JP6229320B2 - 試料の組織構造分類方法 - Google Patents
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Description
図1及び図2は、ポラライザーとアナライザーが、クロスニコル下で鋭敏色板が挿入された偏光顕微鏡において、炭素六角網面の配向状態と観察される色との関係を示す図である。図1に示すように、炭素六角網面が一方向に配列している場合、すなわち、光学的異方性領域では、炭素六角網面、ポラライザー又はアナライザーの角度によって色が変化する。一方、図2に示すように、炭素六角網面がランダムに配列している場合、すなわち、光学的等方性領域では、炭素六角網面、ポラライザー又はアナライザーの角度によらず一定の色を示す。このように、偏光顕微鏡から観察できる光学的性質の違いは、炭素材料の構造が異なることを示す。
そこで、炭素材料の組織の配向を定量的に評価するため、偏光顕微鏡により撮影された画像を処理することにより、炭素材料の組織構造を定量化する試みがされている。例えば、コークスの画像解析方法としては、主に鉄鉱石の還元剤のコークスに関して、偏光顕微鏡の偏光板を回転させることによる反射率の差を用いて異方性を評価する方法が報告されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
すなわち、本発明に係る試料の組織構造分類方法は、試料の偏光顕微鏡画像から得られる、明度の軸と、色相の軸と、明度及び色相の頻度の軸とを有する3次元頻度分布から明度の頻度分布を取得し、明度の頻度分布の極小値を閾値として閾値以下の領域A1と、0から359までの360階調の色相の頻度分布において色相20以上219以下の領域A2とを合わせた領域を空孔領域Aとし、空孔領域A以外の領域を試料の組織領域Bとする。
1.試料の組織構造分類方法
2.熱膨張係数の推算方法
3.プログラム
本実施の形態に係る試料の組織構造分類方法は、後に詳述するように、明度と色相の2次元の指標を用いて、試料の偏光顕微鏡画像の全体領域Eから空孔領域Aと組織領域Bとを抽出する。試料の組織領域Bは、光学的異方性領域Cと光学的等方性領域Dとで構成されている。光学的異方性領域Cは、図1に示すように、炭素六角網面が一方向に配列し、炭素六角網面、ポラライザー又はアナライザーの角度によって色が変化する領域である。光学的等方性領域Dは、図2に示すように、炭素六角網面がランダムに配列している場合に、炭素六角網面、ポラライザー又はアナライザーの角度によらず一定の色を示す領域である。
ここで、一般的な閾値は、任意の値を設定するものである。しかし、偏光顕微鏡のよう
な観察機器については、その観察条件が常に一定ではない。そのため、偏光顕微鏡から得られる試料の偏光顕微鏡画像について、ある任意の閾値を用いて空孔領域Aと組織領域Bとに2値化した場合には、実際に人間が認識する空孔領域Aと著しく異なった結果が得られることがある。これは、偏光顕微鏡の光源状態や、試料の種類が撮影毎に異なり、結果として、得られる明度の頻度分布及び色相の頻度分布の形状が異なるためである。
以下、試料として炭素材料を例に挙げて、本実施の形態に係る試料の組織構造分類方法について、具体的に説明する。
図3は、本実施の形態に係る試料の組織構造分類方法を説明するための図である。図3において、横軸が色相、縦軸が明度を示す。また、図3において、Aは空孔領域、Bは組織領域、Cは光学的異方性領域、Dは光学的等方性領域、Eは炭素材料の偏光顕微鏡画像の全体の領域を示す。
(1−1−1.3次元頻度分布の取得)
空孔領域抽出ステップにおいては、まず、例えば図4に示すような炭素材料の偏光顕微鏡画像から、図5に示すような3次元頻度分布を取得する。
炭素材料は、観察対象面が鏡面状になっているものであれば、材質については特に限定されるものではない。例えば、炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、炭素化物前駆体等が挙げられる。炭素化物前駆体としては、ピッチ、タール及び有機高分子化合物等が挙げられる。ピッチ、タールとしては、例えば、含浸ピッチ、コールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直留系重質油、エチレンヘビーエンドタール等の分解系重質油等の石油系重質油等が挙げられる。特に、本実施の形態に係る試料の組織構造分類方法においては、空孔領域A、光学的異方性領域C及び光学的等方性領域Dがより複雑な構造である炭素材料、具体的には、ピッチコークスや石油コークス等の骨材用コークスについても、炭素材料の組織構造を正確に分類することができる。
観察対象面が鏡面状とは、例えば、算術平均粗さRaが1.0μm以下、特に好ましくは算術平均粗さRaが0.5μm以下の状態をいう。
あれば、特に限定されるものではない。また、偏光顕微鏡画像は、RGBデータを有していないものであっても、画像変換によってRGBデータが得られるものであればよい。
偏光顕微鏡画像は、例えば、次のような方法で得ることができる。まず、ポラライザー、アナライザーがクロスニコルの状態で挿入され、さらに鋭敏色板も挿入された反射型偏光顕微鏡のステージに、研磨試料を設置する。続いて、反射型偏光顕微鏡に取り付けたCCDカメラにより、ピッチコークスのカラー偏光顕微鏡像のデジタル画像を取得する。図4に示す画像は、このカラー偏光顕微鏡像のデジタル画像の一部を拡大して、グレースケール画像に変換したものである。
ることができる。
色相は、例えば次のようにして得られる値である。まず、0から255までの256階調のRGBデータのうち最大値をMAXとし最小値をMINとする。ここでMAX=MINの場合色相をHとするとH=0となる。MAX=MIN以外の場合、Cr=(MAX−R)/(MAX−MIN)、Cg=(MAX−G)/(MAX−MIN)、Cb=(MAX−B)/(MAX−MIN)とそれぞれ定義すると、MAXがRの値の場合はH=60×(Cb−Cg)、MAXがGの値の場合はH=60×(2+Cr−Cb)、MAXがBの値の場合はH=60×(4+Cg−Cr)とする。また、すべての場合においてHが負の値であればHに360を加えた値をHとする。
(領域A1の抽出)
空孔領域抽出ステップにおいては、炭素材料の偏光顕微鏡画像から得られた3次元頻度分布から、図6に示すような明度の頻度分布を取得する。空孔領域抽出ステップにおいては、取得した明度の頻度分布の極小値を閾値として、この閾値以下の領域A1を抽出する。
以下であり、さらに好ましくは70以下である。このように、明度の頻度分布の極小値が、0から255までの256階調の明度において20から80の間に存在することにより、光源の条件や炭素材料の種類が異なった場合にも、炭素材料の組織構造をより正確に分類することができる。
たな明度頻度値と定義する。同様の処理をすべての明度に対して行うことにより平滑化された明度頻度分布が得られる。この際、平滑化の度合いとなるnの範囲であるが、1以上
10以下が好ましく、さらに好ましくは2以上5以下が好ましい。領域A1を算出する方法は、特に限定されず、例えば、ピクセル数や画像の面積で算出することができる。
続いて、空孔領域抽出ステップにおいては、0から359までの360階調の色相の頻度分布において色相20から219までの領域A2を抽出する。色相の頻度分布とは、例えば図7に示すように、画像の各画素について色相を算出して得られる頻度分布である。本発明者らは、色相の頻度分布に関して、炭素材料の試料であれば、上述した明度の頻度分布と同様に、頻度分布の絶対値については異なるものの、頻度分布の形状については同様となることを見出した。また、本発明者らは、色相20から219までの領域A2の各色相は、3次元頻度分布においてその発生頻度が極めて低く(0.001%未満)、炭素材料の観察表面へのごみの付着や対物レンズの光が樹脂で満たされている空孔内部で乱反射することによる発光など炭素材料の組織領域とは無関係な領域と関係があり、本来抽出したい炭素組織とは関係ないことを見出した。そのため、0から359までの360階調の色相の頻度分布において色相20から219までの領域A2を空孔領域Aの一部とする。
組織領域抽出ステップにおいては、空孔領域抽出ステップにおいて抽出された空孔領域A以外の領域を炭素材料の組織領域Bとする。例えば、図3に示すように、炭素材料の偏光顕微鏡画像の全体の領域Eから空孔領域Aを除いた領域、すなわち、光学的異方性領域Cと光学的等方性領域Dとを合わせた領域が、炭素材料の組織領域Bである。
組織領域抽出ステップにおいては、空孔領域抽出ステップにおいて得られた空孔領域A以外の炭素材料の偏光顕微鏡画像全体の領域Eについて、図7に示すような色相の頻度分布を取得する。
本発明者らは、色相の頻度分布に関して、炭素材料の試料であれば、上述したように、頻度分布の絶対値については異なるものの、頻度分布の形状については同様となることを見出した。また、本発明者らは、例えば0から359までの360階調の色相の頻度分布において、色相220以上、色相の頻度分布の最大値−16以下の領域C1が図1に示す青色に観察される領域とほぼ一致することをと、色相の頻度分布の最大値+16以上、色相359以下の領域C2と、色相0以上19以下の領域C3とで構成される領域が図1に示す黄色に観察される領域とほぼ一致することを見出した。これらC1、C22つを合わせた領域を光学的異方性領域Cとする。
領域C2は、色相の頻度分布において、色相の頻度分布の最大値+16以上、色相359以下の領域であることが好ましい。
領域C3は、色相の頻度分布において、色相0以上19以下の領域であることが好ましい。
また、組織領域抽出ステップにおいては、上述したように炭素材料の組織領域Bから光学的異方性領域Cを抽出することによって、図3に示すように、炭素材料の組織領域B中の光学的異方性領域C以外の領域、すなわち、光学的等方性領域Dを抽出することができる。
炭素材料における光学的異方性領域Cの割合は、空孔領域をAとし、組織領域をBとし、偏光顕微鏡画像の全体領域をEとし、光学的異方性領域Cの割合をFとすると、F=C/(E−A)、すなわち、F=(C/B)で求められる。
本発明者らは、上述した試料の組織構造分類方法によって求められた光学的異方性領域の割合Fが、炭素材料の物性、例えば、熱膨張係数(CTE)と大きく相関があることを見出した。具体的には、炭素材料の熱膨張係数は、光学的異方性領域の割合Fに比例して小さくなる。したがって、上述した試料の組織構造分類方法によって求められた光学的異
方性領域の割合Fを用いることによって、炭素材料の物性を正確に推算することができる。
を用いることにより、ある特定の形状が存在量の評価が可能となる。そして上述した手法により得られた、ナンバリングされた光学的異方性領域一つ一つの評価値の統計処理により炭素材料の組織構造の定量化が可能となる。
また、上述した説明では、明度の階調は、0から255までの256階調のRGBデータについて、(R+G+B)/3によって得られる値としたが、この例に限定されるものではない。例えば、上述した説明では、取得画像のRGBデータが256階調であったため明度の階調も256階調としたが、その階調を任意の値に設定してもよい。この場合の好ましい明度極小値の範囲は、明度の階調が256の場合の好ましい明度極小値の範囲と等比で変化する。
例えば、図7に示す色相の頻度分布において、色相最大値を頂点として発生頻度割合が減少していき初めて発生頻度割が0.001%未満となる値をA2の範囲の閾値とすると、色相20と色相220となる。すなわち、領域A2は、色相の頻度分布において、色相最大値を頂点として発生頻度割合が減少していき初めて発生頻度割が0.001%未満となる領域として表してもよい。
上述した試料の組織構造分類方法によって求められた光学的異方性領域の割合Fを用いることによって、炭素材料の物性を推算することができる。以下、一例として、熱膨張係数を推算する方法について説明する。
例えば、熱膨張係数の異なる複数の炭素材料について、1つの炭素材料について複数の偏光顕微鏡画像を取得する。続いて、複数の偏光顕微鏡画像について、上述した方法と同様にして、光学的異方性割合を算出する。続いて、複数の偏光顕微鏡画像についての光学的異方性割合の平均値を算出し、この平均値を光学的異方性割合Fとする。
1つの炭素材料について取得する偏光顕微鏡画像の数は、特に限定されないが、通常50点以上、100点以上が、推算される熱膨張係数の精度を向上させる観点から好ましい。
本実施の形態において説明した試料の組織構造分類方法の一連の処理は、ハードウェア又はソフトウェア、又はこれらを複合した構成によって実行することができる。ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが
できる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他に、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
以下の実施例においては、炭素材料における光学的異方性領域の割合Fは、偏光顕微鏡画像の全体領域をEとし、光学的異方性領域の割合をFとし、空孔領域をAとしたときに、F=C/(E−A)で求めた。
アクリル樹脂に包埋された炭素材料(粒状ピッチコークス、三菱化学社製)を試料として用い、機械研磨により、ピッチコークスの観察対象面が鏡面状になった研磨試料を得た。
次に、ポラライザー、アナライザーがクロスニコルの状態で挿入され、さらに鋭敏色板も挿入された反射型偏光顕微鏡(Nikon ECLIPSE LV 100POL)のステージに、研磨試料の観察面と反射型偏光顕微鏡ステージとが平行になるように設置した。反射型偏光顕微鏡に取り付けた200万画素のCCD(Charge Coupled Device)カ
メラ(Nikon DIGITAL SIGHT DS−2Mv)により、ピッチコークスのカラー偏光顕微鏡像のデジタル画像を取得した。取得したデジタル画像の一部を拡大し、グレースケール画像に変換した画像を図4に示す。
次に、色相の頻度分布の最大値+16以上、色相359以下の領域(ピクセル)C2と
、色相0以上19以下の領域(ピクセル)C3を算出した。これらの領域C2及び領域C3を白黒の左斜線の縞模様で表し、それ以外の領域を白で表した画像を図10に示す。また、図9及び図10に示す光学的異方性領域C1〜C3の画像と、図8に示す空孔領域の画像とを重ね合わせた画像を図11に示す。
熱膨張係数が異なる12個の試料(粒状ピッチコークス、三菱化学社製)について、1試料あたり、50点のカラー偏光顕微鏡画像のデジタル画像を取得し、実施例1と同様の手順で、炭素材料の偏光顕微鏡画像の全体領域Eから空孔領域Aと組織領域B(光学的異方性領域C及び光学的等方性領域D)を抽出した。続いて、光学的異方性割合Fを算出し、50点の光学的異方性割合Fの平均値を各サンプルについての光学的異方性割合Fとした。実施例2における熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を図12に示す。
明度の閾値を30、色相の閾値を300と設定したこと以外は、実施例2と同様の手順で熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を得た。
すなわち、比較例1では、熱膨張係数が異なる12個の試料(粒状ピッチコークス、三菱化学社製)について、1試料あたり、50点のカラー偏光顕微鏡画像のデジタル画像を取得し、得られたデジタル画像のRGBデータを色相値と明度値に変換し、図5に示すような色相と明度の3次元頻度分布を得た。図5に示す3次元頻度分布から、図6に示す明度の頻度分布を取得し、明度30を閾値として設定して、明度の値がその閾値以下の領域(ピクセル)A1を算出した。次に、図5に示す3次元頻度分布の色相軸において、20から219までに含まれる領域(ピクセル)A2を算出した。次に、炭素材料の偏光顕微鏡画像において、空孔領域A以外の画像領域の色相の頻度分布を取得し、色相220以上、色相(300−16)以下の領域(ピクセル)C1を算出した。次に、色相(300+16)以上、色相359以下の領域(ピクセル)C2と、色相0以上19以下の領域(ピクセル)C3を算出した。続いて、光学的異方性割合Fを算出し、50点の光学的異方性割合Fの平均値を各サンプルについての光学的異方性割合Fとした。比較例1における熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を図13に示す。
明度の閾値を45、色相の閾値を300と設定したこと以外は、実施例2と同様の手順で熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を得た。比較例2における熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を図14に示す。
(比較例3)
明度の閾値を60、色相の閾値を300と設定したこと以外は、実施例2と同様の手順で熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を得た。比較例3における熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を図15に示す。
明度の閾値を45、色相の閾値を290と設定したこと以外は、実施例2と同様の手順で熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を得た。比較例4における熱膨張係数と光学的異方性割合Fとの相関図を図16に示す。
実施例2においては、図12に示すように、決定係数R2が0.9を超える精度の高い相関が得られた。一方、比較例1〜4においては、実施例2と比較して、決定係数R2が低い結果となった。
Claims (12)
- ポラライザーとアナライザーがクロスニコルの状態で鋭敏色板を挿入した偏光顕微鏡を用い、試料の偏光顕微鏡画像から得られる、明度の軸と、色相の軸と、該明度及び色相の頻度の軸とを有する3次元頻度分布から、下記で定義される明度の頻度分布を取得し、該明度の頻度分布の極小値を閾値として該閾値以下の領域A1と、下記で定義される、0から359までの360階調の色相の頻度分布において色相20以上219以下の領域A2とを合わせた領域を空孔領域Aとし、該空孔領域A以外の領域を上記試料の組織領域Bとし、かつ
上記明度の頻度分布の極小値が、0から255までの256階調の明度において、明度20以上80以下に存在することを特徴とする試料の組織構造分類方法。
(明度の定義)
0から255までの256階調のRGBデータについて、(R+G+B)/3によって得られる値である。
(色相の定義)
0から255までの256階調のRGBデータのうち最大値をMAXとし最小値をMINとする。
Cr=(MAX−R)/(MAX−MIN)、Cg=(MAX−G)/(MAX−MIN)、Cb=(MAX−B)/(MAX−MIN)とそれぞれ定義した際に色相Hは以下の式で示される。
1.MAX=MINの場合
H=0
2.MAX=MIN以外の場合
i)MAXがRの値の場合
H=60×(Cb−Cg)
ii)MAXがGの値の場合
H=60×(2+Cr−Cb)
iii)MAXがBの値の場合
H=60×(4+Cg−Cr)
また、すべての場合においてHが負の値であればHに360を加えた値をHとする。 - 上記試料の組織領域Bについて、上記色相の頻度分布を取得し、該色相の頻度分布において色相220以上、該色相の頻度分布の最大値−16以下の領域C1と、該色相の頻度分布の最大値+16以上、色相359以下の領域C2と、色相0以上19以下の領域C3
とを上記試料の光学的異方性領域Cとし、
上記組織領域Bのうち上記光学的異方性領域C以外の領域を光学的等方性領域Dとすることを特徴とする請求項1に記載の試料の組織構造分類方法。 - ポラライザーとアナライザーがクロスニコルの状態で鋭敏色板を挿入した偏光顕微鏡を用い、試料の偏光顕微鏡画像から得られる、明度の軸と、色相の軸と、該明度及び色相の頻度の軸とを有する3次元頻度分布から、下記で定義される明度の頻度分布を取得し、該明度の頻度分布の極小値を閾値として該閾値以下の領域A1と、下記で定義される、0から359までの360階調の色相の頻度分布において色相20以上219以下の領域A2とを合わせた領域を空孔領域Aとし、該空孔領域A以外の領域を上記試料の組織領域Bとし、かつ
上記試料の組織領域Bについて、上記色相の頻度分布を取得し、該色相の頻度分布において色相220以上、該色相の頻度分布の最大値−16以下の領域C1と、該色相の頻度分布の最大値+16以上、色相359以下の領域C2と、色相0以上19以下の領域C3とを上記試料の光学的異方性領域Cとし、
上記組織領域Bのうち上記光学的異方性領域C以外の領域を光学的等方性領域Dとすることを特徴とする試料の組織構造分類方法。
(明度の定義)
0から255までの256階調のRGBデータについて、(R+G+B)/3によって得られる値である。
(色相の定義)
0から255までの256階調のRGBデータのうち最大値をMAXとし最小値をMINとする。
Cr=(MAX−R)/(MAX−MIN)、Cg=(MAX−G)/(MAX−MIN)、Cb=(MAX−B)/(MAX−MIN)とそれぞれ定義した際に色相Hは以下の式で示される。
1.MAX=MINの場合
H=0
2.MAX=MIN以外の場合
i)MAXがRの値の場合
H=60×(Cb−Cg)
ii)MAXがGの値の場合
H=60×(2+Cr−Cb)
iii)MAXがBの値の場合
H=60×(4+Cg−Cr)
また、すべての場合においてHが負の値であればHに360を加えた値をHとする。 - 上記光学的異方性領域Cの輪郭部を抽出することによって区別される光学的異方性領域Cの一つ一つに対して、それぞれ光学的異方性領域の面積Sとその輪郭の長さLから算出される円形度4πS/L^2を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の試料の組織構造分類方法。
- 上記光学的異方性領域Cの一つ一つに対して、それぞれの面積重心を算出し、上記面積重心から上記光学的異方性領域の輪郭までの距離の最大値と最小値の比を算出することを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の組織構造分類方法。
- 上記試料は、上記空孔領域Aと、光学的異方性領域C及び光学的等方性領域Dの少なくとも一方とを有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の試料の組織構造分類方法。
- 上記試料は、炭素材料であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の試料の組織構造分類方法。
- 上記光学的異方性領域Cの画素数を上記組織領域Bの画素数で除することにより、上記試料における上記光学的異方性領域Cの割合Fを算出することを特徴とする請求項2乃至7のうちいずれか1項に記載の試料の組織構造分類方法。
- 顕微鏡ステージの角度を0度から180度まで任意の角度に回転させて取得した試料の評価対象の領域の複数の偏光顕微鏡回転画像に対して、それぞれ上記光学的異方性領域Cの割合Fを算出し、回転角度による変化量を算出することを特徴とする請求項8に記載の試料の組織構造分類方法。
- 請求項8又は9に記載の試料の組織構造分類方法で算出された上記光学的異方性領域Cの割合Fを用いて、上記試料の電極作製時の電極の熱膨張係数を推算することを特徴とする熱膨張係数の推算方法。
- 上記試料は、電極作製時の熱膨張係数が10×10−7〜60×10−7/℃の範囲であることを特徴とする請求項10に記載の熱膨張係数の推算方法。
- 請求項1乃至11に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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