JP6220685B2 - ガス化バーナ及び該ガス化バーナを備えた二段ガス化炉 - Google Patents

ガス化バーナ及び該ガス化バーナを備えた二段ガス化炉 Download PDF

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Description

本発明は、石炭等の微粉固体燃料をガス化するガス化炉に関するものであり、微粉固体燃料及び酸化剤を炉内に供給するためのバーナ構造に係るものである。
石炭等の微粉固体燃料をガス化する方式には、固定層、流動層、気流層等の各方式が知られている。例えば、気流層石炭ガス化法は微粉砕された石炭を該石炭に含まれる灰の溶融温度以上に保持された高温のガス化炉内に酸素、空気等の酸化剤とともに供給し、可燃分を一酸化炭素及び水素を主成分とするガスに変換するとともに、灰を有害成分のないスラグに変換する技術である。かかる気流層石炭ガス化法は高効率で環境保全性に優れ、適用可能な原料種が多い等の優れた特徴を有しており、石炭ガス化複合発電システムや石炭ガス化燃料電池複合発電システム等の次世代火力発電システム、石炭液化や化学原料等に用いる水素製造システムでの活用が期待されている。特許文献1及び2には、気流層石炭ガス化法により高効率なガス化を実施可能とするガス化炉の構成例が開示されている。
ここで、気流層石炭ガス化法に従来から用いられる一般的なガス化炉の概略構成について説明する。ガス化炉は軸線を上下方向にして配置された圧力容器を炉の本体とし、該圧力容器内に下方から順にクエンチ部、ガス化部、熱回収部を備える。クエンチ部とその上方に配置されたガス化部の間にはスラグタップが設けられている。石炭は微粉砕機により微粉砕された後、窒素等の不活性ガスを利用して気流搬送され、ガス化部に上下二段に配置されたガス化バーナに送られる。ガス化バーナに送られた石炭は、別途ガス化バーナに供給される酸素、空気等の酸化剤とともに高温のガス化部内へそれぞれ噴き込まれる。上下二段に配置されたガス化バーナは、ガス化部内の仮想円(ガス化バーナから噴出された石炭及び酸化剤の噴流が旋回する円)に接するようにそれぞれ複数個設置されており、ガス化部内において反応時間を十分確保するための旋回流を形成するようになっている。なお、ガス化部内の仮想円径(ガス化バーナから噴出された石炭及び酸化剤の混合噴流が旋回する円の直径に相当)は炉の上下段それぞれで異ならせており、一般的には下段よりも上段における仮想円径を大きくしてガス化炉内で旋回下降流が形成される構成としている。
ガス化部の下段に配置されたガス化バーナは、比較的多くの酸化剤を炉に供給して灰分の溶融温度以上の炉内温度を維持させる。したがって、石炭中の灰分は溶融スラグとなり、ガス化部の底部、すなわちガス化部とクエンチ部の間に設置されたスラグタップを通ってクエンチ部へ流下する。クエンチ部にはクエンチ水が貯められており、スラグタップを経て流下した溶融スラグはクエンチ水に落下して水砕され、クエンチ部に接続された配管より炉外へ排出される。
一方、ガス化部の上段に配置されたガス化バーナは、比較的少量の酸化剤を炉に供給してガス化反応に対して活性なチャーを発生させ、石炭中の可燃分を一酸化炭素及び水素に富むガスに変換させる。
ガス化によって生成されたガスは、ガス化部の上方に設けられた熱回収部を通って圧力容器の上端部に接続された生成ガス出口ラインへ送られ、チャー回収装置、ガス精製装置等により該ガス中の固形物及び硫黄化合物が除かれた後、例えばガスタービン等に送られて発電に利用される。
このような石炭ガス化システムのガス化炉内は高温に維持されているため、一般的にガス化バーナは、石炭等の微粉固体燃料を気流搬送する内筒の外周に酸化剤供給筒を配し、さらにこれらの外周に冷却水を内部に通流する外筒を同心円状に配する多重構造が採用されており、これによりバーナ先端部の温度上昇を防止している。
特開昭62−32185号公報 特開平8−283750号公報
ところで、上述したような二段ガス化炉(上下二段にガス化バーナが配置されたガス化炉)において上段のガス化バーナの仮想円径を下段よりも大きくした場合、上段のガス化バーナは該ガス化炉の側壁に近接して位置付けられることとなる。上段に配置されるガス化バーナは比較的少量の酸化剤をガス化炉に供給しているものの、バーナ先端部近傍には石炭と酸化剤、あるいは周囲の可燃性ガスと酸化剤との反応により高温領域が形成される。
このため、かかるガス化バーナの先端部近傍に形成される高温領域が過度に大きくなると炉壁の損傷を引き起こすこととなり、安定したガス化運転を行うことができなくなる。このような事態への対応策として、上段の仮想円径を小さくするようにガス化バーナを配置し、該バーナと炉壁との距離を確保することが考えられるが、この場合、上下段の旋回流の強さの均衡が崩れてガス化反応を進行させるのに十分な滞留時間が確保できなくなり、ガス化効率の低下を引き起こす。これとは別の方策として、ガス化バーナの本数を増加して一本あたりの石炭供給負荷を低くすることにより、バーナ先端部近傍に形成される局所的な高温領域を小さくすることも考えられるが、この場合、石炭供給系統を含めた機器及びその制御方法も複雑となり、コスト増を招きやすい。
またガス化バーナ自体の構造に着目し、石炭と酸化剤の混合を促進して吸熱反応である固体チャーのガス化反応を進行させることで高温領域の縮小を図る方策も考えられる。例えば、石炭噴流に向かって酸化剤噴流を衝突させるような設定角度(向心角)θや石炭噴流に対して酸化剤噴流を旋回させるような設定角度(旋回角)αで酸化剤を噴出することで、石炭と酸化剤の混合を促進させる。かかる方策に関し、特許文献1には向心角θ、特許文献2には旋回角αをそれぞれ設定したガス化バーナの構成が開示されている。しかしながら、バーナ先端部近傍に形成される高温領域を効果的に縮小させるべく、いかなる角度範囲で向心角θ及び旋回角αを設定すべきかについて十分な検討はなされておらず、これを明らかにすることが望まれている。
本発明はこれを踏まえてなされたものであり、その解決しようとする課題は、比較的簡易な構造でコスト増を抑えつつ、ガス化炉側壁の損傷を防止することが可能なガス化バーナ及び該バーナを備えた二段ガス化炉を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、気流搬送される炭素と水素を含む微粉固体燃料が噴出される燃料噴出ノズルと、前記燃料噴出ノズルの外周側に配置されて酸化剤が噴出される複数の酸化剤供給孔とを備えてなるノズルチップを有し、前記微粉固体燃料の可燃分をガス化するガス化炉に用いられるガス化バーナであって、前記酸化剤供給孔は、該酸化剤供給孔の中心線が前記燃料噴出ノズルの中心線側に向けて設定角度θで傾斜して形成され、かつ前記酸化剤供給孔の中心線が該酸化剤供給孔の先端中心と前記燃料噴出ノズルの中心線とを含む平面に対して同一方向に設定角度αで傾斜して形成されてなり、前記設定角度αは、該設定角度αで前記酸化剤供給孔の中心線を前記平面に対して傾斜させた場合に前記燃料噴出ノズルの先端部近傍に形成される高温領域が、前記設定角度αを0°とした場合に形成される高温領域よりも狭小な範囲となる角度に設定されていることを特徴とする。
これによれば、酸化剤噴流を微粉固体燃料噴流に向かって効率よく旋回させながら衝突させることができる。この結果、ガス化バーナの先端近傍で微粉固体燃料と酸化剤との混合を促進して吸熱反応である固体チャーのガス化反応を進行させることができるから、かかる先端近傍の高温領域を縮小させることが可能となる。このような作用効果を奏するべく、設定角度αは0°より大きくかつ20°以下の範囲で選択し、設定角度θは10°以上かつ30°以下の範囲で選択することが好ましい。
本発明に係るガス化バーナは、例えばガス化バーナが上下二段に配置されてなる二段ガス化炉の上側に配置することができる。上段のガス化バーナの仮想円径を下段よりも大きくした二段ガス化炉において、上段に配置されたガス化バーナでの微粉固体燃料と酸化剤の供給量比を下段よりも低くすれば上段のガス化バーナ自体が炉内から受ける熱負荷は相対的に低くなるが、バーナ先端部近傍に形成される高温領域自体は炉壁に近くなる。したがって、本発明に係るガス化バーナを二段ガス化炉の上側に配置すれば、バーナ先端部近傍に形成される高温領域自体を縮小させることができる一方で、バーナ先端部の熱流束を増加させることができるから、かかるガス化炉の炉壁の損傷防止を図ることが可能となる。
本発明によれば、比較的簡易な構造でコスト増を抑えつつ、ガス化炉側壁の損傷を防止することが可能なガス化バーナ及び該バーナを備えた二段ガス化炉を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るガス化バーナの構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るガス化バーナの先端近傍に形成される高温領域の大きさに及ぼす酸化剤噴流の旋回角の影響の解析結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガス化バーナの先端部がガス化炉内から受ける熱流束に及ぼす酸化剤噴流の旋回角の影響の解析結果を示す図である。
以下、本発明のガス化バーナ及び該ガス化バーナを備えた二段ガス化炉について、添付図面を参照して説明する。本発明に係るガス化バーナを備えた二段ガス化炉は、炭素と水素を含有する微粉固体燃料をガス化するためのものであり、例えば気流層石炭ガス化装置を構成する部材の一つとして用いることが可能である。この場合、かかる二段ガス化炉はガス化バーナに特徴を有するものであり、ガス化バーナ以外の基本的な部材構成(例えばクエンチ部、ガス化部、熱回収部、スラグタップなど)は上述した従来の二段ガス化炉と同様であって構わない。
ガス化バーナは微粉固体燃料の可燃分をガス化するための部材であり、微粉固体燃料及び酸化剤を炉内に噴出して供給するべく、ガス化炉に上下二段に分かれてそれぞれ少なくとも一つずつ配置されている。本実施形態においてはガス化炉の上下二段に配置されるこれらのガス化バーナのうち、上段のガス化バーナを本発明の特徴構成を備えたものとしている。
図1には本実施形態に係るガス化バーナ1の構成を示しており、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のY軸平面での縦断面図である。図1に示すように、かかるガス化バーナ1は気流搬送される炭素と水素を含む微粉固体燃料が噴出される燃料噴出ノズル2と、燃料噴出ノズル2の外周側に配置されて酸化剤が噴出される複数の酸化剤供給孔3とを備えてなるノズルチップ4を有し、微粉固体燃料の可燃分をガス化するガス化炉に用いられる。本実施形態では石炭を微粉砕機(図示しない)で微粉砕して微粉固体燃料とし、かかる微粉炭を窒素等の不活性ガスにより気流搬送する場合を想定しているが、微粉固体燃料と該燃料の搬送気体の組み合わせはこれに限定されるものではない。また、酸化剤としては酸素や空気を想定するが、他のもので代用することも可能である。
燃料噴出ノズル2は、その中心線(以下、燃料噴出ノズル中心線という)L2がガス化バーナ1の軸心に沿った一定径の円管状に伸延しており、噴出口21がガス化炉内へ向けて開口している。酸化剤供給孔3は、燃料噴出ノズル2の外周側を包囲するように伸延する一つの酸化剤供給流路30から分岐する複数の分流路として形成されており、供給口31が噴出口21の外周側に同心円上に並んでガス化炉内へ向けて開口している。これにより、酸化剤供給流路30を通って搬送された酸化剤が分流口32から酸化剤供給孔3へ分流し、各供給口31からそれぞれガス化炉内に供給される。図1には酸化剤供給孔3を四つとした構成を一例として示しているが、複数であれば酸化剤供給孔の数は特に限定されない。いずれの孔数とした場合であっても、各供給口は噴出口21の外周側に等間隔で並べればよい。なお酸化剤供給流路の数も一つに限定されず、例えば複数の酸化剤供給流路を燃料噴出ノズル2の外周側に燃料噴出ノズル中心線L2に沿って形成し、各酸化剤供給流路と酸化剤供給孔を一つずつ連通させた構成とすることが可能である。また、酸化剤供給流路30の外周側には冷却水を通流する冷却水流路(冷却水管)5が設けられており、バーナ先端部へ冷却水を循環供給できるようになっている。
ノズルチップ4は、ガス化バーナ1の先端部(図1(b)においては左端部)に燃料噴出ノズル2及び酸化剤供給孔3と一体をなして設けられている。ノズルチップ4には、燃料噴出ノズル2の噴出口21及び酸化剤供給孔3の供給口31がそれぞれ形成されている。これに対し、ノズルチップ4には冷却水流路5の開口は形成されておらず、該冷却水流路5は隔壁41で隔てられた一方の流路(往路)を流れてガス化バーナ1の先端部へ向かう冷却水がノズルチップ4で反対側(バーナ基端部側)へ折り返して他方の流路(復路)に流入するようになっている。復路に入った冷却水はバーナ基端部で例えば熱交換により冷却された後、往路に流入して冷却水流路5を循環する。
このような構成をなすガス化バーナ1の特徴である燃料噴出ノズル2と酸化剤供給孔3の位置関係について詳述する。本実施形態において、酸化剤供給孔3は該酸化剤供給孔3の中心線(供給口31と流入口32の中心を結ぶ直線)L3が燃料噴出ノズル2の中心線L2側に向けて設定角度(以下、向心角という)θで傾斜して形成されている。向心角θは中心線L3と中心線L2の間の角度であり、具体的には中心線L3を中心線L2との平行状態に対して微粉固体燃料の噴出方向(図1(b)では左から右へ向かう方向)へ向けて前傾させている。これにより、燃料噴出ノズル2の噴出口21から噴出される微粉固体燃料(石炭噴流)に向かって酸化剤を供給口31から供給して衝突させること(酸化剤噴流に向心角θを付与すること)ができるようになっている。本実施形態においては、すべての酸化剤供給孔3を同一の向心角θで前傾させた構成としている。この場合、噴出口21から噴出される石炭噴流に向かって四つの供給口31を通して四方から酸化剤が噴出され、石炭噴流とそれぞれ衝突する。
また、酸化剤供給孔3は中心線L3が該酸化剤供給孔3の先端中心(つまり供給口31の中心)C3と燃料噴出ノズル2の中心線L2とを含む平面(例えば図1(a)のY軸平面やX軸平面などが相当する(以下、基準面という))に対して同一方向に設定角度(以下、旋回角という)αで傾斜して形成されている。別の捉え方をすれば、酸化剤供給孔3は燃料噴出ノズル2の中心線L2と直交して中心線L3を貫く軸(例えば図1(a)のY軸やX軸などが相当する(以下、回転軸という))周りに旋回角αだけ回転させることで、中心線L2に対して周方向へ傾斜した状態とされている。本実施形態においては、すべての酸化剤供給孔3を基準面に対して同一方向に同一の旋回角αだけ傾斜(回転軸周りの同一方向に同一の旋回角αだけ回転)させた構成としている。この場合、旋回角αは鋭角に設定され、微粉固体燃料の噴出流に向かって酸化剤を旋回させて供給すること(酸化剤噴流に旋回角αを付与すること)ができるようになっている。本実施形態においては、四つの供給口31から供給される酸化剤噴流が噴出口21から噴出される微粉固体燃料噴流(石炭噴流)に向かってそれぞれ旋回する。
すなわち本実施形態においては、酸化剤供給孔3に向心角θ及び旋回角αをそれぞれ付与することで、かかる酸化剤供給孔3の中心線L3と燃料噴出ノズル2の中心線L2を平行でもなく交差もしない所謂ねじれ状態に位置付けている。この場合、旋回角αは、該旋回角αで酸化剤供給孔3の中心線L3を基準面に対して傾斜させた場合に燃料噴出ノズル2の先端部近傍に形成される高温領域が、旋回角αを0°とした場合に形成される高温領域よりも狭小な範囲となる角度に設定されている。
以下、燃料噴出ノズル2の先端部近傍に形成される高温領域を上述のように縮小可能とする旋回角αの設定範囲について説明する。その前提として、本実施形態に係るガス化バーナ1を用いた微粉固体燃料及び酸化剤のガス化炉への供給についてまず説明する。微粉固体燃料である石炭は、窒素等の不活性ガスにより気流搬送され、ガス化バーナ1の中心部に位置する燃料噴出ノズル2を通ってノズルチップ4に形成された噴出口21からガス化炉内に噴出される。これに対し酸化剤である酸素や空気等は、酸化剤供給流路30を通って流入口32から酸化剤供給孔3に流入し、数十〜百数十m/s程度のガス流速で石炭噴流に向かって旋回しながら供給口31からガス化炉内に噴出される。ガス化炉内に噴出された石炭及び酸化剤は直ちに混合及び反応して燃料噴出ノズル2の先端部近傍(端的にはガス化バーナ1の先端近傍(以下適宜、バーナ先端部近傍という))に高温領域を形成するとともに、一酸化炭素(CO)及び水素(H)を多く含むガス化ガスに変換される。
このようにバーナ先端部近傍ではガス化炉内に非常に高温な領域が形成される。したがって、例えば特開昭60−173092号公報や特開2010−163499号公報に開示されるような二段ガス化炉では、上段に配置されるガス化バーナの先端近傍に形成される高温領域が過度に大きくなった場合にガス化炉の側壁の損傷を引き起こす可能性もある。
そこで、バーナ先端部近傍に形成される高温領域を縮小させるべく、ガス化バーナ1の酸化剤供給条件に関する検討を三次元熱流動解析により実施した。その結果、石炭噴流に酸化剤噴流を衝突させるように向心角θを付与するだけでなく、酸化剤噴流に旋回角αを付与して供給することによって石炭と酸化剤との混合が促進され、吸熱反応である固体チャーのガス化反応を進行させてバーナ先端部近傍に形成される高温領域を小さくできることを見出した。ただし、この高温領域の縮小効果に対しては、旋回角αの適正範囲があることも見出した。
図2には、ガス化バーナ1の先端近傍に形成される高温領域の大きさに及ぼす酸化剤噴流の旋回角αの影響の解析結果、すなわち旋回角αで酸化剤供給孔3の中心線L3を基準面に対して傾斜させた場合にバーナ先端部近傍に形成される高温領域の大きさを、中心線L3を基準面に対して傾斜させない場合に形成される高温領域との相対比で示している。具体的には、酸化剤噴流の向心角θを15°に固定するとともに旋回角αを0°として酸化剤を噴出した場合を基準とし、旋回角αを変化させた際の高温領域の変化度合いを示す。なおこの場合、数値解析による1800℃等温度線で高温領域の大きさを評価している。
図2に示すように、酸化剤噴流の旋回角αを徐々に大きくして酸化剤の旋回強さを増していくことにより、バーナ先端部近傍に形成される高温領域は小さくなることが明らかとなった。ただし、旋回角αを過度に大きくすると、高温領域は逆に拡大することも明らかとなった。旋回角αを過度に大きくすると高温領域が拡大する理由としては、酸化剤噴流がもはや石炭噴流に衝突しないような方向に噴出されてしまい、石炭と酸化剤との混合が促進されないためであると推測される。
これらを考慮し、本発明においてガス化バーナ1の先端部に形成される高温領域を縮小させる好適な旋回角αの設定範囲としては、バーナ先端部近傍に形成される高温領域が旋回角αを0°とした場合(石炭噴流に対して周方向に旋回成分をもたない場合)に形成される高温領域よりも小さくなる範囲、つまりバーナ先端部近傍に形成される高温領域の大きさの相対比が100%以下の範囲であればよい。図2に示す検討結果によれば、旋回角αは0°より大きく20°以下の範囲で選択すればよいということになる。この場合、四つの酸化剤供給孔3はその中心線L3を基準面に対して同一方向へ同一角度(0°<旋回角α≦20°)でそれぞれ傾斜させる。
上述したように、バーナ先端部近傍に形成される高温領域を縮小させるためには石炭噴流と酸化剤噴流との混合を促進することが有効である。その際、酸化剤供給孔3の中心線L3を燃料噴出ノズル2の中心線L2側に向けて向心角θで傾斜させて石炭噴流に酸化剤噴流を衝突させるように供給するとともに、中心線L3を基準面に対して同一方向に旋回角αで傾斜させて酸化剤噴流を旋回させるように供給することで、バーナ先端部近傍で石炭と酸化剤を良好に混合させることができる。この結果、吸熱反応である固体チャーのガス化反応が進行し、バーナ先端部近傍の高温領域を縮小させることができる。
その一方で、酸化剤の旋回噴流を強くし過ぎると、つまり旋回角αを大きくし過ぎると、石炭噴流と酸化剤噴流が衝突(干渉)しなくなり、固体チャーの良好なガス化が行われなくなるとともに、周囲の可燃性ガスと酸化剤とが燃焼反応を起こすこととなるため、バーナ先端部近傍の高温領域が大きくなってしまい逆効果となる。
適正な酸化剤噴流の旋回角αは向心角θによっても影響を受けるため、本実施形態では向心角θを10°以上かつ30°以下の範囲とし、旋回角αを10°以上かつ20°以下の範囲で設定することを最適数値範囲として想定している。かかる数値範囲は、図2と同様にバーナ先端部近傍に形成される高温領域の大きさの相対比をプロットして描画した場合、その曲線が下に凸となり、その極小値となる相対比が100%よりも小さくなるような向心角θ及び旋回角αの最適な組み合わせとして選択している。向心角θと旋回角αをこのような設定としたガス化バーナ1によれば、比較的簡易な構造でコスト増を抑えつつ、ガス化炉側壁の損傷を防止することができる。ひいては、比較的簡易な構造で側壁の損傷を防止できる二段ガス化炉をコスト増を抑えつつ構成することが可能となる。
ところで、ガス化バーナ1に対しては上述したようなバーナ先端部近傍に形成される高温領域の拡大による炉壁損傷だけでなく、バーナ自体がガス化炉内から非常に高い熱負荷を受けることによる損傷について考慮する必要がある。そこでさらに検討を重ね、ガス化バーナ1の先端部(端面)がガス化炉内から受ける熱流束と酸化剤供給条件との関連を三次元熱流動解析により評価した。
図3にはガス化バーナ1の先端部(端面)がガス化炉内から受ける熱流束に及ぼす酸化剤噴流の旋回角αの影響の解析結果、すなわち旋回角αで酸化剤供給孔3の中心線L3を基準面に対して傾斜させた場合に燃料噴出ノズル2の先端部が受ける熱流束を、中心線L3を基準面に対して傾斜させない場合に受ける熱流束との相対比で示している。具体的には、酸化剤噴流の向心角θを15°に固定するとともに旋回角αを0°として酸化剤を噴出した場合を基準とし、旋回角αを変化させた際の熱流束の変化度合いを示す。
図3に示すように、酸化剤噴流の旋回角αを徐々に大きくして酸化剤の旋回強さを増していくことにより、バーナ先端部がガス化炉内から受ける熱流束は大きくなることが明らかとなった。これは、旋回角αの付与により石炭噴流と酸化剤噴流との混合が促進され、高温の反応場がバーナ先端部により近づいたためと推測される。すなわち、石炭噴流と酸化剤噴流との混合を促進させることに対して、高温領域の縮小とバーナ先端部が受ける熱流束の低減とを同時に達成することは困難であるということを示している。
このため、本実施形態に係る二段ガス化炉(例えば特開昭60−173092号公報や特開2010−163499号公報に開示されるような二段ガス化炉と同様の基本的構成部材を備えたガス化炉)では、以下に示す理由により本実施形態に係るガス化バーナ1を上段部のみに配置することが好ましい。すなわち、高いガス化効率が達成できる二段ガス化炉の場合、下段部ではガス化バーナの仮想円径を炉径に対して0.25〜0.4の範囲で設定し、酸化剤と石炭の供給量比を高く設定して炉内を灰の溶融温度以上の高温に維持するため、バーナ自体が炉内から受ける熱負荷は非常に高い。その一方で、バーナ先端部近傍に形成される局所的な高温領域自体は炉壁から遠いため、バーナ噴流による炉壁の損傷は発生し難い。したがって、旋回角αの設定値によってはバーナ先端部近傍に形成される高温領域が小さくなる一方でバーナ先端部の熱流束が増加するガス化バーナ1を、このようなガス化炉下段部に配置することは好ましくない。
これに対し、ガス化炉の上段部ではガス化バーナの仮想円径を炉径に対して0.7〜0.8の範囲で設定し、酸化剤と石炭の供給量比を低く設定して運用されるため、バーナ自体が炉内から受ける熱負荷は低いが、バーナ先端部近傍に形成される局所的な高温領域自体が炉壁に近い。したがって、旋回角αを最適設定範囲とすればバーナ先端部近傍に形成される高温領域が小さくなる一方でバーナ先端部が受ける熱流束が増加するガス化バーナ1を適用するのに非常に好適な環境であるといえる。
以上、本発明を図1〜図3に示す一実施形態に基づいて説明したが、上述した実施形態は本発明の例示に過ぎないものであり、本発明は上述した実施形態の構成のみに限定されるものではない。したがって、本発明の要旨の範囲で変形又は変更された形態で実施することが可能であることは、当業者にあっては明白なことであり、そのような変形又は変更された形態が本願の特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1 ガス化バーナ
2 燃料噴出ノズル
3 酸化剤供給孔
4 ノズルチップ
5 冷却水流路
21 噴出口
30 酸化剤供給流路
31 供給口
32 流入口
C3 酸化剤供給孔の先端中心(供給口の中心)
L2 燃料噴出ノズルの中心線
L3 酸化剤供給孔の中心線
θ 向心角
α 旋回角

Claims (4)

  1. 気流搬送される炭素と水素を含む微粉固体燃料が噴出される燃料噴出ノズルと、前記燃料噴出ノズルの外周側に配置されて酸化剤が噴出される複数の酸化剤供給孔とを備えてなるノズルチップを有し、前記微粉固体燃料の可燃分をガス化するガス化炉に用いられるガス化バーナであって、
    前記酸化剤供給孔は、該酸化剤供給孔の中心線が前記燃料噴出ノズルの中心線側に向けて設定角度θで傾斜して形成され、かつ前記酸化剤供給孔の中心線が該酸化剤供給孔の先端中心と前記燃料噴出ノズルの中心線とを含む平面に対して同一方向に設定角度αで傾斜して形成されてなり、
    前記設定角度αは、該設定角度αで前記酸化剤供給孔の中心線を前記平面に対して傾斜させた場合に前記燃料噴出ノズルの先端部近傍に形成される高温領域が、前記設定角度αを0°とした場合に形成される高温領域よりも狭小な範囲となる角度に設定されていることを特徴とするガス化バーナ。
  2. 前記設定角度αは、0°より大きくかつ20°以下の範囲で選択されることを特徴とする請求項1に記載のガス化バーナ。
  3. 前記設定角度θは、10°以上かつ30°以下の範囲で選択されることを特徴とする請求項2に記載のガス化バーナ。
  4. 気流搬送される炭素と水素を含む微粉固体燃料が噴出される燃料噴出ノズルと、前記燃料噴出ノズルの外周側に配置されて酸化剤が噴出される複数の酸化剤供給孔とを備えてなるノズルチップを有し、前記微粉固体燃料の可燃分をガス化するガス化バーナが上下二段に配置されてなる二段ガス化炉であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載のガス化バーナが上段に配置されていることを特徴とする二段ガス化炉。
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