以下、本発明の一実施例に係る遊技機であるぱちんこ遊技機について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
<ぱちんこ遊技機の正面構成及びゲーム性の概要>
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技媒体である遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、同じく皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。下球皿16の下方に位置する下部前板18には複数のスピーカ19が設けられており、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力される。
遊技盤50は、扉14の陰に隠れた外レールと内レールにより区画された遊技領域52上に、アウト口58、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
また、遊技領域52の外における正面から見て左下の部位には、特別図柄等表示装置53が設置されており、この特別図柄等表示装置53には、図7(a)に示すように、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71が設けられている。なお、本実施例においては、第1特別図柄表示装置70及び第2特別図柄表示装置71を総称して特別図柄表示装置と称する場合もある。
図1及び図3に示すように、第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成(出力)する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」。図示略。)と、普通電動役物を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成(出力)する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物が拡開されると、所謂電チューサポートがされている状態となり、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
なお、第2始動入賞口63は第1始動入賞口62の下、すなわち第1始動入賞口62によって遊技球の入球が阻害される位置に設けられる。そのため、普通電動役物が拡開しない間は、第2始動入賞口63への入球は第1始動入賞口62により阻害されることとなり、第2始動入賞口63は入球困難な状態が維持される。したがって、遊技において第2始動入賞口63への入球を狙うためには、普通電動役物を拡開させる必要がある。なお、本実施例では、普通電動役物が拡開された結果、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなっているが、第1遊技と第2遊技の結果得られる利益等に応じて適宜設定すればよく、普通電動役物が拡開していない場合には一切入球しない構造、或いは第1始動入賞口62と同程度の開口巾を有するようにしても良い。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(図3のブロック図を参照)を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成(出力)する。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口に対して個々に有しても良いし、複数の一般入賞口72に入球した遊技球を一括して集合、検出しても良く、或いは各一般入賞口の配置位置(上下・左右)や設定される賞球個数(5個賞球と10個賞球)に応じて適宜グループ化して集合、検出しても良い。
図1に示すように、第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78(図3のブロック図を参照)と、第1大入賞口91を開閉させるための第1の開閉扉(図示略)、及び第1の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための第2の開閉扉、及び第2の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第1大入賞口91は、第1特別図柄192(図7(a)を参照)が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b,92bが各々設けられており、各装飾板には、遊技領域52を装飾するための文字や図形などが描かれている。この装飾板91b,92bには、第1の開閉扉、第2の開閉扉、第1大入賞口91、及び第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b,92bを不透明としてもよい。また、第1大入賞口91と第2大入賞口92は1の大入賞口(たとえば第1大入賞口91)のみを配置して共通的に利用しても良い。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に離れて第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている(図7(a)を参照)。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば右下隅にドットが付加された7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号αおよび記号βで表される。
なお、記号αと記号βは、7セグメントLEDのセグメント組み合わせで表示できる点灯パターンであって、そのパターン自体が文字等の意味をもつ配置とはなっていないものを示す。そのようなパターンを本明細書では便宜上「記号」と称し、その種類を区別するために「記号α」「記号β」として表記する。ちなみに、図7(a)における第2特別図柄の右側には、特別遊技における単位遊技の回数を示すラウンド数表示装置(図番省略)が2桁の7セグメントLEDとして設けられており、後述する第1又は第2特別遊技の発生に応じて両特別遊技のラウンド数を共用的に表示するようになっている。
図7(b1),(b2)に示すように、演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192や第2特別図柄193に連動する左の装飾図柄190a、中の装飾図柄190b、右の装飾図柄190cの変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190a〜190cは、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190a〜190cとして、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。
演出図柄表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。また、本実施例では、装飾図柄190a〜190cを、演出図柄表示装置60において、第1特別図柄192と第2特別図柄193とで共通で採用したものを例示しているが、個別に表示したり、装置自体を別個に設けてもよく、本実施例のように共用する場合にはいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示を演出図柄表示装置60の隅部に表示しても良い。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置で、且つ、第2大入賞口92の右上方の位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69(図3を参照)を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成(出力)する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レールと外レールに案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される(図7(b1)を参照)。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190a〜190cの変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される(図7(b2)を参照)。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190a〜190cは、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である16回(16R(ラウンド))繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である4回(4R(ラウンド))だけ繰り返される特別遊技などがある。また、大当りの種類に応じて、16回の単位遊技を行う特別遊技、及び、4回の単位遊技を行う特別遊技の何れにも複数の態様が設定されている。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが所定の小当り態様であった場合、小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。本実施例に係るぱちんこ遊技機10の小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を4回繰り返すので、外観上は一部の4R大当りと同様の動作態様となる。なお、小当り遊技についても前述した特別遊技のように複数の小当り種類を設け、開放する大入賞口や1単位遊技内の開放回数、開放パターンにバリエーションを持たせても良く、この種類の決定も特別遊技の種類を決定した際の手法と同様、小当りとなった特別図柄に基づき、或いは個別の抽選により行うことができる。また、種類として複数の態様のうち、小当りであることが外観上判別しやすい開放パターンを一部に設けて遊技性を広げることもできる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。本実施例においては、確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。また、16R大当りの場合、及び、4R大当りの場合の何れにおいても、その特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合がある。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。この時短中の入球容易状態は、普通図柄(後述する)の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物の開放延長は、普通電動役物の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における時短中の入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
また、本実施例においては、第1特別図柄192について小当りが発生した場合は、その小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として限定変動パターンテーブル(図示略)が参照される。このとき、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかに応じて異なる態様で第1特別図柄192の限定変動パターンテーブルが参照され、変動パターンが選択される。例えば第2特別図柄193がはずれ図柄αで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として10回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。また、第2特別図柄193がはずれ図柄βで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として20回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。これにより、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかによって異なる態様で特別な演出を実行することができるので、演出の設計の幅を広げることができる。なお、以下では状況に応じて、限定変動パターンテーブルを用いて行われる演出を限定変動パターン演出と称する。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は特別図柄等表示装置53に設けられており、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。なお、本実施における「ランプ」の用語はLED等も含む意味を有している。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。多数の遊技効果ランプ(LED等、図示しない)がセンター飾り64の内部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。また、センター飾り64には、可動演出部材93,94が設けられており、これらが演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されている。そして、遊技球を遊技領域52の右側に向けて発射する所謂右打ちが行われると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、この遊技球通路部65を流下して、作動口68や第2大入賞口92が配置された領域へ向かうことが可能となっている。
また、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。
第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193いずれかの変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。なお、本実施例の場合は、前述のように第2の遊技が優先的に実行されるので、第1特別図柄192については、第2特別図柄193の保留抽選結果に対応する図柄変動が全て終わって、保留抽選結果が全て消化されたことも変動開始条件となる。
普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。この操作ボタン82は、上球皿15の上部の外壁面に設けられており、上球皿15の左右方向の中央近傍に位置している。
操作ボタン82は、ボタン演出が実行された場合に遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、演出図柄表示装置60の表示領域194に操作ボタン82の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などが表示され、遊技者がこれに従って操作ボタン82を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出が挙げられる。また、本実施例においては、操作ボタン82の操作に応答して可動演出部材93,94が所定の動作を行った場合には、その時のリーチ演出に係る大当りの信頼度が高く、操作ボタン82を操作しても可動演出部材93,94が所定の動作を行わない場合には、その時のリーチ演出に係る大当りの信頼度が低い、といった態様で演出が実行されることもある。
通常時は操作ボタン82の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン82の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。なお、操作ボタン82に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン82を振動させる振動演出や、操作ボタン82の動作範囲を拡大して操作ボタン82を突没させるといった演出態様や、操作ボタン82を比較的大きく突出させるといった演出態様を実行することも可能である。
演出図柄表示装置60の表示領域194の下部には、図7(b1),(b2)中に示すように、第1の遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2の遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。ちなみに、保留表示については第1の遊技、第2の遊技の保留数が増加すると、夫々の遊技者からみて左側(図7(a)でも左側)を基準として順次表示が変化するようになっており、通常遊技時に多く入賞する第1始動入賞口62側(第1の遊技)の保留表示を基準側(左側)に、通常時にほとんど入賞しない第2始動入賞口63側(第2の遊技)の保留表示を右側に表示している。これは通常時の保留状態を遊技者が直感的に把握しやすくなることが期待できるためである。なお、普通図柄表示装置59の表示内容に対応した普通装飾図柄を、普通図柄表示装置59とは別途設けてもよく、この場合は、例えば演出図柄表示装置60を利用することが可能である。
<<本実施例における主要な演出内容の概要>>
本実施例においては、多数の演出パターンが備えられ、遊技の状況に応じて選択された演出パターンに応じて、演出図柄表示装置60に動画が表示される。各状況における演出パターンは、選択された演出パターンに更に、所定のキャラクタやアイテムの動画などを組合わせることで構成される場合もある。さらに、ぱちんこ遊技機10においては、用意された演出パターンの中には、所謂バトル演出が含まれている。このバトル演出は、例えば演出上の複数の登場人物が、主人公側とその敵役側とに分けられ、主人公側の登場人物と敵役側の登場人物とが格闘や戦闘をする様子の動画を表示するものである。
さらに、バトル演出には、主人公側の登場人物が闘いの結果勝利する内容の「バトル成功演出」や、主人公側の登場人物が敗北する内容の「バトル失敗演出」が含まれている。また、多くの種類の演出パターンの中には、「潜伏演出」も設けられている。この「潜伏演出」は、当否抽選が高確率で行われる確変中であっても、演出図柄表示装置60等を用いた演出上は確変中であることを報知せず、高確率中であるのか通常確率中であるのかの区別を遊技者に知覚されないよう表現した内容のものである。この「潜伏演出」については、代表的には、特別遊技が終了した後の遊技において、例えば数十回の第1特別図柄192(及び装飾図柄190a〜190c)の変動表示に亘って実行される、といった使い方がされる。
<<大当りに伴う遊技の概要>>
第1の遊技において大当り(第1特図当り)が発生した場合、第1大入賞口91を用いた特別遊技が実行される。そして、第1の抽選に係る大当りの種類に応じたパターンで第1大入賞口91が開放動作し、出球の有無や出球の量についての結果が得られる。また、発生した大当りの種類に応じて、特別遊技の終了後の確変や時短の有無が決まる。
第1の遊技における大当りが確変を伴うものでなかった場合、本実施例では時短が付与されず、遊技者は、第1始動入賞口62を狙い続ける通常の発射手法である所謂左打ちを継続する。
一方、第1の遊技における大当りが確変を伴うもの(確変大当り)であった場合には、一部の大当りを除いて、特別遊技の後に右打ちを伴う遊技が行われる。すなわち、第1の遊技における特別遊技の終了後、演出図柄表示装置60の画像や音声などによって右打ちを促す演出が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル17の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図1参照)を通過して通過検出装置69(図3を参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59(図3、図7(a)参照)に変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、多くの場合は1個、状況によっては数個程度の遊技球が、第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、一部を除いた確変大当りには時短が付加されるようになっており、時短中は普通電動役物の開放延長が行われる。ここで、時短中でない場合に普通電動役物の開放を行ってもよく、この場合の開放パターンも、比較的短時間(例えば0.5秒程度)のものや比較的長時間のもの(例えば2〜3秒程度)、或いはこれらの組合せによるものなど、種々の開放パターンを採用できる。
第2始動入賞口63への入球に基づき、第2の遊技の大当り(第2特図当り)が発生した場合、第2大入賞口92を用いた特別遊技が実行される。そして、前述した第2の抽選に係る大当りの種類に応じたパターンで第2大入賞口92が開放動作し、出球の有無や出球の量についての結果が得られる。また、前述のように、発生した大当りの種類に応じて、特別遊技の終了後の確変や時短の有無が決まる。
なお、大当り、特別遊技、右打ち、時短、電チューサポート等の関係については、上述のものに限らず、例えば、第1の遊技又は第2の遊技に係る特別遊技中に右打ちを行うもの、確変を伴わない通常大当りに係る特別遊技後について時短を付与するもの、一部の確変大当りについては特別遊技後に時短を付与しないものなど、種々の関係を採用することが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成及び電気的構成の概要>
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。図2に示すように前枠12の背面には、遊技球を誘導又は回収するための機構を備えたセット基盤39が取着されており、このセット基盤39の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット48、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板45が取り付けられている。また、遊技盤背面には、遊技全体を統括制御するメイン基板102、メイン基板102から受信される情報や独自に入力される情報に基づいて液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)等の各種演出装置の動作を制御するサブ基板104がセット基盤39の開口に対応するような位置に取り付けられている。
セット基盤39には、その上部に賞球を貯留する賞球タンク44、賞球タンク44に貯留された遊技球を整流案内する賞球通路、賞球通路と連絡し賞球タンク44内に貯留された球を1球単位で下方に流下排出可能な払出ユニット43、払出ユニット43から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿15又は下球皿16)に案内する賞球排出通路が図2のように遊技盤の上方から背面視右側部に亘って逆L字状に形成・配置されるとともに、遊技盤の背面中央に対応する位置に適宜広さの開口部が設けられている。
電源ユニット48は図2のように遊技機の背面視左下に設けられており、遊技機外部から供給される交流電源を遊技機全体(メイン基板102、サブ基板104を含む制御装置や液晶ユニット42等の演出装置など)で使用する各種の電圧に変換・生成して供給するものである。電源ユニット48の右側には、電源ユニット48から遊技機各部へ供給する電源を遮断するために傾倒スイッチで構成される電源スイッチ40が、遊技球が直撃落下してもオフにならないように、下側に傾倒したとき(スイッチの中央より下を押したとき)にオンとなるように設けられている。
払出制御基板45は、図2のように遊技機の背面視右下に設けられており、主に、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット43を制御する払出制御機能と、発射ハンドル17の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するように発射装置を制御する発射制御機能とを備えたものであり、CPU・ROM・RWM(リードライトメモリ、以下略。)を中心に適宜入出力回路等を備えている。
メイン基板102は、図2のように遊技盤50の背面視中央下部に設けられており、主に、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したことに基づく抽選処理等、遊技機の出球に関する処理や、サブ基板(演出制御基板)104、払出制御基板45等に対する制御指令(制御コマンド)、遊技状態情報等を出力する処理など、遊技機全体の中心的な制御機能を備えたものであり、前述の払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。
サブ基板104は、図2のように遊技盤の背面視中央上部に、液晶ユニット42と一体的に設けられており、主に、液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)における表示内容を制御する機能を備えたものであり、先のメイン基板102、払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。なお、サブ基板104は画像を制御する機能を有する関係上、サブ基板用の主CPUに加え、画像用のVDP、VDPを制御する画像制御専用のCPUも搭載している。
そして、これらのメイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。なお、メイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104の詳細については後述する。また、サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを総称したものである。そして、サブメイン基板301とサブサブ基板302の詳細については後述する。また、セット基盤39の図2中における右上部には、メイン基板102や払出制御基板45等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板49が設けられている。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能ブロック及び機能の概要>
図3は、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技制御装置100と、遊技制御装置100に対する入出力機器とを機能ブロックにより示している。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ19、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。なお、実際には遊技制御装置100の機能の一部として存在する払出制御基板45及び、この払出制御基板45により制御される部分の機能については一般的なものと差がないため、図3での記載及び説明は割愛し、必要な部分については、適宜説明する。
また、本実施例においてブロック図中のブロックとして説明されている構成(特に各種の機能的手段や機能的部分)については、CPUやROM、RWMによって実現されている機能に該当するものが含まれている。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成の詳細>
次に、前述の各電気的構成(図2,図3参照)のうち主要なものについて説明する。先ず、図4に示すように、ぱちんこ遊技機10には、電源基板251、払出制御基板45、メイン基板102、及びサブ基板104が備えられている。電源基板251には、上記払出制御基板45等が接続されている。払出制御基板45には、上記メイン基板102、遊技球等貸出装置接続端子板252、及びハンドル接続基板253等が接続されており、メイン基板102には、遊技盤接続基板254や、演出インターフェースA基板(図示略)等が接続されている。そして、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256が接続されている。
ここで、電源基板251は、前述の電源ユニット48に備えられている。また、払出制御基板45には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、遊技球等貸出装置接続端子板は、球貨操作に用いられる球貨操作基板(図示略)等が接続される。ハンドル接続基板253には、発射装置のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続される。また、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256のほか、前述の通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1大入賞口91の入賞検出装置78や大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口92の入賞検出装置79や大入賞口ソレノイド81、一般入賞検出装置73,磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。さらに、図柄表示基板256は、前述の特別図柄等表示装置53に備えられているものであり、図柄表示基板256には、第1特別図柄表示装置70や第2特別図柄表示装置71が設けられている。
プラ枠接続基板には、上球皿15や下球皿16に設けられた皿電飾接続基板259、各種スピーカ19に接続される各種スピーカ接続基板のうちの下スピーカ接続基板260が接続されており、皿電飾接続基板259には、演出ボタン基板261が接続されている。演出ボタン基板261は、操作ボタン82が備えられたボタン装置に設けられているもので、操作ボタンが押圧操作されたことを検出するスイッチ(図示略)や、操作ボタン用発光体82a(図示略)等を搭載している。
次に、電源基板251やメイン基板102等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラム(遊技制御プログラム)や固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路(図示略)が内蔵されている。なお、ROM502としては、内蔵されたものと外付けされたものを併用してもよい。
RWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。
払出制御基板45において、演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRWM513とを備えている。
払出制御基板45のRWM513は、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、メイン基板102のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路部542から停電信号が入力されるように構成されており、その停電信号がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
サブ基板104は、サブメイン基板301と、サブサブ基板302とにより構成されている。このうちサブメイン基板301は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び出力ポート528などが接続されている。また、サブメイン基板301には、後述する音出力制御に用いられる音制御回路820が備えられている。
サブサブ基板302は、ビデオRWM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート530と、出力ポート529と、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート530の出力側には、ビデオRWM524、キャラクタROM525と、画像コントローラ526、及び出力ポート529が接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出図柄表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
サブサブ基板302のビデオRWM524は、演出図柄表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWM524の内容を書き替えることにより、演出図柄表示装置60の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出図柄表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRWM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRWM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出図柄表示装置60に表示させるものである。
電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部542と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板45等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧をメイン基板102や払出制御基板45等に対して供給する。
停電監視回路部542は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501のNMI端子504、及び払出制御基板45のNMI端子514へ停電信号を出力するための回路である。停電監視回路部542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、電断信号をメイン基板102及び払出制御基板45へ出力する。電断信号の出力によって、メイン基板102及び払出制御基板45は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定電圧が所定電圧未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、メイン基板102及び払出制御基板45は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
なお、停電監視回路部542は、電源基板251以外の部位に配置することも可能である。例えば、メイン基板102上に停電監視回路部542を形成して、メイン基板102上において停電監視回路部542からCPU501のノンマスカブル割込み端子(図示略)に電断信号を入力してもよい。また、払出制御基板45への電断信号の入力を省略することも可能である。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に例えば遊技場店員等によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板45へ、バックアップデータをクリアするためのRWM消去信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板45は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、RWM消去信号を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
<メイン基板及びサブ基板の機能的構成>
次に、メイン基板102及びサブ基板104について機能的な側面から説明する。本実施例におけるメイン基板102は、図5に示すように、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、条件保持手段176、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、小当り遊技制御手段330、事前情報通知手段157、コマンド送信手段332を備える。さらに、メイン基板102は、情報信号出力手段333を備え、この情報信号出力手段333はカウンタ手段334を備え、カウンタ手段334は、ビット更新手段335、判定ビット検出手段336、加算手段(状態加算手段)337、及び減算手段(状態減算手段)338を備える。
一方、本実施例におけるサブ基板104は、前述のようにサブメイン基板301とサブサブ基板302とにより構成されており、このうちサブメイン基板301は、図6中に示すように、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。また、サブメイン基板301は、コマンド受信手段304、演出態様送信手段305を備える。さらに、サブ基板104には、スピーカ出力等の制御を行う音制御手段312と、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段313とが備えられている。
なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブメイン基板301に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブメイン基板301に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブメイン基板301ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブメイン基板301への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブメイン基板301に配置される。このようにメイン基板102からサブメイン基板301へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブメイン基板301に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ一方的に送信しない限りサブメイン基板301から参照することはできない。
また、サブサブ基板302は、サブメイン基板301と同じく図6中に示すように、演出態様受信手段308、演出実行手段309などを備えている。
<<メイン基板の主要な機能>>
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。ここで、第1の抽選に係る特別図柄について、前述の第1特別図柄のほか、第1特図、特図1、特別図柄1、図柄1などと称することがある。また、第2の抽選に係る特別図柄について、前述の第2特別図柄のほか、第1特図、特図2、特別図柄2、図柄2などと称することがある。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。本実施例では、第1当否抽選値及び第2当否抽選値として取得する乱数は、ハードウエアで構成された1の生成装置を共用したハードウエア乱数(CPU501の内部で生成される内蔵乱数)とソフトウエアの乱数生成プログラム(割込毎に更新するカウンタ等)により抽出したソフトウエア乱数(ソフト乱数)とを演算(加算)した2段構成の乱数発生手段により生成されている。ちなみに、取得タイミングが全く同一であれば第1始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値と第2始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値とは同一の値が取得されるため一方の乱数取得系のみが故障して想定外の遊技確率とならないように設計されている。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
<<メイン基板におけるその他の主要な機能>>
図5に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを前述の演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。
さらに、小当り遊技制御手段330には、小当り連続回数をサブメイン基板301へ通知する機能を備えており、小当り遊技が、間にはずれや大当りを挟まずに連続して発生した回数を計数して出力する。なお、サブメイン基板301に対して小当り連続回数を通知することに限らず、小当り連続回数が所定回数に達したか否か、或いは、所定の期間内に小当り連続回数が所定回数に達したか否か、といった事項を判定し、小当り連続回数が所定回数に達した場合には、その旨をサブメイン基板301に通知するようにしてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後に時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1図柄決定手段320または第2図柄決定手段322により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。一方、確変状態は、大当りの種類に応じて、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
事前情報通知手段157は、第1始動入賞口62に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第1抽選手段126による抽選結果を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。また、第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第2抽選手段128による抽選結果を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。これらの抽選結果を示す情報を以下では「保留抽選結果」とも呼ぶこととする。保留抽選結果には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63のいずれへの入球かを示す情報と、事前判定結果としての当否範囲・図柄範囲・パターン範囲とが含まれる。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。また、開閉制御手段124は、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては第2始動入賞口63の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。
<<サブメイン基板の主要な機能>>
サブメイン基板301においては、メイン基板102からの各種コマンドをコマンド受信手段304が受信し、後述のように、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134などにより決定及び制御された演出態様に係る演出態様情報が、演出態様送信手段305を介して、サブサブ基板302へ送信される。
サブメイン基板301に備えられたパターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出図柄表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190a〜190cの停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「555」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190a〜190cとして揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字に係る装飾図柄を選択することが可能である。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190a〜190cが「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。
当否判定結果が4R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せが選択されるが、例えば「333」のような所謂ぞろ目の組合せが表示される場合や、「757」のようなリーチはずれの表示が行われる場合や、「357」のような全て異なる図柄の組合せが表示される場合もある。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、リーチはずれの組合せや、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが表示される。なお、大当りでも小当りでもない場合には、4R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せを選択するようにしてもよい。そして、演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様またははずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずにはずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
サブメイン基板301における上述のノーマルリーチ、スーパーリーチは、メイン基板102で決定される「ノーマル1」、「ノーマル2」、「スーパー1」、「スーパー2」といった変動パターンに対応したものである。また、サブメイン基板301における上述のリーチなしパターンは、同じくメイン基板102における「リーチなし」の変動パターンに対応したものである。そして、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、メイン基板102の各変動パターンに対応して、サブメイン基板301の変動パターンが多数設けられており、メイン基板102で選択された変動パターンがサブメイン基板301にコマンドとして通知されると、サブメイン基板301では、指定された変動パターンに対して選択可能な複数の変動パターンのうちから、何れかの変動パターンが選択される。なお、メイン基板102における変動パターンが更に細分化されている場合には、サブメイン基板301における変動パターンも、メイン基板102における細分化に対応してより多数設けられる。また、サブメイン基板301における各種変動パターンは、前述の各種の予告演出パターンとの組合せで用いられることもある。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ19からの音声出力などの音出力(サウンド)に係る演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190a〜190cとして演出図柄表示装置60の表示領域194に変動表示させる。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190a〜190cの変動表示を含む図柄変動演出を演出図柄表示装置60に表示させる。
演出決定手段132は、事前情報通知手段157により通知された保留抽選結果を所定のバッファ領域に格納する。さらに、演出決定手段132は、メイン基板102の第1抽選手段126および第2抽選手段128から通知された本判定結果としての当該変動(その時に実行されている変動表示)に関する抽選結果と、事前情報通知手段157により予め通知されてバッファ領域に格納した保留抽選結果とにしたがって予告演出を表示させる。具体的には、将来時点において図柄変動が行われる保留抽選結果における大当りの発生有無を示唆するための前兆となる予告演出を表示させる。なお、演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するための所定の予告抽選を実行し、(例えば予め定められた確率にて)その予告抽選に当選したことを条件として、予告演出を表示させる。このように保留抽選結果中の事前判定結果に応じて設定される予告演出は「先読み演出」と呼ばれる。
また、演出決定手段132は、入賞情報に設定された第1保留手段144における保留数(以下、「第1の保留数」とも呼ぶ。)と第2保留手段146における保留数(以下、「第2の保留数」とも呼ぶ。)、および、図柄変動の実行状況(すなわち保留の消化状況)に応じて、現在時点での第1の保留数および第2の保留数を特定する。演出表示制御手段134は、演出決定手段132において特定された第1の保留数および第2の保留数を、演出図柄表示装置60の第1保留数表示部196および第2保留数表示部197に表示させる。また、演出決定手段132において保留数が新たに特定されると、第1保留数表示部196および第2保留数表示部197の表示を逐次更新する。
<ぱちんこ遊技機の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10の主要な制御処理について、図8〜図12に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球が検出された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図8及び図9に示す制御開始処理と電源断処理、図10に示す遊技進行割込み処理、及び電源断確認情報設定の処理であり、これらはメイン基板102において実行される。さらには、メイン基板102における制御処理と関係する払出制御基板45の制御処理についても説明する。
<<制御開始処理>>
図8及び図9に示す制御開始処理においては、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグの値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S33(S28〜S32))、電源断確認情報設定時の処理(S301〜S307)等を実行する。
<<<電源投入時に必要な設定>>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
また、この初期化スイッチ544の状態確認の処理(S5)においては、RWM先頭アドレス(番地)が相対アドレスの基準値としてセットされ、入力確認回数(ここでは5回)のセット、対応する入力ポート値の入力、当該入力ポートの値のうちのRWMクリアスイッチビットの検査、検査結果の確認、セットされた入力確認回数に亘り繰り返される入力確認、等の制御処理を実行する。
<<<電断時状況確認処理>>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。そして、電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致せず、S6における判定結果がNOとなった場合には、初期化スイッチ544の操作があった場合と同様に、制御処理は後述するRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<<電源断復帰時の処理>>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10,S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10,S11)。また、特別図柄表示装置(70,71)の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させるため、普通電動役物ソレノイド76、大入賞口ソレノイド80,81についてのソレノイド作動ビットが順に検査される。普通電動役物ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2始動入賞口63が開放中と判断し、第2始動入賞口63を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。続いて、第1大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第1大入賞口91が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。また、第2大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2大入賞口92が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70,71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。この処理においては、特別図柄モードフラグの値がロードされ(言換えれば、特別図柄モードフラグの値が組み込まれ)、所定のレジスタにストアされる。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)が実行される、さらに、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行され、ここでは、エラーフラグのアドレスがセットされ、エラー1フラグの内容の通信線異常ビットがセットされる。そして、制御処理は、後述する遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)へ進む。
<<<RWMの初期化時の処理>>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出図柄表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、検査結果が0であれば、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出図柄表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<<循環処理>>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S33(S28〜S32))が実行される。この循環処理(S33)においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。また、電源断確認情報が設定されているか否かが判定され(S30)、設定されている場合には(S30:Yes)、後述する電源断処理(S34〜S41)に移行する。
前述の電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていないと判定された場合には(S30:No)、初期値乱数更新処理を実行し(S31)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S32)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S32)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<<電源断処理>>>
電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていると判定された場合には(S30:Yes)、CPU501が強制再帰手段として機能し、第22再帰情報の設定が行われ(S301)、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。この強制的な第2再帰情報の設定(S301)により、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
続いて、電源投入時の情報フラグ(電源断情報フラグ)のアドレスがセットされ、当該電源断情報フラグの値が読み出されて、電源投入時の情報が正常に保存されているか否かが判定される(S302)。そして、電源投入時の情報が正常に保存されていた場合には(S302:Yes)、電源断正常データ(ここでは55H)が設定され(S304)、電源断となる際のRWMのチェックサムが算出されて(S305)、チェックサムデータが作成される。そして、アクセス禁止の設定を行い(S306)、電源断時ループ処理(S307)により、供給電圧が所定値以下となって電源断となるのを待つ。
前述の電源投入時の情報が正常に保存されているか否かの判定(S302)において、判定結果が正常に保存されていない(S302:No)となった場合には、電源断異常データが設定(S303)された後、前述のアクセス禁止の処理(S306)に移行する。
<<<初期値乱数更新処理>>>
前述の初期値乱数更新処理(S31)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。乱数の更新回数の取得においては、初期値乱数更新テーブル(図11(a)参照)の左列1行目の欄のデータアドレス(0D10H)の示す内容(乱数個数)を乱数の更新回数とする。なお、ここでは、乱数個数は、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数の3つになる。さらに、更新回数分の初期値乱数の更新の処理においては、更新回数分、初期値乱数更新テーブルの普通図柄当り初期値乱数のアドレス(下位)のデータアドレス(0D13H)を引数として2バイトソフト乱数更新処理(後述する)を実行する。なお、更新回数が2回以上の場合、前回実行した2バイトソフト乱数更新処理で取得した相対アドレスの基準値を引数とする。そして、2バイトソフト乱数更新処理で得られた乱数値を用い、初期値乱数更新処理(S31)における乱数関係値が生成される。
具体的には、相対アドレスの基準値として初期値乱数更新テーブルのアドレスがセットされ、乱数個数として上記基準値の内容がロードされる(言換えれば、上記基準値の内容が組み込まれる)。次に、上記基準値が+1され、乱数個数の退避が行われた後、2バイトソフト乱数更新処理が実行される。さらに、乱数個数の復帰が行われ、乱数個数を−1した結果が0でなければ前述の乱数個数の退避の処理に戻り、0であれば初期値乱数更新処理(S31)を抜ける。
また、初期値乱数更新処理(S31)においては、乱数関係値に異常があった場合に、その乱数関係値の補正が行われる。この乱数関係値の補正の処理においては、2バイトソフト乱数更新処理において得られた乱数値を基にして乱数関係値が生成され、この乱数関係値から所定値を減算する。減算した結果が0であれば、乱数関係値が正常であると判定して乱数関係値をストアするが、0未満の場合、乱数関係値が正常であると判定し、乱数関係値の最大値+1を補正値としてセットし、この補正値を乱数関係値に加算してから、得られた乱数関係値のストアを実行する。これにより、乱数関係値の異常が検出されるとともに、異常であった乱数関係値が補正される。
<<<2バイトソフト乱数更新処理>>>
前述の2バイトソフト乱数更新処理においては、入力された相対アドレスの基準値から乱数の最大値、乱数の格納アドレスを取得し、乱数の更新を行う。乱数の最大値の取得においては、上記基準値+0の示す内容を乱数最大値下位、上記基準値+1の示す内容を乱数最大値上位とする。乱数の格納アドレスの取得においては、上記基準値+2の示す内容を乱数格納アドレス下位とし、RWM先頭上位アドレスを乱数格納アドレス上位とする。乱数の更新においては、乱数を+1し、乱数最大値を超える場合には0にするため、取得した乱数格納アドレスの示す内容から2バイトの乱数を取得し、取得した乱数を+1する。加算した結果、取得した乱数最大値を超えた場合、0をセットする。なお、更新した乱数は、取得した乱数格納アドレスに格納した後、出力する乱数データにセットする。また、上記基準値+3を出力する上記基準値にセットする。
<<遊技進行割込み処理>>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図10に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41,S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S68)、割込みの許可(S69)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41,S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S68)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払い出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板45を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示装置70又は第2特別図柄表示装置71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電装役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄192及び第2特別図柄193の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル17のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70,71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板49(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32)が実行される。
<<<入力処理>>>
入力処理(S45)は、スイッチ入力に係る制御モジュールであり、この入力処理(S45)においては、遊技盤面に取り付けられている各スイッチや、断線短絡電源異常検知信号、開放信号、電波検知信号、及び、タッチ状態信号の各種信号の入力を監視するため、入力情報テーブルから検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを取得し、スイッチ入力を検査回数分行う。
検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータの取得においては、入力情報テーブルのアドレス(入力情報テーブル+0)が示す内容を検査回数とし、入力情報テーブル+1から入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを検査回数分取得する。
スイッチ入力においては、取得した入力ポートのレベルデータを作成した後、取得した立ち上がりマスクデータが0以外の場合、立ち上がりデータを作成する。レベルデータの作成においては、取得したレベルマスクデータが示すビットの状態を、取得した入力ポートから所定期間(例えば5μs)以上の間隔を開けて、所定回数(例えば5回)連続で読み込み、5回の読み込みが全て一致したビットを今回のレベルデータとして、取得したレベルアドレスに格納する。レベルデータの上位アドレス(レベル上位アドレス)はRWM先頭上位アドレス(0F0H)としている。また、5回の読み込みで1回も一致しなかったビットとしては、前回のレベルデータを格納する。
立ち上がりデータの作成においては、取得した立ち上がりマスクデータが示すビットの立ち上がりデータを作成するため、今回と前回のレベルデータの排他的論理和を演算し、排他的論理和の結果と今回のレベルデータの論理積を演算する。さらに、作成した立ち上がりデータと、取得した立ち上がりマスクデータの論理積を演算し、この論理積の結果を取得したレベルアドレスのアドレスに+1したアドレスの領域に格納する。
<<<各種乱数更新処理>>>
各種乱数更新処理(S46)においては、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数の更新においては、普通図柄変動パターン乱数を+1し、最大値(ここでは232)を超える場合は0にするため、普通図柄変動パターン乱数の下位アドレス及び普通図柄変動パターン乱数最大値+1(ここでは223)を引数としてRWM更新処理を実行する。変動パターン乱数の更新においては、変動パターン乱数を更新するため、変動パターン乱数の値から所定値(ここでは3511)を減算する。減算した結果が0未満の場合、減算した結果に変動パターン乱数最大値+1(ここでは50000)を加算する。演算した結果は、変動パターン乱数に格納する。
<<<初期値更新型乱数更新処理>>>
初期値更新型乱数更新処理(S47)においては、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するため、初期値更新型乱数更新テーブル(図11(b)参照)から更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、初期値ワークのアドレスを取得し、初期値更新型乱数の更新を行う。
更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスの取得においては、初期値更新型乱数更新テーブルの左列1行目の欄のデータアドレス(0D30H)の示す内容(乱数個数)を更新する乱数の数とし、初期値更新型乱数更新テーブルの左列2行目の欄以降から乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスを、更新する乱数の数分、順次取得する。
初期値更新型乱数の更新においては、初期値更新型乱数を+1し、最大値を超える場合は0にするため、初期値更新型乱数更新テーブル内の初期値更新型乱数の最大値が記載されているアドレスを引数として、2バイトソフト乱数更新処理を実行する。実行の結果、更新した初期値更新型乱数の値が取得した初期値ワークの内容と一致した場合、初期値更新型乱数の初期値を更新するため、取得した初期値ワークのアドレスから2行下のアドレス(0D37H),3行下のアドレス(0D38H)が示す初期値乱数の内容を新しい初期値とし、取得した初期値更新型乱数のアドレス及び取得した初期値ワークのアドレスに格納する。
<<<初期値乱数更新処理>>>
初期値乱数更新処理については、制御開始処理で実行される初期値乱数更新処理と同じプログラムモジュールが用いられているが、乱数関係値の更新の周期が遊技進行割込みの周期(ここでは4ms)となる点で、制御開始処理中に実行される場合とは異なっている。
<<<タイマ減算処理>>>
タイマ減算処理(S49)においては、2バイトタイマの更新を行うため、2バイトタイマ更新テーブルのアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+0)の内容をタイマ数とし、次のアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+1)からタイマ数分、2バイトタイマの下位アドレスの取得を行う。また、取得した2バイトタイマの検査を行い、検査の結果、2バイトタイマの値が0以外の場合、2バイトタイマの更新(2バイトタイマの内容−1)を行う。検査の結果、2バイトタイマの値が0の場合、2バイトタイマの更新は行わない。
<<<始動口2有効期間設定処理>>>
始動口2の有効期間設定処理(S50)においては、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、普通図柄ステイタス(後述する)の値及び始動口2有効延長タイマの値に対応した値を始動口2有効期間フラグ(の記憶領域)に格納する。普通図柄ステイタスの値、及び、始動口2有効延長タイマの値に対応した始動口2有効期間フラグに格納する値の関係は、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中を示す3である場合、始動口2有効延長タイマの値は何も設定されず、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。一方、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0でなければ、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。また、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0であれば、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2無効期間データ(0)が用いられる。
<<<入賞監視処理>>>
入賞監視処理(S51)においては、賞球を払出す回数の記憶、外部端子(前述の外部中継端子基板49(図2参照)の各種外部出力端子)へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)に送信するコマンドの送信要求を行うため、入賞監視テーブルのアドレス(入賞監視テーブル+0)の示す内容を検査回数とし、検査回数分、遊技球のスイッチ通過検査を行う。スイッチ通過検査の結果、遊技球がスイッチを通過したと判断した場合、賞球回数の記憶、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、コマンドの送信要求を行う。ここで、入賞監視テーブルの構成は、検査回数、及び、各種遊技球検出装置(遊技球スイッチ)の検査データからなり、検査データの構成は、スイッチビットデータ、EVENTデータ、MODEデータ、賞球判定データ、無効期間有無判定データからなる。
<<<賞球制御処理>>>
賞球制御処理(S52)においては、払出制御基板45を制御するため、払出制御基板45からのデータ受信の監視、払出制御基板45へのコマンド送信要求、払出制御基板45へのコマンド送信及び払出制御基板45からの受信データ検査を順に行う。払出制御基板45からのデータ受信の監視においては、データ受信監視処理を実行する。払出制御基板45へのコマンド送信要求においては、払出コマンド要求処理を実行する。払出制御基板45へのコマンド送信及び払出制御基板45からの受信データ検査においては、払出コマンド制御処理を実行する。
<<<普通図柄作動ゲート監視処理>>>
普通図柄作動ゲート監視処理(S53)においては、遊技球の普通図柄作動ゲート(ここでは作動口68)通過を監視し、普通図柄作動ゲートを通過していると判断した場合には、普通図柄作動保留球数(普通図柄の保留数)の更新を行う。更新の結果、普通図柄作動保留球数の値が最大数である4未満のときに遊技球の通過を確認した場合、普通図柄に係る乱数の記憶を行う。
<<<普通図柄制御処理>>>
普通図柄制御処理(S54)においては、普通図柄表示装置59又は普通電動役物に係る処理を行うため、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合に、普通図柄表示装置59又は普通電動役物に係る処理を実行する。普通図柄の状態の監視においては、前述の普通図柄ステイタスが0の以外の場合、普通図柄制御中と判断する。普通図柄制御処理中、普通図柄ステイタスの値は1〜4をとり、各普通図柄ステイタス1〜4において対応する制御モジュールが実行される。そして、普通図柄ステイタス1は普通図柄変動中、普通図柄ステイタス2は普通図柄停止図柄表示中、普通図柄ステイタス3は普通電動役物作動中、普通図柄ステイタス4は普通電動役物作動終了デモ中に対応している。
<<<普通図柄変動開始監視処理>>>
普通図柄変動開始監視処理(S55)においては、普通図柄の作動状態を監視し、普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数の更新、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動設定を行う。普通図柄の作動状態の監視においては、普通図柄ステイタスの値が、普通図柄変動待機中を示す0の場合、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外の場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄作動保留球数の更新においては、普通図柄作動保留球数の内容を−1する。当り判定、停止図柄の決定においては、普通図柄当り判定処理を実行する。普通図柄の変動設定においては、普通図柄変動パターン番号の設定、普通図柄の変動時間の設定の後、普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアを行う。
普通図柄変動パターン番号の設定においては、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、取得した普通確変作動データ及び普通図柄変動制御テーブルのアドレスを引数としてバイトデータ取得処理を実行する。実行の結果、取得した基底アドレスと取得した1バイトデータを加算して算出したアドレス及び普通図柄変動パターン判定領域の値を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した選択番号を普通図柄変動パターン番号とする。普通図柄の変動時間の設定においては、普通図柄変動時間テーブルアドレスを基準として(−2して)得た値及び普通図柄変動パターン番号を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した2バイトデータを普通図柄タイマに格納する。普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアにおいては、普通図柄の状態を普通図柄変動中にするため、普通図柄変動中状態設定テーブルのアドレスを引数としてデータ格納処理を実行する。また、当り判定に使用した普通図柄当り判定領域及び変動パターンの決定に使用した普通図柄変動パターン判定領域を0でクリアする。
<<<始動口監視制御処理>>>
始動口監視制御処理(S56)においては、遊技球の始動口1(第1始動入賞口62)入賞及び始動口2(第2始動入賞口63)入賞の監視を行う。始動口1及び始動口2の何れについても、対応する監視テーブル(始動口1監視テーブル又は始動口2監視テーブル)を用いて始動口監視処理が実行されるが、始動口2については、始動口2有効期間フラグの値を検査し、検査の結果、始動口2有効期間フラグの値が所定の始動口2有効期間データである場合に、始動口監視処理が実行される。
<<<特別図柄制御処理>>>
特別図柄制御処理(S57)においては、当り待ちの状態の検査を行い、当り待ちの状態と判断した場合、特別図柄表示装置1(第1特別図柄表示装置70)又は特別図柄表示装置2(第2特別図柄表示装置71)に係る処理を実行する。当り待ち状態の検査においては、特電遊技ステイタス(後述する)の値が0の場合、当り待ちの状態であると判断する。特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理においては、特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理の何れかを行うため、特図2遊技ステイタスの値を検査する。検査の結果、0の場合、特別図柄表示装置1に係る処理を行うと判断し、0以外の場合、特別図柄表示装置2に係る処理を行うと判断する。特別図柄表示装置1に係る処理、及び、特別図柄表示装置2に係る処理の各々においては、対応する特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図制御テーブル(特図1制御テーブル又は特図2制御テーブル)のアドレスを引数として特別図柄制御汎用処理を実行する。
<<<特別電装役物制御処理>>>
特別電装役物制御処理(S58)においては、特別電動役物に係る処理を行うため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。条件装置及び特別電動役物の作動状態の検査においては、特電遊技ステイタスの値が0以外の場合、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断する。条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中、特電遊技ステイタスの値は1〜8をとり、各特電遊技ステイタス1〜8において対応する制御モジュールが実行される。そして、特電遊技ステイタス1は大入賞口開放準備中、特電遊技ステイタス2は特別電動役物作動中、特電遊技ステイタス3は大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス4は大当り終了デモ中、特電遊技ステイタス5は小当り開始デモ中、特電遊技ステイタス6は小当り特電作動中、特電遊技ステイタス7は小当り大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス8は小当り終了デモ中に対応している。
<<<大入賞口有効期間設定処理>>>
大入賞口有効期間設定処理(S59)においては、大入賞口有効期間バッファの値に対応した値を大入賞口有効期間フラグに格納する。例えば、大入賞口有効期間バッファの値が0の場合、大入賞口無効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納し、大入賞口有効期間バッファの値が0以外の場合、大入賞口有効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納する。本実施例では、大入賞口として第1大入賞口91及び第2大入賞口92を備えているが、何れについても同様の制御処理を適用することが可能である。
<<<特別図柄変動開始監視制御処理>>>
特別図柄変動開始監視制御処理(S60)においては、特別図柄1(ここでは第1特別図柄192)及び特別図柄2(ここでは第1特別図柄192の変動開始の監視を行う。特別図柄1及び特別図柄2の何れにおいても、特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図変動開始監視テーブル(特図1変動開始監視テーブル又は特図2変動開始監視テーブル)のアドレスを引数として特別図柄変動開始監視処理を実行する。
<<<異常検知処理>>>
異常検知処理(S61)においては、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠・裏セット(ここではセット基盤39)の開閉状態の監視等を行うためエラー判定値の作成を行う。その後、エラー状態の検査、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)への遊技機のエラー状態演出の表示要求を順に行う。なお、エラー状態の検査でエラー状態に変化無しと判断した場合、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求は行わない。
エラー判定値の作成においては、エラー判定値を作成するため、磁気検知信号の検査、断線短絡電源異常検知信号の検査、電波検知信号の検査、及び、開放信号の検査を順に行う。ただし、これらの検査に使用する検査データは、受信信号レベルの値とエラーフラグの値を排他的論理和した結果に通信異常マスクデータで論理積した値としている。エラー状態の検査においては、エラー状態の検査を行うため、エラーフラグ比較値とエラーフラグの値を比較し、一致した場合、エラー状態に変化無しと判断する。なお、エラーフラグの比較値は、エラー判定値の作成で作成したエラー判定値のビット0に通信線異常判定の値のビット0を反映した値としている。エラー状態の記憶においては、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値をエラーフラグに格納する。演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求においては、MODE(エラーA)データ、及び、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値を引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<<入球通過時間異常検出処理>>>
入球通過時間異常検出処理(S62)においては、入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチ(各入賞検出装置)レベルの連続オン時間の監視を行い、監視の結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に行う。ただし、各スイッチレベルの連続オン時間の監視で、連続オン時間が異常ではないと判断した場合、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成は行わない。
各スイッチレベルの連続オン時間の監視においては、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行うため、連続スイッチテーブルのアドレスの示す内容を検査回数とし、検査回数分、スイッチビットデータを順次取得する。取得した各スイッチビットデータに対応したタイマアドレスの取得、スイッチレベルのオン時間の計測を行い、連続オン時間が異常と判断した場合、各スイッチビットデータに対応したアドレスに記憶されたEVENTデータの取得を行う。連続オン時間が異常ではないと判断した場合、EVENT(エラーB0)データ(00H)を設定する。なお、取得したEVENTデータと入球通過時間異常フラグ(後述する)の値が異なる場合、前回から変化があったと判断する。入球通過時間異常の設定においては、EVENTデータを入球通過時間異常フラグに格納する。コマンドの送信要求においては、MODE(エラーB)データ(9EH)及びEVENTデータを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成においては、異常センサ検知タイマのアドレス+1を引数として信号出力要求処理を実行する。
<<<遊技状態表示処理>>>
遊技状態表示処理(S63)においては、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成、エラー状態の表示データ作成、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成を行う。
特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成においては、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データを作成するため、最大作動回数比較テーブルのアドレスから検査回数を取得する。取得した検査回数分、最大作動回数比較テーブルの最終ラウンドデータと大入賞口最大開放回数の値を順次比較し、一致した場合、一致した時の検査回数を特別電動役物が連続して作動する回数の表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。全て一致しなかった場合、0を表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。
エラー状態の表示データ作成においては、エラー状態の表示データを作成するため、状態表示灯1及び状態表示灯2の表示データの作成並びに主制御エラー表示灯の表示データの作成を行う。普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成においては、作動保留球数更新テーブルのアドレスの示す内容を更新回数として、更新回数分、作動保留球数の下位アドレス及び点滅タイマの下位アドレスを順次取得し、点滅タイマの更新及び表示パターン番号の作成を行う。
<<<ハンドル状態信号検査処理>>>
ハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル17のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
ハンドル状態の検査においては、ハンドル状態の検査を行うため、受信信号レベルの値及びハンドル状態フラグの値を検査する。そして、受信信号レベルの値を示すビットが0で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断する。また、受信信号レベルの値を示すビットが1で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断する。
ハンドル状態監視タイマの減算においては、ハンドル状態監視タイマの減算を行うため、ハンドル状態監視タイマの内容を−1する。減算の結果、0以外の場合、タイマ減算中と判断する。ハンドル状態の更新においては、ハンドル状態の更新を行うため、ハンドル状態フラグの値に対応した値をハンドル状態フラグに格納する。ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は01Hとなり、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は00Hとなる。
ハンドル状態監視タイマの設定においては、ハンドル状態監視タイマの設定を行うため、ハンドル状態監視タイマにハンドル状態監視時間を格納する。ハンドル状態演出のコマンド送信要求においては、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行うため、MODE(ハンドル状態情報)データと、所定の値である7FHを論理積した結果、及び、ハンドル状態フラグの下位アドレスを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<<LED出力処理>>>
LED出力処理(S65)においては、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物置の作動状態の表示、(右打ちや左打ちの)打ち分け表示、及び、エラー表示を行うため、表示の初期化、表示データの出力を順次行う。
表示の初期化においては、表示を初期化するため、クリアデータをセグメント出力ポートへ出力する。表示データの出力においては、表示データを出力するため、表示するデータに対応したデジット(ここでは7セグメントLEDの各セグメントやこれに付加されたドットなどのうちの何れか)を出力した後、表示するデータを出力する。このうち、表示するデータに対応したデジットの出力においては、表示するデータに対応したデジットを出力するため、デジットカウンタの更新後、デジットのデータ出力を取得し、取得した出力データを出力する。
表示するデータの出力においては、表示するデータを出力するため、基底アドレスを取得する。取得した基底アドレスを使用し、出力データを作成後、作成した出力データをセグメント出力ポートへ出力する。基底アドレスの取得においては、デジットカウンタの値の2倍値とデジットデータテーブルのアドレスを加算して算出されるアドレス+1の値をテーブルアドレスとし、テーブルアドレスの示す内容をテーブルアドレス算出値とする。次に、テーブルアドレスとテーブルアドレス算出値を加算して得られるアドレスを基底アドレスとする。出力データの作成においては、基底アドレスが示す内容を検査回数とし、基底アドレスを用いた所定の演算の処理を検査回数分繰り返し、出力データを作成する。
<<<発射制御信号出力処理>>>
発射制御信号出力処理(S66)においては、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板45との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得後、発射の禁止/許可の信号の出力を行う。払出制御基板45との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグを作成し、出力データを取得する。
ビット設定要求を反映したフラグの作成においては、エラーフラグの通信異常ビット又はエラーフラグの断線短絡電源異常ビットがオンの場合、ビットクリア要求ありとフラグに反映し、それ以外の場合、ビットセット要求ありとフラグに反映する。出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグ、デジット等バッファのアドレス、及び、発射許可信号ビットデータを引数としてビットデータ設定処理を実行する。実行の結果、取得したビットデータを出力データとする。発射の禁止/許可の信号の出力においては、発射の禁止/許可の信号を出力するため、取得した出力データをデジット等出力ポートへ出力する。
<<<試験信号出力処理>>>
試験信号出力処理(S67)においては、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。複数の試験信号出力ポートのうち、試験信号出力ポート1は、各特別図柄の変動中、小当り、大当り、役物連続作動装置作動中、条件装置作動中の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート2は、普通電動役物開放延長状態、普通図柄変動時間短縮状態、普通図柄高確率状態、特別図柄変動時間短縮状態、特別図柄高確率状態の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート3は、普通電動役物作動中信号、普通図柄変動中信号、普通図柄当り信号、特別電動役物作動中信号を対応付けられた各端子から出力する。各試験信号出力ポート1〜3に出力する信号の作成のため、試験信号データテーブル1〜3のうち対応する試験信号データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を行う。
試験信号出力ポート5は、遊技機エラー状態、発射位置指定、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート5に出力する信号の作成においては、普通図柄組合せ番号の下位2ビットを図柄データのビット0,1とする。また、試験端子エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出ありの場合、遊技機エラー中と判断し、遊技機エラー状態信号のオンを作成する。それ以外の場合、遊技機エラー状態信号のオフを作成する。打ち分け状態フラグの値が0の場合、発射位置指定信号1〜3のオフを作成する。それ以外の場合は、発射位置指定信号1のオン、発射位置指定信号2及び発射位置指定信号3のオフを作成する。試験信号出力ポート6及び試験信号出力ポート7は、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。
<<<ソレノイド出力処理>>>
ソレノイド出力処理(S68)においては、普通電動役物ソレノイド及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得、及び、出力データの出力を行う。普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得においては、それぞれ、ソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマの取得、出力データの取得、ソレノイド作動タイマの更新を順に行う。出力データの出力においては、取得した普通電動役物ソレノイドの出力データ、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの論理和の結果をソレノイド出力ポートへ出力する。
<<<演出制御コマンド送信処理>>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<<外部情報出力処理>>>
外部情報出力処理(S70)においては、外部入力端子に出力する信号を作成し、作成した信号の出力を行う。外部情報出力ポートの構成には、外部情報1〜外部情報6、及び、セキュリティを含み、残りの一つビットは未使用である。外部情報1、外部情報3〜外部情報6の作成においては、外部情報データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を実行する。当りフラグの値が特図1小当りデータの場合、かつ、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、普通図柄表示装置の確率変動機能が未作動の場合、外部情報3ビットのオンを作成する。
外部情報2の作成においては、外部情報2を作成するため、始動口情報タイマの所定のビットの検査を行い、検査の結果、始動口情報タイマの所定のビットのオン/オフに合わせて外部情報2のオン/オフを作成する。セキュリティの作成においては、外部情報エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出あの場合、出力データのセキュリティビットのオンを作成する。それ以外の場合、出力データのセキュリティビットのオフを作成する。作成した信号の出力においては、作成した外部情報1〜外部情報6及びセキュリティを外部情報出力ポートに出力する。なお、本実施例では、外部情報として出力される信号の生成が前述のタイマ減算処理(S49)を利用して行われているが、外部情報出力される信号の生成態様の詳細については後述する。
<<メイン基板における割込み>>
次に、メイン基板102における割込みについて説明する。メイン基板102においてはマスカブル割込みとノンマスカブル割込みが行われ、このうちマスカブル割込みはPT0Iによるものである。PT0Iによるマスカブル割込みは、システムクロックを分周して4msの割込み周期を実現しており、この割込み周期で前述の遊技進行割込み処理(PTC0割込み処理)を実行させる。
一方、ノンマスカブル割込みは、メイン基板102が電源断を検知して電断信号を出力し、この電断信号がノンマスカブル割込み端子504に入力されると発生する。
遊技進行割込み処理は、割込み処理時間監視手段により監視されており、この割込み処理時間監視手段が、CPU501のプログラム管理エリアの機能設定に設定されたタイムアウト時間内に初期化されてリスタートすることができない場合は、タイムアウトとなってユーザーリセットが発生する。そして、CPU501のコアがリセットされ、制御開始処理が実行される。割込み処理時間監視手段のリスタートは、制御開始処理内の循環処理中と、遊技進行割込み処理中のそれぞれで再帰情報が設定されて内蔵タイマが初期化されると実行される。
<<メイン基板における乱数>>
次に、メイン基板102において用いられる乱数について説明する。本実施例における乱数は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供されるその他の乱数に分かれる。役物作動に係る乱数には、普通図柄当り乱数、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当り図柄初期値乱数の7種類がある。
普通図柄当り乱数は、普通図柄表示装置の抽選に使用する乱数である。乱数の値は「0〜282」をとり、乱数の大きさは283である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の普通図柄当り初期値乱数の値を普通図柄当り乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、作動口68の通過検出装置69により遊技球の通過を検出した時である。当せんすることとなる乱数値の数は、低確率の場合と高確率の場合で異なり、低確率時は11個、高確率時は282個である。
<<外部情報出力される信号の生成態様>>
前述のように本実施例に係るぱちんこ遊技機10においては、外部中継端子基板49(図2参照)から遊技機外部に出力される信号(情報信号)の作成は、前述(図5参照)の情報信号出力手段333や、遊技進行割込み処理のタイマ減算処理(図10のS49参照)などを用いて行われている。以下に、本実施例における情報信号の生成態様について説明する。
先ず、外部中継端子基板49は、プリント基板上に多数の外部接続端子49aを所定の配置で実装しており、図示は省略するが、ぱちんこ遊技機10の外部の機器であるホールコンピュータHC等にケーブルハーネスを介して電気的に接続されている。多数の外部接続端子49aの中には、メイン基板102及び払出制御基板45から、例えば中継基板(図示略)を介して複数種類の信号線を集合させた集合型のコネクタを接続するためのものや、ホールコンピュータHCへ出力される情報の種類毎に個々に分離されたコネクタを接続するためのものなどがある。さらに、外部中継端子基板49において、入力側と出力側の外部接続端子49aの間には、個々の出力側の外部接続端子49aに対応してリレー素子(図示略)が設けられている。なお、ホールコンピュータHCとの間に、複数のぱちんこ遊技機10を並べて保持することが可能な島設備に備えられた島コンピュータを介在させてもよい。
また、外部中継端子基板49の出力用の外部接続端子49aには、以下の用途のものがある。例えば、メイン基板102からの信号に係るものとして、大当り時に大当りの間中信号を出力する大当り出力用端子、そのときの遊技状態(通常遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態等)に係る情報を出力するための遊技状態情報出力用の端子、各始動口(第1始動入賞口62や第2始動入賞口63など)の1個毎の入賞に係る信号を出力する始動口入賞時出力用端子、特別図柄確定停止時に信号を出力する特別図柄確定回数用出力用端子等、遊技機枠の扉類(前枠12や扉14など)の開放に係る信号を出力する扉開放出力用端子、各種エラー情報を出力するためのエラー情報出力用端子、及び、賞球タンク44に球が不足している間信号を出力する球切れ時出力用端子、などである。さらに、メイン基板102からは状況に応じて賞球予定数信号が出力され、外部接続端子49aには、この賞球予定数信号用の端子が備えられている。賞球予定数信号は、遊技領域52での遊技球検出により入賞が発生した時点で、払出しが予定される賞球数の合計(賞球予定数)が計算され、計算された賞球予定数のうちから例えば10個毎に(10個単位で)外部出力される信号である。
これらの各端子から遊技機外部に出力される情報信号(外部情報信号、外端出力信号、外端信号、或いは外端出力などともいう)は、遊技に係る所定の状態の発生を機外に示すものである。そして、外部中継端子基板49が接続される外部機器に関しては、完全な統一規格が存在するわけではなく、外部機器が要求する信号の形態は全て同じというわけではない。
例えば、図12(a)は、前述の情報信号出力手段333により生成される外部情報信号の形態を示すもので、始動口での入賞の発生を表している。前述の第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63始動口への入賞があると、ぱちんこ遊技機10のメイン基板102において、始動入賞を検出したことが記憶され、始動入賞に係る外部情報出力用のメモリ(始動入賞情報用の外端出力バッファ)に、順次情報が加算される。そして、外端出力バッファから出力されるべきタイミングが到来すると、図12(a)中に示すように信号が立ち上がってオン(ON)となり、所定時間T1に亘りオン状態が維持され、この後信号が立ち下がってオフ(OFF)となる。さらに、後続の始動入賞情報が外端出力バッファに保持されていれば、所定時間T2のオフ状態の経過の後に、再び信号がオンとなり、所定時間T1の後にオフとなる。このような周期的な信号のオンとオフは、外端出力バッファに出力対象となる情報が存在する間繰り返される。そして、これらの所定時間の計時は、前述のカウンタ手段334を用いて行われる。
本実施例では、信号がオンとなる所定時間T1と、オフとなる所定時間T2は、ともに同じ512msに設定されている。これは、出力先の外部機器の特性を考慮し、安全性を確保して設定されたものである。つまり、信号のオンとオフの期間が過度に短いと、外部機器の特性によっては、例えば2回の状態発生を1回としてカウントしてしまうことが考えられ、正確な発生回数が把握できなくなり得る。しかし、発明者らが多くの遊技場の関係者から得た情報を検討した結果、500ms以上のオン,オフ期間があれば、どのような外部機器が使用されていたとしても、外部機器の側でオンとオフとを混同することなく正確に区別することができるという結論に至った。
なお、払出制御基板45からの信号に係るものとして、外部中継端子基板49に、払出制御基板45からの情報(賞球個数情報など)をホールコンピュータHC等へ出力する賞球払出関連情報出力用端子が設けられていてもよい。賞球個数情報としては、賞球の所定個数分毎(例えば5個毎や10個毎など)に信号形態を変化させて、ホールコンピュータHC等が、単位賞球数の累積値である総賞球個数を集計できるようにしたものを挙げることができる。払出制御基板45からの信号に係る賞球個数情報は、実際に払出された遊技球の検出に基づくものである。このため、前述のメイン基板102からの賞球予定数信号と比べると、例えば共通の入賞に対する賞球を表す場合であっても、払出制御基板45からの賞球個数情報に係る信号は、メイン基板102からの賞球予定数信号よりも、若干遅れて出力されることになる。
図12(b)及び(c)は、前述の外端出力バッファの機能を説明するためのものである。図12(b)中に示すように、本実施例における外端出力バッファは2バイト構成を有しており、下位バイトと上位バイトとで、記憶される情報の内容が異なっている。外端出力バッファの下位8ビットa0〜a7は、タイマ情報記憶部(タイマ部分)として用いられており、このタイマ情報記憶部は、外部情報信号のオン,オフを制御するための情報が記憶される。そして、このタイマ情報記憶部の最下位ビット(第1ビット)a0から第7ビットa6は、所定時間(ここでは512ms)を計時するために用いられる計時用ビットとなっており、最上位ビットa7は、外端出力情報のオン,オフの切り替えを制御するため判定ビットとなっている。
一方、外端出力バッファの上位8ビットb0〜b7は、所定状態(ここでは始動口入賞)の発生回数を示す外端信号出力回数記憶部として用いられており、この外端信号出力回数記憶部には、発生回数に係る情報が保持される。さらに、外端信号出力回数記憶部の最下位ビットb0は、上述のタイマ情報記憶部における判定ビットa7と隣り合った状態検出ビットとなっている。この状態検出ビットb0に対して、始動入賞の状態が発生する毎に値1が順次加算される。さらに、状態検出ビットb0の値は、外端信号出力がオンとなる毎に1ずつ減算される。
また、状態検出ビットb0を含む外端信号出力回数記憶部の値が0でない場合に、始動入賞の状態が発生すると、状態検出ビットb0よりも上位のビットb1〜b7を利用して、始動入賞の状態が発生する毎に外端信号出力回数記憶部に対する加算が実行される。そして、外端信号出力をオンとする制御は、外端信号出力回数記憶部の8ビットの値が全て0になるまで間欠的に繰り返される。
図12(c)は、外部情報信号がオフからオンに変化し、更にオフとなる際の外端出力バッファの変化の一例を示している。すなわち、図12(c)は、図中の最上段左側に示すように入賞が発生して外部情報信号がオンとなり、所定期間(ここでは512ms)に亘りオンの状態が継続し、その後にオフの状態が所定時間継続するまでの一連の変化を示している。
本実施例においては、外端出力バッファの値の更新は、前述の遊技進行割込み処理(図10参照)中のタイマ減算処理(S49)に伴って行われる。さらに、前述のように、遊技進行割込み処理の実行周期は4msである。このため、タイマ情報記憶部を含む外端出力バッファの更新は、図12(c)中の最上段から最下段へ順に示すように、4ms毎(1割込み毎)に実行されることになる。
ここで、本実施例におけるタイマ減算処理(S49)は、前述のように2バイトタイマに対する減算が可能なものであり、設定されたタイマ数に応じた計時を可能としている。そして、タイマ減算処理(S49)においては、1バイトを超える大きさのデータに対し一気に連続した減算が可能である。つまり、本実施例におけるタイマ減算処理(S49)は、1バイトを超える大きさのタイマを形成可能である分、1バイト単位での減算処理に制限されるものに比べて、制御処理の負担を省力化できる。
外端出力バッファの値が全て0の状態(図示略)においては、外端出力(情報)はオフの状態となっている。この状態で始動入賞が発生し、始動口監視制御処理(図10中のS56参照)により始動入賞が検出されると、前述の加算手段337により、図12(c)中の最上段のビット配列に示すように、外端信号出力回数記憶部の状態検出ビットb0に1が加算される。
さらに、この状態検出ビットb0への加算が行われた遊技進行割込み処理の1回後の周期の、即ち1割込み後の遊技進行割込み処理において、図中の上から2段目のビット配列に示すように、タイマ情報記憶部の判定ビットa7、及び、判定ビットa7よりも下位のビットb0〜b6の値が全て1とされ、この結果、タイマ情報記憶部の下位7ビットb0〜b6には、10進数で表した場合の「128」の値(2の7乗の値)がセットされることとなる。さらに、判定ビットa7の状態は、前述の判定ビット検出手段336により検出され、判定ビットa7が1である場合には、外端出力の状態がオンとされる。
また、外端信号出力回数記憶部の状態検出ビットb0の値は、前述の減算手段338により減算されて0となる。そして、この状態検出ビットb0の値は、後続の始動入賞が発生していなければ0のままである。しかし、状態検出ビットb0の値が1であるときに後続の始動入賞が発生すれば、その時点で外端信号出力回数記憶部に加算が行われ、外端信号出力回数記憶部を利用した始動入賞の発生回数の記憶が行われる。
本実施例においては、図10に示す遊技進行割込み処理において、タイマ減算処理(S49)の実行順位は、始動口監視制御処理(S56)よりも先であり、このため外端出力バッファの書換えは、始動口監視制御処理(S56)で始動入賞が検出された遊技進行割込み処理の次の周期の遊技進行割込み処理において実行される。さらに、その次の(入賞発生から2割込み後の)周期の遊技進行割込み処理において、タイマ減算処理(S49)が実行され、図中の上から3段目のビット配列に示すように、外端出力バッファのタイマ情報記憶部に対する減算が行われる。そして、タイマ情報記憶部のビットa0の値が0となる。また、このときの判定ビットa7の値は1であるため、外端出力はオンの状態を継続している。
このような外端出力バッファに対する操作が、遊技進行割込み処理の実行周期である4ms毎に繰り返され、遊技進行割込み処理毎に、前述のビット更新手段335を用いて、タイマ情報記憶部の値が順次減算される。そして、判定ビットa7に1が設定されてから、512msが経過する128回目の割込み処理のときに、タイマ情報記憶部の判定ビットa7を除いたビットa0〜a6の値が全て0となる。このときの判定ビットa7の値は1であるため、外端出力は未だオンの状態を継続している。
さらに、この次の周期(129割込み後)の遊技進行割込み処理において、タイマ情報記憶部の判定ビットa7に0がセットされ、判定ビットa7よりも下位のビットb0〜b6は全て1に書き換えられ、上述の1割込み後の場合と同様に、10進数の「128」に相当する値がセットされる。この際、外端出力が、判定ビットa7の値に基づき、オフの状態に変化する。そして、外端出力の状態をオフとしたまま、遊技進行割込み処理が繰返される毎にタイマ情報記憶部の値が順次1ずつ減算され、始動入賞発生後から1024msが経過する256割込み後の遊技進行割込み処理において、タイマ情報記憶部の値が0となる。
この際、後続の始動入賞が発生していなければ、判定ビットa7の値は0のままであり、外端出力はオフの状態を継続する。一方、1回又はそれ以上の後続の始動入賞が発生してれば、減算手段338による減算の結果、外端信号出力回数記憶部のビットb1にあった1が、状態検出ビットb0にシフトされる。さらに、その次の遊技進行割込み処理において、タイマ情報記憶部の全てのビットa0〜a7の値が1とされ(図12(c)中の上から2段目以降のビット配列を参照)、外端出力の状態がオフからオンに変化する。そして、その後は前述のように遊技進行割込み処理毎のタイマ減算処理(S49)により、タイマ情報記憶部に始動入賞の発生を示す全てデータがなくなるまで、512ms毎に外端出力のオン状態とオフ状態とが交互に繰返される。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したように本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、遊技中における所定の状態の発生を示す外端信号の出力にあたり、複数ビットから構成された外端出力バッファに、タイマ情報に係る判定ビットと、所定状態の発生に係り判定ビットより1つ上位の状態検出ビットとが設けられている。さらに、1割込み毎に外端出力バッファのうちタイマ情報に係る最下位ビットが減算され、判定ビットの状態に応じて、外端信号のオン状態とオフ状態とが切り換えられる。そして、外端出力のうち、未出力分の情報個数(状態発生回数)と、出力タイマとを、1つのデータ(外端出力バッファのデータ)の上位ビットと下位ビットとに位置付け、モジュール化された汎用の減算処理(タイマ減算処理)のみにより、未出力分の情報個数と出力タイマとに係る制御が併せて実行される。
したがって、所定バイト数(例えば2バイト)の一つの外端出力バッファに対し減算処理を行うことで、状態発生情報と、タイマ情報の双方を変化させて外端信号のオン状態とオフ状態とを確保することができる。そして、未出力分の情報個数と出力タイマとに係る制御を、例えば別々の制御モジュールに分け別制御とすることなどは必要なく、処理を簡素化することが可能となる。
つまり、外端信号のオン,オフ波形の形成のための制御処理と、出力タイマの計時のための制御処理とをまとめてタイマ減算処理により実行することが可能であり、例えば両方の制御処理を個別な制御処理モジュールにより行う場合に比べて、外端信号の生成のための制御処理を簡素化することが可能となる。また、2バイトのデータに対するタイマ減算により外端信号の出力と、出力タイマの計時との双方に係る処理を行っているので、このことによっても外端信号の生成のための制御処理を簡素化できる。
さらに、判定ビットa7と状態検出ビットb0とを、判定ビットa7を下位として隣り合わせているので、2バイトデータに対する連続した減算処理により、タイマ情報記憶部(タイマ部分)と外端信号出力回数記憶部とを外端出力バッファ上で併せて取り扱うことが可能となる。そして、これらのことによって、メイン基板102のCPU501の制御処理負担を軽減でき、メイン基板102の性能向上のための余地を拡大することが可能となる。
なお、本実施例では、外端信号のオン,オフの間隔を512msとし、遊技進行割込み処理の周期を4msとしているが、これに限定されず、例えばこれらの時間を実施例で説明したよりも短く、或いは長く設定してもよい。そして、これらの時間の相関により、タイマ情報記憶部の必要なビット数を変更することも可能である。また、外端出力バッファを2バイト構成よりも、少ないバイト数、或いは大きいバイト数とすることも可能である。
さらに、本実施例では、外端出力バッファの下位8ビットa0〜a7をタイマ情報記憶部としているが、これに限らず、例えば判定ビットa7よりも下位のビットa0〜a6をタイマ情報記憶部として規定してもよい。さらに、例えば、ビットa0〜a7に状態検出ビットb0を合せてタイマ情報記憶部と規定することも可能である。また、本実施例では、始動入賞の発生を示す外端出力が、第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の区別をしないものとなっているが、これに限らず、第1始動入賞口62に係る始動入賞を表す外端出力と、第2始動入賞口63に係る始動入賞を表す外端出力とを別々に行ってもよい。さらに、本実施例では、タイマ減算処理(図10のS49)が、上位バイト又は下位バイトの値が0でない場合は減算を行うという機能を有するものであるが、これに限らず、上位バイトと下位バイトとの区別を行わずに、16ビットの情報に対して連続して減算を行うものであってもよい。
なお、本発明は、上述の実施例に限らず、種々に変更することが可能である。例えば、演出図柄表示装置60として、複数の液晶表示器等を用いたものを採用してもよい。この場合、複数の表示器の配置として、互いに隣接させるもの、離間して配置するもの、一方を相対的に大型の表示器とし、他方を相対的に小型の表示器としたもの、少なくとも一つを通常は隠しておき演出内容に応じて出現させるもの、などを挙げることができる。さらに、例えば、装飾図柄190a〜190bの表示を一方の表示器で行い、他方の表示器に第1保留数表示部196及び第2保留数表示部197や、信号機198などを付帯的に表示するもの、複数の画面間で表示対象(キャラクタ、装飾図柄、保留数表示部、など)を移動させるもの、なども採用が可能である。
また、大当りの判定で大当りと判定された場合に、大当り図柄、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、各種開始デモ開始時間、各種終了デモ時間、特別電動役物の作動パターンなどを決定し、その結果の参照は、全て纏めてではなく、これらの情報を必要とする各種制御処理中で個々に必要に応じたタイミングに分けて行うことが可能である。
また、特別遊技の開始後に、例えば遊技球が特定の領域を通過したことを契機に、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、特別電動役物の作動パターンなどのうちの少なくとも何れか一つを決定するタイプ(「球確スペック」などともいう)のぱちんこ遊技機においては、例えば大当り終了デモの所要時間を、確変か非確変(通常)かといった遊技状態に応じて異ならせておき、大当りと判定された場合に、大当り終了デモ開始時に、決定された遊技状態に応じた時間で、大当り終了デモを実行することが可能である。
また、本実施例では、大当り中、或いは、小当り中以外であること、第1特別図柄192(又は、第2特別図柄193)が変動待機中であること、及び、変動開始対象となる特別図柄の作動保留球数が0以外であること、が変動開始の条件とされており、更に、第2始動入賞口63を用いる第2の遊技が第1の遊技に優先されている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、第1の遊技を優先する構成や、何れかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化する構成なども採用が可能である。このうち、後者の入賞順に図柄変動を行うタイプのものにおいては、上述の各変動開始条件に加えて、例えば当否判定の順序と消化順序(入賞順)と一致していることを確認し、一致していることが確認できたことを変動開始条件の一つとすることが可能である。
さらに、上述のように第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動を入賞順に行うタイプにおいては、一方の遊技が当せんしている場合には、他方の遊技の当否判定を行わないようにすることも可能である。ここで、他方の遊技の当否判定を行わない態様としては、先の当せんした遊技の大当り(小当りであってもよい)の遊技が終わるまでは、後の遊技の当否判定を行わない態様や、後の遊技の始動入賞を例えば当否判定については無効にする態様、などが考えられる。すなわち、これらの各種態様のように、複数の始動口を用いた場合の遊技の内容等の事情に応じて、図柄の変動開始の条件を適正に設定することが可能である。
また、前述の条件装置の作動終了後の遊技状態の記憶の順序について、適正な態様を設定することが可能である。例えば、特別図柄の確率変動、開放延長機能等、特別電動役物の開放パターン、変動パターンの選択状態(限定変動パターンを含む)、開始デモ及び終了デモの時間の順に設定することが可能である。
また、本実施例では、待機デモ(客待ちデモ)の表示要求をメイン基板102で行い、メイン基板102からサブメイン基板301へ客待ちデモコマンドを送信しているが、このコマンド送信に関する具体的態様として、大当り終了時(終了デモ終了時)、或いは、特別図柄の変動停止時、といった所定のタイミングでタイマをセットして計時を行い、特別図柄の変動待機中はタイマを減算し、タイマ値が0になった際に、待機デモのコマンド送信を行うことが考えられる。さらに、特別図柄の保留記憶がない場合に限り、待機デモのコマンドをサブメイン基板301へ送信するようにしてもよい。このように、待機デモのコマンド送信に関して、大当り終了や図柄の変動停止を計時の基準としたり、保留球数によって、コマンド送信の有無を変更することが可能である。
また、本実施例では、内蔵乱数にソフト乱数を加算した値を大当り判定で使用する当否乱数として用いているが、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数の使用条件を遊技の状況に応じて定めることも可能である。例えば、始動口入賞があり、かつ、そのときの保留球数が最大値に達していないと判断した場合に、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数を当否判定に用い、そのときの保留球数が最大値に達している場合には、例えばソフト乱数のみ(或いは内蔵乱数のみ)を当否乱数として用いることが考えられる。なお、本実施例では、取得された各種乱数の記憶は、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数について行われているが、本発明はこれに限定されず、例えば、先読み演出機能の有無などによる必要性に応じ、変動パターン乱数の記憶を行わない構成とすることなども可能である。
また、第1の遊技と第2の遊技における始動入賞に係る制御処理を例に挙げれば、別の遊技であることに基づく制御内容の違いはあるものの、制御処理の基本構成は同様とすることができる。このため、本実施例では、制御プログラム上は、RWM503の使用記憶領域をオフセットして相違させるなどし、その他のプログラム内容は多くの部分を共通化することで、第1の遊技と第2の遊技の制御を行っている。このようにすることで、プログラムの記憶容量を少なくすることが可能である。しかし、これに限らず、全く別の処理として制御モジュールを分けて作成してもよい。このようにした場合には、制御処理の速度を向上させることができる。
また、本実施例では、第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動の優先順位を定めているため、特別図柄の作動状態の監視において、特別図柄(第1特別図柄192,又は、第2特別図柄193)が変動待機中であるか否かの確認を行っている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、後述するような第1の遊技及び第2の遊技の特別図柄の変動を、並列して同時に行えるようにしたタイプのぱちんこ遊技機の場合においては、第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動について、変動待機中であるか否かの確認を行う必要がなくなる。なお、この場合、第1の遊技及び第2の遊技の特別図柄が、互いに独立して変動できるよう、制御処理モジュールを分けて作成することが望ましい。
<封入式遊技機への適用>
また、本願発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば封入循環式のぱちんこ遊技機にも適用が可能である。封入循環式のぱちんこ遊技機としては以下のようなものを例示できる。なお、前述の実施例のぱちんこ遊技機10と同様の部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、封入循環式のぱちんこ遊技機は、内部に遊技媒体としての遊技球を封入しており、遊技者が発射ハンドル17を操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤50前面の遊技領域52に打込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域52の構成としては、前述のぱちんこ遊技機10のように遊技球を遊技者に引き渡すタイプのぱちんこ遊技機と同様の構成を採用できる。さらに、遊技球を遊技者に引き渡す必要がないことから、遊技球を一旦溜めるための上球皿15、下球皿16といった構成はなくてもよい。
遊技領域52で入賞した遊技球、及び入賞しなかった遊技球はセット基盤39に形成された球回収樋に案内され、揚送装置(図示略)により揚送される。揚送装置は、揚送モータにより回転する揚送用スクリューが内蔵されており、この揚送用スクリューが回転することによりパチンコ球(遊技球)が揚送される。揚送装置の背部には、揚送途中のパチンコ球と接触することによりそのパチンコ球を研磨する研磨部材が設けられており、パチンコ球は揚送されつつ、その表面が研磨される。
揚送装置の球入口側(下方側)及び球排出口側(上方側)には、遊技球の検出スイッチが設けられており、これら検出スイッチにより、揚送されるパチンコ球が検出される。揚送装置の球排出口の近傍には球発射装置が設けられており、揚送後の(上方側の)検出スイッチで検出された遊技球は、球送り装置により球発射装置に供給される。球送り装置は、遊技者が発射ハンドル17を操作して遊技球を1発打つ毎に次の遊技球を1つ打球発射位置に送り込む機能を有する。さらに、遊技球の循環経路途中に遊技球過不足検出スイッチが設けられ、循環経路内のパチンコ球が所定個数(たとえば50個)になっているか否かを検出する。
ぱちんこ遊技機の所定側の側方位置に該ぱちんこ遊技機に対して遊技用装置の一例のカードユニットが1対1に対応設置されている。この点は、前述のぱちんこ遊技機10と同様である。カードユニットは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持球数、あるいは貯球数等)を用いて対応するぱちんこ遊技機における封入球を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
このぱちんこ遊技機においては、現在の持球数の管理は、カードユニット側においてぱちんこ遊技機側の遊技球数の変動を算出することにより行われている。ぱちんこ遊技機側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行なっているが、その遊技球数はぱちんこ遊技機側において遊技球数が0となったときにぱちんこ遊技機自ら打球発射を迅速に停止させる制御を行なうためだけに用いられる副次的なものである。このようにすることにより、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に関する主管理機能をカードユニット側に持たせてぱちんこ遊技機側のコストを抑えることにより、封入式遊技機を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができる。
ぱちんこ遊技機とCUとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときには、ぱちんこ遊技機側の払出制御基板は、メイン基板からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、払出制御基板自身が記憶している払出チップIDをカードユニット側へ送信する。カードユニット側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット側とぱちんこ遊技機側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信され、ぱちんこ遊技機側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
それ以降の電源投入時においては、ぱちんこ遊技機側からカードユニット側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
カードユニット側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じぱちんこ遊技機が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット側とぱちんこ遊技機側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信されてその新たな接続時刻データをぱちんこ遊技機側において記憶することとなる。
カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、ぱちんこ遊技機に対してメインチップID等の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対してはメインチップID等が送信される。さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して認証が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、カードユニットからの認証要求の受理の通知が行われる。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、ぱちんこ遊技機で保持しているリカバリ情報が送信される。続いて、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、ぱちんこ遊技機に対して接続状態であることが通知され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、接続状態であることが通知される。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの要求がされ、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの終了が通知される。
さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、各種(遊技動作)が指示され、遊技台情報(加減算データ等)の送信が要求される。カードユニットはこのコマンドを使用して、遊技台の状態を定期的に確認する。ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、遊技動作指示の実行結果および遊技台情報(加減算データ等)が通知される。カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、通信コネクションの接合を要求するコマンドが送信される。
また、ぱちんこ遊技機で遊技をしている最中に遊技球がなくなったことが検知された場合には、払出制御基板は自動的に打球発射モータの駆動を停止させて球を遊技領域に打込めない遊技禁止状態に制御する。なお、打球発射が停止するのみで、その段階で既に可変表示装置が可変表示中であった場合にはその可変表示を続行する。また発射停止制御を行なった段階で第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の保留球数の記憶がある場合には、その記憶に基づいた可変表示装置の可変表示制御が続行される。
遊技球数の主たる管理はカードユニットで行なわれているが、ぱちんこ遊技機において遊技球数が0になったことに伴う遊技禁止制御(発射停止制御)を行なうときにのみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数が0になったことを判定して遊技禁止制御(発射停止制御)を行なう。その後、動作応答として、最終的な球関連情報をカードユニットに送信して最終的な遊技球数「0」をカードユニット側において確定させる。このように制御する理由は、ぱちんこ遊技機側において遊技球数が0になった瞬間に打球発射停止制御を行なう必要があるためである。
たとえば、遊技球数の主たる管理を行なっているカードユニット側において、ぱちんこ遊技機側から送られてくる遊技球数=0になったときの加算球数および減算球数を含む動作応答のレスポンスの受信を待って、カードユニット側において最終的な遊技球数を算出してそれが0となることにより、遊技を禁止させるための禁止要求有の動作指示のコマンドをぱちんこ遊技機側へ送信し、それを受けて初めてぱちんこ遊技機側において打球発射停止制御を行なった場合には、レスポンスおよびコマンドの送受信の間に、パチンコ球が弾発発射されてその間に新たな減算球数が発生する可能性があり、ぱちんこ遊技機側において、遊技球数が既に「0」になっているにも拘らず新たな減算球数が発生して結局遊技球数がマイナスになってしまうという不都合が生じる。このような不都合を防止するため、遊技球数が0になったときの打球発射停止制御のみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に基づいて制御している。
このように、打球発射停止制御に代表されるような遊技制御は、ぱちんこ遊技機自身が記憶している遊技球数に基づいて行なうために、カードユニットで管理記憶している遊技球数に基づいてこのような遊技制御を行なう場合に比較して、遊技球数の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
なお、ここでは、打球発射停止制御を払出制御基板が行なう例を示しているが、メイン基板が打球発射停止制御を行なうように構成してもよい。この場合、たとえば、払出制御基板は、遊技球数0を判定した段階で遊技球数が0であることを示す信号をメイン基板へ送信する。メイン基板は、この信号を受けて、発射モータの駆動を禁止する。
カードユニットによるこのような遊技禁止の処理は、前枠12や扉14の開放があった時や、各種カードの返却操作が遊技者によって行われたときにも実行される。なお、ぱちんこ遊技機は、禁止拒否の応答が可能となっており、異常等の何らかの事情によりカードユニットの指示に従えず、例えば前枠12や扉14の開放ができないといった状況の場合には、この禁止拒否の応答をカードユニットへ送信する。なお、遊技禁止には、発射モータの駆動の禁止のみでなく、その他の遊技事項、例えば球貸なども含まれている。
また、このような封入循環式のぱちんこ遊技機においては、球貸を所定金額(例えば500円分や1000円分)ごとに行わず、投入金額(例えば10000円)分の球貸を纏めておこなうことも可能である。遊技者への遊技球の引き渡しを必要としないので、このような球貸形態への適応は容易に行うことができる。
なお、本願発明においては、カードユニットを添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機として包括的に把握することが可能である。
<スロットマシンへの適用>
また、前述の各実施形態では、ぱちんこ遊技機についてのみ説明しているが、回胴式遊技機(スロットマシン)についても適用することが可能である。そして、スロットマシンとしては、以下のようなものを例示することができる。
すなわち、スロットマシンには、遊技の進行を司る主遊技制御手段としてのメイン基板、演出の実行を司る副遊技制御手段としてのサブ基板(サブメイン基板、サブサブ基板)、主遊技用識別情報を表示するための主遊技用識別情報表示手段として複数の識別情報が夫々外周上に配置された複数列(例えば3列)のリールと、遊技者によって操作可能であって遊技開始を指示する主遊技開始指示手段としてのスタートレバーと、遊技者によって操作可能であって遊技進行を指示する主遊技進行指示手段としてのストップボタン、などが備えられている。
これらのうちメイン基板には、スタートレバーが操作されたことを契機として主遊技用乱数を取得する主遊技用乱数取得手段、主遊技用乱数取得手段が取得した乱数に基づき一又は複数の停止識別情報を暫定的に決定する主遊技用識別情報表示内容決定手段(例えば、小役や特別遊技に係る役物等の当選役を内部的に決定する表示内容決定手段)、主遊技用識別情報表示内容決定手段により暫定的に決定された一又は複数の停止識別情報とストップボタンの操作タイミングとに基づき、一の停止識別情報を主遊技用識別情報表示部であるリール上に確定表示するよう制御する主遊技用識別情報表示制御手段、主遊技用識別情報表示部であるリール上にて停止識別情報として所定態様が表示された場合、特別遊技に移行させるよう制御する特別遊技実行制御手段、主遊技用乱数取得手段が取得した主遊技用乱数に関する情報を副遊技制御部側に送信する主遊技側情報送信制御手段、等を有している。
また、これらのうち主遊技用識別情報表示内容決定手段としては、例えば、小役や特別遊技に係る役物等の当選役を内部的に決定する表示内容決定手段が挙げられる。また、主遊技用識別情報表示制御手段としては、例えば、内部的に決定された当選役とストップボタンが押圧されたタイミングとに基づき、所定の位置でリールを停止するリール制御手段が挙げられる。さらに、特別遊技実行制御手段としては、例えば、「777等」が所定の有効ライン上に並んだことを契機として、特別役物を作動させる特別役物作動手段が挙げられる。
このようなスロットマシンにおいては、スタートレバーが操作されたことを契機として、或いは、ストップボタンが操作されたことを契機として、副遊技制御部において演出の実行可否や演出パターンが決定される。また、スロットマシンにおいては抽選によりボタン演出が実行され、ボタン演出が実行される場合には、筐体の所定位置に設けられた操作ボタン(副遊技操作手段)の操作を遊技者に促すための促進演出が実行される。そして、上述の演出パターンの決定にあたり、各実施形態に係る構成を適用することができる。