本発明の第1の発明に係る照明装置は、平面と、平面と交差する単数または複数の側面とを有する実装基板と、平面に実装される平面発光部と、側面に実装される側面発光部と、を備え、平面と側面とは、交差しつつ同一側を向いており、平面発光部からの照射光と側面発光部からの照射光とは、集中位置で交差し、平面および側面は、実装基板に設けられた凹部によって形成され、凹部は、台形状を有し、凹部は、実装基板の表面に対してテーパー部となる側面と、実装基板の表面に対して略平行な平面と、を形成し、実装基板が立体形状を有しており実装基板に凹部が掘り込まれて形成されている。
この構成により、照明装置は立体的に仮想的な光源を形成できる。この光源は、立体的に積分・重複する照射光の集まりであるので、高い光度を有する。
また、この構成により、容易に立体状の発光部を形成できる。
また、この構成により、平面と側面とを、容易に構成できる。
また、この構成により、三次元的となる平面発光部と側面発光部が形成される。この平面発光部と側面発光部とによって、集中位置において仮想的な集中光源を形成できる。
本発明の第2の発明に係る照明装置では、第1の発明に加えて、平面発光部および側面発光部のそれぞれは、複数の発光素子を含む。
この構成により、平面発光部および側面発光部は、低コストでありながら高い輝度を実現できる。
本発明の第3の発明に係る照明装置では、第2の発明に加えて、複数の発光素子は、平面および側面のそれぞれにおいて、マトリクス状に配置されて実装される。
この構成により、平面発光部および側面発光部は、高い輝度で照射光を発することができる。
本発明の第4の発明に係る照明装置では、第2又は第3の発明に加えて、複数の発光素子のそれぞれは、ベアチップの状態で実装され、複数の発光素子の発光面は封止材で封止される。
この構成により、平面発光部および側面発光部のそれぞれは、発光素子を高密度実装できる。
本発明の第5の発明に係る照明装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、側面は、平面に対して所定角度で傾きを有し、所定角度の傾きによって、平面発光部からの照射光と側面発光部からの照射光は、集中位置で交差する。
この構成により、仮想的な集中光源が形成できる。
本発明の第6の発明に係る照明装置では、第5の発明に加えて、複数の側面は、第1側面〜第n側面を有し、第1側面〜第n側面のそれぞれが備える側面発光部からの照射光は、集光位置で交差する。
この構成により、集中光源の光度を更に高めることができる。
本発明の第7の発明に係る照明装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、平面発光部および単数又は複数の側面発光部のそれぞれの発光素子の色度は、相互に異なる。
この構成により、集中光源における色度を様々に調整できる。
本発明の第8の発明に係る照明装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、平面発光部および単数又は複数の側面発光部のそれぞれは、異なる色度の発光素子を含んでいる。
この構成により、集中光源における色度を様々に調整できる。特に、それぞれの発光部から異なる色度で照射光が集中光源で集中するので、白色光などを集中光源で生じさせることが容易となる。
本発明の第9の発明に係る照明装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、平面発光部および単数又は複数の側面発光部のそれぞれは、R、G,Bに対応する発光素子を含んでいる。
この構成により、R,G、Bの要素を含む集中光源が形成できる。
本発明の第10の発明に係る照明装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、集中位置および集中位置を基準とする焦点位置の少なくとも一部に光学系部材を更に備える。
この構成により、集中光源を基礎とした様々な光学系機器への適用が可能となる。
本発明の第11の発明に係る照明装置では、第10の発明に加えて、光学部材は、集中位置および集中位置を基準とする焦点位置の少なくとも一部に集中した照射光を、収束もしくは拡散させる。
この構成により、集中光源を基礎とした様々な光学系機器への適用が可能となる。
本発明の第12の発明に係る照明装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、実装基板は、冷媒循環路を更に備える。
この構成により、発光素子によって生じる熱であって実装基板に伝導される熱を、冷媒循環路によって外部に放出できる。
本発明の第13の発明に係る照明装置では、第12の発明に加えて、冷媒循環路は、実装基板から突出すると共に、放熱部材に熱的に接触する。
この構成により、放熱部材が、冷媒循環路を循環する冷媒の含む熱を放出できる。
以下、図を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
実施の形態について説明する。
(参考技術の問題点)
図1は、参考技術における照明装置の正面図である。図2は、参考技術における照明装置の側面図である。図2は、図1の照明装置100を側面から見た状態を示している。従来技術において用いられる照明装置は、図1、図2に示されるように実装基板110の表面に、発光部120が実装される。この発光部120は、複数の発光素子(例えばLEDなど)121を含んでいる。すなわち、従来用いられていた参考技術における照明装置100は、その表面に複数の発光素子121を面実装していた。
例えば、図1、図2に示される参考技術における照明装置100は、投光器に用いられたり、プロジェクタや映写装置の光源として用いられたりする。このため、面実装されている複数の発光素子121からの光を、図2に示されるようにレンズ130において集光させることがある。
ここで、図2を始めとした図面においては、発光素子からの光の方向を、矢印で示している。この矢印は、発光素子からの光の方向である光軸を示す模式的なものである。実際の発光素子からの光は、波長や周波数などによって、実際には完全な直線状の照射角度を有しているわけではない。一定の光の広がりや、照射角度の異なる光を照射することもある。
図2などでは、説明の便宜のために、光軸を矢印にて示している。しかしながら、実際には、上述のように照射角度が単一での完全な直線状の光だけを、発光素子は照射するのではなく、照射角度が様々であったり、広がりをもっていたりする光を照射する。
ここで、複数の発光素子121のそれぞれは、実装基板110に面実装されているので、複数の発光素子121のそれぞれは、矢印Aの方向に、光を照射する。すなわち、面実装されていることによって、複数の発光素子121のそれぞれは、単一方向に略平行に、光を照射する(矢印A)。このため、レンズ130に集光する際には、レンズ130に複数の発光素子121のそれぞれから平行な光が到達することになる。
このため、レンズ130に到達する時点では、複数の発光素子121からの光は、平行に並んだ状態であり、複数の発光素子121からの光のそれぞれは重複・積算されていたり、集中していたりすることはない。レンズ130は、そこに到達する時点で全く集中していない光を、光学的に集光させたり拡散させたりする必要がある。
照明装置100が投光器やプロジェクタなどの光源として用いられる場合には、実装基板110に実装された複数の発光素子121からの光が、集光されたり拡散されたりする必要がある。この集光や拡散そのものは、レンズ130のような光学系の部材が実行する。レンズ130のような光学系部材が、発光素子121からの光を集光したり拡散したりする場合には、光学系部材に到達する光が集中していることが好適である。
光学系部材に到達する光が集中していれば、光学系部材が集光させたり拡散させたりする場合に、光学系部材の負担が減少するからである。例えば、光学系部材が集光させて集光ビームを形成する場合には、光学系部材(レンズ130)に到達する光が集中しているほうが、光学系部材は、より確実かつ高精度に光のビームを形成できる。
あるいは、光学系部材が光を拡散させて拡散光を形成する場合でも、光学系部材に到達する光が集中しているほうが、光学系部材は、より確実かつ容易に拡散光を形成できる。集光や拡散光のいずれの場合でも、光学系部材に到達する光が集中していれば、光の重複・積算効果によって光のレベル(以下、「光度」という)が高くなっているからである。
このように、集光や拡散光を必要とする機器に照明装置が用いられる場合には、照明装置から照射される光は、光学系部材に到達する時点で集中していることが好ましい。
しかし、従来用いられていた参考技術における照明装置100は、面実装にて複数の発光素子121を実装している。面実装の場合には、複数の発光素子121のそれぞれの光度を向上させても、複数の発光素子121の数を増加させても、複数の発光素子121の実装密度を向上させても、複数の発光素子121からのそれぞれの光が重複や積分されることはない。このため、光学系部材に到達する段階で、複数の発光素子121からの光が集光していることは無い。
このように、従来の参考技術での照明装置100では、光学系部材に到達する光が集中することがなく、光学系部材によって集光させたり拡散させたりすることでの不十分さが残っている。これは、投光器やプロジェクタなどの光源として照明装置が使用される場合には、特に不十分であった。
本発明は、このような参考技術における問題点を解消する。
(全体概要)
実施の形態1における照明装置の全体概要について説明する。実施の形態1における照明装置は、参考技術において不十分であった、照射光をある位置で集中させることを目的としている。すなわち、実施の形態1における照明装置は、照射光をある位置で集中させて、仮想的に集約された光源を、発光素子の照射方向側において形成することを目的とする。
図3は、本発明の実施の形態1における照明装置の正面図である。図4は、本発明の実施の形態1における照明装置の側断面であり、図3のX−X‘を結ぶ線での側断面図である。
照明装置1は、実装基板2を有する。この実装基板2が、照明装置1の本体部分となる。実装基板2は、その表面および裏面のいずれかに(表面、裏面の定義は重要ではなく、発光素子61、71が実装される面が把握されればよい)凹部8が形成される。この凹部8によって、実装基板2は、平面3と、この平面3に交差する単数又は複数の側面4を備える。
図3、図4では、実装基板2の表面に凹部8が形成される。この凹部8の底面が平面3となり、凹部8において底面に繋がる斜面のそれぞれが側面4A〜4Dとなる。すなわち、図3、図4に示される照明装置1では、実装基板2は、一つの平面3と、4つの側面4A〜4Dを有している。
平面3には、平面発光部6が実装される。側面4には側面発光部7が実装される。図3、図4に示される照明装置1では、4つの側面4A〜4Dが備わっているので、4つの側面4A〜4Dのそれぞれに、側面発光部7A〜7Dが実装される。もちろん、4つの側面4A〜4Dの一部のみに、側面発光部7が設けられても良い。
また、平面発光部6は、単数又は複数の発光素子61を備えている。すなわち、実際の照明装置1においては、実装基板2の平面3に、単数又は複数の発光素子61が実装されている。同様に、側面発光部4A〜4Dの少なくとも一つは、単数又は複数の発光素子71を備えている。この場合も実際の照明装置1においては、実装基板2の側面4A〜4Dのそれぞれに、発光素子71が実装されている。
平面3と側面4とは、交差しつつ同一側を向いている。すなわち、図4に示されるように、実装基板2の同じ側に平面3と側面4が形成されるので、平面3と側面4とは、交差しつつも同一側を向くことになる。この結果、平面発光部6と側面発光部7とは、同じ側を向く。同じ側を向くことで、平面発光部6からの照射光(矢印C)と、側面発光部7からの照射光(矢印Dと矢印E)とは、同じ側を向きつつ交差するので、集中位置10で交差する。
この集中位置10に、平面発光部6からの照射光と側面発光部7からの照射光とが集中することで、それぞれからの照射光が積算・重複されることになる。この結果、集中位置10は、仮想的な集中光源11となる。
照明装置1は、このように平面発光部6および側面発光部7のそれぞれからの立体的な照射光の集中により、発光素子61、71のそれぞれの光を積分・重複させた仮想的な集中光源11を形成できる。
この集中光源11は、光学系部材を用いて形成されるものではなく、立体構造の平面発光部6と側面発光部7に実装される発光素子61、71からの照射光の積分・重複によって、形成される。このため、集中光源11を形成するために、従来技術のように光学系部材を必要としない。この結果、光学系部材を余分に設けることなく、集中光源11を形成できる。また、実装基板2から所定位置はなれた集中位置10において、集中光源11が形成できることで、照明装置1が適用されるアプリケーションの都合に合わせて、実装基板2と集中光源11との距離を調整できる。
この実装基板2と集中光源11との距離は、側面4と平面3との交差角度を調整すればよい。加えて、平面発光部6と側面発光部7との面積によっても調整が可能である。あるいは、交差角度と面積との両方によって、距離が調整されても良い。
このように距離が調整されたうえで、実装基板2から離隔した位置に、光学系部材の補助を受けずに集中光源11が形成されると、照明装置1は、様々なアプリケーションに適用されやすくなる。例えば、照明装置1が、投光器に用いられる場合には、照明装置1からの照射光が集光されて投光される必要がある。従来技術であれば、図2のように、平面的に照射される独立した照射光(積分・重複していない)にレンズ130を用いて初めて集光が実現できる。このため、光学系部材の負担も大きく、光学系部材によって集光されても、当該光学系部材に到達する光が集中していないために、光学系部材による集光も不十分である。
これに対して、照明装置1が投光器に用いられる場合には、光学系部材の補助なしで、集中位置10において集中光源11が形成されている。投光器が、集光した光を照射する場合には、集中位置10に集光レンズが配置されればよい。この集光レンズに到達する発光素子61、71からの照射光は既に集中している。既に集中している状態であることで、集光レンズはスムーズに照射光を集光できる。
図5は、実施の形態1における集光レンズにより集光された光を示す説明図である。照明装置1は、上述の通り集中位置10において仮想的な集中光源11を形成できる。集光レンズ20は、この集中位置10に設置される。すなわち、集光レンズ20は、この集中光源11を基点として照射光を集光して発することができる。図5においては、集光レンズ20は、収束光30を発している。
また、図5では、照明装置1が備える発光部のそれぞれからの照射光の集中位置10を、仮想的な集中光源11として定義している。このため、照明装置1が、図5に示されるように集光レンズ20を備える場合には、この集中光源11として定義される集中位置10に、集光レンズ20が備えられるのが適当である。一方、集光レンズ20は、焦点距離をその要素として有している。このため、集光レンズ20は、仮想的な集中光源11として定義される集中位置10のみに設置されるだけでなく、集中位置10を基準とした焦点距離上に集光レンズ20が設置されても良い。
仮想的に形成される集中光源11に集光レンズ20が設置されることで、集光レンズ20は、光学系としての負担(精度、大きさ、素材など)を減らすことができる。このため、集光レンズ20は、より高い能力をもって集中光源11の光を、収束光30に変換できる。照明装置1が集光した光を照射する投光器に用いられる場合には、このように集中光源11に集光レンズ20が設置されるだけでよい。
一方、照明装置1が、拡散光を照射する投光器に用いられる場合も同様である。図6は、本発明の実施の形態1における拡散レンズにより拡散された光の照射を示す説明図である。集中光源11の位置に、拡散レンズ21が設置される。集光レンズ20の場合と同様に、光学系部材である拡散レンズ21が、複数の発光素子61,71からの照射光が集光している集中光源11に設置される。このことにより、拡散レンズ21は、光学系としての負担を減らした状態で、拡散光40を発することができる。投光器が、このような拡散光を必要とする場合には、発光素子からの照射光を効率的に集光する光学系と、さらにそれを拡散する光学系を必要としない。集中光源11は、光学系の補助なしで形成され、これを基点に拡散する光学系である拡散レンズ21のみで済む。
また、光学系部材の点数の削減だけでなく、最終的に必要となる拡散光を生じさせる拡散レンズ21による拡散の能力を上げることもできる。これは、図5で説明した集光を必要とする投光器においても同様である。
また、照明装置1は、プロジェクタなどの光源として用いられることもありえる。この場合でも、光学系部材の補助なしに、立体的な平面発光部6と側面発光部7との組み合わせにより集中光源11が形成される。プロジェクタなどは、この集中光源11をあたかも一体の光源であるかのように利用できる。この場合にも、集中光源11に集光した照射光をプロジェクタ内部の経路を制御することで、照明装置1を、プロジェクタ等の最適な光源として利用できる。
なお、ここでA〜Dなる符合は、同じ機能を有する要素が複数ある場合に、これらを区別する便宜上のものであり、側面4と側面4Aとは、特に断らない限り、その機能等において発明の主旨から外れるような特段の区別を意図していない。
以上のように、実施の形態1における照明装置1は、仮想的な集中光源11を容易かつ確実に形成できる。この結果、光学系部材を用いずに光源を形成できることで、光学系部材の数と負担を減らしつつ、投光器やプロジェクタなどの様々なアプリケーションに適用が可能である。
次に、各部の詳細について説明する。
(実装基板)
実装基板2は、照明装置2の本体部となる。実装基板2は、図3などに示されるとおり、凹部8を備えている。この凹部8が、平面3と側面4とを形成する。もちろん、立体形状を有する実装基板2に凹部8が掘り込まれて形成される場合だけでなく、複数のユニットが組み合わされて実装基板2が構成されることでも良い。この場合には、組み合わせの結果、凹部8が形成される。
いずれにしても、実装基板2の表面および裏面の少なくとも一方に、凹部8が形成されることで、平面3と側面4とが形成される。
また、凹部8は種々の形状を有していればよいが、台形状を有していることも好適である。図4などに示されるように台形状であることで、一つの平面3とこれを取り囲む4つの側面4A〜4Dが形成されるからである。加えて、凹部8は表面から平面3にかけて下るような形態を有していることが好適である。この場合には、平面3と側面4とが交差すると共に、側面4が平面と同じ側を向くようになるからである。同じ側を向くことで、図4に示されるように、平面発光部6からの光と側面発光部7からの光が、集中位置10で集中するからである。
また、実装基板2は、熱伝導性の高い素材で形成される事が好適である。例えば、銅、アルミなどの金属やこれらの合金で形成される事が好適である。実装基板2に形成される平面発光部6および側面発光部7には、多くの発光素子61、71が実装されうるからである。
熱伝導率の一例として、100(W/m*K)〜430(W/m*K)である素材であることが好ましい。このような範囲の熱伝導率を有する素材で、実装基板2が形成されることで、発光素子61、71の発する熱が、実装基板2を介して、外部に放出されやすくなる。
(平面と側面)
実装基板2は、凹部8や凹部8に順ずる構造を有することで、平面3と側面4とを、有することができる。平面3は、凹部8の底面が相当する。側面4は、凹部8の表面から底面までの部分が相当する。例えば、凹部8は、実装基板2の表面に対してテーパー部を形成する。このテーパー部が側面4となる。凹部8が、図3、図4に示されるように台形状であれば、テーパー部が4面となる。この結果、実装基板2は、4つの側面4A〜4Dを備える。
また、凹部8の形成する底面が、平面3となる。このとき、平面3は、実装基板2の表面に対して略平行となることも好適である。略平行であることで、平面3に形成される平面発光部6からの照射光が、実装基板2に略垂直に直進するようになるからである。平面発光部6からの照射光が、実装基板2に略垂直に直進することで、実装基板2を本体部とする照明装置1の照射光の方向の制御が容易となる。
また、平面3の周囲に形成される側面4は、平面3の周囲の全部又は一部を取り囲む構成であることが好ましい。もちろん、平面3と一定の距離をおいた上で、側面4が形成されても良い。
平面3の周囲に複数の側面4が形成される場合には、複数の側面4のそれぞれが平面3と形成する交差角度は、同一であることが好ましい。例えば、図3、図4に示される照明装置1では、4つの側面4A〜4Dのそれぞれは、平面3と同じ交差角度をもって形成されている。また、交差角度が鈍角であることで、平面3からの照射方向と同じ側(角度は異なる)に、側面4A〜4Dからの照射方向が作られる。
このように、同一角度の交差角度を、側面4A〜4Dのそれぞれが有することで、所定の集中位置10で平面発光部6および全ての側面発光部6からの照射光が集中できる。この集中によって、集中位置10において仮想的な集中光源11が形成される。
なお、集中位置10の調整のために、複数の側面4のそれぞれと平面3との交差角度が異なっても良い。あるいは、側面4のいずれかが平面3に対しての交差角度を変更可能となっていてもよい。交差角度が変更されることで、集中位置10の位置を、事後的に調整できるメリットがあるからである。
また、図4などでは、4つの側面4が示されているが、側面4の数は、これら以外でも良い。また、側面4が複数ある場合でも、全ての側面4に側面発光部7が設けられなくても良い。
以上のように、実施の形態1の照明装置1は、立体構成となる平面3と側面4とを有する。この平面3と側面4との立体構成により、照射光が立体的に積分・重複できる。この積分・重複によって、集中位置10において、より光度の向上した光による集中光源11が形成される。
(平面発光部と側面発光部)
平面3は、平面発光部6を備える。平面発光部6は、単数又は複数の発光素子61を実装する。この平面発光部6は、平面3に略垂直の方向に照射光を発する。その上で、集中位置10において集中光源11を形成する。このため、平面発光部6からの照射光は、高い光度を有することが好ましい。
このため、平面発光部6は、複数の発光素子61を備えていることが好適である。また、平面発光部6において、複数の発光素子61がマトリクス状に実装されていることも好適である。マトリクス状に実装されることで、平面発光部6からの照射光の光度が高まるからである。
また、側面4は、側面発光部7を備える。このとき、複数の側面4が設けられる場合には、複数の側面4のそれぞれが、側面発光部7を備えることでも良い。あるいは、複数の側面4の一部のみが、側面発光部7を備えることでも良い。例えば、図3、図4に示される照明装置1においては、平面3の両端に形成される側面4A,4Cのみが側面発光部7A,7Cを備えることでも良い。
全ての側面4A〜4Dが側面発光部7A〜7Dを備える場合には、当然ながら側面発光部7からの光度が高まる。光度が高まれば、集中光源11の光度も高くなり、集中光源11に設けられる光学系部材による集光や拡散などの、以降の光学的処理が容易となる。
逆に、両端の側面4A,4Cのみに側面発光部7A、7Cが設けられる場合には、光度は劣るが集中位置10において平面発光部6と側面発光部7からの光を集中させやすくなる(集中位置10の調整が容易となる)。
このように、光度を優先するのか、集中位置10での集中を優先するのかで、側面4の構成を最適化することが好適である。
側面発光部7も、単数又は複数の発光素子71を実装している。このとき、光度を上げるために、複数の発光素子71が実装されていることが好ましい。また、平面発光部6と同様に、側面発光部7においても複数の発光素子71がマトリクス状に実装されることも好適である。光度が向上するからである。
また、発光素子61、71のそれぞれは、ベアチップの状態で実装されることも好適である。ベアチップであることで、実装面積を低減できる上に、集中位置10での照射光の集中を調整容易にできるからである。
ベアチップである場合には、発光素子61、71の表面(発光面)は、封止材で封止されることも好適である。封止材は、樹脂などであればよい。また、封止材に、蛍光体が混合されることで、ベアチップの発光素子61、71の固有波長を変化させて照射光を照射することもできる。
(集中光源)
側面4は、平面3に対して所定角度で傾きを有する。この所定角度が、平面3と側面4との交差角度である。この傾きを形成する角度によって、平面発光部6からの照射光と側面発光部7からの照射光は、集中位置10で交差する。
この集中位置10での交差によって、仮想的な集中光源11が形成される。
図4などでは、4つの側面4A〜4Dからの照射光と、平面発光部6からの照射光との交差によって、集中光源11が形成される。もちろん、複数の側面が、第1側面4A〜第n側面4nまでである場合には、これらの複数の側面4A〜4nに設けられた側面発光部7A〜7nからの照射光が、平面発光部6からの照射光と交差することで、集中光源11が形成される。
このように、多くの側面発光部7A〜7nからの照射光が交差することで、集中光源11での光度が高くなる。
図5、図6で説明した通り、この集中光源11は、仮想的な光源である。この仮想的な光源である集中光源11に、光学系部材が設置されることで、照明装置1は、収束光を容易に形成したり、拡散光を容易に形成したりできる。このとき、光学系部材に到達している照射光は、集中して高い光度を有しているので、光学系部材によって得られる収束光や拡散光も、高い光度を有する。
従来技術のような平面による光源とことなり立体による光源で得られる集中光源11により、発光素子61、71の数に比して高い光度に基づいて、収束光や拡散光が形成される。
この集中光源11は、集中位置10に形成される。この集中位置10は、側面4と平面3との交差角度で調整できる。あるいは、複数の側面4の交差角度によって調整できる。平面3と側面4との交差角度がより鈍角であれば、実装基板2からより遠い位置に集中位置10が設定される。逆に平面3と側面4との交差角度が小さければ、実装基板からより近い位置に集中位置10が設定される。
また、図4における側面4Aと側面4Cのそれぞれの平面3に対する交差角度を異ならせることで、平面3の略垂直方向において、ややずれた位置に集中位置10を設定することもできる。このように、照明装置1は、実装基板2を3次元的な立体としていることで、集中光源11を形成する集中位置10の位置を様々に変化させることができる。
(発光素子)
発光素子61、71のそれぞれは、LEDなどのデバイスが用いられる。もちろん、LEDに限られるものではなく、種々の発光デバイスが用いられればよい。また、上述の通り、発光素子61、71は、ベアチップの状態で実装されることもよい。ベアチップの状態で実装されることで、実装面積が削減されて、照明装置1の小型化が実現されるからである。
また、発光素子61、71は、平面発光部6および側面発光部7のそれぞれにおいて、高密度実装されることも好適である。高密度実装されることで、光度を向上させることができるからである。
また、発光素子61、71の波長を、集中位置10の距離に合わせることも好適である。平面発光部6の発光素子61からの照射光と、側面発光部7の発光素子71からの照射光とが、集中位置10において積分・重複することで、集中光源11が形成される。このため、集中位置10においては、発光素子61および発光素子71の波長が打ち消しあわないことが適当である。このため、波長が集中位置10において打ち消しあわないような発光素子61、71とされることが好適である。
以上のように、実施の形態1における照明装置1は、立体的構造により発光素子61、71から離隔した場所に、照射光を積分・集中させた集中光源11を形成できる。この集中光源11の形成においては、光学系部材を必要としない。この集中光源11を形成した上で、光学系部材を活用して、収束光や拡散光を高い光度および高い精度で実現できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
(発光素子の工夫)
平面発光部6の発光素子61および側面発光部7の発光素子71のそれぞれの色度が、相互に異なってもよい。図7は、本発明の実施の形態2における照明装置の正面図である。
図7の照明装置1は、平面発光部6の発光素子61と側面発光部7の発光素子71の色度が異なっている。図7での照明装置1では、平面発光部6、ある側面発光部7A〜7Dのいずれかでは同じ色度の発光素子61、71を有し、ある側面発光部7と別の側面発光部7とでは、異なる色度の発光素子71を有している。あるいは、側面発光部7と平面発光部6との色度が異なっている。
図7に示されるように、平面発光部6が備える発光素子61は、同じ色度を有している。側面発光部7A〜7Dのそれぞれにおいても、それぞれが備える発光素子71は、同じ色度を有している。一方で、側面発光部7Aと側面発光部7Bのそれぞれが備える発光素子71は、異なる色度を有している。また平面発光部6と側面発光部7のそれぞれが備える発光素子61と発光素子71とは、異なる色度を有している。
このように、発光部単体では同じ色度を有しているが、発光部のそれぞれでは、異なる色度を有していることもよい。
このように色度が異なることで、集中光源11において積分・重複した照射光は、コンポジットされた光となる。コンポジットされた光は、その後の光学系部材によって収束光や拡散光とされる場合に、様々な活用がなされる。
また、平面発光部6が含む複数の発光素子61は、異なる色度を有していてもよい。同様に、一つの側面発光部7が含む複数の発光素子71は、異なる色度を有していてもよい。図8は、本発明の実施の形態2における照明装置の正面図である。
図8に示されるように、平面発光部6が備える複数の発光素子61は、異なる色度を有している。言い換えれば、平面発光部6には、異なる色度の発光素子61が含まれていても良い。同様に、ある側面発光部7は、異なる色度の発光素子71を含んでいる。
このように、発光部のそれぞれにおいて、異なる色度の発光素子61、71を含んでいることで、集中光源11で積分・重複される照射光は、様々なコンポジット色を有するようになる。この結果、照明装置1が投光器やプロジェクタ等に適用される場合に、バリエーション豊かな集中光源11として適用される。
また、平面発光部6および側面発光部7のそれぞれは、R,G、Bに対応する発光素子61、71を含んでいても良い。R,G,Bに対応する発光素子61、71を含んでいることで、集中光源11において、R,G,Bのコンポジット光となる。このようなコンポジット光であることで、照明装置1が投光器やプロジェクタなどの光源として適用される場合に、好適である。R,G、Bの集中光源11を基点に、収束光や拡散光が作られるので、光学系製品としてのレベルが向上するからである。
このような場合にも、集中位置10に形成される集中光源11に、光学系部材が設置されることで、様々な光学系製品としての発展が可能である。しかも、実施の形態1で説明した通り、3次元的な発光部による集中光源11によって、光学系部材による機能が開始される。このことにより、照明装置1が様々な光学系製品に適用される場合の、その精度や機能を高めることができる。
(排熱の工夫)
図9は、本発明の実施の形態2における照明装置の側面図である。図9に示される照明装置1は、実装基板が冷媒循環路50を備えている。図9に示される照明装置1では、実装基板2の底面側に、冷媒循環路50が備えられている。冷媒循環路50は、実装基板2内部に埋め込まれても良いし、実装基板2の底面から部分的に露出しても良いし、実装基板2の底面に取り付けられても良い。
冷媒循環路50は、内部を冷媒が循環する。更に、冷媒循環路50は、実装基板2から突出して、外部に到達する。外部に到達した冷媒循環路50は、放熱部材に熱的に接続する。放熱部材に熱的に接続することで、冷媒循環路50を循環する冷媒は、実装基板2から奪い取った熱を、放熱部材で放出できる。
図10は、本発明の実施の形態2における照明装置の側面図である。図10は、図9の照明装置1を90度異なる角度から見た状態を示している。実装基板2は、冷媒循環路50を備えており、冷媒循環路50は、外部に突出している。図10から明らかな通り、冷媒循環路50A,50Bが、実装基板2の下方に突出しつつ、循環するようにループ状を有している。
冷媒循環路50A、50Bは、そのループ状に循環する途中に放熱部材51が設けられている。冷媒循環路50A,50Bは、板状の放熱部材51を貫通している。この貫通によって、冷媒循環路50A、50Bのそれぞれは、放熱部材51と熱的に接触できる。この熱的な接触により、冷媒循環路50A,50Bのそれぞれは、冷媒の循環で運搬する実装基板2からの熱を、放熱部材51に伝導できる。なお、実装基板2の熱は、発光素子61、71から生じる熱である。
放熱部材51は、図10に示されるように、板状の部材であることも多く、この板状の部材によって大きな表面積によって表面から熱を放出できる。この放熱によって、冷媒循環路50A,50Bを循環する冷媒は、冷却されて再び実装基板2に戻ってくる。なお、図10では、冷媒循環路50A,50Bを示したが、更なる数の冷媒循環路50が設けられても良い。
より詳細に説明する。
冷媒循環路50は、内部に冷媒を封入している。熱を生じさせている実装基板2に対応する冷媒循環路50内部において、冷媒は、凝縮した液体の状態で存在する。この液体の冷媒は、実装基板2から熱を奪い取る。この熱を奪い取る過程で、冷媒は気化して気化冷媒となる。気化冷媒は、冷媒循環路50内部を循環する。循環した先において、放熱部材51が存在する。
気化冷媒は熱を含んでいるが、この放熱部材51の設けられている位置において、気化冷媒は含んでいる熱を放出できる。この熱の放出によって、気化冷媒は再び凝縮して液体の冷媒に戻る。この液体の冷媒は、再び冷媒循環路50を循環して実装基板2の位置まで戻る。こうして、再び液体の冷媒が、実装基板2において熱を奪い取る。
これらが繰り返されることで、冷媒循環路50は、発光素子61、71が生じさせて実装基板2に伝導させる熱を放出できる。結果として、発光素子61、71の高密度実装に基づく発熱を抑えることができる。すなわち、平面発光部6および側面発光部7における発光素子61、71の高密度実装が可能となる。
また、放熱部材は、図11に示されるように実装基板2の底面に接続される放熱板52であることもよい。図11は、本発明の実施の形態2における照明装置の側面図である。
図11の照明装置1では、実装基板2の底面に放熱板52が接続されている。この放熱板52は、冷媒循環路50と接触している。冷媒循環路50は、実装基板2の底面側に沿って延伸するだけであり、図10のように底面の下方に向けて突出していない。このような冷媒循環路50を、放熱板52は実装基板2と合わせてサンドイッチしている。
このサンドイッチ状態によって、放熱板52は、冷媒循環路50を循環する冷媒の熱を外部に放出できる。この結果、冷媒が実装基板2から奪った熱が、外部に放出される。このとき、冷媒循環路50において生じる冷媒の機能は、上述の通りである。
また、図12に示されるように、冷媒循環路50は、放熱板52を備えつつ、十字方向に延伸する冷媒循環路50を備えることでも良い。図12は、本発明の実施の形態2における照明装置の正面図である。図12に示される照明装置1では、冷媒循環路50が、十字方向に延伸する。この延伸によって、発光素子61、71からの熱を、四方に分散できる。更に分散の後で、放熱板52を介して外部に熱が放出される。この放出によって、常に冷媒循環路50の冷媒は冷却されたままに保たれる。
このように、冷媒循環路50や放熱部材51によって、発光素子61、71によって生じうる熱を外部に放出できる。結果として、発光素子61、71の高密度実装が可能となり、光度をさらに向上させることができる。
以上のように、実施の形態2の照明装置1は、様々な工夫によりより使い勝手や適用範囲を向上させることができる。
以上、実施の形態1,2で説明された照明装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。