上のモダリティにより収集されたデータ・セットを組み合わせるようMMCMコンポーネントに命令するコマンドを提供する。関連する実施形態では、ナビゲータ・エンジン1904は、2つまたは3つ以上のモダリティにより収集されたデータ・セットを受信して、エンジン1904内で組み合わせる。同様に、いくつかの強調の実行では、ナビゲータ・エンジン1904は、応答性を改善するようデータ・セットを選択し、ならびに/または、記憶装置、ネットワーキングおよび/もしくは処理リソースにおける負荷を低減してもよい。そのような一実施形態では、ナビゲータ・エンジン1904は、選択されたサブセットの外部のデータを選択する。
実行されるべき種類の強調が決定された場合、測定ナビゲータ・モジュール1902は、続いて、ナビゲーション・コマンドにより命令された医療データのサブセットに関する強調を実行してもよい。その後、強調されたサブセットはユーザ・ディスプレイ装置に表示されてもよい。いくつかの実施形態では、参照データおよび強調されたデータのサブセットは、異なるユーザ・ディスプレイ装置(たとえば、第1のユーザ・ディスプレイ装置および第2のユーザ・ディスプレイ装置のそれぞれ)に表示されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、異なる時点での単一の物理的ディスプレイ装置に対応する。したがって、参照データ・セットは、第1の時点でモニタに表示されてもよく、強調されたデータは、後の時間にモニタに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の一部に対応する(ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)。いくつかの実施形態では、第1および第2のディスプレイ装置は第1および第2の物理的ディスプレイ(たとえば、第1および第2のモニタのそれぞれ)に対応する。異なるユーザ・ディスプレイ装置に参照データおよびデータの強調されたサブセットを表示することは、ユーザ入力がタッチスクリーン用途などの表示の一部を不明瞭にしてもよい用途で特に有用であってもよい。いくつかの実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902は、ナビゲーション・コマンドに基づいて参照データ・セットの表示を更新する。このことは、ラベル、ブックマーク、選択されたサブセットの境界および他の対象点を示すアイコンを追加することを含んでもよい。表示はまた、選択されたサブセットの範囲内または外部のデータを示すシェーディングを含む更新であってもよい。上述のように、参照データおよび強調されたサブセットに対応する表示信号の生成は、測定ナビゲータ・モジュール1902により直接、および/または、測定ナビゲータ・モジュール1902から離れたマルチモダリティ処理システム100の他のコンポーネントにより、実行されてもよい。
測定ナビゲータ・モジュール1902はまた、トランザクション記録を記憶するインタフェースを備えてもよい。トランザクション記録は、領域識別子、強調選択、データ・セット識別子、参照データ・セットの一部、強調されたサブセットの一部、変更された処理パラメータ、および/またはトランザクションの他の適切な要素を含んでもよい。トランザクション記録は、図2に関連して説明されたデータベース管理コンポーネント216などのシステムのコンポーネントによる送信および/または記憶のために、トランザクション記録データベース1908内に記憶され、または提供されてもよい。いくつかの実施形態では、トランザクション記録は、データ・セット、領域、強調または他のパラメータの記述を含む強調動作の態様を記録するブックマークを含む。このブックマークは、取り出されて、以前の状態を回復させ、以前のデータ・セット、領域選択、強調および/またはパラメータを後続のデータ・セットに適用するように用いられ得る。このブックマークは、図3乃至6に関連して上述されているように、索引付けのためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
図20は、マルチモダリティ処理システム100のいくつかの実施形態によるデータ・ナビゲーションおよび強調のための例示としてのユーザ・インタフェース2000の図である。このユーザ・インタフェース2000は、単一のユーザ・ディスプレイまたは複数のディスプレイに提示されてもよい。ユーザ・インタフェース2000は、マルチモダリティ処理システムにより、具体的には、このシステムの測定ナビゲータ・モジュール1902により提示された情報を表示する有効な一構成を示す。当業者は、代替の構成が検討されて提供されることを認識するであろう。
インタフェース2000は、異なるディスプレイ装置、異なる時点での単一の物理的ディスプレイ装置、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の異なる部分(ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)、ならびに/または異なる物理的ディスプレイ(すなわち、異なるモニタ)に対応してもよい第1のデータ表示ウィンドウ2002および第2のデータ表示ウィンドウ2004を含んでもよい。図示した実施形態では、第1のデータ表示ウィンドウ2002は、デスクトップの第1のウィンドウに参照データ・セットを提示し、第2のデータ表示ウィンドウ2004は、デスクトップの第2のウィンドウに参照データ・セットの強調されたサブセットを提示する。図示した実施形態では、強調されたサブセットは一軸ズーム手続きを行った。換言すれば、強調されたサブセットは、第2の軸(圧力軸)から独立した第1の軸(時間軸)に沿ってスケール変更された。
いくつかの実施形態では、第1のデータ表示ウィンドウ2002および第2のデータ表示ウィンドウ2004のうち1つ又は複数は、ブックマーク・アイコン2006、サブセット境界アイコン2008および2010ならびに他の注釈を含む。境界アイコン2008および2010は、軸(図示した実施形態においては、時間軸)に沿ってサブセットの外側の境界にマーク付けしてもよい。いくつかの実施形態では、サブセットは、サブセットの内部または外部の領域をシェーディングすることにより特定される。
インタフェース2000はまた、データの参照セットおよび/または強調されたサブセットからの値などの医療データを表示する1つまたは複数の補助表示領域2012を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インタフェース2000はツールバー2014を含む。そのような種々の実施形態では、ツールバー2014は、マルチモダリティ処理システムのためのコマンドを選択するように用いられる。例示としてのコマンドは、強調するサブセットの選択、実行する強調の選択、ならびにデータ記憶およびロード・コマンドを含む。このインタフェースはまた、マルチモダリティ処理システムに送信するコマンドを迅速に選択するための複数のコマンド要素2016を含んでもよい。ツールバーから選択されてもよい任意のコマンドは、コマンド要素2016を用いる選択に適切である。その点で、例示としての実施形態では、インタフェース2000は、サブセットの境界を調整し、ブックマーク、ラベル・データ値、ならびに参照セットおよび/またはサブセットのズームインまたはズームアウトを設定して回復するように構成されたコマンド要素2016を含む。
図21は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチモダリティ処理システム内で医療データのセットをナビゲートおよび強調する方法2100のフロー図である。方法2100のステップの前、中および後に追加のステップが提供され得、示されているステップのいくつかは、この方法の他の実施形態では置き換えられ得るまたは取り除かれ得ることが理解される。
ブロック2102では、医療データの参照セットがマルチモダリティ処理システム100により受信される。医療データの参照セットは任意の適切な医療データであってもよい。たとえば、医療データは、モダリティ取得コンポーネントにより提供された未処理の医療データ、ワークフロー・コンポーネントにより提供された処理済みの医療データ、および/または複数のモダリティに対応しかつマルチモダリティ・コンポーネントにより提供された集合データを含んでもよい。いくつかの実施形態では、医療データに対応する識別子は、医療データ自体を受信することに追加してまたはそれに代えて受信される。医療データの識別子は、医療データの一部または全部を含んでもよく、および/または、システムのどこかに位置するまたはネットワークにおいて配信されたデータに対するポインタを含んでもよい。ブロック2004では、医療データの参照セットがディスプレイ装置に表示されてもよい。
ブロック2106では、ナビゲーション・コマンドが受信される。ナビゲーション・コマンドは、強調するサブセットを規定してもよく、実行する強調を選択してもよく、ブックマークを設定して回復させてもよく、ラベルを付与してもよく、および他の適切なナビゲーション・タスクを実行してもよい。いくつかの例示としての実施形態では、測定ナビゲータ・モジュール1902に組み込まれて、および/または、それと通信するジェスチャ認識モジュール(たとえば、図12のジェスチャ認識モジュール1202)は、ユーザ入力装置1912からタッチベースの入力シーケンスを受信する。例示としてのタッチベースの入力シーケンスは、第1の位置での第1のタッチおよび同時の第2の位置での第2のタッチを示す。ジェスチャ認識モジュールは、第1のタッチ位置と第2のタッチ位置との間の領域に対応するサブセットへの一軸ズームを実行するよう、入力シーケンスをコマンドに翻訳する。したがって、ナビゲーション・コマンドは、第1のタッチ位置に対応する第1の境界および第2のタッチ位置に対応する第2の境界を有するサブセットのための領域を指定する。ジェスチャ認識モジュールは、測定ナビゲータ・モジュール1902に翻訳されたコマンドを提供する。一軸ズームが実施例として提供されている一方、任意の種類のデータの強調が、本方法を用いて実施されてもよい。
ブロック2108では、医療データの参照セットの表示は、受信されたナビゲーション・コマンドに基づいて更新されてもよい。たとえば、この表示は、ラベル、ブックマーク、選択されたサブセットの境界および他の対象点を示すアイコンを含むように更新されてもよい。いくつかの実施形態では、この表示は、選択されたサブセットの内部または外部のデータを示すシェーディングを含むように更新される。
ブロック2110では、実行される強調が特定されてもよい。強調は、1つまたは複数のナビゲーション・コマンドおよび/または、データの参照セットに基づいてもよい。ブロック2112では、強調されるデータの参照セットのサブセットが特定される。強調と同様に、サブセットは、1つまたは複数のナビゲーション・コマンドおよび/またはデータの参照セットに依存してもよい。データのサブセットは、参照セットの一部または全部を含んでもよく、また、参照データ・セットに追加してまたはその代替として代替のデータ・セットを含んでもよい。そのような実施形態では、サブセットに含まれるデータ・セットは、異なるモダリティ、異なる時間の単一のモダリティ、異なる動作モードにおける単一のモダリティ、ならびにモダリティおよび動作条件の他の組み合わせに対応してもよい。いくつかの実施形態では、強調は、複数の異なるモダリティに対応するデータのコレジストレーションを含む。異なるモダリティにおけるコレジストレーションについては、「VASCULAR IMAGE CO−REGISTRATION」という名称で2011年4月19日に発行された米国特許第7,930、014号明細書、および「THREE DIMENSIONAL CO−REGISTRATION FOR INTRAVASCULAR DIAGNOSIS AND THERAPY」という名称で2006年6月23日に発行された米国特許出願公開第2007/0038061号明細書にさらに詳細に開示されていて、これらの教示は、全体として参照することにより本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、本方法は、サブセットを構成するようにデータ・セットを直接的にまたは間接的に組み合わせることを含む。同様に、いくつかの実施形態では、本方法は、サブセットの一部を選択することを含む。そのような一実施形態では、本方法は、選択された領域の外部のデータを選択することを含む。
ブロック2114では、強調が、システム100によりデータ・セットのサブセットに関して実行される。種々の実施形態では、強調は、1つまたは複数のナビゲーション・コマンドおよび/またはデータの参照セットにより決定される。適切な強調は、ズーミング、輝度調整、不透明度調整、カラー・マスク調整、解像度増減、再サンプリング、補間、ゲイン調整、ならびに距離、面積、体積および変化率の測定を含む測定を含むが、それらに限定されない。強調はまた、図3乃至6に関連して説明されたラベル付けなどの、医療データの一部のラベル付けまたは注釈付けを含んでもよい。他の強調が、検討されて提供される。さらなる実施例としては、いくつかの実施形態では、強調は一軸ズームを含み、データのサブセットは、第2の軸から独立して、第1の軸に沿ってサイズ変更される。
ブロック2116では、強調されたデータのサブセットが表示される。参照データおよび強調されたサブセットは、異なるユーザ・ディスプレイ装置(たとえば、第1のユーザ・ディスプレイ装置および第2のユーザ・ディスプレイ装置)に表示されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、異なる時点での単一の物理的ディスプレイ装置に対応する。したがって、参照データ・セットは、第1の時点でモニタに表示されてもよく、強調されたサブセットは、後にモニタに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイ装置は、単一のディスプレイ装置における単一の表示環境の一部に対応する(ディスプレイ“デスクトップ”の“ウィンドウ”またはディスプレイ・ワークスペースの領域などの表現を用いて)。いくつかの実施形態では、第1および第2のディスプレイ装置は、第1および第2の物理的ディスプレイ(たとえば、第1および第2のモニタのそれぞれ)に対応する。
ブロック2118では、強調のトランザクション記録が記憶される。種々の実施形態では、この記録は、領域識別子、強調選択、データ・セット識別子、参照データ・セットの一部、強調されたサブセットの一部、変更された処理パラメータおよび/またはトランザクションの他の適切な要素を含む。いくつかの実施形態では、記憶することは、遠隔の記憶装置のためのシステム・インタフェースでトランザクション記録を提供することを含む。トランザクション記録は、データ・セット、領域、強調または他のパラメータの記述を含む強調操作の態様を記録するブックマークを含んでもよい。このブックマークは、取り出されて、以前の状態を回復しかつ後続のデータ・セットに以前のデータ・セット、領域選択、強調および/またはパラメータを適用するように用いられ得る。このブックマークは、図3乃至6に関連して上述された索引付けのためのラベルとしての役割を果たしてもよく、またはそのようなラベルを含んでもよい。
例示としての実施形態について示されて、説明され、広範囲の修正、変更および置き換えが上述の開示およびいくつかの実施例で検討されたが、本開示のいくつかの態様は、他の態様の対応する使用なしで、採用されてもよい。さらに、上述のように、マルチモダリティ処理システムに関連して上述されたコンポーネントおよび拡張部は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれら両方の組み合わせで実施されてもよい。処理システムは任意の特定のアーキテクチャを動作させるように設計されてもよい。たとえば、このシステムは、単一のコンピュータ、ローカル・エリア・ネットワーク、クライアント・サーバ・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、インターネット、携帯および他の可搬型および無線装置ならびにネットワークにおいて実行されてもよい。そのような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、上述において実行されてもよいことが理解される。したがって、本開示の特許請求の範囲は、広くかつ本明細書の範囲と整合するとして解釈されることが適切である。
本発明は一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
医療処理システムにおいて医療データを強調する方法であって、
前記医療処理システムにより医療データの参照セットを受信する段階、
強調される領域に対応する領域識別子を受信する段階、
強調選択を受信する段階、
前記受信された領域識別子および前記受信された強調選択に基づいてデータの目標セットを特定する段階、
前記医療処理システムにより、前記データの目標セットに関する前記強調選択に対応する強調を実行する段階、および
ユーザに対して前記強調された目標セットを表示する段階
を備える方法。
(発明2)
第1のユーザ・ディスプレイに前記医療データの参照セットを表示する段階
をさらに備え、
前記強調された目標セットを表示する段階は、第2のユーザ・ディスプレイに前記データの強調された目標セットを表示する段階を含み、前記第2のユーザ・ディスプレイは前記第1のユーザ・ディスプレイとは異なる、
発明1に記載の方法。
(発明3)
前記医療データの参照セットは第1のモダリティに対応し、
前記データの目標セットは第2のモダリティに対応するデータを含み、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、
発明1に記載の方法。
(発明4)
前記強調を前記実行する段階は、ズーミング、解像度の増加、解像度の減少、再サンプリング、距離の測定、面積の測定、体積の測定および前記データの目標セットの変化率の測定の少なくとも一を含む、発明1に記載の方法。
(発明5)
前記強調を前記実行する段階は、
前記領域識別子および前記強調選択の少なくとも一に基づいて処理パラメータの変更を決定する段階、および
前記処理パラメータに前記変更を適用する段階
を備える、発明1に記載の方法。
(発明6)
前記領域識別子を前記受信する段階は、ユーザ入力装置から領域識別子入力を受信する段階を含む、発明1に記載の方法。
(発明7)
前記領域識別子を前記受信する段階は、前記医療処理システムのワークフロー・コンポーネントから前記領域識別子を受信する段階を含み、
前記領域識別子は、前記医療データの参照セットにおける対象点に注目するように構成される、
発明1に記載の方法。
(発明8)
前記強調選択を受信する段階は、ユーザ入力装置から強調選択入力を受信する段階を含む、発明1に記載の方法。
(発明9)
医療処理システムにおけるデータ測定の方法であって、
前記医療処理システムにより医療データの参照セットを受信する段階、
前記医療データの参照セットに関連する位置マーカを受信する段階、
測定選択を受信する段階、
前記受信された医療データの参照セット、前記位置マーカおよび前記測定選択に基づいてデータの目標セットを特定する段階、
前記医療処理システムにより、測定値を決定するように前記データの目標セットに関する前記測定選択に対応する測定操作を実行する段階、および
ユーザに対して前記医療データの目標セットおよび前記測定値を表示する段階
を備える方法。
(発明10)
前記医療データの参照セットは第1のモダリティに対応し、
前記データの目標セットは第2のモダリティに対応するデータを含み、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、
発明9に記載の方法。
(発明11)
前記測定操作を前記実行する段階は、距離測定、面積測定、体積測定、変化率測定およびピンポイント測定の少なくとも一を含む、発明9に記載の方法。
(発明12)
前記測定を前記実行する段階は、複数のモダリティにわたって相互参照データをさらに含む、発明11に記載の方法。
(発明13)
前記測定を前記実行する段階は、変換係数を受信する段階と、前記測定値を決定するように前記変換係数を用いる段階とを含む、発明9に記載の方法。
(発明14)
前記位置マーカを前記受信する段階は、ユーザ入力装置から前記位置マーカを受信する、発明9に記載の方法。
(発明15)
前記位置マーカを前記受信する段階は、
ユーザ入力装置からユーザ入力を受信する段階と、
前記医療処理システムのモジュールから対象点を受信する段階と、
前記ユーザ入力および前記対象点に基づいて前記位置マーカを決定する段階と
を含む、発明9に記載の方法。
(発明16)
少なくとも1つのコンピュータ・プロセッサが実行する複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を備える装置であって、前記命令は、
第1のユーザ・ディスプレイで医療データの参照セットを表示し、
前記医療データの参照セットの一部の強調のためのユーザ入力を受信し、
前記受信されたユーザ入力に基づいてデータの目標セットを決定し、
前記受信されたユーザ入力に基づいて前記目標セットの一部を強調し、
第2のユーザ・ディスプレイで前記強調されたデータの目標セットを表示する
ためのものである、装置。
(発明17)
前記医療データの参照セットは第1のモダリティに対応し、
前記データの目標セットは第2のモダリティに対応するデータを含み、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、
発明16に記載の装置。
(発明18)
前記媒体は、前記データの目標セットの強調された一部のトランザクション記録を記憶するための命令をさらに記憶する、発明16に記載の装置。
(発明19)
前記媒体は、前記コンピュータ・プロセッサの以前の状態を回復させるように前記トランザクション記録を用いるための命令をさらに記憶する、発明18に記載の装置。
(発明20)
前記媒体は、
前記受信されたユーザ入力に基づいて後続のデータ・セットを捕捉し、
前記データの目標セットに前記後続のデータ・セットを含める
ための命令をさらに記憶する、発明16に記載の装置。
(発明21)
前記媒体は、前記データの目標セットからデータを選択するための命令をさらに記憶する、発明16に記載の装置。
(発明22)
前記データの目標セットからデータを選択するための前記命令は、前記受信されたユーザ入力に対応する対象の領域の外部のデータを選択するように構成された、発明21に記載の装置。
(発明23)
前記媒体は、領域識別子フォーマットからデータ・フォーマットに前記ユーザ入力を変換するための命令をさらに記憶する、発明16に記載の装置。
(発明24)
前記ユーザ入力を変換するための前記命令は、スケール変換、座標変換および形状変換のうちの少なくとも一を実行するための命令を含む、発明23に記載の装置。
(発明25)
医療処理システムにおいて医療データをナビゲートする方法であって、
前記医療処理システムにより医療データの参照セットを受信する段階であって、前記医療データは、FFR、iFR、圧力、流れ、IVUSおよびOCTから成るモダリティの群から選択された第1のモダリティに対応する、段階、
前記医療処理システムによりナビゲーション・コマンドを受信する段階、
前記ナビゲーション・コマンドに基づいて実行する強調を特定する段階、
前記ナビゲーション・コマンドに基づいて前記医療データの参照セットのサブセットを特定する段階、
前記医療処理システムにより前記サブセットの前記強調を実行する段階、ならびに
前記強調されたサブセットを表示する段階
を備える方法。
(発明26)
前記ナビゲーション・コマンドは、第2のモダリティに対応する医療データの追加のセットを指定し、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、発明25に記載の方法。
(発明27)
前記ナビゲーション・コマンドを前記受信する段階は、
前記医療処理システムのジェスチャ認識モジュールによりユーザ入力シーケンスを受信する段階と、
前記ユーザ入力シーケンスを前記ナビゲーション・コマンドに翻訳する段階と
を含む、発明25に記載の方法。
(発明28)
前記ユーザ入力シーケンスは、第2のタッチベースの入力と同時の第1のタッチベースの入力を示す、発明27に記載の方法。
(発明29)
前記ナビゲーション・コマンドは、前記第1のタッチベースの入力に対応するサブセットに対する第1の境界と前記第2のタッチベースの入力に対応するサブセットに対する第2の境界とを指定する、発明28に記載の方法。
(発明30)
ディスプレイ装置に医療データの参照セットを表示する段階、および
ナビゲーション・コマンドに基づいて前記ディスプレイ装置に前記医療データの参照セットを前記表示することを更新する段階
をさらに備える、発明1に記載の方法。
(発明31)
前記表示することを前記更新する段階は、サブセットの境界を表示する段階を含む、発明30に記載の方法。
(発明32)
前記表示することを前記更新する段階は、ブックマーク位置を表すアイコンを表示する段階を含む、発明30に記載の方法。
(発明33)
前記強調されたサブセットのトランザクション記録を記憶する段階をさらに備える、発明25に記載の方法。
(発明34)
前記トランザクション記録は、以前の状態を回復させて、医療データの後続のセットに以前のデータ・セット、領域選択、強調およびパラメータのうち1つを適用するように構成されたブックマークを含む、発明33に記載の方法。
(発明35)
前記強調を前記実行する段階は、前記サブセットに関する一軸ズームを実行する段階を含む、発明25に記載の方法。
(発明36)
少なくとも1つのコンピュータ・プロセッサが実行する複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える装置であって、前記命令は、
FFR、iFR、圧力、流れ、IVUSおよびOCTから成るモダリティの群から選択された第1のモダリティに対応する医療データの参照セットを受信し、
ナビゲーション・コマンドを受信し、
前記ナビゲーション・コマンドにより指定された前記参照セットのサブセットに関する強調を実行し、
表示のために前記強調されたサブセットを提供する
ためのものである、装置。
(発明37)
前記ナビゲーション・コマンドは、第2のモダリティに対応する医療データの追加のセットを指定し、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、発明36に記載の装置。
(発明38)
前記ナビゲーション・コマンドの前記受信のための前記命令は、
第2のタッチベースの入力と同時の第1のタッチベースの入力を示すユーザ入力シーケンスを受信し、
前記ユーザ入力シーケンスを前記ナビゲーション・コマンドに翻訳し、前記ナビゲーション・コマンドは、前記第1のタッチベースの入力に対応するサブセットに対する第1の境界と前記第2のタッチベースの入力に対応するサブセットに対する第2の境界とを指定する
ための命令を含む、発明36に記載の装置。
(発明39)
前記命令は、前記ナビゲーション・コマンドに基づいて前記参照セットの表示のための更新を提供する命令をさらに含む、発明36に記載の装置。
(発明40)
前記表示の前記更新は、前記サブセットの境界の表現を含む、発明39に記載の装置。
(発明41)
前記表示の前記更新は、ブックマーク位置を表すアイコンを含む、発明39に記載の装置。
(発明42)
前記命令は、前記強調の前記実行のトランザクション記録を記憶することをさらに含み、前記トランザクション記録は、以前の状態を回復させて、媒体データの後続のセットに、以前のデータ・セット、領域選択、強調およびパラメータのうち1つ又は複数を適用するように構成されたブックマークを含む、発明36に記載の装置。
(発明43)
前記強調を実行する命令は、前記サブセットに一軸ズームを実行する命令を含む、発明36に記載の装置。
(発明44)
医療データの参照セットを受信するように構成された医療データ・インタフェースであって、前記医療データは、FFR、iFR、圧力、流れ、IVUSおよびOCTから成るモダリティの群から選択された第1のモダリティに対応する、医療データ・インタフェースと、
コントローラからナビゲーション・コマンドを受信し、
前記ナビゲーション・コマンドに基づいて実行する強調を特定し、
前記ナビゲーション・コマンドに基づいて強調する前記医療データの参照セットのサブセットを特定し、
前記特定されたサブセットに前記特定された強調を実行し、
表示のために前記強調されたサブセットを提供する
ように構成されたナビゲータ・エンジンと
を備えた医療処理システム。
(発明45)
前記ナビゲーション・コマンドは、第2のモダリティに対応する医療データの追加のセットを指定し、前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる、発明44に記載のシステム。
(発明46)
第2のタッチベースの入力と同時の第1のタッチベースの入力を示すユーザ入力シーケンスを受信し、
前記第1のタッチベースの入力に対応する第1の境界と前記第2のタッチベースの入力に対応する第2の境界とを有する前記サブセットのための領域を指定するナビゲーション・コマンドに前記ユーザ入力シーケンスを翻訳する
ように構成されたジェスチャ認識モジュールをさらに備える、発明44に記載のシステム。
(発明47)
前記ナビゲータ・エンジンは、前記ナビゲーション・コマンドに基づいて前記医療データの参照セットの表示のための更新を提供するようにさらに構成される、発明44に記載のシステム。
(発明48)
前記更新は前記サブセットの境界の提示を含む、発明47に記載のシステム。
(発明49)
前記更新はブックマーク位置を表すアイコンを含む、発明47に記載のシステム。
(発明50)
電子データベースをさらに備え、前記ナビゲータ・エンジンは、前記電子データベースに特定された強調のトランザクション記録を記憶するようにさらに構成された、発明44に記載のシステム。
(発明51)
前記トランザクション記録は、以前の状態を回復させて、媒体データの後続のセットに、以前のデータ・セット、領域選択、強調およびパラメータのうち1つ又は複数を適用するように構成されたブックマークを含む、発明50に記載のシステム。
(発明52)
前記ナビゲータ・エンジンは、前記サブセットに一軸ズームを実行するようにさらに構成される、発明44に記載のシステム。
(発明53)
医療処理システムでユーザ入力を解釈する方法であって、
前記医療処理システムの操作モードに対応する状態指示子を受信する段階であって、前記操作モードは、IVUS、OCT、圧力および流れから成るモダリティの群から選択されるモダリティを表す値を含む、段階、
前記受信された状態指示子に基づいて複数のアクティブ・コマンドのリストを生成する段階、
1つまたは複数のユーザ入力装置からユーザ入力シーケンスを受信する段階、
前記医療処理システムにより、前記複数のアクティブ・コマンドのリストの内のコマンドに前記ユーザ入力シーケンスを相互に関係付ける段階、ならびに
前記医療処理システムのコンポーネントの操作を制御する前記コマンドを使用する段階
を備える方法。
(発明54)
前記複数のアクティブ・コマンドのリストは、診療測定に関連する複数のコマンドを含む、発明53に記載の方法。
(発明55)
前記診療測定は、長さ、面積および体積から成る群から選択される1つまたは複数の測定を含む、発明54に記載の方法。
(発明56)
前記診療測定は、血流予備量比および冠血流予備能から成る群から選択される1つまたは複数の測定を含む、発明54に記載の方法。
(発明57)
前記複数のアクティブ・コマンドのリストは、複数のモダリティに共通のコマンドのサブセットを含む、発明53に記載の方法。
(発明58)
前記医療処理システムの前記コンポーネントの前記操作を制御する前記コマンドの前記使用の前にユーザ・ディスプレイ装置に前記コマンドの視覚表現を表示する段階をさらに備える、発明53に記載の方法。
(発明59)
前記医療処理システムの前記コンポーネントの前記操作を制御する前記コマンドの前記使用の前に前記ユーザ入力装置から前記表示されたコマンドの確認を受信する段階をさらに備える、発明58に記載の方法。
(発明60)
前記複数のアクティブ・コマンドのリストを前記生成する段階は、前記受信された状態指示子に基づいて電子データベースに問い合わせする段階を含む、発明53に記載の方法。
(発明61)
前記ユーザ入力シーケンスの要素に基づいて前記コマンドのパラメータを決定する段階をさらに備える、発明53に記載の方法。
(発明62)
医療処理システムを制御する方法であって、
ユーザ・ディスプレイ装置に医療データを表示する段階であって、前記医療データは前記医療処理システムのアクティブ・モダリティに対応し、前記アクティブ・モダリティは前記医療処理システムの複数のモダリティから選択される、段階、
前記アクティブ・モダリティに基づいてアクティブ・コマンドのリストを決定する段階、
前記医療処理システムにより、1つまたは複数のユーザ・ディスプレイ装置からユーザ入力シーケンスを受信する段階であって、前記ユーザ入力シーケンスは前記表示された医療データに応答してユーザにより提供される、段階、
前記アクティブ・コマンドのリストから選択されたコマンドに前記ユーザ入力シーケンスを適合させる段階、および
前記医療処理システムのコンポーネントの操作を制御する前記選択されたコマンドを使用する段階
を備える方法。
(発明63)
前記アクティブ・コマンドのリストは、前記複数のモダリティの少なくとも2つのモダリティに共通のコマンドのサブセットを含む、発明62に記載の方法。
(発明64)
前記医療処理システムのコンポーネントの操作を制御する前記選択されたコマンドを前記使用する段階の前に、前記ユーザ・ディスプレイ装置に前記選択されたコマンドの視覚表現を表示する段階をさらに備える、発明62に記載の方法。
(発明65)
前記アクティブ・コマンドのリストを前記決定する段階は電子データベースに問い合わせる段階を含む、発明62に記載の方法。
(発明66)
前記選択されたコマンドは測定コマンドである、発明62に記載の方法。
(発明67)
前記測定コマンドは、長さ、面積および体積から成る群から選択される1つまたは複数の測定に対応する、発明66に記載の方法。
(発明68)
前記測定コマンドは、血流予備量比および冠血流予備能から成る群から選択される1つまたは複数の測定に対応する、発明66に記載の方法。
(発明69)
少なくとも1つのコンピュータ・プロセッサが実行する複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える装置であって、前記命令は、
医療処理システムの操作モードを決定し、前記操作モードは前記医療処理システムのモダリティに対応し、
前記操作モードに基づいてアクティブ・コマンドのリストを生成し、
1つまたは複数のユーザ入力装置からユーザ入力シーケンスを受信し、
前記アクティブ・コマンドのリストのコマンドに前記ユーザ入力シーケンスを相互に関係付け、
前記医療処理システムの挙動を制御するコマンドを用いる
ためのものである、装置。
(発明70)
前記モダリティは、IVUS、OCT、圧力および流れから成る群から選択される、発明69に記載の装置。
(発明71)
前記アクティブ・コマンドのリストは、前記医療処理システムの少なくとも2つのモダリティに共通のコマンドのサブセットを含む、発明69に記載の装置。
(発明72)
前記命令は、前記医療処理システムの前記挙動を制御する前記コマンドを用いる前に、ユーザ・ディスプレイ装置に前記コマンドの視覚表現を表示する命令をさらに含む、発明69に記載の装置。
(発明73)
前記アクティブ・コマンドのリストを生成するための命令は、電子データベースに問い合わせする命令を含む、発明69に記載の装置。
(発明74)
前記命令は、前記ユーザ入力シーケンスの要素に基づいて前記コマンドのパラメータを指定する命令をさらに含む、発明69に記載の装置。
(発明75)
前記コマンドは測定コマンドである、発明69に記載の装置。
(発明76)
前記測定コマンドは、長さ、面積および体積から成る群から選択される1つまたは複数の測定に対応する、発明75に記載の装置。
(発明77)
前記測定コマンドは、血流予備量比および冠血流予備能から成る群から選択される1つまたは複数の測定に対応する、発明75に記載の装置。
(発明78)
医療処理システムにおけるラベル付け方法であって、
前記医療処理システムによりラベル付けされる医療データを受信する段階、
ディスプレイ装置で前記医療データに対応する第1のラベルのセットを提示する段階、
インタフェース装置から、前記第1のラベルのセットからの第1のラベルの選択を受信する段階、
前記ディスプレイ装置で前記医療データに対応する第2のラベルのセットを提示する段階であって、前記第2のラベルのセットは前記第1のラベルに基づく、段階、
前記インタフェース装置から、前記第2のラベルのセットからの第2のラベルの選択を受信する段階、および
前記第1のラベルおよび前記第2のラベルに基づいて前記医療データをラベル付けする段階
を備える方法。
(発明79)
再開コマンドが受信されるまで、前記ラベル付け方法を中断するコマンドを前記インタフェース装置から受信する段階、および
前記ラベル付け方法を再開するコマンドを前記インタフェース装置から受信する段階
をさらに備える、発明78に記載の方法。
(発明80)
前記第2のラベルのセットは、前記医療データに対応するモダリティにさらに基づく、発明78に記載の方法。
(発明81)
前記第2のラベルのセットは、手続きの操作可能なコース、患者識別、患者人口動態統計および患者の病歴の少なくとも一にさらに基づく、発明78に記載の方法。
(発明82)
前記ラベルの目標セットは、前記第2のラベルの前記選択を前記受信する段階の前に、前記第2のラベルのセットからの値を予め選択する段階を含む、発明78に記載の方法。
(発明83)
前記予め選択された値は、システム・デフォルト、ユーザ嗜好、手続きの操作可能なコース、患者識別、患者人口動態統計および患者の病歴の少なくとも一にさらに基づいて決定される、発明82に記載の方法。
(発明84)
前記第2のラベルの前記選択は前記予め選択された値を無効にする、発明82に記載の方法。
(発明85)
マルチモダリティ医療処理システムにおける索引付け方法であって、
前記マルチモダリティ医療処理システムによりモダリティに対応する医療データを受信する段階、
前記モダリティに基づいてラベルのセットをポピュレートする段階、
ユーザに対して前記ラベルのセットを提示する段階、
前記提示されたラベルのセットに基づいてユーザ入力を受信する段階、
前記受信されたユーザ入力に基づいて前記医療データにラベルを割り当てる段階、および
前記割り当てられたラベルに基づいて前記ラベル付けされた医療データが索引付されるように、前記ラベル付けされた医療データを記憶する段階
を備える方法。
(発明86)
前記ラベルのセットは、前記マルチモダリティ医療処理システムにより受信された追加の医療データに基づいてさらにポピュレートされる、発明85に記載の方法。
(発明87)
前記モダリティは第1のモダリティであり、
前記追加の医療データは第2のモダリティに対応し、
前記第2のモダリティは前記第1のモダリティとは異なる
発明86に記載の方法。
(発明88)
前記ラベルのセットは、手続きの操作可能なコース、患者識別、患者人口動態統計および患者の病歴の少なくとも一に基づいてさらにポピュレートされる、発明85に記載の方法。
(発明89)
前記ユーザ入力は、前記ラベルのセット内に含まれる選択された値を指定する、発明85に記載の方法。
(発明90)
前記ユーザ入力は、前記ラベルのセット内に含まれない選択された値を指定する、発明85に記載の方法。
(発明91)
前記ラベルのセットの値は、前記ユーザ入力の前記受信する段階の前に予め選択される、発明85に記載の方法。
(発明92)
前記受信されたユーザ入力は、前記ラベルのセットからの前記予め選択された値を無効にする、発明91に記載の方法。
(発明93)
データ処理システムにおいてデータをラベル付けする方法であって、
前記データ処理システムによりラベル付けされる医療データを受信する段階、
第1のデータベースから手続き情報を取り出す段階、
第2のデータベースから前記医療データのためのラベルのセットを取り出す段階であって、前記ラベルのセットは前記手続き情報に基づく、段階、
ユーザ・ディスプレイでユーザに前記ラベルのセットを提示する段階、
ユーザ・インタフェースからの前記提示されたラベルのセットに基づいてユーザ入力を受信する段階、および
前記受信されたユーザ入力に基づいて前記医療データに最終的なラベルを割り当てる段階
を備える方法。
(発明94)
前記ラベルのセットは、医療データの以前のセットに適用された以前のラベルにさらに基づく、発明93に記載の方法。
(発明95)
前記ラベルのセットは、前記医療データのために選択された以前のラベルにさらに基づく、発明93に記載の方法。
(発明96)
前記ユーザ入力は、前記ラベルのセット内に含まれる選択された値を含む、発明93に記載の方法。
(発明97)
前記ユーザ入力は、前記ラベルのセット内に含まれない選択された値を含む、発明93に記載の方法。
(発明98)
前記ラベルのセットを提示する段階は、前記ユーザ入力の前記受信する段階の前に、前記ラベルのセットから値を予め選択する段階を含む、発明93に記載の方法。
(発明99)
前記受信されたユーザ入力は、前記ラベルのセットからの前記予め選択された値を無効にする、発明98に記載の方法。