以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6の内部に設けられた第1始動入賞口6Aや第2始動入賞口6B、あるいは普通可変入賞球装置6Fに設けられた第3始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口6Bまたは第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6が設けられている。例えば普通入賞球装置6は、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる進入通路を形成する。この進入通路の下方には、遊技球を左右に振り分ける振分部材が設けられている。振分部材は、進入通路を流下した遊技球を、例えば左右へ交互に振り分けるように構成されていればよい。振分部材の左下方には、第1始動入賞口6Aが設けられている。振分部材の右下方には、第2始動入賞口6Bが設けられている。このように、第1始動入賞口6Aと第2始動入賞口6Bは、遊技領域2における左遊技領域2Bに配置された普通入賞球装置6の内部に設けられている。
なお、普通入賞球装置6の内部において、第1始動入賞口6Aの上方には、遊技球を第1始動入賞口6Aに進入させることなく普通入賞球装置6から排出させる第1アウト口が、遊技盤の盤面上に設けられている。また、普通入賞球装置6の内部において、第2始動入賞口6Bの上方には、遊技球を第2始動入賞口6Bに進入させることなく普通入賞球装置6から排出させる第2アウト口が、遊技盤の盤面上に設けられている。ただし、第1アウト口と第2アウト口はいずれも、玉受部材などを有しておらず、第1始動入賞口6Aや第2始動入賞口6Bに向けて落下する遊技球が第1アウト口や第2アウト口に進入する確率は、進入しない確率に比べて十分に低くなるように形成されていればよい。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Fと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Fは、画像表示装置5の右下方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Fの上方(画像表示装置5の右側方)に設けられている。普通可変入賞球装置6Fは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第3始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Fでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Fでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Fは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第3始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Fが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6や普通可変入賞球装置6Fなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Fが形成する第3始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6の内部に設けられた第1始動入賞口6Aや第2始動入賞口6Bを通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6の内部に設けられた第1始動入賞口6Aに進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通入賞球装置6の内部に設けられた第2始動入賞口6Bに進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。普通可変入賞球装置6Fに形成された第3始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第3始動口スイッチ22Cによって検出される。第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第3始動口スイッチ22Cのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたときに、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bまたは第3始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出されたときに、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第3始動口スイッチ22Cのそれぞれによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bが設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7A、7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bにおける下大入賞口の内部には、特定領域が設けられている。特定領域を通過(進入)した遊技球は、図2に示す特定領域スイッチ24によって検出される。また、特定領域を閉鎖状態と開放状態とに変化させる蓋状の特定開閉部材を設け、閉鎖状態であるときには特定領域を遊技球が通過(進入)できないようにする。すなわち、特定領域が閉鎖状態であるときには、下大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過せずに排出される。このように特定領域を遊技球が通過(進入)しないように制限する特定開閉部材は、蓋状の転動板を構成するものであってもよいし、遊技球を渦状に旋回させて整流するクルーンであってもよい。他の一例として、転動板をシーソーのように回動させ、遊技球が転動面上を揺動するようにしてもよい。
特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6F、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。上皿の下方には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82Bへと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第3始動口スイッチ22C)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、特定領域スイッチ24といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Fを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6の内部に設けられた第1始動入賞口6Aを通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6の内部に設けられた第2始動入賞口6Bを遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Fが形成する第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第3始動口スイッチ22Cによって検出される。第2始動口スイッチ22Bまたは第3始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。なお、普通可変入賞球装置6Fが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第3始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Fの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Fを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態におけるラウンド遊技には、通常開放ラウンドと短期開放ラウンドとがある。通常開放ラウンドでは、上大入賞口または下大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が、比較的に長い時間(例えば29.5秒)となる。短期開放ラウンドでは、大入賞口開放上限時間が比較的に短い時間(例えば0.5秒)となる。すなわち、短期開放ラウンドでは、上大入賞口または下大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態とする大入賞口開放上限時間が、通常開放ラウンドにおける第1時間よりも短い第2時間となる。大当り遊技状態におけるラウンド遊技の全部が通常開放ラウンドとなる大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。大当り遊技状態におけるラウンド遊技の一部または全部が短期開放ラウンドとなる大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。なお、短期開放大当り状態にて短期開放ラウンドが実行される期間以外は、通常開放大当り状態と同様に通常開放ラウンドが実行されるように制御が行われればよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数(上限回数)が、通常開放大当り状態における通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「16」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放大当り状態となる大当り遊技状態は、通常開放大当り状態となる大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも短い第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技で開放状態となった下大入賞口(第1状態となった特別可変入賞球装置7B)に進入した遊技球が、下大入賞口の内部に設けられた特定領域を通過して特定検出スイッチ24によって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、特定領域スイッチ24の設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Fを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Fにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Fを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Fを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技を含む複数回のラウンド遊技が実行される一方で、下大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り遊技状態となる以前に高開放制御が行われていないときに、その大当り遊技状態の終了後には確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Fにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6の内部に設けられた第1始動入賞口6Aに対応する第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。例えば、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通入賞球装置6の内部に設けられた第2始動入賞口6Bに対応する第2始動口スイッチ22Bからの検出信号と、普通可変入賞球装置6Fが形成する第3始動入賞口に対応する第3始動口スイッチ22Cからの検出信号とに基づき、第2始動口スイッチ22Bまたは第3始動口スイッチ22Cがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bまたは第3始動口スイッチ22Cがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。例えば、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口6Bまたは第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に対応する変動特図データとともに、図5に示すような特図保留記憶部151における空きエントリの先頭にセットされることで、保留記憶情報として記憶される(ステップS210)。
図5に示す特図保留記憶部151は、RAM102の所定領域に設けられて、特図ゲームの保留記憶情報を記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、第1始動入賞口6A、第2始動入賞口6B、第3始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104などから抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、それらの記憶数が所定の上限記憶数に達するまで、保留記憶情報として記憶する。特図保留記憶部151における保留記憶情報は、第1特図保留記憶数が「4」に達したときに第1始動入賞口6Aを遊技球が通過(進入)した場合と、第2特図保留記憶数が「4」に達したときに第2始動入賞口6Bまたは第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)した場合に、上限記憶数であると判断される。
この実施の形態では、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームのいずれが保留されているかを示す変動特図データも保留記憶情報に含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151に記憶される。一例として、特図保留記憶部151では、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に対応して、第1特図を用いた特図ゲームが保留されていることを示す「第1」の変動特図データが、遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶される。また、特図保留記憶部151では、第2始動入賞口6Bを遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生や、第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第3始動入賞の発生に対応して、第2特図を用いた特図ゲームが保留されていることを示す「第2」の変動特図データが、遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶される。
なお、第1始動条件の成立に基づき第1特図を用いた特図ゲームが保留されたことに対応する保留記憶情報(第1保留情報)と、第2始動条件の成立に基づき第2特図を用いた特図ゲームが保留されたことに対応する保留記憶情報(第2保留情報)とを、特図保留記憶部151とは別個に設けた保留記憶部にて保留番号と関連付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、変動特図データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する変動特図データ記憶部を設けて、それぞれの保留記憶情報に対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
こうして特図保留記憶部151に記憶された保留記憶情報は、第1特図を用いた特図ゲームの実行または第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様を特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)とするか否かなどを、決定するために用いられる。
図4に示すステップS210の処理に続いて、ステップS209の処理で抽出した始動入賞時の乱数値について判定を行う(ステップS211)。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図6)により、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図8(A))において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定が行われるより前に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、第3始動入賞口)を通過したことによる始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の処理を実行する。こうして、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となるか否かの判定などを、始動入賞タイミングにて行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されることや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告となる予告演出を実行するか否かなどを、決定することができる。
ステップS211の処理による判定が行われた後には、その判定結果などに応じた始動入賞時の演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS212)。この実施の形態では、始動入賞時の演出制御コマンドとして、始動条件成立コマンド、保留記憶数通知コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。始動条件成立コマンドは、第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)と、第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)とのうち、いずれかの始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである。始動条件成立コマンドには、第1始動条件が成立したことを通知する第1始動条件成立コマンドと、第2始動条件が成立したことを通知する第2始動条件成立コマンドとがあればよい。CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動条件成立コマンドを送信するか第2始動条件成立コマンドを送信するかを決定する。第1始動条件成立コマンドを送信するときには、ROM101における第1始動条件成立コマンド送信テーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動条件成立コマンドを送信するための設定を行う。以下、各種の演出制御コマンドを送信する場合にも同様に、ROM101における各種のコマンド送信テーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための設定が行われればよい。
保留記憶数通知コマンドは、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリアにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。保留記憶数通知コマンドには、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドと、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドとがあればよい。第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞口6Bまたは第3始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示が開始されるときに、第1特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信されてもよい。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示が開始されるときに、第2特図保留記憶数の減少を通知するものとして送信されてもよい。
図柄指定コマンドは、始動入賞時に抽出された乱数値(遊技用乱数)の判定結果として、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されるか否かや、大当り種別の判定結果を示す演出制御コマンドである。例えばCPU103は、ステップS211の処理にて、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態(確変制御が行われる確変状態であるか否か)に対応して特図表示結果の決定に用いられるテーブルデータ(特図表示結果決定用データ)を選択する。この特図表示結果決定テーブルにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲は、大当り決定範囲として設定される。その後、ステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り決定範囲とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する。大当り判定範囲内であると判定されたときには、可変表示結果が「大当り」に決定されるときの大当り種別を特定する。例えばCPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値に対応する変動特図(第1特図または第2特図)に応じて大当り種別の決定に用いられるデータ(大当り種別決定用テーブルデータ)を選択する。こうして選択されたデータと、ステップS209の処理により抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを比較することにより、乱数値MR2に基づいて大当り種別がいずれに決定されるかを特定する。このように、乱数値MR1や乱数値MR2を用いた判定結果に応じた図柄指定コマンドが、始動入賞タイミングにて主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
変動カテゴリコマンドは、始動入賞時に抽出された乱数値(遊技用乱数)の判定結果として、変動パターン決定用の乱数値MR3が予め設定された複数のパターン決定範囲のいずれとなるかの判定結果(変動パターンの判定結果)を示す演出制御コマンドである。例えばCPU103は、ステップS211の処理にて、乱数値MR1や乱数値MR2の判定結果などに応じたパターン決定範囲(大当り用またはハズレ用の変動パターン判定閾値)を設定する。その後、ステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、複数のパターン決定範囲とを比較することにより、乱数値MR3がいずれのパターン決定範囲内であるかを判定する。こうしたパターン決定範囲の判定結果に応じた変動カテゴリを示す変動カテゴリコマンドが、始動入賞タイミングにて主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
ステップS212の処理に続いて、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これにより、例えば第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。なお、第2始動口スイッチ22Bと第3始動口スイッチ22Cの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できるように、例えばステップS204〜S212の処理などが繰返し実行されてもよい。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151に記憶されている保留記憶情報の有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
また、特別図柄停止処理では、確変状態や時短状態における各種制御(確変制御、高開放制御など)を終了するか否かの決定が行われる。例えば、大当りフラグがオンである場合に対応して大当り遊技状態に制御されるときには、確変状態と時短状態をいずれも終了することが決定される。このときには、例えば確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変制御や時短制御(高開放制御を含む)を終了するための設定が行われる。大当りフラグがオフである場合には、確変状態や時短状態における可変表示回数(特図ゲームの実行回数)をカウントし、カウント結果に基づいて所定の確変終了条件や時短終了条件が成立したときに、確変状態や時短状態を終了することが決定される。例えば、確変状態における可変表示回数が「200」に達したときに、確変終了条件が成立したとして、確変状態を終了することが決定される。そして、例えば確変フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変状態における確変制御を終了するための設定が行われる。一方、時短状態における可変表示回数が「100」に達したときに、時短終了条件が成立したとして、時短状態を終了することが決定される。そして、例えば時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態における時短制御(高開放制御を含む)を終了するための設定が行われる。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
また、大当り終了処理では、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定や、時短制御(高開放制御を含む)の開始により遊技状態を時短状態とするための設定を行うか否かが決定される。例えば大当り遊技状態における所定のラウンド遊技(確変アタッカー開放ラウンド)にて開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、下大入賞口の内部に設けられた特定領域を通過したことによる確変制御条件の成立に基づいて、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行うことが決定される。一方、大当り遊技状態にて特定領域を通過した遊技球が検出されなかったことによる確変制御条件の不成立に基づいて、時短制御の開始により遊技状態を時短状態とするための設定を行う。
確変制御条件が成立した場合に、例えばROM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた確変カウンタに所定のカウント初期値(例えば「200」)を設定することで、確変制御を開始して遊技状態を確変状態とするための設定が行われればよい。確変カウンタは、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントする。大当り終了処理で確変カウンタに設定されるカウント初期値は、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数となる。こうして、確変制御条件の成立に基づいて、大当り遊技状態の終了後には、特図ゲームの実行回数が確変中特定回数に達することを限度として、確変制御を行う確変状態となる。
確変制御条件が不成立の場合に、例えばROM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定することで、時短制御を開始して遊技状態を時短状態とするための設定が行われればよい。時短カウンタは、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントする。大当り終了処理で時短カウンタに設定されるカウント初期値は、時短制御が行われる特図ゲームの上限回数となる。こうして、確変制御条件の不成立に基づいて、大当り遊技状態の終了後には、特図ゲームの実行回数が時短中特定回数に達することを限度として、時短制御を行う時短状態となる。
図6は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。合計保留記憶数カウント値は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数(第1特図保留記憶数)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数(第2特図保留記憶数)との合計値である。合計保留記憶数カウント値が「0」以外である場合には(ステップS231;No)、特図ゲームの実行が保留されていることから、開始条件の成立時に対応した乱数値(遊技用乱数)の読出しに伴う各種の設定を行う(ステップS232)。
例えば、ステップS232の処理では、特図保留記憶部151の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている保留記憶情報として、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ、さらには変動特図データを、それぞれ読み出す。このとき読み出された各種データは、例えば変動用データバッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。ステップS232の処理で特図保留記憶部151から変動特図データが読み出されることに対応して、特図ゲームにおける可変表示を開始するための開始条件が成立する。例えば、「第1」の変動特図データが読み出されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにて可変表示を開始するための第1開始条件が成立する。一方、「第2」の変動特図データが読み出されたときには、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにて可変表示を開始するための第2開始条件が成立する。
また、ステップS232の処理では、変動特図データに対応した保留記憶数カウント値を1減算して更新するとともに、特図保留記憶部151における記憶内容をシフトさせる。例えば、変動特図データが「第1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1減算する一方で、変動特図データが「第2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1減算する。こうして、第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する一方、第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する。このときには、合計保留記憶数カウント値を1減算することで、合計保留記憶数を1減算させるように更新する。特図保留記憶部151では、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す数値データや変動特図データを、1エントリずつ上位にシフトさせる。
ステップS232の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS233)。一例として、ステップS233の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用データバッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図7(A)は、ステップS233の処理による特図表示結果の決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。特図表示結果を「大当り」とすることに決定された場合には、その特図表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたことになる。特図表示結果を「ハズレ」とすることに決定された場合には、その特図表示結果に基づいて大当り遊技状態には制御しないと決定されたことになる。
その後、ステップS233の処理にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS234)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS234;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS235)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS236)。一例として、ステップS236の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図データに示される変動特図などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用データバッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データや変動特図データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図7(B)は、ステップS236の処理による大当り種別の決定例を示している。この実施の形態では、複数の大当り種別として、「通常開放」、「短期開放A」、「短期開放B」の大当り種別が、予め設けられている。図7(C)は、それぞれの大当り種別におけるラウンド遊技の設定例を示している。図7(C)に示すように、大当り種別が「通常開放」の場合には、大当り遊技状態における初回の第1ラウンド(1R)から最終回の第16ラウンド(16R)まで、すべて通常開放ラウンドとしてのラウンド遊技が実行される。大当り種別が「短期開放A」の場合には、大当り遊技状態における初回の第1ラウンド(1R)から第12ラウンド(12R)まで短期開放ラウンドが実行され、その後に第13ラウンド(13R)から第16ラウンド(16R)まで通常開放ラウンドが実行される。大当り種別が「短期開放B」の場合には、大当り遊技状態における初回の第1ラウンド(1R)および第2ラウンド(2R)で通常開放ラウンドが実行され、その後に第3ラウンド(3R)から第16ラウンド(16R)まで短期開放ラウンドが実行される。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「2」となる第2ラウンド(2R)で、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「2」以外となる第1ラウンド(1R)および第3ラウンド(3R)から第16ラウンド(16R)までは、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。下大入賞口を開放状態とする第2ラウンド(2R)のラウンド遊技は、確変アタッカー開放ラウンドともいう。
特別可変入賞球装置7Bにおける下大入賞口の内部に設けられた特定領域は、確変アタッカー開放ラウンドにて下大入賞口が閉鎖状態から開放状態に変化した後、所定の特定開放待機時間(例えば2.0秒)が経過したタイミングで、特定開閉部材により閉鎖状態から開放状態へと変化する。ここで、特定開放待機時間は、短期開放ラウンドにて大入賞口開放上限時間が経過するまでに下大入賞口へと進入した遊技球が、特定領域を通過可能な時間よりも長い時間に設定されている。したがって、短期開放ラウンドにて下大入賞口が開放状態となった場合には、たとえ下大入賞口に遊技球が進入しても特定領域を通過(進入)させることができず、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件を成立させることができない。
図7(C)に示す設定例では、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」である場合に、確変アタッカー開放ラウンドである第2ラウンド(2R)が通常開放ラウンドとなり、下大入賞口が開放状態に変化してから特定領域が開放状態となった後にもラウンド遊技を実行することができる。一方、大当り種別が「短期開放A」である場合には、確変アタッカー開放ラウンドである第2ラウンド(2R)が短期開放ラウンドとなり、下大入賞口が開放状態に変化してから特定領域が開放状態となるより前に、下大入賞口が開放状態から閉鎖状態に戻ってラウンド遊技が終了してしまう。したがって、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」である場合には特定領域に遊技球を通過(進入)させて確変制御条件を成立させることができる一方、大当り種別が「短期開放A」である場合には特定領域に遊技球を通過(進入)させられず確変制御条件を成立させることができない。
以下では、大当り種別が「短期開放A」または「短期開放B」である場合を、可変表示結果が「短期開放大当り」であるともいう。一方、大当り種別が「通常開放」である場合は、可変表示結果が「通常開放大当り」であるともいう。
図7(B)に示す大当り種別の決定例では、「第1」の変動特図データに対応して変動特図が第1特図である場合と、「第2」の変動特図データに対応して変動特図が第2特図である場合とに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合、大当り種別が「通常開放」に決定される割合は、大当り種別が「短期開放A」に決定される割合よりも十分に低くなる。また、変動特図が第1特図である場合には、変動特図が第2特図である場合よりも十分に低い割合で、大当り種別が「通常開放」に決定される。変動特図が第2特図である場合、大当り種別が「通常開放」に決定される割合は、大当り種別が「短期開放B」に決定される割合よりも高くなる。変動特図が第1特図である場合には大当り種別が「短期開放B」に決定されることがなく、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「短期開放A」に決定されることがない。
このように、第1開始条件の成立に基づいて変動特図が第1特図である場合に、特図表示結果が「大当り」に決定されたときは、遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放A」が高い割合で決定され、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」が低い割合で決定される。一方、第2開始条件の成立に基づいて変動特図が第2特図である場合に、特図表示結果が「大当り」に決定されたときは、遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放B」が低い割合で決定され、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」が高い割合で決定される。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、複数の大当り遊技状態のうちで遊技者にとって有利度の低い大当り遊技状態に決定される。
こうして、図6に示すステップS236の処理では、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別が「短期開放A」の大当り遊技状態と、大当り種別が「短期開放A」よりも有利度の高い「通常開放」の大当り遊技状態とのうちいずれに制御するかを決定する。また、ステップS236の処理では、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別が「短期開放B」の大当り遊技状態と、大当り種別が「短期開放B」よりも有利度の高い「通常開放」の大当り遊技状態とのうちいずれに制御するかを決定する。その後、大当り種別を記憶させる(ステップS237)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS234にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS234;No)、ステップS237の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS238)。一例として、ステップS234にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS234にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS236における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS238の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS239)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS239にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS231にて合計保留記憶数カウント値が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS240)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図8(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して用意されたパターンは、「ハズレ変動パターン」ともいう。また、ハズレ変動パターンのうちで、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならない場合に対応する変動パターンは「非リーチ変動パターン」とも称され、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合に対応する変動パターンは「リーチ変動パターン」とも称される。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して用意された変動パターンは、「大当り変動パターン」ともいう。
リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上で停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、ノーマルロング、スーパーA、スーパーBといった複数種類のリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルまたはノーマルロングのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかは、図8(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262またはステップS263の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示において複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかを決定できる。
飾り図柄の可変表示が開始された後には、例えば可変表示態様がリーチ態様となるより前に、メーター演出が実行されることがある。メーター演出は、例えば画像表示装置5の画面上におけるメーター画像の表示態様を、所定態様から変化させ、特定態様(例えばメーターが満タンの状態)まで変化すると、メーター画像とは異なる演出画像の表示などによる所定演出(第2演出)が実行される。なお、メーター演出では、メーター画像の表示態様が特定態様まで変化せず、所定演出(第2演出)が実行されずに終了することもある。第2演出となる所定演出が実行されたときには、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることが確定してもよい。
図8(B)に示す複数の変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間が予め定められている。特図変動時間は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出されるまでの所要時間である。また、飾り図柄の可変表示は、特図ゲームと同期して行われる。したがって、特図変動時間は、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでの所要時間(飾り図柄の可変表示時間)にも対応している。CPU103は、ステップS262またはステップS263の処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始する開始時から可変表示結果が導出される終了時までの時間である可変表示時間を決定できる。
図9(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。図8(A)に示すステップS262の処理にて、CPU103は、変動用データバッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、予め用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定する。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「短期開放A」、「短期開放B」、「通常開放」のいずれであるかや、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が変動パターンの決定結果に割り当てられている。
図9(A)に示す決定例では、大当り種別が「通常開放」である場合に、変動特図が第1特図であることに応じて変動パターンPA3−3が所定割合(10/100の割合)で決定される一方、変動特図が第2特図であることに応じて変動パターンPA3−4と変動パターンPA3−5が所定割合(いずれも40/100の割合)で決定される。他方、大当り種別が「通常開放」である場合に、変動特図が第1特図であれば変動パターンPA3−4と変動パターンPA3−5に決定されることがなく、変動特図が第2特図であれば変動パターンPA3−3に決定されることがない。なお、大当り種別が「短期開放A」または「短期開放B」である場合には、変動パターンPA3−3〜変動パターンPA3−5のいずれにも決定されることがない。
図8(B)に示したように、変動パターンPA3−3は、ノーマルのリーチ演出を実行した後にスーパーAのリーチ演出を実行してから大当り組合せの確定飾り図柄(可変表示結果)を導出する変動パターンである。一方、変動パターンPA3−4や変動パターンPA3−5は、ノーマルのリーチ演出を実行した後にスーパーAのリーチ演出を実行し、さらにスーパーBのリーチ演出を実行してから大当り組合せの確定飾り図柄(可変表示結果)を導出する変動パターンである。そして、図9(A)に示すような割合で変動パターンが決定されることで、変動特図が第1特図である場合に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」に決定されたときは、スーパーBのリーチ演出が実行されずに特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される一方、変動特図が第2特図である場合に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」に決定されたときは、スーパーBのリーチ演出が実行された後に特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されることがある。したがって、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、スーパーBのリーチ演出といった、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとは異なるリーチ演出を実行することに決定できる。
また、図9(A)に示す決定例では、大当り種別が「通常開放」である場合に、変動特図が第1特図であることに応じて変動パターンPA3−3に決定される割合は、変動特図が第2特図であることに応じて変動パターンPA3−4や変動パターンPA3−5に決定される割合よりも低くなる。加えて、図7(B)に示したように、変動特図が第1特図であることに応じて大当り種別が「通常開放」に決定される割合は、変動特図が第2特図であることに応じて大当り種別が「通常開放」に決定される割合よりも低くなる。さらに、大当り種別が「通常開放」である場合に、変動特図が第1特図であることに応じて変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2に決定される割合は、変動特図が第2特図であることに応じて変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2に決定される割合よりも高くなる。なお、変動特図が第1特図で大当り種別が「短期開放A」に決定された場合は、変動パターンPA3−1に決定される割合が変動パターンPA3−2に決定される割合よりも高くなる一方、変動特図が第2特図で大当り種別が「短期開放B」に決定された場合は、変動パターンPA3−1に決定される割合が変動パターンPA3−2に決定される割合よりも低くなる。
図8(B)に示したように、変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2に対応する特図変動時間は、変動パターンPA3−3〜変動パターンPA3−5に対応する特図変動時間よりも短い時間に設定されている。これに伴い、リーチ演出の実行時間についても、変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2は、変動パターンPA3−3〜変動パターンPA3−5よりも短い時間に設定されている。また、変動パターンPA3−1に対応する特図変動時間は、変動パターンPA3−2に対応する特図変動時間よりも短い時間に設定されている。これに伴い、リーチ演出の実行時間についても、変動パターンPA3−1は変動パターンPA3−2よりも短い時間に設定されている。さらに、変動パターンPA3−4や変動パターンPA3−5に対応する特図変動時間はいずれも、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3に対応するいずれの特図変動時間よりも長い時間に設定されている。したがって、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、短い可変表示時間に決定される。また、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、実行時間の短いリーチ演出を実行することに決定される。
このように、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときと第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとで、例えば大当り種別が「通常開放」の大当り遊技状態といった、複数の大当り遊技状態のうちで同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、変動特図が第1特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときは、変動特図が第2特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときとは異なる割合で、複数のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかが決定される。なお、変動特図が第1特図と第2特図のいずれか一方である場合に決定可能なリーチ演出が、他方の変動特図では決定不能な場合(決定割合が0の場合)も、「異なる割合」でリーチ演出が決定される場合に含まれる。すなわち、同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとは異なる割合で、複数のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかを決定する。
大当り種別が「通常開放」で変動特図が第2特図である場合には、変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2が決定されないように設定してもよい。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも常に短い可変表示時間に決定されてもよい。また、複数の大当り遊技状態のうちで同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも常に短い可変表示時間に決定されてもよい。このように、短い可変表示時間に決定する場合には、常に短い可変表示時間に決定する場合と、高い割合で短い可変表示時間に決定する場合とが含まれてもよい。より一般的に、短い可変表示時間に決定する場合には、平均的な可変表示時間が短くなるように決定することができればよい。複数の大当り種別のうちいずれか1の大当り種別に決定された場合は、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で短い可変表示時間に決定される一方、複数の大当り種別のうち他の大当り種別に決定された場合は、こうした割合での決定が行われないようにしてもよい。
変動パターンに対応して予め定められた特図変動時間を決定することにより短い可変表示時間に決定されてもよいし、同一の変動パターンに決定された場合でも、所定の演出制御コマンドの有無などに応じて、異なる可変表示時間が決定されてもよい。具体的な一例として、変動パターンPA3−1に決定された場合、大当り種別が「通常開放」で変動特図が第1特図であることに対応して、予め用意された変動短縮コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信する。一方、大当り種別が「通常開放」で変動特図が第2特図であるときには、変動短縮コマンドが送信されないように制限する。こうした変動短縮コマンドが送信された場合には、変動パターンPA3−1に対応する特図変動時間20000msを、15000msに短縮することにより、短い可変表示時間を設定すればよい。
図9(A)に示す決定例において、変動特図が第1特図で大当り種別が「短期開放A」に決定された場合は、変動パターンPA3−1を変動パターンPA3−2よりも高い割合で決定し、変動パターンPA3−4や変動パターンPA3−5に決定されることがない。一方、変動特図が第1特図で大当り種別が「通常開放」に決定された場合は、変動特図が第2特図で大当り種別が「通常開放」に決定された場合よりも高い割合で、変動パターンPA3−1や変動パターンPA3−2に決定する。したがって、第1開始条件の成立に基づいて遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放A」に決定されたときは、ノーマルのリーチ演出をノーマルロングのリーチ演出よりも高い割合で実行することに決定し、スーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出は実行しないことに決定する一方、第1開始条件の成立に基づいて遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」に決定されたときは、第2開始条件の成立に基づいて遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」に決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行することに決定するとともに、スーパーAのリーチ演出を実行することに決定する場合もあるが、スーパーBのリーチ演出は実行しないことに決定する。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて有利度の低い大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出をスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出よりも高い割合で実行することに決定する一方、第1開始条件の成立に基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行するとともにスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出を実行しないことに決定する。
スーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出は、ノーマルのリーチ演出が実行された後に、所定の発展演出を経由して実行される。そして、図9(A)に示す割合で変動パターンが決定されることで、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときは、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出のみを実行することに決定する。
図7(C)に示したように、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」である場合には、確変アタッカー開放ラウンドである第2ラウンド(2R)が通常開放ラウンドとなり、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を確変状態とするための確変制御条件を成立させることができる。これに対して、大当り種別が「短期開放A」である場合には、確変アタッカー開放ラウンドが短期開放ラウンドとなり、確変制御条件を成立させることができない。図9(A)に示す決定例では、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定されて確変制御条件が成立可能となるか否かにかかわらず、変動特図が第1特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときは、変動特図が第2特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときよりも高い割合で、短い可変表示時間に決定される。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、その大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されるか否かにかかわらず、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、短い可変表示時間に決定する。なお、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、その大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されるか否かにかかわらず、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも常に短い可変表示時間に決定されてもよい。
図9(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。図8(A)に示すステップS263の処理にて、CPU103は、変動用データバッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、予め用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定する。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図9(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であることに応じて変動パターンPA2−3が所定割合(5/100の割合)で決定される一方、変動特図が第2特図であることに応じて変動パターンPA2−4と変動パターンPA2−5が所定割合(それぞれ3/100、1/100の割合)で決定される。他方、変動特図が第1特図であれば変動パターンPA2−4と変動パターンPA2−5に決定されることがなく、変動特図が第2特図であれば変動パターンPA2−3に決定されることがない。
図8(B)に示したように、変動パターンPA2−3は、ノーマルのリーチ演出を実行した後にスーパーAのリーチ演出を実行してからリーチ組合せの確定飾り図柄(可変表示結果)を導出する変動パターンである。一方、変動パターンPA2−4や変動パターンPA2−5は、ノーマルのリーチ演出を実行した後にスーパーAのリーチ演出を実行し、さらにスーパーBのリーチ演出を実行してからリーチ組合せの確定飾り図柄(可変表示結果)を導出する変動パターンである。そして、図9(A)および(B)に示すような割合で変動パターンが決定されることで、変動特図が第1特図である場合には、特図表示結果が「大当り」と「ハズレ」のいずれに決定されたときでも、スーパーBのリーチ演出が実行されずに特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される一方、変動特図が第2特図である場合に、特図表示結果が「大当り」と「ハズレ」のいずれに決定されたときでも、スーパーBのリーチ演出が実行された後に特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されることがある。したがって、第2開始条件の成立に基づく可変表示では、スーパーBのリーチ演出といった、第1開始条件の成立に基づく可変表示とは異なるリーチ演出を実行することに決定できる。このように、第1開始条件の成立に基づく可変表示では、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかにかかわらず、スーパーBのリーチ演出が実行されないので、可変表示時間を短くすることができるとともに、変動特図が第1特図であることに対応してスーパーBのリーチ演出が実行された場合に可変表示結果が「大当り」にはならないと遊技者が認識することによる遊技興趣の減退を防止できる。
図7(B)および(C)に示したように、変動特図が第1特図である場合には、大当り種別が「通常開放」に決定される割合よりも「短期開放A」に決定される割合が十分に高くなり、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態となる期待感を高めることが困難になる。このような変動特図が第1特図である場合に、可変表示時間が長い時間に設定されると、期待感を高められない演出が長い時間にわたり実行されることになり、遊技に間延びが発生して遊技興趣が低下するおそれがある。そこで、第1開始条件の成立に基づく可変表示では、短い可変表示時間に決定することや、大当り信頼度が高いリーチ演出には決定されにくくする。これにより、第1開始条件の成立に基づく可変表示における興趣低下を防止できる。
図9(B)に示す決定例において、変動パターンPA2−3〜変動パターンPA2−5のいずれかに決定される割合は、変動パターンPA2−1や変動パターンPA2−2、さらには変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−3などに決定される割合よりも低くなる。一方、変動パターンPA2−1や変動パターンPA2−2に決定される割合は、変動パターンPA2−3〜変動パターンPA2−5のいずれかに決定される割合よりも高くなる。そして、図9(A)に示した大当り時変動パターンの決定例も考慮すれば、スーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出が実行されたときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
このように、特図表示結果を「ハズレ」として大当り遊技状態に制御しないことが決定されたときに、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出をスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出よりも高い割合で実行することに決定する一方、例えば大当り種別が「通常開放」の大当り遊技状態といった、複数の大当り遊技状態のうちで同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、変動特図が第1特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときは、変動特図が第2特図である場合に特図表示結果が「大当り」に決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行することに決定される。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときと第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとで同一の大当り遊技状態(大当り種別)に決定された場合であっても、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行してスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出を実行しないことに決定する。
図9(A)に示す決定例では、大当り種別が「通常開放」で変動特図が第2特図であることに応じて変動パターンPA3−5が所定割合(40/100の割合)で決定される。図9(B)に示す決定例では、変動特図が第2特図であることに対応して、変動パターンPA2−5と変動パターンPA1−4が所定割合(いずれも1/100の割合)で決定される。一方、変動特図が第1特図である場合には、変動パターンPA3−5、変動パターンPA2−5、変動パターンPA1−4のいずれにも決定されることがない。
図8(B)に示したように、変動パターンPA3−5、変動パターンPA2−5、変動パターンPA1−4はいずれも、飾り図柄の可変表示中にメーター演出を実行する変動パターンである。したがって、メーター演出は、第2開始条件の成立に基づいて、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」に決定された場合と、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、所定割合で実行することができる。これにより、メーター演出が実行されたときには、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」の大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
図8(A)に示すステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動用データバッファに一時記憶されている変動特図データが「第1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図データが「第2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図データが「第1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図データが「第2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図10は、大当り開放処理として、図3のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理にて大当りフラグがオンであるときにセットされればよい。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。大当り開始時演出待ち時間は、大当り遊技状態の開始に対応して、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理にて大当りフラグがオンであるときに設定されればよい。大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。なお、ラウンドカウンタの格納値であるラウンドカウント値は、例えば図3に示すステップS116の大当り開放後処理が実行されたときに、1加算されるように更新されればよい。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS295)。この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」または「3」〜「16」のいずれかであるときに、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。これにより、ラウンド遊技の実行回数が特定回数以外の「1」(第1ラウンド)または「3」(第3ラウンド)から「16」(第16ラウンド)までのいずれかであるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンドカウント値が「2」であるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「2」(第2ラウンド)となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS295の処理に続いて、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS296)。そして、大入賞口開放上限時間を決定する(ステップS297)。例えばCPU103は、図7(C)に示した大当り種別ごとの通常開放ラウンドと短期開放ラウンドの設定に従って、大入賞口開放上限時間を第1時間(29.5秒)または第1時間よりも短い第2時間(0.5秒)に決定する。
ステップS297の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS298)。このときには、ステップS295の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS299)、大当り開放前処理を終了する。ステップS299にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図11は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理では、まず、先読み予告となる予告演出(先読み予告演出)を実行するか否かなどを決定する先読み予告決定処理(ステップS161)が実行される。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、可変表示中予告演出ともいう)と称される。先読み予告演出として、例えば「チャンスAモード移行」、「チャンスBモード移行」、「メーター変化」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができればよい。先読み予告決定処理を実行した後には、演出プロセスフラグが“0”の場合に可変表示開始待ち処理(ステップS170)を実行し、演出プロセスフラグが“1”の場合に可変表示開始設定処理(ステップS171)を実行し、演出プロセスフラグが“2”の場合に可変表示中演出処理(ステップS172)を実行し、演出プロセスフラグが“3”の場合に可変表示停止処理(ステップS173)を実行し、演出プロセスフラグが“4”の場合に大当り表示処理(ステップS174)を実行し、演出プロセスフラグが“5”の場合に大当り中演出処理(ステップS175)を実行し、演出プロセスフラグが“6”の場合に大当り終了演出処理(ステップS176)を実行する。
「チャンスAモード移行」の先読み予告演出は、パチンコ遊技機1における演出状態を通常時における演出モード(通常演出モード)とは異なる先読み予告モードとしてのチャンスAモードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の画面上における背景画像を、通常演出モードの背景画像とは異なる第1特定表示態様の背景画像に変化させる。これにより、予告対象となる可変表示が第2特図を用いた特図ゲームに対応する場合に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放B」となって短期開放大当り状態に制御される可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、パチンコ遊技機1における演出状態を通常演出モードやチャンスAモードとは異なる先読み予告モードとしてのチャンスBモードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の画面上における背景画像を、通常演出モードやチャンスAモードの背景画像とは異なる第2特定表示態様の背景画像に変化させる。これにより、予告対象となる可変表示が第2特図を用いた特図ゲームに対応する場合に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」となって通常開放大当り状態に制御される可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
「メーター変化」の先読み予告演出は、予告対象となる可変表示に対応してメーター演出が実行されるより前に、画像表示装置5の画面上におけるメーター画像の表示態様を、初期態様から所定態様まで変化させることにより、予告対象となる可変表示が実行されるときにメーター演出が実行されることなどを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の画面上にメーターを表す画像であるメーター画像を表示する。メーター画像は、その表示態様(メーターの貯まり具合)が演出の実行状況などに応じて変化する。「メーター変化」の先読み予告演出では、メーターが満タンになる特定態様よりも前の所定態様(例えばメーターが所定量まで貯まった状態)まで変化する。その後、予告対象となる可変表示中にメーター演出が実行されることで、所定態様から続けてメーター画像の表示態様を変化させる。
図12は、先読み予告決定処理として、図11のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動条件成立コマンド、保留記憶数通知コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。始動入賞時に受信する演出制御コマンドは、例えばコマンド解析処理にて受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより受信判定が行われ、RAM122の所定領域に設けられた始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域に記憶される。始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」から「8」までに対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。始動入賞時の演出制御コマンドを正常に受信できれば、一例として、保留表示番号「1」から「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動条件成立コマンド、保留記憶数通知コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドの順に格納されていくことになる。
ステップS501にて始動入賞時の受信コマンドがない場合には(ステップS501;No)、先読み予告決定処理を終了する。一方、始動入賞時の受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、既に先読み予告演出を実行している先読み予告実行中であるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理では、演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた先読み予告フラグがオンであるときに、先読み予告を実行中であると判定すればよい。先読み予告フラグは、所定の先読み予告となる予告演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
ステップS502にて先読み予告実行中ではないと判定された場合には(ステップS502;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS503)。演出制御用CPU120は、所定の先読み制限条件が成立したか否かの判定を行い、成立したと判定された場合に、先読み予告制限中であると判定すればよい。先読み制限条件は、例えば今回の始動入賞時における受信コマンドよりも先に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」(大当り種別が「短期開放A」以外)となる判定結果などを示す始動入賞時の受信コマンドが始動入賞時コマンドバッファに記憶されている場合に、成立すればよい。
ステップS503にて先読み予告制限中であると判定された場合には(ステップS503;Yes)、例えば始動入賞時コマンドバッファの記憶内容を確認することなどにより、可変表示結果が「大当り」となる可変表示の保留があるか否かを判定する(ステップS504)。このとき、可変表示結果が「大当り」となる可変表示の保留がなければ(ステップS504;No)、先読み予告演出の実行制限を解除する(ステップS505)。
ステップS503にて先読み予告制限中ではないと判定された場合や(ステップS503;No)、ステップS505の処理を実行した後には、例えば始動入賞時コマンドバッファの記憶内容を確認することなどにより、先読み予告演出を実行可能な演出制御コマンドの受信状態などであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理では、例えば始動条件成立コマンド、保留記憶数通知コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドといった始動入賞時の演出制御コマンドを正常に受信できたか否かを判定する。すなわち、これらの演出制御コマンドを予め定められた順番通りに受信できたか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。具体的な一例として、始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「6」の格納領域に、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、始動入賞時コマンドバッファの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数と、保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数は、それぞれ「4」に達すると上限記憶数になる。そのため、合計保留記憶数が「6」の場合に対応する始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「6」の格納領域には、通常であれば、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する保留記憶数通知コマンドが格納されることはない。したがって、始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「6」の格納領域に、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があり、始動入賞時の演出制御コマンドを正常に受信できなかったことになる。
始動入賞時の演出制御コマンドを順番通りに受信できたこと、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
また、ステップS506の処理では、予告対象となる可変表示より前に飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるものが含まれている場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。すなわち、今回の始動入賞時における受信コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている変動カテゴリコマンドなどから、すべて非リーチ変動パターンに決定される場合に、先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
さらに、ステップS506の処理では、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数あるいは合計保留記憶数)が所定数未満(例えば「2」未満など)である場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。例えば合計保留記憶数が「1」であるときには、予告対象となる可変表示の他に保留記憶されている可変表示がない。したがって、始動入賞が発生した後に新たな可変表示の実行に伴って先読み予告演出が開始される場合に、このような先読み予告演出を予告対象となる可変表示の開始よりも前に実行できないと判断すればよい。なお、始動入賞が発生すれば直ちに実行を開始できる先読み予告演出については、特図保留記憶数によらず先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS506にて先読み予告演出を実行可能であると判定された場合には(ステップS506;Yes)、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択する(ステップS507)。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告を実行しない場合に対応する「予告なし」の決定結果や、先読み予告を実行する場合における「チャンスAモード移行」、「チャンスBモード移行」、「メーター変化」といった複数の先読み予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無および先読み予告種別といった、先読み予告演出の演出態様を決定する(ステップS508)。
図13は、ステップS507の処理による先読み予告決定テーブルの選択例を示している。この実施の形態では、複数の先読み予告決定テーブルとして、先読み予告決定テーブルTB1〜先読み予告決定テーブルTB3が、予め用意されている。図13に示す先読み予告決定テーブルの選択例では、メーター演出の有無や成立した始動条件(第1始動条件または第2始動条件)に応じて、先読み予告決定テーブルTB1〜先読み予告決定テーブルTB3のいずれかを選択する。より具体的に、メーター演出を実行しない場合のうち、第1始動条件が成立して可変表示結果が「ハズレ」または「短期開放大当り」である場合と、第2始動条件が成立して可変表示結果が「通常開放大当り」である場合には、先読み予告決定テーブルTB1が選択される。メーター演出を実行しない場合のうち、第1始動条件が成立して可変表示結果が「通常開放大当り」である場合と、第2始動条件が成立して可変表示結果が「ハズレ」または「短期開放大当り」である場合には、先読み予告決定テーブルTB2が選択される。メーター演出を実行する場合(第2始動条件が成立の場合のみ)には、先読み予告決定テーブルTB3が選択される。
演出制御用CPU120は、始動入賞時の受信コマンドに含まれる始動条件成立コマンドにより、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定することができる。また、始動入賞時の受信コマンドに含まれる図柄指定コマンドにより、可変表示結果が「ハズレ」、「短期開放大当り」、「通常開放大当り」のいずれであるかを特定することができる。さらに、始動入賞時の受信コマンドに含まれる変動カテゴリコマンドにより、メーター演出を実行するか否かを特定することができる。
図14は、先読み予告決定テーブルTB1〜先読み予告決定テーブルTB3を用いて先読み予告演出の演出態様を決定するときに、決定可能な先読み予告種別を示している。図14(A)に示すように、先読み予告決定テーブルTB1が選択された場合には、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出を実行する先読み予告種別に、所定割合で決定することができる一方、「チャンスBモード移行」や「メーター変化」といった先読み予告種別には決定されない。したがって、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第1特図を用いた特図ゲームが実行されて、可変表示結果が「ハズレ」になる場合もあれば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放A」になる場合、あるいは、予告対象の可変表示にて第2特図を用いた特図ゲームが実行されて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」になる場合もある。
このような設定により、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第2特図を用いた特図ゲームが実行されて、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」の大当り遊技状態に制御される期待感が高められる。すなわち、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときに抽出された乱数値MR1や乱数値MR2を用いた判定結果(入賞時判定結果)に基づいて実行可能な特別示唆演出となる。
図14(B)に示すように、先読み予告決定テーブルTB2が選択された場合には、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出を実行する先読み予告種別に、所定割合で決定することができる一方、「チャンスAモード移行」や「メーター変化」といった先読み予告種別には決定されない。したがって、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第1特図を用いた特図ゲームが実行されて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」になる場合、あるいは、予告対象の可変表示にて第2特図を用いた特図ゲームが実行されて、可変表示結果が「ハズレ」になる場合もあれば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放B」になる場合もある。
このような設定により、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第2特図を用いた特図ゲームが実行されて、遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放B」の大当り遊技状態に制御される可能性がある一方、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」の大当り遊技状態に制御される可能性はない。すなわち、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことに基づいて、有利度の低い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときに実行可能である一方、有利度の高い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには実行されない特殊示唆演出となる。そして、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第1特図を用いた特図ゲームが実行されて、遊技者にとって有利度の高い大当り種別である「通常開放」の大当り遊技状態に制御される可能性がある一方、遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放A」の大当り遊技状態に制御される可能性はない。すなわち、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づいて、有利度の低い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには実行されない一方、有利度の高い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには所定の有利時割合で実行されることになる。
図13に示すように、第1始動条件が成立して可変表示結果が「ハズレ」である場合には図14(A)に示す先読み予告決定テーブルTB1が選択される一方、第2始動条件が成立して可変表示結果が「ハズレ」である場合には図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2が選択される。そして、先読み予告決定テーブルTB1が選択された場合には「チャンスBモード移行」の先読み予告種別には決定されない一方、先読み予告決定テーブルTB2が選択された場合には「チャンスBモード移行」の先読み予告種別に所定割合で決定される。したがって、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づいて特図表示結果が「ハズレ」に決定され大当り遊技状態に制御されないことが判定されたときには実行されない一方、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことに基づいて特図表示結果が「ハズレ」に決定され大当り遊技状態に制御されないことが判定されたときには所定の非特定時割合で実行される。
図7(B)および(C)に示したように、変動特図が第1特図であることに対応して大当り種別が「通常開放」に決定された場合には、変動特図が第2特図であることに対応して大当り種別が「短期開放B」に決定された場合よりも、通常開放ラウンドのラウンド数が多い点などにおいて、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態となる。すなわち、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御されたときには、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことに基づいて有利度の低い大当り遊技状態に制御されたときよりも、遊技者にとって有利度の高い遊技(ラウンド遊技など)が実行される。そして、変動特図が第1特図であることに対応して、大当り種別が「短期開放A」に決定される割合は、大当り種別が「通常開放」に決定される割合よりも高くなる。したがって、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、有利度の低い大当り遊技状態に制御することが、有利度の高い大当り遊技状態に制御することよりも高い割合で決定される。
図14(C)に示すように、先読み予告決定テーブルTB3が選択された場合には、「メーター変化」の先読み予告演出を実行する先読み予告種別に、所定割合で決定することができる一方、「チャンスAモード移行」や「チャンスBモード移行」といった先読み予告種別には決定されない。したがって、「メーター変化」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象の可変表示にて第2特図を用いた特図ゲームが実行されて、メーター演出が実行されることになる。すなわち、「メーター変化」の先読み予告演出が実行されてメーター画像の表示態様が初期態様から所定態様に変化した後には、予告対象となる可変表示が開始され、メーター画像の表示態様を所定態様まで変化させる起因となった入賞時判定結果に対応する可変表示中にメーター演出が実行され、メーター画像の表示態様が所定態様から続けて変化する。
図12に示すステップS508の処理を実行した後には、いずれかの先読み予告演出を実行することに決定されたか否かを判定する(ステップS509)。先読み予告演出を実行することに決定された場合には(ステップS509;Yes)、先読み予告演出の演出態様に応じて、先読み予告演出の実行設定を行う(ステップS510)。ステップS510の処理として、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた先読み予告種別バッファに、先読み予告種別を特定可能に示すデータを記憶させればよい。また、ステップS510の処理として、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の総実行回数を設定する。例えば、「チャンスAモード移行」または「チャンスBモード移行」の先読み予告種別に決定されたときは、合計保留記憶数を先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。これにより、「チャンスAモード移行」や「チャンスBモード移行」の先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が終了するまで、パチンコ遊技機1における演出状態を通常演出モードとは異なるチャンスAモードやチャンスBモードに移行させることができる。一方、「メーター変化」の先読み予告種別に決定されたときは、合計保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。これにより、「メーター変化」の先読み予告演出では、予告対象となる可変表示より1回前に実行される可変表示の終了までに、メーター画像の表示態様を初期態様から所定態様まで変化させることができる。
その後、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリアにおける保留表示を1つ増加させる保留表示更新制御を行う(ステップS511)。一例として、始動入賞記憶エリアには、第1始動条件と第2始動条件のうちいずれの始動条件が成立したかにかかわらず、始動条件が先に成立した特図ゲームから順に左から右へと、表示画像が変更される複数の表示部位が設けられている。ステップS511の処理では、第1始動条件成立コマンドまたは第2始動条件成立コマンドを受信したことに基づいて、例えば通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)に丸形の表示画像を所定の表示色(青色など)で表示させる。
なお、始動入賞記憶表示エリアでは、第1始動条件と第2始動条件のうちいずれの始動条件が成立したかにかかわらず共通の表示態様で、表示部位における表示画像を変更してもよいし、第1始動条件と第2始動条件のうちいずれの始動条件が成立したかに応じて異なる表示態様で、表示部位における表示画像を変更してもよい。
ステップS511の処理に続いて、始動入賞時の受信コマンドに基づいて、大当り種別が「短期開放A」以外の大当り種別(「通常開放」または「短期開放A」)で可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する(ステップS512)。可変表示結果が「ハズレ」または可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放A」に決定されると判定した場合には(ステップS512;No)、先読み予告決定処理を終了する。一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」または「短期開放A」に決定されると判定した場合には(ステップS512;Yes)、先読み予告制限条件が成立したとして、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中とする設定を行う(ステップS513)。
大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」である場合には、図7(C)に示したように、確変アタッカー開放ラウンドとなる第2ラウンド(2R)のラウンド遊技として、通常開放ラウンドが実行される。この場合には、開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過して特定領域スイッチ24によって検出される可能性が高い。特定領域スイッチ24が遊技球を検出して確変制御条件が成立することにより、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態となる。しかしながら、確変アタッカー開放ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入しなかった場合などのように、特定領域を通過した遊技球が検出されない場合もある。そのため、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定される可変表示が保留されている場合には、その可変表示より後に実行される可変表示にて確変制御が行われるか否かが不確定になる。
確変制御が行われるか否かに応じて、可変表示結果が「大当り」に決定される確率は異なるように設定される。確変制御が行われるか否かが不確定である場合には、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することが困難な状態になる。この状態で先読み予告演出を実行してしまうと、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められたにもかかわらず、予告対象となる可変表示における可変表示結果が「大当り」とならない場合が頻発して、先読み予告演出に対する遊技者の不審感が高められてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定される可変表示が保留された場合に、その可変表示より後に実行される可変表示を予告対象とする先読み予告演出が実行されないように制限する。これにより、先読み予告演出に対する遊技者の不審感を抑制して、遊技興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定される可変表示より後に実行される可変表示を予告対象とする先読み予告演出の全部が実行されないように制限するものに限定されず、一部の先読み予告演出が実行されないように制限を設けてもよい。例えば、「チャンスAモード移行」や「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は実行しないように制限する一方、「メーター変化」の先読み予告演出は実行できるようにしてもよい。あるいは、予告対象となる可変表示において大当りとなることを確定的に予告する先読み予告演出は実行しないように制限する一方、所定割合で大当りとなることを予告する先読み予告演出は実行できるようにしてもよい。また、先読み予告演出を実行しないように制限を設けるものに限定されず、遊技者が認識しがたい演出態様で実行されるように制限を設けてもよい。例えば、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像における透明度を高めた半透明表示または表示の大きさを縮小した縮小表示の一方または双方を行うことなどにより、演出画像の視認性を低下させて遊技者が認識しがたい演出態様で先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定される可変表示が保留された後には、確変制御が行われているか否かにかかわらず、確変制御が行われていない場合に用いられる特図表示結果決定テーブルのテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。
図15は、可変表示開始設定処理として、図11のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS521)。ステップS521の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「通常開放大当り」、「短期開放大当り」がある。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合は、特図表示結果が「ハズレ」となり飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」としない。可変表内容が「リーチ(ハズレ)」の場合は、飾り図柄の可変表示態様をリーチとする一方で、特図表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「通常開放大当り」の場合は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」となる。可変表示内容が「短期開放大当り」の場合は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放A」または「短期開放B」となる。
ステップS521の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。一方、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄と「中」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄とを最終停止図柄に決定する。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常開放」の場合に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)数字を示す飾り図柄を最終停止図柄に決定する。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放A」または「短期開放B」の場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄と「中」の飾り図柄表示エリアにて特殊図柄として予め定められた飾り図柄とを最終停止図柄に決定する。特殊図柄は、例えば通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄であればよい。
ステップS521の処理に続いて、先読み予告演出設定処理を実行する(ステップS522)。その後、単独予告演出を決定する(ステップS523)。単独予告演出は、先読み予告演出のような予告対象となる可変表示が開始されるより前に実行が開始される予告演出とは異なり、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出である。次に、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS524)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、パチンコ遊技機1における演出状態(通常演出モードまたはチャンスAモード、チャンスBモード)などに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS522の処理による先読み予告演出の実行設定や、ステップS523の処理による単独予告演出の決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターン(予告演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS524の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS525)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS526)。このときには、例えばステップS524にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS527)、可変表示開始設定処理を終了する。
図16は、先読み予告演出設定処理として、図15のステップS522にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す先読み予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の実行を開始してから予告対象となる可変表示に対応して先読み予告演出の実行を終了するまでの先読み予告実行中であるか否かを判定する(ステップS601)。例えば、演出制御用CPU120は、先読み予告種別を特定可能に示すデータが先読み予告種別バッファに記憶されているか否かを確認し、記憶されている場合に先読み予告実行中であると判定すればよい。
ステップS601にて先読み予告実行中ではない場合は(ステップS601;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告実行中である場合には(ステップS601;Yes)、「メーター変化」の先読み予告演出を実行しているか否かを判定する(ステップS602)。「メーター変化」の先読み予告演出を実行していない場合には(ステップS602;No)、「チャンスAモード移行」や「チャンスBモード移行」の先読み予告演出において演出モードの移行が開始されるモード移行開始時であるか否かを判定する(ステップS603)。例えば、演出制御用CPU120は、「チャンスAモード移行」または「チャンスBモード移行」の先読み予告種別を示すデータが先読み予告種別バッファに記憶されている一方、パチンコ遊技機1における現在の演出状態が通常時の通常演出モードである場合に、モード移行開始時であると判定すればよい。
ステップS603にてモード移行開始時であると判定された場合には(ステップS603;Yes)、チャンスAモードやチャンスBモードといった通常時の演出状態とは異なる予告モードに応じた演出を実行するための設定を行う(ステップS604)。例えば、ステップS604の処理では、開始条件が成立した今回の可変表示中に演出モードをチャンスAモードやチャンスBモードへと移行させるための演出パターンを、予め用意された複数パターンのうちいずれかに決定すればよい。
ステップS603にてモード移行開始時ではないと判定された場合には(ステップS603;No)、現在の演出モードがチャンスAモードであるか否かを判定する(ステップS605)。そして、チャンスAモードではないときには(ステップS605;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、チャンスAモードである場合には(ステップS605;Yes)、所定のチャンスアップ演出が実行されたことによるチャンスアップ済みであるか否かを判定する(ステップS606)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられたチャンスアップ完了フラグがオンであるときに、チャンスアップ済みであると判定すればよい。これに対して、チャンスアップ完了フラグがオフであるときには、チャンスアップ済みではないと判定される。チャンスアップ完了フラグは、パチンコ遊技機1における演出状態がチャンスAモードであるときに、所定のチャンスアップ演出が実行されたことに対応して、オン状態にセットされればよい。ステップS606にてチャンスアップ済みであるときには(ステップS606;Yes)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、チャンスアップ済みではない場合には(ステップS606;No)、チャンスアップ演出の有無と演出態様を決定する(ステップS607)。
図17は、ステップS607におけるチャンスアップ演出の決定例を示している。ステップS607の処理では、開始条件の成立に基づく今回の可変表示で特図ゲームに用いられる特別図柄である変動開始特図が、先読み予告演出による予告対象となる可変表示で特図ゲームに用いられる特別図柄である予告対象変動特図と同一であるか否かが判定される。より具体的には、予告対象となる可変表示で第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合に今回の可変表示で第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときと、予告対象となる可変表示で第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合に今回の可変表示で第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、変動開始特図が予告対象変動特図と同一であると判定すればよい。これに対して、予告対象となる可変表示で第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合に今回の可変表示で第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときと、予告対象となる可変表示で第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合に今回の可変表示で第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、変動開始特図が予告対象変動特図と同一ではないと判定すればよい。なお、先読み予告演出による予告対象となる可変表示は、特図ゲームの保留記憶情報が特図保留記憶部151に記憶されていることなどにより、未だ開始条件が成立していない状態であればよい。
図16に示すステップS607の処理にて、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、チャンスアップ演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM121に記憶させるなどして用意されたチャンスアップ演出決定テーブルを参照することにより、チャンスアップ演出の有無や演出態様を決定する。チャンスアップ演出決定テーブルでは、変動開始特図が予告対象変動特図と同一であるか否かの判定結果や、予告対象となる可変表示(予告対象変動)に応じた図柄指定コマンドによる通知内容が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、チャンスアップ演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)がチャンスアップ演出の有無や演出態様の決定結果に割り当てられている。
図17に示す決定例では、変動開始特図が予告対象変動特図と同一ではない場合に、同一である場合よりも高い割合で、チャンスアップ演出CHAまたはチャンスアップ演出CHBとなり、チャンスアップ演出を実行することに決定される。ここで、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときに抽出された乱数値MR1や乱数値MR2を用いた判定結果(入賞時判定結果)に基づいて実行可能な先読み予告演出となっている。そして、予告対象となる可変表示で第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、今回の可変表示で第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときよりも高い割合で、チャンスアップ演出を実行することに決定される。したがって、チャンスアップ演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて実行されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で実行される。
図17に示す決定例では、予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合に、チャンスアップ演出CHBに決定される割合が、チャンスアップ演出を実行しない実行なしに決定される割合や、チャンスアップ演出CHAに決定される割合よりも低くなる。一方、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合に、チャンスアップ演出CHBに決定される割合は、実行なしに決定される割合や、チャンスアップ演出CHAに決定される割合よりも高くなる。したがって、チャンスアップ演出CHBが実行されたときには実行されないときよりも大当り遊技状態に制御される可能性が高くなる。すなわち、チャンスアップ演出CHBは、予告対象となる可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出であって、その予告演出が実行されたときには実行されないときよりも大当り遊技状態に制御される可能性が高くなる予告演出である。さらに、チャンスアップ演出CHBは、変動開始特図が予告対象変動特図と同一ではない場合に、同一である場合よりも高い割合で実行することに決定される。こうして、チャンスアップ演出CHBは、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて実行されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で実行される。
予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合に、チャンスアップ演出CHAに決定される割合は、チャンスアップ演出CHBに決定される割合よりも高くなる。一方、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合に、チャンスアップ演出CHBに決定される割合は、チャンスアップ演出CHAに決定される割合よりも高くなる。したがって、チャンスアップ演出CHBが実行された場合には、チャンスアップ演出CHAよりも大当り遊技状態に制御すると判定された可能性が高くなる。なお、チャンスアップ演出CHAは、予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合に「大当り」である場合よりも高い割合で実行することに決定されるものに限定されず、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合に「ハズレ」である場合よりも高い割合で実行することに決定されてもよい。すなわち、チャンスアップ演出CHAもチャンスアップ演出CHBと同様に、予告対象となる可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出であって、その予告演出が実行されたときには実行されないときよりも大当り遊技状態に制御される可能性が高くなる予告演出であってもよい。そして、チャンスアップ演出CHBは、変動開始特図が予告対象変動特図と同一ではない場合に、同一である場合よりも高い割合で実行することに決定される。こうして、チャンスアップ演出CHBは、チャンスアップ演出CHAよりも大当り遊技状態に制御される可能性が高くなるように設定されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で実行される。
なお、変動開始特図が予告対象変動特図と同一である場合には、常にチャンスアップ演出を実行しないことに決定されてもよい。すなわち、チャンスアップ演出を実行しないことに決定される場合(決定割合が0の場合)に対して、所定割合でチャンスアップ演出を実行することに決定される場合も、「高い割合」でチャンスアップ演出を実行することに決定される場合に含まれる。例えば、チャンスアップ演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて実行されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中に実行される一方、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には実行されないようにしてもよい。変動開始特図が予告対象変動特図と同一である場合には、ステップS607の処理を実行しないように制限してもよい。すなわち、チャンスアップ演出決定テーブルを参照してチャンスアップ演出を実行しないことに決定するものに限定されず、チャンスアップ演出を実行するか否かを決定するための処理が実行されないように制限してもよい。
チャンスアップ演出のうちには、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合に所定割合で実行される一方、予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合には実行されないものが含まれてもよい。このようなチャンスアップ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に制御すると判定されたことが確定的に報知される。あるいは、チャンスアップ演出は、予告対象となる可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出に限定されず、開始条件が成立した可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出であってもよい。例えば、開始条件が成立した可変表示で「大当り」となる場合に「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、チャンスアップ演出を実行することに決定されてもよい。
図16に示すステップS607の処理を実行した後には、チャンスアップ演出を実行しない実行なしに決定されたか否かを判定する(ステップS608)。そして、実行なしに決定された場合には(ステップS608;Yes)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、チャンスアップ演出を実行する場合には(ステップS608;No)、チャンスアップ演出の演出態様に応じて、チャンスアップ演出の実行設定を行う(ステップS609)。ステップS609の処理として、演出制御用CPU120は、チャンスアップ演出CHAやチャンスアップ演出CHBを実行するための演出パターンを、予め用意された複数パターンのうちいずれかに決定すればよい。
ステップS602にて「メーター変化」の先読み予告演出を実行していると判定された場合には(ステップS602;Yes)、画像表示装置5の画面上に表示されているメーター画像の変化量であるメーター変化量が、所定の予告上限変化量に達しているか否かを判定する(ステップS610)。そして、予告上限変化量に達している場合には(ステップS610;Yes)、先読み予告演出設定処理を終了する。予告上限変化量に達していない場合には(ステップS610;No)、メーター変化の有無と変化量を決定する(ステップS611)。
図18は、ステップS611におけるメーター変化の決定例を示している。ステップS611の処理にて、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、メーター変化決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM121に記憶させるなどして用意されたメーター変化決定テーブルを参照することにより、メーター変化の有無や変化量を決定する。メーター変化決定テーブルでは、変動特図や予告対象変動の通知内容に応じて、メーター変化決定用の乱数値と比較される数値(決定値)がメーター変化の有無や変化量の決定結果に割り当てられている。
図18に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、変動特図が第2特図である場合よりも高い割合で、メーター変化の変化量が10MEMまたは20MEMとなり、メーター変化を実行することに決定される。なお、10MEMや20MEMは、メーター画像の表示態様を変化させるときの変化量を示し、20MEMに決定された場合には、10MEMに決定されたときよりも2倍の変化量で、メーター画像の表示態様を変化させる。例えばメーター変化の変化量が100MEMに達したときには満タンとなればよい。「メーター変化」の先読み予告演出は、予告対象となる可変表示中にメーター演出が実行されることに基づいて実行可能な先読み予告演出となっている。メーター演出を実行する変動パターンは、第2開始条件が成立したことに基づいて使用パターンに決定することができる。したがって、「メーター変化」の先読み予告演出では、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づく第1特図や飾り図柄の可変表示中に、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことに基づく第2特図や飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で、メーター画像の表示態様を変化させることになる。さらに、変動特図が第1特図である場合には、変動特図が第2特図である場合よりも高い割合で、メーター変化の変化量が20MEMに決定される。すなわち、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づく第1特図や飾り図柄の可変表示中には、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことに基づく第2特図や飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で、10MEMよりも変化量が多い20MEMまでメーター画像の表示態様を変化させる。
図18に示す決定例において、予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合に、変化量が20MEMに決定される割合は10MEMに決定される割合よりも低くなる。一方、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合に、変化量が20MEMに決定される割合は10MEMに決定に決定される割合よりも高くなる。したがって、予告対象となる可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される場合には、大当り遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で、10MEMよりも変化量が多い20MEMまでメーター画像の表示態様を変化させる。すなわち、「メーター変化」の先読み予告演出を実行する起因となった始動条件の成立に基づく判定結果(入賞時判定結果)に対応する可変表示に基づき大当り遊技状態に制御されるか否かに応じて異なる割合で、複数態様のうちいずれかの態様まで「メーター変化」の先読み予告演出における演出態様を変化させる。
なお、メーター変化の変化量を予告対象変動の通知内容に応じて異なる割合で決定するものに限定されず、例えば図16に示すステップS610の処理における予告上限変化量の設定を、予告対象変動の通知内容に応じて異ならせてもよい。例えば、予告対象変動の通知内容が「ハズレ」である場合には比較的に高い割合で予告上限変化量を「30」に設定する一方、予告対象変動の通知内容が「大当り」である場合には比較的に高い割合で予告上限変化量を「60」に設定する。このようにしても、「メーター変化」の先読み予告演出を実行する起因となった始動条件の成立に基づく判定結果に対応する可変表示に基づき大当り遊技状態に制御されるか否かに応じて異なる割合で、複数態様のうちいずれかの態様まで「メーター変化」の先読み予告演出における演出態様を変化させることができる。
「メーター変化」の先読み予告演出が実行される場合には、可変表示が開始されるごとにメーター変化の有無や変化量を決定するものに限定されず、先読み予告演出の実行が開始されるときに、予告対象となる可変表示までの期間におけるメーター変化の有無や変化量が決定されてもよい。予告対象となる可変表示までの期間におけるメーターの変化量は、メーターが満タンになり特定態様となるより前にメーター画像の表示態様が所定態様となるまで変化させるように設定されればよい。
図16に示すステップS611の処理を実行した後には、メーター画像の表示態様を変化させない変化なしに決定されたか否かを判定する(ステップS612)。そして、変化なしに決定された場合には(ステップS612;Yes)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、メーター変化を実行することに決定された場合には(ステップS612;No)、変化量の決定結果に応じてメーター画像の表示態様を変化させるメーター変化演出の実行設定を行う(ステップS613)。ステップS613の処理として、演出制御用CPU120は、メーター画像の変化量に応じた演出パターンを、予め用意された複数パターンのうちいずれかに決定すればよい。
図19は、図15に示す可変表示開始設定処理でステップS523の処理による単独予告演出の決定例を示している。この実施の形態では、単独予告演出として、例えば「キャラクタ予告」や「ステップアップ予告」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができる。「キャラクタ予告」の単独予告演出では、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタを示す演出画像が表示される。「ステップアップ予告」の単独予告演出では、予め定められた順番に従って第1段階から複数段階(例えば第3段階)まで演出状態を段階的に変化させることができる。一例として、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の種類、数、大きさ、その他の形状、模様もしくは色彩、あるいは、これらの一部または全部を段階的に変化させることで、演出状態を段階的に変化させることができればよい。
図15に示すステップS523の処理にて、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、単独予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM121に記憶させるなどして用意された単独予告演出決定テーブルを参照することにより、単独予告演出の有無や演出態様を決定する。単独予告演出決定テーブルでは、先読み予告演出が実行されているか否かや、変動特図に応じて、単独予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が単独予告演出の有無や演出態様の決定結果に割り当てられている。演出制御用CPU120は、例えば先読み予告種別バッファに、先読み予告種別を特定可能に示すデータが記憶されている場合に、先読み予告演出が実行されていると判定すればよい。
図19に示すように、先読み予告演出が実行されていない実行なしの場合には、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で「キャラクタ予告」または「ステップアップ予告」の単独予告演出を実行することに決定できる。また、先読み予告演出が実行されている実行ありの場合のうち、変動特図が第2特図である場合にも、所定割合で「キャラクタ予告」または「ステップアップ予告」の単独予告演出を実行することができる。これに対して、先読み予告演出が実行されている実行ありの場合のうち、変動特図が第1特図である場合には、「キャラクタ予告」の単独予告演出を実行することに決定される割合が、その他の場合よりも低くなる。また、この場合には、「ステップアップ予告」の単独予告演出を実行しないことに決定される。したがって、例えば「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行されて、演出状態がチャンスAモードに移行しているときに、第1特図を用いた特図ゲームと同期した飾り図柄の可変表示を実行中には、第2特図を用いた特図ゲームと同期した飾り図柄の可変表示を実行中よりも低い割合で、単独予告演出が実行される。また、例えば「メーター変化」の先読み予告演出が実行されているときに、第1特図を用いた特図ゲームと同期した飾り図柄の可変表示を実行中には、第2特図を用いた特図ゲームと同期した飾り図柄の可変表示を実行中よりも低い割合で、単独予告演出が実行される。なお、「ステップアップ予告」の単独予告演出のように、その単独予告演出を実行しないことに決定される場合(決定割合が0の場合)も、「低い割合」で単独予告演出が実行される場合に含まれる。先読み予告演出が実行されている実行ありの場合のうち、変動特図が第1特図である場合には、単独予告演出決定テーブルを参照することなく、単独予告演出が実行されないように制限してもよい。
演出状態がチャンスAモードに移行しているときには、第1開始条件の成立に基づく可変表示中に、第2開始条件の成立に基づく可変表示中よりも低い割合で、単独予告演出が実行される。「チャンスAモード移行」の先読み予告演出を開始した後には、第1開始条件の成立に基づく可変表示中に、第2開始条件の成立に基づく可変表示中よりも高い割合で、チャンスアップ演出が実行される。したがって、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出を開始した後には、第1開始条件の成立に基づく可変表示中に、チャンスアップ演出が実行されやすくなる一方、単独予告演出が実行されにくくなる。例えば、チャンスアップ演出は、第1開始条件の成立に基づく可変表示中に、単独予告演出が実行される割合よりも高い割合で実行されてもよい。
図20は、可変表示中演出処理として、図11に示すステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551の処理にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、先読み予告演出を実行するための先読み予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。先読み予告演出実行期間は、例えば図15に示すステップS524の処理により選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて先読み予告演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、先読み予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図15に示すステップS524の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて先読み予告演出を実行できればよい。
先読み予告演出を実行するための演出動作制御の一例として、「チャンスAモード移行」や「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が開始されるときに、画像表示装置5の画面上における背景画像の表示を変更することなどにより、通常演出モードとは異なる先読み予告モードへと移行することを認識可能にする。また、先読み予告モードに移行することを報知する演出画像を、背景画像とは別個に表示してもよい。あるいは、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、その他の任意の演出装置を用いた演出により、先読み予告モードに移行することを報知してもよい。他の一例として、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行されているときに、チャンスアップ演出に対応した所定の演出画像を画像表示装置5の画面上に表示する。さらに他の一例として、「メーター変化」の先読み予告演出が実行されるときに、画像表示装置5の画面上にメーター画像となる演出画像を表示した後、その表示態様を演出の進行状況に応じて所定態様まで変化させる。
ステップS552にて先読み予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、単独予告演出を実行するための単独予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。単独予告演出実行期間は、例えば図15に示すステップS524の処理により選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にて単独予告演出実行期間であるときには(ステップS554;Yes)、単独予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。
ステップS554にて単独予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ前変動中演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。リーチ前変動中演出実行期間は、例えばメーター演出を伴う変動パターンに対応して図15に示すステップS524の処理により選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS524にてリーチ前変動中演出実行期間であるときには(ステップS556;Yes)、メーター演出や第2演出のようなリーチ前変動中演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS557)。
ステップS556にてリーチ前変動中演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS556;No)、ステップS557の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS558にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS558;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS559)。
ステップS558にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS558;No)、ステップS559の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS560)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS564)。
ステップS564の処理を実行した後には、チャンスAモードやチャンスBモードといった先読み予告モードへの移行を終了するか否かを判定する(ステップS565)。演出制御用CPU120は、先読み予告モードにおける可変表示の実行回数が、先読み予告演出の総実行回数に達したか否かを判定する。先読み予告演出の総実行回数に達していない場合や、先読み予告モードに移行していない場合には、先読み予告モードへの移行を終了しないと判定されて(ステップS565;No)、可変表示中演出処理が終了する。これに対して、先読み予告演出の総実行回数に達したときには、先読み予告モードへの移行を終了すると判定され(ステップS565;Yes)、通常演出モードへの復帰設定を行ってから(ステップS566)、可変表示中演出処理が終了する。ステップS566の処理では、例えば先読み予告種別の記憶を消去させるとともに、先読み予告演出の総実行回数の設定を消去させればよい。
次に、パチンコ遊技機1における演出動作の具体例について説明する。
図21は、「チャンスAモード」の先読み予告演出を実行した後に、チャンスアップ演出が実行される具体例を示している。図21(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数の加算値である合計保留記憶数が「2」となっているものとする。このとき、図21(B)に示すように第2始動入賞口6Bを遊技球が通過(進入)する第2始動入賞が発生した。この第2始動入賞時には、第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたことや(図4に示すステップS204;Yes)、第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されたことなどに基づいて(ステップS205;No)、始動入賞時の乱数値を用いた判定が行われる(ステップS211)。そして、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるとの判定結果や、大当り種別が「通常開放」に決定される乱数値MR2であるとの判定結果に対応して、これらの判定結果を示す図柄指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12へと伝送される(ステップS212)。
演出制御基板12の側にて第2始動条件成立コマンドとともに図柄指定コマンドなどを受信したときには、図12に示すステップS501の処理にて始動入賞時の受信コマンドありと判定される。このとき、先読み予告演出を実行中ではないとの判定結果や(ステップS502;No)、先読み予告演出を実行可能であるとの判定結果などに基づいて(ステップS506;Yes)、先読み予告決定テーブルが選択される(ステップS507)。ステップS507の処理では、メーター演出を実行しない場合のうち第2始動条件の成立に基づいて可変表示結果が「通常開放大当り」に決定される場合に対応して、図14(A)に示す先読み予告決定テーブルTB1が選択され、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出を実行することに決定できる。こうして「チャンスAモード移行」の先読み予告演出を実行することに決定された後、図21(C)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されることで、可変表示が終了する。
続いて、合計保留記憶数が「3」であることに対応して(図6に示すステップS231;No)、新たな可変表示が開始される。このとき、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出によるチャンスAモードへの移行が開始されることに対応して(図16に示すステップS603)、予告モードに応じた演出を実行するための設定を行う(ステップS604)。このような設定に基づいて、飾り図柄の可変表示が開始された後に先読み予告演出実行期間となったときには(図20に示すステップS552;Yes)、演出制御パターンの設定に基づく演出動作制御により(ステップS553)、先読み予告モードとして、例えば図21(D)に示すようなチャンスAモードに移行することを報知してモード移行が開始される。その後、図21(E)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されることで、可変表示が終了する。
次いで、合計保留記憶数が「2」であることに対応して新たな可変表示が開始される。このときには、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行されているとの判定結果や(図16に示すステップS605;Yes)、チャンスアップ済みではないとの判定結果などに基づいて(ステップS606;No)、例えば図17に示すような割合でチャンスアップ演出の有無と演出態様が決定される(ステップS607)。第2始動入賞時における判定結果を示す予告対象変動の通知内容に基づいて、第1開始条件の成立による可変表示が開始されるときには、第2開始条件の成立による可変表示が開始されるときよりも高い割合で、チャンスアップ演出を実行することに決定される。チャンスアップ演出を実行すると決定されたことに基づいて、飾り図柄の可変表示が開始された後に先読み予告演出実行期間となったときには、演出制御パターンの設定に基づく演出動作制御が行われる。これにより、例えば図21(F)に示すようなメッセージMS1を報知するチャンスアップ演出が実行される。その後、図21(G)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されることで、可変表示が終了する。
さらに、合計保留記憶数が「1」であることに対応して、図21(H)に示すように、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示が開始される。この可変表示では、図21(I)に示すように飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、図21(J)に示すような大当り組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されて、可変表示結果が「大当り」となる。
第1開始条件の成立による可変表示では、大当り種別が「通常開放」に決定される割合が低く、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御されることに対する期待感が高められにくい。そこで、第2始動入賞時における判定結果に基づいて、第1開始条件の成立による可変表示中には、第2開始条件の成立による可変表示中よりも高い割合でチャンスアップ演出を実行する。このように、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示中にチャンスアップ演出を実行して大当り遊技状態に制御される可能性の報知を行うことで、予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図22は、「メーター変化」の先読み予告演出を実行した後に、第2演出として対戦報知演出が実行される具体例を示している。この具体例では、図21(A)〜(C)と同様に、図22(A)に示すような飾り図柄の可変表示や、図22(B)に示すような第2始動入賞の発生、図22(C)に示すような最終停止図柄の導出が行われる。ただし、図22に示す具体例では、図22(B)に示す第2始動入賞が発生したときに、図4に示すステップS211の処理にて、メーター演出を実行する変動パターンといった、飾り図柄の可変表示態様が特定態様に決定される乱数値MR3であると判定される。ステップS212の処理などにより、この判定結果を示す変動カテゴリコマンドが、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。これに基づいて、図12に示すステップS507の処理では、メーター演出を実行する場合に対応して先読み予告決定テーブルTB3が選択され、「メーター変化」の先読み予告演出を実行することに決定できる。
「メーター変化」の先読み予告演出を実行することに決定された後、新たな可変表示が開始されるときには、メーター変化量が予告上限変化量に達していないことに基づいて(図16に示すステップS610;No)、例えば図18に示すような割合でメーター変化の有無と変化量が決定される(ステップS611)。第2開始条件の成立による可変表示が開始されるときには、第1開始条件の成立による可変表示が開始されるときよりも高い割合で、変化量が比較的に少ない10MEMに決定される。こうした決定結果に基づいて、飾り図柄の可変表示が開始された後に先読み予告演出実行期間となったときには、演出制御パターンの設定に基づく演出動作制御が行われる。これにより、例えば図22(D)に示すようなメーターMT1の演出画像を表示して、その表示態様を変化させる「メーター変化」の先読み予告演出が開始される。その後、例えば図22(E)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されることで、可変表示が終了する。
次いで、新たな可変表示が開始されるときには、図16に示すステップS611にて、再びメーター変化の有無と変化量が決定される。第1開始条件の成立による可変表示が開始されるときには、第2開始条件の成立による可変表示が開始されるときよりも高い割合で、変化量が比較的に多い20MEMに決定される。こうした決定結果に基づいて、先読み予告演出実行期間となったときには、例えば図22(F)に示すように、メーターMT1に対応する演出画像の表示態様を変化させる。その後、例えば図22(G)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されることで、可変表示が終了する。
さらに、図22(H)に示すように、「メーター変化」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示が開始される。この可変表示では、変動パターンに対応してメーター演出の実行が開始され、前回の可変表示までに変化したメーターMT1に対応する演出画像の表示態様から、続けて演出画像の表示態様を変化させる。そして、例えば図22(I)に示すようにメーターMT1が満タンになる特定態様まで変化すると、例えば図22(J)に示すような演出画像の表示などにより、第2演出となる対戦報知演出が実行される。
メーター演出は第2開始条件の成立による可変表示中に実行されるところ、この可変表示を予告対象とする「メーター変化」の先読み予告演出では、第1開始条件の成立による可変表示中には、第2開始条件の成立による可変表示中よりも高い割合で、10MEMよりも変化量が多い20MEMまでメーターMT1に対応する演出画像の表示態様を変化させる。そして、メーターMT1が満タンになる特定態様まで変化すると第2演出となる対戦報知演出が実行されることから、変化量が多い20MEMとなる場合には、変化量が少ない10MEMとなる場合よりも特定演出が実行される期待感が高められる。このように、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示中に変化量が多い演出態様まで変化させて特定態様が実行される期待感を高めることで、予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図23は、「チャンスBモード」の先読み予告演出を実行した後に、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放B」となる具体例を示している。この具体例では、図21(A)〜(C)や図22(A)〜(C)と同様に、図23(A)に示すような飾り図柄の可変表示や、図22(B)に示すような第2始動入賞の発生、図23(C)に示すような最終停止図柄の導出が行われる。ただし、図23に示す具体例では、図23(B)に示す第2始動入賞が発生したときに、図4に示すステップS211の処理にて、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であると判定されるとともに、大当り種別が「短期開放B」に決定される乱数値MR2であると判定される。ステップS212の処理などにより、この判定結果を示す図柄指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。これに基づいて、図12に示すステップS507の処理では、メーター演出を実行しない場合のうち第2始動条件の成立に基づいて可変表示結果が「短期開放大当り」に決定される場合に対応して、図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2が選択され、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出を実行することに決定できる。
「チャンスBモード移行」の先読み予告演出を実行することに決定された後、新たな可変表示が開始されるときには、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出によるチャンスBモードへの移行が開始されることに対応した設定が行われる。この設定に基づいて、先読み予告演出実行期間では、先読み予告モードとして、例えば図23(D)に示すようなチャンスBモードに移行することを報知してモード移行が開始される。その後、図23(E)〜(G)に示すように可変表示が進行する。そして、図23(H)に示すように、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、図23(I)に示すような特殊図柄を含んだ最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出されて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「短期開放B」となる。これに対応する大当り遊技状態では、図23(J)に示すように、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。
図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2は、図13に示すように、メーター演出を実行しない場合のうち第1始動条件の成立に基づいて可変表示結果が「通常開放大当り」に決定される場合にも選択される。したがって、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後には、第1特図を用いた特図ゲームなどで可変表示結果が「大当り」となり、大当り種別が「通常開放」の大当り遊技状態に制御されることがある。ただし、図7(B)に示すように、変動特図が第1特図の場合には、大当り種別が「通常開放」に決定される割合が低い。これにより、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り種別が「通常開放」の大当り遊技状態に制御される意外性を高めて、通常は先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図8(A)に示すステップS262の処理にて図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定されるとともに、図12に示すステップS507の処理にて図13に示すような設定で先読み予告決定テーブルが選択され、図16に示すステップS607の処理にて図17に示すような割合でチャンスアップ演出が決定され、ステップS611の処理にて図18に示すような割合でメーター変化の有無や変化量が決定され、図15に示すステップS523の処理にて図19に示すような設定で単独予告演出が決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくともいずれか1の設定に基づいて、所定の決定を行うための構成を含むものであればよく、また、少なくともいずれか1の演出を実行可能な構成を含むものであればよい。
上記実施の形態では、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとは異なる割合で、複数のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかを決定するとともに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも短い可変表示時間に決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、このようなリーチ演出を決定するための構成と可変表示時間を決定するための構成の一方のみを含むものであってもよい。具体的な一例として、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとは異なる割合で、複数のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかを決定する一方、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の可変表示時間に決定するものであってもよい。
上記実施の形態では、第1開始条件の成立に基づく可変表示中に、第2開始条件の成立に基づく可変表示中よりも高い割合で、チャンスアップ演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第2開始条件の成立に基づく可変表示中にチャンスアップ演出を実行する場合には、第1開始条件の成立に基づく可変表示中とは異なる制限を設けるようにしてもよい。具体的な一例として、第2開始条件の成立に基づく可変表示中にチャンスアップ演出を実行する場合には、第1開始条件の成立に基づく可変表示中よりも遊技者が認識しがたい演出態様で実行されるように、制限を設けてもよい。例えば、チャンスアップ演出において画像表示装置5の画面上に表示される演出画像における透明度を高めた半透明表示または表示の大きさを縮小した縮小表示の一方または双方を行うことなどにより、演出画像の視認性を低下させて遊技者が認識しがたい演出態様でチャンスアップ演出が実行されるようにしてもよい。その他、スピーカ8L、8Rによる効果音出力の音量を低下させたり、あるいは、演出用模型の動作量を低下させたりすることにより、遊技者が認識しがたい演出態様でチャンスアップ演出が実行されるようにしてもよい。第2開始条件の成立に基づく可変表示中にチャンスアップ演出を実行する場合には、例えばプッシュボタンといった指示入力手段に対する遊技者による所定の指示入力(押下操作など)が検出されたことを条件に、チャンスアップ演出の実行が開始されるように制限を設けてもよい。
「メーター変化」の先読み予告演出やメーター演出で変化させる演出態様は、画像表示装置5の画面上におけるメーター画像の表示態様に限定されず、例えばスピーカ8L、8Rから出力される効果音の多重度(具体的な一例として、合唱曲における音声パートの増加など)や、遊技効果ランプ9やLEDといった点灯する発光体の数、遊技領域2の内部または外部に設けられた複数の演出用模型(可動部材)のうちで揺動などの所定動作を実行させる演出用模型の数といった、任意の演出態様を変化させるものであればよい。
上記実施の形態では、図12に示すステップS507の処理にて図13に示すような設定で先読み予告決定テーブルを選択することにより、メーター演出を実行しない場合のうち、第2始動条件が成立して可変表示結果が「通常開放大当り」である場合には、先読み予告決定テーブルTB1が選択される。したがって、第2始動条件の成立に基づいて遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御されることが決定される場合に、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は実行されないことになる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、大当り種別が「通常開放」であるか「短期開放B」であるかにかかわらず、第2始動条件の成立に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合に実行できるものとしてもよい。
上記実施の形態では、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行されたときに、画像表示装置5の画面上における背景画像を、通常演出モードやチャンスAモードの背景画像とは異なる背景画像に変化させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行されたときに、例えば画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の可変表示結果などが導出(停止表示)される有効ラインの数(有効ライン数)を、通常演出モードやチャンスAモードの有効ライン数とは異ならせるように変化させてもよい。一例として、通常演出モードやチャンスAモードのときには、有効ライン数が「1」となるシングルラインモードである一方、チャンスBモードのときには、有効ライン数が「8」となる8ラインモードに変化するようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1始動条件と第2始動条件のいずれの始動条件が成立したかにかかわらず、始動条件が先に成立した特図ゲームから順に開始条件が成立するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第2始動条件の成立に基づく特図ゲームは、第1始動条件の成立に基づく特図ゲームよりも優先して実行されるように制御してもよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに実行されるステップS266の処理(図8(A)を参照)などにより、1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、各種遊技や演出の決定割合、画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9やLEDなどの発光体における点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば図7(B)に示すように、第1開始条件の成立に基づき変動特図が第1特図である場合には、第2開始条件の成立に基づき変動特図が第2特図である場合とは異なる割合で、「通常開放」または「短期開放A」、「短期開放B」といった複数の大当り種別のいずれかに決定される。そして、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときと第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとで、例えば大当り種別が「通常開放」といった同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、図9(A)に示すように変動特図に応じて異なる割合で変動パターンを決定する。したがって、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときとは異なる割合で、複数のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかを決定する。これにより、大当り遊技状態となる場合の演出が単調になることを抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
例えば図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、実行時間の短いリーチ演出を実行することに決定する。こうして、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じてリーチ演出の実行時間を相違させる。これにより、大当り遊技状態となる場合の演出が単調になることを抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
また、図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出をスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出よりも高い割合で実行することに決定する一方、同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行してスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出を実行しないことに決定する。こうして、第1リーチ演出となるノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出と、第2リーチ演出となるスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出が実行される割合を異ならせる。これにより、大当り遊技状態となる場合の演出が単調になることを抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
さらに、図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、第1開始条件の成立に基づいて有利度の低い大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出をスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出よりも高い割合で実行することに決定する一方、第1開始条件の成立に基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出を実行するとともにスーパーAのリーチ演出やスーパーBのリーチ演出を実行しないことに決定する。すなわち、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態となる場合に第1リーチ演出とあるノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出が実行されやすくなる。これにより、第1リーチ演出が実行された後に大当り遊技状態となる期待感を持たせて、遊技の興趣低下を防止できる。
上記実施の形態において、例えば図7(B)に示すように、第1開始条件の成立に基づき変動特図が第1特図であるときは、第2開始条件の成立に基づき変動特図が第2特図であるときよりも高い割合で、遊技者にとって有利度の低い大当り種別である「短期開放A」の大当り遊技状態に決定する。また、図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも短い可変表示時間に決定する。こうして、第1開始条件が成立したときに第2開始条件が成立したときよりも短い可変表示時間で大当り遊技状態に制御される。これにより、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態となる場合の演出が単調になることを抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
有利度の低い大当り遊技状態となる割合が高い第1開始条件の成立に基づいて、ノーマルのリーチ演出やノーマルロングのリーチ演出といった第1リーチ演出のみが実行されやすくなる。これにより、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態となる場合に間延びの発生を抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、大当り種別が「通常開放」の大当り遊技状態といった、複数の大当り遊技状態のうち同一の大当り遊技状態に決定された場合であっても、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも短い可変表示時間に決定する。こうして、第1開始条件が成立したときに第2開始条件が成立したときよりも短い可変表示時間で同一の大当り遊技状態に制御される。これにより、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態となる場合に間延びの発生を抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
図9(A)に示すような割合で大当り時変動パターンが決定される場合、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときには、その大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されるか否かにかかわらず、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときよりも高い割合で、短い可変表示時間に決定する。すなわち、確変状態に制御される大当り遊技状態となるか否かにかかわらず、有利度の低い大当り遊技状態となる割合が高い第1開始条件の成立に基づいて短い可変表示時間に決定する。これにより、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態となる場合に間延びの発生を抑制して、大当り遊技状態となるときに遊技の興趣低下を防止できる。
図17に示すような割合でチャンスアップ演出が決定される場合、チャンスアップ演出CHBは、予告対象となる可変表示に基づき大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知するとともに、実行されたときには実行されないときよりも大当り遊技状態となに制御される可能性が高くなる。また、チャンスアップ演出CHBは、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて実行されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中に実行される。これにより、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図17に示すような割合でチャンスアップ演出が決定される場合、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で実行される。これにより、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図17に示すような割合でチャンスアップ演出が決定される場合、チャンスアップ演出CHBは、チャンスアップ演出CHAよりも大当り遊技状態に制御される可能性が高くなるように設定されるとともに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも高い割合でチャンスアップ演出CHBを実行する。これにより、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図19に示すような設定で単独予告演出が決定される場合、「チャンスAモード移行」の先読み予告演出が実行されて、演出状態がチャンスAモードに移行しているときに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも低い割合で単独予告演出を実行する。すなわち、第1開始条件の成立に基づく可変表示中にチャンスアップ演出が実行されることに対応して、単独予告演出が実行されにくいように制限を設ける。これにより、チャンスアップ演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
「メーター変化」の先読み予告演出では、図16に示すステップS611の処理における決定結果に基づいて、メーター画像の表示態様を所定態様まで変化させる。その後、「メーター変化」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示では、メーター演出が実行されることで、先読み予告演出で変化させた所定態様から続けてメーター画像の表示態様を変化させる。これにより、例えばメーターが満タンになるといった、特定態様に変化させるまでの演出実行時間を十分に確保して、遊技興趣を向上させることができる。
図18に示すような割合でメーター変化の変化量が決定される場合、「メーター変化」の先読み予告演出を実行する起因となった始動条件の成立に基づく判定結果(入賞時判定結果)に対応する可変表示に基づき大当り遊技状態に制御されるか否かに応じて異なる割合で、複数態様のうちいずれかの態様まで「メーター変化」の先読み予告演出における演出態様を変化させる。これにより、先読み予告演出による予告対象となる可変表示が開始される以前に演出態様が変化することに対する注目度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図18に示すような割合でメーター変化の変化量が決定される場合、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づく第1特図や飾り図柄の可変表示中には、第2始動入賞口6Bを遊技球が通過したことに基づく第2特図や飾り図柄の可変表示中よりも高い割合で、10MEMよりも変化量が多い20MEMまでメーター画像の表示態様を変化させる。これにより、先読み予告演出による予告対象とならない可変表示中にメーター画像の表示態様が変化することに対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
図19に示すような割合で単独予告演出が決定される場合、「メーター変化」の先読み予告演出が実行されているときに、第1開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中には、第2開始条件の成立に基づく飾り図柄の可変表示中よりも低い割合で単独予告演出を実行する。すなわち、メーター画像の表示態様が変化しやすいことなどに対応して、単独予告演出が実行されにくいように制限を設ける。これにより、「メーター変化」の先読み予告演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
図13に示すような設定で図14(A)に示す先読み予告決定テーブルTB1や図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2が選択される場合、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことによる第2始動条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御されることが判定されたときに実行可能である。また、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことによる第1始動条件の成立に基づいて、有利度の低い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには実行されない一方、有利度の高い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには所定の有利時割合で実行される。すなわち、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後に、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御される場合だけでなく第1開始条件の成立に基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御される場合もある。これにより、通常は先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における興趣低下を防止できる。
図13に示すような設定で図14(A)に示す先読み予告決定テーブルTB1や図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2が選択される場合、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づいて特図表示結果が「ハズレ」に決定され大当り遊技状態に制御されないことが判定されたときには実行されない一方、第2始動入賞口6Bを遊技球が通過したことに基づいて特図表示結果が「ハズレ」に決定され大当り遊技状態に制御されないことが判定されたときには所定の非特定時割合で実行される。これにより、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後に有利度の高い大当り遊技状態となる意外性を高めて遊技興趣を向上させることができる。
図7(B)および(C)に示すような設定の場合、第1始動入賞口6Aを遊技球が通過したことに基づいて有利度の高い大当り遊技状態に制御されたときには、第2始動入賞口6Bを遊技球が通過したことに基づいて有利度の低い大当り遊技状態に制御されたときよりも、遊技者にとって有利度の高い遊技が実行される。図13に示すような設定で図14(A)に示す先読み予告決定テーブルTB1や図14(B)に示す先読み予告決定テーブルTB2が選択される場合、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出は、第2始動入賞口6B(または第3始動入賞口)を遊技球が通過したことによる第2始動条件の成立に基づいて、有利度の低い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときに実行可能である一方、有利度の高い大当り遊技状態に制御されることが判定されたときには実行されない。このように、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後に有利度の高い遊技が実行される大当り遊技状態となる場合を設けることで、遊技者の喜悦感や意外性を高めるとともに、通常は先読み予告演出による予告対象とならない可変表示における遊技興趣を向上させることができる。
図7(B)および(C)に示すような設定の場合、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、有利度の低い大当り遊技状態に制御することが、有利度の高い大当り遊技状態に制御することよりも高い割合で決定される。これにより、「チャンスBモード移行」の先読み予告演出が実行された後に有利度の高い大当り遊技状態となる喜悦感や意外性をさらに高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図12に示すステップS512にて大当り種別が「短期開放A」以外の大当り種別で可変表示結果が「大当り」に決定されると判定した場合には、ステップS513の処理により先読み予告制限中とする設定を行い、その後にステップS504の処理で可変表示結果が「大当り」となる可変表示の保留がなければ、ステップS505の処理により先読み予告演出の実行制限を解除する。すなわち、大当り種別が「通常開放」または「短期開放B」に決定される可変表示が保留された場合に、その可変表示より後に実行される可変表示を予告対象とする先読み予告演出が実行されないように制限する。こうして、開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過可能であるものの通過せずに大当り遊技状態が終了して確変状態に制御されない場合に、先読み予告演出の整合性を保持できなくなることで先読み予告演出に対して遊技者が不審感を抱くことを抑制し、遊技興趣を向上させることができる。